(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
H01S 5/20 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
H01S5/20 610
(21)【出願番号】P 2020538279
(86)(22)【出願日】2019-08-05
(86)【国際出願番号】 JP2019030676
(87)【国際公開番号】W WO2020039904
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2018157117
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】中山 雄介
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200437(JP,A)
【文献】特開2003-174236(JP,A)
【文献】特開2018-050021(JP,A)
【文献】特開2010-040867(JP,A)
【文献】米国特許第04916708(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子であって、
基板と、
前記基板上に形成されたn型クラッド層と、
前記n型クラッド層上に形成されたn側ガイド層と、
前記n側ガイド層上に形成され、井戸層と障壁層とが積層された量子井戸構造を有する発光層と、
前記発光層上に形成されたp側ガイド層と、
前記p側ガイド層上に形成された電子障壁層と、
前記電子障壁層上に形成されたp型クラッド層と、
前記p型クラッド層上に形成されたp型コンタクト層と
を具備し、
前記発光素子の厚み方向において、前記p側ガイド層と前記発光層との境界位置を第1の境界位置とし、前記p側ガイド層と前記電子障壁層との境界位置を第2の境界位置とすると、
前記p側ガイド層は、
前記厚み方向にお
いて、前記第1の
境界位置から
予め規定された第1の規定位置
までの間に構成された第1の組成変化層と、
前記厚み方向にお
いて、前記
第1の規定位置から
予め規定された第2の規定位置までの間に構成され
たモニタ層と、
前記厚み方向にお
いて、前記
第2の規定位置から
前記第2の境界位置
までの間に構成された第2の組成変化層と
を
有し、
前記第1の組成変化層、前記モニタ層、及び前記第2の組成変化層の各々は、所定の金属元素を含む同じ半導体材料からなり、
前記第1の組成変化層は、前記厚み方向において、前記第1の境界位置から前記第1の規定位置に向かって、第1の変化率で前記所定の金属元素の組成比が連続的に小さくなり、
前記モニタ層は、前記厚み方向において、前記第1の規定位置から前記第2の規定位置にかけて、前記所定の金属元素の組成比が、前記第1の組成変化層の前記第1の規定位置における組成比と等しい組成比で一定となるように構成され、
前記第2の組成変化層は、前記厚み方向において、前記第2の規定位置から前記第2の境界位置に向かって、第2の変化率で前記所定の金属元素の組成比が連続的に小さくなり、前記第2の規定位置における前記所定の金属元素の組成比が前記モニタ層の前記所定の金属元素の組成比と等しい
発光素子。
【請求項2】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記第1の規定位置及び前記第2の規定位置は、前記p側ガイド層に対する非破壊検査を実行する際の基準となる位置として設定される
発光素子。
【請求項3】
請求項1に記載の発光素子であって
、
前記第1の組成変化層、前記
モニタ層、及び前記第2の組成変化層は、前記
モニタ層の組成が、
前記n型クラッド層、前記n側ガイド層、前記発光層、前記電子障壁層、前記p型クラッド層、及び前記p型コンタクト層のいずれの組成とも異なるように構成される
発光素子。
【請求項4】
請求項
3に記載の発光素子であって、
前記第
1の規定位置及び前記第
2の規定位置は、前記
モニタ層の組成が、
前記n型クラッド層、前記n側ガイド層、前記発光層、前記電子障壁層、前記p型クラッド層、及び前記p型コンタクト層のいずれの組成とも異なるように設定される
発光素子。
【請求項5】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層は、前記第1の
境界位置から前記第
1の規定位置に向かって、屈折率が連続的に
小さくなり、
前記第2の組成変化層は、前記第
2の規定位置から前記第
2の境界位置に向かって、屈折率が連続的に
小さくなる
発光素子。
【請求項6】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層は、前記第1の
境界位置から前記第
1の規定位置に向かって、バンドギャップが連続的に
大きくなり、
前記第2の組成変化層は、前記第
2の規定位置から前記第
2の境界位置に向かって、バンドギャップが連続的に
大きくなる
発光素子。
【請求項7】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記第1の変化率は、前記第2の変化率と等しい
発光素子。
【請求項8】
請求項1に記載の発光素子であって、
