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  • 特許-配線収容構造及び配線用柱体 図1
  • 特許-配線収容構造及び配線用柱体 図2
  • 特許-配線収容構造及び配線用柱体 図3
  • 特許-配線収容構造及び配線用柱体 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】配線収容構造及び配線用柱体
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/36 20060101AFI20230926BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
H02G3/36
E04B9/00 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020022828
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2021129417
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】山崎 元明
(72)【発明者】
【氏名】白石 理人
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-289642(JP,A)
【文献】特開昭63-144709(JP,A)
【文献】実開昭63-021426(JP,U)
【文献】実開平01-058227(JP,U)
【文献】実開昭62-073021(JP,U)
【文献】特開2000-184562(JP,A)
【文献】特開平10-271649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/36
E04B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上の開口が形成された天井と、
前記開口に接続される接続部と、
一端側が前記接続部に連続すると共に、中空に形成された柱状部と、
前記柱状部の他端側に連続すると共に、前記開口から前記柱状部を通った配線に接続される対象物を収容する収容部と、を備える配線用柱体を含み、
前記柱状部は、前記接続部の下方に接続された第1柱状部材と、前記第1柱状部材を伸縮自在に収容する第2柱状部材と、を備え、
前記第2柱状部材は、前記収容部に支持固定されており、
前記第2柱状部材の側面には、前記対象物が載置される少なくとも一つ以上の皿部を備え、
前記収容部は、底部に移動装置を備える、
配線収容構造。
【請求項2】
前記開口を塞ぐように形成された前記配線用柱体と別体に形成された蓋を備える、
請求項1に記載の配線収容構造。
【請求項3】
天井に形成された少なくとも1つ以上の開口に接続される接続部と、
一端側が前記接続部に連続すると共に、中空に形成された柱状部と、
前記柱状部の他端側に連続すると共に、前記開口から前記柱状部を通った配線に接続される対象物を収容する収容部と、を備え
前記柱状部は、前記接続部の下方に接続された第1柱状部材と、前記第1柱状部材を伸縮自在に収容する第2柱状部材と、を備え、
前記第2柱状部材は、前記収容部に支持固定されており、
前記第2柱状部材の側面には、前記対象物が載置される少なくとも一つ以上の皿部を備え、
前記収容部は、底部に移動装置を備える、
配線用柱体。
【請求項4】
前記柱状部の側面には、前記配線を引き出すように複数の孔が形成されている、
請求項3に記載の配線用柱体。
【請求項5】
前記柱状部は、内部に前記配線の取り回しを整理するための仕切が設けられている、
請求項3または4に記載の配線用柱体。
【請求項6】
前記収容部は、前記対象物を収容する少なくとも一つ以上の棚板を備える、
請求項3からのうちいずれか1項に記載の配線用柱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線収容構造及び配線用柱体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)技術の進展が目覚ましく、建物内においてIoTセンサ等を用いたIoTセンシング技術を利用する機会が増えつつある。大きな会議室やエントランスロビーなどの比較的大きな部屋(空間)においては、部屋の中心部では壁等のセンサを取り付ける場所がないばかりか、電源を供給するために配線できるとは限らず、IoTセンシングの実施が困難となる場合がある。特許文献1には、天井からの配線を通すための配線用の壁に関する技術が記載されている。この配線用の壁は、天井から床面まで到達して構築された枠体と、枠体の両面を覆う一対の板材とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-065480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大きな会議室やエントランスロビーなどの比較的大きな部屋(空間)においてIoTシステムを導入する場合、部屋の中心部にてIoTセンシングを行うには天井からセンサ類のための電源等の配線を引く天井工事を行う必要がある。特許文献1に記載された技術によれば、配線通線だけのために壁を構築するため、レイアウトに制約が生じ、また将来の自由なレイアウト変更にも制約が生じる可能性がある。また特許文献1に記載された技術を上記の様な場所に適用すると、コストや手間がかかる可能性がある。
