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特許7355238文字入力補助装置、文字入力補助方法、および、文字入力補助プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】文字入力補助装置、文字入力補助方法、および、文字入力補助プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9538 20190101AFI20230926BHJP
   G06F 16/338 20190101ALI20230926BHJP
   G06F 40/274 20200101ALI20230926BHJP
【FI】
G06F16/9538
G06F16/338
G06F40/274
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022526876
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2021018223
(87)【国際公開番号】W WO2021241253
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2020091879
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲也
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-025441(JP,A)
【文献】特開2013-196435(JP,A)
【文献】特開2017-117021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 40/20-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1文字列が入力される入力部と、
前記第1文字列で辞書を検索し、この第1文字列に対応する第2文字列を取得する第1検索部と、
前記第1文字列を基にした検索文字列でウェブ検索を行い、検索結果から抽出したキーワードを第3文字列として取得する第2検索部と、
前記第1検索部、または前記第2検索部の選択を受け付け、前記第1検索部が選択された場合、前記第1検索部に前記辞書の検索を行わせ、前記第2検索部が選択された場合、前記第2検索部に前記ウェブ検索を行わせる検索切替部と、
前記第1検索部が選択された場合、前記第1検索部が取得した前記第2文字列を出力し、前記第2検索部が選択された場合、前記第2検索部が取得した前記第3文字列を出力する出力部と、を備えた文字入力補助装置。
【請求項2】
前記検索切替部は、前記第1検索部が選択された場合、前記第2検索部に前記ウェブ検索を行わせず、前記第2検索部が選択された場合、前記第1検索部に前記辞書の検索を行わせない、請求項1に記載の文字入力補助装置。
【請求項3】
前記第2検索部は、前記ウェブ検索で検索されたウェブサイトのページのタイトルを検索結果として取得する、請求項1、または2に記載の文字入力補助装置。
【請求項4】
前記第2検索部は、前記ウェブ検索で検索されたウェブサイトのページのタイトル、および見出しを検索結果として取得する、請求項1、または2に記載の文字入力補助装置。
【請求項5】
前記第2検索部は、前記ウェブ検索の検索結果に対して形態素解析を行い、キーワードを抽出する、請求項1~4のいずれかに記載の文字入力補助装置。
【請求項6】
前記第2検索部は、前記ウェブ検索の検索結果から抽出したキーワード毎に出現頻度を検出し、検出した出現頻度に基づいて、前記第3文字列として取得するキーワードを決定する、請求項1~5のいずれかに記載の文字入力補助装置。
【請求項7】
前記辞書は、かな文字列と、変換文字列とを対応付けて登録したデータベースであり、
前記第1文字列は、かな文字列であり、
前記第1検索部は、前記辞書を検索し、入力された前記第1文字列に対して、前方一致であるかな文字列に対応付けられている変換文字列を、前記第2文字列として取得する、請求項1~6のいずれかに記載の文字入力補助装置。
【請求項8】
前記第1検索部は、前記辞書を検索し、入力された前記第1文字列に対して、前方一致である文字列を、前記第2文字列として取得する、請求項1~6のいずれかに記載の文字入力補助装置。
【請求項9】
前記検索文字列は、前記第1文字列である、請求項1~8のいずれかに記載の文字入力補助装置。
【請求項10】
前記検索文字列は、前記第1文字列を前記第2文字列に変換した文字列である、請求項1~8のいずれかに記載の文字入力補助装置。
【請求項11】
入力された第1文字列で辞書を検索し、この第1文字列に対応する第2文字列を取得する第1検索ステップと、
前記第1文字列を基にした検索文字列でウェブ検索を行い、検索結果から抽出したキーワードを第3文字列として取得する第2検索ステップと、
前記第1検索ステップ、または前記第2検索ステップの選択を受け付け、前記第1検索ステップが選択された場合、前記第1検索ステップに前記辞書の検索を行わせ、前記第2検索ステップが選択された場合、前記第2検索ステップに前記ウェブ検索を行わせる検索切替ステップと、
前記第1検索ステップが選択された場合、前記第1検索ステップで取得した前記第2文字列を出力し、前記第2検索ステップが選択された場合、前記第2検索ステップで取得した前記第3文字列を出力する出力ステップと、をコンピュータが実行する文字入力補助方法。
【請求項12】
入力された第1文字列で辞書を検索し、この第1文字列に対応する第2文字列を取得する第1検索ステップと、
