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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】印刷製品用の中綴じ機
(51)【国際特許分類】
   B42C 19/08 20060101AFI20230926BHJP
   B42B 4/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
B42C19/08
B42B4/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019133205
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2020015316
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】00920/18
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】502200092
【氏名又は名称】ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ブルカルト
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-072320(JP,A)
【文献】特開2014-151638(JP,A)
【文献】特開2013-193207(JP,A)
【文献】特開2011-168051(JP,A)
【文献】特開2007-237393(JP,A)
【文献】特開2015-157477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 19/08
B42B 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、丁合チェーン(2)、綴じ機(3)、制御装置(4)、エジェクタ(5)及び配送装置(6)のアッセンブリを備え、配送装置(6)が、少なくとも1つの下の搬送ベルト(7)及び上の搬送ベルト(8)と、下の搬送ベルト(7)用の少なくとも1つの転向ローラ(9)を備え、この少なくとも1つの転向ローラ(9)が、下の搬送ベルト(7)のR付けされた領域内に配置されている、印刷製品用の中綴じ機(1)において、
下の搬送ベルト(7)が制御可能な専用駆動装置(10)を備え、上の搬送ベルト(8)が制御可能な専用駆動装置(11)を備え、制御装置(4)が少なくとも専用駆動装置(10,11)を別々に制御し、処理すべき印刷製品毎の下の搬送ベルト(7)及び/又は上の搬送ベルト(8)の速度の制御が、主に製品流内のそれぞれの印刷製品の厚さ及びフォーマットに調整可能であること、を特徴とする中綴じ機。
【請求項2】
厚さ測定器(12)が、製品流内で綴じ機(3)の前に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の中綴じ機。
【請求項3】
下の搬送ベルト(7)の水平領域に、又はR付けされた領域から水平領域への移行部に直接的に、制御装置(4)に伝達される測定信号を発生させる光学的な検査装置(13)が配置されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の中綴じ機。
【請求項4】
制御装置(4)が、少なくともMIS(14)及び/又は厚さ測定器(12)及び/又は検査装置(13)のデータから決定される制御データを発生させる又は備えること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の中綴じ機。
【請求項5】
少なくとも1つのマイクロプロセッサを備える制御装置(4)が、搬送ベルト(7;8)の速度を制御するために専用駆動装置(10;11)のトルク測定データを考慮すること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の中綴じ機。
【請求項6】
専用駆動装置(10,11)が、少なくともそれぞれ1つの、調整装置を有するサーボモータ又は調整装置を有する非同期モータを備えること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の中綴じ機。
【請求項7】
デジタル印刷のための、請求項1~の少なくとも1項に記載の印刷製品用の中綴じ機(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも、丁合チェーン、綴じ機、制御装置、エジェクタ及び配送装置のアッセンブリを備え、配送装置が、少なくとも1つの下の搬送ベルト及び上の搬送ベルトと、下の搬送ベルト用の少なくとも1つの転向ローラを備え、この少なくとも1つの転向ローラが、半径内に配置されている、印刷製品用の中綴じ機に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル印刷において、各小冊子は異なる数の用紙を備えることができ、それにより各小冊子は、厚さが異なり得る。組み合わされたシステムも可能である。即ち、小冊子の一部が凹版印刷、オフセット印刷等のような伝統的な印刷された用紙部分であり、別の部分がデジタル印刷であり得る。
