(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】排水トラップ
(51)【国際特許分類】
E03C 1/284 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
E03C1/284
(21)【出願番号】P 2019126379
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高橋 進
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】実開昭47-009260(JP,U)
【文献】特開2004-244981(JP,A)
【文献】特開2000-120130(JP,A)
【文献】登録実用新案第3073779(JP,U)
【文献】実開昭53-012260(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12-1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の排水管内に設けられる筒状のトラップ部を備え、
前記トラップ部は、上流側に配置された上側トラップ部と、下流側に配置された下側トラップ部とを組み合わせることで構成されており、
前記上側トラップ部は、筒状の上側周壁と、前記上側周壁の内壁面から内周側かつ前記下側トラップ部へ向けて突出する上側仕切壁とを有し、
前記下側トラップ部は、筒状の下側周壁と、前記下側周壁の内壁面から内周側かつ前記上側トラップ部へ向けて突出するとともに、その先端部が前記トラップ部の軸方向において前記上側仕切壁と重なる位置にまで突出している下側仕切壁とを有し、
前記上側仕切壁の先端部と前記下側仕切壁の先端部とは、前記トラップ部の径方向において対向しており、
前記下側仕切壁における前記上側仕切壁側の上面のうち最下部と先端部との間には、前記軸方向に対して傾斜している傾斜面が形成されていて、
前記上側トラップ部は、基端部が前記上側周壁の内壁面に接続されているとともに、先端部が前記上側仕切壁の最上部に接続されている上側誘導壁を有し、
前記上側誘導壁の上面は、前記上側誘導壁の基端部が前記上側誘導壁の先端部よりも上方に位置しているとともに、前記軸方向に対して傾斜している傾斜面を有している排水トラップ。
【請求項2】
前記上側周壁には、凹部が形成されており、
前記凹部は、前記上側周壁の外壁面における前記上側誘導壁の基端部と前記上側仕切壁の基端部との間に形成されている請求項1に記載の排水トラップ。
【請求項3】
前記上側周壁には、前記下側周壁側の端部に、上側嵌合凸部及び上側嵌合凹部のいずれか一方が設けられ、
前記下側周壁には、前記上側周壁側の端部に、前記上側嵌合凸部と嵌合する下側嵌合凹部及び前記上側嵌合凹部と嵌合する下側嵌合凸部のいずれか一方が設けられている請求項1又は請求項2に記載の排水トラップ。
【請求項4】
前記上側周壁には、前記下側周壁側の端部に、上側嵌合凸部及び上側嵌合凹部が設けられ、
前記下側周壁には、前記上側周壁側の端部に、前記上側嵌合凸部と嵌合する下側嵌合凹部及び前記上側嵌合凹部と嵌合する下側嵌合凸部が設けられ、
前記下側トラップ部の前記下側周壁は、前記上側トラップ部の前記上側周壁と同一形状をなしており、
前記下側トラップ部の前記下側仕切壁は、前記上側トラップ部の前記上側仕切壁と同一形状をなしている請求項1~3のいずれか一項に記載の排水トラップ。
【請求項5】
前記上側周壁及び前記下側周壁のいずれか一方は、前記上側周壁及び前記下側周壁のいずれか他方に対して前記軸方向における長さが長く設定されている請求項1~3のいずれか一項に記載の排水トラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水トラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流し台、浴室等の排水設備には、外部へ排水するための排水管が接続されている。このような排水管には、排水管内の下流の臭気が排水管内の上流へと伝わるのを防ぐために排水トラップが設けられている。特許文献1には、排水管内に排水トラップを設けたものが開示されている。特許文献1の排水トラップは、上下に分かれた上側筒と下側筒とにより構成されている。上側筒は、上側筒の内壁面から径方向に延びている第1仕切壁と第1仕切壁の先端から下方に延びている第2仕切壁とを備えている。第1仕切壁は、上側筒の内壁面との間で90度をなしている。第2仕切壁は、第1仕切壁との間で90度をなしている。下側筒は、下側筒の内壁面から径方向に延びている第3仕切壁と第3仕切壁の先端から上方に延びている第4仕切壁とを備えている。第3仕切壁は、下側筒の内壁面との間で90度をなしている。第4仕切壁は、第3仕切壁との間で90度をなしている。上側筒と下側筒とが組み合わされた状態で、第2仕切壁における第1仕切壁側の面と第4仕切壁における第3仕切壁側の面とは互いに対向している。第2仕切壁と第4仕切壁とが対向することによって形成された空間に水が溜まるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の排水トラップでは、下側筒の第3仕切壁と下側筒の第4仕切壁とがなす隅部がある。この隅部は直角形状をなしているため、排水トラップの内部を排水が流れる際に隅部に排水が滞留して、排水中に含まれる異物が隅部に蓄積されるおそれがある。このため、隅部に蓄積された異物からの臭気が排水管の上流側へと伝わるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する排水トラップは、筒状の排水管内に設けられる筒状のトラップ部を備え、前記トラップ部は、上流側に配置された上側トラップ部と、下流側に配置された下側トラップ部とを組み合わせることで構成されており、前記上側トラップ部は、筒状の上側周壁と、前記上側周壁の内壁面から内周側かつ前記下側トラップ部へ向けて突出する上側仕切壁とを有し、前記下側トラップ部は、筒状の下側周壁と、前記下側周壁の内壁面から内周側かつ前記上側トラップ部へ向けて突出するとともに、その先端部が前記トラップ部の軸方向において前記上側仕切壁と重なる位置にまで突出している下側仕切壁とを有し、前記上側仕切壁の先端部と前記下側仕切壁の先端部とは、前記トラップ部の径方向において対向しており、前記下側仕切壁における前記上側仕切壁側の上面のうち最下部と先端部との間には、前記軸方向に対して傾斜している傾斜面が形成されている。
【0006】
上記構成では、排水管の上流側から流入した排水は、上側周壁の内壁面と上側仕切壁の先端部との間の空間から下側仕切壁の上面へと流れ、下側仕切壁の先端部と上側仕切壁の先端部とが対向する空間へと流れる。そして、下側仕切壁の先端部を乗り越えるほどの排水がトラップ部に流入した場合、下側仕切壁の先端部を乗り越えた排水が下側周壁の内壁面と下側仕切壁の先端部との間の空間から排水管の下流側へと流れることになる。下側仕切壁の上面において最下部と先端部との間に傾斜面を形成していることにより、排水が滞留する原因となる直角形状の隅部が下側仕切壁の上面における最下部と先端部との間に形成されることを抑制している。このため、排水管内に設けられるトラップ部の内部を排水が流れる際の滞留を抑制し、トラップ部の内部で排水中に含まれる異物が蓄積することを抑制できる。これにより、排水中に含まれる異物からの臭気が排水管の上流側へと伝わることを抑制できる。
