(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】更新地域決定方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20230926BHJP
G06F 16/903 20190101ALI20230926BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20230926BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230926BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G06F16/903
G06F16/909
G01C21/26 B
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2020540167
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2019029624
(87)【国際公開番号】W WO2020044907
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2018160556
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】麻田 克也
(72)【発明者】
【氏名】仲川 裕一朗
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-121371(JP,A)
【文献】特開2009-270831(JP,A)
【文献】特開2016-169975(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0136099(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G06F 16/903、16/909
G01C 21/26
G08G 1/0969
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
更新地域決定システムが行う更新地域決定方法であって、
前記更新地域決定システムは、地点特定部と、対象地域決定部と、を備え、
前記地点特定部は、地図上の2地点を特定する地点特定手順を実行し、
前記対象地域決定部は、前記2地点の間の距離と、前記地図を分割してなる複数の地域毎に予め設定された代表地点の位置情報と、を用いて、地図情報を更新する際の更新の対象となる対象地域を決定する対象地域決定手順を実行
し、
前記更新地域決定システムは、記憶部と、距離算出部と、基準値決定部とを備え、
前記記憶部は、前記地図を分割してなる複数の地域毎に1又は複数の前記代表地点の位置情報を記憶しており、
前記距離算出部は、前記2地点の間の距離を算出する距離算出手順を実行し、
前記基準値決定部は、前記距離を用いて基準値を決定する基準値決定手順を実行し、
前記対象地域決定手順では、前記代表地点と前記2地点を結ぶ直線との距離が、前記基準値により定まる所定の条件を満たす場合に、該代表地点により代表される前記地域を前記対象地域に決定することを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の更新地域決定方法であって、
前記更新地域決定システムは、出力部を備え、
前記出力部は、前記対象地域と、前記対象地域を除く前記地図上の領域とを異ならせて表示する表示手順を実行することを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の更新地域決定方法であって、
前記更新地域決定システムは、情報処理装置を備え、
前記情報処理装置は、前記地点特定部と、前記対象地域決定部と、を備えることを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項4】
請求項
3に記載の更新地域決定方法であって、
前記更新地域決定システムは、前記情報処理装置とネットワークを介して接続されたサーバー装置を備え、
前記情報処理装置は、地図情報取得部を備え、
前記地図情報取得部は、前記対象地域決定手順で決定された前記対象地域の前記地図情報を前記サーバー装置から取得する地図情報取得手順を実行することを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項5】
請求項
1に記載の更新地域決定方法であって、
前記対象地域決定手順では、前記距離が前記基準値以下である場合に、前記所定の条件を満たすものと判定することを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項6】
請求項
1に記載の更新地域決定方法であって、
前記基準値決定手順では、前記対象地域決定手順において前記所定の条件を満たさないと判定される場合に、所定の法則で前記基準値が変更されることを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の更新地域決定方法であって、
前記基準値決定手順では、前記距離に所定の割合である基準割合を乗じた値が前記基準値に決定され、前記対象地域決定手順において決定された前記対象地域が所定数未満である場合に、前記基準割合を増加させることを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の更新地域決定方法であって、
前記基準値決定手順では、前記対象地域決定手順において決定された前記対象地域が所定数未満であって、かつ前記基準割合が所定の値未満である場合に、前記基準割合を増加させることを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項9】
請求項
1に記載の更新地域決定方法であって、
