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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】温度安定化ホログラフィック照準器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20230926BHJP
   G03H 1/22 20060101ALI20230926BHJP
   F41G 1/30 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G02B7/02 F
G03H1/22
F41G1/30
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022529437
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2020060714
(87)【国際公開番号】W WO2021141671
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】16/691,192
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522195921
【氏名又は名称】イオテック,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】EOTECH,LLC
【住所又は居所原語表記】46900 Port Street, Plymouth, Michigan 48170, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ヒース、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】マクミレン、ディアナ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ホートン、ジョン
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0377378(US,A1)
【文献】特開平08-313774(JP,A)
【文献】特開平03-176843(JP,A)
【文献】特開2002-014269(JP,A)
【文献】特開昭58-168024(JP,A)
【文献】国際公開第2018/051450(WO,A1)
【文献】特開昭61-150394(JP,A)
【文献】特開昭63-007530(JP,A)
【文献】特開昭64-000786(JP,A)
【文献】特開2002-329916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 1/30
G02B 7/02 - 7/16
G03H 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部を含むユニット式光学構成要素キャリアと、
前記複数の受容部のうちの第1の受容部の表面に当接するコリメート光学部品と、
前記複数の受容部のうちの第2の受容部の表面に当接するミラーと、
前記複数の受容部のうちの第3の受容部内に位置決めされたカラーと、
前記カラーの周囲に位置決めされ、前記第3の受容部に当接するリングと、
前記第3の受容部内の前記カラー内に位置決めされたレーザダイオードであって、前記ミラーは前記レーザダイオードに対向して位置決めされ、前記カラーの第1の部分は前記第3の受容部の第1の部分に対して固定され、前記カラーの第2の部分は前記第3の受容部に対して自由に膨張及び収縮し、前記レーザダイオードは前記第2の部分に近接して前記カラーに取り付けられ、前記第2の部分の膨張及び収縮とともに前記第3の受容部に対して自由に移動するレーザダイオードとを含み、
前記レーザダイオード、前記ミラー、及び前記コリメート光学部品は、前記レーザダイオードから前記ミラーまで、及び前記ミラーから前記コリメート光学部品までの光路を形成するように互いに位置決めされ、
前記光路の長さは温度の変化に応答して実質的に一定のままであり、前記カラーは温度の変化に応答して膨張及び収縮し、温度の変化に応答して膨張及び収縮する前記ユニット式光学構成要素キャリアを補償
前記第3の受容部がアパーチャを含み、前記リングが前記アパーチャの表面に当接する、
ホログラフィック照準器。
【請求項2】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが、温度の上昇に応答して膨張し、前記第1の受容部を前記ミラーから遠ざけ、
前記カラーは、温度の上昇に応答して膨張し、前記カラーの前記第2の部分及び前記レーザダイオードを前記ミラーに向かって移動させる、
請求項1に記載のホログラフィック照準器。
【請求項3】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが、温度の低下に応答して収縮し、前記第1の受容部を前記ミラーに向かって移動させ、
前記カラーは、温度の低下に応答して収縮し、前記カラーの前記第2の部分及び前記レーザダイオードを前記ミラーから遠ざける、
請求項1に記載のホログラフィック照準器。
【請求項4】
前記リングと前記アパーチャの表面との間の摩擦によって、前記リングが前記アパーチャの表面に対して固定される、請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項5】
前記ユニット式光学構成要素キャリアがチタンから作製され、
前記カラーがアクリロニトリルブタジエンスチレンから作製される、請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項6】
