(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ
(51)【国際特許分類】
C08L 7/00 20060101AFI20230927BHJP
C08K 3/00 20180101ALI20230927BHJP
C08L 9/00 20060101ALI20230927BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
C08L7/00
C08K3/00
C08L9/00
B60C1/00 A
(21)【出願番号】P 2019162891
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】田邊 祐介
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-043494(JP,A)
【文献】国際公開第2016/039006(WO,A1)
【文献】特開平10-158316(JP,A)
【文献】特開平09-124821(JP,A)
【文献】特開2000-044732(JP,A)
【文献】特開平09-302153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 - 101/16
B60C 1/00 - 19/12
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴムを含むとともにブタジエンゴムを25質量部を超えかつ75質量部未満含む(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、(B)カーボンブラックを
5~45質量部かつ(C)シリカを30質量部以上、および(D)平均細孔径が3nm~
10nmである多孔質シリカを1~30質量部配合してなることを特徴とするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(但し、前記(D)多孔質シリカは、前記(C)シリカに含まれない。)。
【請求項2】
前記多孔質シリカの平均粒子径が、5μm~500μmであることを特徴とする請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
前記ブタジエンゴムが末端に官能基を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
前記スタッドレスタイヤ用ゴム組成物のガラス転移温度が-60℃以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
前記(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに、液体可塑剤を15~60質量部配合してなることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用したスタッドレスタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関するものであり、詳しくは、加硫速度を遅らせることなく、氷上性能を向上させ得るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スタッドレスタイヤは、氷上性能向上のため、低温でも十分低い硬度を示す天然ゴム(NR)/ポリブタジエンゴム(BR)の配合が好んで用いられ、これにオイルや可塑剤を多量に配合することが行われている。しかしながら、BRを配合すること並びに低硬度であることのために、ウェット性能が不十分となるという問題点がある。そこで、ウェット性能向上のためにシリカを配合する技術があるが、シリカを配合すると加硫速度が遅くなるという別の課題が生じる。
【0003】
なお、下記特許文献1には、加硫反応を十分に進行させ得るゴム組成物を提供することを目的として、ジエン系ゴムに、硫黄の同素体を担持した細孔径4.0~7.5オングストロームのゼオライトを配合したゴム組成物が開示されている。しかし、特許文献1に開示されたゴム組成物は、特定の細孔径を有するゼオライトを使用するものであり、下記で説明する本発明に使用される多孔質シリカとは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、加硫速度を遅らせることなく、氷上性能を向上させ得るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび/またはシリカを特定量で配合するとともに、特定の平均細孔径を有する多孔質シリカを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
【0007】
1.天然ゴムを含むとともにブタジエンゴムを25質量部を超えかつ75質量部未満含む(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、(B)カーボンブラックを45質量部以下および/または(C)シリカを30質量部以上、および(D)平均細孔径が3nm~30nmである多孔質シリカを1~30質量部配合してなることを特徴とするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(但し、前記(D)多孔質シリカは、前記(C)シリカに含まれない。)。
2.前記多孔質シリカの平均粒子径が、5μm~500μmであることを特徴とする前記1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
3.前記ブタジエンゴムが末端に官能基を有することを特徴とする前記1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
4.前記スタッドレスタイヤ用ゴム組成物のガラス転移温度が-60℃以下であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
5.前記(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに、液体可塑剤を15~60質量部配合してなることを特徴とする前記1~4のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
6.前記1~5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用したスタッドレスタイヤ。
【発明の効果】
【0008】
本発明のゴム組成物は、天然ゴムを含むとともにブタジエンゴムを25質量部を超えかつ75質量部未満含む(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、(B)カーボンブラックを45質量部以下および/または(C)シリカを30質量部以上、および(D)平均細孔径が3nm~30nmである多孔質シリカを1~30質量部配合してなることを特徴としているので、加硫速度を遅らせることなく、氷上性能を向上させ得るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(A)ジエン系ゴム
