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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230926BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20230926BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20230926BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20230926BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230926BHJP
   G06V 40/13 20220101ALI20230926BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230926BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20230926BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20230926BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02F1/13 505
G02F1/1335 520
G02F1/13357
G03B21/00 E
G06V40/13
G09F9/00 336B
G09F9/30 365
H04N5/66 102A
H10K59/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022509360
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(86)【国際出願番号】 JP2021004527
(87)【国際公開番号】W WO2021192660
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2020057520
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221926
【氏名又は名称】東北パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】和氣 範明
(72)【発明者】
【氏名】金内 一浩
(72)【発明者】
【氏名】丹 博樹
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05541745(US,A)
【文献】特開2012-013992(JP,A)
【文献】特開2004-151576(JP,A)
【文献】特開2003-307732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/13
1/1333
1/13357
1/137-1/141
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
G06F3/033-3/039
G06T1/00
1/60
G09F9/00-9/46
H04N5/66-5/74
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光部と、隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する発光装置と、
反射型液晶素子と、
光学部材と、
を備え、
前記発光装置は、前記反射型液晶素子と前記光学部材との間に位置しており、
前記複数の発光部は、前記反射型液晶素子に向けて光を出射し、
前記複数の発光部から出射された前記光は、前記反射型液晶素子によって反射されて前記発光装置の前記透光部を透過して前記光学部材によって結像される、表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記光学部材は、レンズを有する、表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記反射型液晶素子は、前記光学部材の被写界深度の範囲内に位置し、
前記発光装置の前記複数の発光部は、前記光学部材の前記被写界深度の範囲からずれて位置している、表示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置において、
前記複数の発光部の各々は、有機EL素子を有する、表示装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置において、
前記複数の発光部は、R光源と、G光源と、B光源と、を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビューファインダ(EVF)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の小型の表示装置として、マイクロ有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイモジュールやLCOS(Liquid Crystal On Silicon)モジュールが用いられることがある。また、LCOSディスプレイモジュールにおけるフットプリントの低減、全高の低減、ハーフミラー等の光学部材の特殊形状の改善等の観点から、LCOSの直上にOLED等の発光装置を配置することがある。
