(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】燃料タンク
(51)【国際特許分類】
B60K 15/073 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
B60K15/073
(21)【出願番号】P 2019090449
(22)【出願日】2019-05-13
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 大吾
(72)【発明者】
【氏名】坂上 斉
(72)【発明者】
【氏名】梅▲崎▼ 健治
(72)【発明者】
【氏名】森 和英
(72)【発明者】
【氏名】石川 佳紀
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-020157(JP,A)
【文献】特開2006-256462(JP,A)
【文献】特開2012-171425(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0192702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留空間を構成し、互いに対向する一対の板状部と、
一方の前記板状部から前記貯留空間内へ突出し、突出端部を他方の前記板状部に対し間隔を空けて対向させた壁状干渉部と、
前記一方の板状部に形成され、前記壁状干渉部に連なる補強部
と、
前記一方の板状部の外周縁と前記他方の板状部の外周縁
とが連なる周壁部
と、
前記一方の板状部
から前記貯留空間
内へ突出し、
前記補強部に連なる面当たり干渉部とを備え、
前記壁状干渉部は、前記他方の板状部に対して当接可能であり、
前記面当たり干渉部は、前記他方の板状部に対して面当たり状態で当接可能
であることを特徴とする燃料タンク。
【請求項2】
前記面当たり干渉部が、平面視において前記壁状干渉部を挟んで前記周壁部とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
【請求項3】
前記一方の板状部からの前記補強部の突出寸法が、前記壁状干渉部の突出寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、合成樹脂材料からなり、内部が負圧になった場合における変形を抑制する手段を備えた燃料タンクが開示されている。この燃料タンクの変形抑制手段は、上面部から下向きに突出したリブ(スタンドオフ)と、下面部から上向きに突出したリブ(スタンドオフ)とを間隔を空けて対向させた構成である。燃料タンクの内圧が減少して上下のリブが当接して干渉状態になると、上面部と下面部のそれ以上の変形が抑制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料タンク内が減圧すると、上面部と下面部は湾曲するように変形するので、上下のリブは傾きながら当接することになる。そのため、上下のリブが突き当たらずに外れたり、一旦突き当たった後に外れたりしてしまい、変形抑制機能が低下することが懸念される。この対策としては、上下のリブを当初から溶着しておくことも考えられる。しかし、リブ同士を溶着してしまうと、燃料タンクの内圧が上昇したときに、燃料タンクの容積増大が抑制され、内圧が過剰に上昇してしまう虞がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、負圧時における変形抑制機能の信頼性向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の燃料タンクは、
貯留空間を構成し、互いに対向する一対の板状部と、
一方の前記板状部から前記貯留空間内へ突出し、突出端部を他方の前記板状部に対し間隔を空けて対向させた壁状干渉部と、
前記一方の板状部に形成され、前記壁状干渉部に連なる補強部と、
前記一方の板状部の外周縁と前記他方の板状部の外周縁とが連なる周壁部と、
前記一方の板状部から前記貯留空間内へ突出し、前記補強部に連なる面当たり干渉部とを備え、
前記壁状干渉部は、前記他方の板状部に対して当接可能であり、
前記面当たり干渉部は、前記他方の板状部に対して面当たり状態で当接可能であることを特徴とする燃料タンク。
【発明の効果】
【0007】
