IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナノテムの特許一覧

<>
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図1
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図2
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図3
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図4
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図5
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図6
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図7
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図8
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図9
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図10
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図11
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図12
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図13
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図14
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図15
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図16
  • 特許-加工用砥石及びコアドリル 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】加工用砥石及びコアドリル
(51)【国際特許分類】
   B24D 11/00 20060101AFI20230927BHJP
   B24D 3/06 20060101ALI20230927BHJP
   B24D 7/18 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B24D11/00 A
B24D3/06 B
B24D7/18 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022036869
(22)【出願日】2022-03-10
(65)【公開番号】P2023131867
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】398046921
【氏名又は名称】株式会社ナノテム
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 篤
(72)【発明者】
【氏名】大橋 恭介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大地
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大和
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/063001(WO,A1)
【文献】特開昭62-188675(JP,A)
【文献】米国特許第06145410(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0104999(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 3/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転方向に並べられた複数の加工用シートを含む加工用砥石であって、
前記複数の加工用シートは、それぞれ、
加工対象を加工する加工部と、
折り曲げ部を有するシート状のメッシュ材と、を備え、
前記加工部には、前記メッシュ材の前記折り曲げ部の少なくとも一部が埋設され、
前記メッシュ材は、複数の前記折り曲げ部を連結する連結部を備え、
前記加工用シートは、前記連結部が埋設されている充填材を備え、
前記回転方向に隣り合う2つの前記加工用シートの前記加工部は互いに前記加工用砥石の回転軸に沿う方向にずれた位置に設けられる、
加工用砥石。
【請求項2】
回転方向に並べられた複数の加工用シートを含む加工用砥石であって、
前記複数の加工用シートは、それぞれ、
加工対象を加工する加工部と、
折り曲げ部を有するシート状のメッシュ材と、を備え、
前記加工部には、前記メッシュ材の前記折り曲げ部の少なくとも一部が埋設され、
前記メッシュ材は、複数の前記折り曲げ部を連結する連結部を備え、
前記加工用シートは、前記連結部が埋設されている充填材を備え、
前記回転方向に隣り合う2つの前記加工用シートの前記加工部は互いに前記加工用砥石の径方向にずれた位置に設けられる、
加工用砥石。
【請求項3】