前記対象地域決定手順では、前記所定の条件を満たす前記代表地点であって、かつ、前記2地点及び前記代表地点を結んでできる三角形のうち、前記2地点の各々を頂点に持つ角が共に90度以下である場合の前記代表地点、に代表される前記地域を前記対象地域に決定することを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項10】
請求項1に記載の更新地域決定方法であって、
前記対象地域決定手順では、前記2地点を有する前記地域の各々を、前記対象地域に決定することを特徴とする、更新地域決定方法。
【請求項11】
地図上の2地点を特定する地点特定部と、
前記2地点の間の距離と、前記地図を分割してなる複数の地域毎に予め設定された代表地点の位置情報と、を用いて、地図情報を更新する際の更新の対象となる対象地域を決定する対象地域決定部と
、
前記地図を分割してなる複数の地域毎に1又は複数の前記代表地点の位置情報を記憶する記憶部と、
前記2地点の間の距離を算出する距離算出部と、
前記距離を用いて基準値を決定する基準値決定部と、を備え、
前記対象地域決定部は、前記代表地点と前記2地点を結ぶ直線との距離が、前記基準値により定まる所定の条件を満たす場合に、該代表地点により代表される前記地域を前記対象地域に決定することを特徴とする、情報処理装置。
【請求項12】
請求項1
1に記載の情報処理装置であって、
前記対象地域と、前記対象地域を除く前記地図上の領域とを異ならせて表示する画面情報を生成する出力部を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項13】
コンピューターを情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記情報処理装置を、地点特定部と、対象地域決定部として機能させ、
前記地点特定部に、地図上の2地点を特定する地点特定手順を実行させ、
前記対象地域決定部に、前記2地点の間の距離と、前記地図を分割してなる複数の地域毎に予め設定された代表地点の位置情報と、を用いて、地図情報を更新する際の更新の対象となる対象地域を決定する対象地域決定手順を実行させ
、
前記情報処理装置を、記憶部と、距離算出部と、基準値決定部として機能させ、
前記記憶部は、前記地図を分割してなる複数の地域毎に前記代表地点の位置情報を記憶しており、
前記距離算出部に、前記2地点の間の距離を算出する距離算出手順を実行させ、
前記基準値決定部に、前記距離を用いて基準値を決定する基準値決定手順を実行させ、
前記対象地域決定手順では、前記代表地点と前記2地点を結ぶ直線との距離が、前記基準値により定まる所定の条件を満たす場合に、該代表地点により代表される前記地域を前記対象地域に決定することを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更新地域決定方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。本発明は2018年8月29日に出願された日本国特許の出願番号2018-160556の優先権を主張し、文献の参照による織り込みが認められる指定国については、その出願に記載された内容は参照により本出願に織り込まれる。
【背景技術】
【0002】
サーバー装置が管理している地図情報を端末装置が取得する種々の技術が存在する。
【0003】
特許文献1には、携帯端末装置に関する技術が開示されている。同文献の段落[0016]には、「現在地情報を取得すると共に、当該現在地情報に基づいて地図データサーバより現在地を含む所定領域の地図データを取得してディスプレイ10の画面に現在地と共に地図を表示する。ユーザが目的地へ向けて移動している中で、取得地図計算処理部16は、現在地検出部7が割り出した現在地が、地図データ記憶部6が記憶している地図データの範囲内において地図データの範囲外との境界から所定の距離の位置に達したことを検出すると(ST11のY)、先行ダウンロードの処理を進める。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地図情報を更新する際に、地図を複数の地域に分割して、地域毎に更新を行うことで、通信負荷の削減が期待できる。
【0006】
特許文献1に記載された携帯端末装置は、現在地から目的地までのルート検索を行い、該携帯端末装置の移動後の位置を用いて新たに所定領域の地図情報を取得する。しかしながら、ルート検索を行うために処理負荷が増大し、更新を行う地図情報の決定に要する処理性能を圧迫する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、地図情報を更新する地域を適切に決定する更新地域決定方法、情報処理装置、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の更新地域決定方法は、更新地域決定システムが行う更新地域決定方法であって、前記更新地域決定システムは、地点特定部と、対象地域決定部とを備え、前記地点特定部は、地図上の2地点を特定する地点特定手順を実行し、前記対象地域決定部は、前記2地点の間の距離と、前記地図を分割してなる複数の地域毎に予め設定された代表地点の位置情報と、を用いて、地図情報を更新する際の対象となる対象地域を決定する対象地域決定手順を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地図情報を更新する地域を適切に決定する更新地域決定方法、情報処理装置、及びプログラムを提供することができる。
【0011】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】更新地域決定システムの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【