【0007】
上記の排水トラップにおいて、前記上側トラップ部は、基端部が前記上側周壁の内壁面に接続されているとともに、先端部が前記上側仕切壁の最上部に接続されている上側誘導壁を有し、前記上側誘導壁の上面は、前記上側誘導壁の基端部が前記上側誘導壁の先端部よりも上方に位置しているとともに、前記軸方向に対して傾斜している傾斜面を有していることが好ましい。
【0008】
上記構成では、上側周壁の内壁面に沿って流れる排水が上側誘導壁の基端部に伝わると、当該排水を上側誘導壁の傾斜面に沿って上側誘導壁の先端部へと流すことができる。これにより、上側誘導壁の基端部に伝わった排水を上側仕切壁の最上部へと円滑に誘導することができる。
【0009】
上記の排水トラップにおいて、前記上側周壁には、凹部が形成されており、前記凹部は、前記上側周壁の外壁面における前記上側誘導壁の基端部と前記上側仕切壁の基端部との間に形成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成では、上側周壁に凹部を形成していることから、上側トラップ部の軽量化を図ることができる。また、仮に、上側トラップ部を射出成形する際のゲートが上側周壁に面するように設けられていると、射出成形に起因するゲート跡が上側周壁の外壁面から突出して形成されるおそれがある。ゲート跡が上側周壁の外壁面から突出して形成されると、上側トラップ部と排水管との間に隙間が生じる不具合が発生する。上記構成では、上側周壁に凹部を形成して、凹部にゲートが位置するようにすることで、上側周壁の外壁面からゲート跡が突出して形成されることを抑制できる。
【0011】
上記の排水トラップにおいて、前記上側周壁には、前記下側周壁側の端部に、上側嵌合凸部及び上側嵌合凹部のいずれか一方が設けられ、前記下側周壁には、前記上側周壁側の端部に、前記上側嵌合凸部と嵌合する下側嵌合凹部及び前記上側嵌合凹部と嵌合する下側嵌合凸部のいずれか一方が設けられていることが好ましい。
【0012】
上記構成では、上側嵌合凸部と下側嵌合凹部との嵌合、及び上側嵌合凹部と下側嵌合凸部との嵌合のいずれか一方によって、トラップ部の周方向において、上側トラップ部と下側トラップ部との位置決めを行うことができる。これにより、上側仕切壁及び下側仕切壁の位置決めを行うことができる。
【0013】
上記の排水トラップにおいて、前記上側周壁には、前記下側周壁側の端部に、上側嵌合凸部及び上側嵌合凹部が設けられ、前記下側周壁には、前記上側周壁側の端部に、前記上側嵌合凸部と嵌合する下側嵌合凹部及び前記上側嵌合凹部と嵌合する下側嵌合凸部が設けられ、前記下側トラップ部の前記下側周壁は、前記上側トラップ部の前記上側周壁と同一形状をなしており、前記下側トラップ部の前記下側仕切壁は、前記上側トラップ部の前記上側仕切壁と同一形状をなしていることが好ましい。
【0014】
上記構成では、上側周壁と下側周壁とを同一形状とするとともに、上側仕切壁と下側仕切壁とを同一形状とすることにより、上側トラップ部と下側トラップ部とを入れ替えて組み合わせてもトラップ部を構成できるようになる。これにより、トラップ部を構成する各部品の汎用性を高めることができる。
【0015】
上記の排水トラップにおいて、前記上側周壁及び前記下側周壁のいずれか一方は、前記上側周壁及び前記下側周壁のいずれか他方に対して前記軸方向における長さが長く設定されていることが好ましい。
【0016】
上記構成では、上側周壁及び下側周壁のいずれか一方を排水管として機能させることが可能となる。周壁の軸方向における長さを排水管として機能させることのできる長さとすれば、排水管とトラップ部とを一体化できる分、トラップ部が内部に設けられた排水管の部品点数を削減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の排水トラップによれば、排水中に含まれる異物の蓄積を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す斜視図。
【
図2】第1実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す断面図。
【
図3】第1実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す分解斜視図。
【
図4】第1実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す分解断面図。
【
図5】第2実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す斜視図。
【
図6】第2実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す断面図。
【
図7】第2実施形態の排水管及び排水トラップの概略構成を示す分解断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
排水トラップの第1実施形態を図面に従って説明する。
図1及び
図2に示すように、円筒状の排水管10内に排水トラップ20が設けられている。排水管10は、流し台、浴室等の排水の発生する排水設備に接続されている。排水管10は、排水設備で発生した排水を外部へ流すために設けられている。排水トラップ20は、排水管10内の下流の臭気が排水管10内の上流へと伝わるのを防ぐために設けられている。排水トラップ20では、内部で封水が溜まるような構造とすることで、当該封水によって排水管10内の上流と排水管10内の下流とを遮断している。第1実施形態の排水トラップ20は、排水管10内でS字形状をなしている。
【0020】
図1~
図4に示すように、排水管10は、外壁面において環状に突出するフランジ部11を有している。フランジ部11は、排水管10の軸方向Xにおける中央部分に形成されている。第1実施形態の排水管10は、配管と配管とを接続するための継手である。第1実施形態では、排水管10は、上流側が重力方向上側、すなわち軸方向Xにおける上側に位置している。また、排水管10は、下流側が重力方向下側、すなわち軸方向Xにおける下側に位置している。また、
図2及び
図4に示すように、排水管10の第1部分12の外壁面は、フランジ部11から上端部に近付くにつれてわずかに外径が小さくなるテーパ形状をなしている。なお、
図2及び
図4は、排水トラップ20の軸心を通るとともに、後述の第1上側嵌合凸部34aの周方向における中心と後述の第1上側嵌合凹部35aの周方向における中心とを通る断面において、排水管10及び排水トラップ20を切断した断面図である。排水管10の第2部分13の外壁面は、フランジ部11から下端部に近付くにつれてわずかに外径が小さくなるテーパ形状をなしている。排水管10の第1部分12の内壁面は、上端部付近において、上端部に近付くにつれて内径が大きくなるテーパ形状をなしている。排水管10の第2部分13の内壁面は、下端部付近において、下端部に近付くにつれて内径が大きくなるテーパ形状をなしている。なお、排水管10の材質としては、例えばポリ塩化ビニルが採用される。
【0021】
