(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】ラジオコントロール送信機及びそのラジオコントロール送信機用グリップカバー
(51)【国際特許分類】
A63H 30/02 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A63H30/02 A
(21)【出願番号】P 2021075970
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000201814
【氏名又は名称】双葉電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】北澤 秀郎
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-169196(JP,U)
【文献】登録実用新案第3069416(JP,U)
【文献】特開2015-213659(JP,A)
【文献】実開平06-011797(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0106585(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0075172(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状のグリップ部と、
前記グリップ部の一端に設けられて操縦用アンテナを有するヘッド部と、
前記グリップ部よりも大径で形成されて前記グリップ部の他端に設けられるベース部と、を備えるラジオコントロール送信機であって、
前記グリップ部は、親指と人差し指との間の指間部側で長手方向に沿う突条部が形成されるグリップ本体部を有し、前記突条部を貫通して前記突条部の貫通先端面を表出させる長穴を備え、掌が対向する前記グリップ本体部の半部を覆うグリップカバーが装着されることを特徴とするラジオコントロール送信機。
【請求項2】
請求項1に記載のラジオコントロール送信機であって、
前記突条部の前記貫通先端面には、シボ面が形成されていることを特徴とするラジオコントロール送信機。
【請求項3】
請求項1または2に記載のラジオコントロール送信機であって、
前記長穴と前記貫通先端面の境には溝部が形成されることを特徴とするラジオコントロール送信機。
【請求項4】
請求項1または2に記載のラジオコントロール送信機であって、
前記グリップ部は、前記長穴を備えずに前記突条部を覆う他のグリップカバーが着脱自在に装着されることを特徴とするラジオコントロール送信機。
【請求項5】
ラジオコントロール送信機のグリップ部に装着されるラジオコントロール送信機用グリップカバーであって、
親指と人差し指との間の指間部側で長手方向に沿う突条部が形成されるグリップ部のグリップ本体部に着脱自在に取り付けられ、前記突条部を貫通して前記突条部の貫通先端面を表出させる長穴を備え、掌が対向する前記グリップ本体部の半部を覆うことを特徴とするラジオコントロール送信機用グリップカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば各種模型体(自動車、オートバイ、航空機、船舶など)や、クレーンなどの産業機械を被操縦体とし、無線通信により被操縦体を遠隔操作するラジオコントロール送信機及びそのラジオコントロール送信機用グリップカバーに関し、特に、子ども用とされるスモールサイズへの対応を可能とするラジオコントロール送信機及びそのラジオコントロール送信機用グリップカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくともグリップユニットと、上部本体と、ステアリングユニットと、エクステンションユニットとの各パーツを、相互に分離自在とし、かつ結合自在として組み立てられるラジコン模型用の送信機が知られている(特許文献1参照)。このラジコン模型用の送信機によれば、特にグリップユニットの中心となるグリップ部の大きさや太さ寸法、その素材などは、使用者からみると特に要求のレベルが高く、その要望はきめ細かく、そのため多種の要望が出るところであり、その要望にきめ細かく対応できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のラジコン模型用の送信機は、グリップ部の大きさや太さ寸法、その素材などの要望に対応できるように、グリップユニットの全体が、使用者の好みに合わせて交換できるように構成されている。そのため、交換パーツとなったグリップユニットは、大型となり重量が大きくなる傾向がある。大型で大重量の交換パーツを高剛性で着脱自在に固定するには、固定構造が複雑で大きくなり、送信機全体の重量が増すことが危惧される。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、握り径の小さいグリップ部を実現できるラジオコントロール送信機及びそのラジオコントロール送信機用グリップカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のラジオコントロール送信機1は、柱状のグリップ部3と、
