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  • 特許-燃料添加剤を生成する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】燃料添加剤を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 1/182 20060101AFI20230926BHJP
   C10L 1/185 20060101ALI20230926BHJP
   C10L 1/16 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
C10L1/182
C10L1/185
C10L1/16
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020503026
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 IB2018055647
(87)【国際公開番号】W WO2019021257
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】62/537,503
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508171804
【氏名又は名称】サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
(73)【特許権者】
【識別番号】506018363
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レアル ギレルモ
(72)【発明者】
【氏名】シェイク カリーマディン マハボーブ
(72)【発明者】
【氏名】アンサリ ムハンメド ビスミラー
(72)【発明者】
【氏名】シェトナ ハイレン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ジョンリン
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-013529(JP,A)
【文献】特開平08-301806(JP,A)
【文献】特表2017-508725(JP,A)
【文献】特開2010-111596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 1/00-32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料添加剤を生成する方法であって、
少なくともイソブチレン及びブタジエンを含む供給ストリームを、メチルターシャリーブチルエーテルユニットに通過させ、少なくともブタジエンを含む第1のプロセスストリーム及びメチルターシャリーブチルエーテル生成物を生成する工程、
前記第1のプロセスストリームを、選択的水素化ユニットに通過させ、1-ブテン、2-ブテン及びn-ブテンのうちの少なくとも1つを含む第2のプロセスストリームを生成する工程、
前記第2のプロセスストリームを異性化ユニットに通過させ、少なくとも2-ブテンを含む第3のプロセスストリームを生成する工程、および
前記第3のプロセスストリームを水和ユニットに通過させ、アルコール燃料添加剤と、イソブタン、n-ブタン及びイソブチレンのうちの少なくとも1つを含むリサイクルストリームと、を生成する工程
を含む、方法。
【請求項2】
供給ストリーム源は接触分解プロセスおよび/またはオレフィン生成プロセスの生成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給ストリームは、イソブチレン、1,3-ブタジエン及び1,2-ブタジエンを含み、さらに、エチルアセチレン、ビニルアセチレン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給ストリーム中に存在するイソブチレンの99.99%以下が、前記メチルターシャリーブチルエーテルユニット内でメチルターシャリーブチルエーテルに変換される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記メチルターシャリーブチルエーテルユニットから前記メチルターシャリーブチルエーテル生成物を引き出す工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンの90%以上が、前記選択的水素化ユニット内で、1-ブテン、2-ブテン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせに変換される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記選択的水素化ユニットは第1の反応器内の第1の触媒および第2の反応器内の第2の触媒を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記選択的水素化ユニットに通過させる前に、水素を前記第1のプロセスストリームに添加する工程をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンの90%以上が前記異性化ユニット内で2-ブテンに変換される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第3のプロセスストリームは、前記水和ユニットを通過する前に、0.1重量%以下のブタジエンを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のプロセスストリームは、前記水和ユニットを通過する前に、0.01重量%以上、好ましくは、0.25重量%から50重量%の1-ブテンおよび/または2-ブテンを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記水和ユニットは、振動バッフル反応器、固定床反応器、メンブレン一体化反応器、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記第3のプロセスストリーム中に存在するブテンの99.9重量%未満、好ましくは75重量%以上が、前記水和ユニット内でブタノールに変換される