(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング安全制御装置
(51)【国際特許分類】
E21B 34/00 20060101AFI20230926BHJP
E21B 21/10 20060101ALI20230926BHJP
E21B 43/00 20060101ALI20230926BHJP
E21B 43/12 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
E21B34/00
E21B21/10
E21B43/00 Z
E21B43/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022211405
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】202111680616.4
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521300544
【氏名又は名称】西南石油大学
【氏名又は名称原語表記】Southwest Petroleum University
【住所又は居所原語表記】No. 8, Xindu Avenue, Xindu District, Chengdu, Sichuan 610500, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】唐 洋
(72)【発明者】
【氏名】王 杰
(72)【発明者】
【氏名】魏 剣飛
(72)【発明者】
【氏名】同 武軍
(72)【発明者】
【氏名】何 玉発
(72)【発明者】
【氏名】王 国栄
(72)【発明者】
【氏名】趙 維青
(72)【発明者】
【氏名】譚 振興
(72)【発明者】
【氏名】周 明海
(72)【発明者】
【氏名】李 旺
(72)【発明者】
【氏名】李 澤良
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-002801(JP,A)
【文献】特開昭57-187494(JP,A)
【文献】特開昭51-054801(JP,A)
【文献】特開昭51-144304(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112012668(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105840172(CN,A)
【文献】米国特許第05335731(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0223791(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0399986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 1/00-19/24
E21B 44/00-44/10
E21C 25/00-37/26
E21C 45/00-45/08
E21C 50/00-50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランディングストリング
用安全制御装置であって、
前記ランディングストリングにおける作動油圧を供給するストリングに連結されるマルチ通路導通遮断装置と、
該マルチ通路導通遮断装置に連結される液圧カッターと、
適合接続ヘッダーを介して前記液圧カッターに連結される液圧閉塞装置と、を含み、
前記マルチ通路導通遮断装置は、
前記ランディングストリングにおける作動油圧を供給するストリングに連結される円筒状の上解放タイバック装置(1)と、
該上解放タイバック装置(1)の第1のネジ(113)を介して連結される第二のネジ(201)を有する円筒状の下解放タイバック装置(2)と、前記
上解放タイバック装置(1)および下解放タイバック装置(2)の内周部に配される円筒状の中心ストリング(32)と、
前記下解放タイバック装置(2)の内周部と前記中心ストリング(32)の外周部との間に配される接続ピストン(3)と、
前記下解放タイバック装置(2)の内周部に配され前記接続ピストン(3)の前記中心ストリング(32)における軸方向の位置を位置決めする前記第一のポジショニングリング(34)と、
前記中心ストリング(32)の外周部のストッパー段差(3201)と前記接続ピストン(3)の下端との間に配される二重咬合異径リング(5)と、
前記下解放タイバック装置(2)の第4の取付穴(204)に取り付けられるワンタッチケーブルコネクタ(33)と、
前記下解放タイバック装置(2)の第三の取付穴(202)に取り付けられる油圧油路接続スイッチ(4)と、
前記下解放タイバック装置(2)の第二の取付穴(207)に設けられる油路導通装置(36)と、
前記上解放タイバック装置(1)におけるアニュラー解放通路(116)内に取り付けられるアニュラー解放制御弁(39)とを含み、
前記下解放タイバック装置(2)の上端には、
前記第二のネジ(201)、周方向に沿って均一に分布する三十個の第二の取り付け穴(207)が設けられ、前記下解放タイバック装置(2)の下端には、三本の第二のシール溝(206)、周方向に沿って均一に分布する二十六個の
前記第三の取り付け穴(202)、二つの
前記第四の取り付け穴(204)が設けられ、前記油路導通装置(36)は、前記第二の取り付け穴(207)内に
設けられ、前記中心ストリング(32)の下端にストッパー段差(3201)が設けられ、前記中心ストリング(32)は、前記上解放タイバック装置(1)にネジ接続され、前記接続ピストン(3)に八つの円穴(301)が設けられ、前記円穴(301)は、スプリング(35)を取り付けるために用いられ、前記第一のポジショニングリング(34)は、前記第三のネジ(205)を介して前記下解放タイバック装置(2)に接続され、且つ前記接続ピストン(3)に取り付けられ、
前記液圧カッターは、