【0005】
本発明は、天井からの配線を簡便にし、自由にレイアウト変更を行うことができる配線収容構造及び配線用柱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達するために、本発明は、少なくとも1つ以上の開口が形成された天井と、前記開口に接続される接続部と、一端側が前記接続部に連続すると共に、中空に形成された柱状部と、前記柱状部の他端側に連続すると共に、前記開口から前記柱状部を通った配線に接続される対象物を収容する収容部と、を備える配線用柱体を含み、前記柱状部は、前記接続部の下方に接続された第1柱状部材と、前記第1柱状部材を伸縮自在に収容する第2柱状部材と、を備え、前記第2柱状部材は、前記収容部に支持固定されており、前記第2柱状部材の側面には、前記対象物が載置される少なくとも一つ以上の皿部を備え、前記収容部は、底部に移動装置を備える、配線収容構造である。
【0007】
本発明によれば、天井からの対象物に接続する配線を柱状部の内部に通して室内に配線を引くことができ、比較的大きな部屋(空間)においてセンシング環境を簡便に実現できる。なお本発明でいう配線には、電源・通信の供給をつかさどるケーブル自体のみならずケーブルジャック、コンセントタップ、電源ブロックのようにケーブルに付随する物体についても対象に含むと考えてよい。
また、天井の高さに応じて柱状部の高さを調整できる。
また、皿部に対象物を載置でき、対象物の自由な配置を実現できる。
さらに、配線用柱体を移動自在にでき、自由なレイアウト変更ができる。
【0008】
また、本発明は、前記開口を塞ぐように形成された前記配線用柱体と別体に形成された蓋を備えるように構成されていてもよい。
【0009】
本発明によれば、予め用意された開口を不使用の状態においては蓋で塞ぐことにより、将来的な室内のレイアウト変更や配線用柱体の増設を簡便に行うことができる。
【0010】
本発明は、天井に形成された少なくとも1つ以上の開口に接続される接続部と、一端側が前記接続部に連続すると共に、中空に形成された柱状部と、前記柱状部の他端側に連続すると共に、前記開口から前記柱状部を通った配線に接続される対象物を収容する収容部と、を備え、前記柱状部は、前記接続部の下方に接続された第1柱状部材と、前記第1柱状部材を伸縮自在に収容する第2柱状部材と、を備え、前記第2柱状部材は、前記収容部に支持固定されており、前記第2柱状部材の側面には、前記対象物が載置される少なくとも一つ以上の皿部を備え、前記収容部は、底部に移動装置を備える、配線用柱体である。
【0011】
本発明によれば、天井からの対象物に接続する配線を柱状部の内部に通して室内に配線を引くことができ、比較的大きな場所においてセンシング環境を簡便に実現できる。
また、天井の高さに応じて柱状部の高さを調整できる。
また、皿部に対象物を載置でき、対象物の自由な配置を実現できる。
さらに、配線用柱体を移動自在にでき、自由なレイアウト変更ができる。
【0014】
また、本発明は、前記柱状部の側面には、前記配線を引き出すように複数の孔が形成されていてもよい。
【0015】
本発明によれば、柱状部の内部に通された配線を孔から任意の位置に引き出して対象物に接続できる。
【0016】
また、本発明は、前記柱状部が内部に前記配線の取り回しを整理するための仕切が設けられていてもよい。
【0017】
本発明によれば、内部に通された配線の絡まりを防止できる。
【0022】
また、本発明は、前記収容部が前記対象物を収容する少なくとも一つ以上の棚板を備えていてもよい。
【0023】
収容部の内部に対象物を収容することにより、利用者が対象物に触れることを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、天井からの配線を簡便にし、自由にレイアウト変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る配線収容構造の構成を示す図である。
図2】柱状部の構成を示す断面図である。
図3】柱状部の使用状態を示す図である。
図4】接続部の天井への固定方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る配線収容構造及び配線用柱体の実施形態について説明する。配線収容構造は、天井が形成された空間において天井から配線を通すための配線用柱体を用いて構成される。
【0027】
図1及び図2に示されるように、配線収容構造1は、空間内に設けられた天井2と、床面Eに支持され天井2に接続された配線用柱体10とを備える。空間は、壁等で仕切られた部屋であってもよいし、エントランスホール等の仕切の無い空間であってもよい。
【0028】
天井2は、空間内の上方を仕切るように板状部材を連結して平坦に形成されているいわゆる二重天井の形状である。天井2には、少なくとも1つ以上の複数の開口3が形成されている。開口3は、天井2を貫通する貫通孔に形成されている。開口3は、設計段階において予め設定された位置に形成されている。開口3は、将来的な使用形態に対応した位置において必要な個数が形成されている。複数の開口3のうち、現在において使用しないものは、蓋Fにより塞がれている。