壁状干渉部は、補強部により剛性が高められていて傾くような変形を生じ難いので、燃料タンク内が負圧になったときに他方の板状部と干渉した状態に保たれる。したがって、本願発明の燃料タンクは変形抑制機能の信頼性に優れている。また、面当たり干渉部が他方の板状部に当接した状態では、面当たり干渉部の姿勢の傾きが抑制されるので、面当たり干渉部に連なる板状部と補強部と壁状干渉部が一体的に傾くことも抑制される。これにより、壁状干渉部における変形抑制機能の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】壁状干渉部と補強部と面当たり干渉部の斜視図である。
【
図4】燃料タンク内の圧力が上昇した状態をあらわすX-X線相当断面図である。
【
図5】燃料タンク内が負圧になった状態をあらわすX-X線相当断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、前記面当たり干渉部が、平面視において前記壁状干渉部を挟んで前記周壁部とは反対側に配置されていてもよい。一方の板状部のうち面当たり干渉部の近傍と周壁部の近傍では、一方の板状部の傾きが抑制されるので、壁状干渉部の姿勢の傾きも小さく抑えられる。
【0011】
本発明は、前記一方の板状部からの前記補強部の突出寸法が、前記壁状干渉部の突出寸法よりも小さく設定されていてもよい。この構成によれば、補強部の突出寸法が壁状干渉部と同じ寸法である場合に比べると、貯留空間の容積を大きく確保することができる。
【0012】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を
図1~
図5を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、
図1における上方を前方と定義する。上下の方向については、
図2~5にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、
図1,3~5にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0013】
本実施例1の燃料タンク10は、合成樹脂製であり、例えばブロー成形により形成されたものである。燃料タンク10は、全体として水平な下板部11(請求項に記載の一方の板状部)と、全体として水平な上板部12(請求項に記載の他方の板状部)と、下板部11の外周縁と上板部12の外周縁とを繋ぐ周壁部13とを有している。燃料タンク10の内部は、燃料を貯留するための貯留空間14となっている。貯留空間14内は、外気温の変動や燃料供給動作等により、圧力が増減する。また、下板部11、上板部12、周壁部13は、合成樹脂材料からなるので弾性変形し得るようになっている。
【0014】
燃料タンク10は、燃料タンク10(貯留空間14)内が負圧(大気圧より低い圧力)になったときに、下板部11、上板部12、周壁部13の弾性変形量が過剰になることを防止する変形規制機能部15を備えている。この変形規制機能部15は、燃料タンク10内の圧力が上昇して下板部11、上板部12、周壁部13が弾性変形したときに、下板部11、上板部12、周壁部13に生じる応力を抑制する機能も兼ね備えている。
【0015】
変形規制機能部15は、燃料タンク10の左右方向中央よりも左側の領域、即ち周壁部13を構成する左側壁部13Lに近い領域に配されている。変形規制機能部15は、下側干渉部16と、上側干渉部21と、補強部26とを備えて構成されている。下側干渉部16は、壁状干渉部17と面当たり干渉部19とを備えて構成されている、上側干渉部21は、突起状受け部22と、突起状面当たり部24とを備えて構成されている。
【0016】
壁状干渉部17は、下板部11の一部を上方(貯留空間14側)へ突出するように折り返し状に屈曲させた形態であり、バッフル状をなしている。平面視において、壁状干渉部17は、左側壁部13L(周壁部13)と略平行をなすような向きで、前後方向に細長い形状をなしている。したがって、壁状干渉部17は、左右方向(壁状干渉部17の長さ方向と交差する方向)へ傾くような変形を生じ得る形状である。壁状干渉部17の上端縁部18(突出端縁部)の断面形状は、弧状をなしている。
【0017】