下解放タイバック装置(2)の下端に接続される円筒形のカッターケース(7)と、
該カッターケース(7)の内周部に配され流路を内周部に有する円筒形の剪断ボール弁上弁座(31)と、
前記剪断ボール弁上弁座(31)の外周部に取り付けられる剪断ボール弁ボンプ導通ピストン(8)と、
該カッターケース(7)の内周部に移動可能に配される前記剪断ボール弁ピストン(9)と、
該剪断ボール弁ピストン(9)内に配される剪断ボール弁左弁座(10)
、および、剪断ボール弁右弁座(11)と、前記剪断ボール弁左弁座(10)と前記剪断ボール弁右弁座(11)
との間の空間内に取り付けられる剪断ボール弁(30)
、および、弁棒(38)と、
前記剪断ボール弁左弁座(10)、および、前記剪断ボール弁右弁座(11)に接続され、流路を有する円筒形の剪断ボール弁下弁座(29)と、
前記カッターケース(7)の第七の取り付け穴(704)内に取り付けられる逆止弁(37)と、第一のプッシュリング(12)と、第一の戻しスプリング(13)と、
前記剪断ボール弁下弁座(29)のテール部に取り付けられる第二のポジショニングリング(28)と、
前記カッターケース(7)の下端と前記適合接続ヘッダーの一端とを連結するロックリング(27)とを含み、
前記剪断ボール弁左弁座(10)に接続突起(1001)、第一の回転軸組み立て穴(1002)、第一の弁棒組み立て溝(1003)が設けられ、前記剪断ボール弁右弁座(11)に第二の弁棒組み立て溝(1101)、第二の回転軸組み立て穴(1102)、接続凹溝(1103)が設けられ、前記剪断ボール弁左弁座(10)と前記剪断ボール弁右弁座(11)は、前記接続突起(1001)と前記接続凹溝(1103)が嵌合することで接続され、前記剪断ボール弁上弁座(31)
の下端部は、前記剪断ボール弁左弁座(10)と前記剪断ボール弁右弁座(11)にネジ接続され、且つ
前記剪断ボール弁上弁座(31)の上端部が前記中心ストリング(32)の下端面と接触し、前記剪断ボール弁ボンプ導通ピストン(8)は、前記剪断ボール弁上弁座(31)
の外周部に取り付けられ、前記剪断ボール弁下弁座(29)
の上端部は、前記剪断ボール弁左弁座(10)と前記剪断ボール弁右弁座(11)にネジ接続され、前記第一のプッシュリング(12)は、前記剪断ボール弁下弁座(29)に取り付けられ且つ前記剪断ボール弁ピストン(9)の下端面と接触し、前記第一の戻しスプリング(13)は、前記剪断ボール弁下弁座(29)に取り付けられ且つ前記第一のプッシュリング(12)と前記第二のポジショニングリング(28)との間に位置し、
前記適合接続ヘッダー(14)内には、複数本の油圧油通路が周方向に沿って均一に分布し、
前記剪断ボール弁下弁座(29)の内周部に連通する流路を有し、且つ前記適合接続ヘッダー(14)
の上端部は、
前記ロックリング(27)を介して前記カッターケース(7)
の下端に接続され、
前記液圧閉塞装置は、
前記ロックリング(27)を介して前記前記適合接続ヘッダー(14)の下端部に連結される円筒形の閉塞装置ケース(16)と、
閉塞装置ケース(16)内に配され、前記適合接続ヘッダー(14)
の流路に連通する流路を有する前記円筒形の閉塞ボール弁上弁座(26)と、
流路を内周部に有する閉塞ボール弁下弁座(24)と、該閉塞ボール弁上弁座(26)の外周部に配される閉塞ボール弁ボンプ導通ピストン(15)と、前記
閉塞装置ケース(16)内における前記閉
塞ボール弁上弁座(26)と、前記閉塞ボール弁下弁座(24)との間に配される閉塞ボール弁左弁座(18)
、および、閉塞ボール弁右弁座(19)と、前記閉塞ボール弁左弁座(18)と前記閉塞ボール弁右弁座(19)
との間の空間内に取り付けられる閉塞ボール弁(25)
、および、弁棒(38)と、前記
閉塞装置ケース(16)の内周部と前記閉塞ボール弁左弁座(18)および前記閉塞ボール弁右弁座(19)との間に移動可能に配される閉塞ボール弁ピストン(17)と、
前記閉塞ボール弁下弁座(24)に取り付けられる第二のプッシュリング(20)と、
前記閉塞ボール弁下弁座(24)のテール部に取り付けられる第三のポジショニングリング(23)と、
前記第二のプッシュリング(20)と前記第三のポジショニングリング(23)との間に配される第二の戻しスプリング(21)と、
ロックリング(27)を介して前記閉塞装置ケース(16)の下部に連結される変換コネクタ(22)とを含み、
前記閉塞ボール弁ピストン(17)は、前記閉塞ボール弁左弁座(18)と前記閉塞ボール弁右弁座(19)に取り付けられ、前記閉塞ボール弁下弁座(24)は、前記閉塞ボール弁左弁座(18)と前記閉塞ボール弁右弁座(19)の下方に取り付けられ、前記第二のプッシュリング(20)は、前記閉塞ボール弁ピストン(17)の下端面と接触し、
前記剪断ボール弁ピストン(9)および前記閉塞ボール弁ピストン(17)が、前記上解放タイバック装置(1)の内部に形成される剪断ボール弁閉じ通路(102)、および、閉塞ボール弁閉じ通路(105)を介して供給される作動油圧により移動制御されることによって、前記剪断ボール弁(30)および閉塞ボール弁(25)が回転制御されることにより、前記液圧カッターの前記流路、前記適合接続ヘッダー(14)、および、前記液圧閉塞装置の前記流路が開閉制御される、
ことを特徴とするランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項2】
前記上解放タイバック装置(1)の上端にパイプ口ネジ(107)が設けられ、前記上解放タイバック装置(1)の内部には、二つの動力及び監視ケーブル通路(101)、前記剪断ボール弁閉じ通路(102)、剪断ボール弁開き及び補助接続通路(103)、閉塞ボール弁開き通路(104)、前記閉塞ボール弁閉じ通路(105)、二十一個の油圧油通路(106)、化学試剤注入通路(108)、ネジ穴(109)、油圧接続通路(115)、アニュラー解放通路(116)、油圧解放通路(117)が周方向に沿って均一に分布し、前記上解放タイバック装置(1)の下端に第一の取り付け穴(110)、第一のシール溝(111)、内ボス(112)、アニュラー加圧穴(114)、第一のネジ(113)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項3】
