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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】校正支援方法および校正支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230926BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G06Q50/10
B41J21/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019049866
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020154410
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100104695
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 明宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121348
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 健児
(74)【代理人】
【氏名又は名称】奥田 邦廣
(74)【代理人】
【識別番号】100148459
【弁理士】
【氏名又は名称】河本 悟
(72)【発明者】
【氏名】宮本 勝道
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 翔
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-157810(JP,A)
【文献】特開2005-092642(JP,A)
【文献】特開2002-183528(JP,A)
【文献】特開2004-326311(JP,A)
【文献】特開2002-041507(JP,A)
【文献】特開2004-303139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバコンピュータと単一の校正者コンピュータと第1確認者コンピュータと第2確認者コンピュータとが通信可能に接続された印刷システムにおいて前記サーバコンピュータによって実行される校正支援方法であって、
少なくとも第1部分画像と第2部分画像とを含む校正画像を含む校正画面を表示するための第1画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップと、
前記校正者コンピュータに表示された前記校正画面内で、少なくとも前記第1部分画像の位置を指定し、かつ、前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択して、前記第1部分画像の確認依頼が行われたときに、前記校正者コンピュータから確認依頼指示を受信するステップと、
前記確認依頼指示に基づき、前記第1部分画像の確認状況情報を更新するステップと、
前記第1部分画像の確認画面を表示するための第2画面データを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択された確認者コンピュータに提供するステップと、
前記選択された確認者コンピュータに表示された前記確認画面内で前記第1部分画像の確認が行われたときに、前記選択された確認者コンピュータから確認指示を受信するステップと、
前記確認指示に基づき、前記第1部分画像に係る前記確認状況情報を更新するステップとを備えた、校正支援方法。
【請求項2】
前記校正者コンピュータから前記確認依頼指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メールを前記選択された確認者コンピュータに送信するステップをさらに備えた、請求項1に記載の校正支援方法。
【請求項3】
前記電子メールは、前記第2画面データの提供を受けるためのアドレス情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の校正支援方法。
【請求項4】
前記選択された確認者コンピュータから前記確認指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認が行われたことを示す電子メールを前記校正者コンピュータに送信するステップをさらに備えた、請求項2に記載の校正支援方法。
【請求項5】
前記確認状況情報に基づく確認状況画面を表示するための第3画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップをさらに備えた、請求項1に記載の校正支援方法。
【請求項6】
前記確認状況画面は、前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータを含む複数の確認者コンピュータによる確認状況を一覧表形式で表示することを特徴とする、請求項5に記載の校正支援方法。
【請求項7】
前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択するための確認者選択画面を前記校正画面と重なるように前記校正者コンピュータに表示させるステップをさらに備えた、請求項1に記載の校正支援方法。
【請求項8】
サーバコンピュータと単一の校正者コンピュータと第1確認者コンピュータと第2確認者コンピュータとが通信可能に接続された印刷システムにおいて前記サーバコンピュータによって実行される校正支援プログラムであって、
少なくとも第1部分画像と第2部分画像とを含む校正画像を含む校正画面を表示するための第1画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップと、
前記校正者コンピュータに表示された前記校正画面内で、少なくとも前記第1部分画像の位置を指定し、かつ、前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択して、前記第1部分画像の確認依頼が行われたときに、前記校正者コンピュータから確認依頼指示を受信するステップと、
前記確認依頼指示に基づき、前記第1部分画像の確認状況情報を更新するステップと、
前記第1部分画像の確認画面を表示するための第2画面データを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択された確認者コンピュータに提供するステップと、
前記選択された確認者コンピュータに表示された前記確認画面内で前記第1部分画像の確認が行われたときに、前記選択された確認者コンピュータから確認指示を受信するステップと、
前記確認指示に基づき、前記第1部分画像に係る前記確認状況情報を更新するステップとを前記サーバコンピュータにCPUがメモリを利用して実行させることを特徴とする、校正支援プログラム。
【請求項9】
前記校正者コンピュータから前記確認依頼指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メールを前記選択された確認者コンピュータに送信するステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする、請求項に記載の校正支援プログラム。
【請求項10】
前記電子メールは、前記第2画面データの提供を受けるためのアドレス情報を含むことを特徴とする、請求項に記載の校正支援プログラム。
【請求項11】