図2に示すように、排水トラップ20は、円筒状のトラップ部21を備えている。トラップ部21は、排水管10における上流側に配置された上側トラップ部30と、排水管10における下流側に配置された下側トラップ部40とを備えている。トラップ部21は、上側トラップ部30と下側トラップ部40とを組み合わせることで構成されている。なお、排水トラップ20の材質としては、例えばポリ塩化ビニルが採用される。上側トラップ部30及び下側トラップ部40は、射出成形された樹脂成形品である。
【0022】
図2~
図4に示すように、上側トラップ部30は、円筒状の上側周壁31と、上側周壁31の内壁面から内周側かつ下側トラップ部40へ向けて突出する上側仕切壁32と、上側誘導壁33とを有している。
【0023】
下側トラップ部40は、円筒状の下側周壁41と、下側周壁41の内壁面から内周側かつ上側トラップ部30へ向けて突出する下側仕切壁42と、下側誘導壁43とを有している。第1実施形態では、上側トラップ部30及び下側トラップ部40は、同一形状をなしている。すなわち、上側周壁31と下側周壁41とは同一形状をなしており、上側仕切壁32と下側仕切壁42とは同一形状をなしており、上側誘導壁33と下側誘導壁43とは同一形状をなしている。このため、下側トラップ部40については、形状についての説明を適宜割愛する。
【0024】
図3及び
図4に示すように、円筒状の上側周壁31の外壁面は、上端部に近付くにつれて外径が大きくなるテーパ形状をなしている。上側周壁31には、下側周壁41側の端部に、上側嵌合凸部34及び上側嵌合凹部35が設けられている。上側嵌合凸部34は、略台形形状をなしている。台形形状の上側嵌合凸部34の長辺側が上側に位置し、短辺側が下側に位置している。上側嵌合凸部34は、第1上側嵌合凸部34aと、第2上側嵌合凸部34bと、第3上側嵌合凸部34cとを有している。これら第1上側嵌合凸部34a、第2上側嵌合凸部34b、及び第3上側嵌合凸部34cは、上側に上側周壁31と接続される基部が位置し、下側に下側周壁41へ向けて延びる先部が位置している。上側嵌合凹部35は、第1上側嵌合凹部35aと、第2上側嵌合凹部35bと、第3上側嵌合凹部35cとを有している。これら第1上側嵌合凹部35a、第2上側嵌合凹部35b、及び第3上側嵌合凹部35cは、上側に上側周壁31と接続される底部が位置し、下側に下側周壁41へ向けて拡がる開部が位置している。トラップ部21の径方向Yにおいて、第1上側嵌合凸部34aと第1上側嵌合凹部35aとは対向して配置されている。第1上側嵌合凸部34aと第1上側嵌合凹部35aとの間には、第2上側嵌合凹部35b及び第2上側嵌合凸部34bが設けられている。第2上側嵌合凹部35bは、第1上側嵌合凸部34aに隣接して設けられている。第2上側嵌合凸部34bは、第2上側嵌合凹部35b及び第1上側嵌合凹部35aの間に設けられている。また、第1上側嵌合凸部34aと第1上側嵌合凹部35aとの間には、第3上側嵌合凹部35c及び第3上側嵌合凸部34cが設けられている。第3上側嵌合凹部35cは、第1上側嵌合凸部34aに隣接して設けられている。第3上側嵌合凸部34cは、第3上側嵌合凹部35c及び第1上側嵌合凹部35aの間に設けられている。
【0025】
図3に示すように、第1上側嵌合凸部34aの基部の周方向における長さは、第2上側嵌合凸部34bの基部の周方向における長さよりも長く、かつ第3上側嵌合凸部34cの基部の周方向における長さよりも長く設定されている。第2上側嵌合凸部34bの基部の周方向における長さと第3上側嵌合凸部34cの基部の周方向における長さとは等しく設定されている。また、第1上側嵌合凹部35aの底部の周方向における長さは、第2上側嵌合凹部35bの底部の周方向における長さよりも長く、第3上側嵌合凹部35cの底部の周方向における長さよりも長く設定されている。第2上側嵌合凹部35bの底部の周方向における長さと第3上側嵌合凹部35cの底部の周方向における長さとは等しく設定されている。第1上側嵌合凸部34aの先部の周方向における長さと第1上側嵌合凹部35aの底部の周方向における長さとは等しく設定されており、第1上側嵌合凸部34aの基部の周方向における長さと第1上側嵌合凹部35aの開部の周方向における長さとは等しく設定されている。また、第2上側嵌合凸部34bの先部の周方向における長さと第2上側嵌合凹部35bの底部の周方向における長さとは等しく設定されており、第2上側嵌合凸部34bの基部の周方向における長さと第2上側嵌合凹部35bの開部の周方向における長さとは等しく設定されている。また、第3上側嵌合凸部34cの先部の周方向における長さと第3上側嵌合凹部35cの底部の周方向における長さとは等しく設定されており、第3上側嵌合凸部34cの基部の周方向における長さと第3上側嵌合凹部35cの開部の周方向における長さとは等しく設定されている。
【0026】
図3及び
図4に示すように、下側周壁41には、上側周壁31側の端部に、下側嵌合凸部44及び下側嵌合凹部45が設けられている。下側嵌合凸部44は、第1下側嵌合凸部44aと、第2下側嵌合凸部44bと、第3下側嵌合凸部44cとを有しており、これらは第1上側嵌合凸部34a、第2上側嵌合凸部34b、及び第3上側嵌合凸部34cと対応している。また、下側嵌合凹部45は、第1下側嵌合凹部45aと、第2下側嵌合凹部45bと、第3下側嵌合凹部45cとを有しており、これらは第1上側嵌合凹部35a、第2上側嵌合凹部35b、及び第3上側嵌合凹部35cと対応している。
【0027】
上側仕切壁32は、上側周壁31の内壁面から内周側かつ下側トラップ部40側へ向けて突出している。上側仕切壁32の基端部は、上側周壁31の内壁面に接続されている。
図2及び
図4に示すように、上側仕切壁32は、略U字形状をなしている。上側トラップ部30の軸方向Xから見たとき、上側仕切壁32は、上側周壁31の内壁面に囲まれた空間の半分を超えた大きさを有している。すなわち、軸方向Xから見たとき、上側仕切壁32の基端部から先端部までの長さは、上側周壁31の内壁面の半径よりも長く設定されている。上側仕切壁32の下面は、軸方向Xに対して傾斜する傾斜面32a,32bを有している。
図4に示すように、傾斜面32aは、湾曲面をなしていて、上側仕切壁32の下面のうち最上部の点P1と先端部の点P2とを繋ぐ仮想平面S1に対して後述の下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されている。傾斜面32bは、湾曲面をなしていて、上側仕切壁32の下面のうち最上部の点P1と基端部の点P3とを繋ぐ仮想平面S2に対して下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されている。傾斜面32a及び傾斜面32bはそれぞれの湾曲面が連続するように接続されている。
【0028】
図4に示すように、上側仕切壁32の先端部の点P2は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第2上側嵌合凸部34b及び第3上側嵌合凸部34cと重なるように位置している。上側仕切壁32の最上部の点P1は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第2上側嵌合凹部35b及び第3上側嵌合凹部35cの上方に位置している。上側仕切壁32の基端部の点P3は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第1上側嵌合凸部34aに位置している。