【0003】
特許文献1には、反射型液晶表示装置について記載されている。この表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等の発光部を有する発光装置と、反射型液晶ディスプレイ(LCD)と、を備えている。発光装置は、反射型LCDと重なっており、反射型LCD側のみに光を出射するようになっている。発光装置から出射された光は、反射型LCDによって反射されて、発光装置において格子状にパターニングされた遮光層の隙間を透過する。これによって、発光装置を挟んで反射型LCDの反対側に位置する観察者によって、格子状にパターニングされた遮光層の隙間を透過した光が観察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-154402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置の小型化等の観点から、LCOS等の反射型液晶素子の直上にOLED等の透過型の発光装置を配置することがある。この場合において、発光装置が、反射型液晶表示素子側だけでなく、反射型液晶表示装置の反対側にも光を出射する構造を採用しても、発光装置から反射型液晶表示装置側に出射された光と、発光装置から反射型液晶表示装置の反対側に出射された光と、を分別することができない。このため、このような構造は、表示装置として機能し得ない。一方、特許文献1に記載されているように、発光装置が反射型液晶表示装置側のみに光を出射した場合、発光装置を挟んで反射型液晶表示装置の反対側に位置する観察者にとっては、発光装置に設けられた遮光層によって、表示装置によって表示される画像の視認性に影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、表示装置によって表示される画像の視認性を高くすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
複数の発光部と、隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する発光装置と、
反射型液晶素子と、
光学部材と、
を備え、
前記発光装置は、前記反射型液晶素子と前記光学部材との間に位置しており、
前記複数の発光部は、前記反射型液晶素子に向けて光を出射し、
前記複数の発光部から出射された前記光は、前記反射型液晶素子によって反射されて前記発光装置の前記透光部を透過して前記光学部材によって結像される、表示装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る表示装置の断面図である。
図2図1に示した表示装置の発光装置の平面図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4】実施形態2に係る検出装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において「AがB上に位置する」という表現は、例えば、AとBの間に他の要素(例えば、層)が位置せずにAがB上に直接位置することを意味してもよいし、又はAとBの間に他の要素(例えば、層)が部分的又は全面的に位置することを意味してもよい。さらに、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後ろ」等の向きを示す表現は、基本的に図面の向きと合わせて用いるものであって、例えば本明細書に記載された発明品の使用する向きに限定して解釈されるものではない。
【0010】
本明細書において「A及びBが重なる」という表現は、特に断らない限り、ある方向からの投影像において、Aの少なくとも一部がBの少なくとも一部と同じ場所にあることを意味する。このとき複数の要素同士は直接接していてもよいし、又は離間していてもよい。
【0011】
本明細書において「Aの外側」という表現は、特に断らない限り、Aの縁を境にAが位置しない側の部分のことを意味する。
【0012】
本明細書中における陽極とは、発光材料を含む層(例えば有機層)に正孔を注入する電極のことを示し、陰極とは、発光材料を含む層に電子を注入する電極のことを示す。また、「陽極」及び「陰極」という表現は、「正孔注入電極」及び「電子注入電極」又は「正極」及び「負極」等の他の文言を意味することもある。
【0013】
本明細書における「発光装置」とは、ディスプレイや照明等の発光素子を有するデバイスを含む。また、発光素子と直接的、間接的又は電気的に接続された配線、IC(集積回路)又は筐体等も「発光装置」に含む場合もある。
【0014】
本明細書において「接続」とは、複数の要素が直接的又は間接的を問わずに接続している状態を表す。例えば、複数の要素の間に接着剤又は接合部材が介して接続している場合も単に「複数の要素は接続している」と表現することがある。また、複数の要素の間に、電流、電圧又は電位を供給可能又は伝送可能な部材が存在しており、「複数の要素が電気的に接続している」場合も単に「複数の要素は接続している」と表現することがある。
【0015】
本明細書において、特に断りがない限り「第1、第2、A、B、(a)、(b)」等の表現は要素を区別するためのものであり、その表現により該当要素の本質、順番、順序又は個数等が限定されるものではない。
【0016】
本明細書において、各部材及び各要素は単数であってもよいし、又は複数であってもよい。ただし、文脈上、「単数」又は「複数」が明確になっている場合はこれに限らない。
【0017】
