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特許7356223容器圧縮装置、および容器圧縮装置の動作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】容器圧縮装置、および容器圧縮装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
   B30B 9/32 20060101AFI20230927BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20230927BHJP
   B09B 3/20 20220101ALI20230927BHJP
   G07F 7/06 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B30B9/32 101B
B09B3/00 ZAB
B09B3/20
G07F7/06
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2018539904
(86)(22)【出願日】2017-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2017053648
(87)【国際公開番号】W WO2017140863
(87)【国際公開日】2017-08-24
【審査請求日】2020-02-13
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】16156129.5
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513110654
【氏名又は名称】トムラ システムズ エーエスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェンター,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】フォルクル,トーマス
【合議体】
【審判長】渋谷 善弘
【審判官】大山 健
【審判官】田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第3614821(US,A)
【文献】実開平4-17834(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0298415(US,A1)
【文献】米国特許第4401279(US,A)
【文献】特開平11-285899(JP,A)
【文献】実開昭50-75166(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/32
B09B 3/20
B09B 3/00
G07F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空の容器、特に、好ましくはプラスチックまたは金属材料、例えばPETまたはブリキ金属で作製される飲料用ボトルまたは缶を押し固めるための、空き容器回収機に取り付け可能な容器圧縮装置(100)であって、前記容器圧縮装置は:
第1および第2の回転可能なローラ(102、104)であって、前記ローラはそれぞれ、対向して配置された2つの端部(110a~110b、110c~110d)の間に配置された作業面(122)を有し、前記ローラは、互いに隣接して配置されて、共通の幾何学的xz平面(x-z)にある回転軸(106、108)の周り互いに反対方向に回転する、第1および第2の回転可能なローラ(102、104)
を含み
前記作業面(122)は、前記ローラの軸方向において、前記作業面(122)を横切って延在しかつ前記作業面(122)の周方向に分布されている複数のリッジを含み、複数の前記リッジ(120)の各々は、前記軸方向に長手方向延在部を有し
前記ローラのうちの少なくとも1つのローラの、複数の前記リッジのうちの少なくとも1つのリッジは、前記軸方向に沿って設けられた複数の凹部(126)を有し、前記凹部は、前記回転軸(106、108)のうちの一方から他方に向かう方向に平行する方向に沿って、前記ローラの間にクリアランスを形成しており、
前記ローラは、噛み合いの非接触協で回転するように適合されて、ローラ間隙(Rg)が、前記回転軸(106、108)のうちの一方から他方に向かう前記方向に沿って、前記ローラ(102、104)間に常に存在するようにする、
容器圧縮装置(100)。
【請求項2】
前記ローラ間の最小距離が前記ローラ間隙(Rg)であり、前記ローラ間隙(Rg)は、y平面(x-y)にあり、かつ前記軸方向に長手方向延在部を有する、請求項に記載の容器圧縮装置。
【請求項3】
前記リッジ(120)は、前記リッジ(120)の前記軸方向に沿って分布された凹部(126)を含み、前記凹部(126)の最大深さRdpは、1mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~5mmの範囲内、一層好ましくは1mm~2mmの範囲内である、請求項1又は2に記載の容器圧縮装置。
【請求項4】
2つの隣接する凹部(126)間の中心間距離は、前記作業面(122)の長さLの1%~50%である、請求項に記載の容器圧縮装置。
【請求項5】
複数の前記リッジ(120)の各々は、前端面(131)と、後端面(133)と、前記容器を把持するための前縁(131’)と、を含み、
複数の前記リッジ(120)の各々において、前記前縁(131’)は、記前端面前記後端面との間に配置されている、請求項1~のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項6】
記前端面は、0mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内、一層好ましくは1mm~2mmの範囲内の半径(Re)によって、隣接するリッジの前記後端面に接続している、請求項5に記載の容器圧縮装置。
【請求項7】
前記ローラ間隙(Rg)は:
1のローラ(102)にあるリッジ(120)の前記前縁(131’)および2のローラ(104)にある後端面(133);および
前記第2のローラ(104)にあるリッジ(120)の前記前縁(131’)および前記第1のローラ(102)にある後端面(133)
によって、交互に規定される、請求項5又は6に記載の容器圧縮装置。
【請求項8】
前記リッジ(120)はさらに相互接続面(132)を含み、前記相互接続面(132)は、前記前端面(131)と後端面(133)とを相互接続する、請求項5~7のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項9】
前記前端面(131)は、前記ローラの回転の方向において、前記ローラの半径方向に対して正の角度αを形成している、請求項5~8のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項10】
前記ローラの前記半径方向は、前記ローラの最大半径(Ro)と重なり合っている、請求項に記載の容器圧縮装置。
【請求項11】
前記正の角度αの最大値は、+20度である、請求項9又は10に記載の容器圧縮装置。
【請求項12】
前記後端面(133)は、前記相互接続面(132)に対して最大角(Rt)を形成し、および前記最大角(Rt)は、190度~260度の範囲内、好ましくは190度~240度の範囲内、一層好ましくは190度~220度の範囲内にある、請求項8又は請求項8に従属する請求項9~11のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項13】
前記後端面(133)の幅は、前記相互接続面(132)の幅の倍数であり、前記倍数は、1~20の範囲内、好ましくは2~15の範囲内、一層好ましくは3~10の範囲内である、請求項8又は請求項8に従属する請求項9~12のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項14】
前記ローラは、最大半径(Ro)および最小半径(Ri)を有し、および前記リッジ(120)は、前記最大半径(Ro)と前記最小半径(Ri)との差と定義される高さ(Rd)を有し、前記高さ(Rd)は、2mm~20mmの範囲内、好ましくは3mm~12mmの範囲内、一層好ましくは4mm~6mmの範囲内である、請求項1~13のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項15】
各ローラは、前記ローラのxy横断面に3~20個のリッジ、好ましくは5~15個のリッジ、一層好ましくは6~12個のリッジを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項16】
前記ローラ間隙(Rg)は、0.5mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~8mmの範囲内、一層好ましくは1mm~6mmの範囲内にある、請求項1~15のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項17】