前記第1文字列を基にした検索文字列でウェブ検索を行い、検索結果から抽出したキーワードを第3文字列として取得する第2検索ステップと、
前記第1検索ステップ、または前記第2検索ステップの選択を受け付け、前記第1検索ステップが選択された場合、前記第1検索ステップに前記辞書の検索を行わせ、前記第2検索ステップが選択された場合、前記第2検索ステップに前記ウェブ検索を行わせる検索切替ステップと、
前記第1検索ステップが選択された場合、前記第1検索ステップで取得した前記第2文字列を出力し、前記第2検索ステップが選択された場合、前記第2検索ステップで取得した前記第3文字列を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる文字入力補助プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが情報処理装置で文字を入力するのを補助する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが情報処理装置で文字を入力するのを補助する技術の1つとして予測変換機能があった。予測変換機能は、ユーザが入力しようとしている文字列(所望の文字列)を、この所望の文字列の入力にかかるユーザの操作が完了する前に予測し、それを予測変換候補としてユーザに提示する機能である。ユーザは、提示された予測変換候補の中に、所望の文字列があると、それを選択することで所望の文字列を入力できる。予測変換機能は、文字入力にかかるユーザの操作量を低減する。
【0003】
また、特許文献1には、ユーザの入力や視聴の傾向等に基づいて予測変換候補を取得する構成の装置が記載されている。この特許文献1は、テレビ番組表(EPG)のタイトルや詳細情報から抽出したキーワードを、連想文字列としてデータベースに登録する構成である。そして、特許文献1の装置は、ユーザによって入力された文字に基づいて、データベースから関連するキーワード(関連キーワード)を取得する。そして、この関連キーワードを、予測変換候補として出力する。すなわち、特許文献1に記載された装置は、ユーザの入力や視聴の傾向等に基づいて予め設定されたデータベースから予測変換候補を取得し、ユーザに提示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-031205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザが、入力したい言葉(所望の文字列)を思い出すことができない場合、予測変換機能では、ユーザに対して文字入力を補助することができない。予測変換機能は、ユーザが入力した文字列を基に予測変換候補を予測する。入力したい言葉を思い出すことができないユーザは、この言葉にかかる文字を入力できない。
【0006】
このように、従来の技術では、入力したい言葉を思い出すことができないユーザに対して文字入力を補助することができなかった。
【0007】
この発明の目的は、入力したい言葉(所望の文字列)を思い出すことができないユーザに対して文字入力を補助することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の文字入力補助装置は、上述の目的を達成するため、以下のように構成している。
【0009】
入力部には、第1文字列が入力される。第1文字列は、ユーザの入力操作によって入力された文字列である。ここで言う文字列は、1文字以上の文字であれば、何文字であってもよい。第1文字列は、発音表記(読み)にかかる文字列(例えば、日本語のかな、中国語のピンイン)である種類の言語もあれば、単語の文字列(スペル)である種類の言語(例えば、英語、ドイツ語)もある。
【0010】
第1検索部は、入力された第1文字列で辞書を検索し、この第1文字列に対応する第2文字列を取得する。第2文字列は、第1文字列の変換候補である。ここで言う変換候補には、予測変換候補が含まれる。
【0011】
第2検索部は、第1文字列を基にした検索文字列でウェブ検索を行い、検索結果から抽出したキーワードを第3文字列として取得する。
【0012】
検索切替部は、第1検索部、または第2検索部の選択を受け付ける。検索切替部は、第1検索部が選択された場合、第1検索部に辞書の検索を行わせる。また、検索切替部は、第2検索部が選択された場合、第2検索部にウェブ検索を行わせる。
【0013】
また、出力部は、第1検索部が選択された場合、第1検索部が取得した第2文字列を出力する。また、出力部は、第2検索部が選択された場合、第2検索部が取得した第3文字列を出力する。
【0014】
この構成によれば、ユーザは、入力したい言葉を思い出せない場合、第2検索部を選択し、その言葉を検索するための質問にかかる文字列を第1文字列として入力することで、入力したい言葉の候補(第3文字列)が提示される。したがって、入力したい言葉を思い出すことができないユーザに対して文字入力を補助することができる。
【0015】
また、ユーザは、入力したい言葉を思い出せている場合、第1検索部を選択し、その言葉にかかる文字列を第1文字列として入力することで、所望の文字入力を行える。したがって、文字入力にかかるユーザの操作性を低下させることがない。
【0016】
また、検索切替部は、例えば、第1検索部が選択された場合、第2検索部にウェブ検索を行わせず、第2検索部が選択された場合、第1検索部に前記辞書の検索を行わせない構成にしてもよい。このように構成すれば、第1文字列に対する不要な処理が行われるのを防止できる。
【0017】
また、第2検索部は、例えば、ウェブ検索で検索されたウェブサイトのページのタイトルを検索結果として取得してもよいし、ウェブサイトのページのタイトル、および見出しを検索結果として取得してもよい。
【0018】