半導体レーザ素子として構成される
発光素子。
【請求項9】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記
モニタ層は、20nm以上の厚みを有する
発光素子。
【請求項10】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記
モニタ層は、前記第1の
境界位置を0、前記第
2の境界位置を1としたときに、0.1から0.9までの範囲内で構成される
発光素子。
【請求項11】
請求項1に記載の発光素子であって、
前記p側ガイド層は、前記第
1の規定位置から前記第
2の規定位置までの
前記所定の金属元素の組成
比が一定である組成傾斜層
として構成される
発光素子。
【請求項12】
発光素子であって、
基板と、
前記基板上に形成されたn型クラッド層と、
前記n型クラッド層上に形成されたn側ガイド層と、
前記n側ガイド層上に形成され、井戸層と障壁層とが積層された量子井戸構造を有する発光層と、
前記発光層上に形成されたp側ガイド層と、
前記p側ガイド層上に形成された電子障壁層と、
前記電子障壁層上に形成されたp型クラッド層と、
前記p型クラッド層上に形成されたp型コンタクト層と
を具備し、
前記発光素子の厚み方向において、前記n側ガイド層と前記発光層との境界位置を第1の境界位置とし、前記n側ガイド層と前記n型クラッド層との境界位置を第2の境界位置とすると、
前記n側ガイド層は、
前記厚み方向にお
いて、前記第1の
境界位置から
予め規定された第1の規定位置
までの間に構成された第1の組成変化層と、
前記厚み方向にお
いて、前記
第1の規定位置から
予め規定された第2の規定位置までの間に構成され
たモニタ層と、
前記厚み方向にお
いて、前記
第2の規定位置から
前記第2の境界位置
までの間に構成された第2の組成変化層と
を
有し、
前記第1の組成変化層、前記モニタ層、及び前記第2の組成変化層の各々は、所定の金属元素を含む同じ半導体材料からなり、
前記第1の組成変化層は、前記厚み方向において、前記第1の境界位置から前記第1の規定位置に向かって、第1の変化率で前記所定の金属元素の組成比が連続的に小さくなり、
前記モニタ層は、前記厚み方向において、前記第1の規定位置から前記第2の規定位置にかけて、前記所定の金属元素の組成比が、前記第1の組成変化層の前記第1の規定位置における組成比と等しい組成比で一定となるように構成され、
前記第2の組成変化層は、前記厚み方向において、前記第2の規定位置から前記第2の境界位置に向かって、第2の変化率で前記所定の金属元素の組成比が連続的に小さくなり、前記第2の規定位置における前記所定の金属元素の組成比が前記モニタ層の前記所定の金属元素の組成比と等しい
発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体レーザ等の発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の半導体レーザ素子では、厚み方向に連続的に組成が変化するように、下部光閉じ込め層、及び上部光閉じ込め層がそれぞれ形成される。また下部光閉じ込め層と下部クラッド層との層間に、バンドギャップ波長が一定となる組成からなる介在層が形成される。また上部光閉じ込め層と上部クラッド層との層間にも、同じ組成からなる介在層が形成される。これにより、構成元素の供給流量が少ない領域であっても、安定した結晶層を形成することができ、キャリア注入効率や結晶性を向上させることが可能とのことである(特許文献1の明細書段落[0034][0035][0051]
図1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の半導体レーザ素子のように、厚み方向に組成が連続的に変化する層が形成される場合に、発光素子を非破壊で効率よく検査することを可能とするための技術が求められている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、非破壊で効率のよい検査を実現することが可能となる発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る発光素子は、第1の組成変化層と、中間層と、第2の組成変化層とを具備する。
前記第1の組成変化層は、厚み方向における第1の位置から第2の位置に向かって、第1の変化率で組成が連続的に変化する。
前記中間層は、前記厚み方向における前記第2の位置から第3の位置までの間に構成され、前記第1の組成変化層の前記第2の位置の組成と等しい組成からなる。
前記第2の組成変化層は、前記厚み方向における前記第3の位置から第4の位置に向かって第2の変化率で組成が連続的に変化し、前記第3の位置における組成が、前記中間層の組成と等しい。
【0007】
この発光素子では、厚み方向における第1の位置から第4の位置までの間に、組成が一定となる中間層が形成される。これにより、例えばX線回折等を用いることで、非破壊で効率よく発光素子を検査することが可能となる。
【0008】
前記第1の変化率は、前記第2の変化率と等しくてもよい。
【0009】
前記発光素子は、半導体レーザ素子として構成されてもよい。
【0010】