前記リングがステンレス鋼から作製される、請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項7】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが第1の熱膨張係数を有し、前記カラーが第2の熱膨張係数を有し、
前記カラーは、前記光路の長さが温度変化の間実質的に一定のままであるように、温度変化の間膨張及び収縮する、
請求項1に記載のホログラフィック照準器。
【請求項8】
第4の受容部の表面に当接するホログラフィック格子、及び
第5の受容部の表面に当接する画像ホログラム、
をさらに備える、請求項1に記載のホログラフィック照準器。
【請求項9】
光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部を含むユニット式光学構成要素キャリアと、
前記複数の受容部のうちの第1の受容部の表面に当接する画像ホログラムと、
前記複数の受容部のうちの第2の受容部内に位置決めされたカラーと、
前記カラーの周囲に位置決めされ、前記複数の受容部のうちの前記第2の受容部に当接するリングと、
前記第2の受容部内の前記カラー内に位置決めされたレーザダイオードであって、前記カラーの第1の部分は前記第2の受容部の第1の部分に対して固定され、前記カラーの第2の部分は前記第2の受容部に対して自由に膨張及び収縮し、前記レーザダイオードは前記第2の部分に近接して前記カラーに取り付けられ、前記第2の部分の膨張及び収縮とともに前記第2の受容部に対して自由に移動するレーザダイオードとを備え、
前記レーザダイオード及び前記画像ホログラムは、前記レーザダイオードから前記画像ホログラムまでの光路を形成するように互いに位置決めされ、
前記光路の長さは温度の変化に応答して実質的に一定のままであり、前記カラーは温度の変化に応答して膨張及び収縮して、温度の変化に応答して膨張及び収縮する前記ユニット式光学構成要素キャリアを補償
前記複数の受容部のうちの前記第2の受容部がアパーチャを含み、前記リングが前記アパーチャの表面に当接する、
ホログラフィック照準器。
【請求項10】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが温度の上昇に応答して膨張し、
前記カラーが温度の上昇に応答して膨張し、前記カラーの前記第2の部分及び前記レーザダイオードを、前記ユニット式光学構成要素キャリアの膨張に対応する方向に移動させ、前記光路の長さを実質的に維持する、
請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項11】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが温度の低下に応答して収縮し、
前記カラーが温度の低下に応答して収縮し、前記カラーの前記第2の部分及び前記レーザダイオードを、前記ユニット式光学構成要素キャリアの収縮に対応する方向に移動させ、前記光路の長さを実質的に維持する、
請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項12】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが第1の熱膨張係数を有し、前記カラーが第2の熱膨張係数を有し、
前記カラーは、前記光路の長さが温度変化の間実質的に一定のままであるように、温度変化の間膨張及び収縮する、
請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項13】
前記複数の受容部のうちの第3の受容部の表面に当接するミラーと、
前記複数の受容部のうちの第4の受容部の表面に当接するコリメート光学部品と、
前記複数の受容部のうちの第5の受容部の表面に当接する格子とをさらに備え、
前記レーザダイオードから前記画像ホログラムまでの前記光路は、前記レーザダイオードから前記ミラーまでの光路、前記ミラーから前記コリメート光学部品までの光路、前記コリメート光学部品から前記格子までの光路、及び前記格子から前記画像ホログラムまでの光路を含む、
請求項に記載のホログラフィック照準器。
【請求項14】
レーザダイオードを受け入れるように構成された第1の受容部、ミラーを受け入れるように構成された第2の受容部、コリメート光学部品を受け入れるように構成された第3の受容部、ホログラフィック格子を受け入れるように構成された第4の受容部、及び画像ホログラムを受け入れるように構成された第5の受容部を備えるユニット式光学構成要素キャリアと、
前記第2の受容部の表面に当接するミラーと、
前記第3の受容部の表面に当接するコリメート光学部品と、
前記第4の受容部の表面に当接する格子と、
前記第5の受容部の表面に当接する画像ホログラムと、
前記第1の受容部内に位置決めされたカラーと、
前記カラーの周囲に位置決めされ、前記第1の受容部に当接するリングと、
前記カラー内に位置決めされたレーザダイオードとを備え、
前記ミラーが、前記第1の受容部及び前記レーザダイオードに対向して位置決めされ、
前記カラーの第1の部分が前記第1の受容部の第1の部分に対して固定され、
前記カラーの第2の部分が前記第1の受容部に対して自由に膨張及び収縮し、
前記レーザダイオードが前記第2の部分に近接して前記カラーに固定され、
温度の上昇による前記ユニット式光学構成要素キャリアの膨張によって、前記第1の受容部の前記第1の部分が前記ミラーから遠ざかり、
温度の上昇による前記カラーの膨張によって、前記カラーの前記第2の部分及び前記レーザダイオードが前記ミラーに向かって移動
前記第1の受容部がアパーチャを含み、前記リングが前記アパーチャの表面に当接する、
ホログラフィック照準器。
【請求項15】
前記ミラーから離れる前記第1の受容部の前記第1の部分の移動は、前記カラーの前記第2の部分及び前記レーザダイオードの前記ミラーに向かう移動によって相殺される、請求項14に記載のホログラフィック照準器。