複数の前記折り曲げ部は、前記メッシュ材に間隔を持って配置され、それぞれ波形状をなし、それぞれ前記加工部に埋設されている、
請求項1又は2に記載の加工用砥石
【請求項4】
前記折り曲げ部は波形状をなし、
前記加工部は、前記折り曲げ部の窪みに充填されている、
請求項1又は2に記載の加工用砥石
【請求項5】
前記メッシュ材は、塑性変形可能な金属製であり、
前記加工部は、
前記折り曲げ部が埋設され、前記折り曲げ部に凝着した状態にある金属製の結合材と、
前記結合材内に位置し、ワークを加工する複数の砥粒と、を備える、
請求項1からの何れか1項に記載の加工用砥石
【請求項6】
加工用シートを含むコアドリルであって、
前記加工用シートは、
加工対象を加工する加工部と、
折り曲げ部を有するシート状のメッシュ材と、を備え、
前記加工部には、前記メッシュ材の前記折り曲げ部の少なくとも一部が埋設され、
前記メッシュ材は、複数の前記折り曲げ部を連結する連結部を備え、
前記加工用シートは、前記連結部が埋設されている充填材を備え、
前記メッシュ材は円筒状に形成され、
複数の前記加工部は前記メッシュ材の周方向に沿って並べられる、
コアドリル。
【請求項7】
複数の前記折り曲げ部は、前記メッシュ材に間隔を持って配置され、それぞれ波形状をなし、それぞれ前記加工部に埋設されている、
請求項に記載のコアドリル
【請求項8】
前記折り曲げ部は波形状をなし、
前記加工部は、前記折り曲げ部の窪みに充填されている、
請求項に記載のコアドリル
【請求項9】
前記メッシュ材は、塑性変形可能な金属製であり、
前記加工部は、
前記折り曲げ部が埋設され、前記折り曲げ部に凝着した状態にある金属製の結合材と、
前記結合材内に位置し、ワークを加工する複数の砥粒と、を備える、
請求項6から8の何れか1項に記載のコアドリル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工用砥石及びコアドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の砥石は、メッシュ状シートが砥粒含有層内部に埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-153464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の砥石においては、砥粒含有層がメッシュ状シートに、より強固に固定されることが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、加工部をメッシュ材により強固に固定することができる加工用砥石及びコアドリルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る加工用砥石は、回転方向に並べられた複数の加工用シートを含む加工用砥石であって、前記複数の加工用シートは、それぞれ、加工対象を加工する加工部と、折り曲げ部を有するシート状のメッシュ材と、を備え、前記加工部には、前記メッシュ材の前記折り曲げ部の少なくとも一部が埋設され、前記メッシュ材は、複数の前記折り曲げ部を連結する連結部を備え、前記加工用シートは、前記連結部が埋設されている充填材を備え、前記回転方向に隣り合う2つの前記加工用シートの前記加工部は互いに前記加工用砥石の回転軸に沿う方向にずれた位置に設けられる。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る加工用砥石は、回転方向に並べられた複数の加工用シートを含む加工用砥石であって、前記複数の加工用シートは、それぞれ、加工対象を加工する加工部と、折り曲げ部を有するシート状のメッシュ材と、を備え、前記加工部には、前記メッシュ材の前記折り曲げ部の少なくとも一部が埋設され、前記メッシュ材は、複数の前記折り曲げ部を連結する連結部を備え、前記加工用シートは、前記連結部が埋設されている充填材を備え、前記回転方向に隣り合う2つの前記加工用シートの前記加工部は互いに前記加工用砥石の径方向にずれた位置に設けられる。
【0008】
また、複数の前記折り曲げ部は、前記メッシュ材に間隔を持って配置され、それぞれ波形状をなし、それぞれ前記加工部に埋設されている、ようにしてもよい。
【0009】
また、前記折り曲げ部は波形状をなし、前記加工部は、前記折り曲げ部の窪みに充填されている、ようにしてもよい。
【0010】
また、前記メッシュ材は、塑性変形可能な金属製であり、前記加工部は、前記折り曲げ部が埋設され、前記折り曲げ部に凝着した状態にある金属製の結合材と、前記結合材内に位置し、ワークを加工する複数の砥粒と、を備える、ようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第の観点に係るコアドリルは、加工用シートを含むコアドリルであって、前記加工用シートは、加工対象を加工する加工部と、折り曲げ部を有するシート状のメッシュ材と、を備え、前記加工部には、前記メッシュ材の前記折り曲げ部の少なくとも一部が埋設され、前記メッシュ材は、複数の前記折り曲げ部を連結する連結部を備え、前記加工用シートは、前記連結部が埋設されている充填材を備え、前記メッシュ材は円筒状に形成され、複数の前記加工部は前記メッシュ材の周方向に沿って並べられる。
【0012】
また、複数の前記折り曲げ部は、前記メッシュ材に間隔を持って配置され、それぞれ波形状をなし、それぞれ前記加工部に埋設されている、ようにしてもよい。
【0013】