【0003】
“インダストリー4.0”のテーマとは、印刷業界では、例えば、“Print 4.0”又は“Web to Print”が結びついており、これは、印刷機にとっては、発行部数量=1も処理する必要があることを意味する。印刷機がこの要求を満足するために、特に以下のことが必要である:
・必要なデータを提供する上位システムとのコミュニケーションがあること。
・必要な調整がオンザフライでそしてあらゆる生産サイクルのためになされ得るように、機械が構成されていること。
【0004】
編成された小冊子は、重ねられた、折られた用紙部分から成り、これら用紙部分は、丁合チェーンによって折りステーションに搬送され、そこで、用紙部分は、折り目で綴じられる。
【0005】
-定義-
・印刷製品:少なくとも1枚又は複数枚の用紙部分(新聞、ノート、雑誌、カタログ)からなる完成した印刷物。
・綴じ機:1枚又は複数枚の用紙から成る小冊子をステープルによって綴じる。
・用紙:両面を印刷された紙。
・用紙部分:複数の用紙(大抵は異なって印刷されている)。
・丁合チェーン:用紙部分用の水平型連続コンベアユニット
・デジタル印刷:用紙が生産プロセスで直接的に印刷され、小冊子に編成され、各小冊子には、異なる数の用紙を含むことができ、小冊子の厚さに影響を与えることができる。
・厚さ可変:周期的に処理される印刷製品の厚さは可変である。即ち、印刷製品は、異なる厚さを備えることができる。
・切断装置:1つのフロントカッタと2つのサイドカッタを有し、小口の切断と、次の切断としての天/地の切断からなる切断プロセスを実施する切断システム。
・製品供給:綴じステーションの配送装置から切断装置まで印刷製品を搬送するための機械装置。
・中綴じ機:中綴じ機では、大抵は複数の用紙が搬送チェーン上に集められ、閉じステーションで閉じられ、切断装置で三方を切断される。
・切断器:1つのフロントカッタと2つのサイドカッタを有し、小口の切断と次の切断としての天の切断から成る切断プロセスを実施する切断システム。
・丁合チェーン:丁合チェーンは、上の部分がブレード状に形成され、その稜線が搬送及び綴じラインを確定する案内装置と、用紙部分がその上を跨いで搬送される実質的に屋根状の支持部とを備える。
・配送装置:綴じ機を有する綴じステーションの後で切断器への供給部へ印刷製品を搬送する機械部品。配送装置内で、切断器の位置に応じて前方又は後方に90°だけ搬送方向の変更が行なわれる。
・排出段階、排出:エジェクタと呼ばれる装置により、印刷製品が、搬送ベルトによって配送装置内で検出され、配送装置内でさらに搬送されるまで、丁合チェーンから持ち上げられる。
・オンザフライ:変更、例えば操作中の装置の位置等の調整が可能である。
・MIS:マネジメント-インフォメーション-システム、ジョブマネジメントシステム。
【0006】
欧州特許出願公開第1593526号明細書は、綴じ機、操作に応じて段階的に小冊子を装填する出力ステーション、小冊子をそれぞれの目標切断線に沿って断裁するための切断面を規定する前部切断カッタ装置、及び、小冊子を操作に応じて出力ステーションから前部絶段カッタ装置に搬送する搬送手段成分を有する小冊子用の中綴じ機が公知である。この場合、エジェクタ装置は、フォーマットに依存せずに、綴じ機の領域内の搬送手段成分及び小冊子の搬送装置に関して駆動される。この中綴じ機により、デジタル印刷で異なる印刷製品を、即ち特に連続する厚さ及びフォーマットの異なる印刷製品を、改装なしで処理することが可能でないので、正確な周期でオンザフライ処理は可能にされていない。
【0007】
典型的に、これまでは、搬送は、綴じステーションによって駆動されている搬送ベルト(上及び下)によって保証される。搬送ベルトの異なる速度は、バリエータによって達成される。これは手で、レバーによって、又はモータによって調整することができる。
【0008】
この技術的解決策の問題点は、以下の通りである:
-正確に再現可能でない調整及び機能に起因した必要なユーザーの介入。
-速度は、搬送経路全体を通して一定であり、これは、しばしば印刷製品の表面上の搬送痕又は小冊子の背の変形を生じさせることがある。
-綴じステーションへの搬送ベルトの機械的な連結により(綴じステーションが回転すると、搬送ベルトも回転する)、印刷製品の位置(切断器の入口までの距離)の修正が可能でない。
