(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】電子機器のユーザインターフェースのプログラム可能なカスタマイズ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230926BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20230926BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20230926BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20230926BHJP
【FI】
G06F3/01 570
A24F40/60
A24F40/65
A24F40/50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035249
(22)【出願日】2023-03-08
【審査請求日】2023-03-17
(32)【優先日】2022-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・パオロ・モンティコネ
(72)【発明者】
【氏名】レイス・スリマン・ブーチュイギュア
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-528979(JP,A)
【文献】特表2018-504095(JP,A)
【文献】特表2010-522492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A24F 40/60
A24F 40/65
A24F 40/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御可能な機能の中から選択された機能を指定する情報を受け取り、
前記選択された機能についての少なくとも1つのユーザ入力の同じグループの複数の第1記録を受け取り、
前記受け取られた複数の第1記録に基づいて、第1入力パターンの前記少なくとも1つのユーザ入力の分布を生成し、
前記生成された分布に基づいて、前記受け取られた複数の第1記録における前記第1入力パターンの前記少なくとも1つのユーザ入力のばらつきを決定し、
前記受け取られた複数の第1記録に訓練されたニューラルネットワークモデルを適用して、前記決定された前記第1入力パターンの前記少なくとも1つのユーザ入力のばらつきが閾値よりも小さい場合に前記第1入力パターンを認識し、
前記認識された第1入力パターンを前記選択された機能と関連付け、前記関連付けをメモリに記憶し、
前記記憶された関連付けに基づいて、前記選択された機能を制御する
ように構成された回路
を含む、電子機器。
【請求項2】
前記回路が、
前記決定されたばらつきが前記閾値よりも小さい場合に、前記第1入力パターンを前記電子機器のユーザの認証用のパスワードとして設定し、
前記ユーザを前記第1入力パターンと関連付ける
ように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記回路が、以前に受け取られた記録の前記少なくとも1つのユーザ入力に関連付けられた前記決定されたばらつきが前記閾値よりも大きい場合に、前記第1入力パターンに対する前記少なくとも1つのユーザ入力の追加の記録をリクエストするように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記回路が、
前記選択された機能に対して複数の第2記録を受け取り、
前記訓練されたニューラルネットワークモデルを前記受け取られた複数の第2記録に適用して、第2入力パターンを認識し、
前記認識された第1入力パターン及び前記第2入力パターンを、前記選択された機能に関連付け、
前記第1入力パターン又は前記第2入力パターンに基づいて、前記選択された機能を制御する
ように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記回路が、前記選択された機能とデフォルトの入力パターンとの関連付けを前記認識された第1入力パターンにより更新するように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記回路が、
前記関連付けに続いて、前記第1入力パターンのユーザ入力に対して入力パターン認識処理を実行し、
前記入力パターン認識処理の前記実行に基づいて、前記選択された機能の実行又は前記第1入力パターンに関連付けられたユーザの認証の一方を制御する
ように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記回路が、
前記認識された第1入力パターンのユーザ入力を受け取って、前記選択された機能の前記認識された第1入力パターンとの前記関連付けの後で、前記選択された機能を制御し、
前記訓練されたニューラルネットワークモデルへの学習入力としての前記受け取られたユーザ入力に基づいて、前記訓練されたニューラルネットワークモデルを訓練する
ように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1入力パターンが、前記電子機器上でのユーザアクション、前記電子機器に関連付けられたユーザジェスチャー、前記電子機器上での一連のユーザアクション、又は前記電子機器に関連付けられた一連のユーザジェスチャー、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
