(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】部品処理組立体
(51)【国際特許分類】
B65B 15/04 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
B65B15/04 C
B65B15/04 L
B65B15/04 N
(21)【出願番号】P 2021523224
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 IB2019060486
(87)【国際公開番号】W WO2020121134
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-10
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】521172918
【氏名又は名称】イスメカ・セミコンダクター・ホールディング・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】デ・ジェズス・メンデス・ヌネス・マルコ・マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】パルミサーノ・ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】タイヤール・レミ・エリク・パトリス
(72)【発明者】
【氏名】エム・ティエリー
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-292140(JP,A)
【文献】特開2009-040486(JP,A)
【文献】特開2013-145248(JP,A)
【文献】特表2015-518801(JP,A)
【文献】米国特許第5865114(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線路と、
複数のシャトルと
を備える、輸送システムを備える部品処理組立体であって、
前記複数のシャトルのそれぞれが個々に駆動可能であり、線路に沿って前記複数のシャトルが互いに独立して駆動可能であって、
前記複数のシャトルのそれぞれが、部品を保持可能な少なくとも1つのピックアップヘッドを備えていて、
前記線路のそばに配置されている複数の場所であって、前記複数の場所が、
シャトルのピックアップヘッドが取り上げ場所に位置しているトレイから部品を取り上げ可能である、取り上げ場所と、
1台又はそれより多いカメラを備えて、部品を検査可能である、少なくとも1つの映像検査場所と、
シャトルのピックアップヘッドが部品をトレイに置ける少なくとも1つの置き場所と、シャトルのピックアップヘッドが部品をテープのポケットに置けるテープ場との少なくとも一方と
を備える前記複数の場所と
を備え
る部品処理組立体において、
前記部品処理組立体は、
シャトル(2b)が線路(2a)を周って動く際、各シャトル(2b)のピックアップヘッド(7)に真空を供給するように構成されている、真空システム(100、100a、100b、100c)をさらに備え、
真空システム(100a)は、
真空を生成するように操作可能な真空生成手段と、
室部(103a)を画定している真空リング(103)であって、室部(103a)が真空生成手段(501)に流体接続されているので、真空生成手段(501)によって生成された真空が真空リング(103)の室部(103a)内に真空を作る、真空リング(103)と、
回転軸線(105b)周りに回転可能であり、複数の一次導管(107)を備える、回転可能なディスク(105)であって、各一次導管(107)は真空リング(103)の室部に流体接続されていて真空リング(103)から放射状に延在するように構成されている、回転可能なディスク(105)と
回転可能なディスク(105)の周縁に配置されていて、一次導管(107)のそれぞれが各出口部(109)に流体接続されている、複数の出口部(109)と、
二次導管(110)のそれぞれが各出口部(109)と各シャトル(2b)との間に流体接続されていて、真空が各シャトル(2b)のピックアップヘッドに供給可能となっている、複数の二次導管(110)と
を備える、
輸送システムを備える部品処理組立体。
【請求項2】
線路がループ形状である、請求項1に記載の部品処理組立体。
【請求項3】
前記部品処理組立体はさらに、シャトルのピックアップヘッドが、欠陥があると判断された部品をトレイに置ける取り除き場所を備え
、
取り除き場所は、欠陥があると判断された部品をシャトルのピックアップヘッドで置ける少なくとも2つのトレイを備え、
シャトルのピックアップヘッドが1つのトレイに部品を置ける、線路に沿った位置は、シャトルのピックアップヘッドが別のトレイに部品を置ける、線路に沿った位置とは異なる、請求項1又は2に記載の部品処理組立体。
【請求項4】
取り上げ場所は、シャトルのピックアップヘッドで部品を取り上げ可能な少なくとも2つのトレイを備え、
シャトルのピックアップヘッドが1つのトレイから部品を取り上げ可能な、線路に沿った位置と、シャトルのピックアップヘッドが別のトレイから部品を取り上げ可能な、線路に沿った位置とは異なる、請求項1から
3のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項5】
置き場所は、シャトルのピックアップヘッドに保持されている部品を置ける、少なくとも2つのトレイを備える、請求項1から
4のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項6】
テープ場所は、少なくとも2つのテープを備え、
各テープは、シャトルのピックアップヘッドに保持されている部品を置けるポケットを備え、
シャトルのピックアップヘッドが1つのテープのポケットに部品を置ける、線路に沿った位置と、シャトルのピックアップヘッドが別のテープのポケットに部品を置ける線路に沿った位置とが、異なる、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項7】
少なくとも1つの映像検査場所は、シャトル2bのピックアップヘッド上の部品の現在位置及び現在の向きを検出するのに使用されるカメラを備える2D検査場所13dをさらに備え、
2D検査場所13dからの画像は、部品処理ヘッド上で部品を現在位置及び現在の向きから所定の位置及び所定の向きに動かすため再センタリングモジュール又は埋め込みピックアップヘッド回転システムによって使用される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項8】
テープ場所は、
部品がこれから置かれるテープ上のポケットの位置に対して、ピックアップヘッド上の部品の位置を決定して、テープを動かして、シャトルのピックアップヘッドが保持している部品を直接テープのポケット内にシャトルのピックアップヘッドが置ける場所にポケットがあるように構成されているテープ前モジュールと、
テープのポケット内に配置された部品が、ポケット内で所定の向きとなっているかを確認するように構成されているテープ内モジュールと、
部品が配置されたポケットを密封するように構成されている、密封モジュールと
を備える、請求項1から
7のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項9】
回転可能なディスクは回転軸周りに惰性で回転するように構成されている、請求項
1から8のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項10】
真空システムは、回転可能なディスクを回転軸周りに回転するために駆動可能な駆動モーターをさらに備える、請求項
1から9のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項11】
真空システム(100b)は、
真空を生成するため操作可能な真空生成手段と、
真空生成手段に流体接続されていて、真空生成手段に生成される真空が真空室部内に真空を作る、真空室部と、