前記選択された確認者コンピュータから前記確認指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認が行われたことを示す電子メールを前記校正者コンピュータに送信するステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする、請求項に記載の校正支援プログラム。
【請求項12】
前記確認状況情報に基づく確認状況画面を表示するための第3画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする、請求項に記載の校正支援プログラム。
【請求項13】
前記確認状況画面は、前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータを含む複数の確認者コンピュータによる確認状況を一覧表形式で表示することを特徴とする、請求項12に記載の校正支援プログラム。
【請求項14】
前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択するための確認者選択画面を前記校正画面と重なるように前記校正者コンピュータに表示させるステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする、請求項に記載の校正支援プログラム。
【請求項15】
通信可能に接続されたサーバコンピュータと単一の校正者コンピュータと第1確認者コンピュータと第2確認者コンピュータとによって実行される校正支援方法であって、
前記サーバコンピュータが、少なくとも第1部分画像と第2部分画像とを含む校正画像を含む校正画面を表示するための第1画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップと、
前記校正者コンピュータが、前記サーバコンピュータから提供された前記第1画面データに基づき、前記校正画面を表示するステップと、
前記校正者コンピュータに表示された前記校正画面内で、少なくとも第1部分画像の位置を指定し、かつ、前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択して、前記第1部分画像の確認依頼が行われたときに、前記校正者コンピュータが確認依頼指示を前記サーバコンピュータに送信するステップと、
前記サーバコンピュータが、前記校正者コンピュータから受信した前記確認依頼指示に基づき、前記第1部分画像の確認状況情報を更新するステップと、
前記サーバコンピュータが、前記第1部分画像の確認画面を表示するための第2画面データを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択された確認者コンピュータに提供するステップと、
前記選択された確認者コンピュータが、前記サーバコンピュータから提供された前記第2画面データに基づき、前記確認画面を表示するステップと、
前記選択された確認者コンピュータに表示された前記確認画面内で前記第1部分画像の確認が行われたときに、前記選択された確認者コンピュータが確認指示を前記サーバコンピュータに送信するステップと、
前記サーバコンピュータが、前記選択された確認者コンピュータから受信した前記確認指示に基づき、前記第1部分画像に係る前記確認状況情報を更新するステップとを備えた、校正支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷の前に行われる校正を支援する校正支援方法、および、校正支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷処理では、印刷を行う前に、RIP(Raster Image Processor)処理で求めた印刷データが表す画像を校正画像として校正を行うことがある。例えば、印刷物が商品カタログである場合、印刷物には複数の画像が掲載される。この場合、校正者は校正画像に含まれる画像が正しいことを確認する必要がある。しかし、すべての画像の確認を校正者が行うことは、一般には困難である。そこで、校正者は、画像の確認を行うための知識や権限を有する人に画像の確認を依頼する。以下、校正画像の一部分を構成し、確認の対象となる画像を「部分画像」、校正者からの依頼に応じて部分画像を確認する作業を「部分確認」、部分確認を行う人を「確認者」という。
【0003】
印刷物の種類によっては、校正者と確認者が別の会社に所属する場合がある。また、校正者が、2枚の部分画像の確認を別の会社に所属する2人の確認者にそれぞれ依頼する場合がある。例えば、印刷物が会社Aの製品と会社Bの製品とを掲載した商品カタログである場合、校正者は会社A内の確認者に会社Aの製品の画像の確認を依頼し、会社B内の確認者に会社Bの製品の画像の確認を依頼する。校正段階では、会社A内の確認者が会社Bの製品の画像を見ることや、会社B内の確認者が会社Aの製品の画像を見ることが許されない場合がある。この場合、校正者は、校正画像から会社Aの製品の画像を抽出して会社A内の確認者に確認を依頼し、校正画像から会社Bの製品の画像を抽出して会社B内の確認者に確認を依頼する。
【0004】
従来、部分確認に関する処理は手作業で行われている。図16は、従来の部分確認に関する処理を示す図である。図16には、校正者M3が2人の確認者M41、M42に部分画像の確認を依頼する場合が記載されている。校正者M3は、校正画像から会社Aの製品の画像を抽出し、抽出した画像を含む校正紙S1を作成する。また、校正者M3は、校正画像から会社Bの製品の画像を抽出し、抽出した画像を含む校正紙S2を作成する。連絡者M5は、校正紙S1を会社A内の確認者M41に送信し、校正紙S2を会社B内の確認者M42に送信する。確認者M41は、受信した校正紙S1に含まれる画像(会社Aの製品の画像)の確認結果を校正紙S1に記入し、記入済みの校正紙S1を連絡者M5に返送する。確認者M42も、同様の作業を行う。校正紙S1、S2は、連絡者M5と確認者M41、M42の間で、例えば、郵便、FAX、または、電子メールを用いて送信される。連絡者M5は、記入済みの校正紙S1、S2に基づき校正指示書を作成する。校正者M3は、作成された校正指示書に基づき校正を行う。
【0005】
本願発明に関連して、特許文献1には、表示画面に原稿画像を表示し、利用者が表示画面を見て接触操作することにより指定した原稿画像の一部のみを送信するファクシミリ装置が記載されている。特許文献2には、画像プリントサービスに関し、受発注管理者は、デザイン画像の点検、校正を終了したときに顧客端末に電子メールを送信し、顧客端末が電子メールを受信したときに、顧客はデザイン注文サイトのデザイン確認画面にアクセスしてデザイン画像の仕上がりが希望どおりか否かを確認することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平4-238458号公報
【文献】特開2004-312418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図16に示す従来の処理には、処理の流れが複雑で作業効率が悪いという問題がある。例えば、校正紙S1、S2の送信に手間とコストがかかる。また、校正紙S1、S2に基づき校正指示書を作成する作業を手作業で行うので、手間がかかる。また、連絡者M5が校正紙S1、S2の送信先を間違える可能性がある。
【0008】
それ故に、本発明は、校正画像に含まれる部分画像の確認を容易化する校正支援方法、および、校正支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の局面は、サーバコンピュータと単一の校正者コンピュータと第1確認者コンピュータと第2確認者コンピュータとが通信可能に接続された印刷システムにおいて前記サーバコンピュータによって実行される校正支援方法であって、