少なくとも1つのセンサを更に備え、前記回路が、前記少なくとも1つのユーザ入力の前記同じグループの前記複数の第1記録を取り込むように前記少なくとも1つのセンサを制御するように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記回路が、前記電子機器に通信可能に結合された外部デバイスから、前記第1入力パターンの前記複数の第1記録を受け取るように更に構成され、
前記電子機器が、前記複数の第1記録を取り込むように構成された少なくとも1つのセンサを更に備える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記複数の制御可能な機能のうちの各制御可能な機能が、前記電子機器のロック、前記電子機器のロック解除、前記電子機器の使用の開始、前記電子機器の使用の停止、前記電子機器と外部デバイスとの通信、前記電子機器の加熱素子の制御、前記電子機器のチャンバへのアクセスを制御するシャッターの開又は閉の一方、又は前記加熱素子の清掃、のうちの1つから選択される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記回路が、
一組の基準に基づいて、認識中の前記第1入力パターンの複雑度のレベルを決定し、
前記決定された複雑度のレベルが第1の閾値複雑度よりも大きい場合、前記第1入力パターンを前記選択された機能と関連付け、前記訓練されたニューラルネットワークモデルが、前記一組の基準及び前記第1の閾値複雑度に基づいて訓練されるように、前記訓練されたニューラルネットワークモデルを制御する
ように更に構成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記回路が、前記決定された複雑度のレベルが、前記第1の閾値複雑度よりも大きな第2の閾値複雑度よりも大きい場合、前記第1入力パターンを拒否するように、前記訓練されたニューラルネットワークモデルを制御するように更に構成される、請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記回路が、前記認識された第1入力パターンと前記選択された機能との間の前記関連付けを定義する情報を通信機器へ送信することをトリガーするように更に構成され、前記通信機器は、前記送信される情報のバックアップストレージのためのものである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項15】
前記電子機器が、電子タバコデバイス、エアロゾル生成デバイス、電子シガレット、タバコ送達デバイス、又はニコチン送達デバイス、のうちの1つである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項16】
デバイスであって、
制御対象電子機器の複数の制御可能な機能の中から選択された機能を指定する情報を受け取り、
前記選択された機能についての少なくとも1つのユーザ入力の同じグループの複数の記録を受け取り、
前記受け取られた複数の記録に基づいて、ある入力パターンの前記少なくとも1つのユーザ入力の分布を生成し、
前記生成された分布に基づいて、前記複数の記録における前記入力パターンの前記少なくとも1つのユーザ入力のばらつきを決定し、
前記受け取られた複数の記録に訓練されたニューラルネットワークモデルを適用して、前記決定された前記入力パターンの前記少なくとも1つのユーザ入力のばらつきが閾値よりも小さい場合に前記入力パターンを認識し、
前記認識された入力パターンを前記選択された機能と関連付け、前記関連付けをメモリに記憶し、
制御信号を前記制御対象電子機器に送信して、前記認識された入力パターンが前記デバイスに入力される度に、前記選択された機能を制御する
ように構成された回路
を備えるデバイス。
【請求項17】
メモリと、
回路であって、
電子機器の複数の制御可能な機能のうちの機能と関連付けられた少なくとも1つの認識された入力パターンを受け取り、
前記受け取られた少なくとも1つの認識された入力パターンを前記電子機器の前記機能に関連付けて前記メモリに記憶し、
前記電子機器とは異なるデバイスから、入力基準を含むリクエストを受け取り、前記入力基準は、前記電子機器の前記機能に関連付けられた前記認識された入力パターンの選択、前記電子機器の前記機能の選択、又は、前記電子機器の前記機能に関連付けられた前記認識された入力パターンの複雑度のレベルを含むフィルタ基準の選択、のうちの少なくとも1つを含むものであり、
前記入力基準に基づいて、前記メモリにおける前記少なくとも1つの認識された入力パターンから、1つの認識された入力パターンを選択し、
前記選択された認識された入力パターンを前記デバイスに送信する
ように構成された回路と
を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、複数の制御可能な機能を提供する電子機器に関し、より具体的には、そのような電子機器のユーザインターフェースのカスタマイズに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の電子機器では複数の機能が提供され、各機能は、少なくとも1つのユーザ入力を含む入力パターンによって制御可能である。このことは、ユーザが電子タバコを吸うセッション中に、空気と混合されたエアロゾル生成物質を加熱することによりエアロゾルを生成する、電子タバコデバイス又はいわゆる電子ニコチン送達システム(頭字語「ENDS」によっても知られている)の場合には、特に該当する。
【0003】