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記燃料添加剤を前記水和ユニットから引き出す工程をさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記燃料添加剤は、2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記燃料添加剤は、1.0重量%以上、好ましくは0.1から25重量%、より好ましくは1から20重量%のトリメチルペンタンを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記燃料添加剤のオクタン価は、アンチノック指数によれば、80超、好ましくは82超、より好ましくは85超、より好ましくは87超、さらにいっそう好ましくは90超である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記燃料添加剤のリード蒸気圧は65キロパスカル以下である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記異性化ユニットの底部ストリームをメタセシスユニットに通過させ、プロピレン生成物を前記メタセシスユニットから引き出す工程をさらに含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
燃料添加剤を生成する方法であって、
C4炭化水素を含む第1の供給ストリームを接触分解ユニットに通過させ、第2の供給ストリームを生成する工程であって、前記第1の供給ストリームはエチルアセチレン、ビニルアセチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、イソブチレン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、前記第2の供給ストリームは少なくともイソブチレン、ブタジエンを含む工程、
前記第2の供給ストリームをメチルターシャリーブチルエーテルユニットに通過させ、第1のプロセスストリームおよびメチルターシャリーブチルエーテル生成物を生成し、前記メチルターシャリーブチルエーテル生成物を前記メチルターシャリーブチルエーテルユニットから引き出す工程であって、前記供給ストリーム中に存在するイソブチレンの99.99%未満が、前記メチルターシャリーブチルエーテルユニット内でメチルターシャリーブチルエーテルに変換される工程、
前記第1のプロセスストリームを水素化ユニットに通過させ、第2のプロセスストリームを生成する工程であって、前記第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンの90%以上が、前記水素化ユニット内で2-ブテン、1-ブテンおよびn-ブタンに変換される工程、
前記第2のプロセスストリームを異性化ユニットに通過させ、第3のプロセスストリームを生成する工程であって、前記第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンの99.99%以下が前記異性化ユニット内で2-ブテンに変換される工程、
前記第3のプロセスストリームを水和ユニットに通過させる工程であって、前記第3のプロセスストリームは、前記水和ユニットを通過する前に0.1重量%以下のブタジエンを含む工程、
燃料添加剤生成物を前記水和ユニットから引き出す工程であって、前記燃料添加剤生成物は0.1重量%超のトリメチルペンタンを含む工程、
ラフィネートストリームを前記水和ユニットから引き出し、前記ラフィネートストリームを前記接触分解ユニットにリサイクルする工程、および
前記異性化ユニットの底部ストリームをメタセシスユニットに通過させ、プロピレン生成物を前記メタセシスユニットから引き出す工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料添加剤を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のための燃料である市販ガソリンは、典型的には、炭化水素(ベースガソリン)、添加物、および配合剤(blending agent)の混合物である石油精製製品である。添加物および配合剤は、ガソリンの性能および安定性を増強させるために、ベースガソリンに添加され、例えば、そのような添加物は、オクタン価向上剤を含むことができる。
【0003】
高圧縮内燃機関において使用される場合、ガソリンは「ノッキングする」傾向を有する。ノッキングは、シリンダー内での空気/燃料混合物の燃焼が点火に応じて正確に始まらない場合に起こる。というのも、空気/燃料混合物の1つ以上のポケットが正常燃焼フロントのエンベロープの外側で早期点火するからである。オクタン価向上剤としても知られている、アンチノック剤はエンジンノッキング現象を低減させ、ガソリンのオクタン価を増加させる。
【0004】
炭化水素クラッキングプロセスは石油製油所で使用される重要な変換プロセスである。例えば、流動接触分解(FCC)は、石油原油の高沸点、高分子量炭化水素留分を、より価値が高いガソリン、オレフィンガス、および他の生成物に変換するために広く使用されている。ナフサおよびガスオイルの熱分解もまた、石油化学業界において広く使用され、様々なオレフィンおよび芳香族が生成される。例えば、炭化水素供給原料は、スチームクラッカー炉内で水蒸気と混合し、高温(例えば、700-900℃)に供することができ、そこで、供給原料成分が様々な留分に分解される。スチームクラッカー装置の流出物は、炭化水素、例えば、飽和および不飽和オレフィンおよび芳香族(C1-C35)のガス状混合物を含むことができる。次いで、流出物は個々のオレフィン(例えば、エチレン、プロピレンおよびC4類)および熱分解ガソリンに分離することができる。粗炭化水素のリサイクルストリームはしばしば、これらのクラッキングプロセス中に副産物として形成される。
【0005】