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層により、ガイド層が構成されてもよい。
【0011】
前記中間層は、20nm以上の厚みを有してもよい。
【0012】
前記中間層は、前記第1の位置を0、前記第4の位置を1としたときに、0.1から0.9までの範囲内で構成されてもよい。
【0013】
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層により、前記第2の位置から前記第3の位置までの組成が一定である組成傾斜層が構成されてもよい。
【0014】
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層の各々は、所定の金属元素を含む同じ半導体材料からなってもよい。この場合、前記第1の組成変化層は、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって、前記所定の金属元素の組成比が連続的に変化する層であってもよい。また前記第2の組成変化層は、前記第3の位置から前記第4の位置に向かって、前記所定の金属元素の組成比が連続的に変化する層であってもよい。
【0015】
前記第1の組成変化層は、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって、屈折率が連続的に変化する層であってもよい。この場合、前記第2の組成変化層は、前記第3の位置から前記第4の位置に向かって、屈折率が連続的に変化する層であってもよい。
【0016】
前記第1の組成変化層は、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって、バンドギャップが連続的に変化する層であってもよい。この場合、前記第2の組成変化層は、前記第3の位置から前記第4の位置に向かって、バンドギャップが連続的に変化する層であってもよい。
【0017】
前記発光素子は、さらに、1以上の他の層を具備してもよい。この場合、前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層は、前記中間層の組成が、前記1以上の他の層のいずれの組成とも異なるように構成されてもよい。
【0018】
前記第2の位置及び前記第3の位置は、前記中間層の組成が、前記1以上の他の層のいずれの組成とも異なるように設定されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本技術によれば、非破壊で効率のよい検査を実現することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態に係る半導体レーザ素子の断面構成の一例を示す模式図である。
【
図2】半導体レーザ素子の積層構造の具体例を示すグラフである。
【
図3】積層構造の厚み方向における位置と、バンドギャップとの関係を示す模式的なグラフである。
【
図4】半導体レーザ素子の積層構造をX線回折(XRD)で評価した場合の回折角度とX線強度の関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【
図5】比較例として挙げる半導体レーザ素子の積層構造の具体例を示すグラフである。
【
図6】半導体レーザ素子の積層構造をX線回折で評価した場合の回折角度とX線強度の関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
[半導体レーザ素子]
図1は、本技術の一実施形態に係る半導体レーザ素子の断面構成の一例を示す模式図である。
図1では、断面を表すハッチングは省略されている。
【0023】
本実施形態では、半導体レーザ素子100として、窒化物半導体レーザが構成される。窒化物半導体は、窒素(N)元素を含む半導体であり、またアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等の金属元素を含んで構成される化合物半導体である。
【0024】
半導体レーザ素子100は、基板10と、n型クラッド層11と、n側ガイド層12と、発光層13とを有する。また半導体レーザ素子100は、p側ガイド層14と、電子障壁層(EB層)15と、p型クラッド層16と、p型コンタクト層17とを有する。
【0025】
図1に示すように、半導体レーザ素子100は、基板10、n型クラッド層11、n側ガイド層12、発光層13、p側ガイド層14、電子障壁層(EB層)15、p型クラッド層16、p型コンタクト層17の順番で各層が積層された積層構造を有する。
【0026】
本実施形態では、基板10として、GaN基板が用いられる。これに限定されず、GaN、AlN、Al2O3(サファイア)、SiC、Si、ZrO等の、他の材料からなる基板が用いられてよい。
【0027】
また基板10の主面の結晶面は、極性面、半極性面、非極性面のいずれでもよい。極性面は具体的には、例えば面指数を用いて{0,0,0,1}、{0,0,0,-1}と表すことができる。半極性面は、例えば{2,0,-2,1}、{1,0,-1,1}、{2,0,-2,-1}、{1,0,-1,-1}と表すことができる。非極性面は、例えば{1,1,-2,0}、{1,-1,0,0}と表すことができる。本実施例においては、主面の結晶面が極性面である{0,0,0,1}面となるように構成されている。
