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特許7355738航空機システムに電力を分配するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】航空機システムに電力を分配するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B64U 50/35 20230101AFI20230926BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230926BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20230926BHJP
   B64U 101/05 20230101ALN20230926BHJP
【FI】
B64U50/35
B64C39/02
B64D27/24
B64U101:05
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020530743
(86)(22)【出願日】2018-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 IB2018056230
(87)【国際公開番号】W WO2019035080
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】62/546,737
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520054736
【氏名又は名称】コロンビアド ローンチ サービシーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】オクアブ ハローン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ディエトリッチ ジョージ
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0045405(US,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0000908(KR,U)
【文献】特許第6179688(JP,B1)
【文献】特開2008-011681(JP,A)
【文献】特開2017-099127(JP,A)
【文献】国際公開第2017/116432(WO,A1)
【文献】特開平01-254497(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0021442(US,A1)
【文献】特開2005-247127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 17/26
B64C 39/02
B64D 27/24
B64F 1/36
B64F 3/02
B64U 50/35
B64U 101/05
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機システムのレースのためのシステムであって、
前記航空機システムが通過する複数の物理エレメントを含むレースコースと、
前記複数の物理エレメントの少なくとも1つを含む前記レースコースの電力分配セクションと、
前記複数の物理エレメントの前記少なくとも1つと集積された電力伝送機であって、前記電力伝送機は、前記レースコースの前記電力分配セクションの方向へ向けられ、前記電力伝送機は、前記電力分配セクションにおいて、前記航空機システムへ、電力を遠隔で伝送するように構成された、電力伝送機と、
前記電力伝送機に動作可能に結合されたコントローラであって、前記航空機システムへ電力を伝送するように前記電力伝送機をアクティブにし、命令し、および非アクティブにするコントローラと、
を備えた、航空機システムのレースのためのシステム。
【請求項2】
前記電力伝送機は、
前記航空機システムへ電力を遠隔で伝送するように、レーザビームを放射するように構成されたレーと、
前記レーに結合され、前記レーザビームを方向づけする位置決め機構と、を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電力伝送機は、
前記航空機システムへ電力を遠隔で伝送するように、マイクロ波ビームを放射するように構成されたマイクロ波エミッタと、
前記マイクロ波エミッタと結合され、前記マイクロ波ビームを方向づける位置決め機構と、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電力伝送機は、
前記航空機システムへ電力を遠隔で伝送するように、太陽光を反射するように構成されたリフレクタと、
前記リフレクタに結合され、前記航空機システムの方向へ前記反射された太陽光を向ける位置決め機構と、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記航空機システムは遠隔操縦される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記航空機システムは、自律的に操縦される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記航空機システムは、
少なくとも1つのエンジンを含む推進サブシステムであって、前記推進サブシステムは、前記航空機システムを推進するように構成された推進サブシステムと、
前記航空機システムをナビゲートするように構成されたナビゲーションサブシステムと、