【請求項16】
前記ユニット式光学構成要素キャリアが第1の熱膨張係数(CTE)を有し、
前記カラーが第2のCTEを有し、
前記第1のCTE及び前記第2のCTEは、温度の上昇による前記ミラーから離れる前記第1の受容部の膨張が、前記カラーの膨張及び前記ミラーに向かう前記カラーの第2の部分の移動によって相殺されるように、サイズにおいて関連付けられる、
請求項14に記載のホログラフィック照準器。
【請求項17】
記リングが、前記リングと前記アパーチャの表面との間の摩擦によって前記アパーチャの表面に対して固定される、
請求項14に記載のホログラフィック照準器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
遠方にある物体を識別し、焦点を合わせることは、照準器の使用によって容易にすることができる。照準器は、例えば、弓、ライフル、ショットガン、拳銃、搭載型機関銃、及び擲弾発射機などの小型武器で採用することができ、操作者が標的を見つけ、焦点を維持することを支援し得る。
【0002】
照準器は、多くの異なる形態で、様々な特徴を利用して開発されてきた。例えば、操作者が物体の位置を特定し、焦点を合わせることを支援し得るホログラムを操作者に提示する照準器が開発されてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に開示されるのは、温度安定化ホログラフィック照準器である。ホログラフィック照準器は、光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部を有するユニット式光学構成要素キャリアを含み得る。コリメート光学部品は、第1の受容部に位置決めされてもよい。ミラーは、第2の受容部に位置決めされてもよい。カラーは、第3の受容部に位置決めされてもよく、レーザダイオードは、カラー内に位置決めされてもよい。ミラーは、レーザダイオードに対向して位置決めされてもよい。カラーの第1の部分は、第3の受容部の第1の部分に対して固定されてもよく、カラーの第2の部分は、第3の受容部に対して自由に動いてもよい、例えば拡張及び収縮してもよい。レーザダイオードは、第2の部分に近接してカラーに固定され、第2の部分の膨張及び収縮に伴って第3の受容部に対して自由に動いてもよい。レーザダイオード、ミラー、及びコリメート光学部品は、レーザダイオードからミラーまで、及びミラーからコリメート光学部品までの光路を形成するように、互いに位置決めされてもよい。光路の長さは、温度の変化に応答して実質的に一定のままであり得る。カラーは、温度の変化に応答して膨張及び収縮して、温度の変化に応答して膨張及び収縮するユニット式光学構成要素キャリアを補償し得る。例えば、ユニット式光学構成要素キャリアは、温度の上昇に応答して膨張し、第1の受容部をミラーから遠ざけ得る。カラーは、温度の上昇に応答して膨張し、カラーの第2の部分及びレーザダイオードをミラーの方に移動し得る。ユニット式光学構成要素キャリアは、温度の低下に応答して収縮し、第1の受容部をミラーに向かって移動し得る。カラーは、温度の低下に応答して収縮し、カラーの第2の部分及びレーザダイオードをミラーから遠ざけ得る。カラーとユニット式光学構成要素キャリアの熱膨張係数は異なっていてもよく、カラーの長さは、温度変化中に光路の長さが実質的に一定のままであるようにサイズが決められてもよい。
【0004】
この概要は、本明細書中「発明を実施するための形態」においてさらに記載される概念の一部を簡略化した形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求された主題の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求された主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。他の特徴は本明細書に記載されている。
【0005】
例示的な実施形態に関する前述の概要及び以下の追加記載は、添付の例示的な図面と併せて読むと、より深く理解され得る。開示されたシステム及び実装の潜在的な実施形態は、描かれているものに限定されないことが理解される。さらに、図中の同様の参照数字は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
図1B】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
図1C】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
図1D】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
図2】例示的なホログラフィック照準器の分解図である。
図3】部分的に組み立てられた例示的なホログラフィック照準器の斜視図である。
図4A】例示的なベースに取り付けられた例示的な光学シャーシの斜視図である。
図4B】例示的な光学シャーシの一部の詳細図である。
図5】例示的なベースに取り付けられた例示的な光学シャーシの斜視図である。
図6】例示的なベースに取り付けられ、光学構成要素が取り付けられている例示的な光学シャーシの斜視図である。
図7】例示的なベースに取り付けられ、光学構成要素が分解された、例示的な光学シャーシの斜視図である。
図8】光学構成要素が取り付けられた例示的な光学シャーシの斜視図である。
図9】光学構成要素が分解された、例示的な光学シャーシの斜視図である。
図10】例示的なベースに取り付けられ、光学構成要素が取り付けられた例示的な光学シャーシの断面図である。