また、第2検索部は、例えば、ウェブ検索の検索結果に対して形態素解析を行い、キーワードを抽出する構成にしてもよい。
【0019】
また、第2検索部は、例えば、ウェブ検索の検索結果から抽出したキーワード毎に出現頻度を検出し、検出した出現頻度に基づいて、第3文字列として取得するキーワードを決定してもよい。このように構成すれば、ユーザが思い出せない言葉を検索するために入力した質問に対して、解答として適正でない言葉をユーザに提示するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、入力したい言葉を思い出すことができないユーザに対して文字入力を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、この例の文字入力システムを示す図である。
図2図2は、この例の文字入力補助装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図3図3は、この例の文字入力装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図4図4は、辞書検索が選択されている場合における、文字入力装置の表示器に表示される操作画面を示す例である。
図5図5は、Web検索が選択されている場合における、文字入力装置の表示器に表示される操作画面を示す例である。
図6図6は、文字入力装置の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、文字入力補助装置の動作を示すフローチャートである。
図8図8(A)は、Web検索の検索結果として取得した各Webページのタイトルを示す図であり、図8(B)は、抽出したキーワードを示す図であり、図8(C)は、取得した入力候補を示す図である。
図9図9は、辞書検索が選択されている場合における、英語の文字入力装置の表示器に表示される操作画面を示す例である。
図10図10は、Web検索が選択されている場合における、英語の文字入力装置の表示器に表示される操作画面を示す例である。
図11図11は、変形例3の文字入力補助装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
<1.適用例>
図1は、この例の文字入力システムを示す図である。この例の文字入力システムは、文字入力補助装置1と、文字入力装置2と、ウェブ検索サーバ3(Web検索サーバ3)と、を備えている。文字入力補助装置1、文字入力装置2、およびウェブ検索サーバ3(Web検索サーバ3)は、インターネット等の通信ネットワーク100に接続されている。文字入力補助装置1、文字入力装置2、およびWeb検索サーバ3は、通信ネットワーク100を介してデータ通信を行える。
【0024】
文字入力装置2は、ユーザが操作する端末である。文字入力補助装置1は、文字入力装置2から入力された文字列(この発明で言う、第1文字列)に対応する候補を取得する処理を行い、取得した候補(この発明で言う、第2文字列、または第3文字列)を文字入力装置2に出力する。Web検索サーバ3は、文字入力補助装置1から入力された検索文字列でWeb検索を行い、検索結果を文字入力補助装置1に出力する。
【0025】
文字入力装置2は、ユーザが文字入力を行える情報処理装置であれば、どのような種類であってもよい。例えば、文字入力装置2は、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末等)であってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよい。ここでは、文字入力装置2が、スマートフォンである場合を例にして説明する。
【0026】
文字入力装置2は、ユーザの文字入力操作によって入力された文字列(この発明で言う、第1文字列)を文字入力補助装置1に出力する。文字入力装置2が出力した文字列は、通信ネットワーク100を介して文字入力補助装置1に入力(受信)される。また、文字入力装置2は、文字入力補助装置1に対して、辞書検索またはWeb検索を要求する選択要求を出力(送信)する。
【0027】
文字入力補助装置1は、ユーザの文字入力操作によって入力された文字列に対応する候補(変換候補、または入力候補)を文字入力装置2に出力(送信)する。変換候補が、この発明で言う第2文字列に相当する。入力候補が、この発明で言う第3文字列に相当する。ここでは、変換候補、および入力候補を総称する場合、単に候補と言う。
【0028】
文字入力補助装置1は、辞書検索により変換候補を取得する。また、文字入力補助装置1は、Web検索により入力候補を取得する。文字入力補助装置1は、文字入力装置2からの選択要求に応じて、入力された文字列に対応する候補の取得を、辞書検索で行うか、またはWeb検索で行うかを切り替える。文字入力補助装置1は、Web検索を行う場合、文字入力補助装置1入力された文字列を基にした検索文字列をWeb検索サーバ3に出力する。検索文字列は、文字入力装置2から入力された文字列であってもよいし、文字入力装置2から入力された文字列を変換した文字列であってもよい。
【0029】
Web検索サーバ3は、文字入力補助装置1から入力された検索文字列でWeb検索を行い、検索結果を文字入力補助装置1に出力する。
【0030】
文字入力補助装置1は、Web検索サーバ3におけるWeb検索の検索結果からキーワードを抽出する。文字入力補助装置1は、抽出したキーワードを入力候補として取得する。
【0031】
文字入力装置2は、文字入力補助装置1から入力された候補を表示する。文字入力装置2は、文字入力補助装置1から入力された候補のいずれかが選択されると、選択された候補を確定文字列にする。確定文字列とは、ユーザによって入力が確定された文字列である。
