(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】作業機械および作業機械の制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20230926BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
E02F9/20 M
E02F9/26 A
(21)【出願番号】P 2019218013
(22)【出願日】2019-12-02
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根田 知樹
(72)【発明者】
【氏名】草香 孝二
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-145754(JP,A)
【文献】特開平04-344427(JP,A)
【文献】特開2018-188831(JP,A)
【文献】特許第5406223(JP,B2)
【文献】特開2016-003462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケットおよびブームを含む作業機と、
前記作業機を搭載し、旋回動作を行う旋回体とを備え、
前記作業機は、
前記ブームを駆動するブームシリンダと、
前記ブームシリンダの圧力を検出するセンサとを含み、
掘削後、排土前の期間における
前記センサにより検出される圧力の変化量が所定の閾値以上である前記ブームの上下方向の動きが大きい第1動作と、
前記センサにより検出される圧力の変化量が前記所定の閾値未満である前記ブームの上下方向の動きが小さい第2動作とを設定する第1動作設定部と、
前記作業機および前記旋回体の少なくとも一方を制御して前記第1動作および第2動作を実行する第1動作制御部と、
前記第2動作の期間にバケット内部の荷重を計測する荷重計測処理部とを備え、
前記第1動作設定部は、
前記旋回体の旋回開始地点と旋回終了地点と前記旋回体の旋回速度とに基づいて前記旋回体の第1旋回目標期間を算出し、
前記第1旋回目標期間が所定期間以上であるか否かを判断し、
前記第1旋回目標期間が前記所定期間以上である場合には、少なくとも前記所定期間以上の間に前記バケット内部の荷重を計測するために前記第2動作を実行するように前記第1および第2動作を設定する、作業機械。
【請求項2】
前記第1動作設定部は、
前記第1旋回目標期間が前記所定期間以上でない場合には、前記第1旋回目標期間が前記所定期間以上となるように前記旋回体の旋回速度を調整する、請求項1記載の作業機械。
【請求項3】
前記第1動作設定部は、
前記作業機の速度に基づいて前記バケットを排土開始の際の高さに移動する第1設定期間を算出し、
前記第1旋回目標期間から前記第1設定期間を減算した前記バケット内部の荷重を計測することが可能な第1計測可能期間が前記所定期間以上であるか否かを判断し、
前記第1計測可能期間が前記所定期間以上である場合には、前記第1設定期間を前記第1動作の実行期間に設定し、前記第1計測可能期間を前記第2動作の実行期間に設定する、請求項1記載の作業機械。
【請求項4】
前記第1動作設定部は、
前記第1計測可能期間が前記所定期間以上でない場合には、前記第1計測可能期間が前記所定期間以上となるように前記第1動作中の前記ブームの上昇速度を調整する、請求項3記載の作業機械。
【請求項5】
前記第1動作設定部は、前記第1計測可能期間が前記所定期間以上でない場合には、前記第1計測可能期間が前記所定期間以上となるように前記第1動作
として前記旋回体の旋回動作の開始前に前記作業機を制御して前記バケットの高さを調整する旋回前準備処理の実行を設定する、請求項3記載の作業機械。
【請求項6】
排土後、掘削前の期間における前記センサにより検出される圧力の変化量が所定の閾値以上である前記ブームの上下方向の動きが大きい第3動作と、前記センサにより検出される圧力の変化量が前記所定の閾値未満である前記ブームの上下方向の動きが小さい第4動作とを設定する第2動作設定部と、
前記作業機および前記旋回体の少なくとも一方を制御して前記第3動作および第4動作を実行する第2動作制御部とをさらに備え、
前記第2動作設定部は、
前記旋回体の旋回開始地点と旋回終了地点と前記旋回体の旋回速度とに基づいて前記旋回体の第2旋回目標期間を算出し、
前記第2旋回目標期間が前記所定期間以上である場合には、少なくとも前記所定期間以上の間に前記バケット内部の荷重を計測するために前記第4動作を実行するように前記第3および第4動作を実行するように設定する、請求項
1記載の作業機械。
【請求項7】
前記荷重計測処理部は、前記バケットの高さが所定値以上に到達した場合に前記バケット内部の荷重を計測する、請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項8】
前記荷重計測処理部は、前記センサにより検出される圧力の変化量が所定の閾値以下となった場合に前記バケット内部の荷重を計測する、請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項9】
前記荷重計測処理部は、前記バケット
が所定位置を通過した場合に前記バケット内部の荷重を計測する、請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項10】
前記荷重計測処理部は、
前記第2動作の期間のうち排土時を基準としてそれよりも前の前記排土前の所定期間の間に前記バケット内部の荷重を計測する、請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項11】
掘削後、排土前の期間におけるバケットおよびブーム、前記ブームを駆動するブームシリンダと、前記ブームシリンダの圧力を検出するセンサとを含む作業機の前記センサにより検出される圧力の変化量が所定の閾値以上である前記ブームの上下方向の動きが大きい第1動作と、前記センサにより検出される圧力の変化量が前記所定の閾値未満である前記ブームの上下方向の動きが小さい第2動作とを設定するステップと、
前記作業機および前記作業機を搭載し、旋回動作を行う旋回体の少なくとも一方を制御して前記第1動作および第2動作を実行するステップと、
前記第2動作の期間にバケット内部の荷重を計測するステップとを備え、
前記第1動作および前記第2動作を設定するステップは、
前記旋回体の旋回開始地点と旋回終了地点と前記旋回体の旋回速度とに基づいて前記旋回体の第1旋回目標期間を算出するステップと、
前記第1旋回目標期間が所定期間以上であるか否かを判断するステップと、
前記第1旋回目標期間が前記所定期間以上である場合には、少なくとも前記所定期間以上の間に前記バケット内部の荷重を計測するために前記第2動作を実行するように前記第1および第2動作を設定するステップとを含む、作業機械の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械および作業機械の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バケット内の荷重を計測することは作業機械の仕事量を知る上で重要である。
【0003】
この点で、特許文献1には、作業機械の油圧シリンダの圧力センサの情報を用いてバケット内の荷重を推定する方式が提案されており、静止状態でバケット内の荷重を推定する方式が提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、静止状態の期間に荷重を推定する場合には、当該期間を確保する必要があるため作業サイクルの期間が長くなる可能性がある。