粗炭化水素ストリーム内のイソブチレン、ブタジエン、1-ブテン、2-ブテン、および他の成分の存在は、価値が高いアルコールおよび燃料添加剤の形成を可能にすることができる。そのようなアルコールは、ガソリンオクタン価向上剤として一般的に使用されるメタノールを含むことができる。しかしながら、粗炭化水素ストリームの燃料添加剤生成物への変換はしばしば、非効率的で、コストのかかるものとなり得る。さらに、そのようなアルコールについての最終生成物仕様は望ましくない可能性があり、市場品質要求を満たすことができない場合がある。例えば、アルコール生成物は高レベルの不純物、高いリード蒸気圧、例えば、2.0ポンド毎平方インチ(psi)超(10キロパスカル超)、および低いオクタン価(例えば、82リサーチ法オクタン価(RON))を有する可能性があり、それらは全て、不十分な生成物品質と相関する。これらの仕様および/またはプロセスの効率の改善は、より価値が高い燃料添加剤生成物を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許公報第4408085号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、粗炭化水素ストリームを利用し、低い不純物および高性能仕様を有する最終生成物を生成することができる燃料添加剤を生成する効率的な方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な実施形態で、燃料添加剤を生成する方法が開示される。
【0009】
燃料添加剤を生成する方法は、C4炭化素を含む供給ストリームを、メチルターシャリーブチルエーテルユニットに通過させ、第1のプロセスストリームを生成する工程、第1のプロセスストリームを、選択的水素化ユニットに通過させ、第2のプロセスストリームを生成する工程、第2のプロセスストリームを異性化ユニットに通過させ、第3のプロセスストリームを生成する工程、および、第3のプロセスストリームを水和ユニットに通過させ、燃料添加剤およびリサイクルストリームを生成する工程を含む。
【0010】
燃料添加剤を生成する方法は、C4炭化水素を含む第1の供給ストリームを接触分解ユニットに通過させ、第2の供給ストリームを生成する工程であって、第1の供給ストリームはエチルアセチレン、ビニルアセチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、イソブチレン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む工程、第2の供給ストリームをメチルターシャリーブチルエーテルユニットに通過させ、第1のプロセスストリームおよびメチルターシャリーブチルエーテル生成物を生成し、メチルターシャリーブチルエーテル生成物をメチルターシャリーブチルエーテルユニットから引き出す工程であって、供給ストリーム中に存在するイソブチレンの99.99%未満が、メチルターシャリーブチルエーテルユニット内でメチルターシャリーブチルエーテルに変換される工程、第1のプロセスストリームを水素化ユニットに通過させ、第2のプロセスストリームを生成する工程であって、第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンの90%以上が、水素化ユニット内で2-ブテン、1-ブテンおよびn-ブタンに変換される工程、第2のプロセスストリームを異性化ユニットに通過させ、第3のプロセスストリームを生成する工程であって、第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンの99.99%以下が異性化ユニット内で2-ブテンに変換される工程、第3のプロセスストリームを水和ユニットに通過させる工程であって、第3のプロセスストリームは、水和ユニットを通過する前に0.1重量%以下のブタジエンを含む工程、燃料添加剤生成物を水和ユニットから引き出す工程であって、燃料添加剤生成物は0.1%超のトリメチルペンタンを含む工程、ラフィネートストリームを水和ユニットから引き出し、ラフィネートストリームを接触分解ユニットにリサイクルする工程、および、異性化ユニットの底部ストリームをメタセシスユニットに通過させ、プロピレン生成物をメタセシスユニットから引き出す工程を含む。
【0011】
これらのおよび他の特徴および特性は以下で、より特定的に記載される。
【0012】
下記は図面の簡単な説明であり、図面では同様の要素は同様に番号付けされ、図面は本明細書で開示される例示的な実施形態を説明する目的のために提示され、これを制限することを目的とするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】燃料添加剤を生成するためのユニット配列を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
粗炭化水素ストリームを利用し、低い不純物および高性能仕様を有する最終生成物を生成することができる、燃料添加剤を生成する効率的な方法が本明細書で開示される。例えば、本明細書で開示される方法は粗炭化水素を、アルコール燃料添加剤などの価値が高い燃料添加剤に変換する、ユニット動作の独自の配列を提供することができる。この独自の配列は、プロセスの効率を著しく改善することができ、これにより、総資本コストが低減される。最終燃料添加剤生成物は、燃料添加剤の総重量に基づき、0.01重量%から50重量%のトリメチルペンタンのレベル、高いオクタン価(例えば、85RON以上、または87RON以上)、および55キロパスカル以上の低いリード蒸気圧を有することができる。例えば、トリメチルペンタンは、0.1から25重量パーセント、例えば、1から20重量%の量で存在することができる。これらの特性のいずれか一つまたは全ては、高性能および高市場価値と相関する可能性がある。本明細書で開示される方法はまた、燃料添加剤生成物と共に二次生成物を生成することができる。例えば、プロピレンおよびメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)生成物の両方が燃料添加剤と共に生成され得、よって、プロセスの効率および生産性が最大化される。
【0015】
本明細書で開示される方法は、微量の、例えば、0.01重量パーセント以下の量の1-ブテンを有する2-ブテンを利用して、最終燃料添加剤生成物中のトリメチルペンタン(例えば、2-ブタノールおよびターシャルブチルアルコール(TBA))の量を最大化することができ、プロピレンを生成するために使用することができる。C4炭化水素供給ストリーム中に存在するブタジエン成分からの2-ブテンの生成の最大限の増加を達成するために、供給ストリームを異性化ユニットに通過させることにより、異性化を起こすことができ、残る微量のブタジエンは、1.0重量%以下、例えば、0.5重量%以下、例えば、0.1重量%以下とすることができる。MBTE合成ユニットをプロセスに挿入することができ、イソブチレンがメタノールストリームとの反応により変換され、MTBEが生成される。方法は、最大体積のアルコール、例えば、混合アルコール、例えば、C4アルコールを含む燃料添加剤を、供給ストリーム中の最小量、例えば、0.1重量%以下のブタジエンと共に生成することができる。
