IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ぐるなびの特許一覧

特許7356031情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図7
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230927BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20230927BHJP
【FI】
G06Q30/0241 446
G06Q10/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020027785
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021131789
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】滑川 真理
(72)【発明者】
【氏名】富岡 正仁
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/103156(WO,A1)
【文献】特開2016-051441(JP,A)
【文献】特開2017-016499(JP,A)
【文献】特開2017-204172(JP,A)
【文献】特開2016-004426(JP,A)
【文献】特開2001-319140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
サービス店舗が受け付けた予約を示す予約受付情報を記憶する記憶部と、
前記予約受付情報に基づいて、少なくとも特定の日の予約状況を表示する複数の予約状況表示欄を有する予約台帳画面を生成し、
前記予約台帳画面上のいずれかの前記予約状況表示欄を選択する前記サービス店舗のユーザの操作が受け付けられた場合に、当該選択された予約状況表示欄に対応する前記サービス店舗の広告情報を配信するためのユーザインタフェースを前記予約台帳画面上に表示させ、
前記ユーザインタフェースに対する前記ユーザの操作に応じて、前記広告情報を配信する、
制御部と、
を具備する情報処理システムであって、
前記ユーザインタフェースは、配信ボタンまたはコンテキストメニューである
情報処理システム
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、
前記予約状況表示欄として、定員を有する席と各日の時間帯とで特定される複数の予約枠を表示し、当該予約枠ごとに、前記受け付けた予約を特定する予約特定情報を表示し、
前記ユーザインタフェースとして、選択された前記予約枠内に、押下により前記広告情報を配信するための配信ボタンを表示させる
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記記憶部は、前記席の定員または時間帯と、前記広告情報の配信数、配信時間、配信先ユーザ、配信先媒体のうちのいずれかの条件とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、選択された前記予約枠に対応する席の定員または時間帯に応じた条件にしたがって前記広告情報を配信する
情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記ユーザから、連続する複数の前記予約枠を選択する操作を受け付けた場合、当該複数の予約枠に対応する複数の席の定員の合計または複数の時間帯を合わせた時間帯に応じた条件にしたがって前記広告情報を配信する
情報処理システム。
【請求項5】
サービス店舗が受け付けた予約を示す予約受付情報に基づいて、少なくとも特定の日の予約状況を表示する複数の予約状況表示欄を有する予約台帳画面を生成し、
前記予約台帳画面上のいずれかの前記予約状況表示欄を選択する前記サービス店舗のユーザの操作が受け付けられた場合に、当該選択された予約状況表示欄に対応する前記サービス店舗の広告情報を配信するための配信ボタンまたは配信メニューであるユーザインタフェースを前記予約台帳画面上に表示させ、
前記ユーザインタフェースに対する前記ユーザの操作に応じて、前記広告情報を配信する
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記ユーザインタフェースは、配信ボタンまたはコンテキストメニューである
情報処理方法
【請求項6】
情報処理装置に、
サービス店舗が受け付けた予約を示す予約受付情報に基づいて、少なくとも特定の日の予約状況を表示する複数の予約状況表示欄を有する予約台帳画面を生成するステップと、
前記予約台帳画面上のいずれかの前記予約状況表示欄を選択する前記サービス店舗のユーザの操作が受け付けられた場合に、当該選択された予約状況表示欄に対応する前記サービス店舗の広告情報を配信するための配信ボタンまたは配信メニューであるユーザインタフェースを前記予約台帳画面上に表示させるステップと、
前記ユーザインタフェースに対する前記ユーザの操作に応じて、前記広告情報を配信するステップと
を実行させるプログラムであって、
前記ユーザインタフェースは、配信ボタンまたはコンテキストメニューである