一般的に、電子機器の機能に関連付けられた入力パターンとは、この電子機器の製造業者によって設定されたデフォルトの入力パターンである。従って、この電子機器のユーザがこの機能を使用したいときには、ユーザはその電子機器を用いて、又はその電子機器に結合され及び遠隔でその電子機器を制御できる外部デバイスを用いて、関連するデフォルトの入力パターンを再現する必要がある。従って、ユーザがこの電子機器の機能にそれぞれ関連付けられた入力パターンをカスタマイズする可能性はなく、電子機器のデフォルトの入力パターンを知っている他のユーザは、デフォルトの入力パターンを使用することができる。
【0004】
電子機器の機能を制御するためにカスタマイズされた入力パターンを使用することが、特に(特許文献1)で提案されている。しかしながら、これらのカスタマイズされた入力パターンは、可能な入力パターンのリストの中からユーザによって選択されるものであり、これは限定的であり、また、ユーザがこの入力パターンを自分自身で考えついたのではないので、所望の機能に関連付けられた入力パターンをユーザが正確に再現しないときに、認識エラーを引き起こすことが多い。
【0005】
従って、入力パターンの認識エラーの回数を低減するように状況を改善することが有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第10,500,600B2号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ユーザ入力のグループの記録から複数の機能に関連付けられた複数の入力パターンを認識することに基づいてユーザインターフェースをカスタマイズするための電子機器、デバイス、及びサーバが、図面のうちの少なくとも1つに示されるように、及び/又は図面のうちの少なくとも1つに関連して説明され、添付の特許請求の範囲に記載されるように、実質的に提供される。
【0008】
上記で考察し、以下で詳細に説明される特徴、機能、及び利点は、様々な例において独立して達成されることができ、又は、他の例では組み合わされる可能性がある。それらの例の更なる詳細については、以下の説明及び図面を参照して理解することができる。
【0009】
しかしながら、例示的な例、及び好ましい使用の形態、更なる目的及びその説明は、以下の詳細な説明を読むことでより深く理解されるであろう。以下の説明は、単に非限定的な例として与えられるものであり、添付の図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の別の実施形態によるサーバに結合された本開示の一実施形態による電子機器の例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による電子機器により実装され得るアルゴリズムの例を示す図である。
【
図3】本開示の更に別の実施形態による電子機器及びサーバに結合された、本発明の別の実施形態によるユーザデバイスの例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態によるユーザデバイスにより実装され得るアルゴリズムの例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態によるサーバにより実装され得るアルゴリズムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、電子機器1、デバイス2、及びサーバ3に関し、これらは、ユーザ入力の1つ又は複数のグループの記録から、この電子機器1によって提供される機能に関連付けられた入力パターンを認識することに基づいて、ユーザインターフェースをカスタマイズするためのものである。
【0012】
以下の説明では、任意の種類のユーザ入力が関係しており、特に、例えばジェスチャー、強く握ること、タップ、傾斜、回転、移動、音、又は言葉などである。
【0013】
以下の説明では、電子機器1は、液体基材から吸入可能な蒸気を生成するための電子シガレット、又は、植物由来の基材、特にタバコを、燃焼させ熱分解させることなく加熱して吸入可能な蒸気を生成するための加熱式デバイス、などの電子タバコデバイスであるとみなされる。しかしながら、電子機器1は、ユーザが使用し及び運ぶことができ、少なくとも1つの制御可能な機能を提供する限り、別の種類のものであってもよい。
【0014】
更に、以下の説明では、(ユーザ)デバイス2は、任意の接続された電子通信デバイス、即ち、任意の既知の無線通信プロトコル、特にWiFi(IEEE802.11)、Bluetooth(登録商標)(IEEE801.15.1)、Zigbee(IEEE802.15.4)、LoRaWan、又はSigfoxプロトコルのうちのいずれか、を使用して別の電子デバイスと無線通信することができる通信インターフェースを備える任意の電子デバイスであるとみなされる。従って、例えば、ユーザデバイス2は、スマートフォン、電子タブレット、ラップトップ、又はスマートウォッチのいずれかであり得る。
【0015】
本発明の一実施形態による電子機器1の例が、
図1に示されている。この実施形態の例では、電子機器1は加熱式デバイスである。しかしながら、電子タバコデバイスであるそのような電子機器1は、液体気化デバイスでもあり得る。
【0016】
図1に示すように、本発明による電子機器1は、少なくとも1つの制御可能な機能を提供し、少なくとも第1の回路4と、ユーザが電子タバコを吸うセッション中に、空気と混合されたエアロゾル生成物質を加熱することによりエアロゾルを生成できる素子のグループと、を備える。
【0017】
