IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレックス,リミテッドの特許一覧

特許7355521アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法
<>
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図1
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図2
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図3
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図4
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図5
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図6
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図7
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図8
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図9
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図10
  • 特許-アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】アンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20230926BHJP
   H01Q 5/364 20150101ALI20230926BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q5/364
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019091789
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020025246
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】62/712,778
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517318779
【氏名又は名称】フレックス,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダン ゴルシア
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-111655(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01933417(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0284770(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101114733(CN,A)
【文献】実開平03-073015(JP,U)
【文献】Nghia Nguyen-Trong, Leonard Hall, Christophe Fumeaux,A Frequency- and Pattern-Reconfigurable Center-Shorted Microstrip Antenna,IEEE Antennas and Wireless Propagation Letters,IEEE,2016年,Vol.15,pp.1955-1958,URL,https://ieeexplore.ieee.org/document/7438816,DOI: 10.1109/LAWP.2016.2544943
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ構造であって、
第1の導電要素において、
第1端部および第2端部を有し、直線状である第1の平面部分と、
前記第1の平面部分の前記第1端部と前記第2端部の間の実質上正確な中心で前記第1の平面部分から遠くに延びる延長部分と、を含む第1の導電要素と、
前記第1の平面部分から離隔されて、前記延長部分に電気的に接続される第2の導電要素と、を含み、
前記延長部分の有効長さにより、前記アンテナ構造が第1のモードまたは第2のモードのいずれかに設定され、前記第1のモードは、2つの異なる周波数帯域を有するモードであり、前記第2のモードは、前記2つの異なる周波数帯域の所定の利得での組み合わせよりも広い範囲の周波数を含む単一の周波数帯域を有するモードである、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ構造であって、前記第2の導電要素は、第2の平面部分を含み、前記第1の平面部分および前記第2の平面部分は、互いに実質上平行であるように第1の方向に延び、前記延長部分は、前記第1の方向に実質上垂直である方向に延びる、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナ構造であって、前記延長部分は、直線状である、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項4】
請求項2に記載のアンテナ構造であって、前記延長部分は、波状である、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項5】
請求項2に記載のアンテナ構造であって、前記延長部分は、第1の部分と、前記第1の方向に前記第1の部分から離隔される第2の部分と、を含前記第1の方向における前記第1の部分と前記第2の部分との間に絶縁材料が存在する、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項6】
アンテナ構造であって、
第1の導電要素において、
第1の平面部分と、
前記第1の平面部分の中心で前記第1の平面部分から遠くに延びる延長部分と、を含む第1の導電要素と、
前記第1の平面部分から離隔されて、前記延長部分に電気的に接続される第2の導電要素と、を含み、
前記第2の導電要素は、第2の平面部分を含み、前記第1の平面部分および前記第2の平面部分は、互いに実質上平行であるように第1の方向に延び、前記延長部分は、前記第1の方向に実質上垂直である方向に延び、
前記延長部分は、波状である、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項7】
アンテナ構造であって、
第1の導電要素において、
第1の平面部分と、
前記第1の平面部分の中心で前記第1の平面部分から遠くに延びる延長部分と、を含む第1の導電要素と、
前記第1の平面部分から離隔されて、前記延長部分に電気的に接続される第2の導電要素と、を含み、
前記第2の導電要素は、第2の平面部分を含み、前記第1の平面部分および前記第2の平面部分は、互いに実質上平行であるように第1の方向に延び、前記延長部分は、前記第1の方向に実質上垂直である方向に延び、