図11】光学構成要素が取り付けられた例示的な光学シャーシの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ホログラフィック照準器は、操作者に提示するためのホログラムを作成するために、一連の光学構成要素を採用し得る。例えば、ホログラフィック照準器は、光ビームを生成するレーザダイオードと、光ビームを偏向させるミラーと、偏向した光ビームを受け、コリメートした光を反射するコリメート光学部品と、コリメートした光を受け、画像により記録された画像ホログラムに向けて光を反射し、これにより画像が照準器の操作者に表示される格子とを採用し得る。ホログラフィック照準器の動作は、光学構成要素が、互いに、距離及び向きを含めて意図された位置にあることを必要とする。光学構成要素の1つの意図された位置からの非常に小さな変動でさえ、照準器の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
ホログラフィック照準器は、光学構成要素をホログラフィック照準器内の構造物に固定することによって、光学構成要素を互いに相対的に位置決めし得る。例えば、例えばコリメート光学部品及びホログラム画像などの光学構成要素は、ホログラフィック照準器のハウジングの内部に固定されてもよい。ミラーは、照準器ハウジングが取り付けられるベースから延びる台座上に配置されてもよい。格子は、照準器ハウジングに対して相対的に回転するように構成された可動プレートに固定されてもよい。光学構成要素は、それら自体が互いに相対的に移動可能であり得る異なる構成要素に取り付けられているため、制御された製造環境であっても、光学構成要素を意図した位置に配置することは困難な場合がある。さらに、光学構成要素が取り付けられた構造物のいずれかが動くと、光学構成要素は意図した位置から移動し、ホログラムの再構成に劣化が生じる可能性がある。
【0009】
ホログラフィック照準器は、様々な環境及び様々な温度で使用することができる。ホログラフィック照準器の構成要素は、温度の変化に応答して膨張及び/又は収縮し得る。例えば、温度の低下に応答して、ホログラフィック照準器のハウジング及びベースは、サイズを収縮又は縮小し得る。同様に、温度の上昇に応答して、ハウジング及びベースは、サイズを膨張又は拡張し得る。光学構成要素がハウジング及びベースに固定されているホログラフィック照準器において、ハウジング及びベースの膨張及び収縮は、固定された光学構成要素の意図された相対位置からの移動又は変位をもたらし得る。光学構成要素の移動又は変位は、照準器によって作成されるホログラムの品質を低下させるおそれがある。
【0010】
本出願人は、本明細書において、温度安定化されたホログラフィック照準器を開示する。温度の変化は、光学構成要素をそれらの意図された相対位置から変位させない可能性があり、照準器によって作成されるホログラムは質を損うことがないかもしれない。ホログラフィック照準器は、第1の受容部内に位置決めされたコリメート光学部品と、第2の受容部内に位置決めされたミラーと、第3の受容部内に位置決めされたカラーと、カラー内に位置決めされたレーザダイオードとを有するユニット式光学構成要素キャリアを含み得る。ミラーは、レーザダイオードに対向して位置決めされてもよい。カラーの第1の部分は、第3の受容部の第1の部分に対して固定され、カラーの第2の部分は、第3の受容部に対して自由に動くことができる、例えば、長さを膨張及び収縮することができる。レーザダイオードは、第2の部分に近接してカラーに固定され、カラーの膨張及び収縮に伴って第3の受容部に対して自由に移動することができる。カラーは、温度の変化に応答して膨張及び収縮して、温度の変化に応答して膨張及び収縮するユニット式光学構成要素キャリアを補償し得る。例えば、ユニット式光学構成要素キャリアは、温度の上昇に応答して膨張し、第1の受容部をミラーから遠ざけ得る。カラーは、温度の上昇に応答して膨張し、カラーの第2の部分及びレーザダイオードをミラーの方に移動させ得る。ユニット式光学構成要素キャリアは、温度の低下に応答して収縮し、第1の受容部をミラーに向かって移動させ得る。カラーは、温度の低下に応答して収縮し、カラーの第2の部分及びレーザダイオードをミラーから遠ざけ得る。カラーとユニット式光学構成要素キャリアの熱膨張係数は互いに異なっていてもよく、カラーの長さは、温度変化中に光学構成要素間の光路の累積長が実質的に一定のままであるようにサイズが決められてもよい。
【0011】
図1A及び1Bは、例示的なホログラフィック照準器100の正面図及び背面図をそれぞれ描いている。図1C及び1Dは、例示的なホログラフィック照準器100の側面図を描いている。ホログラフィック照準器100は、例えば、銃器などの適切な装置に着脱可能に取り付けられるように適合されてもよい。ホログラフィック照準器100は、ホログラフィック照準器100を銃器に固定するために、銃器上の対応する構成要素と着脱可能に係合するように構成されたベース110を含み得る。
【0012】
ホログラフィック照準器100は、前端部112及び後端部114を含む。ホログラフィック照準器100の操作者は、後端部114に位置するバックウィンドウ116と、前端部112に位置する整列したフロントウィンドウ118とを通して見ることができる。バックウィンドウ116及び整列したフロントウィンドウ118を通して操作者に見える領域は、視野と呼ばれることがある。ホログラフィック照準器100は、バックウィンドウ116及びフロントウィンドウ118によって画定された視野にホログラフィック画像を課すように適合される。
【0013】
仰角調整制御部120は、ホログラフィック照準器100のハウジング122に形成された開口部を介してアクセス可能であり得る。方位角調整制御部124は、ベース110に形成された開口部を介してアクセス可能であり得る。操作者は、仰角調整制御部120を回して、バックウィンドウ116から見たホログラムの垂直位置を調整し得る。操作者は、方位角調整制御部124を回して、バックウィンドウ116から見たホログラムの水平位置を調整し得る。バッテリーキャップ128は、ホログラフィック照準器100に電力を供給し得るバッテリーを受け入れるように構成された開口部へのアクセスを提供するために、取り外されてもよい。