本明細書において、「AがBを含む」という表現は、特に断らない限り、AがBのみによって構成されていることに限定されず、AがB以外の要素によって構成され得ることを意味する。
【0018】
本明細書において「断面」とは、特に断らない限り、発光装置を画素や発光材料等が積層した方向に切断したときに現れる面を意味する。
【0019】
本明細書において「有さない」、「含まない」、「位置しない」等の表現は、ある要素が完全に排除されていることを意味してもよいし、又はある要素が技術的な効果を有さない程度に存在していることを意味してもよい。
【0020】
本明細書において、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」等の時間的前後関係を説明する表現は、相対的な時間関係を表しているものであり、時間的前後関係が用いられた各要素が必ずしも連続しているとは限らない。各要素が連続していることを表現する場合、「直ちに」又は「直接」等の表現を用いることがある。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0022】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置1の断面図である。図2は、図1に示した表示装置1の発光装置10の平面図である。図3は、図2のA-A断面図である。図1は、表示装置1の高さ方向に垂直な一断面を示している。
【0023】
表示装置1は、発光装置10、反射型液晶素子20及び光学部材30を備えている。発光装置10は、基板100、複数の発光部142及び複数の透光部144を有している。各発光部142は、有機EL素子を有している。各透光部144は、隣り合う発光部142の間に位置している。反射型液晶素子20は、空間光変調素子210及び偏光子220(偏光板)を有している。
【0024】
図1において、発光部142から空間光変調素子210に向けて伸びる矢印は、発光部142から出射された光を示している。また、空間光変調素子210から偏光子220まで伸びる矢印は、空間光変調素子210によって反射され、かつ偏光子220によって遮られた光を示している。また、空間光変調素子210から偏光子220、基板100及び光学部材30を通過して伸びる矢印は、空間光変調素子210によって反射され、偏光子220、基板100及び光学部材30を透過した光を示している。
【0025】
図1から図3を用いて、表示装置1について説明する。
【0026】
発光装置10は、反射型液晶素子20と光学部材30との間に位置している。
【0027】
基板100は、第1面102及び第2面104を有している。複数の発光部142は、基板100の第1面102上に位置している。複数の発光部142には、発光装置10の外側から、FPC(Flexible Printed Circuit)等の配線部材150を介して、駆動電力が供給可能になっている。第2面104は、第1面102の反対側にある。
【0028】
図3に示すように、各発光部142は、第1電極110、有機層120及び第2電極130を含んでいる。第1電極110、有機層120及び第2電極130は、基板100の第1面102側から順に重なっている。
【0029】
基板100は、単層であってもよいし、又は複数層であってもよい。基板100は、例えば、ガラス基板である。基板100は、有機材料(例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)又はポリイミド)を含む樹脂基板であってもよい。基板100が樹脂基板である場合、基板100の第1面102及び第2面104の少なくとも一方上には、無機バリア層(例えば、SiN又はSiON)が位置していてもよい。
【0030】
本実施形態において、発光装置10は、基板100の第2面104側から光を発する。すなわち、発光装置10は、ボトムエミッションである。この場合、基板100は、透光性を有している。基板100の可視光の透過率は、例えば、75%以上100%以下である。
【0031】
第1電極110は、透光性を有している。第1電極110の可視光の透過率は、例えば、75%以上100%以下となっている。第1電極110は、陽極として機能することができる。一例において、第1電極110は、金属又は合金を含んでいる。金属又は合金は、例えば、銀又は銀合金である。この例において、第1電極110の厚さは、例えば、5nm以上50nm以下にしてもよい。第1電極110の厚さが上記下限以上である場合、第1電極110の電気抵抗を低くすることができ、第1電極110の厚さが上記上限以下である場合、第1電極110の透過率を高くすることができる。他の例において、第1電極110は、酸化物半導体を含んでいてもよい。酸化物半導体は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)又はIGZO(Indium Galium Zinc Oxide)である。
【0032】
有機層120は、第1電極110上に位置している。有機層120は、例えば、第1電極110から第2電極130に向けて、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)及び電子注入層(EIL)を順に含んでいてもよい。ただし、各有機層120に含まれる層の例は、ここで説明した例に限定されない。
【0033】
第2電極130は、遮光性、具体的には光反射性を有している。第2電極130の可視光の透過率は、例えば、0%以上20%以下となっている。第2電極130は、有機層120上に位置している。第2電極130は、陰極として機能することができる。一例において、第2電極130は、金属又は合金を含んでいてもよい。金属又は合金は、例えば、Al、Au、Ag、Pt、Mg、Sn、Zn及びInからなる群の中から選択される少なくとも1つの金属又はこの群から選択される金属の合金である。