図2】代表地点情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】サーバー装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】更新地域決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】地図情報取得処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】地図表示画面170の一例(その1)を示す図である。
【
図9】地図表示画面170の一例(その2)を示す図である。
【
図10】地図表示画面170の一例(その3)を示す図である。
【
図11】地図表示画面170の一例(その4)を示す図である。
【
図12】第1の変形例における更新地域決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2の変形例における更新地域決定システムの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の例を説明する。
図1は、更新地域決定システム1の機能ブロック構成の一例を示す図である。更新地域決定システム1は、更新地域決定方法を実行するシステムであって、情報処理装置10と、サーバー装置20と、を含んでいる。情報処理装置10は、サーバー装置20と通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置10は、PC(Personal Computer)、タブレット端末、又はスマートフォン等の可搬性のある情報処理装置であって、更新地域決定装置として機能する。サーバー装置20は、サーバーコンピューター、又はPC等の情報処理装置であって、例えば地図情報提供サービスの事業者が運用している。
【0015】
また、更新地域決定システム1は、ネットワークを介して車載装置30と通信可能に接続される。車載装置30は、車両に搭載されるコンピューター装置であって、車両の搭乗者に対して地図情報を出力する。車載装置30は、例えば運転手に経路情報を提供するナビゲーション装置の一部であってもよいし、車両を含む移動体に組み込まれた各種制御機器等であって、ディスプレイ装置を有する機器であってもよい。また、車載装置30は、情報処理装置10の有する図示しないナビゲーション機能により生成される画像情報を出力するディスプレイ装置であってもよい。
【0016】
情報処理装置10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、出力部140と、入力部150と、を備える。制御部110は、情報処理装置10の全体を統括的に制御する。記憶部120は、制御部110による処理に必要な情報を記憶する。通信部130は、サーバー装置20及び車載装置30及びに対して情報の送信及び受信を行う。
【0017】
出力部140は、ディスプレイ等の出力装置に対して情報を表示させるための画面情報を生成する。また、出力部は、出力装置に対して表示画面を出力させる。より詳細には、出力部140は、後述する対象地域と、それ以外の地域とを異ならせて表示する表示手順を実行する。入力部150は、タッチパネルやハードウェアキー等の入力装置を介して情報の入力を受け付ける。
【0018】
制御部110は、対象地域決定部111と、距離算出部112と、基準値決定部113と、地図情報取得部114と、地点特定部115と、を備える。対象地域決定部111は、記憶部120に記憶された地図情報122を更新する対象となる対象地域を決定する対象地域決定手順を実行する。
【0019】
本実施形態において、地図情報は、地図を分割してなる複数の地域毎に更新される。以下、アメリカ合衆国の地図情報を例に用いて説明する。本例において、アメリカ合衆国の地図情報は、各州に分割され、情報処理装置10において州毎に更新される。なお、複数の地域には、予め1又は複数の代表地点が設定されており、代表地点を用いて当該地域を更新地域に決定するか否かが判断される。以下、1つの地域に対し1つの代表地点が設定されている例を用いて説明する。一例として、代表地点は州都の位置にある点である。
【0020】
なお、地図情報の対象となる地域の分割方法は上述の例には限定されない。例えば地図情報提供サービスが日本地図の地図情報を対象とする場合、地図情報は県毎に分割され、各地域(県)は県庁所在地を代表地点として有してもよい。また、地図情報はメッシュ状に等間隔に分割され、各地域は予め定められた任意の1点を代表地点として有してもよい。
【0021】
対象地域決定部111は、2地点の間の距離と、代表地点の位置情報とを用いて、対象地域を決定する。詳細は後述するが、対象地域決定部111は、代表地点が所定の条件を満たす場合に、該代表地点により代表される前記地域を、地図情報を更新する対象となる対象地域に決定する。
【0022】
距離算出部112は、後述する地点特定部115により特定された2地点の間の距離(以下、「距離A」として説明する)を算出する距離算出手順を実行する。また、距離算出部112は、代表地点と、2地点の間を結ぶ直線との間の距離(以下、「距離H」として説明する)を算出する。
【0023】
基準値決定部113は、2地点の間の距離Aを用いて、基準値を決定する基準値決定手順を実行する。一例として、基準値は、距離Aに所定の基準割合(例えば10%)を乗じることにより算出される値である。また、基準値決定部113は、所定の条件が満たされるまで、所定の法則で基準値を変更する。例えば、基準値決定部113は、所定数(例えば1)以上の地域が決定されるまで、基準値を漸次増加する。換言すれば、基準値決定部113は、対象地域決定部111により決定された地域が所定数未満である場合に、基準割合を変更することにより、基準値を増加する。
【0024】
地図情報取得部114は、対象地域に決定された地域の地図情報をサーバー装置20から取得する地図情報取得手順を実行する。
【0025】
地点特定部115は、地図上の2地点を特定する地点特定手順を実行する。地点特定部は、例えば入力部150を介して入力された任意の2地点を特定する。2地点は、例えば現在地と目的地である。地点特定部115は、例えば後述する測位信号受信装置164を用いて現在地を特定してもよい。