【0032】
この例では、ユーザは、文字入力したい言葉を思い出せている場合、その言葉の文字列を入力する操作を文字入力装置2で行うことによって、文字入力補助装置1から変換候補を取得できる。このとき、ユーザは、文字入力装置2において、辞書検索を選択する操作を行えばよい。
【0033】
また、ユーザは、文字入力したい言葉を思い出せない場合、その言葉を検索するための質問にかかる文字列を入力する操作を文字入力装置2で行うことによって、Web検索で得られた検索結果から取得されたキーワード(入力候補)を取得できる。このとき、ユーザは、文字入力装置2において、Web検索を選択する操作を行えばよい。
【0034】
したがって、この例の文字入力システムは、入力したい言葉を思い出すことができないユーザに対して文字入力を補助することができる。
【0035】
<2.構成例>
まず、日本語の文字入力システムを例にして説明する。図2は、文字入力補助装置の主要部の構成を示すブロック図である。文字入力補助装置1は、制御ユニット11と、通信部12と、辞書データベース13(辞書DB13)と、解析用データベース14(解析用DB14)とを備えている。
【0036】
制御ユニット11は、文字入力補助装置1本体各部の動作を制御する。また、制御ユニット11は、検索切替部11aと、第1検索部11bと、第2検索部11cとを有している。制御ユニット11が有する、検索切替部11a、第1検索部11b、および第2検索部11cについては後述する。
【0037】
通信部12は、受信部12a、および送信部12bを有する。通信部12は、文字入力補助装置1における通信ネットワーク100に対するインターフェース機能を有する。より具体的には、通信部12は、通信ネットワーク100を介して、文字入力装置2、およびWeb検索サーバ3との間でデータ通信を行う。受信部12aは、通信ネットワーク100を介して、文字入力装置2、およびWeb検索サーバ3から送信されてきたデータを受信する。送信部12bは、通信ネットワーク100を介して、文字入力装置2、およびWeb検索サーバ3にデータを送信する。
【0038】
受信部12aがこの発明で言う入力部に相当し、送信部12bがこの発明で言う出力部に相当する。
【0039】
辞書DB13は、単語毎に、読み、品詞等を対応付けて登録したデータベースである。解析用DB14は、形態素解析で参照する情報を登録したデータベースである。辞書DB13、および解析用DB14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード等の記憶媒体によって構成される。
【0040】
なお、辞書DB13、および解析用DB14は、1つのデータベースで構成してもよい。
【0041】
次に、制御ユニット11が有する、検索切替部11a、第1検索部11b、および第2検索部11cについて説明する。
【0042】
検索切替部11aは、文字入力装置2からの選択要求に応じて、第1検索部11b、または第2検索部11cの一方を選択する。検索切替部11aは、選択した検索部(第1検索部11b、または第2検索部11c)に、文字入力装置2から入力された文字列(この発明で言う第1文字列)に対する候補の検索を行わせる。
【0043】
第1検索部11bは、文字入力装置2から入力された文字列を読みとし、辞書DB13を検索し、対応する単語を変換候補として取得する。変換候補には、読みが、文字入力装置2から入力された文字列と一致する単語(ここでは、非予測変換候補と言う。)、および、読みが、文字入力装置2から入力された文字列と前方一致し、且つ完全一致でない単語(ここでは、予測変換候補と言う。)が含まれている。第1検索部11bは、日本語の文字入力システムで公知のかな漢字変換処理を行う。
【0044】
第2検索部11cは、文字入力装置2から入力された文字列を、Web検索用の検索文字列とみなし、この検索文字列によるWeb検索をWeb検索サーバ3に要求する。また、第2検索部11cは、Web検索サーバ3から検索結果を取得すると、その検索結果に対して形態素解析を行い、キーワードを抽出する。第2検索部11cは、解析用DB14を参照して、Web検索の検索結果に対する形態素解析を行う。第2検索部11cは、Web検索の検索結果から抽出したキーワードの中で、出現頻度が高いキーワードを入力候補として取得する。例えば、第2検索部11cは、Web検索の検索結果から抽出したキーワードの中で、出現回数が所定回数よりも多いキーワードを入力候補として取得する。
【0045】
文字入力補助装置1の制御ユニット11は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、この発明にかかる文字入力補助プログラムを実行したときに、検索切替部11a、第1検索部11b、および第2検索部11cとして動作する。また、メモリは、この発明にかかる文字入力補助プログラムを展開する領域や、この文字入力補助プログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット11は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。また、ハードウェアCPUが、この発明にかかる文字入力補助方法を実行するコンピュータである。
【0046】
図3は、文字入力装置の主要部の構成を示すブロック図である。上記したように、この例では、文字入力装置2が、スマートフォンである場合を例にして説明する。この例の文字入力装置2は、制御ユニット21と、表示器22と、タッチパネル23と、端末送受信部24とを備えている。
【0047】