【0029】
図3及び
図4に示すように、下側仕切壁42は、上側仕切壁32と同一形状をなしている。下側仕切壁42の基端部は、下側周壁41の内壁面に接続されている。下側仕切壁42の上面は、軸方向Xに対して傾斜する傾斜面42a,42bを有している。
図4に示すように、傾斜面42aは、湾曲面をなしていて、下側仕切壁42の上面のうち最下部の点P4と先端部の点P5とを繋ぐ仮想平面S3に対して上側仕切壁32の先端部と反対側へ凹となるように形成されている。傾斜面42bは、湾曲面をなしていて、下側仕切壁42の上面のうち最下部の点P4と基端部の点P6とを繋ぐ仮想平面S4に対して上側仕切壁32の先端部と反対側へ凹となるように形成されている。
【0030】
図4に示すように、下側仕切壁42の先端部の点P5は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第2下側嵌合凸部44b及び第3下側嵌合凸部44cと重なるように位置している。下側仕切壁42の最下部の点P4は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第2下側嵌合凹部45b及び第3下側嵌合凹部45cの下方に位置している。下側仕切壁42の基端部の点P6は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第1下側嵌合凸部44aに位置している。
【0031】
図3及び
図4に示すように、上側誘導壁33は、基端部が上側周壁31の内壁面に接続されているとともに、先端部が上側仕切壁32の最上部に接続されている。上側誘導壁33の基端部は、上側誘導壁33の先端部よりも上方に位置している。上側誘導壁33の上面は、軸方向Xに対して傾斜する傾斜面33aを有している。傾斜面33aは、上側仕切壁32の上面と連続するように接続されている。
【0032】
図3及び
図4に示すように、上側周壁31には、上側凹部36が形成されている。上側凹部36は、上側周壁31の外壁面における上側誘導壁33の基端部と上側仕切壁32の基端部との間に形成されている。上側凹部36は、上側誘導壁33の下面としての第1構成面36aと上側仕切壁32の上面に形成された第2構成面36bとにより構成されている。第1構成面36a及び第2構成面36bは、それぞれ湾曲面をなしている。第1構成面36aは、上側に向かうにつれて上側周壁31の周方向における長さが短くなる三角形状の湾曲面をなしている。また、第2構成面36bは、下側に向かうにつれて上側周壁31の周方向における長さが短くなる三角形状の湾曲面をなしている。第1構成面36aの下端の周方向における長さと第2構成面36bの上端の周方向における長さとは等しく設定されている。第1構成面36aの下端と第2構成面36bの上端との境界線は、円弧形状をなしている。
図4に示すように、第1構成面36a及び第2構成面36bは、軸方向Xに対して傾斜している。なお、上側周壁31の厚み、上側仕切壁32の厚み、及び上側誘導壁33の厚みは、それぞれ同程度に設定されている。なお、図示しないが、上側凹部36には、上側トラップ部30を射出成形する際のゲートが上側凹部36に面するように設けられたことに起因するゲート跡が形成されている。
【0033】
第1構成面36aは上側誘導壁33の上面と同様の形状をなしており、第2構成面36bは傾斜面32bと同様の形状をなしている。下側周壁41には、下側凹部46が形成されている。下側凹部46は、上側凹部36と同一形状をなしており、下側誘導壁43の上面としての第3構成面46aと下側仕切壁42の下面としての第4構成面46bとにより構成されている。なお、図示しないが、下側凹部46には、下側トラップ部40を射出成形する際のゲートが下側凹部46に面するように設けられたことに起因するゲート跡が形成されている。
【0034】
図2に示すように、上側トラップ部30及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、軸方向Xにおいて、下側仕切壁42の先端部は上側仕切壁32と重なる位置まで突出している。また、上側トラップ部30及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、軸方向Xにおいて、上側仕切壁32の先端部は下側仕切壁42と重なる位置まで突出している。また、上側トラップ部30及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、上側仕切壁32の先端部と下側仕切壁42の先端部とは、径方向Yにおいて対向している。上側仕切壁32の傾斜面32aと反対側の面と下側周壁41の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積は、下側仕切壁42の傾斜面42aと反対側の面と上側周壁31の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積と略同一に設定されている。また、これらの断面積は、上側仕切壁32の先端部と下側仕切壁42の先端部とにより囲まれる空間の軸方向Xと直交する方向における断面積と略同一に設定されている。すなわち、上側トラップ部30及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、排水の流路方向において、トラップ部21内の空間の各断面積は略同一に設定されている。これにより、トラップ部21内を排水が流れる際の排水の流速を一定に近付けることができて、トラップ部21に局所的な圧力が作用することを抑制している。
【0035】
図3及び
図4に示すように、上側トラップ部30は、上側トラップ部30の上側嵌合凸部34及び上側嵌合凹部35から排水管10に挿入される。また、下側トラップ部40は、下側トラップ部40の下側嵌合凸部44及び下側嵌合凹部45から排水管10に挿入される。上側トラップ部30及び下側トラップ部40は、排水管10に挿入された状態で、上側嵌合凸部34が下側嵌合凹部45に嵌合し、下側嵌合凸部44が上側嵌合凹部35に嵌合する。上側トラップ部30の上側周壁31の外壁面と排水管10の内壁面との間は、接着剤によって接着されている。また、下側トラップ部40の下側周壁41の外壁面と排水管10の内壁面との間は、接着剤によって接着されている。上側周壁31と排水管10との間の隙間、及び下側周壁41と排水管10との間の隙間は、接着剤によって排水が漏れないように埋められている。
【0036】
第1実施形態の作用について説明する。