【0029】
蓋Fは、配線用柱体10と別体に形成されている。蓋Fは、開口3を覆うように形成されている。蓋Fは、例えば、開口3に嵌め込まれて固定される。蓋Fは、天井2にネジ止めされて固定されてもよい。蓋Fは、天井2に着脱自在に固定されるのであれば、どのような固定方法が用いられてもよい。蓋Fは、開閉自在に天井2に取り付けられていてもよい。
【0030】
天井2の上面2A側には、電源装置Rに接続された電源用の配線Kが配置されている。電源装置Rは、電源に接続されたコンセントであってもよい。コンセントは、例えば、100V電源や、5V・12V・24V・48V電源等に対応して形成されている。天井2の上面2A側には、電源装置Rの他に通信装置Lに接続された通信用の配線Cが配置されている。通信装置Lは、通信機器に接続されたケーブルジャックであってもよい。配線C,Kは、開口3に通される。天井2の下面2B側には、配線用柱体10が配置されている。
【0031】
電源装置R・通信装置Lは、必ずしも当該の開口3の付近の天井2の上面2A側に設置されていなくてもよい。天井2で仕切られた空間内において上方の任意の場所でもよく、また天井2の下面2B側に取り付けられていてもよい。
【0032】
配線用柱体10は、空間内を移動自在に自由配置が可能な配線用の装置である。配線用柱体10は、開口3の位置に応じて配置される。配線用柱体10は、例えば、開口3に接続される接続部11と、接続部11の下方に設けられた柱状部12と、柱状部12の下方に設けられ床面Eに設置された収容部13とを備える。
【0033】
接続部11は、円板状に形成された底部11Aと、底部11Aの外周に沿って上方に起立した状態で延在して形成された外周面11Bとを備える。底部11Aは、開口3の外径に比して大きい径に形成されている。外周面11Bの上端は、天井2の下面2Bに当接している。底部11A、外周面11Bにより、下方から見た場合に開口3が隠蔽される。底部11Aの中心部には、円形の開口(不図示)が形成されている。この開口には、配線C,Kが通される。接続部11の下方には柱状部12が配置されている。
【0034】
柱状部12は、一端12A側が接続部に連続している。柱状部12は、例えば、円形断面を有する中空の円筒状に形成されている。柱状部12は、接続部11の下方に接続された第1柱状部材12Pと、第1柱状部材12Pを伸縮自在に収容する第2柱状部材12Qとを備える。第1柱状部材12Pは、円筒状に形成されている。第2柱状部材12Qは、円筒状に形成されている。第2柱状部材12Qは、内径が第1柱状部材12Pの外径よりやや大きい径に形成されている。
【0035】
第2柱状部材12Qには、上端近傍に第1柱状部材12Pを固定するための柱体長固定部材を備える。柱体長固定部材は、例えば、一対のネジSにより形成されている。以下、一対のネジを例に説明する。
【0036】
上記構成により、柱状部12は、伸縮自在に形成され、天井2の高さにあわせて長さを調整できる。柱状部12は、第1柱状部材12Pを伸長させ、天井2の下面2Bに押圧した状態で柱体長固定部材(ネジS)を締め込んで第1柱状部材12Pを固定すると、柱状部12が天井2に対して突っ張った状態に保たれる。
【0037】
柱体長固定部材としては、柱状部12を伸縮させ、天井2の高さに固定できる機構であればどのようなものが用いられてもよい。例えば、柱体長固定部材は、一対のネジでも歯車形状の機構でも良く、棒状の物体を柱状部12に直交する方向に通し、第1柱状部材12Pの重量を支える機構でも良い。柱体長固定部材は、第1柱状部材12Pを第2柱状部材12Qにねじ込んで伸縮させるように形成された機構であってもよい。
【0038】
第2柱状部材12Qの内部には、配線C,Kの取り回しを整理するための仕切12Rが設けられている。仕切12Rは、第2柱状部材12Qにおいて第1柱状部材12Pの伸縮範囲に干渉しない位置に設けられている。仕切12Rは、第2柱状部材12Qの内部の長さ方向に沿って形成されている。
【0039】
仕切12Rは、必ずしも第2柱状部材12Qの内部の長さ方向に沿って延在して形成されていなくてもよく、帯状片が所定間隔で形成されていてもよい。仕切12Rには、配線C,Kの取り回しを適宜変更するために配線C,Kが通過する切れ目(不図示)が形成されていてもよい。仕切12Rは、第1柱状部材12P内部にも形成されていてもよい。仕切12Rは、配線の整理のため、適宜取外し・取付可能な形状とされていてもよい。
【0040】
柱状部12の側面には、配線C,Kを引き出すように複数の孔Hが形成されている。複数の孔Hは、柱状部12の長さ方向に沿って所定間隔で形成されている。第2柱状部材12Qの側面には、少なくとも一つ以上の皿部12Dを備える。皿部12Dは、円板状に形成された底部12Eと、底部12Eの外周に沿って上方に起立した状態で延在して形成された外周面12Fとを備える。
【0041】