前記電力伝送機から電力を受信するように構成された電力受信機と、前記電力受信機からの前記電力を前記航空機システムに電力供給するための使用可能なエネルギに変換するように構成された電力コンバータと、前記航空機システムへ電力供給するための使用可能エネルギを蓄えるように構成されたエネルギストレージユニットを含む電力管理サブシステムと、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電力管理サブシステムは、さらに、前記電力伝送機から放射された電力を検出し、前記電力受信機により受信した電力を測定し、前記エネルギストレージユニットにより蓄えられたエネルギをモニタするためにセンサを備えた、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ナビゲーションサブシステムは、前記航空機システムの所定の距離内のさらなる航空機システムを見つけるためのローカライゼーションシステムをさらに備えた、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、航空機システムが、前記電力分配セクションから所定の距離内にあるとき前記電力伝送機をアクティブにするようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
レースコースを通過するレース期間に複数の航空機システムに電力を遠隔で分配する方法であって、
電力伝送機のコントローラにおいて、前記電力伝送機の所定の近接度内の前記複数の航空機システムのうちの1つの航空機システムを検出するステップであって、前記電力伝送機は、前記航空機システムが通過する前記レースコースの物理エレメントと集積される、検出するステップと、
電力伝送機の前記コントローラにおいて、前記電力伝送機をアクティブにするためのトリガ条件を検出するステップであって、前記トリガ条件は、前記航空機システムに基づく、検出するステップと、
前記トリガ条件を検出することに応答して、電力を伝送するために、前記電力伝送機をアクティブにするステップと、
前記電力を前記航空機システムへ伝送するステップと、
を備えた、レースコースを通過するレース期間に複数の航空機システムに電力を遠隔で分配する方法。
【請求項12】
前記トリガ条件を検出するステップは、前記複数の航空機システムの1つの航空機システムから信号を受信するステップであって、前記信号は、前記航空機システムの位置と速度に関するデータを含む、受信するステップと、
を備えた、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記信号を受信するステップは、さらに、前記航空機システムから周期信号を受信するステップを備え、前記周期信号は、前記航空機システムの、前記位置と前記速度に関するデータを含む、請求項12の方法。
【請求項14】
前記電力を伝送するステップは、前記航空機システムの、前記位置と前記速度に基づいて、前記航空機システムの方向へ電力を向けるように、前記電力伝送機を指示するステップを備えた、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記トリガ条件を検出するステップは、チェックポイントを通過する前記航空機システムに基づいて、前記レースコースの前記チェックポイントにおけるコンピューティングデバイスから信号を、受信するステップを備えた、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記トリガ条件を検出するステップは、前記航空機システムから信号を受信するステップを備え、前記信号は、前記電力伝送機をアクティブにする要求を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記トリガ条件を検出するステップは、前記コントローラにより、前記航空機システムによる事前定義された操作を検出するステップを備えた、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記コントローラにおいて、前記電力伝送機を非アクティブにする停止条件を検出するステップと、
前記停止条件を検出することに応答して、前記電力伝送機を非アクティブにするステップと、を更に備えた請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記停止条件を検出するステップは、前記電力伝送機により、前記複数の航空機システムに放射された電力のしきい値量を検出するステップを備えた、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記停止条件を検出するステップは、
前記複数の航空機システムの、それぞれの航空機システムにより受信された電力に関するデータを含む信号を受信するステップと、
前記信号に基づいて、前記電力伝送機を非アクティブにするステップと、を備えた、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記停止条件を検出するステップは、前記複数の航空機システムのうちの第2の航空機システムから信号を受信するステップを備え、前記信号は、前記電力伝送機を非アクティブにする要求を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
ルールセットに基づいて、前記複数の航空機システムの2以上の航空機システム間で電力を分配するステップをさらに備えた、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記レースコースをラップからラップへ変更するステップをさらに備えた、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
複数の遠隔操縦される航空機システムのレースのためのシステムであって、
前記複数の航空機システムが通過する複数の物理エレメントを含むレースコースと、
前記複数の物理エレメントの少なくとも1つを含む前記レースコースの電力分配セクションと、
前記物理エレメントの前記少なくとも1つと集積された電力分配セクションにおける電力伝送機であって、前記電力伝送機は、前記電力分配セクションにおいて、前記複数の航空機システムに電力を遠隔で伝送するように構成された、電力伝送機と、
前記電力伝送機に動作可能に結合されたコントローラであって、
少なくとも1つの航空機システムが、前記電力分配セクションから所定の距離内にあるとき、前記少なくとも1つの航空機システムに電力を伝送するように前記電力伝送機をアクティブにし、
