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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】螺旋バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 29/02 20060101AFI20230926BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230926BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20230926BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20230926BHJP
【FI】
A61M29/02
A61M25/00 540
A61M25/09 540
A61M25/10 510
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020125647
(22)【出願日】2020-07-22
(62)【分割の表示】P 2016562235の分割
【原出願日】2015-04-15
(65)【公開番号】P2020185410
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】61/979,991
(32)【優先日】2014-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515089116
【氏名又は名称】キューマックス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ラドゥカ,ロバート シー.
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-165781(JP,A)
【文献】米国特許第05221260(US,A)
【文献】特開平02-271874(JP,A)
【文献】特表2004-537378(JP,A)
【文献】米国特許第05299575(US,A)
【文献】米国特許第05035705(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0085381(US,A1)
【文献】国際公開第2014/055547(WO,A1)
【文献】特開平11-169464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 29/02
A61M 25/00
A61M 25/09
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤと共に使用されるカテーテルであって、
ガイドワイヤ管腔と、
前記ガイドワイヤ管腔に入ることおよび出ることが可能な拡張可能な構造とを備え、
前記拡張可能な構造は、非作動形態および作動形態を有し、
前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は前記ガイドワイヤ管腔の外側にあり、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は前記ガイドワイヤ管腔内にあり、かつ前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔を通って移動することを防止し、
前記拡張可能な構造が第1のガイドワイヤアンカー固定具であり、前記拡張可能な構造のが前記作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤに接触し、前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔内の所定の位置にアンカー固定され、
前記カテーテルが第2のガイドワイヤアンカー固定具を含み、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあり、かつ前記第2のガイドワイヤアンカー固定具が作動形態にあり、かつ前記カテーテルが体腔内にあるときに、前記ガイドワイヤが前記体腔内の所定の位置にアンカー固定され、
前記第2のガイドワイヤアンカー固定具は、カテーテルの螺旋へ変形可能なセクションを構成する、カテーテル。
【請求項2】
前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤ管腔の外側にあり、かつ前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤの両側にあり、
前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤ管腔内にあり、かつ前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤの前記両側にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は、前記ガイドワイヤ管腔の第1の側および前記ガイドワイヤ管腔の第2の側にあり、前記ガイドワイヤ管腔の前記第1の側は、前記ガイドワイヤ管腔の前記第2の側の反対側にあり、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあり、かつ前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、前記拡張可能な構造は、前記ガイドワイヤの第1の側および前記ガイドワイヤの第2の側にあり、前記ガイドワイヤの前記第1の側が前記ガイドワイヤの前記第2の側の反対側にあり、これにより、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記ガイドワイヤが前記拡張可能な構造の第1の側と前記拡張可能な構造の第2の側との間で圧縮され、前記拡張可能な構造の前記第1の側は、前記拡張可能な構造の前記第2の側の反対側にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