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末に飲食店等のサービス施設に関するメッセージを送信可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザへ飲食店等のサービス店舗の販売促進のための広告情報を配信することが行われている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、顧客の来店履歴に基づいて来店周期の標準値をデータベースに記録し、来店周期の標準値に基づいて来店予測日を算出し、来店予測日の所定の日数前から当日に再来店勧誘の案内文を含む電子メールを作成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-118457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、顧客の来店周期に応じた日に再来店が期待できるものの、例えば現実に空席が発生しており店側が来店を望む時にユーザを来店に導くことはできない。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、サービス店舗が希望する時にユーザを来店に導くことが可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る情報処理システムは、通信部と記憶部と制御部とを有する。上記記憶部は、サービス店舗が受け付けた予約に関する予約情報を記憶する。上記制御部は、上記予約情報に基づいて、少なくとも特定の日の予約状況を表示する複数の予約状況表示欄を有する予約台帳画面を生成する。また制御部は、上記予約台帳画面上のいずれかの上記予約状況表示欄を選択する上記サービス店舗のユーザの操作が受け付けられた場合に、当該選択された予約状況表示欄に対応する上記サービス店舗の広告情報を配信するためのユーザインタフェースを上記予約台帳画面上に表示させ、上記ユーザインタフェースに対する上記ユーザの操作に応じて、上記広告情報を配信する。
【0008】
この構成により情報処理システムは、予約台帳画面に対するサービス店舗のユーザの操作を基に、予約状況に応じて広告情報を配信することで、サービス店舗が希望する時にユーザを来店に導くことができる。当該情報処理システムは、1または複数の情報処理装置で構成されうる。
【0009】
上記制御部は、上記予約状況表示欄として、定員を有する席と各日の時間帯とで特定される複数の予約枠を表示し、当該予約枠ごとに、上記受け付けた予約を特定する予約特定情報を表示し、上記ユーザインタフェースとして、上記選択された予約枠内に、押下により上記広告情報を配信するための配信ボタンを表示させてもよい。
【0010】
これによりサービス店舗の従業員は、特定の日の席及び時間帯の予約枠を選択し当該予約枠内に表示される配信ボタンを押下するだけで広告情報をユーザに配信することができる。
【0011】
上記制御部は、上記選択された予約枠に対応する席の定員または時間帯に応じた内容の上記広告情報を配信してもよい。
【0012】
これにより情報処理システムは、特定の席または時間帯に応じた広告情報を配信することができる。
【0013】
上記制御部は、上記ユーザから、複数の上記予約枠をまたがる操作を受け付けた場合、当該複数の予約枠に対応する複数の席の定員の合計または複数の時間帯を合わせた時間帯に応じた内容の上記広告情報を配信してもよい。
【0014】
これにより情報処理システムは、複数の席または時間帯に対応する広告情報をユーザの一度の操作で配信することができる。
【0015】
上記内容は、数、配信時間、配信種別、配信先ユーザ、配信先媒体のうちのいずれかであってもよい。
【0016】
上記制御部は、上記広告情報の配信から所定時間経過しても上記サービス店舗に予約または来店が無い場合、上記ユーザインタフェースを再度表示させてもよい。
【0017】
これにより情報処理システムは、広告情報の再配信を行う際のユーザの手間を削減することができる。
【0018】
上記制御部は、上記広告情報を基に予約が受け付けられた場合、当該予約を示す上記予約特定情報を、上記広告情報に基づかない予約を示す予約特定情報と異なる表示形態で上記予約台帳画面上に表示させてもよい。
【0019】
これにより情報処理システムは、広告情報の配信による効果をサービス店舗のユーザに視覚的に容易に把握させることができる。
【0020】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
サービス店舗が受け付けた予約に関する予約情報に基づいて、少なくとも特定の日の予約状況を表示する複数の予約状況表示欄を有する予約台帳画面を生成し、
上記予約台帳画面上のいずれかの上記予約状況表示欄を選択する上記サービス店舗のユーザの操作が受け付けられた場合に、当該選択された予約状況表示欄に対応する上記サービス店舗の広告情報を配信するためのユーザインタフェースを上記予約台帳画面上に表示させ、
上記ユーザインタフェースに対する上記ユーザの操作に応じて、上記広告情報を配信する、ことを含む。
【0021】
本発明の他の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
サービス店舗が受け付けた予約に関する予約情報に基づいて、少なくとも特定の日の予約状況を表示する複数の予約状況表示欄を有する予約台帳画面を生成するステップと、
上記予約台帳画面上のいずれかの上記予約状況表示欄を選択する上記サービス店舗のユーザの操作が受け付けられた場合に、当該選択された予約状況表示欄に対応する上記サービス店舗の広告情報を配信するためのユーザインタフェースを上記予約台帳画面上に表示させるステップと、