例えば、各制御可能な機能は、電子機器1のロック/ロック解除、電子機器1の使用の開始、電子機器1の使用の停止、電子機器1と外部デバイス2又は3との通信、電子機器1の加熱素子10の制御、電子機器1の内部チャンバ6へのアクセスを制御するシャッターの開閉、及びこの加熱素子10の清掃、のうちのいずれかを含み得る。
【0018】
電子機器1の上述した素子のグループは、内部チャンバ6を含む外部ケーシング5内に収容され、内部チャンバ6の中には、エアロゾル生成物質8を含む消耗品7を導入することができる。例えば、この消耗品7はタバコスティックであり得る。この場合には、エアロゾル生成物質8は、タバコ及び/又は再構成タバコ材料を含む。例えば、この物質は、均質化されたタバコ材料(即ち、キャストシート、タバコ紙、又はラミネートされたタバコシートなどの、再構成タバコ)と、タバコ葉片、セルロース繊維、又は香料のうちの1つ又は複数と、を含む。しかしながら、本発明は、この種の消耗品7に限定はされない。やはり図示されるように、消耗品7は、エアロゾル生成物質8の端部に取り付けられたフィルタ9を含み得る。
図1の非限定的な例では、消耗品7は、内部チャンバ6に部分的に挿入される。しかしながら、一実施形態では、消耗品7は、内部チャンバ6に完全に挿入され得る。
【0019】
エアロゾル生成物質8は、電源11から電気エネルギーを供給される加熱素子(又はヒーター)10によって加熱される。
図1に示される非限定的な例では、加熱素子10は内部チャンバ6を囲み、従って、消耗品7(より正確には、そのエアロゾル生成物質8)の一部を囲んで、これを加熱する。例えば、加熱素子10は、内部チャンバ6の側壁と内部容積の少なくとも一部とを加熱するために、内部チャンバ6の外面の周りに巻かれた薄膜ヒーターであり得る(従って、これは加熱チャンバを規定する)。しかしながら、図示されていない実施形態では、加熱素子10は、サセプタ又は抵抗性コイルヒーターに関連付けられた、コイルであり得る。他の図示されていない実施形態では、加熱素子10は、消耗品7の内側、又は内部チャンバ6の内側に配置され得る。
【0020】
電子タバコ吸入セッション中に加熱素子10に供給される電気エネルギーは、第1の回路4によって制御され、第1の回路4は、プリント回路基板(即ちPCB)12(ここでは、外部ケーシング5の中に収容される)上に設けられ得る。
【0021】
第1の回路4は、動作を実施するようになされた少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含む。例えば、プロセッサは、デジタル信号プロセッサ(即ちDSP)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)であり得る。より一般的には、プロセッサは、複数の集積(又はプリント)回路、又は有線若しくは無線の接続を介して、それらの間に接続された幾つかの集積(又はプリント)回路、を含み得る。「集積(又はプリント)回路」という用語は、ここでは、少なくとも1つの電気的な又は電子的な動作を実行することができる任意の種類のデバイスを指す。また、例えば、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)であり得る。しかしながら、メモリは、関連するプロセッサ用のプログラム命令を記憶するようになされた、任意の種類のデバイスであり得る。
【0022】
一般的に、第1の回路4の機能は、プログラムロジックの動作を介して、又は専用ロジックを介して、又はプログラム制御と専用ロジックとの相互作用を介して、又は部分的に(ユーザによって)手動で、実行され得る。これらの機能は、専用ハードウェア、及び、適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行できるハードウェア、の使用を介して提供され得る。
【0023】
第1の回路4は、プロセッサ及びメモリに加えて、入力インターフェース、大容量メモリ(特に、計算及び処理中に生成される中間データを記憶するための)、並びにメッセージ及び指示を届けるための出力インターフェース、も備え得る。
【0024】
図2に示すように、第1の回路4は、少なくとも5つの動作100~140を実行するように構成される。
【0025】
第1の動作100は、複数の制御可能な機能の中から選択される電子機器1の機能を指定する情報を受け取ることにある。
【0026】
この機能は、電子機器1上で、より正確には、電子機器1の第1の回路4上で、動作している専用のアプリケーションを介して選択され得、第1の回路4に接続されたユーザインターフェース13を通じて、ユーザが制御可能であり得る。
【0027】
図示していない実施形態では、専用のアプリケーションは、電子機器1のユーザによって使用され、電子機器1とペアリングされたユーザデバイス2(ここではスマートフォン)上で動作し得る。この実施形態では、ユーザは、自分のユーザデバイス2上で動作する専用のアプリケーションを介して機能を選択し、ユーザデバイス2は、選択された機能を指定する情報を、電子機器1に送信する。従って、この実施形態では、電子機器1は、第1の回路4に結合されペアリングされたユーザデバイス2との通信を可能にする、通信インターフェース14を備え得る。この情報の送信は、例えば、短距離無線通信によって実行され得る。そのような短距離無線通信は、例えば、Bluetooth通信であり得る。しかしながら、これは非限定的な例であり、他の種類の短距離無線通信も可能であり、特に、NFC、RFID、ZigBee、及びWi-Fi Directなどがそうである。ユーザデバイス2を、USBタイプのケーブルなどのケーブルによって電子機器1と結合することも可能であり得る。