各ローラ(102、104)の最大直径(A)は、50mm~100mmの範囲内、好ましくは60mm~90mmの範囲内、一層好ましくは70mm~80mmの範囲内にある、請求項1~16のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項18】
前記作業面(122)は、前記回転軸(106、108)のそれぞれに対して平行な方向に、50mm~750mmの範囲内の最大長さ(L)を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項19】
前記相互接続面(132)、および/または前記前端面(131)、および/または前記後端面(133)の幅は、0.5mm~10mmの範囲内、好ましくは2.5mm~8mmの範囲内、一層好ましくは5mm~6mmの範囲内である、請求項に記載の容器圧縮装置。
【請求項20】
前記ローラ(102、104)の一方を前記回転軸(106、108)の周りで回転させることによって、前記ローラ間隙(Rg)の幅が調整される、請求項1~19のいずれか一項に記載の容器圧縮装置。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の容器圧縮装置(100)を含む、空き容器回収機。
【請求項22】
空の容器、特に、好ましくはプラスチックまたは金属材料、例えばPETまたはブリキ金属で作製されている飲料用ボトルまたは缶を押し固めるための、容器圧縮装置の動作方法であって、前記容器圧縮装置は:
第1および第2の回転可能なローラ(102、104)であって、前記ローラのそれぞれが、対向して配置された2つの端部(110a~110b、110c~110d)の間に配置された作業面(122)を有し、前記ローラ(102、104)は、互いに対して隣接して配置されて、共通の幾何学的xz平面(xz)にある回転軸(106、108)の周り互いに反対方向に回転する、第1および第2の回転可能なローラ(102、104)
を含み、
前記作業面(122)は、前記ローラの軸方向において、前記作業面(122)を横切って延在しかつ前記作業面(122)の周方向に分布する複数のリッジ(120)を含み、複数の前記リッジ(120)の各々は、前記軸方向に長手方向延在部を有し、
前記ローラのうちの少なくとも1つのローラの、複数の前記リッジのうちの少なくとも1つのリッジは、前記軸方向に沿って設けられた複数の凹部(126)を有し、前記凹部は、前記回転軸のうちの一方から他方に向かう方向に平行する方向に沿って、前記ローラの間に設けられたクリアランスを形成しており、
前記方法は:
前記ローラが噛み合いの非接触配置構成において協するように、前記ローラ(102、104)を回転させることであって、ローラ間隙(Rg)が、前記回転軸(106、108)のうちの一方から他方に向かう前記方向に沿って、前記ローラ(102、104)間に常に存在すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、空き容器回収機(reverse vending machine)に取り付け可能な容器圧縮装置、ならびに空き容器回収機内で容器を圧縮する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
空き容器回収機は、一般的に、人が空の容器を戻すことができ、および場合によっては、戻したことでいくらかのお金を受け取ることができるように、構成される。空き容器回収機は、短期間に多くの容器を収集し得る。これは、空き容器回収機が、容器用の収納箱を頻繁に交換する必要がないように、容器を効率的に収容する必要があることを意味する。それゆえ、容器は空き容器回収機によって圧縮され、それら容器それぞれが、圧縮される前よりも場所を取らないようにする。
【0003】
容器を圧縮するために、空き容器回収機は、一般に、複数のローラを備える圧縮装置を有し、これらローラには、容器を掴むこと、およびその後、容器をローラ間で圧縮することという2つの主要な任務がある。望ましくは、ローラは、ローラから放出された後も平らなままに留まるように容器を圧縮して、各被圧縮容器を保管するために必要な空間を削減する必要がある。容器を圧縮するとき、ローラは、周期的負荷、力を受ける。負荷は、次に、機械的摩耗を生じ、これは、ローラの機械的および疲労破損を生じ得る。これは、弱すぎてローラに使用するのには適切ではないことに起因するローラの材料の欠点に起因し得る。破損はまた、ローラの設計に起因するかもしれず、局所的に機械的応力が高くなり、そこで疲労亀裂が発生し、かつローラに疲労破損が発生するまで、疲労亀裂が広がり得る。そのような破損は、コストがかかり、かつ空き容器回収機の停止時間を生むことになる。従って、破損のリスクを低下させること、ならびにローラ装置の機械的寿命を長くすることが望まれる。
【0004】
この問題の1つの解決法は、ローラの材料を、より高強度の材料に置き換えることである。しかしながら、そのような材料は、ローラに使用されることが多い材料と比較して、材料費が高いことが多い。より高強度の材料を使用することはまた、材料の強度が増加することにより製造用工具の摩耗および製造時間を増大することによって、ローラの製造費を増加させる。
【0005】
従って、最新の従来技術を改善し、機械的摩耗および破損を減らす改良型の容器圧縮装置を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の概要
上記を考慮して、本発明の一般的な目的は、上述の欠点を克服するかまたは少なくとも軽減する、空き容器回収機に取り付け可能な改良型の容器圧縮装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それゆえ、本発明の第1の態様によれば、空の容器、特に、好ましくはプラスチックまたは金属材料、例えばPETまたはブリキ金属で作製される飲料用ボトルまたは缶を押し固める(compacting)ための、空き容器回収機に取り付け可能な容器圧縮装置が提供され、前記容器圧縮装置は:
第1および第2の回転可能なローラであって、前記ローラのそれぞれが、対向して配置された2つの端部間に配置された作業面を有し、前記ローラは、互いに隣接して配置されて、共通の幾何学的xz平面において、それぞれの回転軸の周りで、反対方向に回転する、第1および第2の回転可能なローラ
を含み;および
前記作業面は、前記ローラの軸方向において前記作業面を横切って延在しかつ前記作業面の周方向に分布する複数のリッジを含み、および各リッジは、前記軸方向に長手方向延在部を有し;および
前記ローラは、噛み合いの非接触協同で回転するように適応されて、ローラ間隙が、前記回転軸(106、108)間のc-c方向に沿って、前記ローラ間に常に存在するようにする。
【0008】
「非接触」協同については、2つのローラ間には直接的な接触がない、すなわち協同するローラ間の2つの作業面間に干渉がない。これにより、ローラの摩耗を減少させ、ならびに2つのローラがくさびのように押し込まれて、ローラの動力伝達系の破損を生じるリスクを減少させる。協同を説明する別の方法は、歯車とピニオンとの間の非接触での相互作用と同様である。噛み合いの非接触協同は、ローラ間に常に間隙または空間があることを保証する。容器圧縮装置が容器を圧縮するとき、容器は、2つのローラ間の間隙または空間を埋めるかまたは少なくとも部分的に埋めるように、圧縮される。
【0009】
「噛み合い」協同については、ローラは、ローラ間隙において、第1のローラのリッジが、対向する第2のローラに配置された一部分と出会って回転するように配置され、その部分は、前記第2のローラの2つの隣接するリッジ間に配置されている。噛み合い協同を説明する別の方法は、2つの歯車間の非接触での相互作用と同様である。噛み合いの非接触協同は、ローラ間に常に間隙または空間があること、およびローラ間に直接的な接触が存在しないことを保証する。
【0010】
容器圧縮装置の噛み合いの非接触協同は、ローラの摩耗を減少させる。そのような摩耗は、容器圧縮装置の性能を低下させ、ならびに容器が容器圧縮装置に詰まって、ローラ、またはローラの駆動システムを損傷させるリスクを高める。ローラの摩耗を減少させることによって;ローラ、およびローラ装置の寿命が長くなる。
【0011】
それに加えてまたはその代わりに、ローラ間の最小距離は前記ローラ間隙であり、前記ローラ間隙は、前記xy平面内にあり、および前記軸方向に長手方向延在部を有する。2つのローラ間の、2つの作業面間に形成されたxy平面におけるローラ間隙は、ローラの長手方向、または軸方向に延在する。xy平面のx軸は、容器圧縮装置のローラのそれぞれの回転軸間の中心間軸と位置合わせされている。xy平面は、それぞれの回転軸がそれに対して垂直となる平面である。c-cすなわち中心間距離は、容器圧縮装置のローラの回転軸間の距離である。
【0012】
ローラは、反対方向に回転するように配置される、換言すると、ローラは、それらが逆回転するように配置される。さらに、ローラの回転は、ローラが容器を掴んで、2つのローラ間内に押しやる(すなわち押すおよび/または引く)ようにする。2つのローラの回転速度は、2つのローラの直径が合致する場合、同じである。一方のローラがより小さい直径を有する場合、2つのローラの速度は異なってもよい。