前記カッターケース(7)の上部に第五の取り付け穴(701)、第六の取り付け穴(702)、内郭(703)が均一に配置して設けられ、前記カッターケース(7)の下部に第四のネジ(705)が設けられ、前記二重咬合異径リング(5)に二重咬合突起(501)、拡径斜面(502)が設けられ、前記接続ピストン(3)の下端斜面は、前記拡径斜面(502)と接触し、前記剪断ボール弁ピストン(9)の内部のボス箇所に二つの弁棒取り付け穴(901)が対称的に配置して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項4】
前記アニュラー解放制御弁(39)に油圧接続液口(3901)、アニュラーパイプライン吸液口(3902)、油圧解放排液口(3903)、油圧解放吸液口(3904)が上から下へ順に設けられ、前記アニュラー解放制御弁(39)の外面に第三のシール溝(3905)が設けられ、前記油圧接続吸液口(3901)は、油圧接続通路(115)と連通し、前記アニュラーパイプライン吸液口(3902)は、アニュラー加圧穴(114)と連通し、前記油圧解放排液口(3903)は、油圧解放通路(117)と連通し、前記油圧解放吸液口(3904)は、前記油圧解放通路(117)と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項5】
前記剪断ボール弁開き及び補助接続通路(103)の下方のパイプの一部は、前記接続ピストン(3)の上端面と前記下解放タイバック装置(2)で形成されるキャビティ内と連通し、前記剪断ボール弁開き及び補助接続通路(103)の下方のパイプのもう一部は、前記剪断ボール弁ピストン(9)の上端面と連通する、ことを特徴とする請求項2に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項6】
前記剪断ボール弁(30)に剪断刃口(3003)が設けられ、前記剪断ボール弁(30)の両側に回転軸(3001)と弁棒スライド溝(3002)が設けられ、前記剪断ボール弁上弁座(31)の上端の内凹み箇所に十二個の円形ボンプ導通穴(3101)が周方向に沿って均一に分布する、ことを特徴とする請求項3に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項7】
この装置は、ボール弁駆動機構をさらに含み、前記ボール弁駆動機構は、剪断ボール弁ピストン(9)と、剪断ボール弁左弁座(10)と、剪断ボール弁右弁座(11)と、剪断ボール弁(30)と、弁棒(38)とを含み、前記剪断ボール弁(30)は、前記回転軸(3001)を介して前記剪断ボール弁左弁座(10)の第一の回転軸組み立て穴(1002)と前記剪断ボール弁右弁座(11)の第二の回転軸組み立て穴(1102)内に取り付けられ、前記弁棒(38)は、前記弁棒スライド溝(3002)と前記弁棒取り付け穴(901)内に取り付けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【請求項8】
前記ロックリング(27)の内周面には、回転方向が反対する第五のネジ(2701)、第六のネジ(2702)が設けられ、前記ロックリング(27)は、前記カッターケース(7)と前記閉塞装置ケース(16)と左ネジで接続され、前記ロックリング(27)は、前記適合接続ヘッダー(14)と前記変換コネクタ(22)と右ネジで接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の
ランディングストリング
用安全制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋油ガス装置の分野に関し、具体的には深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング(landing string)安全制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
深海石油、天然ガス及び天然ガスハイドレート(「可燃氷」とも称される)採掘作業に対して、深水坑井仕上げのテスト作業は、不可欠な一環であり、この一環では、プラットフォーム又はドリルシップが台風、潮汐、津波などの影響に遭うと沈み、揺れなどの運動が発生し、それに接続される深水坑井仕上げテストストリングは、それとともに運動し、オフセット曲がりが生じる。坑井仕上げテストストリングオフセットの曲げ幅が早期警報範囲を超えると、作業を即座に停止させる必要がある。プラットフォームが制御信号を出すことで、水下の坑井口の噴出防止装置セットの内部のランディングストリング安全制御装置は、坑井下の高圧油ガスを閉塞し、坑井仕上げテストストリングを遮断し、プラットフォームとドリルシップを安全位置まで退避させ、それによってストリングの切れ、油ガスの漏洩、船の沈み、人の死傷、海洋環境汚染や深刻な経済損失を回避する。実際には、深海石油、天然ガス及び天然ガスハイドレートの採掘の多くの作業プロセスとして、途中テスト、貯蔵層洗浄、坑井の排液置換、水下の採油ツリー採ガスツリーの坑井仕上げ取り付け及び他の坑井修理作業を含む場合、作業全プロセスの安全を保証するためにこのランディングストリング安全制御装置を必要とする。
【0003】
しかしながら、上記機能をほぼ有する又は深水坑井仕上げテスト作業ストリングの安全制御の需要を基本的に満たすことができる従来の装置及び工具について分析を行ったところ、全体的に多くの不足又は問題が存在するとともに、深水坑井仕上げテスト作業ストリングの安全制御にいくつかの新機能を実現する必要があり、具体的に以下のとおりであることを発見した。
【0004】