上記ユーザインタフェースに対する上記ユーザの操作に応じて、上記広告情報を配信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、サービス店舗が希望する時にユーザを来店に導くことができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバのハードウェア構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、予約台帳画面に基づく広告配信処理の流れを示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態において飲食店情報提供サーバによって生成され飲食店端末に表示される予約台帳画面の例を示した図である。
図6】本発明の一実施形態において飲食店情報提供サーバによって生成され飲食店端末に表示される予約台帳画面の例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態において飲食店情報提供サーバによって生成され飲食店端末に表示される予約台帳画面の例を示した図である。
図8】本発明の一実施形態において飲食店情報提供サーバによって生成され飲食店端末に表示される予約台帳画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
【0026】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の飲食店情報提供サーバ100と、複数のユーザ端末200と、複数の飲食店端末300とを含む。
【0027】
飲食店情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイト(飲食店情報提供サイト)を運営するウェブサーバである。飲食店情報提供サーバ100は、複数のユーザ端末200及び複数の飲食店の飲食店端末300とインターネット50を介して接続されている。
【0028】
飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けに飲食店情報の検索システムを提供する。具体的には、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200からの検索要求に基づいて検索条件に合致する飲食店情報を検索し、検索結果を掲載したWebページを生成してユーザ端末200へ送信する。また飲食店情報提供サーバ100は、当該飲食店情報を閲覧したユーザのユーザ端末200からの、いずれかの飲食店に対する予約受付処理を代行する。
【0029】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。ユーザ端末200は、飲食店情報提供サーバ100へアクセスし、上記Webページを受信してブラウザ等により画面に表示する。
【0030】
ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて飲食店の検索条件を決定し、当該検索条件に基づく飲食店検索要求を飲食店情報提供サーバ100へ送信する。本実施形態では、飲食店の所在エリア(最寄駅)やジャンル、価格帯等、予め設定された検索条件をユーザ端末200のユーザが選択することで検索要求の送信が可能である。そしてユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて、上記検索結果として表示されたいずれかの飲食店に対する予約要求を飲食店情報提供サーバ100へ送信可能である。
【0031】
また一方で飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトに掲載される飲食店(加盟店)向けに、飲食店情報の管理画面(Webページ)を提供している。飲食店端末300のユーザは、当該管理画面を介して、上記検索結果として一般ユーザに提供されるWebページ上の飲食店情報(コンテンツ)を編集・更新し、当該Webページを上記ポータルサイト上にアップロードすることができる。
【0032】
飲食店端末300(300A,300B,300C...)は、各飲食店に設置されている端末であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。飲食店端末300は、管理者の操作に基づいて、上記飲食店情報の編集・更新等、自身の飲食店情報に関する処理を飲食店情報提供サーバ100との通信により実行することが可能である。
【0033】
本実施形態では、飲食店情報提供サーバ100は、上記ユーザ端末200へ、飲食店情報の検索要求に応じて飲食店情報を提供可能なほか、飲食店とユーザとの間の、予約等に関する情報の送受信を飲食店に代わって実行する。また飲食店情報提供サーバ100は、飲食店端末300が自身の予約状況を管理・確認するために表示する予約台帳画面を生成可能であり、さらに、当該予約台帳画面に対する飲食店端末300のユーザ(従業員)の操作を基に、ユーザ端末200へ店舗の広告情報を配信することが可能である。当該予約台帳画面に基づく広告配信処理の詳細については後述する。
【0034】
[飲食店情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0035】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0036】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0037】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0038】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0039】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0040】