前記グリップ部3の一端に設けられて操縦用アンテナ12を有するヘッド部5と、
前記グリップ部3よりも大径で形成されて前記グリップ部3の他端に設けられるベース部4と、を備えるラジオコントロール送信機であって、
前記グリップ部3は、親指と人差し指との間の指間部側で長手方向に沿う突条部18が形成されるグリップ本体部13を有し、前記突条部18を貫通して突条部18の貫通先端面を表出させる長穴22を備え、掌が対向する前記グリップ本体部13の半部15を覆うグリップカバー8が装着されることを特徴とする。
【0007】
このラジオコントロール送信機1では、グリップ部3が、一端にヘッド部5を有し、他端にベース部4を有するグリップ本体部13を有する。グリップ本体部13は、ヘッド部5とベース部4とを接続し、これらをともに支持できる構造体としての剛性を有する。グリップ本体部13は、親指と人差し指との間の指間部側で長手方向に沿う突条部18が形成される。グリップ本体部13は、この突条部18が設けられる側の半部が、指間部が接する後半部15となる。
グリップ本体部13の後半部15には、突条部18が貫通する長穴22を備えたグリップカバー8が装着される。グリップ部3は、このグリップカバー8が装着された状態で、ユーザに握られる。グリップカバー8は、突条部18が貫通する長穴22により、突条部18に相当する部分の材料が減らされている。つまり、その分が軽量化されている。
ラジオコントロール送信機は、長穴22により軽量化されたグリップカバー8をグリップ本体部13に着脱自在に設けるので、従来のように、グリップ部の大きさや太さに対応し、グリップユニットの全体をまるごと交換するのに比べ、高剛性で重量の大きい着脱自在な固定構造が不要となる。すなわち、軽量、小型なグリップカバー8は、簡単な係止爪構造で着脱自在にできる。
これに加え、グリップカバー8は、指間部が、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面に接するので、その方向ではグリップカバー8を装着していない場合と同じとなる。一番重要な、人差し指とトリガー2までの距離を最小限に抑制できる。これにより、グリップ部3は、手の小さいユーザ、例えば握り径の小さい子ども向けに最適となる。
【0008】
本発明の請求項2記載のラジオコントロール送信機は、請求項1に記載のラジオコントロール送信機であって、
前記突条部18の前記貫通先端面には、シボ面が形成されていることを特徴とする。
【0009】
このラジオコントロール送信機では、グリップ本体部13に、グリップカバー8が装着されると、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面におけるシボ面が表出される。グリップカバー8は、素材が例えばエラストマーとなる。グリップカバー8の表面は、滑り止めとなる。これにより、グリップカバー8は、グリップ本体部13に装着されると、ゴム状の質感が得られることになり、しっくり握る(握り込める)ことができ、良好な操縦感が得られる。グリップ部3は、グリップカバー8が装着されると、突条部18の左右両側に、グリップカバー8が位置することになり、グリップカバー8の滑り止めと、長穴22から表出する突条部18のシボ面とによる滑り止めの二つの滑り止め作用をグリップ部3表面に得られるようになる。
【0010】
本発明の請求項3記載のラジオコントロール送信機は、請求項1または2に記載のラジオコントロール送信機であって、
前記長穴22と前記貫通先端面の境には溝部29が形成されることを特徴とする。
【0011】
このラジオコントロール送信機では、グリップ本体部13の突条部18の貫通先端面と、グリップカバー8の長穴22との境に溝部29が形成される。この溝部29があることで、ユーザがグリップ部3を握ったときにユーザの手とグリップ3との間に隙間が生じ、通気性を確保することができる。
【0012】
本発明の請求項4記載のラジオコントロール送信機は、請求項1または2に記載のラジオコントロール送信機であって、
前記グリップ部3は、前記長穴22を備えずに前記突条部18を覆う他のグリップカバー24,27が着脱自在に装着されることを特徴とする。
【0013】
このラジオコントロール送信機では、グリップ本体部13には、グリップカバー8と、他のグリップカバー24,27とが着脱自在となって選択的に装着される。グリップカバー8は、上述のように、指間部が、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面に接するので、その方向ではグリップカバー8を装着していない場合と同じとなり、手の小さいユーザ、例えば握り径の小さい子ども向けに最適化できる。一方、他のグリップカバー8は、長穴22を有さずに、突条部18を覆う部分の肉厚が増える分、指間部が接する方向の距離を大きくして、括れ部17の直径を大きくすることが可能となる。これにより、ユーザは、グリップカバー8または他のグリップカバー24,27のいずれかを選択して、握り径を変え、ユーザの好みに合わせて最適な握り具合の調整が可能となる。
【0014】
