(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】飲用装置
(51)【国際特許分類】
B65D 47/06 20060101AFI20230926BHJP
A47J 31/00 20060101ALI20230926BHJP
【ＦＩ】
B65D47/06 110
A47J31/00 305
【請求項の数】
13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021183252
(22)【出願日】2021-11-10
(62)【分割の表示】P 2020524675の分割
【原出願日】2018-07-13
(65)【公開番号】P2022044045
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】102017212472.5
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017009718.6
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018003669.4
(32)【優先日】2018-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520020524
【氏名又は名称】エアー アップ グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー，ティム
(72)【発明者】
【氏名】ユングスト，マグダレナ
(72)【発明者】
【氏名】コッピツ，ヤニス
(72)【発明者】
【氏名】シュラング，ファビアン
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第２０２０１６００４９６１（ＤＥ，Ｕ１）
【文献】米国特許出願公開第２０１３／０３０２４７７（ＵＳ，Ａ１）
【文献】独国実用新案第２０２０１８０００３８２（ＤＥ，Ｕ１）
【文献】独国特許出願公開第２０２０１８２２２２９９（ＤＥ，Ａ１）
【文献】米国特許出願公開第２００７／００７５０７９（ＵＳ，Ａ１）
【文献】米国特許第０５６３５２２９（ＵＳ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ａ４７Ｊ ３１／００
Ａ４７Ｊ ４１／０２
Ｂ６５Ｄ ３９／００－５５／１６
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香物質の鼻腔後吸収のための飲用装置であって、飲用液体用の貯蔵容器と、
空気が流れることができる少なくとも１つの芳香容器と、
前記貯蔵容器から前記飲用装置の口端まで流れる飲用液体用搬送路と、
少なくとも１つの前記芳香容器の少なくとも１つから、前記飲用液体用搬送路まで流れる、芳香を帯びた空気搬送用の空気流路と、
を包含する飲用装置であって、さらに、前記飲用装置を密閉するための蓋を備え、前記蓋は、前記飲用液体用搬送路を密閉し、かつ前記空気流路が前記飲用液体用搬送路に入る箇所を密閉するために、前記飲用液体用搬送路に十分に挿入可能なピンを含む、飲用装置。
【請求項2】
前記芳香容器は、リング状であり、軸方向に密封位置から非密封位置に移動することができる、請求項１に記載の飲用装置。
【請求項3】
飲用液体用の前記貯蔵容器の内部に通じる空気供給ラインを閉じる均圧弁をさらに包含する、請求項１又は２に記載の飲用装置。
【請求項4】
均圧弁が、弾性構造要素からなる逆止弁である、請求項３に記載の飲用装置。
【請求項5】
弾性構造要素は、一方が飲用装置の壁に固定され、他方が弾性シール板を備える、請求項４に記載の飲用装置。
【請求項6】
前記蓋は、さらに均圧弁を密閉するように構成され、かつ、前記均圧弁、前記飲用液体用搬送路及び前記空気流路を同時に密閉するように構成される、請求項３に記載の飲用装置。
【請求項7】
前記飲用液体用搬送路の形状が、前記空気流路の入口点及び／又はその近傍でより広くなるように変化する、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲用装置。
【請求項8】
前記飲用液体用搬送路の形状が、前記空気流路の入口点及び／又はその近傍でより狭くなるように変化する、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲用装置。
【請求項9】
前記芳香容器が、飲用装置の口端の近くに位置するリングとして設計されている、請求項１～８のいずれか一項に記載の飲用装置。
【請求項10】
前記芳香容器が実質的にリング状に構成され、前記芳香容器が回転して前記芳香容器と前記空気流路との間の接続を遮断することができる、請求項１～９のいずれか一項に記載の飲用装置。
【請求項11】
前記空気流路が、口端のすぐ近くで前記飲用液体用搬送路に流れ込むように構成される、請求項１～１０のいずれか一項に記載の飲用装置。
【請求項12】
前記空気流路の断面が一か所だけ狭く、それ以外は広い、請求項１～１１のいずれか一項に記載の飲用装置。
【請求項13】
使用時に、飲用装置は、使用者が飲用装置を逆さまにして飲料を飲むように構成される、請求項１～１２のいずれか一項に記載の飲用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香物質を再経皮的に知覚するための飲用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
快適な風味のプロファイルがあり、かつ、飲料液に溶解した芳香物質又は安定剤の吸収によってもたらされうる健康上のリスクを防止する飲料液を摂取する必要性が高まっている。さらに、カロリーの過剰摂取を避ける必要がある。
そのため、近年ではほのかにフルーティーな香りをつけた水が人気を集めている。ただし、このフレーバー飲料には、安定化物質や一定量の砂糖等の望ましくない添加物も含まれており、これらのフレーバー飲料のカロリー量は、多くのユーザが拒否する程度である。
そのため、近年ではほのかにフルーティーな香りをつけた水が人気を集めている。ただし、このフレーバー飲料には、安定化物質や一定量の砂糖等の望ましくない添加物も含まれており、これらのフレーバー飲料のカロリー量は、多くのユーザが拒否する程度である。
【0003】
問題を解決するための第１のステップは、飲料を飲む直前に香料を加えることである。特許文献１～３は、元来別個に提供されていた芳香物質を、飲料を飲む直前又は飲用中に飲料液に添加して、溶解させる投与システムの例である。この方法により、長期間にわたる飲料液の安定化等の問題を回避できるが、添加物の望ましくない接種という問題は依然存在する。
【0004】
嗅覚は、食品や飲料を飲食する際の風味覚的知覚に重要な役割を果たすため、従来のシステムは、以前のシステムでは、飲用中に知覚される匂いに影響を与えることが試みられてきた。このため、特許文献４では、飲料容器の飲み口の近くに取り付けることができる芳香要素を提案しており、これにより、芳香要素はユーザの鼻のすぐ近くにあり、ユーザは飲料を飲用する際に当該芳香を鼻から呼吸により摂取することができる。
【0005】
特許文献５による飲用容器も、飲用中に鼻から芳香を吸い込む原理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第２００８／０２８３５３号明細書
【文献】米国特許出願公開第２０１５／０３０７２６号明細書
【文献】米国特許第８，６６２，２９０４号
【文献】米国特許第５，６３５，２２９号
【文献】米国特許第８，６６２，３３９号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの風味覚体験を改善しうる飲用装置の提案である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該課題は、添付される請求項１の特徴を備えた飲用装置により達成される。好ましい実施形態は、残りの請求項及び以下の説明から得られる。
【0009】
本発明に関する、芳香物質を再経皮的に知覚する飲用装置は、飲用液体用の貯蔵容器と、空気が流れることができる少なくとも１つの芳香容器と、飲用液体用搬送路とを備え、前記貯蔵容器から当該飲用装置の口端まで続く飲用液体用搬送路と、前記少なくとも１つの芳香容器の少なくとも１つから、飲用液体用搬送路又は口端まで続く、芳香を帯びた空気を搬送する空気流路と、を包含する。
【0010】
本発明による飲用装置の実質的な態様は、芳香物質が再経皮的に知覚されることにある。飲用中、香り物質は飲用液とともにユーザの口に到達し、その後、芳香物質は、咽頭を経由して嗅覚粘膜（regio olfactoria）（嗅部）まで上昇し、そこにある受容体によって検出されると、ユーザによって知覚される。本発明による装置は、冷たい飲料水にも温かい飲料水にも同様に適する。
【0011】
これは、嗅覚と風味覚の間には密接な相関関係があることを利用している。そのため、ユーザは、実際には嗅いでいるだけなのに、あたかも香りを風味わっているかのような印象を受ける。
【0012】
人の風味覚は、本質的に後鼻腔の嗅覚によって決定される。舌の受容体は、甘風味、酸風味、苦風味、塩風味、うま風味を区別できるだけである。他方、差別化された風味覚は、咽頭に入った食品や液体の気相が、嗅覚ルートを通って上昇し、嗅覚粘膜に到達することで生じる。咽頭にあるセンサが神経を刺激することで、脳に風味覚の印象が残る。、飲用中に香りが咽頭に到達した人は、水等の純粋で混じりけのない、つまり香りのない液体を摂取しているにもかかわらず、再経鼻嗅覚プロセスにより、飲料が香りの源であるという感覚が脳に生じるため、飲料に香りがついているという印象を受ける。芳香物質の正鼻性知覚として知られる、鼻から息を吸って匂いを知覚する場合、感覚が呼吸の速度に関連しているので、この印象は同じ程度には生じず、したがって、ユーザは、香り物質を嗅いでいるだけで、正鼻性知覚の場合のように風味わっていないという正しい印象を得る。
【0013】
好ましくは詰め替え可能に設計されている貯蔵容器は、純水または炭酸水を含むことができるのに対して、芳香物質は搬送チャンネル内の空気に移動し、飲料液の芳香物質は、摂取直前にユーザによって供給されるか、又は芳香物質はユーザの咽腔に別々に搬送される。
【0014】
