(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】超音波接合用工具および超音波接合用工具の製造方法
(51)【国際特許分類】
B23K 20/10 20060101AFI20230926BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
B23K20/10
H01M10/04 Z
(21)【出願番号】P 2018032081
(22)【出願日】2018-02-26
【審査請求日】2020-10-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森 容一
(72)【発明者】
【氏名】土井 悠平
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊治
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-020003(JP,A)
【文献】特開平06-297205(JP,A)
【文献】特開2001-205452(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0240606(US,A1)
【文献】特開2000-212743(JP,A)
【文献】特開2007-063650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具であって、
表面に突起部が形成した工具基材と、
前記突起部の表面に設けられ、前記工具基材の熱膨張を吸収する下地層と、
前記下地層の表面に設けられ、前記下地層よりも硬度の高い硬質層と、を有し、
前記突起部は、前記下地層側の先端が半球状に形成された半球部、および前記半球部の両端に連続して設けられ直線状の直線部を有しており、
前記下地層および前記硬質層は膜厚が一定となるように形成されている超音波接合用工具。
【請求項2】
被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具であって、
表面に突起部が形成した工具基材と、
前記突起部の表面に設けられ、前記工具基材の熱膨張を吸収する下地層と、
前記下地層の表面に設けられ、前記下地層よりも硬度の高い硬質層と、を有し、
前記下地層および前記硬質層は膜厚が一定となるように形成され、
前記突起部は、滑らかに変曲して構成されている、または断面が三角形状から構成されている超音波接合用工具。
【請求項3】
前記硬質層を構成する材料は、前記工具基材を構成する材料と比較して、前記被接合材に対する親和性が低い、請求項1または2に記載の超音波接合用工具。
【請求項4】
被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具の製造方法であって、
工具基材の表面に形成した突起部の表面に、前記工具基材の熱膨張を吸収する下地層を形成し、
前記下地層の表面に、前記下地層よりも硬度の高い硬質層を形成し、
前記下地層側の先端が半球状に形成された半球部、および前記半球部の両端に連続して直線状に形成された直線部を備える前記突起部に対して、
前記下地層および前記硬質層を形成するコーティング剤を、前記直線部に直交する方向かつ前記突起部の突出方向から照射して、前記下地層および前記硬質層の膜厚がそれぞれ一定となるように形成する、超音波接合用工具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波接合用工具および超音波接合用工具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば二次電池を構成する単電池から導出される電極タブは、単電池の内部に収容された集電体と接合される。電極タブおよび集電体の接合は、ホーンおよびアンビルなどの超音波接合用工具を用いて超音波接合することが一般的である。
【0003】
一般的に超音波接合用工具には、超音波接合用工具および被接合材の間の滑りを防止するための突起部が設けられている。この突起部は、接合回数とともに摩耗して削れるため、決められた回数または突起部の摩耗量によって超音波接合用工具の使用限界が決まり、限界を超えた超音波接合用工具は、例えば突起部近傍を研削して再度使用する。
【0004】
このような超音波接合用工具において、超音波接合用工具の突起部が被接合材に接触した場合に、突起部が被接合材と凝着する虞がある。
【0005】
これに関連して、例えば、下記の特許文献1には、工具基材のうち少なくとも被接合材に接する部分の表面に炭化物層をコーティングした超音波接合用工具が開示されている。このような超音波接合用工具によれば、超音波接合用工具に対する被接合材の凝着を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の超音波接合用工具のように工具基材の表面にコーティングが施されている構成では、接合時の摩擦熱による超音波接合用工具の膨張・収縮や摩擦熱自体に起因して、コーティングが剥がれてしまい、工具寿命が短くなる。これによって、工具の交換頻度が増えて生産性が低下する虞がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表面に形成された硬質層が剥がれることを好適に防止することのできる超音波接合用工具および超音波接合用工具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明に係る超音波接合用工具は、被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具である。超音波接合用工具は、表面に突起部が形成した工具基材と、前記突起部の表面に設けられ、前記工具基材の熱膨張を吸収する下地層と、前記下地層の表面に設けられ、前記下地層よりも硬度の高い硬質層と、を有する。また、前記突起部は、前記下地層側の先端が半球状に形成された半球部、および前記半球部の両端に連続して設けられ直線状の直線部を有しており、前記下地層および前記硬質層は膜厚が一定となるように形成されている。
