(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】呼出しデバイス及び呼出しシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 5/22 20060101AFI20230926BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230926BHJP
【FI】
G08B5/22 F
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2019137499
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】511012662
【氏名又は名称】NetCONNECT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 隆也
(72)【発明者】
【氏名】ファデン ショーイン
(72)【発明者】
【氏名】内田 吉泰
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 公啓
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-298495(JP,A)
【文献】国際公開第2019/139668(WO,A1)
【文献】特開平10-302168(JP,A)
【文献】特開2000-276665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 5/22
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出しデバイスであって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、
前記要求信号をサーバに無線送信し、前記所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号を前記サーバから無線受信する通信部と、
可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、
前記フィードバック信号に含まれる前記ステータス情報に応じて前記発光パターンを制御する発光制御部と、
前記操作部及び前記発光部が外部に視認可能に配置されるとともに前記通信部、前記信号生成部及び前記発光制御部が内部に配置されたベース部と
を備え、
前記発光部が前記ベース部の外周に沿う環形状を有し、
前記ステータス情報は、前記所要時間が相対的に短い即応ステータス又は前記所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、
前記発光制御部が、前記発光部の一部分である発光部分を前記発光部上で周回移動させるように構成され
た、呼出しデバイス。
【請求項2】
前記発光制御部は、前記ステータス情報が前記即応ステータスを示す場合には前記発光部分を第1の速度で周回移動させ、前記ステータス情報が前記遅延ステータスを示す場合には前記発光部分を前記第1の速度とは異なる第2の速度で周回移動させるように構成された、請求
項1に記載の呼出しデバイス。
【請求項3】
呼出しデバイスであって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、
前記要求信号をサーバに無線送信し、前記所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号を前記サーバから無線受信する通信部と、
可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、
前記フィードバック信号に含まれる前記ステータス情報に応じて前記発光パターンを制御する発光制御部と、
前記操作部及び前記発光部が外部に視認可能に配置されるとともに前記通信部、前記信号生成部及び前記発光制御部が内部に配置されたベース
部と
を備え、
前記ベース部が上面、底面及び側面を有し、少なくとも該側面及び前記発光部が一連の側面を形成し、前記発光部が前
記側面の外周に沿う環形状を有する
、呼出しデバイス。
【請求項4】
呼出しデバイスであって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、
前記要求信号をサーバに無線送信し、前記所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号を前記サーバから無線受信する通信部と、
可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、
前記フィードバック信号に含まれる前記ステータス情報に応じて前記発光パターンを制御する発光制御部と、
前記操作部及び前記発光部が外部に視認可能に配置されるとともに前記通信部、前記信号生成部及び前記発光制御部が内部に配置されたベース
部と
を備え、
前記ベース部が上面、底面及び側面を有し、該側面、前記発光部及び前記操作部が一連の側面を形成し、前記操作部が前
記側面の外周部に配置され、前記操作部の上端部が前記ベース部の上端部よりも上方に突出した
、呼出しデバイス。
【請求項5】
呼出しデバイスであって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、
前記要求信号をサーバに無線送信し、前記所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号を前記サーバから無線受信する通信部と、
可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、
前記フィードバック信号に含まれる前記ステータス情報に応じて前記発光パターンを制御する発光制御部と、
前記操作部及び前記発光部が外部に視認可能に配置されるとともに前記通信部、前記信号生成部及び前記発光制御部が内部に配置されたベース
部と
を備え、
前記ベース部が上面、底面及び側面を有し、少なくとも該側面及び前記発光部が一連の側面を形成し、前記操作部が複数のボタンを含み、前記複数のボタンの各々が、前記ユーザ操作である接触又は押圧を受け付けるように構成され、前記複数のボタンが前
記上面又は前記側面の上部外周部に配置され
た、呼出しデバイス。
【請求項6】
前記複数のボタンが一対のボタン群を含み
、前記上面から前記底面への視方向における平面視において、該一対のボタン群が前記ベース部の中心線に対して対称配置された、請求
項5に記載の呼出しデバイス。
【請求項7】
呼出しデバイスであって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、
前記要求信号をサーバに無線送信し、前記所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号を前記サーバから無線受信する通信部と、
可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、
前記フィードバック信号に含まれる前記ステータス情報に応じて前記発光パターンを制御する発光制御部と、
前記操作部及び前記発光部が外部に視認可能に配置されるとともに前記通信部、前記信号生成部及び前記発光制御部が内部に配置されたベース
部と
を備え、
前記ベース部が上面、底面及び側面を有し、少なくとも該側面及び前記発光部が一連の側面を形成し、前記操作部、前記発光部及び前記ベース部によって画定される外形が円錐台形状を有する
、呼出しデバイス。
【請求項8】
呼出しデバイスであって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、
前記要求信号をサーバに無線送信し、前記所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号を前記サーバから無線受信する通信部と、
可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、
前記フィードバック信号に含まれる前記ステータス情報に応じて前記発光パターンを制御する発光制御部と、
少なくとも前記通信部、前記発光部並びに前記信号生成部及び前記発光制御部を含む制御部に給電する電源部と、
前記操作部及び前記発光部が外部に視認可能に配置されるとともに前記通信部、前記信号生成部、前記制御部及び前記電源部が内部に配置されたベース
部と
を備え、
前記ベース部が上面、底面及び側面を有し、該側面及び前記発光部が一連の側面を形成し、前記上面が外部デバイスに対するアダプタを有し、前記アダプタが、前記電源部から前記外部デバイスに給電するための接続端子又は前記制御部から前記外部デバイスに信号を供給するための接続制御端子を有す
る、呼出しデバイス。
【請求項9】
前記ステータス情報は、前記所要時間が相対的に短い即応ステータス又は前記所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、
前記発光制御部は、前記ステータス情報が前記即応ステータスを示す場合には前記発光部を第1の発光色で発光させ、前記ステータス情報が前記遅延ステータスを示す場合には前記発光部を前記第1の発光色とは異なる第2の発光色で発光させるように構成された、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項10】
前記第1の発光色が青色であり、前記第2の発光色が赤色である、請求
項9に記載の呼出しデバイス。
【請求項11】
前記ステータス情報はさらに、前記所要時間が前記即応ステータスの所要時間よりも長く前記遅延ステータスの所要時間よりも短い場合に中間ステータスを示すように構成され、
前記発光制御部は、前記ステータス情報が前記中間ステータスを示す場合に、前記発光部を前記第1の発光色と前記第2の発光色の中間色である第3の発光色で発光させるように構成された請求
項9に記載の呼出しデバイス。
【請求項12】
前記第1の発光色が青色であり、前記第2の発光色が赤色であり、前記第3の発光色が黄色である、請求
項11に記載の呼出しデバイス。
【請求項13】
前記ステータス情報は、前記所要時間が相対的に短い即応ステータス又は前記所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、
前記発光制御部は、前記ステータス情報が前記即応ステータスを示す場合には前記発光部を連続点灯及び点滅の一方で動作させ、前記ステータス情報が前記遅延ステータスを示す場合には前記発光部を連続点灯及び点滅の他方で動作させるように構成された、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項14】