複数の流体ポートをさらに備え、前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、流体が前記流体ポートを通して送達可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記流体ポートが、前記ガイドワイヤ管腔と流体連通している、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、前記拡張可能な構造が前記ガイドワイヤ管腔の外側にあるときよりも高い圧力で前記流体ポートを通して流体が送達可能である、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項7】
ガイドワイヤと共に使用されるカテーテルであって、
拡張可能な構造と、
前記拡張可能な構造を介して開閉可能なガイドワイヤ管腔とを備え、
前記拡張可能な構造は、非作動形態および作動形態を有し、
前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、前記ガイドワイヤ管腔が開放され、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、前記拡張可能な構造は前記ガイドワイヤ管腔を閉塞させて前記ガイドワイヤに対して圧迫力を加え
前記拡張可能な構造の遠位端部は、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときよりも前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときの方が、前記カテーテルの遠位端部に近くなり、
前記拡張可能な構造の近位端部は、前記拡張可能な構造が非作動形態にあるときよりも前記拡張可能な構造が作動形態にあるときの方が、前記カテーテルの遠位端部から遠くなる、カテーテル。
【請求項8】
複数の流体ポートをさらに備え、同流体ポートは、複数の側面ポートおよび遠位側末端ポートを含み、前記ガイドワイヤ管腔が開放されているときには、流体は、前記側面ポートおよび前記遠位側末端ポートを通して送達可能であり、また、前記ガイドワイヤ管腔が閉鎖しているときには、前記拡張可能な構造は、前記遠位側末端ポートを通した流れを閉塞し、流体は、前記側面ポートを通して送達可能である、請求項に記載のカテーテル。
【請求項9】
複数の流体ポートをさらに備え、流体は、前記ガイドワイヤ管腔が閉鎖されているときに、前記ガイドワイヤ管腔が開放されているときよりも高い圧力で前記流体ポートを通して送達可能である、請求項に記載のカテーテル。
【請求項10】
複数の流体ポートをさらに備え、前記流体ポートは、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるとき、および前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記ガイドワイヤ管腔と流体連通している、請求項に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときの方が、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときよりも長い、請求項に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記拡張可能な構造は、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときの方が、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときよりも前記ガイドワイヤに近い、請求項に記載のカテーテル。
【請求項13】
ガイドワイヤと共に使用されるカテーテルであって、
ガイドワイヤ管腔と、
非作動形態および作動形態を有する拡張可能な構造とを備え、
前記拡張可能な構造は、前記カテーテルの外側壁部に入ることおよび出ることが可能であり、
前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は前記カテーテルの外側壁部内にあり、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は前記カテーテルの外側壁部の外側にあり、
前記拡張可能な構造が、前記カテーテルの前記外側壁部の凹部に入ることおよび出ることが可能であり、
前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は前記凹部内にあり、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は前記凹部の外側にあり、
前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は、前記凹部の近位側末端部と前記凹部の遠位側末端部との間にあり、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記拡張可能な構造は、前記凹部の前記近位側末端部よりも近位側にあり、かつ前記凹部の前記遠位側末端部よりも遠位側にある、カテーテル。
【請求項14】
前記拡張可能な構造が前記カテーテルの前記外側壁部内にあるときに、前記拡張可能な構造は、前記ガイドワイヤ管腔の第1の側および前記ガイドワイヤ管腔の第2の側にあり、前記ガイドワイヤ管腔の前記第1の側は、前記ガイドワイヤ管腔の前記第2の側の反対側にあり、
前記拡張可能な構造が前記カテーテルの前記外側壁部の外側にあり、かつ前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ管腔内にあるときに、前記拡張可能な構造は、前記ガイドワイヤの第1の側および前記ガイドワイヤの第2の側にあり、前記ガイドワイヤの前記第1の側が前記ガイドワイヤの前記第2の側の反対側にあり、これにより、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、前記ガイドワイヤが前記拡張可能な構造の第1の側と前記拡張可能な構造の第2の側との間で圧縮され、前記拡張可能な構造の前記第1の側は、前記拡張可能な構造の前記第2の側の反対側にある、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
複数の流体ポートをさらに備え、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、流体が第1の圧力で前記流体ポートを通して送達可能であり、