【0028】
n型クラッド層11は、基板10の主面上に形成される。n型クラッド層11としては、例えばn型導電性を有するGaN層、AlGaN層、又はAlGaInN層等が形成される。あるいは、これらの層が複数積層された層が、n型クラッド層11として形成されてもよい。
【0029】
n型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばSiを用いることができる。n型クラッド層11の厚み(膜厚)は、例えば500nmから3000nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0030】
n側ガイド層12は、n型クラッド層11上に形成される。n側ガイド層12としては、例えばノンドープのGaN層、GaInN層、又はAlGaInN層等が形成される。あるいは、これらの層が複数積層された層が、n側ガイド層12として形成されてもよい。
【0031】
本実施形態では、i型のn側ガイド層12が形成されるが、n型の導電性を有するようにn側ガイド層12が形成されてもよい。n型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばSiを用いることができる。n側ガイド層12の厚みは、例えば10nmから500nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0032】
発光層(活性層)13は、n側ガイド層12上に形成される。発光層13は、量子井戸構造を有し、井戸層と障壁層とが積層して形成される。井戸層としては、例えばn型導電性を有するInGaN層等が形成される。n型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばSiを用いることができる。なお、井戸層が、ノンドープ層により構成されてもよい。井戸層の厚みは、例えば1nmから20nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0033】
障壁層としては、例えばn型導電性を有するGaN層、InGaN層、AlGaN層、又はAlGaInN層等が形成される。n型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばSiを用いることができる。なお、障壁層が、ノンドープ層により構成されてもよい。障壁層の厚みは、例えば1nmから100nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0034】
なお障壁層のバンドギャップは、井戸層で最大となるバンドギャップ以上となるように設定されている。井戸層と障壁層とは交互に設けられ、井戸層の数は、m≧1を満足する整数となる。本実施の形態においてはm=2である。もちろんこの構成に限定される訳ではない。
【0035】
発光層13により生成される光子波長は、例えば430nmから550nmの範囲に含まれる。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定される訳ではない。
【0036】
p側ガイド層14は、発光層13上に形成される。p側ガイド層14としては、例えばノンドープのGaN層、InGaN層、又はAlGaInN層等が形成される。あるいは、これらの層が複数積層された層が、p側ガイド層14として形成されてもよい。
【0037】
本実施形態では、i型のp側ガイド層14が形成されるが、p型の導電性を有するようにp側ガイド層14が形成されてもよい。p型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばMgを用いることができる。p側ガイド層14の厚みは、例えば100nmから1000nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0038】
本実施形態では、p側ガイド層14が、モニタ層を有する組成傾斜層として構成される。モニタ層を有する組成傾斜層については、後に詳しく説明する。
【0039】
電子障壁層(EB層)15は、p側ガイド層14上に形成される。EB層15としては、例えばp型導電性を有するGaN層、AlGaN層、又はAlGaInN層等が形成される。あるいは、これらの層が複数積層された層が、EB層15として形成されてもよい。
【0040】
p型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばMgを用いることができる。EB層15の厚みは、例えば3nmから50nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0041】
p型クラッド層16は、EB層15上に形成される。p型クラッド層16としては、例えばp型導電性を有するGaN層、AlGaN層、又はAlGaInN層等が形成される。あるいは、これらの層が複数積層された層が、p型クラッド層16として形成されてもよい。
【0042】