制御ユニット21は、文字入力装置2本体各部の動作を制御する。また、制御ユニット21は、表示制御部21a、操作検知部21b、および文字入力処理部21cを有している。制御ユニット21が有する表示制御部21a、操作検知部21b、および文字入力処理部21cについては後述する。
【0048】
表示器22には、文字入力等にかかる操作画面が表示される。タッチパネル23は、表示器22の画面に貼付されており、ユーザが入力操作を行うための操作デバイスである。端末送受信部24は、文字入力装置2における通信ネットワーク100に対するインターフェース機能を有する。より具体的には、端末送受信部24は、通信ネットワーク100を介して、文字入力補助装置1との間でデータ通信を行う。
【0049】
次に、制御ユニット21が有する表示制御部21a、操作検知部21b、および文字入力処理部21cについて説明する。
【0050】
表示制御部21aは、表示器22に表示させる画面を制御する。操作検知部21bは、タッチパネル23上におけるユーザの操作位置を検知することにより、文字入力装置2におけるユーザの入力操作を検知する。文字入力処理部21cは、ユーザの入力操作に応じて、そのユーザの文字入力にかかる処理を行う。
【0051】
制御ユニット21は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、文字入力にかかるプログラムを実行したときに、表示制御部21a、操作検知部21b、および文字入力処理部21cとして動作する。また、メモリは、文字入力にかかるプログラムを展開する領域や、この文字入力にかかるプログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット21は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。
【0052】
また、文字入力装置2は、ユーザの入力操作に応じて、辞書検索、またはWeb検索の選択を切り替える。ユーザは、文字入力したい言葉を思い出せている場合、辞書検索を選択する。ユーザは、文字入力したい言葉を思い出せていない場合、Web検索を選択する。
【0053】
図4は、辞書検索が選択されている、文字入力装置の表示器に表示される操作画面(辞書検索画面)を示す例である。文字入力装置2は、辞書検索が選択されている場合、キーパッド表示領域221、候補表示領域222、および、文字表示領域223を備える画面を表示器22に表示する。
【0054】
キーパッド表示領域221には、文字入力のための各種のキーが表示される。候補表示領域222には、文字入力補助装置1が未確定文字列について辞書検索で取得した変換候補が表示される。図4において、候補表示領域222に表示されている変換候補「キュ」は、非予測変換候補である。また、図4において、候補表示領域222に表示されている変換候補「急」、「球場」、「キュロット」は、予測変換候補である。
【0055】
また、文字表示領域223には、ユーザが入力した文字列が表示される。文字表示領域223には、確定文字列、および未確定文字列が表示される。未確定文字列は、ユーザが入力を確定していない文字列であり、確定文字列は、ユーザが入力を確定した文字列である。未確定文字列には、下線が付されている(確定文字列には下線が付されていない。)。図4では、確定文字列を図示していない。ユーザは、下線の有無によって未確定文字列を確認できる。例えば、図4に示す文字表示領域223に表示されている文字列223a(「きゅ」)は、下線が付されているので、未確定文字列である。
【0056】
図5は、Web検索が選択されている、文字入力装置の表示器に表示される操作画面(Web検索画面)を示す例である。文字入力装置2は、Web検索が選択されている場合、キーパッド表示領域221、候補表示領域222、文字表示領域223、および、検索文字表示領域224を備える画面を表示器22に表示する。
【0057】
ユーザは、表示器22の画面に、検索文字表示領域224が表示されているかどうかによって、その時点で辞書検索を選択しているのか、Web検索を選択しているのかを確認できる。
【0058】
また、文字入力装置2は、Web検索が選択されている場合、ユーザが入力した文字列は、文字表示領域223ではなく、検索文字表示領域224に表示される。また、文字入力装置2は、Web検索が選択されている場合、候補表示領域222には、文字入力補助装置1がWeb検索の検索結果から抽出した入力候補「キュロット」、「スカンツ」、「スカーチョ」が表示される。
【0059】
Web検索サーバ3は、インターネット等のWeb上で公開されている情報の中から、検索文字列にヒットした情報を検索し、検索結果を出力する装置である。Web検索サーバ3は、公知の構成であるので、ここでは説明を省略する。
【0060】
なお、図4、および図5では、ユーザが入力したい言葉が、「キュロット」である場合を例にしている。また、図4は、ユーザが入力したい言葉を思い出せている場合の例であり、図5は、ユーザが入力したい言葉を思い出せていない場合の例である。
【0061】
<3.動作例>
図6は、文字入力装置の動作を示すフローチャートである。文字入力装置2は、未確定文字列、および検索文字列について、1文字も入力されていない初期状態である。ただし、文字入力装置2は、確定文字列については、未入力であってもよいし、入力済みであってもよい。
【0062】
文字入力装置2は、ユーザが辞書検索、Web検索の選択操作、または文字入力操作のいずれかの操作を行うのを待つ(s1~s3)。文字入力装置2は、ユーザが辞書検索を選択する操作を行うと、検索文字表示領域224が無い辞書検索画面(図4参照)を表示器22に表示させ(s4)、s1に戻る。文字入力装置2は、Web検索を選択する操作を受け付けると、検索文字表示領域224があるWeb検索画面(図5参照)を表示器22に表示させ(s5)、s1に戻る。