あるいは、飲料用液体には固有の風味があってよい。飲料液の既存の固有の風味は、芳香容器からの芳香物質によって増強されるか、又は１以上の追加の風味成分によって補われる。例えば、貯蔵容器にリンゴジュースが入っている場合、例えば、リンゴの香りを追加して風味覚体験を強化させたり、オレンジの香りを追加して風味の混合物を生成したりすることができる。このようにして、例えば、ビール等のアルコール飲料にも追加の芳香物質を提供することができ、本発明による飲用装置の適当な芳香容器を用いて、ユーザの特別な好みに応えることができる。加えて、芳香剤で知られる「サンダルウッド」、「春の草原」、「ユニコーン」のように、食品分野では一般的ではない風味のプロファイルも、本明細書に開示される飲用装置で用いることができる。用いられる芳香は、合成でも天然でもよい。人工又は天然の供給源から単離又は濃縮された芳香を、生鮮品または加工品等の天然物質、例えばレモンピール、タンポポの葉、甘草等と用いることができる。
【0015】
本発明によれば、複数の香り容器も提供することができる。これは、使用中の芳香容器が消費されるとすぐに用いられる交換用の芳香容器である。また、あるいは又はさらに、同時に用いられる複数の芳香容器を用いて、様々な基本的な香りから好みの香りをブレンドすることができる。
【0016】
本発明によれば、飲用液体用搬送路は、口端部に至る。空気流路は口端部の直近で飲用液の搬送路に入り込むか、飲用液の搬送路から離れて口端部に至る。
【0017】
空気流路が口端のすぐ近くで飲用液体用搬送路に流れ込むという解決策の利点は、誤飲できないことにある。飲料液を摂取すると、芳香物質も自動的に感知される。ただし、この解決策の欠点は、飲料用液体に気泡が含まれることである。その結果、ストローから液体と空気の両方を吸い込んで飲むのに匹敵する騒音が伴う。さらに、ユーザは、純粋な液体を飲んでいるという望ましい印象がもてなくなる。最後に、飲料用液体と香りのついた空気とがより長期にわたって接触され、その間に空気から周囲の飲料用液体への香り物質の大量移動が行われることがあげられる。したがって、芳香物質が無害であるかにかかわらず、ユーザは飲料水が「汚染」されているように認識する。したがって、空気流路が、飲料液の搬送流路から分離した口端まで続いているものが好ましい。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、口端部は、飲用液体用搬送路と、芳香を帯びた空気を搬送するための空気路とが、口端部で互いに分離して、長手方向に実質的に同じ距離となるように設計されている。ここで、「長手方向」とは、口元の液体搬送路と芳香空気搬送路の長手方向の延長線上にある方向を意味するものと理解する。換言すれば、飲むとき、飲用液体用搬送路及び空気流路は、本質的に等しくユーザの口まで延びる。
【0019】
この技術的解決策では、芳香を帯びた空気と飲料水は、互いに分離して吸い込まれる。
芳香を帯びた空気は、気泡の形で周囲の飲料液から離れるだけでなく、口腔に入った後、咽頭を経由して嗅覚粘膜に向けて再び上昇することができる。芳香を帯びた空気と飲料液を別々に口腔内に送り込むことのさらなる利点は、空気と飲料水の間の物質移動がさらに少なくなることである。これには2つの理由がある。第１の理由は、芳香を帯びた空気は小さな泡の形で飲料液に含まれず、液相と気相の間の物質移動に用いられる総表面積はかなり小さくなることにある。第２の理由は、芳香を帯びた空気はすでに別の相にあり、事前の分離が必要ないため、ユーザが飲料水と一緒に飲み込む量がはるかに少なく、実際には無視できる量であることにある。最後に、この技術的な解決策には、ユーザが、わずかではあるが、ガスで空気を含んだ液体ではなく、清澄な飲料液を摂取しているという感覚を得られるという利点もある。ユーザは、水のような純粋な液体を摂取していると認識する。
芳香を帯びた空気は、気泡の形で周囲の飲料液から離れるだけでなく、口腔に入った後、咽頭を経由して嗅覚粘膜に向けて再び上昇することができる。芳香を帯びた空気と飲料液を別々に口腔内に送り込むことのさらなる利点は、空気と飲料水の間の物質移動がさらに少なくなることである。これには2つの理由がある。第１の理由は、芳香を帯びた空気は小さな泡の形で飲料液に含まれず、液相と気相の間の物質移動に用いられる総表面積はかなり小さくなることにある。第２の理由は、芳香を帯びた空気はすでに別の相にあり、事前の分離が必要ないため、ユーザが飲料水と一緒に飲み込む量がはるかに少なく、実際には無視できる量であることにある。最後に、この技術的な解決策には、ユーザが、わずかではあるが、ガスで空気を含んだ液体ではなく、清澄な飲料液を摂取しているという感覚を得られるという利点もある。ユーザは、水のような純粋な液体を摂取していると認識する。
【0020】
本発明による解決策の変形例は、飲用装置を用いる場合、飲用液体用の搬送路と芳香を帯びた空気を搬送する空気流路とは、ユーザの口腔内に異なる距離で延びるように、口端部が設計されていることである。
ここでは、当然ながら2つの異なる可能性が考えられる。まず、芳香を帯びた空気を搬送する空気流路は、飲料用液体の輸送流路よりもユーザの口腔内に長く延びることができるか、あるいは、飲料用液体の搬送路が、ユーザの口腔内にさらに延びてよい。いずれの解決策にも共通しているのは、芳香を帯びた空気と飲料水が互いに別個に装置から吸入されることである。また、両方の解決策に共通しているのは、芳香を帯びた空気と飲料水の間の物質移動をできる限り低く抑えられることである。この利点は、飲料用液体の搬送路と芳香を帯びた空気の搬送路がユーザの口腔内で同じように延びていれば同じように達成できるが、意図したとおりにユーザの口腔内に突出するように設計されることができる。しかし、ユーザは、口腔内へあまり深く入りすぎると不快に感じる。
ここでは、当然ながら2つの異なる可能性が考えられる。まず、芳香を帯びた空気を搬送する空気流路は、飲料用液体の輸送流路よりもユーザの口腔内に長く延びることができるか、あるいは、飲料用液体の搬送路が、ユーザの口腔内にさらに延びてよい。いずれの解決策にも共通しているのは、芳香を帯びた空気と飲料水が互いに別個に装置から吸入されることである。また、両方の解決策に共通しているのは、芳香を帯びた空気と飲料水の間の物質移動をできる限り低く抑えられることである。この利点は、飲料用液体の搬送路と芳香を帯びた空気の搬送路がユーザの口腔内で同じように延びていれば同じように達成できるが、意図したとおりにユーザの口腔内に突出するように設計されることができる。しかし、ユーザは、口腔内へあまり深く入りすぎると不快に感じる。
【0021】
上記のすべての解決策の技術的課題は、飲用位置に応じて、また特殊な飲用液体の場合には飲用液体の粘度に応じて、飲料液の搬送路と空気路の幾何学的形状を互いに調整することで、芳香を帯びた空気と飲用液体が互いに所望の割合で吸い込まれるようにすることである。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、飲用装置は、飲用液体用搬送路及び/又は芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路用の絞り装置及び/又は密閉装置をさらに包含する。ここで、前記密閉装置は、好ましくは、口端を含むマウスピースに設けられ、かつ、マウスピースは、密封位置から非密封位置に移動することができる。
【0023】
密封装置のかわりに、好ましくは、密封装置に加えてスロットル装置を設けることができる。スロットル装置により、飲料液と芳香を帯びた空気との比率を設定することができ、その結果、例えば、芳香化の程度又は飲料液の流量を調整することができる。スロットル装置の簡単な実施形態であるが、完全に密閉するまで作動できるスロットル装置は、これを用いて、搬送路又は空気流路の柔軟な部分をその内部断面に対して縮小するか、又はその内部断面から完全につまんで取り除くことができる手段である圧搾装置(Quetschvorrichtung)である。
【0024】
密封装置の好ましい代替実施形態は、好ましくはマウスピース上に配置され、かつ流れを開放するためにユーザによって引き出される、プルバルブの提供である。飲用後、空気流路と搬送路を閉じるために、プルバルブをマウスピースに押し戻す。
【0025】
本発明による飲用装置のさらに好ましい代替物は、ユーザが回転して開閉する回転プラグを包含する。回転プラグは、単純だが非常に密閉性の高い部品を構成するため、回転プラグの使用は化学工学でよく知られている。さらに、回転プラグは無段階に調整することもできるのため、スロットル装置と遮断装置の機能が1つにまとめられている。
【0026】
本発明による装置のさらに好ましい代替物には、スライドバルブがあり、当該スライドバルブは、好ましい変形例によれば、飲料装置の蓋に設けられ、同時にマウスピースを含むことができる。このようなスライドバルブの利点は、バルブが開いた状態か閉じた状態かがすぐにわかることである。
【0027】
当該装置の好ましい代替実施形態は、回転式の蓋を設けることであり、この蓋は置くかねじ込むかのいずれかで、それによって飲料装置を密閉する。回転蓋は、飲料液体が炭酸飲料である場合に起こり得るように、貯蔵容器の内部で圧力が上昇している場合でも、飲料装置をしっかりと密封するのに適している。そのような蓋は、飲料用液体の搬送路と芳香を帯びた空気用の空気路をともにしっかりと密閉することができるだけでなく、同様に、圧力を均一化する目的で貯蔵容器の内部に空気を送り込むための別の空気路も密閉することができる。回転蓋のさらなる利点は、マウスピースを汚染から保護し、かつ、すべてのユーザに知られている要素であり、飲用装置をしっかりと閉めるための確実な適合性である。
【0028】
当該装置の好ましい代替実施形態は、例えばサイクリングの際に携帯する飲料ボトルで知られているようなスポーツバルブを備えることである。スポーツバルブの機能は知られており、ユーザは直感的にバルブを引っ張って飲み、飲用後に元の位置に押し戻すようになっている。
【0029】
しかしながら、飲用装置のマウスピースが、同時に、マウスピースの方向に続く輸送経路をしっかりと封止することができる遮断装置である実施形態が特に好ましい。その場合、本発明の好ましい変形例によるマウスピースは、並進運動によって密閉位置から非密閉位置に移動できるように設計されている。その場合、マウスピースは、飲料用液体の搬送路と空気路、さらには、空気を貯蔵容器の内部に送り込むための空気ラインを、密封および開放できるように設計することができる。したがって、ユーザはマウスピースを操作位置に持っていくだけでよく、その結果、ユーザが気付かないうちに密閉装置が作動する。このようにして、構造要素の数を少なくすることができ、これにより、とりわけ、より衛生的な設計が可能になり、かつ、飲料システムの製造と組み立てのコストが削減されうる。