本発明の請求項5記載のラジオコントロール送信機用グリップカバーは、ラジオコントロール送信機のグリップ部3に装着されるラジオコントロール送信機用グリップカバーであって、
親指と人差し指との間の指間部側で長手方向に沿う突条部18が形成されるグリップ部3のグリップ本体部13に着脱自在に取り付けられ、前記突条部18を貫通して前記突条部18の貫通先端面を表出させる長穴22を備え、掌が対向する前記グリップ本体部13の半部を覆うことを特徴とする。
【0015】
このラジオコントロール送信機用グリップカバーでは、グリップ本体部13に設けられた突条部18が貫通する長穴22を備える。ラジオコントロール送信機用グリップカバー(グリップカバー8)は、長穴22に突条部18を貫通して、グリップ本体部13を覆って装着される。グリップカバー8は、突条部18に相当する部分の材料が減らされ、その分が軽量化されている。
グリップカバー8は、指間部が、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面に接するので、その方向ではグリップカバー8を装着していない場合と同じとなる。すなわち、人差し指とトリガー2までの距離を最小限に抑制できる。これにより、グリップカバー8は、グリップ部3に装着することにより、手の小さいユーザ、例えば握り径の小さい子ども向けにグリップ部3を最適化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る請求項1記載のラジオコントロール送信機によれば、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、握り径の小さいグリップ部を実現できる。これにより、グリップ部は、手の小さいユーザ、例えば握り径の小さい子ども向けに最適となる。
【0017】
本発明に係る請求項2記載のラジオコントロール送信機によれば、グリップカバーの長穴から表出する突条部のシボ面により滑り止めされ、手の小さいユーザでもしっかり握ることができる。
【0018】
本発明に係る請求項3記載のラジオコントロール送信機によれば、グリップ本体部の突条部の貫通先端面と、グリップカバーの長穴との境に形成される溝部により、ユーザがグリップ部を握ったときにユーザの手とグリップとの間に隙間が生じ、通気性を確保することができる。
【0019】
本発明に係る請求項4記載のラジオコントロール送信機によれば、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、色の変更、デザイン(模様)の変更、触り具合・握り具合(柔らかめ・硬めなど)の変更に対応できる。
【0020】
本発明に係る請求項5記載のラジオコントロール送信機用グリップカバーによれば、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、細径のグリップ部への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るラジオコントロール送信機を下斜め後方より見た斜視図である。
【
図2】
図1に示したラジオコントロール送信機のスモールタイプのグリップカバーを外した側面図である。
【
図3】(a)はスモールタイプのグリップカバーを斜め後方より見た斜視図、(b)はスモールタイプのグリップカバーを斜め前方より見た斜視図、(c)はスモールタイプのグリップカバーの側断面図である。
【
図4】ノーマルタイプのグリップカバーを装着したラジオコントロール送信機を上斜め後方より見た斜視図である。
【
図5】(a)はノーマルタイプのグリップカバーを斜め後方より見た斜視図、(b)はノーマルタイプのグリップカバーを斜め前方より見た斜視図、(c)はノーマルタイプのグリップカバーの側断面図である。
【
図6】(a)はラージタイプのグリップカバーを斜め後方より見た斜視図、(b)はラージタイプのグリップカバーを斜め前方より見た斜視図、(c)はラージタイプのグリップカバーの側断面図である。
【
図7】(a)はグリップカバーを外した状態のグリップ本体部の括れ部における断面図、(b)~(d)は各グリップカバーの断面図、(e)はグリップカバーのタイプごとに異なる括れ部における大きさを比較した説明図である。
【
図8】グリップカバーのタイプごとに異なるラジオコントロール送信機の括れ部における長軸方向の距離を比較した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係るラジオコントロール送信機(以下、送信機1という)は、例えば各種模型体(自動車、オートバイ、航空機、船舶など)や、クレーンなどの産業機械を被操縦体とし、予め決められた周波数帯(例えば2.4GHz帯)を使用し、その周波数帯の中から空きバンドを自動的に選択する周波数ホッピング方式によって送信周波数を決定し、筐体に設けられるトリガーやスティックなどの操作部材の操作に応じた操縦信号(無線電波)を被操縦体に送信することにより被操縦体を遠隔操作するものである。
【0023】
なお、本例では、送信機1によって遠隔操作される被操縦体が模型自動車の場合を例にとって説明する。また、被操縦体の動力源としては、エンジンを用いることを想定して説明するが、モーターを動力源として用いることもできる。
【0024】