排水管10の上流側から上側トラップ部30の上流側に排水が流入する。排水管10の上流側から流入した排水は、上側周壁31の内壁面に沿って上側周壁31の内壁面と上側仕切壁32の先端部との間の空間に流れる。この際、上側周壁31の内壁面に沿って上側誘導壁33に伝わった排水は、上側誘導壁33の傾斜面33aに沿って上側誘導壁33の基端部から先端部に伝わることにより、上側周壁31の内壁面に沿って上側周壁31の内壁面と上側仕切壁32の先端部との間の空間に流れる。上側周壁31の内壁面と上側仕切壁32の先端部との間の空間に流れ込んだ排水は、下側仕切壁42の上面へと流れ、下側仕切壁42の先端部と上側仕切壁32の先端部とが対向する空間へと流れる。そして、下側仕切壁42の上面に下側仕切壁42の先端部を乗り越えるほどの排水が流入したとき、当該排水は下側仕切壁42の先端部を乗り越えて、下側周壁41の内壁面と下側仕切壁42の先端部との間の空間に流れる。下側周壁41の内壁面と下側仕切壁42の先端部との間の空間に流入した排水は、下側周壁41の内壁面に沿って排水管10の下流側へ流れる。この際、下側仕切壁42の先端部を伝わった排水は、下側誘導壁43の傾斜面43aに沿って下側誘導壁43の先端部から基端部に伝わることにより、下側周壁41の内壁面に伝わる。このようにして、排水管10の上流側から流入した排水を、トラップ部21を通じて排水管10の下流側へと流すことができる。
【0037】
下側仕切壁42の上面において最下部の点P4と先端部の点P5との間に傾斜面42aを形成していることにより、排水が滞留する原因となる直角形状の隅部が下側仕切壁42の上面における最下部と先端部との間に形成されることを抑制している。下側仕切壁42の上面において最下部の点P4と基端部の点P6との間に傾斜面42bを形成していることにより、直角形状の隅部が下側仕切壁42の上面における最下部と基端部との間に形成されることを抑制している。また、上側仕切壁32の下面において最上部の点P1と先端部の点P2との間に傾斜面32aを形成していることにより、直角形状の隅部が上側仕切壁32の下面における最上部と先端部との間に形成されることを抑制している。また、上側仕切壁32の下面において最上部の点P2と基端部の点P3との間に傾斜面32bを形成していることにより、直角形状の隅部が上側仕切壁32の下面における最上部と基端部との間に形成されることを抑制している。これにより、排水管10の上流側から流入した排水を、排水管10の下流側へ円滑に流すことができる。また、下側仕切壁42の先端部と上側仕切壁32の先端部とが対向する空間に溜まった排水を含む、下側仕切壁42の上面に溜まった排水によって、排水管10の下流側から排水管10の上流側へと臭気が伝わることを抑制している。
【0038】
第1実施形態の効果について説明する。
(1)下側仕切壁42の上面及び上側仕切壁32の下面に隅部が形成されることを抑制していることにより、排水管10内に設けられるトラップ部21の内部を排水が流れる際の滞留を抑制し、トラップ部21の内部で排水中に含まれる異物が蓄積することを抑制できる。これにより、排水中に含まれる異物からの臭気が排水管10の上流側へと伝わることを抑制できる。
【0039】
(2)上側誘導壁33を形成することによって、上側誘導壁33の基端部に伝わった排水を上側仕切壁32の最上部へと円滑に誘導することができる。
(3)上側周壁31に上側凹部36を形成していることから、上側トラップ部30の軽量化を図ることができる。また、仮に、上側トラップ部30を射出成形する際のゲートが上側周壁31の外壁面に面するように設けられていると、射出成形に起因するゲート跡が上側周壁31の外壁面から突出して形成されるおそれがある。ゲート跡が上側周壁31の外壁面から突出して形成されると、上側トラップ部30と排水管10との間に隙間が生じる不具合が発生する。第1実施形態では、上側周壁31に上側凹部36を形成して、上側凹部36にゲートが位置するようにすることで、上側周壁31の外壁面からゲート跡が突出して形成されることを抑制できる。
【0040】
(4)上側嵌合凸部34と下側嵌合凹部45との嵌合、及び上側嵌合凹部35と下側嵌合凸部44との嵌合によって、トラップ部21の周方向において、上側トラップ部30と下側トラップ部40との位置決めを行うことができる。これにより、上側仕切壁32及び下側仕切壁42の位置決めを行うことができる。
【0041】
(5)第1実施形態では、上側トラップ部30及び下側トラップ部40を同一形状としている。すなわち、上側周壁31と下側周壁41とを同一形状とし、上側仕切壁32と下側仕切壁42とを同一形状とし、上側誘導壁33と下側誘導壁43とを同一形状としている。これにより、上側トラップ部30と下側トラップ部40とを入れ替えて組み合わせてもトラップ部21を構成できるようになるため、トラップ部21を構成する各部品の汎用性を高めることができる。
【0042】
<第2実施形態>
排水トラップの第2実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
【0043】
図5~
図7に示すように、第2実施形態の排水トラップ20のトラップ部21は、上側トラップ部100と下側トラップ部40とを組み合わせることで構成されている。第2実施形態の下側トラップ部40は、第1実施形態の下側トラップ部40及び第1実施形態の上側トラップ部30と同一形状をなしている。第2実施形態の下側トラップ部40については、便宜上、第1実施形態の下側トラップ部40と同一の符号を付与するとともに、その説明を割愛する。上側トラップ部100は、第1実施形態における上側周壁31の軸方向Xにおける長さを長く設定することにより、上側周壁31を排水管10として機能させるものである。言い換えると、上側トラップ部100では、排水管10と上側周壁101とが一体化している。
【0044】
図6及び
図7に示すように、上側トラップ部100は、円筒状の上側周壁101と、上側周壁101の内壁面から内周側かつ下側トラップ部40へ向けて突出する上側仕切壁102と、上側誘導壁103とを有している。
【0045】
上側周壁101の軸方向Xにおける長さは、下側トラップ部40の下側周壁41の軸方向Xにおける長さよりも長く設定されている。上側周壁101の軸方向Xにおける長さは、上側周壁101を排水管10として機能させることのできる程度の長さに設定されている。上側周壁101は、円筒状の第1部分101aと、円筒状の第2部分101bとを有している。第1部分101aの外径は、第2部分101bの外径よりも大きく設定されている。第1部分101aの外壁面と第2部分101bの外壁面とは、円環状の段差を介して接続されている。第1部分101a及び第2部分101bは、配管として機能する。上側周壁101の第2部分101bの内壁面には、下側トラップ部40の下側嵌合凹部45と嵌合する上側嵌合凸部104と、下側トラップ部40の下側嵌合凸部44と嵌合する上側嵌合凹部105とが設けられている。これら上側嵌合凸部104及び上側嵌合凹部105は、第1実施形態の上側嵌合凸部34及び上側嵌合凹部35と同一形状をなしている一方、第2部分101bの内壁面に形成されている点で第1実施形態の上側嵌合凸部34及び上側嵌合凹部35と異なっている。上側トラップ部100と下側トラップ部40とを組み合わせた場合、上側嵌合凸部104が下側嵌合凹部45に嵌合し、下側嵌合凸部44が上側嵌合凹部105に嵌合して、下側トラップ部40の下側周壁41の外壁面が第2部分101bの内壁面に挿入される。また、上側トラップ部100と下側トラップ部40とを組み合わせた状態において上側トラップ部100の内壁面と下側トラップ部40の内壁面とが連続的になるように、上側トラップ部100の第1部分101aの内壁面はテーパ形状をなしている。
【0046】