-正確な周期の適用は可能でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許出願公開第1593526号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服し、周期毎に変化する製品厚さを処理することができる印刷製品用の中綴じ機を提供することであり、この調整は、操作中及び2つの綴じ過程の間の厚さ変化に動的に行なわれ得る。加えて、配送装置内の印刷製品が異なるストリップ速度によって惹起されて損傷を受けることが、有効に防止されるべきである。下及び/又は上の搬送ベルトのそれぞれの速度の制御は、正確な周期かつオンザフライで可能にされているべきである。異なる厚さ及び/又は異なるフォーマットの印刷製品は、確実にかつ慎重に搬送されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、請求項1の特徴を有する印刷製品用の中綴じ機によって解決される。
【0012】
下の搬送ベルト7が制御可能な専用駆動装置10を備え、上の搬送ベルト8が制御可能な専用駆動装置11を備え、制御装置4が少なくとも専用駆動装置10,11を別々に制御し、周期の正確な制御が、主に製品流内のそれぞれの印刷製品の厚さ及びフォーマットに調整可能であること、が発明に重要である。
【0013】
制御装置4は、この用途のために通常の制御装置であり、少なくとも1つの通常のマイクロプロセッサを備え、このマイクロプロセッサは、これに関して通常のソフトウエアを使用して、特に異なる測定データを処理し、従ってやり方が通常の制御を、制御可能な電気モータ式の駆動装置、即ち専用駆動装置10,11のような制御可能な電気部品によって実現することを可能にする。
【0014】
綴じステーション/切断搬送部と比較して搬送ベルト7,8のそれに関する遅延及び/又は加速により、同期された引渡しが保証される。制御装置4は、MISからの又は独自の指示データシステムからの指示データ、例えば個々の折丁のフォーマットデータ、切断された幅及び長さのような小冊子のフォーマットデータ、及び印刷製品用の指示を実現し得るために必要とされる多くの別のデータを含むデータにアクセスすることができる。これらのデータは、国際標準規格、例えばCIP4に基づく。
【0015】
制御装置4は、付加的又は選択的に、現在の製品プロセスの測定データから正確な周期で発生されたデータにアクセスすることができる。この場合、制御装置は、例えば個々の折丁のデータ及び/又は小冊子厚さからのようなデータを発生させ得る。さらに、制御装置は、機械の速度、生産ステータス情報等のような機械データも検知する。これら値に基づいて、制御装置4のソフトウエアは、特に搬送ベルト7,8の速度を計算する。
【0016】
本発明による中綴じ機によって、印刷製品毎(周期毎)に変化する製品厚さ(厚さ可変)を、即ち、デジタル印刷(各印刷製品原本)によって調整される要求を、を処理することができる。
【0017】
本発明は、特に、配送装置を経て小冊子を搬送する下の搬送ベルト7及び/又は上の搬送ベルト8の速度の制御に関する。小冊子は、半径方向に配置された少なくとも1つの転向ローラ9によって垂直軸から水平軸に移動される。小冊子が半径方向の範囲内にある場合は、例えば製品厚さに依存して、上ベルト速度を増減することができる。
【0018】
小冊子が、フォーマットサイズに基づいて計算され得る少なくとも1つの転向ローラ9の半径方向領域外にある場合、再び、下の搬送ベルト7と上の搬送ベルト8との間で同期が行なわれる。移動のシーケンスは、例えば丁合チェーン2の速度、小冊子の厚さ及び小冊子のフォーマットのような種々の要因に依存している。
【0019】
本発明の技術的解決策により、エジェクタ5から配送装置6への小冊子の引渡しを行ない得ることが可能にされており、エジェクタ速度へのベルト速度の適合が可能にされている。更に、切断装置の供給部への移行を最適化するために、小冊子が配送装置から出ることに関係して、ベルト速度の適合を行ない得ることが可能にされている。
【0020】
本発明の別の利点:
・専用駆動装置10,11(サーボモータ)により、各印刷製品のためにオンザフライが可能であること。
・動的に調整可能な上ベルト及び下ベルト速度であること。
・例えばバリエータのような付加的な装置が必要ないので、技術的に簡単な解決策であること。
・専用駆動装置10,11の両モータが等しく最適に負荷を受け得るように、主従の力補償を可能にすること。
・製品厚さが可変である場合の下の搬送ベルト7と上の搬送ベルト8の間の速度補償(製品の厚さに依存して内側は外側とは違う経路をたどる必要があるため)が可能であること。
・丁合チェーン速度あるいは切断器17の入口速度に依存しないこと。
・搬送距離全体にわたって、速度の変更が可能であること。
【0021】
・プロセスの経過
操作中に、下の搬送ベルト7および/又は上の搬送ベルト8は、特に、フォーマットデータ、小冊子厚さ、および機械速度に基づいて、以下の説明に従い、a),b),c)およびd)が操作される。
【0022】
a)速度係数