少なくとも第1部分画像と第2部分画像とを含む校正画像を含む校正画面を表示するための第1画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップと、
前記校正者コンピュータに表示された前記校正画面内で、少なくとも前記第1部分画像の位置を指定し、かつ、前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択して、前記第1部分画像の確認依頼が行われたときに、前記校正者コンピュータから確認依頼指示を受信するステップと、
前記確認依頼指示に基づき、前記第1部分画像の確認状況情報を更新するステップと、
前記第1部分画像の確認画面を表示するための第2画面データを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択された確認者コンピュータに提供するステップと、
前記選択された確認者コンピュータに表示された前記確認画面内で前記第1部分画像の確認が行われたときに、前記選択された確認者コンピュータから確認指示を受信するステップと、
前記確認指示に基づき、前記第1部分画像に係る前記確認状況情報を更新するステップとを備える。
【0010】
本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面において、
前記校正者コンピュータから前記確認依頼指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メールを前記選択された確認者コンピュータに送信するステップをさらに備える。
【0011】
本発明の第3の局面は、本発明の第2の局面において、
前記電子メールは、前記第2画面データの提供を受けるためのアドレス情報を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の局面は、本発明の第2の局面において、
前記選択された確認者コンピュータから前記確認指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認が行われたことを示す電子メールを前記校正者コンピュータに送信するステップをさらに備える。
【0013】
本発明の第5の局面は、本発明の第1の局面において、
前記確認状況情報に基づく確認状況画面を表示するための第3画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップをさらに備える。
【0014】
本発明の第6の局面は、本発明の第5の局面において、
前記確認状況画面は、前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータを含む複数の確認者コンピュータによる確認状況を一覧表形式で表示することを特徴とする。
【0016】
本発明の第の局面は、本発明の第1の局面において、
前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択するための確認者選択画面を前記校正画面と重なるように前記校正者コンピュータに表示させるステップをさらに備える。
【0017】
本発明の第の局面は、サーバコンピュータと単一の校正者コンピュータと第1確認者コンピュータと第2確認者コンピュータとが通信可能に接続された印刷システムにおいて前記サーバコンピュータによって実行される校正支援プログラムであって、
少なくとも第1部分画像と第2部分画像とを含む校正画像を含む校正画面を表示するための第1画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップと、
前記校正者コンピュータに表示された前記校正画面内で、少なくとも前記第1部分画像の位置を指定し、かつ、前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択して、前記第1部分画像の確認依頼が行われたときに、前記校正者コンピュータから確認依頼指示を受信するステップと、
前記確認依頼指示に基づき、前記第1部分画像の確認状況情報を更新するステップと、
前記第1部分画像の確認画面を表示するための第2画面データを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択された確認者コンピュータに提供するステップと、
前記選択された確認者コンピュータに表示された前記確認画面内で前記第1部分画像の確認が行われたときに、前記選択された確認者コンピュータから確認指示を受信するステップと、
前記確認指示に基づき、前記第1部分画像に係る前記確認状況情報を更新するステップとを前記サーバコンピュータにCPUがメモリを利用して実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明の第の局面は、本発明の第の局面において、
前記校正者コンピュータから前記確認依頼指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メールを前記選択された確認者コンピュータに送信するステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0019】
本発明の第10の局面は、本発明の第の局面において、
前記電子メールは、前記第2画面データの提供を受けるためのアドレス情報を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第11の局面は、本発明の第の局面において、
前記選択された確認者コンピュータから前記確認指示を受信したときに、前記第1部分画像の確認が行われたことを示す電子メールを前記校正者コンピュータに送信するステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0021】
本発明の第12の局面は、本発明の第の局面において、
前記確認状況情報に基づく確認状況画面を表示するための第3画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明の第13の局面は、本発明の第12の局面において、
前記確認状況画面は、前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータを含む複数の確認者コンピュータによる確認状況を一覧表形式で表示することを特徴とする。
【0024】
本発明の第14の局面は、本発明の第の局面において、
前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択するための確認者選択画面を前記校正画面と重なるように前記校正者コンピュータに表示させるステップを前記サーバコンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0025】
本発明の第15の局面は、通信可能に接続されたサーバコンピュータと単一の校正者コンピュータと第1確認者コンピュータと第2確認者コンピュータとによって実行される校正支援方法であって、
前記サーバコンピュータが、少なくとも第1部分画像と第2部分画像とを含む校正画像を含む校正画面を表示するための第1画面データを前記校正者コンピュータに提供するステップと、
前記校正者コンピュータが、前記サーバコンピュータから提供された前記第1画面データに基づき、前記校正画面を表示するステップと、