【0030】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも１つの芳香容器は、単純な動作シーケンスによって、本発明による飲用装置に取り外し、かつ、挿入することができる。その場合、好ましい変形例によれば、バヨネット式クロージャを用いることができる。バヨネット式クロージャにより、挿入後に飲用装置内の芳香容器が確実に正しい向きに設置されるという利点がある。さらに好ましい実施形態では、バネ要素を設けることもでき、芳香容器が正しく挿入されなかった場合には、すぐに芳香容器をレセプタクルから引き抜くことができる。係合位置が異なることで、香りの強さを異なる設定にすることができる。
【0031】
好ましくは、少なくとも１つの芳香容器のうちの１つが密封装置を備えている。それによって、芳香容器は、密封位置から非密封位置まで移動することができる。実質的に断面が丸い芳香容器は、上記の回転プラグと同じ方法で用いられ、その場合、芳香容器がその対称軸の周りを回転して、飲料液の搬送路を、芳香容器を通る流路と整列させることができる。この解決策の利点は、追加の要素が必要ないことである。
【0032】
しかしながら、同様の方法で、芳香容器を軸方向にスライドさせることにより、芳香容器を密閉位置から非密閉位置に移動させることができる。例えば、いかなるプリズム形又はリング形の形状の芳香容器を軸方向に押して、芳香容器を非密閉位置にすることができる。芳香容器はこの位置に自動的に留まるか、あるいは芳香容器を押し下げたままにしておかないと、香りを楽しみながら飲むことができないようになっている。このようにして、ユーザは、芳香を帯びた空気を含む液体を飲むか、含まない液体を飲むかを追加で選択することができる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも１つの芳香容器の少なくとも１つは、異なる臭気強度及び／又は異なる臭気品質の芳香物質を含む複数のチャンバを包含することができる。本発明による飲用装置のさらなる代替態によれば、多くの芳香容器を設けることができる。本発明による飲用装置のさらなる代替形態によれば、複数の芳香容器を設けることができる。換言すれば、１つ以上の芳香容器を提供することができ、かつ、この芳香容器又はいかなる数の複数の芳香容器も、いくつかのチャンバをさらに含むことができる。このようにして、いかなる所望の変形例をも実現することができる。１つの芳香容器が提供される場合にはその香り容器に異なる香りを含ませることができ、挿入方向や、飲用中に変えることができる香り容器の向きに応じて、異なる香りを提供することができる。さらに、１つの芳香容器であれば、香りの種類や強さを変えることができる。例えば、１つの芳香容器には、１つの同じ芳香物質の２つ、３つ、又はそれ以上の異なる芳香強度を含めることができる。あるいは、１つの芳香容器には２つの異なる芳香を含むことさえできるが、それらは各々２つの異なる段階で提供されるので、芳香容器には４つの別々のチャンバがあることになる。
【0034】
複数の芳香容器が提供される場合、ユーザは、異なる香りプロファイルおよび香りの強さの変化、あるいは１つの同じ香りプロファイルを追加して、いかなる個別に望ましい香りブレンドを作製することができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも１つの芳香容器のうちの１つは、飲用装置のマウスピースに配置されている。ここで、マウスピースは好ましくは交換可能である。この解決策には、マウスピースが芳香容器に置き換えられ、芳香容器の使用後に新しいマウスピースが飲用装置に取り付けられるため、飲用装置の衛生状態が改善されるという利点がある。ただし、この解決策では、マウスピースが飲用液体用の貯蔵容器としっかりと閉じていることが保証されなければならない。
【0036】
マウスピースに一体化された芳香容器又は貯蔵容器の蓋に芳香容器を設けることにより、ユーザが「風味のプロファイル」を直接識別できるという利点がある。例えば、マウスピースは、選択された芳香に従って着色することができ、例えば、レモンの芳香の場合は黄色、青リンゴの芳香の場合は緑色とすることができる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、飲用液体用の貯蔵容器は、蓋を備える。蓋を外せば、ユーザは飲用液体用の充填開口部と、１以上の芳香容器の受け入れ開口部の両方にアクセスできる。蓋をつけた後、引き続きふたの回転を用いて、芳香のプロファイルを変えることができる。この解決策の利点は、本発明による飲用装置内の芳香容器をロックするための別の手段が必要ないことである。蓋が装着された後、芳香容器が挿入された状態で自動的にロックされるからである。この解決策により、また、芳香容器を容易に密閉できる。
【0038】
好ましい変形例によれば、情報タグが設けられており、この情報タグは、蓋が装着された後に飲料装置の外側に突出し、挿入されたアロマプロファイルについてユーザに知らせる。このタグにより、芳香容器を取り外すために快適に把持することができる。
【0039】
本発明の代替の好ましい実施形態では、芳香容器は、飲用装置の口端近くに位置するリングとして設計されている。リングに単一のチャンバが存在する場合がある。リング状の芳香容器には、異なる味のプロファイルを有する複数のチャンバが設けられていてもよく、これらのチャンバは、追加のマーキングおよび／または着色によってユーザに識別されるのが好ましい。このようにして、ユーザは芳香リングを作動させることで直感的に香りを変えることができ、それは飲みながらでも可能である。このように、リングの形の芳香容器を用いると、ユーザフレンドリな方法で用いられる多くのオプションが提供される。
【0040】
本発明の好ましい実施形態では、本発明による飲用装置は、飲用液体用の貯蔵容器の内部に通じる空気供給ラインを閉じる圧力補償バルブとしてプルバルブをさらに包含する。飲料用液体の飲用、すなわち除去によって貯蔵容器内に圧力不足が生じると、バルブが開き、飲用液体用の貯蔵容器に空気が入る。圧力均等化が確立されるとすぐに、圧力が均一になると、圧力弁は残留応力により再び自動的に閉まり、飲料水が漏れないようになる。この変形例は、遮断装置は、飲用液体用の搬送路と芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路のみを閉じ、圧力均一化のための空気流路を閉じない場合に特に有利である。このような変形例としては、圧力均一化のための空気ラインが容器の別の場所に位置している間に、封止位置から作動位置へと旋回可能なマウスピースを設けることが挙げられる。
【0041】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、飲用装置は、口端部を構成し、貯蔵容器に対して移動可能に配置されたヘッド部も備える。それによって、ヘッド部は、飲用液体用の搬送路及び/又は空気流路を密封する位置から非密封位置に移動することができる。
【0042】
最も単純な場合、飲料装置のヘッド部は，飲用液体用の貯蔵容器に回転可能に取り付けられる。その場合、ヘッド部の形状は、ヘッド部が回転して飲用位置にもたらされる際に、ユーザにとって人間工学的に快適な飲用姿勢が可能となるように角度が付けられる。第2に、ユーザにとって、飲用装置が動作可能な状態にあり、装置を適切に取り扱わないと飲用液がなくなってしまうことも明らかになるように選択することができる。このようにして、新しくて革新的な飲用装置であるという主張を強調する、未来的な外観である形態の飲用装置を設計することができる。
【0043】
本発明による飲用装置は、多様な方法で設計することができる。その場合、魔法瓶のように単層又は二重壁の携帯用飲料ボトルにすることができる。ただし、同じように、ビーカーに匹敵する開放型の飲料容器も提供できるが、飲料中に飲料液と投与されるべき芳香の両方が咽頭に導かれるように、正しい飲み方の姿勢に注意を払わなければならない。この技術的解決策では、芳香容器は、飲用液体用の貯蔵容器を取り囲むリングであり、そこから芳香が飲用液体用の搬送路に投与されるか、あるいは飲料用ビーカーの容器縁部に別個に設けられた空気流路でユーザに届けられることになる。
【0044】
しかしながら、あるいは、飲料用ビーカーを上部で閉じて、ショットグラスとしていわゆるショットグラスとして用いることもできる。この変形例は、スピリッツ、リカー、カフェイン含有又はカフェイン非含有の飲料等の飲料液の風味を特定の芳香物質で変更したり、既存の風味を強化したり、望ましくない感覚を隠蔽するのに用いられる。
【0045】
さらなる代替設計は、本発明による飲用装置の機能的特徴を、口端を含み，口端の反対側の端が飲用液体用の貯蔵容器内に位置するストローに統合することができる。この場合、ストローは同時に、貯蔵容器から飲料装置の口端までの飲料液の輸送路となる。芳香容器はストローを囲むリング状に設けられ、飲用液体用のレベルよりも上に位置することができ、ストローが用いられると、空気が芳香容器に吸い込まれ、飲用液体用の搬送路と平行に流れ込み、空気流路を介して口端に導かれるか、又は供給された芳香は飲用液体用の搬送路に流入するため、気泡の形で飲料液に投与される。
【0046】
上記のアイデア及び変形例に共通するのは、芳香物質が口端を介してユーザの口と咽頭に導かれ、風味の印象は、芳香物質の再鼻的な知覚から生じるということである。純粋な飲料液中の芳香物質が多少避けられずに吸収されることや、飲料水から芳香物質を運ぶ気泡が不完全に分離されることを除けば、ユーザは純粋な飲料水を知覚する。
【0047】
飲用装置を最適化又は単純化するための本発明の好ましい実施形態は、のヘッド部を分離可能、着脱可能またはヒンジ式にすることである。この場合、ヘッド部は、装置を用いるため組み立てなければならない1つ、2つまたはそれ以上の部品から構成される。その場合、例えば、対称軸に沿ってヘッド部を分離することができ、非組立状態では、飲料装置の流路が完全または部分的に開いている。これにはいくつかの利点がある。まず第一に、これは飲用装置の洗浄が容易になる。なぜなら、飲用装置の部分的に狭い流路に洗浄液を容易に到達させることができ、発生しうる毛細管力によって洗浄液が妨げられることがないためである。さらに、飲用装置のヘッド部の分離可能なソリューションにより、飲用装置の芳香容器をヘッド部の内部に統合することができる。従来のシステムでは、芳香容器は外側からしか取り付けることができなかったため、使用中は表示されたままになる。また、従来のシステムでは、アロマ容器を取り付けるための別の機構が必要であったが、分離可能なソリューションではその必要がない。