【0014】
暗視ボタン162及びアップダウンボタン164が、ベース110に形成されたアパーチャを通して延在し得る。ホログラフィック照準器の操作者は、ホログラフィック照準器100の動作特性を変更するために、暗視ボタン162及び/又はアップダウンボタン164を押し下げ得る。例えば、特定のボタン又はボタンの組み合わせを押し下げることによって、ホログラフィック照準器100は、そのオン/オフ状態を変更し、ホログラムの輝度を変更し、及び/又は通常モードと暗視モードの間で切り替わり得る。
【0015】
ホログラフィック照準器100は、フード170をさらに含み得る。フード170は、ハウジング122の一部の上及び周囲に配置されてもよく、ベース110に機械的に取り付けられてもよい。フード170は、衝撃からハウジング122を保護するように構成されてもよい。
【0016】
図2は、ホログラフィック照準器100の分解図を提供する。ハウジング122は、ベース110に機械的に結合されてもよく、その間に配置されたシール130を有していてもよい。ハウジング122は、ホログラフィック照準器100の構成要素を封入する。例えば、ハウジング122は、ベース110に機械的に結合されてもよい光学シャーシ132を封入し得る。光学シャーシ132は、ホログラフィック画像を作成するために採用される光学構成要素を受け入れるための複数の受容部を有する剛体を備え得る。例えば、光学シャーシ132は、レーザダイオード134、ミラー136、コリメート光学部品138、格子140、及び画像ホログラム142のそれぞれを受け入れるための受容部を有する本体を備え得る。レーザダイオード134は、ミラー136に向けられ、ミラー136で受け取られる可視光を発生させるように構成されてもよい。ミラー136は、レーザダイオード134から受け取った光をコリメート光学部品138に向けて反射するように構成されてもよい。コリメート光学部品138は、ミラー136から反射光を受け取り、コリメートされた光を格子140に向けるように構成されてもよい。コリメート光学部品138は、例えば、透過性又は反射性であり得る。例えば回折格子であり得る格子140は、コリメート光学部品138からコリメートされた光を受け取り、回折光を画像ホログラム142に向かって反射するように構成されてもよい。画像ホログラム142は、格子140から光を受け取り、ホログラフィック照準器100の視野で見ることができるホログラム画像を投影するように構成されてもよい。ホログラフィック照準器100は、リヤウィンドウ116によって提示される視野を通して見る操作者にホログラムを表示する。ホログラム画像は、操作者が物体の位置を特定し、標的化することを支援するように構成されてもよい。例えば、ホログラムはレチクルであり得るが、他の画像が採用されてもよい。
【0017】
ダイオードシューと呼ばれることもあるカラー146は、関連する内径を有する内面と、関連する外径を有する外面とを有する円筒形に形成されてもよい。レーザダイオード134は、カラー146内に位置決めされ、カラー146の内面と摩擦嵌合を形成してもよい。リング148は、カラー146の外面の周りに位置決めされ、カラー146の外面と摩擦嵌合を形成してもよい。リング148は、光学シャーシ132の対応する受容部内に受け入れられる。リングは、光学シャーシ132の対応する受容部内に含まれる対向する壁と摩擦嵌合を形成してもよい。レーザダイオード保持プレスが、レーザダイオード134、カラー146、及びリング148を光学シャーシ132の対応する受容部内に挿入する間に、カラー146に圧力を加えるために使用されてもよい。
【0018】
ハウジング122は、ベース110に機械的に結合され得るブリッジ152をさらに封入する。ブリッジ152は、光学シャーシ132の第1の受容部の少なくとも一部が延びる開口部190を形成し得る。仰角調整アセンブリ154及び方位角調整アセンブリ156は、ブリッジ152に形成された開口部159を通って延びて、光学シャーシ132の第1の受容部の一部と係合し得る。仰角調整制御部120は、ハウジング122に形成された開口部又はアパーチャ155を介して仰角調整アセンブリ154と係合し得る。ハウジング122の開口部又はアパーチャ155は、ハウジング122による干渉なしに仰角調整制御部120が仰角調整アセンブリ154と係合することを可能にするように形成されてもよい。ホログラフィック照準器100の操作者は、仰角調整制御部120を回転させてもよく、これにより、仰角調整アセンブリ154は、ブリッジ152によって形成された開口部190内に延びるアセンブリの長さを増加又は減少させて、それにより光学シャーシ132の第1の受容部に加えられる力を増加又は減少させることができる。
【0019】
方位角調整制御部124は、ベース110に形成された開口部157を介して方位角調整アセンブリ156と係合する。ベース110の開口部157は、方位角調整制御部124がベース110による干渉なしに方位角調整アセンブリ156と係合することを可能にするように形成されてもよい。ホログラフィック照準器100の操作者は、方位角調整制御部124を回転させてもよく、これにより、方位角調整アセンブリ156は、ブリッジ152によって形成された開口部190内に延びるアセンブリの長さを増加又は減少させて、それによって光学シャーシ132の第1の受容部に加えられる力を増加又は減少させることができる。
【0020】