【0013】
第1および第2の回転可能なローラの回転軸は、平行とし得る。回転軸が平行に配置されるということは、平行からのわずかなずれを除外しない。例えば、回転軸間の角度の間隔が0~3度であることは、「平行」に含まれると解釈されるべきである。ローラ装置は、x軸、y軸、およびz軸によって規定される直交xyz座標系に配置されると言われ得る。ローラは、2つのローラの回転軸が座標系のz軸に対して平行になるように、配置され得る。そのため、回転軸は、共通の幾何学的xz平面にあると言われ得る。軸方向は、xyz座標系のz軸に対して平行であるか、またはz方向にある方向と定義され得る。
【0014】
これらローラの少なくとも一方または双方のローラは、複数のリッジを含む。リッジは、ローラの作業面を横切って延在するか、またはローラの軸方向に長手方向延在部を有する。リッジの長手方向延在部は、ローラのそれぞれの回転軸に対して平行または部分的に平行とし得る。リッジは、ローラの作業面を完全にまたは部分的に横切って延在し得る。リッジは、ローラの作業面の外周に均一に配置または分布され得る。あるいは、リッジは、ローラの作業面の周方向に不均一に配置または分布され得る。
【0015】
さらに、ローラにあるリッジは、研磨によって簡単に製造される。リッジの研磨は、フライス加工と比較して、より滑らかな形状を生じ得る。フライス加工は、フライス加工面に小さな段差を残すことが多く、これら段差を、除去するために、二次的な製造を必要とする。それゆえ、リッジが研磨される場合には、リッジのより滑らかな形状を生じるための追加的な、機械によるリッジの二次的な作業が必要ないため、リッジは、より少数の製造または生産ステップで製造され得る。これにより、リッジを製造するためのコストおよび時間、ならびにローラを製造するための時間を削減し、これは、次に、製造費を削減する。リッジのフライス加工も当然ながら可能であるが、高度なフライス加工機械、または製造中の工作物の高度な取り付けを必要とし得る。
【0016】
ローラは、鋼、ステンレス鋼などの金属材料、または空き容器回収機において使用するのに好適な任意の他の材料から作製され得る。ローラは、ローラの重量を削減するために、中心の中空コア部分を有し得る。ローラは、実質的に同一とし得るが、ローラは異なってもよい。例えば2つのローラの一方は、より大きなまたはより小さな直径を有してもよいし、またはローラは、軸方向において異なる長さを有してもよい。
【0017】
作業面は、容器圧縮装置が容器を圧縮するように動作されるとき、通常、容器と接触するローラの表面である。圧縮装置において、ローラ間にはローラ間隙がある。容器がローラ間隙へ送り込まれると、2つのローラは、容器を圧縮して平らにする。容器は、例えばプラスチックまたはアルミニウム製ボトルまたは金属製缶、例えばアルミニウム製缶とし得る。各ローラの長手方向端部には、例えば空き容器回収機内にローラを取り付けかつ支持するためのシャフト部分があってもよい。シャフト部分は、駆動装置、例えば電動機に接続された、ローラを回転させる手段、例えばベルト、チェーンなどに接続されるように、配置され得る。シャフト部分は、さらに、ローラ間隙が調整可能となるようにローラを構成する手段を含み得る。各ローラは、複数のリッジが配置される作業面、例えばシリンダー状の表面を含む。
【0018】
これらリッジは、ローラの作業面に沿って、ローラの回転軸に対して平行に延在するように構成される必要がある。これらリッジは、ローラの作業面に沿ったリッジの長手方向延在部の経路に沿って、ある程度のばらつきを含み得る。そのようなばらつきは、リッジの幅または高さ、ならびに横断面形状が、軸方向に沿って変化することを含み得る。
【0019】
これらリッジは、リッジの方向で見て、ローラの作業面の長さの50%~100%である軸方向延在部を有し得る。これらリッジは、作業面の全長にまたは長さの一部に延在し得る。これらリッジがローラの作業面の長さの一部に延在する場合、各リッジは、ローラの作業面の軸方向に対して平行な線に沿って範囲を定められた1組のリッジの一部を形成し得る。
【0020】
それに加えてまたはその代わりに、少なくとも1つのローラの前記リッジのうちの少なくとも1つには、軸方向に延在する凹部が設けられていて、および凹部は、x方向において、ローラ間にクリアランスを形成する。凹部は、容器圧縮装置の掴み動作、または容器を間隙まで引き下ろす動作を支援し得る。凹部は、2つのローラ間のxy平面のx方向にクリアランスを生じる。クリアランスは、2つのローラ間に配置された光開口部と同様に構成され、ローラ間隙を規定または形成するリッジの凹部を通して、光をxy平面のy方向に照らし得るようにする。
【0021】
それに加えてまたはその代わりに、前記凹部は、周方向に位置合わせされ得る、すなわち、1つのリッジが、軸方向において一定の点にまたは作業面に沿った一定の点に凹部を有する場合、全リッジは、軸方向におけるこの点にまたは作業面に沿ったこの点に凹部を有する。換言すると、ローラの歯は、周方向に位置合わせされる。
【0022】
それに加えてまたはその代わりに、各リッジは、軸方向に平行な方向に延在し、および/またはローラの歯は、軸方向に位置合わせされる。
【0023】
それに加えてまたはその代わりに、リッジは、前記リッジの前記軸方向に沿って分布された凹部を含み、前記凹部の最大深さは、1mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~5mmの範囲内、一層好ましくは1mm~2mmの範囲内にある。リッジの凹部は、リッジの軸方向に沿って均一に分布され得る。凹部は、リッジの軸方向に沿って、不均一に、または、群れを成して、分布され得る。凹部の、リッジと凹部との間に形成された縁から凹部の最底点まで測定された最大深さは、1mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~5mmの範囲内、一層好ましくは1mm~2mmの範囲内とし得る。ローラの軸方向に対して垂直な方向から見た、凹部の横断面形状は、ほぼU字形状またはV字形状であるように構成され得る。他の横断面形状も可能である。
【0024】
それに加えてまたはその代わりに、2つの隣接する凹部間の中心間距離は、前記作業面の長さLの1%~50%である。凹部は、軸方向において、作業面の長さの1%~50%の中心間距離を有して分布され得る。それに加えてまたはその代わりに、凹部は、前記ローラの軸方向において、ローラの作業面の100mmのセクションの長さ当たり少なくとも1つの凹部、好ましくは50mmのセクションの長さ当たり少なくとも1つの凹部、一層好ましくは15mmのセクションの長さ当たり少なくとも1つの凹部が配置されるように、配置され得る。
【0025】
それに加えてまたはその代わりに、リッジは、前端面および後端面を含み、および縁は、第1のリッジの前記前端面が隣接するリッジの前記後端面と交わる中間にある。リッジは、前端面および後端面を含む、またはそれらからなると説明され得る。リッジの前端面は、容器圧縮装置によって圧縮される容器と最初に接触する面である。前端面はまた、ローラの回転方向において、リッジの後端面の前に配置されると言われ得る。後端面は、リッジの頂部の反対側に配置され、および同じリッジの一部である面である。2つの隣接するリッジの前端面と後端面は、縁に沿って接合され得る。それゆえ、リッジの前端面と後端面との間の縁は、頂点を形成すると言われ得る。
【0026】
それに加えてまたはその代わりに、第1のリッジの前記前端面が隣接するリッジの前記後端面と交わる中間にある縁は、0mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内、一層好ましくは1mm~2mmの範囲内の半径(Re)を有する。第1のリッジの前端面と、隣接するリッジの後端面との間の縁の半径が0mm~5の範囲内、好ましくは0.5mm~3mm、一層好ましくは1mm~2mmであることは、容器を掴んで、ローラ間隙内へと引き下ろすリッジの能力を高めるのに好都合であることが分かっている。
【0027】
それに加えてまたはその代わりに、リッジは、さらに、相互接続面を含み、前記相互接続面は、前記前端面と後端面を相互接続する。相互接続面は、リッジの前端面と後端面を相互接続して配置され得る。それゆえ、リッジは、リッジの前端面と相互接続面との間に形成された前縁を含むと説明され得る。さらに、リッジは、リッジの相互接続面と後端面との間に形成された後縁を含むと説明され得る。相互接続面を有することは、容器圧縮装置によって圧縮中の容器と相互接続面との間の接触領域が増加するという点で、好都合とし得る。これにより、リッジへの機械的摩耗および機械的応力が減少する。これにより、ローラの機械的破損のリスクを減少し、かつローラの疲労寿命を長くし得る。相互接続面を含むリッジによって生じる容器の圧痕または圧縮も好都合である。
【0028】