図1は、本発明に係るラジオコントロール送信機を下斜め後方より見た斜視図である。
送信機1は、
図1に示すように、グリップ部3、ベース部4、ヘッド部5を備えて大略構成され、各部の筐体は可撓性を有する熱可塑性樹脂(例えば汎用プラスチック)で形成されている。
【0025】
グリップ部3は、一端(上側)がヘッド部5と一体をなし、他端(下側)がベース部4と一体をなしており、外形がベース部4からヘッド部5に向かって細く楕円柱状に形成される。グリップ部3は、被操縦体を遠隔操作するときに操縦者が把持する把持部として機能する。
【0026】
ベース部4は、グリップ部3の他端(下側)に設けられ、矩形状に形成される。ベース部4は、グリップ部3を把持する手の下限位置を規制して手がグリップ部3から抜け落ちるのを防ぐとともに、送信機1を使用していないときに例えば地面などに立てて置く際の所定の設置面積を底面に有する脚部としても機能する。
【0027】
また、ベース部4には、操縦者が両手を使ってホイール6やトリガー2を操作している際に操作するためのスイッチ機構7が設けられている。
図1では、このスイッチ機構7を操縦者がグリップ部3を把持したときの操縦者側の端部に設けた例である。スイッチ機構7は、両手操作中の操縦者が両手の指以外の身体の一部(例えば、胸、腹、肩、股、膝など)や近辺の物(例えば、競技場の手摺りなど)に送信機1を引き寄せてスイッチをオン・オフさせることにより、スイッチ機構7に割り当てられた機能を働かせることができる。
【0028】
スイッチ機構7に割り当てる機能としては、例えばターボ機能のオン・オフ、ミキシング、ジャイロ操作、ラップ計測、急ブレーキ、カメラなど任意であるが、特に操縦者が両手操作中に並行して操作したい機能を割り当てておけば、緊急事態の際に咄嗟の判断でスイッチ機構7を瞬時に操作でき、スイッチ機構7に割り当てた機能を即座にオン・オフさせることができる。
【0029】
ヘッド部5は、グリップ部3の一端(上側)に設けられ、第一操作部材としてのホイール6と、第二操作部材としてのトリガー2(
図2参照)とを備えている。
【0030】
ホイール6は、被操縦体の進行方向を制御するためのステアリングとしての操作部材である。ホイール6は、略円板形状の面の中心と軸心を一致させて、略円板状の面と垂直に送信機1のヘッド部5の方向に延在する回転軸によって支持される。ホイール6は、所定の基準位置から左および右回りに回動して被操縦体の進行方向を制御するためのステアリングとして操作される。
【0031】
図2は、
図1に示したラジオコントロール送信機のスモールタイプのグリップカバー8を外した側面図である。
トリガー2は、被操縦体の動力源を制御し、被操縦体の移動速度を制御するための操作部材である。トリガー2は、
図2に示すように、引き金形状をなし、第一のレバーとしてのスロットルレバー9と、第二のレバーとしてのブレーキレバー10とに分割された構成であり、
図2の矢印Aおよび矢印Bの方向に回動可能にヘッド部5に取り付けられる。
【0032】
トリガー2は、スロットルレバー9がヘッド部5の当接面(不図示)に当接する位置まで
図2の矢印Aの方向に回動可能とされ、ブレーキレバー10がヘッド部5の他端の当接面(不図示)に当接する位置まで矢印Bの方向に回動可能とされている。
【0033】
トリガー2は、一般的にグリップ部3を把持した手の人差し指をスロットルレバー9にかけて矢印Aの方向に引いて操作され、ブレーキレバー10をスロットルレバー9にかけた指の背で押して矢印Bの方向に操作される。
【0034】
トリガー2は、スロットルレバー9にかけている指を離すと、予め設定している初期位置(
図2に示す状態)に自動復帰するようになっている。この初期位置のことをニュートラル位置という。ニュートラル位置では、被操縦体のエンジンは回転しているが、クラッチが切れており、被操縦体は走行しない状態となっている。
【0035】
なお、被操縦体の動力源がモーターである場合は、ニュートラル位置ではモーターは回転していない。
【0036】
トリガー2は、スロットルレバー9を
図2の矢印Aの方向に引くことで被操縦体のエンジンのスロットルの制御を行い、被操縦体の移動速度を制御する。トリガー2は、スロットルレバー9を矢印Aの方向に操作するほど被操縦体が加速する。
【0037】
また、トリガー2は、ブレーキレバー10を
図2の矢印Bの方向に操作することでブレーキの制御を行うようにすることができる。そして、トリガー2は、ブレーキレバー10を矢印Bの方向に操作するほど強力なブレーキとなる。
【0038】
なお、送信機1の設定によっては、トリガー2のブレーキレバー10を
図2の矢印Bの方向に操作すると被操縦体を後進させるものもある。また、被操縦体の動力にモーターを用いた場合も、トリガー2のスロットルレバー9を
図2の矢印Aの方向に操作すると被操縦体を加速させることができる。
【0039】
さらに、送信機1には、ホイール6とトリガー2以外にも多数のボタンなどの操作部材が設けられている。これらの操作部材には、被操縦体の動作に関わる特殊な操作を割り当てることができる。
【0040】