前記延長部分は、第1の部分と、ギャップが前記第1の平面部分の2つの区域間に存在するように、前記第1の方向に前記第1の部分から離隔される第2の部分と、を含む、とを特徴とするアンテナ構造。
【請求項8】
請求項2に記載のアンテナ構造であって、前記延長部分は、分離可能な複数のセグメントを含み
前記分離可能な複数のセグメントのうちの第1のセグメントは、前記分離可能な複数のセグメントのうちの第2のセグメントと整列してまたは整列せずに前記第1のセグメントを前記第1の方向に動かして前記延長部分を長くするまたは短くする機構に取り付けられ、前記第2の導電要素は、前記第2の導電要素と前記分離可能な複数のセグメントとを電気的に接続するため、および、前記第2の導電要素と前記分離可能な複数のセグメントとの電気的な接続を解除するために、第2の方向に移動する機構に取り付けられる、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項9】
請求項1に記載のアンテナ構造であって、
前記第1の平面部分と前記第2の導電要素との間の第1の絶縁材料を更に含み、前記延長部分は、前記第2の導電要素と電気的に接続するために前記第1の絶縁材料を貫通する、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項10】
請求項に記載のアンテナ構造であって、前記第2の導電要素を支持する第2の絶縁材料を更に含む、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項11】
請求項10に記載のアンテナ構造であって、
前記第2の絶縁材料内に配設され、前記第1の平面部分と電気的に接続するために前記第2の導電要素および前記第1の絶縁材料を貫通する導電区域を含む注入ポートを更に含み、前記注入ポートは、前記アンテナ構造用の集積回路の送信/受信ラインに結合される、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項12】
請求項1に記載のアンテナ構造であって、前記第2の導電要素は、アースされる、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項13】
アンテナ構造であって、
アース板と、
上部および脚部を含むT形を有するアンテナと、を含み、前記T形の前記上部は、前記アース板から離隔され、前記T形の前記脚部は、前記上部の実質上正確な中心において、前記T形の前記上部から遠くに延びて、前記アース板に電気的に接続され、前記T形の前記脚部は、i)前記T形の前記脚部が第1の長さを有する第1のモードにおいて、前記アンテナが、第1の周波数帯域幅と、前記第1の周波数帯域幅とは異なった第2の周波数帯域幅と、において動作可能である、および、ii)前記T形の前記脚部が前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2のモードにおいて、前記アンテナが、前記第1の周波数帯域幅および前記第2の周波数帯域幅のうちの一方単独で比較して、より広い単一周波数帯域幅において動作可能である、ような構造を有する、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項14】
請求項13に記載のアンテナ構造であって、前記T形の前記脚部の前記構造は直線状構造であり、前記第1の長さは、前記アンテナが前記第1の周波数帯域幅および前記第2の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、前記アース板と前記T形の前記上部との間の距離に調和する長さである、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項15】
請求項13に記載のアンテナ構造であって、前記T形の前記脚部の前記構造は波状構造であり、前記第1の長さは、前記アンテナが前記第1の周波数帯域幅および前記第2の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、前記アース板と前記T形の前記上部との間の距離よりも大きい長さである、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項16】
請求項13に記載のアンテナ構造であって、前記T形の前記脚部の前記構造は、前記脚部が前記第2の長さを有し、前記アンテナが前記単一周波数帯域幅に対して動作可能であるように、前記T形の前記上部の2つの区域間のギャップを作り出すU形の構造である、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項17】
請求項13に記載のアンテナ構造であって、前記T形の前記脚部の前記構造は、前記脚部が前記第2の長さを有し、前記アンテナが前記単一周波数帯域幅に対して動作可能であるように、互いに整列された複数の導電ビアを含む、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項18】
請求項13に記載のアンテナ構造であって、前記T形の前記上部と前記アース板との間の第1の絶縁材料を更に含み、前記T形の前記脚部は、前記アース板と電気的に接続するために前記第1の絶縁材料を貫通する、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項19】
請求項18に記載のアンテナ構造であって、前記アース板を支持する第2の絶縁材料を更に含む、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項20】
請求項19に記載のアンテナ構造であって、前記第2の絶縁材料内に配設される注入ポートであって、前記T形の前記上部と電気的に接続するために前記アース板および前記第1の絶縁材料を貫通する導電区域を含む注入ポートを更に含み、前記注入ポートは、前記アンテナ構造用の集積回路の送信/受信ラインに結合される、ことを特徴とするアンテナ構造。
【請求項21】
アンテナであって、
アース板と、
形のアンテナ構造と、を含み、
前記T形のアンテナ構造の脚部は、前記T形のアンテナ構造の上部の実質上正確な中心において、前記T形のアンテナ構造の前記上部から離れるように延び、
前記脚部は、前記アース板と電気的に接触して第1のモードまたは第2のモードで動作するように構成され、前記第1のモードは、前記T形のアンテナ構造が、第1の周波数帯域幅と、前記第1の周波数帯域幅とは異なった第2の周波数帯域幅と、で動作可能であるモードであり、前記第2のモードは、前記T形のアンテナ構造が、前記第1の周波数帯域幅前記第2の周波数帯域幅の所定の利得での組み合わせよりも広い拡張周波数帯域幅で動作可能であるモードである、ことを特徴とするアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、一般にアンテナおよびデバイス、システム、ならびに、それらを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月31日に提出された米国仮特許出願第62/712,778号についての米国特許法119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その開示全体は、それが教示する全てについてまた全ての目的について、その全体において参照により本願に援用する。
【発明の概要】
【0003】