前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに、流体が前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で前記流体ポートを通して送達可能である、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項16】
複数の流体ポートをさらに備え、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに前記流体ポートが開放されており、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに開放されている前記流体ポートのうちの1つが、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときに閉鎖されている、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項17】
複数の流体ポートをさらに備え、同流体ポートは、前記カテーテルの前記外側の壁を通って延びる側面ポートを含み、前記流体ポートは、前記ガイドワイヤ管腔の遠位側末端開口部を含み、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときに、流体は、前記側面ポートおよび前記ガイドワイヤ管腔の前記遠位側末端開口部を通って流動可能であり、また、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるとき、流体は前記側面ポートを通って流動可能であり、前記拡張可能な構造が前記作動形態にあるときは、前記拡張可能な構造が前記非作動形態にあるときよりも、前記ガイドワイヤ管腔の前記遠位側末端開口部を通って流動可能な流体がより少ない、請求項13に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2013年10月1日出願の米国特許出願第14/043,608号明細書に関連し、かつ2012年12月7日出願の米国仮特許出願第61/734,860号明細書に関連した、2014年4月15日出願の米国仮特許出願第61/979,991号明細書;2012年11月9日出願の米国仮特許出願第61/724,875号明細書;及び2012年10月1日出願の米国仮特許出願第61/708,524号の利益を主張するものである。これらの特許文献のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
体内管腔の閉塞を引き起こさずに体内管腔壁に対して径方向外向きの力を提供するように配置することができるバルーンカテーテルが依然として要望されている。このようなカテーテルは、様々な拡張特性、例えば、弱い又は強い径方向外向きの力、比率の低い又は高い拡張を提供し、かつ蛇行した解剖学的構造を案内する機能を提供するように構成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書に記載の方法及び装置は、血管の流れを維持した状態で拡張を可能にする変形可能なセクションを有するカテーテルを含む改善されたカテーテルを提供する。以下の開示は、身体の血管に使用される装置及び方法について述べるが、このような方法及び装置は、様々な身体部分に適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、カテーテルを含み、該カテーテルは、近位部分、遠位部分、及びこれらの間に位置し、変形可能な断面を有する変形可能なセクション、ここで、該変形可能セクションの断面が、第1の側の弾性材料及び第2の側の可撓性支持材料を含み、膨張管腔が、該弾性材料及び該可撓性支持材料の両方によって囲まれ、該変形可能なセクションの断面が、該変形可能なセクションの長さに沿って回転し、これにより、該弾性材料、該膨張管腔、及び該可撓性支持材料が、該変形可能なセクションの該長さに沿って螺旋状に延在し、少なくとも該変形可能なセクションの該長さに沿って、少なくとも該カテーテルの近位部分まで該可撓性支持材料を通るプルワイヤであって、該プルワイヤに近位側への張力がかかると、該変形可能なセクションが螺旋形状に変形する、プルワイヤ、を備え、かつ該膨張管腔内の圧力が上昇すると、該弾性材料が、該膨張管腔から離れる方向に拡張する。
【0005】
1つの変形例において、螺旋形状では、可撓性支持材料が、螺旋形状の内径に沿って位置し、かつ弾性材料が、該螺旋形状の外径に位置し、これにより、膨張管腔内の圧力が上昇すると、該弾性材料が、該螺旋形状から径方向外向きに拡張する。
【0006】
別の変形例では、プルワイヤは、プルワイヤ管腔を通り、かつ該プルワイヤ管腔と膨張管腔が、変形可能なセクションの断面において互いに180度反対側に位置する。
【0007】
装置の変形例は、変形可能なセクションの近位部分及び可撓性支持材料を通るガイドワイヤ管腔を備えることができる。この装置は、任意選択により、近位部分、遠位部分、及び変形可能なセクションの中心を通る1つ以上のガイドワイヤ管腔も備えることができる。
【0008】
1つの例では、ガイドワイヤ管腔は遠位部分を通る。
【0009】
装置は、任意選択により、近位部分を通る膨張管腔も備えることができる。
【0010】
装置の変形例では、可撓性支持材料のデュロメータ硬さは、近位部分のデュロメータ硬さよりも低い。
【0011】
装置は、少なくとも1つの巻き又は複数の巻きを有する螺旋状の変形可能なセクションを備えることができ、螺旋形状は、ピッチ及び直径を有する。
【0012】
装置は、複数の巻きの少なくとも2つの巻きが螺旋形状の長さに沿って連続している変形例を含み得る。さらなる変形例では、複数の巻きの少なくとも2つの巻きは、螺旋形状の長さに沿って離間し、接触していない。
【0013】
一部の変形例では、螺旋形状のピッチは、複数の巻きで一定である。別法では、螺旋形状のピッチは、複数の巻きで変化し得る。さらに、螺旋形状の直径は、螺旋形状の長さに沿って一定でも良いし、又は変化しても良い。
【0014】