1.製品厚さは、下の搬送ベルト7と上の搬送ベルト8との間の速度係数を決定する。
2.生産速度が一定の間、全ての駆動装置のトルクが検出される。
3.トルクが期待値から外れると、下の搬送ベルト7と上の搬送ベルト8との間の速度係数が相応に適合される。
【0023】
b)エジェクタから搬送ベルトへの非同期引渡し
1.中綴じ機1の停止時に、停止直前に排出運動が開始され、これにより、印刷製品が停止した又はほぼ停止した搬送ベルト7,8に搬送されることが起こり得る。
2.丁合チェーン1の停止中に印刷製品が正しく配置されたままであることを保証するために、搬送ベルト7,8は、さらに所定の距離を回転する。
3.この距離は、再始動時に補償される。
【0024】
c)エジェクタから搬送ベルトへの同期引渡し#1
1.通常の速度では、印刷製品が配送装置6に同期して移送されるので、搬送ベルト7,8が製品サイクルと同期して回転する。
2.フォトセル、カメラシステムなどのセンサのような光学的な検査装置13によって、配送装置内の位置が検出される。
3.生じ得る目標位置からのずれ(スリップ、機械的調整などによるずれ)は、運転中に補償される。
【0025】
d)搬送ベルト内のエジェクタの同期引渡し#2
1.通常の速度とは違って、印刷製品が同期して配送装置に移送されない速度範囲がある。
2.計算された偏差は、例えば機械的解決策において知られている機能“跛行操作(Hinkebetrieb)”のような搬送ベルト7,8の位置補償によって補償することができる。
3.フォトセル、カメラシステムなどのセンサのような光学的な検査装置13によって、配送装置内の位置が検出される。
4.生じ得る目標位置からのずれ(不正確な計算、スリップ、機械的調整などによるずれ)は、運転中に補償される。
【0026】
従属請求項2~7は、本発明の有利な実施形態を、これらを限定することなく含む。
【0027】
厚さ測定器12が、製品流内で綴じ機3の前に配置されていることが好ましい。
【0028】
下の搬送ベルト7の水平領域に、好ましくは半径から水平領域への移行部に直接的に、制御装置4に伝達される測定信号を発生させる光学的な検査装置13が配置されていることが好ましい。この光学的な検査装置13は、これに関して通常の測定装置、例えば光学センサ、フォトセル又はカメラシステムであり得る。従って、小冊子の変形を検出すること、及び、相応に下及び/又は上の搬送ベルトのベルト速度を適合させることができる。
【0029】
制御装置4は、少なくともMIS14及び/又は厚さ測定器12及び/又は検査装置13のデータから決定される制御データを発生させる又は備えることが好ましい。再調整し得るように、場合によってはMIS14(ジョブマネジメントシステム)からの目標データからの偏差を決定するために、綴じるべき印刷製品の製品暑さは、操作中の製品厚さ測定によって付加的に決定することができる。
【0030】
少なくとも1つのマイクロプロセッサを備える制御装置4が、搬送ベルト7;8の速度を制御するために専用駆動装置10;11のトルク測定データを考慮することが好ましい。個々の専用駆動装置10;11内でのトルクの測定は、搬送ベルト7;8の速度の修正を可能にする。差が、特に製品厚さの情報と組み合わされて、搬送ベルトの速度に影響を与えるために使用される。これにより、印刷製品の上側及び下側への力が搬送経路全体にわたって補償されていることが保証される。
【0031】
専用駆動装置10,11が、少なくともそれぞれ1つの、調整装置を有するサーボモータ又は調整装置を有する非同期モータを備えることが好ましい。
【0032】
本発明の特徴を、以下で、添付図に関連させて説明するが、これら添付図が、それにより本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】中綴じ機の簡略図
図2】丁合チェーン、エジェクタ及び配送装置の概略側面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1による中綴じ機1は、この実施例では、3つのフィーダ15を有し、これらフィーダは、それぞれ1枚の用紙16を丁合チェーン2に引き渡す。このようにして上下に重ねられた用紙16は、共に用紙部分を構成し、これら用紙部分は、綴じ機3を越えて配送装置6まで延在する矢印Pによる搬送方向に搬送される。
【0035】
搬送方向で綴じ機3の後に、小冊子が存在し、この小冊子は、1枚又は複数枚の用紙16からなる。次に、小冊子は、エジェクタ5によって通常のやり方で丁合チェーン2から持ち上げられ、配送装置6に引き渡される。小冊子は、配送装置6から切断器17に引き渡される。
【0036】
印刷製品用の中綴じ機1は、少なくとも、丁合チェーン2、綴じ機3、制御装置4、エジェクタ5及び配送装置6を備える。
【0037】