【0048】
ヘッド部は、飲用装置の必須技術及び/又は芳香容器が配置されている、飲用装置のその部分として理解されるべきである。好ましくは，それは、飲用装置のヘッド部に便宜的に取り付けられるが、飲用装置の他の場所に位置することもできるし，飲用装置に統合することもできる。
【0049】
飲用装置の分割可能又は分割不可能なヘッド部又はヘッド部の部分の製造に、シリコン又は他のエラストマー等の本質的に弾性のある材料を用いることで、例えば、システムの密閉が簡素化される。加えて、ヘッド部の分離可能性は、ヘッド部を飲用装置の液体用貯蔵容器と接続するより多くの選択肢が可能となる。
【0050】
本発明のさらに好ましい実施形態は、流路が特別な形状を有することである。例えば、液体用流路が、1つ、2つまたはそれ以上の場所で広げられたり狭められたりして、流路の直径がそこでは他の場所よりも大きくまたは小さくなるようにすることができる。狭くしたり、広げたりすることは、例えば、飲用装置のマウスピースの中又は上で行うことができる。これにより、飲料装置から飲料を飲む際に、ユーザの口当たりを変えることができる。消費者は気泡と一緒に液体を飲むことに慣れていないため、以前のソリューションでは飲み心地が問題となっていた。液体搬送流路の１以上のポイントで広げたり狭めたりすることで、そこの圧力条件を変え、液体に含まれる気泡の大きさや形を変えることができる。これにより、ユーザの飲用感が向上する。
【0051】
本発明のさらに好ましい実施形態は、空気流路が飲用装置に入る時点での液体流路の形状の変化である。これにはいくつかの利点がある。例えば、空気流路の入口で液体流路を狭めることで、ベンチュリ効果を利用することができる。入り口が狭くなるということは、そこの動圧（衝撃圧）が最大で、静圧が最小になるということである。液体の体積は変わらないので、絞られた部分を流れる液体の速度は断面積に比例して上昇する。同時に、最も狭い箇所に設置することが望ましい空気流路内の圧力が低下する。これにより、圧力差が生じ、芳香を帯びた空気の飲料装置の液体への吸収が促進される。その結果、例えば、ユーザは、飲用装置をより強く吸う必要がないので、飲用感が改善されたり、デザイン上の利点が生じたりする。
【0052】
飲用装置の流路の幾何学的形状のさらに好ましい変更は、流路の内側の異なる表面又は液体を含む流路内の流れの条件を変える障害物を包含する。例えば、キャビテーションが発生することがある。キャビテーション又は気泡の機械的粉砕によって気泡のサイズ及び／又は気泡形状を変更することができる。これにより、ユーザの飲用感が向上する。気泡のサイズの変化は、例えば、本質的にふるいのような形状又は膜を用いて達成することもできる。
【0053】
飲用装置の空気流路も同様に特殊な形状にすることができる。既存のソリューションでは、一貫して均一な形状の流路を用いる。その場合、空気流路は、直径が小さくなければならないため、飲用装置のヘッド部の製造で問題が発生する。他方、流路が狭いと、飲用装置の清掃が困難になる。したがって、本発明によるソリューションでは、空気流路を基本的に短い距離だけ狭くすることができるようにした。これにより、製造が簡素化されるとともに、洗浄が容易になる。
【0054】
本発明による飲用装置のさらに好ましい実施形態では、本発明による飲用装置の芳香ユニットが使用前に活性化されなければならないことを意図する。その際、芳香は、最初に微視的又は巨視的にカプセル化できる。活性化は、例えば、温度又は機械的プロセスを変更することにより行われる。好ましい実施形態は、空気透過性フィルターの中に、実質的に円形のアロマユニットが配置されており、このアロマユニットの内部には、芳香物質を含む流体が実質的に含まれている。アロマユニットのシェルは、ゼラチンやアガロースなどの材料で構成されているのが好ましく、不活性状態では、密閉されたシェルが芳香物質を含む流体を不揮発性の状態で保持している。例えば、流体は、圧力下でシェルが破壊されるなどの活性化によって、周囲のフィルターに放出される。このタイプの解決策は、例えば、タバコ用のものが米国特許出願公開第２００４／０２６１８０７号明細書で提案されている。本発明によれば、好ましい一実施形態では、この技術は、本発明による飲用装置で用いられる。これにはいくつかの利点がある。例えば、芳香物質を酸化プロセスから保護することができ、かつ、一般的に包装材料を節約することができ、プラスチックシールを避けることができる。
【0055】
本発明による飲用装置のさらに好ましい実施形態では、空気流路が特別な形状のチャンバを包含する。これにより、飲用装置からの飲用プロセスの終了時に発生する飲用液の搬送路における圧力及び流れの状態の変動により、飲用液が空気流路及び／又は芳香容器内に入り込むという問題が解決される。このような液体の芳香容器への侵入は、例えば、芳香放出物質の不要な希釈や、衛生上の問題をおこす可能性がある。チャンバによる空気流路の遮断は、飲用液用の着脱可能な搬送路と空気流路の接触点で飲用装置のヘッド部に凹部を設けて実行することができる。好ましい実施形態では、芳香容器から出てくる空気流路は、実質的に上部の位置でチャンバ内に流れ込む。実質的に反対側では、空気流路は、実質的に底部であるチャンバの位置に続く。チャンバは、飲料水が芳香容器に逆流するのを防ぐ。実質的に反対側の位置では、空気流路が続いているため、チャンバを理想的に用いることができる。空気流路の入口と出口の高さが異なるため、特に飲料水を飲料装置に戻すことができる。また、ヘッド部と飲料液の搬送路との間の接触部にチャンバを配置できるため、2つの構成要素を分離した後の洗浄が容易になる。
【0056】
上記及び下記の技術的特徴のすべての好ましい実施形態及びその組み合わせに共通するのは、本発明による飲用装置からの一般の飲用時に空気流路を通る媒介空気流が、約２５０～５５０ｍＬ／分であることである。この空気の流れは、例えば、直径が約０．５～２．５ｍｍの空気流路、又は空気流路の断面積が０．２ｍｍ２～４．９ｍｍ２の非円形断面を用いる場合に実現される。他の方法でも、空気の流れは、例えば、空気の流れを実質的に短くしたり、空気の流れや香りの容器への液体の侵入を防ぐために逆止弁としても構成されるバルブや、膜を用いたりすることができる。実質的に透過性のある膜を、空気流路が飲料用液体の輸送流路に入る位置に取り付けることができる。これにより、空気の流れが有用な程度に調整されるだけでなく、液体の流れに入る気泡も所望の大きさに調整されるため、飲料を飲む際に、より快適な飲み心地を得ることができる。この時点で膜を使用することのさらなる利点は、飲用プロセスが終了したときの圧力及び流動状態の変動によっても、飲用液が空気流路及び/又は芳香容器に入らず、その瞬間またはその他の瞬間にその容積が低下しないことである。
【0057】
本発明による飲用装置のさらなる問題は、輸送用に飲用装置全体を密封することである。その際、留意すべきは、飲料液が芳香容器に浸透するのを防ぐには、飲用開口部と圧力均等化流路だけでなく、飲用装置の空気流路も密封する必要があることである。その際、飲用装置のユーザは、１回の操作で３つの開口部すべてを閉じることができれば望ましいと考えられる。そこで、さらなる好ましい実施形態では、3つの開口部を同時に閉じる蓋で飲料機器を密閉する。これは、好ましくは、3つの開口部のうち少なくとも1つの開口部に各々ピンが挿入され、残りの開口部が従来のシステムによって封止されることで可能となる。例えばその際、マンドレル／ピンは、飲用液体用搬送路にまで挿入することができる。したがって、飲用液体用搬送路への空気流路の開口部が密閉され、その結果、空気流路及び/又は芳香容器への飲料液の浸透が阻止される。このセクションの冒頭で説明した芳香容器の密閉の問題を解決する別の好ましい一実施形態は、芳香容器を例えば、本質的にリング形状にして、例えば着脱可能な芳香容器と空気流路との間の流体接続を、芳香容器の回転等の動きによって遮断することができる。これを実現するためには、例えば、芳香容器の空気排出口の中心をずらして配置し、逆さまに装着した芳香容器が空気流路の芳香容器側の端部を閉じるようにする必要がある。
本発明は、添付の概略図を参照して単に例として以下に説明される。
本発明は、添付の概略図を参照して単に例として以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図12a】図１２ａ、図１２ｂ、図１２ｃ、及び図１２ｄは、ヘッド部が装着可能であり、飲料液体用の充填口及び１以上の芳香容器の受容部のための異なる配置が提示されている、本発明による飲料装置の貯蔵容器の上面図を概略的に表す図である。
【図12b】図１２ａ、図１２ｂ、図１２ｃ、及び図１２ｄは、ヘッド部が装着可能であり、飲料液体用の充填口及び１以上の芳香容器の受容部のための異なる配置が提示されている、本発明による飲料装置の貯蔵容器の上面図を概略的に表す図である。
【図12c】図１２ａ、図１２ｂ、図１２ｃ、及び図１２ｄは、ヘッド部が装着可能であり、飲料液体用の充填口及び１以上の芳香容器の受容部のための異なる配置が提示されている、本発明による飲料装置の貯蔵容器の上面図を概略的に表す図である。
【図12d】図１２ａ、図１２ｂ、図１２ｃ、及び図１２ｄは、ヘッド部が装着可能であり、飲料液体用の充填口及び１以上の芳香容器の受容部のための異なる配置が提示されている、本発明による飲料装置の貯蔵容器の上面図を概略的に表す図である。
【図23a】図２３ａ、２３ｂ、及び２３ｃは、開いた飲用容器として設計された本発明による飲用装置の実施形態を示す。ここで、図２３ａは概略的な外観図である。図２３ｂは、図２３ａによる飲用装置の使用を概略的に示し、図２３ｃは、図２３ｂでＡと記載された部分を拡大して示す図である。
【図23b】図２３ａ、２３ｂ、及び２３ｃは、開いた飲用容器として設計された本発明による飲用装置の実施形態を示す。ここで、図２３ａは概略的な外観図である。図２３ｂは、図２３ａによる飲用装置の使用を概略的に示し、図２３ｃは、図２３ｂでＡと記載された部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下の実施形態では、同じ構成要素は同じ参照番号で示されている。