上側誘導壁103は、上側周壁101の第1部分101aの内壁面から内周側かつ下側トラップ部40側へ向けて突出している。上側誘導壁103の基端部は、第1部分101aの内壁面に接続されている。上側誘導壁103の先端部は、上側仕切壁102の基端部に接続されている。上側仕切壁102及び上側誘導壁103からなる突出部分は、全体として、第1部分101aの内壁面から内周側かつ下側トラップ部40側へ向けて突出している。軸方向Xから見たとき、上側仕切壁102及び上側誘導壁103からなる突出部分は、上側周壁101の内壁面に囲まれた空間の半分を超えた大きさを有している。すなわち、軸方向Xから見たとき、上側誘導壁103の基端部から上側仕切壁102の先端部までの長さは、上側周壁101の第1部分101aの半径よりも長く設定されている。上側仕切壁102の下面は、軸方向Xに対して傾斜する傾斜面102aを有している。傾斜面102aは、第1実施形態の傾斜面32aと同じ形状をなしている。すなわち、傾斜面102aは、湾曲面をなしていて、上側仕切壁102の下面のうち最上部の点P7と先端部の点P8とを繋ぐ仮想平面S5に対して下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されている。上側誘導壁103の下面は、軸方向Xに対して傾斜する傾斜面103aを有している。傾斜面103aは、湾曲面をなしていて、基端部が先端部よりも上方に位置するように傾斜している。傾斜面103aは、傾斜面102aと連続するように接続されている。また、上側誘導壁103の上面は、軸方向Xに対して傾斜する傾斜面103bを有している。傾斜面103bは、基端部が先端部よりも上方に位置するように傾斜している。傾斜面103bは、上側仕切壁102の上面と連続するように接続されている。
【0047】
上側仕切壁102の下面のうち最上部の点P7は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第2下側嵌合凸部44b及び第3下側嵌合凸部44cと嵌合する上側嵌合凹部105の上方に位置している。また、上側仕切壁102の下面のうち先端部の点P8は、軸方向Xと直交する方向から見たとき、第2下側嵌合凹部45b及び第3下側嵌合凹部45cと嵌合する上側嵌合凸部104に位置している。
【0048】
図6に示すように、上側トラップ部100及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、軸方向Xにおいて、下側仕切壁42の先端部は上側仕切壁102と重なる位置まで突出している。また、上側トラップ部100及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、軸方向Xにおいて、上側仕切壁102の先端部は下側仕切壁42と重なる位置まで突出している。また、上側トラップ部100及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、上側仕切壁102の先端部と下側仕切壁42の先端部とは、径方向Yにおいて対向している。上側仕切壁102の傾斜面102aと反対側の面と下側周壁41の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積は、下側仕切壁42の傾斜面42aと反対側の面と上側周壁101の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積と略同一に設定されている。また、これらの断面積は、上側仕切壁102の先端部と下側仕切壁42の先端部とにより囲まれる空間の軸方向Xと直交する方向における断面積と略同一に設定されている。すなわち、上側トラップ部30及び下側トラップ部40を組み合わせたとき、排水の流路方向において、トラップ部21内の空間の各断面積は略同一に設定されている。
【0049】
図6及び
図7に示すように、下側トラップ部40は、下側トラップ部40の下側嵌合凸部44及び下側嵌合凹部45から上側トラップ部100の第2部分101bに挿入される。上側トラップ部100及び下側トラップ部40は、第2部分101bに下側トラップ部40が挿入された状態で、上側嵌合凸部104が下側嵌合凹部45に嵌合し、下側嵌合凸部44が上側嵌合凹部105に嵌合する。上側トラップ部100の第2部分101bの内壁面と下側トラップ部40の下側周壁41の外壁面との間は、接着剤によって接着されている。第2部分101bと下側周壁41との間の隙間は、接着剤によって排水が漏れないように埋められている。
【0050】
第2実施形態の作用を説明する。
上側トラップ部100の上流側から流入した排水は、上側周壁101の第1部分101aの内壁面に沿って上側周壁101の内壁面と上側仕切壁102の先端部との間の空間に流れる。この際、上側周壁101の内壁面に沿って上側誘導壁103に伝わった排水は、上側誘導壁103の傾斜面103aに沿って上側誘導壁103の基端部から先端部に伝わることにより、上側周壁101の内壁面と上側仕切壁102の先端部との間の空間に流れる。上側周壁101の内壁面と上側仕切壁102の先端部との間の空間に流れ込んだ排水は、下側仕切壁42の上面へと流れ、下側仕切壁42の先端部と上側仕切壁102の先端部とが対向する空間へと流れる。そして、下側仕切壁42の上面に下側仕切壁42の先端部を乗り越えるほどの排水が流入したとき、当該排水は下側仕切壁42の先端部を乗り越えて、下側周壁41の内壁面と下側仕切壁42の先端部との間の空間に流れる。下側周壁41の内壁面と下側仕切壁42の先端部との間の空間に流入した排水は、下側周壁41の内壁面に沿って下側トラップ部40の下流側へと流れる。この際、下側仕切壁42の先端部を伝わった排水は、下側誘導壁43の傾斜面43aに沿って下側誘導壁43の先端部から基端部に伝わることにより、下側周壁41の内壁面に伝わる。このようにして、排水管10の上流側から流入した排水を、トラップ部21を通じて排水管10の下流側へと流すことができる。
【0051】
下側仕切壁42の上面において最下部の点P4と先端部の点P5との間に傾斜面42aを形成していることにより、排水が滞留する原因となる直角形状の隅部が下側仕切壁42の上面における最下部と先端部との間に形成されることを抑制している。下側仕切壁42の上面において最下部の点P4と基端部の点P6との間に傾斜面42bを形成していることにより、直角形状の隅部が下側仕切壁42の上面における最下部と基端部との間に形成されることを抑制している。また、上側仕切壁102の下面において最上部の点P7と先端部の点P8との間に傾斜面102aを形成していることにより、直角形状の隅部が上側仕切壁102の下面における最上部と先端部との間に形成されることを抑制している。これにより、上側トラップ部100の上流側から流入した排水を、下側トラップ部40の下流側へ円滑に流すことができる。
【0052】
第2実施形態の効果を説明する。
(6)第2実施形態では、第1実施形態の効果(1)~(4)と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態では、上側周壁101を排水管10として機能させることが可能となる。上側周壁101の軸方向Xにおける長さを排水管10として機能させることのできる長さとすることで、排水管10とトラップ部21とを一体化できる分、トラップ部21が内部に設けられた排水管10の部品点数を削減することができる。