【0016】
本明細書で開示される方法は、粗炭化水素のストリームをMTBEユニットに通過させ、第1のプロセスストリームを生成する工程を含むことができる。MTBEユニットは供給ストリーム中に存在するイソブチレンをMTBE生成物に変換することができる。次いで、第1のプロセスストリームは、選択的水素化ユニットに通過され得る。この選択的水素化ユニットは、第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンを2-ブテンに変換し、第2のプロセスストリームを生成することができる。第2のプロセス供給ストリームは、次いで、異性化ユニット、例えば、水素化異性化ユニットに通過され得、このユニットは、第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンを2-ブテンに変換することができる。異性化ユニットから取り出した第3のプロセスストリームは、次いで、水和ユニットに通過され得、燃料添加剤、例えば、アルコール燃料添加剤、例えば混合アルコール燃料添加剤、例えばC4アルコール燃料添加剤が生成される。プロセスにおける2-ブテンの最大化は、オクタン価などの望ましい生成物仕様を増加させる。任意で、異性化ユニットの底部ストリームは、メタセシスユニットに通過され得、プロピレンが二次生成物として生成される。本プロセスは、追加の二次生成物をも効率的な様式で生成しながら、燃料添加剤生成物についての生成物品質を最大化することができる。
【0017】
本明細書で開示される方法は、供給ストリームを、オレフィン生成ユニット、例えば、炭化水素クラッキングユニット、例えば、接触および/または水蒸気分解ユニットに通過させる工程を含むことができ、そのため、供給ストリーム源は、オレフィンクラッキングプロセスおよび/またはオレフィン生成プロセスの生成物を含むことができる。供給ストリームは炭化水素、例えば、C4炭化水素を含むことができる。追加の炭化水素、例えば、C2およびC3炭化水素もまた、オレフィン生成ユニットに供給することができる。供給ストリームは、次いで、オレフィン生成ユニットから粗C4炭化水素ストリームとして引き出すことができる。オレフィン生成ユニットにより生成されたプロセスストリームはエチルアセチレン、ビニルアセチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、イソブチレン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。
【0018】
供給ストリームは、次いで、MTBEユニットに通過され得、第1のプロセスストリームが生成される。メタノールは、メタノールストリームを介してMTBEユニットに通すことができる。MTBEユニットは、プロセスストリーム中に存在するイソブチレンをMTBE生成物に変換することができる。このMTBE生成物は、MTBEユニットからMTBE生成物ストリームを介して引き出すことができる。MTBE生成物の純度は90%以上とすることができる。MTBEユニット内でのイソブチレンからMTBEへの変換率は75%以上、例えば、85%以上、例えば、90%以上とすることができる。第1のプロセスストリームは、次いで、MTBEユニットから引き出すことができ、イソブチレン含量が低減している。例えば、MTBEユニットから出て行く第1のプロセスストリームは2.0重量%以下のイソブチレンを含むことができる。MTBEユニット内の温度は100℃から225℃とすることができる。MTBEユニット内の圧力は50キロパスカルから1200キロパスカル、例えば、50キロパスカルから500キロパスカル、例えば、100キロパスカルから350キロパスカル、例えば、150キロパスカルから250キロパスカル、例えば、198キロパスカルから230キロパスカルとすることができる。反応は固定床反応器中で実施することができ、そこでは、温度は、30から100℃の温度で維持することができ、圧力は、710から1200キロパスカルの圧力で維持することができる。
【0019】
MTBEユニットから出て行く第1のプロセスストリームは、次いで、選択的水素化ユニットに通過され得る。例えば、選択的水素化ユニットは選択的ブタジエン水素化ユニットとすることができる。水素化ユニットに入るプロセスストリームは、75重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下のブタジエンを含むことができる。水素化ユニットは、プロセスストリーム中に存在するブタジエンを2-ブテンに変換することができる。ブタジエンから2-ブテンへの収率は30%以上とすることができ、ブタジエンからブテン1への収率は65%超とすることができる。しかしながら、選択性は、様々な下流ユニットの要求によって、ブテン-1またはブテン-2のいずれかにシフトさせることができることに注意すべきである。選択的水素化ユニットは複数の反応器を連続して含むことができ、例えば、ユニットは3つの反応器段階を含むことができる。最初の2つの反応器段階は、第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンを2-ブテンに変換することができる。最初の2つの反応器は選択的水素化触媒を含むことができる。例えば、水素化触媒はパラジウムをアルミニウムベースと共に含むことができる。水素化触媒は白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、コバルト、ニッケル、銅、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。触媒は最初の2つの反応器について同じとすることができる。水素は、第1の反応器段階に通過させる前に、第1のプロセスストリーム中に注入することができる。
【0020】