p型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばMgを用いることができる。p型クラッド層16の厚みは、例えば1nmから300nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0043】
p型コンタクト層17は、p型クラッド層16上に形成される。p型コンタクト層17としては、例えばp型導電性を有するGaN層、AlGaN層、又はAlGaInN層等が形成される。あるいは、これらの層が複数積層された層が、p型コンタクト層17として形成されてもよい。
【0044】
p型導電性を実現するためのドーパントとしては、例えばMgを用いることができる。p型コンタクト層17の厚みは、例えば1nmから300nmの範囲で設計可能である。もちろんこの範囲に含まれる場合に限定されず、任意に設計されてよい。
【0045】
図2は、半導体レーザ素子100の積層構造の具体例を示すグラフである。グラフの横軸は、半導体レーザ素子100の表面(透明導電膜や電極等までを含んだ際の表面)からの距離(nm)であり、積層構造の厚み方向における位置に相当する。グラフの縦軸は、屈折率である。またグラフの上方側には、
図1に示す各層の符号が付されている。
【0046】
図2に示す積層構造は、以下の構成となっている。
n型クラッド層11…Al組成6%、膜厚1000nmのAlGaN層
n側ガイド層12…In組成2%、膜厚200nmのGaInN層
発光層13…発光波長が450nmとなる井戸層数2障壁層数1のGaInN積層構造
p側ガイド層14…モニタ層を有する組成傾斜層(詳細は後述)
EB層15…Al組成10%、膜厚10nmのAlGaN層
p型クラッド層16…Al組成5.5%、膜厚250nmのAlGaN層
p型コンタクト層…膜厚80mnのGaN層
【0047】
p側ガイド層14は、第1の組成変化層20と、モニタ層21と、第2の組成変化層22とを有する。第1の組成変化層20は、厚み方向における第1の位置から第2の位置に向かって、第1の変化率で組成が連続的に変化する層である。
【0048】
本実施形態では、In組成が発光層13から表面に向かって4%から3%に傾斜した膜厚50nmのGaInN組成傾斜層が、第1の組成変化層20として形成される。p側ガイド層14と発光層13との境界位置が第1の位置P1となる。またIn組成が3%となる位置が、第2の位置P2となる。
【0049】
モニタ層21は、厚み方向における第2の位置P2から第3の位置P3までの間に構成され、第1の組成変化層20の第2の位置P2の組成と等しい組成からなる。本実施形態では、In組成が3%、膜厚50nmのGaInNモニタ層が、モニタ層21として形成される。従って、第2の位置P2から表面側に50nm進んだ位置が、第3の位置P3となる。
【0050】
本実施形態において、モニタ層21は、組成が一定となる中間層として機能する。モニタ層21のことを、組成一定層ということも可能である。
【0051】
なおモニタ層21を構成する上で、「~の組成と等しい組成」や「組成が一定」等の表現は、「~の組成と完全に等しい組成」や「組成が完全に一定」等の概念のみならず、「~の組成と実質的に等しい組成」「組成が実質的に一定」等の概念を含み得る。
【0052】
例えば本実施形態において、「第1の組成変化層20の第2の位置P2の組成と等しい組成」は、In組成が、第1の組成変化層20の第2の位置P2のIn組成を基準として、±0.1%の範囲に含まれる場合を含み得る。例えば第1の組成変化層20の第2の位置P2のIn組成が3%である場合は、In組成が2.9%~3.1%の範囲に含まれる層は、「第1の組成変化層20の第2の位置P2の組成と等しい組成」からなる層に含まれる。
【0053】
また「組成が一定となる組成一定層」は、In組成の変動が±0.1%以内となる層を含み得る。例えば「In組成が3%で一定となる組成一定層」は、In組成の変動幅が2.9%~3.1%の範囲である層を含み得る。
【0054】
なお、「~の組成と実質的に等しい組成」「組成が実質的に一定」を規定する具体的な数値範囲が、±0.1%の範囲に限定される訳ではない。後に説明する非破壊で効率よく半導体レーザ素子100を検査することが可能となる、という本技術の効果が発揮される範囲で、「~の組成と実質的に等しい組成」「組成が実質的に一定」の具体的な規定範囲が定められてよい。
【0055】
第2の組成変化層22は、厚み方向における第3の位置P3から第4の位置P4に向かって第2の変化率で組成が連続的に変化し、第3の位置Pにおける組成が、モニタ層21の組成と等しい層である。
【0056】
本実施形態では、In組成が第3の位置P3から表面に向かって3%から0%に傾斜した膜厚150nmのGaInN組成傾斜層が、第2の組成変化層22として形成される。p側ガイド層14とEB層15との境界位置が第4の位置P4となる。
【0057】
なお、本実施形態では、第1の組成変化層20のIn組成の変化率と、第2の組成変化層22のIn組成の変化率とは、互いに等しい。すなわち上記した第1の変化率と、第2の変化率とは、互いに等しい。
【0058】
従って、第1の位置P1から第4の位置P4までに形成されるp側ガイド層14は、途中の部分(第2の位置P2から第3の位置P3の間)に組成が一定となるモニタ層21が形成された組成傾斜層ということができる。また、p側ガイド層14の構成を、モニタ層21を含むGRIN(Graded Index)構造ということも可能である。