本開示はまた、体内管腔内で医療処置を行うための方法も含む。一例では、このような方法は、カテーテルを体内管腔内を前進させる工程であって、該カテーテルが、近位部分、遠位部分、及びこれらの間に位置する変形可能なセクションを有し、該変形可能なセクションの断面が、第1の側の弾性材料及び第2の側の可撓性支持材料を含み、膨張管腔が、該弾性材料及び該可撓性支持材料の両方によって囲まれ、該変形可能なセクションの断面が、該変形可能なセクションの長さに沿って回転し、これにより、該弾性材料、該膨張管腔、及び該可撓性支持材料が、該変形可能なセクションの該長さに沿って螺旋状に延在する、工程、該変形可能なセクションを、プルワイヤに張力をかけることによってほぼ線形の形状から螺旋形状に変形させる工程であって、該プルワイヤが、少なくとも該変形可能なセクションの該長さに沿って、少なくとも該カテーテルの近位部分まで該可撓性支持材料を通り、これにより、該プルワイヤに張力がかかると、該変形可能なセクションが該螺旋形状に変形する、工程、及び該膨張管腔内の圧力を上昇させることによって該弾性材料を拡張させる工程を含む。
【0015】
別の例では、この方法は、体内管腔が前記カテーテルによって閉塞されないように螺旋形状の通過を可能にした状態で、弾性材料を該体内管腔の壁に対して拡張させて該体内管腔の該壁に径方向外向きの力を加えることによる該弾性材料を拡張させる工程含む。
【0016】
別の例では、この方法は、カテーテルの変形可能なセクションを第2の医療装置内に配置する工程であって、体内管腔が該カテーテルによって閉塞されないように螺旋形状の通過を可能にした状態で、弾性材料を拡張させて該第2の医療装置を該体内管腔の壁に対して拡張させる、工程を含み得る。
【0017】
本開示はまた、近位部分、遠位部分、及びこれらの間に位置する変形可能なセクションを有するカテーテルの別の変形例も含み、ここで、変形可能なセクションの断面が、第1の側の弾性材料及び第2の側の可撓性支持材料を含み、膨張管腔が、該弾性材料及び該可撓性支持材料の両方によって囲まれ、該変形可能なセクションの断面が、該変形可能なセクションの長さに沿って異なるヤング係数を有する2つの材料を含み、これにより、該弾性材料、該膨張管腔、及び該可撓性支持材料が、チューブの弾性部分の膨張の際に異なる比率で長さが変化し、弾性バルーン材料がカテーテル管腔の該可撓性支持材料に対して伸長して、該変形可能なセクションが、コイル又は螺旋形状、即ち、円柱、円錐、又はフック形状に変形する。
【0018】
このようなヤング係数は、任意選択により、下記の数式1によって決定することができる。
【0019】
【数1】
【0020】
本明細書に記載のアクセス装置及び処置の変形例は、様々な実施形態の特徴の組み合わせ、又は可能な全ての実施形態自体の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、螺旋構造をとり得る変形可能なセクションを有するカテーテルを例示している。
図1B図1Bは、変形可能なセクションを螺旋又は螺旋形状にする、プルワイヤに加えられる近位側の力を例示している。
図1C図1Cは、螺旋構造にあるカテーテルの斜視図を示している。
図1D図1Dは、カテーテルの変形可能なセクションの拡張可能な構造を例示している。
図1E図1Eは、カテーテルの変形可能なセクションの拡張可能な構造を例示している。
図1F図1Fは、カテーテルの変形可能なセクションの拡張可能な構造を例示している。
図1G図1Gは、カテーテルの変形可能なセクションの拡張可能な構造を例示している。
図1H図1Hは、カテーテルの変形可能なセクションの拡張可能な構造を例示している。
図2A図2Aは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2B図2Bは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2C図2Cは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2D図2Dは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2E図2Eは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2F図2Fは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2G図2Gは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2H図2Hは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2I図2Iは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2J図2Jは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図2K図2Kは、変形可能なセクションの断面が変形可能なセクションの長さに沿ってどのように回転するかを示している。
図3A図3Aは、本明細書に記載のカテーテルの変形例と共に使用される螺旋形状のさらなる変形例を例示している。
図3B図3Bは、本明細書に記載のカテーテルの変形例と共に使用される螺旋形状のさらなる変形例を例示している。
図3C図3Cは、本明細書に記載のカテーテルの変形例と共に使用される螺旋形状のさらなる変形例を例示している。
図4A図4Aは、単一巻きのカテーテルを示している。
図4B図4Bは、単一巻きのカテーテルを示している。
図4C図4Cは、単一巻きのカテーテルを示している。
図5A図5Aは、医療装置を体内管腔内に留置するために使用される変形可能なセクションを備えるカテーテルの例を示している。
図5B図5Bは、医療装置を体内管腔内に留置するために使用される変形可能なセクションを備えるカテーテルの例を示している。
図5C図5Cは、医療装置を体内管腔内に留置するために使用される変形可能なセクションを備えるカテーテルの例を示している。
図6A図6Aは、ガイドワイヤ管腔が変形可能なセクションの一側で出て、遠位セクションで装置に再び進入する該装置の変形例を示している。
図6B図6Bは、ガイドワイヤ管腔が変形可能なセクションの一側で出て、遠位セクションで装置に再び進入する装置の変形例を示している。
図7A図7Aは、変形可能なセクションが螺旋巻きを形成するときに該変形可能なセクションの拡張を可能にするアクチュエーターを有する装置の別の変形例を示している。
図7B図7Bは、変形可能なセクションが螺旋巻きを形成するときに該変形可能なセクションの拡張を可能にするアクチュエーターを有する装置の別の変形例を示している。
図8A図8Aは、流体送達管腔を有する装置の変形例を例示している。
図8B図8Bは、流体送達管腔を有する装置の変形例を例示している。
図8C図8Cは、流体送達管腔を有する装置の変形例を例示している。