1つ又はそれより多い開口部が板部材に画定されていて、1つ又はそれより多い開口部が真空室部に流体接続されている、板部材と
を備える、請求項
1から10のいずれか一項に記載の部品処理組立体。
【請求項12】
複数のシャトル2bのそれぞれが、
板部材の一面に当接するように配置されていて、シャトル2bが線路に沿って動くと前記一面上を摺動するように構成されている、摺動部材を備え、
摺動部材はそこに画定されている溝を備え、その溝は入口部と出口部とを備え、前記出口部はシャトルのピックアップヘッドに流体接続されていて、前記入口部は板部材に画定された1つ又はそれ以上の開口部に整列されていて、シャトル2bが線路周りに動くとシャトル2bのピックアップヘッドに真空が供給可能となっている、請求項
11に記載の部品処理組立体。
【請求項13】
真空システム(100c)は、
真空を生成するため操作可能な真空生成手段と、
真空生成手段に流体接続されていて、真空生成手段に生成される真空が真空室部内に真空を作る、真空室部と、
真空室部を密封するため互いに当接する方向に弾性的に力がかけられている、互いに向かい合う密封部材と
を備える、請求項12に記載の部品処理組立体。
【請求項14】
複数のシャトル2bのそれぞれが、幹部分と固定部分とを持つキャリッジを備え、
幹部分は固定部分から、向かい合う密封部材の間に突出して真空室部内に突出していて、幹部分は真空室部内に自由端を持ち、
キャリッジは、キャリッジに画定されている溝部を持ち、溝部は、自由端に画定されている入口部と固定部に画定されている出口部とを持ち、
出口部はシャトル2bのピックアップヘッドに流体接続されていて、シャトル2bが線路周りに動くと真空がシャトル2bのピックアップヘッドに供給可能となっている、
請求項
13に記載の部品処理組立体。
【請求項15】
真空室部は、上部板と、互いに向かい合う密封部材とによって画定されてい
て、
向かい合う密封部材のそれぞれが、上部板に取り付けられている第1端部と、第2の自由端部とを持ち、向かい合う密封部材の第2の自由端部が、真空室部を密封して互いに当接している、請求項
13又は14に記載の部品処理組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品処理組立体、特に、線路に沿って互いに独立して移動可能な複数のシャトルを備える部品処理組立体に関する。ここで、シャトルのそれぞれは、
シャトルのピックアップヘッドが部品を取り上げられる取り上げ場所と、
シャトルのピックアップヘッドによって保持されている部品を検査できる映像検査場所と、
シャトルのピックアップヘッドによって部品をその中に運搬可能な少なくとも1つのトレイを備える置き場所と、シャトルのピックアップヘッドが部品を置けるポケットを持つテープを備えるテープ場所との少なくとも一方と
を備える。
【背景技術】
【0002】
既存の部品処理組立体では、トレイからの部品の選択、トレイへの部品の配置、トレイからトレイへの取り除かれた部品の並べ替え、テープのポケットへの部品の配置などの処理ステップが、組立体内の固定位置で実行される。その結果、
取り除かれた装置をトレイ内の適切な装置と交換する必要と、
空になった取り上げ場所で取り上げる部品を供給するトレイを交換する必要と、
いっぱいになった部品を受け入れるためのトレイを交換する必要と、
(部品を受け入れ可能なポケットがある)いっぱいになったテープを交換する必要と
の少なくともいずれかがあるため、遅延が発生する。遅延により、組立体内の流れ(連続性)が低下し、スループットが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9533785号明細書
【文献】国際公開第2004/079427号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、既存の部品処理組立体に関連する上記の不利な点の少なくともいくつかを回避又は軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、これらの課題は、独立請求項に記載された特徴を有する組立体によって達成される。ここで、従属請求項は、好ましい実施形態の任意の特徴を記載している。
【0006】
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明の助けを借りてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1a】
図1aは、本発明の一実施形態による部品処理組立体の平面図を示す。
【
図1b】
図1bは、
図1aの部品処理組立体で使用可能なシャトルのうちの1つの平面図を示す。
【
図2a】
図2aは、真空システムの1つの可能な実装を備える、
図1aの部品処理組立体の実施形態の斜視図を提供する。
【
図2b】
図2bは、シャトル及びそのそれぞれの真空入口の拡大図を提供する。
【
図2c】部品処理組立体の真空リング103の断面を示す。
【
図3a】
図3aは、真空システムの別の可能な実装を備える部品処理組立体の実施形態の斜視図を提供する。
【
図3b】
図3bは、
図3aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトルの斜視図を提供する。
【
図3c】
図3cは、
図3aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの平面図を提供する。
【
図3d】
図3dは、
図3aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの一部の斜視断面図を提供する。
【
図4】
図3aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトルの摺動部材の長手方向断面図を提供する。
【
図5】
図3aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトルの摺動部材及び板部材の一部の断面図を提供する。
【
図6a】
図6aは、真空システムのさらに別の可能な実装を備える部品処理組立体の斜視図を提供する。
【
図6b】
図6bは、
図6aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの一部の側面図と、
図6aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトルの斜視図を提供する。
【
図6c】
図6cは、
図6aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの平面図を提供する。
【
図6d】
図6dは、
図6aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの一部の部分断面図、及び
図6aの前記の部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムで使用されるシャトルの斜視図を提供する。
【
図6e】
図6eは、
図6aの前記部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの一部の断面図を提供する。
【
図7】
図7は、
図6aの前記部品処理組立体の実施形態で使用される真空システムの一部の断面図、及び
図6aの前記部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトルのキャリッジの斜視図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1aは、本発明の一実施形態による部品処理組立体1の平面図を示す。
【0009】