面当たり干渉部19は、下板部11のうち壁状干渉部17よりも右方(左側壁部13Lとは反対側)の部位を、上方(貯留空間14側)へ突出するように屈曲させた形態であり、バッフル状をなしている。面当たり干渉部19は、壁状干渉部17を挟んで左側壁部13Lとは反対側に配置されている。即ち、面当たり干渉部19と壁状干渉部17は、左右方向(平面視において壁状干渉部17の壁面と直交する方向)に間隔を空けて並ぶように配置されている。平面視において、面当たり干渉部19は、長辺を前後方向に向けた略長方形をなしている。
【0018】
面当たり干渉部19の上端面(突出端部)は、下板部11及び上板部12と略平行な平面状の下側干渉面20となっている。下板部11からの面当たり干渉部19の突出寸法は、下板部11からの壁状干渉部17の突出寸法と同じ寸法である。下板部11を基準としたときに、下側干渉面20の高さと壁状干渉部17の上端縁部18の高さは、ほぼ同じ高さである。平面視において、面当たり干渉部19の前後方向の寸法は、壁状干渉部17の前後方向の寸法とほぼ同じ寸法である、平面視において、面当たり干渉部19の左右方向の寸法は、壁状干渉部17の左右方向の寸法よりも大きい寸法である。
【0019】
突起状受け部22は、上板部12のうち壁状干渉部17と対応する領域を下方(貯留空間14側)へ突出するように屈曲させた形態であり、バッフル状をなしている。突起状受け部22の下端面(突出端部)は、下板部11及び上板部12と略平行であり、且つ壁状干渉部17の突出方向と略直角な受け面23となっている。受け面23は、上下方向において壁状干渉部17と正対する平面からなる。
【0020】
左右方向(平面視において壁状干渉部17の壁面と交差する方向)における受け面23の形成領域は、壁状干渉部17の形成領域よりも広い。したがって、壁状干渉部17の左端は請け面の左端より右方に位置し、壁状干渉部17の右端は請け面の右端よりも左方に位置する。燃料タンク10が弾性変形していない状態において、壁状干渉部17の上端縁部18は、受け面23に対し、上下方向(受け面23と略直角な方向)に間隔を空けて対向している。
【0021】
突起状面当たり部24は、上板部12のうち面当たり干渉部19と対応する領域を下方(貯留空間14側)へ突出するように屈曲させた形態であり、バッフル状をなしている。突起状面当たり部24と突起状受け部22は、左右方向(平面視において壁状干渉部17の壁面と直交する方向)に間隔を空けて並ぶように配置されている。突起状面当たり部24の下端面(突出端部)は、下板部11、上板部12及び下側干渉面20と略平行な上側干渉面25となっている。燃料タンク10(下板部11と上板部12)が弾性変形していない状態において、上側干渉面25と受け面23は同じ高さである。
【0022】
平面視において、上側干渉面25の前後方向の形成領域は、下側干渉面20の前後方向の形成領域とほぼ同じである。平面視において、上側干渉面25の左右方向の形成領域は、下側干渉面20の左右方向の形成領域とほぼ同じである。燃料タンク10が弾性変形していない状態において、下側干渉面20と上側干渉面25は、上下方向(下側干渉面20及び上側干渉面25と略直角な方向)に間隔を空けて対向している。
【0023】
補強部26は、下板部11のうち壁状干渉部17と面当たり干渉部19との間の部位を、上方(貯留空間14側)へ壁状に突出するように屈曲させた形態であり、バッフル状をなしている。平面視において、補強部26は、左側壁部13L(周壁部13)及び壁状干渉部17に対して略直角をなし、左右方向に細長い形状をなしている。補強部26の左端は、壁状干渉部17の右壁面における前後方向中央部に連なっている。補強部26の右端は、面当たり干渉部19の左壁面における前後方向中央部に連なっている。壁状干渉部17と補強部26と面当たり干渉部19は、左右方向に並んで連なるように配されている。
【0024】
平面視における補強部26の前後方向の幅寸法は、壁状干渉部17の前後方向の長さ寸法よりも小さく、面当たり干渉部19の前後方向の寸法よりも小さい。また、下板部11からの補強部26の突出寸法は、下板部11からの壁状干渉部17の突出寸法よりも小さい寸法とされている。つまり、下板部11を基準としたときに、補強部26の高さは、壁状干渉部17の高さ及び面当たり干渉部19の高さよりも低い高さである。
【0025】
燃料タンク10(貯留空間14)内の圧力が大気圧と同じ圧力であるときには、
