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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】成型装置を運用するための成型方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 44/00 20060101AFI20230927BHJP
   B29C 44/34 20060101ALI20230927BHJP
   B29C 44/60 20060101ALI20230927BHJP
   B29C 33/10 20060101ALI20230927BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20230927BHJP
   B29C 45/70 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B29C44/00 D
B29C44/34
B29C44/60
B29C33/10
B29C45/00
B29C45/70
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021010201
(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公開番号】P2021146730
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】62/992,764
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/931,313
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ、リャン-ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、イー-チュン
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-159898(JP,A)
【文献】特開2010-125733(JP,A)
【文献】特開2004-009650(JP,A)
【文献】特開2011-051150(JP,A)
【文献】特開2008-302645(JP,A)
【文献】特開2009-172780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76、44/00-44/60、
45/00-45/24、45/70-45/72、
67/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型方法であって、
第1金型と、前記第1金型に対応する第2金型とを含む、成型装置を提供する工程と、
前記第1金型を前記第2金型に向かって移動させ、第1金型キャビティを形成する工程と、
第1金型キャビティ内の圧力を第1圧力まで上昇させるために前記第1金型キャビティに気体を供給する工程と、
前記第1金型キャビティ内にポリマー材料を注入する工程であって、前記第1金型キャビティ内に前記ポリマー材料を入した後、前記第1金型キャビティ内の圧力を前記第1圧力から第2圧力に上昇させる工程と、
記第1金型キャビティ内の圧力が前記第1圧力から前記第2圧力に上昇した後、前記第1金型を前記第2金型から離隔して移動させ、第2金型キャビティを形成し、前記気体の少なくとも一部を前記成型装置から排出する工程と、を含み、
そのうち、前記第1金型キャビティの第1体積が、前記第2金型キャビティの第2体積より小さいことを特徴とする、成型方法。
【請求項2】
前記第2金型キャビティが形成されるとき、前記第1金型と前記第2金型の間に間隙が形成され、前記間隙が前記第2金型キャビティに連通可能であることを特徴とする、請求項1に記載の成型方法。
【請求項3】
前記気体の少なくとも一部が、前記間隙を通じて前記成型装置の外部に排出されることを特徴とする、請求項2に記載の成型方法。
【請求項4】
前記気体の少なくとも一部が、前記間隙と、前記成型装置に配置された連接点を通じて、前記成型装置の外部に排出されることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の成型方法。
【請求項5】
前記第1金型キャビティ内への前記気体の供給後、前記ポリマー材料の注入前に、前記第1金型キャビティが前記第1圧力を有し、前記第1金型を前記第2金型から離隔して移動させた後、前記第2金型キャビティが第3圧力を有し、前記第1圧力が前記第3圧力より大きいことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の成型方法。
【請求項6】
前記第2金型キャビティが前記第2体積に維持されているとき、前記第3圧力が大気圧まで低下することを特徴とする、請求項5に記載の成型方法。
【請求項7】
成型方法であって、