部品処理組立体1は、線路2aを備える輸送システム2と、複数のシャトル2bとを備える。輸送システムは、前記シャトル2bのそれぞれが、線路2aに沿って互いに独立して個別に駆動できるように構成される。そのような輸送システム2は当技術分野で知られていて、その実施は任意の適切な形態をとれる。例えば、特許文献1(US9533785)は物体を輸送する装置を開示し、本発明の輸送システム2は、特許文献1に開示されている装置と同じ又は同様の方法で実施されてよい。しかしながら、輸送システム2の唯一の本質的な特徴は、このシステムが、あるタイプの線路2aと、複数のシャトル2bとを備えることである。そして、前記シャトル2bのそれぞれは、線路2aに沿って互いに独立して個別に駆動可能である。
図1aでは、軌道上のシャトル2bの移動方向が矢印50で示されている。全てのシャトル2bは、線路2a上を同じ方向に移動する。
【0010】
線路2aは任意の形状であり得ることを理解されたい。最も好ましくは、線路は、
図1aに示される部品処理組立体1の線路2aの場合のように、ループの(すなわち、ループにしたがった)形態であるように構成される。線路は、例えば、円の形態(すなわち、線路は環状又は円形状であり得る)、又は楕円の形態(すなわち、楕円形状)、又は長方形の形態(すなわち、長方形状)、又は正方形の形態(すなわち、正方形状)の形態であり得るし、あるいは2つの湾曲した区間によって接続された2つの直線区間を有する形態であり得る。
【0011】
重要なことに、本発明では、前記シャトル2bのそれぞれが、部品を保持可能な少なくとも1つのピックアップヘッド3bを備える。この実施形態では、前記シャトル2bのそれぞれは、部品を保持可能な1つのピックアップヘッド3bを備える。しかしながら、前記シャトル2bのいくつか又は全ては、任意の数のピックアップヘッド(例えば、複数のピックアップヘッド3b)を備えられることを理解されたい。例えば、前記複数のシャトル2bは、2つのピックアップヘッドを備えるシャトル2bを備えてよい。シャトル2b上のピックアップヘッド3bのそれぞれは、真空を使用して部品を保持するように構成される。前記真空は、真空システム100によってピックアップヘッド3bに供給される。以下でより詳細に説明するように、真空システム100は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々に異なる実装(真空システム100aから100c)が可能である。しかしながら、本説明に記載されている全ての部品処理組立体の実施形態は、
図1a及び
図1bに示されている特徴を有することを理解されたい。
【0012】
以下でより詳細に説明されるように、前記シャトル2bの設計は、真空システム100の実装に応じて変化するであろう。しかしながら、真空システム100の全ての実装(真空システム100aから100c)について、前記シャトル2bのそれぞれは、各真空システムの実装100aから100cに備えられていて、少なくとも
図1bに示される特徴を備える。
図1bは、部品処理組立体1で使用可能なシャトル2bの部分の平面図を示す。シャトル2bは、1つのピックアップヘッド3bを備え、各シャトル2b上のピックアップヘッド3bは、真空を使用して部品を保持するように構成される。各シャトル2bは、線路2aと協働し、線路2aに沿って移動するように構成されたキャリッジ3aを備える。ピックアップヘッド3bは、キャリッジ3aに取り付けられている。前述のように、ピックアップヘッド3bは、真空を使用して部品を保持するように構成され、真空が部品の表面に提供されるピックアップヘッドの開口部7は、
図1bに見られる。
【0013】
キャリッジ3aは、線路2aに沿ったシャトル2bの移動速度を制御するために使用可能な磁石4を備える。線路2aは、典型的には、磁場を提供するために選択的に作動可能な(線路2aに沿って配置されている)複数の電磁石を備える。シャトル2bによって占められている線路の部分の電磁石が作動すると、線路2aの磁石は、シャトル2bの磁石4に反発して、シャトル2bを線路2aから押し離し、(磁気浮上式鉄道と同様に)線路2aに沿ってシャトル2bを浮かせて動かす役割もする。また、キャリッジ3aは、線路2a上の前記シャトル2bの位置を検出するために使用可能なエンコーダ及び/又はセンサ5を備え、これにより、線路上の他のシャトル2bに対する各シャトル2bの位置の決定を可能にし、したがって、シャトル2bの動き(すなわち速度)を制御して、線路2a上の複数のシャトル2bが互いに衝突するのを回避可能にする(特許文献1に開示された装置で実施されるのと同じ方法で)。
【0014】
上記のように、部品処理組立体1は、真空システム100を備える。真空システム100は、組立体内の各シャトル2bのピックアップヘッド3bに真空を供給するように操作可能である。さらに、真空システム100は、それらのシャトル2bが線路2aを周って移動するときに、組立体内の各シャトル2bのピックアップヘッド3bに真空を供給するように操作可能である。真空システム100は、様々な異なる組立体100の実施形態を生じさせる様々な異なる方法で実施され得ることが理解されるべきである。3つの異なる真空システム100aから100cが説明され、対応する3つの組立体の実施形態を生じさせる。
【0015】
図2aは、真空システム100の第1の例示的な実装を有する組立体100の斜視図を提供する。組立体100は、真空システム100aを備える。
【0016】
図2aに示される組立体100の真空システム100aは、
真空を生成するように動作可能な真空生成手段101と、
(真空リング103の断面図を示す
図2cに見られるように)室部103aを画定する真空リング103であって、室部103aは真空生成手段に流体接続されていて、真空生成手段に生成される真空が真空リング103の室部103a内に真空を生成する、真空リング103と、
複数の一次導管107を備えて、(回転軸線105bについて回転可能な)回転可能なディスク105であって、各一次導管107が、真空リング103の室部103aに流体接続されていて、真空リング103から半径方向に延在するように配置されている、回転可能なディスク105とを備える。一実施形態では、複数の一次導管107のそれぞれは、回転可能なディスク105に一体であるが、別の実施形態では、一次導管107のそれぞれが、それぞれの導管によって画定されていて、その導管が回転可能なディスク105に取り付けられている。
【0017】
図2cは、真空リング103の断面を示す。
図2a及び
図2cを参照すると、この実施形態では、真空リング103は単一の室部103aを画定し、複数の一次導管107のそれぞれは、その単一の室部に流体接続されていることが分かる。重要なことに、回転可能なディスク105は回転可能であり、ディスク105の完全な1回転の間、複数の一次導管107のそれぞれは、真空リング103によって画定されているその単一の室部に連続的に流体接続されている状態が維持されている(これにより、回転可能なディスク105が回転軸線105bの周りを回転しても、一次導管107のそれぞれへの真空の供給が中断されないことが保証されている)。
【0018】
一実施形態では、回転可能なディスク105は、回転軸線105bの周りを惰性で回転可能である。しかしながら、別の実施形態では、部品処理組立体1は、回転軸線105bの周りを回転するように回転可能なディスク105を駆動可能な駆動モーターをさらに備える。
【0019】
真空システム100aはさらに、
回転可能なディスク105の周辺に配置されている複数の出口部109であって、各一次導管107がそれぞれの出口部109に流体的に接続されている、複数の出口部109と、
複数の二次導管110であって、各二次導管110が、それぞれのシャトル2b上の各出口部109と各真空入口部120との間に流体的に接続されている、複数の二次導管110とを備える。最も好ましくは、各二次導管110は可撓性材料で形成されていて、例えば、各二次導管110は、それぞれのゴム管によって画定されている場合がある。一実施形態では、各二次導管110は、弾性及び可撓性の両方の材料で形成されていて、各二次導管110が、長さが増えるように伸展可能であり、二次導管を伸ばす力が解除されると元の長さに弾性的に戻れるようになっている。
【0020】