【0028】
第1の回路4によって実行される第2の動作110は、選択された機能に対する少なくとも1つのユーザ入力の同じグループの複数の記録を受け取ることにある。
【0029】
少なくとも1つのユーザ入力のグループの記録はそれぞれ、上述の専用のアプリケーションを介して少なくとも1つのセンサによって実行され得る。例えば、電子機器1は、各センサ15~18を備えることができ、この実施形態では、各記録は、ユーザが電子機器1を操作し、少なくとも1つのセンサ15~18によって記録されるユーザ入力を実行したときに、開始する。本開示はこの点に関して限定はされず、各センサは、電子機器1に通信可能に結合された(又は結合されるように意図された)外部デバイスに設けられ得ることを認識されたい。そのような外部デバイスは、ユーザデバイス2か、又はユーザによって使用される別のデバイス(例えば、仮想アシスタント)であり得る。この実施形態では、各記録は、ユーザが外部デバイスを操作又は使用し、少なくとも1つのセンサによって記録されるユーザ入力を実行すると、開始する。
【0030】
例えば、電子機器1がセンサ15~18を備える場合、ユーザ入力は、電子機器1上でのユーザアクション、電子機器1に関連付けられたユーザジェスチャー、電子機器1上での一連のユーザアクション、及び電子機器1に関連付けられた一連のユーザジェスチャーであり得る。上述のように、任意の種類のユーザ入力が関係しており、特に、例えばジェスチャー、強く握ること、タップ、シェイク、傾斜、回転、移動、音、又は言葉などである。従って、センサ15~18は、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、振り子、ひずみゲージ、ボタン、タッチスクリーン、又はマイクロフォンであり得る。
【0031】
例示的な実施形態では、電子機器1が外部ケーシング5の2つの対向面上に配置された2つのひずみゲージ15及び16を備える場合、ユーザアクションは、これらの対向面を同時に握ることにある場合がある。別の実施形態では、電子機器1が、外部ケーシング5の別の面に配置された加速度計17を備える場合、ユーザアクションは、この他の面上で少なくとも1回タップすることにある場合がある。更に別の実施形態では、電子機器1が少なくとも1つのひずみゲージ15、16及び加速度計17を備える場合、ユーザアクションは、握ること及びタップすることにある場合がある。
【0032】
同じグループのユーザ入力は、このグループの十分な数の記録を持つために、同じユーザによって少なくとも連続して2回実行され、センサ15~18によって記録される必要があることを理解されたい。
【0033】
電子機器1の第1の回路4は、ユーザ入力の各グループの複数の記録を取り込むようにセンサ15~18を制御するように構成され得る。
【0034】
それらの記録が、取り込まれただけで、電子機器1の第1の回路4によって処理されていない場合、それらを定義するデータは、電子機器1の通信インターフェース14によってユーザデバイス2に送信される。
【0035】
それらの記録が取り込まれ第1の回路4によって処理される場合、この第1の回路4によって実行される第3の動作120は、訓練されたニューラルネットワークモデルを受け取った複数の記録に対して適用して、入力パターンを認識することにある。このことは、ニューラルネットワークモデルが、ユーザ入力の同じグループの複数の記録に基づいて入力パターンを決定(又は認識)できるように予め教師付きで訓練されていることを意味する。記録の数が多いほど、訓練されたニューラルネットワークモデルの入力パターンを決定(又は認識)するのが容易になる。
【0036】
記録が取り込まれ第1の回路4によって処理される場合、この第1の回路4によって実行される第4の動作130は、認識済入力パターンを選択された機能に関連付けること、及びこの関連付けをメモリに記憶することにある。
【0037】
記録が取り込まれ第1の回路4によって処理される場合、この第1の回路4によって実行される第5の動作140は、記憶された関連付けに基づいて、選択された機能を制御することにある。
【0038】
言い換えると、ユーザがユーザ入力を実行すると、ユーザ入力はセンサ15~18によって記録され、この記録は、関連付けで記憶された認識済入力パターンと比較され、この記録が認識済入力パターンと一致する場合、第1の回路4は、この認識済入力パターンと関連付けられた選択された機能を制御する。
【0039】
従って、本発明は、ユーザが電子機器1のユーザインターフェース13をプログラム可能にカスタマイズすることを可能にし、また、認識された各入力パターンは幾つかのグループ記録に基づいているので、入力パターン認識タスクが容易になり、従って、入力パターン認識エラーの数が著しく減少する。
【0040】
例えば、一実施形態では、第3の動作120中に、第1の回路4は、複数の記録に基づいて、入力パターンの少なくとも1つのユーザ入力の分布を生成し、この生成された分布に基づいて、この入力パターンの各ユーザ入力のばらつきを決定する、ように更に構成され得る。次いで、各ユーザ入力のばらつきは、将来起こる可能性のある入力パターンを認識する前に、関係するユーザ入力と関連付けられ、次いで、入力パターンが、効果的に認識されたかどうか、次いで、第1の回路4の関係するメモリ内の関連付けとして、関係する選択された機能と共に記憶するどうか、を決定するために使用され得る。
【0041】