(1)従来の類似装置における液圧カッター、液圧閉塞装置のほとんどは、ボール弁機構を採用して実現されるが、その全体の部品が多く、運動原理が複雑で、部品構造が複雑で、且つコンパクトではなく、安定性が低く、取り付け難度が大きい欠点があり、且つ開閉に必要な油圧駆動力が比較的大きく、開状態でのボール弁のシール面が損傷しやすく、浸食しやすいため、閉状態でボール弁のシール性が低く、信頼性が低い問題を招く。
【0005】
(2)従来の類似装置では、油圧制御方式でストリングを解放する機能が故障した後、設置されたアニュラー解錠方式は、主にアニュラー穴内に油圧油を注入し、上がるように接続ピストンを押し、それによってテストストリングを剪断することであるが、油圧油は、接続ピストンの下端面に直接に作用し、弁の制御を受けていないため、アニュラー解錠の正確性と制御性が比較的低くなり、ひいては誤操作による重大な事故を招く。
【0006】
(3)従来の類似装置のボンプ導通機能は、正方向高圧油ガスによってボール弁のシール面に作用し、さらにボンプ導通スプリングを圧縮するようにボール弁上弁座を駆動することで、正圧ボンプ導通を実現するが、ボンプ導通スプリングは、使用中に温度、時間の変化に伴い、スプリングの付勢力は、異なる程度の変化があり、ボール弁のシール面の応力が不均一になり、それによってボール弁と上弁座との接触が故障し、油ガスの漏洩、正圧ボンプ導通機能の誤操作などを招く。
【0007】
(4)従来の類似装置の二つのボール弁機構は、同一のケース内に設置され、異なる規格及び型番の噴出防止装置セットの内部構造を効果的に満たすように、二つのボール弁機構間の距離を柔軟に調節することができず、異なる坑井仕上げ作業の需要に応じて、単一のボール弁機構又は二つのボール弁機構のストリング安全制御装置を迅速に配置することができない。
【0008】
(5)安全作業を保障するために、ボール弁が開けられる時、テストストリングの接続箇所の解放を許容せず、そうではないと、損失して高圧を放出して爆発を招き、ストリングの損傷、油ガスの漏洩など、海洋環境の汚染や深刻な経済損失をもたらす。しかしながら、現在、従来の装置は、C字型リングを採用し、C字型リングは、一つの接続突起しかなく、それ自体の接続安定性が比較的低く、ボール弁開き機構と接続箇所の解放機構のインターロックが設置されず、ボール弁が開けられる時、接続箇所の誤操作又は接続故障を招き、接続箇所にオーバーフローとマルチ通路導通遮断装置の遮断などの問題が発生してしまう可能性がある。
【0009】
(6)深水坑井仕上げのテストプロセスが比較的に複雑であるため、テストストリングの下部に要求に応じて様々な電子機器工具が配置され、その電力動力源及び監視制御伝送などは、この装置を介する必要があるため、この装置に迅速に遮断し且つ自動的に接続できる帯電ケーブルコネクタを設置し、解放とタイバックプロセスに動力ケーブル及び監視制御信号線の迅速な挿抜を実現する必要がある。
【0010】
(7)深水テストプロセスの需要のため、テストストリングは、需要に応じスマート坑井仕上げなどの液圧制御工具を取り付けるが、従来の類似装置の油圧油通路及び化学試剤注入通路の設置数が少なく、且つこの装置の接続箇所におけるパイプラインスイッチの信頼性が低く、スマート坑井仕上げ工具に十分に高速な遮断閉じと自動接続開きの油圧制御パイプライン通路を提供できず、従来の類似装置の後期使用作動状況を制限してしまう。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、従来の類似装置の構造及び機能装置の応用に存在する問題、及び深海石油、天然ガス及び天然ガスハイドレート採掘の坑井仕上げ作業プロセスが安全保護をより良く実現する需要に対して、深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング安全制御装置を提供することである。
【0012】
本発明特許は、その技術課題を解決するために、以下のような技術案を採用する。
【0013】
深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング安全制御装置であって、マルチ通路導通遮断装置と、液圧カッターと、液圧閉塞装置と、適合接続ヘッダーとを含み、
マルチ通路導通遮断装置は、上解放タイバック装置と、下解放タイバック装置と、中心ストリングと、接続ピストンと、第一のポジショニングリングと、二重咬合異径リングと、ワンタッチケーブルコネクタと、油圧油路接続スイッチと、油路導通装置、アニュラー解放制御弁とを含み、
下解放タイバック装置の上端には、第二のネジ、周方向に沿って均一に分布する三十個の第二の取り付け穴が設けられ、下解放タイバック装置の下端には、三本の第二のシール溝、周方向に沿って均一に分布する二十六個の第三の取り付け穴、二つの第四の取り付け穴、第三のネジ、四角形切欠が設けられ、油路導通装置は、第二の取り付け穴内に取り付けられ、油圧油路接続スイッチは、第三の取り付け穴内に取り付けられ、ワンタッチケーブルコネクタは、第四の取り付け穴内に取り付けられ、下解放タイバック装置は、第二のネジを介して上解放タイバック装置に接続され、中心ストリングの下端にストッパー段差が設けられ、中心ストリングは、上解放タイバック装置にネジ接続され、接続ピストンに八つの円穴が設けられ、円穴は、スプリングを取り付けるために用いられ、接続ピストンは、中心ストリングの中部に取り付けられ、二重咬合異径リングは、ストッパー段差と接続ピストンとの間に取り付けられ、第一のポジショニングリングは、第三のネジを介して下解放タイバック装置に接続され、且つ接続ピストンに取り付けられ、接続ピストンは、第一のポジショニングリングによって中心ストリングにおける軸方向ポジショニングを実現し、