関連技術のアンテナ(例えば、F型アンテナ、パッチアンテナ等々)は、制限された周波数帯域および/または動作モードを有する。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それらの課題に対する現時点の解決策は、アンテナの性能(放射効率、利得等々)を犠牲にしている。関連技術のアンテナは、所望の周波数帯域を達成する目的で、調整と、慎重に制御された製造工程と、を必要とすることもある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】少なくとも1つの実施形態例に係るシステムのブロック図である。
図2】少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造の断面図である。
図3】少なくとも1つの実施形態例に係る図2のアンテナ構造の第1のモードの図である。
図4】少なくとも1つの実施形態例に係る図2のアンテナ構造の第2のモードの図である。
図5】少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造の断面図である。
図6】少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造の断面図である。
図7】少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造の断面図である。
図8】少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造を含むシステムの斜視図である。
図9図9Aは、少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造の平面図であり、図9Bは、図9Aのアンテナ構造の断面図である。
図10】少なくとも1つの実施形態例に係るデュアル帯域モードでアンテナ構造を動作させるための周波数帯域例の図である。
図11】少なくとも1つの実施形態例に係る単一帯域モードでアンテナ構造を動作させるための周波数帯域例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施形態例に係るアンテナは、デュアル周波数帯域動作と単一の広帯域とを可能にする。これは、アンテナ性能(利得、効率等々)に対して殆どまたは全く影響を有しない設計で達成される。例えば、実施形態例に係るTアンテナは、アンテナの構造を修正することなく、共振周波数の2つの異なったモード(例えば、偶モードと奇モード)で機能する能力を有する。それらの2つのモードの周波数は、設計の好みに応じて制御される場合がある。それらのモードの周波数値に応じて、Tアンテナは、2つの異なる周波数帯域で共振して機能するか、あるいは、それらの2つのモードを関連技術のアンテナ設計では不可能な単一の大きめの周波数帯域で組み合わせることができる。
【0007】
T形の概念は、周波数帯域幅を所望の値に増加させる目的で、パッチアンテナに適用される場合もある。Tアンテナデュアル周波数帯域の利点は、2つの異なった帯域についての、改善された放射効率と、改善されたリターンロスと、を含む。追加の利点は、Tアンテナがプロセス変動の問題を減少させ、余裕を残して所望の周波数帯域が完全にカバーされるのを確実にする、ということを含む。
【0008】
上記および下記に鑑みて、理解すべきことは、実施形態例に係るアンテナが、各モードがそれ自体の独特な周波数を有するデュアルモード動作を可能にする、ということである。それらのモードの周波数を動かすことによって(例えば、アースに対する短絡の長さを変えることによって)、アンテナは、1)モードの周波数がかなり離れているときのデュアル帯域、または、2)それらのモードの周波数が単一の広帯域を作り出すように互いに近い単一ワイド帯域、のどちらかになることができる。
【0009】
これらや他の必要性は、本開示の様々な態様、実施形態、および/または、構成によって対処される。
【0010】
図1は、少なくとも1つの実施形態例に係るシステム100のブロック図である。システム100は、無線接続を介して、1つ以上の所望の周波数で、1つ以上の所望のプロトコル(例えば、近距離無線通信(NFC)、Wi-Fi、BLUETOOTH(登録商標)、全地球測位システム(GPS)等々のための)を使用して、互いに通信することができる通信デバイス105および外部デバイス110を含む。通信デバイス105および/または外部デバイス110は、スマートフォン、ウェアラブル技術の一部(例えば、スマートウォッチ、フィットネス帯域等々)などのモバイルデバイスであることがある。追加的または代替的に、通信デバイス105および/または外部デバイス110は、スマートサーモスタットや他のスマートホーム技術の一部などの表面に実装または配置される定置デバイスであることがある。換言すると、通信デバイス105および外部デバイス110は、デバイス間の無線通信が望まれる任意の2つのデバイスであることがある。
【0011】
通信デバイス105は、アンテナ115と、アンテナ115によって受信および/または送信される信号を処理する集積回路(IC)120と、を含むことがある。例えば、アンテナ115が外部デバイス110の存在するところにある場合、IC120は、アンテナ115を介した通信デバイス105と外部デバイス110との間の双方向通信を容易にすることがある。明示的に示されてはいないが、理解すべきことは、外部デバイス110が、通信デバイス105と通信するために、それ自体の対応するICとアンテナを含むことがある、ということである。このケースでは、外部デバイス110は、通信デバイス105と同じICと同じアンテナを有することがある。アンテナ115の詳細は、下で図2~8を参照して議論される。
【0012】
通信デバイス105および/または外部デバイス110は、能動デバイスや受動デバイスであることがある。通信デバイス105および/または外部デバイス110が能動デバイスである場合、電源(例えば、バッテリ)は、電力をそれぞれのICに供給するためのそれぞれのデバイスに含められることがある。通信デバイス105および/または外部デバイス110が受動デバイスである場合、それぞれのデバイスは、電源を含まず、そして、それぞれのICに給電するためにそれぞれのアンテナで受信される信号に依存することがある。少なくとも1つの実施形態例では、通信デバイス105または外部デバイス110の一方は能動デバイスであり、通信デバイス105または外部デバイス110の他方は受動デバイスである。しかしながら、実施形態例は、それに限定されず、両デバイス105/110は、必要に応じて能動デバイスであることがある。
【0013】
IC120は、通信デバイス105と外部デバイス110との間の通信を制御することができる1つ以上の処理回路を含むことがある。例えば、IC120は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)と、プロセッサと、プロセッサやプログラマブル論理ゲート等々によって実行可能である命令を含むメモリ(例えば、不揮発性メモリ)と、を含む。
【0014】
図2は、少なくとも1つの実施形態例に係る図1のアンテナ115のためのアンテナ構造200Aの断面図を例証する。
【0015】