それに加えてまたはその代わりに、前端面は、最大半径に対して平行な線に対して角度を形成し、および前記角度は、-20度~+30度の範囲内、好ましくは-10度~+20度の範囲内、一層好ましくは0度~+10度の範囲内にある。前端面は、最大半径に対して平行な線に対して角度を形成する。角度は、-20度~+30度の範囲内、好ましくは-10度~+20度の範囲内、一層好ましくは0度~+10度の範囲内にある。正の角度については、前端面は、前縁から半径方向内向きの方向に傾斜する。負の角度については、前端面は、オーバーハングを有すると開示され得る。
【0029】
それに加えてまたはその代わりに、後端面は、前記相互接続面に対して最大角を形成し、および前記最大角は、190度~260度の範囲内、好ましくは190度~240度の範囲内、一層好ましくは190度~220度の範囲内にある。相互接続面は、後端面に対して角度を形成する。「最大角」については、言及される角度は、2つの角度の間で測定可能な最大角である。例として、2つの面間の角度は、2つの面間の角度が最大角、190度、または最小角、170度と呼ばれるかどうかに依存して、190度、および170度の双方とし得る。2つの角度が足されると、結果として生じる角度は360度である。最大角はまた、ローラの外面、または作業面で測定可能な角度と説明され得る。好都合には、リッジの相互接続面と後端面との間の最大角は、190度~260度の範囲内、好ましくは190度~240度の範囲内、一層好ましくは190度~220度の範囲内にある。しかしながら、190~300度の範囲内の最大角を有することも可能とし得る。
【0030】
それに加えてまたはその代わりに、後端面の幅は、相互接続面の幅の倍数であり、前記倍数は、1~20の範囲内、好ましくは2~15の範囲内、一層好ましくは3~10の範囲内である。後端面の幅、すなわちリッジの相互接続面とこのリッジの後端面との間に形成された後縁と、このリッジの前記後端面と隣接するリッジの前端面との間の縁との間の距離は、相互接続面の幅の倍数とし得る。相互接続面の幅は、ローラの表面に沿って、周方向に測定された長さである。相互接続面の幅はまた、リッジの前縁と後縁との間の最短距離と説明され、前縁および後縁は、xy平面において見られるように、相互接続面の端部を規定し得る。後端面の幅は、xy平面における、後端面の端部間の最短距離と説明され得る。本発明人らは、好都合にも、後端面の幅は、好ましくは相互接続面の幅の倍数であり、倍数は、1~20の範囲内、好ましくは2~15の範囲内、一層好ましくは3~10の範囲内であることを見出した。
【0031】
それに加えてまたはその代わりに、ローラは、最大半径および最小半径を有し、および前記リッジは、前記最大半径と前記最小半径との差として定義される高さを有し、前記高さは、2mm~20mmの範囲内、好ましくは3mm~12mmの範囲内、一層好ましくは4mm~6mmの範囲内にある。ローラは、最大半径および最小半径を有すると説明され得る。最大半径は、ローラの回転軸と、ローラのリッジに配置される最も外側の点との間の、半径方向に測定される最大距離である。それゆえ、ローラは、ローラの最大半径の2倍の直径を有すると言われ得る。最小半径は、ローラの回転軸と、ローラの2つの隣接するリッジ間に配置される最底点との間の、半径方向に測定される最小距離と説明され得る。それゆえ、リッジの高さは、最大半径Roと最小半径Riとの差、Ro-Riであると説明され得る。リッジの高さは、2mm~20mmの範囲内、好ましくは3mm~12mmの範囲内、一層好ましくは4mm~6mmの範囲内にある。さらに、ローラの一方が、第1の高さおよび/または設計を有するリッジを含み、および第2のローラが、異なる高さおよび/または設計を有するリッジを含み得る。
【0032】
それに加えてまたはその代わりに、各ローラは、前記ローラのxy横断面に、3~20個のリッジ、好ましくは5~15個のリッジ、一層好ましくは6~12個のリッジを含む。リッジは、ローラの作業面の外周に均一に分布され得る。本発明人らは、ローラ上のリッジの好都合な数は、3~30の範囲内であることを見出した。リッジの数は、xy平面において見るとき、ローラの作業面の外周に均一に配置された、3~20個のリッジの範囲内、好ましくは5~15個のリッジ、一層好ましくは6~12個のリッジとし得る。3~20個のリッジを含む容器圧縮装置は、結果として得られる圧痕パターン、または装置によって圧縮された容器の形状が、さらにリサイクルするために送り出される被圧縮容器をより良好に積み重ねるかまたは梱包できることが見出されている波形すなわちs字形状を有することが好都合である。波形は、さらに、被圧縮容器の剛性を高める、つまり、被圧縮容器は、ローラから放出された後も平らなままである傾向が強く、それゆえ、被圧縮容器が、圧縮後に「バナナ」または半樽形状に曲げられるのを防止する。波形は、この波形を有しない容器と比べて、容器が、より多くのすなわち多数の被圧縮容器を保持できるようにする。それゆえ、容器圧縮装置は、環境により良好かつより好都合であると言われ得る。リッジの数はまた、容器圧縮装置のローラの機械的摩耗を減少させながら、好都合な被圧縮容器を生じ、それゆえ容器圧縮装置の機械的寿命を長くすることが見出されている。
【0033】
それに加えてまたはその代わりに、ローラ間隙は、0.5mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~8mmの範囲内、一層好ましくは1mm~6mmの範囲内にある。ローラ間隙は、ローラが逆回転するので、最大値と最小値との間で変化し得る。ローラ間隙は、はローラが噛み合い協同で逆回転するので、xy平面のx軸に沿ったローラ間の最小距離によって、ローラ間の中心間距離によって、規定され得る。ローラ間隙の最小値は、0.5mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~8mmの範囲内、一層好ましくは1mm~6mmの範囲内にある。ローラ間隙はまた、ローラのそれぞれの回転軸間の距離、それぞれのローラの最大半径および最小半径、ならびにローラが回転してオフセットされる角度に応じると説明され得る。ローラの一方を、協同するローラに対して回転してオフセットさせることによって、容器圧縮装置の噛み合い特徴が得られ得る。ローラ間隙は、容器圧縮装置によって圧縮される容器の壁の厚さに依存して変更され得る。
【0034】
それに加えてまたはその代わりに、各ローラの最大直径は、50mm~100mmの範囲内、好ましくは60mm~90mmの範囲内、一層好ましくは70mm~80mmの範囲内にある。各ローラの最大直径は、同じであっても、または異なってもよい。ローラの直径が異なる場合、一方のローラは、前記他のローラよりも高速の回転を有して回転し得る。
【0035】
それに加えてまたはその代わりに、作業面は、前記それぞれの回転軸に対して平行な方向に、50mm~750mmの範囲内の最大長さを有する。ローラの作業面の長さは、好ましくは50mm~750mmの範囲内にある。ローラの作業面の長さが750mmを上回ることも可能とし得る。例えば、リサイクル施設に設置されたより大きなリサイクル機に取り付けられた容器圧縮装置は、750mmを上回る長さの作業面を含むローラを有し得、それゆえ、空き容器回収機に取り付けられた容器圧縮装置よりも多くの容器を圧縮できる。
【0036】
それに加えてまたはその代わりに、相互接続面、および/または前記前端面、および/または前記後端面の幅は、0.5mm~10mmの範囲内、好ましくは2.5mm~8mmの範囲内、一層好ましくは5mm~6mmの範囲内にある。相互接続面、および/または前端面、および/または後端面の幅は、xy平面において、周方向に、ローラの表面に沿って測定され得、および0.5mm~10mmの範囲内、好ましくは2.5mm~8mmの範囲内、一層好ましくは5mm~6mmの範囲内にあるとし得る。相互接続面、および/または前記前端面、および/または前記後端面は、ローラの表面に沿って延在する;これらの面はまた、ある方向の長さに、例えば円弧に沿って、または直線に沿って、またはxy平面において、外側の最大半径によって規定されるローラの外周に沿って、延在すると称され得る。それに加えてまたはその代わりに、相互接続面、および/または前記前端面、および/または前記後端面は、実質的に平面的であるかまたは平面的であり、平面的は、曲がっていない/アーチ状でないという意味で使用される。面の長さは、リッジの数および/またはそれらの設計に依存して変化し得る。さらに、リッジは、相互接続面を有しないで設計され得る。
【0037】
それに加えてまたはその代わりに、前記ローラの一方を前記回転軸の周りで回転させることによって、前記ローラ間隙の幅が調整される。ローラ間隙は、一方のローラを、他方のローラが適所にロックされている、すなわち、他方のローラは回転されていない間に、回転軸の周りで回転させることによって調整され得る。これにより、容器圧縮装置のローラの中心間距離を変更せずに、ローラ間隙を増減できる。これは、同じ容器圧縮装置が、異なる壁の厚さを有する容器を圧縮するように構成できることで、好都合とし得る。それゆえ、容器圧縮装置を含む空き容器回収機は、世界中の異なる地域の制約を管理するために構成可能とし得る。ローラの後端リッジは、回転調整の量、または一方のローラの他方のローラに対する回転と、ローラ間隙幅との間に、線形、またはほぼ線形の関係が達成されるように、配置され得る。