ジオレフィンのモノオレフィンの所望の生成物への最終水素化反応は、第3の反応器において達成することができる。一酸化炭素を第3の反応器に注入し、触媒を減弱させ、ブテン-2からブテン-2への異性化反応を最小に抑えることができる。通常動作中、所望の一酸化炭素注入速度は第3の反応器への供給ストリームの2パーツ・パー・ミリオン(ppm)とすることができる。過剰のブテン-1がブテン-2となって失われる場合、速度は増加させることができる。次いで、第1のプロセスストリームは、選択的水素化ユニットから引き出すことができる。選択的水素化ユニットについての動作条件は表1に示される。温度はセルシウス度で報告され、圧力はポンド毎平方インチゲージおよびキロパスカルで報告される。
【0021】
【表1】
【0022】
水素化ユニットを出て行く第1のプロセスストリームは、次いで、異性化ユニット、例えば、水素化異性化ユニットに通過され得、第2のプロセスストリームが生成される。この異性化ユニットは、第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンを2-ブテンに変換することができる。例えば、第1のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンの90%以上が異性化ユニット内で2-ブテンに変換され得る。典型的な反応器入口温度は25から125℃、例えば、45から85℃とすることができる。典型的な反応器圧力は2から12barg(200から1200kPa)、例えば、3から8barg(300から800kPa)である。次いで、第2のプロセスストリームは、異性化ユニットから引き出すことができ、最大2-ブテン含量を有する。例えば、異性化ユニットを出て行くプロセスストリームは50重量%以上の2-ブテンを含むことができる。
【0023】
異性化ユニットを出て行く第2のプロセスストリームは、次いで、水和ユニットに通過され得、第3のプロセスストリーム、および燃料添加剤、例えば、アルコール燃料添加剤、例えば混合アルコール燃料添加剤、例えばC4アルコール燃料添加剤が生成される。水和ユニットに入る第2のプロセスストリームは50重量%以下、例えば、45重量%以下、例えば、40重量%以下のブタジエンを含むことができる。燃料添加剤生成物は、水和ユニットから生成物ストリームを介して引き出すことができる。水は水和ユニットに水ストリームを介して供給することができる。水和ユニットの動作条件は、120から200℃の温度および50から100barg(5000から10,000kPa)の圧力、ならびに、1から1.5v/v/hrの液空間速度(LHSV)および5から10:1の水対ブテンモル比を含むことができる。水和ユニットは振動バッフル反応器、固定床反応器、メンブレン一体化反応器、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。水和ユニットは、第2のプロセスストリーム中に存在するブテンをブタノールに変換することができる。例えば、供給ストリーム中に存在するブテンの75%以上が水和ユニット内でブタノールに変換され得る。
【0024】
燃料添加剤生成物は2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、ジイソブテン、1-ブテンの二量体、2-ブテンの二量体、イソブテンの二量体、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。燃料添加剤生成物は0.1重量%以上、例えば、0.5重量%以上、例えば、0.1重量%以上のトリメチルペンタンを含むことができる。燃料添加剤生成物のオクタン価は、アンチノック指数によれば、80以上、例えば、82以上、例えば、85以上、例えば、87以上、例えば、90以上、例として、90以上とすることができる。
【0025】
オクタン価はエンジンまたは燃料の性能を判断するために使用される標準測定値である。オクタン価が高いほど、点火前に燃料が耐えることができる圧縮が大きくなる。より高いオクタン価を有する燃料は、より高い圧縮比を必要とする高性能ガソリンエンジンにおいて一般に使用される。より低いオクタン価を有する燃料はディーゼルエンジンでは望ましい可能性がある。というのも、ディーゼルエンジンは燃料を圧縮せず、むしろ、空気のみを圧縮し、次いで、燃料を圧縮により加熱される空気中に注入するからである。ガソリンエンジンは、圧縮行程の終わりに点火プラグを用いて点火される混合物として、一緒に圧縮された空気および燃料の点火に依存している。その結果、燃料の高い圧縮性がガソリンエンジンについての留意事項である。
【0026】
アンチノック指数は、リサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を加算し、2で割る、すなわち、(RON+MON)/2により測定される。リサーチ法オクタン価は、試験用エンジンにおいて毎分600回転数の速度で可変圧縮比を用い、制御条件下で、燃料を走行させ、その結果をイソオクタンおよびn-ヘプタンの混合物についての結果と比較することにより決定される。モーター法オクタン価は、リサーチ法オクタン価を決定する際に使用されたものと同様の試験用エンジンを、毎分900回転数の速度で、予熱燃料混合物、より高いエンジン速度、および可変点火タイミングを用いて試験することにより決定される。組成によって、モーター法オクタン価は、リサーチ法オクタン価よりも約8から12オクタン低くなる可能性がある。リサーチ法オクタン価は88以上、例えば、91以上、例えば、95以上とすることができる。モーター法オクタン価は82以上、例えば、85以上、例えば、90以上、例えば、95以上とすることができる。オクタン価が高いほど、燃焼を開始するのに必要とされる、より高いエネルギーの量を与えることができる。より高いオクタン価を有する燃料は自己点火の傾向が低く、自己点火せずに、内燃機関の圧縮行程中の温度のより大きな上昇に耐えることができる。
【0027】
リード蒸気圧が、ASTMD-323により決定される、37.8℃での液体により与えられる絶対蒸気圧として規定されるガソリンの揮発性を測定するために使用される。これはガソリン揮発性原油、および他の揮発性石油生成物(液化石油ガスを除く)の蒸気圧を測定する。リード蒸気圧はキロパスカルで測定され、大気圧に対する相対圧力を表し、というのも、ASTMD-323は、非真空チャンバ内の試料のゲージ圧力を測定するからである。冬の始動および動作では高レベルの気化が望ましく、暑気中のベーパロックを回避するにはより低いレベルが望ましい。蒸気が燃料系路中に存在する場合、燃料をポンピングすることはできず、燃焼チャンバ内の液体ガソリンが気化されていないと、冬の始動は困難になる。これは、リード蒸気圧は、ガソリンエンジン信頼性を維持するために季節的に、産油国よりそれ相応に変化されることを意味する。