前記少なくとも1つの航空機システムの方向へ電力を向けるように、前記電力伝送機の位置決め機構を制御し、
前記複数の航空機システムの2つ以上の間で電力を分配するように、前記電力伝送機と前記位置決め機構を制御し、
前記電力伝送機を非アクティブにする、
ように前記電力伝送機に動作可能に結合されたコントローラと、を備えた、複数の遠隔操縦される航空機システムのレースのためのシステム。
【請求項25】
前記レースコースの前記電力分配セクションから離れた衛星上に位置するさらなる電力伝送機をさらに備え、前記さらなる電力伝送機は、前記レースコースの前記電力分配セクションにおいて前記航空機システムにさらなる電力を遠隔で伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
モバイルプラットフォームに位置するさらなる電力伝送機をさらに備え、前記さらなる電力伝送機は、前記レースコースの前記電力分配セクションにおいて前記航空機システムにさらなる電力を遠隔で伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記モバイルプラットフォームは、陸上、空中、水上、または宇宙で動作するシステムを備える、請求項26に記載のシステム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、一般に航空機システムに関する。特に、この開示は、電力を航空機システムに分配するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機システムにおける進歩は、航空機システムを非商業使用のために利用可能にした。例えば、航空機システムは、パイロットがレースコースを通して航空機システムをナビゲートする、レースのようなスポーツイベントに使用することができる。しかしながら、非商用航空機システムのバッテリ電力は、限られているため、レースは、期間が非常に短く、わずか数分または数秒で終わり、多くの時間をセットアップと整理(set up and organize)に必要とする。
【発明の概要】
【0003】
この開示の態様は、航空機システムのレーシングに関するシステムに向けられている。このシステムは、航空機システムが通過するレースコースと、前記レースコースの電力分配セクションに向けられた電力伝送機であって、前記電力伝送機は、電力分配において航空機システムへ遠隔で電力を伝送するように構成された電力伝送機と、前記航空機システムへ電力を伝送するように、前記電力伝送機をアクティブにし、命令し、非アクティブにするように前記電力伝送機に動作可能に結合されたコントローラと、を含む。この発明の第2の態様は、レースコースを通して、レースの期間に複数の航空機システムに遠隔で電力を分配する方法に向けられている。この方法は、電力伝送機のコントローラにおいて、前記電力伝送機をアクティブにするトリガ条件を検出することを含むステップであって、前記電力伝送機は、前記複数の航空機システムから遠隔である、ステップと、前記トリガ条件を検出することに応答して、前記電力伝送機をアクティブにして電力を伝送するステップと、前記電力を前記航空機システムに伝送するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、航空機システムのレースに関する例示システムの概略ブロック図を示す。
図2図2は、例示航空機システムのブロック図を示す。
図3図3は、図1のシステムの電力分配セクションおよび電力伝送機の概略図を示す。
図4図4は、レース期間中の航空機システムに電力を分配する例示方法のフローチャートを示す。
図5図5は、レース期間中の航空機システに電力を分配する他の例示方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
この開示は、一般にレース中の航空機システムへ電力を分配することに関する。レースの期間を増大するために、航空機システムは、レースコースの電力分配セクションにおいて、電力伝送機から電力を遠隔で受信することができる。航空機システムは、レーザビーム、マイクロ波、または他の電磁放射により電力供給を受けることができる。航空機システムは、信号をコントローラに通信して電源をアクティブにし、電力を放射することができる。航空機システムは、遠隔で電力を受信して、より長い飛行時間を可能にする。コントローラは、放射された電力のしきい値、航空機システムにより受信された電力のしきい値、または2以上の航空機システムに電力を分配するためのルールセットに基づいて航空機システムに電力を分配するように電力分配機をアクティブまたは非アクティブにすることができる。
【0006】
図1は、航空機システム105-1、105-2、105-3(集合的に航空機システム105と呼ばれ、一般には航空機システム105と呼ばれる)のレースを行うためのシステム100を描画する。システム100は、航空機システム105が通過するレースコース110と、レースコース110の電力分配セクション112と、航空機システム105に電力を遠隔で供給するように構成される電力伝送機120と、前記電力伝送機120をアクティブにし、命令し、非アクティブにするように前記電源と動作可能に結合されたコントローラ130を含む。
【0007】
レースコース110は、ゲート、ポール、ブロック等のような物理的コンポーネントまたは障害物を含む物理エレメント114により定義されたまたは範囲を定めた物理レースコースであり得る。航空機システム105は、それゆえエレメント114の周りの空域(air space)を通過するように構成される。エレメント114は、航空機システム105の通路を追跡するように構成することができる。エレメント114は、それゆえ、航空機システム105から信号または情報を受信するための、センサ、レシーバ等を含む、コンピューティングデバイスを含む。例えば、エレメント114は、航空機システム105のロケーションに関するシステム100の観客または他のコンポーネントへの更新を提供するための識別子を受信するために航空機システム105と通信するように構成することができる。それゆえ、エレメント114は、レースコースのチェックポイントとして動作することができる。