前記校正者コンピュータに表示された前記校正画面内で、少なくとも第1部分画像の位置を指定し、かつ、前記第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択して、前記第1部分画像の確認依頼が行われたときに、前記校正者コンピュータが確認依頼指示を前記サーバコンピュータに送信するステップと、
前記サーバコンピュータが、前記校正者コンピュータから受信した前記確認依頼指示に基づき、前記第1部分画像の確認状況情報を更新するステップと、
前記サーバコンピュータが、前記第1部分画像の確認画面を表示するための第2画面データを前記第1確認者コンピュータおよび前記第2確認者コンピュータの中から選択された確認者コンピュータに提供するステップと、
前記選択された確認者コンピュータが、前記サーバコンピュータから提供された前記第2画面データに基づき、前記確認画面を表示するステップと、
前記選択された確認者コンピュータに表示された前記確認画面内で前記第1部分画像の確認が行われたときに、前記選択された確認者コンピュータが確認指示を前記サーバコンピュータに送信するステップと、
前記サーバコンピュータが、前記選択された確認者コンピュータから受信した前記確認指示に基づき、前記第1部分画像に係る前記確認状況情報を更新するステップとを備える。
【発明の効果】
【0026】
上記第1、第、または、第15の局面によれば、校正者コンピュータに表示された校正画面内で校正画像の一部分を構成する第1部分画像の位置と第1部分画像を確認すべき確認者コンピュータとを指定することにより、第1部分画像の確認依頼を容易に行うことができる。また、選択された確認者コンピュータに表示された確認画面内で第1部分画像の確認を容易に行うことができる。また、サーバコンピュータは、校正者コンピュータから受信した確認依頼指示と選択された確認者コンピュータから受信した確認指示とに基づき、第1部分画像の確認状況を管理する。したがって、校正紙を用いずに、校正画像に含まれる第1部分画像の確認を容易に行い、作業効率を高めることができる。
【0027】
上記第2または第の局面によれば、第1部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メールを選択された確認者コンピュータに送信することにより、選択された確認者コンピュータを操作する作業者は第1部分画像の確認依頼が行われたことを知ることができる。
【0028】
上記第3または第10の局面によれば、選択された確認者コンピュータを操作する作業者は、電子メールに含まれるアドレス情報を用いて、選択された確認者コンピュータに確認画面を表示させることができる。
【0029】
上記第4または第11の局面によれば、第1部分画像の確認が行われたことを示す電子メールを校正者コンピュータに送信することにより、校正者コンピュータを操作する作業者は第1部分画像の確認が行われたことを知ることができる。
【0030】
上記第5または第12の局面によれば、校正者コンピュータを操作する作業者は、校正者コンピュータに表示された確認状況画面を見て、第1部分画像の確認状況を知ることができる。
【0031】
上記第6または第13の局面によれば、校正者コンピュータを操作する作業者は、複数の確認者コンピュータによる確認状況を一覧表形式で知ることができる。
【0033】
上記第または第14の局面によれば、第1部分画像の確認依頼がキャンセルされたことを示す電子メールを選択された確認者コンピュータに送信することにより、選択された確認者コンピュータを操作する作業者は第1部分画像の確認依頼がキャンセルされたことを知ることができる。



【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本実施形態に係る校正支援方法を実行するコンピュータを含む印刷システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示す印刷システムに含まれるコンピュータの構成を示すブロック図である。
図3図1に示すサーバコンピュータの記憶部の記憶内容を示す図である。
図4図1に示す印刷システムを用いて印刷される商品カタログのページを示す図である。
図5図1に示す印刷システムを用いた印刷処理の概略手順を示す図である。
図6】本実施形態に係る校正支援プログラムのフローチャートである。
図7図1に示す校正者コンピュータに表示される校正画面を示す図である。
図8図7に示す校正画面内で部分画像を指定する方法を示す図である。
図9図7に示す校正画面と共に表示される確認依頼画面を示す面である。
図10図7に示す校正画面と共に表示される確認者選択画面を示す図である。
図11図5に示すステップS216で送信される電子メールを示す図である。
図12図1に示す確認者コンピュータに表示される確認画面を示す図である。
図13図5に示すステップS226で送信される電子メールを示す図である。
図14図1に示す校正者コンピュータに表示される確認状況画面を示す図である。
図15図5に示すステップS236で送信される電子メールを示す図である。
図16】従来の部分確認に関する処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る校正支援方法、および、校正支援プログラムについて説明する。本実施形態に係る校正支援方法は、コンピュータを用いて実行される。本実施形態に係る校正支援プログラムは、コンピュータを用いて校正支援方法を実行するためのプログラムである。
【0036】
図1は、本実施形態に係る校正支援方法を実行するコンピュータを含む印刷システムの構成を示すブロック図である。図1に示す印刷システム1は、印刷機5、サーバコンピュータ10、制作者コンピュータ20、校正者コンピュータ30、および、確認者コンピュータ41、42を備えている。印刷システム1に含まれるコンピュータは、通信ネットワーク9を用いて通信可能に接続されている。なお、印刷システム1に含まれるコンピュータの名称は、複数のコンピュータを区別するために便宜的に付けたものである。
【0037】
印刷機5とサーバコンピュータ10は、印刷会社に配置され、印刷会社に所属する印刷機オペレータM1によって操作される。サーバコンピュータ10は、印刷に必要な各種のデータ(ページデータ、校正画像、確認状況情報12など)を記憶する印刷データベース11を含んでいる。サーバコンピュータ10では、校正の支援や印刷機の制御を行う印刷支援プログラム13が動作する。印刷支援プログラム13は、本実施形態に係る校正支援プログラム14を含んでいる。サーバコンピュータ10は、校正支援プログラム14を実行することにより、本実施形態に係る校正支援方法を実行する。
【0038】
制作者コンピュータ20と校正者コンピュータ30は、印刷を発注する会社Xに配置される。会社Xには、制作者M2と校正者M3が所属する。制作者コンピュータ20は制作者M2によって操作され、校正者コンピュータ30は校正者M3によって操作される。制作者M2は、制作者コンピュータ20を用いて印刷物を制作する。校正者M3は、校正者コンピュータ30を操作して、サーバコンピュータ10上で動作する印刷支援プログラム13の機能を利用することにより、校正画像について校正を行う。校正者M3は、印刷支援プログラム13に含まれる校正支援プログラム14の機能を利用することにより、校正画像に含まれる部分画像の確認を確認者M41、M42に依頼する。
【0039】