ヘッド部5には、表示部11と操縦用アンテナ12が設けられている。表示部11は、操縦者がグリップ部3を把持したときに、操縦者が表示画面を見やすいように所定角度傾斜して設けられる。表示部11は、送信機1の設定を表示するディスプレイであり、表示部11の周辺に設けられる操作ボタンやスライドスイッチなどの設定用操作部材の操作により、表示の内容を切り替えたり、送信機1の設定を変更している。
【0041】
操縦用アンテナ12は、操縦者がグリップ部3を把持した状態で表示部11の反対側に位置するヘッド部5の一端部分(すなわち、操縦者がグリップ部3を把持した状態におけるヘッド部5の操縦者と対向する側の端部と反対側に位置する端部)に回転自在に軸支されている。操縦用アンテナ12は、被操縦体を遠隔操作するときに、ヘッド部5と一体に外形を形成する水平状態(
図2の状態)から90°回転して垂直方向に向いた起立状態で使用される。操縦用アンテナ12は、起立状態で使用することにより、被操縦体の遠隔操作時における指向性を高めることができる。
【0042】
さらに、ヘッド部5には、上述した表示部11の他、不図示の送信部(通信モジュール)、記憶部、制御部を含む電子回路部が内蔵されている。
【0043】
なお、ベース部4には、電子回路部の各部(表示部11、通信モジュール、記憶部、制御部)に必要な駆動電力を供給するためのバッテリが交換可能に設けられる。
【0044】
通信モジュールは、制御部により生成された送信データを変調・増幅し、この変調・増幅した操縦信号を、制御部の制御により、操縦用アンテナ12を介して被操縦体に送信する。
【0045】
記憶部は、設定用操作部材の操作に基づく各種設定情報を、制御部の制御により記憶している。また、記憶部には、送信機1を構成する各部の駆動制御を行うための制御プログラムが記憶されている。
【0046】
制御部は、表示部11、通信モジュール、記憶部を統括制御しており、ホイール6やトリガー2の操作や設定に応じた送信データの生成、表示部11の表示制御、通信モジュールから操縦用アンテナ12を介しての操縦信号の出力制御、記憶部に対する設定情報の保存、記憶部に記憶される制御プログラムに基づく送信機1の各部の駆動制御などを行っている。
【0047】
ベース部4は、
図2に示すように、グリップ部3よりも大径で形成されて、グリップ部3の他端(下側)に設けられる。このベース部4は、バッテリを収容する。
【0048】
グリップ部3は、支持する手首側が後部となり、指側が前部となる。したがって、グリップ部3の軸線に直交する断面形状である楕円柱状は、長軸に沿う方向が前後方向となる。グリップ部3は、グリップ本体部13を有する。
図7(a)に示すように、グリップ本体部13は、前半部14が、後半部15よりもほぼ軸線に沿う方向の境界部16を境に、外径が若干大きく形成される。逆に、グリップ本体部13は、境界部16を境に、後半部15が前半部14よりも外径が若干小さく形成される。
【0049】
また、グリップ本体部13は、ヘッド部5との境が、他の部分よりも外径を小さくした括れ部17となる。括れ部17の後方には、親指と人差し指との指間部が接触する。したがって、指間部を括れ部17に当ててグリップ部3を握った手は、指間部からトリガー2までの距離が最短となって、人差し指がトリガー2に容易に届くようになっている。
【0050】
グリップ本体部13は、境界部16における段差が数ミリ程度となる。つまり、境界部16は、前半部14の外径と後半部15の外径との差となる段部となる。グリップ本体部13は、この境界部16を境とした後半部15に、グリップカバー、本実施形態ではスモールタイプと称するグリップカバー8が装着される。
【0051】
グリップ本体部13には、スモールタイプのグリップカバー8が装着される後半部15に、長手方向、すなわちヘッド部5とベース部4が離間する方向に沿う突条部18(
図1も参照)が形成される。グリップ本体部13の後半部15には、境界部16に沿って複数の係止穴19が間隔をあけて形成されている。この係止穴19は、突条部18を挟んでグリップ本体部13の両側で対称に配置されている。
【0052】
図3(a)はスモールタイプのグリップカバー8を斜め後方より見た斜視図、(b)はスモールタイプのグリップカバー8を斜め前方より見た斜視図、(c)はスモールタイプのグリップカバー8の側断面図である。
スモールタイプのグリップカバー8は、グリップ本体部13の後半部15を覆う背部20と、この背部20の上端から後方へ曲線で曲がる屈曲部21と、により側面視が7の字の形となる。グリップカバー8は、グリップ本体部13に装着されると、屈曲部21と背部20の境が括れ部17に配置される。
【0053】
グリップカバー8は、グリップ本体部13の突条部18が貫通する長穴22を備える。グリップカバー8は、長穴22がない場合には、10g程度の重さとなる。グリップカバー8は、長穴22を備えることにより、7g程度の重さに軽量化されている。グリップカバー8は、例えば2mm程度の厚みを有するエラストマーで形成される。長穴22は、屈曲部21と背部20とに渡って形成される。つまり、長穴22は、グリップ本体部13の括れ部17と重なる。グリップカバー8は、グリップ本体部13に装着されることにより、掌が対向するグリップ本体部13の後半部15を覆う。スモールタイプのグリップカバー8は、この長穴22を備えることが特徴の一つとなっている。