【0026】
記憶部120は、代表地点情報121と、地図情報122とを記憶している。代表地点情報121は、本システムにより提供される地図情報を分割してなる複数の地域の各々が有する代表地点に関する情報である。代表地点情報121には、代表地点の位置情報が含まれている。地図情報122は、地図を画像として出力するための画像情報である。例えば地図情報122には、地図を構成する複数の地域の画像情報が含まれる。なお、地図情報122には、該地図情報を構成する各地域を特定する識別情報が含まれる。
【0027】
サーバー装置20は、制御部210と、記憶部220と、通信部230とを備える。制御部210は、サーバー装置20の全体を統括的に制御する。記憶部220は、地図情報222を記憶する。通信部230は、情報処理装置10に対して情報を送信及び受信する。通信部230は、地図情報222を情報処理装置10に送信する。
【0028】
制御部210は、地図情報特定部211を備える。地図情報特定部211は、情報処理装置10から対象地域を特定した地図情報の要求を受け付けると、対象地域の地図情報222を特定する。より詳細には、地図情報特定部211は、地図情報の要求を示す情報内に代表地点を示す情報が含まれている場合、該代表地点に代表される対象地域の地図情報222を特定する。
【0029】
また、地図情報特定部211は、地図情報の要求を示す情報内に、先述の2地点を含む、任意の地点を示す情報が含まれている場合、当該地点を含む地域の地図情報222を特定する。任意の地点を含む地域の特定については、公知の技術を用いるため、説明を省略する。
【0030】
記憶部220の記憶する地図情報222は、各地域毎に分割されている。また、記憶部220の図示しない領域には、各代表地点と各地域との対応が記憶されている。地図情報特定部211により特定された地図情報222が通信部230を介して情報処理装置10に送信される。
【0031】
車載装置30は、通信部330と、出力部340と、入力部350とを備える。通信部330は、情報処理装置10に対して情報の送信及び受信を行う。また、通信部330は、地図情報を情報処理装置10から受信する。出力部340は、ディスプレイ等の出力装置に対して情報を出力する。出力部340は、情報処理装置10から受信した地図情報を出力する。
【0032】
入力部350は、タッチパネルやハードウェアキー等の入力装置を介して情報の入力を受け付ける。他に、車載装置30は、地図情報を記憶する記憶部を有していてもよい。その場合、情報処理装置10は、その記憶部に地図情報を記憶していなくてもよい。
【0033】
図2は、代表地点情報121のデータ構造の一例を示す図である。代表地点情報121は、代表地点識別子と、座標とを有する。代表地点識別子は、代表地点を特定する識別情報である。座標は、代表地点の位置情報であって、例えば緯度及び経度により表される情報である。なお、代表地点情報121の有する位置情報は座標に限定されず、代表地点の位置が特定できる情報であればよい。
【0034】
図3は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、演算装置161、メモリ162、外部記憶装置163、測位信号受信装置164、入力I/F(Interface)165、出力I/F166、通信装置167、及び記憶媒体駆動装置168を備え、各構成要素はバスにより接続されている。
【0035】
演算装置161はCPU(Central Processing Unit)等の中央演算装置であって、メモリ162又は外部記憶装置163に記録されたプログラムに従って処理を実行する。制御部110を構成する各処理部は、演算装置161がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
【0036】
メモリ162は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置163は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等、書き込み及び読み出し可能な記憶メディアである。
【0037】
測位信号受信装置164は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星等の衛星からの信号を受信し、移動体と衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定する。なお、測位信号受信装置164は、GPS衛星よりも高精度な現在位置算出に用いられる準天頂衛星システム等からの測位信号を受信してもよい。測位信号受信装置164を用いて特定される現在地の指定を受け付けると、距離算出部112は現在地と目的地との距離を算出する。
【0038】
入力I/F165は、利用者からの入力操作を受け付ける入力装置(図示略)と接続するためのインターフェイスであり、例えばタッチパネル等からの入力を受け付ける。出力I/F166は、ディスプレイ等の出力装置に対して情報を出力するためのインターフェイスである。
【0039】
通信装置167は、情報処理装置10をネットワークに接続するための装置であって、例えばNIC(Network Interface Card)等の通信デバイスである。また、通信装置167は、車載装置30と通信を行うための所定の通信方式(例えばBluetooth(登録商標))に対応する通信デバイスでもある。通信部130は、通信装置167によりその機能が実現される。記憶媒体駆動装置168は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性のメディア169から情報を入出力する装置である。
【0040】
記憶部120は、メモリ162又は外部記憶装置163によりその機能が実現される。また、記憶部120は、ネットワーク上の記憶装置によってその機能が実現されてもよい。
