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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】電磁流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/58 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
G01F1/58 J
G01F1/58 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019207803
(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公開番号】P2021081267
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 修
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 広行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幹也
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-158585(JP,A)
【文献】特開2018-077118(JP,A)
【文献】特開2019-158584(JP,A)
【文献】実開平05-015490(JP,U)
【文献】特開平11-345910(JP,A)
【文献】特開2009-250733(JP,A)
【文献】特開2004-138457(JP,A)
【文献】国際公開第2015/041049(WO,A1)
【文献】中国実用新案第209296062(CN,U)
【文献】子安修,進化するモバイル電子機器用コネクタ,フジクラ技報,日本,株式会社フジクラ,2012年12月,第123号,pp.59-62,https://fujikura.co.jp/rd/gihou/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/58-1/60,
H05K 5/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象となる流体が流れる測定管と、
前記測定管を通るように磁気回路を形成する励磁コイルと、
前記測定管に設けられた一対の面電極と、
前記測定管が貫通して前記測定管の長手方向とは交差する方向に延びるプリアンプ基板と、
前記プリアンプ基板の前記面電極に近接する一方の面に実装され、前記一対の面電極に電気的に接続されたプリアンプ回路と、
前記プリアンプ基板に設けられて前記プリアンプ回路に電気的に接続された第1のコネクタと、
前記一対の面電極および前記プリアンプ回路を覆うシールドケースと、
前記プリアンプ回路に電気的に接続される第1の電気回路を有し、前記測定管の長手方向に延びて一端部が前記プリアンプ基板の近傍に位置付けられたメイン基板と、
前記メイン基板の前記一端部に設けられて前記第1の電気回路に電気的に接続され、前記第1のコネクタに着脱可能に構成された第2のコネクタとを備え、
前記プリアンプ回路と前記第1の電気回路とが前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを介して電気的に接続され
前記メイン基板は、前記励磁コイルに電気的に接続される第2の電気回路を有し、
前記励磁コイルは、コイルボビンに巻回されて保持され、
前記コイルボビンは、前記測定管の長手方向とは交差する方向に突出して前記メイン基板に向けて延びるリードピンを有し、
前記リードピンの基部は、前記励磁コイルに電気的に接続され、
前記リードピンの突出側端部は、前記メイン基板を厚み方向に横切って前記第2の電気回路に電気的に接続されていることを特徴とする電磁流量計。
【請求項2】
請求項1記載の電磁流量計において、
前記メイン基板における、前記リードピンが厚み方向に横切る部分は、前記メイン基板の端面に開口する端面スルーホールによって構成されていることを特徴とする電磁流量計。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の電磁流量計において、
さらに、前記測定管と、前記励磁コイルと、前記プリアンプ基板とを収容する有底角筒状のケースを備え、
前記メイン基板は、前記ケースの開口部を塞ぐように配置され、
前記リードピンは、前記ケースの開口縁から前記ケースの外に突出するように形成されていることを特徴とする電磁流量計。
【請求項4】
請求項1請求項3のいずれか一つに記載の電磁流量計において、
さらに、
前記測定管における、前記一対の面電極より前記プリアンプ基板とは反対側に設けられた導電率測定用の面電極と、
前記測定管が貫通して前記測定管の長手方向とは交差する方向に延び、前記導電率測定用の面電極より前記プリアンプ基板とは反対側に位置付けられた導電率測定用基板と、
前記導電率測定用基板における、前記導電率測定用の面電極に近接する一方の面に実装され、前記導電率測定用の面電極に電気的に接続された導電率測定回路と、
前記導電率測定用基板に設けられて前記導電率測定回路に電気的に接続された第3のコネクタと、
前記メイン基板に設けられ、前記導電率測定回路に電気的に接続される第3の電気回路と、
前記メイン基板の他端部に設けられて前記第3の電気回路に電気的に接続され、前記第3のコネクタに着脱可能に構成された第4のコネクタとを備え、
前記導電率測定回路と前記第3の電気回路とが前記第3のコネクタと前記第4のコネクタとを介して電気的に接続されていることを特徴とする電磁流量計。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一つに記載の電磁流量計において、
前記プリアンプ回路と前記第1のコネクタとを電気的に接続する接続部は、
前記プリアンプ基板の前記一方の面に沿って延びる配線パターンを含み、
前記配線パターンは、前記シールドケースのプリアンプ基板側端部に形成された切り欠きの中を通ってシールドケースの内側から外側に延びていることを特徴とする電磁流量計。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか一つに記載の電磁流量計において、
前記プリアンプ回路と前記第1のコネクタとを電気的に接続する接続部は、
前記シールドケースの内側で前記プリアンプ基板の前記一方の面に沿って延びる第1の配線パターン部と、
前記第1の配線パターン部の先端に接続され、前記シールドケースの内側で前記プリアンプ基板を貫通するビア・ホール部と、
前記プリアンプ基板の他方の面に沿って延び、一端が前記ビア・ホール部に接続されるとともに他端が前記第1のコネクタに接続された第2の配線パターン部とを有していることを特徴とする電磁流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定管内を流れる流体の流量を計測する電磁流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているような、FA(Factory Automation)市場向けの小型の容量式電磁流量計が実用化されている。特許文献1に記載されている電磁流量計は図19および図20に示すように構成され、特許文献2に記載されている電磁流量計は図21に示すように構成されている。図19図21において、符号1は箱状のケース本体を示し、2はケース上蓋、3は測定管、4,5は検出電極、6は励磁コイル、7はプリアンプ基板、8はメイン基板、9はシールドケースを示す。特許文献1に示す電磁流量計のメイン基板8は、制御基板8aと励磁基板8bとによって構成されている。