液圧カッターは、カッターケースと、剪断ボール弁上弁座と、剪断ボール弁ボンプ導通ピストンと、剪断ボール弁左弁座と、剪断ボール弁右弁座と、剪断ボール弁左弁座と剪断ボール弁右弁座内に取り付けられる剪断ボール弁と、弁棒と、剪断ボール弁ピストンと、剪断ボール弁下弁座と、逆止弁と、第一のプッシュリングと、第一の戻しスプリングと、第二のポジショニングリングと、ロックリングとを含み、剪断ボール弁左弁座に接続突起、第一の回転軸組み立て穴、第一の弁棒組み立て溝が設けられ、剪断ボール弁右弁座に第二の弁棒組み立て溝、第二の回転軸組み立て穴、接続凹溝が設けられ、剪断ボール弁左弁座と剪断ボール弁右弁座は、接続突起と接続凹溝が嵌合することで接続され、剪断ボール弁ピストンは、剪断ボール弁左弁座と剪断ボール弁右弁座に取り付けられ、剪断ボール弁上弁座は、剪断ボール弁左弁座と剪断ボール弁右弁座にネジ接続され、且つ中心ストリングの下端面と接触し、剪断ボール弁ボンプ導通ピストンは、剪断ボール弁上弁座に取り付けられ、剪断ボール弁下弁座は、剪断ボール弁左弁座と剪断ボール弁右弁座にネジ接続され、第一のプッシュリングは、剪断ボール弁下弁座に取り付けられ且つ剪断ボール弁ピストンの下端面と接触し、第二のポジショニングリングは、剪断ボール弁下弁座のテール部に取り付けられ、第一の戻しスプリングは、剪断ボール弁下弁座に取り付けられ且つ第一のプッシュリングと第二のポジショニングリングとの間に位置し、適合接続ヘッダー内には、複数本の第一の油圧油通路が周方向に沿って均一に分布し、且つ適合接続ヘッダーは、ロックリングを介してカッターケースに接続され、
液圧閉塞装置は、閉塞装置ケースと、閉塞ボール弁上弁座と、閉塞ボール弁ボンプ導通ピストンと、閉塞ボール弁左弁座と、閉塞ボール弁右弁座と、閉塞ボール弁左弁座と閉塞ボール弁右弁座内に取り付けられる閉塞ボール弁と、弁棒と、閉塞ボール弁ピストンと、閉塞ボール弁下弁座と、第二のプッシュリングと、第二の戻しスプリングと、第三のポジショニングリングと、変換コネクタとを含み、閉塞ボール弁上弁座は、閉塞装置ケース内に取り付けられ、閉塞ボール弁ボンプ導通ピストンは、閉塞ボール弁上弁座に取り付けられ、閉塞ボール弁上弁座の下部に閉塞ボール弁左弁座と閉塞ボール弁右弁座が取り付けられ、閉塞ボール弁ピストンは、閉塞ボール弁左弁座と閉塞ボール弁右弁座に取り付けられ、閉塞ボール弁下弁座は、閉塞ボール弁左弁座と閉塞ボール弁右弁座の下方に取り付けられ、第二のプッシュリングは、閉塞ボール弁下弁座に取り付けられ且つ閉塞ボール弁ピストンの下端面と接触し、第三のポジショニングリングは、閉塞ボール弁下弁座のテール部に取り付けられ、第二の戻しスプリングは、閉塞ボール弁下弁座に取り付けられ且つ第二のプッシュリングと第三のポジショニングリングとの間に位置し、変換コネクタは、閉塞装置ケースの下部に取り付けられ且つロックリングに接続される。
【0014】
さらに、上解放タイバック装置の上端にパイプ口ネジが設けられ、上解放タイバック装置の内部には、二つの動力及び監視ケーブル通路、剪断ボール弁閉じ通路、剪断ボール弁開き及び補助接続通路、閉塞ボール弁開き通路、閉塞ボール弁閉じ通路、二十一個の油圧油通路、化学試剤注入通路、ネジ穴、油圧接続通路、アニュラー解放通路、油圧解放通路が周方向に沿って均一に分布し、上解放タイバック装置の下端に第一の取り付け穴、第一のシール溝、内ボス、アニュラー加圧穴、第一のネジが設けられ、アニュラー解放制御弁は、アニュラー解放通路内に取り付けられる。
【0015】
さらに、カッターケースの上部に第五の取り付け穴、第六の取り付け穴、第七の取り付け穴、内郭が均一に配置して設けられ、カッターケースの下部に第四のネジが設けられ、逆止弁は、第七の取り付け穴内に取り付けられ、二重咬合異径リングに二重咬合突起、拡径斜面が設けられ、接続ピストンの下端斜面は、拡径斜面と接触し、剪断ボール弁ピストンの内部のボス箇所に二つの弁棒取り付け穴が対称的に配置して設けられる。
【0016】
さらに、アニュラー解放制御弁には、油圧接続吸液口、アニュラーパイプライン吸液口、油圧解放排液口、油圧解放吸液口が上から下へ順に設けられ、アニュラー解放制御弁の外面に第三のシール溝が設けられ、油圧接続吸液口は、油圧接続通路と連通し、アニュラーパイプライン吸液口は、アニュラー加圧穴と連通し、油圧解放排液口は、油圧解放通路と連通し、油圧解放吸液口は、油圧解放通路と連通する。
【0017】
さらに、剪断ボール弁開き及び補助接続通路の下方のパイプの一部は、接続ピストンの上端面と下解放タイバック装置で形成されるキャビティ内と連通し、剪断ボール弁開き及び補助接続通路の下方のパイプのもう一部は、剪断ボール弁ピストンの上端面と連通する。
【0018】
さらに、剪断ボール弁に剪断刃口が設けられ、剪断ボール弁の両側に回転軸と弁棒スライド溝が設けられ、
剪断ボール弁上弁座の上端の内凹み箇所に十二個の円形ボンプ導通穴が周方向に沿って均一に分布する。
【0019】
さらに、この装置は、ボール弁駆動機構をさらに含み、ボール弁駆動機構は、剪断ボール弁ピストンと、剪断ボール弁左弁座と、剪断ボール弁右弁座と、剪断ボール弁と、弁棒とを含み、剪断ボール弁は、回転軸を介して剪断ボール弁左弁座の第一の回転軸組み立て穴と剪断ボール弁右弁座の第二の回転軸組み立て穴内に取り付けられ、弁棒は、弁棒スライド溝と弁棒取り付け穴内に取り付けられる。
【0020】
さらに、ロックリングの内周面には、回転方向が反対する第五のネジ、第六のネジが設けられ、ロックリングは、カッターケースと閉塞装置ケースと左ネジで接続され、ロックリングは、適合接続ヘッダーと変換コネクタと右ネジで接続される。
【0021】
以上をまとめると、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0022】
(1)この装置の新型ボール弁駆動機構は、その全体の部品が少なく、構造が簡単であり、取り付けが容易であり、且つボール弁左弁座とボール弁右弁座のボール弁に対する包着性がより良く、ボール弁のシール面が損傷しやすく、浸食しやすいため、閉状態でボール弁のシール性が低く、信頼性が低いという難題を解決することができる。
【0023】
(2)アニュラー解放メカニズムは、アニュラー解放制御弁を採用して油圧油に対する効果的な制御を実現し、アニュラー解放の正確性と制御性を保証するとともに、油圧接続状態とアニュラー解放状態との間にインターロックを形成し、この装置の接続状態で、アニュラー解放が故障し、誤操作による重大な事故を回避することを保証する。
