(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】電気掃除機の延長管およびその延長管を備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/24 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A47L9/24 Z
(21)【出願番号】P 2020078602
(22)【出願日】2020-04-27
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 則和
(72)【発明者】
【氏名】横田 雅瑛
(72)【発明者】
【氏名】田村 寿之
(72)【発明者】
【氏名】板垣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】川本 孔陽
(72)【発明者】
【氏名】土門 優志
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-009784(JP,A)
【文献】特開2018-202055(JP,A)
【文献】特開2018-015299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成される筒状部を有し、
前記筒状部は、当該筒状部の一端に掃除機本体と直接的または間接的に接続される基端側接続部と、当該筒状部の他端に吸口が接続される先端側接続部と、を備え、
前記筒状部は、厚さが不均一な不定常パターンを有
し、
前記不定常パターンは、トポロジー最適化によって、最適な材料の密度分布を導き出し、前記筒状部の構造に不必要な部分について削除または薄肉にすることによって形成されることを特徴とする電気掃除機の延長管。
【請求項2】
請求項1に記載の電気掃除機の延長管であって、
前記不定常パターンは、前記筒状部の厚さを引くことによって構成されていることを特徴とする電気掃除機の延長管。
【請求項3】
請求項1に記載の電気掃除機の延長管であって、
前記不定常パターンは、前記筒状部の厚さを足すことによって構成されていることを特徴とする電気掃除機の延長管。
【請求項4】
請求項1に記載の電気掃除機の延長管であって、
前記筒状部は、当該筒状部の外側に凹凸形状を有するとともに、当該筒状部の内側に滑らかな形状を有することを特徴とする電気掃除機の延長管。
【請求項5】
請求項4に記載の電気掃除機の延長管であって、
前記筒状部の長手方向の中央部に、他の部分よりも凸部が密に形成されていることを特徴とする電気掃除機の延長管。
【請求項6】
請求項4に記載の電気掃除機の延長管であって、
前記筒状部の凹部は、
貫通した孔に別部品
としてシート材をインサート成形することによって構成されていることを特徴とする電気掃除機の延長管。
【請求項7】
電動送風機を内蔵した掃除機本体と、
前記掃除機本体に接続され、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の延長管と、を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電機掃除機の延長管および電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機では、軽量化を図る技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、延長管の材料にカーボンを適用することで、軽量で強固なものにする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の延長管は、均一な肉厚であり、さらなる軽量化を図るために肉厚を薄くすると、強度が低下するという課題がある。
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、強度を落とさず軽量化が可能な電気掃除機の延長管およびその延長管を備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筒状に形成される筒状部を有し、前記筒状部は、当該筒状部の一端に掃除機本体と直接的または間接的に接続される基端側接続部と、当該筒状部の他端に吸口が接続される先端側接続部と、を備え、前記筒状部は、厚さが不均一な不定常パターンを有し、前記不定常パターンは、トポロジー最適化によって、最適な材料の密度分布を導き出し、前記筒状部の構造に不必要な部分について削除または薄肉にすることによって形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、強度を落とさず軽量化が可能な電気掃除機の延長管および電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の延長管を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の延長管の厚みが不均一な不定常パターンを示す概略断面図である。
【
図4】第1実施形態の延長管の肉厚を引いた場合の概略断面図である。
【
図5】第1実施形態の延長管の肉厚を足した場合の概略断面図である。
【
図6A】延長管の横方向圧縮の評価条件を示す模式図である。
【