前記ステータス情報は、前記所要時間が相対的に短い即応ステータス又は前記所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、
前記発光制御部は、前記ステータス情報が前記即応ステータスを示す場合には前記発光部を第1の周波数で点滅させ、前記ステータス情報が前記遅延ステータスを示す場合には前記発光部を前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で点滅させるように構成された、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項15】
前記所定のサービスが、少なくとも第1のサービス及び該第1のサービスとは異なる第2のサービスを含み、
前記操作部が複数のボタンを含み、前記複数のボタンの各々が、前記ユーザ操作である接触又は押圧を受け付けるように構成され、前記複数のボタンが、前記接触又は押圧に応じて少なくとも前記第1のサービスの要求を示す前記要求信号を前記信号生成部に生成させるための要求ボタン及び前記接触又は押圧に応じて前記第2のサービスの要求を示す前記要求信号を前記信号生成部に生成させるための要求ボタンを含む、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項16】
前記操作部が複数のボタンを含み、前記複数のボタンの各々が、前記ユーザ操作である接触又は押圧を受け付けるように構成され、前記複数のボタンが、前記接触又は押圧に応じて少なくとも前記所定のサービスの要求を示す前記要求信号を前記信号生成部に生成させるための要求ボタン及び前記接触又は押圧に応じて前記所定のサービスの提供に対する評価を示す評価信号を前記信号生成部に生成させるための評価ボタンを含み、
前記通信部が前記評価信号を前記サーバに無線送信するように構成された、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項17】
前記操作部が複数のボタンを含み、前記複数のボタンの各々が、前記ユーザ操作である接触又は押圧を受け付けるように構成され、前記複数のボタンが、前記接触又は押圧に応じて少なくとも前記所定のサービスの要求を示す前記要求信号を前記信号生成部に生成させるための要求ボタン及び前記接触又は押圧に応じて前記発光部を前記フィードバック信号の受信前の状態に戻すための取消ボタンを含む、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項18】
前記通信部が前記サーバから所定の信号を受信した場合に、前記発光制御部が前記発光部を前記フィードバック信号の受信前の状態に戻すように構成された、請求項
1から8のいずれか一項に記載の呼出しデバイス。
【請求項19】
請求項
1から18のいずれか一項に記載の呼出しデバイスと、
前記サーバと、
前記サーバから受信された前記要求信号に応じて前記フィードバック信号を前記サーバに送信する応答端末と
を備え、前記ステータス情報が、前記応答端末においてユーザによる選択に応じて前記フィードバック信号に含められ、又は前記サーバおいて予測処理に応じて前記フィードバック信号に含められる、呼出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼出しデバイス及びそれを用いた呼出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、店舗用遠隔呼出しシステムを開示する。このシステムでは、客室に配置された送信機から注文ボタンスイッチ又は会計ボタンスイッチの操作による呼出し信号が受信側装置に送信され、これに応じて受信側装置から送信機に応答信号が送信される。この応答信号に応じて、注文受付又は会計受付についての確認応答の音声メッセージが、送信機のスピーカから出力される。
【0003】
特許文献2は、オーダリングシステムを開示する。このシステムでは、呼出し装置から呼出し情報が受信側装置に送信され、呼出し情報を受け付けた受信側装置から呼出し装置に呼出し完了情報が送信される。呼出し装置は、呼出し情報の送信又は呼出し完了情報の受信に応じて報知部の発光装置を点灯又は点滅させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-157695号公報
【文献】特開2011-113389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び2の構成では、サービスを要求した客(ユーザ)は、そのサービスが受け付けられたことを知ることができるが、どの程度待てばそのサービスが提供されるかを知ることができず、不安感、イライラ感などを覚える可能性がある。一方で、時々刻々と変化する店内の状況において、サービスの要求から提供までの正確な所要時間を数値化することは難しい。仮に、そのように数値化された時間表示(例えば、カウントダウン)がされたとしても、その時間表示通りにサービスが提供されない場合には、ユーザはやはり不安感、イライラ感などを募らせることになる。また、概ねの待ち時間、すなわち、待ち状況を言語によって表示又は発声する場合、近年のグローバル化、インバウンドの増加などを考慮すると、多言語対応が必要となり、デバイス及びシステムが複雑化してしまう。したがって、要求されたサービスが提供されるまでの待ち状況をユーザが言語によらずに視覚的かつ直感的に把握できる構成が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、要求されたサービスが提供されるまでの待ち状況に関する視覚的かつ直感的なフィードバックをユーザに与えることができる呼出しデバイス及びそれを用いた呼出しシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示による呼出しデバイスは、ユーザ操作を受け付ける操作部と、受け付けたユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部と、要求信号をサーバに無線送信し、所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号をサーバから無線受信する通信部と、可変の発光パターンで発光するように構成された発光部と、フィードバック信号に含まれるステータス情報に応じて発光パターンを制御する発光制御部とを備える。
【0008】
本開示による呼出しシステムは、上記の呼出しデバイスと、サーバと、サーバから受信された要求信号に応じてフィードバック信号をサーバに送信する応答端末とを備え、ステータス情報は、応答端末においてユーザによる選択に応じてフィードバック信号に含められ、又はサーバおいて予測処理に応じてフィードバック信号に含められる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態による呼出しシステムのブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による呼出しデバイスの一例の外観図である。
【
図3A】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図3B】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図3C】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図3D】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図3E】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図3F】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図3G】本発明の実施形態による応答端末を説明する図である。
【
図4】本発明の実施形態による呼出しシステムの一例の信号フロー図である。
【
図5】本発明の実施形態による呼出しシステムの他の例の信号フロー図である。
【
図6】本発明の実施形態による呼出しデバイスの他の例の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態による呼出しシステム1のブロック図である。呼出しシステム1は、例えば、レストラン、居酒屋などの飲食店(店舗)Rに対して適用され、客(要求ユーザ)が店員(応答ユーザ)にサービスを要求し、要求ユーザが応答ユーザにそのサービスを提供する状況において利用されるシステムである。なお、要求ユーザと応答ユーザとを区別しない場合には、要求ユーザ又は応答ユーザを単に「ユーザ」というものとする。
【0011】
呼出しシステム1は、呼出しデバイス2-1~2-m、応答端末3-1~3-n及びサーバ4を含む。なお、本実施形態において、呼出しデバイス2-1~2-mの各々は同様の構成を有し、応答端末3-1~3-nの各々は同様の構成を有するものとする。また、本開示において、呼出しデバイス2-1~2-mを総称して又は1つを代表して呼出しデバイス2というものとし、応答端末3-1~3-nを総称して又は1つを代表して応答端末3というものとする。各呼出しデバイス2は、店舗R内の各テーブルに載置されるデバイスである。各応答端末3は、各店員に携帯される通信端末であり、例えば、ウォッチ型ウェアラブル端末、スマートフォン、タブレット端末などである。サーバ4は、店舗Rから遠隔に位置し得るクラウドサーバなどのサーバであってもよいし、店舗Rに配置されたローカルサーバであってもよい。なお、
図1は1つの店舗Rを示すが、呼出しシステム1は複数の店舗Rを含み得る。
【0012】
呼出しシステム1の概略動作は、次の通りである。まず、呼出しデバイス2が、要求ユーザの操作に応じて所定のサービスの要求を示す要求信号をサーバ4に送信する。サーバ4は、受信した要求信号を応答端末3(通常は複数の応答端末3)に送信する。一部又は全部の応答端末3が、応答ユーザの操作に応じてフィードバック信号をサーバ4に送信する。サーバ4は、フィードバック信号を送信した応答端末3のうちの1つの端末に要求サービスの提供指示のためのタスク信号を送信する。また、サーバ4は、フィードバック信号を要求信号の送信元の呼出しデバイス2に送信する。フィードバック信号は、要求サービスの提供の所要時間(待ち時間)に関するステータス情報を含む。フィードバック信号を受信した呼出しデバイス2は、フィードバック信号に含まれるステータス情報に応じたパターンで発光する。その後、タスク信号を受けた応答端末3の応答ユーザは、要求サービスを要求ユーザに提供する。そして、要求サービスの提供完了時に、呼出しデバイス2は、応答ユーザの操作に応じて、発光状態をデフォルトの状態(例えば、消灯)に戻し、取消信号をサーバ4に送信する。また、要求ユーザは応答ユーザによるサービスの提供を評価することができ、呼出しデバイス2は要求ユーザの操作に応じて評価信号をサーバ4に送信することができる。