【0038】
それに加えてまたはその代わりに、第1および第2のローラは回転式に位置合わせされ、前記ローラ間隙が、ローラ装置の中心間軸に沿って:
- 前記第1のローラにあるリッジの前記前縁が、前記第2のローラの後端面に対向して配置されていること;および
- 前記第2のローラにあるリッジの前記前縁が、前記第1のローラにある後端面に対向して配置されていること
によって、交互に、規定される。
【0039】
ローラは、ローラ間隙が、容器圧縮装置の中心間軸に沿って、交互に、規定されるように、回転するように配置され得る。中心間軸は、ローラのそれぞれの回転軸間の軸であると定義される。ローラ間隙は:中心間軸に沿って、第2のローラのリッジの後端面に対向して配置されている第1のローラのリッジの前縁;および第1のローラのリッジの後端面に対向して配置されている第2のローラのリッジの前縁によって、交互に、規定される。ローラの前縁が、協同するローラの中央セクションの近くで後端面と出会うように、ローラは配置され得る。中央セクションは、後端面の中央の、第3のセクションとし得る。前縁はまた、後端面の両端部セクションの近くで、後端面と出会い得る。端部セクションは、中央セクションの両側の後端面の第3の部分である。ローラが外側相互接続面を含むとき、第1のローラの相互接続面は、中心間軸に沿って、ローラ間隙において、第2のローラの後端面と出会うと言われ得る。「出会う」ことについて、ローラの作業面は、互いに近くにあるが、接触してはいない。ローラ間隙は、2つのローラが逆回転するとき、xy平面のx軸に沿って可変幅を有すると言われ得る。ローラ間隙幅は、0.1mm~5mmの範囲内で変化し得る。しかしながら、範囲は、ローラのリッジの設計に応じて、それよりも小さくてもまたは大きくてもよい。
【0040】
第2の態様によれば、本発明は、前記請求項のいずれか1項による容器圧縮装置を含む空き容器回収機が提供される。本発明人らは、容器圧縮装置が、空き容器回収機に取り付けるのに好都合であることを見出した。
【0041】
本発明の第3の態様によれば、空の容器、特に、好ましくはプラスチックまたは金属材料、例えばPETまたはブリキ金属で作製される飲料用ボトルまたは缶を押し固めるための、容器圧縮装置の動作方法が提供され、前記容器圧縮装置は:
- 本発明の前記第1の態様に従って回転するように配置された第1および第2の回転可能なローラ
を含む。第3の態様の利点は、大部分は、第1および第2の態様に関して説明した利点と類似している。それゆえ、第1および第2の態様に関して上記で説明した利点は、第3の態様にも適用される。
【0042】
本発明のさらなる特徴、および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の説明を検討すると、明らかとなる。当業者は、本発明の異なる特徴を組み合わせて、本発明の範囲から逸脱せずに、下記で説明するもの以外の実施形態を生じ得ることに気づく。
【0043】
図面の簡単な説明
本発明のこれらのおよび他の態様を、ここで、本発明の現在の好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して、詳細に説明する。同様の参照符号は、図面を通して、同様のまたは実質的に同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態による容器圧縮装置を示す。
図2a図1の容器圧縮装置の線A-Aに沿った断面図を示す。
図2b図2aに示すローラの一方の部分的な拡大図を示す。
図2c】代替的なリッジ設計の部分的な拡大図を示す。
図3a】本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態によるローラの斜視図を示す。
図3b図3aに示すローラの上面図を示す。
図3c図3bに示す凹部の部分的な拡大図を示す。
図4a】本発明の少なくとも1つの実施形態による容器圧縮装置によって圧縮されている被圧縮容器の形状を示す。
図4b】本発明の少なくとも1つの実施形態による容器圧縮装置によって圧縮されている被圧縮容器の形状を示す。
図5a】それぞれのローラのリッジと凹部との間で交互に発生するローラ間隙の一例を示す。
図5b】それぞれのローラのリッジと凹部との間で交互に発生するローラ間隙の一例を示す。
図5c】それぞれのローラのリッジと凹部との間で交互に発生するローラ間隙の一例を示す。
図6a】本発明の少なくとも1つの実施形態に従って、ローラ間隙がどのように調整可能であるかを示す。
図6b】本発明の少なくとも1つの実施形態に従って、ローラ間隙がどのように調整可能であるかを示す。
図6c】本発明の少なくとも1つの実施形態に従って、ローラ間隙がどのように調整可能であるかを示す。
図7a】非噛み合いの非接触協同の2つのローラを示す。
図7b】噛み合いの非接触協同の2つのローラを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
発明の例示的な実施形態の詳細な説明
この詳細な説明では、本発明による容器圧縮装置の例示的な実施形態は、主に、本発明の様々な実施形態による容器圧縮装置を示す概略図を参照して説明する。これは、決して本発明の範囲を限定するものではなく、他の状況においても、例えば添付の図面に示す実施形態以外のタイプまたは変形例の容器圧縮装置または構成要素にも適用可能であることに留意すべきである。さらに、具体的な構成要素または特徴が、本発明の実施形態に関連して説明されることは、それらの構成要素が、本発明の他の実施形態と一緒に、利益をもたらすために使用できないことを意味しない。本発明を、ここで、添付図面を参照して説明し、ここでは、第1に構造、第2に機能に注目する。同様の参照符号は、説明を通して、同様の要素を指す。
【0046】
さらに、以下の説明では、本発明は、例示的なローラ、またはローラの特徴の具体的な寸法を使用して、部分的に説明される。しかしながら、これらの寸法は例示にすぎず、それにより本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
図1は、本発明の実施形態による例示的な容器圧縮装置100を示す。容器圧縮装置100は、互いに隣接して配置された、第1のローラ102および第2のローラ104を含む。第1のローラは回転軸106を有し、および第2のローラは回転軸108を有する。第1および第2のローラ102、104の回転軸106、108は、平行に配置されている。第1および第2のローラ102、104は、反対方向に回転するように配置されているため、第1のローラ102および第2のローラ104は逆回転である。ローラの回転方向は、さらに、図2aに示す。
【0048】
ローラ102、104は、それらそれぞれの回転軸106、108の周りで回転され得るように、ローラ102、104を空き容器回収機(図示せず)に取り付けるためのシャフト部分110a~dを含む。シャフト部分110a~dは、ローラ102、104の長手方向端部に配置されている。各ローラ102、104の大部分のシリンダー状の表面は、作業面122と定義され得る。作業面122は、ローラ102、104の長手方向に長さLを有し、長手方向は、ローラ102、104のそれぞれの回転軸106、108に対して平行している。長手方向はまた、図1のxyz座標系によって示されるz方向に対して平行な、ローラ102、104の軸方向とも呼ばれ得る。作業面122は、対向するシャフト部分110aと110bとの間、110cと110dとの間に配置されている。作業領域112は、2つのローラ102、104の作業面122が出会う、ニップ(nip)、または間隙に配置される。間隙、またはローラ間隙Rgは、2つのローラ102、104間の距離がxyz座標系のx方向に沿って最短である領域とし得る。ローラ間隙Rgについては、図2aに関して示して説明する。作業領域112は、容器圧縮装置100の動作時に容器が圧縮される箇所である。
【0049】
各ローラは、さらに、ローラ102、104の作業面122に設けられた複数のリッジ120を含む。リッジ120は、ローラ102、104の軸方向において、作業面122に沿って長手方向延在部を有する。ローラ102、104はまた、シリンダー状コア部分113を有すると説明され得、シリンダー状コア部分はリッジ120を含み、リッジは、突起の形態にあって、それぞれのローラ102、104のシリンダー状コア部分113から外向きに突出し、かつ軸方向に長手方向延在部を有している。あるいは、リッジ120は、軸方向に長手方向延在部を有するローラ歯と説明され得る。リッジ120については、図2aに関してさらに説明する。ローラ102、104は、さらに、ローラ102、104の作業面122に配置された複数の凹部126を含む。凹部126については、図3a~3cに関してさらに説明する。図1は、7個の凹部126を含むリッジ120を示すが、ローラ102、104は、それよりも多数または少数の凹部126を含むことが可能である。凹部126の数は、例えば作業面122の長さLおよびローラ102、104の直径A(図2aに示す)に依存して、変化し得る。凹部126の好都合な数はまた、各凹部126の配置構成および寸法および設計に依存し得る。例として、ローラ102、104の作業面122の100mmのセクションの長さ当たり少なくとも1つの凹部、好ましくは50mmのセクションの長さ当たり少なくとも1つの凹部、一層好ましくは15mmのセクションの長さ当たり少なくとも1つの凹部が配置され得る。