【0005】
この点で、特許文献2には、作業機械の旋回動作中にバケット内の荷重を推定する方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-48548号公報
【文献】特表11-516755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方で、作業機械の旋回動作中に油圧シリンダの圧力が不安定となる場合があり、その際にバケット内の荷重を推定した場合には、バケット内の荷重を正確に計測することができない。
【0008】
したがって、掘削後、排土前の期間において、油圧シリンダの圧力が安定した状態となるように作業機械の動作を設定することが重要である。
【0009】
本開示の目的は、掘削後、排土前の期間において精度の高いバケット内の荷重の計測が可能な作業機械および作業機械の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示のある局面に従う作業機械は、バケットおよびブームを含む作業機と、作業機を搭載し、旋回動作を行う旋回体と、掘削後、排土前の期間におけるブームの上下方向の動きが大きい第1動作と、ブームの上下方向の動きが小さい第2動作とを設定する第1動作設定部と、作業機および旋回体の少なくとも一方を制御して第1動作および第2動作を実行する第1動作制御部と、第2動作の期間にバケット内部の荷重を計測する荷重計測処理部とを備える。
【0011】
本開示のある局面に従う作業機械の制御方法は、掘削後、排土前の期間におけるバケットおよびブームを含む作業機のブームの上下方向の動きが大きい第1動作と、ブームの上下方向の動きが小さい第2動作とを設定するステップと、作業機および作業機を搭載し、旋回動作を行う旋回体の少なくとも一方を制御して第1動作および第2動作を実行するステップと、第2動作の期間にバケット内部の荷重を計測するステップとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示の作業機械および作業機械の制御方法は、精度の高いバケット内の荷重の計測が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に基づく作業機械100の外観図である。
【
図2】実施形態1に基づく作業機械100を模式的に説明する図である。
【
図3】実施形態1に従うモーメントの釣り合いを説明するための作業機2の模式図である。
【
図4】実施形態1に基づく作業機械100の演算装置31の機能構成を説明するブロック図である。
【
図5】実施形態1に従う作業機械100の掘削後動作の設定を説明する概念図である。
【
図6】実施形態1に従うブームシリンダ10のボトム圧について説明する図である。
【
図7】実施形態1の変形例1に基づく作業機械100の演算装置31#の機能構成を説明するブロック図である。
【
図8】実施形態1の変形例1に従う作業機械100の掘削後動作の設定を説明する概念図である。
【
図9】実施形態1の変形例1に従う掘削後動作設定部60#による掘削後動作の設定フローを説明する図である。
【
図10】実施形態1の変形例2に基づく作業機械100の演算装置31Pの機能構成を説明するブロック図である。
【
図11】実施形態1の変形例2に従う作業機械100の掘削後動作の設定を説明する概念図である。
【
図12】実施形態1の変形例3に基づく作業機械100の演算装置31Qの機能構成を説明するブロック図である。
【
図13】実施形態1の変形例3に従う作業機械100の排土後動作の設定を説明する概念図である。
【
図14】実施形態1の変形例3に従うブームシリンダ10のボトム圧について説明する図である。
【
図15】実施形態2に従う作業機械100の油圧系の構成を説明する図である。
【
図16】実施形態2に基づく作業機械100の演算装置131の機能構成を説明するブロック図である。
【
図17】実施形態2に従う計測期間中のガイダンス画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能の同じである。したがって、それらについての詳細な説明については繰り返さない。
【0015】
(実施形態1)
<作業機械の全体構成>
図1は、実施形態1に基づく作業機械100の外観図である。
【0016】
図1に示されるように、本開示の思想を適用可能な作業機械として油圧により作動する作業機2を備える油圧ショベルを例に挙げて説明する。
【0017】
作業機械100は、車両本体1と、作業機2とを備える。
車両本体1は、旋回体3と、運転室4と、走行装置5とを有する。
【0018】
旋回体3は、走行装置5の上に配置される。走行装置5は、旋回体3を支持する。旋回体3は、旋回軸AXを中心に旋回可能である。運転室4には、オペレータが着座する運転席4Sが設けられる。オペレータは、運転室4において作業機械100を操作する。走行装置5は、一対の履帯5Crを有する。履帯5Crの回転により、作業機械100が走行する。走行装置5は、車輪(タイヤ)で構成されていてもよい。
【0019】
運転席4Sに着座したオペレータを基準として各部の位置関係について説明する。前後方向とは、運転席4Sに着座したオペレータの前後方向をいう。左右方向とは、運転席4Sに着座したオペレータを基準とした左右方向をいう。左右方向は、車両の幅方向(車幅方向)に一致する。運転席4Sに着座したオペレータに正面に正対する方向を前方向とし、前方向とは反対の方向を後方向とする。運転席4Sに着座したオペレータが正面に正対したとき右側、左側をそれぞれ右方向、左方向とする。
【0020】
旋回体3は、エンジンが収容されるエンジンルーム9と、旋回体3の後部に設けられるカウンタウェイトとを有する。旋回体3において、エンジンルーム9の前方に手すり19が設けられる。エンジンルーム9には、エンジン及び油圧ポンプなどが配置されている。
【0021】
作業機2は、旋回体3に搭載されて支持される。作業機2は、ブーム6と、アーム7と、バケット8と、ブームシリンダ10と、アームシリンダ11と、バケットシリンダ12とを有する。
【0022】
ブーム6は、ブームピン13を介して旋回体3に接続される。アーム7は、アームピン14を介してブーム6に接続される。バケット8は、バケットピン15を介してアーム7に接続される。ブームシリンダ10は、ブーム6を駆動する。アームシリンダ11は、アーム7を駆動する。バケットシリンダ12は、バケット8を駆動する。ブーム6の基端部(ブームフート)と旋回体3とが接続される。ブーム6の先端部(ブームトップ)とアーム7の基端部(アームフート)とが接続される。アーム7の先端部(アームトップ)とバケット8の基端部とが接続される。ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12はいずれも、作動油によって駆動される油圧シリンダである。
【0023】
ブーム6は、中心軸であるブームピン13を中心に旋回体3に対して回転可能である。アーム7は、ブームピン13と平行な中心軸であるアームピン14を中心にブーム6に対して回転可能である。バケット8は、ブームピン13およびアームピン14と平行な中心軸であるバケットピン15を中心にアーム7に対して回転可能である。
【0024】
なお、ブーム6、バケット8、作業機2、旋回体3は、本開示の「ブーム」、「バケット」、「作業機」、「旋回体」の一例である。
【0025】
図2は、実施形態1に基づく作業機械100を模式的に説明する図である。
図2には、作業機械100の側面図が示される。