【0060】
図１では、以下の実施形態において、純粋な飲用液体で満たされた貯蔵容器１２と、ヘッド部１４とを備える飲用装置１０の概略図である。ここで、純粋な（飲用）液体とは、本発明による飲用システムを介して添加される芳香非含有飲用液体を意味すると常に理解される。ヘッド部１４は、この場合、ヘッド部に一体化されるが、異なる実施形態に基づいて後に説明するように、別個に設けることもできるマウスピース１６を有する。
【0061】
ヘッド部１４には、周囲空気と流体連通（図示せず）し、そこから芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２につながる芳香容器２０が設けられている。また、飲用液体用搬送路１８が設けられており、この例示的な実施形態では、貯蔵容器１２内に存在する純粋な液体の中にストローのように延びる、搬送路１８が設けられている。
【0062】
図１による実施形態では、飲用液体用搬送路１８と芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２は直列に接続されている。すなわち、空気流路２２は、飲用液体用搬送路に通じており、セクション１８ａは、結果として、マウスピース１６を介してユーザによって吸い込まれた純粋な液体と芳香を帯びた空気を含む気泡の両方を含む。
【0063】
本発明による飲用装置１０を用いる場合、純粋な液体と芳香を帯びた空気の両方が経口摂取される。口腔内では、液相と気相が分離する。そして、ガス状の芳香を帯びた空気は、矢印Ａの方向に、鼻腔後経路２４を介して嗅粘膜２６に到達する。ここで、香りは、嗅覚粘膜にある受容体を介して検出され、感覚刺激の神経処理は、ユーザが飲用する純粋な液体（矢印Bの方向）に香りによるフレーバーが加わっているという印象をユーザに与える。
【0064】
図１に示す解決策では、芳香を帯びた空気が、マウスピース１６でできるだけ直接、飲用液体用搬送路１８に流れ込み、飲料中の芳香を帯びた空気と純粋な液体との接触ができるだけ短くなるようにすることが重要である。このようにして、空気と純粋な液体との間の芳香物質の望ましくない物質移動は最小限に抑えられるが、液体中の芳香の吸収を１００％排除することはできない。空気と液体の間の接触時間が短いほど、空気と液体の間の総界面が小さいほど、望ましくない物質移動が少なくなる。
【0065】
図２による配置は、望ましくない物質移動を可能な限り低く抑えるのに有利であることが証明されている。ここで、飲用液体用搬送路１８と芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２は、互いに平行に配置されている。つまり、口端部２８の前では混合が全く生じないようになっている。残りの構成要素および活性原理は、図1に模式的に提示された実施形態によるものに完全に対応している。
【0066】
図２に示される実施形態では、装置を意図するように用いる場合、口端部がユーザの口腔内にある距離だけ延びることも図示されている。ただし、図２の描写では、明確にするために、延長部は誇張された長さで示されている。口端部28を口腔内に延長することの利点は、芳香を帯びた空気と純粋な液体との間の混合が可能な限り少なくなることである。同様に、装置を意図するように用いる場合、口端部28がユーザの唇の領域にあることももちろん可能である。
【0067】
図２に示す実施形態では、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２並びに飲用液体用搬送路は、使用者の口の中に等しく遠くまで延びている。すなわち、搬送路１８と空気流路２２は両方とも、口端２８の同じ場所が終端である。しかし、搬送路１８と空気流路２２が平行に配置されていることを考えると、必ずしもそうである必要はなく、2つの流路のうちの一方が他方よりもユーザの口腔内の深くまで延びることができる。したがって、2つの変形例が実現可能である。
【0068】
第１の変形例によれば、空気流路２２は、口腔内で、飲用液体用搬送路１８よりもさらに延びている。図示されていないこの変形例では、ユーザは、ボトルのマウスピースを介して唇で直接、飲料液体を摂取しているような感覚を持つ。しかし、芳香を帯びた空気は口腔内にあまり導入されず、したがって純粋な液体とはごく短時間しか接触しない。そのため、芳香を帯びた空気と純粋な液体との間の物質移動はほとんど排除される。さらに、個々の流路の形状と長さは、飲用プロセス中に純粋な液体と芳香を帯びた空気をできるだけ均等に吸い込めるようにするため、技術的に調整することもできる。
【0069】
しかしながら、上記の変形例に代えて、ユーザが本発明による飲用装置で飲用する場合、飲用液体用搬送路１８のみがユーザの口腔内にさらに延長され、その一方で、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２ははユーザの唇の領域で終わってもよい。この手段により、芳香を帯びた空気と飲料液との間の接触時間を可能な限り短く保つことができ、そしてユーザの喉の部分で芳香がすでに到達できるという利点もある。
【0070】
本発明による飲用装置を有意義な方法で用いられるようにするために、まず、飲用装置が保管されている間に香りが望ましくない形で逃げないこと、また、既に純粋な飲用液体で満たされている飲用装置内の液体が流出しないことが保証されなければならない。さらに、飲用装置は、飲用液体用の貯蔵容器の内部と外部雰囲気との間に、圧力を均等にする役割を果たし、かつ、飲用時に飲料装置から引き出される飲料用液体の量に対応する量の空気を飲料装置内に導入する空気流路を依然として有していなければならない。この空気流路には適当な遮断装置を設けて、飲用液が不必要に漏れないようにする必要がある。
【0071】
図３ａ及び３ｂは、マウスピースが、飲用装置１０上の回転軸３０を中心に枢動するように、かつ、図３ａに表される飲用位置と図３ｂに表される密封位置との間で矢印Ｃの方向に往復移動するように配置される実施形態を示す。そのために、マウスピースには、飲用液体用搬送路１８の連続部１８ｂと、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２の連続部２２ｂが設けられている。これらは、図３ａに示される飲用液体用搬送路１８及び２２と同一平面上にあるだけであり、その結果、ユーザは、マウスピース１６を介して飲用液体および芳香化された空気を取り込むことができる。図３ｂに示されるように、閉じた状態では、飲用装置１０とマウスピース１６との間にポジティブなフィット感が生じ、それによって、洗練された美的印象が生じる。
【0072】
図３ｂに模式的に提示された実施形態から逸脱して、密封状態において、搬送路２２、１８の連続部２２ｂ及び１８ｂが外部に開かないように、閉じた状態のマウスピース１６およびマウスピースに設けられたレセプタクル形状を変更することも可能である。これにより、飲用装置が使用されていない段階では、望ましくない物質が外部からマウスピース１６に入り込むことはない。
【0073】
図４ａ及び４ｂは、圧力均等化の目的で空気を供給するための空気供給ライン３２用の均圧弁の可能な実施形態を概略的に示している。その際、逆止弁が用いられる。
【0074】
このような逆止弁は、一方では本発明による飲用装置の壁３６にしっかりと固定され、他方では封止板３８を備える弾性構造要素３４から構成することができ、この封止板３８は、図４ａに示すように、圧力不足の場合、増加した外圧の影響を受けて変形し、矢印Ｄの方向に空気が空気供給ライン３２を通って貯蔵容器の内部に流入することができる。図４ｂに表されているように、圧力が均等化されると、封止板３８は、その後、容器の内側の面から壁３６に対して近接し、空気供給ライン３２を閉じるため、外気は方向Ｅに沿って貯蔵容器１２の内部に流れ込むことはなく、同時に、空気供給ライン３２を通って液体が流出することもない。何らかの理由で貯蔵容器の内部圧力が外部雰囲気の圧力よりも大きい場合には、図４ｂに表されているのと同じ状況が生じ、容器の内部から液体又は空気の望ましくない漏出形が防止される。
【0075】
図５に示される実施形態は、回転可能なマウスピースを用いる図３ａ及び３ｂに示される解決策の変形である。図５による実施形態では、マウスピース１６は、矢印Fの方向に移動して再び戻ることができ、図５に示すように、飲用装置が飲用位置にあるときに、飲用装置１０のヘッド部１４から一定の距離を突出する。スライドとして設計された口金１６を移動させることができるように、上面にフルート形状（図示せず）の形の把持補助具を適切な方法で提供することができる。図５による実施形態は、極めて洗練された解決策であり、飲用プロセスの後、口端部２８がヘッド部１４の周面と同一平面に閉じることができるまで、マウスピース１６は矢印Ｆの方向に移動し、これにより、飲用装置が開いた状態であるか閉じた状態であるかをユーザに直接示す。図５による解決策は、マウスピースが図５に表される押し出し位置にあるときに限り、搬送路１８及び２０を飲料装置の軸方向にマウスピースの方向に延ばし、搬送路１８及び２２の連続部と同一平面にすることによって技術的に実現することができる。これは、例えば、カムを用いて達成することができ、これにより、回転運動によって開閉が可能になる。
【0076】
図６において、貯蔵容器１２にねじ込まれる回転蓋４０を用いた本発明の別の実施形態を表し、貯蔵容器１２にねじ込まれ、それによって、口端部２８は、飲用液体用搬送路１８と、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２と緊密に閉じる。また、回転蓋４０は、貯蔵容器１２の上に十分に延びることができ、蓋がねじ込まれたときに、図６に表されていない均圧用の空気供給ラインへの入口開口部が同時に閉じられる。蓋の利点はまた、口端部２８を汚染から保護することと、ねじ接続の耐圧性により、炭酸液体４２を充填した飲料装置を確実に密封するのにも適していることにある。
【0077】
図７に示されたロック装置の変形例は、ヘッド部１４に配置されるプルバルブ４４を含む。ユーザがプルバルブを矢印Ｇの方向に引き出せば、飲用装置１０は飲用のために開く。しっかりと密閉するために、プルバルブ４４は再びヘッド部の方向に矢印方向Ｇの反対方向に押す。プルバルブ４４として設計された口金の位置により、ユーザは、飲むためにボトルを傾ける必要がないことを識別することができる。プルバルブが引き出された位置にあり、そのために飲料装置がしっかりと閉じられていないことを、おそらく異なる色でコーディング／マーキングすることによって、ユーザに明確に示すことができる。