ハウジング122は、ホログラフィック照準器100に電力を供給し、制御するように構成された電子部品を含むプリント回路基板アセンブリ160をさらに封入し得る。暗視ボタン162及びアップダウンボタン164は、スペーサ166を通って延び、プリント回路基板アセンブリ160と係合し得る。暗視ボタン162及びアップダウンボタン164は、ベース110の対応する開口部を通って延び得る。ホログラフィック照準器100の操作者が暗視ボタン162及び/又はアップダウンボタン164を押し下げると、ボタンはプリント回路基板アセンブリ160とインターフェースしてホログラフィック照準器100の動作特性を変化させ得る。例えば、特定のボタン又はボタンの組み合わせを押し下げると、プリント回路基板アセンブリ160は、オン/オフ状態を変更し、ホログラムの輝度を変更し、及び/又は通常モードと暗視モードの間で切り替わり得る。
【0021】
図3は、ハウジング122、フード170、及び他の要素が取り外された状態で部分的に組み立てられた例示的なホログラフィック照準器100の斜視図を描いている。光学シャーシ132は、例えばネジを使用するなどの適切な留め技術を使用して、ベース110に機械的に結合されてもよい。レーザダイオード134、ミラー136、コリメート光学部品138、格子140、及び画像ホログラム142を含む光学構成要素は、光学シャーシ132の受容部に受け入れられてもよい。ブリッジ152は、例えばネジを使用するなどの適切な留め技術を使用してベース110に機械的に結合されてもよい。光学シャーシ132の一部は、ブリッジとベース110とによって画定される開口部190内に延在し得る。仰角調整制御部120は、仰角調整アセンブリ154とインターフェースして、光学シャーシ132の一部に力を加え、それによって光学シャーシ132の少なくとも一部の仰角を調整し得る。方位角調整制御部124は、方位角調整アセンブリ156とインターフェースして、光学シャーシ132の一部に力を加え、それによって光学シャーシ132の少なくとも一部の水平方向の向きを調整し得る。
【0022】
図4Aは、ベース110に取り付けられ、光学構成要素が取り外された状態の例示的な光学シャーシ132の孤立した斜視図を描いている。図4Bは、例示的な光学シャーシ132の一部の拡大図を描いている。図5は、ベース110に取り付けられた光学シャーシ132の逆方向からの斜視図を描いている。光学シャーシ132は、取付フランジ220と、取付フランジ220と一体的に形成され、取付フランジ220から上方に延びる支持部材222と、支持部材222と一体的に形成されたユニット式光学構成要素キャリア224とを含み得る。取付フランジ220は、例えば、取付フランジ220の開口部を通ってベース110の対応する受容部内に延びるネジを含み得る適切な方法を用いてベース110に固定されてもよい。支持部材222及びユニット式光学構成要素キャリア224は、取付フランジ220によってベース110に対して吊り下げられてもよい。
【0023】
光学シャーシ132の支持部材222は、ユニット式光学構成要素キャリア224が取付フランジ220及びベース110に対して水平方向及び/又は垂直方向に角度を変えて移動可能であり得るように、柔軟性のある1つ又は複数の部分を含み得る。支持部材222は、取付フランジ220及びベース110に対するユニット式光学構成要素キャリア224の位置の調整を可能にし、それによって操作者の視野内に作成されるホログラムの位置の調整を可能にするように、順応性を備え得る。
【0024】
支持部材222は、取付フランジ220に対して上方に延び、取付フランジ220と一体的に形成された第1の壁240を含み得る。支持部材222は、第2の壁244と、第1の壁240及び第2の壁244の間に結合された可撓性部材246とをさらに含み得る。第2の壁244及び可撓性部材246は、第1の壁240によって支持されてもよい。第2の壁244は、可撓性部材246を支点として、取付フランジ220及びベース110に対して水平方向に角度を変えて自由に移動し得る。可撓性部材246は、第1の壁240の中央付近で第1の壁240に結合されていてもよく、第2の壁244の中央付近で第2の壁244に結合されてもよい。第2の壁244に水平方向の力が加えられると、可撓性部材246は、可撓性部材246を運動の支点として、第2の壁244が第1の壁240に対して水平方向に移動するか又は角変位することができるように撓ませるか又は捩ることができる。光学構成要素キャリア224に加えられる水平方向の力は、第2の壁244に伝達されてもよく、第1の壁240及び取付フランジ220に対する第2の壁244及び光学構成要素キャリア224の可撓性部材246の周囲又は周りの角度を変える水平方向の移動をもたらす可能性がある。
【0025】
支持部材222は、第2の壁244と一体的に形成され、ユニット式光学構成要素キャリア224から離れる方向に延びる第1の水平部材247と、ユニット式光学構成要素キャリア224に向かって延びる第2の水平部材248と、第1の水平部材247及び第2の水平部材248と一体的に形成されたジョイント部材249とをさらに含み得る。第1の水平部材247、ジョイント部材249、及び第2の水平部材248は、一体的に形成され、一緒になって、取付フランジ220及びベース110に対するユニット式光学構成要素キャリア224の垂直方向の可撓性を提供してもよい。第2の水平部材248は、第1の水平部材247に対して垂直方向に可撓性を有し得る。ジョイント部材249は、可撓性を有し、第1の水平部材246に対する第2の水平部材248の垂直方向の移動を許容し得る。垂直方向の圧力が第2の水平部材248にかけられると、それは第1の水平部材247、取付フランジ220、及びベース110に対して垂直方向に移動又は変位し得る。その移動は、ジョイント部材249を支点とした角度のあるものであり得る。ユニット式光学構成要素キャリア224に加えられた垂直方向の力は、第2の水平部材248に伝達され、第1の水平部材247及び取付フランジ220に対するユニット式光学構成要素キャリア224及び第2の水平部材248のジョイント部材249の周囲又は周りの垂直方向の角移動又は角変位をもたらし得る。図に示されるように、第1の水平部材247及び第2の水平部材248の複数の例が支持部材222に含まれてもよい。