また、前記折り曲げ部は波形状をなし、前記加工部は、前記折り曲げ部の窪みに充填されている、ようにしてもよい。
【0014】
また、前記メッシュ材は、塑性変形可能な金属製であり、前記加工部は、前記折り曲げ部が埋設され、前記折り曲げ部に凝着した状態にある金属製の結合材と、前記結合材内に位置し、ワークを加工する複数の砥粒と、を備える、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、加工部をメッシュ材により強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る加工用シートの平面図である。
図2図1の1-1線の断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る砥石の平面図である。
図4図3の一部を拡大した図である。
図5図4の5-5線の断面図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る砥石の平面図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る砥石の側面図及びその一部を拡大した図である。
図8】本発明の第4の実施形態に係る砥石の平面図及びその一部を拡大した図である。
図9】本発明の第4の実施形態の変形例に係る砥石の斜視図及びその一部を拡大した図である。
図10図9のJ-J線の断面図である。
図11】本発明の第5の実施形態に係る加工用柱部材の平面図及びその一部を拡大した図である。
図12】本発明の第5の実施形態に係る砥石の部分的な斜視図である。
図13】本発明の第6の実施形態に係るコアドリルの底面図である。
図14】本発明の第6の実施形態に係るコアドリルの側面図である。
図15図14のK-K線の断面図である。
図16】本発明の変形例に係る加工用シートの断面図である。
図17】本発明の変形例に係る加工用シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る加工用シートについて図面を参照して説明する。
図1に示すように、加工用シート10は、繊維質のメッシュ材11と、メッシュ材11に固定された複数の加工部15と、を備える。加工用シート10は、X方向及びY方向に沿うシート状をなす。
【0019】
メッシュ材11は、本例では、金属、例えば、ステンレス製の繊維質からなり、加工用シート10の芯材となる。メッシュ材11は、可撓性を有し、ペンチ等の工具により塑性変形可能なシート状をなす。
なお、メッシュ材11の材質は、ステンレス以外の銅(例えば、黄銅)、ニッケル、アルミニウム等の金属製であってもよいし、金属以外のガラス、不織布、織布又はカーボンファイバー等から形成されてもよい。
メッシュ材11には、メッシュ材11の厚さ方向に貫通した多数の孔が形成されている。空間(孔)を含むメッシュ材11の全体積に対する空間(孔)を含まないメッシュ材11の線材体積の比率は10%以下である。メッシュ材11のメッシュ数は、例えば、#10~#500が好ましい。メッシュ数は、長さ1インチ当りの網目の数で表される。メッシュ材11のメッシュ数が大きすぎると、網目が細かくなりすぎて、加工部15の後述する結合材13がメッシュ材11内に浸入しづらく、加工部15がメッシュ材11に強固に固定されづらくなる。一方、メッシュ材11のメッシュ数が小さすぎると、網目が粗くなって、加工部15が固着するメッシュ材11を構成する線状部の本数が少なくなって、加工部15がメッシュ材11に強固に固定されづらくなる。このような観点から、メッシュ数は、#10~#500に設定されることが好ましい。
【0020】
図2に示すように、メッシュ材11は矩形(本例では台形)波状に曲げられて形成されている。メッシュ材11は、複数の折り曲げ部12と、複数の折り曲げ部12を連結する複数の連結部11Rと、を備える。折り曲げ部12は、メッシュ材11がなす矩形波の凸状部に対応して位置する。複数の折り曲げ部12はX方向に沿って並べられる。各折り曲げ部12は、Y方向から見てハット状をなす。各折り曲げ部12は、それぞれ加工部15に埋設されている。折り曲げ部12は、平板状のメッシュ材11をペンチ又は歯車間で挟むことにより形成可能である。
【0021】
複数の加工部15は、折り曲げ部12に対応するY方向に沿って延びる柱状(本例では台形柱状)をなし、ワークを研磨又は研削等の加工を行う。各加工部15は、折り曲げ部12の窪みの内部に充填される内側部15iと、折り曲げ部12の外側に位置する外側部15oと、を備える。内側部15iと外側部15oはメッシュ材11の孔を通じて一体化されている。加工部15は、複数の砥粒14を含むニッケル、銅等の金属材をメッシュ材11にメッキすることにより形成される。
なお、複数の加工部15の形状は、これに限らず、Y方向に分割されて形成されてもよい。
【0022】
図2の下部に拡大して示すように、加工部15は、ワークを加工する複数の砥粒14と、複数の砥粒14を結合する結合材13と、を備える。複数の砥粒14は、結合材13内に分布している。砥粒14は、例えば、ダイヤモンドである。なお、砥粒14は、ダイヤモンドに限らず、立方晶窒化ホウ素(CBN)砥粒であってもよいし、CBN砥粒とダイヤモンドを混合させてもよい。さらには、複数の砥粒14は、シリコンカーバイド(SiC)、又は溶融アルミナ(Al)、若しくはこれらを混合したものであってもよい。結合材13は、結合材13の内部に複数の砥粒14を保持する。結合材13は、例えば、ニッケル製である。折り曲げ部12と結合材13が凝着された状態となっている。結合材13は、折り曲げ部12の厚さ方向の両側と折り曲げ部12の内部の孔内に位置している。結合材13は、折り曲げ部12の内部の孔内に入ることでアンカー効果によりメッシュ材11に固定されている。加工用シート10によるワークの加工により、砥粒14が脱落しても結合材13が削れて新たな砥粒14が露出する。これにより、加工用シート10の切れ味の低下が抑制される。