【0054】
グリップ本体部13は、突条部18の貫通先端面に、シボ面(
図1参照)が形成されている。グリップ部3は、グリップカバー8が装着されると、長穴22からこのシボ面が表出する。グリップ部3は、この表出するシボ面により、滑り止め作用が得られる。グリップカバー8は、表面に滑り止めが施されている。つまり、グリップ部3は、周方向に、グリップカバー8の滑り止め面が分割して存在することになる。シボ面は、グリップカバー8の表面と同様に滑り止めになる。シボ加工としては、エラストマーの触感を再現させた柔らかな触感としている。また、シボ面は、ローレットのようなものとは異なり、エラストマー表面の感じよりもざらつき感を有している。このことから、グリップ部3は、周方向に、グリップカバー8の滑り止め面と突条部18のシボ面とが連続するように存在することになる(
図7(e)参照)。
【0055】
グリップ本体部13は、突条部18の貫通先端面が、周方向に、円弧状に形成されている。グリップカバー8は、周方向に、突条部18の貫通先端面と連続しない形状に形成されている。これにより、グリップカバー8をグリップ本体部13に装着することで、グリップ本体部13の突条部18の貫通先端面と、グリップカバー8の長穴22の縁との境には、溝部29が形成される。
【0056】
グリップカバー8は、長穴22を挟む両側の背部20の縁と、背部20の下側の縁、及び屈曲部21の上側の縁に、複数の係止爪23が間隔をあけて、グリップ本体部13に向かって形成される。これらの係止爪23は、グリップ本体部13に設けられた上述の係止穴19に係止することにより、グリップカバー8をグリップ本体部13に係止解除可能に固定する。つまり、グリップカバー8は、係止爪23を弾性変形させることにより、グリップ本体部13に着脱自在に装着されている。
【0057】
図4は、ノーマルタイプのグリップカバー24を装着したラジオコントロール送信機を上斜め後方より見た斜視図である。
グリップ本体部13は、スモールタイプのグリップカバー8に換えて他のグリップカバーであるノーマルタイプのグリップカバー24が着脱自在に装着される。ノーマルタイプのグリップカバー24は、長穴22を備えずに突条部18を覆うように、好ましくは突条部18の表面である貫通先端面に密着するように形成される。グリップカバー24は、突条部18を覆うことにより、グリップ本体部13に装着されると、括れ部17がスモールタイプのグリップカバー8よりも大径となる。
【0058】
図5(a)はノーマルタイプのグリップカバー24を斜め後方より見た斜視図、(b)はノーマルタイプのグリップカバー24を斜め前方より見た斜視図、(c)はノーマルタイプのグリップカバー24の側断面図である。
ノーマルタイプのグリップカバー24は、スモールタイプのグリップカバー8よりも厚みが厚く形成される。具体的には、ノーマルタイプのグリップカバー24は、例えば2.5mm程度の厚みを有するエラストマーで形成される。これにより、ノーマルタイプのグリップカバー24を装着したグリップ部3は、握り径がスモールタイプのグリップカバー8を装着した場合よりも大きくなる。ノーマルタイプのグリップカバー24は、肉厚を厚くして外径を大きくした分、内側に複数の肉抜き部25を設け、重量の増加を抑制している。また、ノーマルタイプのグリップカバー24は、隣接する肉抜き部25との境に、グリップ本体部13に接する支持リブ26を設けて、剛性の低下を抑制、すなわちグリップ部3を握った際に圧縮変形を起こし難くなっている。その他、ノーマルタイプのグリップカバー24には、係止穴19に係止する複数の係止爪23が、スモールタイプと同様に設けられている。
【0059】
図6(a)はラージタイプのグリップカバー27を斜め後方より見た斜視図、(b)はラージタイプのグリップカバー27を斜め前方より見た斜視図、(c)はラージタイプのグリップカバー27の側断面図である。
グリップ本体部13は、スモールタイプのグリップカバー8、ノーマルタイプのグリップカバー24に換えて他のグリップカバーであるラージタイプのグリップカバー27が着脱自在に装着される。ラージタイプのグリップカバー27は、長穴22を備えずに突条部18を覆うように形成される。グリップカバー27は、突条部18を覆うことにより、グリップ本体部13に装着されると、括れ部17がノーマルタイプのグリップカバー24よりもさらに大径となる。
【0060】
ラージタイプのグリップカバー24は、ノーマルタイプよりも厚みが厚く形成される。具体的には、ラージタイプのグリップカバー27は、例えば、5.5mm程度の厚みを有するエラストマーで形成される。これにより、ラージタイプのグリップカバー27を装着したグリップ部3は、握り径がノーマルタイプのグリップカバー24を装着した場合よりも大きくなる。ラージタイプのグリップカバー27は、肉厚を厚くして外径を大きくした分、内側に複数の肉抜き部25を設け、重量の増加を抑制している。また、ラージタイプのグリップカバー27においても、隣接する肉抜き部25との境に、グリップ本体部13に接する支持リブ26を設けて、剛性の低下を抑制、すなわちグリップ部3を握った際に圧縮変形を起こし難くなっている。その他、ラージタイプのグリップカバー27には、係止穴19に係止する複数の係止爪23が、スモールタイプと同様に設けられている。