図2に示すように、アンテナ構造200Aは、第1の導電要素(またはアンテナ)205を含むことがある。第1の導電要素205は、長さLを有する第1の平面部分210と、第1の平面部分210の中心において第1の平面部分210から遠くに延びる延長部分215と、を含む。第1の平面部分210の中心は、x方向およびy方向(即ち、水平方向)の両方において、第1の平面部分210の正確なまたはほぼ正確な中心であることがある。代替的に、延長部分215は、必要に応じて(例えば、設計の好みによって)、中心からオフセットした場所において、第1の平面部分210から遠くに延びることがある。アンテナ構造200Aは、第1の平面部分210から所望の距離だけ離隔された第2の導電要素217を含むことがある。
【0016】
延長部分215は、長さBを有することがある。図2では、第2の導電要素217と第1の平面部分210との間の所望の距離と、延長部分の長さとは、両方共にBに等しい。しかしながら、実施形態例は、例えば、下で図6~7を参照して更に説明されるように、それらに限定されない。
【0017】
図2では、第1の平面部分210と第2の導電要素217との間の空間は、周囲空気によって占有されている。第2の導電要素217は、延長部分215に電気的に接続された第2の平面部分220を含むことがある。少なくとも1つの実施形態例では、第2の平面部分220は、電気的なアースまたは共通の電圧に接続されて第1の平面部分210の少なくとも長さおよび幅に延びるアース板である。しかしながら、実施形態例は、それに限定されず、第2の平面部分220の他の構成および/または寸法は、必要に応じて選択されることがある。
【0018】
図2に示すように、第1の平面部分210と第2の平面部分220とは、互いに実質上平行になるように第1の方向に延びる。延長部分215は、第1の方向に実質上垂直である方向に延びる。少なくとも1つの実施形態例によれば、図2に示されるように、延長部分215は、直線状である。しかしながら、実施形態例は、それに限定されず、延長部分215の他の形状は、図6、7、および9に示されるように可能であることがある。
【0019】
長さLおよび距離Bは、経験的な証拠および/または好みに基づく(例えば、アンテナのための所望の周波数帯域に基づく)設計パラメータであることがある。それらのパラメータは、下で図3および4を参照してより詳細に議論される。第1の導電要素205と第2の導電要素217とは、アンテナの用途のために使用される銅や他の適切な導電材料を含むことがある。
【0020】
図2は、第2の平面区域225を支持する絶縁材料225を例証する。絶縁材料225は、基板、例えば、プリント回路基板(PCB)や、それに実装された通信デバイス105の他の要素(例えば、IC120)を含む他の絶縁性の基板であることがある。
【0021】
図2に示すように、アンテナ構造200Aは、送信/受信ライン235に結合された注入ポート230を更に含むことがある。注入ポート230は、第1の平面部分210と、送信/受信ライン235と、に結合された金属の導電ストリップを含むことがある。少なくとも第2の平面部分220を通過する注入ポート230の導電ストリップは、例えば、絶縁ラッパによって、第2の平面部分220から電気的に絶縁されることがある。送信/受信ライン235は、IC120がアンテナ構造200Aから信号を送信および受信することができるように、IC120につながる導電性の配線にすることがある。動作では、注入ポート230は、アンテナ構造200Aのための入力/出力ポートとして機能する。図2が示すのは、注入ポート230が延長部分215の近くに位置することであるが、実施形態例は、それに限定されず、注入ポート230は、設計の好みに従って何らかの他の場所に配置されてもよい。
【0022】
図3は、少なくとも1つの実施形態例に係る図2のアンテナ構造200Aの第1のモードを例証する。より詳細には、図3は、アンテナ構造200Aのための奇共振モードを例証する。奇共振モードは、アンテナ構造200Aが第1の周波数帯域幅で動作可能である、モードに対応することがある。図3に示すように、奇共振モードは、対称(例えば、完全対称)であり、また、第1の平面部分210の各分岐のための逆位相の電界Eを作り出すために電流がアース板220に流れることがないように、延長部分215を介して仮想電気壁または仮想アース面を有する。第1の平面部分210の各分岐のために、電流は、L/2の距離(1/4波長と考えられる)を流れる。このように、奇共振モードの波長λoは、λo=2Lである。奇モードのための共振周波数Foは、Fo=c/λoであり、ここで、cは光の速度(例えば、m/s)である。少なくとも1つの実施形態例では、例えば、デュアル帯域モードでは、Fo=2.4GHzである。
【0023】
図4は、少なくとも1つの実施形態例に係る図2のアンテナ構造200Aの第2のモードを例証する。より詳細には、図4は、アンテナ構造200Aのための偶共振モードを例証する。偶共振モードは、アンテナ構造200Aが図3の奇共振モードの第1の周波数帯域幅とは異なった第2の周波数帯域幅で動作可能である、モードに対応することがある。図4に示すように、偶共振モードは、対称(例えば、完全対称)であり、また、各分岐のための同位相の電界Eを作り出すために第1の平面部分215の各分岐内の電流が拡張部分215を通ってアース板220まで流れるように、延長部分215に沿った仮想磁気壁を有する。第1の平面部分215の各分岐のために、電流は、約4分の1波長λe/4、即ち、約L/2の距離(例えば、延長部分215のせいで、λe/4、または、L/2よりも僅かに大きい)を流れる。このように、偶共振モードの波長λeは、次の、λe~2L+4Bとして表されることがある。偶モードのための共振周波数Feは、Fe=c/λeである。少なくとも1つの実施形態例では、例えば、デュアル帯域モードでは、Fe=1.7GHzである。
【0024】
図3および4に鑑みて、理解すべきことは、λe>λoであり、また、Fe<Foであり、1つが奇共振モードのため、もう1つが偶共振モードのため、という2つの独特な周波数帯域が作り出されることがある、ということである。更に理解すべきことは、2つの独特な周波数帯域の作出が距離Bに依存することがある、ということである。例えば、距離Bが比較的大きい場合、各共振モードは、上で説明されたように、それ自体の周波数帯域を有することがある。しかしながら、距離Bが比較的小さい場合、各共振モードの周波数帯域は、2つの独特な周波数帯域のどちらよりも広い単一の周波数帯域を作り出すために、部分的に重なることがある。換言すると、奇共振モードおよび偶共振モードの周波数帯域は、単一の強化された周波数帯域に併合されることがある。図6、7、および9~11は、アンテナ構造の所望の周波数帯域に従った距離Bを調整する例を例証する。
【0025】
図5は、少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造200Bの断面図を例証する。図5は、第1の平面部分210と第2の平面部分220との間に絶縁材料500を含むことを除いて、図2と同じである。示したように、延長部分215は、第2の平面部分220と電気的に接続するために、絶縁材料500を貫通する。絶縁材料500は、絶縁材料225と同じかまたは異なる材料を含むことがある。例えば、絶縁材料500は、PCBの一部、または、アンテナ用途に使用される他の適切な絶縁材料の一部とされることがある。同じく示されるように、注入ポート230は、絶縁材料225内に配設されており、第1の平面部分210と電気的に接続するために第2の平面部分220および絶縁材料500を貫通する導電区域を含む。少なくとも第2の平面部分220を貫通する注入ポート230の導電区域は、例えば、絶縁ラッパによって第2の平面部分220から電気的に絶縁されることがある。図2のように、注入ポート230は、アンテナ構造200Bのための集積回路120の送信/受信ライン235に結合される。