【0008】
他のインプリメンテーションにおいて、レースコース110は、レースコースの110の物理的態様により定義されるかまたは区切られた、混合されたリアリティベースのレースコースであり得、例えば、レースが行われる物理トラックまたはスペース(例えば、レーストラック、スポーツスタジアム、オープンフィールド、市街地等、)、並びに、コンピュータにより生成された障害物、ゲート、ポール、ブロック等のようなバーチャルリアリティ(virtual reality)およびオーグメンテッドリアリティ(augmented reality)コンポーネントであり得る。航空機システム105は、それゆえ、混合されたリアリティコンポーネントに従う空域を通過するように構成される。さらなるインプリメンテーションにおいて、レースコース110は、混合されたリアリティコンポーネントとの物理コースの組み合わせであり得る。レースコース110は、航空機システム105が、地上からほぼ同じ距離または高さでコース110を介して水平方向にナビゲートするように水平に方向づけることができ、または、レースコース110は、航空機システム105がコースを介して地上へ向かう方向へまたは地上から遠ざかる方向へナビゲートするように、垂直に方向づけることができ、または、レースコースは、水平および垂直のナビゲーションコンポーネントを含むことができる。いくつかの実装形態では、レースコース110は、プロパティ(property)またはプロパティのグループまたは他の広い領域にわたって空域に広がる場合がある。
【0009】
また、レースコース110は、電力分配セクション112を含む。電力分配セクション112は、以下の詳細に記述するように、航空機システムが、電力伝送機120から遠隔で電力を受信することができるレースコースのセクションである。レースコース110は、レースコースと統合された電力分配セクション112を有することができるので、航空機システムは、レースコース110の一部として電力分配セクション112を通過することができる。いくつかの実施形態において、電力分配セクション112は、レースコース110から、外れて位置してもよい。例えば、航空機システムは、ピットストップ(pit-stop)のスタイルで、電力伝送機120から電力を受信するためにレースコース110から離れてナビゲートする必要がある。レースコース110は、また、レースコース110の異なるセクションに位置する複数の電力分配セクション112を含むことができる。電力分配セクション112は、レースコース110と統合することができ、または、コースから外れることができ、またはいくつかの電力分配セクション112は、他の電力分配セクションがコースから外れていながら、レースコース110に統合することができる。
【0010】
図2は、航空機システム105のブロック図を描画する。航空機システム105は、推進サブシステム205、ナビゲーションサブシステム210、電力管理サブシステム215及び通信インタフェース220と相互接続された航空機コントローラ200を含む。航空機システム105は、無人航空機システム(UAS)であり、自律的に制御されたUASsと遠隔操縦されるUASsを含む。
【0011】
航空機コントローラ200は、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、プロセッシングコア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または類似物を含むことができる。プロセッサは、複数の協働プロセッサを含むことができる。航空機コントローラ200は、メモリ202と協働して、ここで述べた機能を実現するための命令を実行することができる。メモリ202は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、磁気ストレージ、光学ストレージ、および同等物の任意の組み合わせを含むことができる。メモリ202のすべてまたはいくつかはコントローラ200と集積することができる。コントローラ200は、コンピュータとしてインプリメントすることができる。特に、コントローラ200は、航空機システム105を制御して、レースコース110を通過することができる。
【0012】
推進サブシステム205は、少なくとも1つのエンジンを含み、航空機システム105を推進(propel)するように構成される。例えば、推進サブシステム205は、(例えば、固定翼等で)推進力(thrust)と上昇力(lift)を提供するために、ほぼ垂直平面に回転する少なくとも1つのエンジンにより駆動されるように構成されたプロペラと、上昇力を提供するためにほぼ水平面に回転するようにエンジンにより駆動されるように構成されたロータと、または、航空機システム105を推進させるための他の適切な機構を含むことができる。
【0013】
ナビゲーティングサブシステム210は、センサ、ビーコン、ローカライゼーションシステム(localization system)、等を含み付近の航空機システム105またはエレメント114を検出することができる。例えば、ナビゲーションサブシステム210は、RADARセンサ、LIDARセンサ、光学センサ等を含むことができる。ナビゲーションサブシステム210は、さらに位置情報を得るために、GPS衛星からの信号を受信して処理するためのグローバルポジショニングシステム(GPS)を含むことができる。ナビゲーションサブシステム210は、レースコース110およびレースコース110上で検出されたエレメント114のトポグラフィー(topography)を示すマップデータを生成するように構成することができる。マップデータは、例えば、GPSデータ、センサおよびローカライゼーションシステム等から受信したデータに基づいて生成することができる。ナビゲーションサブシステム210は、さらに、マップデータに基づいて、航空機システムがレースコース110とエレメント114を通過すためのナビゲーションデータを生成することができる。ナビゲーションデータは、例えば、航空機システム105が自律的にナビゲートしたり、あるいは、人間のオペレータのためのリモートコントロールシステム上のディスプレイに関するナビゲーションデータを提供することを可能にする。ナビゲーションサブシステム120は、また、マップデータとナビゲーションデータを記憶する、例えば、メモリ202に記憶されたレポジトリを含むことができる。