【0061】
つまり、送信機1には、スモールタイプのグリップカバー8の他に、ノーマルタイプのグリップカバー24と、ラージタイプのグリップカバー27とが選択的に装着可能となっている。
【0062】
図7は、(a)はグリップカバーを外した状態のグリップ本体部13の括れ部17における断面図、(b)~(d)は各グリップカバー8,24,27の断面図、(e)はグリップカバーのタイプごとに異なる括れ部17における大きさを比較した説明図である。
グリップ本体部13は、括れ部17において、突条部18と、係止穴19と、が配置される。括れ部17は、
図7(a)に示すように突条部18と反対側の前半部14に、トリガー2に対応し、このトリガー2を引いた際の逃げとなる凹部28が形成されている。
図7(b),(c),(d)に示す各グリップカバーの断面図においては、係止爪23から後端までの距離が、スモールタイプ(8)、ノーマルタイプ(24)、ラージタイプ(27)の順で大きくなっている。これにより、各グリップカバーを装着した状態の括れ部17では、
図7(e)に示すように長軸方向の直径が、スモールタイプのグリップカバー8のd1、ノーマルタイプのグリップカバー24のd2、ラージタイプのグリップカバー27のd3の順で大きく(d1<d2<d3)なる。
【0063】
図8は、グリップカバーのタイプごとに異なるラジオコントロール送信機の括れ部17における長軸方向の距離を比較した説明図である。
これにより、各グリップカバー8,24,27を装着したときのグリップ部3における括れ部17は、楕円柱状における長軸の長さが、ノーマルのグリップカバー24がd2=44mm、ラージタイプのグリップカバー27がd3=47mm、スモールタイプのグリップカバー8がd1=41mm、としている。つまり、送信機1は、各グリップカバーを交換することにより、グリップ部3を挟みトリガー2が配置される位置(
図7中の凹部28)と反対側の面(
図8中の二点鎖線、三点鎖線)を、変更可能としている。重さは、子ども用となるスモールタイプのグリップカバー8が7g、ノーマルタイプのグリップカバー24が10g、ラージタイプのグリップカバー27は15g程度としている。
【0064】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0065】
本実施形態に係る送信機1では、グリップ部3が、一端にヘッド部5を接続し、他端にベース部4を接続するグリップ本体部13を有する。グリップ本体部13は、ヘッド部5とベース部4とをともに支持できる構造体としての剛性を有する。グリップ本体部13は、親指と人差し指との間の指間部側で長手方向に沿う突条部18が形成される。グリップ本体部13は、この突条部18が設けられる側の半部が、指間部が接する後半部15となる。
【0066】
グリップ本体部13の後半部15には、突条部18の貫通する長穴22を備えたグリップカバー8が装着される。グリップ部3は、このグリップカバー8が装着された状態で、ユーザに握られる。グリップカバー8は、突条部18が貫通する長穴22により、突条部18に相当する部分の材料が減らされている。つまり、その分が軽量化されている。
【0067】
送信機1は、長穴22により軽量化されたグリップカバー8をグリップ本体部13に着脱自在に設けるので、従来のような、グリップ部分の大きさや太さに対応しグリップユニットの全体をまるごと交換するのに比べ、高剛性で重量の大きい着脱自在な固定構造が不要となる。すなわち、軽量、小型なグリップカバー8は、簡単な係止爪23と係止穴19による係止構造で着脱自在にできる。
【0068】
これに加え、グリップカバー8は、指間部が、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面に接するので、その方向ではグリップカバー8を装着していない場合と同じとなる。一番重要な、人差し指とトリガー2までの距離を最小限に抑制できる。これにより、グリップ部3は、手の小さいユーザ、例えば握り径の小さい子ども向け等に最適となる。具体的には、4~5歳の子どもでもトリガー2操作を可能とし、非常に持ちやすい送信機1となる。
【0069】
ここで、送信機1において、グリップ部3を細く構成するには、グリップ部分の内部が狭くなる構造となる。つまり、手の小さいユーザを基準として、グリップ部3の後半部15を覆うグリップカバーを組み付ける細い構造を基準とした場合、ノーマルタイプ、ラージタイプの順でエラストマーを厚くしなければならない。つまり、上記グリップカバー8のような長穴22を備えず
図7(e)におけるd2の構造を細いタイプとして基準にすると、