第1金型と、前記第1金型に対応し、相対して配置された第2金型とを含む成型装置と、前記成型装置上の注入装置とを提供する工程と、
前記第1金型と前記第2金型を係合し、前記第1金型の第1内部側壁と該第2金型の第2内部側壁により定義される成型キャビティを形成する工程と、
前記注入装置の吐出口と前記成型装置の通路を係合する工程と、
前記注入装置の前記吐出口と前記成型装置の前記通路の係合後、前記成型キャビティ内に気体を注入して前記成型キャビティ内の圧力を第1圧力まで上昇させる工程と、
前記注入装置から前記通路を介して前記成型キャビティ内にポリマー材料を注入して前記成型キャビティを充填する工程と、
前記成型キャビティ内に前記ポリマー材料を注入した後、前記成型キャビティ内の圧力を前記第1圧力から第2圧力に上昇させる工程と、
記成型キャビティ内の圧力が前記第1圧力から前記第2圧力に上昇した後、前記成型キャビティを拡大し、前記成型キャビティの外部に少なくとも一部の前記気体を排出する工程と、
を含むことを特徴とする、成型方法。
【請求項8】
前記成型キャビティの拡大中または後、前記ポリマー材料、前記第1金型、及び前記第2金型に囲まれた空隙が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の成型方法。
【請求項9】
前記成型キャビティの拡大中または後、前記第1金型が前記第2金型に接触することを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の成型方法。
【請求項10】
前記成型キャビティの拡大中または後、前記第1金型と前記第2金型の間に、前記成型キャビティの外部に前記気体の少なくとも一部を排出するための間隙が形成されることを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月20日出願の米国仮特許出願第62/992,764号と2020年7月16日出願の米国出願第16/931,313号に対する優先権を主張するものであり、上記(仮)特許出願の開示を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、成型装置及び成型装置を運用するための成型方法に関し、特に、射出成型又は押出成型での使用に適した成型装置及び成型方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡ポリマー成形品は、高強度、軽量、耐衝撃性、良好な遮音性、断熱性等、多くの利点を有している。発泡ポリマー成形品は、射出成型または押出成型により所定の形状を有する成形品とすることができる。例えば、射出成型機を介して高分子材料を溶解し、発泡剤と混合して混合物を形成した後、溶融した高分子材料が圧力によって金型のキャビティ内に射出または押出され、所望の発泡ポリマー成形品を形成することができる。混合物の組成を変えたり、成型方法を調整したりすることにより、発泡ポリマー成形品の特性や用途を変えることができる。
【0004】
一般に、発泡ポリマー成形品の外観および物理的性質は、成型工程により直接影響を受けるため、金型の設計は、混合物がキャビティ内に均一かつ迅速に分布するように混合物の流動性を考慮しなければならず、また、成型工程における混合物中の気泡孔の分布密度が高く均一になるようにして、本来の物理的性質を保持する必要がある。金型を用いて成型された発泡ポリマー成形品には、多くの利点と用途があるが、その欠点に起因する限界と制限は未だに打破されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、成型装置を運用するための成型方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、成型方法が開示される。本発明の成型方法は、第1金型と、前記第1金型に対応する第2金型とを含む成型装置を提供する工程と、前記第1金型を前記第2金型に向かって移動させ、第1金型キャビティを形成する工程と、前記第1金型キャビティに気体を供給する工程と、前記第1金型キャビティに材料を注入する工程と、前記第1金型を前記第2金型から離隔して移動させ、第2金型キャビティを形成し、前記気体の少なくとも一部を前記成型装置から排出する工程と、を含み、そのうち、前記第1金型キャビティの第1体積が、前記第2金型キャビティの第2体積より実質的に小さい。
【0007】
一部の実施態様において、前記気体の少なくとも一部が、前記成型装置に配置された連接点を通じて前記成型装置の外部に排出される。
【0008】
一部の実施態様において、前記第2金型キャビティが形成されるとき、前記第1金型と前記第2金型の間に間隙が形成され、前記間隙が前記第2金型キャビティに連通可能である。
【0009】
一部の実施態様において、前記気体の少なくとも一部が、前記間隙を通じて前記成型装置の外部に排出される。
【0010】
一部の実施態様において、前記気体の少なくとも一部が、前記間隙と、前記成型装置に配置された連接点を通じて前記成型装置の外部に排出される。
【0011】