【0014】
電力管理サブシステム215は、電力伝送機120から電力を受信するように構成された電力レシーバ(ここでは、単にレシーバと呼ばれる)と、レシーバから受信した電力を航空機システム105により使用可能なエネルギに変換するように構成された電力コンバータ(ここでは、単にコンバータと呼ばれる)と、使用可能なエネルギを蓄えるように構成されたエネルギストレージユニットを含む。いくつかの例において、レシーバ、コンバータ、およびエネルギストレージユニットの1つ以上を集積することができる。例えば、レシーバは、マイクロ波放射を受信し、航空機システム105に電力を供給する(例えば、推進サブシステム205を駆動するためのエンジンに電力を供給する)ために使用する直流(DC)エネルギに変換するためのマイクロ波放射を受信し、マイクロ波放射を整流するためのレクテナ(rectenna)として、コンバータと集積することができる。他の例において、レシーバは、レーザビームまたは電磁放射の他の周波数(例えば、低周波数、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線等)を受信するように構成することができる。たとえば、レシーバとコンバータは、ソーラエネルギを受信し変換するように構成されたソーラセルとして集積することができる。
【0015】
いくつかのインプリメンテーションにおいて、レシーバは、電力伝送機120から電力を受信するための利用可能な表面エリアを増加させるためにメインボディとウイングを含む、航空機システム105の下面(underside)に位置することができる。他のインプリメンテーションにおいて、レシーバは、電力伝送機120から電力を受信するための、上面を含む、航空機システム105のメインボディをカバーすることができる。航空機システム105は、受信した電力をエネルギに変換し、エネルギをエネルギストレージユニットに蓄えるように構成することができるか、あるいは、航空機システム105は、電力を直接航空機システム105に電力供給するエネルギに変換することができる。
【0016】
エネルギストレージユニットは、コンバータからエネルギを受信し、エネルギを航空機システム105のアクセス可能な形態で蓄えるように構成される。たとえば、エネルギストレージユニットは、リチャージャブルバッテリを含むことができる。他の例において、エネルギストレージユニットは、超電導磁気エネルギストレージ(SMES)システムを用いることを含むことができる。特に、SMESシステムは、電流を超電導(例えば、超電導コイル)に通すことにより作られる磁界の形態でエネルギを蓄える。SMESはさらに、超伝導体をその極低温臨海温度未満に冷却するように構成された極低温冷却剤を含み、それによりSMESが磁界を生成するときの抵抗損失を低減する。蓄えられたエネルギは、次に、コイルを放電することにより、航空機システム105に電力を供給するのに使用するために放電(release)することができる。さらなる例において、エネルギストレージユニットは、キャパシタ、インダクタ、または他の適切な能動および受動素子を含むことができる。
【0017】
電力管理システム215はさらに、電力伝送機120から放出された電力を検出し、レシーバにより受信された電力を測定し、例えばセンサまたは同等物を用いてエネルギストレージユニット内のエネルギレベルをモニタするように構成することができる。センサから取得したエネルギおよび/または電力データは、さらなる処理のために電力管理サブシステム215のリポジトリに記憶(例えば、メモリ202に記憶)することができる。
【0018】
通信インタフェース220は、1つまたは複数のネットワーク(例えば、ローカルおよびワイドエリアネットワークの両方)を横断(traverse)するダイレクトリンク(direct links)またはリンク(links)を含むリンクを介して、航空機システム105が他の航空機システム105のような他のコンピューティングシステムと通信することを可能にする適切なハードウエア(例えば、トランスミッタ、レシーバ、ネットワークインタフェースコントローラ等)を含む。通信インタフェース220の特定のコンポーネントは、航空機システム105が通信するネットワークの種類または他のリンクに基づいて選択される。
【0019】
例えば、自律的に制御される航空機システム105において、コントローラ200は、レースコース110のマップデータを検出し記憶し、マップデータに基づいてレースコース110を介して経路をナビゲートするためのナビゲーションデータを生成するようにナビゲーションサブシステム210を制御するように構成することができる。特に、ナビゲーションサブシステム210は、電力配分セクション112のロケーションを検出し、記憶するように構成することができる。従って、例えば、電力管理サブシステム215が低エネルギレベルを検出すると、コントローラ200は、ナビゲーションサブシステム210を制御して航空機システム105が電力分配セクション112へナビゲートするためのナビゲーションデータを生成することができる。コントローラ200は次に、推進システムを制御して、ナビゲーションデータに従って、航空機システム105を電力分配セクション112に移動させることができる。
【0020】
他の例において、航空機システム105は、レースコース110を介して航空機システム105を操縦する人間オペレータにより操作されるリモートコントロールシステムから通信インタフェースを介してナビゲーションデータを受信することができる。電力管理サブシステム215が低エネルギレベルを検出すると、コントローラ200は、通知を、通信インタフェース220を介してリモートコントロールシステムに通信することができる。
【0021】