図7(e)中d3がノーマルタイプ、これよりも太いものがラージタイプとなり、細い、標準、太い、のエラストマーでグリップ部3を覆う各グリップカバーで構成することになり、太いサイズのグリップは重量がかなり増すことになる。重量の大きい送信機は、ユーザの選択肢から外され価値が下がってしまう。そのため、グリップカバーは、ノーマルタイプを基準とし、そこから一段小さく(細く)し、さらに長穴22を備えた構造にして厚みを削減したスモールタイプをサイズバリエーションに追加した。ラージタイプは、ノーマルタイプよりも一段大きく(太く)すればよいことから、スモールタイプを基準にする場合に比べ、エラストマーの厚み、重量の増加幅が抑制できることになる。そして、スモールタイプを基準としたグリップ本体部13の構造は、長穴22に対応する突条部18を有することで、その内部に配線や基板を構成させるためとグリップ自体の剛性を維持するために必要な外径を構成できることとなり、グリップ部本来の機能を低下させることがない。
【0070】
この送信機1では、グリップ本体部13に、グリップカバー8が装着されると、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面におけるシボ面が表出される。グリップカバー8は、素材が例えばエラストマーとなる。グリップカバー8の表面には、滑り止めが設けられる。これにより、グリップカバー8は、グリップ本体部13に装着されると、ゴム状の質感が得られることになり、しっくり握る(握り込める)ことができ、良好な操縦感が得られる。グリップ部3は、グリップカバー8が装着されると、突条部18の左右両側に、グリップカバー8が位置することになり、グリップカバー8の滑り止めと、長穴22から表出する突条部18のシボ面とによる滑り止めの二つの滑り止め作用をグリップ部3に連続面として得られるようになる。その結果、グリップカバー8の長穴22から表出する突条部18のシボ面により滑り止めされ、手の小さいユーザでもしっかり握ることができる。
【0071】
グリップ本体部13の突条部18の貫通先端面と、グリップカバー8の長穴22との境には溝部29が形成される。この溝部29があることで、ユーザがグリップ部3を握ったときに、ユーザの手とグリップ部3との間で隙間が生じて通気性を確保することができる。これにより、例えば子どもの手のように、手が発汗しやすいユーザでも滑らずしっかり握ることができる。
【0072】
また、この送信機1では、グリップ本体部13に、グリップカバー8と、他のグリップカバー24,27とが着脱自在となって選択的に装着される。グリップカバー8は、上述のように、指間部が、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面に接するので、その方向ではグリップカバー8を装着していない場合と同じとなり、握り径の小さい手の小さなユーザ、例えば子ども向けに最適化できる。一方、他のグリップカバー24,27は、長穴22を有さずに、突条部18を覆う部分の肉厚が増える分、指間部が接する方向の距離が大きくなって、括れ部17の直径が大きくなる。これにより、ユーザは、グリップカバー8または他のグリップカバー24,27のいずれかを選択して、握り径を変え、最適な握り具合の調整が可能となる。その結果、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、色の変更、デザイン(模様)の変更、触り具合・握り具合(柔らかめ・硬めなど)の変更に対応できる。さらに、径年劣化、汚損などでの交換や、限定色バージョンなど、での交換も可能となる。
【0073】
そして、本実施形態に係る送信機用グリップカバーであるスモールタイプのグリップカバー8は、長穴22に突条部18を貫通して、グリップ本体部13を覆って装着される。グリップカバー8は、突条部18に相当する部分の材料が減らされ、その分が軽量化されている。
【0074】
グリップカバー8は、指間部が、グリップカバー8の長穴22を貫通した突条部18の貫通先端面に接するので、その方向ではグリップカバー8を装着していない場合と同じとなる。つまり、グリップ本体部13の括れ部17における直径を基準に、グリップカバー8を取り付けできる。これにより、人差し指とトリガー2までの距離を最小限に抑制できる。この括れ部17における最小径は、グリップ部3の内部に配線や基板を構成させるためとグリップ自体の剛性を維持するために必要な外径であって、それをスモールサイズに対応させている。その結果、スモールタイプのグリップカバー8は、グリップ部3に装着することにより、手の小さいユーザや握り径の小さい子ども向けにグリップ部3を最適化することができる。
【0075】
したがって、本実施形態に係る送信機1によれば、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、握り径の小さいグリップ部3を実現できる。別言すると、必要な剛性を持ちながら細い径で構成されるグリップ部3に、エラストマーなどからなる滑り止め機能を備えたグリップカバー8をグリップ部周面の一部に設けることができる。
【0076】
本実施形態に係る送信機用グリップカバー(スモールタイプのグリップカバー8)によれば、送信機全体の重量の増加を抑制しながら、細径のグリップ部3への対応が可能となる。
【符号の説明】
【0077】
1…ラジオコントロール送信機(送信機)
3…グリップ部
4…ベース部
5…ヘッド部
8…ラジオコントロール送信機用グリップカバー(グリップカバー)
12…操縦用アンテナ
13…グリップ本体部
15…半部(後半部)
18…突条部
22…長穴
24,27…他のグリップカバー(グリップカバー)
29…溝部