確認者コンピュータ41は、印刷物に掲載される画像を提供する会社Aに配置され、会社Aに所属する確認者M41によって操作される。確認者コンピュータ42は、印刷物に含まれる別の画像を提供する会社Bに配置され、会社Bに所属する確認者M42によって操作される。確認者M41は、校正者M3からの依頼に応じて部分画像を確認する。確認者M41は、確認者コンピュータ41を操作して、サーバコンピュータ10上で動作する校正支援プログラム14の機能を利用することにより、部分画像を確認する。確認者M42も、同様の作業を行う。例えば、印刷物が商品カタログである場合、会社Xは商品カタログの発行会社であり、会社A、Bは商品カタログに掲載される商品の製造会社、販売会社などである。
【0040】
なお、印刷システム1に含まれる印刷機5とコンピュータを上記以外の場所に配置してもよい。例えば、制作者M2と校正者M3が別の会社に所属する場合、制作者コンピュータ20と校正者コンピュータ30はそれぞれの会社に配置される。確認者M41、M42が同じ会社に所属する場合には、確認者コンピュータ41、42は同じ会社に配置される。サーバコンピュータ10を印刷会社以外の場所に配置してもよい。確認者が3人以上いる場合、印刷システム1には3台以上の確認者コンピュータが含まれる。
【0041】
図2は、印刷システム1に含まれるコンピュータの構成を示すブロック図である。図2に示すコンピュータ100は、CPU101、メインメモリ102、記憶部103、入力部104、表示部105、通信部106、および、記録媒体読み取り部107を備えている。メインメモリ102には、例えば、DRAMが使用される。記憶部103には、例えば、ハードディスクやソリッドステートドライブが使用される。入力部104には、例えば、キーボード108やマウス109が含まれる。表示部105には、例えば、液晶ディスプレイが使用される。通信部106は、有線通信または無線通信のインターフェイス回路である。記録媒体読み取り部107は、プログラムなどを記憶した記録媒体110のインターフェイス回路である。記録媒体110には、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの非一過性の記録媒体が使用される。
【0042】
図3は、サーバコンピュータ10の記憶部103の記憶内容を示す図である。図2に示すコンピュータ100がサーバコンピュータ10として機能する場合、記憶部103は、少なくとも、確認状況情報12を含む印刷関連データ15と、校正支援プログラム14を含む印刷支援プログラム13とを記憶する。印刷関連データ15を記憶する記憶部103は、印刷データベース11として機能する。校正支援プログラム14を含む印刷支援プログラム13は、例えば、他のコンピュータから通信部106を用いて受信したものでもよく、記録媒体110から記録媒体読み取り部107を用いて読み出したものでもよい。
【0043】
サーバコンピュータ10が印刷支援プログラム13を実行するときには、印刷支援プログラム13はメインメモリ102に複写転送される。サーバコンピュータ10のCPU101は、メインメモリ102を作業用メモリとして利用して、メインメモリ102に記憶された印刷支援プログラム13を実行する。これにより、サーバコンピュータ10は、校正を支援する処理や、印刷機5を制御する処理などを行う。なお、以上に述べたコンピュータ100の構成は一例に過ぎず、任意のコンピュータを印刷システム1に含まれるコンピュータとして用いることができる。
【0044】
以下では例として、印刷システム1を用いて商品カタログを印刷する場合について説明する。図4は、印刷システム1を用いて印刷される商品カタログのページを示す図である。図4に示す2ページには、複数の商品の画像(写真画像)が掲載されている。商品の画像の下に記載された線分は、商品の品番、説明、価格などを示す。画像51は確認者M41が所属する会社Aの製品の画像であり、画像52は確認者M42が所属する会社Bの製品の画像である。この場合、校正者M3は、確認者M41に画像51の確認を依頼し、確認者M42に画像52の確認を依頼する。
【0045】
図5は、印刷システム1を用いた印刷処理の概略手順を示す図である。図5に示すように、確認者M41、M42は、それぞれ、印刷物に掲載する画像51、52を入稿する(ステップS101)。ステップS101において、確認者M41は。例えば、郵便や電子メールを用いて制作者M2に画像51を送信する。確認者M42も、同様の方法で制作者M2に画像52を送信する。
【0046】
制作者M2は、ステップS101で入稿された画像を含む印刷物(商品カタログ)のページデータを作成する(ステップS102)。ステップS102において、制作者M2は、制作者コンピュータ20上で動作する編集プログラムを用いて、印刷物のページデータを作成する。作成されたページデータは、例えば、PDF(Portable Document Format)データや、PostScriptを用いて記述されたデータである。ページデータは、制作者コンピュータ20からサーバコンピュータ10に送信され、サーバコンピュータ10の印刷データベース11に記憶される。
【0047】
印刷機オペレータM1は、ステップS102で作成されたページデータを印刷データ(印刷機5で処理可能なデータ)に変換する(ステップS103)。ステップS103において、印刷機オペレータM1は、例えば、図示しないRIP処理装置を用いてRIP処理を行うことにより、ページデータを印刷データに変換する。得られた印刷データは、サーバコンピュータ10の印刷データベース11に記憶される。
【0048】
校正者M3は、ステップS103で得られた印刷データが表す画像を校正画像として校正を行う(ステップS104)。ステップS104において、校正者M3は、校正者コンピュータ30を操作して、サーバコンピュータ10上で動作する印刷支援プログラム13の機能を利用することにより、印刷データベース11に記憶された印刷データが表す画像を校正画像として校正を行う。また、校正者M3は、校正画像から校正者M3が確認できない部分画像を抽出し、抽出した部分画像の確認を確認者M41、M42に依頼する。確認者M41、M42は、校正者M3からの依頼に応じて部分画像を確認する。
【0049】
印刷処理は、ステップS104における校正で修正箇所が検出されたか否かに応じて、次のステップへ進む(ステップS105)。校正で修正箇所が検出された場合(ステップS105でYesの場合)には、印刷処理はステップS102に進む。この場合、制作者M2は、ステップS104で検出された修正箇所を修正して、印刷物のページデータを再作成する。校正で修正箇所が検出されなかった場合(ステップS105でNoの場合)には、印刷処理はステップS106に進む。この場合、印刷機オペレータM1は、ステップS102で作成されたページデータに基づき印刷機5を用いて印刷物を印刷する(ステップS106)。
【0050】
以下、ステップS104において実行される画像の確認(部分確認)について説明する。ここでは例として、校正者M3が確認者M41に画像51の確認を依頼する場合について説明する。上述したように、サーバコンピュータ10上で動作する印刷支援プログラム13は、校正支援プログラム14を含んでいる。画像51の確認は、サーバコンピュータ10上で動作する校正支援プログラム14の機能を利用して行われる。より詳細には、校正者M3は、校正者コンピュータ30を操作して校正支援プログラム14の機能を利用することにより、確認者M41に画像51の確認を依頼する。確認者M41は、確認者コンピュータ41を操作して校正支援プログラム14の機能を利用することにより、画像51を確認する。校正者M3は、校正者コンピュータ30を操作して校正支援プログラム14の機能を利用することにより、画像51の確認状況を知る。
【0051】