図2bは、真空システム100aを備える組立体100で使用されるシャトル2bの拡大図を提供する。シャトル2bは、真空入口部120を備える。それぞれのシャトル2aの真空入口部120は、そのシャトル2aのピックアップヘッド3bに流体的に接続されている。この実施形態では、真空入口部120は、シャトル2aの上部部材122の内側に設けられた室部を介して、中間導管125に流体的に接続されている。ここで、中間導管125は、ピックアップヘッド3bに流体的に接続されている。シャトル2aの真空入口部120は、しかしながら、他の適切な手段を使用して、そのシャトル2aのピックアップヘッド3bに流体的に接続可能なことを理解されたい。
【0021】
真空システム100aは、各シャトル2aのピックアップヘッド3bに真空を提供するように動作可能であり、それにより、各シャトル2bは、真空によってピックアップヘッド3bにそれぞれの部品を保持可能である。真空生成手段101は、真空を生成するように操作される。生成された真空は、そこで、回転可能なディスク105内の一次導管107のそれぞれ内に真空を生成する(一次導管107のそれぞれは、真空リング103によって画定されている同じ単一の室部に流体的に接続されているからである。また、回転ディスク105が回転しているときも、真空生成手段101によって生成された真空は連続することになるからである。)各一次導管107内の真空は、次に、回転可能なディスク105の周辺にある複数の出口部109のそれぞれに真空を作る。複数の出口部109のそれぞれで生成された真空は、次に、複数の二次導管110のそれぞれに真空を作る。これは、次に、各シャトル2bの真空入口部120のそれぞれに真空を作る。次に、各シャトル2aの真空入口部120での真空は、各シャトル2aのピックアップヘッド3bに真空を作り、各シャトル2aのピックアップヘッド3bでの真空は、シャトル2aのピックアップヘッド3b上の部品の保持に使用される。
【0022】
一実施形態で述べたように、回転可能なディスク105は、回転軸線105bの周りを惰性で回転するように構成されている。そのような実施形態では、シャトル2aが線路2aの周りを移動するとき、二次導管110(そのそれぞれは、回転ディスク105の周辺にある各出口部109に一端で接続され、反対端で各シャトル2a(具体的には、シャトル2aの真空入口部120)に接続される)は、回転可能なディスク105を引っ張る(具体的には、回転可能なディスク105の周辺にある各出口部109を引っ張る)。二次導管110によって加えられる引張力は、回転可能なディスク105を回転軸線105bの周りで回転させ(すなわち、惰性的回転)、その結果、回転可能なディスク105を回転させる。回転可能なディスク105は、回転可能なディスク105が惰性で回転するように構成されているので、回転可能なディスク105は、シャトル2aが線路2bの周りを移動するのを抑止しない。具体的には、回転可能なディスク105は、回転軸線105bの周りを惰性で回転し、シャトルが線路2aの周りを移動するのと同じ方向(すなわち、時計回り又は反時計回り)に、かつ二次導管110が回転可能なディスク105に加える引張力によって決定される速度で、回転する。このようにして、シャトル2aが線路2aの周りを移動するときでも、真空システム100aは、各シャトル2aのピックアップヘッド3bに真空を提供し続けられる。さらに、二次導管110は、シャトル2aが線路2aの周りを移動するときに絡まることはない。
【0023】
別の実施形態で述べたように、部品処理組立体1は、回転軸線105bの周りを回転するように回転可能なディスク105を駆動可能な駆動モーターをさらに備える。換言すると、この実施形態では、回転軸線105bの周りを回転するための回転可能なディスク105の動きは、電動化されている(前述の回転可能なディスク105が回転軸線105bの周りを惰性で回転するように構成された実施形態とは異なっている)。この実施形態では、駆動モーターは、回転軸線105bを中心に、シャトル2bが線路2aの周りを移動するのと同じ方向(すなわち、時計回り又は反時計回り)に、かつ二次導管1010がシャトル2bの線路2a上の移動を妨げない(いわば、抑止しない)のを確実にする(すなわち、各二次導管110が、各シャトル2bが線路2aを動いている方向とは反対の方向に各シャトル2bに力を加えないことを確実にする)速度で回転するように動作される。これは、例えば、回転可能ディスク105の周辺にある複数の出口部109が移動シャトル2bと実質的に動きを合わせるのを確実にする速度で、回転可能ディスク105を回転軸線105bについて回転させることによって、達成可能である。このようにして、真空システム100は、シャトル2aが線路2aの周りを移動するときでも、真空システム100は各シャトル2aのピックアップヘッド3bに真空を提供し続けられる。さらに、二次導管110は、シャトル2aが線路2aの周りを移動するときに絡まることはない。
【0024】
図3aは、真空システム100の第2の例示的な実装を有する組立体100の斜視図を提供する。
図3aの組立体100は、真空システム100bを備える。
図3bは、真空システム100bを備える前記部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトル2bの斜視図を提供する。
図3cは、真空システム100bの一部の平面図を提供する。
図3dは、真空システム100bの一部の斜視断面図と、真空システム100bを備える前記部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトル2bの斜視図を提供する。
【0025】
図3aから
図3dを参照すると、真空システム100bは、
真空を生成するように選択的に操作可能な真空生成手段501と、
真空生成手段501に(導管502を介して)流体的に接続されていて、真空生成手段501によって生成された真空が真空室部303内に真空を生成するようになっている、真空室部303と、
板部材304であって、板部材304に画定されている1つ又はそれより多い開口部305を有して、前記1つ又はそれより多い開口部305のそれぞれが、真空室部303に流体的に接続されている、板部材304と
を備える。この例では、板部材304は、板部材304の中に画定された複数の開口部305を有していて、複数の開口部305は、線路2aに平行に連続して配置されている。(別の実施形態では、連続して配置された複数の開口部305に替えて、板部材304は、線路2aに平行に延在する単一の開口部(すなわち、連続溝)を有し得る)。
【0026】
明確さのため、
図3aは、線路2aの一部のみに沿って延在する真空システム100bを示す(例えば、複数の開口部305は、線路2aの一部のみに沿って連なって配置されている)。しかしながら、真空システム100bは、好ましくは、線路2aの全長に沿って延在することを理解されたい。換言すると、好ましくは、板部材304は、線路2aの全長に沿って配置された(すなわち、複数の開口部305が、線路2aのループ1周を囲んで、連なって配置されている。例えば、好ましくは板部材304は
図3aに示されているものより大きく、好ましくは板部材304は線路2aのループの内側(又は外側)の全周長に沿って延在するように十分大きい。それにより、複数の開口部305が、線路2aのループの内側に、線路2aに平行なループを形成するように連なって配置されている。)
【0027】
真空システム100bを備える部品処理組立体の実施形態では、前記複数のシャトル2bのそれぞれは、板部材304のほぼ表面308(好ましくは平らな表面308)に配置されていて、シャトル2bが線路2aに沿って移動するときに、表面308上を摺動するように構成された摺動部材307を備える。