【0024】
(3)高圧油ガスをボンプ導通穴内に注入し、ボンプ導通ピストンとボール弁開きピストンの運動を押すことで、ボール弁を回転させ、テストストリングの正圧ボンプ導通を実現し、スプリングの付勢力が変化するため、シール面の応力が不均一になり、ボール弁接触シールが故障になり、油ガスが漏洩する問題を効果的に解決し、正圧ボンプ導通の信頼性を向上させる。
【0025】
(4)適合接続ヘッダーを採用して二つのボール弁剪断閉塞装置を別々に配置し、装置をよりコンパクトにし、安定性を高め、取り付け難度を低下させ、且つ適合接続ヘッダーを交換して二つのボール弁機構間の距離を柔軟に調節することで、異なる規格及び型番の噴出防止装置セットの内部構造を効果的に満たすことができ、且つ異なる坑井仕上げ作業の需要に応じて、単一のボール弁機構又は二つのボール弁機構のストリング安全制御装置を迅速に配置することができる。
【0026】
(5)ボール弁開き通路にボール弁開き機構と接続箇所の解放機構のインターロックを追加し、且つ二重咬合異径リングを採用して接続され、ボール弁の開状態で、二重咬合異径リングの接続が安定で信頼できることを保証し、接続箇所の誤操作又は接続故障のため、接続箇所に液体オーバーフローとマルチ通路導通遮断装置の遮断などの事故が発生することを回避する。
【0027】
(6)動力及び監視ケーブル通路を設置し、且つ動力及び監視ケーブル通路にワンタッチケーブルコネクタを介して様々な電子機器工具に接続され、解放とタイバックプロセスにおける迅速挿抜を実現することができ、且つ下方のシステム及び噴出防止装置セットの電力動力源の伝送と坑井下の様々な電子機器工具のデータ監視を実現し、坑井下の工具の機能が完全であるかどうかを効果的に決定することができる。
【0028】
(7)複数本の第一の油圧油通路と複数本の第二の油圧油通路を設置することで、スマート坑井仕上げ工具、弁などの液圧制御工具に高速な遮断閉じと自動接続開きの油圧制御パイプラインを提供することができ、絶えず発展する深水テストプロセスの需要を満たすことができ、この装置は、より広い後期の使用作動状況を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング安全制御装置の組み立て図である。
【
図2】本発明の上解放タイバック装置の三次元断面図である。
【
図3】本発明の下解放タイバック装置の三次元断面図である。
【
図4】本発明のカッターケースの三次元断面図である。
【
図5】本発明の二重咬合異径リングの三次元外観図である。
【
図6】本発明の油圧解放通路及び油圧解放の三次元断面図である。
【
図7】本発明の油圧接続通路及び油圧接続の三次元断面図である。
【
図8】本発明のボール弁駆動機構の開閉の三次元比較図である。
【
図9】本発明のボール弁駆動の三次元斜視図である。
【
図10】本発明の駆動ピストンの三次元断面図である。
【
図11】本発明のボール弁上弁座の三次元断面図である。
【
図12】本発明のロックリングの三次元外観概略図である。
【
図13】本発明のアニュラー解放制御弁の三次元概略図である。
【
図14】本発明のアニュラー解放メカニズムの三次元断面図である。
【
図15】本発明のマルチ通路導通遮断装置の三次元外観概略図である。
【
図16】本発明の剪断ボール弁開き及び補助接続通路の三次元断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
具体的な実施例
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭且つ分かりやすくするために、以下の図面を結び付けながら、本発明についてさらに詳細に説明する。理解すべきこととして、ここで記述された具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。
【0031】
図1-
図16に示すように、深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング安全制御装置であって、上解放タイバック装置1と、下解放タイバック装置2と、接続ピストン3と、油圧油路接続スイッチ4と、二重咬合異径リング5と、プラグ6と、カッターケース7と、剪断ボール弁ボンプ導通ピストン8と、剪断ボール弁ピストン9と、剪断ボール弁左弁座10と、剪断ボール弁右弁座11と、第一のプッシュリング12と、第一の戻しスプリング13と、適合接続ヘッダー14と、閉塞ボール弁ボンプ導通ピストン15と、閉塞装置ケース16と、閉塞ボール弁ピストン17と、閉塞ボール弁左弁座18と、閉塞ボール弁右弁座19と、第二のプッシュリング20と、第二の戻しスプリング21と、変換コネクタ22と、第三のポジショニングリング23と、閉塞ボール弁下弁座24と、閉塞ボール弁25と、閉塞ボール弁上弁座26と、ロックリング27と、第二のポジショニングリング28と、剪断ボール弁下弁座29と、剪断ボール弁30と、剪断ボール弁上弁座31と、中心ストリング32と、ワンタッチケーブルコネクタ33と、第一のポジショニングリング34と、スプリング35と、油路導通装置36と、逆止弁37と、弁棒38と、アニュラー解放制御弁39とを含む。
【0032】
ここで、下解放タイバック装置2の上端には、第二のネジ201、周方向に沿って均一に分布する三十個の第二の取り付け穴207が設けられ、下解放タイバック装置2の下端には、三本の第二のシール溝206、周方向に沿って均一に分布する二十六個の第三の取り付け穴202、二つの第四の取り付け穴204、第三のネジ205、四角形切欠203が設けられ、油路導通装置36は、第二の取り付け穴207内に取り付けられ、油圧油路接続スイッチ4は、第三の取り付け穴202内に取り付けられ、ワンタッチケーブルコネクタ33は、第四の取り付け穴204内に取り付けられ、下解放タイバック装置2は、第二のネジ201を介して上解放タイバック装置1に接続され、中心ストリング32は、上解放タイバック装置1にネジ接続され、スプリング35は、接続ピストン3における円穴301内に取り付けられ、接続ピストン3は、中心ストリング32の中部に取り付けられ、二重咬合異径リング5は、中心ストリング32の下端のストッパー段差3201と接続ピストン3との間に取り付けられ、第一のポジショニングリング34は、第三のネジ205を介して下解放タイバック装置2に接続され、且つ接続ピストン3に取り付けられ、接続ピストン3は、第一のポジショニングリング34により中心ストリング32における軸方向ポジショニングを実現する。