【0026】
図6は、ベース110に取付フランジ220を介して結合され、光学構成要素134、136、138、140、142が取り付けられた例示的なユニット式光学構成要素キャリア224の斜視図を描いている。図7は、光学構成要素134、136、138、140、及び142が分解された状態の例示的なユニット式光学構成要素キャリア224を描いている。図8は、光学構成要素が取り付けられた、ベース110のない例示的なユニット式光学構成要素キャリアの斜視図を描いている。図9は、ベース110がなく、光学構成要素134、136、138、140、及び142が分解された状態の例示的な光学構成要素キャリアを描いている。ユニット式光学構成要素キャリア224は、光学構成要素が取り付けられる台又はラックとして機能し得る本体を備える。ユニット式光学構成要素キャリア224は、取付フランジ220と一体的に形成されてもよい支持部材222と一体的に形成されてもよい。ユニット式光学構成要素キャリア224は剛体を構成し得、光学構成要素間の相対距離の変化に対して実質的に耐性があり得る。例えば、仰角調整アセンブリ154及び/又は方位角調整アセンブリ156によって第1の受容部230に力が加えられるシナリオでは、ユニット式光学構成要素キャリア224は歪みに耐性があり得、光学構成要素134、136、138、140、及び142間の相対距離が実質的に変化しないまま一体となって移動し得る。ユニット式光学構成要素キャリア224は、比較的低い熱膨張係数を有する材料から作られてもよい。その結果、光学構成要素間の相対距離は、広い範囲の温度環境にわたって実質的に同じままであり得る。一例では、ユニット式光学構成要素キャリア224は、チタンから製造されてもよい。
【0027】
ユニット式光学構成要素キャリア224は、光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部230、232、234、236、238を含み得る。受容部230、232、234、236、及び238のそれぞれは、適切な光学構成要素の対応する表面を受け又は当接するように構成された1つ又は複数の表面を含み得る。例えば、受容部230は、カラー146及びカラー146内に位置決めされたレーザダイオード134をその中に保持するリング148を受け入れ、それと摩擦嵌合を形成し得る。受容部232は、ミラー222の1つ又は複数の表面を受け、これに当接し得る。受容部234は、コリメート光学部品138の1つ又は複数の表面を受け、これに当接し得る。受容部236は、ホログラフィック格子140の1つ又は複数の表面を受け、これに当接し得る。受容部238は、画像ホログラム142の1つ又は複数の表面を受け、これに当接し得る。表面対表面の取り付けは、ユニット式光学構成要素キャリア224に対する、及び互いに対する光学構成要素の正確な位置決めをもたらす。受容部230、232、234、236、及び238は、対応する光学構成要素をユニット式光学構成要素キャリア224の外側から適用できるように構成される。外側からの光学構成要素の取り付けは、例えば、ロボットハンドリングなどの自動化された手段によって行われてもよい。光学構成要素は、光学構成要素と対応する受容部との間の摩擦を介して、及び/又は接着剤の塗布によって、受容部230、232、234、236、及び238に固定されてもよい。
【0028】
図10は、光学構成要素134、136、138、140、及び142が対応する受容部230、232、234、236、及び238に位置決めされたベース110及び取り付けられた光学シャーシ132の側面断面図を描いている。図11は、ベース110がない光学シャーシ132の断面図を描いている。レーザダイオード134は、ミラー136に向けられ、ミラー136で受け取られる可視光ビームを生成し、放射するように構成されてもよい。ミラー136は、レーザダイオードに対向して位置決めされ、レーザダイオード134から可視光ビームを受け取り、受け取った可視光ビームをコリメート光学部品138に向けて反射又は方向転換するように構成されてもよい。コリメート光学部品138は、ミラー136から反射又は方向転換された光ビームを受け取り、方向転換された可視光ビームをコリメートし、コリメートされた可視光ビームを格子140に向けるように位置付けられ、構成されてもよい。格子140は、コリメートされた光ビームを受け取り、コリメートされた可視光ビームを回折し、回折されたコリメートされた可視光ビームを画像ホログラム142に向けるように位置付けられ、構成されてもよい。画像ホログラム142は、回折されたコリメートされた可視光ビームを格子140から受け取り、ホログラフィック照準器100の視野で見ることができるホログラムを投影するように位置付けられ、構成されてもよい。レーザダイオード134、ミラー136、及びコリメート光学部品138は、レーザダイオード134からミラー136へ、及びミラー134からコリメート光学部品138へ放射される光のための光路を形成するように互いに位置付けられてもよい。光路は、コリメート光学部品138から格子140へ、及び格子140から画像ホログラム142へ連続し得る。
【0029】