図3dに示されるように、各シャトル2bの摺動部材307は、その中に画定された溝309を有し、溝309は、入口部310及び出口部311を有し、出口部311は、シャトル2bのピックアップヘッド3bに流体的に接続されている(この例では、前記出口部311は、出力スパウト312に流体的に接続されていて、出力スパウト312は、それから、導管313を介してシャトル2bのピックアップヘッド3bに流体的に接続されている。しかしながら、出口部311は、任意の手段を使用してシャトル2bのピックアップヘッド3bに流体的に接続可能なことを理解されたい)。入口部310は、板部材304に画定された複数の開口部305のうちの少なくとも1つの上に整列されている。重要なことは、シャトル2bが線路2aに沿って移動するときに、摺動部材307が板部材304の前記表面308に沿って摺動するときに、板部材304に画定されている複数の開口部305の少なくとも1つ上に入口部は整列した状態を維持することで、真空シャトル2bが線路2aの周りを移動するときに、シャトル2bのピックアップヘッド3bに供給可能であることである。
【0028】
図4は、シャトル2aの摺動部材307の長手方向断面図を提供する。図示のように、入口部310は、板部材304に画定されている開口部305の2つ以上にわたって延在するのに十分な大きさである。具体的には、この例では、入口部310は、板部材307に画定されている3つの連続する開口部305にわたって延在する(しかしながら、入口部310は、板部材307に画定されている任意の数の連続する開口部305にわたって延在するように構成可能であって、例えば、入口部210は、板部材307に画定されている2つの連続する開口部305にわたって延在するように構成してもよい)。最も好ましくは、板部材304がその中に画定されている複数の開口部305を有する実施形態では、摺動部材307の入口部310は、前記開口部のうちの少なくとも2つにわたって延在するのに十分な大きさである(例えば、入口は、2つの連続する開口部の直径の全長に等しい長さより長い、又は等しい長さを有する)。有利には、これは、シャトル2bが線路2aの周りを移動するときに、シャトル2bのピックアップヘッド3bへの真空の供給が中断されないことを確実にする(もし、摺動部材307の入口部310が1つだけにわたって延在するようにサイズ設定される場合、摺動部材307が、入口部310が板部材304に画定されている1つの開口部上に位置合わせされた位置からある位置に摺動するときに、そのシャトル2bのピックアップヘッド3bへの真空の供給が中断されるであろう。ここで、ある位置とは、入口部310は、板部材304に画定されている次の連続する開口部上に整列しているところである。)
【0029】
図3b及び
図3d、並びに
図4に最もよく見られるように、摺動部材307は、板部材304の表面308に接合するように配置される摺動部材307の平らな表面307aを持つ半円筒形である。入口部310は、摺動部材307の平らな表面307aに画定されている。摺動部材307の平面307aと板部材304の表面308との間の接合部は、摺動部材と板部材304との間の界面で真空がほとんど又はまったく漏れないことを保証し、したがって、室部303内で作られる真空が、摺動部材307内の溝309に届くことを保証する。
【0030】
また、
図3c及び
図4に見られるように、各摺動部材307は、摺動部材307の反対側に湾曲した切り欠き307b、307cを有する。湾曲した切り欠き307b、307cは、入口部302と整列し、入口部301の向かい合う側に配置されていて、したがって、湾曲した切り欠き307b、307c及び入口部310は全て、同じ軸線315上にある。湾曲した切り欠き307b、307cのそれぞれは、板部材304に画定されている開口部305上に整列されている。
【0031】
図5は、摺動部材307及び板部材304の一部の断面図を示す。図示のように、摺動部材307の平らな面307aは、板部材304の表面308に接合している。摺動部材307は、平らな面307aの隣の段部318をさらに備える。段部318は、板部材304の表面308に接合している平面307aと、二次表面307dとの間の界面にある。二次平面307dは、平面307aに平行であるが、二次表面307dと板部材304の表面308との間に隙間319が存在するように平らな表面307aの平面よりも高い平面上に位置している。この隙間319は、シャトル2bが線路2aに沿って移動するときに、摺動部材307が板部材304上をより容易に摺動できるように、摺動部材307と板部材304との間の摩擦の低減を可能にする。
【0032】
図6aは、真空システム100の第3の例示的な実装を有する組立体100の斜視図を提供する。
図6aの組立体100は、真空システム100cを備える。
図6bは、真空システム100cの一部の斜視側面図と、真空システム100cを備える前記部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトル2bの斜視図を提供する。
図6cは、真空システム100cの平面図を提供する。
図6dは、真空システム100cの一部の断面図と、真空システム100cを備える前記部品処理組立体の実施形態で使用されるシャトル2bの斜視図を提供する。
図6eは、真空システム100cの一部の断面図を提供する。
図7は、真空システム100cの一部の断面図及びシャトル2bのキャリッジ615の斜視図を提供する。
【0033】
図6aから
図6e及び
図7を参照すると、真空システム100cは、真空を生成するように選択的に操作可能な真空生成手段501を備える。(導管502を介して)真空生成手段501に流体的に接続されている真空室部603であるので、真空生成手段501によって生成された真空は、真空室部603内に真空を生成する。
図6e及び
図7に最もよく見てとれるように、真空室部603は、上部板部材604と、上部板部材604の下に突出して向かい合う密閉部材605a、605bとの間にある容積によって画定されている。向かい合う密閉部材605a、605bのそれぞれは、上部板部材604に取り付けられている第1の端部606a及び第2の自由端部606bを有する。
【0034】
明確さのため、
図6aは、線路2aの一部のみに沿って延在する真空システム100cを示す。しかしながら、真空システム100cは、好ましくは、線路2aの全長に沿って延在することを理解されたい。換言すると、好ましくは、上部板部材604及び向かい合う密閉部材605a、605bは、線路2aの上に配置され、線路2aの全長にわたって(好ましくは、線路2aに平行に)ループ状で、線路2aの全周にわたって延在する(すなわち線路2a全体を周って延在する)。
【0035】
上部板部材604は、それぞれが真空室部603に流体的に接続されている複数の真空入力部624を備える。各真空入力部624は、(導管502を介して)真空生成手段501に流体的に接続されている。この実施形態では、複数の入口部624は、上部板部材604に沿って均等に分布されているので、真空発生器によって供給される真空が実質的に均等に真空室部603に分配される。
【0036】
密閉部材605a、605bは、密閉部材605a、605bの第2の自由端606bが互いに隣接して真空室部603を密閉するように配置されている。この実施形態では、密閉部材605a、605bの第2の自由端606bは、真空室部603を密閉するように互いに接合する方向に弾性的に圧縮されている。各密閉部材605a、bの第2の自由端606bは、円形断面を有するように構成される。(しかしながら、これは本発明の本質的な特徴ではなく、第2の自由端606bは、任意の適切な形状又は構成を有してよい)。密閉部材605a、605bは、弾性材料を備えるので、各密閉部材605a、605bの第2の自由端606bは、弾性的に圧縮可能である。
【0037】
この実施形態では、対向する密閉部材605a、bはそれぞれゴム材料を備える。これにより、第2の自由端606bを容易に弾性的に圧縮可能な(ただし、対向する密閉部材605a、bは任意の適切な材料を備えてよいことを理解されたい。最も好ましくは、向かい合う密閉部材605a、bの少なくとも第2の自由端606bは、弾性及び可撓性の材料を備えるものである)。さらに、この実施形態では、各密閉部材605a、bの第2の自由端606bは、円形断面を有するように構成されている。円形断面は、圧縮力が第2の自由端606bに加えられるとき、第2の自由端606bのより容易な圧縮を可能にする。