【0003】
容量式電磁流量計においては、被検出流体と検出電極4,5とが非接触となるように構成されていることから、被検出流体と検出電極4,5との間のインピーダンスが非常に高くなる。このため、特許文献1や特許文献2に示す電磁流量計においては、測定管3の近傍でノイズ対策が施されている。測定管3には一対の検出電極4,5が設けられている。これらの検出電極4,5には、それぞれプリアンプ回路が接続されている。プリアンプ回路は、検出電極4,5毎に設けられたプリアンプ基板7に設けられている。これらのプリアンプ基板7は、検出電極4,5の直近に配置され、検出電極4,5とともにシールドケース9によって覆われている。このような構成を採ることにより、検出電極4,5およびプリアンプ回路に外部ノイズが重畳することを防止することができる。
【0004】
プリアンプ基板7とメイン基板8(信号増幅回路の後段であって、特許文献1記載の電磁流量計においては制御基板8a)との電気接続本数は、最低でも3本(電源、信号、コモン)×2枚分が必要となり、つまり計6本の電気配線が必要となる。
励磁コイル6は、検出電極4,5間に発生する起電力が最大となるような適切な位置に、2個(特許文献1)ないし1個(特許文献2)が配置されている。この励磁コイル6は、ヨーク10およびボビン11を介してケース本体1に固定されている。この場合、励磁コイル6とメイン基板8の励磁回路(特許文献1記載の電磁流量計においては励磁基板8bの励磁回路)との電気接続本数は、4本(特許文献1)ないし2本(特許文献2)が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-202662号公報
【文献】特開2016-188843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に示す電磁流量計において、プリアンプ基板7と励磁コイル6は、測定管3を中心として測定管3の周囲のそれぞれ離れた位置に配置され、しかも、それぞれ測定管3を指向するように配置されている。このため、プリアンプ基板7と励磁コイル6とをメイン基板8(信号増幅回路、励磁回路、演算回路、電源回路など)に電気的に接続するためには、リード線を使う必要があった。すなわち、プリアンプ基板7と励磁コイル6とをメイン基板8にリード線を使用せずに直接接続することは不可能である。また、プリアンプ基板7は、全体がシールドケース9で覆われているため、シールドケース9の開口部からリード線を引き出す必要がある。さらに、シールドケース9の開口部から外部ノイズが入ることを防ぐために、配線作業が終了した後に非磁性かつ導電性のテープを使用してシールドケース9の開口部を塞ぐ必要があった。
【0007】
メイン基板8は、ケース上蓋2側に固定されており、組立時の作業性を考慮すると、リード線の長さに余裕をもたせておく必要がある。リード線の余裕分は、ケース上蓋2をケース本体1に組み付けることによりケース本体1内でたわんで不特定の位置に配置される。このため、励磁コイル6側のリード線がプリアンプ基板7側のリード線やメイン基板8上の部品と接近し、励磁コイル6で発生するノイズが流量信号に重畳したり、メイン基板8上の他の回路の動作に悪影響を及ぼすおそれがあった。しかし、ケース上蓋2をケース本体1に組み付けた後は、ケース本体1内のリード線の状態を目視でチェックすることはできない。このため、これらのリード線は、シールド線やツイストペア線などとコネクタとを組み合わせ、それぞれ予め専用のワイヤーハーネス化したものを使用し、互いが接近しても影響しないようにする必要があった。特許文献2に示す電磁流量計においては、メイン基板8とプリアンプ基板7側とを接続するに当たってワイヤハーネス12が用いられている。このようにリード線をワイヤハーネス化すると製造コストが高くなる。
【0008】
本発明の目的は、プリアンプ基板とメイン基板とを電気的に接続する導通部にワイヤハーネスを使用することなく、励磁コイルで生じるノイズの影響を受け難い電磁流量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明に係る電磁流量計は、測定対象となる流体が流れる測定管と、前記測定管を通るように磁気回路を形成する励磁コイルと、前記測定管に設けられた一対の面電極と、前記測定管が貫通して前記測定管の長手方向とは交差する方向に延びるプリアンプ基板と、前記プリアンプ基板の前記面電極に近接する一方の面に実装され、前記一対の面電極に電気的に接続されたプリアンプ回路と、前記プリアンプ基板に設けられて前記プリアンプ回路に電気的に接続された第1のコネクタと、前記一対の面電極および前記プリアンプ回路を覆うシールドケースと、前記プリアンプ回路に電気的に接続される第1の電気回路を有し、前記測定管の長手方向に延びて一端部が前記プリアンプ基板の近傍に位置付けられたメイン基板と、前記メイン基板の前記一端部に設けられて前記第1の電気回路に電気的に接続され、前記第1のコネクタに着脱可能に構成された第2のコネクタとを備え、前記プリアンプ回路と前記第1の電気回路とが前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを介して電気的に接続されているものである。
【0010】
本発明は、前記電磁流量計において、前記メイン基板は、前記励磁コイルに電気的に接続される第2の電気回路を有し、前記励磁コイルは、コイルボビンに巻回されて保持され、前記コイルボビンは、前記測定管の長手方向とは交差する方向に突出して前記メイン基板に向けて延びるリードピンを有し、前記リードピンの基部は、前記励磁コイルに電気的に接続され、前記リードピンの突出側端部は、前記メイン基板を厚み方向に横切って前記第2の電気回路に電気的に接続されていてもよい。
【0011】
本発明は、前記電磁流量計において、前記メイン基板における、前記リードピンが厚み方向に横切る部分は、前記メイン基板の端面に開口する端面スルーホールによって構成されていてもよい。
【0012】
本発明は、前記電磁流量計において、さらに、前記測定管と、前記励磁コイルと、前記プリアンプ基板とを収容する有底角筒状のケースを備え、前記メイン基板は、前記ケースの開口部を塞ぐように配置され、前記リードピンは、前記ケースの開口縁から前記ケースの外に突出するように形成されていてもよい。
【0013】
本発明は、前記電磁流量計において、さらに、前記測定管における、前記一対の面電極より前記プリアンプ基板とは反対側に設けられた導電率測定用の面電極と、前記測定管が貫通して前記測定管の長手方向とは交差する方向に延び、前記導電率測定用の面電極より前記プリアンプ基板とは反対側に位置付けられた導電率測定用基板と、前記導電率測定用基板における、前記導電率測定用の面電極に近接する一方の面に実装され、前記導電率測定用の面電極に電気的に接続された導電率測定回路と、前記導電率測定用基板に設けられて前記導電率測定回路に電気的に接続された第3のコネクタと、前記メイン基板に設けられ、前記導電率測定回路に電気的に接続される第3の電気回路と、前記メイン基板の他端部に設けられて前記第3の電気回路に電気的に接続され、前記第3のコネクタに着脱可能に構成された第4のコネクタとを備え、前記導電率測定回路と前記第3の電気回路とが前記第3のコネクタと前記第4のコネクタとを介して電気的に接続されていてもよい。
【0014】