【0059】
本実施形態では、第1の組成変化層20、モニタ層21、第2の組成変化層22の各々は、所定の金属元素(In)を含む同じ半導体材料(GaInN)からなる。第1の組成変化層20は、第1の位置P1から第2の位置P2に向かって、所定の金属元素(In)の組成比が連続的に変化する層となる。モニタ層21は、所定の金属元素(In)の組成比が一定の層となる。また第2の組成変化層22は、第3の位置P3から第4の位置P4に向かって、所定の金属元素(In)の組成比が連続的に変化する層となる。
【0060】
図2に示すように、Inの組成比が小さくなると、屈折率は小さくなる。Inの組成比が大きくなると、屈折率は小さくなる。従って、第1の組成変化層20では、第1の位置P1から第2の位置P2に向かって、屈折率が連続的に変化する。モニタ層21では、屈折率は一定となる。第2の組成変化層22では、第3の位置P3から第4の位置P4に向かって、屈折率が連続的に変化する。従って、p側ガイド層14のモニタ層21以外の領域では、EB層15から発光層13に向かって、屈折率が連続的に大きくなる。
【0061】
図3は、積層構造の厚み方向における位置と、バンドギャップとの関係を示す模式的なグラフである。
図3では、発光層13の厚みが、模式的に大きく図示されている。
【0062】
各層において、屈折率が小さくなると、バンドギャップは大きくなる。また屈折率が大きくなると、バンドギャップは小さくなる。従って、
図3に示すように、従って、第1の組成変化層20では、第1の位置P1から第2の位置P2に向かって、バンドギャップが連続的に変化する。モニタ層21では、バンドギャップは一定となる。第2の組成変化層22では、第3の位置P3から第4の位置P4に向かって、バンドギャップが連続的に変化する。従って、p側ガイド層14のモニタ層21以外の領域では、EB層15から発光層13に向かって、バンドギャップが連続的に小さくなる。
【0063】
モニタ層21以外の領域において、発光層13に向かって、屈折率が高く、バンドギャップが狭くなっていくため、光とキャリアとを発光層13に閉じ込めることが可能となる。この結果、半導体レーザの高出力、及び高効率化が可能となる。すなわち本実施形態では、モニタ層21を含む組成傾斜層(GRIN構造)を形成することで、レーザ特性の向上が実現されている。
【0064】
モニタ層21を含む組成傾斜層を形成する方法としては、例えば有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)が挙げられる。マスフローコントローラ等により、原料ガスの流量制御及び時間制御を実行することで、組成傾斜層の所望の位置にモニタ層21を形成することが可能となる。もちろん他の成膜技術等が用いられてもよい。
【0065】
例えば、厚み方向において、第1の位置を0、第4の位置を1としたときに、0.1から0.9までの範囲内の任意の位置に、モニタ層21を形成することが可能である。またモニタ層21の厚みも、適宜設定可能である。
【0066】
典型的には、モニタ層21は、X線回折等の解析においてモニタリング可能なように形成される。例えば、モニタ層21は、半導体レーザ素子100の他の層のいずれの組成とも異なるように構成される。これにより、例えば
図1に示すn側ガイド層12等の1以上の他の層のいずれの組成とも異なるよに、モニタ層21が形成される。これにより、モニタ層21の状態等をモニタリングすることが可能となる。
【0067】
例えば、MOCVD法等により、連続的にp側ガイド層14が形成されるとする。この場合、モニタ層21の組成は、モニタ層21が形成される位置(第2の位置P2及び第3の位置P3)により規定される。従って、第2の位置P2及び第3の位置P3は、モニタ層21の組成が、他の層のいずれの組成ともことなるように設定される。言い換えれば、第2の位置P2及び第3の位置P3は、モニタ層21の組成が所望のものとなるように、適宜設定される。
【0068】
モニタ層21の厚みも、モニタ層21がモニタリング可能な厚みに設定される。例えば20nm以上の厚みを有するように、モニタ層21が形成される。これにより、モニタ層21を十分にモニタリングすることが可能となる。もちろんこれに限定されず、20nm以下の厚みが採用されてもよい。
【0069】
図4は、半導体レーザ素子の積層構造をX線回折(XRD)で評価した場合の回折角度とX線強度の関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【0070】
モニタ層21のIn組成3%の信号が、矢印の位置に明確なピークとして確認されており、X線回折の波形からモニタ層21のIn組成を評価することが可能であることが分かる。モニタ層21が組成傾斜層のどの位置にあるかは、成長時間の設定によって明らかであるため、モニタ層21のIn組成を評価することで、組成傾斜層であるp側ガイド層14の出来栄えを判定することができる。
【0071】
例えば、In組成3%の信号が、明確なピークとして確認されない場合、モニタ層21が適正に形成されていないことが分かる。従って、モニタ層21を含む組成傾斜層も適正に形成されていないことになる。例えばIn組成3%以外の他の組成比のピークが確認された場合も同様に、組成傾斜層が適正に形成されていないことになる。