【0034】
本実施形態において、複数の発光部142は、ストライプ状に並んでいる。隣り合う発光部142の間の領域には、第2電極130等の遮光性部材が位置していない。したがって、隣り合う発光部142の間の領域は、透光部144となっている。透光部144の可視光の透過率は、例えば、40%以上100%以下となっている。
【0035】
また、複数の発光部142は、複数のR(赤)光源142a、複数のG(緑)光源142b及び複数のB(青)光源142cを含んでいる。各R光源142a、各G光源142b及び各B光源142cは、上記ストライプの延伸方向に交わる方向に沿って繰り返し並んでいる。しかしながら、各R光源142a、各G光源142b及び各B光源142cは、マトリクス状に配置されたドット形状であってもよい。複数の発光部142がR光源142a、G光源142b及びB光源142cを含む場合、空間光変調素子210のフィールドシーケンシャルカラー(FSC)方式によって、表示装置1は、カラー画像を表示することができる。
【0036】
複数の発光部142は、反射型液晶素子20に向けて光を出射している。具体的には、発光装置10は、発光装置10の両面のうちの一方の面側である第2面104側に光を出射し、発光装置10の両面のうちの他方の面側である第1面102側に光を実質的に出射しない。これは、有機層120から発せられた光のほとんど又は全部が、光反射性の第2電極130によって反射されて、第2電極130を透過しないためである。例えば、発光装置10の第1面102側の最大光度は、発光装置10の第2面104側の最大光度の0%以上10%以下となっている。
【0037】
空間光変調素子210は、液晶を有しており、例えば、LCOSである。
【0038】
発光装置10から出射された光は、偏光子220を透過する。偏光子220を透過した光は、直線偏光となる。この直線偏光は、空間光変調素子210に入射し、空間光変調素子210の画素に応じて回転する。空間光変調素子210によって回転されて反射された直線偏光は、偏光子220によって遮られる。これに対して、空間光変調素子210によって回転されずに反射された直線偏光は、偏光子220を透過する。
【0039】
光学部材30は、集光素子である。本実施形態において、光学部材30は、少なくとも1つのレンズを含んでいる。複数の発光部142から出射された光は、反射型液晶素子20によって反射されて発光装置10の透光部144と、光学部材30と、を透過して出射されている。すなわち、複数の発光部142から出射された光は、反射型液晶素子20によって反射されて発光装置10の透光部144を透過して光学部材30によって結像されている。なお、光学部材30は、レンズに代えて、例えば回折格子を含んでいてもよい。
【0040】
反射型液晶素子20は、光学部材30の被写界深度の範囲内に位置している。これに対して、発光装置10の発光部142、より具体的には第2電極130は、光学部材30の被写界深度の範囲からずれて位置している。したがって、本実施形態においては、表示装置1によって表示される画像を表示装置1の上方から観察者が観察したとき、第2電極130がぼけて見える。このため、発光装置10の画像の観察者にとって、第2電極130が気にならないようにすることができる。つまり、本実施形態では、光学部材30が設けられていない場合と比較して、表示装置1によって表示される画像の視認性を高くすることができる。
【0041】
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る検出装置2の断面図である。図4は、検出装置2の高さ方向に垂直な一断面を示している。
【0042】
検出装置2は、発光装置10、光学部材30及び撮像素子40を備えている。本実施形態において、検出装置2は、対象物として指Fの指紋を検出している。しかしながら、検出装置2によって検出可能な対象物は、本実施形態に係る例に限定されない。
【0043】
図4において、発光部142から指Fが位置する側に向けて延伸する矢印は、発光部142から出射された光を示している。また、指Fから発光装置10、光学部材30及び撮像素子40が位置する側に向けて延伸する矢印は、指Fによって反射された光を示している。
【0044】
図4を用いて、検出装置2の概要を説明する。光学部材30は、発光装置10と撮像素子40との間に位置している。複数の発光部142は、光学部材30が位置する側の反対側に向けて光を出射している。複数の発光部142から出射された光は、指Fによって反射されて発光装置10の透光部144を透過して光学部材30によって撮像素子40に結像されている。これによって、指Fの指紋が検出されている。
【0045】
実施形態1と同様にして、発光装置10は、基板100、複数の発光部142及び複数の透光部144を有している。複数の発光部142は、例えば、単色光源となっている。発光装置10は、ボトムエミッションとなっている。発光装置10の複数の発光部142は、光学部材30及び撮像素子40が位置する側と反対側に向けて光を出射する。言い換えると、発光装置10は、基板100の第1面102が光学部材30及び撮像素子40と対向するように配置されている。
【0046】
光学部材30は、集光素子であり、少なくとも1つのレンズを含んでいる。本実施形態において、光学部材30は、フォーカスレンズを有している。
【0047】