図3に示すように、壁状干渉部17の上端縁部18と受け面23が、上下方向に間隔を空けて対向しているとともに、下側干渉面20と上側干渉面25が、上下方向に間隔を空けて平行に対向している。
【0026】
燃料タンク10(貯留空間14)内の圧力が大気圧より高くなったときには、
図4に示すように、下板部11が下方へ膨らむように弾性変形するとともに、上板部12が上方へ膨らむように弾性変形する。下板部11と上板部12の弾性変形にともない、壁状干渉部17の上端縁部18と受け面23が、上下方向に遠ざかるように相対変位するとともに、下側干渉面20と上側干渉面25が、上下方向に遠ざかるように相対変位する。
【0027】
壁状干渉部17と突起状受け部22は結合されておらず、面当たり干渉部19と突起状面当たり部24も結合されていないので、下板部11と上板部12は、全体的に燃料タンク10の外面側へ膨らむように弾性変形することができる。これにより、貯留空間14の容積が増大するので、貯留空間14内の圧力が過剰に上昇することはない。また、下板部11と上板部12が湾曲状に弾性変形したときの曲率が小さく抑えられるので、下板部11と上板部12に生じる応力が低減されるとともに、応力集中を回避することができる。
【0028】
燃料タンク10(貯留空間14)内の圧力が低下して大気圧より低い負圧状態になると、下板部11が上方(貯留空間14側)へ膨らむように弾性変形するとともに、上板部12が下方(貯留空間14側)へ膨らむように弾性変形する。下板部11と上板部12の弾性変形にともない、
図5に示すように、壁状干渉部17の上端縁部18と受け面23が互いに接近して上下方向に当接するとともに、下側干渉面20と上側干渉面25も互いに接近して上下方向に当接する。壁状干渉部17の上端縁部18と受け面23とが当接し、下側干渉面20と上側干渉面25が当接すると、それ以上の下板部11と上板部12の弾性変形(接近)が規制される。
【0029】
このとき、受け面23に対して、壁状干渉部17の上端縁部18が線接触状に当接する。しかも、下板部11と上板部12が湾曲変形して傾くため、下板部11からの壁状干渉部17の突出方向が、受け面23に対して直角ではなく、斜めの向きとなる。そのため、壁状干渉部17が、その上端縁部18を受け面23上で摺接させながら、傾くように弾性変形することが懸念される。壁状干渉部17が倒れるように変形すると、下板部11と上板部12の弾性変形量が増大し、応力が過大になることが懸念される。
【0030】
しかし、壁状干渉部17の右壁面には、下板部11からリブ状に突出したが、平面視において壁状干渉部17と略直角をなすように連なっているので、壁状干渉部17の左右方向への傾き変形が防止されている。これにより、壁状干渉部17の上端縁部18が受け面23に当接する状態が保たれ、ひいては、下板部11と上板部12の接近と過剰な弾性変形が防止される。
【0031】
また、補強部26の右端は面当たり干渉部19に連なっているので、補強部26自体の左右方向及び前後方向への不正な変形が規制されている。これにより、壁状干渉部17の不正な傾き変形を確実に防止することができる。
【0032】
しかも、下側干渉面20と上側干渉面25が面当たり状態で突き当たっているので、面当たり干渉部19と突起状面当たり部24は相対的な傾きを生じる虞がなく、下側干渉面20と上側干渉面25は安定した当接状態を保つ。これにより、下板部11と上板部12の相対的な傾きが規制されるので、下板部11に形成されている壁状干渉部17の突出方向は、上板部12に形成されている受け面23に対して略直角の向きを保とうとする。したがって、壁状干渉部17の上端縁部18が受け面23に当接する状態に保たれる。
【0033】
上述のように、本実施例1の燃料タンク10は、貯留空間14を構成し、互いに対向する一対の板状部(下板部11と上板部12)と、壁状干渉部17と、補強部26とを有する。壁状干渉部17は下板部11から貯留空間14内へ突出した形態であり、壁状干渉部17の突出端部(上端縁部18)が上板部12の受け面23に対し間隔を空けて対向している。補強部26は、下板部11にリブ状をなすように形成され、壁状干渉部17に連なっている。
【0034】
壁状干渉部17は、補強部26により剛性が高められているので傾くような変形を生じ難い。これにより、燃料タンク10内が負圧になったときには、壁状干渉部17と上板部12の受け面23とが干渉した状態に保たれる。したがって、本実施例1の燃料タンク10は、下板部11及び上板部12の変形を抑制する機能の信頼性に優れている。