【0053】
上記各実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・各実施形態では、排水管10及び排水トラップ20の材質としてポリ塩化ビニルが用いられたが、その材質は特に限定されない。例えば、排水管10及び排水トラップ20の材質として、硬質ポリ塩化ビニル樹脂が用いられてもよいし、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられてもよい。
【0054】
・第2実施形態では、上側周壁101の軸方向Xにおける長さを下側周壁41の軸方向Xにおける長さよりも長く設定したが、これに限らない。例えば、下側周壁41の軸方向Xにおける長さを上側周壁101の軸方向Xにおける長さよりも長く設定してもよい。言い換えると、下側トラップ部40において、排水管10と下側周壁41とを一体化してもよい。また、上側周壁101及び下側周壁41の軸方向Xにおける長さをともに、上側周壁101及び下側周壁41を排水管10として機能させることのできる程度の長さに設定してもよい。すなわち、上側トラップ部100のように排水管10と上側周壁101とを一体化するとともに、排水管10と下側周壁41とを一体化してもよい。
【0055】
・第2実施形態では、傾斜面103aは、基端部が先端部よりも上方に位置するように傾斜している湾曲面をなしていたが、これに限らない。例えば、傾斜面103bの傾斜態様をそのまま維持して、傾斜面103aを基端部が先端部よりも下方に位置するように傾斜している湾曲面としてもよい。この場合、上側誘導壁103は、基端部の厚みは先端部の厚みよりも厚く設定されることになる。
【0056】
・第2実施形態では、傾斜面102aは、上側仕切壁102の下面のうち最上部の点P7と先端部の点P8とを繋ぐ仮想平面S5に対して下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されたが、これに限らない。例えば、傾斜面102aは、仮想平面S5に対して下側仕切壁42の先端部側へ凸となるように形成されてもよいし、仮想平面S5に沿った平面となるように形成されてもよい。
【0057】
・第1実施形態では、上側トラップ部30及び下側トラップ部40は、上側トラップ部30と下側トラップ部40とを入れ替えてトラップ部21を形成できる程度に同一形状であればよく、完全同一の形状である必要はない。
【0058】
・第1実施形態では、上側トラップ部30及び下側トラップ部40が同一形状をなしていたが、同一形状をなしていなくてもよい。例えば、上側周壁31と下側周壁41とが異なる形状をなしていてもよいし、上側仕切壁32と下側仕切壁42とが異なる形状をなしていてもよいし、上側誘導壁33と下側誘導壁43とが異なる形状をなしていてもよい。
【0059】
・第1実施形態において、上側仕切壁32の先端部と下側仕切壁42の先端部とにより囲まれる空間の軸方向Xと直交する方向における断面積は、上側仕切壁32の傾斜面32aと反対側の面と下側周壁41の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積よりも大きく設定してもよい。また、上側仕切壁32の先端部と下側仕切壁42の先端部とにより囲まれる空間の軸方向Xと直交する方向における断面積は、下側仕切壁42の傾斜面42aと反対側の面と上側周壁31の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積よりも大きく設定してもよい。第2実施形態において、上側仕切壁102の先端部と下側仕切壁42の先端部とにより囲まれる空間の軸方向Xと直交する方向における断面積は、上側仕切壁102の傾斜面102aと反対側の面と下側周壁41の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積よりも大きく設定してもよい。上側仕切壁102の先端部と下側仕切壁42の先端部とにより囲まれる空間の軸方向Xと直交する方向における断面積は、下側仕切壁42の傾斜面42aと反対側の面と上側周壁101の内壁面との間の空間の軸方向Xと直交する方向における断面積よりも大きく設定してもよい。
【0060】
・第1実施形態において、上側周壁31には、上側嵌合凸部34として、第1上側嵌合凸部34a、第2上側嵌合凸部34b、及び第3上側嵌合凸部34cの3つが設けられたが、上側嵌合凸部34の数は適宜変更可能である。例えば、上側嵌合凸部34の数は、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、上側周壁31には、上側嵌合凹部35として、第1上側嵌合凹部35a、第2上側嵌合凹部35b、及び第3上側嵌合凹部35cの3つが設けられたが、上側嵌合凹部35の数は適宜変更可能である。例えば、上側嵌合凹部35の数は、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、第1実施形態及び第2実施形態において、下側周壁41に設けられた下側嵌合凸部44及び下側嵌合凹部45も同様である。すなわち、下側周壁41に設けられた下側嵌合凸部44の数は適宜変更可能であり、下側周壁41に設けられた下側嵌合凹部45の数は適宜変更可能である。例えば、上側周壁31に半円筒状の上側嵌合凸部34を1つ形成するとともに、下側周壁41に半円筒状の上側嵌合凸部34が嵌合する下側嵌合凹部45を1つ形成するようにしてもよい。この場合、上側トラップ部30及び下側トラップ部40は、排水管10に挿入された状態で、上側嵌合凸部34が下側嵌合凹部45に嵌合する。また、第2実施形態において、上側周壁101の第2部分101bの内壁面に設けられた上側嵌合凸部104の数は適宜変更可能であり、第2部分101bの内壁面に設けられた上側嵌合凹部105の数は適宜変更可能である。
【0061】
・第1実施形態では、上側周壁31に、上側嵌合凸部34及び上側嵌合凹部35が設けられたが、上側嵌合凸部34及び上側嵌合凹部35のいずれか一方のみが設けられてもよい。また、第1実施形態及び第2実施形態では、下側周壁41に、下側嵌合凸部44及び下側嵌合凹部45が設けられたが、下側嵌合凸部44及び下側嵌合凹部45のいずれか一方のみが設けられてもよい。また、第2実施形態では、上側周壁101の第2部分101bの内壁面に、上側嵌合凸部104及び上側嵌合凹部105が設けられたが、上側嵌合凸部104及び上側嵌合凹部105のいずれか一方のみが設けられてもよい。
【0062】
・第1実施形態において、上側周壁31に形成された上側凹部36は、2つの湾曲面により構成されていたが、その形状は適宜変更可能である。例えば、上側凹部36は、2つの平面により構成されていてもよい。また、下側周壁41に形成された下側凹部46は、2つの湾曲面により構成されていたが、その形状は適宜変更可能である。例えば、下側凹部46は、2つの平面により構成されていてもよい。
【0063】
・第1実施形態では、上側周壁31に上側凹部36が形成されたが、上側凹部36はなくてもよい。上側周壁31の外壁面にゲート跡が成形された場合は、それを切断する等の対策を行うことが好ましい。また、下側周壁41に下側凹部46が形成されたが、下側凹部46はなくてもよい。下側周壁41の外壁面にゲート跡が成形された場合は、それを切断する等の対策を行うことが好ましい。