図3は、第1の電力伝送機120-1と第2の電力伝送機120-2と電源コントローラ130を含む、レースコース110の電力分配セクション112を描画する。図3は、電力ビーム122-1、122-2の形態で電力伝送機120から電力を受信する航空機システム105-1、105-2を描画する。
【0022】
一般に、電力伝送機120は、レースコース110の電力配分セクション112へ電力を伝送するように構成される。電力伝送機120は、電力配分セクション112において航空機システム105へ電力を遠隔で伝送するように構成される。例えば、電力伝送機120-1は、レーザ、伝送機チップ、アンテナまたはマイクロ波の形態で電力を放射するように構成された他の適切な電源、レーザビーム、または電磁放射スペクトル上の他の周波数の他の放射のような電源を含む。特に、電源は、ビーム122-1のようなフォーカスされた電力ビームを航空機システム105-1へ放射することができる。他の例において、電力は、電源により、全方向に放射することができる。電力伝送機120-2は、外部ソース(例えば、ソーラエネルギ)から電力を受信し送信するように構成される。電力伝送機120-2は、それゆえ、反射ビーム122-2の形態で電力配分セクション112において航空機システムの方向へ太陽光を向けなおすように構成されたリフレクタ(reflectors)を含むことができる。例えば、リフレクタは、航空機システム105における受信を改善するように太陽光をフォーカスするように特に構成されることができる。さらに、電力伝送機120は、電力を電力分配セクション122、または、航空機システムへ受け渡すように向けるように電源および/またはリフレクタを位置決めするための位置決め機構121を含むことができる。例えば、位置決め機構121は、航空機システム105へ受け渡すこと、または太陽を追いかけることに応答してリフレクタを再位置決めすることができる。
【0023】
いくつかのインプリメンテーションにおいて、電力伝送機120および/または電力分配セクション112は、1つまたは複数のエレメント114と集積することができる。例えば、エレメント114は、航空機システム105が通過する2つのサイドポスト(side posts)を有するゲートであり得る。電力伝送機120は、航空機システム105が2つのサイドポストを通過するときに電力伝送機120から電力を遠隔で受信するように、2つのサイドポストの間の電力分配セクション112に向けて電力を伝送するように構成することができる。他のインプリメンテーションにおいて、エレメント114は、航空機システム105が通過するトンネルであり得る。
【0024】
電力伝送機120は、レーザまたはマイクロ波ビームをトンネルの方へ向けるように構成された電源(例えば、レーザ、マイクロ波、または同等物)と、航空機システム105が電源から、およびリフレクタから外れた反射光から直接電力を遠隔的に受信するように、トンネル内のレーザまたはマイクロ波を反射するように構成されたリフレクタの両方を含むことができる。例えば、電源は、トンネル内の反射を増幅するように全方向に電力を放射するように構成することができる。さらに、航空機システム105は、任意の方向から受信した電力を増幅するように、上面(top side)を含む、航空機システム105のメインボディを受信機にカバーさせるように構成することができる。電力伝送機120は、地上ベースの電源のように、レースコース110の電力分配セクション112に物理的に位置させることができる。
【0025】
例えば、電力伝送機120は、トラック、船、または電力分配セクション112における他の航空機システムのような他のモバイルプラットフォームに配置することができる。代替的に、電力伝送機120は、電力分配セクション112(例えば、衛星上に位置する)から離れて、電力配分セクション112の方向へ電力を向けるように構成することができる。例えば、電力伝送機120は、低軌道(LEO)衛星、中軌道(MEO)衛星、静止軌道(GEO)衛星、および中継エレメントと航空機システム105との間で電力を中継するための他の適切な中継エレメント(例えば、飛行船または他の航空システム)を含む電力中継システムを含むことができる。例えば、LEO、MEO、GEOにおける衛星は、中継エレメントを充電するために電力(例えば、マイクロ波、太陽光または同等物)を発するかまたは向けなおし、つぎに、電力を航空機システム105に発するか向けなおすことができる。特に、中継エレメントは、電力受信能力(例えば、受信機、コンバータ、およびストレージユニット)と電力伝送能力(例えば、エミッタおよび/またはリフレクタを含む)の両方を含む。コントローラ130は、動作可能に電源に接続され、一般的に電力伝送機120をアクティブにし、命令し、非アクティブにするように構成される。コントローラ130は、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、プロセッシングコア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または同等物を含むことができる。プロセッサは、複数の協働プロセッサを含むことができる。
【0026】
コントローラ130は、メモリと協働して、ここで述べた機能を実現するための命令を実行することができる。メモリは、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、磁気ストレージ、光学ストレージ、および同等物を含むことができる。メモリのすべてまたはいくつかは、コントローラ130と集積することができる。コントローラ130とメモリは、コンピュータとしてインプリメントすることができる。
【0027】
電力伝送機120とコントローラ130は各々双方向通信用に構成されたネットワークインタフェースを含むことができ、ネットワークの種類に適したネットワークアダプタとドライバを含むことができる。適切なコンピュータネットワークの例は、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、Wi-Fiネットワーク、短距離無線ネットワーク(例えば、ブルートゥース(登録商標)またはブルートゥースロウエネルギ(Bluetooth Low Energy)、インターネット、そのようなものの組みあわせ、および同等物のようなインタネットプロトコル(IP)ネットワークを含む。電力伝送機120とコントローラ130は、各々USB通信のような他の種類の通信のためのポートとコントローラを含むことができる。