【0035】
下板部11の外周縁と上板部12の外周縁が周壁部13に連なっている。下板部11には、貯留空間14側へ突出し、上板部12の上側干渉面25に対して面当たり状態で当接可能な面当たり干渉部19(下側干渉面20)が形成されている。補強部26は面当たり干渉部19に連なっている。面当たり干渉部19が上板部12(上側干渉面25)に当接した状態では、面当たり干渉部19の姿勢の傾きが抑制されるので、面当たり干渉部19に連なる下板状部と補強部26と壁状干渉部17が一体的に傾くことも抑制される。これにより、壁状干渉部17における変形抑制機能の信頼性が向上する。
【0036】
当たり干渉部は、平面視において壁状干渉部17を挟んで周壁部13(左側壁部13L)とは反対側に配置されている。この構成によれば、下板部11のうち面当たり干渉部19の近傍と周壁部13(左側壁部13L)の近傍では、下板部11の傾きが抑制されるので、壁状干渉部17の姿勢の傾きも小さく抑えられる。
【0037】
また、本実施例1の燃料タンク10は、下板部11からの補強部26の突出寸法が、下板部11からの壁状干渉部17の突出寸法よりも小さく設定されている。補強部26の突出寸法が壁状干渉部17と同じ寸法である場合に比べると、本実施例1の燃料タンク10は、貯留空間14の容積を大きく確保することができる。
【0038】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、下側干渉部のうち周壁部に近い側の干渉部のみが壁状干渉部となっているが、2つの下側干渉部の両方が壁状干渉部であってもよく、周壁部から遠い側の下側干渉部のみが壁状干渉部であってもよい。
(2)上記実施例では、下側の板状部(下板部)のみに壁状干渉部を設けたが、壁状干渉部は、下側の板状部と上側の板状部(上板部)の両方に設けてもよく、上側の板状部のみに設けてもよい。
(3)上記実施例では、4つの干渉部のうち1つの干渉部のみを壁状干渉部としたが、4つの干渉部の全てを壁状干渉部としてもよく、4つのうちいずれか3つのみを壁状干渉部としてもよく、4つの干渉部のうちいずれか2つのみを壁状干渉部としてもよい。
(4)上記実施例では、壁状干渉部が、他方の板状部(上板部)から突出した形態の突起状受け部と干渉するようにしたが、壁状干渉部の干渉対象は、他方の板状部(上板部)から突出しない形態であってもよい。
(5)上記実施例では、補強部を介して壁状干渉部に連なる下側干渉部(面当たり干渉部)が、他方の板状部(上板部)に対して面当たり状態で当接するが、補強部を介して壁状干渉部に連なる下側干渉部は、他方の板状部に対して線接触状態又は点接触状態で当接するようにしてもよい。
(6)上記実施例では、面当たり干渉部が、平面視において壁状干渉部を挟んで前記周壁部とは反対側に配置されているが、面当たり干渉部が壁状干渉部と周壁部との間に配置されていてもよく、壁状干渉部と面当たり干渉部が周壁部と略平行に並ぶように配置されていてもよい。
(7)上記実施例では、面当たり干渉部が、他方の板状部(上板部)から突出した形態の突起状面当たり部と干渉するようにしたが、面当たり干渉部の干渉対象は、他方の板状部(上板部)から突出しない形態であってもよい。
(8)上記実施例では、一方の板状部(下板部)からの補強部の突出寸法が、壁状干渉部の突出寸法よりも小さく設定されているが、一方の板状部(下板部)からの補強部の突出寸法は、壁状干渉部の突出寸法と同じでもよく、壁状干渉部の突出寸法より大きくてもよい。
(9)上記実施例では、補強部が面当たり干渉部に連なっているが、補強部は、面当たり干渉部に連ならない形態であってもよい。
(10)上記実施例では、補強部が、壁状干渉部から一方向のみに延出しているが、一対の補強部が、壁状干渉部から互いに反対方向へ延出するように形成されていてもよい。
(11)上記実施例では、突起状受け部が上下方向において壁状干渉部と正対する平面からなる受け面を有しているが、突起状受け部は、平面視において壁状干渉部と交差する方向の壁状をなしていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…燃料タンク
11…下板部(一方の板状部)
12…上板部(他方の板状部)
13…周壁部
14…貯留空間
17…壁状干渉部
19…面当たり干渉部
26…補強部