【0072】
このように、モニタ層21のモニタリング結果に基づいて、組成傾斜層全体の評価を行うことが可能となる。この結果、組成傾斜層を含む半導体レーザ素子100を、非破壊で効率的に検査することが可能となる。
【0073】
またX線反射率法(XRR)等により、モニタ層21の厚みを測定することも可能である。測定されたモニタ層21の厚みに基づいて、組成傾斜層全体を評価することも可能である。例えばモニタ層21の厚みが大きすぎる、あるいは小さすぎる場合には、組成傾斜層が適正に形成されていないことになる。
【0074】
図5は、比較例として挙げる半導体レーザ素子の積層構造の具体例を示すグラフである。この半導体レーザ素子では、p側ガイド層914の構成が異なり、他の層については、
図2に示す半導体レーザ素子100と同様の構成となる。
【0075】
p側ガイド層914としては、In組成が発光層から表面に向かって4%から0%に傾斜した膜厚200nmのGaInN組成傾斜層が形成されている。すなわち、比較例として挙げる半導体レーザ素子では、組成傾斜層の中にモニタ層は形成されない。
【0076】
p側ガイド層914として、組成傾斜層を形成することで、光とキャリアとを発光層に閉じ込めることが可能となる。この結果、半導体レーザの高出力、及び高効率化が可能となる。
【0077】
図6は、半導体レーザ素子の積層構造をX線回折で評価した場合の回折角度とX線強度の関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【0078】
p側ガイド層914の全体にわたってIn組成が連続的に変化しているため、
図6の破線の円で囲んだ領域に示すように、ブロードな信号しか得られない(小さな凸はフリンジ(干渉縞)である)。そのため、X線回折評価等により、組成傾斜層であるp側ガイド層914の出来栄えを評価することができない。このため非破壊で効率的に半導体レーザ素子
【0079】
以上、本実施形態に係る半導体レーザ素子100では、厚み方向における第1の位置P1から第4の位置P4までの間に、組成が一定となるモニタ層21が形成される。これにより、例えばX線回折等を用いることで、非破壊で効率よく半導体レーザ素子100を検査することが可能となる。
【0080】
近年,GaN系半導体を用いた青、緑レーザが商用化されたことにより、半導体レーザ素子を用いた光源の商用化が進んでおり、高出力で高効率な半導体レーザ光源への期待が高まっている。半導体レーザ素子を高効率化させる手段として,発光層に向かってバンドギャップエネルギーが小さく、屈折率が大きくなる組成傾斜層を導入することが有効である。組成傾斜層を有する構造は、一般的にGRIN構造と呼ばれ、光とキャリアを効率的に発光層に閉じ込めることができる。
【0081】
しかしながら、組成傾斜層の屈折率は連続的に変化するため、出来栄えをX線回折などで非破壊検査することはできず、ウェハを割って断面をTEM(透過型電子顕微鏡:Transmission Electron Microscope)やSIMS(二次イオン質量分析法:Secondary Ion Mass Spectrometry)などの解析手段を用いて評価する必要がある。そのため、半導体レーザ素子を作製するウェハそのものの出来栄えを管理することが困難であった。
【0082】
本実施形態に係る半導体レーザ素子100では、組成傾斜層の途中に組成が均一なモニタ層21が形成される。これによりX線回折等を用いた基板評価によって、非破壊でモニタ層21の組成や結晶性をモニタリングすることができる。このモニタリング結果に基づいて、組成傾斜層の出来栄えを判定できるようになる。すなわちモニタ層21を管理することで、組成傾斜層の出来栄えを間接的に管理できるようになる。
【0083】
なお非破壊による半導体レーザ素子の解析方法として、X線解析法以外の方法を採用することが可能である。例えばエリプソメーター等を用いた解析等が行われる場合でも、本技術は有効である。すなわちモニタ層21を形成することで、組成傾斜層の出来栄えを間判定することが可能である。
【0084】
<その他の実施形態>
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0085】
上記では、半導体レーザ素子100として、窒化物半導体レーザを例に挙げた。これに限定されず、他の種類の半導体レーザ素子に対しても、本技術は適用可能である。また半導体レーザ素子以外の発光素子に対しても、本技術は適用可能である。そのような発光素子として、例えば発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、半導体光増幅器を挙げることができる。
【0086】
上記では、p側のガイド層14を、モニタ層を有する組成傾斜層として構成した。これに限定されず、例えばn側ガイド層等を、モニタ層を有する組成傾斜層として構成してもよい。またp側とn側との両方のガイド層を、モニタ層を有する組成傾斜層として構成してもよい。この場合、各々のモニタ層の組成は、異なるように設計される。もちろん、ガイド層以外の層が、モニタ層を有する組成傾斜層として構成されてもよい。