【0063】
なお、s4で表示される辞書検索画面は、未確定文字列が未入力の画面である(未確定文字列が文字表示領域223に表示されていない画面である。)。また、s5で表示されるWeb検索画面は、検索文字列が未入力の画面である(検索文字列が検索文字表示領域224に表示されていない画面である。)。
【0064】
また、文字入力装置2は、ユーザが文字入力操作を行うと、その時点で辞書検索、またはWeb検索のどちらが選択されているかを判定する(s6)。文字入力装置2は、s6で辞書検索であると判定すると、この時点における未確定文字列を文字表示領域223に表示する(s7)。s7では、今回の文字入力の直前の未確定文字列に、今回入力された文字を加えた文字列を、この時点における未確定文字列にする。
【0065】
また、文字入力装置2は、端末送受信部24において、この時点における未確定文字列を文字入力補助装置1に送信する(s8)。s8では、文字入力補助装置1に対して、辞書検索の要求も送信する。文字入力装置2は、端末送受信部24において、文字入力補助装置1から変換候補を受信すると、受信した変換候補を候補表示領域222に表示する(s9、s10)。文字入力装置2は、新たな文字入力操作を受け付けるか、候補表示領域222に表示している変換候補の選択を受け付けるのを待つ(s11、s12)。文字入力装置2は、新たな文字入力操作を受け付けると、s7に戻って上記処理を繰り返す。
【0066】
文字入力装置2は、候補表示領域222に表示している変換候補の選択を受け付けると、その時点の未確定文字列を確定し(s13)、s1に戻って上記処理を繰り返す。s13では、その時点における未確定文字列を、今回選択された変換候補の文字列に確定する。
【0067】
また、文字入力装置2は、s6でWeb検索であると判定すると、この時点における検索文字列を検索文字表示領域224に表示する(s14)。s14では、今回の文字入力の直前の検索文字列に、今回入力された文字を加えた文字列を、この時点における検索文字列にする。
【0068】
文字入力装置2は、新たな文字の入力操作を受け付けるか、検索指示の入力操作を受け付けるのを待つ(s15、s16)。文字入力装置2は、新たな文字の入力操作を受け付けると、s14に戻って上記処理を繰り返す。
【0069】
文字入力装置2は、検索指示の入力操作を受け付けると、端末送受信部24において、その時点で入力されている検索文字列を含むWeb検索の要求を文字入力補助装置1に送信する(s17)。
【0070】
文字入力装置2は、文字入力補助装置1からの入力候補を受信すると、受信した入力候補を候補表示領域222に表示する(s18、s19)。文字入力装置2は、候補表示領域222に表示している入力候補の選択を受け付けると、今回選択された入力候補を確定文字列に確定する(s20、s21)。
【0071】
図7は、文字入力補助装置の動作を示すフローチャートである。文字入力補助装置1は、通信部12において、文字入力装置2から辞書検索要求、またはWeb検索要求を受信部12aで受信するのを待つ(s51、s52)。
【0072】
文字入力装置2は、上記した通り、s8で辞書検索要求を文字入力補助装置1に送信する。また、文字入力装置2は、上記した通り、s17でWeb検索要求を文字入力補助装置1に送信する。文字入力補助装置1は、文字入力装置2からの検索要求が辞書検索要求、またはWeb検索要求のどちらであるかを、検索切替部11aで判定する。また、検索切替部11aは、辞書検索要求を受信したと判定した場合、第1検索部11bを選択し、Web検索要求を受信したと判定した場合、第2検索部11cを選択する。
【0073】
文字入力補助装置1は、辞書検索要求を受信したと判定した場合、この辞書検索要求とともに送信されてきた未確定文字列で辞書DB13を検索し、この未確定文字列に対する変換候補を取得する(s53、s54)。s54で取得される変換候補は、辞書DB13に登録されている単語である。s54で取得される変換候補には、読みが未確定文字列と完全に一致する変換候補(非予測変換候補)と、読みが未確定文字列と前方一致する変換候補(予測変換候補)とが含まれる。第1検索部11bが、s53、s54にかかる処理を行う。文字入力補助装置1は、s54で取得した変換候補を文字入力装置2に送信し(s55)、s51に戻る。
【0074】
なお、文字入力補助装置1は、辞書検索要求を受信したと判定した場合、第2検索部11cによる入力候補の検索を実行しない。
【0075】
また、文字入力補助装置1は、Web検索要求を受信すると、Web検索サーバ3に対してWeb検索の実行指示を送信する(s56)。このs56で送信するWeb検索の実行指示には、文字入力装置2から受信した検索文字列が含まれている。
【0076】
Web検索サーバ3は、文字入力補助装置1から受信した検索文字列でWeb検索を実行し、検索結果を文字入力補助装置1に返す。Web検索サーバ3がWeb検索の実行に用いる検索文字列は、文字入力補助装置1が文字入力装置2から受信した検索文字列である。すなわち、ユーザが、文字入力装置2で入力した文字列である。
【0077】
文字入力補助装置1は、Web検索サーバ3から検索結果を受信するのを待つ(s57)。文字入力補助装置1は、Web検索サーバ3から検索結果を受信すると、受信した検索結果に対して、形態素解析を行う(s58)。例えば、文字入力補助装置1は、Web検索サーバ3によって検索された各Webページのタイトルに対して、形態素解析を行う。また、文字入力補助装置1は、Web検索サーバ3によって検索された各Webページのタイトルだけでなく、見出しに対しても形態素解析を行ってもよい。s58にかかる処理は、第2検索部11cが、解析用DB14を参照して行う。