一部の実施態様において、前記連接点は前記第1金型キャビティ内への前記材料の注入後、前記材料によって全部または一部が被覆される。
【0012】
一部の実施態様において、前記第1金型キャビティと前記第2金型キャビティが、前記第1金型の第1内部側壁と、前記第2金型の第2内部側壁により定義される。
【0013】
一部の実施態様において、前記第1金型キャビティ内への前記気体の供給後、前記第1金型キャビティが第1圧力を有し、前記第1金型を前記第2金型から離隔して移動させた後、前記第2金型キャビティが第2圧力を有し、前記第1圧力が前記第2圧力より実質的に大きい。
【0014】
一部の実施態様において、前記第2金型キャビティが前記第2体積に維持されているとき、前記第2圧力が大気圧に実質的に等しい第3圧力まで低下する。
【0015】
一部の実施態様において、前記第2金型キャビティは約1~5秒間前記第2体積に保たれる。
【0016】
一部の実施態様において、前記成型装置は前記第1金型キャビティが形成されるとき閉鎖構成となる。
【0017】
一部の実施態様において、前記成型装置は前記第2金型キャビティが形成されるとき微開放構成となる。
【0018】
一部の実施態様において、管路が前記連接点に連結され、かつ前記第1金型キャビティ内に前記気体を供給する、または前記成型装置の外部に前記気体の少なくとも一部を排出するように構成される。
【0019】
一部の実施態様において、前記材料が前記第1金型キャビティに連通可能な通路を介して前記第1金型キャビティ内に注入される。
【0020】
一部の実施態様において、前記成型方法がさらに、前記第1金型キャビティの形成後、注入装置の吐出口を前記通路に係合させる工程と、前記第1金型キャビティ内に前記材料を注入した後、かつ前記第1金型を前記第2金型から離隔して移動させるに、前記注入装置を移動して前記通路から離脱させる工程とを含む。
【0021】
本発明の一実施態様によれば、成型方法が開示される。本発明の成型方法は、第1金型と、前記第1金型に対応し、相対して配置された第2金型とを含む成型装置を提供する工程と、前記第1金型と前記第2金型を係合し、前記第1金型の第1内部側壁と前記第2金型の第2内部側壁により定義される成型キャビティを形成する工程と、前記成型キャビティ内に気体を注入する工程と、前記成型キャビティ内に材料を注入する工程と、前記成型キャビティを拡大し、前記成型キャビティの外部に少なくとも一部の前記気体を排出する工程とを含む。
【0022】
一部の実施態様において、前記成型キャビティの拡大中または後、前記材料、前記第1金型、前記第2金型に包囲された空隙が形成される。
【0023】
一部の実施態様において、前記成型キャビティの拡大中または後、前記第1金型が前記第2金型に接触する。
【0024】
一部の実施態様において、前記成型キャビティの拡大中または後、前記第1金型と前記第2金型の間に、前記成型キャビティの外部に前記気体の少なくとも一部を排出するための間隙が形成される。
【0025】
一部の実施態様において、前記成型方法がさらに、前記第1金型を前記第2金型から分離する工程と、前記成型装置から前記材料を取り除く工程とを含む。
【0026】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施態様による成型方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の一実施態様による成型方法の例示的な運用を示す概略図である。
図3】本発明の一実施態様による成型方法の例示的な運用を示す概略図である。
図4】本発明の一実施態様による成型方法の例示的な運用を示す概略図である。
図5】本発明の一実施態様による成型方法の例示的な運用を示す概略図である。
図6】本発明の一実施態様による成型方法の例示的な運用を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0029】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatially relative term)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれに応じて解釈されるべきである。
【0030】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。
【0031】
運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の割合などについてのすべての数値的範囲、数量、値、割合は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0032】
図1は本発明の一実施態様による成型方法1000を示すフローチャートである。一部の実施態様において、成型方法1000は、複数の操作を含み、説明と図面は操作の順序を限定するとみなされない。一部の実施態様において、成型方法1000は次の工程を含む。一部の実施態様において、成型方法1000は図1に示すように、次の工程を含み、図2から図6は成型方法1000の様々な段階の概略断面図である。