図8D図8Dは、流体送達管腔を有する装置の変形例を例示している。
図9A図9Aは、変形可能なセクションの外面のポートを示している。
図9B図9Bは、変形可能なセクションの外面のポートを示している。
図10図10は、動脈内で拡張されて流体を送達する装置の変形例を示している。
図11A図11Aは、装置のさらなる変形例を示している。
図11B図11Bは、装置のさらなる変形例を示している。
図12A図12Aは、コイル又は螺旋を形成するときに変形可能なセクションを助けるために使用される追加ワイヤ又は縫合糸を備える装置の変形例を示している。
図12B図12Bは、コイル又は螺旋を形成するときに変形可能なセクションを助けるために使用される追加ワイヤ又は縫合糸を備える装置の変形例を示している。
図12C図12Cは、コイル又は螺旋を形成するときに変形可能なセクションを助けるために使用される追加ワイヤ又は縫合糸を備える装置の変形例を示している。
図12D図12Dは、コイル又は螺旋を形成するときに変形可能なセクションを助けるために使用される追加ワイヤ又は縫合糸を備える装置の変形例を示している。
図13A図13Aは、標的位置から後退しているカテーテルを例示している。
図13B図13Bは、改善された螺旋バルーンカテーテルを例示している。
図14A図14Aは、ガイドワイヤを圧迫する又は締め付けるように構成された螺旋バルーンカテーテルの例を例示している。
図14B図14Bは、ガイドワイヤを圧迫する又は締め付けるように構成された螺旋バルーンカテーテルの例を例示している。
図14C図14Cは、ガイドワイヤを圧迫する又は締め付けるように構成された螺旋バルーンカテーテルの例を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の例示は、本開示による装置及び方法の様々な実施形態及び例を実証する。様々な装置及び方法の態様の組み合わせ又は装置及び方法自体の組み合わせは、本開示の範囲内であると考えられる。
【0023】
図1Aは、本開示によるカテーテル100の変形例を例示している。図1Aは、概ね線形の構造のカテーテル100を示しているが、カテーテル100は、任意選択により、蛇行した解剖学的構造、例えば、血管系及び/又は他の体内の器官内を案内するために変形可能に構成することができる。図1Aは、遠位端部114で終端している任意選択の管腔を有する遠位部分102を備えるカテーテルを示している。カテーテル100は、該カテーテル100を操作するために操作者が使用する近位部分106も備える。カテーテル100の変形例は、近位部分106の近位端部に向かって配置された任意の数のハブ又はハンドルを備えることができる。カテーテル100は、近位部分106と遠位部分102との間に配置された変形可能なセクション104を備える。以下で述べられるように、変形可能なセクション104は、プルワイヤ108又は他の同様の手段によって使用者が作動させることができる。装置100の変形例は、遠位部分102を備えないカテーテル100、又はカテーテル100の有意な長さに沿って延びた変形可能なセクション104を備えるカテーテル100を含み得る。変形可能なセクション104は、以下に詳述されるように、該変形可能なセクション104の長さに沿って回転し、118で示されている断面を有する。この回転した断面は、変形可能なセクション104の長さに沿って螺旋状に延びた少なくとも2つの異なる材料を含む。
【0024】
図1Bは、変形可能なセクション104を螺旋又は螺旋形状110にする、プルワイヤ108に加えられる近位方向の力116を例示している。変形可能なセクション104の回転した断面は、該変形可能なセクションの少なくとも一部を通るプルワイヤ108に張力がかけられると、該変形可能なセクション104が螺旋に変形する。図1Bに例示されている変形例は、4つの巻き112を有する螺旋形状100を実証している。しかしながら、本明細書に記載の装置及び方法は、任意の数の巻き112、及び以下に示される代替の螺旋構造を有し得る。
【0025】
図1Cは、螺旋形状の変形可能なセクション104を有するカテーテル100の斜視図を示し、図示されているように、螺旋形状110は、螺旋構造にある場合、カテーテル100が体内管腔の閉塞を防止する通路120を有する。
【0026】
図1Dは、本開示のカテーテル100の別の変形例を例示している。この変形例では、カテーテル100の変形可能なセクション104を拡張することができる。図1Eは、図1Dの線1E-1Eに沿って切り取られた断面を例示している。図1Fは、螺旋形状の最も左の巻き112の拡大図を例示している。図示されているように、カテーテル100は、拡張管腔150、ガイドワイヤ管腔152、及びプルワイヤ154又はプルワイヤ管腔154を備えることができる。装置の変形例は、拡張可能な材料156及び可撓性材料158によって囲まれた膨張管腔150を備える。この可撓性材料は、変形可能なセクション104の選択的な湾曲を可能にし、拡張可能な材料156は、膨張管腔150の加圧時に拡張する。特定の変形例では、弾性材料156は、器官又は体内管腔を通る流れが維持されるように通路120を維持した状態で、該材料156が螺旋形状から外側に拡張するような向きにされる。
【0027】
弾性材料は、医療用弾性バルーンに一般的に使用されている材料を含み得る。支持/弾性材料の材料の例としては、pebaxまたはpebaxとシロキサンの混合物を挙げることができる。弾性材料は、可撓性材料で共押出しすることができる。また、装置の変形例は、変形可能なセクションで使用される可撓性材料よりも硬い材料を含む近位部分を備えることができる。
【0028】
さらに、特定の変形例では、装置は、材料の特定の選択により、別個のプルワイヤを必要とすることなく、自動的に螺旋を形成することができる。例えば、このような変形例では、弾性の拡張可能なバルーン材料は、共押出しされる、又は他の方法でカテーテルの非弾性材料に結合され、この2つの材料は、異なる剛性及び伸長応力ひずみ曲線を有する。このような変形例では、チューブの弾性部分の膨張時に、チューブの一方の壁しか長さが変化しないため、他方の壁が、弾性の低い材料によって拘束される。これにより、カテーテルのバルーンセグメントが、拡張時に螺旋コイル形状を自動的に形成する。バルーンの直径及び膨張した螺旋バルーン構造の直径は、材料の選択、デュロメータ硬さ、長さ、及び押出し断面形状を含む適切な設計パラメーターを選択することによって決定することができる。
【0029】