【0078】
第2検索部11cは、Web検索の検索結果に対する形態素解析の解析結果からキーワードを抽出する処理を行う(s59)。第2検索部11cは、例えば、予め定めた品詞(例えば、名詞)の単語をキーワードとして抽出する。キーワードとして抽出する品詞は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
【0079】
第2検索部11cは、s59で抽出したキーワードの中から、入力候補を取得する(s60)。s60では、s59で抽出したキーワード毎に、そのキーワードが検索結果において出現している回数(出現回数)をカウントする。第2検索部11cは、出現回数が予め定めた回数(n回)を超えているキーワードを、入力候補として取得する。言い換えれば、第2検索部11cは、出現回数が予め定めた回数(n回)を超えていないキーワードを、入力候補として取得しない。
【0080】
なお、第2検索部11cは、s59で抽出したキーワードの全てを入力候補として取得してもよい。
【0081】
文字入力補助装置1は、s60で取得した入力候補を文字入力装置2に送信し(s61)、s51に戻る。
【0082】
このように、この例の文字入力補助装置1は、文字入力装置2から辞書検索が要求されたときには、未確定文字列に対応する変換候補を取得し、取得した変換候補を文字入力装置2に送信する。したがって、ユーザは、入力したい言葉を思い出せている場合、辞書検索を選択し、その言葉の文字列を入力する操作を行えばよい。
【0083】
また、ユーザは、入力したい言葉を思い出せない場合、Web検索を選択し、その言葉を検索するための質問を入力することで、入力したい言葉が入力候補として提示される。したがって、所望の文字列(入力したい言葉)を思い出すことができないユーザに対しても文字入力を補助することができる。
【0084】
例えば、ユーザは、入力したい言葉が、「キュロット」であるとする。ユーザは、「キュロット」を思い出せている場合、辞書検索を選択する。ユーザは、例えば、「き」、「ゅ」を、この順に入力した時点(この時点で「きゅ」が未確定文字列である。)で、図4に示したように、候補表示領域222に「キュロット」が変換候補として表示される。ユーザは、変換候補として表示された「キュロット」を選択する。これにより、ユーザは、入力したい言葉である「キュロット」を入力できる。
【0085】
また、ユーザは、「キュロット」を思い出せていない場合、Web検索を選択する。ユーザは、例えば、「す」、「か」、「ー」、「と」、「み」、「た」、「い」、「な」、「ぱ」、「ん」、「つ」を、この順に入力した後に、検索指示の入力操作を行う。この場合、「すかーとみたいなぱんつ」が検索文字列である。第2検索部11cは、Web検索の検索結果として、Web検索サーバ3によって検索された各Webページのタイトルを取得する。図8(A)は、Web検索の検索結果として取得した各Webページのタイトルを示す図である。第2検索部11cは、Web検索の検索結果として取得した各Webページのタイトルに対して形態素解析を行い、キーワードを抽出する。図8(B)は、Web検索結果から抽出したキーワードを示す図である。第2検索部11cは、抽出したキーワード毎に出現回数をカウントし、出現回数が予め定めた回数(n回)を超えているキーワードを、入力候補として取得する。図8(C)は、取得した入力候補を示す図である。ユーザは、例えば、図5に示したように、入力候補として「キュロット」が表示されたことで、入力したい言葉が「キュロット」であることに気づく。ユーザは、入力したい言葉である「キュロット」を選択する。これにより、ユーザは、入力したい言葉である「キュロット」を入力できる。
【0086】
なお、図8では、Web検索結果として、Webページのタイトルを取得する場合を例示したが、Web検索結果として、Webページのタイトル、および見出しを取得してもよい。
【0087】
<4.変形例>
・変形例1
英語の文字入力システムを例にして説明する。図9は、辞書検索が選択されているときの表示器の画面例を示している。図10は、Web検索が選択されているときの表示器の画面例を示している。
【0088】
文字入力装置2は、文字入力の対象の言語が英語である場合も、図6に示した処理を行う。また、文字入力補助装置1は、文字入力の対象の言語が英語である場合も、図7に示した処理を行う。但し、英語の文字入力装置2は、日本語と異なり、ユーザが発音表記(読み)にかかる文字列を入力するのではなく、単語の文字列(スペル)を入力する構成であるので、辞書DB13は、各単語に読みを対応づけていない。
【0089】
例えば、ユーザは、入力したい言葉が、「culottes」であるとする。ユーザは、「culottes」を思い出せている場合、辞書検索を選択する。ユーザは、例えば、「c」、「u」、「l」を、この順に入力した時点(この時点で「cul」が未確定文字列である。)で、図9に示したように、候補表示領域222に「culottes」が変換候補として表示される。ユーザは、変換候補として表示された「culottes」を選択する。これにより、ユーザは、入力したい言葉である「culottes」を入力できる。
【0090】