【0013】
呼出しデバイス2は通信部21、操作部22、発光部23、制御部24及び電源部25を備え、制御部24は信号生成部24a及び発光制御部24bを含む。また、呼出しデバイス2は、必要に応じて、液晶表示部、スピーカなどの補助出力部26をさらに備えてもよい。通信部21、操作部22、発光部23、信号生成部24a、発光制御部24b、電源部25及び補助出力部26の各部はバスによって適宜の電圧、信号又はデータのやり取りが可能な態様で接続される。
【0014】
通信部21は、サーバ4(通信ネットワークN及び通信部41)と、適宜の通信規格によって通信可能な一般的な通信手段であればよい。この通信は、例えば、Wi-Fiスポット又はWi-Fiルータを介したWi-Fi(登録商標)通信、又は3G、4G、LTEなどの規格による無線通信である。詳細を後述するように、通信部21は、制御部24による制御の下で、要求信号、評価信号又は取消信号をサーバ4に送信し、フィードバック信号をサーバ4から受信する。なお、本開示において、要求信号、評価信号及び取消信号をまとめて操作信号というものとする。
【0015】
操作部22は、要求ボタン22a、評価ボタン22b及び取消ボタン22cを備える。なお、後述の説明から分かるように、
図1では各1つの要求ボタン22a、評価ボタン22b及び取消ボタン22cを示すが、要求ボタン22a、評価ボタン22b及び取消ボタン22cの各々は複数のボタンからなり得る。
【0016】
要求ボタン22aは、サービスの要求を受け付けるためのボタンであり、要求ユーザの操作(接触、押圧など)に応じて要求受付信号を生成する。ここで、サービスは、特定の飲食物(水(お冷)、お茶、ビール、料理など)の給仕の要求、会計の要求、呼出しの要求、食器(箸、スプーン、フォーク、ナイフ、トング、グラス、皿、器など)の配膳の要求などである。要求ボタン22aによって生成された要求受付信号は、制御部24に出力される。
【0017】
評価ボタン22bは、サービスに対する評価(特に高評価)を受け付けるためのボタンであり、要求ユーザによる操作に応じて評価受付信号を生成する。この高評価は、いわゆる「いいね」を意味するものに相当する。評価ボタン22bによって生成された評価受付信号は、制御部24に出力される。
【0018】
取消ボタン22cは、要求ボタン22aによって生じた効果を取り消すためのボタンであり、ユーザの操作に応じて取消受付信号を生成する。なお、要求ボタン22a及び評価ボタン22bは要求ユーザによって使用され得るのに対し、取消ボタン22cは要求ユーザ又は応答ユーザによって使用され得る。すなわち、取消ボタン22cは、応答ユーザが発動済みの要求サービスの提供を完了した場合又は要求ユーザが発動済みの要求サービスを自発的にキャンセルする場合に使用され得る。ただし、本開示においては、前者(応答ユーザによる使用)を主として後者(要求ユーザによる使用)を従として想定されるものとする。取消ボタン22cによって生成された取消受付信号は、制御部24に出力される。
【0019】
発光部23は、LEDランプなどの発光体である。発光部23は、不図示のLEDアレイ及びその駆動回路を備える。駆動回路は、後述の電源部25から供給される直流電圧からLEDアレイの駆動に適した直流電流を生成するためのDC/DCコンバータを含む。LEDアレイは、多数の赤色LED素子、緑色LED素子及び青色LED素子を含み、駆動回路のDC/DCコンバータによって多色発光可能に駆動される。駆動回路の動作状態は、発光制御部24bによって決定される。なお、発光部23は、有機ELを用いた発光体(OLED)で構成されてもよい。
【0020】
制御部24はCPU及びメモリを含み、そのCPUは信号生成部24a及び発光制御部24bを含む。なお、制御部24は、呼出しデバイス2の全体の動作を制御するものであり、信号生成部24a及び発光制御部24bの機能以外の各種機能も実行することができる。
【0021】
信号生成部24aは、要求受付信号、評価受付信号及び取消受付信号に基づいて要求信号、評価信号及び取消信号(操作信号)のフレームをそれぞれ生成し、生成したフレームを通信部21からサーバ4に送信させる。なお、要求信号は、少なくとも要求サービスの内容を示すコード及び呼出しデバイス2の識別子(店舗を指定する識別子、テーブル位置を指定する識別子など)を含む。また、評価信号は、少なくとも評価を示すコード及び呼出しデバイス2の識別子を含む。また、取消信号は、少なくとも要求サービスの提供完了(又は要求取消)を示すコード及び呼出しデバイス2の識別子を含む。
【0022】
発光制御部24bは、通信部21によって受信されたフィードバック信号に基づいて発光部23の発光パターンを制御する。より具体的には、発光制御部24bは、フィードバック信号に含まれるステータス情報に基づいて発光部23の駆動回路の動作状態を制御する。ステータス情報及び発光パターンについては詳細を後述する。また、発光制御部24bは、操作部22から入力された取消受付信号に応じて、発光部23の発光状態をデフォルト状態(例えば、消灯)に戻す。また、発光制御部24bは、応答端末3からサーバ4を介して受信された遠隔取消信号に応じて、発光部23の発光状態をデフォルト状態に戻すこともできる。言い換えると、発光制御部24bは、取消信号の生成又は遠隔取消信号の受信に応じて、フィードバック信号に起因する出力動作を無効化する。
【0023】
電源部25は、外部から給電される交流電源(例えば、商用電源)から所定の直流電圧を生成するAC/DC変換器、外部から(例えば、AC/DCアダプタを介して)給電される直流電源から所定の直流電圧を生成するDC/DC変換器、又は呼出しデバイス2に内蔵された一次電池若しくは二次電池である。電源部25は、生成した直流電圧を通信部21、発光部23、制御部24及び補助出力部26(さらに必要に応じて操作部22)に供給する。
【0024】
補助出力部26が液晶表示部である場合、補助出力部26には、おすすめメニュー、呼出しデバイス2の操作方法、店又は商品の宣伝広告などの各種情報が表示され得る。また、補助出力部26がスピーカである場合には、BGMを流すことができる。補助出力部26の動作状態(表示又は音声)は、サーバ4から受信された各種信号に応じて、又は制御部24のメモリに記憶されたプログラムに従って、制御部24によって制御される。また、制御部24は、後述の遠隔取消信号に応じて、補助出力部26の動作状態をデフォルト状態(例えば、無出力状態)に戻すこともできる。
【0025】
図2は、本実施形態の呼出しデバイス2の外観図である。呼出しデバイス2は、ベース部100、操作部200及び発光部300を有する。ベース部100は、制御部24及び電源部25(不図示)を内部に含む。操作部200は、上述の操作部22に対応し、信号生成部24a(不図示)に接続される。発光部300は、上述の発光部23に対応し、発光制御部24b(不図示)によって制御される。本実施形態の呼出しデバイス2の外径は、例えば、10cm~20cm程度であり、高さは、例えば、3cm~6cm程度であるが、サイズはこれに限定されない。
【0026】
ベース部100は底面101、上面102、及び底面101と上面102とに連続する側面103を有し、底面101がテーブルなどの載置面に配置される。なお、説明の便宜上、呼出しデバイス2において、底面101側を下方向又は下側、上面102側を上方向又は上側と定義する。ベース部100は底面101の面積よりも上面102の面積が小さい円錐台形状を有し、すなわち、側面103は底面101側から上面102側にかけてベース部100の中心に向かって傾斜している。したがって、呼出しデバイス2の形状は、平面視(上部から下部への視方向)において円形であり、側面視(平面視に垂直な視方向)において上辺が底辺よりも短い台形である。
【0027】
操作部200は、ベース部100の上端において、ベース部100の外周を形成するように配置される。発光部300は、側面103の上部側において、ベース部100の外周(好ましくは全周)を形成する環形状を有する。言い換えると、ベース部100の側面103、発光部300及び操作部200が一連の傾斜外側面を形成する。また、操作部200は、ベース部100の上面102よりも上方向に突出し、環状の上端部を形成する。操作部200が上面102よりも上方に突出することにより、ユーザは指先以外の部位でも容易に操作部200を操作することができ、操作部200の操作性(接触又は押下の容易性)が増す。また、操作部200が環状の上端部を形成することにより、呼出しデバイス2がテーブル中心付近に配置された場合に、ある方向(例えば0時の方向)のユーザによるボタン操作が他の方向(例えば6時の方向)によるユーザから容易に視認される。これにより、呼出しデバイス2のユーザ間の情報共有性が高まる。なお、本実施形態では、操作部200の下端と発光部300の上端とが隣接配置される構成を示すが、操作部200と発光部300とは離隔されていてもよい。呼出しデバイス2が円錐台形状を有することにより、その設置における安定感及び発光部300の視認性が両立される。
【0028】
操作部200は、要求ボタン201~203及び206~208、評価ボタン204及び209並びに取消ボタン205及び210を含む。要求ボタン201~203及び206~208は上述の要求ボタン22aに対応し、評価ボタン204及び209は上述の評価ボタン22bに対応し、取消ボタン205及び210は上述の取消ボタン22cに対応する。
【0029】
本実施形態では、要求ボタン201及び206は会計の要求に対応し、要求ボタン202及び207は水(お冷)の要求に対応し、要求ボタン203及び208は呼出し(応答ユーザの呼出し)の要求に対応する。なお、要求ボタンとその要求サービスの内容との関係は、本実施形態で示すものに限られない。例えば、要求ボタンは、お茶の要求、メニューの要求などに対応付けられてもよい。また、要求ボタンは、上記のような無償のサービスの要求の他に、ビールの注文、おすすめ料理の注文などの有償のサービスの要求に対応付けられてもよい。要求サービスは、例えば、要求ボタン上に表記された文字(例えば、「Check」(会計)、「Water」(水)、「Call」(呼出し)、「Tea」(お茶)、「Menu」(メニュー)、「Beer」(ビール)、「Recomended」(おすすめ))によって表される。あるいは、文字表示に代えて又は文字表示とともに、要求サービスを示す絵(例えば、それぞれ、通貨記号の絵(会計)、水の入ったグラスの絵(水)、ベルの絵(呼出し)、湯気の立つ湯飲みの絵(お茶)、メニュー冊子の絵(メニュー)、ジョッキの絵(ビール)、料理の絵(おすすめ))が要求ボタンに描かれてもよい。この場合の絵表示は、言語に依存しないユニバーサルデザインであることが好ましい。
【0030】