【0033】
剪断ボール弁30は、剪断ボール弁左弁座10と剪断ボール弁右弁座11内に取り付けられる。具体的には、剪断ボール弁左弁座10に接続突起1001、第一の回転軸組み立て穴1002、第一の弁棒組み立て溝1003が設けられ、剪断ボール弁右弁座11に第二の弁棒組み立て溝1101、第二の回転軸組み立て穴1102、接続凹溝1103が設けられ、剪断ボール弁左弁座10と剪断ボール弁右弁座11は、接続突起1001と接続凹溝1103が嵌合することで接続され、剪断ボール弁ピストン9は、剪断ボール弁左弁座10と剪断ボール弁右弁座11に取り付けられ、剪断ボール弁上弁座31は、剪断ボール弁左弁座10と剪断ボール弁右弁座11にネジ接続され、且つ中心ストリング32の下端面と接触し、剪断ボール弁ボンプ導通ピストン8は、剪断ボール弁上弁座31に取り付けられ、剪断ボール弁下弁座29は、剪断ボール弁左弁座10と剪断ボール弁右弁座11にネジ接続され、第一のプッシュリング12は、剪断ボール弁下弁座29に取り付けられ且つ剪断ボール弁ピストン9の下端面と接触し、第二のポジショニングリング28は、剪断ボール弁下弁座29のテール部に取り付けられ、第一の戻しスプリング13は、剪断ボール弁下弁座29に取り付けられ且つ第一のプッシュリング12と第二のポジショニングリング28との間に位置し、適合接続ヘッダー14は、ロックリング27を介してカッターケース7に接続される。
【0034】
カッターケース7の上部に第五の取り付け穴701、第六の取り付け穴702、第七の取り付け穴704、内郭703が均一に配置して設けられ、カッターケース7の下部に第四のネジ705が設けられ、逆止弁37は、第七の取り付け穴704内に取り付けられ、二重咬合異径リング5に二重咬合突起501、拡径斜面502が設けられ、接続ピストン3の下端斜面は、拡径斜面502と接触し、剪断ボール弁ピストン9の内部のボス箇所に二つの弁棒取り付け穴901が対称的に配置して設けられる。
【0035】
上解放タイバック装置1は、その上端のパイプ口ネジ107を介して中心ストリング32にネジ接続される。
【0036】
また、説明すべきこととして、上解放タイバック装置1に複数本の異なるタイプの通路が設置され、具体的には、上解放タイバック装置1の内部には、二つの動力及び監視ケーブル通路101、剪断ボール弁閉じ通路102、剪断ボール弁開き及び補助接続通路103、閉塞ボール弁開き通路104、閉塞ボール弁閉じ通路105、複数本の第二の油圧油通路106、化学試剤注入通路108、ネジ穴109、油圧接続通路115、アニュラー解放通路116、油圧解放通路117が周方向に沿って均一に分布する。
【0037】
ここで、適合接続ヘッダー14内に複数本の第一の油圧油通路が周方向に沿って均一に分布し、複数本の第一の油圧油通路は、複数本の第二の油圧油通路106と一対一で対応して連通して共同で油圧油路を構成し、剪断ボール弁開き及び補助接続通路103の下方のパイプの一部は、接続ピストン3の上端面と下解放タイバック装置2で形成されるキャビティ内と連通し、剪断ボール弁開き及び補助接続通路103の下方のパイプのもう一部は、剪断ボール弁ピストン9の上端面と連通し、アニュラー解放制御弁39に油圧接続吸液口3901、アニュラーパイプライン吸液口3902、油圧解放排液口3903、油圧解放吸液口3904が上から下へ順に設けられ、アニュラー解放制御弁39の外面に第三のシール溝3905が設けられ、油圧接続吸液口3901は、油圧接続通路115と連通し、アニュラーパイプライン吸液口3902は、アニュラー加圧穴114と連通し、油圧解放排液口3903は、油圧解放通路117と連通し、油圧解放吸液口3904は、油圧解放通路117と連通する。
【0038】
閉塞ボール弁25は、閉塞ボール弁左弁座18と閉塞ボール弁右弁座19内に取り付けられ、閉塞ボール弁上弁座26は、閉塞装置ケース16内に取り付けられ、閉塞ボール弁ボンプ導通ピストン15は、閉塞ボール弁上弁座26に取り付けられ、閉塞ボール弁上弁座26の下部に閉塞ボール弁左弁座18と閉塞ボール弁右弁座19が取り付けられ、閉塞ボール弁ピストン17は、閉塞ボール弁左弁座18と閉塞ボール弁右弁座19に取り付けられ、閉塞ボール弁下弁座24は、閉塞ボール弁左弁座18と閉塞ボール弁右弁座19の下方に取り付けられ、第二のプッシュリング20は、閉塞ボール弁下弁座24に取り付けられ且つ閉塞ボール弁ピストン17の下端面と接触し、第三のポジショニングリング23は、閉塞ボール弁下弁座24のテール部に取り付けられ、第二の戻しスプリング21は、閉塞ボール弁下弁座24に取り付けられ且つ第二のプッシュリング20と第三のポジショニングリング23との間に位置し、変換コネクタ22は、閉塞装置ケース16の下部に取り付けられ且つロックリング27に接続され、ここまでこの深水坑井仕上げテストの電気油圧ランディングストリング安全制御装置の組み立てを完了する。
【0039】
本発明の作動フローは、以下の通りである。
【0040】
劣悪な海況、例えば台風、潮汐、津波などの非常事態に遭遇した場合、高圧油圧油は、剪断ボール弁閉じ通路102と閉塞ボール弁閉じ通路105を通過し、上がるように剪断ボール弁ピストン9と閉塞ボール弁ピストン17を駆動し、弁棒38を弁棒スライド溝3002においてスライドさせ、剪断ボール弁30と閉塞ボール弁25を回転軸3001に沿って回転させ、それによってボール弁の剪断閉塞を完了する。
【0041】