本発明は、前記電磁流量計において、前記プリアンプ回路と前記第1のコネクタとを電気的に接続する接続部は、前記プリアンプ基板の前記一方の面に沿って延びる配線パターンを含み、前記配線パターンは、前記シールドケースのプリアンプ基板側端部に形成された切り欠きの中を通って前記シールドケースの内側から外側に延びていてもよい。
【0015】
本発明は、前記電磁流量計において、前記プリアンプ回路と前記第1のコネクタとを電気的に接続する接続部は、前記シールドケースの内側で前記プリアンプ基板の前記一方の面に沿って延びる第1の配線パターン部と、前記第1の配線パターン部の先端に接続され、前記シールドケースの内側で前記プリアンプ基板を貫通するビア・ホール部と、前記プリアンプ基板の他方の面に沿って延び、一端が前記ビア・ホール部に接続されるとともに他端が前記第1のコネクタに接続された第2の配線パターン部とを有していてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プリアンプ回路とメイン基板の第1の電気回路とを電気的に接続するにあたってリード線が不要になる。このため、プリアンプ回路とメイン基板とを電気的に接続する導通部を励磁コイルの導通部から容易に離間させることができる。したがって、プリアンプ基板とメイン基板とを接続する導通部にワイヤハーネスを使用することなく、励磁コイルで生じるノイズの影響を受け難い電磁流量計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施の形態にかかる電磁流量計の構成を示す断面図である。
図2】第1の実施の形態にかかる電磁流量計のケース部分の上面図である。
図3】第1の実施の形態にかかる電磁流量計の回路構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施の形態にかかる電磁流量計の断面斜視図である。
図5】第1の実施の形態にかかる電磁流量計の組立図である。
図6】第1の実施の形態にかかる検出器を示す上面図である。
図7】第1の実施の形態にかかる検出器を示す側面図である。
図8】第1の実施の形態にかかる検出器を示す正面図である。
図9】プリアンプを用いた差動増幅回路の構成例を説明する図である。
図10図8におけるプリアンプ基板のX-X線断面図である。
図11】メイン基板の上面図である。
図12】第2の実施の形態にかかる検出器を示す正面図である。
図13図12におけるプリアンプ基板とシールドケースのXIII-XIII線断面図である。
図14】第3の実施の形態にかかるメイン基板の上面図である。
図15】第3の実施の形態にかかるメイン基板とリードピンの一部を破断して示す斜視図である。
図16】第4の実施の形態にかかる電磁流量計の構成を示す断面図である。
図17】導電率測定用の電気回路の構成を説明する図である。
図18】第5の実施の形態にかかる電磁流量計の構成を示す断面図である。
図19】従来の電磁流量計の構成を説明するための側方から見た断面図である。
図20】従来の電磁流量計の構成を説明するための正面から見た断面図である。
図21】従来の電磁流量計の構成を説明するための正面から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電磁流量計21について説明する。この電磁流量計21は、有底角筒状のケース22に後述する各種の部品を取付けて構成されている。ケース22の開口部22aは、蓋体23によって閉塞される。ケース22内に設けられる部品としては、詳細は後述するが、ケース22の一端側から他端側に延びる測定管24と、測定管24の両側方に配置された一対の励磁コイル25,26と、測定管24が貫通するプリアンプ基板27と、ケース22の開口部22aに取付けられたメイン基板28などである。
【0019】
測定管24の上流側端部(図1においては左側の端部)は、第1の継手29を介してケース22に支持されている。測定管24の下流側端部は、第2の継手30を介してケース22に支持されている。測定管24内には、測定対象としての流体が上流端側から下流端側に向けて流される。プリアンプ基板27とメイン基板28とは、後述する第1および第2のコネクタ31,32を介して電気的に接続されている。また、プリアンプ基板27とメイン基板28とには、図3に示すような電気回路が設けられている。
【0020】
図3は、第1の実施の形態にかかる電磁流量計21の回路構成を示すブロック図である。以下においては、測定管24内を流れる測定対象としての流体に一対の検出電極が直接接液しない容量式電磁流量計を例として説明するが、これに限定されるものではなく、検出電極が流体と直接接液する接液式の電磁流量計であっても、本発明を同様に適用できる。
図3に示すように、容量式電磁流量計21は、主な回路部として、検出部41、信号増幅回路42、信号検出回路43、励磁回路44、導電率(電気伝導率)測定用の電気回路45、伝送回路46、設定・表示回路47、および演算処理回路(CPU)48を備えている。
【0021】
検出部41は、主な構成として、測定管24、測定管24を通るように磁気回路を形成する励磁コイル25,26、一対の面電極51,61、およびプリアンプ71を備え、測定管24内の流路24aを流れる流体の流速に応じた起電力Va,Vbを面電極51,61で検出し、これら起電力Va,Vbに応じた交流の検出信号Vinを出力する機能を有している。
【0022】
演算処理回路48の励磁制御部48Aは、予め設定されている励磁周期に基づいて、励磁電流Iexの極性を切り替えるための励磁制御信号Vexを出力する。励磁回路44は、演算処理回路48の励磁制御部48Aからの励磁制御信号Vexに基づいて、交流の励磁電流Iexを励磁コイル25,26へ供給する。
信号増幅回路42は、検出部41から出力された検出信号Vinに含まれるノイズ成分をフィルタリングした後、増幅して得られた交流の流量信号VFを出力する。信号検出回路43は、信号増幅回路42からの流量信号VFをサンプルホールドし、得られた直流電圧を流量振幅値DFにA/D変換して、演算処理回路48へ出力する。
【0023】
演算処理回路48の流量算出部48Bは、信号検出回路43からの流量振幅値DFに基づいて流体の流量を算出し、流量計測結果を伝送回路46へ出力する。伝送回路46は、伝送路Lを介して上位装置との間でデータ伝送を行うことにより、演算処理回路48で得られた流量計測結果や空状態判定結果を上位装置へ送信する。
【0024】
導電率測定用の電気回路45は、例えば第1の継手29を介して測定管24内を流れる流体をコモン電位Vcomとした状態で、導電率測定用の面電極72に抵抗素子を介して交流信号を印加し、そのときの導電率測定用の面電極72に発生する交流検出信号の振幅をサンプリングし、A/D変換して得られた交流振幅値データDPを演算処理回路48へ出力する回路である。
【0025】
演算処理回路48の導電率算出部48Cは、導電率測定用の電気回路45からの交流振幅値データDPに基づいて、流体の電気伝導率を算出する機能を有している。
演算処理回路48の空状態判定部48Dは、導電率算出部48Cで算出された流体の電気伝導率に基づいて、測定管24内における流体の存在有無を判定する機能を有している。
通常、流体の電気伝導率は、空気の電気伝導率より大きい。このため、空状態判定部48Dは、導電率算出部48Cで算出された流体の電気伝導率を、閾値処理することにより、流体の存在有無を判定している。
【0026】
設定・表示回路47は、例えば作業者の操作入力を検出して、流量計測、伝導率測定、空状態判定などの各種動作を演算処理回路48へ出力し、演算処理回路48から出力された、流量計測結果や空状態判定結果をLEDやLCDなどの表示回路で表示する。
【0027】