【0064】
・第1実施形態では、上側誘導壁33の先端部は、上側仕切壁32の最上部に接続されていたが、これに限らない。例えば、上側誘導壁33の先端部は、上側仕切壁32の最上部と先端部との間の部位に接続されてもよい。また、下側誘導壁43の先端部は、下側仕切壁42の最下部に接続されていたが、これに限らない。例えば、下側誘導壁43の先端部は、下側仕切壁42の最下部と先端部との間の部位に接続されてもよい。また、第2実施形態では、上側誘導壁103の先端部は、上側仕切壁102の最上部に接続されていたが、これに限らない。例えば、上側誘導壁103の先端部は、上側仕切壁102の最上部と先端部との間の部位に接続されてもよい。
【0065】
・第1実施形態では、上側誘導壁33の基端部は上側誘導壁33の先端部よりも上方に位置していたが、上側誘導壁33の基端部を上側誘導壁33の先端部と同じ高さに位置させてもよい。また、下側誘導壁43の基端部は下側誘導壁43の先端部よりも上方に位置していたが、下側誘導壁43の基端部を下側誘導壁43の先端部と同じ高さに位置させてもよい。また、第2実施形態では、上側誘導壁103の基端部は上側誘導壁103の先端部よりも上方に位置していたが、上側誘導壁103の基端部を上側誘導壁103の先端部と同じ高さに位置させてもよい。
【0066】
・第1実施形態では、上側トラップ部30に上側誘導壁33が設けられたが、上側誘導壁33は省略してもよい。上側誘導壁33を省略する場合、例えば上側仕切壁32の基端部は上側周壁31の内壁面における上側仕切壁32の最上部と同じ高さの位置に接続される。また、下側トラップ部40に下側誘導壁43が設けられたが、下側誘導壁43は省略してもよい。下側誘導壁43を省略する場合、例えば下側仕切壁42の基端部は下側周壁41の内壁面における下側仕切壁42の最下部と同じ高さの位置に接続される。第2実施形態では、上側トラップ部100に上側誘導壁103が設けられたが、上側誘導壁103は省略してもよい。上側誘導壁103を省略する場合、例えば上側仕切壁102の基端部は第1部分101aの内壁面における上側仕切壁102の最上部と同じ高さの位置に接続される。
【0067】
・第1実施形態では、上側仕切壁32の下面に形成された傾斜面32aは、仮想平面S1に対して下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されたが、これに限らない。例えば、傾斜面32aは、仮想平面S1に対して先端部側へ凸となるように形成されてもよいし、仮想平面S1に沿った平面となるように形成されてもよい。すなわち、傾斜面32aは、軸方向Xに対して傾斜している湾曲面であってもよいし、軸方向Xに対して傾斜している平面であってもよい。傾斜面32aを平面で構成する場合、軸方向Xに対して傾斜している複数の平面によって構成してもよい。例えば、上側仕切壁32を上側周壁31から内周側かつ下側トラップ部40へ向けて突出する平板状に構成してもよい。また、上側仕切壁32の下面に形成された傾斜面32bは、仮想平面S2に対して下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されたが、これに限らない。例えば、傾斜面32bは、仮想平面S2に対して先端部側へ凸となるように形成されてもよいし、仮想平面S2に沿った平面となるように形成されてもよい。すなわち、傾斜面32bは、軸方向Xに対して傾斜している湾曲面であってもよいし、軸方向Xに対して傾斜している平面であってもよい。傾斜面32bを平面で構成する場合、軸方向Xに対して傾斜している複数の平面によって構成してもよい。例えば、下側仕切壁42を下側周壁41から内周側かつ上側トラップ部30へ向けて突出する平板状に構成してもよい。
【0068】
下側仕切壁42の上面に形成された傾斜面42aは、仮想平面S3に対して上側仕切壁32の先端部と反対側へ凹となるように形成されたが、これに限らない。例えば、傾斜面42aは、仮想平面S3に対して先端部側へ凸となるように形成されてもよいし、仮想平面S3に沿った平面となるように形成されてもよい。すなわち、傾斜面42aは、軸方向Xに対して傾斜している湾曲面であってもよいし、軸方向Xに対して傾斜している平面であってもよい。傾斜面42aを平面で構成する場合、軸方向Xに対して傾斜している複数の平面によって構成してもよい。また、下側仕切壁42の上面に形成された傾斜面42bは、仮想平面S4に対して上側仕切壁32の先端部と反対側へ凹となるように形成されたが、これに限らない。例えば、傾斜面42bは、仮想平面S4に対して先端部側へ凸となるように形成されてもよいし、仮想平面S4に沿った平面となるように形成されてもよい。すなわち、傾斜面42bは、軸方向Xに対して傾斜している湾曲面であってもよいし、軸方向Xに対して傾斜している平面であってもよい。傾斜面42bを平面で構成する場合、軸方向Xに対して傾斜している複数の平面によって構成してもよい。
【0069】
・第2実施形態において、上側仕切壁102の下面に形成された傾斜面102aは、仮想平面S5に対して下側仕切壁42の先端部と反対側へ凹となるように形成されたが、これに限らない。例えば、傾斜面102aは、仮想平面S5に対して先端部側へ凸となるように形成されてもよいし、仮想平面S5に沿った平面となるように形成されてもよい。すなわち、傾斜面102aは、軸方向Xに対して傾斜している湾曲面であってもよいし、軸方向Xに対して傾斜している平面であってもよい。傾斜面102aを平面で構成する場合、軸方向Xに対して傾斜している複数の平面によって構成してもよい。
【0070】
・第1実施形態において、上側仕切壁32の下面に傾斜面32a,32bが形成され、下側仕切壁42の上面に傾斜面42a,42bが形成されたが、傾斜面32a,32b,42bは形成されなくてもよい。すなわち、各傾斜面のうち少なくとも傾斜面42aが形成されればよい。また、第2実施形態において、上側仕切壁102の下面に傾斜面102aが形成され、下側仕切壁42の上面に傾斜面42a,42bが形成されたが、傾斜面102a,42bは形成されなくてもよい。すなわち、各傾斜面のうち少なくとも傾斜面42aが形成されればよい。
【0071】
・第1実施形態では、排水管10は配管と配管とを接続する継手であったが、配管であってもよい。また、第2実施形態では、上側周壁31は配管として機能させてもよいし、継手として機能させてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…排水管、11…フランジ部、12…第1部分、13…第2部分、20…排水トラップ、21…トラップ部、30…上側トラップ部、31…上側周壁、32…上側仕切壁、33…上側誘導壁、34…上側嵌合凸部、35…上側嵌合凹部、36…上側凹部、40…下側トラップ部、41…下側周壁、42…下側仕切壁、43…下側誘導壁、44…下側嵌合凸部、45…下側嵌合凹部、46…下側凹部、32a,32b,33a,42a,42b,43a…傾斜面、100…上側トラップ部、101…上側周壁、102…上側仕切壁、103…上側誘導壁、102a,103a,103b…傾斜面、104…上側嵌合凸部、105…上側嵌合凹部、P1~P8…点、S1~S8…仮想平面、X…軸方向、Y…径方向。