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ブタジエンゴム(BR)および天然ゴム(NR)を含む。なお、本発明で言うNRは、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。本発明では、ジエン系ゴムの全体を100質量部としたときに、BRの配合量は25質量部を超えかつ75質量部未満であることが必要である。この範囲外であると、加硫速度および/または氷上性能に悪影響を及ぼす。なお、NRの配合量は、該ジエン系ゴムの全体を100質量部としたときに、25~75質量部であることが好ましい。
【0011】
なおBR、NR以外にも、必要に応じてゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等を配合してもよい。本発明で使用されるジエン系ゴムにおいて、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
【0012】
また本発明では、末端が変性されたブタジエンゴム(末端変性BR)を使用することが好ましい。末端変性BRは、その末端が官能基で変性されたものであり、このような構造を有する末端変性BRは、シリカの分散性を高め、氷上性能が良化するという作用を奏する。この作用を高めるという観点から、官能基は水酸基、アミノ基、アルコキシル基およびエポキシ基から選択された1つ以上の官能基であることが好ましい。
末端変性BRは、公知の手法により調製することができる。例えば、飽和炭化水素系化合物を溶媒とし、重合開始剤に有機リチウム化合物を用いて1,3-ブタジエン重合を行い、得られたブタジエン系重合体の活性末端と反応可能な前記官能基を有する化合物にて変性反応させて得る方法を例示することができる。なお、市販されている末端変性BRを使用することもでき、例えば、末端をアミノ基で変性したブタジエンゴムとして、日本ゼオン(株)製商品名Nipol BR1250H等を挙げることができる。
【0013】
(B)カーボンブラックおよび(C)シリカ
本発明で使用されるカーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に対し、45質量部以下であることが必要である。45質量部を超えると、ウェット制動および氷上制動が悪化する。カーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に対し、5~45質量部配合するのが好ましい。
また本発明で使用されるシリカは、ジエン系ゴム100質量部に対し、30質量部以上であることが必要である。30質量部未満であるると、ウェット制動および氷上制動が悪化する。シリカは、ジエン系ゴム100質量部に対し、30~90質量部配合するのが好ましい。
本発明で使用されるカーボンブラックは、本発明の効果を高めるという観点から窒素吸着比表面積(N2SA)が50~200m2/gであることが好ましく、70~150m2/gであることがさらに好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
また本発明で使用するシリカは、本発明の効果を高めるという観点からCTAB比表面積が100~400m2/gであることが好ましく、150~300m2/gであることがさらに好ましい。
なおシリカのCTAB比表面積は、ISO5794/1に準拠して測定される。
本発明では、カーボンブラックおよびシリカを併用する形態が好適である。
【0014】
(D)多孔質シリカ
本発明で使用される多孔質シリカは、公知のものであり、公知技術に基づき合成してもよいが、下記で説明するような市販品を利用することもできる。
【0015】
本発明で使用される多孔質シリカは、平均細孔径が3nm~30nmであることが必要である。この範囲外であると、加硫速度および/または氷上性能に悪影響を及ぼす。前記平均細孔径は、3nm~30nmが好ましく、3nm~15nmがさらに好ましい。なお、前記さらに好ましい平均細孔径の範囲において、半値幅は1nm~5nmであるのがよい。この形態では、ジエン系ゴムと多孔質シリカとが相互作用し易く、かつ、加硫系(例えば硫黄や加硫促進剤等)が多孔質シリカの細孔に入りにくく、加硫速度を遅らせることがない。またオイル成分が細孔内に入りにくいため、氷上性能も向上する。さらに排水効果も高まる。したがって、本発明の効果を良好に奏することができる。
【0016】
平均細孔径は、公知の測定方法により算出することができ、例えば電子顕微鏡観察によって求めることができる。なお、細孔径とは、細孔の形状が円状の場合には直径を意図し、楕円状の場合には長径と短径の算術平均を意図する。
【0017】
また本発明で使用される多孔質シリカは、本発明の効果向上の観点から、その平均粒子径が5μm~500μmであることが好ましく、75μm~150μmであるのがさらに好ましい。
【0018】
また本発明で使用される多孔質シリカは、細孔容量が0.3~1ml/gが好ましい。
【0019】
本発明で使用される多孔質シリカは市販されているものを利用でき、例えば富士シリシア化学株式会社製の、
CARiACTQ-3(平均細孔径=3nm、粒子径75~150μm)、
CARiACTQ-6(平均細孔径=6nm、粒子径75~150μm)、
CARiACTQ-10(平均細孔径=10nm、粒子径75~150μm)、
CARiACTQ-15(平均細孔径=15nm、粒子径75~150μm)、
CARiACTQ-30(平均細孔径=30nm、粒子径75~150μm)、
メルク社製Davisil Grade 636(平均細孔径=6nm、粒子径250~500μm)等が挙げられる。
【0020】
本発明で使用される多孔質シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1~30質量部であり、好ましくは2~25質量部である。
多孔質シリカの配合量が1質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができな。逆に30質量部を超えると加硫速度が遅くなる。
なお、(D)多孔質シリカは、前記(C)シリカに含まれないものとする。
【0021】
本発明では、氷上性能をさらに高めることを目的として、前記(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、液体可塑剤を好ましくは15~60質量部、さらに好ましくは20~55質量部配合するのが好ましい。液体可塑剤としては、常温(23℃)で液体の可塑剤が好ましく、カルボン酸エステル可塑剤、リン酸エステル可塑剤、スルホン酸エステル可塑剤、オイル等が挙げられる。