なお、評価ボタン204及び209についても同様に、高評価を表現する文字(例えば、「Good」、「Like」など)の文字が評価ボタン上に表記されてもよいし、高評価を表現する絵(例えば、親指を立てた手の絵)が評価ボタン上に表記されてもよい。また、取消ボタン205及び210についても同様に、取消又は完了を表現する文字(例えば、「Cancel」、「Stop」、「Complete」など)が取消ボタン上に表記されてもよい。
【0031】
なお、要求ボタン201~203及び206~208に対する要求サービスの内容は、店舗Rの管理者、呼出しシステム1の管理者、呼出しデバイス2の所有者などによって適宜カスタマイズされ得る。また、評価ボタン204及び209の代わりに要求ボタンが設けられてもよい。すなわち、ボタン201~204及び206~209の設定は、店舗Rの管理者、呼出しシステム1の管理者、呼出しデバイス2の所有者などによって適宜カスタマイズされ得る。なお、ボタン205及び210の一方又は両方が要求ボタン又は評価ボタンに割り当てられてもよいし、ボタン201~204及び206~209のいずれか1つ以上が取消ボタンに割り当てられてもよい。ボタン201~210がカスタマイズ可能であることにより、呼出しシステム1の柔軟な設計が可能となる。これらのカスタマイズされた設定、すなわち、ボタン201~210に対する要求ボタン、評価ボタン又は取消ボタンの割当て、及び要求ボタンが割り当てられた場合の要求サービスの内容は、サーバ4(記憶部42)に記憶され得る。
【0032】
本実施形態では、ボタン201~210は、上面視において、反時計回りに、ボタン201、202、203、204、205、206、207、208、209及び210の順に配列される。すなわち、操作部200を構成するボタン(特に、要求ボタン及び評価ボタン)は、呼出しデバイス2の中心線(2つの取消ボタン205及び210の中心を結ぶ直径)に対して回転対称(2回対称)に配置される。あるいは、ボタン201~210は、上面視において、反時計回りに、ボタン201、202、203、204、205、209、208、207、206及び210の順の順に配列されてもよい。すなわち、操作部200を構成するボタン(特に、要求ボタン及び評価ボタン)は、呼出しデバイス2の中心線に対して線対称に配置されてもよい。このように、一対のボタン群(ボタン201~204とボタン206~209の対)が呼出しデバイス2の中心線に対して対称に配置されることにより、対面席における対面双方向からの各ボタンの視認性及び操作性が向上する。言い換えると、対面席テーブルにおいては、対面席の中央線と上記中心線とが略平行となるように呼出しデバイス2が配置されることが好ましい。
【0033】
本実施形態では、取消ボタン205及び210の各々の大きさが、その他のボタン201~204及び206~209の各々の大きさよりも大きい。ボタン201~204及び206~209は着席した要求ユーザ(客)によって比較的近い(低い)距離から安定した姿勢で操作される可能性が高いのに対し、取消ボタン205及び210は立っている応答ユーザ(店員)によって比較的遠い(高い)位置から不安定な姿勢で操作される可能性が高い。したがって、取消ボタン205及び210の各々は、ボタン201~204及び206~209よりも大きく、アクセス性が高い方が望ましい。また、取消ボタン205及び210は、対角位置に配置されることが望ましい。これにより、詳細を後述するように、ベース部100の上面102上にアタッチメントが装着される場合でも、応答ユーザは、取消ボタン205又は210のいずれか(アタッチメントの陰になっていない方)を容易に操作することができる。
【0034】
本実施形態では、ボタン201~210の各々は、可動部のないタッチセンサ式のボタンであり、例えば、ステンレス製である。また、ボタン201~210の各々は、静電容量方式、抵抗膜方式などのスイッチを用いるものであってもよいし、ボタン上部に設けられたメンブレンセンサを用いるものであってもよい。いずれの場合であっても、各ボタンのオン/オフが識別可能なように、各ボタンは、その一部又は全部が発光するように構成されることが好ましい。また、他の実施形態として、ボタン201~210の各々は、物理的な接点を開閉するためのプッシュスイッチであってもよい。この場合、各ボタンの押下げ移動距離に対応する押下げ幅が、操作部200と発光部300との間に設けられる。これにより、各ボタンのオン/オフが、その凹凸で識別可能となる。例えば、各ボタンは、オフにおいて突出(凸)位置となり、オンにおいて押下げ(凹)位置となるように構成され得る。
【0035】
なお、他の実施形態として、ボタン201~204及び206~209は、対をなさずに最大8種類のサービス又は要件の内容に対応するものであってもよい。また、他の実施形態として、取消ボタン205及び210の一方又は両方は設けられなくてもよく、この場合には取消ボタンの代わりに要求ボタン又は評価ボタンが増設可能となる。取消ボタン205及び210の両方が設けられない場合には、オン状態の要求ボタンのキャンセル(すなわち、当該ボタンをオフ状態に戻す操作)は、当該要求ボタンの再タッチ又は再プッシュにより行われる。また、本実施形態では、6個(3対)の要求ボタン201~203及び206~208が設けられるが、要求ボタンの個数はこれに限られない。ただし、上述した、操作部200の対称性を確保するために、要求ボタンの個数は偶数(2個、4個、8個など)であることが好ましい。
【0036】
発光部300は、発光部23に関して上述したようにLED発光部である。発光部300がベース部100の外周において環状に形成されるので、呼出しデバイス2の周回方向のいずれの方向からも(すなわち、360度のいずれの方向からも)発光部300が容易に視認され得る。すなわち、呼出しデバイス2がどのような向きで配置された場合でも、呼出しデバイス2を挟んで対向する位置に着席したいずれの要求ユーザ及びテーブルに到達した応答ユーザから、発光部300が容易に視認さ得る。また、上方向に面した傾斜側面103に発光部300が形成されることにより、テーブルよりも高い位置に視点を有する要求ユーザ及び応答ユーザからの発光部300の視認性が高まる。
【0037】
また、呼出しデバイス2は、
図6に示すような外観のものであってもよい。呼出しデバイス2は、ベース部100、操作部200及び発光部300を有する。ベース部100は、制御部24及び電源部25(不図示)を内部に含む。操作部200は、上述の操作部22に対応し、信号生成部24a(不図示)に接続される。発光部300は、上述の発光部23に対応し、出力制御部24b(不図示)によって制御される。
図7に示す呼出しデバイス2の外径は、例えば、10cm~20cm程度であり、高さは、例えば、3cm~6cm程度であるが、サイズはこれに限定されない。
【0038】
ベース部100は底面111、上面(不図示)及び底面111と上面とに連続する側面113を有し、底面111がテーブルなどの載置面に配置される。なお、説明の便宜上、呼出しデバイス2において、底面111側を下方向又は下側、その逆を上方向又は上側と定義する。ベース部100は底面111の面積よりも上面の面積が小さい円錐台形状を有し、すなわち、側面113は底面111側から上面側にかけてベース部100の中心に向かって傾斜している。したがって、呼出しデバイス2の形状は、平面視(上部から下部への視方向)において円形であり、側面視(平面視に垂直な視方向)において上辺が底辺よりも短い台形である。
【0039】
操作部200は、ベース部100の上面に配置される。このように、操作部200が呼出しデバイス2の上面の広い面積に形成されることにより、操作部200の操作性(接触又は押下の容易性)が増す。発光部300は、ベース部100の側面113の下部側において、ベース部100の外周(好ましくは全周)を形成する環形状を有する。呼出しデバイス2が円錐台形状を有することにより、その設置における安定感及び発光部300の視認性が両立される。
【0040】
操作部200は、要求ボタン221~223、評価ボタン224及び取消ボタン225を含む。要求ボタン221~223は上述の要求ボタン22aに対応し、評価ボタン224は上述の評価ボタン22bに対応し、取消ボタン225は上述の取消ボタン22cに対応する。なお、要求ボタン221~223、評価ボタン224及び取消ボタン225は、それぞれ
図2における要求ボタン201~203、評価ボタン204及び取消ボタン205と同じ機能を有するが、異なる配置を有する。円形の取消ボタン225が中心に配置され、扇形状の要求ボタン221~223及び評価ボタン224が取消ボタン225の周囲に配置される。なお、本例では、ボタン221~224の外周がベース部100の側面113の上端部の内側に位置するように構成されるが、ボタン221~224がベース部100の上面を完全に覆うように構成されてもよい。
【0041】
図2に示す例と同様に、ボタン221~225の各々は、可動部のないタッチセンサ式のボタンであり、例えば、ステンレス製である。また、ボタン221~225の各々は、静電容量方式、抵抗膜方式などのスイッチを用いるものであってもよいし、ボタン上部に設けられたメンブレンセンサを用いるものであってもよい。いずれの場合であっても、各ボタンのオン/オフが識別可能なように、各ボタンは、その一部又は全部が発光するように構成されることが好ましい。また、他の実施形態として、ボタン221~225の各々は、物理的な接点を開閉するためのプッシュスイッチであってもよい。これにより、各ボタンのオン/オフが、その凹凸で識別可能となる。例えば、各ボタンは、オフにおいて突出(凸)位置となり、オンにおいて押下げ(凹)位置となるように構成され得る。
【0042】
発光部300は、発光出力部23aに関して上述したようにLED発光部であり、その機能は
図5に示したものと同様である。本例では、発光部300は、ベース部100の外周下端(すなわち、底部111と側面113の境界付近)において環状に形成される。発光部300が環状であることにより、
図5の場合と同様に、呼出しデバイス2の周回方向のいずれの方向からも発光部300が容易に視認され得る。また、
図5の場合とは異なり、発光部300が側面113の下端部に配置されることにより、テーブルへの間接照明効果が得られ、演出効果及び視認性が向上し得る。
【0043】
図2及び
図3を参照する。ここで、フィードバック信号に含まれるステータス情報と発光部300の発光パターンとの関係については、以下に示すような種々の例が挙げられる。本実施形態では、ステータス情報は、即時に要求サービスの提供が可能なことを示す即応ステータス、要求サービス提供の遅延が予想されることを示す遅延ステータス、又は即応ステータスと遅延ステータスの中間の中間ステータスを示すことができる。なお、上記の「即時」、「遅延」、「中間」に対応する具体的な時間は、店舗Rの管理者、呼出しシステム1の管理者、呼出しデバイス2の所有者、応答端末3を操作する応答ユーザなどによって適宜判断される。
【0044】
(1)発光色変化1(標準発光パターン)