なお、結合材13は、ニッケル製に限らず、鉄、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、青銅等の合金、フエノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、又はビトリファイド等のセラミック等により形成されてもよい。
【0023】
本実施形態においては、複数の加工部15の間はメッシュ材11が外部に露出していたが、これに限らず、図2の破線で示すように、複数の加工部15の間に充填材18が形成されてもよい。充填材18には、メッシュ材11が埋設されている。充填材18は、メッシュ材11の内部の孔内に入ることによりメッシュ材11に固定されている。充填材18の厚さは、加工部15よりも薄い。充填材18は、結合材13と同様に、フエノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、金属又は合金からなる。充填材18には、砥粒14の目立てを行う図示しないアルミナ等の目立て粒が混合されてもよい。充填材18により、加工用シート10の全体に適度な硬さが生じる。加工用シート10は、後述する加工用砥石210,310,410,510,610及びコアドリル710に利用される。
【0024】
(効果)
以上、説明した第1の実施形態及びその変形例によれば、以下の効果を奏する。
(1)加工用シート10は、加工対象(ワーク)を加工する加工部15と、折り曲げ部12を有するシート状のメッシュ材11と、を備える。加工部15には、メッシュ材11の折り曲げ部12が埋設されている。
この構成によれば、折り曲げ部12により、加工部15とメッシュ材11の接触面積が増えて、加工部15をメッシュ材11により強固に固定することができる。
また、折り曲げ部12により、加工部15の厚さを容易に調整することができる。
また、複数の加工部15の間でメッシュ材11を露出した状態とすることにより、加工用シート10の可撓性が高く、ワークの形状に合わせて湾曲させやすい。
【0025】
(2)折り曲げ部12は、波形状をなす。加工部15は、折り曲げ部12の窪みに充填されている。
この構成によれば、加工部15をメッシュ材11により強固に固定することができる。
【0026】
(3)メッシュ材11は、塑性変形可能な金属(例えば、ステンレス)製である。加工部15は、メッシュ材11に凝着する金属(例えば、ニッケル)製の結合材13と、結合材13内に位置し、ワークを加工する複数の砥粒14と、を備える。
この構成によれば、加工部15をメッシュ材11により強固に固定することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る加工用シート及び加工用砥石について図面を参照して説明する。
図3に示すように、加工用砥石210は円板状をなし、外周側でワーク等を切断する。加工用砥石210は、例えば、ダイシングブレードである。例えば、加工用砥石210は、第1の実施形態の加工部15と同様の材質からなる複数の加工部215と、第1の実施形態の変形例の充填材18と同様の材質からなる充填材218と、第1の実施形態のメッシュ材11と同様の材質からなるメッシュ材211(図5参照)と、を備える。
【0028】
図3に示すように、複数の加工部215は、加工用砥石210の外周側に位置し、加工用砥石210の回転方向Cに離れた位置に配置されている。複数の加工部215は等角度間隔に配置されている。各加工部215は、加工用砥石210の径方向Rに長い形状、本例では長方形状をなす。図5に示すように、加工部215は、第1の実施形態と同様に、複数の砥粒14と、結合材13と、を備える。
【0029】
メッシュ材211は、加工用砥石210の芯材として円形シート状に形成されている。
図4及び図5に示すように、メッシュ材211は、複数の折り曲げ部212と、複数の折り曲げ部212を連結する複数の連結部211Rと、を備える。複数の折り曲げ部212は、メッシュ材211の外周側に位置し、加工用砥石210の回転方向Cに離れた位置に配置されている。
図5に示すように、折り曲げ部212は、回転方向Cに沿って三角波状にシワとして形成されている。各折り曲げ部212は、各加工部215に埋設されている。メッシュ材211の内部の孔内には、加工部215の結合材13が浸入している。各折り曲げ部212の波形状の振幅を調整することにより、加工部215の厚さを調整することができる。
【0030】
充填材218は、複数の加工部215の間に位置する連結部211Rに充填され、連結部211Rの厚さ方向の両側と連結部211Rの内部の孔内に形成されている。充填材218は、加工部215よりも薄く形成されている。
【0031】
(効果)
以上、説明した第2の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)複数の折り曲げ部212は、メッシュ材211に間隔を持って配置され、それぞれ波形状をなし、それぞれ加工部215に埋設されている。
この構成によれば、折り曲げ部212により、加工部215とメッシュ材211の接触面積が増えて、加工部215をメッシュ材211により強固に固定することができる。