皿部12Dは、センサ、カメラ、通信機器等を含む配線C,Kを接続する対象物Xが載置される。皿部12Dは、例えば、ネジ止めにより固定される。皿部12Dは、ネジ止めの位置を変更することにより高さが調整されてもよい。対象物Xは、例えば、ゲートウェイ装置等の通信機器、エッジコンピュータ等の端末装置である。柱状部12は、例えば、通信機器の無線電波に影響を与えないようにプラスチック等の非金属製の材料を用いて形成されている。柱状部12の他端12B側には、収容部13が配置されている。
【0042】
収容部13は、柱状部12に連続して固定されている。収容部13は、開口3から柱状部12を通った配線C,Kに接続される対象物を収容する収容容器である。収容部13は、円筒状に形成されている。収容部13は、柱状部12と同心をなすように配置されている。収容部13は、円板状に形成された底部13A及び上部13Bと、底部13A及び上部13Bの外周に沿って延在して形成された外周面13Cとを備える。収容部13の内部には、天井2の開口3から通された配線C,Kを有する電源タップYや通信機器のケーブルジャックが収容される。
【0043】
収容部13は、例えば、通信機器の無線電波に影響を与えないようにプラスチック等の非金属製の材料を用いて形成されている。
【0044】
底部13Aの下面側には、移動装置を備える。移動装置は、複数の車輪Wが設けられている。各車輪Wは、ストッパ(不図示)が設けられており、ストッパを機能させることにより回転がロックされる。移動装置は、車輪Wの他、無限軌道、滑り材、ボール等を備えていてもよい。底部13Aには、電源タップY等の対象物が載置される。底部13Aの下面側には、この他、伸縮自在な脚部(不図示)が設けられていてもよく、脚部を伸長させることにより収容部13を固定してもよい。
【0045】
底部13Aには開口4が設けられていてもよく、部屋の床に配置された任意の配線Mを開口4から引き込み、柱状部12の内部へ通し、対象物Xや電源装置R・通信装置L等への配線接続を行ってもよい。開口4からは、二重床から取り出された配線Mが引き込まれてもよい。
【0046】
上部13Bの上面側には、対象物その他植栽等が載置される。上部13Bの上面側には、例えば、開閉自在なコンセントD1が設けられている。収容部13の内部には、対象物を収容する少なくとも一つ以上の棚板13Dが設けられている。棚板13Dは、円板状もしくは四角形(長方形)の板状に形成されている。棚板13Dは、中心に第2柱状部材12Qが貫通する貫通孔が形成されている。棚板13Dは、収容部13の内部においてネジ止めなどにより固定されている。棚板13Dは、ネジ止めの位置を変更することにより高さが調整されてもよい。
【0047】
外周面13Cには、例えば、コンセントD2が設けられている。外周面13Cには、開閉自在な扉(不図示)が設けられている。扉は、部屋利用者が対象物のコンセントを抜くなどの行為を規制して対象物を安定稼働させるため、鍵をかけられたりネジ止めされたりして通常の使用状態においては閉じられている。
【0048】
図3に示されるように、配線用柱体10の柱状部12には、例えば、監視カメラAや各種センサGなどの対象物がバンドB等を用いて取り付けられる。対象物は、柱状部12に直接ネジ止め等で固定されていてもよい。柱状部12の内部を通された対象物の配線C,Kは、孔Hから引き出され対象物に接続される。柱状部12は、例えば、プラスチックにより形成されているため、強度に影響が無い任意の場所に他の孔を開けて配線C,Kを引き出してもよい。柱状部12の側面には、適宜フックJが取り付けられてもよい。フックJには、任意の対象物が引っ掛けられる。
【0049】
図4に示されるように、接続部11は、天井2にネジTにより固定した後、車輪Wのストッパを作用させ配線用柱体10を固定してもよい。接続部11は、上記のように第1柱状部材12Pを第2柱状部材12Qに対して伸長させて天井2に押圧させて配線用柱体10を固定する他、固定しない状態にしておいてもよい。
【0050】
上述したように配線収容構造1によれば、会議室やエントランスロビーなどの比較的大きな場所において天井からの配線を簡便に行うことができる。配線収容構造1によれば、配線用柱体10が移動自在に構成されているため、レイアウト変更が容易にできる。配線用柱体10によれば、配線を隠蔽しつつ、対象物の追加変更を容易にできる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、天井2は、板状に形成されているだけでなく、天井空間が露出した格子状(いわゆるグリッド天井や葡萄棚形状)に形成されているものであってもよい。配線用柱体10の表面には、周囲の内装や、植栽などに偽装した外装が取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 配線収容構造、2 天井(二重天井)、2A 上面、2B 下面、3 開口、4 開口、10 配線用柱体、11 接続部、11A 底部、11B 外周面、12 柱状部、12A 一端、12B 他端、12D 皿部、12E 底部、12F 外周面、12P 第1柱状部材、12Q 第2柱状部材、12R 仕切、13 収容部、13A 底部、13B 上部、13C 外周面、13D 棚板、A 監視カメラ、B バンド、C 配線、D1、D2 コンセント、E 床面、F 蓋、G センサ、H 孔、J フック、K 配線、L 通信装置、R 電源装置、S 柱体長固定部材(ネジ)、T ネジ、W 車輪、X 対象物、Y 電源タップ
図1
図2
図3
図4