【0028】
燃料添加剤生成物のリード蒸気圧は65キロパスカル以下、例えば、60キロパスカル以下、例えば、55キロパスカル以下とすることができる。リード蒸気圧は冬および夏の条件中変動する可能性があり、そのため、圧力は冬中、値の上端および夏中、値の下端とすることができる。燃料添加剤生成物はまた、1重量%以下の、ジエンなどの不純物を含む可能性がある。例えば、燃料添加剤生成物は0.1重量%以下のブチレン二量体を含む可能性がある。
【0029】
リサイクルストリーム、例えば、炭化水素リサイクルストリームは、水和ユニットから引き出し、初期供給ストリームおよび/またはスチームクラッカーユニットなどのオレフィン生成ユニットにリサイクルすることができる。リサイクルストリームはイソブタン、n-ブタン、イソブチレン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。リサイクルストリームは任意で、供給ストリームに戻す前に水素化ユニットに通過させることができる。
【0030】
追加のストリーム(水和ユニットに入る第3のプロセスストリームと同じ組成を有する)を、異性化ユニットから引き出し、メタセシスユニットに通過させることができ、プロピレンが二次生成物として生成される。メタセシス反応器は、1.0barg(100kPa)の設計ゲージ圧力および340℃の設計温度を有する。脱エチレン(de-ethylenizer)凝縮器は24.4barg(2440kPa)のシェル設計ゲージ圧力および16.0barg(1600kPa)のチューブ設計を有する。シェルおよびチューブ設計温度は-55℃である。
【0031】
脱プロピレン(de-propylenizer)凝縮器は16.7.barg(1670kPa)のシェル設計ゲージ圧力および10.8barg(1008kPa)のチューブ設計を有する。シェル設計温度およびチューブ設計温度は125℃である。脱エチレンおよび脱プロピレンリボイラーは、それぞれ、24.4bar(2440kPa)および17.7(1770kPa)barのシェル設計ゲージ圧力を有する。同じ機器およびユニットについてのチューブ設計ゲージ圧力は、それぞれ、16.0barg(1600kPa)および11.5barg(1150kPa)である。脱エチレンおよび脱プロピレンリボイラーは194℃のチューブ設計温度を有する。脱エチレンおよび脱プロピレンリボイラーは、それぞれ、125℃および143℃のシェル設計温度を有する。脱エチレン塔および脱プロピレン塔は、それぞれ、24.4barg(2440kPa)および17.7barg(1770kPa)の設計ゲージ圧力を有する。脱エチレン塔および脱プロピレン塔は、それぞれ、125℃および140℃の設計温度を有する。
【0032】
メタセシスユニットは、水和ユニットと同じ動作条件を有することができる。メタセシスユニットは、メタセシスを介して、ノルマルブチレンおよびエチレンをポリマーグレードプロピレンに変換することができる。起こる可能性のある2つの平衡反応はメタセシスと異性化である。プロピレンがエチレンおよび2-ブテンのメタセシスにより形成され、1-ブテンは2-ブテンに異性化され、というのも、2-ブテンはメタセシス反応で消費されるからである。エチレンは、エチレンストリームを介してメタセシスユニットに送ることができる。プロピレン生成物は、プロピレン生成物ストリームを介して、メタセシスユニットから引き出すことができる。プロピレン生成物は98%以上、例えば、98.8%以上の純度を有することができる。
【0033】
添付の図面を参照することにより、本明細書で開示される構成要素、プロセス、および装置のより完全な理解を得ることができる。図面(本明細書では「図」とも呼ばれる)は利便性および本開示を明らかにする容易さに基づき、概略図にすぎず、そのため、装置またはその構成要素の相対的サイズおよび寸法を示すこと、および/または例示的な実施形態の範囲を規定または制限することを意図しない。明確にするために、下記説明では特定の用語が使用されるが、これらの用語は、図面において説明のために選択された実施形態の特定の構造のみを示すことが意図され、本開示の範囲を規定または制限することは意図されない。図面および下記説明では、同様の数字表示は同様の機能の構成要素を示すことが理解されるべきである。
【0034】
以下、図1について説明すると、この簡略化された概略図は、燃料添加剤を生成するための方法において使用されるユニット配列10を表す。配列10は、炭化水素を含む第1の供給ストリーム12を炭化水素クラッキングユニット14に通過させる工程を含むことができる。例えば、炭化水素クラッキングユニット14は、水蒸気分解および/または接触分解ユニットとすることができる。
【0035】
次いで、第2の供給ストリーム16を、クラッキングユニット14から引き出すことができる。第2の供給ストリーム16は粗炭化水素、例えば、C4炭化水素を含むことができる。C4炭化水素は、0.01から25重量%、例えば、1から20重量%の量で存在することができる。次いで、第2の供給ストリーム16を、MTBEユニット18に通過させることができる。メタノールは、ストリーム20を介して、MTBEユニット18に通すことができる。MTBEユニット18は、第2の供給ストリーム16中に存在するイソブチレンをMTBE生成物22に変換することができる。このMTBE生成物22は、MTBEユニット18から引き出すことができる。
【0036】
次いで、第1のプロセスストリーム24を、MTBEユニット18から引き出すことができ、これは今や、低減されたイソブチレン含量を含む。次いで、第1のプロセスストリーム24を、選択的水素化ユニット26に通過させることができる。選択的水素化ユニット26は任意で、選択的ブタジエン水素化ユニットとすることができ、複数の反応器を連続して含むことができる。この選択的水素化ユニット26は、第1のプロセスストリーム24中に存在するブタジエンを2-ブテンに変換することができる。
【0037】
次いで、第2のプロセスストリーム28を、水素化ユニット26から引き出すことができ、異性化ユニット30、例えば、水素化異性化ユニットに通過させることができる。この異性化ユニット30は、第2のプロセスストリーム28中に存在する1-ブテンを2-ブテンに変換することができる。