【0050】
リッジ120は、凹部の深さがリッジの高さを下回るため、作業面122の全長Lにわたって連続的に延在する。ローラ102、104の典型的な作業面122の長さLは、50~750mmの範囲内にある。添付図面に示す実施形態では、リッジ120は、凹部126によって部分的にのみ横断されて、リッジ120がローラ102、104の作業面122の全長Lに連続的に延在するようにする。凹部126は、全てが同じ設計を有するとして示されている;しかしながら、凹部126は、異なる形状および寸法を有するように作製されてもよい。例えば、第1の幅および深さを有する凹部126に、異なる幅および深さを有するリッジが続き得る。凹部126は、作業面長さLの中央の近くに、ある形状および設計を有し、およびローラ102、104のシャフト部分110の近くに第2の形状および設計を有し得る。凹部126は、容器圧縮装置100の缶把持能力を高め得る。凹部126は、軸方向において、リッジ120に沿って等間隔に分布されているように示している。凹部126は、リッジ120上の2つの隣接する凹部126間に可変中間間隔を有する、または2つの隣接する凹部126間に一定の、または固定の、中間距離を有するように配置され得る。
【0051】
凹部126は、ローラの作業面122の外周に延在する半径方向溝として設計され得るため、リッジ120は、半径方向溝(図示せず)によって完全に横断される。さらに、リッジ120は、リッジ120が配置されていない作業面122の部分を残して、ローラ102、104の作業面122の長さLの一部にのみ延在し得る。例えば、リッジ120は、アクスル部分110によって規定される作業面122の端部で開始し、かつその端部からある距離で終了し得る。凹部126は、ローラ102、104のコアの機能性に対して任意選択的であることに留意すべきである。しかしながら、リッジに凹部126を設けることによって、容器圧縮装置100の性能を改善し得る。リッジ120は、ローラ102、104の回転軸106、108の軸方向に対して平行に延在するように示されている。さらに、リッジ120は、リッジ120の寸法、またはxy平面の横断面形状が、作業面122の長さLに沿って変化するように、設計または製造され得る。そのようなずれは、リッジ120に故意に追加されてもよいし、または不完全な製造技術に起因し得るか、または圧縮される容器を掴み得る追加的な縁を生じようとすることに起因し得る。
【0052】
図1に示すように、全ての凹部は、周方向に位置合わせされる、すなわち、1つのリッジが、作業面の軸方向においてまたは長さLに沿って一定の点に凹部を有する場合、全リッジが、実質的に軸方向においてこの点に、または作業面の長さLに沿ってこの点に、凹部を有する、すなわち、周方向において凹部間に実質的にオフセットがない。さらに、ローラの歯は、軸方向および周方向の双方において位置合わせされる。
【0053】
リッジ120は、ローラ102、104の作業面122の外周で均一にまたは対称的に離間され得る。それゆえ、リッジ120は、ある角度によって規定可能なセグメントまたはセクションを占有すると言われ得る。例えば、ローラ102、104の外周に均一に配置された8個のリッジを含むローラ102、104では、各リッジ120は、360/8=45度のセクション、または角度を占有すると言われ得る。リッジ120はまた、非対称的に配置または離間されて、より高い密度のリッジ120がローラ102、104(図示せず)の一部分に形成されるようにし得る。リッジ120はまた、リッジ群(図示せず)で配置され得る。さらに、缶圧縮装置100は、任意選択的に、容器装入開口部からローラ102、104へ、および特にローラ間隙(図示せず)へ容器を送り込むように配置されたパドルフィードシステムを含み得る。パドルフィードシステムはパドルフィードローラを含み、パドルフィードローラは、複数のパドルを含み、中心アクスルの周りに配置され得る。パドルフィードローラのアクスルは、ローラ102、104の回転軸に対して平行な中心軸の周りで回転可能とし得る。ローラ102、104が回転し、かつ容器が、パドルフィードシステムを含む空き容器回収機内へ送り込まれると、パドルフィードローラは、容器を、空き容器回収機の容器装入開口部から下方へローラ102、104の作業面122へと、および特にローラ102、104間のローラ間隙へと押し込む。それゆえ、パドルフィードシステムは、ローラ間隙を通して容器を送り込むのを支援し、それにより、容器圧縮装置の性能を高め得る。
【0054】
パドルフィードローラの中心アクスルから離れた外側縁は、空き容器回収機の容器装入開口部からの容器の掴み動作または引き寄せ動作を高めるために、歯付き設計を含み得る。さらに、パドルフィードローラのパドルの外側縁部分は、曲げられ得るか、またはパドルの中央部分に対してある角度を有する形状にされ得る。そのため、パドルは、L字形状を有すると言われ得る。パドルフィードローラのパドルはまた、パドルフィードローラの中心軸の軸方向に見て凸または凹形状を有し得る。
【0055】
パドルフィードローラは、ローラ102、104の回転速度よりも低速な回転速度で回転し得る。しかしながら、ローラ102、104の回転速度と比較して同じ、または高速の回転速度で回転するように構成されてもよい。パドルフィードローラは、ローラの外周に配置された3~10個のパドル、好ましくは3~6個のパドル、一層好ましくは4~6個のパドルを含み得る。パドルフィードローラは、いくつかのパドルが配置されて、圧縮中の容器が、パドルフィードローラの2つの隣接するパドル間の空間に受け入れられ得るようにし得る。
【0056】
図2aは、図1に示す容器圧縮装置100の線A-Aに沿って取った断面図を示す。第1のローラ102は、矢印W102によって示されるように、回転軸106の周りで時計回りに回転されるように配置される。第2のローラ104は、矢印W104によって示されるように、回転軸108の周りで、反対の、反時計回りの方向に回転するように配置される。矢印W102およびW104はまた、ローラ102、104の回転速度を示し得る。使用中、回転速度W102およびW104は実質的に同じである。例えば、第2のローラ104が、歯車、ベルト、チェーンなどを介して第1のローラ102に接続されている間は、第1のローラ102のみが駆動され得る。あるいは、回転速度W102およびW104は、わずかに異なってもよい。さらに、ローラの一方が他方のローラよりも大きい直径を有する場合、ローラの一方の回転速度は、2つのローラ102、104の直径の差を補償するために、増減され得る(図示せず)。
【0057】
本発明に関して、用語「半径方向外向き」は、図2aにおいて矢印Routによって示すように、それぞれのローラ102、104の回転軸106、108からの、ならびにそれに対して垂直な方向である。同様に、本発明に関して、用語「半径方向内向き」は、図2aにおいて矢印Rinによって示すように、それぞれのローラの回転軸106、108に向かう、ならびにそれに対して垂直な方向である。
【0058】
各ローラ102、104は、回転軸106、108と、ローラ102、104のリッジ120の前端面の頂部との間に延びる外側の最大半径Roを含む。リッジ120の最も外側の点は、2つの交わる面間で規定される面または縁に配置され得る。外側半径Roは、25mm~50mmの範囲内にあるとし得る。例えば、外側半径Roは約35mmとし得る。リッジ120の最底点までの最も短い半径Riは、一般に15mm~45mmの範囲内である。例えば、半径Riは約34mmとし得る。リッジの数は、3~14個、または5~12個または6~10個とし得、これらは、ローラ102、104の作業面122の外周に均一に配置される。一般に、および図面に示すように、ローラ102、104の外周に均一に配置または分布された、8個のリッジがあり得る。ローラの断面図は中実のローラ102、104を示すが、ローラ102、104は、ローラの重量を削減するために、中空の中心部分(図示せず)を有してもよい。図2aは、各リッジが、前端面131、および後端面133を含み、および前端面131と後端面133との間に相互接続面132があることを示す。リッジ120の高さRdは、外側半径Roと内側半径Riとの差として定義される。リッジの高さRdは、2mm~20mmの範囲内、好ましくは3mm~12mmの範囲内、一層好ましくは4mm~6mmの範囲内にある。例えば、リッジ120の高さRdは約4.5mmとし得る。
【0059】