【0026】
図5では、第1の平面部分210の上面は、絶縁材料500の上面と同一平面上にある。しかしながら、実施形態例は、それに限定されず、上面は、どの鉛直方向にも互いからオフセットされることがある。
【0027】
図6は、少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造200Cの断面図を例証する。アンテナ構造200Cは、図5のアンテナ構造200Bと同じであるが、除かれるのは、アンテナ構造200Cが波状または曲がりくねった延長部分215Aを含むことである。この構成は、例えば、アース板220への電流経路が図5よりも長いので、延長部分215Aの波状構造が有効長さBを増加させるのに役立つという理由で、デュアル周波数帯域が望まれる用途に有用であることがある。それは、平面部分210および220間の距離が維持される場合に、Foよりも低く、そして、図5からの周波数Feよりもなお一層低い、周波数Feを有する平らな共振モードを作り出す。即ち、延長部分215Aの波状経路が長くなると、Feは減少する。したがって、延在部分215Aの全長は、所望の共振周波数Feに基づいて設定された設計パラメータにすることができる。この構成は、デュアル帯域アンテナモードを可能にし、同時に、パッケージ全体をコンパクトに保つ(平面部分210および220間の距離が図5に示される構成から増加する必要がないという理由)。ここで、理解すべきことは、延長部分215Aの波状構造が奇共振モードにおいて共振周波数Foに影響を及ぼさない、ということである。
【0028】
図7は、少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造200Dの断面図を例証する。アンテナ構造200Dは、図5のアンテナ構造200Bと同じであるが、除かれるのは、アンテナ構造200Dが、2つの区域即ち第1の平面部分210の分岐部の間にギャップ710が存在するように、第1の部分700と第1の部分から第1の方向(例えば、水平方向)に離隔された第2の部分705とを含む延長部分215Bを含むことである。ここで、ギャップ710の存在は、図5の延長部分215と比較して、延長部分215Bの有効長さBを減少させるのに役立つことがある。図7は、関連技術のパッチおよび/またはFアンテナ設計にとってさもなければ可能ではなくまたは無効である単一ワイド帯域幅(例えば、10dB)を望む用途に有用であることがある。アンテナ構造200Dの単一周波数帯域は、偶共振モードおよび奇共振モードだけによって達成される周波数帯域のどちらかを含む、および/または、それよりも広いことがある。
【0029】
図8は、少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造を含むシステム800の斜視図を例証する。より詳細には、図8は、どのようにアンテナ構造200Aがデバイス805に実装されるかを例証する。デバイス805は、通信デバイス105に対応することがある。例えば、デバイス805は、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスであることがある。図8は、アンテナ構造200Aについて説明されているが、理解すべきことは、本明細書で説明される本発明概念の範囲内の全てのアンテナ構造が、構造200Aに加えてまたはそれに代えて、含まれてもよい、ということである。
【0030】
図9Aは、少なくとも1つの実施形態例に係るアンテナ構造900の平面図を例証する。図9Bは、図9Aのアンテナ構造900の断面図を例証する。アンテナ構造900は、図1のアンテナ115に使用されることがある。より詳細には、図9Aおよび9Bは、アンテナ構造900が同じTアンテナ概念を採用している点で図2~7と同様であるが、図8のような薄めのTトップの代わりに広めのパッチのような区域910を備える。図9Aおよび図9Bを参照すると、アンテナ構造900は、基板905と、基板905上の第1の導電板907(例えば、アース板)と、複数の導電ビア915によって第1の導電板907に電気的に接続される第2の導電板910と、を含む。任意選択のキャリア基板908は、必要に応じて含められることがある。ここで、理解すべきことは、先の図面の延長部分215、215A、および215Bが、導電板907の中心で行または列に位置決めされる複数の導電ビア915によって表される、ということである。即ち、アンテナ構造900の延長部分は、第1の平面部分(例えば、220または910)の一方側から第1の平面部分(220または910)の反対側に延びる、方向に整列された複数の導電性ビア905を含む。
【0031】
導電ビア915のサイズ、密度、および/または、位置は、Bの有効長に影響を及ぼすことがある。少なくとも1つの実施形態例では、導電ビア915は、有効長Bが比較的短く、それによって単一ワイド周波数帯域を作り出すという点で、延長部分215Bと同様に機能する。例えば、導電ビア915を一列により密に詰め込むほど、有効長Bが短くなり、それがFeをFoにより近づかせて、単一周波数帯域(例えば、10db)を作り出す。
【0032】
図1~9に鑑みて、理解すべきことは、少なくとも1つの実施形態例が、アース板220と、上部210および脚部215を含むT形を有するアンテナ205と、を含むアンテナ構造に向けられている、ということである。T形の上部210は、アース板220から離隔され、T形の脚部215は、T形の上部210から遠くに延びて、アース板220に電気的に接続される。T形の脚部215は、i)アンテナが、第1の周波数帯域幅と第1の周波数帯域幅とは異なった第2の周波数帯域幅とに対して動作可能である、または、ii)アンテナが、第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅と単独で比較して、より広い単一周波数帯域幅に対して動作可能であるような構造を有する。
【0033】
少なくとも1つの実施形態例では、T形の脚部215の構造は、アンテナが第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、アース板220とT形の上部210との間の距離に調和する長さBを有する直線状構造(例えば、図5)であることがある。
【0034】
少なくとも1つの実施形態例では、T形の脚部215の構造は、アンテナが第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、アース板220とT形の上部210との間の距離よりも大きい長さBを有する波状構造(例えば、図6)である。
【0035】
少なくとも1つの実施形態例では、T形の脚部215の構造は、アンテナが単一の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、2つの区域間またはT形の上部210の分岐部間のギャップ710を作り出すU形の構造(例えば、図7)である。
【0036】
少なくとも1つの実施形態例では、T形の脚部215の構造は、アンテナが単一の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、互いに整列された複数の導電ビア915を含む。