【0038】
次いで、第3のプロセスストリーム32を、異性化ユニット30から引き出し、水和ユニット42に通過させることができ、燃料添加剤46、例えば、アルコール燃料添加剤、例えば、混合アルコール燃料添加剤、例えば、C4燃料添加剤が生成される。燃料添加剤46は、水和ユニット42から引き出すことができる。水はストリーム44を介して水和ユニットに送ることができる。
【0039】
リサイクルストリーム48、例えば、炭化水素リサイクルストリームを、水和ユニット42から引き出し、供給ストリーム12および/またはクラッキングユニット14にリサイクルすることができる。任意で、リサイクルストリーム48は、供給ストリーム12に戻す前に別の水素化ユニット50に通過させることができる。
【0040】
底部ストリーム34を、異性化ユニット30から引き出し、メタセシスユニット36に通過させることができ、プロピレンが二次生成物として生成される。エチレンは、ストリーム38を介して、メタセシスユニット36に送ることができる。プロピレン生成物は、生成物ストリーム40を介して、メタセシスユニット36から引き出すことができる。
【0041】
下記実施例は、本明細書で開示される熱分解ガソリンの処理方法の例示にすぎず、この範囲を制限することを意図しない。別記されない限り、実施例はシミュレーションに基づくものであった。
【0042】
本明細書で開示される方法は少なくとも下記実施形態を含む:
【0043】
実施形態1:C4炭化素を含む供給ストリームを、メチルターシャリーブチルエーテルユニットに通過させ、第1のプロセスストリームを生成する工程、第1のプロセスストリームを、選択的水素化ユニットに通過させ、第2のプロセスストリームを生成する工程、第2のプロセスストリームを異性化ユニットに通過させ、第3のプロセスストリームを生成する工程、および、第3のプロセスストリームを水和ユニットに通過させ、燃料添加剤およびリサイクルストリームを生成する工程を含む、燃料添加剤を生成する方法。
【0044】
実施形態2:供給ストリーム源は接触分解プロセスおよび/またはオレフィン生成プロセスの生成物を含む、実施形態1の方法。
【0045】
実施形態3:供給ストリームはエチルアセチレン、ビニルアセチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、イソブチレン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0046】
実施形態4:供給ストリーム中に存在するイソブチレンの99.99%以下が、メチルターシャリーブチルエーテルユニット内でメチルターシャリーブチルエーテルに変換される、前記実施形態のいずれかの方法。
【0047】
実施形態5:メチルターシャリーブチルエーテルユニットからメチルターシャリーブチルエーテル生成物を引き出す工程をさらに含む、実施形態4の方法。
【0048】
実施形態6:第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンの90%以上が、選択的水素化ユニット内で、1-ブテン、2-ブテン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせに変換される、前記実施形態のいずれかの方法。
【0049】
実施形態7:水素化ユニットは第1の反応器内の第1の触媒および第2の反応器内の第2の触媒を含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0050】
実施形態8:選択的水素化ユニットに通過させる前に、水素を第1のプロセスストリームに添加する工程をさらに含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0051】
実施形態9:第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンの90%以上が、水素化異性化ユニット内で2-ブテンに変換される、前記実施形態のいずれかの方法。
【0052】
実施形態10:第3のプロセスストリームは、水和ユニットを通過する前に、0.1重量%以下のブタジエンを含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0053】
実施形態11:第3のプロセスストリームは、水和ユニットを通過する前に、0.01重量%以上、好ましくは、0.25重量%から50重量%の1-ブテンおよび/または2-ブテンを含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0054】
実施形態12:水和ユニットは、振動バッフル反応器、固定床反応器、メンブレン一体化反応器、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0055】
実施形態13:第3のプロセスストリーム中に存在するブテンの99.9重量%未満、好ましくは75重量%以上が、水和ユニット内でブタノールに変換される、前記実施形態のいずれかの方法。
【0056】
実施形態14:燃料添加剤生成物を水和ユニットから引き出す工程をさらに含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0057】
実施形態15:燃料添加剤生成物は、2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、ジイソブテン、1-ブテンの二量体、2-ブテンの二量体、イソブテンの二量体、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む、実施形態14の方法。
【0058】
実施形態16:燃料添加剤生成物は、1.0重量%以上、好ましくは0.1から25重量%、より好ましくは1から20重量%のトリメチルペンタンを含む、実施形態14の方法。
【0059】
実施形態17:燃料添加剤生成物のオクタン価は、アンチノック指数によれば、80超、好ましくは82超、より好ましくは85超、より好ましくは87超、さらにいっそう好ましくは90超である、実施形態14の方法。
【0060】
実施形態18:燃料添加剤生成物のリード蒸気圧は65キロパスカル以下である、実施形態14の方法。
【0061】
実施形態19:異性化ユニットの底部ストリームをメタセシスユニットに通過させ、プロピレン生成物をメタセシスユニットから引き出す工程をさらに含む、前記実施形態のいずれかの方法。