x軸に沿った2つのローラの作業面122間の距離、すなわち2つのローラ102、104間の間隙のサイズは、ローラ間隙Rgである。図面から分かるように、x軸に沿ったローラ間隙Rgの場所およびサイズは、ローラが回転するにつれて変化するが、ローラ間の中心間の距離は一定である。変化は、0.1mm~5mmの範囲内とし得る。リッジ120と、ローラ102、104間の配置構成との設計は、2つのローラ間に接触がないようにする。ローラ間隙Rgは、0.1~10mmの範囲内、好ましくは約0.5mmである。ローラ間隙Rgは、圧縮される容器の壁の厚さに基づいて、構成され得る。異なる地方または地理的地域からの容器は、異なる壁の厚さを有し得る。例えば、壁の厚さ2mmのアルミニウム製ボトルが販売されている地方があり、これは、一般に、ローラ間隙Rgが0.5mmを上回るように構成され得ることを意味する。ローラ間隙Rgは、ローラの2つの回転軸間の距離Bを変更することによって、構成され得る。ローラ間の距離Bは、主に、ローラ装置のローラの直径に依存する。そのようなものとして、距離Bは、50~100mmの範囲内にあるとし得る。
【0060】
使用中、第1および第2のローラ102、104は、それらそれぞれの回転方向W102およびW104に逆回転する。圧縮される容器は、矢印Ldによって示す方向において、2つのローラ102、104間の作業領域112に受け入れられるかまたは送り込まれる。容器は、2つのローラ102、104間で圧縮されるか、または平らにされ、その後、図2aに関して示すように、負のy方向において、下方に放出される。図2aに示すローラは、ローラ102、104の外側の最大半径Roの2倍として定義される最大直径Aを有する。
【0061】
図2bは、図2aに示すローラ102の一部分Pの部分的な拡大図を示し、リッジ120のより詳細な断面図を示している。各リッジ120は、前端面131、後端面133、およびそれらの間に配置されかつ前端面131と後端面133とを相互接続する相互接続面132を含む。2つの隣接する、または隣り合ったリッジ120a、120bは、中間溝142によって接続されているように見え得る。中間溝142は、最底点143を有するように見え得、および最も短い半径Riは、回転軸106、108と最底点143または中間溝142との間に延びる。第1のリッジ120aの前端面131は、第2のリッジ120bの後端面133の向かい側に配置され、および中間溝142は、第1および第2のリッジ120の前記前端面131と後端面133との間に形成されると言われ得る。相互接続面132は、ローラ102、104の前縁131’と後縁133’との間に延在する、図2bに示す幅Rcを有する。幅Rcは、1mm~10mmの範囲内、好ましくは4mm~8mmの範囲内、一層好ましくは5mm~6mmの範囲内にある。幅Rcは、さらに、0mmであるかまたは0mmに近い、例えば0.5mmの幅を有し、リッジ120が、前端面131および後端面133のみを含むようにし得る(図示せず)。図2bおよび図2cに示す幅Rcは、xy平面内に延在していると言われ得る。第1のリッジ120の前端面131と、第2のリッジ120の後端面133とを接続する縁134は、0mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内、一層好ましくは1mm~2mmの範囲内にある半径Reを含み得る。
【0062】
一実施形態によれば、および図2bに示すように、前端面131は、相互接続面132から接続縁134に向かって傾斜する。接続縁134は、第1のリッジ120上の前端面131と、第2のリッジ120上の後端面133との間に形成される。前端面131の傾斜は、半径方向と比較して正の角度αを有して示されている。しかしながら、前端面131は、負の傾斜、負の角度αを有し得る。前端面131が負の傾斜、負の角度αを含むとき前端面は、オーバーハングを有するように見え得る。傾斜の角度αは、-20度~+30度の範囲内、好ましくは-10度~+20度の範囲内、一層好ましくは0度~+10度の範囲内である。
【0063】
図2bには、リッジ120の相互接続面132と後端面133との間の最大角Rtを示す。最大角Rtは、外角とも説明され得、この角度は、外側作業面122またはローラ102、104上で測定可能である。最大角Rtは、余角と合わせて、360度である。さらに図2bには、リッジの高さRdを示す。
【0064】
図2cは、負の傾斜αを持つ前端面131を有するリッジ120を示す。そのため、前端面131は、オーバーハングを含む、またはそれからなると言われ得る。負の傾斜は、相互接続面132と前端面131との間により鋭い縁131’が形成されるようにする。より鋭い前縁131’は、ローラ間隙Rgの方への容器の掴み動作および引き寄せ動作を支援し得る。ローラ102、104は、正の傾斜および負の傾斜をそれぞれ有するリッジ120の組み合わせを含み得る。前端面131と同様に、後端面133は、傾斜を含むと説明され得る。後端面133の傾斜は、例えば、ローラ102、104上のリッジ120の数、ならびにローラ102、104の直径、およびリッジ120のサイズに依存する。図2b~2cに示す後端面133は、隣接するリッジ120の前端面131の底部に向かう、線形の下向きの傾斜を有する。あるいは、後端面133は、異なる形状を有して作製され得る。後端面133、および/または相互接続面132は、凸状または凹状の表面部分、または第1のリッジ120の相互接続面132を、隣接するリッジ120の前端面131に接続する任意の他の好適な形状を含み得る。それにより、ローラ102、104のリッジ120の相互接続面132および後端面133の設計は、さらに、異なるシートメタルの厚さまたは異なるシート材料の缶を圧縮するように適応され得る。
【0065】
図2a~2cに示すそれぞれの実施形態では、相互接続面132、前端面131および後端面133は、それぞれ、実質的に平面である。
【0066】
図3aは、ローラ202の例示的な実施形態の斜視図を示す。図3bは、図3aに示すものと同じローラ202の側面図を示す。ローラ202は、ローラ202の作業面122に、凹部の形態の空隙部210を含んで配置構成される。空隙部210は、ローラ202のシリンダー状の表面にある、大きな矩形の溝、または凹部とし得る。空隙部210は、ローラ202に機械加工で設けられ得る。空隙部の幅Vwは、ローラ202の軸方向において、30~35mmの範囲内である。空隙部210の最大深さVdは、例えばローラ202の半径方向内向き方向において、約15mmとし得る。空隙部210は、缶のウィジェット(widgets)が容器圧縮装置の作業領域112、またはローラ間隙を通過するのを助けるように配置される。ウィジェットは小さく、しばしば、ある種のビール缶に含まれているプラスチック製の球形の物体である。そのようなウィジェットをビール缶に加えることは、ビールのヘッド部の特徴を管理するための周知の技術であり、および米国特許第4,832,968号に開示されている。空隙部210は、容器圧縮装置の動作中に、ウィジェットが、容器と共に引かれるか、または跳ねて空隙部210に入るかのいずれかとなるまで、跳ね返ることができるようにする。
【0067】
両ローラが空隙部210を含む容器圧縮装置では、ローラは、例えば、第1のローラにある空隙部210の開口部が第2のローラにある空隙部210の開口部と決して出会わないように、配置構成される。ローラの1つの例示的な配置構成は、ローラの一方が、回転軸106、108の方向において見て、ローラ回転軸106、108の周りで180度だけ回転してオフセットしていることとし得る。ローラは、1つまたはいくつかの空隙部210を含み得る。そのため、空隙部210は、ローラ202の作業面122の端部に隣接して配置され得る。空隙部210はまた、ローラ202軸方向に沿って均一に配置され得る。
【0068】
図3cは、図3bに示す凹部126のD-Dに沿った拡大断面図を示す。凹部126は、本質的に、U字形状を有して示されている。凹部は、2つの側壁231、232、および前記側壁231と232とを接続する中間底面233を含む。それぞれの側壁231、232は、同じまたは異なる長さを有して、側壁231、232のいずれかと底部233との間に90度よりも大きいまたは小さい角度が形成されるようにし得る。側壁231、232の一方または双方は、底部233の方へテーパが付けられて作製され得る。両側壁231、232が、底部233に向かうって傾斜して作製される場合、凹部は、底部233の方へテーパが付けられていると言われ得る。傾斜は、±45度の範囲内、好ましくは±25度、一層好ましくは±10度または0度とし得る。図3cは、縁234を示し、ここでは、それぞれの側壁231、232と底部233とが、0.4mmの半径の丸みを帯びた形状を有して交わっている。そのような半径は、縁領域に、ローラ202の機械的疲労および破損を生じ得る亀裂が形成されるリスクを低減させる。縁234の半径は、0.1mm~2mmの範囲内、好ましくは0.2~1mmの範囲内、一層好ましくは0.3mm~0.5mmの範囲内とし得る。凹部126は、開口部で測定された、4mmの最大幅Rw、および1.25mmの最大深さRdpを有する。しかしながら、凹部の最大深さRdpは、1~10mm、好ましくは1~5mm、一層好ましくは1~2mmとし得る。凹部の幅Rwは、2~25mmの範囲内、好ましくは2~15mm、一層好ましくは2~5mmとし得る。2つの凹部126間の中間間隔Rsp、または2つの隣接する凹部126にある2つの側壁232、231間の距離は、5mm~100の範囲内、好ましくは10mm~50mmの範囲内、一層好ましくは15mm~25mmの範囲内とし得る。ローラ202の作業面長さLは160mmであるが、ローラの作業面122は、50mm~750mm、好ましくは200mm~500mmの長さを有して配置され得る。