剪断閉塞が完了した後、ストリングの解放を開始し、海上フロートプラットフォームによって制御命令を出し、油圧油が上解放タイバック装置1の油圧解放通路117に入った後、油圧油は、油圧解放通路117に沿って油圧解放吸液口3904に入り、油圧解放排液口3903から排出され、それによってピストン解放パイプラインに入り、油圧油は、接続ピストン3の下端面に作用し、油圧力の作用下で、接続ピストン3は、上がり、二重咬合異径リング5は、接続ピストン3の制限を失い、二重咬合異径リング5は、ロック前の状態に回復し、この時、二重咬合異径リング5は、カッターケース7との接続を遮断し、それによってテストストリングを遮断することで、海上プラットフォーム又はドリルシップを安全な位置に退避させる。油圧解放機構が故障した後、アニュラー解放の方式を採用することができ、この時、アニュラーパイプラインは、アニュラー加圧穴114に接続され、油圧油は、アニュラーパイプライン吸液口3902に入り、アニュラー解放制御弁39内の弁コアの移動を押すことで、アニュラーパイプライン吸液口3902と油圧解放排液口3903とを導通し、油圧油は、油圧解放排液口3903から排出され、ピストン解放パイプラインに入り、油圧油は、接続ピストン3の下端面に作用し、拡径斜面502に沿って下へ移動するように接続ピストン3の下端斜面を押すことで、二重咬合異径リング5は、カッターケース7内郭703との嵌合を失い、二重咬合異径リング5は、カッターケース7との接続を遮断し、それによってテストストリングを遮断する。
【0042】
非常事態が解消された後、海上プラットフォーム又はドリルシップを適切な位置に移動し、油圧接続通路115内に油圧油を注入し、油圧油の一部は、アニュラー解放制御弁39に入り、油圧油の作用下で、アニュラーパイプライン吸液口3902と油圧解放排液口3903とを遮断し、それによってアニュラー解放は、故障し、もう一部は、パイプラインに沿ってピストン接続パイプラインに入り、油圧油は、接続ピストン3の上端面に作用し、拡径斜面502に沿って下へ移動するように接続ピストン3の下端斜面を押し、さらに二重咬合異径リング5を押すことで、二重咬合異径リング5の内径を拡大し、カッターケース7内の内郭703と嵌合することで、二重咬合異径リング5とカッターケース7とを接続し、それによってテストストリングを再接続する。再接続が完了した後、海上フロートプラットフォーム又はドリルシップは、制御命令を出すことで、高圧油圧油を剪断ボール弁開き及び補助接続通路103と閉塞ボール弁開き通路104内に注入し、高圧油圧油を剪断ボール弁ピストン9と閉塞ボール弁ピストン17の上端面に作用させ、下へ移動するように剪断ボール弁ピストン9と閉塞ボール弁ピストン17を押し、弁棒38を弁棒スライド溝3002においてスライドさせ、剪断ボール弁30と閉塞ボール弁25を回転軸3001に沿って回転させ、剪断ボール弁30と閉塞ボール弁25の開きを完了する。
【0043】
異なる深さの水下システム及び噴出防止装置セットの場合、ロックリング27を回転し、適合接続ヘッダー14を取り外し、異なる規格及び型番の噴出防止装置セットに応じて、適切な高さの適合接続ヘッダー14を柔軟に交換し、二つのボール弁機構間の距離を調節し、それによって異なる規格と型番の噴出防止装置セットの内部構造を満たす。
【0044】
高圧油ガスに関係しない場合、例えば採油ツリー、テスト作業の場合、ロックリング27を回転し、適合接続ヘッダー14を取り外し、そして変換コネクタ22を第四のネジ705を介してカッターケース7に接続し、単一のボール弁機構のストリング安全制御装置を迅速に配置する。
【符号の説明】
【0045】
1 上解放タイバック装置、101 動力及び監視ケーブル通路、102 剪断ボール弁閉じ通路、103 剪断ボール弁開き及び補助接続通路、104 閉塞ボール弁開き通路、105 閉塞ボール弁閉じ通路、106 第二の油圧油通路、107 パイプ口ネジ、108 化学試剤注入通路、109 ネジ穴、110 第一の取り付け穴、111 第一のシール溝、112 内ボス、113 第一のネジ、114 アニュラー加圧穴、115 油圧接続通路、116 アニュラー解放通路、117 油圧解放通路、2 下解放タイバック装置、201 第二のネジ、202 第三の取り付け穴、203 四角形切欠、204 第四の取り付け穴、205 第三のネジ、206 第二のシール溝、207 第二の取り付け穴、3 接続ピストン、301 円穴、4 油圧油路接続スイッチ、5 二重咬合異径リング、501 二重咬合突起、502 拡径斜面、6 プラグ、7 カッターケース、701 第五の取り付け穴、702 第六の取り付け穴、703 内郭、704 第七の取り付け穴、705 第四のネジ、8 剪断ボール弁ボンプ導通ピストン、9 剪断ボール弁ピストン、901 弁棒取り付け穴、10 剪断ボール弁左弁座、1001 接続突起、1002 第一の回転軸組み立て穴、1003 第一の弁棒組み立て溝、11 剪断ボール弁右弁座、1101 第二の弁棒組み立て溝、1102 第二の回転軸組み立て穴、1103 接続凹溝、12 第一のプッシュリング、13 第一の戻しスプリング、14 適合接続ヘッダー、15 閉塞ボール弁ボンプ導通ピストン、16 閉塞装置ケース、17 閉塞ボール弁ピストン、18 閉塞ボール弁左弁座、19 閉塞ボール弁右弁座、20 第二のプッシュリング、21 第二の戻しスプリング、22 変換コネクタ、23 第三のポジショニングリング、24 閉塞ボール弁下弁座、25 閉塞ボール弁、26 閉塞ボール弁上弁座、27 ロックリング、2701 第五のネジ、2702 第六のネジ、28 第二のポジショニングリング、29 剪断ボール弁下弁座、30 剪断ボール弁、3001 回転軸、3002 弁棒スライド溝、3003 剪断刃口、31 剪断ボール弁上弁座、3101 ボンプ導通穴、32 中心ストリング、3201 ストッパー段差、33 ワンタッチケーブルコネクタ、34 第一のポジショニングリング、35 スプリング、36 油路導通装置、37 逆止弁、38 弁棒、39 アニュラー解放制御弁、3901 油圧接続吸液口、3902 アニュラーパイプライン吸液口、3903 油圧解放排液口、3904 油圧解放吸液口、3905 第三のシール溝