図1Gは、螺旋形状から離れる方向の弾性材料156の拡張による変形可能なセクション104に沿った拡張を例示している。図示されているように、可撓性材料158は、螺旋形状の形成を可能にするが、通路120の閉塞は防止する。
【0030】
図1Hは、図1Gの線1H-1Hに沿って切り取られた断面を示している。図示されているように、弾性材料156は、膨張管腔が(流体又は気体によって)加圧されているため、螺旋から離れる方向に拡張している。図1Hはまた、変形可能なセクション104の変形を可能にだけではなく、拡張する可撓性材料156の支持も提供する弾性材料158を例示している。
【0031】
図2Aは、図1Fに示されている変形可能なセクション104の断面を例示している。同様に、膨張管腔150は、拡張可能な材料156及び可撓性材料158によって囲まれている。この可撓性材料は、変形可能なセクション104の選択的な湾曲を可能にし、拡張可能な材料156は、膨張管腔150の加圧時に拡張する。同様に、弾性材料156は、器官又は体内管腔を通る流れが維持されるように通路120を維持した状態で、該材料156が螺旋形状から外側に拡張するような向きにすることができる。
【0032】
一例では、装置の非拡張部分を、Peba、ポリウレタン、ナイロン、又はポリウレタンとシロキサン、又はPebaとシロキサン、又はナイロンとシロキサンとの配合物から形成することができる。Pebaとシロキサン、又はポリウレタンとシロキサン、又はナイロンとシロキサンを含む変形例では、押出しは、シロキサンがその他の材料によって均質に分散されるように処理される。シロキサンを均質に排出することにより、押出し全体で均一な高い滑性が可能となる。代替の変形例は、医療装置の用途で使用されるあらゆる一般的に知られている材料から形成される装置を含む。
【0033】
図2Bは、変形可能なセクション104の断面の回転を例示する該変形可能なセクション104の部分図を示している。図2Bは、線2C/2C~2K/2Kに沿って切り取られた多数の断面図を示している。図示されているように、断面は、断面を形成する異なる材料が変形部分104に沿って螺旋状に回転するように、変形可能なセクション104の長さに沿って回転している。断面が回転する回転速度及び/又は長さは、特定の用途に必要な特性を得るために選択することができる。
【0034】
図3A図3Cは、様々な変形可能なセクション104の螺旋形状110の変形例を例示している。図3Aは、螺旋の巻き間に均一な直径170、172及び均一なピッチ174を有する螺旋形状を例示している。図3Bは、変化している直径を例示している。この例では、直径174は、遠位側の巻きが近位側の巻きよりも小さい直径176を有するように遠位方向に縮小している。図3Cは、距離178、180、182によって測定される変化するピッチを有する螺旋形状を例示している。図示されているように、ピッチは、遠位方向に拡大している。しかしながら、ピッチは、近位方向に拡大することもできる。
【0035】
図4Aは、単一螺旋巻き112を有するカテーテル100の変形例を例示している。図4Bは、図4Aのカテーテル100の側面図を例示している。図4Cは、可撓性材料158が変形して巻き112を形成して、通路120の形成を助けている、弾性材料156の拡張時の図4Aの変形例を示している。図4Cはまた、ガイドワイヤ管腔を通って延出しているガイドワイヤ188を示している。
【0036】
図5A図5Cは、本明細書に記載のカテーテル100を使用する方法の一例を例示している。図5Aに示されているように、カテーテル100は、血管10又は器官(この変形例では、血管は大動脈弓を含む)内を前進している。しかしながら、カテーテル100は、体内の様々な器官又は血管に適合する大きさにすることができる。カテーテル100は、任意選択により、血管10内でインプラント200を拡張させるために使用することができる。別法では、カテーテル100は、器官又は血管に対して拡張力を提供するために単独で使用することができる。図5Bは、カテーテル100の変形可能なセクション104の螺旋への変形を例示している。図示されているように、これにより、任意選択で、配置又は部分的な留置のためにインプラント202を部分的に拡張させることができる。図5Cは、インプラント202を完全に留置するための弾性材料の拡張を示している。上記のように、螺旋形状の通路により、血管10内の流れが継続される。
【0037】
図6Aは、ガイドワイヤ管腔152を有する装置の変形例を示し、該ガイドワイヤ管腔152は、該装置を通り、かつ複数の開口114を有し、このため、ガイドワイヤが変形可能なセクション104から外に出て、遠位部分102の開口114で該装置100に再び進入することができ、これにより、該ガイドワイヤが遠位ガイドワイヤ開口114を通過することができる。図示されているように、ガイドワイヤ管腔152は、プルワイヤ108に近接して、又は装置100の近位部分106の他の同様の手段に近接して延在することができる。しかしながら、変形可能なセクション104又はその近傍で、ガイドワイヤ管腔は、ガイドワイヤが該変形可能なセクション104に沿って装置から出て、次いで該装置の遠位部分102に近接した第2の開口114で該装置に再び進入できるように、開口114で装置100から延出する。この構成により、ガイドワイヤが、最も遠位の開口114から延出することが可能となる。
【0038】
図6Bは、装置100を通るが、螺旋の巻き110の中を通過しているガイドワイヤ188を例示している。次いで、ガイドワイヤ188は、装置100の遠位部分102に再び進入し、これにより医師が、該ガイドワイヤ188を用いて該装置100の遠位部分102を操作することができる。
【0039】
図7A及び図7Bは、変形可能なセクション104が螺旋の巻き112を形成するときに該変形可能なセクション104の拡張を可能にするアクチュエーター194を有する装置100の別の変形例を例示している。図7Aは、変形可能なセクション104を通るプルワイヤ108が、アクチュエーター192も通って近位側に延び、このアクチュエーター192に結合されている線形構造の装置100を示している。この変形例では、プルワイヤ108は、アクチュエーター192のピストン194に結合されている。アクチュエーター129はまた、弁190(この変形例では、弁は三方弁である)に結合されている。この弁は、装置100のフィッティング186にも結合されている。プルワイヤ108は、ガイドワイヤ管腔152を介して挿入されるガイドワイヤから分離できることに留意されたい。