演算処理回路48は、CPUとその周辺回路を備え、予め設定されているプログラムをCPUで実行することにより、ハードウェアとソフトウェアを協働させることにより、励磁制御部48A、流量算出部48B、導電率算出部48C、空状態判定部48Dなどの各種処理部を実現する。
【0028】
図3に示す回路のうち、検出部41のプリアンプ71は、後述するプリアンプ基板27に実装されている。信号増幅回路42と、信号検出回路43と、励磁回路44と、導電率測定用の電気回路45と、伝送回路46と、設定・表示回路47と、演算処理回路48は、後述するメイン基板28に実装されている。プリアンプ71と信号増幅回路42との電気的接続は、プリアンプ基板27に設けられた第1のコネクタ31と、メイン基板28に設けられた第2のコネクタ32とを用いて行われている。また、励磁回路44と励磁コイル25,26との電気的接続は、後述する複数のリードピン73を用いて行われている。
【0029】
[測定管の取付構造]
次に、図1図2および図4を参照して、測定管24の取付構造について詳細に説明する。図2は、第1の実施の形態にかかる電磁流量計21の上面図である。図4は、第1の実施の形態にかかる電磁流量計21の断面斜視図である。
【0030】
本実施の形態は、プリアンプ基板27に設けた管孔27aに測定管24を挿入し、このプリアンプ基板27の側端部27b,27cを、ケース22の内壁部22bに形成したガイド部74,75に嵌合するよう、ケース22の開口部22aから挿入することにより、プリアンプ基板27をケース22に保持させて測定管24をケース22に取り付けるようにしたものである。
【0031】
測定管24は、セラミックや樹脂などの絶縁性および誘電性に優れた材料によって円筒状に形成されている。測定管24の外側には、図2に示すように、ヨーク76と、一対の励磁コイル25,26とが設けられている。ヨーク76は、測定管24の長手方向(第1の方向)Xに対して磁束方向(第2の方向)Yが直交するよう、ケース22の開口に向けて開放される断面略C字形状に形成されている。一対の励磁コイル25,26は、それぞれコイルボビン77に巻回されて保持されており、測定管24を挟んで対向するようにヨーク76に取付けられている。なお、以下においては、図を見易くするため、対向するヨーク76の端面だけ、すなわちヨーク面76A、76Bだけを図示する。
【0032】
一方、測定管24の外周面24bには、長手方向Xおよび磁束方向(第2の方向)Yと直交する電極方向(第3の方向)Zに、薄膜導体からなる一対の面電極(第1の面電極)51と面電極(第2の面電極)61が対向配置されている。
これにより、交流の励磁電流Iexを励磁コイル25,26に供給すると、励磁コイル25,26の中央に位置するヨーク面76A,76B間に磁束Φが発生して、流路24aを流れる流体に、電極方向Zに沿って流体の流速に応じた振幅を持つ交流の起電力が発生し、この起電力が、流体と面電極51,61との間の静電容量を介して面電極51,61で検出される。
【0033】
ケース22は、上方に開口部22aを有し、内部に測定管24や励磁コイル25,26およびプリアンプ基板27などを収容する有底角筒状(箱状)の樹脂、または金属筐体から構成されている。ケース22の内壁部のうち長手方向Xと平行する一対の内壁部22bには、図2に示すように、互いに対向する位置にガイド部74,75が形成されている。ガイド部74,75は、それぞれ電極方向Zと平行して形成された2つの突条74a,74b,75a,75bからなり、これら突条の間の嵌合部78,79が、開口部22aから挿入されたプリアンプ基板27の側端部27b,27cと嵌合する。
【0034】
なお、ガイド部74,75の突条74a,74b,75a,75bは、電極方向Zに連続して形成されている必要はなく、側端部27b,27cがスムーズに挿入される間隔で、複数に分離して形成してもよい。また、ガイド部74,75は、突条ではなく、内壁部22bに形成されて、プリアンプ基板27の側端部27b,27cが挿入される溝であってもよい。
【0035】
ケース22の側面のうち磁束方向Yと平行になる一対の側面22cには、電磁流量計21の外部に設けられる配管(図示せず)と測定管24とを連結可能な、金属材料(例えば、SUS)から構成された管状の第1および第2の継手29,30が配設されている。この際、測定管24は、長手方向Xに沿ってケース22の内部に収納され、測定管24の両端部には、Oリング81を挟んで第1の継手29と第2の継手30とがそれぞれ連結される。
【0036】
ここで、第1および第2の継手29,30のうちの少なくとも一方は、コモン電極82(図3参照)として機能する。例えば、第1の継手29は、コモン電位Vcomに接続されることにより、外部の配管と測定管24とを連結するだけでなく、コモン電極82としても機能する。
このように、コモン電極82を金属からなる第1の継手29によって実現することにより、コモン電極82の流体と接触する面積が広くなる。これにより、コモン電極82に異物の付着や腐食が生じた場合であっても、異物の付着や腐食が生じた部分の面積がコモン電極82の全面積に対して相対的に小さくなるため、分極容量の変化による測定誤差を抑えることが可能となる。
【0037】
図5は、第1の実施の形態にかかる電磁流量計21の組立図である。
プリアンプ基板27は、回路部品を実装するための一般的なプリント基板(例えば、板厚1.6mmのガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板)であり、図5に示すように、ほぼ中央位置に、測定管24を貫通させるための管孔27aが形成されている。したがって、プリアンプ基板27は、測定管24が貫通して測定管24の長手方向とは交差する方向に延びることになる。
メイン基板28は、プリアンプ基板27と同等のプリント基板であり、図1に示すように、測定管24の長手方向に延びて一端部がプリアンプ基板27の近傍に位置付けられるようにケース22の開口部22aに取付けられている。この実施の形態によるメイン基板28は、ケース22の開口部22aを覆うように配置されている。メイン基板28は、ケース22の4隅部分に設けられた取付座83に固定用ボルト84によって固定されている。
【0038】
図6は、電磁流量計21において流量を測定する部分である検出器の上面図である。図7は、第1の実施の形態にかかる検出器を示す側面図である。図8は、第1の実施の形態にかかる検出器を示す正面図である。
流体と面電極51,61との間の静電容量は数pF程度と非常に小さく、流体と面電極51,61との間のインピーダンスが高くなるため、ノイズの影響を受けやすくなる。このため、オペアンプICなどを用いたプリアンプ71により、面電極51,61で得られた起電力Va,Vbを低インピーダンス化している。プリアンプ71は、プリアンプ基板27における面電極51,61と近接する一方の面に実装されている。
【0039】
本実施の形態では、測定管24と交差する方向であって、励磁コイル25,26のヨーク面76A,76B間で磁束Φが発生する領域すなわち磁束領域Fの外側位置に、プリアンプ基板27を測定管24に取り付けてプリアンプ71を実装し、面電極51,61とプリアンプ71とを、接続配線52,62を介して電気的に接続している。
【0040】
図6図8の例において、プリアンプ基板27の取付位置は、長手方向X(矢印方向)に流れる流体の下流方向に、磁束領域Fから離間した位置である。また、プリアンプ基板27の取付方向は、前述したように、基板面が測定管24と交差する方向、ここでは、磁束方向Yおよび電極方向Zからなる2次元平面に沿った方向である。なお、プリアンプ基板27の取付位置は、磁束領域Fの外側位置であればよく、磁束領域Fから下流方向とは反対の上流方向に離間した位置であってもよい。また、プリアンプ基板27の取付方向は、上記2次元平面に沿った方向に厳密に限定されるものではなく、上記2次元平面と傾きを持っていてもよい。