【0028】
動作中、コントローラ130は、電力伝送機120に結合され、トリガ条件を検出することに応答して、電力伝送機120をアクティブにし、命令し、以下に、さらに詳細に記載するように、停止条件を検出することに応答して電力伝送機120を非アクティブにする。電力伝送機120をアクティブにし、命令することは、電源をアクティブにすること、電源のための位置決め機構を制御すること、リフレクタが、レースコース110の電力分配セクション112方向へ電力を向けるのを可能にする位置決め機構を制御することを含むことができる。電力伝送機120を非アクティブにすることは、電源を非アクティブにすること、電源に関する位置決め機構を制御すること、リフレクタが、電力分配セクション112方向へ向けられた電力を停止するための位置決め機構を含むことができる。
【0029】
図4は、複数の航空機システムに電力を遠隔で分配する方法400のフローチャートを描画する。方法400の説明を補助するために、方法400は、システム100を用いて実行されると仮定する。しかしながら、方法400は、他の適切なシステムにより実行可能であることが理解される。
【0030】
ブロック405において、コントローラ130は、電力伝送機をアクティブにするトリガ条件を検出する。例えば、トリガ条件は、航空機システム105の電力分配セクション112への閾値近接度であり得る。コントローラ130は、電力分配セクション112付近の航空機システム(例えば、センサまたは同等物を介して)を検出することができ、または、コントローラ130は、航空機システム105の位置と速度に関するデータを含む航空機システム105からの信号を受信することができる。いくつかのインプリメンテーションにおいて、航空機システム105は、位置と速度に関するデータを含む信号を周期的に送信することができ、コントローラ130は、将来の位置(例えば、第1と第2の位置を比較することにより、または速度データを用いて)を推定するように構成することができる。航空機システム105が電力分配セクション112の所定の距離内(すなわち、閾値近接度内)であると判断されるとき、コントローラ130は、電力伝送機120をアクティブにするように構成することができる。
【0031】
他の例において、トリガ条件は、チェックポイントとして作用するエレメント114への航空機システム105の閾値近接度であり得る。例えば、航空機システム105は、エレメント114を検出すると、コントローラ130へ信号を送信するように構成することができる。代替的に、エレメント114は、特に、エレメント114におけるコンピューティングデバイスは、エレメント114を通過する航空機システムに基づいてコントローラ130に信号を送信するように構成することができる。例えば、チェックポイント(すなわち、エレメント114)のコンピューティングデバイスは、航空機システム105を(例えば、センサまたは同等物を介して)検出するように構成することができる。他の例において、エレメント114は、航空機システム105からの位置と速度に関するデータを含む信号を受信するように構成することができ、信号をコントローラ130に中継することができる。
【0032】
さらなるインプリメンテーションにおいて、トリガ条件は、航空機システム105から信号を受信することにより検出することができ、信号は、電力伝送機120をアクティブにする要求を含む。さらなるインプリメンテーションにおいて、トリガ条件は、航空機システム105による事前定義された操作(maneuver)を検出することにより(例えば、エレメント114bにおけるセンサ、またはコントローラ130を介して)検出することができる。コントローラは、上記及び他の適切なトリガ条件の1つまたは複数またはそれらの組み合わせを検出すると、ブロック410に進むように構成することができる。
【0033】
ブロック410において、トリガ条件を検出することに応答して、コントローラ130は、電力伝送機120をアクティブにするように構成される。例えば、コントローラ130は、電力伝送機120のレーザ、またはマイクロ波エミッタのような、電源をアクティブにするように構成することができる。他の例において、コントローラ120は、電力分配セクション112の方向への電力ビームの反射を可能にするようにリフレクタを配向するように、位置決め機構を制御するように構成することができる。
【0034】
ブロック415において、電力伝送機120は、電力分配セクション112において、例えば、レーザビーム、マイクロ波または他の電磁放射の形態で、電力分配セクション112内の航空機システム105へ電力を伝送するように構成される。いくつかのインプリメンテーションにおいて、コントローラ130は、ブロック405で受信した位置と速度データに基づいて、航空機システム105の方向へ、または、航空機システム105の予測ロケーションの方向へ、電力ビーム122を向けるように電力伝送機120に命令する。
【0035】
他のインプリメンテーションにおいて、電力伝送機120は、全方向に電力を放射するように構成することができる。例えば、電力伝送機120は、レースコースの電力分配セクション112において全方向に電力ビーム122を放射することができる。電力分配セクション112は、電力ビーム122を反射するように構成されたトンネル内に含めることができるので、航空機システム105がトンネルを通過するように航空機システム105は、少なくとも1つの電力ビームから、またはその反射から電力を受信する可能性がある。
【0036】
図5を参照すると、複数の航空機システムへ遠隔で電力を分配する例示方法500が記載される。方法500の説明を補助するために、方法500は、システム100を用いて実行されると仮定するが、方法500は、他の適切なシステムにより実行することができることが理解される。
【0037】