【0078】
図８は、回転式プラグを用いた更なる解決策を示す概略図である。回転プラグ４６は、密封装置としても、搬送路１８を通る飲料液の体積流量及び空気チャネル２２を通る芳香を帯びた空気の体積流量を絞るための絞り装置としても用いることができる。図８に概略的に示される回転プラグ４６は、飲用装置のヘッド部に回転可能に配置され、ハンドホイール５０を作動させるユーザによって回転方向Ｈにユーザが動かすことができる。回転プラグ４６の一部は、ハウジング内に回転可能に案内され、その中に貫通開口部４８ａ及び４８ｂが配置されているシャフト５２である。当該シャフトは、図８に示された向きにおいて、飲用液体用搬送路１８及び芳香を帯びた空気用の搬送路２０と同列に並ばない図８に示される向きの貫通開口部４８ａ及び４８ｂを含む。しかし、開口部４８ａ及び４８ｂを有する回転方向Ｈへの回転プラグ４６の作動により、シャフト５２が約９０°回転すると、開口部４８ａ及び４８ｂが流路２２および１８と面一になるので、流れの接続部が開放される。しかし、回転プラグを操作することで、開口部４８ａ、４８ｂの開口断面の一部のみが空気や液体の流れに利用可能な位置にすることもできる。このようにして、回転プラグは、絞りにも用いられる。
【0079】
Ｘ字形に配置された流路を備えた回転プラグ４６を代替的に用いて、飲料液と芳香を帯びた空気の比率を変えることができる。そのため、回転プラグの開口部４８ｂの断面は、飲料液を搬送するＸ字形流路の断面と同じであるが、芳香を帯びた空気の搬送用のＸ字型流路の断面はこれらと異なる。図８の詳細図に概略的に示されるように、開口部４８ａ及び隣接する流路の断面は、開口部４８ｃ及び隣接する流路の断面よりも大きい。その結果、ユーザは、回転プラグの回転位置を選択することにより、一方で、搬送路１８及び空気流路２２を閉じることができ、他方で、飲用液体用搬送路１８が開いているときに、空気流路２２に対して異なる流れ断面積を設定することができ、その結果、芳香を帯びた空気の量を絞ることができる。
【0080】
回転プラグの利点は、流れを連続的に調整できることと、ロック装置の操作がすべてのユーザに対して直感的に把握されることである。
【0081】
図示されていないさらなる実施形態では、図７による実施形態と同様に、マウスピースが閉じた位置と開いた位置との間で軸方向に押されるスポーツバルブを備えることができる。飲用液体用搬送路１８及び芳香を帯びた空気を搬送するための空気流路２２に加えて、圧力均一化のための空気供給ライン３２も、マウスピースの操作で同時に開閉することができる。先行技術や当業界で公知のスポーツバルブと同様に、マウスピースは、飲用装置を飲用状態にするときには引き出され、それに対応して、飲用装置をしっかりと閉めるときには、再び収納容器の方向に押し出される。しかしながら、スポーツバルブを備えた公知の飲料容器とは対照的に、飲料液及び芳香を帯びた空気はユーザによって吸い込まれるので、飲料を飲むときに飲用装置を逆さまにする必要はない。
【0082】
一体型バルブの使用は、図９及び１０に示されている。図９は、一体型バルブは、走行する芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２が飲用液体用搬送路１８から別個に備えられている状態が示されているが、図１０では、図１に基づき概略的に示されたように、搬送路１８及び２０が直列に接続されている。
【0083】
図９を参照すると、飲用装置のマウスピース１６は、ヘッド部１４に対して矢印方向Ｊ再び引き出され、押し込まれることができることが明らかである。図９に示される引き出した状態では、搬送路１８及び空気流路２２が開いているので、飲用装置で飲用することができる。また、圧力均一化のための空気供給ライン３２も開いている。マウスピース１６がヘッド部１４にしっかりと接するまでマウスピース１６がヘッド部１４に押し付けると、空気供給ライン３２の開口部５４はマウスピース１６のリップ５４で密閉される。マウスピース１６はヘッドパーツに対してオフセットされているので、ヘッドパーツからマウスピースへの流れの接続も、空気流路２２のマウスピース１６への進入点で遮断され、空気流路２２が閉じられる。さらに、飲用液体用搬送路１８も、矢印方向Ｋの動きによって閉じられる。その結果、図９に表された一体型バルブを用いて、飲用液体用搬送路１８、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２、及び圧力均一化用の空気供給ライン３２を同時に開閉することができる。口端の領域における、図９及び図１０に示されたマウスピースの形状は、模式的に表されているだけであり、もちろん、ユーザにとって人間工学に基づいたいかなる形状にすることができる。
【0084】
閉じた位置でマウスピース１６をロックすることは、例えば、図10に表されている、ロックニップル１５ａ及び１７ａと対応する凹部１５ｂ及び１７ｂの形態の形状適合要素(Formschlusselemente)によって達成することができる。
【0085】
図１０による実施形態は、芳香を帯びた空気の搬送用のマウスピース１６の空気流路２２が口端２８まで導かれず、そのかわり、マウスピースの領域で飲用液体用搬送路１８に流れている点のみが、図９による実施形態と異なる。しかしながら、それ以外の点では、図10による実施形態は、図9による実施形態と変わらないので、密封装置の作動原理に関しては、図9に関する説明を全面的に参照することができる。
【0086】
図１１ａ及び図１１ｂによる実施形態は、密封装置を芳香容器２０に一体化する。芳香容器は、芳香容器２０内に設けられた飲用液体用搬送路１８の連続部１８ｂを、図１１ｂに示される飲用液体用搬送路のセクション１８ａ及び１８ｃとのフラッシュ接続にするために、バネ５６の圧縮力に抗して矢印Lの方向に指で押される。その際、搬送路１８を介した液体接続は、ユーザが実際に芳香容器２０を外部から指で押す場合にのみ存在すると考えられる。しかしながら、同様に、ボールペンのロック機能に匹敵する係合位置を設けることも可能であり、図１１ｂの二重矢印Ｌで示されるように、芳香容器を再び押すと、芳香容器を図１１ａで表される初期位置に戻すことができる。
【0087】
図示されていない代替実施形態では、しかしながら、図１１ａ及び１１ｂに示されている並進運動Ｌの代わりに、芳香容器を回転可能に挿入することも可能であり、これにより、回転プラグを用いて図8に表された解決策と比較して、容器をロック位置と少なくとも1つの飲用位置との間で回転させることができる。回転の角度を変化させることによって、いずれの場合も、断面サイズが異なる芳香容器の別の開口部を、空気流路２２と流体的に接続することができる。このようにして、芳香を帯びた空気の量、したがって香りの強さを制御することができる。例えば、「オフ」、「ミディアム」、「ストロング」の位置が考えられ、この例では、異なるサイズの2つの穴を有するアロマ容器が必要となるだろう。実施例の第３の位置では、空気流路２２は閉じられているので、したがって、液体は、空気を供給せず、香りを加えずに液体を飲むことが可能である。この解決策の利点は、香りの容器が同時に密閉されているため、必要な部品の量が少なくて済むことである。
【0088】
図示されていないさらなる実施形態では、遮断装置は、絞り装置によっても構成することができる。そのためには、例えば飲料用液体の搬送路のように、密封されるべき流路の一部に、例えば回転可能に移動できるように溝に配置されたホイールによって絞り込まれる柔軟なチューブを設け、流れの接続を絞り込んだり遮断したりする必要がある。この技術的ソリューションは、遮断ホイールと輸送路に導かれた物質との間に直接的な接触がないため、衛生的な要件を満たす。したがって、このソリューションは、例えば、。そのため、この解決策は、輸液の搬送量を調整するため等、輸液の搬送量を調整するために医療分野でも用いられる。作動ホイールの大部分が飲用装置のヘッド部に沈んでいる場合、この技術的解決策により低い構造を実現できる。
【0089】
上記に示した実施形態では、記載の簡素化のため容器のヘッド部に配置された単一の香り容器のみを提供する。
【0090】
すべての実施形態に共通することは、例えば、飲用装置の底部に、動作中の芳香容器が使い果たされるか、消費者が風味のプロファイルを変更したい場合すぐに、既存の芳香容器と交換できる、少なくとも１つのさらなる芳香容器のためのさらなる収容形状があるように設計できることである。図１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、及び１２ｄでは各々、中央に配置された回転接続部５８を介してヘッド部（図１２ａから１２ｄには示されていない）に回転可能に接続できる貯蔵容器１２の上面図を概略的に示す実施形態が示されている。上面図は、各貯蔵容器１２が、液体を飲むためのフィラー開口部６０を含むことを示す。図１２ｂ及び１２ｃによる実施形態では各々、単一の芳香容器２０のみがのみが提供されているが、図１２ａ及び１２ｄによる実施形態では各々、３つの芳香容器２０が挿入されており、それによって、異なる量の芳香容器も可能である。
【0091】
芳香容器２０に対応するレセプタクル６６は、図１３に見ることができる。図１３からも分かるように、芳香容器２０には、芳香容器２０が貯蔵容器１２の対応するレセプタクル６６にぴったりと挿入された後、芳香容器２０を取り外すことができるマーキングタブ６２を設けることができる。さらに、マーキングタブ６２は、貯蔵容器１２の外側に延びるように配置することができ、したがって、用いられる芳香プロファイルに関する情報をユーザに提供することができる。
【0092】
複数の芳香容器が提供される場合、貯蔵容器１２の本体に対してヘッド部（図１２ａから１２ｄ及び図１３には示されていない）を回転させることにより、個々の芳香プロファイルの間で選択することができる。この目的のために、そのために、ヘッド部には、対応するマーキング又は係合機構（図示せず）が設けられており、ユーザはこれを用いて、複数の芳香容器の１つから飲料装置のマウスピースへの空気流路２２のフロー接続を確立できる。このようにして、飲みながらでも味のプロファイルを変更することができる。同様に、しかしながら、空気流路２２のいずれも連続的に接続されない位置にヘッド部を標的配置することにより、純粋な飲料液を飲用することができる。
【0093】