直前の実施形態では、対応するユーザ入力の決定された各ばらつきが第1の閾値よりも小さい場合、第1の回路4は、入力パターンをそういうものとして認識するように構成され得る。これにより、第1の閾値より大きな関連した決定されたばらつきを有する記録のユーザ入力を拒否することが可能になり、この状況では、これらの記録に基づいて認識される入力パターンは存在しない。
【0042】
直前の実施形態では、第1の回路4は、決定されたばらつきが第2の閾値(場合によっては、第1の閾値と等しい)よりも小さい場合、入力パターンを、電子機器1のユーザ認証用のパスワードとして設定し、このユーザをこの入力パターンと関連付けるように構成され得る。
【0043】
直前の実施形態では、第1の回路4は、以前に受け取った記録の少なくとも1つのユーザ入力に関連した決定されたばらつきが、第3の閾値(場合によっては、第1の閾値と等しい)よりも大きい場合、潜在的な入力パターンについてのユーザ入力の追加の記録をリクエストするように構成され得る。このオプションは、認識される入力パターンの定義を改善し、従って、ユーザによって提供される到来する入力パターンの認識を容易にすることを意図している。
【0044】
このリクエストは、電子機器1によって(電子機器1のユーザインターフェース13によって)、又は電子機器1に通信可能に結合された外部デバイス(例えば、ユーザデバイス2又は仮想アシスタント)によって、ユーザに提供され得る。例えば、そのようなリクエストは、ユーザインターフェース(13)のスクリーン上に表示されたメッセージであるか、及び/又はスピーカーによって放送され得る。
【0045】
例示的な実施形態では、第1の回路4は、(第1の)認識済入力パターンが既に関連付けられている選択された機能に対する、別の(又は第2の)複数の記録を受け取るように構成され得る。この実施形態では、第1の回路4は、訓練されたニューラルネットワークモデルを、この他の(又は第2の)受け取られた複数の記録に適用して、別の(又は第2の)入力パターンを認識し、次いで、これらの第1及び第2の認識済入力パターンをこの選択された機能に関連付け、次いで、第1又は第2の認識済入力パターンに基づいてこの選択された機能を制御するようにも構成される。従って、第1の回路4は、5つの動作100~140のそれぞれを、もう1回実行する。言い換えると、本発明は、同じ選択された機能を、必ずしもそうであるとは限らないが場合によっては、同じ電子機器1の異なるユーザに関連付けられた、少なくとも2つの異なる認識済入力パターンと関連付けることを可能にする。
【0046】
一実施形態では、第1の回路4は、選択された機能とデフォルトの入力パターンとの関連付けを、認識済入力パターンで更新するように構成され得る。このオプションにより、電子機器1(デフォルトの入力パターンに関連した機能を提供している)のユーザが、このデフォルトの入力パターンをカスタマイズされた入力パターンで置き換えることが可能になる。この認識済入力パターンは、ユーザ入力の同じグループの新しい記録を用いて第1の動作100から第4の動作130までを再現することにより、又は、電子機器1に通信可能に結合された外部デバイス(例えば、ユーザデバイス2又は仮想アシスタント)から発信されたメッセージを受け取ることにより、第1の回路4によって取得され得る。
【0047】
一実施形態では、第1の回路4は、入力パターンのユーザ入力を選択された機能に関連付けた後で、入力パターンのユーザ入力に対して入力パターン認識処理を実行し、このパターン認識処理の実行に基づいて、この選択された機能の実行又はこの入力パターンに関連付けられたユーザの認証を制御する、ように構成され得る。従って、多数の異なるカスタムユーザ入力が同じユーザデバイスの機能にマッピングされる(又は関連付けられる)ことができ、従って、異なるユーザが認証され得るか、又は、ユーザは、現在の環境若しくはモードに最も適した入力を使用することができる。例えば、ユーザデバイス2が、関連する電子機器1に接続されている場合、それは、電子機器の入力に依存し得るか、さもなければ、ユーザデバイス2に組み込まれたセンサのみに基づく入力に依存し得る。これにより、現在の構成を関係するモードに適応させることが可能になる。
【0048】
一実施形態では、第1の回路4は、第6の動作150中に、認識済入力パターンと選択された機能との間の関連付けを定義する情報を通信機器へ送信することをトリガーするように構成され得、この通信機器は、この送信される情報のバックアップストレージ用のものである。例えば、この通信機器は、サーバ3であり得る。これは、電子機器1が通信インターフェース14を介して結合することができる少なくとも1つの通信ネットワーク19を介して、この通信機器がアクセス可能であることを必要とする。このオプションにより、ユーザが、自身がカスタマイズした認識済入力パターンのコピーを自由に持って、別の電子機器で後で再使用したり、又は、この認識済入力パターンを他の許可されたユーザが利用できるようにしたりすることが可能になる。
【0049】
一実施形態では、第1の回路4は、第7の動作160中に、認識済入力パターンのユーザ入力を受け取って、対応する選択された機能がこの認識済入力パターンと関連付けられた後で、この対応する選択された機能を制御するように、及び、訓練されたニューラルネットワークモデルへの学習入力としてのこの受け取られたユーザ入力に基づいて、その訓練されたニューラルネットワークモデルを訓練するように、構成され得る。このオプションにより、電子機器1の通常使用中に、訓練されたニューラルネットワークモデルを教師無しで継続的に訓練することが可能になり(例えば、教師付き訓練中に生成された分類にクラスタリングをマッピングするため)、従って、到来する入力パターンの認識を容易にするだけでなく、新しい複数の記録に基づく、選択された機能と関連付けられるべき、新しい入力パターンの認識も容易にすることが可能になる。