図6B】延長管の横方向圧縮の評価条件を示す模式図である。
【
図7A】延長管の縦方向圧縮の評価条件を示す模式図である。
【
図7B】延長管の縦方向圧縮の評価条件を示す模式図である。
【
図8A】延長管のたわみ変形の評価条件を示す模式図である。
【
図8B】延長管のたわみ変形の評価条件を示す模式図である。
【
図9A】延長管のねじり変形の評価条件を示す模式図である。
【
図9B】延長管のねじり変形の評価条件を示す模式図である。
【
図9C】延長管のねじり変形の評価条件を示す模式図である。
【
図10】第2実施形態の延長管を示す断面図である。
【
図11】第3実施形態の延長管を示す概略図である。
【
図12】第4実施形態の延長管を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
図1および
図2では、厚さが不均一な不定常パターンPの図示を省略している。
図1は、第1実施形態の延長管を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
図1に示すように、電気掃除機1は、キャニスター式(シリンダー式)の掃除機であり、掃除機本体2と、ホース部3と、操作管4と、延長管5と、吸口6(吸込具)とを含んで構成されている。
【0010】
掃除機本体2は、吸引力を発生させる電動送風機20、この電動送風機20の吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部7などを備えている。集塵部7は、紙パック式やサイクロン式などである。
【0011】
ホース部3の一端は、掃除機本体2の集塵部7と連通するように掃除機本体2の接続口11aに接続されている。また、ホース部3の他端は、操作管4の一端に接続されている。
【0012】
操作管4は、手元操作スイッチSWなどを備えたグリップ4aなどを備えている。操作管4の手元操作スイッチSWを操作することなどによって、電動送風機20の運転の強弱切り替えなどが可能となっている。
【0013】
延長管5は、筒状(略円筒状)に形成された筒状部51を有する。この筒状部51の長手方向(軸方向)の一端には、操作管4と接続される(掃除機本体2と間接的に接続される)基端側接続部52と、吸口6と接続される先端側接続部53と、有している。
【0014】
吸口6は、例えば、被掃除面(床面など)と接触する回転式のブラシ(不図示)を収容するケース6a、このケース6aと回動自在に連結され、延長管5の先端側接続部53と着脱可能に接続される継手部6bなどで構成されている。
【0015】
図2は、第1本実施形態の延長管を示す斜視図である。なお、
図2では、伸縮しない延長管5を示して説明するが、伸縮可能なものに適用してもよい。
【0016】
基端側接続部52は、操作管4に内挿される円筒状の挿入部52aを有している。また、基端側接続部52は、操作管4と電気的に接続される一対の端子部52bを有している。この端子部52bは、挿入部52aの径方向の外側に位置している。
【0017】
先端側接続部53は、吸口6(
図1参照)と接続される開口部53aが形成されている。また、先端側接続部53は、吸口6(
図1参照)との接続を解除する押圧式のロック解除ボタン53bを有している。
【0018】
また、延長管5の材料としては、ガラス繊維入りの強化プラスチック、炭素繊維を含有するカーボン樹脂などを挙げることができる。このような材料を用いることによって、延長管5の肉厚を薄く形成して軽量化を図ったとしても、製品としての強度を確保できる。ただし、ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を含む材料によって形成されるものに限定されるものではなく、強化繊維を含まない合成樹脂で形成されていてもよい。
【0019】
また、基端側接続部52と先端側接続部53との間の筒状部51は、厚さ(肉厚)が不均一であって、不定常なパターンによって構成された凹凸面(凹凸形状)51a(
図3参照)および凹凸面(凹凸形状)51b(
図3参照)が形成されている。なお、延長管5は、空気が通る部材であるので、延長管5の外周面に孔形状のものは形成されていない。この凹凸面51a,51bは、トポロジー最適化によって、最適な材料の密度分布が導き出される。換言すると、トポロジー最適化によって、延長管5の構造に不必要な部分については削除(薄肉にする)することが行われる。これにより、強度を損なわずに軽量化可能な3次元構造のものを生成できる。
【0020】
図3は、第1実施形態の延長管の不定常パターンを示す概略断面図である。
図3に示すように、延長管5は、管の外壁面51sと内壁面51tとに凹凸面(凹凸部)51a,51bが形成されている。この凹凸面51a,51bは、規則的なパターンではなく、不定常なパターンである。すなわち、凹凸面51aは、凹部55a,55b,55cと、凸部56a,56bと、を有し、凹状部分の面積が異なっている。また、凹凸面51b(凹凸部)は、凹部55a,55b,55cと対応する位置に凹部57a,57b,57cを有し、凸部56a,56bに対応する位置に凸部58a,58bを有している。なお、延長管5は、凹部55a~55cと凹部57a~57cとが対向しない構成であってもよい。また、凸部56a,56bと凸部58a,58bとが互いに対向しない構成であってもよい。
【0021】