発光部300は、即応ステータスにおいては青色で点灯され、中間ステータスにおいては黄色で点灯され、遅延ステータスでは赤色で点灯又は点滅される。言い換えると、中間ステータスでは、発光部300は、即応ステータス用の発光色と遅延ステータス用の発光色の中間色で点灯される。なお、本開示において、青色光は、緑色光も含み得る表現であり、波長560nm以下、好ましくは、波長435nm~560nm程度の光である。黄色光とは、波長560nm~595nm程度、好ましくは、波長580nm~595nm程度の光である。赤色光とは、波長595nm以上、好ましくは、波長610nm~750nm程度の光である。標準発光パターンにおいては、即応ステータスでは非混雑感又はスムーズ感を、遅延ステータスでは混雑感又はトラブル感を、中間ステータスではその中間を表現することができる。
【0045】
(2)発光色変化2(逆標準発光パターン)
発光部300は、即応ステータスにおいては赤色で点灯又は点滅され、中間ステータスにおいては黄色で点灯され、遅延ステータスでは青色で点灯されてもよい。言い換えると、中間ステータスでは、発光部300は、即応ステータス用の発光色と遅延ステータス用の発光色の中間色で点灯される。逆標準発光パターンにおいては、即応ステータスではスピード感を、遅延ステータスではスロー感を、中間ステータスではその中間を表現することができる。
【0046】
(3)点滅変化1
発光部300は、任意の発光色において、即応ステータスでは連続点灯され又は周波数f1で点滅され、中間ステータスでは周波数f2で点滅され、遅延ステータスでは周波数f3で点滅されるようにしてもよい。ここで、f1<f2<f3である。このような発光パターンにより、即応ステータスでは余裕感又はスムーズ感を、遅延ステータスでは繁忙感又はトラブル感を、中間ステータスではその中間を表現することができる。
【0047】
(4)点滅変化2
上記点滅変化2とは逆に、発光部300は、任意の発光色において、即応ステータスでは周波数f6で点滅され、中間ステータスでは周波数f5で点滅され、遅延ステータスでは連続点灯され又は周波数f4で点滅されるようにしてもよい。ここで、f4<f5<f6である。このような発光パターンにより、即応ステータスではスピード感を、遅延ステータスではスロー感を、中間ステータスではその中間を表現することができる。
【0048】
(5)周回移動1
発光部300が環形状であることから、発光部300の一部分を構成する発光部分が、発光部300において周回移動するように構成されてもよい。なお、任意数の発光部分が設けられ得る。すなわち、ユーザには、発光部300の発光部分が呼出しデバイス2の外周を回転するように見える。これにより、サービスの要求が受け付けられた印象が視覚的に高まり、あるいは動的な動作によって待ち時間の退屈感が軽減される。この場合の、発光部分の発光色には、上記の標準発光パターン又は逆標準発光パターンが適用される。
【0049】
(6)周回移動2
発光部300の発光部分は、任意の発光色において、即応ステータスでは速度v1で周回移動され、中間ステータスでは速度v2で回転移動され、遅延ステータスでは速度v3で回転移動されるようにしてもよい。ここで、0≦v1<v2<v3である。これにより、即応ステータスでは余裕感又はスムーズ感を、遅延ステータスでは繁忙感又はトラブル感を、中間ステータスではその中間を表現することができる。
【0050】
(7)周回移動3
発光部300の発光部分は、任意の発光色において、即応ステータスでは速度v6で周回移動され、中間ステータスでは速度v5で回転移動され、遅延ステータスでは速度v4で回転移動されるようにしてもよい。ここで、0≦v4<v5<v6である。これにより、即応ステータスではスピード感を、遅延ステータスではスロー感を、中間ステータスではその中間を表現することができる。
【0051】
なお、上記いずれの発光パターンにおいても、発光制御部24bは、呼出しデバイス2がフィードバック信号を受信してからの経過時間に応じて発光状態を変化させてもよい。例えば、発光制御部24bは、経過時間に応じて、遅延ステータス用の発光状態→中間ステータス用の発光状態→即応ステータス用の発光状態(又は中間ステータス用の発光状態→即応ステータス用の発光状態)の順に発光状態を変化させてもよい。この場合、発光状態の変化は、段階的であっても連続的であってもよい。
【0052】
上記のいずれの場合であっても、応答ユーザは、呼出しデバイス2のステータスを容易に視認することができ、要求ユーザに対する接客態度をステータスに応じて適切なものとすることができる。応答ユーザは、例えば、即応ステータスの呼出しデバイス2のテーブルでの接客では自信ありげな態度をとることができ、遅延ステータスの呼出しデバイス2のテーブルでの接客では恐縮した態度をとることができる。これにより、要求ユーザと応答ユーザとの間の円滑なコミュニケーションが構築され得る。
【0053】
また、上記発光パターン(1)~(7)に関して、可能な組合せ(矛盾しない組合せ)がある場合には、それらが適宜組み合わせられてもよい。さらに、同じ呼出しデバイス2において、状況に応じて上記発光パターン(1)~(7)のいずれかが選択されてもよい。例えば、操作部200の要求ボタンの種類(サービスの種類)に対して発光パターンが選択されてもよいし、いずれかの要求ボタンが作動される毎にランダムに発光パターンが選択されてもよい。ただし、相反する組合せ(例えば、(1)と(2)の組合せ、(3)と(4)の組合せ、(6)と(7)の組合せなど)は、ユーザにおける混乱を回避するために、同じ呼出しデバイス2においては採用されないことが望ましい。
【0054】
以下、
図2を参照する。ベース部100の上面102は、種々の態様で利用され得る。例えば、上面102は、照明ランプ、キャンドル、調味料入れ、メニュー表、無線充電器(非接触充電器)など、種々のアタッチメント(以下、「外部デバイス」ともいう)を装着可能とするアダプタが設けられてもよい。これにより、種々の使用状況に対して呼出しデバイス2の有用性が高まる。上記アダプタには、ベース部100内部の電源部25から外部デバイスへの給電を可能とする接続端子が設けられることが好ましい。また、上記アダプタには、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)などを用いてベース部100内部の制御部24から外部デバイスへの信号供給を可能とする接続制御端子が設けられることが好ましい。これにより、上記接続端子又は接続制御端子に対応する照明ランプ、無線充電器などが電源コードを用いずに接続又は制御可能となる。この場合の電源部25は、給電容量の観点から、電池ではなく、外部給電される電源であることが望ましい。
【0055】
また、ベース部100の上面102は、ディスプレイを構成していてもよい。このようなディスプレイには、おすすめメニュー、呼出しデバイス2の操作方法、店又は商品の宣伝広告、占い、季節の風景などの各種情報又は映像が表示され得る。このディスプレイは上述の補助出力部26に対応し、ディスプレイの表示内容は制御部24によって制御される。あるいは、ディスプレイは、発光部300と同様の発光パターンで発光するように構成されてもよい。この場合、ディスプレイの発光パターンは、発光制御部24bによって発光部300と同様に制御され得る。
【0056】
また、ベース部100の側面103に、選択的に液晶表示部350が設けられてもよい。液晶表示部350は、上述の補助出力部26に対応する。液晶表示部350には、おすすめメニュー、呼出しデバイス2の操作方法、店又は商品の宣伝広告などの各種情報が表示され得る。液晶表示部350の表示内容は、制御部24によって制御される。
【0057】
図1に戻り、応答端末3は、通信部31、CPU32、メモリ33及び入出力インターフェース(I/F)34を備える。通信部31は、サーバ4(通信ネットワークN及び通信部41)とWiFi、3G、4G、LTEなどの通信規格によって無線通信可能な一般的な通信手段であればよい。CPU32及びメモリ33は、コンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ33には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU32はそのプログラムを実行可能であるものとする。言い換えると、特に断りがない限り、応答端末3の動作は、CPU32を主体として実行されるものとする。入出力I/F34は、タッチパネル(及び必要に応じてスピーカ)である。以下、入出力I/F34をタッチパネル34ともいう。
【0058】
CPU32は、応答ユーザによる操作(例えば、タッチパネル34上の所定アイコンのタップなどのタッチ操作)に応じて、応答信号を生成する。応答信号には、応答端末3の識別子などが含まれる。また、CPU32は、応答ユーザによる操作(例えば、タッチパネル34上の所定アイコンのタップなどのタッチ操作)に応じて、ステータス情報を生成する。CPU32は、応答信号にステータス情報を付加してフィードバック信号を生成する(言い換えると、ステータス情報がフィードバック信号に含められる)。なお、フィードバック信号(又は応答信号)は、応答端末3の識別子も含む。CPU32は、フィードバック信号を通信部31からサーバ4(通信部41)に送信させる。
【0059】
また、CPU32は、応答ユーザによる操作(例えば、タッチパネル34上の所定アイコンのタップなどのタッチ操作)に応じて、取消ボタン22c(205又は210)を遠隔操作するための遠隔取消信号を生成する。CPU32は、遠隔取消信号を通信部31からサーバ4(通信部41)に送信させる。これにより、応答ユーザが呼出しデバイス2を直接操作することが困難な場合(例えば、テーブルの奥の方に呼出しデバイス2が配置され、応答ユーザによる取消ボタン22c(205又は210)の操作が困難な場合)でも、有効化された発光部23(300)の動作を容易に無効化することができる。
【0060】
図3A~
図3Gを用いて、ウォッチ型のウェアラブルデバイスである応答端末3のタッチパネル34上の画面例を示す。なお、
図3A~
図3Gに示す画面は例示であり、他にも多数の画面例が存在し得る。
【0061】
図3Aは、ホーム画面500の一例の模式図である。ホーム画面500は、アイコン501~503を表示する。アイコン501は、操作信号(要求信号)を出力した呼出しデバイス2が配置されたテーブル番号を示す。例えば、
図3Aでは、「05番テーブル」から要求信号が送信されたことが示されている。アイコン502は、要求サービスの内容を示す。例えば、
図3Aでは、「水(お冷)」の給仕が要求されたことが示されている。アイコン503は、対応可否(要求サービスを提供できるか否か)の選択肢を示す。例えば、
図3Aに示すように、「OK」のアイコンを応答ユーザがタッチ(例えば、タップ)することにより、CPU32によって応答信号が生成され得る。ここで、タップの回数が、指定されるステータス情報に対応するようにしてもよい。例えば、1回のタップが即応ステータスに対応し、2回のタップが中間ステータスに対応し、3回のタップが遅延ステータスに対応するようにしてもよい。