【0041】
なお、車載装置30は、情報処理装置10と同様のハードウェア構成を有するため、説明を省略する。車載装置30は、現在地を用いた処理を行わない場合、測位信号受信装置164を有していなくてもよい。
【0042】
図4は、サーバー装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバー装置20は、演算装置261と、メモリ262と、外部記憶装置263と、通信装置267と、記憶媒体駆動装置268と、を備える。演算装置261と、メモリ262と、外部記憶装置263と、記憶媒体駆動装置268とは、各々情報処理装置10の演算装置161と、メモリ162と、外部記憶装置163と、記憶媒体駆動装置168と同様の構成であるため、説明を省略する。通信装置267は、サーバー装置20をネットワークに接続するための装置であって、例えばNIC等の通信デバイスである。
【0043】
図5は、更新地域決定処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、情報処理装置10において、例えば更新地域決定処理の開始指示の入力を受け付けると開始される。
【0044】
まず、入力部150は、2地点の指定を受け付ける(ステップS101)。例えば、入力部150は、測位信号受信装置164を用いて特定された現在地を指定するか否かを問い合わせる画面に対し、指定することを示す指示の入力か、又は他の地点の入力を受け付ける。また入力部150は、目的地等の2点目の地点の入力を受け付ける。なお、入力部150は、任意の2地点の入力を受け付けてもよい。地点特定部115は、入力部150が取得した2地点を特定する。
【0045】
図8は、地図表示画面170の一例(その1)を示す図である。例えば、情報処理装置10の出力部140は、地図表示画面170の画面情報を生成し、出力I/F166を介してディスプレイに表示させる。
【0046】
地図表示画面170は、地図表示領域171を有する。
図8に示す地図表示画面170には、地図表示領域171のほかに、文字入力を受け付ける領域や、入力された文字を表示する領域が示されている。例えば地点特定部115は、測位信号受信装置164の受信した情報に基づいて、2地点のうちの1点として現在地を特定する。出力部140は、現在地を含む地域(州)を他の地域と異ならせて地図表示領域171に表示する。なお、地点特定部115は、地図表示画面170に対して入力された任意の1地点を特定してもよい。その場合、出力部140は、当該任意の1地点を含む地域を他の地域と異ならせて表示する。
【0047】
図9は、地図表示画面170の一例(その2)を示す図である。
図9は、
図8に示す地図表示画面170に文字列「Kansas」が入力された場合の地図表示画面170の一例である。地図表示領域171の上部に、入力された文字列が表示されている。例えば文字列「Kansas」は目的地を示す文字列である。
【0048】
図10は、地図表示画面170の一例(その3)を示す図である。地点特定部115は、入力された情報に基づいて2地点のうちの他の1点を特定する。出力部140は、特定した地点を含む地域(州)を他の地域と異ならせて地図表示領域171に表示する。なお、地図表示画面170には、
図10に示すように、地点特定部115により特定された2地点を示す文字列が表示されていてもよい。
【0049】
説明を
図5に戻す。次に、距離算出部112は、距離Aを算出する(ステップS102)。具体的には、距離算出部112は、ステップS101で特定された2地点の間の距離Aを算出する。以下、便宜上、2地点は現在地及び目的地であるものとして説明する。
【0050】
次に、基準値決定部113は、基準割合の初期値を特定する(ステップS103)。具体的には、基準値決定部113は、予め設定された基準割合の初期値(例えば10%)を特定する。
【0051】
次に、基準値決定部113は、基準値を決定する(ステップS104)。具体的には、基準値決定部113は、ステップS102で算出した距離Aと基準割合とを用いて基準値を決定する。例えば、基準値決定部113は、距離Aと基準割合とを乗じて得た値を基準値とする。
【0052】
次に、対象地域決定部111は、まだ選択されていない代表地点を選択する(ステップS105)。具体的には、対象地域決定部111は、代表地点情報121に含まれる代表地点識別子のうち、まだ選択されていない代表地点識別子を選択する。例えば、対象地域決定部111は、選択した代表地点の代表地点識別子に対し、選択したことを示すフラグを関連付ける。
【0053】
次に、距離算出部112は、距離B、距離C,及び距離Hを算出する(ステップS106)。
【0054】
図6は、距離算出処理の概要の一例を示す図である。
図6に示す例において、現在地をgとし、目的地をmとする。また、ステップS105で特定された代表地点をdとする。
図6では、カンザス州の代表地点dが特定されている。距離算出部112は、代表地点情報121を参照し、代表地点dの位置情報を特定する。距離算出部112は、現在地と代表地点との間の距離を、距離Bとして算出する。また、距離算出部112は、代表地点と目的地との間の距離を、距離Cとして算出する。
【0055】
また、距離算出部112は、2地点を結ぶ直線と代表地点との間の距離Hを算出する。算出には、以下の数式に示すように、辺の垂線定理が用いられる。
【0056】
【0057】
【0058】
説明を
図5に戻す。次に、対象地域決定部111は、距離Hが基準値以下であるか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、対象地域決定部111は、ステップS106で算出した距離Hが、ステップS104で決定した基準値以下であるか否かを判定する。即ち、対象地域決定部111は、代表地点と2地点を結ぶ直線との距離Hが、基準値により定まる所定の条件を満たすか否かを判定するといえる。なお、所定の条件は、距離Hが基準値以下であることを示す条件に限られない。対象地域決定部111は、距離Hが基準値により定まる所定の条件を満たすか否かを判定すればよい。例えば、基準値に所定の数を乗じて得た値未満の距離Hをなす代表地点を、条件を満たすものと判定してもよい。