凹部55a~55c、57a~57cは、延長管5の管壁の肉厚(厚み)が薄く形成されることによって構成されている。凸部56a,56b,58a,58bは、延長管5の管壁の肉厚(厚み)が凹部55a~55cの肉厚(厚み)よりも厚く形成されることによって構成されている。
【0022】
なお、
図3では、延長管5は、軸方向(長手方向)の凹凸面51a,51bのパターンが不定常となることによって構成されている。しかし、凹凸面51a,51bは、軸方向だけではなく、延長管5の周方向においても不定常パターンPとなるように構成されている。
【0023】
図4は、第1実施形態の延長管の肉厚を引いた場合の概略断面図である。
図4に示すように、延長管5の不定常パターンP(
図3参照)は、肉厚を薄くすること(引くこと:-d)、例えば、延長管5の表面に凹部55aを形成することによって構成される。なお、図示していないが、肉厚を薄くする方法は、延長管5の内壁面(裏面)51tに凹部を形成することによって構成してもよく、または
図3で示したように延長管5の外壁面51sと内壁面51tの双方に凹部を形成することによって構成してもよい。
【0024】
図5は、本実施形態の延長管の肉厚を足した場合の概略断面図である。
図5に示すように、延長管5の不定常パターンP(
図3参照)は、肉厚を増やすこと(足すこと:+d)、例えば、延長管5の表面に凸部56aを形成することによって構成される。なお、図示していないが、肉厚を厚くする方法とは、延長管5の内壁面(裏面)に凸部を形成することによって構成してもよく、または
図3で示したように延長管5の外壁面51sと内壁面51tの双方に凸部を形成することによって構成してもよい。
【0025】
以下、トポロジー最適化によって導き出された延長管5の評価方法について説明する。
図6Aおよび
図6Bは、延長管の横方向圧縮の評価条件を示す模式図である。
図7Aおよび
図7Bは、延長管の縦方向圧縮の評価条件を示す模式図である。
図8Aおよび
図8Bは、延長管のたわみ変形の評価条件を示す模式図である。
図9A~
図9Cは、延長管のねじり変形の評価条件を示す模式図である。なお、以下で示す評価方法は、一例であって本実施形態に限定されるものではなく、これらの一部を選択して評価するようにしてもよい。
【0026】
図6Aおよび
図6Bに示すように、横方向圧縮を評価する場合には、延長管5の4か所(A~D)に荷重を与えて評価する。なお、
図6Aは、紙面垂直手前方向が延長管5の上面である。また、
図6Bは、紙面垂直手前方向が延長管5の左側面である。また、
図6Aの評価は、延長管5を単純に横方向からつぶすように荷重をかけた場合を想定している。
図6Bの評価は、延長管5を上から足で踏んだ場合を想定している。
【0027】
図6Aに示すように、延長管5の軸方向を4等分したときに、先端側接続部53の端部から4分の1(1/4)の位置をAとし、2分の1(1/2)の位置(中央)をBとし、4分の3(3/4)の位置をCとする。これらA,B,Cの位置において、延長管5の右側面から荷重を与え、かつ、破線で示すように荷重を与える反対側(左側面)を拘束した状態にして評価する。
【0028】
図6Bに示すように、延長管5の軸方向(長手方向)の中央(先端側接続部53から2分の1(1/2)の位置)をDとする。この位置Dにおいて、延長管5の上面から荷重を与え、かつ、破線で示すように荷重を与える反対側(下面)を拘束した状態にして評価する。なお、位置A~Dに与える荷重は、延長管5の材料や、延長管5の長さおよび径などに応じて適宜決定されるものである。
【0029】
図7Aおよび
図7Bは、延長管5の基端側接続部52を上側にし、先端側接続部53を下側にして、白抜き矢印で示すように、基端側接続部52から先端側接続部53に向けて押したときを想定している。
図7Aおよび
図7Bに示すように、縦方向(軸方向)圧縮を評価する場合には、基端側接続部52の軸方向の端面52cから軸方向に荷重を与え(
図7B参照)、かつ、破線で示すように先端側接続部53の軸方向の端面53cを拘束した状態(
図7A参照)にして評価する。
【0030】
図8Aおよび
図8Bは、延長管5の長手方向(軸方向)の中央を手で押したときを想定している。
図8Aにおいてドットで示すように、延長管5の先端側接続部53の内壁面53a1を拘束し、かつ、
図8Bにおいてドットで示すように、延長管5の基端側接続部52の外壁面52a1を拘束した状態において、延長管5の長手方向(軸方向)の中央(白抜き矢印)に荷重を与えることで評価する。
【0031】
図9A~
図9Cは、吸口6(
図1参照)を繋いだ状態で、左右にねじった場合を想定している。
図9Aにおいてドットで示すように、延長管5の先端側接続部53の内壁面53a1を拘束し、かつ、
図9Bにおいてドットで示すように、延長管5の基端側接続部52の外壁面52a1を拘束した状態において、
図9Cに示すように、外壁面52a1を反時計回り方向をねじる荷重を与えることで評価する。
【0032】
このように、トポロジー最適化によって、厚さが不均一であり、不定常パターンPを有する延長管5を構成する。そして、
図6Aおよび
図6B、
図7Aおよび
図7B、
図8Aおよび
図8B、
図9A~
図9Cに示す評価試験を行うことによって、トポロジー最適化によって得られた凹凸形状が得られた延長管5が製品として成り立つか否かを確認する。