【0037】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、T形の上部210とアース板220との間の第1の絶縁材料500を含む。ここで、T形の脚部215は、アース板220と電気的に接続するために第1の絶縁材料500を貫通する。少なくとも1つの実施形態例は、アース板220を支持する第2の絶縁材料225を含む。
【0038】
アンテナ構造は、第2の絶縁材料225内に配設される注入ポート230であって、T形の上部210と電気的に接続するためにアース板220および第1の絶縁材料500を貫通する導電区域を含む注入ポート230を含むことがある。注入ポート230は、アンテナ構造用の集積回路120の送信/受信ライン235に結合される。
【0039】
図10は、少なくとも1つの実施形態例に従ってデュアル帯域モードでアンテナ構造を動作させるための周波数帯域例を例証する。図10に示すように、偶共振モードおよび奇共振モードで動作するアンテナ構造は、単一のアンテナが複数帯域で動作するのを可能にするように、2つの異なった周波数帯域を作り出す。
【0040】
図11は、少なくとも1つの実施形態例に従って単一の帯域モードでアンテナ構造を動作させるための周波数帯域例を例証する。図10および11の比較から理解され得るように、実施形態例に係るアンテナ構造を単一帯域モードで動作させることは、奇共振モードおよび偶共振モードの周波数帯域の少なくとも一部を含み、奇共振モードまたは偶共振モード単独のための、例えば、10dBでの、周波数帯域のどちらかよりも広い、単一の広い周波数帯域を達成する。
【0041】
図1~11に鑑みて、理解すべきことは、実施形態例が、T形のアンテナを第1のモードおよび第2のモードで動作させることを含む方法を含むことがある、ということである。第1のモードは、T形のアンテナが、第1の共振周波数(例えば、Fe)および第1の周波数帯域幅、ならびに、第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数(例えば、Fo)および第1の周波数帯域幅とは異なる第2の周波数帯域幅、を有するモードである。第2のモードは、アンテナが、第1のモードの第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅を含むことがある拡張周波数帯域幅(例えば、図11参照)を有するモードである。例えば、拡張周波数帯域幅は、第1のモードおよび第2のモードの単独よりも大きい範囲の周波数をカバーする。第1のモードまたは第2のモードの選択は、設計上の選択であることがある。少なくとも1つの実施形態例では、単一のアンテナは、例えば、Bが比較的大きな値であるときに第1のモードで動作するのが可能であることがある。即ち、単一のアンテナは、例えば、GPSおよびWiFiの両方の周波数帯域(それぞれ約1.5GHzおよび2.44GHz)内での通信を可能にするために、2つの異なる周波数帯域内で効果的に送信および受信することができる。Bが比較的小さな値である場合に、アンテナは、第1のモードと比較して向上された周波数帯域幅を達成するために、第2のモードで動作することがある。明示的には示されていないが、理解すべきことは、Bの値が延長部分215を長くするまたは短くすることによって調整できる、ということである。例えば、延長部分215は、セグメントに存在することがあり、少なくとも1つのセグメントは、1つ以上の機構に取り付けられ、該機構は、平面部分210に電気的に接続された延長部分215の他のセグメントと整列してまたはそれと整列せずに、それぞれのセグメントを動かす(例えば、水平に動かす)。ここで、基板225は、延長部分セグメントの交換とその後の再接続を可能にするために、鉛直方向に(例えば、延長部分215からより遠くにまたは近くに)移動可能であるように1つ以上の機構に取り付けられることもある。上記に鑑みて、理解すべきことは、実施形態例が、高いレベルの放射効率、望ましい放射パターン、高い利得、改善された帯域幅等々を維持しつつ、複数の可能な動作モードを有する単一のアンテナまたは共振器を提供する、ということである。
【0042】
実施形態例が、図の特定の要素を参照して説明されてきたが、理解すべきことは、いくつかの実施形態の要素が、必要に応じて、他の実施形態に追加される/それから削除されることがあるということである。
【0043】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、第1の平面部分と、第1の平面部分の中心で第1の平面部分から遠くに延びる延長部分と、を含む第1の導電要素を含む。アンテナ構造は、第1の平面部分から離隔されて延長部分に電気的に接続される第2の導電要素を含むことがある。
【0044】
少なくとも1つの実施形態例によれば、第2の導電要素は、第2の平面部分を含み、第1の平面部分および第2の平面部分は、互いに実質上平行になるように第1の方向に延び、延長部分は、第1の方向に対して実質上垂直である方向に延びる。
【0045】
少なくとも1つの実施形態例によれば、延長部分は、直線状である。
【0046】
少なくとも1つの実施形態例によれば、延長部分は、波状である。
【0047】
少なくとも1つの実施形態例によれば、延長部分は、第1の平面部分の2つの区域間にギャップが存在するように、第1の部分と、第1の部分から第1の方向に離隔された第2の部分と、を含む。
【0048】
少なくとも1つの実施形態例によれば、延長部分は、分離可能なセグメントを含む。
【0049】
少なくとも1つの実施形態例によれば、延長部分は、第1の方向に整列されて第1の平面部分の一方側から第1の平面部分の反対側に延びる複数の導電ビアを含む。
【0050】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、第1の平面部分と第2の導電要素との間に第1の絶縁材料を含む。延長部分は、第2の導電要素と電気的に接続するために第1の絶縁材料を貫通する。
【0051】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、第2の導電要素を支持する第2の絶縁材料を含む。
【0052】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、第2の絶縁材料内に配設される注入ポートであって、第1の平面部分と電気的に接続するために第2の導電要素および第1の絶縁材料を貫通する導電区域を含む注入ポートを含む。注入ポートは、アンテナ構造用の集積回路の送信/受信ラインに結合される。
【0053】
少なくとも1つの実施形態例によると、第2の導電要素は、アースされている。
【0054】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、アース板と、上部および脚部を含むT形を有するアンテナと、を含む。T形の上部は、アース板から離隔され、T形の脚部は、T形の上部から遠くに延び、また、アース板に電気的に接続される。T形の脚部は、i)アンテナが、第1の周波数帯域幅と第1の周波数帯域幅とは異なった第2の周波数帯域幅とに対して動作可能である、または、ii)アンテナが、第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅と単独で比較して、より広い単一周波数帯域幅に対して動作可能であるような構造を有する。
【0055】