【0040】
図7Bは、矢印210によって表される弁190を通過する流体源を示している。流体210は、矢印212によって示されているように装置100を移動して、上記の拡張可能な領域を拡張させる。しかしながら、三方弁190はまた、流体によりアクチュエーター192を加圧してピストン194を該アクチュエーター192から押し出す。ピストン194は、プルワイヤ108に結合されているため、該ピストン194の移動により、矢印216によって示されているように該プルワイヤが近位側に移動する。このプルワイヤの移動により、変形可能なセクション104の巻き112が螺旋形状を形成する。
【0041】
図8A図8Dは、本明細書に記載の装置と共に使用される別の態様を例示している。これらの図は、装置100の拡張可能なセクションの断面図を示している。この変形例では、装置100は、カテーテルの主本体から流動物質の送達を可能にする流体送達管腔162を備える。図8Aは、流体送達管腔162が装置100の拡張可能な壁156に位置している変形例を示している。代替の変形例では、装置100の壁内のあらゆる位置への流体送達管腔162の配置が可能である。図8Bは、複数の流体送達管腔162を備える装置100の変形例を例示している。図8A図8Dには示されていないが、流体送達管腔162は、装置本体100の外部の所望の位置に流体を送達する1つ以上のポートを有する。図8Cは、流体送達管腔162が、閉塞されることなく卵形となっている拡張した状態にある装置100を示している。図8Dは、流体送達管腔162が、カテーテル100の外面の拡張可能なセクション163によって形成されている装置100の別の変形例を例示している。この構成により、拡張して流体の通過を容易にすることができる大きい流体送達管腔が可能となる。流体送達管腔162は、カテーテルが線形及び/又はコイル形状にあるときに流体の送達を可能にする1つ以上の流体送達ポート(図8A図8Dには不図示)を有する。
【0042】
図9A及び図9Bは、1つ以上の流体ポート128が装置100のコイル又は螺旋部分の外面で終端している本明細書に記載の装置の変形例を例示している。ポート128は、流体管腔に流体連通し、変形可能なセクション104の螺旋の巻き112の一側又は両側に配置することができる。このような構成では、螺旋の巻き112の側面及び/又は内部にポート128を配置することにより、変形可能なセクション104の拡張時に該ポート128が閉塞されるのが防止される。図9Bは、ポート128を有する装置100の別の変形例を例示している。この変形例では、ポート128は、変形可能なセクション104の巻き128に対して中心に配置されている。図9A及び図9Bはまた、流体の送達のために外部流体源をそれぞれのハブに結合することができるように、流体送達管腔(不図示)に流体結合することができる任意の数のハブ196、198を有する装置100を示している。さらなる変形例では、ポートは、限定されるものではないが、カテーテルの非拡張部分を含む該カテーテルの追加の部分に配置することができる。
【0043】
図10は、心臓12の該冠動脈14内に配置された本明細書に記載の装置100の変形例を例示し、変形可能なセクション104が、コイル状であり、冠状血管14を通る血液の流れを可能にしている。装置100はまた、上記のポートを介した薬物、薬剤、又は他の作用物質の送達を可能にする。
【0044】
図11A及び図11Bは、装置のさらなる変形例を示し、螺旋又は変形可能なセクションが近位部分106及び遠位部分102に接合され、螺旋形状への変形が可能となるように変形可能なセクションが弾性材料156及び可撓性材料158を含む。図示されているように、変形可能なセクション104には、任意選択により、透明又は半透明の材料を選択することができる。
【0045】
上記の装置は、柔軟なワイヤを用いて標的部位へのアクセスを得て、より支持力のあるガイドカテーテルを該ワイヤ上を移動させる一般的な作業によりガイドワイヤを実現し得る場合の一般的な問題に対処することができる。このような場合、より硬い器具が、所望の標的部位から後退してしまう。例えば、装置の変形例が、先端部が柔軟な追跡可能な螺旋バルーンカテーテルを使用して、標的部位に到達している柔軟なガイドワイヤ上を容易に辿り、次いで外側バルーンを膨張させて動脈壁に係合させて、膨張した装置を血液が通過できるようにし、下流の器官への潅流を継続することができる。内部バルーンを膨張させて、Python螺旋バルーンカテーテルの遠位先端部RX部分で該螺旋バルーンカテーテルのIDに衝当させることができ、これにより、ガイドワイヤがRX管腔内に存在するときは、該ガイドワイヤは、膨張した内部バルーンによって所定の位置に固定される。これにより、外側螺旋バルーンが血管又は気管支内腔のIDに係合して動脈、静脈、又は管腔に張力を伝達するため、ガイドワイヤに効果的に牽引力を加えることができる(ガイドワイヤを引っ張っても、ガイドワイヤの先端部は移動しない)。
【0046】
図12A及び図12Bは、変形可能なセクション104を螺旋構造に変形するのに役立つ機能を有する装置100の一例を示している。本明細書に記載の他の変形例と同様に、本明細書に記載の各例の特徴及び態様は、このような特徴が矛盾しない装置の他の開示される変形例と組み合わせることができる。
【0047】
図12Aに示されているように、装置100は、ワイヤ204(ワイヤ、縫合糸、糸、撚糸、又は同様の構造とすることができる)を備え、該ワイヤ204は、該装置100の近位端部から(例えば、図示されているようにハブ196を通って)、変形可能なセクション104の近位側(又はその近位端部)に配置された第1の開口208に延びている。ワイヤ204は、変形可能なセクション104の一部に沿って装置の外部に延在し、該変形可能なセクション104の遠位側(又はその遠位端部)の位置218で該装置に再び進入している。ワイヤ204は、遠位位置218で固定しても良いし、又は遠位開口218で装置内に留まることができるのであれば自由に動いても良い。図12Aは、ロック機構206を備えたハブ196を有する装置100のこの変形例も例示している。ロック機構206は、望ましい場合はワイヤ204を固定する。後述されるように、変形可能なセクションが所望に応じて配置されたら、ワイヤ204を、ロック機構206を用いて所定の位置にロックして、変形可能なセクションの螺旋形状を固定することができる。さらなる変形例では、ワイヤ204は、上の図7A及び図7Bに示されているようにピストン機構に結合することができる。