【0062】
実施形態20:C4炭化水素を含む第1の供給ストリームを接触分解ユニットに通過させ、第2の供給ストリームを生成する工程であって、第1の供給ストリームはエチルアセチレン、ビニルアセチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、イソブチレン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、n-ブタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む工程、第2の供給ストリームをメチルターシャリーブチルエーテルユニットに通過させ、第1のプロセスストリームおよびメチルターシャリーブチルエーテル生成物を生成し、メチルターシャリーブチルエーテル生成物をメチルターシャリーブチルエーテルユニットから引き出す工程であって、供給ストリーム中に存在するイソブチレンの99.99%未満が、メチルターシャリーブチルエーテルユニット内でメチルターシャリーブチルエーテルに変換される工程、第1のプロセスストリームを水素化ユニットに通過させ、第2のプロセスストリームを生成する工程であって、第1のプロセスストリーム中に存在するブタジエンの90%以上が、水素化ユニット内で2-ブテン、1-ブテンおよびn-ブタンに変換される工程、第2のプロセスストリームを異性化ユニットに通過させ、第3のプロセスストリームを生成する工程であって、第2のプロセスストリーム中に存在する1-ブテンの99.99%以下が異性化ユニット内で2-ブテンに変換される工程、第3のプロセスストリームを水和ユニットに通過させる工程であって、第3のプロセスストリームは、水和ユニットを通過する前に0.1重量%以下のブタジエンを含む工程、燃料添加剤生成物を水和ユニットから引き出す工程であって、燃料添加剤生成物は0.1%超のトリメチルペンタンを含む工程、ラフィネートストリームを水和ユニットから引き出し、ラフィネートストリームを接触分解ユニットにリサイクルする工程、および、異性化ユニットの底部ストリームをメタセシスユニットに通過させ、プロピレン生成物をメタセシスユニットから引き出す工程を含む、燃料添加剤を生成する方法。
【0063】
一般に、発明は代替的に、本明細書で開示される任意の適切な構成要素を含み、これらから構成され、またはこれらから本質的に構成され得る。発明は加えて、またはその代わりに、先行技術組成物において使用され、または、そうでなければ本発明の機能および/または目的の達成に必要ではない、構成要素、材料、材料成分、アジュバントまたは種を欠いている、または実質的に含まないように考案され得る。同じ構成要素または特性に関する全ての範囲の終点は包含され、独立して組み合わせ可能である(例えば、「25wt%以下、または5wt%から20wt%」の範囲は「5wt%から25wt%」などの範囲の終点および全ての中間値を含む)。より広い範囲に加えての、より狭い範囲またはより特定的な群の開示は、より広い範囲またはより大きな群を否認するものではない。「組み合わせ」はブレンド、混合物、合金、反応生成物、などを含む。さらに、「第1の」「第2の」などの用語は本明細書では、いずれの順番、量、または重要性も示さず、むしろ、1つの要素を別の要素と区別して示すために使用される。「1つの(a、an)」または「その(the)」という用語は、本明細書では、量の制限を示さず、本明細書で別記されない限り、または文脈により明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方に及ぶと解釈されるべきである。「または」は「および/または」を意味する。添え字「(複数可)」は本明細書では、それが修飾するその用語の単数形および複数形の両方を含むことが意図され、これにより、その用語の1つ以上が含まれる(例えば、フィルム(複数可)は1つ以上のフィルムを含む)。明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「別の実施形態」、「一実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造、および/または特性)が本明細書で記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、かつ、他の実施形態では存在してもしなくてもよいことを意味する。加えて、記載される要素は、様々な実施形態において任意の好適な様式で組み合わされ得ることが理解されるべきである。
【0064】
量と関連して使用される修飾語句「約」は、明言された値を含み、文脈により決定される意味を有する(例えば、特定の量の測定値に関連する誤差の程度を含む)。表記「±10%」は、示された測定値が、明言された値の-10%である量からその+10%である量までである可能性があることを意味する。「前」、「後」、「底部」、および/または「上部」という用語は、別記されない限り、説明の利便性のためだけに本明細書で使用され、いずれか一つの位置または空間定位に制限されない。「任意的な」または「任意で」は、その後に記載される事象または状況が起こる可能性があるか、またはないこと、その記載は事象が起きる場合およびそれが起きない場合を含むことを意味する。別に規定されない限り、本明細書で使用される技術および科学用語は、この発明が属する分野の当業者により普通に理解されるものと同じ意味を有する。「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物、などを含む。
【0065】
全ての引用される特許、特許出願、および他の参考文献は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願における用語が、組み込まれる参考文献における用語と相反し、矛盾する場合、本出願からの用語が組み込まれる参考文献からの矛盾する用語に優先する
【0066】
特定の実施形態について記載してきたが、予期せぬものである、または現在のところ予期せぬものであり得る代替物、改変、変更、改善、および実質的な等価物は、出願人または当技術分野の当業者であれば、思いつくことができる。したがって、出願された、補正される可能性のある添付の特許請求の範囲は、全てのそのような代替物、改変、変更、改善、および実質的な等価物を包含することが意図される。
図1