【0032】
(2)加工用砥石210は、複数の折り曲げ部212を有するメッシュ材211、加工部215及び充填材218を備える加工用シートを含む。複数の加工部215は、円板状の加工用砥石210の外周側に位置し、加工用砥石210の回転方向Cに互いに離れた位置に配置される。
この構成によれば、加工時に、加工用砥石210の回転方向Cにおいて周期的に加工部215がワークに接触するため、加工用砥石210の切れ味が向上する。
また、加工用砥石210は、金属からなるワークを切断する場合でも、加工部215以外の充填材218がワークに周期的に接触するため、火花を飛ばしづらい。
さらに、加工部215は加工用砥石210の外周側にのみ形成されるため、加工部215の形成範囲を必要最小限とすることができる。これにより、加工部215に含まれる砥粒の量を減らすことができる。
また、充填材218を加工部215よりも柔らかい材質、例えば樹脂とすることにより、加工用砥石210のワークへの接触を柔らかくすることができる。これにより、加工時の加工用砥石210の振動を抑制することができる。
また、繊維質のメッシュ材211を基材として加工部215を形成するため、剛体の基材が不要となる。このため、加工用砥石210を薄くすることができ、加工用砥石210の切れ味が向上する。
【0033】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る加工用シート及び加工用砥石について図面を参照して説明する。
図6及び図7に示すように、加工用砥石310は、外周面で加工を行う円柱状のフラップ砥石である。加工用砥石310は、複数の加工用シート301と、複数の加工用シート301の間に形成される緩衝材319と、を備える。複数の加工用シート301は、加工用砥石310の径方向Rに延び、加工用砥石310の回転方向Cに隙間を持って並べられている。
【0034】
図7に示すように、加工用シート301は、第1の実施形態の加工部15と同様の材質からなる複数の加工部315と、第1の実施形態のメッシュ材11と同様の材質からなるメッシュ材311と、第1の実施形態の充填材18と同様の材質からなる充填材318と、を備える。加工用シート301は矩形板状をなす。複数の加工部315は、それぞれ径方向Rに沿って延び、加工用シート301の径方向Rの外側の端部に到達するように形成される。複数の加工部315は、径方向Rに直交する加工用砥石310の回転軸Oに沿う方向に並べられている。充填材318は、メッシュ材311における複数の加工部315の間に形成され、それぞれ径方向Rに沿って延び、回転軸Oに沿う方向に並べられている。図7の左側に拡大して示すように、メッシュ材311は、回転軸Oに沿って延びる矩形波状をなす。メッシュ材311は、矩形波の凸状部に対応する複数の折り曲げ部312と、複数の折り曲げ部312を連結する連結部311Rと、を備える。各折り曲げ部312は、それぞれ加工部315に埋設されている。連結部311Rは充填材318に埋設されている。加工部315と充填材318は、略同一の厚さで平板状に形成されている。
【0035】
図7に示すように、複数の加工用シート301は加工用シート301a,301bを備える。2つの加工用シート301a,301bは回転方向Cの全周に亘って交互に並べられる。回転方向Cに隣り合う2つの加工用シート301a,301bの複数の加工部315は、回転方向Cに重複する領域を減らすように加工用砥石310の回転軸Oに沿う方向にずれた位置に設けられている。加工用シート301aの複数の加工部315は加工用シート301bの複数の充填材318に回転方向Cに対向して位置し、加工用シート301bの複数の加工部315は加工用シート301aの複数の充填材318に回転方向Cに対向して位置する。言い換えると、加工用シート301aの複数の加工部315の配置周期の位相と加工用シート301bの複数の加工部315の配置周期の位相が加工用砥石310の回転軸Oに沿う方向において所定角度、例えば、180°ずらすように配置される。
【0036】
本実施形態においては、各加工部315は加工用シート301の径方向Rの全域に亘って形成されていたが、これに限らず、各加工部315の径方向Rの内側の部分、すなわちワークから遠い部分が省略されて、この省略された部分に充填材318が形成されてもよい。この構成によれば、加工部315の形成範囲を必要最小限とすることができる。
また、本実施形態において、緩衝材319が省略されてもよい。
【0037】
(効果)
以上、説明した第3の実施形態及びその変形例によれば、以下の効果を奏する。
加工用砥石310は、加工用砥石310の回転方向Cに並べられた複数の加工用シート301a,301bを含む。回転方向Cに隣り合う2つの加工用シート301a,301bの加工部315は互いに加工用砥石310の回転軸Oに沿う方向にずれた位置に設けられる。
この構成によれば、折り曲げ部312により、加工部315とメッシュ材311の接触面積が増えて、加工部315をメッシュ材311により強固に固定することができる。
また、この構成によれば、加工用砥石310によるワークの加工のムラを減らすことができる。さらに、加工部315によるワークの加工圧が高まり、加工用砥石310の切れ味を向上させることができる。
また、充填材318を加工部315よりも柔らかい材質、例えば樹脂で形成することにより、加工用砥石310のワークへの接触を柔らかくすることができ、ワークの凹凸形状に追従して弾性的に変形可能となる。また、加工時の加工用砥石310の振動を抑制することができる。