【0041】
また、面電極51,61、接続配線52,62、および、プリアンプ71は、接地電位に接続された金属板からなるシールドケース85で電気的にシールドされている。シールドケース85は、長手方向Xに沿って伸延する断面略矩形状をなし、図1に示すように、測定管24が内側を貫通するための開口部が、磁束領域Fから上流方向と下流方向に設けられている。シールドケース85のプリアンプ基板27に近接する一端は、プリアンプ基板27に接触する状態で固定されている。
【0042】
これにより、インピーダンスの高い回路部分全体がシールドケース85でシールドされることにより、外部ノイズの影響を抑制される。この実施の形態においては、プリアンプ基板27のうちプリアンプ基板27の他方の面(実装面とは反対側の面)に、接地電位に接続された接地パターン(べたパターン)からなるシールドパターン86が形成されている。これにより、シールドケース85を構成する平面のうち、プリアンプ基板27と当接する平面はすべて開口していてもよく、シールドケース85の構造を簡素化できる。
【0043】
接続配線52,62は、面電極51,61とプリアンプ71とを接続する配線であり、前述したように全体がシールドケース85でシールドされているため、一般的な一対の配線ケーブルを用いてもよい。この際、配線ケーブルの両端を、面電極51,61とプリアンプ基板27に形成したパッドにそれぞれ半田付けすればよい。
本実施の形態では、図6図8に示すように、接続配線52,62として、測定管24の外周面24bに形成した管側配線パターン53,63を用いるようにしたものである。
【0044】
すなわち、接続配線52は、外周面24bに形成されて一端が面電極51に接続された管側配線パターン53と、プリアンプ基板27に形成されて一端がプリアンプ71に接続された基板側配線パターン54と、管側配線パターン53と基板側配線パターン54とを接続するジャンパー線55とから構成されている。ジャンパー線55は、管側配線パターン53の他端に形成されたパッド53aと、基板側配線パターン54の他端に形成されたパッド54aとに半田付けされる。
【0045】
また、接続配線62は、外周面24bに形成されて一端が面電極61に接続された管側配線パターン63と、プリアンプ基板27に形成されて一端がプリアンプ71に接続された基板側配線パターン64と、管側配線パターン63と基板側配線パターン64とを接続するジャンパー線65とから構成されている。ジャンパー線65は、管側配線パターン63の他端に形成されたパッド63aと、基板側配線パターン64の他端に形成されたパッド64aとに半田付けされる。
【0046】
これにより、接続配線52,62のうち、面電極51,61からプリアンプ基板27の近傍位置までの区間で、外周面24bに形成された管側配線パターン53,63が用いられることになる。このため、前述した一対の配線ケーブルを用いる場合のように、配線ケーブルの取り回しや固定などの取付作業を簡素化でき、接続配線のコストおよび配線作業負担が軽減される。
【0047】
さらに、面電極51,61と管側配線パターン53,63とは、銅などの非磁性金属薄膜からなり、測定管24の外周面24bにメタライズ処理により一体で形成されるため、製造工程を簡素化することができ、製造コストの低減にもつながる。なお、前述のメタライズ処理は、メッキ処理や、蒸着処理などであってもよく、さらには、予め成型しておいた非磁性金属薄膜体を貼り付けてもよい。非磁性金属薄膜体を貼り付ける場合、ジャンパー線55,65は使用せず、非磁性金属薄膜体の先端部(管側配線パターン53、63の他端側)をパッド54a,64aにそれぞれ直接接続することができる。
【0048】
また、図6および図7に示すように、管側配線パターン53は、測定管24の外周面24bに長手方向Xに沿って直線状に形成された長手方向配線パターン56を含み、管側配線パターン63は、測定管24の外周面24bに長手方向Xに沿って直線状に形成された長手方向配線パターン66を含んでいる。
【0049】
接続配線52,62の一部は、磁束領域Fの内側あるいはその近傍に配置されるため、接続配線52,62として一対の配線ケーブルを用いた場合には、磁束方向Yから見た両配線間の位置ズレにより信号ループが形成されてしまい、磁束微分ノイズが発生する要因となる。本実施の形態のように、測定管24の外周面24bに形成した配線パターンを用いれば、接続配線52,62の位置を正確に固定化することができる。このため、磁束方向Yから見た両配線間の位置ズレを回避でき、磁束微分ノイズの発生を容易に抑制することができる。
【0050】
さらに、図6および図7に示すように、管側配線パターン53は、面電極51のうち、長手方向Xに沿った第1の端部51aから長手方向配線パターン56の一端まで、測定管24の外周面24bに測定管24の周方向Wに沿って形成された周方向配線パターン57を含んでいる。
また、管側配線パターン63は、面電極61のうち、長手方向Xに沿った第2の端部61aから長手方向配線パターン66の一端まで、測定管24の外周面24bに測定管24の周方向Wに沿って形成された周方向配線パターン67を含んでいる。
【0051】
この際、長手方向配線パターン66は、測定管24を挟んで長手方向配線パターン56とは反対側の外周面24bのうち、磁束方向Yから見て長手方向配線パターン56と重なる位置に形成されている。すなわち、外周面24bのうち、管軸Jを通過する電極方向Zに沿った平面を挟んで対称となる位置に、長手方向配線パターン56,66が形成されている。
【0052】
図6および図7の例では、磁束方向Yに沿って測定管24の管軸Jを通過する平面が外周面24bと交差する交差線JA,JB上に、長手方向配線パターン56,66がそれぞれ形成されている。また、周方向配線パターン57の一端は、面電極51の第1の端部51aのうち、長手方向Xにおける面電極51の中央位置に接続されている。同じく、周方向配線パターン67の一端は、面電極61の第2の端部61aのうち、長手方向Xにおける面電極61の中央位置に接続されている。
【0053】
これにより、長手方向配線パターン56,66が、磁束方向Yから見て重なる位置に形成されているため信号ループの形成を正確に回避することができ、磁束微分ノイズの発生を容易に抑制することができる。
なお、周方向配線パターン57,67と面電極51,61との接続点は、管軸Jを挟んで対称となる位置、すなわち面電極51,61の長手方向Xにおいて互いに同じ位置で接続しておけば、面電極51,61の中央位置でなくてもよい。
【0054】
また、交差線JA,JB上に長手方向配線パターン56,66を形成することにより、周方向配線パターン57,67の長さが等しくなって、管側配線パターン53,63全体の長さが等しくなるため、管側配線パターン53,63の長さの違いに起因して発生する、面電極51,61からの起電力Va,Vbの位相差や振幅などのアンバランスを抑制できる。なお、計測精度上、これらアンバランスが無視できる程度であれば、長手方向配線パターン56,66は、交差線JA,JB上でなくてもよく、磁束方向Yから見て重なる位置に形成されていればよい。
【0055】