【0010】
また、上記目的を達成する本発明に係る超音波接合用工具の製造方法は、被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具の製造方法である。また、工具基材の表面に形成した突起部の表面に、前記工具基材の熱膨張を吸収する下地層を形成し、前記下地層の表面に、前記下地層よりも硬度の高い硬質層を形成する。また、前記下地層側の先端が半球状に形成された半球部、および前記半球部の両端に連続して直線状に形成された直線部を備える前記突起部に対して、前記下地層および前記硬質層を形成するコーティング剤を、前記直線部に直交する方向かつ前記突起部の突出方向から照射して、前記下地層および前記硬質層の膜厚がそれぞれ一定となるように形成する。
【発明の効果】
【0011】
上述した超音波接合用工具によれば、下地層によって、接合時における硬質層に対する振動や衝撃を低減できるため、硬質層の剥がれを防止することができる。したがって、表面に形成された硬質層が剥がれることを好適に防止することのできる超音波接合用工具を提供することができる。
【0012】
また、上述した超音波接合用工具の製造方法によって製造された超音波接合用工具によれば、下地層によって、接合時における硬質層に対する振動や衝撃を低減できるため、硬質層の剥がれを防止することができる。したがって、表面に形成された硬質層が剥がれることを好適に防止することのできる超音波接合用工具の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る接合装置を示す概略図である。
【
図3】アンビルの突起部近傍における構成を説明するための図である。
【
図4】アンビルの製造方法を説明するための図であって、
図4(A)は、下地層を形成する際の様子を示し、
図4(B)は、硬質層を形成する際の様子を示す。
【
図5】ショット数と工具摩耗量との関係を示すグラフである。
【
図6】変形例に係るアンビルの
図3に対応する図である。
【
図7】本実施形態に係るアンビルが用いられる対象の一例である二次電池の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
【0015】
まず、本実施形態に係るアンビル30(超音波接合用工具に相当)が適用される対象の一つである二次電池200の構成について説明する。
【0016】
図7は、本実施形態に係るアンビル30が適用される対象の一つである二次電池200の断面図である。概説すると、二次電池200は、
図7に示すように、正極210と負極220との間にセパレーター230を介在させた単電池240を積層した発電要素260を外装体250に収容して構成している。正極210は正極集電体211に正極活物質層212を設けて構成し、負極220は負極集電体221に負極活物質層222を設けて構成している。
図7に示す二次電池200は、いわゆる積層型の二次電池として構成している。
【0017】
正極集電体211は、
図7に示すように、外装体250の外周付近において正極タブ213と接合される。負極集電体221は、正極と同様に、外装体250の外周付近において負極タブ223と接合される。本実施形態において、ホーン20およびアンビル30は、負極タブ223(被接合材に相当)と複数の負極集電体221(被接合材に相当)とを接合する際に利用される。
【0018】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態に係るアンビル30を備える接合装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る接合装置1を示す概略図である。
図2は、
図1のA部における拡大図である。
図3は、アンビル30の突起部31近傍における構成を説明するための図である。
【0019】
接合装置1は、
図1に示すように、振動発生部10と、ホーン20と、アンビル30と、モータ40と、スプリング50と、制御部(不図示)と、を有する。
【0020】
振動発生部10は、超音波振動子とブースターによって構成する。超音波振動子はトランスデューサーなどによって構成し、外部から供給された電力によって超音波の周波数に相当する振動を発生させる。超音波振動子は、一端をブースターに接続し、他端を電源ケーブルなどに接続している。ブースターは金属から構成し、ホーン20と超音波振動子に接続される。ブースターは、超音波振動子によって発生した振動を増幅させる。
【0021】
ホーン20は、負極集電体221および負極タブ223を接合する接合部のうち、負極集電体221側に超音波を印加して振動させることによって摩擦熱を発生させる。ホーン20は、モータ40によって、
図1の鉛直方向に沿って、負極集電体221に対して接近および離間可能に構成している。
【0022】
ホーン20の先端面には、