【0059】
対象地域決定部111は、距離Hが基準値以下でないと判定する場合(ステップS107で「NO」の場合)、処理をステップS110に進める。
【0060】
対象地域決定部111が、距離Hが基準値以下であると判定する場合(ステップS107で「YES」の場合)、対象地域決定部111は、角G及び角Mが90度以下であるか否かを判定する(ステップS108)。
【0061】
図6を用いて説明する。角dgmを角Gとし、角dmgを角Mとする。距離A、距離B、距離Cを余弦定理に適用する。角M=θとした場合に、-1<cosθ<0である場合、角Mは90度を超えるといえる。対象地域決定部111は、角G及び角Mの両方が90度以下であるか否かを判定する。
【0062】
同様に、対象地域決定部111は、角Gが90度以下であるか否かを判定する。対象地域決定部111は、角G及び角Mが90度以下でないと判定する場合(ステップS108で「NO」の場合)、即ち角G及び角Mの一方又は両方が90度を超えると判定する場合、処理をステップS110に進める。
【0063】
付言すると、本処理では、距離Hが基準値以下であって、かつ2地点及び代表地点を結んでできる三角形のうち、2地点の各々を頂点に持つ角が共に90度以下である場合に、現在位置又は目的地から代表地点に係る地域までの距離が近いものとして、地図情報更新対象地点に決定する。逆に、距離Hが基準値を超える場合、又は2点の各々を頂点に持つ角のいずれかが90度を超える場合に、現在位置又は目的地から代表地点に係る地域までの距離が遠いものとして、地図情報更新対象地点には決定しないよう制御する。
【0064】
対象地域決定部111が、角G及び角Mが90度以下であると判定する場合(ステップS108で「YES」の場合)、対象地域決定部111は、選択した代表地点を、地図情報更新対象地点に決定する(ステップS109)。具体的には、対象地域決定部111は、ステップS105で選択した代表地点を、地図情報122の更新対象となる地点に決定する。これは、対象地域決定部111が、該代表地点により代表される地域を、地図情報122の更新対象となる対象地域に決定することと同義である。
【0065】
次に、対象地域決定部111は、すべての代表地点を選択したか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、対象地域決定部111は、代表地点情報121に含まれる複数の代表地点識別子をすべて選択したか否かを判定する。対象地域決定部111が、すべての代表地点を選択していないと判定する場合(ステップS110で「NO」の場合)、対象地域決定部111は、処理をステップS105に戻す。即ち、まだ選択されていない他の代表地点が選択される。
【0066】
対象地域決定部111が、すべての代表地点を選択したと判定する場合(ステップS110で「YES」の場合)、対象地域決定部111は、対象地域決定の終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS111)。
【0067】
一例として、対象地域決定の終了条件は、所定数以上の地図情報更新対象地点の決定である。例えば、2地点を結ぶ直線が湾を横切る場合、湾沿いに所在する地域の地図情報122の更新が望まれるにも関わらず、2地点を結ぶ直線と該地域の代表地点との距離が遠いことから、代表地点が地図情報更新対象地点に決定されないことが考えられる。そのため、本例では、地図情報更新対象地点の個数の下限値が予め設定されている。ステップS111において、地図情報更新対象地点として決定された代表地点が所定数(例えば1)未満である場合、対象地域決定部111は、対象地域決定の終了条件を満たさないものと判定する。
【0068】
なお、対象地域決定の終了条件を満たさない場合、基準値決定部113は、所定の法則で基準値を変更する。即ち、対象地域決定部111が所定数以上の対象地域を決定するまで、所定の法則で基準値が変更される。
【0069】
他の例において、対象地域決定の終了条件は、所定数以上の地図情報更新対象地点の決定と、基準割合の上限値とのいずれかを満たすことである。基準割合が過度に大きいと、2地点と距離が遠く、地図情報122の更新が望まれていない代表地点が地図情報更新対象地点に決定される可能性が生じる。そのため、基準割合の上限値が予め設定される。ステップS111において、地図情報更新対象地点として決定された代表地点が所定数(例えば1)未満であって、かつ基準割合が上限値未満である場合、対象地域決定部111は、対象地域決定の終了条件を満たさないものと判定する。
【0070】
なお、対象地域決定の終了条件は、以上に示す例に限定されない。現在地及び目的地から距離の近い代表地点が、地図情報更新対象地点に決定されるものであればよい。
【0071】
対象地域決定部111が、対象地域決定の終了条件を満たさないと判定する場合(ステップS111で「NO」の場合)、対象地域決定部111は、新たな基準割合を算出する(ステップS112)。対象地域決定部111は、現在の基準割合に対して所定の算出式を用いて、新たな基準割合を算出する。例えば、対象地域決定部111は、現在の基準割合に所定の値(例えば「10」)を加算することにより基準割合を増加する。その後、対象地域決定部111は、処理をステップS104に戻す。
【0072】
付言すれば、1以上の地図情報更新対象地点の決定を対象地域決定の終了条件とする例において、決定された対象地域がない場合、ステップS112において基準割合が増加する。即ち、その後のステップS104において、基準値が増加する。
【0073】