撮像素子40は、例えば、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ等のイメージセンサである。
【0048】
本実施形態においては、撮像素子40、光学部材30及び発光装置10が、一方向、具体的には、検出装置2の高さ方向に沿って重なっている。この場合、例えば、指Fに光を照射するための光源と、指Fによって反射された光を検出するセンサと、が、検出装置2の高さ方向に垂直な方向に並んでいる場合と比較して、検出装置2の高さ方向に垂直な方向における検出装置2のサイズを小さくすることができる。
【0049】
以上、図面を参照して実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0050】
例えば、各実施形態において、発光装置10は、ボトムエミッションとなっている。しかしながら、発光装置10は、トップエミッションであってもよい。
【0051】
また、実施形態1において、複数の発光部142は、異なる色の光源を含んでいる。しかしながら、複数の発光部142は、単色の光源であってもよい。この場合であっても、表示装置1は、単色の画像を表示することができる。
【0052】
また、各実施形態において、発光部142は、有機EL素子を有している。しかしながら、発光部142は、無機EL素子等、有機EL素子と異なる発光素子を有していてもよい。
【0053】
実施形態1によれば、以下の態様が提供される。
(態様1-1)
複数の発光部と、隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する発光装置と、
反射型液晶素子と、
光学部材と、
を備え、
前記発光装置は、前記反射型液晶素子と前記光学部材との間に位置しており、
前記複数の発光部は、前記反射型液晶素子に向けて光を出射し、
前記複数の発光部から出射された前記光は、前記反射型液晶素子によって反射されて前記発光装置の前記透光部を透過して前記光学部材によって結像される、表示装置。
(態様1-2)
態様1-1に記載の表示装置において、
前記光学部材は、レンズを有する、表示装置。
(態様1-3)
態様1-1又は1-2に記載の表示装置において、
前記反射型液晶素子は、前記光学部材の被写界深度の範囲内に位置し、
前記発光装置の前記複数の発光部は、前記光学部材の前記被写界深度の範囲からずれて位置している、表示装置。
(態様1-4)
態様1-1~1-3のいずれか一に記載の表示装置において、
前記複数の発光部の各々は、有機EL素子を有する、表示装置。
(態様1-5)
態様1-1~1-4のいずれか一に記載の表示装置において、
前記複数の発光部は、R光源と、G光源と、B光源と、を含む、表示装置。
(態様1-6)
複数の発光部と、隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する発光装置と、
反射型液晶素子と、
集光素子と、
を備え、
前記発光装置は、前記反射型液晶素子と前記集光素子との間に位置しており、
前記複数の発光部は、前記反射型液晶素子に向けて光を出射し、
前記複数の発光部から出射された前記光は、前記反射型液晶素子によって反射されて前記発光装置の前記透光部と、前記集光素子と、を透過して出射される、表示装置。
(態様1-7)
態様1-6に記載の表示装置において、
前記集光素子は、レンズを有する、表示装置。
(態様1-8)
態様1-6又は1-7に記載の表示装置において、
前記反射型液晶素子は、前記集光素子の被写界深度の範囲内に位置し、
前記発光装置の前記複数の発光部は、前記集光素子の前記被写界深度の範囲からずれて位置している、表示装置。
(態様1-9)
態様1-6~1-8のいずれか一に記載の表示装置において、
前記複数の発光部の各々は、有機EL素子を有する、表示装置。
(態様1-10)
態様1-6~1-9のいずれか一に記載の表示装置において、
前記複数の発光部は、R光源と、G光源と、B光源と、を含む、表示装置。
【0054】
実施形態2によれば、以下の態様が提供される。
(態様2-1)
対象物を検出する検出装置であって、
複数の発光部と、隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する発光装置と、
撮像素子と、
光学部材と、
を備え、
前記光学部材は、前記発光装置と前記撮像素子との間に位置しており、
前記複数の発光部は、前記光学部材が位置する側の反対側に向けて光を出射し、
前記複数の発光部から出射された前記光は、前記対象物によって反射されて前記発光装置の複数の透過部を透過して前記光学部材によって前記撮像素子に結像される、検出装置。
(態様2-2)
態様2-1に記載の検出装置において、
前記光学部材は、レンズを有する、検出装置。
(態様2-3)
態様2-1又は2-2に記載の検出装置において、
前記複数の発光部の各々は、有機EL素子を有する、検出装置。
(態様2-4)
態様2-1~2-3のいずれか一に記載の検出装置において、
前記複数の発光部は、単色光源である、検出装置。
【0055】
この出願は、2020年3月27日に出願された日本出願特願2020-057520号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0056】
1 表示装置
2 検出装置
10 発光装置
20 反射型液晶素子
30 光学部材
40 撮像素子
100 基板
102 第1面
104 第2面
110 第1電極
120 有機層
130 第2電極
142 発光部
142a R光源
142b G光源
142c B光源
144 透光部
150 配線部材
210 空間光変調素子
220 偏光子
図1
図2
図3
図4