【0062】
あるいは、アイコン503の「OK」のタッチに応じて、
図3Bに示すステータス入力画面510が展開されてもよい。
図3Bに示すように、ステータス入力画面510は、上述の即応ステータスを指定するアイコン511(「即対応」)、中間ステータスを指定するアイコン512(「普通」)及び遅延ステータスを指定するアイコン513(「遅れる」)を示す。応答ユーザがアイコン511~513のいずれかをタッチ(例えば、タップ)することにより、CPU32によって、そのアイコンに対応するステータス情報が応答信号に含められてフィードバック信号が生成される。CPU32は、フィードバック信号を通信部31からサーバ4に送信させる。なお、応答端末3がスマートフォンの場合には、所定の画面において、アイコン501及び502とアイコン511、512及び513とが上下に並べられて表示されてもよい。
【0063】
あるいは、
図3Cに示すように、ホーム画面500において、アイコン503の代わりに、即応ステータスを指定するアイコン504(「即」)、中間ステータスを指定するアイコン505(「並」)及び遅延ステータスを指定するアイコン506(「遅」)が表示されてもよい。応答ユーザがアイコン504~506のいずれかをタッチ(例えば、タップ)することにより、CPU32によって、応答信号及びタッチされたアイコンに対応するステータス情報を含むフィードバック信号が生成される。CPU32は、フィードバック信号を通信部31からサーバ4に送信させる。
【0064】
また、
図3Dに示すように、ホーム画面500又はステータス指定画面510を介して送信されたフィードバック信号がサーバ4に採用されてタスク信号が受信された場合に、要求サービスの提供を指示するタスク指示画面520が表示され得る。タスク指示画面520は、上記と同様のアイコン501及び502、並びにサービス提供指示を示すアイコン523(「Go!」)を表示する。なお、ホーム画面500又はステータス指定画面510を介して送信されたフィードバック信号がサーバ4に採用されなかった場合には、タスク画面520において、アイコン523の代わりに要求サービスの提供が不要となったことを示す文字「NoNeed」などが表示されるようにしてもよいし、タスク画面520が表示されなくてもよい。
【0065】
また、
図3Eに示すように、一台の応答端末3が複数のタスク(採用されたフィードバック信号に対応するサービス提供指示)を受け持つ場合には、複数のタスクに応じたタスク指示画面520が所定の時間間隔(例えば、1秒間隔程度)で輪番表示されるようにしてもよい。例えば、
図3Eに示すように、タスク表示画面520a(05番テーブル、水)→タスク表示画面520b(07番テーブル、呼出し)→タスク表示画面520c(03番テーブル、会計)が反復表示され得る。
【0066】
また、
図3Fに示すように、応答ユーザがサービスの提供を完了した場合又は要求ユーザがサービスの要求を自発的に取り消した場合、すなわち、取消信号が送信された場合にはサービス提供完了又は要求中止を示す要求取消画面530が表示されるようにしてもよい。要求取消画面530は、上記と同様のアイコン501及び502、並びにサービス要求中止を示すアイコン533を表示する。例えば、アイコン533は、取消信号の発動を示す文字「Cancelled」を示す。要求取消画面530は、所定時間にわたって表示された後に非表示とされてもよい。
【0067】
また、
図3Gに示すように、提供したサービスに対する高評価を示す評価信号が得られた場合には、ホーム画面500などが評価画面540に切り替わり、テーブル番号(「テーブル05」)とともに「いいねGet!」などの表記が表示されるようにしてもよい。また、タッチパネル34上にモード切替ボタン(不図示)が設けられてもよく、このモード切替ボタンの操作により、それまでに得られた評価(「いいね」)の累積数などが評価画面530に表示されるようにしてもよい。
【0068】
図1に戻り、サーバ4は、通信部41、記憶部42、処理部43、要求信号処理部44、フィードバック(FB)信号処理部45、取消信号処理部46及び評価信号処理部47を備える。また、サーバ4は、必要に応じて所要時間予測部48をさらに備える。これらの各部は、相互に信号及びデータのやり取りが可能な態様で接続されているものとする。
【0069】
通信部41は、一般的な通信装置であればよく、呼出しデバイス2(通信部21)及び応答端末3(通信部31)と通信ネットワークNを介して無線通信可能であればよい。なお、本開示において、処理部43、要求信号処理部44、FB信号処理部45、取消信号処理部46、評価信号処理部47又は所要時間予測部48が信号を送信、受信又は転送するという記載は、当該各部が通信部41に信号を送信、受信又は転送させることを意味する。
【0070】
記憶部42には、呼出しデバイス2の識別子と応答端末3の識別子との対応関係(以下、「デバイス-端末対応関係」という)が予め記憶されている。デバイス-端末対応関係は、例えば、同じ店舗Rに含まれる全ての呼出しデバイス2と全ての応答端末3とのグルーピング、同じ店舗Rに含まれる特定の呼出しデバイス2と特定の応答端末3とのグルーピングなどを特定する。また、記憶部42は、データベースとして機能し、大量のデータをビックデータとして蓄積することができる。このビックデータには、操作信号、タスク信号及びフィードバック信号の全ての記録(すなわちログ)が含まれ得る。
【0071】
処理部43はCPUなどで構成され、サーバ4内の各部の統括制御、通信部41の通信制御など、一般的なクラウドサーバの処理機能を実行し得る。言い換えると、処理部43は、要求信号処理部44、FB信号処理部45、取消信号処理部46、評価信号処理部47及び所要時間予測部48の機能以外の各種機能を実行し得る。また、処理部43は、記憶部42に蓄積されたビックデータの個数処理などの統計的処理を行うことができる。
【0072】
要求信号処理部44は、呼出しデバイス2から受信された要求信号に関して、記憶部42に記憶されたデバイス-端末対応関係を参照して当該要求信号の転送先となる応答端末3を決定する。例えば、ある呼出しデバイス2からの要求信号が受信されると、要求信号処理部44は、デバイス-端末対応関係に基づいて、当該呼出しデバイス2と同じ店舗に属する全ての応答端末3に要求信号を転送することを決定し得る。あるいは、ある呼出しデバイス2からの要求信号が受信されると、要求信号処理部44は、デバイス-端末対応関係に基づいて、当該呼出しデバイス2と同じ店舗に属する応答端末3のうちの特定の区画(例えば、特定のフロア、特定のエリア)に属する応答端末3に要求信号を転送することを決定し得る。あるいは、ある呼出しデバイス2からの要求信号が受信されると、要求信号処理部44は、デバイス-端末対応関係に基づいて、当該呼出しデバイス2と同じ店舗に属する応答端末3のうちの当該要求信号に関係する応答端末3(例えば、所定の担当者の応答端末3)に要求信号を転送することを決定し得る。要求信号処理部44は、要求信号を決定された転送先の応答端末3に転送する。
【0073】
FB信号処理部45は、応答端末3から受信されたフィードバック信号を採用するか否か、又は複数の応答端末3から受信されたフィードバック信号のいずれを採用するかを決定する。例えば、FB信号処理部45は、最初に受信されたフィードバック信号(以下、「第1フィードバック信号」という)を採用するように構成され得る。あるいは、FB信号処理部45は、受信された複数のフィードバック信号のうちの最適なフィードバック信号(以下、「最適フィードバック信号」という)を採用するように構成されてもよい。最適フィードバック信号は、例えば、最も早い要求サービスの提供が可能であることを示すフィードバック信号であり得る。具体的には、即応ステータスを示すフィードバック信号及び中間ステータス又は遅延ステータスを示すフィードバック信号が受信された場合には、即応ステータスを示すフィードバック信号が最適フィードバック信号となる。また、中間ステータスを示すフィードバック信号及び遅延ステータスを示すフィードバック信号が受信された場合には、中間ステータスを示すフィードバック信号が最適フィードバック信号となる。
【0074】
FB信号処理部45は、採用されたフィードバック信号(第1フィードバック信号又は最適フィードバック信号)を要求信号の送信元の呼出しデバイス2に送信する。また、FB信号処理部45は、フィードバック信号に関する情報、当該フィードバック信号に対応する要求信号に関する情報、当該フィードバック信号を出力した応答端末3(又はそのユーザ)に関する情報などを記憶部42に記憶させる。さらに、FB信号処理部45は、フィードバック信号が採用されたか否かを示すタスク信号を少なくとも採用されたフィードバック信号の送信元の応答端末3に送信するように構成され得る。
【0075】
取消信号処理部46は、呼出しデバイス2から受信された取消信号を所定の応答端末3に送信する。ここで、所定の応答端末3とは、要求信号の転送先である全ての応答端末3であってもよいし、フィードバック信号の送信元である全ての応答端末3であってもよいし、採用されたフィードバック信号の送信元である1つの応答端末3であってもよい。また、取消信号処理部46は、応答端末3の識別子、要求サービスの種類、サービス提供の実績所要時間などのデータを記憶部42に蓄積する集計処理を行うように構成され得る。なお、実績所要時間は、要求信号が受信されてから取消信号を受信するまでの時間又はフィードバック信号が受信されてから取消信号を受信するまでの時間である。また、取消信号処理部46は、応答端末3から受信された遠隔取消信号を呼出しデバイス2に送信する。この場合、実績所要時間は、要求信号が受信されてから遠隔取消信号を受信若しくは送信するまでの時間又はフィードバック信号が受信されてから遠隔取消信号を受信若しくは送信するまでの時間である。
【0076】
評価信号処理部47は、評価信号の送信元の呼出しデバイス2が送信した直近の要求信号(サービス)に関して、採用されたフィードバック信号の送信元の応答端末3の応答ユーザに対する評価を高める評価処理を行うように構成される。評価処理の一環として、各応答端末3のユーザに対する評価は、記憶部42に蓄積される。この記憶された各ユーザに対する評価は、当該ユーザに対する報酬、待遇などに反映され得る。また、評価処理の一環として、評価信号処理部47は、評価対象となった応答ユーザの応答端末3に、評価された旨を通知するようにしてもよい。なお、評価処理は、各応答端末3に対する評価、各店舗Rに対する評価、各サービスに対する評価又はこれらの組合せに関するものであり得る。
【0077】