【0038】
この実施形態では、真空システム100cは、密閉部材605a、bのそれぞれの第2の自由端606bに隣接して配置された制限部材607をさらに備える。制限部材607は、密閉部材605a、bのそれぞれの第2の自由端606bの互いに離れる動きを制限する(ただし、制限部材は、選択的特徴であることを理解されたい。例えば、制限部材を提供しなくてもよい(向かい合う密閉部材を互いに接合する向きに弾性的に力を加えることが、密閉部材605a、bの第2の自由端606bの互いに離れる動きを制限する唯一の手段として使用されるときである。あるいは上部板部材604の壁を、密閉部材605a、bの第2の自由端606bの互いに離れようとする動きを制限するために使用してもよい)。
【0039】
図6e及び
図7に最もよく見られるように、複数のシャトル2bのそれぞれは、固定部分611を持つキャリッジ615と、幹部分610とを備え、幹部分610は、固定部分611に取り付けられた第1端部610aと、第2自由端部610bとを持つ幹部分610とを持つ。キャリッジ615は、幹部分610が、向かい合う密閉部材605a、bの第2の自由端606bの間に突出し、幹部分610の第2自由端610bが真空室部603内に位置するように配置されるので、キャリッジの固定部分611は、密閉部材605a、bの第2自由端606bの下の真空室部603の外側にある。
【0040】
キャリッジ615は、入口部620と出口部621とを流体的に接続する溝625がその中に画定されている。入口部620は、幹部分の第2自由端610bに画定され、出口部621は、キャリッジ615の固定部分611に画定されている。
【0041】
出口部621は、シャトル2bのピックアップヘッド3bに流体的に接続されている。この例では、出口部621は、導管627によってシャトル2bのピックアップヘッド3bに流体的に接続されているが、出口部621は、任意の適切な手段を使用してシャトル2bのピックアップヘッド3bに流体的に接続できることを理解されたい。
【0042】
幹部分610の第2自由端610bは、真空室部603内に配置されているので、入口部620は、溝625を真空室部603と流体的に接続する。幹部分610の第2自由端610bは、シャトル2bが線路2aに沿って移動しているとき、真空室部603内に位置し続ける。シャトル2bが線路2aに沿って移動しているとき、幹部分610の第2自由端610bは、真空室部603を通って移動する。よって、シャトル2bが線路2bの周りを移動しているときに、真空はシャトル2bのピックアップヘッド3bに供給可能である(具体的には、真空は、真空室部603から入口部620に、そしてキャリッジの溝625を介して出力部621に通過している。真空は、それから出力部621から導管627を介してシャトル2bのピックアップヘッド3bに渡される。)
【0043】
前述のように、幹部分610の第2の自由端610bは、シャトル2bが線路2aに沿って移動する間、真空室部603内に位置し続ける。シャトル2bが線路2aに沿って移動するとき、幹部分610の第2の自由端610bは、真空室部603を通って移動する。向かい合う密閉部材605a、bの第2自由端606bの間に突出しているキャリッジの幹部分610は、シャトル2aが線路2bに沿って移動するときに、向かい合う密閉部材605a、bの第2自由端606bの連続部分を圧縮する。シャトル2aが線路2b上のある位置を占めるとき、向かい合う密閉部材605a、bの第2の自由端606bの間に突出しているシャトル2bのキャリッジ615の幹部分610は、第2の自由部分をその位置で圧縮する。幹部分610によって占められている前記位置にある向かい合う密閉部材605a、bの第2の自由端606bの部分は、幹部分610の向かい合っている側部に接合して、真空室部内の真空が実質的に液密な接合部を形成するので、真空室部603は、幹部分610と向かい合う密閉部材605a、bとの間の界面での漏れが防止される。
【0044】
さらに、対向する密閉部材605a、bの第2の自由端606bは、互いに隣接する方向に弾性的に力がかけられているので、キャリッジ615の幹部分610によって占められる位置のいずれかの側にある、向かい合う密閉部材605a、bの第2の自由端606bの部分は、互いに接合して真空室部603を密閉する実質的に液密な当接部を形成する。
【0045】
再び
図1aを参照すると、部品処理組立体1は、線路2aに近接して配置されている複数の場所をさらに備える。場所は任意の適切な形を取り得ることを理解されたい。この例では、前記複数の場所は、取り上げ場所12、複数の映像検査場所13aから13d、置き場所14、テープ場所15、取り除き場所16を備える。組立体1は、任意の数の映像検査場所を備えてよく、例えば、組立体1は、単一の映像検査場所のみを備えられることを理解されたい。また、組立体は、置き場所又はテープ場所の1つのみを備えるものでもよいことが理解されるであろう。
【0046】
取り上げ場所12は、シャトル2b上のピックアップヘッド3bが、前記取り上げ場所12に配置されたトレイ12a、12bから部品を取り上げ可能な場所である。この例では、取り上げ場所12は、2つのトレイ、第1トレイ12aと、第2トレイ12bとを備える。各トレイは、取り除き場所16、置き場所14又はテープ場所15に運ばれることになっている部品を持っている。一例では、取り上げ場所12に到着するシャトル2bは、第1トレイ12aの反対側の線路2a上の位置で一時停止され、そのシャトル2bのピックアップヘッドは、そして、第1トレイ12aから部品を取り出す。これは、第1トレイ12a内の全ての部品が取り出されるまで(すなわち、第1トレイ12aが空になるまで)、取り上げ場所12に到着する各シャトル2bに対して起こる。第1トレイ12aが空になると、その後取り上げ場所12に到着するシャトル2bは、線路2a上の、第2トレイ12bに対向する位置で一時停止され、そのシャトル2bのピックアップヘッドは、次に、第2トレイ12bから部品を取り出す。これは、第2トレイ12b内の全ての部品が取り出されるまで(すなわち、第2トレイ12bが空になるまで)、取り上げ場所12に到着する各シャトル2bに対して起こる。部品が第2トレイ12bから取り出されている間、空の第1トレイ12aは、部品でいっぱいの別のトレイと交換される。よって、第2トレイ12bが空であるときに、部品は、第1トレイ12aから再び取り出される。有利なことに、取り上げ場所12のトレイが空になったときに組立体1を中断する必要がない。
【0047】
複数の映像検査場所13aから13dは、部品の欠陥を検査するために使用される。具体的には、複数の映像検査場所13aから13dは、部品の画像(例えば、部品の表面の画像)を捉える1つ又は複数のカメラを備え、そして、これらの画像は、欠陥、例えば、部品の表面のひび割れ、部品のピン、接点パッド、又はボールの損傷など)が存在するかどうかの検出に処理される。最も好ましくは、複数の映像検査場所13aから13dのそれぞれは、部品の検査を実行している間、部品は、各シャトル2bの部品処理ヘッド3bによって保持されるように構成されている。この例では、組立体1は、第1の2D検査場所13aと、3D検査場所13bと、5S検査場所13cと、第2の2D検査場所13dとを備える。
【0048】
第1の2D検査場所13aにおいて、シャトル2bのピックアップヘッドに保持されている部品の検査は、二次元画像を提供するカメラによって実行される。例えば、部品のリード線(単数又は複数)、部品の接触パッド、及び/又は部品の表面に提供される2Dボールは、二次元画像を提供するカメラを使用して検査可能である。具体的には、部品の表面に設けられたリード線、接点パッド、及び/又は2Dボールは、破損、曲げ、又は亀裂などの欠陥がないか検査可能である。
【0049】