【0038】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る加工用シート及び加工用砥石について図面を参照して説明する。
図8に示すように、本実施形態の加工用砥石410は、底面にて加工を行う底面加工砥石である。加工用砥石410は、第3の実施形態の加工用砥石310と同様に、複数の加工用シート401と、複数の加工用シート401の間に形成される緩衝材419と、を備える。
【0039】
図8の左下に拡大して示すように、加工用シート401は、第3の実施形態の加工用シート301と同様に、複数の折り曲げ部412及び複数の連結部411Rを有するメッシュ材411と、加工部415と、充填材418と、を備える。加工部415及び充填材418は径方向Rに交互に並べられて構成される。複数の加工用シート401は加工用シート401a,401bを備える。2つの加工用シート401a,401bは回転方向Cの全周に亘って交互に並べられる。回転方向Cに隣り合う2つの加工用シート401a,401bの複数の加工部415は回転方向Cに重複しないように径方向Rにずれた位置に設けられている。加工用シート401aの複数の加工部415は加工用シート401bの複数の充填材418に回転方向Cに対向して位置し、加工用シート401bの複数の加工部415は加工用シート401aの複数の充填材418に回転方向Cに対向して位置する。言い換えると、加工用シート401aにおける複数の加工部415の配置周期の位相と加工用シート401bにおける複数の加工部415の配置周期の位相が径方向Rにおいて所定角度、例えば、180°ずらすように配置される。
加工部415は、回転軸Oに沿う方向の加工用シート401の全域に亘って形成されてもよいし、回転軸Oに沿う方向の加工用砥石410の加工面である底面の近くにのみ形成されてもよい。
【0040】
本実施形態の加工用砥石410は緩衝材419を備えていたが、これに限らず、緩衝材419は省略されてもよい。この場合、複数の加工用シート401が回転方向Cに沿って重なるように配置されてもよい。例えば、図9に示すように、テーパ式多羽根ディスクである加工用砥石510は、加工用砥石410と同様に底面で加工を行う。加工用砥石510は、円板状の基材517と、基材517の表面に一部が互いに重なり合うように回転方向Cに並べられる複数の加工用シート501と、を備える。図10に示すように、加工用シート501は、上述した加工用シート401と同様に、メッシュ材511と、加工部515と、充填材518と、を備える。加工用シート501は、径方向Rに長い長方形板状をなし、基材517の表面に対して傾斜している。
【0041】
図10に示すように、メッシュ材511は、矩形波の凸状部に対応する複数の折り曲げ部512と、複数の折り曲げ部512を連結する連結部511Rと、を備える。各折り曲げ部512は、それぞれ加工部515に埋設されている。連結部511Rは充填材518に埋設されている。
【0042】
図9の下方に拡大して示すように、加工用シート501の複数の加工部515は、径方向Rに互いに離れた位置に形成される。複数の加工用シート501は加工用シート501a,501bを備える。2つの加工用シート501a,501bは回転方向Cの全周に亘って交互に並べられる。回転方向Cに隣り合う2つの加工用シート501a,501bの複数の加工部515が回転方向Cに重複しないように径方向Rにずれた位置に設けられている。加工用シート501aの複数の加工部515は加工用シート501bの複数の充填材518に回転方向Cに対向して位置し、加工用シート501bの複数の加工部515は加工用シート501aの複数の充填材518に回転方向Cに対向して位置する。言い換えると、加工用シート501aにおける複数の加工部515の配置周期の位相と加工用シート501bにおける複数の加工部515の配置周期の位相が径方向Rにおいて所定角度、例えば、180°ずらすように配置される。
【0043】
(効果)
以上、説明した第4の実施形態及びその変形例によれば、以下の効果を奏する。
加工用砥石410,510は、加工用砥石410,510の回転方向Cに並べられた複数の加工用シート401a,401b,501a,501bを含む。回転方向Cに隣り合う2つの加工用シート401a,401b,501a,501bの加工部415,515は互いに加工用砥石410,510の径方向Rにずれた位置に設けられる。
この構成によれば、折り曲げ部412,512により、加工部415,515とメッシュ材411,511の接触面積が増えて、加工部415,515をメッシュ材411,511により強固に固定することができる。
また、この構成によれば、加工用砥石410,510によるワークの加工のムラを減らすことができる。また、加工部415,515によるワークの加工圧が高まり、加工用砥石410,510の切れ味を向上させることができる。
また、充填材418,518を加工部415,515よりも柔らかい材質、例えば樹脂で形成することにより、加工用砥石410,510のワークへの接触を柔らかくすることができ、ワークの凹凸形状に追従して弾性的に変形可能となる。また、加工時の加工用砥石410,510の振動を抑制することができる。
【0044】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る加工用シート、加工用砥石及び加工用柱部材について図面を参照して説明する。