カルボン酸エステル可塑剤としては、公知のフタル酸エステル、イソフタル酸エステル、テトラヒドロフタル酸エステル、アジピン酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、トリメリット酸エステル、リノール酸エステル、オレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、リシノール酸エステル等がある。
リン酸エステル可塑剤としては、公知のトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリトリルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ジフェニルモノ-o-キセニルホスフェート等がある。
スルホン酸エステル可塑剤としては、公知のベンゼンスルホンブチルアミド、トルエンスルホンアミド、N-エチル-トルエンスルホンアミド、N-シクロヘキシル-p-トルエンスルホンアミド等がある。
オイルとしては、公知のパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等の鉱物油系オイルが挙げられる。
【0022】
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、老化防止剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0023】
本発明のゴム組成物は、平均ガラス転移温度(平均Tg)が-60℃以下であることが好ましい。このように平均Tgを規定することにより、氷上性能が向上する。
なお本明細書で言う平均Tgは、各成分のガラス転移温度に、各成分の重量分率を乗じた積の合計、すなわち加重平均に基づき算出される値である。なお計算時には各成分の重量分率の合計を1.0とする。また、前記各成分とは、ジエン系ゴム、可塑剤および樹脂を意味する。なお、可塑剤および樹脂は、ゴム組成物に含まれない場合もあり得る。本発明で言うガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度を指すものとする。また硬度は、JIS K6253に準拠して測定される。
さらに好ましい前記平均Tgは、-62℃以下である。
【0024】
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、スタッドレスタイヤのトレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0026】
実施例1~13および比較例1~10
サンプルの調製
表1~3に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、混練物をミキサー外に放出させて室温冷却させた。その後、同バンバリーミキサーにおいて加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物または加硫ゴム試験片の物性を測定した。
【0027】
加硫速度(T95):JIS K6300に準拠して、振動式ディスク加硫試験機にて、振幅1度、150℃で95%の加硫度に達する時間(T95、分)を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。この値が小さいほど、加硫速度が速く、生産性に優れることを示す。
氷上性能:上記加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は-1.5℃、荷重5.5kg/cm3、ドラム回転速度は25km/hである。結果は比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど、ゴムと氷の摩擦力が良好であり、氷上性能に優れることを示す。
結果を表1~3に併せて示す。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
*1:NR(TSR20)
*2:末端変性BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1250H)
*3:シランカップリング剤(Evonik Degussa社製Si69)
*4:シリカ(ローディア社製Zeosil 1165MP、CTAB比表面積=159m2/g)
*5:カーボンブラック(キャボットジャパン社製ショウブラックN339)
*6:ワックス(大内新興化学工業(株)製パラフィンワックス)
*7:老化防止剤(Solutia Europe社製SANTOFLEX 6PPD)
*8:オイル(昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S)
*9:硫黄(鶴見化学工業株式会社製金華印油入微粉硫黄)
*10:加硫促進剤CZ(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ-G)
*11:加硫促進剤DPG(Flexsys社製Perkacit DPG)
*12:多孔質シリカ1(富士シリシア化学(株)製CARiACTQ-3(平均細孔径=3nm)
*13:多孔質シリカ2(富士シリシア化学(株)製CARiACTQ-6(平均細孔径=6nm)
*14:多孔質シリカ3(富士シリシア化学(株)製CARiACTQ-10(平均細孔径=10nm)
*15:多孔質シリカ4(富士シリシア化学(株)製CARiACTQ-15(平均細孔径=15nm)
*16:多孔質シリカ5(富士シリシア化学(株)製CARiACTQ-30(平均細孔径=30nm)
*17:多孔質シリカ6(富士シリシア化学(株)製CARiACTQ-50(平均細孔径=50nm)
*18:多孔質シリカ7(メルク社製Davisil Grade 636(平均細孔径=6nm)
【0032】
表1~3の結果から、実施例のゴム組成物は、天然ゴムを含むとともにブタジエンゴムを25質量部を超えかつ75質量部未満含む(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、(B)カーボンブラックを45質量部以下および/または(C)シリカを30質量部以上、および(D)平均細孔径が3nm~30nmである多孔質シリカを1~30質量部配合しているので、比較例1と比べると、加硫速度を遅らせることなく、氷上性能を向上させ得ることが分かる。
比較例2は、多孔質シリカの平均細孔径が本発明で規定する上限を超えているので、加硫速度が悪化した。
比較例3は、多孔質シリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、比較例1とほぼ同様の結果を示した。
比較例4は、シリカの配合量が本発明で規定する下限未満であり、また多孔質シリカの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、加硫速度が悪化した。
比較例5~9は、BRの配合量を種々変更した例であるが、多孔質シリカを配合していないので、加硫速度または氷上性能が悪化した。
比較例10は、BRの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、加硫速度が悪化した。