3D検査場所13bでは、シャトル2bのピックアップヘッドに保持された部品の検査が、3次元画像を提供するカメラを使用して実行される。例えば、部品の高さは、この場所13bで検査可能である。部品のリード線の共面性、及び/又は部品の接触パッドの共面性、及び/又は部品のボールの共面性は、三次元画像を提供する前記カメラを使用して、欠陥について検査可能である。例えば、部品のコンタクトパッドが同一平面上にない、及び/又は部品のリードが同一平面上にない、及び/又は部品のボールが同一平面上にない、及び/又は、部品の表面のくぼみ又は損傷のために、部品の高さが不十分であるという欠陥が考えられる。
【0050】
5-S検査場所13cには、特許文献2(WO2004079427)の適用に記載されている光学装置と検査モジュールが提供されている。具体的には、5-S検査場所13cは、部品の少なくとも5つの表面の画像を同時に提供するように(カメラ及びプリズム及び/又はミラーによって)構成される5面検査場所である。ここでは、前記の5つの表面に亀裂や損傷などの欠陥がないか検査する。
【0051】
第1の2D検査場所13a、3D検査場所13b、及び/又は5-S検査場所13cのいずれかでの検査時に部品の欠陥が検出された場合、その部品は欠陥のある部品であるとみなされて、そうでなければ、良い部品であるとみなされる。
【0052】
第2の2D検査場所13dは、シャトル2bのピックアップヘッドの部品の現在の位置及び現在の向きを検出するために使用されるカメラを備える。第2の2D検査場所13dは、好ましくは、部品をピックアップヘッド上のその現在の位置及び現在の向きからピックアップヘッド上の予め定めた位置及び予め定めた向きに移動させる再センタリングモジュールをさらに備える。部品の回転は、再センタリングモジュール上で、又は外部モーターによって作動されるピックアップヘッド自体に統合された実施形態を用いて実行可能であることは理解されよう。予め定めた位置と向きは、ピックアップヘッドが、部品を置き場所又は取り除き場所のトレイ、又はテープ場所のテープのポケットに配置できるようにする。また、それにより、部品を置き場所又は取り除き場所のトレイ、又はテープ場所のテープのポケットに配置するときに、部品のリード線を破損する(例えば、曲げ)危険性が低減する。
【0053】
前述のように、組立体1は、置き場所14と、テープ場所15と、取り除き場所16とをさらに備える。
【0054】
取り除き場所16は、第1取り除きトレイ16a及び第2取り除きトレイ16bを備える。検査場所13aから13dで部品に欠陥があると判断された場合(すなわち、以下、欠陥部品という)、その欠陥部品を運ぶシャトル2bは、、第1取り除きトレイ16aの向かい側で停止され、シャトル2b上の処理ヘッド3bは、欠陥のある部品を第1取り除きトレイ16aに置く。同じステップが、第1取り除きトレイ16aが一杯になるまで、取り除き場所16に到着し、欠陥のある部品を運ぶ後続の各シャトル2bに対して起こる。
【0055】
第1取り除きトレイ16aが欠陥部品でいっぱいになると、欠陥部品を運ぶシャトル2bは、取り除き場所16に到着し、第2取り除きトレイ16bの向かい側で停止し、それぞれのシャトル2bの処理ヘッド3bは、それぞれの欠陥のある部品を第2取り除きトレイ16bに配置する。
その間に、欠陥部品でいっぱいの第1取り除きトレイ16aは、空の第1取り除きトレイと交換されるので、第2取り除きトレイ16bが欠陥のある部品でいっぱいになると、シャトルは欠陥部品を運んで、空の第1取り除きトレイに置く。同様に、空の第1取り除きトレイが欠陥のある部品でいっぱいになる前に、その間に、部品で満たされている第2取り除きトレイが空の第2取り除きトレイと交換される。有利なことに、取り除き場所16の取り除きトレイが欠陥のある部品でいっぱいになったときに、組立体1を中断する必要がない。
【0056】
検査場所13aから13dにおいて、部品に欠陥がないと判断された場合(すなわち、以下、良品という)、その良品は、置き場所14のトレイに配置されるか、又はテープ場所15のポケットに配置される。
【0057】
この例では、組立体1は、第1動作モード又は第2動作モードで選択的に操作可能である(ユーザは、動作モードを選択可能である)。これは、この例の組立体には置き場所14とテープ場所15の両方があるためである。しかし別の実施形態の組立体は、置き場所又はテープ場所のどちらか(両方ではない)を持ち、そのような場合は、2つのモードで動作する選択肢はなく、組立体が置き場所を備える場合、第1のモードだけで操作するか、あるいは、組立体がテープ場所を備える場合、第2モードだけで操作するかのどちらかで操作するものとなる。
【0058】
動作の全てのモードにおいて、真空システム100は、組立体内の各シャトル2bのピックアップヘッドに真空を提供するように操作される。
【0059】
第1動作モードでは、取り上げ場所12から取り出されて、映像検査場所13aから13dを通過して、良品であると判断された部品は、最終的に、シャトル2bのピックアップヘッドによって置き場所14のトレイ内に置かれる。取り上げ場所12から取り出され、映像検査場所13aから13dを通過し、良好な部品であると決定された部品の第2のモードでは、最終的に、シャトル2bのピックアップヘッドによってテープ場所15のテープのポケットに置かれる。
したがって、良品が最終的に、シャトル2bのピックアップヘッドによって置き場所14のトレイに置かれるか、あるいはテープ場所15のテープのポケットに置かれるかは、ユーザが選択した組立体1の動作モードに依存している。
【0060】
置き場所14は、少なくとも2つのトレイを備え、トレイの1つが良好な部品で満たされると、シャトル2b上のピックアップヘッド3bは、完全なトレイが存在している間に、部品を前記取り上げ場所に位置する前記他のトレイに配置可能である。別の空のトレイと交換する。この例では、置き場所14は、第1良品トレイ14a、及び第2良品トレイ14bを備え、シャトル2b上のピックアップヘッドは、そこに保持されている部品を配置可能である。
【0061】
部品が検査場所13aから13dで欠陥がないと判断され(すなわち、良品であると判断され)、組立体がその第1動作モードにある場合、その良品を運ぶシャトル2bは、第1良品トレイ14aの向かい側で停止され、シャトル2b上の処理ヘッド3bは、良品を第1良品トレイ14aに配置する。置き場所14に到着して、良品を運ぶ後続の各シャトル2bについても、同じステップが起こる。
【0062】
第1良品トレイ14aが良品で満たされると、置き場所14に到着する良品を運ぶシャトル2bは、第2良品トレイ14bの向かい側で停止され、各シャトル2bの処理ヘッド3bは、各良品を第2良品トレイ14bに置く。その間に、良品で満たされた第1良品トレイ14aは、空の第1良品トレイと交換され、第2良品トレイ14bが良品で満たされると、良品を運ぶシャトル2bは、これらの良品を空の第1良品トレイに置く。同様に、空の第1良品なトレイが良品でいっぱいになる前に、その間に、第2良品トレイが、良好な部品でいっぱいになるとき、空の第2良品トレイと交換される。有利なことに、置き場所14の良品トレイが良品でいっぱいになったときに、組立体1を中断する必要がない。
【0063】
他方、ユーザが、組立体を操作の第2モードで操作することを選択した場合は、検査場所13aから13dで欠陥がないと判断された(すなわち、良品であると判断された)部品は、その部品を運ぶシャトル2bのピックアップヘッドによって、テープ場所15のテープのポケットに(置き場所14のトレイ14a、14bの1つではなく)置かれる。具体的には、検査場所13aから13dで欠陥がないと判断された(すなわち、良品であると判断された)部品は、シャトル2bのピックアップヘッドによって、テープ場所15にあるテープのポケットに直接置かれる。
【0064】
この例では、テープセクション15は、第1テープ前モジュール15aと、第1テープ内モジュール15bと、第1密封モジュール15cと、それぞれが部品を受け入れ可能な複数のポケットを有する第1テープ30aとを備える。また(テープ場所15は)、第2テープ前モジュール25aと、第2テープ内モジュール25bと、第2密封モジュール25cと、それぞれが部品を受け入れ可能な複数のポケットを有する第2テープ30bとを備える。