図9は、プリアンプ71を用いた差動増幅回路91の構成例である。この実施の形態においては、この差動増幅回路91が本発明でいう「プリアンプ回路」に相当する。図9に示すように、プリアンプ71は、面電極51,61からの起電力Va,Vbをそれぞれ個別に低インピーダンス化して出力する2つのオペアンプUA,UBを備えている。これらオペアンプUA,UBは、同じICパッケージ内に封止されている(デュアルオペアンプ)。また、これらは、入力されたVa,Vbを差動増幅し、得られた差動出力を検出信号Vinとして出力する。
【0056】
具体的には、UAの非反転入力端子(+)にVaが入力され、UBの非反転入力端子(+)にVbが入力されている。また、UAの反転入力端子(-)は、抵抗素子R1を介してUAの出力端子に接続されており、UBの反転入力端子(-)は、抵抗素子R2を介してUBの出力端子に接続されている。そして、UAの反転入力端子(-)は、抵抗素子R3を介してUBの反転入力端子(-)に接続されている。この際、R1,R2の値を等しくすることによりUA,UBの増幅率は一致する。これらR1,R2の値とR3の値によって増幅率が決定される。
【0057】
面電極51,61からの起電力Va,Vbは、互いに逆相を示す信号であるため、UA,UBを用いてこのような差動増幅回路91をプリアンプ基板27上で構成することにより、励磁コイル25,26や測定管24から熱の影響を受けてVa,Vbに温度ドリフトが発生したとしても、Va,Vbが差動増幅される。これにより、検出信号Vinにおいて、これら同相の温度ドリフトはキャンセルされるとともに、Va,Vbが加算されることになり、良好なS/N比を得ることができる。
【0058】
プリアンプ71には、図9に示すように、面電極51,61からの入力となる基板側配線パターン54,64の他に、電源、信号1、信号2およびコモン(回路GND)などの4本の配線が接続される。これらの4本の配線は、プリアンプ基板27に設けられた第1のコネクタ31に接続されている。4本の配線のうち、コモンの配線は、プリアンプ基板27のシールドパターン86を介して第1のコネクタ31に接続されている。その他の3本の配線は、図8に示すように、プリアンプ基板27の一方の面(プリアンプ71が実装されている面)に沿って延びる出力配線パターン92として形成され、第1のコネクタ31に接続されている。
すなわち、差動増幅回路91(プリアンプ回路)と、プリアンプ71の出力先である第1のコネクタ31とを電気的に接続する接続部は、プリアンプ基板27の一方の面に沿って延びる出力配線パターン92と、プリアンプ基板27の他方の面に形成されたシールドパターン86とによって構成されている。
【0059】
第1のコネクタ31は、いわゆる雌型のコネクタで、詳細には図示してはいないが、ケース22の開口方向(図8においては上方)に向けて開口し、内部に複数の雌型の接触端子を有している。第1のコネクタ31にはメイン基板28の第2のコネクタ32(図1参照)が接続される。第2のコネクタ32は、いわゆる雄型のコネクタで、詳細には図示してはいないが、第1のコネクタ31の雌型の接触端子に嵌合して電気的に接続される雄型の接触端子を有している。
【0060】
第2のコネクタ32は、メイン基板28の信号増幅回路42に電気的に接続されている。この実施の形態においては、信号増幅回路42が本発明でいう「第1の電気回路」に相当する。このため、第1のコネクタ31に第2のコネクタ32が接続されることにより、プリアンプ71の差動増幅回路91(プリアンプ回路)が信号増幅回路42に電気的に接続されることになる。第2のコネクタ32は、プリアンプ基板27が取付けられている状態のケース22にメイン基板28を取り付けることによって、プリアンプ基板27の第1のコネクタ31に接続される。
【0061】
プリアンプ基板27上をプリアンプ71から第1のコネクタ31まで延びる出力配線パターン92は、図8に示すように、プリアンプ71からケース22の開口方向に向けて延び、さらにプリアンプ基板27の側方に向けて延びている。出力配線パターン92における、ケース22の開口方向に向けて延びる部分は、シールドケース85に接触することを防ぐために、図10に示すように、シールドケース85に形成されている切り欠き93の中を通ってシールドケース85の内側から外側に延びている。切り欠き93は、シールドケース85のプリアンプ基板側端部に形成されている。出力配線パターン92の厚みtは数十μm程度であり、幅Wは0.3mm程度であるので、切り欠きの大きさは、0.5mm×3mm程度であれば十分である。この程度の隙間であれば、電磁流量計21の流量計測に影響のない数十GHz以上のノイズしか外部からシールドケース85内に侵入しないため、外来ノイズの問題が生じるようなことはない。このことは、シールドケース85の切り欠き93を導電性テープで塞ぐ必要はないことを意味する。
【0062】
メイン基板28の励磁回路44と励磁コイル25,26とを電気的に接続する複数のリードピン73は、図1図2および図5に示すように、コイルボビン77におけるケース22の内壁部22bと隣り合う側部77a,77bに2本ずつ立設されている。リードピン73は、直線上に延びた形状の導体からなるピンで、コイルボビン77から測定管24の長手方向とは交差する方向に突出してメイン基板28に向けて延びている。コイルボビン77の一方の側部77aに取付けられた2本のリードピン73の基部は、励磁コイル25の両端に電気的に接続されている。他の2本のリードピン73の基部は、励磁コイル26の両端に電気的に接続されている。
【0063】
これらのリードピン73の突出側端部は、メイン基板28の貫通穴94(図11参照)に挿入され、メイン基板28を厚み方向に横切っている。貫通穴94の周囲には半田付け用のランド95が設けられている。このランド95は、図示してはいないが、メイン基板28に形成された配線パターンを介して励磁回路44に電気的に接続されている。このため、リードピン73が貫通穴94に通されてランド95に半田付けされることにより、励磁コイル25,26がリードピン73と、ランド95およびメイン基板28上の配線パターンとを介して励磁回路44に電気的に接続される。この実施の形態においては、励磁回路44が本発明でいう「第2の電気回路」に相当する。なお、リードピン73をメイン基板28に接続するに当たっては、いわゆる圧入方式を採ることができる。この場合は、貫通穴94の穴壁面をランド95に導通された導体からなる膜で覆い、貫通穴94の穴径をリードピン73の外径より僅かに小さく形成する。この貫通穴94にリードピン73を圧入することにより、リードピン73がランド95に電気的に接続される。この圧入による接続構造を採ることにより、半田付け作業が不要になる。
【0064】
リードピン73は、図1に示すように、コイルボビン77に取付けられている状態において、先端部がケース22の開口縁22dからケース22の外に突出するように形成されている。この構成を採ることにより、リードピン73をメイン基板28の貫通穴94に通す作業を容易に行うことができる。すなわち、メイン基板28をケース22の開口縁22dに接近させた状態でメイン基板28とケース22との間に例えばピンセットのようなツールを挿入し、このツールでリードピン73の先端部を挟んで貫通穴94に導くことができる。
【0065】
[第1の実施の形態の効果]
このように構成された電磁流量計21においては、プリアンプ71の差動増幅回路91(プリアンプ回路)とメイン基板28の信号増幅回路42(第1の電気回路)とを電気的に接続するにあたってリード線が不要になる。したがって、差動増幅回路91とメイン基板28とを電気的に接続する導通部を励磁コイル25,26の導通部から容易に離間させることができ、この差動増幅回路側の導通部が励磁コイル25,26で生じるノイズの影響を受け難くなる。この結果、プリアンプ71の出力側と信号増幅回路42とを接続するに当たって、専用のワイヤハーネスは不要になる。