図6は、校正支援プログラム14のフローチャートである。サーバコンピュータ10は、校正支援プログラム14を実行することにより、校正者コンピュータ30に表示される校正画面に関する処理(ステップS211~S216)、確認者コンピュータ41に表示される確認画面に関する処理(ステップS221~S226)に関する処理、および、校正者コンピュータ30に表示される確認状況画面に関する処理(ステップS231~S236)を行う。
【0052】
サーバコンピュータ10は、画面の種類に応じて、ステップS211、S221、S231のいずれかに進む(ステップS201)。サーバコンピュータ10は、校正者コンピュータ30から校正画面の表示要求を受けたときにはステップS211に進み、確認者コンピュータ41から確認画面の表示要求を受けたときにはステップS221に進み、校正者コンピュータ30から確認状況画面の表示要求を受けたときにはステップS231に進む。
【0053】
ステップS211において、サーバコンピュータ10は、校正者コンピュータ30に表示される校正画面の画面データを生成する。校正画面には、RIP処理で求めた印刷データが表す画像が校正画像として含まれる。次に、サーバコンピュータ10は、ステップS211で生成した画面データを校正者コンピュータ30に提供する(ステップS212)。校正者コンピュータ30は、サーバコンピュータ10から提供された画面データに基づき、校正画像を含む校正画面を表示する。
【0054】
校正者M3は、校正者コンピュータ30に表示された校正画面を見て、校正画像を校正する。校正者M3は、校正者コンピュータ30のキーボード108とマウス109を操作することにより、校正画面内で各種の操作を行う。校正者コンピュータ30は、校正画面内の操作に応じた指示をサーバコンピュータ10に送信する。
【0055】
サーバコンピュータ10は、校正画面内の操作に応じた指示を校正者コンピュータ30から受信する(ステップS213)。次に、サーバコンピュータ10は、受信した指示の種類に応じて次のステップへ進む(ステップS214)。サーバコンピュータ10は、受信した指示が確認依頼指示の場合はステップS215へ進み、受信した指示が終了指示の場合は処理を終了する。それ以外の場合、サーバコンピュータ10はステップS211へ進む。この場合、サーバコンピュータ10は、受信した指示に応じて校正画面の画面データを更新し、校正者コンピュータ30に提供する。校正者コンピュータ30は、更新された画面データに基づき新たな校正画面を表示する。
【0056】
受信した指示が確認依頼指示の場合、サーバコンピュータ10は、受信した確認依頼指示に基づき、印刷データベース11に含まれる確認状況情報12を更新する(ステップS215)。ステップS215では、今回の確認依頼が確認状況情報12に追加される。
【0057】
次に、サーバコンピュータ10は、部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メールを確認者コンピュータ41に送信する(ステップS216)。サーバコンピュータ10は、ステップS216を実行した後、ステップS211へ進む。確認者コンピュータ41がステップS216で送信された電子メールを受信すると、確認者M41は部分画像の確認依頼が行われたことを知る。
【0058】
図7は、校正者コンピュータ30に表示される校正画面を示す図である。図7に示す校正画面60は、サーバコンピュータ10がステップS212で提供した画面データに基づき表示される。校正画面60は、校正画像61と複数のアイコン62を含んでいる。アイコン62は、校正画面60に対する各種の操作に対応する。アイコン62の中には、画像の確認依頼を行うためのアイコン63が含まれる。
【0059】
図8は、校正画面60内で部分画像を指定する方法を示す図である。校正者M3は、確認者M41に画像51の確認を依頼するときには、校正者コンピュータ30のマウス109を操作することにより、アイコン63を選択した後、校正画像61内で画像51を含む画像64の対角線上の2点Pa、Pbを指定する。2点Pa、Pbの座標は、校正者コンピュータ30からサーバコンピュータ10に送信される。
【0060】
サーバコンピュータ10は、2点Pa、Pbの座標を受信すると、印刷データベース11に記憶された校正画像61に含まれる画像64を「確認すべき画像」として抽出する。サーバコンピュータ10は、確認すべき部分画像を含む確認依頼画面の画面データを生成し、校正者コンピュータ30に提供する。校正者コンピュータ30は、サーバコンピュータ10から提供された画面データに基づき、校正画面60と共に図9に示す確認依頼画面65を表示する。
【0061】
図9に示す確認依頼画面65は、確認すべき画像に加えて、確認者を入力するためのボックス、確認者を選択するための選択ボタン、確認内容を入力するためのボックス、OKボタン、および、キャンセルボタンを含んでいる。校正者M3は、校正者コンピュータ30のキーボード108とマウス109を操作することにより、ボックスに確認者や確認内容を入力したり、ボタンを押したりする。
【0062】
確認依頼画面65内で選択ボタンが押されたときに、校正者コンピュータ30は確認者選択画面の表示要求をサーバコンピュータ10に送信する。サーバコンピュータ10は、確認者選択画面の表示要求を受信すると、確認者選択画面の画面データを生成し、校正者コンピュータ30に提供する。校正者コンピュータ30は、サーバコンピュータ10から提供された画面データに基づき、校正画面60と共に図10に示す確認者選択画面66を表示する。



【0063】
図10に示す確認者選択画面66は、確認者を検索するときのキーワードを入力するためのボックス、確認者の候補の一覧、確認者を選択するためのラジオボタン、OKボタン、および、キャンセルボタンを含んでいる。校正者M3は、校正者コンピュータ30のキーボード108とマウス109を操作することにより、確認者選択画面66を用いて確認者を選択する。
【0064】
校正者M3は、確認者を選択した後、確認依頼画面65内のOKボタンを押す。このとき、校正者コンピュータ30は、確認依頼指示をサーバコンピュータ10に送信する。サーバコンピュータ10は、確認依頼指示を受信すると、図6に示すステップS215、S216を実行する。サーバコンピュータ10は、ステップS215において、校正者M3が確認者M41に画像51の確認を依頼したことを確認状況情報12に追加する。サーバコンピュータ10は、ステップS216において、校正者M3が確認者M41に部分画像の確認を依頼したことを示す電子メールを確認者コンピュータ41に送信する。
【0065】
図11は、ステップS216で送信される電子メールを示す図である。図11に示す電子メール69は、依頼者(校正者)、ジョブ名、番号、依頼日時、確認内容、および、URL(Uniform Resource Locator)を含んでいる。このうち確認内容は、確認依頼画面65に入力されたものである。URLは、サーバコンピュータ10が管理する、確認者M41用のサイトのURLである。URLは、確認者コンピュータ41が確認画面の画面データの提供を受けるためのアドレス情報とも言える。
【0066】
確認者コンピュータ41が電子メール69を受信すると、確認者M41は受信した電子メールに含まれるURLをクリックする。このとき、確認者コンピュータ41は、確認画面の表示要求をサーバコンピュータ10に送信する。これに応じて、サーバコンピュータ10は、図6に示すステップS221~226を実行する。
【0067】
ステップS221において、サーバコンピュータ10は、確認者コンピュータ41に表示される確認画面の画面データを生成する。次に、サーバコンピュータ10は、ステップS221で生成した画面データを確認者コンピュータ41に提供する(ステップS222)。確認者コンピュータ41は、サーバコンピュータ10から提供された画面データに基づき、確認画面を表示する。
