IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東西電工株式会社の特許一覧

特許7355971MRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具
<>
  • 特許-MRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】MRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20230927BHJP
   H05B 45/30 20200101ALI20230927BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230927BHJP
【FI】
F21S9/02 200
H05B45/30
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018168315
(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公開番号】P2020031041
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000221432
【氏名又は名称】東西電工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北出 亘
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 和広
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-253302(JP,A)
【文献】特開2015-228735(JP,A)
【文献】特表2016-530054(JP,A)
【文献】特開2003-204948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0374714(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0244736(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
H05B 45/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池電圧より数V高い直流低電圧を電源とし、この直流低電圧で限流素子を通じて直接電池を充電し、停電時は電池より直接LEDモジュールを点灯させる構造であり、前記直流低電圧は、6Vである、MRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院などのMRI室に設置される電池内蔵型LED非常用照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MRI室の電池内蔵型非常用照明器具には光源としてミニ電球、ハロゲン電球などの白熱電球が使用されているが、MRI室が高磁場環境のためランプフィラメントが磁力により玉切れサイクルが短くなり、いざ停電になった場合に点灯しない危険性がある。
【0003】
そのため、白熱電球の代わりにLEDを光源とする照明が提案されているが、LEDを点灯させる電源は一般にノイズを発生させるスイッチング電源が使用されているので、ノイズの影響でMRI室内の医療機器が誤動作し、画像診断に影響を与え、検査ミスにつながる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題点を解決するためには、電池内蔵型非常用照明器具内にノイズを発生させるスイッチング制御電源を有せず、電池内蔵型非常用照明器具の電源を電池電圧より数V高い直流低電圧とし、電池の充電および光源の点灯はスイッチング動作を行わない回路方式で、光源はLEDにすることによって達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
MRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具は、直流低電圧を供給電源とし、この直流電圧で限流素子を通じて電池を充電し、停電時は電池により直接LEDモジュールを点灯させる構造とした。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば電池充電は直接抵抗などの限流素子で電池を充電しているためノイズは発生せず、光源はLEDを使用しているためMRI室の高磁場の影響を受けず、停電時に点灯しない不具合は発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施例を示すMRI室に設置される電池内蔵型LED非常用照明器具の回路図の一例である。
【0009】
図1の動作を説明すると直流電圧6Vが印加されるとリレーRY1(コイル)が動作し、RY1(a接点)がオンし、RY1(b接点)がオフする。
【0010】
RY1(a接点)がオンすると電池BAT1は抵抗R3を通して直流電圧6Vで充電される。電池BAT1を3.6V品、抵抗R3を51Ωに設定すると電池BAT1には(6-3.6)/51=0.047Aの電流が流れる。抵抗R3で消費されるロスは0.047×0.047×51=0.11Wとロスは少ない。これは電源が直流低電圧で電池との電圧差が少ないためである。一般のLED非常用照明器具は電源が交流100Vまたは200Vと電圧が高く、電池が数Vと低いためそのまま電池を抵抗を介して充電すると抵抗の発熱が高くなり実用化はできない。そのため交流の商用電源を使用するときは降圧のスイッチング回路が必要になり、その結果、ノイズが発生するためMRI室では使用できない。
【0011】
LED2は点灯中は電池BAT1が充電中を示す表示灯である。
【0012】
停電で直流電圧6Vの印加がなくなるか、非常点灯確認用点検スイッチSW1を動作させるとRY1(a接点)はオフし、RY1(b接点)はオンする。同時に充電中を示す表示灯LED2は消灯し、電池BAT1により非常灯モジュールLED1は並列に接続された抵抗群R6~R11で設定された電流で点灯する。
【0013】
上記構成回路は一般に使用されているものであるが、非常灯で初めて電源電圧を直流電圧に設定したこと、直流電圧が6Vと定電圧のため電池電圧3.6Vとの電圧差が少なく、ノイズの発生する降圧スイッチング回路を使用しなくても回路損失が少ないこと、光源がLEDであるためMRI室の高磁場の影響を受けず、従来の白熱電球のような非常時の不点灯の危険性はなくなること、ノイズ発生回路が存在しないためMRI室の医療機器に影響を与えず、画像診断による医療ミスが発生しないなどMRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具として大いに新規性がある。充電、放電切替は接点リレーで行っているが、当然無接点リレーで行っても支障がないことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例を示すMRI室用電池内蔵型LED非常用照明器具の回路図
【符号の説明】
【0015】
BAT1・・・電池
R3・・・抵抗
R6~R11・・・非常灯電流制限抵抗
RY1・・・リレー
LED1・・・LEDモジュール
LED2・・・充電表示用LED
SW1・・・非常灯点検スイッチ
図1