【0087】
上記では、第1の組成変化層20の組成の変化率である第1の変化率と、第2の組成変化層22の組成の変化率である第2の変化率とが、互いに等しい場合を例に挙げた。これに限定されず、第1の変化率と第2の変化率とが互いに異なっていても、本技術は適用可能である。
【0088】
各図面を参照して説明した半導体レーザ素子、積層構造等の各構成や、半導体レーザ素子の解析方法はあくまで一実施形態であり、本技術の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変形可能である。すなわち本技術を実施するための他の任意の構成や解析方法等が採用されてよい。
【0089】
本開示において、「一定」「均一」「等しい」「同じ」等は、「完全に一定」「完全に均一」「完全に等しい」「完全に同じ」等の概念のみならず、「実質的に一定」「実質的に均一」「実質的に等しい」「実質的に同じ」等の概念を含み得る。例えば「完全に一定」「完全に均一」「完全に等しい」「完全に同じ」等を基準とした所定の範囲を意味する概念も含まれる。
【0090】
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
【0091】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)厚み方向における第1の位置から第2の位置に向かって、第1の変化率で組成が連続的に変化する第1の組成変化層と、
前記厚み方向における前記第2の位置から第3の位置までの間に構成され、前記第1の組成変化層の前記第2の位置の組成と等しい組成からなる中間層と、
前記厚み方向における前記第3の位置から第4の位置に向かって第2の変化率で組成が連続的に変化し、前記第3の位置における組成が、前記中間層の組成と等しい第2の組成変化層と
を具備する発光素子。
(2)(1)に記載の発光素子であって、
前記第1の変化率は、前記第2の変化率と等しい
発光素子。
(3)(1)又は(2)に記載の発光素子であって、
半導体レーザ素子として構成される
発光素子。
(4)(3)に記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層により、ガイド層が構成される
発光素子。
(5)(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、
前記中間層は、20nm以上の厚みを有する
発光素子。
(6)(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、
前記中間層は、前記第1の位置を0、前記第4の位置を1としたときに、0.1から0.9までの範囲内で構成される
発光素子。
(7)(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層により、前記第2の位置から前記第3の位置までの組成が一定である組成傾斜層が構成される
発光素子。
(8)(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層の各々は、所定の金属元素を含む同じ半導体材料からなり、
前記第1の組成変化層は、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって、前記所定の金属元素の組成比が連続的に変化する層であり、
前記第2の組成変化層は、前記第3の位置から前記第4の位置に向かって、前記所定の金属元素の組成比が連続的に変化する層である
発光素子。
(9)(1)から(8)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層は、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって、屈折率が連続的に変化する層であり、
前記第2の組成変化層は、前記第3の位置から前記第4の位置に向かって、屈折率が連続的に変化する層である
発光素子。
(10)(1)から(9)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、
前記第1の組成変化層は、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって、バンドギャップが連続的に変化する層であり、
前記第2の組成変化層は、前記第3の位置から前記第4の位置に向かって、バンドギャップが連続的に変化する層である
発光素子。
(11)(1)から(10)のうちいずれか1つに記載の発光素子であって、さらに、
1以上の他の層を具備し、
前記第1の組成変化層、前記中間層、及び前記第2の組成変化層は、前記中間層の組成が、前記1以上の他の層のいずれの組成とも異なるように構成される
発光素子。
(12)(11)に記載の発光素子であって、
前記第2の位置及び前記第3の位置は、前記中間層の組成が、前記1以上の他の層のいずれの組成とも異なるように設定される
発光素子。
【符号の説明】
【0092】
P1~P4…第1の位置~第4の位置
10…基板
14…p側ガイド層
20…第1の組成変化層
21…モニタ層
22…第2の組成変化層
100…半導体レーザ素子