【0068】
確認者M41は、確認者コンピュータ41に表示された確認画面を見て、部分画像を確認する。確認者M41は、確認者コンピュータ41のキーボード108とマウス109を操作することにより、確認画面内で各種の操作を行う。確認者コンピュータ41は、確認画面内の操作に応じた指示をサーバコンピュータ10に送信する。
【0069】
サーバコンピュータ10は、確認画面内の操作に応じた指示を確認者コンピュータ41から受信する(ステップS223)。次に、サーバコンピュータ10は、受信した指示の種類に応じて次のステップへ進む(ステップS224)。サーバコンピュータ10は、受信した指示が確認指示の場合はステップS225へ進み、受信した指示が終了指示の場合は処理を終了する。それ以外の場合、サーバコンピュータ10はステップS221へ進む。この場合、サーバコンピュータ10は、受信した指示に応じて確認画面の画面データを更新し、確認者コンピュータ41に提供する。確認者コンピュータ41は、更新された画面データに基づき新たな確認画面を表示する。
【0070】
受信した指示が確認指示の場合、サーバコンピュータ10は、確認指示に基づき印刷データベース11に含まれる確認状況情報12を更新する(ステップS225)。ステップS225では、確認画面内での操作に応じて、確認依頼の状況はOKまたはNGに更新される。
【0071】
次に、サーバコンピュータ10は、部分画像の確認が行われたことを示す電子メールを校正者コンピュータ30に送信する(ステップS226)。サーバコンピュータ10は、ステップS226を実行した後、ステップS221へ進む。校正者コンピュータ30がステップS226で送信された電子メールを受信すると、校正者M3は部分画像の確認が行われたことを知る。
【0072】
図12は、確認者コンピュータ41に表示される確認画面を示す図である。図12に示す確認画面70は、確認依頼ごとに、番号、依頼日時、ジョブ名、依頼者(校正者)、確認すべき画像、確認内容、確認者コメント、および、確認結果を含んでいる。確認結果の欄には、OKボタン、NGボタン、および、編集ボタンが含まれる。部分画像が未確認の場合、確認者コメントの欄には確認者コメントを入力するためのボックスが含まれる。
【0073】
確認者M41は、確認者コンピュータ41のキーボード108とマウス109を操作することにより、ボックスに確認者コメントを入力したり、ボタンを押したりする。確認画面70内のOKボタンまたはNGボタンが押されると、確認者コンピュータ41は確認指示をサーバコンピュータ10に送信する。サーバコンピュータ10は、確認指示を受信すると、図6に示すステップS225、S226を実行する。サーバコンピュータ10は、ステップS225において、確認者M41による確認画面内の操作に応じて、確認依頼の状況をOKまたはNGに更新する。サーバコンピュータ10は、ステップS226において、確認者M41が部分画像を確認したことを示す電子メールを校正者コンピュータ30に送信する。
【0074】
図13は、ステップS226で送信される電子メールを示す図である。図13に示す電子メール79は、確認者、ジョブ名、番号、依頼日時、確認内容、確認日時、および、確認者コメントを含んでいる。このうち確認者コメントは、確認画面70を用いて入力されたものである。校正者コンピュータ30が電子メール79を受信すると、校正者M3は確認者M41が部分画像を確認したことを知る。
【0075】
校正者M3は、任意のタイミングで部分画像の確認状況を知りたいと考える。例えば、校正者コンピュータ30が電子メール79を受信したときに、校正者M3は部分画像の確認状況を知りたいと考える。校正者コンピュータ30は、校正者M3からの指示に応じて、確認状況画面の表示要求をサーバコンピュータ10に送信する。これに応じて、サーバコンピュータ10は、図6に示すステップS231~236を実行する。
【0076】
ステップS231において、サーバコンピュータ10は、確認状況情報12に基づき、校正者コンピュータ30に表示される確認状況画面の画面データを生成する。次に、サーバコンピュータ10は、ステップS231で生成した画面データを校正者コンピュータ30に提供する(ステップS232)。校正者コンピュータ30は、サーバコンピュータ10から提供された画面データに基づき、確認状況画面を表示する。
【0077】
校正者M3は、校正者コンピュータ30に表示された確認状況画面を見て、部分画像の確認状況を知る。校正者M3は、校正者コンピュータ30のキーボード108とマウス109を操作することにより、確認状況画面内で各種の操作を行う。校正者コンピュータ30は、確認状況画面内の操作に応じた指示をサーバコンピュータ10に送信する。
【0078】
サーバコンピュータ10は、確認状況画面内の操作に応じた指示を校正者コンピュータ30から受信する(ステップS233)。次に、サーバコンピュータ10は、受信した指示の種類に応じて次のステップへ進む(ステップS234)。サーバコンピュータ10は、受信した指示が確認キャンセル指示の場合はステップS235へ進み、受信した指示が終了指示の場合には処理を終了する。それ以外の場合、サーバコンピュータ10はステップS231へ進む。この場合、サーバコンピュータ10は、受信した指示に応じて確認状況画面の画面データを更新し、校正者コンピュータ30に提供する。校正者コンピュータ30は、更新された画面データに基づき新たな確認状況画面を表示する。
【0079】
以下、確認者M42に対する部分画像の確認依頼をキャンセルする場合について説明する。受信した指示が確認キャンセル指示の場合、サーバコンピュータ10は、確認キャンセル指示に基づき印刷データベース11に含まれる確認状況情報12を更新する(ステップS235)。ステップS235では、キャンセルされる確認依頼が確認状況情報12から削除される。
【0080】
次に、サーバコンピュータ10は、部分画像の確認依頼がキャンセルされたことを示す電子メールを確認者コンピュータ42に送信する(ステップS236)。確認者コンピュータ42がステップS236で送信された電子メールを受信すると、確認者M42は部分画像の確認依頼がキャンセルされたことを知る。
【0081】
図14は、校正者コンピュータ30に表示される確認状況画面を示す図である。図14に示す確認状況画面80は、確認依頼ごとに、番号、依頼日時、ページ番号、確認すべき画像、確認内容、依頼者、確認者、確認日時、確認結果、および、確認者コメントを含んでいる。部分画像が未確認の場合、確認日時、確認結果、および、確認者コメントの欄は空白であり、削除ボタンが表示される。
【0082】
図14に示すように、確認状況画面80は、校正者M3(ここでは、田中)が部分画像の確認依頼を行った複数の確認者(ここでは、会社Aの山田および会社Bの佐藤)における確認状況を一覧表形式で表示する。これにより、校正者M3の利便性を高めることができる。
【0083】
校正者M3は、確認状況画面80を見て、部分画像の確認状況を知る。校正者M3は、校正者コンピュータ30のマウス109を操作することにより、削除ボタンを押す。確認状況画面80内で削除ボタンが押されると、校正者コンピュータ30は確認キャンセル指示をサーバコンピュータ10に送信する。サーバコンピュータ10は、確認キャンセル指示を受信すると、図6に示すステップS235、S236を実行する。サーバコンピュータ10は、ステップS235において、キャンセルされた確認依頼を確認状況情報12から削除する。サーバコンピュータ10は、ステップS236において、校正者M3が部分画像の確認依頼をキャンセルしたことを示す電子メールを確認者コンピュータ42に送信する。
【0084】