また、ユーザは、「culottes」を思い出せていない場合、Web検索を選択する。ユーザは、例えば、「W」、「h」、「a」、「t」、「a」、「r」、「e」、「p」、「a」、「n」、「t」、「s」、「l」、「i」、「k」、「e」、「s」、「k」、「i」、「r」、「t」、「s」を、この順に入力した後に、検索指示の入力操作を行う。この場合、「What arepants like skirts」が検索文字列である。第2検索部11cは、Web検索の検索結果として、Web検索サーバ3によって検索された各Webページのタイトルを取得する。第2検索部11cは、Web検索の検索結果として取得した各Webページのタイトルに対して形態素解析を行い、キーワードを抽出する。第2検索部11cは、抽出したキーワード毎に出現回数をカウントし、出現回数が予め定めた回数(n回)を超えているキーワードを、入力候補として取得する。ユーザは、例えば、図10に示したように、入力候補として「culottes」が表示されたことで、入力したい言葉が「culottes」であることに気づく。ユーザは、入力したい言葉である「culottes」を選択する。これにより、ユーザは、入力したい言葉である「culottes」を入力できる。
【0091】
また、特に図示しないが、言語の種類は、ユーザが発音表記(読み)にかかる文字列を入力する日本語以外の言語(例えば、中国語)であってもよいし、ユーザが単語の文字列を入力する英語以外の言語(例えば、ドイツ語)であってもよい。
【0092】
・変形例2
第2検索部11cは、文字入力装置2から受信した検索文字列(第1検索文字列と言う。)に対して、かな漢字変換を行い、Web検索サーバ3に対して、かな漢字変換した検索文字列(第2検索文字列と言う。)でWeb検索を行うように指示する構成であってもよい。
【0093】
この場合、第2検索部11cは、文字入力装置2から受信した第1検索文字列に対して形態素解析を行い、第1検索文字列を形態素に分割する。第2検索部11cは、第1検索文字列を分割した形態素毎に、公知のかな漢字変換を行うことで、第1検索文字列をかな漢字変換した第2検索文字列を得る。第2検索部11cは、この処理を、図7に示したs52と、s56との間で実行する。
【0094】
例えば、第2検索部11cは、文字入力装置2から受信した第1検索文字列「すかーとみたいなぱんつ」をかな漢字変換し、第2検索文字列「スカートみたいなパンツ」を得る。文字入力補助装置1は、「スカートみたいなパンツ」でWeb検索の実行を、Web検索サーバ3に指示する。
【0095】
このように、文字入力補助装置1は、発音表記ではなく、発音表記を変換した文字列(日本語の文字入力システムで言う、かな漢字変換された文字列)でのWeb検索を、Web検索サーバ3に要求する構成であってもよい。
【0096】
・変形例3
また、文字入力装置2が、入力された検索文字列について、かな漢字変換を行う構成であってもよい。この場合、s14~s17にかかる処理を、図10に示す処理に置き換えればよい。
【0097】
図10では、図6に示した処理と同様の処理については、同じステップ番号を付している。
【0098】
簡単に説明すると、s14で検索文字列を表示すると、この検索文字列に属する未確定文字列を文字入力補助装置1に送信する(s8)。このとき、文字入力装置2は、文字入力補助装置1に対して、Web検索ではなく、辞書検索を要求する。
【0099】
文字入力装置2は、文字入力補助装置1から変換候補を受信すると、受信した変換候補を候補表示領域222に表示する(s9,s10)。文字入力装置2は、変換候補の選択操作、文字入力操作、検索指示入力操作のいずれかが行われるのを待つ(s12,s15,s16)。文字入力装置2は、変換候補の選択操作が行われると、確定処理を行い(s13)、文字入力操作、検索指示入力操作のいずれかが行われるのを待つ。文字入力装置2は、文字入力操作が行われると、s14に戻って上記処理を繰り返す。また、文字入力装置2は、検索指示入力操作が行われると、s17以降の処理を実行する。
【0100】
この変形例3では、ユーザは、文字入力装置2において、検索文字列が「スカートみたいなパンツ」であることを確認した後、この検索文字列でのWeb検索を文字入力補助装置1に要求することができる。
【0101】
・変形例4
上記の例では、文字入力補助装置1と、文字入力装置2とが通信ネットワーク100を介して接続されている構成で説明したが、文字入力補助装置1と、文字入力装置2とは一体化された装置であってもよい。
【0102】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0103】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
<付記>
第1文字列が入力される入力部(12a)と、
前記第1文字列で辞書を検索し、この第1文字列に対応する第2文字列を取得する第1検索部(11b)と、
前記第1文字列を基にした検索文字列でウェブ検索を行い、検索結果から抽出したキーワードを第3文字列として取得する第2検索部(11c)と、
前記第1検索部(11b)、または前記第2検索部(11c)の選択を受け付け、前記第1検索部(11b)が選択された場合、前記第1検索部(11b)に前記辞書の検索を行わせ、前記第2検索部(11c)が選択された場合、前記第2検索部(11c)に前記ウェブ検索を行わせる検索切替部(11a)と、
前記第1検索部(11b)が選択された場合、前記第1検索部(11b)が取得した前記第2文字列を出力し、前記第2検索部(11c)が選択された場合、前記第2検索部(11c)が取得した前記第3文字列を出力する出力部(12b)と、を備えた文字入力補助装置(1)。
【符号の説明】
【0104】
1…文字入力補助装置
2…文字入力装置
3…ウェブ検索サーバ(Web検索サーバ)
11…制御ユニット
11a…検索切替部
11b…第1検索部
11c…第2検索部
12…通信部
12a…受信部
12b…送信部
13…辞書データベース(辞書DB)
14…解析用データベース(解析用DB)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11