【0066】
この実施の形態による励磁コイル25,26は、リードピン73を介してメイン基板28の励磁回路44に電気的に接続されている。リードピン73は、コイルボビン77からメイン基板28に向けて延び、メイン基板28の貫通穴94に通されてランド95に半田付けされている。このため、励磁コイル25,26と励磁回路44とを接続するに当たってリード線が不要になり、差動増幅回路91(プリアンプ回路)や他の回路に影響を及ぼすことがない。この結果、励磁コイル25,26と励磁回路44とを接続するに当たって、専用のワイヤハーネスは不要になる。この実施の形態においては、プリアンプ71側と励磁コイル25,26との両方でリード線が不要であるから、励磁コイル25,26で生じるノイズの影響を受けることがない電磁流量計が得られる。
【0067】
リードピン73と第1および第2のコネクタ31,32とは、測定管24の長手方向において離れた位置に設けられている。このため、信号増幅回路42が励磁回路44側のノイズの影響を受けることがない。
【0068】
この実施の形態によるリードピン73は、ケース22の開口縁22dからケース22の外に突出するように形成されている。このため、リードピン73の先端部を目視しながらメイン基板28の貫通穴94に導くことができる。したがって、リードピン73をメイン基板28に接続する作業を容易に行うことができる。
【0069】
リードピン73の先端部がメイン基板28に接続されることにより、リードピン73と、コイルボビン77と、ヨーク76とを介してメイン基板28の中央部がケース22に固定される。ケース22の中央部には、コイルボビン77が配置されているためにメイン基板28を固定するための取付座を設けることができない。このため、メイン基板28を固定用ボルト84でケース22に固定するためには、メイン基板28の4つの角部でしか行うことができない。しかし、この実施の形態においては、メイン基板28の中央部をリードピン73によって支持することができる。このため、メイン基板28を強固に支持することができるようになり、メイン基板28がケース22に対して振動することを防止することができる。この結果、ケース22に外部から振動が伝達されたときに第1および第2のコネクタ31,32が接触不良を起こすことがない。
【0070】
この実施の形態による出力配線パターン92は、シールドケース85の切り欠き93の中を通ってシールドケース85の内側から外側に延びている。出力配線パターン92を通すことができる切り欠き93は、流量計測に影響ない数十GHz以上のノイズしか通さないから、切り欠き93に導電性テープを貼り付けてシールドする必要はない。したがって、この実施の形態によれば、導電性テープを使用する場合と較べて組み立て工数が少なくなるから、組立てが容易な電磁流量計を提供することができる。
【0071】
[第2の実施の形態]
差動増幅回路91(プリアンプ回路)と、プリアンプ71の出力先である第1のコネクタ31とを電気的に接続する接続部は、図12および図13に示すように構成することができる。図12および図13において、図1図11によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。この実施の形態において、プリアンプ71に接続された信号1、信号2および電源の3本の信号線は、後述する3つの配線部からなる出力配線パターン101として構成されている。
【0072】
第1の配線部は、図12に示すように、シールドケース85の内側でプリアンプ基板27の一方の面(プリアンプ71が実装されている面)に沿って延びる第1の配線パターン部101aである。第2の配線部は、図13に示すように、第1の配線パターン部101aの先端に接続され、シールドケース85の内側でプリアンプ基板27を貫通するビア・ホール部101bである。第3の配線部は、プリアンプ基板27の他方の面(シールドパターン86が形成されている面)に沿って延び、一端が前記ビア・ホール部101bに接続されるとともに他端が第1のコネクタ31に接続された第2の配線パターン部101cである。シールドパターン86には、第2の配線パターン部101cに沿って延びる絶縁用の隙間86aが形成されている。
このように第2の配線パターン部101cがプリアンプ基板27の他方の面に沿って延びる構成を採ることにより、シールドケース85を配線パターンが横切ることがなくなり、図10に示したような切り欠き93をシールドケース85に形成する必要がなくなる。
【0073】
この構成を採る場合、第2の配線パターン部101cおよび隙間86aが形成される部分だけシールドパターン86が無くなるが、図12に示すように、プリアンプ基板27を正面から見てシールドケース85内に位置する第2の配線パターン部101cの長さは数mm以下である。しかも、第2の配線パターン部101cは、差動増幅回路91の入力側となる基板側配線パターン54,64とは十分に離間している位置にある。このため、第2の配線パターン部101cが形成されている部分でシール機能が得られなくても、電磁流量計21の流量計測に影響ない数十GHz以上のノイズしか外部からシールドケース85内に侵入しないために、問題が生じるようなことはない。
【0074】
[第3の実施の形態]
リードピン73がメイン基板28を厚み方向に横切る部分は、図14および図15に示すように構成することができる。図14および図15において、図1図11によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図14に示すメイン基板28の端部には端面スルーホール111が形成されている。端面スルーホール111は、図15に示すように、メイン基板28の端面28aの一部を断面U字状に部分的に凹ませたような形状に形成されている。
【0075】
端面スルーホール111の凹部は、リードピン73を挿入できる大きさに形成されている。また、端面スルーホール111の凹部の壁面111aと、メイン基板28の主面28b側に位置する開口縁111bとには、導体からなる膜112が形成されている。図15においては、膜112が形成されている範囲にハッチングを施してある。リードピン73は、端面スルーホール111内に挿入されて膜112に半田付けされることによって、端面スルーホール111に電気的に接続される。
この構成を採ることにより、リードピン73をメイン基板28の貫通穴94に挿通させる必要がなくなるので、メイン基板28をケース22に取付けるときのリードピン73の位置合わせが容易になり、組立作業の作業性が向上する。
【0076】
[第4の実施の形態]
本発明にかかる電磁流量計は、図16および図17に示すように構成することができる。図16および図17において、図1図11によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。図16に示す電磁流量計121は、測定管24の上流側端部によって貫通される導電率測定回路基板122を備えている。この実施の形態においては、この導電率測定回路基板122が本発明でいう「導電率測定用基板」に相当する。
【0077】
導電率測定回路基板122は、プリアンプ基板27と同等の構造のもので、ほぼ中央位置に、測定管24を貫通させるための管孔122aが形成されている。この導電率測定回路基板122は、導電率測定用の面電極72よりプリアンプ基板27とは反対側に位置付けられており、プリアンプ基板27と同一の保持構造によってケース22に保持されている。すなわち、この実施の形態によるケース22の内壁部22bには、ガイド部74,75が導電率測定回路基板122と対応する位置に設けられている。なお、ガイド部74は図16には図示されていない。このため、この導電率測定回路基板122も測定管24が貫通する状態で測定管24の長手方向とは交差する方向に延びている。