配送装置6は、少なくとも1つの下の搬送ベルト7及び上の搬送ベルト8と、下の搬送ベルト7用の少なくとも1つの転向ローラ9を備え、図2には、模範的に3つの転向ローラ9が図示されている。下の搬送ベルト7は、制御可能な専用駆動装置10を備え、上の搬送ベルト8は、制御可能な専用駆動装置11を備える。制御装置4は、専用駆動装置10,11を別々に制御することができる。厚さ測定器12(図1)は、製品流内で綴じ機3の前に配置され、この厚さ測定器は、通常のやり方で測定データを制御装置4に伝達する。
【0038】
図2は、丁合チェーン2、エジェクタ5及び配送装置6の概略側面図を示す。配送装置6は、少なくとも1つの下の搬送ベルト7及び上の搬送ベルト8と、下の搬送ベルト7用の少なくとも1つの転向ローラ9を備え、図2には、模範的に3つの転向ローラ9が図示されている。配送装置6は、入口ローラ18及び駆動ローラ19のような、従来技術から公知の別のアッセンブリを備える。下の搬送ベルト7は、制御可能な専用駆動装置10を備え、上の搬送ベルト8は、制御可能な専用駆動装置11を備える。入口ローラ18の間のギャップは、例えば製品厚さに依存して変更可能であり得る。
【0039】
下の搬送ベルト7の水平領域内で、半径から水平領域への移行部に直接的に、制御装置4に伝達される測定信号を発生させる光学的な検査装置13が配置されている。
【0040】
制御装置4は、専用駆動装置10,11を別々に制御する。制御装置4は、この用途のために通常の制御装置であり、少なくとも1つの通常のマイクロプロセッサを備え、このμプロセッサは、特に異なる測定データを処理し、これにより、制御可能な電気モータ式の専用駆動装置10,11のような制御可能な電気部品のやり方が通常の制御を実現することを、これに関して通常のソフトウエアを使用して可能にする。制御装置14は、コントローラ4は、MIS14からの又は独自の指示データシステムからの指示データ、例えば個々の折丁のフォーマットデータ、切断された幅及び長さのような小冊子のフォーマットデータ、及び印刷製品用の指示を実現し得るために必要とされる多くの別のデータを含むデータにアクセスする。
【0041】
制御装置4は、付加的又は選択的に、厚さ測定器12(図1)から伝達されるような、現在の製品プロセスの測定データから正確な周期で発生されたデータにアクセスすることができる。制御装置4は、付加的又は選択的に、搬送ベルト7;8の速度を制御するために専用駆動装置10,11のトルク測定データにアクセスし、これらトルク測定データを考慮することができる。制御可能な専用駆動装置10,11は、少なくともそれぞれ1つの、通常の調整装置を有するサーボモータを備える。これら専用駆動装置10,11は、通常のやり方で駆動ローラ19を可変に駆動する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.少なくとも、丁合チェーン(2)、綴じ機(3)、制御装置(4)、エジェクタ(5)及び配送装置(6)のアッセンブリを備え、配送装置(6)が、少なくとも1つの下の搬送ベルト(7)及び上の搬送ベルト(8)と、下の搬送ベルト(7)用の少なくとも1つの転向ローラ(9)を備え、この少なくとも1つの転向ローラ(9)が、半径内に配置されている、印刷製品用の中綴じ機(1)において、
下の搬送ベルト(7)が制御可能な専用駆動装置(10)を備え、上の搬送ベルト(8)が制御可能な専用駆動装置(11)を備え、制御装置(4)が少なくとも専用駆動装置(10,11)を別々に制御し、周期の正確な制御が、主に製品流内のそれぞれの印刷製品の厚さ及びフォーマットに調整可能であること、を特徴とする中綴じ機。
2.厚さ測定器(12)が、製品流内で綴じ機(3)の前に配置されていること、を特徴とする上記1に記載の中綴じ機。
3.下の搬送ベルト(7)の水平領域に、好ましくは半径から水平領域への移行部に直接的に、制御装置(4)に伝達される測定信号を発生させる光学的な検査装置(13)が配置されていること、を特徴とする上記1又は2に記載の中綴じ機。
4.制御装置(4)が、少なくともMIS(14)及び/又は厚さ測定器(12)及び/又は検査装置(13)のデータから決定される制御データを発生させる又は備えること、を特徴とする上記1~3のいずれか1項に記載の中綴じ機。
5.少なくとも1つのマイクロプロセッサを備える制御装置(4)が、搬送ベルト(7;8)の速度を制御するために専用駆動装置(10;11)のトルク測定データを考慮すること、を特徴とする上記1~4のいずれか1項に記載の中綴じ機。
6.専用駆動装置(10,11)が、少なくともそれぞれ1つの、調整装置を有するサーボモータ又は調整装置を有する非同期モータを備えること、を特徴とする上記1~5のいずれか1項に記載の中綴じ機。
7.制御装置(4)が、搬送ベルト(7,8)の速度を制御するために少なくとも2つの転向ローラ(9)からのトルク測定データを考慮すること、を特徴とする上記1~6のいずれか1項に記載の中綴じ機。
8.デジタル印刷のための、上記1~7の少なくとも1項に記載の印刷製品用の中綴じ機(1)の使用。
図1
図2