【0026】
ブームシリンダ10のヘッド側には、圧力センサ6aが取り付けられている。圧力センサ6aは、ブームシリンダ10のシリンダヘッド側油室40A(
図3)内の作動油の圧力(ヘッド圧)を検出することができる。ブームシリンダ10のボトム側には、圧力センサ6bが取り付けられている。圧力センサ6bは、ブームシリンダ10のシリンダボトム側油室40B(
図3)内の作動油の圧力(ボトム圧)を検出することができる。
【0027】
ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12のそれぞれには、ストロークセンサ(検知部)7a、7b、7cが取り付けられている。
【0028】
ストロークセンサ7a、7b、7cと、圧力センサ6a、6bとの各々は、コントローラ30の演算装置31に電気的に接続されている。
【0029】
演算装置31は、ブームシリンダ10におけるストロークセンサ7aのセンサ出力に基づいてブーム角A1を算出する。演算装置31は、アームシリンダ11におけるストロークセンサ7bのセンサ出力に基づいてアーム角A2を算出する。演算装置31は、バケットシリンダ12におけるストロークセンサ7cのセンサ出力に基づいてバケット角A3を算出する。なお、本例においては、ストロークセンサ7a、7b、7cのセンサ出力に基づいてブーム角A1、アーム角A2、バケット角A3を算出する場合について説明するが特にこれに限られず、例えばブーム6、アーム7、バケット8に取り付けた慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)を用いてブーム角A1、アーム角A2、バケット角A3を算出することも可能である。
【0030】
これにより、演算装置31は、ブームシリンダ10のヘッド圧およびボトム圧と、ブーム角A1と、アーム角A2と、バケット角A3とを取得する。
【0031】
コントローラ30は、演算装置31だけでなく、記憶部32を有していてもよい。記憶部32には、ブーム6、アーム7、バケット8の重量、形状などを記憶していてもよい。
【0032】
当該情報は、記憶部32に当初から記憶されていてもよく、またオペレータの操作により作業機械100の外部から記憶部32に取り込まれてもよい。
【0033】
コントローラ30(演算装置31)は、ブームシリンダ10の負荷に基づいてバケット8内の現在の荷重値(計算荷重値)Wを演算する機能を有している。具体的には、コントローラ30(演算装置31)は、ブーム6、アーム7およびバケット8のモーメントの釣り合いからバケット8内の現在の荷重値(計算荷重値)Wを演算する。なお、ブームシリンダ10の負荷とは、ブームシリンダ10のヘッド圧およびボトム圧から得られる、いわゆる軸力である。
【0034】
<荷重値Wを演算する方法>
図3は、実施形態1に従うモーメントの釣り合いを説明するための作業機2の模式図である。
【0035】
図3に示されるように、実施形態1においては、ブームピン13回りの各モーメントの釣り合いからバケット8内の現在の荷重値Wが検出される。ここで、ブームピン13回りの各モーメントの釣り合いは以下の式(1)により表される。
【0036】
Mboomcyl=Mboom+Marm+Mbucket+W×L ・・・式(1)
式(1)において、Mboomcylは、ブームシリンダ10のブームピン13回りのモーメントである。Mboomは、ブーム6のブームピン13回りのモーメントである。Marmは、アーム7のブームピン13回りのモーメントである。Mbucketは、バケット8のブームピン13回りのモーメントである。Wは、バケット8内の現在の荷重値である。Lは、ブームピン13からバケットピン15(バケット8がアーム7に支持される部分)までの水平方向の距離である。
【0037】
Mboomcylは、ブームシリンダ10の負荷(ヘッド圧およびボトム圧)から算出される。
【0038】
Mboomは、ブーム6の重心C1の位置およびブームピン13の間の距離r1と、ブーム6の重量M1との積(r1×M1)により算出される。ブーム6の重心C1の位置は、ブーム角A1などから算出される。ブーム6の重量M1などは、記憶部32に記憶されている。
【0039】
Marmは、アーム7の重心C2の位置およびブームピン13の間の距離r2と、アーム7の重量M2との積(r2×M2)により算出される。アーム7の重心C2の位置は、アーム角A2などから算出される。アーム7の重量M2などは、記憶部32に記憶されている。
【0040】
Mbucketは、バケット8の重心C3の位置およびブームピン13の間の距離r3と、バケット8の重量M3との積(r3×M3)により算出される。バケットの重心C3の位置は、バケット角A3などから算出される。バケット8の重量M3などは、記憶部32に記憶されている。
【0041】
一方、圧力センサ6aによりブームシリンダ10のヘッド圧が検出される。圧力センサ6bによりブームシリンダ10のボトム圧が検出される。このブームシリンダ10のヘッド圧とボトム圧とに基づいてブームシリンダ10のブームピン13回りのモーメントMboomcylがコントローラ30などにより算出される。
【0042】
算出されたブーム角A1、アーム角A2、ブーム6の長さおよびアーム7の長さに基づいて、ブームピン13からバケットピン15までの水平方向の距離Lがコントローラ30などにより算出される。
【0043】
上記により算出された各モーメントMboomcyl、Mboom、Marm、Mbucketおよび距離Lを上式(1)に代入することにより、バケット8内の現在の荷重値Wがコントローラ30などにより算出される。
【0044】
上記のように荷重値Wは各シリンダ10、11、12の変位量、ヘッド圧、ボトム圧などを用いて算出される。
【0045】
<演算装置31の機能構成>
図4は、実施形態1に基づく作業機械100の演算装置31の機能構成を説明するブロック図である。
【0046】
図4に示されるように、実施形態1に基づく作業機械100の演算装置31は、上記したように各シリンダ10、11、12の変位量に基づいてブーム角A1、アーム角A2およびバケット角A3を算出し、算出されたブーム角A1、アーム角A2およびバケット角A3に基づいてブーム6、アーム7およびバケット8の位置を特定することが可能となり、自動制御が可能となる。この点で、演算装置31は、掘削動作、掘削後旋回動作、排土動作、排土後旋回動作の一連の処理を繰り返し実行する自動制御処理を実行する。
【0047】
演算装置31は、旋回動作を含め掘削後、排土前の期間の動作を制御する掘削後動作制御部50と、バケット8内部の荷重を計測する荷重計測処理部52と、掘削動作を制御する掘削動作制御部54と、排土動作を制御する排土動作制御部56と、旋回動作を含め排土後、掘削前の期間の動作を制御する排土後動作制御部58と、掘削後の動作を設定する掘削後動作設定部60とを含む。
【0048】
掘削動作制御部54は、作業機2を制御して掘削対象物である土砂等をバケット8を用いて掘削する掘削動作を実行する。掘削動作制御部54は、掘削動作による土砂等をバケット8内に安定的に抱え込むためにバケット8の開口面を水平方向あるいは水平方向に近い方向に設定する。
【0049】
掘削後動作設定部60は、掘削後、排土前の期間において、旋回体3による旋回動作(掘削後旋回動作)および作業機2の少なくとも一方の制御により、掘削動作によりバケット8に抱え込まれた土砂等を排土位置まで移動させる動作を設定する。
【0050】
掘削後動作設定部60は、掘削後、排土前の期間におけるブーム6の上下方向の動きが大きい第1動作と、ブーム6の上下方向の動きが小さい第2動作とを設定する。