図１４ａ及び図１４ｂに示す実施形態では、図１２ａから図１２ｄ及び図１３による実施形態とは対照的に、個々の芳香の混合物を生成することができる。そのために、貯蔵容器１２とマウスピース１６を備えたヘッド部１４との間に混合装置６４が配置されている。混合装置６４は、図１４ａによる例示的な実施形態では、芳香容器２０用の３つの異なるレセプタクルを包含する。３つの異なる異なるレセプタクルは各々、中間プレートとして設計された混合装置６４に挿入される。したがって、混合芳香は、様々な芳香物質から生成することができる。混合芳香は、混合リング６８を介して吸い出され、ヘッド部１４の隣接する空気流路２２を介してマウスピースに供給される。
【0094】
図１４ａ及び１４ｂに示される技術的解決策は、ユーザが独自に香りのプロファイルを組み合わせて生成できるという利点がある。
【0095】
図１５は、芳香容器２０が個々のセグメント２０ａ、２０ｂ、２０ｃに分割され、蓋７０によって上向きに閉じられている代替デザインを示す。ユーザは、個々の芳香を自由に編集できる。個々の芳香は、個々のセグメント２０ａ、２０ｂ、２０ｃに挿入され、そこから混合物がユーザは、個々の芳香を自由に組み合わせて組成して混合物を作製できる。
【0096】
上記の説明で異なる芳香が言及された場合、同じ風味のプロファイルを含むが、フレーバーの強さが異なる個々の芳香も該当する。
【0097】
図１６による実施形態は、下側にばね５６を備えた芳香容器２０を取り付ける可能な方法を概説する。本質的に円筒形の芳香容器２０の周壁は、ここに示される芳香孔７２に加えて、互いに角度をつけて配置された２つの部分を有する溝であるガイド７４を有する。第１のセクション７４ａは、円筒形芳香容器の回転軸に平行平行に配置されており、一方、第２のセクション７４ｂは、第１のセクション７４ａに隣接し、端面７４ｃまで円周方向に配置されている。可能な関連する貯蔵容器１２が図１７に示されており、図１２ｃに表された形状と類似しており、実質的に半円セグメントの形状に形成された充填剤開口部６０と、図１６に表されたアロマ容器用のレセプタクル６６とを備える。それによってレセプタクル６６の周壁には、挿入時にガイド７４内に移動するように配置および設計された突起７６が配置されている。しかしながら、芳香容器は、図１７に示す頭部を配置することにより固定されているため、図１７による貯蔵容器はまた、受容空間６６と芳香容器２０との間のバヨネット接続が必要とされないように設計され得る。
【0098】
したがって、芳香容器が挿入されると、芳香容器は、突起７６に対して正しい角度位置に挿入され、最初は軸方向Ｌに挿入され、それによって突起７６はガイド７４の第１の部分７４ａを通過し、その後、レセプタクル６６に対して矢印Ｍ方向に回転して移動し、突起７６はガイド７４内の第２の部分７４ｂを通り、端面７４ｃに至る。突起７６が停止面７４ｃに当接するとすぐに、芳香孔７２は空気流路と流れ連通する。
【0099】
図１８ａ、１８ｂ、及び図１９による実施形態では、図１９に最もよく示されているように、芳香容器２０を直接挿入できる別個のマウスピース１６が示されている。この解決策における芳香容器は、交換する必要はない。なぜなら、芳香容器を交換する代わりに、マウスピース自体を交換するからである。マウスピースを芳香容器と交換することにより、衛生状態が改善され、加えて個々の部品の数も削減され、本発明による飲用装置の使用が簡素化される。飲料装置のヘッド部へのマウスピースの取り付けに関しては、マウスピースと飲用装置のヘッド部との間が必要程度に密閉されている限り、いかなる所望の解決策を用いることができる。
【0100】
図２０ａ及び２０ｂによる概略的な実施形態は、ハウジングが透明であるかのように提示されている本発明による飲用装置を示している。飲用装置１０は再び貯蔵容器１２とヘッド部１４とからなる。ヘッド部１４は、この例ではロックナット付きのねじ切りボルトとして表されている回転可能な接続部５８によって、貯蔵容器に対して矢印Ｐの方向に相対的に回転させることができる。芳香容器２０は、ヘッド部に挿入され、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２は、飲用液体用搬送路１８ｂに流れ込むが、空気流路２２は同様に口端部２８まで搬送流路１８ｂと平行に導くことができるので、このことは本実施形態の理解には全く重要ではない。
【0101】
ヘッド部１４が貯蔵容器１２に対して回転した場合、図２０ｂに示されるように、飲料液用搬送路の部分１８ａおよび１８ｂだけでなく、ヘッド部に配置された空気供給ライン部分３２ｂを有する空気供給ライン３２も流路接続させることができるので、図２０ｂに表される構成では、飲用装置は動作状態にある。収納容器１２とヘッド部１４との間の分離面７８は、収納容器１２の円筒状の外壁に対して垂直に延びておらず、斜めに配置されているので、図２０ａと比較して、図２０ｂに例示されているように、ヘッド部１４の位置は、密封収納位置と飲用位置との間で変化する。このようにして、飲用装置が飲用位置にあるかどうかをユーザに知らせることが可能であるだけでなく、飲用のためにできるだけ人間工学的に優れた位置が確立される。
【0102】
図２１及び図２２に示す本発明による飲用装置の実施形態では、マウスピース２８に近接してヘッド部１４に配置される芳香リングとして設計された芳香容器２０が用いられる。図２１及び２２による例示的な実施形態では、口端２８には、単一の開口部、すなわち飲用液体用搬送路１８のみがある。なぜなら、図２１に見られるように、空気流路２２は、口端の直前で開口しているからである。しかし、同じ方法で、芳香リングを用いる場合、飲用液体用搬送路１８と、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２を、口端２８まで並行して導くこともできる。
【0103】
リング形状の芳香容器２０は、異なる香りの強さ、あるいは香りのプロファイルを含むことができる様々なセグメント２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄに分割されている。容器のヘッド部１４に設けられたマーキング７８は、どのアロマチャンバが用いられているかをユーザに示す。マーキング７８が個々のチャンバ上の各々のマーキング８０と整列されていない場合、図２１及び図２２による実施形態では、芳香容器と飲用液体用搬送路１８との間の接続を遮断することもできるので、ユーザは、本発明によるシステムを介して風味付けされた飲料液を飲用できない。芳香容器は、単にヘッド部１４の対応する凹部に摩擦的に挿入することができ、ユーザにとって特に簡便に用いることができる。
【0104】
図２１及び図２２に示された実施形態とは異なり、分割されていない芳香リングを提供し、その結果、消費者に単一の風味プロファイルを提供することももちろん可能である。この利点は、チャンバの数に関係なく、ユーザが簡単に交換及び処理できることである。いくつかの異なるタイプの芳香の場合、ユーザは飲用中に芳香を変更できるが、また、芳香が追加されず、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２も閉じられている位置にリングを持ち込むこともできる。その結果、気泡が水に入らないようになるため、ユーザは異なる口当たりを得ることができる。
【0105】
図２３ａ、図２３ｂ、及び図２３ｃに示される実施形態は、上部が開放された飲料用ビーカーである飲用装置１０である。この実施形態では、芳香容器２０は、貯蔵容器１２の外周を取り囲むリングとして示される。そしてリングは、図２３ｃに示されるように、芳香を帯びた空気の搬送用の短い空気流路２２を介して飲用液体用搬送路１８に接続されるか、あるいは図２３ｃに示されないような、飲用液体用の搬送ダクトと平行であり、かつ、口端２８まで案内される空気流路を有する。飲用カップを用いる場合、図２３ｂに示されるように、飲料液は口端２８から吸い出され（図２３ａ参照）、それにより、図１に示されるように、気泡で芳香を帯びた空気と混合された飲料液が吸い込まれる。ここでも、飲用液体用搬送路１８と芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２との並行誘導も考えられる。
【0106】
図２３ａに示される開放飲料容器の変形例は、開放飲料容器と同じ能動的原理に従って機能するショットグラスであってよく、そして例えば、例えば蒸留酒(Spirituose)にも用いられるショットグラスであってよい。蒸留酒には追加のフレーバーを提供する必要がある。
【0107】
図２４ａ及び２４ｂには、本発明の別の一実施形態が示されている。この実施形態の特別な特徴は、ヘッド部１４が貯蔵容器１２として機能するいかなるボトルにねじ止めできることにある。芳香容器は、ヘッド部１４に恒久的に取り付けられている。この芳香容器は、図示されていない空気流路２２を介して、口端２８まで飲料液のために芳香を帯びた空気を搬送路１８に平行に搬送するか、あるいは図１の概略図に示されるように、口端２８の少し前に搬送路１８に開口する。図２４ａ及び２４ｂによる実施形態では、この芳香容器は、図示されていない従来のボトルを用いることができ、これは、ヘッド部１４とそれに接続された吸引管８０とを交換することによって、所望のように再構成することができる。この実施形態は、品質が不十分なために水道水が飲めない地域において特に有利であり、そのため、消費者は飲料液として、ボトルトップによっていかなる所望の味のプロファイルに変更することができる純粋な水を飲料液として購入することができる。
【0108】
本発明のさらなる実施形態が、図２５ａおよび２５ｂに模式的に示される。この実施形態では、本発明による飲用装置１０は、開いたガラスとして設計された貯蔵容器１２と、貯蔵容器内に配置される飲用ストロー８２とから構成されており、吸引管８０、飲用液体用搬送路搬送路１８、および飲用ストローの周囲にリング状に配置された芳香容器２０により、芳香を帯びた空気の搬送用の空気流路２２の構成要素および機能を兼ね備える。この飲用ストローは、ボトルトップを用いる上記の例示的な実施形態と同様に、飲料用ストロー８２は、いかなる所望の貯蔵容器１２と組み合わせることができ、それによって、芳香容器２０は、好ましくは交換可能ではなく、代わりに飲料用ストローと恒久的に接続される。
【0109】