後述するが、特に本実施形態において、記憶部18は、後述する予約台帳画面に基づく広告配信処理に必要なアプリケーション等のプログラムの他、飲食店情報データベース、ユーザ情報データベース、及び広告情報データベースを有している。
【0041】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200との間の通信処理を担う。
【0042】
なお、図示しないが、ユーザ端末200及び飲食店端末300の基本的なハードウェア構成も上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成と略同様である。飲食店端末300の表示部は、典型的には、操作受付部を兼ねたタッチパネルである。
【0043】
[飲食店情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0044】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31、ユーザ情報データベース32、広告情報データベース33を有している。
【0045】
飲食店情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名、所在位置(住所または緯度経度)情報、エリア情報、アクセス情報(最寄り駅情報、最寄り駅からの徒歩距離情報)電話番号、その飲食店を識別するID(店舗ID)、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する情報(店舗のPR文等の店舗の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報等)、飲食店に関する(飲食店を紹介する)画像データ、飲食店が提供するメニューに関するメニュー情報、平均予算情報、営業時間、ウェブサイトURL等の情報等を記憶している。これらの情報は、各飲食店の飲食店端末300から、飲食店情報提供サーバ100が提供する管理画面を介して入力されたものである。また飲食店情報データベース31には、各飲食店における予約受付情報が記憶されている。
【0046】
上記メニュー情報は、上記ポータルサイト上の各飲食店のサイトに掲載されるメニューに対応する情報であり、各飲食店が提供可能な複数のメニューのメニュー名を、飲食店毎に記憶している。当該メニュー情報は、例えば前菜/メイン、ランチ/ディナー/コース等のメニューカテゴリ毎に記憶されてもよい。またメニュー情報としては、メニュー名や値段、説明等を示す文字情報の他、当該メニューを撮影した写真等の画像情報も対応付けて記憶される。
【0047】
上記エリア情報としては、広さ単位の異なる複数のエリアに関する情報が含まれる。広いエリアとしては例えば都道府県や市区町村、狭いエリアとしては例えば駅から数百m以内(例えば、「銀座エリア」)、それらの間の広さのエリアとして、例えば駅から1km以内のエリアや、複数の駅周辺エリアがまとまったエリア(例えば、「銀座・新橋・有楽町エリア」)等が挙げられるが、これらに限られない。これにより、同じ飲食店でも、その広さによって複数のエリアに紐付けられていることになる。
【0048】
上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0049】
上記予約受付情報は、上記飲食店情報提供サイトを介してユーザ端末200から(または電話にて)受け付けた情報であり、例えば、各飲食店について、予約日時、予約ユーザ名、予約人数、予約テーブル、予約コース等の情報を有している。
【0050】
ユーザ情報データベース32は、ユーザ端末200を所有する、上記飲食店情報提供サーバ100が提供する上記ポータルサイトを介した飲食店情報サービスの利用者(会員)であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報データベース32は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス(その他のメッセージの宛先となる情報)、電話番号、住所、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0051】
広告情報データベース33は、ユーザ端末200へ送信される店舗広告情報(飲食店名、紹介用写真、ウェブサイトURL等)を記憶している。当該店舗広告情報は、例えばDM(Direct Message)としてユーザ端末200へ配信されてもよい。この場合DMは例えば電子メール(SMTPを使用したもののほか、ウェブメールやショートメッセージサービスを含む)の形式で配信されるが、インスタントメッセージ等の他の形式(プル式、プッシュ式を問わない)で配信されてもよい。
【0052】
これら各データベースは、後述する飲食店情報提供サーバ100による予約台帳画面に基づく広告配信処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0053】
[飲食店情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0054】
図4は、飲食店情報提供サーバ100による、予約台帳画面に基づく広告配信処理の流れを示したフローチャートである。また図5乃至図8は、飲食店情報提供サーバ100が生成し飲食店端末300上で表示される上記予約台帳画面の例を示した図である。
【0055】