図12に示すように、加工用砥石610は、外周面でワークを切断する。このワークは草も含む。加工用砥石610は、複数の加工用柱部材630と、複数の加工用柱部材630が固定される台座617と、を備える。台座617は円板状をなす。加工用柱部材630は、台座617の外周面に固定されている。
【0045】
図11に示すように、加工用柱部材630は、第2の実施形態の加工部215と同様の材質からなる複数の加工部615と、第2の実施形態のメッシュ材211と同様の材質からなるメッシュ材611と、第2の実施形態の充填材218と同様の材質からなる充填材618と、を備える。
加工用柱部材630は、複数の平板が連結された屈曲板状をなす。本例では、加工用柱部材630の芯材であるメッシュ材611はハット型をなす。各加工部615は、加工用柱部材630の角部以外の平板部に位置する。複数の加工部615は、加工用柱部材630の長手方向に互いに離れた位置に設けられる。加工部615は、加工用柱部材630の短手方向である幅方向の全域に形成されている。なお、本例に限らず、加工部615は、加工用柱部材630の幅方向において加工対象(切断対象)に近い側にのみ形成されてもよい。
【0046】
図11に示すように、メッシュ材611は、複数の折り曲げ部612を有する。複数の折り曲げ部612は、加工用砥石610の回転方向Cに離れた位置に配置される。
図11の下方に拡大して示すように、折り曲げ部612は、回転方向Cに沿って三角波状にシワとして形成されている。各折り曲げ部612は、各加工部615に埋設されている。各折り曲げ部612の波形の振幅を調整することにより、加工部615の厚さを調整することができる。
【0047】
図12に示すように、2つの加工用柱部材630の開口側が対向する向きで、2つの加工用柱部材630を組み合わせることにより筒状部635が形成されている。例えば、2つの加工用柱部材630の長手方向の両端同士が接着される。筒状部635内には、台座617の外周面に形成される図示しない凸部が嵌まる。また、筒状部635内には、クーラント液又は切粉が通過可能に形成されてもよい。筒状部635は、本例では、6角形筒状であるが、これに限らず、その他の多角形筒状又は円筒状であってもよい。
【0048】
本実施形態における加工用柱部材630の形状は適宜変更可能である。例えば、加工用柱部材630は、V字、L字又はへ字状をなし、各加工部615を非角部である平板部に設けてもよい。さらに、加工用柱部材は、単体で筒状をなしていてもよい。
また、加工用柱部材630は、底面で加工する砥石に利用されてもよい。この場合、加工用柱部材630は、砥石の底面に交わる方向、例えば、砥石の底面に垂直に立設する方向に設けられていてもよい。例えば、この砥石は、底面に筒状部が並ぶように形成されてもよい。
さらに、加工用柱部材630は、外周面で加工する砥石に利用されてもよい。この場合、加工用柱部材630は、砥石の外周面に交わる方向、例えば、砥石の外周面に垂直に立設する方向に設けられてもよい。例えば、この砥石は、外周面に筒状部が並ぶように形成されてもよい。
【0049】
(効果)
以上、説明した第5の実施形態及びその変形例によれば、以下の効果を奏する。
加工用柱部材630は、加工部615、メッシュ材611及び充填材618を備える加工用シートを含む。加工用柱部材630は、加工面に対して交わる方向に立設される屈曲板状をなす。各加工部615は、加工用柱部材630の角部以外の部位に設けられる。
この構成によれば、折り曲げ部612により、加工部615とメッシュ材611の接触面積が増えて、加工部615をメッシュ材611により強固に固定することができる。
また、この構成によれば、加工部615が加工用柱部材630の非角部に設けられることにより、加工用柱部材630による加工が安定する。
また、充填材618を加工部615よりも柔らかい材質、例えば樹脂とすることにより、加工用柱部材630のワークへの接触を柔らかくすることができる。また、加工用柱部材630の角部に、加工部615よりも柔らかい充填材618が配置されるため、加工用柱部材630の角部を中心に加工用柱部材630が変形容易となる。
また、各加工部615は、加工面に対して交わる方向に延びるように形成され、加工面に沿う方向に互いに離れた位置に設けられる。
この構成によれば、加工部615のワークに対する加工圧が高まり、加工用柱部材630の切れ味を向上させることができる。
【0050】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る加工用シート及びコアドリルについて図面を参照して説明する。
図13及び図14に示すように、加工用砥石であるコアドリル710は、回転軸Oを中心に回転させられた状態でコンクリート等からなるワークに接触することによりワークに穴を形成する。コアドリル710は、第1の実施形態の加工部15と同様の材質からなる複数の加工部715と、第1の実施形態の充填材18と同様の材質からなる充填材718と、図15に示すように、第1の実施形態のメッシュ材11と同様の材質からなるメッシュ材711と、を備える。
【0051】
図13及び図14に示すように、充填材718は、円筒状に形成されている。充填材718には、円筒状のメッシュ材711が埋め込まれている。充填材718は、複数の加工部715を保持する。
【0052】