【0048】
図12Bは、コイルを形成し始めるときの変形可能なセクション104を例示している。上述のように、変形可能なセクション104は、プルワイヤを用いて、又は装置100を形成する材料の天然の特性を用いてコイル形状をとるようにすることができる。図示されているように、ワイヤ204は、装置100の外部に留まっている。図12Cは、近位開口208と遠位開口218との間の距離が近づくように引っ張られているワイヤ204を例示している。この動作により、装置100の変形可能なセクション104が、所望に応じて螺旋形状を形成することができる。図12Dは、ワイヤ(不図示)が装置の螺旋コイルを固定するときの変形可能なセクション104の螺旋形状を例示している。図12A図12Dに示されている変形例は、螺旋形状の1つの巻きしか示していないが、任意の数のワイヤを用いて装置の追加の巻きを形成することができる。別法では、ワイヤは、変形可能なセクション104の任意の数の巻きを通過することができる。
【0049】
別の変形例では、装置は、紐又は他の同様の部材を備えることができ、該紐は、遠位先端部の近位端部に取り付けられ、プルワイヤ管腔を通り、第1のバルーンループがちょうど始まる部分で出ている。次いで、カテーテルが、その第1のループを形成するときに、紐が管腔内に戻される。これを、バルーンのループの数に応じて繰り返すことができる。カテーテルが、膨張前の線形である場合は、紐は、ループセクションでカテーテルの長さに沿って1カ所で、又は2つのループを有する場合は2カ所で数インチ(1インチは2.54cm)が外部に存在する。紐は、後ろから手動で、又は上記開示されたシリンジプランジャーの概念で引っ張ることができる。
【0050】
本明細書に記載の装置のこのような変形例は、ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、又は同様の器具を血管系又は他の蛇行した解剖学的構造、例えば、気管支通路内の遠位又は遠隔位置で支持するために牽引力を提供することができる。器具に牽引支持を提供することにより、通常可能なよりも硬い装置の器具上の追跡/前進を可能にする。例えば、図13Aは、蛇行した解剖学的構造を介してガイドワイヤ142上を送られる従来のカテーテル140の例を例示している。上記のように、装置は、血管系に限定されるものではなく、あらゆる蛇行した解剖学的構造で使用することができる。図13Aは、曲がったセクションによって例示されている不所望の経路を形成するカテーテル/ガイドワイヤの部分144を示している。典型的には、このような状況は、比較的硬い装置がガイドワイヤ上又はガイドカテーテル内を前進する場合に生じる。連続した前進は、カテーテル140及び/又はガイドワイヤ142を血管内の標的部位から後退させ得る。同様に、このような状況は、通常は、ステント送達カテーテル又は他の比較的硬い器具/装置をガイドワイヤに沿って、かつ/又はカテーテルを介して前進させるときに起こり得る。
【0051】
図13Bは、上記装置100を例示し、螺旋部分110を使用して、この螺旋部分110を通る血流を可能にした状態で、該装置を適切な標的に固定することができる。この変形例では、装置100は、その遠位部分102でガイドワイヤ188に牽引力を加えるように構成されている。ガイドワイヤ188に牽引力を加えることにより、ガイドワイヤ188に張力146をかけることができる。この加えられる張力により、図13Aに示されているように、比較的硬い装置が、ガイドワイヤ/カテーテルを曲げることなく、該硬い装置をガイドワイヤ/装置100に沿って前進させることができる(ガイドワイヤ188が装置100を通って前進する場合)。
【0052】
図14Aは、ガイドワイヤ188を圧迫して該ガイドワイヤを牽引の状態にすることができる装置100の例を例示している。図14Aは、装置の変形可能なセクション104の遠位部分102を通り、該装置100の残りの部分では外部にあるガイドワイヤ118を例示している。しかしながら、代替の設計は、上で示されているように装置100の全体又は増加部分を通るガイドワイヤを企図する。
【0053】
図14Bは、装置100の変形可能なセクション104の遠位部分102の部分断片図を例示している。図示されているように、ガイドワイヤ188は、ガイドワイヤ管腔114を通過している。ガイドワイヤ管腔114の内部は、拡張用管腔124に流体結合された拡張可能なバルーン、嚢、又は他の拡張可能な構造126(又は該拡張可能な構造126が電気化学的及び/又は電気的に作動される場合は導電経路)を備える。図14Bは、拡張可能な構造126が非拡張形状にある状態を例示している。図14Cは、拡張可能な構造126が拡張してガイドワイヤ管腔114に進入して、ガイドワイヤ188に対して圧迫/クランプ力を加えている状態を例示している。拡張可能な部材126は、図14Cに示されているように延在することができる。別法では、拡張可能な部材126は、管腔の全長を通ることができる。別の変形例では、拡張可能な部材は、ガイドワイヤの1つ以上の側面に衝当する楔型構造を備えることができる。
【0054】
いずれの場合も、拡張可能な部材126の作動により、ガイドワイヤの管腔114内での移動が防止され、これにより医師が、ガイドワイヤに張力をかけて該ガイドワイヤを牽引の状態にすることができる。特定の変形例では、装置100の遠位部分102は、締め付けられたガイドワイヤに張力がかかったときに遠位部材の横方向の移動を防止するために比較的硬い又は硬直したままにすることができる。
【0055】
基本的に、この変形例は、血管、気管支樹、又は他の蛇行した解剖学的構造内の標的に位置するガイドワイヤ及びカテーテルの位置が不所望にずれるという問題に役立ち得る。これらの装置は、他の治療又は診断装置を標的位置までガイドワイヤ上を又はガイドカテーテル内を移動させるための案内として役立つ。典型的には、柔軟な先端部のガイドワイヤはまず、遠隔のアクセス点から標的位置まで送られ、その遠位の可撓性及び近位の剛性により、曲がり角付近の案内を可能にし、さらに、例えば、ガイドワイヤ又はカテーテルが大腿動脈の位置で体内に進入して、III型大動脈弓から延びた腕頭動脈に配置される場合の方向の反転も可能にする。この解剖学的検討は、当業者に公知である頸動脈ステント留置術の困難さの1つの予測の判断材料である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C