【0051】
掘削後動作制御部50は、掘削後、排土前の期間において、掘削後動作設定部60により設定された第1動作および第2動作を実行する。
【0052】
掘削後動作制御部50は、旋回体3による旋回動作(掘削後旋回動作)および作業機2の少なくとも一方の制御により、掘削動作によりバケット8に抱え込まれた土砂等を排土位置まで移動させる。掘削後動作制御部50は、ブーム6の上下方向の動きが大きい第1動作と、ブーム6の上下方向の動きが小さい第2動作とを実行する。
【0053】
排土動作制御部56は、掘削後旋回動作の後、作業機2を制御してバケット8に抱え込まれた土砂等をダンプトラックの荷台に排土する排土動作を実行する。
【0054】
排土後動作制御部58は、排土後、掘削前の期間において、旋回体3による旋回動作(排土後旋回動作)により、排土動作後の空になったバケット8を掘削位置まで移動させる。
【0055】
掘削動作制御部54は、再び作業機2を制御して掘削対象物である土砂等をバケット8を用いて掘削する掘削動作を実行する。以降の動作については、上記と同様であり繰り返し実行する。
【0056】
荷重計測処理部52は、掘削後、排土前の期間における所定期間にバケット8内部の荷重を計測する。荷重計測処理部52は、掘削後、排土前の期間における第2動作の期間にバケット8内部の荷重を計測する。
【0057】
なお、掘削後動作制御部50、荷重計測処理部52、掘削後動作設定部60は、本開示の「第1動作制御部」、「荷重計測処理部」、「第1動作設定部」の一例である。
【0058】
<掘削後動作の設定>
図5は、実施形態1に従う作業機械100の掘削後動作の設定を説明する概念図である。
【0059】
図5に示されるように、作業機械100は、掘削後動作によりバケット8を排土位置に移動させる場合が示されている。ここで、ダンプトラック200が設けられており、作業機械100は、ダンプトラック200の荷台にバケット8で抱え込んだ土砂等を排土する。
【0060】
地点P10は、掘削動作後の掘削終了地点であり、旋回動作を開始する旋回開始地点(Start)である。地点P13は、旋回動作を終了する旋回終了地点(Goal)である。地点P10およびP13は、3次元座標であり記憶部32に予め記憶されている。
【0061】
掘削後動作設定部60は、掘削後、排土前の期間におけるブーム6の上下方向の動きが大きい第1動作と、ブーム6の上下方向の動きが小さい第2動作とを設定する。
【0062】
例えば、掘削後動作設定部60は、ダンプトラック200の荷台に干渉しないように、旋回動作させながらバケット8を旋回開始地点から上昇させて排土開始の際の高さに設定する第1動作と、排土開始の際の高さに設定した後に旋回終了地点に旋回動作させる第2動作とを設定する。
【0063】
地点P12は、旋回動作として第1動作から第2動作に切り替わる地点である。本例においては、荷重計測処理部52は、第2動作の期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行する。
【0064】
掘削後動作設定部60は、地点P10および地点P13に基づいて地点P12を算出し、地点P10~地点P12までの区間を第1動作、地点P12~地点P13を第2動作に設定する。
【0065】
具体的には、掘削後動作設定部60は、地点P10と地点P13との情報に基づいてバケット8を上昇させる目標バケット高さHAを算出する。
【0066】
掘削後動作設定部60は、作業機2の既定値である上下方向の設定速度に基づいてバケット8を目標バケット高さHA分上昇させる設定期間TBを算出する。記憶部32には、作業機2の既定値である上下方向の設定速度としてブーム6およびアーム7を動作させてバケット8を上昇あるいは下降させる速度が予め記憶されている。また、記憶部32には、旋回速度が予め記憶されている。
【0067】
掘削後動作設定部60は、設定期間TBと旋回速度とに基づいて地点P12を算出する。
【0068】
地点P12は、地点P10の位置から目標バケット高さHA分上昇するとともに、旋回体3の中心軸を基準に設定期間TBと旋回速度とに基づく旋回角β分旋回移動した位置として算出される。
【0069】
掘削後動作設定部60は、バケット8が地点P10~地点P12に到達するまでの設定期間TBについて、旋回体3および作業機2を制御して旋回動作させながらバケット8の高さを設定する第1動作に設定する。
【0070】
掘削後動作設定部60は、バケット8が地点P11~地点P12に到達するまでの設定期間TAについて、旋回体3のみを制御して旋回動作を実行する第2動作に設定する。
【0071】
本例においては、荷重計測処理部52は、第2動作を実行する期間にバケット8内部の荷重を計測する。期間TAは、荷重計測処理部52において、バケット8内部の荷重を計測することが可能な計測可能期間である。
【0072】
図6は、実施形態1に従うブームシリンダ10のボトム圧について説明する図である。
図6に示されるように、掘削動作、掘削後旋回動作、排土動作、排土後旋回動作の一連の処理を繰り返し実行する自動制御処理を実行する場合が示されている。動作中のブーム6の動きに基づいてボトム圧が変動している状態が示されている。
【0073】
掘削後、排土前の期間において、ブーム6の上下方向の動きが大きい第1動作とブーム6の上下方向の動きが小さい第2動作とを含む。第2動作は、ブーム6の上下方向の動きが小さいため計測期間中のボトム圧は安定している。したがって、当該ボトム圧が安定している第2動作期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。なお、本例においては、ブームシリンダ10のボトム圧の状態について説明しているが、ブームシリンダ10のヘッド圧の状態についても同様である。
【0074】
荷重計測処理部52は、バケット8が地点P12に到達した場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行することが可能である。
【0075】
排土開始に近づくほど、すなわち、計測可能期間TAの終わりに近いほど、ブームシリンダのボトム圧は安定しているため高精度の測定が可能である。したがって、計測可能期間TAの終わりに近い所定位置にバケット8が到達した場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしても良い。
【0076】
また、荷重計測処理部52は、圧力センサ6bにより検出されるブームシリンダ10のボトム圧の変化量が所定の閾値以下となった場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしてもよい。なお、圧力センサ6bに限られず圧力センサ6aを用いて、ブームシリンダ10のヘッド圧の変化量が所定の閾値以下となった場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしてもよい。
【0077】
また、荷重計測処理部52は、地点P12に到達した場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行する場合について説明したが、所定位置に限られず、例えばバケット8の高さが所定値以上に到達した場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしてもよい。具体的には、荷重計測処理部52は、バケット8の高さが地点P10の位置から目標バケット高さHA分上昇した場合にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしてもよい。