【0050】
一実施形態では、第1の回路4は、第3の動作120中に、訓練されたニューラルネットワークモデルを制御して、一組の基準に基づいて、認識中の入力パターンの複雑度のレベルを決定し、この決定された複雑度のレベルが第1の閾値複雑度よりも大きい場合、この入力パターンを関係する選択された機能に関連付ける、ように構成され得る。この場合、訓練されたニューラルネットワークモデルは、この一組の基準及びこの第1の閾値複雑度に基づいて、予め訓練されている。このオプションにより、入力パターンが選択された機能に関連付けられる前に、単純過ぎる入力パターンを拒否することが可能になる。
【0051】
例えば、一組の基準には、アクション/ジェスチャーの最小数、アクション/ジェスチャーの最大数、同じアクション/ジェスチャーの類似度/繰り返し、特定のアクション/ジェスチャーの認識の困難さ、及びアクション/ジェスチャーのシーケンス、のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0052】
前述の実施形態では、第1の回路4は、決定された複雑度のレベルが、第1の閾値複雑度よりも大きな第2の閾値複雑度よりも大きい場合に、認識中の入力パターンを拒否するように訓練されたニューラルネットワークモデルを制御するように構成され得る。このオプションにより、入力パターンが選択された機能に関連付けられる前に、複雑過ぎる入力パターンを拒否することが可能になる。
【0053】
別の実施形態では、ユーザデバイス2(ここではスマートフォン)は、少なくとも部分的に、認識及び関連付けができない電子機器1’の、ユーザパターンの認識及び選択された機能との関連付けを担い得る。この実施形態では、
図3に示すように、ユーザデバイス2は、第2の回路20と、電子機器1’の通信インターフェース14と通信するように構成された通信インターフェース21と、を備える。この電子機器1’は、ユーザデバイス2によって、より正確にはその第2の回路20によって遠隔で制御可能な少なくとも1つの機能を提供する。
【0054】
この第2の回路20は、動作を実施するようになされた少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含む。例えば、(各)プロセッサは、デジタル信号プロセッサ(即ちDSP)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)であり得る。より一般的には、プロセッサは、複数の集積(又はプリント)回路、又は有線若しくは無線の接続を介して、それらの間に接続された幾つかの集積(又はプリント)回路、を含み得る。また、例えば、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(即ちRAM)であり得る。しかしながら、メモリは、関連するプロセッサ用のプログラム命令を記憶するようになされた、任意の種類のデバイスであり得る。
【0055】
一般的に、第2の回路20の機能は、プログラムロジックの動作を介して、又は専用ロジックを介して、又はプログラム制御と専用ロジックとの相互作用を介して、又は部分的に(ユーザによって)手動で、実行され得る。これらの機能は、専用ハードウェア、及び、適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行できるハードウェア、の使用を介して提供され得る。
【0056】
第2の回路20は、プロセッサ及びメモリに加えて、入力インターフェース、大容量メモリ(特に、計算及び処理中に生成される中間データを記憶するための)、並びにメッセージ及び指示を届けるための出力インターフェース、も備え得る。
【0057】
図3に示すように、第2の回路20は、外部ケーシング28の中に収容されたプリント回路基板(即ち、PCB)27上に固定され得る。
【0058】
図4に示すように、第2の回路20は、少なくとも5つの動作200~240を実行するように構成される。
【0059】
第1の動作200は、複数の制御可能な機能の中から選択される、制御された電子機器1’の機能を指定する情報を受け取ることにある。
【0060】
この機能は、ユーザデバイス2上で、より正確には、ユーザデバイス2の第2の回路20上で、動作している専用のアプリケーションを介して選択されることができ、第2の回路20に接続されたユーザインターフェース22を通じて、ユーザが制御可能であり得る。
【0061】
図示していない実施形態では、専用のアプリケーションは、ユーザデバイス2のユーザによって使用され及びユーザデバイス2とペアリングされた電子機器1’上で、動作し得る。この実施形態では、ユーザは、自分の電子機器1’上で動作する専用のアプリケーションを介して機能を選択し、電子機器1’は、通信インターフェース14を介して、選択された機能を指定する情報を、ペアリングされたユーザデバイス2に送信する。この情報の送信は、例えば、短距離無線通信によって実行され得る。そのような短距離無線通信は、例えば、Bluetooth通信であり得る。しかしながら、これは非限定的な例であり、他の種類の短距離無線通信も可能であり、特に、NFC、RFID、ZigBee、及びWi-Fi Directなどがそうである。ユーザデバイス2を、(場合によってはUSBタイプの)ケーブルによって電子機器1’と結合することも可能であり得る。
【0062】