図4に示すように、飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、まず、飲食店端末300から、予約台帳画面の表示要求を受信したか否かを判断する(ステップ41)。
【0056】
上記予約台帳画面の表示要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、上記飲食店情報データベース31中の予約受付情報を基に、その日の予約枠(予約時間及び予約テーブル)毎に予約特定情報(例えば、予約人数及び予約ユーザ名)を表示した予約台帳画面を生成する(ステップ42)。
【0057】
図5に示すように、予約台帳画面60は、縦軸にそれぞれ定員を有する複数のテーブル(席)項目(個室、テーブル、カウンター等)を配し、横軸に当日の複数の時間帯項目(例えば1時間単位)を配したマトリクスによって形成される複数の予約枠61を有する。
【0058】
当該各予約枠61には、それに対応する予約人数及び予約ユーザ名の情報からなる予約特定情報62が重畳表示される。予約時間帯が複数の時間帯にまたがる場合には、当該予約特定情報62も複数の予約枠61に跨って表示される(例えば同図の予約特定情報62a及び62e)。
【0059】
図4に戻り、続いてCPU11は、上記予約台帳画面60のいずれかの予約枠61の選択操作があった旨の通知情報を飲食店端末300から受信したか否かを判断する(ステップ43)。当該選択操作は、図5に示すように例えば予約枠61のタップ、ロングタッチ等であるが、これに限られない。
【0060】
いずれかの予約枠61の選択操作があったと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該選択された予約枠61内に、押下により広告情報を配信するための広告配信ボタンを飲食店端末300に表示させる(ステップ44)。図6には、飲食店端末300のユーザによって選択された予約枠61c内に表示される広告配信ボタン65が示されている。
【0061】
また、図7に示すように、複数の予約枠61をまたがる選択操作(例えば、複数の予約枠61cから61dまでの同図矢印方向のドラッグ操作)を受け付けた場合、図8に示すように、CPU11は、当該複数の予約枠61をまたがるように広告配信ボタン65を表示させる。
【0062】
図7及び図8の例では、飲食店端末300のユーザが横方向の時間帯軸に沿って複数の予約枠61を選択した例が示されているが、縦方向のテーブル軸に沿って複数の予約枠61を選択した場合には、それに応じて複数の縦方向の予約枠61をまたがるように広告配信ボタン65が表示される。
【0063】
さらに、飲食店端末300のユーザが2本の指で1つの予約枠61から縦軸と横軸にそれぞれ沿ってピンチアウトするような操作を受け付けることで、複数の時間帯及びテーブルにまたがるような広告配信ボタン65が表示されてもよい。
【0064】
図4に戻り、続いてCPU11は、上記表示された広告配信ボタン65に対する押下操作があった旨の通知情報を飲食店端末300から受信したか否かを判断する(ステップ45)。
【0065】
当該広告配信ボタン65に対する押下操作があったと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該広告配信ボタン65が表示されている予約枠61に対応するテーブルの定員または時間帯に応じた数の広告情報をユーザ端末200へ配信する(ステップ46)。
【0066】
例えばCPU11は、予約枠61に対応するテーブルの定員に特定の配信基準値を乗算した数の広告情報を配信してもよいし、予約枠61に対応する時間帯ごとに設定された配信数の広告情報を配信してもよい。例えば17時~18時等の早めの時間帯及び21時以降の遅めの時間帯の配信数は、18時~20時等の混雑時間帯の配信数よりも多く設定される。
【0067】
また、上記図7及び図8に示すように複数の予約枠61にまたがる広告配信ボタン65が押下された場合には、CPU11は、当該複数の予約枠61に対応する複数のテーブルの定員の合計値に上記配信基準値を乗算した数の広告情報を配信してもよいし、複数の予約枠61に対応する複数の時間帯にそれぞれ設定された配信数を合計した数の広告情報を配信してもよい。
【0068】
またCPU11は、予約枠61に対応するテーブルの定員と時間帯の両方を用いて、予約枠61に対応するテーブルの定員に、対応する時間帯ごとに設定された配信数を乗じた数の広告情報を配信してもよい。
【0069】
また、広告情報は、対応する時間帯またはテーブルに応じて、それに含まれる特典内容(例えば割引率、割引額、割引対象メニュー等)が異なっていてもよい。
【0070】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、飲食店情報提供サーバ100は、予約台帳画面60に対する飲食店の従業員の操作を基に、予約状況に応じて広告情報を配信することで、飲食店が希望する時にユーザを来店に導くことができる。
【0071】
また飲食店情報提供サーバ100は、特定の予約枠に応じたピンポイントの広告情報を配信することで、予約枠に関係なく配信される無駄な広告情報によってネットワークトラフィックが大きくなってしまうのを防ぐことができる。
【0072】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0073】
上述の実施形態において、CPU11は、上記広告配信ボタン65によって配信された広告情報の配信から所定時間(例えば30分等)経過しても広告元の飲食店に予約または来店が無い場合、上記広告配信ボタン65を同じ予約枠61に再度表示させてもよい。これにより、広告情報の再配信を行う際のユーザの手間が削減される。