最後に、実施形態が図２６ａ及び図２６ｂに示されており、ここでは、図示されていない飲用装置１０の図示されたヘッド部１２は、例えばスポーツバルブを用いる飲用装置では、消費者は、飲用ボトルを傾けるのに慣れており、そのようにできる実施形態を提示する。図２６ａ及び２６ｂによる実施形態の特別な特徴は、吸引管８０も飲料用ストロー８２も必要ないことである。これらの要素がないと、本発明による飲料システムは、衛生的に扱いやすくなる。さらに、この実施形態では、個々の構成要素の数を減らすこともでき、製造を簡素化し、システムを組み立てるのに必要な時間を短縮することができる。
【0110】
さらに、従来のシステムの消費者は、自分の飲みかけのボトルを傾けることに慣れている。上記の例示的な実施形態とは対照的に、通常の取り扱いでは、図２６ａ及び２６ｂに示されるシステムは、貯蔵容器12から液体を誤ってこぼすことはない。図２６ａ及び２６ｂに示されるヘッド部１４は、示されるねじ山８４又は他の取り付け手段を介して貯蔵容器１２に接続することができる。その場合、接続が液体の漏れを防止するように注意しなければならない。飲用装置１０の内側領域と外側領域との間の圧力均等化のために、例えば図４ａ及び図４ｂに示されるように、逆止弁８５を取り付けることができる。
図２６ａに示される実施形態では、芳香容器は、一例として幅の広いリング８３として示されており、その機能原理は芳香容器２０に対応する。芳香容器は、空気流路２２を介して流動的に接続されている。開口部８６には、図示しない変位可能なマウスピースを押し込まなければならないが、このマウスピースは、スポーツ用飲料ボトルの従来のマウスピースに相当し、実質的に柔軟な材料で作られていなければならない。図示されていないマウスピースは、方向Ｋに変位されることによって、飲料装置１０を開閉する。
図２６ａに示される実施形態では、芳香容器は、一例として幅の広いリング８３として示されており、その機能原理は芳香容器２０に対応する。芳香容器は、空気流路２２を介して流動的に接続されている。開口部８６には、図示しない変位可能なマウスピースを押し込まなければならないが、このマウスピースは、スポーツ用飲料ボトルの従来のマウスピースに相当し、実質的に柔軟な材料で作られていなければならない。図示されていないマウスピースは、方向Ｋに変位されることによって、飲料装置１０を開閉する。
【0111】
図２７ａ及び２７ｂでは、本発明による飲用装置の好ましい実施形態は、飲用装置のヘッド部１４内のマウスピース１６上の液体流路１８の変化とともに示される。図２７ａに示すテーパ１９又は図２７ｂに示すマウスピース１６の流路の拡張部２３によって、液体と空気の混合物の圧力条件を変更できる。これにより、気泡の形状とサイズが変わり、より快適な飲み心地が得られる。
【0112】
飲用装置１０の改良のさらに好ましい一実施形態が図２８ａ及び図２８ｂに示されている。本発明による改良の好ましい実施形態では、飲用装置１０の貯蔵容器１２内の液体流路１８は、テーパ状（図２８ａ－番号２１）又は拡張（図２８ｂ－番号２５）されている。これにより、貯蔵容器１２の充填レベルが異なっても、一定又は変更された吸引圧力が可能になる。必要な吸引圧力は、液体の静水圧と液体流路１８の壁での流体の摩擦損失によって本質的に決められる。パスカルの法則によれば、その場合、静水圧は常に貯蔵容器１２の充填レベルに正比例し、かつ、飲用者に用いられる吸引圧力に有意に影響する。液体流路１８の幾何学的形状を変更することで、この負の変化は部分的又は完全に補正することができ、それによって飲用感が改善される。さらに、ここでは示されていないが、本質的に実質的に幅広でありながら平坦な貯蔵容器を用いることにより、圧力差を低減することができる。
【0113】
図２９に示される飲用装置１０のさらに好ましい一実施形態は、ヘッド部１４の空気流路２２が一点２７でのみ狭くなっており、それ以外の空気流路の断面はより広い場合である。これは、空気流路２２の断面、特に直径が必然的に小さくなるにもかかわらず、製造および洗浄が容易になるという利点がある。例えば、図２９に例示される実施形態では、液体流路１８から空気流路２２に流れる液体は、妨げられずに液体流路１８に容易に戻ることができ、衛生上の利点がある。
【0114】
さらに好ましい実施形態が図３０ａ及び３０ｂに概略的に示されている。ここでは、ヘッド部１４を本質的に軸対称に２つの部分１４ａ及び１４ｂに分割することができる解決策が例として示されている。両方の部分１４ａ、１４ｂは各々、内側に空気ダクト２２及び液体ダクト１８の一部を含む。空気流路２２及び液体流路１８は、２つの半分１４ａ、１４ｂが矢印Ｃの方向に接合されると、飲用装置に必要な流路を形成する。図３０ａ及び図３０ｂの好ましい実施形態では例としてリングとして示されている固定装置２９は、矢印方向Ｄへの変位により２つの部分１４ａ及び１４ｂ上に可逆的にともに保持することができる。図３０ｂでは、分割可能なヘッド部１４が飲用位置で示される。ここで、図示されていない芳香容器２０の凹部６６も円筒形である。本質的に柔軟な材料からヘッド部１４を製造することにより、密閉が達成される。
【0115】
分割可能なヘッド部１４のさらに好ましい一実施形態が図３１に示されている。その場合、芳香容器２０用の凹部６６は、ヘッド部でも可能である。ヘッド部の内部への統合は、ヘッド部が閉じた状態にある場合、芳香容器２０が外部から見えず設計コストが低くなること、及び芳香容器は、とりわけ、より複雑にならないように設計する必要があること、及び芳香容器からの芳香物質の揮発が、保管中に遅くなるという利点がある。芳香容器は、矢印方向Ｅに沿って２つの部分１４ａ及び１４ｂを結合することにより挿入される。ヘッド部１４の２つの部分は、ここには示されていない機構によってともに保持される。
【0116】
本発明による飲用装置を最適化するためのさらなる一実施形態は、図３２ａ、３２ｂ及び３２ｃの例として示される。その場合、液体流路１８及び空気流路２２を含む飲用装置のヘッド部１４の好ましい一実施形態が図３２ａに示されている。図３２ａは、全長にわたって均一な形状である液体流路を示す。
【0117】
対照的に、図３２ｂは、飲用装置のヘッド部１４の好ましい一実施形態を示し、液体流路１８と空気流路２２との接続点における液体流路１８の直径は、他の点よりも小さい。それにより、飲用装置が用いられる場合、液体流路18内の液体の流れの状態が変化する。入口で狭くなるにより、動圧（衝撃圧）は入口で最大になり、液体の静圧は最小になる。液体の量は変化しないため、くびれた部分を流れるときの断面の比率で液体の速度が増加する。同時に、最も狭い箇所に取り付けられている空気流路２２の圧力が低下する。これにより、液体中の芳香を帯びた空気の吸収を防ぐ圧力差が生じる。その結果、ユーザは飲用装置をあまり強く吸う必要がなくなり、飲用感が向上する。ベンチュリ効果として知られるこの効果により、飲用装置は大幅に改善される。
【0118】
さらに好ましい一実施形態では、図３２ｃに例として示されており、かつ、液体流路１８及び空気流路２２が飲用装置のヘッド部１４に配置される。ここで、２つの流路の接続点において、２つの流路の少なくとも１つの断面は、各々の流路の他の領域の断面と比較して広い。また、これにより、飲用装置のユーザが異なる飲用感覚を抱くことができる。
【0119】
ヘッド部１４のさらに好ましい一実施形態では、図３３ａ及び図３３ｂに例として示されており、かつ、空気流路２２が、液体流路１８の外壁上の凹部として本質的に設計されたチャンバ８７によって中断される。チャンバ８７による空気チャネルの中断は、その場合、飲料液（液体流路）及び空気流路２２のための着脱可能な立ち上がり配管１８の接触点で、飲料装置のヘッド部１４に凹部が提供されるように設計されている。示されている例示的な実施形態では、空気流路２２は、上方位置で芳香容器２０からチャンバ８７に開口している。反対側では、空気流路は、チャンバ８７のより低い位置で搬送路１８を通る流路２２ｂとして続く。このように設計されたチャンバを介して、飲料液が芳香容器２０に逆戻りするのを防ぐ。
空気流路２２の連続する反対の位置により、チャンバ８７は可能な限り最良の方法で用いられる。チャンバ８７の内外にある空気流路２２の入口開口部及び出口開口部の異なる高い位置により、とりわけ飲料液が飲料液のために搬送路１８に戻されることが可能になる。例えば本質的に弾性の材料で作ることができるヘッド部１４と飲用液体用の搬送路１８との間の接触点におけるチャンバ８７の配置は、構成要素が分解された後の洗浄を容易にする。加えて、図３３ａ及び３３ｂにおいて、空気供給ライン３２は、図示されていない飲用液体用の貯蔵容器１２へのヘッド部１４を通って示されている。図３３ｂは、図３３ａによる飲用装置のヘッド部１４の実施形態を断面で示しており、これにより、空気流路２２ｂの連続における、チャンバ８７及び空気流路２２の入口点及びチャンバ８７からの出口点の位置が明確にされる。
空気流路２２の連続する反対の位置により、チャンバ８７は可能な限り最良の方法で用いられる。チャンバ８７の内外にある空気流路２２の入口開口部及び出口開口部の異なる高い位置により、とりわけ飲料液が飲料液のために搬送路１８に戻されることが可能になる。例えば本質的に弾性の材料で作ることができるヘッド部１４と飲用液体用の搬送路１８との間の接触点におけるチャンバ８７の配置は、構成要素が分解された後の洗浄を容易にする。加えて、図３３ａ及び３３ｂにおいて、空気供給ライン３２は、図示されていない飲用液体用の貯蔵容器１２へのヘッド部１４を通って示されている。図３３ｂは、図３３ａによる飲用装置のヘッド部１４の実施形態を断面で示しており、これにより、空気流路２２ｂの連続における、チャンバ８７及び空気流路２２の入口点及びチャンバ８７からの出口点の位置が明確にされる。
【0120】
すべての実施形態に共通するのは、芳香が口腔内でのみ知覚されるため、直鼻性の嗅覚印象は生じないということである。芳香の経口吸収により、ユーザの風味の印象は、もっぱら芳香物質の鼻腔後方知覚によって生じ、もしあったとしても、無視できる量で経腸ルートを介して知覚されるだけである。複雑な芳香と芳香混合物も生成できる。飲用液中での長期安定化が必要なく、かつユーザーが飲み込むことのできない複雑な香りや香りの混合物も作製することができる。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図19】
【図20a】
【図20b】
【図21】
【図22】
【図23a】
【図23b】
【図23c】
【図24a】
【図24b】
【図25a】
【図25b】
【図26a】
【図26b】
【図27a】
【図27b】
【図28a】
【図28b】
【図29】
【図30a】
【図30b】
【図31】
【図32a】
【図32b】
【図32c】
【図33a】
【図33b】