図2に示すように、無数の突起部21が設けられている。突起部21は、負極集電体221と当接する。突起部21は、繰り返しの使用によって摩耗し、突起部21の先端が減少し、これにより工具の交換や工具の加工が必要となる。
【0023】
本実施形態において、ホーン20は、負極集電体221を構成する比較的柔らかい銅と接触するため、ホーン20には、後述するアンビル30のように、下地層や硬質層は形成されていない。
【0024】
ホーン20を構成する材料としては、強度、加工性、コストなどの観点から、鋼材を用いることが好ましい。
【0025】
アンビル30は、負極集電体221および負極タブ223を接合する接合部のうち、負極タブ223側を載置する。アンビル30は、ホーン20からの超音波振動を受け止め、ホーン20とともに、被接合材を挟持する。
【0026】
アンビル30は、
図2、
図3に示すように、表面に突起部31が形成した工具基材32と、突起部31の表面に設けられる下地層33と、下地層33の表面に設けられる硬質層34と、を有する。
【0027】
アンビル30は、負極タブ223に形成される比較的硬いNiメッキに対して接触するため、下地層33および硬質層34が設けられる。
【0028】
突起部31は、
図3に示すように、半球状に形成された半球部31a、および半球部31aの両端に連続して設けられ直線状の直線部31bを有している。換言すれば、突起部31は、滑らかに変曲して構成している。
【0029】
工具基材32を構成する材料としては、強度、加工性、コストなどの観点から、鋼材を用いることが好ましい。
【0030】
下地層33は、超音波接合時の摩擦熱に起因する工具基材32の熱膨張を吸収する。すなわち、下地層33は、緩衝材として機能する。下地層33は、
図3に示すように、工具基材32の表面に膜厚が略一定となるように連続的に形成されている。
【0031】
下地層33を構成する材料としては、柔らかくかつ耐久性を備える観点から、Crを用いることが好ましいが、これに限定されない。
【0032】
硬質層34は、下地層33よりも硬度が高い。硬質層34は、
図3に示すように、下地層33の表面に膜厚が略一定となるように連続的に形成されている。
【0033】
硬質層34を構成する材料としては、工具基材32を構成する材料である鋼材と比較して、被接合材に対する親和性が低いことが好ましい。このような材料としては、例えば、TiAlCrを用いることができる。このような材料を用いることによって、超音波接合時の硬質層34の被接合材に対する凝着摩耗の進行を遅らせることができ、工具寿命を延ばすことができる。
【0034】
下地層33および硬質層34を合わせた厚さは、特に限定されないが、例えば、10~14μmである。
【0035】
ここで例えば、下地層33が設けられないアンビルの場合、硬質層34の被接合材に当接した個所を起点として、硬質層34が工具基材32から剥がれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態に係るアンビル30によれば、工具基材32および硬質層34の間に硬質層34よりも柔らかい下地層33が設けられているため、下地層33が緩衝材として機能し、硬質層34が工具基材32から剥がれることを好適に抑制することができる。
【0036】
また、例えば、下地層33が設けられないアンビルの場合、突起部31の耐摩耗性を上げるために硬質層34の膜厚を厚くする必要があり、これによって突起部31にコーティングの盛り上がりができてしまう。このようにコーティングの盛り上がりが生じると、超音波接合時の振動、衝撃でコーティングの盛り上がりからコーティングが剥ぎとられてしまい、コーティングの効果が目減りしてしまう虞がある。これに対して本実施形態に係るアンビル30によれば、工具基材32および硬質層34の間に硬質層34よりも柔らかい下地層33が設けられているため、硬質層34の膜厚を厚くする必要がなく、上述した課題は発生しない。
【0037】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るアンビル30の製造方法について説明する。
図4は、アンビル30の製造方法を説明するための図であって、
図4(A)は、下地層33を形成する際の様子を示し、
図4(B)は、硬質層34を形成する際の様子を示す。アンビル30は、例えば物理蒸着法によって、工具基材32の表面に、下地層33および硬質層34が形成される。
【0038】
まず、工具基材32の表面を洗浄した後に、物理蒸着用の炉内にセットする。そして、炉内を加熱した後、真空引きを実施する。ここでは、例えば4時間かけて、炉内を450℃に加熱する。
【0039】
次に、クリーニング装置によって工具基材32の表面にイオン粒子を衝突させて、工具基材32の表面をクリーニングする。
【0040】
次に、
図4(A)に示すように、下地層用生成装置80を用いて工具基材32の表面に下地層33を形成する。具体的には、
図4(A)に示すように、下地層33を形成するコーティング剤を、直線部31bに直交する方向V1から照射するとともに、突起部31の突出方向V2(
図4の上下方向)から工具基材32に向けて照射する。このように、下地層33を形成するコーティング剤を、直線部31bに直交する方向V1かつ突起部31の突出方向V2から照射することによって、下地層33の膜厚が略一定となる(
図3参照)。
【0041】
次に、
図4(B)に示すように、硬質層用生成装置90を用いて下地層33の表面に硬質層34を形成する。具体的には、