少なくとも1つの実施形態例によれば、T形の脚部の構造は、アンテナが第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、アース板とT形の上部との間の距離に調和する長さを有する直線状構造である。
【0056】
少なくとも1つの実施形態例によれば、T形の脚部の構造は、アンテナが第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、アース板とT形の上部との間の距離よりも大きい長さを有する波状構造である。
【0057】
少なくとも1つの実施形態例によれば、T形の脚部の構造は、アンテナが単一の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、T形の上部の2つの区域間のギャップを作り出すU形の構造である。
【0058】
少なくとも1つの実施形態例によれば、T形の脚部の構造は、アンテナが単一の周波数帯域幅に対して動作可能であるように、互いに整列された複数の導電ビアを含む。
【0059】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、T形の上部とアース板との間の第1の絶縁材料を含み、T形の脚部は、アース板と電気的に接続するために、第1の絶縁材料を貫通する。
【0060】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、アース板を支持する第2の絶縁材料を含む。
【0061】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナ構造は、第2の絶縁材料内に配設される注入ポートであって、T形の上部210と電気的に接続するためにアース板および第1の絶縁材料を貫通する導電区域を含む注入ポートを含む。注入ポートは、アンテナ構造のための集積回路の送信/受信ラインに結合される。
【0062】
少なくとも1つの実施形態例によれば、アンテナは、アース板と、アース板と電気的に接触して第1のモードまたは第2のモードで動作するように構成されたT形のアンテナ構造と、を含む。第1のモードは、T形のアンテナ構造が、第1の周波数帯域と、第1の周波数帯域とは異なった第2の周波数帯域と、で動作可能であるモードであり、第2のモードは、T形のアンテナ構造が、第1の周波数帯域幅および第2の周波数帯域幅を含む拡張周波数帯域幅で動作可能であるモードである。
【0063】
成句「少なくとも1つ」、「1つ以上」、「または」、および「および/または」は、働きにおいて連言的および選言的の双方であるオープンエンドな表現である。例えば、表現「A、BおよびCの少なくとも1つ」、表現「A、B、またはCの少なくとも1つ」、表現「A、B、およびCの1つ以上」、表現「A、B、またはCの1つ以上」、表現「A、B、および/または、C」、および表現「A、B、またはC」の個々は、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AとB共に、AとC共に、BとC共に、またはAとBとC共に、を意味する。
【0064】
用語「1つ(a)」または「1つ(an)」の実在物とは、その実在物の1つ以上を指す。そういうことで、用語「1つ(a)」(または「1つ(an)」)、用語「1つ以上」および用語「少なくとも1つ」は、本明細書で交換可能に使用することができる。同じく留意されたいことは、用語「含む(comprising)」、用語「含む(including)」、および用語「有する(having)」が交換可能に使用することができる、ということである。
【0065】
用語「自動の」およびその変形例は、本明細書で使用されるとき、任意のプロセスまたは動作を指し、それは、典型的には連続的または半連続的であり、プロセスまたは動作が実行されるときに、実体の人間の入力が無しで行われる。しかしながら、プロセスまたは動作は、プロセスまたは動作の実行前に入力が受容される場合に、たとえ、プロセスまたは動作の実行が、実体または非実体の人間の入力を使用するとしても、自動にすることができる。人間の入力は、そういった入力が、どのようにプロセスまたは動作が実行されるかについて影響する場合に、実体であるとみなされる。プロセスまたは動作の実行に同意する人間の入力は、「実体」であるとみなされない。
【0066】
用語「コンピュータ可読媒体」または「メモリ」は、本明細書で使用されるとき、命令をプロセッサに実行のために提供するのに関与する任意のコンピュータ可読記憶装置および/または伝送媒体を指す。そういったコンピュータ可読媒体は、有形、非一時性、および、非一過性である場合があり、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を、それらに限定されないが、含む多くの形態を採る場合があり、制限無しに、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み取り専用メモリ(「ROM」)、その他同種のものを含む。不揮発性媒体は、例えば、NVRAM、または磁気ディスクもしくは光ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリなどのダイナミックメモリを含む。一般的な形態のコンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク(限定を伴わずに、ベルヌーイカートリッジ、ZIPドライブ、およびJAZドライブを含む)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープもしくはカセット、または任意の他の磁気媒体、磁気光学媒体、デジタルビデオディスク(CD-ROMなど)、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH-EPROM、メモリカードのような固体媒体、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、後で説明される搬送波、またはコンピュータの読み取り可能な任意の他の媒体、を含む。電子メールまたは他の自己完結型情報アーカイブもしくはアーカイブのセットへのデジタルファイル添付は、有形記憶媒体と等価な配布媒体と考えられる。コンピュータ可読媒体がデータベースとして構成されるとき、理解すべきことは、データベースが、リレーショナル、階層的、オブジェクト指向、および/または、同種のものなどの任意タイプのデータベースであればよい、ということである。したがって、本開示は、本開示のソフトウェア実装が記憶される、有形記憶媒体もしくは配布媒体、ならびに先行技術で認識された等価物および後続媒体を含むと考えられる。コンピュータ可読記憶媒体は、一過性の記憶媒体、特に、電気信号、磁気信号、電磁気信号、光信号、光磁気信号を一般に除外する。
【0067】
コンピュータ可読信号媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用するためのまたはそれとの関連において、プログラムを通信、伝播、または移送することのできる、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、任意のコンピュータ可読媒体であることがある。コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドでまたは搬送波の一部として、その中に具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬型データ信号を伝達することがある。そういった伝搬型信号は、それらに限定されないが、電磁的、光学的、またはそれらの任意の適切な組合せを含む任意の様々な形態を採ることがある。コンピュータ可読信号媒体上に具体化されたプログラムコードは、それらに限定されないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等々、または前述のものの任意の適切な組合せを含む、任意の適切な媒体を用いて送信されることがある。