【0078】
なお、上記においては、掘削後動作設定部60は、掘削後、排土前の期間において、作業機2および旋回体3を制御してバケット8を旋回開始地点から上昇させて排土開始の際の高さに設定する第1動作を実行し、旋回体3のみを制御して第2動作を実行するように設定する場合について説明したが、特にこれに限られない。例えば、掘削後動作設定部60は、掘削後、排土前の期間において、旋回体3のみを制御して第2動作を実行し、作業機2および旋回体3を制御してバケット8を排土開始の際の高さ付近に設定する第1動作を実行するように設定してもよい。
【0079】
(変形例1)
上記の実施形態1においては、荷重計測処理部52は、掘削後、排土前の期間におけるブーム6の上下方向の動きが小さい第2動作の間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行する場合について説明した。
【0080】
この点で、精度の高い計測を実行するためには計測可能期間TAが所定期間以上あることが望ましい。
【0081】
図7は、実施形態1の変形例1に基づく作業機械100の演算装置31#の機能構成を説明するブロック図である。
【0082】
図7を参照して、演算装置31#は、
図4で説明した演算装置31と比較して、掘削後動作設定部60を掘削後動作設定部60#に置換した点が異なる。その他の構成については
図4で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0083】
掘削後動作設定部60#は、旋回目標期間算出部64と、設定部66とを含む。
旋回目標期間算出部64は、旋回体3の旋回開始地点と旋回終了地点と旋回体3の旋回速度とに基づいて旋回体3の第1旋回目標期間を算出する。
【0084】
設定部66は、第1旋回目標期間が所定期間以上であるか否かを判断する。設定部66は、第1旋回目標期間が所定期間以上である場合には、少なくとも所定期間以上の間にバケット8内部の荷重を計測するために第2動作を実行するように第1および第2動作を設定する。設定部66は、第1旋回目標期間が所定期間以上でない場合には、バケット8内部の荷重を計測するために所定期間以上の間、第2動作を実行するように第1および第2動作を設定する。
【0085】
掘削後動作設定部60#は、旋回体3の旋回開始地点と旋回終了地点と旋回体3の旋回速度とに基づいて旋回体3の第1旋回目標期間を算出する。掘削後動作設定部60#は、第1旋回目標期間が所定期間以上であるか否かを判断する。掘削後動作設定部60#は、第1旋回目標期間が所定期間以上である場合には、少なくとも所定期間以上の間にバケット8内部の荷重を計測するために第2動作を実行するように第1および第2動作を設定する。
【0086】
<掘削後動作の設定>
図8は、実施形態1の変形例1に従う作業機械100の掘削後動作の設定を説明する概念図である。
【0087】
図8に示されるように、基本的には
図5で説明したのと同様である。
作業機械100は、掘削後動作によりバケット8を排土位置に移動させる場合が示されている。ここで、ダンプトラック200が設けられており、作業機械100は、ダンプトラック200の荷台にバケット8で抱え込んだ土砂等を排土する。
【0088】
例えば、掘削後動作設定部60#は、ダンプトラック200の荷台に干渉しないように、バケット8を旋回開始地点から上昇させて排土開始の際の高さに設定する第1動作と、排土開始の際の高さに設定した後に旋回終了地点に旋回動作させる第2動作とを設定する。
【0089】
旋回目標期間算出部64は、地点P10と地点P13と旋回体3の中心軸に基づいて旋回角αを算出する。
【0090】
旋回目標期間算出部64は、旋回角αおよび旋回速度に基づいて旋回体3を旋回開始地点から旋回終了地点まで旋回させる第1旋回目標期間Tを算出する。
【0091】
設定部66は、第1旋回目標期間Tが所定期間Tp以上であるか否かを判断する。設定部66は、第1旋回目標期間Tが所定期間Tp以上である場合には、少なくとも所定期間Tp以上の間にバケット8内部の荷重を計測するために第2動作を実行するように第1および第2動作を設定する。設定部66は、第1旋回目標期間Tが所定期間Tp以上でない場合には、バケット8内部の荷重を計測するために所定期間Tp以上の間、第2動作を実行するように第1および第2動作を設定する。
【0092】
本例においては、一例として第1旋回目標期間Tが所定期間Tp以上である場合について説明する。
【0093】
設定部66は、一例として第1旋回目標期間Tから所定期間Tpを減算した残りの期間Tqを用いて、ダンプトラック200の荷台に干渉しないように、旋回動作させながらバケット8を旋回開始地点から上昇させて効率的に排土開始の際の高さに設定する第1動作を設定する。
【0094】
本例においては、設定部66は、地点P10と地点P13との情報に基づいてバケット8を上昇させる目標バケット高さHAを算出する。
【0095】
設定部66は、作業機2の既定値である上下方向の設定速度に基づいてバケット8を目標バケット高さHA分上昇させる設定期間TBを算出する。記憶部32には、作業機2の既定値である上下方向の設定速度としてブーム6およびアーム7を動作させてバケット8を上昇あるいは下降させる速度が予め記憶されている。
【0096】
本例においては、設定部66は、期間Tqと設定期間TBとを比較して、期間Tqは設定期間TB以上の場合について説明する。
【0097】
設定部66は、期間Tqのうち設定期間TBについて、旋回体3および作業機2を制御して、旋回動作させながらバケット8の高さを設定する第1動作を実行する期間に設定する。
【0098】
そして、設定部66は、第1旋回目標期間Tから設定期間TBを減算した期間TAについて、旋回体3のみを制御して第2動作を実行する期間に設定する。
【0099】
本例においては、荷重計測処理部52は、第2動作を実行する期間にバケット8内部の荷重を計測する。期間TAは、荷重計測処理部52において、バケット8内部の荷重を計測することが可能な計測可能期間である。
【0100】
本例においては、設定部66は、掘削後、排土前の期間において、所定期間Tpの第2動作が必ず確保されるように第1および第2動作を設定する。所定期間Tpは、荷重計測処理部52において、精度の高い荷重を計測するために各シリンダ10、11、12の変位量、ヘッド圧、ボトム圧等の複数のサンプリング点を取得するために設けられている。
【0101】
荷重計測処理部52は、計測可能期間TAが所定期間Tp以上の場合には、精度の高い荷重を計測するためのサンプリング点を十分に取得できる。
【0102】
荷重計測処理部52は、ブーム6の上下方向の動きが小さい油圧シリンダの圧力が安定している第2動作中にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。
【0103】
なお、上記における設定部66の第1および第2動作の設定は一例である。
例えば、設定部66は、掘削後、排土前の期間において、旋回体3のみを制御して旋回開始地点から所定期間Tpの第2動作が確保されるようにして、期間Tqを用いて旋回動作させながらバケット8を上昇させて排土開始の際の高さに設定する第1動作を実行するように設定することも可能である。
【0104】
設定部66は、第1旋回目標期間Tが所定期間Tp以上でない場合には、一例として所定期間Tpの第2動作が確保されるように旋回速度を調整するようにしても良い。例えば、旋回速度を遅くすることにより第1旋回目標期間Tを長くして、所定期間Tp以上の第2動作を確保した第1および第2動作を設定するようにしてもよい。