対象地域決定部111が、対象地域決定の終了条件を満たすと判定する場合(ステップS111で「YES」の場合)、対象地域決定部111は、2地点を地図情報更新対象地点に加える(ステップS113)。具体的には、対象地域決定部111は、ステップS109で決定された地図情報更新対象地点に加え、ステップS101で指定された2地点を新たに地図情報更新対象地点に決定する。これは、対象地域決定部111が、2地点を有する地域の各々を対象地域に決定することと同義である。
【0074】
次に、出力部140は、対象地域を他の地域と異ならせて表示する(ステップS114)。具体的には、出力部140は、ステップS113で決定した地図情報更新対象地点を有する対象地域と、対象地域を除く地図上の領域とを異ならせて表示する。その後、対象地域決定部111は、本フローチャートの処理を終了する。
【0075】
図11は、地図表示画面170の一例(その4)を示す図である。地図表示画面170には、地図情報を更新する際の更新の対象となる対象地域が、他の地域と異なる態様で表示されている。地図表示画面170を参照することで、地図情報が更新される地域を効率的に把握することができる。
【0076】
図7は、地図情報取得処理の一例を示すシーケンス図である。本図の処理は、情報処理装置10が地図情報取得対象地点を決定した後に行われる。例えば、情報処理装置10が、地図情報の取得指示の入力操作を受け付けると開始される。
【0077】
まず、情報処理装置10の通信部130は、地図情報取得対象地点をサーバー装置20に送信する(ステップS201)。なお、通信部130により送信される情報には、地図情報取得対象地点が代表地点であるのか否かを示す情報が含まれている。
【0078】
次に、サーバー装置20の地図情報特定部211は、地図情報取得対象地点に対応する地図情報222を特定する(ステップS202)。具体的には、地図情報特定部211は、ステップS201で送信された1又は複数の地図情報取得対象地点を各々参照する。地図情報取得対象地点が代表地点である場合、地図情報特定部211は、記憶部220を参照し、代表地点により代表される対象地域の地図情報222を特定する。地図情報取得対象地点が代表地点でない場合、地図情報特定部211は、当該地点を含む地域を、該地点に対応する対象地域として特定する。
【0079】
なお、地図情報特定部211は、同じ地域が重複して特定された場合には、該地域が1つ特定されたものと取り扱う。例えば、情報処理装置10により地図情報取得対象地点として決定された代表地点と、現在地とが同じ地域に属する可能性がある。その場合、地図情報特定部211は、当該地域にかかる地図情報222を1つ特定する。
【0080】
次に、サーバー装置20の通信部230は、地図情報を情報処理装置10に送信する(ステップS203)。具体的には、通信部230は、ステップS202で特定した地図情報222を情報処理装置10に送信する。
【0081】
次に、情報処理装置10の地図情報取得部114は、地図情報122を更新する(ステップS204)。具体的には、地図情報取得部114は、サーバー装置20の通信部230により送信された地図情報222に含まれる、地域を特定する情報を参照する。地図情報取得部114は、地図情報122を参照し、地域を特定する情報に対応する地域の地図情報122を更新する。
【0082】
次に、情報処理装置10の通信部130は、地図情報122を車載装置30に送信する(ステップS205)。一例として、本処理の契機は、情報処理装置10と車載装置30との通信の開始である。この例によれば、情報処理装置10と車載装置30との通信が開始されるまで、ステップS201からステップS204における処理が複数回行われてもよい。なお、本処理の契機は通信の開始に限定されず、例えば情報処理装置10に対する地図情報送信指示の入力操作を受け付けることを契機としてもよい。情報処理装置10の通信部130により送信された地図情報122は、車載装置30の通信部330により受信される。
【0083】
なお、車載装置30が地図情報を記憶する場合、ステップS205において情報処理装置10が地図情報を車載装置30に送信すると、情報処理装置10の地図情報取得部114は、記憶部120から地図情報122を削除してもよい。
【0084】
次に、車載装置30の出力部340は、地図情報を出力する(ステップS206)。その後、更新地域決定システム1における本シーケンス図の処理が終了する。
【0085】
本実施形態によれば、各装置に過度な負担をかけずに、適切に地図情報を更新する地域を決定することができる。特に、地域の決定において経路探索を要しないため、経路探索を要する従来の技術に比べて地図情報の更新における処理負荷を軽減することができる。また、経路探索を要する場合、地図情報を取得する装置が移動しなければ更新対象の地図情報が得られないが、本実施形態によれば情報処理装置の移動は必須ではなく、入力された任意の2地点の位置に応じて適切な地域が決定される。即ち、任意のタイミングでより効率的に地図情報を取得することができる。
【0086】
なお、
図11に示す地図表示画面170は、ステップS204において情報処理装置10の地図情報取得部114が地図情報を取得した際に、情報処理装置10において表示されてもよい。また、ステップ206において、車載装置30の出力部340が地図情報を出力する際に、車載装置30において表示されてもよい。その場合、例えば情報処理装置10の出力部140が地図表示画面170の画面情報を生成して車載装置30に送信し、車載装置30の出力部340が地図表示画面170をディスプレイに表示してもよい。又は、車載装置30の出力部340が地図表示画面170の画面情報を生成し、ディスプレイに表示してもよい。
【0087】
また、本実施形態では、情報処理装置10において基準値及び距離を算出し、更新地域の決定を行った。しかしながら、サーバー装置20でこれらの処理を行ってもよい。その場合、対象地域決定部111、距離算出部112、基準値決定部113、地図情報取得部114、及び地点特定部115は、サーバー装置20が有していてもよい。
【0088】