【0033】
工程1001:第1金型と、第1金型に対応する第2金型とを含む、成型装置を提供する。
【0034】
工程1002:第1金型を第2金型に向かって移動させ、第1金型キャビティを形成する。
【0035】
工程1003:第1金型キャビティ内に気体を供給する。
【0036】
工程1004:第1金型キャビティ内に材料を注入する。
【0037】
工程1005:第1金型を第2金型から離隔して移動させ、第2金型キャビティを形成し、気体の少なくとも一部を成型装置から排出する。
【0038】
工程1001において、図2に示すように、成型装置100が提供される。一部の実施態様において、成型装置100は成形品を形成するように構成される。一部の実施態様において、成型装置100は、第1金型101と、第1金型101に対応する第2金型102とを含む。一部の実施態様において、第1金型101と第2金型102は相互補完的である。一部の実施態様において、第1金型101は第2金型102と係合可能である。一部の実施態様において、第1金型101と第2金型102は相対して配置される。一部の実施態様において、第1金型101は上型であり、第2金型102は下型である。一部の実施態様において、第1金型101は第1内部側壁101aを含み、第2金型102は第2内部側壁102aを含む。一部の実施態様において、第1内部側壁101aは第2内部側壁102aと係合可能である。
【0039】
一部の実施態様において、図2に示すように、成型装置100は初期において開放構成である。一部の実施態様において、成型装置100は第1金型101が第2金型102から分離されているとき開放構成となる。一部の実施態様において、開放構成中、第1金型101は第2金型102に接触しない。一部の実施態様において、第2金型102は第2金型102内に凹陥された凹陥部102bを含む。一部の実施態様において、開放構成中、凹陥部102bは到達可能である。
【0040】
一部の実施態様において、成型装置100は成型装置100を貫通して延伸された通路103を含む。一部の実施態様において、通路103は材料が通過するように構成される。材料は流動性を有する任意の種類の材料とすることができる。一部の実施態様において、通路103は第1金型101または第2金型102に配置される。一部の実施態様において、通路103は第1金型101または第2金型102を貫通して延伸される。一部の実施態様において、成型装置100は複数の通路103を含むことができる。通路103の位置、形状、数量は特に限定されず、必要に応じて調整することができると理解されるべきである。一部の実施態様において、通路103は第1金型101を貫通して延伸される。一部の実施態様において、通路103は第1金型101の第1内部側壁101aに結合される。
【0041】
一部の実施態様において、成型装置100は成型装置100に配置された連接点104を含む。一部の実施態様において、連接点104は気体または流体を供給または排出するように構成される。流体または気体は、空気、不活性気体などとすることができるが、本発明はこれらに限らない。一部の実施態様において、連接点104は第1金型101または第2金型102に配置される。一部の実施態様において、成型装置100は複数の連接点104を含むことができる。連接点104の位置、形状、数量は特に限定されず、必要に応じて調整することができると理解されるべきである。一部の実施態様において、連接点104は第2金型102に配置される。一部の実施態様において、連接点104は第2金型102の第2内部側壁102aに配置される。一部の実施態様において、通路103と連接点104は相対して配置される。
【0042】
一部の実施態様において、成型装置100は選択的に管路105を含む。一部の実施態様において、管路105は気体または流体が通過するように構成される。流体または気体は、空気、不活性気体などとすることができるが、本発明はこれらに限らない。一部の実施態様において、管路105の一端が連接点104に結合される。一部の実施態様において、管路105は第1金型101または第2金型102に配置される。一部の実施態様において、管路105は連接点104から延伸される。一部の実施態様において、成型装置100は複数の管路105を含むことができる。管路105の位置、形状、数量は特に限定されず、必要に応じて調整することができると理解されるべきである。一部の実施態様において、管路105は1つ又は1つ以上の連接点104に連結される。
【0043】