図15に示すように、メッシュ材711は、回転方向Cに沿って矩形(本例では台形)波状に曲げられて形成されている。メッシュ材711は、複数の折り曲げ部712と、複数の折り曲げ部712を連結する複数の連結部711Rと、を備える。折り曲げ部712と連結部711Rは、回転方向Cに交互に配置されている。折り曲げ部712は、メッシュ材711の径方向Rの外側に向けた凸状部に対応して位置する。連結部711Rは、回転方向Cに沿って湾曲する。各折り曲げ部712は、それぞれ加工部15に埋設されている。加工部15の径方向Rの厚さは、充填材718の径方向Rの厚さよりも厚く形成されている。充填材718は、加工部15の側面の回転軸O側(図15の下側)に接触するように位置する。
なお、折り曲げ部712は、上述した折り曲げ部212,612(図5及び図11参照)と同様に、三角波状に形成されてもよい。
【0053】
充填材718は、例えば、メッシュ材711に銀ロウ等によりロウ付けすることにより、メッシュ材711にロウ材を付着させ、ロウ材が固まることにより加工部715を保持する。メッシュ材711は繊維質であるため、溶融したロウ材を保持することができる。よって、メッシュ材711により溶融したロウ材が流れ落ちることが抑制され、コアドリル710の製造が容易となる。
【0054】
図13に示すように、加工部715は、回転方向Cに沿って並べられる。図14に示すように、加工部715は、コアドリル710のワークに近い側に位置し、回転軸Oに沿う方向に長い形状、例えば、長方形状をなす。
【0055】
(効果)
以上、説明した第6の実施形態及びその変形例によれば、以下の効果を奏する。
(1)コアドリル710は、加工用シートを含み、この加工用シートは、複数の折り曲げ部712を有するメッシュ材711と、複数の加工部715と、充填材718と、を備える。メッシュ材711は円筒状に形成されている。複数の加工部715はメッシュ材711の周方向である回転方向Cに沿って並べられる。
この構成によれば、折り曲げ部712により、加工部715とメッシュ材711の接触面積が増えて、加工部715をメッシュ材711により強固に固定することができる。
また、この構成によれば、従来のチップソーが取り付けられたコアドリルに比べて、コアドリル710を薄く形成することができ、ワークへの加工圧が高まり、コアドリル710の切れ味を向上させることができる。また、コアドリル710によるワークの加工時に発生する騒音、粉塵及び振動を低減することができる。
【0056】
なお、本開示は以上の各実施形態及び図面によって限定されるものではない。本開示の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0057】
(変形例)
例えば、上記各実施形態における加工部は、複数の砥粒14を含んでいたが、複数の砥粒14が省略されて、金属のみから形成されてもよい。
【0058】
上記各実施形態における折り曲げ部12,212,312,412,512,612,712の形状は、適宜変更可能である。例えば、図16に示すように、加工用シート、砥石又はコアドリルのメッシュ材811は、正弦波状をなしていてもよい。本例では、メッシュ材811の折り曲げ部812は、正弦波状のメッシュ材811の最小値周辺の凹部である。各折り曲げ部812は、略半円柱状の加工部815に埋設されている。なお、本例では、1つの加工部815が正弦波状のメッシュ材811の1周期毎に設けられていたが、これに限らず、複数周期毎(例えば、2周期に1つの加工部815)に設けられていてもよい。
また、例えば、図17に示すように、加工用シート、砥石又はコアドリルのメッシュ材において、矩形波状の折り曲げ部912の一部(例えば、上面部)が波形状(例えば、三角波形状)に形成されていてもよい。また、これに限らず、折り曲げ部912の側面部が波形状(例えば、三角波形状)に形成されていてもよい。また、折り曲げ部12,212,312,412,512,612,712,812,912のうち何れか一つの形状を、この何れか一つ以外の他の折り曲げ部に適用してもよい。
また、1つのメッシュ材11,211,311,411,511,611,711,811に、互いに形状の異なる折り曲げ部が形成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、メッシュ材11,211,311,411,511,611,711,811は1層であったが、互いに重ねられた複数層であってもよい。
上記各実施形態における連結部11R,211R,311R,411R,511R,611R,711Rが、加工部と同様に、波状等の複数の折り曲げ部を有していてもよい。これにより、充填材18,218,318,418,518,618,718が連結部11R,211R,311R,411R,511R,611R,711Rにより強固に固定される。
【符号の説明】
【0059】
10,301,301a,301b,401,401a,401b,501,501a,501b 加工用シート
11,211,311,411,511,611,711,811 メッシュ材
11R,211R,311R,411R,511R,611R,711R 連結部
12,212,312,412,512,612,712,812,912 折り曲げ部
13 結合材
14 砥粒
15,215,315,415,515,615,715,815 加工部
15i 内側部
15o 外側部
18,218,318,418,518,618,718, 充填材
210,310,410,510,610 加工用砥石
319,419 緩衝材
517 基材
617 台座
630 加工用柱部材
635 筒状部
710 コアドリル
C 回転方向
O 回転軸
R 径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17