【0069】
図4a~4bは、図4a~4bに示すような容器圧縮装置100によって圧縮された缶の斜視図を備える写真を示す(縮尺通り図示される)。缶は、側面Bから見て分かるように、平らな波形のパターンを有する。波形は、湾曲(sinus curve)形状を有するとして開示され得、波形は、中心にある中央線の周りに配置された正および負のピークを有すると言われ得る。平らな波形、またはs字状の形状は、圧縮された缶を容器に積み重ねるのに好都合である。被圧縮容器の圧縮パターン、または圧痕パターンは、異なる圧縮度を有すると見え得る、缶の複数の部分を含む。波形を規定する経路または曲率の頂部および底部40は、圧縮の大きい、容器の複数の部分を含む。容器の壁のシート材料は、容器が最も圧縮された点で最小厚さD40を有する。頂部および底部40は、第1のローラにあるリッジ120の相互接続面132および容器圧縮装置100の第2のローラの中間溝142によって、容器が圧縮された部分である。結果として得られる圧縮は、相互接続面132と中間溝142との間に結果として得られる、最小幅を有するローラ間隙Rgに起因する。被圧縮容器は、さらに、被圧縮容器の頂部部分と底部部分40との間に配置された中間部分41を含む。リッジ120および中間溝142の設計は、異なる厚さを有する被圧縮容器の異なる部分40、41を生じ得る。図4a~4bに示す圧痕パターンは、被圧縮容器の縁42によって規定されたベース曲率または経路、および縁42に対して垂直な方向におよび図面では内向きに延在する長手方向延在部を含む。被圧縮容器の結果として得られる形状は、容器毎に異なり得る。
【0070】
図5a~5cは、どのようにローラ間隙が、第1のローラ102のリッジ120および第2のローラの中間溝142;および第2のローラ104に配置されたリッジ120および第2のローラ104に配置された中間溝124によって、交互に規定され得るかの例を示す。図5aは、第1のローラ102の回転軸106から引かれて前縁131’と交差する直線が、他方のローラの最も隣接する中間溝142の部分と一致するように、ローラ102のリッジ120が配置される位置を示す。そのため、第1のローラ102のリッジ120の前縁131’は、第2のローラ104の中間溝142に直接対面しており、および第2のローラ104の中間溝142に対面する第1のローラ102の前縁131に関しては逆も同様に言われ得る。図5aに示すローラ102、104の位置は、開始位置であると言われ得る。
【0071】
図5bは、両ローラ102、104が、それらそれぞれの回転軸106、108の周りで11.25度回転したときのローラ装置を示す。ローラ102、104は、それらそれぞれの回転軸106、108の周りで回転するため、ローラ間隙Rgは、ローラ102、104の作業面122の後端部にあるローラの複数の部分によって形成される。図5bは、前縁131’と交差しかつ他方のローラの最も隣接する中間溝142の部分と一致する、第1のローラ102の回転軸106から引かれた直線Vを示す。この図では、Vが第1のローラ102の中間溝142と一致していないため、第2のローラ104の前記前縁は、第1のローラにある中間溝142と対面していない。しかしながら、第1のローラ102の前縁は、第2のローラ104の中間溝142と対面している。ローラ間隙は、第1のローラ102の後端面133’および第2のローラ104の後端面133”によって規定される。
【0072】
図5cは、ローラ102、104がさらに11.25度回転したため、ローラ間隙が第2のローラ104のリッジ120および第1のローラ102の中間溝142によって規定される位置を示す。それゆえ、両角度γ、βは、11.25度だけ増加した。図5cに示すローラ102、104の位置は、図5aに示すローラ102、104の位置の鏡像であり、鏡映は、y方向に対して平行な垂直線に沿っている。それゆえ、ローラ102、104が全回転する度に、ローラ間隙は、交互に、合計16回、リッジ120および中間溝142によって規定され、それらの間で、2つの対向する中間溝142によって規定される。
【0073】
図6a~6cは、ローラ102、104の一方を、他方のローラが適所にロックされている間に、回転させることによって、どのようにローラ間隙が調整され得るかを示す概略図である。これは、2つのローラ102、104の2つの回転軸106、108間の距離Bを調整または変更することなく、行われ得る。これは、空き容器回収機においてローラ102、104を構成するときに行われ得るか、または動作中に行われ得る。図6aは、通常動作用に配置された8個のリッジをそれぞれ有する、第1および第2のローラ102、104を示し、図5a~5cで説明する角度γは、22.5度である。対向する第2のローラ104の角度βはロックされているため、図6a~6cを通して45度である。図6bは、同じ配置構成を示し、第1のローラ102は、負の5度調整されたため、角度γ、5度だけ減少された(γ-5度)。第2のローラ104がロックされているときには、調整は、第1のローラ102を第2のローラ104に対して5度戻すように回転させることによって、行われ得る。これにより、第2のローラ104にあるリッジ120と、第1のローラ102の中間溝142の部分である後端面133との間の距離を減少させる。ここで、ローラ間隙の幅Rgが狭くなっており、幅は、図6aに示す配置構成の幅よりも狭い。それゆえ、ローラ装置は、材料壁の厚さが薄い缶をより押し固めるための、より良好なセットアップとし得る。これは、ローラ102、104の回転軸106、108の間の距離Bを増減させるために、ローラの一方を作動させたりまたは動かしたりする必要がなく、容器圧縮装置が調整可能であることによって、好都合である。
【0074】
図6cは、第1のローラ102が正の5度回転および調整されたため、角度γが5度だけ増加される(γ+5度)例を示す。図6cから分かるように、これにより、第1および第2のローラ102、104間のローラ間隙Rgを増加させる。第1のローラ102を正の5度だけ調整することによってローラ間隙を増加させることにより、より厚い壁の材料厚さを有する容器の圧縮を可能にする。
【0075】
図7aは、非噛み合いの非接触協同している2つのローラを示す。第1のローラ1202、および第2のローラ1204は、それぞれの回転軸1206、1208の周りで、それぞれの回転方向W1202、W1204において逆回転するように配置される。2つのローラは、互いに距離Bに配置され、距離Bは、ローラの回転軸1206、1208間の距離である。ローラ間の距離Bが、2つのローラの最大半径を合わせたものよりも長い場合、ローラは、非噛み合い式に協同して配置されていると言われ得る。非噛み合い状態では、第1のローラ1202のリッジ1220は、第2のローラ1204の相互接続溝1242に受け入れられない。従って、2つのローラ間には常に光開口部がある。
【0076】
噛み合いの非接触協同が、図7bに示されており、2つのローラ間の距離Bは、第1および第2のローラ1202、1204の最大半径を合わせたものよりも短い。リッジ1220、1224、1224’の形状は、第1のローラのリッジ1220が、第2のローラ1204にある2つの隣接するリッジ1224、1224’によって形成された相互接続溝に受け入れられ得るように、設計される。噛み合いの非接触協同は、第1のローラ1202のリッジ1220が、第2のローラ1204の対面する相互接続溝1242へと少なくとも部分的に突出すると説明され得る。そのような容器圧縮装置では、y方向に光開口部Lgは存在しない。しかしながら、凹部126がリッジに配置されるとき、これらは、ローラ間に光開口部を提供し得る。噛み合いの非接触協同はまた、第1の歯車、または歯車の歯と、第2の歯車(またはピニオン)、または第2の歯車の歯との間の非接触協同として説明され得、その360度の回転で、第1の歯車と第2の歯車との間には接触がない。それゆえ、歯車は、歯車を通してパワーが伝達されないように配置される。
【0077】
さらに、開示の実施形態に対する変形例が、図面、本開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求する発明の実施において、当業者によって理解されかつもたらされ得る。例えば、一方のローラは、より大きなまたはより小さな直径を有して作製され得る。そのような場合には、前記一方のローラに配置されるリッジの数は、ローラが、協同するローラと共に動作可能となるように、調整され得る。
【0078】
特許請求の範囲では、語「含む(comprising)」は、他の要素またはステップを除外せず、および不定冠詞「a」または「an」は複数を除外しない。いくつかの手段が、相互に異なる従属請求項において引用されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、利益をもたらすために使用できないことを示すものではない。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b-3c】
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b