方法500は、上述したブロック405、410、415を含む。システム100は、次にブロック520に進むように構成される。ブロック520において、コントローラ130は、電力伝送機および位置決め機構を制御することにより、ルールセットに基づいて複数の航空機システムのうちの2以上の航空機システム105の間で電力を分配するように電力伝送機120に命令するように構成される。ルールセットは、電力分配セクション112に航空機システム105が到着する順番、航空機システム105が有する電力残量、電源から航空機システム105がすでに受信した電力量、電力伝送機120からの距離、および他の類似の条件を考察することができる。ブロック525において、コントローラ130は、停止条件が検出されるかどうかを判断するように構成される。
【0038】
ブロック525において、停止条件が検出されない場合、コントローラ130は、ブロック415に進み、電力を航空機システム105に伝送し続ける。例えば、停止条件は、電力伝送機120により複数の航空機システム105に放射された電力の閾値量であり得る。電力の第1の閾値量は、例えば、レース機構の一部として異なるロケーションにおける、複数の電力分配セクション112および電力伝送機120と一緒に、使用することができる。例えば、各電力伝送機120は、いくつかのある最大単位の電力のみを伝送することができ、それにより、レーサに、どの電力伝送機120にナビゲートするかに関して戦略的決定をするように要求する。
【0039】
他の例において、停止条件は、1つまたは複数の航空機システム105により受信された電力の閾値量でありえる。例えば、航空機システム105は、それぞれの航空機システム105により受信した電力に関するデータを含む信号を送信するように構成することができる。1つまたは複数の航空機システム105により受信された電力の閾値量は、航空機システム105の1つにより安全に記憶することができた電力の最大量に基づくことができる。第2の閾値条件もレースメカニズムに組み込みことができる。例えば、航空機システム105は、各電力伝送機120から最大数の単位の電力を受信し、レーサは、コースを完了するのに必要な電力を受信するための電力伝送機120を含む、少なくともある数の電力分配セクション112を通過するとを必要とする。
【0040】
さらなるインプリメンテーションにおいて、停止条件は、航空機システム105から信号を受信することにより検出することができ、信号は、電力伝送機120を非アクティブにするための要求を含む。例えば、レース機構の一部として、航空機システム105は、電力伝送機120を非アクティブにすることができる。
【0041】
ブロック525において停止条件が検出されると、コントローラ130は、ブロック530に進むように構成される。コントローラ130は、上述したおよび他の適切な停止条件の1つまたは複数または組み合わせを検出すると、ブロック530に進むように構成することができる。
【0042】
ブロック530において、停止条件を検出することに応答して、コントローラ130は、電力伝送機120を非アクティブにするように構成される。例えば、コントローラ130は、電力伝送機120のレーザまたはマイクロ波のような電源を非アクティブにするように構成することができる。言い換えれば、コントローラ130は、位置決め機構を制御するように、例えば、電力分配セクション112方向への電力ビームの反射を無効にするためにリフレクタを方向づけるように構成することができる。
【0043】
ブロック535において、電力伝送機120から電力を受信する前または後で、レースコース110は、ラップ(lap)からラップへ変更することができる。例えば、1つまたは複数の航空機システム105がチェックポイントを通過すると、レースコース110は、例えば、電力分配ルール等をリセットおよび/または変更することにより、レースコースのコンピュータで生成された(仮想の)エレメントを変更することにより変更することができる。
【0044】
電力を航空機システムへ分配するシステムと方法が提供される。レース期間中、航空機システムは、電力伝送機からレースコースの電力分配セクションにおいて、電力を受信するように構成することができる。電力伝送機は、航空機システムが電力を遠隔で受信可能にするためにマイクロ波、レーザビーム、太陽光、または他の電磁放射の形態で、電力を伝送することができる。さらに、電力伝送機は、モバイルプラットフォーム(例えば、トラックまたは同様のもの)上、またはレースコースから離れた衛星上に配置することができ、それにより、レースコースのロケーションに柔軟性をもたせることができ、レースに必要な機器とセットアップ時間を低減することができる。
【0045】
動作中、コントローラは、電力伝送機をアクティブにするためのトリガ条件を検出するように構成することができる。トリガ条件は、電力分配セクションに対する航空機システムの閾値近接度、チェックポイントとして作用するエレメントへの航空機システムの閾値近接度、電力伝送機をアクティブにするための航空機システムまたはエレメントからの信号を受信、または他の適切な条件であり得る。次に、コントローラは、電力伝送機をアクティブにし、電力分配セクションの方向へ向けるように構成することができる。したがって、システムは、航空機システムが電力分配セクションにいるとき、またはその付近にいるときにのみ、電力伝送機により高められた効率性を提供することができる。コントローラはさらに、放射された電力の閾値、航空機システムが受信した電力の閾値、または2以上の航空機システムに電力を分配するためのルールセットのような、停止条件の検出に基づいて、電力伝送機を非アクティブにするように構成することができる。それゆえ、システムは、航空機システムのオーバーパワーを低減し、レースをよりダイナミックにすることができる。
【0046】
当業者は、さらにより多くの代替インプリメンテーション、および可能変形例があることを理解するともに、上記例は、1つまたは複数のインプリメンテーションの例示に過ぎないことを理解するであろう。それゆえ、範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5