レーザダイオード134は、カラー146内に位置決めされてもよく、カラー146は、リング148内に位置決めされてもよい。リング148、カラー146、及びレーザダイオード134は、ユニット式光学構成要素キャリア224の第1の受容部230内に位置決めされてもよい。第1の受容部230は、2組の対向する側壁250A、B及び252A、Bによって確立された開口部又は受容部を形成し得る。リング148は、2組の対向する側壁250A、B及び252A、Bに当接して摩擦嵌合を形成し得る。言い換えれば、リング148は、リング148と第1の受容部230の表面との間の摩擦により第1の受容部230の内面に固定されてもよい。リング148に対応するカラー146の第1の部分310は、第1の受容部230とユニット式光学構成要素キャリア224に対して実質的に固定されてもよい。カラー146の第1の部分310は、第1の受容部230が膨張及び収縮するにつれて、第1の受容部230とともに実質的に移動し得る。リング148に対応しないカラー146の第2の部分312は、第1の受容部230内に懸吊されてもよく、第1の受容部230に対して自由に移動し得る。例えば、温度の変化に応答してカラー146が膨張及び/又は収縮するにつれて、カラー146の第2の部分312の位置は、第1の受容部230に対して変化し得る。レーザダイオード134は、第2の部分312に近接してカラー146に固定されてもよく、したがって、第2の部分312が温度の変化に応答して膨張及び/又は収縮するにつれて、第1の受容部230に対して自由に移動し得る。
【0030】
レーザダイオード134、ミラー136、及びコリメート光学部品138は、レーザダイオード134からミラー136へ、及びミラー136からコリメート光学部品138への光路を形成するように、互いに位置決めされてもよい。カラー146は、温度の変化に応答して膨張及び/又は収縮するユニット式光学構成要素キャリア224を補償するために、温度の変化に応答して膨張及び/又は収縮し得る。例えば、ユニット式光学構成要素キャリア224が温度の上昇に応答して膨張するシナリオでは、ユニット式光学構成要素キャリア224の第1の受容部230と摩擦結合されるカラー146の第1の部分310は、第1の受容部230が膨張するにつれて第1の受容部230とともにミラー136から遠ざけ得る。カラー146は温度の上昇に応答して膨張し得、カラー146の第2の部分312及びそれに固定されたレーザダイオード134をミラー136に向かって移動させる。カラー146の膨張及びミラー136に向かうレーザダイオード134の対応する移動は、ユニット式光学構成要素キャリア224の膨張及びミラー136から離れるカラー146の第1の部分310の対応する移動を相殺又は補償する。レーザダイオードからミラーへの、及びミラーからコリメート光学部品への光路の長さは、温度の変化に応答して、実質的に一定又は不変のままである。同様に、レーザダイオード134からミラー232への、ミラー232からコリメート光学部品138への、コリメート光学部品138から格子140への、及び格子140から画像ホログラム142への光路も、温度の変化に応答して実質的に一定又は不変のままである。
【0031】
ユニット式光学構成要素キャリア224が温度の低下に応答して収縮するシナリオでは、ユニット式光学構成要素キャリア224の第1の受容部230と摩擦結合されるカラー146の第1の部分310は、第1の受容部が収縮するにつれて第1の受容部230とともにミラー136に向かって移動し得る。カラー146は温度の低下に応答して収縮し得、カラー146の第2の部分312及びそれに固定されたレーザダイオード134をミラー136から遠ざける。カラー146の収縮及びミラー136から離れるレーザダイオード134の対応する移動は、ユニット式光学構成要素キャリア224の収縮及びミラー136に向かうカラー146の第1の部分310の対応する移動を相殺又は補償する。レーザダイオード134からミラー136まで、及びミラー136からコリメート光学部品138までの光路の長さは、温度の変化に応答して実質的に不変又は一定のままである。同様に、レーザダイオード134からミラー232への、ミラー232からコリメート光学部品138への、コリメート光学部品138から格子140への、及び格子140から画像ホログラム142への光路も、温度の変化に応答して実質的に一定又は不変のままである。
【0032】
ユニット式光学構成要素キャリア224は、第1の熱膨張係数を有し得、カラー146は、第2の熱膨張係数を有し得る。第1の熱膨張係数と第2の熱膨張係数とは異なっていてもよく、カラー146の長さは、温度の変化に応答して光路の長さが実質的に一定のままであるようにサイズが決められてもよい。例えば、ユニット式光学構成要素キャリア224はチタンから形成されてもよく、レーザダイオードシー146はアクリロニトリルブタジエンスチレンから形成されてもよい。リング148は、鋼、例えばステンレス鋼などから形成されてもよい。
【0033】
したがって、本出願人は、光学構成要素の相対位置が温度変化に応答して実質的に不変のままであるホログラフィック照準器を開示した。ユニット式光学構成要素キャリアの膨張及び収縮は、レーザダイオードが着座しているカラーの膨張及び収縮によって補償される。レーザダイオードと他の光学構成要素との間の光路長は、温度変化に応答して不変のままである。ホログラフィック照準器は温度に対して安定している。
【0034】
例示的な実施形態が開示されてきたが、潜在的な実施形態の範囲は、明示的に記載されたものに限定されないことが理解されよう。例えば、例示的なホログラフィック照準器は特定の数の光学構成要素で記載されているが、異なる数の光学構成要素が、本開示と一致するホログラフィック照準器に含まれてもよい。実施形態は、本明細書に記載されたものとは異なる構成で配置された光学構成要素を有していてもよい。同様に、実施形態は、同様の機能を提供するが、本明細書で明示的に記載したものとは異なって構成された支持部材を採用し得る。
【0035】
特徴及び要素は特定の組み合わせで本明細書に記載され得るが、各特徴又は要素は、単独で、他の特徴及び要素なしで、及び/又は他の特徴及び要素あり又はなしで様々な組み合わせで使用されてもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11