【0065】
シャトル2b上のピックアップヘッド3bが、それが保持する部品をテープ30a、30bのポケットに配置可能にするために、ポケットは、シャトル2bに対して所定の位置になければならない(又は少なくともシャトル2bに対して所定範囲内の位置になければならない)。第1テープ前モジュール5a及び第2テープ前モジュール25aはそれぞれ、部品が配置されるテープ内のポケットの位置を検出し、1つ又は複数の検査場所13aから13dによって提供された画像データに基づいてピックアップヘッド3b上の部品の位置を決定するように構成されているカメラを備える。このデータを使用して、第1テープ前モジュール15a及び第2テープ前モジュール25aはそれぞれ、ポケットに対するシャトル上の部品の相対位置を決定可能である。相対位置が、ピックアップヘッドが保持する部品をテープのポケットに正しく配置できるようにするために必要な予め定めた相対位置と等しくない場合(又は相対位置の予め定めてある範囲内にない場合)、ポケットの位置は、(例えば、テープをいずれかの方向にスクロールすることによってテープの位置を移動する位置調整モジュールによって)相対位置が予め定めた相対位置と等しくなるように(又は予め定めた相対位置の範囲内にあるように)調整されるので、相対位置は、予め定めてある相対位置に等しくなる(又は所定範囲内にあることになる)。一度シャトルのピックアップヘッド3b上の部品の位置に対してポケットを所定の位置に持ってくるようにテープが移動されると、ピックアップヘッド3bは、それから、部品をテープのポケットに直接配置可能となる。
【0066】
第1テープ内モジュール15b及び第2テープ内モジュール25bはそれぞれ、部品がピックアップヘッド3bによってポケットに配置された後、ポケット内の部品の位置を検出するように構成されているカメラを備える。ポケットを密封する前に、部品をポケットに正しく(つまり、予め定めた方向に)配置しなければならない。さらに、第1テープ内モジュール15b及び第2テープ内モジュール25bのカメラを使用して、部品の最終検査を実行して、部品が破損したか否かを決定する。
【0067】
第1密封モジュール15c及び第2密封モジュール25cはそれぞれ、部品がポケットに配置された後、テープ30a、30bそれぞれのポケットを密封する手段を備える。
【0068】
部品が検査場所13aから13dで欠陥がないと決定され(すなわち、良品であると決定され)、組立体1が第2動作モードにある場合、その良品を運ぶシャトル2bは、第1テープ前モジュール15aの向かい側で停止される。
【0069】
第1テープ前モジュール15aは、(そのカメラを使用して)良品が配置される第1のテープ30aのポケットの位置を検出して、1つ又は複数の検査場所13aから13dによって提供される画像データに基づいてシャトルの部品処理ヘッド3bにある部品の位置を決定する。このデータを使用して、第1テープ前モジュール15aは、部品が配置されることになる第1テープ30aのポケットに対するシャトル上の部品の相対位置を決定する。相対位置が、所定の相対位置と等しくない場合(又は相対位置の所定範囲内にない場合)、(例えば、テープを一方向又は他の方向にスクロールすることによって)第1テープ前モジュールがポケットの位置を調整するので、シャトル2b上のピックアップヘッド3b上の部品の位置に対する第1テープ30aのポケットの位置が、事前画定された相対位置に等しくなる(又は相対位置の所定範囲内にある)。それから、シャトル2b上のピックアップヘッド3bは、部品を第1テープ30aのポケットに直接配置する。
【0070】
次に、第1テープ内モジュール15bは、そのカメラを使用して、部品がピックアップヘッド3bによって前記ポケットに配置された後、第1テープ30aのポケット内の部品の位置をチェックする。さらに、第1テープ内モジュール15bは、部品の最終検査を実行して、部品が破損しているか否かを決定する。部品が第1テープ30aのポケットに正しく置かれていて、部品が破損していないと判断された場合、第1密封モジュール15cがポケットを密封する。
【0071】
前述の段落のステップは、第1テープ30aの全てのポケットがいっぱいになるまで、各良品に対して実行される。その後、同じステップを実行するが、第2テープ前モジュール25a、第2テープ内モジュール25b、及び第2密封モジュール25cを使用することによって、良品が第2テープ30bのポケットに入れられる。もちろん、良品が第2のテープ30bのポケットに入れられるときは、良品を運ぶ各シャトル2bは、(第1テープ前モジュールの向かい側ではなく)第2テープ前モジュール25aの向かい側で停止される。
【0072】
第2テープ30bの全てのポケットが良品でいっぱいになる前に、その間に、現在良品で満たされている第1テープ30aは、空のポケットを有する別の新しい第1テープと交換される。第2テープ30bの全てのポケットが良品でいっぱいになると、部品は次に新しい第1テープのポケットに置かれる。同様に、新しい第1テープの全てのポケットが良品でいっぱいになる前に、良品で満たされている第2のテープは、空のポケットを持つ別の新しい第2テープと交換される。有利なことに、1つのテープの全てのポケットが良品でいっぱいになるときに、組立体1を中断する必要がない。
【0073】
組立体1は、トレイ積み場所35と取り上げ場所12との間でトレイを自動的に輸送可能なトレイ輸送モジュール31と、置き場所14と取り除き場所16とをさらに備える。したがって、例えば、置き場所の第1良品トレイ14aが良品でいっぱいになると、トレイ輸送モジュールは、その第1良品トレイを置き場所から運び去り、新しい空の第1トレイを、いっぱいになった第1トレイとの交換で、置き場所に輸送する。最も好ましくは、トレイ輸送モジュール31は、この説明で説明された、いっぱいのトレイの交換又は空のトレイの交換の全てを処理する。
【0074】
この例では、トレイ積み場所36は、少なくとも以下の積み部を備える。部品で満たされ、輸送モジュール31によって取り上げ場所に渡されるトレイを備えるトレイ35aの第1積み部と、輸送モジュール31が取り上げ場所12から回収した空のトレイを備えるトレイ35bの第2積み部と、輸送モジュール31が取り除き場所16から回収した欠陥部品でいっぱいのトレイを備えるトレイ35cの第3積み部と、輸送モジュール31が置き場所14から回収した良品でいっぱいの部品を備えるトレイ35dの第4積み部とである。
【0075】
本発明では、シャトル2bは、線路2aに沿って互いに個別に独立して駆動可能なので、これにより、操作の柔軟性が向上し、組立体1を操作するときの流れ及びスループットが改善される。例えば、取り上げ場所12の第1トレイ12aが空になると(置き場所に入ったシャトル2bのピックアップヘッドが第1トレイ12aから全ての部品を取り出しため)、次に到着する次のシャトル2b取り上げ場所12で、第2トレイ12bの向かい側で停止可能であるので、シャトル2bのピックアップヘッドは、第2トレイ12bから部品を即座に取り出し可能である(第1トレイが部品でいっぱいの別のトレイと交換されるのを待たずに、あるいは第2トレイ12b(部品でいっぱいである)が、第1トレイが以前に取り上げ場所12で占めていた位置に移動するのを待つ必要なしに)。換言すると、組立体の中での、部品の取り出しが行われる組立体内の位置が、柔軟である(自由度がある)。同様に、組立体の中での、置き場所のトレイに適切な部品を置く位置が、柔軟である。また、組立体の中での、欠陥のある部品を取り除き場所のトレイに置く位置が、柔軟である。また、組立体の中での、テープ場所のテープのポケットに部品を置く位置が、柔軟である。この柔軟性により、組立体内のフローを増やせるので、スループットを向上できる。
【0076】
本発明の説明された実施態様に対するさまざまな変更と変形態様は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、特許請求される本発明は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。