【0068】
用語「決定する(determine)」、「計算する(calculate)」、および「計算する(compute)」、ならびにそれらの変形例は、本明細書で使用されるとき、交換可能に使用され、任意の種類の方法論、プロセス、数学的な操作または技法を含む。
【0069】
用語「手段(means)」は、本明細書で使用されるとき、米国特許法第112条(f)および/または第112条第6パラグラフに従って、その最も広い可能な解釈が与えられるであろう。したがって、用語「手段」を組み込む請求項は、本明細書に記載される全ての構造、材料、または行為、ならびにそれらの等価物の全てをカバーするであろう。更に、構造、材料、または行為、ならびにそれらの等価物は、概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約、および、特許請求の範囲自体、に説明されるそれらの全てを含むであろう。
【0070】
用語「モジュール」は、本明細書で使用されるとき、その要素に関連する機能を実行することができる任意の公知のまたは後に開発されるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、人工知能、ファジー論理、または、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、を指す。
【0071】
本明細書で説明されるようなプロセッサの例は、それらに限定されないが、クアルコム(登録商標)スナップドラゴン(登録商標)800および801、4G LTEインテグレーションおよび64ビットコンピューティングを有するクアルコム(登録商標)スナップドラゴン(登録商標)610および615、64ビットアーキテクチャを有するアップル(登録商標)A7プロセッサ、アップル(登録商標)M7モーションコプロセッサ、サムスン(登録商標)エクシノス(登録商標)シリーズ、インテル(登録商標)コア(商標)ファミリのプロセッサ、インテル(登録商標)ジーオン(登録商標)ファミリのプロセッサ、インテル(登録商標)アトム(商標)ファミリのプロセッサ、インテルアイテニアム(登録商標)ファミリのプロセッサ、インテル(登録商標)コア(登録商標)i5-4670Kおよびi7-4770K 22nmハズウェル、インテル(登録商標)コア(登録商標)i5-3570K 22nmアイビーブリッジ、AMD(登録商標)FX(商標)ファミリのプロセッサ、AMD(登録商標)FX-4300、FX-6300およびFX-8350 32nmヴィシェラ、AMD(登録商標)カヴェリプロセッサ、テキサス インスツルメンツ(登録商標)Jacinto C6000(商標)車載用インフォテインメントプロセッサ、テキサス インスツルメンツ(登録商標)OMAP(商標)車載用グレードモバイルプロセッサ、ARM(登録商標)コルテックス(商標)Mプロセッサ、ARM(登録商標)コルテックスAおよびARM926EJ-S(商標)プロセッサ、他の工業的同等のプロセッサ、のうちの少なくとも1つを含むことがあり、また、任意の公知のまたは将来開発される標準、命令セット、ライブラリ、および/または、アーキテクチャを用いて計算機能を実行することがある。
【0072】
本明細書で議論される任意のステップ、機能、および動作は、連続的に自動的に実行される場合がある。
【0073】
本開示は、特定の規格やプロトコルを参照して、態様、実施形態、および/または、構成で実施される構成要素および機能を説明しているが、態様、実施形態、および/または、構成は、そういった規格やプロトコルに限定されない。本明細書で述べられていない他の同様の規格やプロトコルは、存在しており、本開示に含まれるべきであると考えられる。その上、本明細書で述べられている規格やプロトコルと、本明細書で述べられていない他の同様の規格やプロトコルとは、本質的に同じ機能を有するより速いまたはより効果的な等価物によって定期的に置き換えられる。同じ機能を有するそういった交換の規格やプロトコルは、本開示に含まれる等価物と考えられる。
【0074】
本開示は、様々な態様、実施形態、および/または、構成において、様々な態様、実施形態、実施形態構成、サブコンビネーション、および/または、それらのサブセットを含む、実質上本明細書に図示および説明されたような構成要素、方法、プロセス、システムおよび/または装置を含む。当業者は、本開示の理解後に、どのように開示態様、実施形態、および/または、構成を作って使用するかを理解するであろう。本開示は、様々な態様、実施形態、および/または、構成において、例えば、性能を改善すること、実施を容易化すること、および/または、実装のコストを低減することのために、先のデバイスまたはプロセスで使用されたかもしれないようなそういったアイテムの欠如を含む、本明細書に即ち様々な態様、実施形態、および/または、その構成で図示および/または説明されないアイテムの欠如において、デバイスおよびプロセスを提供することを含む。
【0075】
前述の議論は、例証および説明の目的のために提供された。前述のものは、本開示を本明細書に開示されている形態に限定することを意図していない。例えば、前述の詳細な説明では、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、および/または構成に共にグループ化される。本開示の態様、実施形態、および/または構成の特徴は、上で議論したそれら以外の代替の態様、実施形態、および/または構成において組み合わせてもよい。この開示の方法は、各請求項に明白に記載されているよりも多くの特徴を請求項が必要とするという意図を反映していると解釈すべきではない。むしろ、次に続く請求項が反映するように、進歩的な態様は、単一の前述の開示された態様、実施形態、および/または構成の全ての特徴より少ないところに存在する。このように、次に続く請求項は、これによってこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の好適な実施形態として、それ自体に基づいている。
【0076】
更に、本明細書は、1つ以上の態様、実施形態、および/または構成、ならびに特定の変形例および修正例の説明を含めてきたが、他の変形例、組合せ、および修正例は、例えば、本開示の理解後には当業者の技術および知識の範囲内にあり得るように、本開示の範囲の範囲内にある。取得することを意図している権利は、代替の態様、実施形態、および/または構成を、許可される限度で含み、代替の、互換のおよび/または等価な構成、機能、範囲またはステップを、権利請求するそれらに対して含んでいるが、そういった代替の、互換のおよび/または等価な構成、機能、範囲またはステップが本明細書に開示されているか否かにかかわらないし、特許性を有するどの主題も公共の用に供することを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11