【0105】
図9は、実施形態1の変形例1に従う掘削後動作設定部60#による掘削後動作の設定フローを説明する図である。
【0106】
図9を参照して、掘削後動作設定部60#は、旋回目標期間を算出する処理を実行する(ステップS2)。旋回目標期間算出部64は、旋回開始地点である地点P10と旋回終了地点である地点P13と旋回体3の中心軸に基づいて旋回角αを算出する。旋回目標期間算出部64は、旋回角αおよび旋回速度に基づいて旋回体3を旋回させる第1旋回目標期間Tを算出する。
【0107】
次に、掘削後動作設定部60#は、第1旋回目標期間が所定期間以上であるか否かを判定する(ステップS4)。設定部66は、第1旋回目標期間Tが所定期間Tp以上であるか否かを判定する。
【0108】
次に、掘削後動作設定部60#は、第1旋回目標期間が所定期間以上であると判定した場合(ステップS4においてYES)には、所定期間以上、第2動作を実行するように第1および第2動作を設定する(ステップS6)。そして、処理を終了する(エンド)。設定部66は、掘削後、排土前の期間において、所定期間Tpの第2動作が必ず確保されるように第1および第2動作を設定する。
【0109】
一方、掘削後動作設定部60#は、第1旋回目標期間が所定期間以上でないと判定した場合(ステップS4においてNO)には、旋回速度を調整する(ステップS8)。そして、ステップS6に進み、掘削後動作設定部60は#、所定期間以上、第2動作を実行するように第1および第2動作旋回動作を設定する。
【0110】
設定部66は、旋回体3の設定されている旋回速度を調整して遅くする。したがって、当該調整した旋回速度に基づいて、第1旋回目標期間Tを長くすることが可能である。設定部66は、上記したように掘削後、排土前の期間において、所定期間Tpの第2動作が必ず確保されるように第1および第2動作を設定する。
【0111】
したがって、荷重計測処理部52は、所定期間Tp以上の計測可能期間を確保することが可能となるため荷重を計測するためのサンプリング点を十分に取得できる。これにより、荷重計測処理部52は、精度の高い計測処理が可能である。
【0112】
なお、排土開始に近づくほど、すなわち、計測可能期間の終わりに近いほど、ブームシリンダのボトム圧は安定しているため高精度の測定が可能である。したがって、計測可能期間の終わりに近い所定期間のデータを取得して、バケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしても良い。
【0113】
具体的には、荷重計測処理部52は、排土の開始タイミングをトリガにして、排土前の所定期間のデータを取得して、バケット8内部の荷重を計測する処理を実行するようにしても良い。
【0114】
(変形例2)
上記の実施形態1の変形例1においては、
図8において、期間Tqと設定期間TBとを比較して、期間Tqは設定期間TB以上の場合について説明した。一方で、期間Tqと設定期間TBとを比較して、期間TBの方が期間Tqよりも長い場合も考えられる。この場合、計測可能期間TAが所定期間Tp以上確保できなくなる可能性がある。
【0115】
したがって、実施形態1の変形例2においては、設定期間TBを調整する方式について説明する。
【0116】
一例として、設定部66は、期間Tqと設定期間TBとを比較して、期間TBの方が設定期間Tqよりも長い場合には、作業機2の既定値である上下方向の設定速度を調整する。具体的には、ブーム6およびアーム7の上昇速度を上げることにより、設定期間TBを短縮することが可能である。例えば、アームシリンダ11に分配する作動油をブームシリンダ10へ融通して、ブーム6を加速させても良い。ブーム6を加速させることにより上昇速度を上げて設定期間TBを短縮することが可能である。
【0117】
設定部66は、掘削後、排土前の期間において、作業機2の既定値である上下方向の設定速度を調整して第1動作を実行する設定期間TBを短縮することにより、所定期間Tpの第2動作が必ず確保されるように第1および第2動作を設定することが可能である。
【0118】
設定部66は、掘削後、排土前の期間において、所定期間Tpの第2動作が必ず確保されるように旋回前準備処理の実行を設定するようにしても良い。
【0119】
図10は、実施形態1の変形例2に基づく作業機械100の演算装置31Pの機能構成を説明するブロック図である。
【0120】
図10を参照して、演算装置31Pは、
図7の演算装置31#の構成と比較して、掘削後動作設定部60#を掘削後動作設定部60Pに置換した点が異なる。その他の構成については同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0121】
掘削後動作設定部60Pは、掘削後動作設定部60と比較して、旋回前準備処理設定部69をさらに設けた点が異なる。
【0122】
掘削後動作設定部60Pは、計測可能期間TAが所定期間Tp以上確保できないと判定した場合には、計測可能期間TAが所定期間Tp以上となるように旋回前準備処理の実行を設定する。
【0123】
具体的には、旋回前準備処理設定部69は、設定部66の指示に従って第1動作の一部として旋回体3の旋回動作の開始前に作業機2を制御してバケット8の高さを調整する旋回前準備処理の実行を設定する。
【0124】
図11は、実施形態1の変形例2に従う作業機械100の掘削後動作の設定を説明する概念図である。
【0125】
図11に示されるように、作業機械100は、
図8で説明したのと同様に掘削後動作によりバケット8を排土位置に移動させる場合が示されている。そして、旋回動作を開始する旋回開始地点が異なる。
【0126】
具体的には、地点P10は、掘削動作後の掘削終了地点である。地点P11は、旋回動作を開始する旋回開始地点である。地点P13は、旋回動作を終了する旋回終了地点である。
【0127】
旋回前準備処理設定部69は、地点P10から地点P11まで作業機2を制御してバケット8の高さを上昇させる旋回前準備処理の実行を設定する。
【0128】
掘削後動作制御部50は、旋回前準備処理設定部69の旋回前準備処理の設定に従って旋回体3の旋回動作の開始前に作業機2を制御してバケット8の高さを調整する。
【0129】
本例においては、旋回前準備処理により旋回動作を開始する旋回開始地点をP10からP11に変更する。これにより、旋回開始地点P11からの目標バケット高さをHA#に調整する。当該調整により、バケット8を排土開始の際の高さまで上昇させる設定期間TB#を短縮して、掘削後、排土前の期間において、所定期間Tp以上の第2動作が必ず確保されるように旋回前準備処理の実行を設定することが可能である。
【0130】
実施形態1の変形例2においては、旋回前準備処理の実行の設定により、旋回動作を開始する旋回開始地点を調整して、所定期間Tp以上の第2動作が必ず確保されるようにして、第2動作中にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。
(変形例3)
上記においては、掘削後、排土前の期間において、バケット8内部の荷重を計測する処理を実行する場合について説明したが、排土後、掘削前の期間において、バケット8内部の荷重を計測する処理を実行する場合にも同様に適用可能である。
【0131】
図12は、実施形態1の変形例3に基づく作業機械100の演算装置31Qの機能構成を説明するブロック図である。
【0132】
図12を参照して、演算装置31Qは、
図7で説明した演算装置31#の構成と比較して、排土後の動作を設定する排土後動作設定部70をさらに設けた点が異なる。その他の構成については、