【0033】
以上説明したように、第1実施形態の延長管5は、筒状に形成される筒状部51を有し、筒状部51は、当該筒状部51の一端に掃除機本体2と間接的に接続される基端側接続部52と、当該筒状部51の他端に吸口6が接続される先端側接続部53と、を備え、筒状部51は、厚さが不均一な不定常パターンPを有する。これによれば、延長管5の強度を落とさずに軽量化できる。
【0034】
また、第1実施形態は、不定常パターンPは、筒状部51の厚さを引くことによって構成されている。これによれば、延長管5の軽量化に寄与できる。
【0035】
また、第1実施形態は、不定常パターンPは、筒状部51の厚さを足すことによって構成されている。これによれば、延長管5の必要な強度を確保できる。
【0036】
また、第1実施形態の電気掃除機1は、電動送風機20を内蔵した掃除機本体2と、掃除機本体2に接続される延長管5と、を備えている。これによれば、さらなる軽量化によって、電気掃除機1の取り扱い性を向上させることができる。
【0037】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態の延長管を示す断面図である。
図10に示すように、延長管5Aは、筒状部51の外壁面(外面)51sに凹凸面51aが形成されている。凹凸面51aは、厚さが不均一で不定常パターンPからなる凹部55a~55cと凸部56a,56bとによって構成されている。また、延長管5Aの内壁面(裏面)51uは、
図3に示す凹凸のある面ではなく、滑らかな面(段差の無い面、凹凸の無い面)が形成されている。換言すると、内壁面51uは、軸方向に沿って略直線状かつ径方向に沿って略円形状に形成されている。
【0038】
このように、第2実施形態の延長管5Aは、筒状部51の外壁面51s(外側)に凹凸面51aを有するとともに、当該筒状部51の内壁面51uに滑らかな面を有する。これにより、ごみの引っ掛かりを防いで、吸い込み抵抗になることを防止することが可能になる。
【0039】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態の延長管の凸部の粗密を示す概略図である。
図11に示すように、第3実施形態の延長管5Bは、軸方向(長手方向)の一端の基端側接続部52側に形成される凸部56aの密度(密集度)が疎となるように構成されている。また、延長管5Bは、軸方向(長手方向)の他端の先端側接続部53側に形成される凸部56aの密度(密集度)が疎となるように構成されている。なお、凸部56aの密度が疎とは、凸状に形成されている面積が少なく形成されていることを意味する。これにより、延長管5Bにおいて比較的強度を確保できる端部の肉厚を少なくすることによって、延長管5Bの軽量化に寄与することができる。
【0040】
また、延長管5Bは、軸方向(長手方向)の中央において、凸部56aの密度(密集度)が密となるように構成されている。なお、凸部56aの密度が密とは、凸状に形成されている面積が延長管5Bの軸方向の両端部より多く形成されていることを意味する。これにより、延長管5Bにおいて比較的強度の低い中央部の肉厚を厚くすることによって、延長管5の強度が低下するのを抑えることができる。
【0041】
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態の延長管の凹凸形状を示す断面図である。
図12に示すように、第4実施形態の延長管5Cは、シート材60がインサート成形によって一体に形成されている。ところで、延長管5Cを軽量化しようとする場合、貫通した孔形状にすることはできないので、なるべく薄い肉厚の凹部55aを形成する必要がある。しかし、成形品で形成しようとする場合には、ある程度肉厚がないと、成形の型内において樹脂が流れなくなる。そこで、肉厚をできるだけ薄く形成する方法として、別部品のシート材60をインサート成形することによって延長管5Cを構成したものである。
【0042】
このように、第4実施形態は、筒状部51の凹部55aが別部品のシート材60によって構成されている。これによれば、凹部の肉厚を薄く形成することができ、さらなる軽量化を図ることができる。また、さらなる軽量化を求めるのであれば、シート材60がある程度剛性を有するものに限定されず、膜形状のものであってもよい。
【0043】
なお、前記した実施形態では、延長管5(5A,5B,5C)について、トポロジー最適化を利用することによって延長管5に厚さが不均一で不定常なパターンPが形成される場合を例に挙げて説明したが、延長管5に限定されるものではなく、キャニスター(シリンダー式)掃除機の本体、スティック掃除機の本体、ハンディ掃除機の本体、ロボット掃除機の本体、吸口などの付属品などにもトポロジー最適化を適用して、不均一な厚さで不定常パターンPを有するものとしてもよい。このような場合においても、強度を落とさず、軽量化を図ることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 電気掃除機
2 掃除機本体
20 電動送風機
5,5A,5B,5C 延長管
51 筒状部
51a,51b 凹凸面(凹凸形状)
52 基端側接続部
52a 挿入部
53 先端側接続部
55a,55b,55c,57a,57b,57c 凹部
56a,56b,58a,58b 凸部
P 不定常パターン