図15は、ステップS236で送信される電子メールを示す図である。図15に示す電子メール89は、図14に示す削除ボタンが押されたときに確認者コンピュータ42に送信される。電子メール89は、依頼者(校正者)、ジョブ名、番号、依頼日時、および、確認内容を含んでいる。確認者コンピュータ42が電子メール89を受信すると、確認者M42は校正者M3が部分画像の確認依頼をキャンセルしたことを知る。
【0085】
以上に示すように、本実施形態に係る校正支援方法は、第1コンピュータ(サーバコンピュータ10)と第2コンピュータ(校正者コンピュータ30)と第3コンピュータ(確認者コンピュータ41)とが通信可能に接続されている場合に、第1コンピュータによって実行される校正支援方法であって、校正画像61を含む校正画面60を表示するための第1画面データ(校正画面60の画面データ)を第2コンピュータに提供するステップ(ステップS212)と、第2コンピュータに表示された校正画面内で、少なくとも校正画像の一部分を構成する部分画像の位置と部分画像を確認すべき確認者とを指定して部分画像の確認依頼が行われたときに、第2コンピュータから確認依頼指示を受信するステップ(ステップS213)と、確認依頼指示に基づき、部分画像の確認状況情報12を更新するステップ(ステップS215)と、部分画像の確認画面70を表示するための第2画面データ(確認画面70の画面データ)を第3コンピュータに提供するステップ(ステップS222)と、第3コンピュータに表示された確認画面70内で部分画像の確認が行われたときに、第3コンピュータから確認指示を受信するステップ(ステップS223)と、確認指示に基づき、確認状況情報12を更新するステップ(ステップS225)とを備えている。
【0086】
本実施形態に係る校正支援方法によれば、第2コンピュータに表示された校正画面内で校正画像の一部分を構成する部分画像の位置と部分画像を確認すべき確認者とを指定することにより、部分画像の確認依頼を容易に行うことができる。また、第3コンピュータに表示された確認画面内で部分画像の確認を容易に行うことができる。また、第1コンピュータは、第2コンピュータから受信した確認依頼指示と第3コンピュータから受信した確認指示とに基づき、部分画像の確認状況を管理する。したがって、校正紙を用いずに、校正画像に含まれる部分画像の確認を容易に行い、作業効率を高めることができる。
【0087】
上記の校正支援方法は、第2コンピュータから確認依頼指示を受信したときに、部分画像の確認依頼が行われたことを示す電子メール69を第3コンピュータに送信するステップ(ステップS216)をさらに備えている。したがって、第3コンピュータを操作する作業者(確認者M41)は部分画像の確認依頼が行われたことを知ることができる。電子メール69は、第2画面データの提供を受けるためのアドレス情報(URL)を含んでいる。したがって、第3コンピュータを操作する作業者は、電子メール69に含まれるアドレス情報を用いて、第3コンピュータに確認画面70を表示させることができる。
【0088】
上記の校正支援方法は、第3コンピュータから確認指示を受信したときに、部分画像の確認が行われたことを示す電子メール79を第2コンピュータに送信するステップ(ステップS226)をさらに備えている。したがって、第2コンピュータを操作する作業者(校正者M3)は、部分画像の確認が行われたことを知ることができる。
【0089】
上記の校正支援方法は、確認状況情報12に基づく確認状況画面80を表示するための第3画面データ(確認状況画面80の画面データ)を第2コンピュータに提供するステップ(ステップS232)をさらに備えている。したがって、第2コンピュータを操作する作業者は、第2コンピュータに表示された確認状況画面を見て、部分画像の確認状況を知ることができる。また、確認状況画面80は、複数の確認者による確認状況を一覧表形式で表示する。したがって、第2コンピュータを操作する作業者の利便性を高めることができる。
【0090】
上記の校正支援方法は、第2コンピュータに表示された確認状況画面80内で部分画像の確認依頼がキャンセルされたときに、第2コンピュータから確認キャンセル指示を受信するステップ(ステップS233)と、確認キャンセル指示に基づき、確認状況情報12を更新するステップ(ステップS235)とをさらに備えている。したがって、第2コンピュータに表示された確認状況画面80内で部分画像の確認依頼を容易にキャンセルすることができる。
【0091】
上記の校正支援方法は、第2コンピュータから確認キャンセル指示を受信したときに、部分画像の確認依頼がキャンセルされたことを示す電子メール89を第3コンピュータに送信するステップ(ステップS236)をさらに備えている。したがって、第3コンピュータを操作する作業者は、部分画像の確認依頼がキャンセルされたことを知ることができる。
【0092】
本実施形態に係る校正支援プログラムは、上記の校正支援方法と同様の特徴を有し、上記の校正支援方法と同様の効果を奏する。
【0093】
また、通信可能に接続された第1コンピュータ(サーバコンピュータ10)と第2コンピュータ(校正者コンピュータ30)と第3コンピュータ(確認者コンピュータ41)は、以下の校正支援方法を実行する。校正支援方法は、第1コンピュータが、校正画像61を含む校正画面60を表示するための第1画面データ(校正画面60の画面データ)を第2コンピュータに提供するステップ(ステップS212)と、第2コンピュータが、第1コンピュータから提供された第1画面データに基づき、校正画面60を表示するステップと、第2コンピュータに表示された校正画面内で、少なくとも校正画像の一部分を構成する部分画像の位置と部分画像を確認すべき確認者とを指定して部分画像の確認依頼が行われたときに、第2コンピュータが確認依頼指示を第1コンピュータに送信するステップと、第1コンピュータが、第2コンピュータから受信した確認依頼指示に基づき、部分画像の確認状況情報12を更新するステップ(ステップS215)と、第1コンピュータが、確認画面70を表示するための第2画面データ(確認画面70の画面データ)を第3コンピュータに提供するステップ(ステップS222)と、第3コンピュータが、第1コンピュータから提供された第2画面データに基づき、部分画像の確認画面70を表示するステップと、第3コンピュータに表示された確認画面70内で部分画像の確認が行われたときに、第3コンピュータが確認指示を第1コンピュータに送信するステップと、第1コンピュータが、第3コンピュータから受信した確認指示に基づき、確認状況情報12を更新するステップ(ステップS225)とを備えている。このような校正支援方法によっても、上記の校正支援方法と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0094】
1…印刷システム
5…印刷機
9…通信ネットワーク
10…サーバコンピュータ(第1コンピュータ)
12…確認状況情報
13…印刷支援プログラム
14…校正支援プログラム
16…確認履歴
30…校正者コンピュータ(第2コンピュータ)
41、42…確認者コンピュータ(第3コンピュータ)
51、52、64…画像
60…校正画面
61…校正画像
65…確認依頼画面
66…確認者選択画面
69、79、89…電子メール
70…確認画面
80…確認状況画面
100…コンピュータ
101…CPU
110…記録媒体
M1…印刷機オペレータ
M2…編集者
M3…校正者
M41、M42…確認者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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