第2の回路20によって実行される第2の動作210は、選択された機能に対する少なくとも1つのユーザ入力の同じグループの複数の記録を受け取ることにある。
【0063】
少なくとも1つのユーザ入力のグループの記録はそれぞれ、上述の専用のアプリケーションを介して少なくとも1つのセンサによって実行され得る。例えば、ユーザデバイス2は、各センサ23~26を備えることができ、この実施形態では、各記録は、ユーザがユーザデバイス2を操作し、少なくとも1つのセンサ23~26によって記録されるユーザ入力を実行したときに、開始する。本開示はこの点に関して限定はされず、各センサは、ユーザデバイス2に通信可能に結合された(又は結合されるように意図された)外部デバイスに設けられ得ることを認識されたい。そのような外部デバイスは、電子機器1’か、又はユーザによって使用される別のデバイス(例えば、仮想アシスタント)であり得る。この実施形態では、各記録は、ユーザが外部デバイスを操作又は使用し、少なくとも1つのセンサによって記録されるユーザ入力を実行すると、開始する。
【0064】
ユーザデバイス2の第2の回路20は、ユーザ入力の各グループの複数の記録を取り込むようにセンサ23~26を制御するように構成され得る。
【0065】
それらの記録が、取り込まれるだけで、電子機器1’によって処理されない場合、それらを定義するデータは、通信インターフェース14によってユーザデバイス2に送信される。
【0066】
それらの記録が取り込まれ第2の回路20によって処理される場合、第2の回路20によって実行される第3の動作220は、訓練されたニューラルネットワークモデルを、受け取った複数の記録に対して適用して、入力パターンを認識することにある。
【0067】
記録が取り込まれ第2の回路20によって処理される場合、この第2の回路20によって実行される第4の動作230は、認識済入力パターンを選択された機能に関連付けること、及びこの関連付けをメモリに記憶することにある。
【0068】
記録が取り込まれ第2の回路20によって処理される場合、この第2の回路20によって実行される第5の動作240は、制御信号を制御された電子機器1’に送信して、ユーザが関連する認識済入力パターンをユーザデバイス2に提供する度に、この選択された機能を制御することにある。
【0069】
言い換えると、ユーザがユーザデバイス2を用いてユーザ入力を実行すると、これらのユーザ入力はセンサ23~26によって記録され、この記録は、関連付けで記憶された認識済入力パターンと比較され、この記録が認識済入力パターンと一致する場合、第2の回路20は、制御信号を制御された電子機器1’に送信して、この認識済入力パターンと関連付けられた選択された機能を制御する。
【0070】
従って、本発明により、ユーザが、電子機器1’の制御可能な機能に関してユーザパターンの認識を可能にするユーザデバイス2のユーザインターフェース22の一部をプログラム可能にカスタマイズできるようになる。更に、各認識済入力パターンは、幾つかのグループ記録に基づいているので、ユーザデバイス2の入力パターン認識タスクが容易になり、従って、このユーザデバイス2での入力パターン認識エラーの数は大幅に減少する。
【0071】
第1の回路4に関する上述したオプションは全て、第2の回路20にも関係し、特に、第3の動作120、第4の動作130、第6の動作150、及び第7の動作160に関するものにも関係する。従って、第2の回路20によって実行される第3の動作220は、第1の回路4によって実行される第3の動作120と等価であり、第2の回路20によって実行される第4の動作230は、第1の回路4によって実行される第4の動作130と等価であり、第2の回路20によって実行される第6の動作250は、第1の回路4によって実行される第6の動作150(関連付け情報をサーバ3に送信する)と等価であり、第2の回路20によって実行される第7の動作260は、第1の回路4によって実行される第7の動作160(新たに受け取ったユーザ入力に基づいて、訓練されたニューラルネットワークモデルを訓練する)と等価である。
【0072】
図1及び
図3に示される更に別の実施形態では、サーバ3は、メモリ29及び第3の回路30を備え得る。この第3の回路30は、
図5に示すように、5つの動作300~340を実行するように構成される。
【0073】
第1の動作300は、複数の制御可能な機能を提供する電子機器1又は1’の機能と関連付けられた少なくとも1つの認識済入力パターンを受け取ることにある。
【0074】
第3の回路30によって実行される第2の動作310は、この受け取った認識済入力パターンを電子機器の機能と関連付けてメモリ29に記憶することにある。
【0075】
第3の回路30によって実行される第3の動作320は、関係する電子機器1又は1’とは異なるデバイスから、入力基準を含むリクエストを受け取ることにある。このデバイスは、電子機器1とは異なる別の電子機器、又は、電子機器1若しくは1’とペアリングされたユーザデバイス2とは異なるユーザデバイスであり得る。
【0076】
第3の回路30によって実行される第4の動作330は、この受け取られた入力基準に基づいて、メモリ29内の認識済入力パターンを選択することにある。
【0077】
第3の回路30によって実行される第5の動作340は、この選択された認識済入力パターンを、リクエストしているデバイスに送信することにある。
【0078】
例えば、入力基準は、関係する電子機器の機能に関連付けられた認識済入力パターンの選択、関係する電子機器の機能の選択、及び、関係する電子機器の機能に関連付けられた入力パターンの複雑度のレベルを含むフィルタ基準の選択、を含む群から選択され得る。