図4(B)に示すように、硬質層34を形成するコーティング剤を、直線部31bに直交する方向V1から照射するとともに、突起部31の突出方向V2(
図4の上下方向)から工具基材32に向けて照射する。このように、硬質層34を形成するコーティング剤を直線部31bに直交する方向V1かつ突起部31の突出方向V2から照射することによって、硬質層34の膜厚が略一定となる(
図3参照)。ここで、硬質層34の信頼性を向上させるために、硬質層34の成膜レートは、下地層33の成膜レートよりも遅くすることが好ましい。
【0042】
下地層33および硬質層34を形成するためのトータルのコーティング時間は、特に限定されないが、例えば6時間である。
【0043】
次に、炉内を冷却した後、アンビル30を取り出す。ここで、炉内の冷却時間は、特に限定されないが、例えば4時間である。次に、品質チェック用のテストピースで下地層33および硬質層34の膜厚、膜硬度、表面状態を検査する。
【0044】
以上の工程によって、工具基材32の表面に下地層33および硬質層34を形成して、アンビル30を製造する。
【0045】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るアンビル30の効果について説明する。
【0046】
図5において、横軸はショット数(接合回数)を示し、縦軸はアンビルの摩耗量を示す。また実線は、本実施形態に係るアンビル30の工具摩耗量を示し、点線はコーティングなしのアンビルの工具摩耗量を示す。
【0047】
図5に示すように、例えば工具摩耗量がおよそ95μmのとき工具を交換するとした場合、コーティングなしのアンビルに対して、本実施形態に係るアンビル30の工具寿命は3倍になることが分かった。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係るアンビル30は、被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具である。アンビル30は、表面に突起部31が形成した工具基材32と、突起部31の表面に設けられ、工具基材32の熱膨張を吸収する下地層33と、下地層33の表面に設けられ、下地層33よりも硬度の高い硬質層34と、を有する。このように構成されたアンビル30によれば、下地層33によって、接合時における硬質層34に対する振動や衝撃を低減できるため、硬質層34の剥がれを防止する。
【0049】
また、硬質層34を構成する材料は、工具基材32を構成する材料と比較して、被接合材に対する親和性が低い。このように構成されたアンビル30によれば、硬質層34が設けられないアンビルと比較して、接合時に硬質層34が剥がれる虞がさらに低減する。
【0050】
また、突起部31は、下地層33側の先端が半球状に形成された半球部31a、および半球部31aの両端に連続して設けられ直線状の直線部31bを有しており、下地層33および硬質層34は膜厚が一定となるように形成されている。このように構成されたアンビル30によれば、下地層33および硬質層34の膜厚が一定となるため、コーティングの信頼性が向上する。
【0051】
また、以上説明したように、本実施形態に係るアンビル30の製造方法は、被接合材同士の超音波接合に用いる超音波接合用工具の製造方法である。アンビル30の製造方法において、工具基材32の表面に形成した突起部31の表面に、工具基材32の熱膨張を吸収する下地層33を形成し、下地層33の表面に、下地層33よりも硬度の高い硬質層34を形成する。この製造方法によって製造されたアンビル30によれば、下地層33によって、接合時における硬質層34に対する振動や衝撃を低減できるため、硬質層34の剥がれを防止する。
【0052】
また、半球部31aおよび直線部31bを備える突起部31に対して、下地層33および硬質層34を形成するコーティング剤を、直線部31bに直交する方向V1かつ突起部31の突出方向V2から照射する。そして、下地層33および硬質層34の膜厚がそれぞれ一定となるように形成する。この製造方法によれば、下地層33および硬質層34の膜厚が一定となるため、コーティングの信頼性が向上する。
【0053】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。
【0054】
例えば上述した実施形態では、アンビル30に、下地層33および硬質層34が設けられた。しかしながら、ホーンに下地層および硬質層が設けられてもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、被接合材として、負極集電体221および負極タブ223を例に挙げて説明したが、被接合材は、正極集電体および正極タブであってもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、突起部31は、半球部および直線部を有する構成であった。しかしながら、突起部131は、
図6に示すように、三角形状から構成されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 接合装置、
10 振動発生部、
20 ホーン、
30 アンビル(超音波接合用工具)、
31 突起部、
31a 半球部、
31b 直線部、
32 工具基材、
33 下地層、
34 硬質層、
221 負極集電体(被接合材)、
223 負極タブ(被接合材)、
V1 直線部に直交する方向、
V2 突起部の突出方向。