【0078】
導電率測定用の面電極72は、測定管24における、流量測定用の一対の面電極51,61よりプリアンプ基板27とは反対側(上流側)に設けられている。
導電率測定回路基板122における、導電率測定用の面電極72に近接する一方の面には、導電率測定用の電気回路45の一部が設けられている。
この実施の形態による導電率測定用の電気回路45は、図17に示すように、主な回路部として、メイン基板28に実装されたクロック信号生成回路131およびA/D変換器132と、導電率測定回路基板122に実装された導電率測定回路133とを備えている。
これらの回路のうち、メイン基板28側の回路と、導電率測定回路基板122側の導電率測定回路133とは、導電率測定回路基板122に設けられた第3のコネクタ134と、メイン基板28に設けられた第4のコネクタ135とを介して電気的に接続されている。この実施の形態においては、メイン基板28側に設けられているクロック信号生成回路131とA/D変換器132とが本発明でいう「導電率測定回路に電気的に接続される第3の電気回路」に相当する。
【0079】
第3のコネクタ134と第4のコネクタ135は、上述した第1および第2のコネクタ31,32と同等のものである。第3のコネクタ134は、導電率測定回路基板122における、ケース22の開口側の端部に設けられて導電率測定回路133に電気的に接続されている。第4のコネクタ135は、メイン基板28の他端部(プリアンプ基板27とは反対側の端部)に設けられ、第3のコネクタ134に着脱可能に構成されている。この第4のコネクタ135は、メイン基板28をケース22に取付けることによって第3のコネクタ134に接続される。
【0080】
導電率測定用の電気回路45においては、演算処理回路48の導電率算出部48Cから出力されたクロック信号CLK0に基づいて、クロック信号生成回路131により、3つのクロック信号CLK1,CLKp,CLKnが生成される。
導電率測定回路133は、CLK1に基づいてスイッチSWvを切り替えることにより、電圧VPの振幅を持つ交流信号を生成し、抵抗素子RPを介して導電率測定用の面電極72に印加する。
【0081】
そのときの導電率測定用の面電極72に発生する検出信号Vpを、導電率測定回路133の増幅器AMPで増幅した後、CLKp,CLKnに基づいてスイッチSWp,SWnを制御することにより、Vpのハイレベルとローレベルをサンプリングして、A/D変換器132でそれぞれA/D変換し、得られた検出データDPを演算処理回路48へ出力する。導電率算出部48Cは、導電率測定用の電気回路45からの検出データDPが示すVpの振幅電圧に基づいて、流体の電気伝導率を算出する。
【0082】
この際、導電率測定用の面電極72のインピーダンスは非常に高く、ノイズの影響を受けやすいため、導電率測定回路133をなるべく導電率測定用の面電極72の近くに配置するのが望ましい。本実施の形態は、このような観点から、導電率測定回路基板122に導電率測定回路133を搭載するようにしたものである。
【0083】
導電率測定回路133には、図17に示すように、電源と、信号3、信号4およびコモン(回路GND)などの4本の配線が接続される。これらの4本の配線は、第3のコネクタ134に接続されている。これらの4本の配線のうち、電源と、信号3および信号4の配線は、導電率測定回路基板122の一方の面に沿って延びる導電率測定用の配線パターン136(図16参照)として形成されている。コモンの配線は、導電率測定回路基板122の他方の面に形成されたべたパターンからなるシールドパターン137を介して第3のコネクタ134に接続されている。
【0084】
導電率測定回路133と導電率測定用の面電極72との接続は、ジャンパー線138を介して行ったり、図示してはいないが、導電率測定用の面電極72に接続された配線パターンを導電率測定回路基板122に沿わせて導電率測定回路133に半田付けすることによっても行うことができる。これにより、導電率測定用の面電極72と導電率測定回路133との接続配線の長さを大幅に短くできるとともに、検出信号Vpを増幅器AMPで低インピーダンス化できるため、ノイズの影響を低減することができる。
【0085】
測定管24に導電率測定用の面電極72が設けられると、測定管24の全長が相対的に長くなってケース22およびメイン基板28が測定管24の長手方向に大きくなる。メイン基板28をケース22に固定するための固定用ボルト84は、メイン基板28の4つの角部にしか設けることができない。このため、メイン基板28が測定管24の長手方向に大型化すると、メイン基板28がケース22に対して振動し易くなる。しかし、この実施の形態によれば、メイン基板28の中央部がリードピン73、コイルボビン77およびヨーク76を介してケース22に支持されるから、ケース22に対するメイン基板28の振動が抑制される。したがって、外部からの振動によりケース22が振動したとしても、第1~第4のコネクタ135が接触不良を起こすことはない。
【0086】
[第5の実施の形態]
上述した各実施の形態においては1枚のメイン基板28に流量測定用の電気回路および励磁回路44を設ける例を示した。しかし、メイン基板28は、図18に示すように構成することができる。図18において、図1図11によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図18に示すメイン基板141は、ケース22の開口部22aを塞ぐようにケース22に取付けられた第1の基板142と、蓋体23の内部で第1の基板142に所定の間隔をおいて対向するように配置された第2の基板143とに分けて構成することができる。
【0087】
第1の基板142には励磁回路44と第2のコネクタ32とが設けられ、第2の基板143には流量測定用の電気回路144が設けられている。ここでいう流量測定用の電気回路144とは、図3に示す信号増幅回路42、信号検出回路43、導電率測定用の電気回路45、伝送回路46、設定・表示回路47、演算処理回路48などである。
励磁回路44は、第1の基板142を横切るリードピン73に電気的に接続されている。流量測定用の電気回路144は、第2のコネクタ32にリード線145を介して電気的に接続されている。
この実施の形態を採ることにより、流量測定用の電気回路144が励磁回路44から測定管24の長手方向Xと電極方向Zとに離間するようになるから、励磁回路44側のノイズの影響をさらに受け難くすることができる。
【符号の説明】
【0088】
22…ケース、24…測定管、25,26…励磁コイル、27…プリアンプ基板、28…メイン基板、31…第1のコネクタ、32…第2のコネクタ、42…信号増幅回路(第1の電気回路)、44…励磁回路(第2の電気回路)、51,61…面電極、71…プリアンプ、72…導電率測定用の面電極、73…リードピン、77…コイルボビン、85…シールドケース、92…出力配線パターン、93…切り欠き、101a…第1の配線パターン部、101b…ビア・ホール部、101c…第2の配線パターン部、111…端面スルーホール、122…導電率測定回路基板(導電率測定用基板)、131…クロック信号生成回路(第3の電気回路)、132…A/D変換器(第3の電気回路)、133…導電率測定回路、134…第3のコネクタ、135…第4のコネクタ。
図1
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