所要時間予測部48は、取消信号処理部46によって記憶部42に記憶及び蓄積された実績所要時間のデータに基づいて各サービスの提供のための所要時間を予測する予測処理を行う。この予測処理には、NPS(ネットプロモータースコア)が使用され得る。また、ステータス決定部48は、記憶部42に記憶されたデータに基づいて、呼出しデバイス2又は応答端末3の各適用環境、各要求サービスの内容、特定の期間、各応答端末3、各応答ユーザ又はこれらの組合せについて、所要時間を学習及び予測することもできる。上記適用環境は、店舗Rの種類、業態、ランク(高級店/大衆店)などを含む。上記特定の期間は、季節、月、日(曜日、休祝日)、時間帯などを含む。上記学習には、周知の人工知能(AI)(例えば、マシンラーニング(ML)(例えば、ディープラーニング(DL)))が使用され得る。予測処理は、応答端末3においてステータスが決定されない場合に行われ得る。応答端末3からステータス情報を含まない応答信号が受信された場合に、所要時間予測部48は予測所要時間に基づいてステータス情報(即応ステータス、中間ステータス又は遅延ステータス)を決定する。所要時間予測部48は、決定したステータス情報をFB信号処理部45に出力する。FB信号処理部45は、応答信号にステータス情報を付加してフィードバック信号を生成し、そのフィードバック信号を要求信号の送信元の呼出しデバイス2に送信する。
【0078】
記憶部42のデータベースには、予測所要時間を各ステータスに対応付けるための閾値(時間閾値)が記憶される。所要時間予測部48は、予測所要時間が第1の閾値未満である場合には即応ステータスを決定し、予測所要時間が第1の閾値以上かつ第2の閾値未満である場合には中間ステータスを決定し、予測所要時間が第2の閾値以上である場合には遅延ステータスを決定する。なお、第1の閾値<第2の閾値である。各閾値は、店舗Rの管理者、呼出しシステム1の管理者、呼出しデバイス2の所有者などによってカスタマイズ可能であり、記憶部42のデータベースに記憶される。
【0079】
図4は、本実施形態の呼出しシステム1の一例による信号フロー図である。本例では、応答端末3においてステータス情報が選択されてフィードバック信号が生成される(所要時間予測部48は使用されない)。なお、応答端末3として、応答端末3a、3b及び3cを例示する。
【0080】
ステップS10において、呼出しデバイス2(信号生成部24a)が、要求ユーザによる要求ボタン22a(201~203、206~208)の操作に応じて、要求信号をサーバ4に送信する。
【0081】
ステップS12a、12b及び12cにおいて、サーバ4(要求信号処理部44)が、要求信号を応答端末3a、3b及び3cにそれぞれ送信する。
【0082】
ステップS12a、12b及び12cに応じて、ステップS14aにおいて応答端末3aが、ステップS14cにおいて応答端末3cがそれぞれ(ステータス情報を含む)フィードバック信号をサーバ4に送信したものとする。なお、応答端末3bは、フィードバック信号を送信しないものとする。ここでは、応答端末3cが、上記の第1フィードバック信号又は最適フィードバック信号を送信したものとする。
【0083】
ステップS16cにおいて、サーバ4(FB信号処理部45)が、フィードバック信号が採用されたこと(すなわち、サービス提供指示)を示すタスク信号を応答端末3cに送信する。なお、サーバ4(FB信号処理部45)は、フィードバック信号が採用されなかったことを示すタスク信号を応答端末3aのみ又は応答端末3a及び3bに送信してもよい。ステップS18において、サーバ4(FB信号処理部45)が、フィードバック信号を呼出しデバイス2に送信する。
【0084】
ステップS20において、呼出しデバイス2(発光制御部24b)が、受信したフィードバック信号に含まれるステータス情報に応じて発光部23(300)の発光制御を行う。
【0085】
その後、応答端末3cの応答ユーザが、要求サービスを提供する(破線)。この際、ステップS30において、応答ユーザが呼出しデバイス2の取消ボタン22c(205又は210)を作動させると、呼出しデバイス2(発光制御部24b)は発光部23(300)の動作を無効化する。あるいは、応答ユーザの操作に応じて応答端末3c(CPU32)が遠隔取消信号をサーバ4に送信し、サーバ4(取消信号処理部46)が遠隔取消信号を呼出しデバイス2に送信し、発光制御部24bが発光部23の動作を無効化することもできる。いずれの場合であっても、応答ユーザは、1つのサービス要求について、自身の持ち場と要求ユーザのテーブルとの間を一往復するだけでよい。ステップS32において、呼出しデバイス2は、取消信号をサーバ4に送信する。なお、サーバ4(取消信号処理部46)は、取消信号を少なくとも応答端末3cを含む所定の応答端末3に送信してもよい。ステップS34において、必要に応じて、サーバ4(取消信号処理部46)は、サービス提供に関するデータ(応答端末3cの識別子、要求サービスの種類、実績所要時間など)の集計処理を行う。
【0086】
ステップS40において、呼出しデバイス2が、要求ユーザによる評価ボタン22b(204又は209)の操作に応じて、評価信号をサーバ4に送信したものとする。これに応じて、ステップS42において、サーバ4(評価信号処理部47)は、必要な評価処理を行う。
【0087】
図5は、本実施形態の呼出しシステム1の他の例による信号フロー図である。本例では、サーバ4(所要時間予測部48)においてステータス情報が選択されてフィードバック信号に含められる。本例でも、応答端末3として、応答端末3a、3b及び3cを例示する。
【0088】
ステップS10において、呼出しデバイス2(信号生成部24a)が、要求ユーザによる要求ボタン22a(201~203、206~208)の操作に応じて、要求信号をサーバ4に送信する。
【0089】
ステップS11において、所要時間予測部48が、記憶部42に記憶された実績所要時間に基づいて予測処理を行う。これにより、要求サービスを提供するための所要時間が予測され、予測所要時間に基づいてステータス情報が決定される。
【0090】
ステップS12a、12b及び12cにおいて、サーバ4(要求信号処理部44)が、要求信号を応答端末3a、3b及び3cにそれぞれ送信する。
【0091】
ステップS12a、12b及び12cに応じて、ステップS15bにおいて、応答端末3bが、最初に応答信号(ステータス情報を含まないフィードバック信号)をサーバ4に送信したものとする。すなわち、ステップS15bにおいて送信されたフィードバック信号が、第1フィードバック信号となる。
【0092】
ステップS16bにおいて、サーバ4(FB信号処理部45)が、フィードバック信号が採用されたこと(すなわち、サービス提供指示)を示すタスク信号を応答端末3bに送信する。
【0093】
ステップS19において、サーバ4(所要時間予測部48)が、ステップS11で決定されたステータス情報をフィードバック信号に含める。サーバ4(FB信号処理部45)は、そのフィードバック信号を呼出しデバイス2に送信する。
【0094】
ステップS20において、呼出しデバイス2(発光制御部24b)が、受信したフィードバック信号に含まれるステータス情報に応じて発光部23(300)の発光制御を行う。
【0095】
その後、応答端末3bの応答ユーザが、要求サービスを提供する(破線)。ステップS30~S42は、
図4におけるステップS30~S42と実質的に同じである(ただし、応答端末3cが応答端末3bに読み替えられる)。
【0096】
以上のように、本発明の実施形態による呼出しデバイス2は、ユーザ操作を受け付ける操作部22(200)と、受け付けたユーザ操作に基づいて所定のサービスの要求を示す要求信号を生成する信号生成部24aと、要求信号をサーバ4に無線送信し、所定のサービスが提供されるまでの所要時間に基づくステータス情報を含むフィードバック信号をサーバ4から無線受信する通信部21と、可変の発光パターンで発光するように構成された発光部23(300)と、フィードバック信号に含まれるステータス情報に応じて発光パターンを制御する発光制御部24bとを備える。
【0097】
このように、呼出しデバイス2の発光部23(300)の発光パターンが、要求サービスを提供するための所要時間に応じたステータス情報に基づいて制御される。これにより、要求されたサービスが提供されるまでの待ち状況に関する視覚的かつ直感的なフィードバックをユーザに与えることができる呼出しデバイス2が実現される。言い換えると、この発光によるフィードバック態様は言語に依らないため、多言語対応が不要であり、呼出しデバイス2のグローバル展開又はインバウンド対応における適応性及び汎用性が高まる。
【0098】
上記実施形態の一態様では、ステータス情報は、所要時間が相対的に短い即応ステータス又は所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、発光制御部24bは、ステータス情報が即応ステータスを示す場合には発光部23(300)を第1の発光色で発光させ、ステータス情報が遅延ステータスを示す場合には発光部23(300)を第1の発光色とは異なる第2の発光色で発光させるように構成される。これにより、ユーザにおいて、所要時間(待ち時間)の長短が、直感的に識別可能となる。例えば、第1の発光色は青色であり、第2の発光色は赤色である。
【0099】
また、ステータス情報はさらに、所要時間が即応ステータスの所要時間よりも長く遅延ステータスの所要時間よりも短い場合に中間ステータスを示すように構成され、発光制御部24bは、ステータス情報が中間ステータスを示す場合に、発光部を第1の発光色と第2の発光色の中間色である第3の発光色で発光させるように構成される。これにより、所要時間(待ち時間)の長短が、よりきめ細かな態様で認識可能となる。例えば、第3の発光色は黄色である。
【0100】
上記実施形態の一態様では、ステータス情報は、所要時間が相対的に短い即応ステータス又は所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、発光制御部24bは、ステータス情報が即応ステータスを示す場合には発光部23(300)を連続点灯及び点滅の一方で動作させ、ステータス情報が遅延ステータスを示す場合には発光部23(300)を連続点灯及び点滅の他方で動作させるように構成される。これにより、ユーザにおいて、所要時間(待ち時間)の長短が、直感的に識別可能となる。
【0101】
上記実施形態の一態様では、ステータス情報は、所要時間が相対的に短い即応ステータス又は所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、発光制御部24bは、ステータス情報が即応ステータスを示す場合には発光部23(300)を第1の周波数で点滅させ、ステータス情報が遅延ステータスを示す場合には発光部23(300)を第1の周波数とは異なる第2の周波数で点滅させるように構成される。これにより、ユーザにおいて、所要時間(待ち時間)の長短が、直感的に識別可能となる。
【0102】