【0074】
上述の実施形態において、CPU11は、広告配信ボタン65によって配信された広告情報を基に飲食店に予約が受け付けられた場合、当該予約を示す上記予約特定情報65を、上記広告情報に基づかない予約を示す予約特定情報65と異なる表示形態(例えば異なる色、フォント、大きさ等)で上記予約台帳画面60上に表示させてもよい。これにより、広告情報の配信による効果が飲食店の従業員に視覚的に容易に把握される。
【0075】
上述の実施形態では、予約枠に表示されるユーザインタフェースとして広告配信ボタンが示されたが、当該ユーザインタフェースはボタン形式に限られず、例えば予約枠のタッチ位置を基準に表示されるコンテキストメニューであってもよく、当該コンテキストメニューに広告配信のオプションが含まれてもよい。また当該ユーザインタフェースは予約枠の外部に表示されてもよいし予約枠からはみ出すように表示されてもよい。
【0076】
上述の実施形態では、広告情報はユーザ端末200へ配信されるものとして記載したが、広告情報はユーザ端末200以外に配信されるものであっても構わない。例えば広告情報は、上記予約台帳画面に対する従業員の操作に基づいて、例えば特定のウェブサイト(飲食店情報提供サイト等)に掲載されるものであっても構わない。
【0077】
上述の実施形態では、予約台帳画面には予約状況表示欄として、1日のうちの時間帯が横軸に、複数のテーブル種別が縦軸に配置されたマトリクス状の予約枠が示された。しかし、当該予約台帳画面は日別の画面に限られず、例えば月別のカレンダータイプの画面として表示されても構わない。この場合、カレンダー上の各日の枠が予約状況表示欄として用いられ、当該枠には、予約特定情報として、例えば対応する日の予約件数や最大予約可能数に対する予約率を示す数字が表示されてもよい。
【0078】
そしてCPU11は、当該日ごとの枠のうちいずれかの枠が飲食店端末300のユーザに選択されると広告配信ボタン等のユーザインタフェースを表示させ、それに対する配信操作が受け付けられると、当該日ごとの枠に応じた内容の広告情報が配信されてもよい。例えば1か月のうち、曜日や日にちに応じて広告配信数が設定されており(例えば、月曜から週末にかけて、または月初から月末にかけて大きくなるように設定される)、飲食店端末300のユーザは、例えば上記カレンダー上で予約件数や予約率が低い日の枠を選択することでその日用の広告情報を配信することができる。
【0079】
上述の実施形態では、広告配信ボタン65が表示された予約枠61に対応するテーブルの定員または時間帯に応じた数の広告情報が配信された。しかし、広告情報は、テーブルの定員または時間帯に応じた数ではなく、当該定員または時間帯に応じた配信時間に配信されてもよいし、当該定員または時間帯に応じた種別の広告情報が配信されてもよいし、当該定員または時間帯に応じたユーザに対して配信されてもよいし、当該定員または時間帯に応じた配信媒体(例えば、メール、プッシュ通知、ウェブサイト、デジタルサイネージ等)によって配信されてもよい。
【0080】
上述の実施形態では、飲食店端末300のユーザが、予約が入っていない予約枠61を選択することで当該予約枠61に対応する広告情報が送信される例が示された。これとは別に、飲食店情報提供サーバ100は、予約が入っている予約枠61が選択された場合には、当該予約枠61に対応する席が埋まっている旨の情報を、特定の会員に対して配信してもよい。これにより例えば、常連客にいつも座る席が埋まっていることを伝えたり、夜景の見える席等の特定の席が埋まっていることを伝えたりしてユーザの利便性を向上させることができる。この場合、例えば予約が入っている予約枠61がユーザにタップされると、配信先ユーザの選択画面が表示され、ユーザが当該画面から配信先ユーザを選択することで情報やメッセージが送信されてもよい。
【0081】
また飲食店情報提供サーバ100は、上記予約が入っている予約枠61が選択された場合に、当該予約枠61に対応する予約ユーザに対して予約の確認メッセージを送信してもよい。さらに飲食店情報提供サーバ100は、予約が入っている予約枠61と予約が入っていない予約枠61が同時に選択された場合に、特定の席が予約で埋まっている旨の情報と、その代わりに空いている席を利用することで割引料金で飲食できる旨の広告情報とを同時に配信することができる。
【0082】
上述の実施形態では、上記飲食店情報提供サーバ100は1台のみ示したが、上記飲食店情報提供サーバ100が実行する処理は、複数のサーバで分散して実行されても構わない。
【0083】
上述の実施形態では、サービス店舗として飲食店が例に挙げられたが、サービス店舗は飲食店に限られず、例えば、ホテル・旅館等の宿泊施設、テニス、バスケットボール、ゴルフ等の各種スポーツ施設、カラオケ・ボーリング等の娯楽施設、美容院・理容室・マッサージ・エステ等の施術施設等の様々なサービス店舗における予約台帳画面についても、本発明は同様に適用可能である。
【0084】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0085】
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
31…飲食店情報データベース
32…ユーザ情報データベース
33…広告情報データベース
60…予約台帳画面
61…予約枠
62…予約特定情報
100…飲食店情報提供サーバ
200…ユーザ端末
300…飲食店端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8