工程1002では、図3に示すように、第1金型101が第2金型102に向かって移動され、第1金型キャビティ106が形成される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106は、第1金型101を第2金型102に向かって移動させる、第2金型102を第1金型101に向かって移動させる、または第1金型101と第2金型102を相互に向かって移動させることにより形成される。一部の実施態様において、第1金型101が第2金型102と係合され、第1金型キャビティ106が形成される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106は第1内部側壁101aと第2内部側壁102aにより定義される。一部の実施態様において、成型装置100は、第1金型101または第2金型102の移動後、図2に示す開放構成から、図3に示す閉鎖構成に変化する。一部の実施態様において、成型装置100が閉鎖構成である場合、第1金型101は第2金型102と緊密に係合される。
【0044】
成型装置100を閉じた後、第1金型キャビティ106が形成される。一部の実施態様において、成型装置100が閉鎖構成である場合、第1金型キャビティ106が密封される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106は材料を収容し、第1金型キャビティ106内で成形品を形成するように構成される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106は材料を収容するように構成され、材料を金型成型により所定の形状を有する成形品に製作することができる。
【0045】
一部の実施態様において、第1金型キャビティ106は通路103と連通可能である。一部の実施態様において、材料は通路103を介して第1金型キャビティ106内に流入することができる。一部の実施態様において、管路105は連接点104を介して第1金型キャビティ106と連通可能である。一部の実施態様において、気体または流体が連接点104を介して第1金型キャビティ106内に流入、または第1金型キャビティ106から排出可能である。一部の実施態様において、管路105は気体または流体を第1金型キャビティ106内に供給する、または第1金型キャビティ106の外部に排出するように構成される。
【0046】
工程1003において、気体または流体が第1金型キャビティ106に供給される。一部の実施態様において、気体または流体(例えば、不活性気体、窒素、二酸化炭素など)が連接点104を介して第1金型キャビティ106に供給される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106には気体または流体が完全に、または部分的に充填される。一部の実施態様において、供給源(図示しない)が管路105の一端に結合され、気体または流体が供給源から連接点104を介して第1金型キャビティ106に供給される。一部の実施態様において、供給源は流体または気体を供給するように構成され、必要に応じて適した流体または気体を供給することができる。例えば、流体または気体は、空気、不活性気体などとすることができるが、本発明はこれらに限らない。
【0047】
一部の実施態様において、気体または流体は、成型装置100が閉鎖構成になった場合、第1金型キャビティ106内に流入される。一部の実施態様において、気体または流体は、第1金型キャビティ106内の圧力を上昇させるために、第1金型キャビティ106内に流入される。一部の実施態様において、気体または流体が第1金型キャビティ106に供給された後、第1金型キャビティ106の圧力が第1圧力に上昇する。第1金型キャビティは、気体または流体が第1金型キャビティ106に供給された後、第1圧力を有する。
【0048】
工程1004において、図4に示すように、材料107が第1金型キャビティ106に供給される。一部の実施態様において、材料107が、第1金型キャビティ106に連通可能な通路103を介して第1金型キャビティ106内に注入される。一部の実施態様において、材料107が注入装置108から、注入装置108の吐出口108aを介して第1金型キャビティ106に注入される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106の形成後、注入装置108の吐出口108aが通路103に係合される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106への気体または流体の供給前に、吐出口108aが通路103に係合される。
【0049】
一部の実施態様において、気体または流体を第1金型キャビティ106に供給した後、材料107が注入装置108から第1金型キャビティ106内に注入される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106内の圧力が第1圧力に到達したとき、材料107が第1金型キャビティ106内に注入される。一部の実施態様において、材料107が第1金型101から第2金型102に向かって流動する。一部の実施態様において、材料107が第1金型101の第1内部側壁101aから第2金型102の第2内部側壁102aに向かって流動する。一部の実施態様において、第1金型キャビティ106内に材料107を注入した後、注入装置108が通路103から離隔して移動される。一部の実施態様において、材料107を第1金型キャビティ106内に注入した後、第1金型キャビティ106内の圧力がさらに第1圧力から第2圧力へと上昇する。一部の実施態様において、第2圧力は第1圧力より実質的に大きい。