図7で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0133】
排土後動作設定部70は、排土後、掘削前の期間において、旋回体3による旋回動作(排土後旋回動作)および作業機2の少なくとも一方の制御により、排土動作後のバケット8を掘削位置まで移動させる動作を設定する。
【0134】
排土後動作設定部70は、排土後、掘削前の期間におけるブーム6の上下方向の動きが大きい第3動作と、ブーム6の上下方向の動きが小さい第4動作とを設定する。
【0135】
排土後動作制御部58は、排土後、掘削前の期間において、排土後動作設定部70により設定された第3動作および第4動作を実行する。
【0136】
排土後動作制御部58は、旋回体3による旋回動作(排土後旋回動作)および作業機2の少なくとも一方の制御により、排土動作したバケット8を掘削位置まで移動させる。排土後動作制御部58は、ブーム6の上下方向の動きが大きい第3動作と、ブーム6の上下方向の動きが小さい第4動作とを実行する。
【0137】
掘削動作制御部54は、再び作業機2を制御して掘削対象物である土砂等をバケット8を用いて掘削する掘削動作を実行する。以降の動作については、上記と同様であり繰り返し実行する。
【0138】
なお、排土後動作制御部58、排土後動作設定部70は、本開示の「第2動作制御部」、「第2動作設定部」の一例である。
【0139】
<排土後動作の設定>
図13は、実施形態1の変形例3に従う作業機械100の排土後動作の設定を説明する概念図である。
【0140】
図13に示されるように、作業機械100は、排土後動作によりバケット8を掘削位置に移動させる場合が示されている。ここで、ダンプトラック200が設けられており、作業機械100は、ダンプトラック200の荷台において排土動作したバケット8を掘削位置に移動させる。
【0141】
地点P13#は、排土動作後の排土終了地点であり、旋回動作を開始する旋回開始地点(Start)である。地点P10#は、旋回動作を終了する旋回終了地点(Goal)である。地点P10#およびP13#は、3次元座標であり記憶部32に予め記憶されている。
【0142】
排土後動作設定部70は、排土後、掘削前の期間におけるブーム6の上下方向の動きが大きい第3動作と、ブーム6の上下方向の動きが小さい第4動作とを設定する。
【0143】
例えば、排土後動作設定部70は、ダンプトラック200の荷台に干渉しないように、バケット8を排土終了の際の高さを維持しつつ旋回開始地点から旋回動作させる第4動作と、排土終了の際の高さから下降させて掘削開始の際の高さに設定する第3動作とを設定する。
【0144】
地点P12#は、旋回動作として第4動作から第3動作に切り替わる地点である。本例においては、荷重計測処理部52は、第4動作の期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行する。
【0145】
排土後動作設定部70は、地点P10#および地点P13#に基づいて地点P12を算出し、地点P13#~地点P12#までの区間を第4動作、地点P12#~地点P10#を第3動作に設定する。
【0146】
具体的には、排土後動作設定部70は、地点P10#と地点P13#との情報に基づいてバケット8を下降させる目標バケット高さHAPを算出する。
【0147】
排土後動作設定部70は、作業機2の既定値である上下方向の設定速度に基づいてバケット8を目標バケット高さHAP分下降させる設定期間TTBを算出する。記憶部32には、作業機2の既定値である上下方向の設定速度としてブーム6およびアーム7を動作させてバケット8を上昇あるいは下降させる速度が予め記憶されている。また、記憶部32には、旋回速度が予め記憶されている。
【0148】
排土後動作設定部70は、設定期間TTBと旋回速度とに基づいて地点P12#を算出する。
【0149】
地点P12#は、地点P10#に到達する前に、旋回体3の中心軸を基準に設定期間TTBと旋回速度とに基づく旋回角β分旋回移動するとともに、地点P13#の高さから目標バケット高さHAP分下降する際の位置として算出される。
【0150】
排土後動作設定部70は、バケット8が地点P13#~地点P12#に到達するまでの設定期間TTAについて、旋回体3のみを制御して旋回動作を実行する第4動作に設定する。
【0151】
排土後動作設定部70は、バケット8が地点P12#~地点P10#に到達するまでの設定期間TTBについて、旋回体3および作業機2を制御して旋回動作させながらバケット8の高さを設定する第3動作に設定する。
【0152】
本例においては、荷重計測処理部52は、第4動作を実行する期間にバケット8内部の荷重を計測する。期間TTAは、荷重計測処理部52において、バケット8内部の荷重を計測することが可能な計測可能期間である。
【0153】
図14は、実施形態1の変形例3に従うブームシリンダ10のボトム圧について説明する図である。
【0154】
図14に示されるように、掘削動作、掘削後旋回動作、排土動作、排土後旋回動作の一連の処理を繰り返し実行する自動制御処理を実行する場合が示されている。動作中のブーム6の動きに基づいてボトム圧が変動している状態が示されている。
【0155】
掘削後、排土前の期間において、ブーム6の上下方向の動きが大きい第1動作とブーム6の上下方向の動きが小さい第2動作とを含む。第2動作は、ブーム6の上下方向の動きが小さいため計測期間中のボトム圧は安定している。したがって、当該ボトム圧が安定している期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。
【0156】
また、排土後、掘採前の期間において、ブーム6の上下方向の動きが大きい第3動作とブーム6の上下方向の動きが小さい第4動作とを含む。第4動作は、ブーム6の上下方向の動きが小さいため計測期間中のボトム圧は安定している。したがって、当該ボトム圧が安定している期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。なお、本例においては、ブームシリンダ10のボトム圧の状態について説明しているが、ブームシリンダ10のヘッド圧の状態についても同様である。
【0157】
したがって、排土前の状態のバケット8内部の荷重と、排土後の状態のバケット8内部の荷重とをそれぞれ精度よく計測することが可能である。
【0158】
排土前の状態のバケット8内部の荷重と、排土後の状態のバケット8内部の荷重との差分を算出することにより、ダンプトラック200の荷台に積載された土砂等を精度よく計測することが可能である。
【0159】
(実施形態2)
上記の実施形態では、旋回動作中のブーム6の動きを制御して当該期間に荷重を計測する方式について説明したが、旋回動作中に限られず、荷重を計測する際にはブーム6の動きを制御して荷重を計測するようにしてもよい。
【0160】
図15は、実施形態2に従う作業機械100の油圧系の構成を説明する図である。
図15を参照して、作業機械100は、ブーム6を駆動するブームシリンダ10と、アーム7を駆動するアームシリンダ11と、バケット8を駆動するバケットシリンダ12と、旋回体3を旋回させる旋回モータ124と、作業機械100を制御するコントローラ130と、エンジン138と、油圧ポンプ140と、メインバルブ125と、自己圧減圧弁146と、EPC弁150とを備えている。
【0161】
エンジン138は、例えば、ディーゼル式のエンジンである。
油圧ポンプ140は、エンジン138によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ140は、可変容量型の油圧ポンプである。エンジン138の回転数に応じて作動油の吐出量を変化させる固定容量型の油圧ポンプであってもよい。