上記実施形態の一態様の呼出しデバイス2は、操作部22(200)及び発光部23(300)が外部に視認可能に配置されるとともに通信部21及び制御部24が内部に配置されたベース部100を備え、発光部300はベース部100の外周に沿う環形状を有する。これにより、呼出しデバイス2がテーブル中心付近に配置された場合に、発光部300がテーブル周囲の全方向から容易に視認可能となる。
【0103】
上記実施形態の一態様では、ステータス情報は、所要時間が相対的に短い即応ステータス又は所要時間が相対的に長い遅延ステータスを示すように構成され、発光制御部24bが、発光部23(300)の一部分である発光部分を発光部上で周回移動させるように構成される。これにより、要求ユーザにおいて、サービスの要求が受け付けられた印象が視覚的に高まり、あるいは動的な動作によって待ち時間の退屈感が軽減される。
【0104】
上記実施形態の一態様の呼出しデバイス2は、発光制御部24bは、ステータス情報が即応ステータスを示す場合には発光部分を第1の速度で周回移動させ、ステータス情報が遅延ステータスを示す場合には発光部分を第1の速度とは異なる第2の速度で周回移動させるように構成される。これにより、ユーザにおいて、所要時間(待ち時間)の長短が、直感的に識別可能となる。
【0105】
上記実施形態の一態様の呼出しデバイス2は、操作部22(200)及び発光部23(300)が外部に視認可能に配置されるとともに通信部21及び制御部24が内部に配置されたベース部100を備え、操作部200はベース部100の外周部に配置され、操作部200の上端部はベース部100の上端部よりも上方に突出する。これにより、ユーザは指先以外の部位でも容易に操作部200を操作することができ、操作部200の操作性(接触又は押下の容易性)が増す。
【0106】
上記実施形態の一態様の呼出しデバイス2は、操作部22(200)及び発光部23(300)が外部に視認可能に配置されるとともに通信部21及び制御部24が内部に配置されたベース部100を備え、操作部200は複数のボタン201~210を含み、複数のボタン201~210の各々がユーザ操作(接触又は押圧)を受け付けるように構成され、複数のボタン201~210はベース部100の上部外周部に配置される。これにより、呼出しデバイス2がテーブル中心付近に配置された場合に、ある方向のユーザによるボタン操作が他の方向によるユーザから容易に視認され、呼出しデバイス2のユーザ間の情報共有性が高まる。
【0107】
また、複数のボタン201~210は一対のボタン群(ボタン201~204及びボタン206~209)を含み、平面視において、一対のボタン群はベース部100の中心線に対して対称配置される。これにより、対面双方向からの各ボタンの視認性及び操作性が向上する。
【0108】
上記実施形態の一態様では、所定のサービスは、少なくとも第1のサービス及び該第1のサービスとは異なる第2のサービスを含み、操作部22(200)は複数のボタン201~20~210を含み、複数のボタン201~210の各々がユーザ操作(接触又は押圧)を受け付けるように構成され、複数のボタン201~210は、接触又は押圧に応じて少なくとも第1のサービスの要求を示す要求信号を信号生成部24aに生成させるための要求ボタン及び接触又は押圧に応じて第2のサービスの要求を示す要求信号を信号生成部24aに生成させるための要求ボタンを含む。これにより、複数のサービスに関する呼出しが設定可能となり、呼出しデバイス2の利用性が高まる。
【0109】
上記実施形態の一態様では、操作部22(200)は複数のボタン201~210を含み、複数のボタン201~210の各々がユーザ操作(接触又は押圧)を受け付けるように構成され、複数のボタン201~210は、接触又は押圧に応じて少なくとも所定のサービスの要求を示す要求信号を信号生成部24aに生成させるための要求ボタン201~203及び206~208並びに接触又は押圧に応じて所定のサービスの提供に対する評価を示す評価信号を信号生成部24aに生成させるための評価ボタン204及び209を含み、通信部21は評価信号をサーバ4に無線送信するように構成される。このような評価信号を適宜利用することにより、店舗R又は各応答ユーザの適時の評価が可能となり、この評価の利用によってサービス品質向上が図られる。
【0110】
上記実施形態の一態様では、操作部22(200)は複数のボタン201~210を含み、複数のボタン201~210の各々がユーザ操作(接触又は押圧)を受け付けるように構成され、複数のボタン201~210は、接触又は押圧に応じて少なくとも所定のサービスの要求を示す要求信号を信号生成部24aに生成させるための要求ボタン201~203及び206~208並びに接触又は押圧に応じて発光部23(300)をフィードバック信号の受信前の状態に戻すための取消ボタン205及び210を含む。これにより、応答ユーザは、要求ユーザに分かりやすい態様で、容易に要求サービスの提供の完了を示すことができる。
【0111】
上記実施形態の一態様では、通信部21がサーバ4から所定の信号を受信した場合に、発光制御部24bが発光部23(300)をフィードバック信号の受信前の状態に戻すように構成される。これにより、応答ユーザが呼出しデバイス2を直接操作することが困難な場合でも、有効化された発光部23(300)の動作を容易に無効化することができる。
【0112】
上記実施形態の一態様の呼出しデバイス2は、操作部22(200)及び発光部23(300)が外部に視認可能に配置されるとともに通信部21及び制御部24が内部に配置されたベース部100を備え、操作部200、発光部300及びベース部100によって画定される外形は円錐台形状を有する。これにより、呼出しデバイス2の設置における安定感及び発光部300の視認性が両立される。
【0113】
上記実施形態の一態様の呼出しデバイス2は、少なくとも通信部21、発光部23(300)及び制御部24に給電する電源部25と、操作部22(200)及び発光部23(300)が外部に視認可能に配置されるとともに通信部21、制御部24及び電源部25が内部に配置されたベース部100とを備え、ベース部100の上面102は外部デバイスに対するアダプタを有し、アダプタは電源部25から外部デバイスに給電するための接続端子又は制御部24から外部デバイスに信号を供給するための接続制御端子を有する。これにより、種々の使用状況に対して呼出しデバイス2の有用性が高まる。
【0114】
本発明の実施形態による呼出しシステム1は、上記いずれかの呼出しデバイス2と、サーバ4と、サーバ4から受信された要求信号に応じてフィードバック信号をサーバ4に送信する応答端末3とを備え、ステータス情報は、応答端末3においてユーザによる選択に応じてフィードバック信号に含められ、又はサーバ4おいて予測処理に応じてフィードバック信号に含められる。これにより、上記の各効果に貢献する呼出しシステム1が実現される。
【0115】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0116】
(1)呼出しデバイス2の用途に関する変形
上記実施形態では、呼出しデバイス2が飲食店などの店舗で使用されることを前提としたが、呼出しデバイス2はホテルの受付などにおいて使用されてもよい。特に、人目を避けたい利用客又は他人との遭遇を避けたい利用客において受付での待ち時間が不安感、イライラ感を伴い得るラブホテル、レジャーホテル、カップルズホテル、ブディックホテル、ファッションホテルなどのフロントにおいて好適に使用され得る。この場合、要求ボタンによるサービス要求内容として、チェックイン、チェックアウトなどが想定される。
【0117】
(2)呼出しデバイス2の外形(平面視)に関する変形
上記実施形態では、呼出しデバイス2の外形が俯瞰視において略円錐台形であって平面視において円形のものを示したが、その平面視における外形は円形に限られない。呼出しデバイス2の外形は、平面視において、長円、楕円、4角形(長方形、正方形、菱形、平行四辺形、台形など)、6角形、8角形などであってもよい。特に
図2に示す呼出しデバイス2においては、外形が長円又は楕円の場合には、取消ボタンは長径線上に配置されることが好ましい。外形が長方形の場合には、取消ボタンは短辺上に配置されることが好ましい。外形が菱形、平行四辺形又は台形の場合には、取消ボタンは鋭角頂点付近の領域に配置されることが好ましい。これらの取消ボタンの配置は、応答ユーザからの取消ボタンの視認性及びアクセス性の観点から好ましい。また、これらの取消ボタンの配置によって、他のボタン(要求ボタン又は評価ボタン)の一方向からの視認性が増し、要求ユーザにおけるこれらのボタンの一覧性が高まる。
【0118】
(3)呼出しデバイス2の外形(側面視)に関する変形
上記実施形態では、呼出しデバイス2の外形が俯瞰視において略円錐台形であって側面視において台形のものを示したが、その側面視における外形は台形に限られない。呼出しデバイス2の外形は、側面視において、長円形、長方形などであってもよい。あるいは、発光部300を境として側面103と操作部200の側面とが不連続面を形成していてもよい。すなわち、底面101に対する発光部300の角度と、底面101に対する側面103及び操作部200の側面の一方又は両方の角度とが異なっていてもよい。この場合、発光部300は、視認性の観点から、上方に面することが好ましい。あるいは、発光部300が、側面103又は操作部200に対して側面外側方向に突出していてもよい。
【0119】
(4)発光部300の形状に関する変形
上記実施形態では、発光部300は呼出しデバイス2(ベース部100)の外周に沿う一連の帯形状(一連の環形状)の発光部を有するが、発光部300の形状はこれに限られない。発光部300の形状は、例えば、呼出しデバイス2(ベース部100)の外周に沿う複数の帯形状(分割された環形状)の発光部であってもよい。この場合でかつ上述の(5)~(7)の発光パターンが採用される場合、複数の帯状発光部の全体に上記発光パターンが適用されてもよいし、複数の帯状発光部の各々に上記発光パターンが適用されてもよい。後者の場合には、同じ発光パターンが複数の帯状発光部において同期して実行され得る。あるいは、発光部300は、呼出しデバイス2(ベース部100)の外周に沿う複数のドット(細分化された環形状)の発光部であってもよい。なお、本開示における文言「環形状」は、上記一連の環形状、上記分割された環形状及び上記細分化された環形状を含み得る表現である。
【符号の説明】
【0120】
1 呼出しシステム
2、2-1~2-m 呼出しデバイス
3、3-1~3-n 応答端末
4 サーバ
21 通信部
22 操作部
22a 要求ボタン
22b 評価ボタン
22c 取消ボタン
23 発光部
24 制御部
24a 信号生成部
24b 発光制御部
25 電源部
100 ベース部
102 上面
200 操作部
201~203、206~209、221~223 要求ボタン
204、209、224 評価ボタン
205、210、225 取消ボタン
300 発光部