【0050】
一部の実施態様において、連接点104は第1金型キャビティ106内への材料107の注入後、材料107によって全部または一部が覆われる。一部の実施態様において、注入装置108は射出成型機または押出成型機に係合され、射出成型機または押出成型機から材料107を第1金型キャビティ106内に注入/押出できるようにする。
【0051】
一部の実施態様において、材料107は発泡性材料である。一部の実施態様において、材料107は流動性を有する材料である。一部の実施態様において、材料107はポリマーを含む。一部の実施態様において、材料107は高分子重合体と発泡剤の混合物である。一部の実施態様において、発泡剤は加熱工程中に気体を放出する、物理添加剤または化学添加剤であり、それにより気孔が形成される。一部の実施態様において、発泡剤は物理発泡剤である。一部の実施態様において、発泡剤は超臨界流体(SCF)である。
【0052】
工程1005において、図5に示すように、第1金型101が第2金型102から離隔して移動され、第2金型キャビティ106’が形成され、気体の少なくとも一部が成型装置100から排出される。一部の実施態様において、第1金型101が第2金型102から離隔して移動される前に、注入装置108が通路103から離隔される。一部の実施態様において、第1金型101または第2金型102が相互に離隔して移動され、第2金型キャビティ106’が形成される。一部の実施態様において、第2金型102が第1金型101から離隔して移動され、第2金型キャビティ106’が形成される。一部の実施態様において、第1金型101は移動可能であり、一方で第2金型102は固定されている。一部の実施態様において、第2金型102は移動可能であり、一方で第1金型101は固定されている。一部の実施態様において、第1金型101と第2金型102の両方が相互に対して移動可能である。
【0053】
一部の実施態様において、第1金型101を第2金型102から離隔する移動、第2金型102を第1金型101から離隔する移動、または第1金型101と第2金型102を相互に離隔する移動により、第1金型キャビティ106が拡大されて第2金型キャビティ106’となる。一部の実施態様において、第1金型101と第2金型102は拡大中または後も相互に係合されたままとなる。
【0054】
一部の実施態様において、拡大中または後、材料107、第1金型101、第2金型102に囲まれた空隙が形成される。一部の実施態様において、図5に示すように、成型装置100は微開放構成となる。成型装置100が微開放構成にあり、第2金型キャビティ106’が形成される。一部の実施態様において、拡大中または後、第1金型101は第2金型102に接触する。成型装置100が微開放構成になったとき、第1金型101が第2金型102と接触する。
【0055】
一部の実施態様において、第1金型キャビティ106の第1体積は第2金型キャビティ106’の第2体積より実質的に小さい。一部の実施態様において、第1体積が第2体積まで増加される。一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’が第2体積で維持されるとき、成型装置100は微開放構成となる。
【0056】
一部の実施態様において、成型装置100が若干開いており、気体が成型装置100または第2金型キャビティ106’からあらゆる方向に流出可能である。一部の実施態様において、気体の少なくとも一部が成型装置100または第2金型キャビティ106’から外部に放出される。一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’が形成されるとき、第1金型101と第2金型102の間に間隙109が形成される。一部の実施態様において、間隙109は第1金型101と第2金型102の周囲に沿って、または第1金型101と第2金型102間のインターフェイスに沿って形成される。一部の実施態様において、気体が第2金型キャビティ106’から間隙109に向かって流動できるように、間隙109が第2金型キャビティ106’に連通可能である。一部の実施態様において、気体の少なくとも一部が、間隙109を通じて成型装置100の外部に排出される。一部の実施態様において、間隙109の幅は100mm未満である。一部の実施態様において、間隙109の幅は実質的に50mm未満である。
【0057】
一部の実施態様において、材料107が第1金型キャビティ106内に注入された後、物理的または化学的発泡が行われ、成型装置100が微開放構成である場合、第2金型キャビティ106’内の気体を第2金型キャビティ106’から排出させることができる。一部の実施態様において、材料107の注入後、発泡プロセスの間または発泡プロセスの後、所定期間にわたり、成型装置100が微開放構成に維持される。一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’は所定期間にわたり、第2体積に維持される。一部の実施態様において、所定期間は約数秒間である。一部の実施態様において、所定期間は第2金型キャビティ106’内の圧力に依存する。一部の実施態様において、所定期間は約1~5秒間である。