【0162】
メインバルブ125は、油圧ポンプ140から供給される作動油を受けて、ブームシリンダ10,アームシリンダ11,バケットシリンダ12および旋回モータ124にそれぞれ作動油を分配して供給する。
【0163】
コントローラ130は、EPC弁150に指令電流を出力する。EPC弁150は、コントローラ130からの指令電流に従って、メインバルブ125を制御する。
【0164】
油圧ポンプ140から出力された作動油は、自己圧減圧弁146によって一定の圧力に減らされてパイロット用に供給される。
【0165】
実施形態に従うコントローラ130は、演算装置131(例えばCPU(Central Processing Unit))および記憶部132等で構成され、記憶部132に格納されているプログラム等を実行することにより、作業機械100を制御する。
【0166】
作業機械100は、ブーム6を操作する操作装置180と、荷重計測ボタン160と、ディスプレイ170とをさらに備えている。
【0167】
図16は、実施形態2に基づく作業機械100の演算装置131の機能構成を説明するブロック図である。
【0168】
図16に示されるように、実施形態2に基づく作業機械100の演算装置131は、バケット8内部の荷重を計測する荷重計測処理部52#と、ブーム6の動きを制限するブーム制限制御部59と、ディスプレイ170の表示内容を制御する表示制御部55とを含む。
【0169】
本例において、荷重計測処理部52#は、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってバケット8内部の荷重を計測する。計測方式については、実施形態1で説明したのと同様であるのでその詳細については説明を繰り返さない。
【0170】
ブーム制限制御部59は、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってブーム6の動きを制限する。
【0171】
具体的には、ブーム制限制御部59は、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってブーム6を操作する操作装置180からの入力を所定期間無効にする。
【0172】
当該処理により、ブーム6の動きは所定期間制限される。
荷重計測処理部52#は、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってブーム6の動きが制限された所定期間中にバケット8内部の荷重を計測する。
【0173】
これにより、ブーム6の上下方向の動きが制限されているため当該計測期間中のボトム圧は安定している。したがって、当該ボトム圧が安定している期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。
【0174】
なお、本例においては、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってブーム6を操作する操作装置180からの入力を所定期間無効にする場合について説明したが、無効ではなくブーム6の操作指令に基づくEPC弁150への指令電流を調整するようにしてもよい。具体的には、指令電流の上限値を設定することによりブーム6の動きを制限するようにしてもよい。あるいは、ブームの操作指令に基づくEPC弁150への指令電流の出力を遅延させてもよい。当該処理によりブーム6の上下方向の動きが制限されているブームシリンダ10の圧力が比較的安定している期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行するため精度の高い計測処理が可能である。
【0175】
上記においては、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってブーム6の動きを制限する方式について説明したが、ブーム6の動きを強制的に制限するのではなくブーム6の動きを制限するようにオペレータに促すガイダンス画面を表示するようにしても良い。
【0176】
表示制御部55は、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってディスプレイ170にガイダンス画面を表示する。
【0177】
図17は、実施形態2に従う計測期間中のガイダンス画面を説明する図である。
図17を参照して、ディスプレイ170に表示されたガイダンス画面300が示されている。ガイダンス画面300には、「(警告)計測中は、ブーム上下方向の動作を小さく抑えてください。」のメッセージが表示されている。
【0178】
当該ガイダンス画面300に従ってオペレータは、操作装置180によるブーム6の操作を促すことが可能である。
【0179】
当該処理によりブーム6の上下方向の動きの抑制を促して、ブームシリンダ10の圧力が比較的安定している期間にバケット8内部の荷重を計測する処理を実行することにより精度の高い計測処理が可能である。
【0180】
なお、ブーム6の動きを強制的に制限しながら上記のガイダンス画面を表示するようにしてもよい。
【0181】
また、上記においては、表示制御部55は、荷重計測ボタン160の操作指示に従ってディスプレイ170にガイダンス画面を表示する場合について説明したが、操作装置180によるブーム6の操作指示に基づいてディスプレイ170にガイダンス画面を表示するようにしてもよい。例えば、操作装置180によるブーム6の操作量が所定量以上である場合には、ブーム6の上下方向の動きが大きい場合であるとして、当該ガイダンス画面を表示するようにしてもよい。
【0182】
また、本例においては、ディスプレイ170を用いてガイダンス画面を表示する場合について説明したが、例えばスピーカを用いて警告音を報知してもよい。例えば、ガイダンス画面300のメッセージをスピーカを用いて報知してもよい。
【0183】
上記の実施形態では、作業機械の一例として油圧ショベル(バックホウ)を挙げているが油圧ショベル(バックホウ)に限らず、ローディングショベル、機械式のロープショベル、電動ショベル、ホイールローダ、バケットクレーン等の他の種類の作業機械にも適用可能である。
【0184】
以上、本開示の実施形態について説明したが、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0185】
1 車両本体、2 作業機、3 旋回体、4 運転室、4S 運転席、5 走行装置、5Cr 履帯、6 ブーム、6a,6b 圧力センサ、7 アーム、7a,7b,7c ストロークセンサ、8 バケット、9 エンジンルーム、10 ブームシリンダ、11 アームシリンダ、12 バケットシリンダ、13 ブームピン、14 アームピン、15 バケットピン、19 手すり、30,130 コントローラ、31,31#,31P,31Q,131 演算装置、32,132 記憶部、50 掘削後動作制御部、52 荷重計測処理部、54 掘削動作制御部、55 表示制御部、56 排土動作制御部、58 排土後動作制御部、59 ブーム制限制御部、60 掘削後動作設定部、64,72 旋回目標期間算出部、66,74 設定部、69 旋回前準備処理設定部、70 排土後動作設定部、100 作業機械、124 旋回モータ、125 メインバルブ、138 エンジン、140 油圧ポンプ、146 自己圧減圧弁、150 EPC弁、160 荷重計測ボタン、170 ディスプレイ、180 操作装置、200 ダンプトラック、300 ガイダンス画面。