その場合、情報処理装置10は、指定を受け付けた2地点に関する情報を、サーバー装置20に送信する。サーバー装置20は、サーバー装置20の有する代表地点情報を参照し、距離を算出して対象地域を決定するとともに、対象地域決定の終了条件の充足を判定する。その後、サーバー装置20は、対象地域の地図情報222を情報処理装置10に送信する。
【0089】
また、本実施形態では、情報処理装置10の有する地図情報122を車載装置30が出力しているが、情報処理装置10の有する出力装置に表示させてもよい。その場合、車載装置30は本システムに必須の構成ではない。付言すれば、情報処理装置10の処理内容を車載装置30が実行するものであってもよく、その場合には情報処理装置10は本システムに必須の構成ではない。
【0090】
また、本実施形態では、地点特定部115は、入力部150を介して入力された情報、又は測位信号受信装置164が取得した情報に基づいて、2地点を特定していた。しかしながら、地点特定部115は、例えば車載装置30などの他の装置から取得した情報を用いて2地点を特定してもよい。例えば、車載装置30の入力部350が2地点の入力を受け付け、入力された情報を情報処理装置10に送信する。地点特定部115は、受信した情報を用いて2地点を決定することができる。
【0091】
<第1の変形例>
次に、第1の変形例における更新地域決定システム1の処理について説明する。本変形例における更新地域決定システム1では、1つの地域に1又は複数の代表地点が設定されている。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
【0092】
図12は、第1の変形例における更新地域決定処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、サーバー装置20の記憶部220の図示しない領域には、各代表地点と各地域との対応が記憶されている。本変形例では、該領域に記憶されたある1つの地域を示す情報に対し、1又は複数の代表地点が対応づけられている。
【0093】
ステップS109において、対象地域決定部111が、選択した代表地点を、地図情報更新対象地点に決定した後、対象地域決定部111は、決定した地図情報更新対象地点と同じ地域に代表地点が複数あるか否かを判定する(ステップS1091)。具体的には、対象地域決定部111は、ステップS109で決定した地図情報更新対象地点に対応する地域を特定する。対象地域決定部111は、特定した地域に対し、複数の代表地点が対応付けられているか否かを判定する。
【0094】
対象地域決定部111が、決定した地図情報更新対象地点と同じ地域に代表地点が複数あると判定する場合(ステップS1091で「YES」の場合)、対象地域決定部111は、同じ地域の代表地点はすでに選択したものとする(ステップS1092)。具体的には、対象地域決定部111は、ステップS1091で特定した地域に対応付けられた代表地点の代表地点識別子に対し、既に選択されたことを示すフラグを関連付ける。その後、対象地域決定部111は、処理をステップS110に進める。
【0095】
対象地域決定部111が、決定した地図情報更新対象地点と同じ地域に代表地点が複数ないと判定する場合(ステップS1091で「NO」の場合)、対象地域決定部111は、処理をステップS110に進める。
【0096】
本変形例によれば、1つの地域に対して複数の代表地点が対応付けられている場合に、少なくともいずれか1つの代表地点が条件を満たせば、当該地域は地図情報の更新の対象地域として取り扱われる。従って、1つの代表地点により地図情報の対象地域と判定されることに不都合のある場合に、柔軟な対応を行うことができる。例えば、細長い形状の地域や、他の地域と比較して広い地域に、他の地域と同程度の間隔で複数の代表地点を設けることで、どの代表地点が地図情報取得対象地点に決定された場合であっても、該地域の地図情報を得ることができ、より利用者の要望に沿った対応が可能となる。
【0097】
<第2の変形例>
図13は、第2の変形例における更新地域決定システム1の機能ブロック構成の一例を示す図である。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。本変形例における更新地域決定システム1は、情報処理装置10を有しており、更新地域決定システム1に含まれないサーバー装置20から、更新対象の地図情報を取得する。更新地域決定システム1は、サーバー装置20と、車載装置30の各々と、通信可能に接続されている。
【0098】
本変形例によれば、サーバー装置20を含まない更新地域決定システム1においても、上述の実施形態と同様に、各装置に過度な負担をかけずに、適切に地図情報を更新する地域を決定することができる。
【0099】
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0100】
また、上記の情報処理装置10、サーバー装置20、及び車載装置30の機能構成は、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。情報処理装置10、サーバー装置20、及び車載装置30の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【符号の説明】
【0101】
1:更新地域決定システム、10:情報処理装置、20:サーバー装置、30:車載装置、110・210:制御部、111:対象地域決定部、112:距離算出部、113:基準値決定部、114:地図情報取得部、115:地点特定部、120・220:記憶部、121:代表地点情報、122:地図情報、130・230・330:通信部、140・340:出力部、150・350:入力部、161・261:演算装置、162・262:メモリ、163・263:外部記憶装置、164:測位信号受信装置、165:入力I/F、166:出力I/F、167・267:通信装置、168・268:記憶媒体駆動装置、169:メディア、211:地図情報特定部、222:地図情報、A・B・C・H:距離、d:代表地点、g:現在地、G・M:角、m:目的地