【0058】
一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’は、第1金型101を第2金型102から離隔して移動した後、第3圧力を有する。一部の実施態様において、第2圧力は第3圧力より実質的に大きい。一部の実施態様において、成型装置100は、第2金型キャビティ106’内の第3圧力が大気圧(1atm)に低下または到達するまで、微開放構成に維持される。
【0059】
一部の実施態様において、管路105は成型装置100の外部に気体の少なくとも一部を排出するように構成される。一部の実施態様において、気体の一部は管路105を介して第2金型キャビティ106’から排出される。一部の実施態様において、気体の少なくとも一部は間隙109及び(または)管路105から第2金型キャビティ106’の外部に排出される。気体は第2金型キャビティ106’から管路105と、間隙109を介して(成型装置100を若干開くことにより)排出可能であるため、気体を速やかに、かつ効率的に第2金型キャビティ106’の外部に排出することができる。
【0060】
一部の実施態様において、材料107を第1金型キャビティ106内に注入した後、連接点104の少なくとも一部が覆われ、気体を連接点104から効率的に、または完全に排出させることができない。そのため、成型装置100を若干開くことで、第2金型キャビティ106’からの気体の排出を促進、さらには加速させることができる。その結果、その後第2金型キャビティ106’内で形成される成形品の品質が向上される。
【0061】
一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’から気体を排出した後、成型装置100は微開放構成から閉鎖構成に変化する(図3を参照)。一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’内の第3圧力が大気圧(1atm)に達すると、成型装置100が微開放構成から閉鎖構成に変化する。一部の実施態様において、成型装置100は成形品107’が形成されるまで閉鎖構成に維持される。一部の実施態様において、成型装置100は、図6に示すように、成形品107’が形成され、第2金型102の凹陥部102bから取り出す準備が整ったとき、閉鎖構成から完全開放構成に変化する。
【0062】
または、一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’から気体を排出した後、成型装置100は微開放構成から完全開放構成に変化する(図6を参照)。一部の実施態様において、第2金型キャビティ106’内の第3圧力が大気圧(1atm)に達し、かつ成形品107’が形成され、第2金型102の凹陥部102bから取り出す準備が整ったとき、成型装置100が微開放構成から完全開放構成に変化する。
【0063】
一部の実施態様において、図6に示すように、第1金型101はさらに第2金型102から離隔して移動され、成型装置100が完全に開かれる。一部の実施態様において、成型装置100は、第1金型101を第2金型102から離隔して移動させる、第2金型102を第1金型101から離隔して移動させる、または第1金型101と第2金型102を相互に離隔して移動させることにより、完全に開放される。一部の実施態様において、成型装置100が完全開放構成である場合、第1金型101が第2金型102から分離される。一部の実施態様において、成型装置100が完全開放構成である場合、第1金型101は第2金型102と接触しておらず、第2金型102の凹陥部102bは到達可能である。一部の実施態様において、成型装置100が微開放構成または閉鎖構成である場合、成形品107’を凹陥部102bから取り出すことができない。成形品107’は、成型装置100が完全開放構成である場合、凹陥部102bから取り出すことができる。
【0064】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0065】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施形態のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0066】
100 成型装置
101 第1金型
102 第2金型
101a 第1内部側壁
102a 第2内部側壁
102b 凹陥部
103 通路
104 連接点
105 管路
106 第1金型キャビティ
106’ 第2金型キャビティ
107 材料
107’ 成形品
108 注入装置
108a 吐出口
109 間隙
1000 成型方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6