(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】カバー
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20230927BHJP
A63F 13/98 20140101ALI20230927BHJP
H04M 1/17 20060101ALI20230927BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
H04M1/02 C
A63F13/98
H04M1/17 A
H05K5/03 A
(21)【出願番号】P 2019233991
(22)【出願日】2019-12-25
(62)【分割の表示】P 2019127851の分割
【原出願日】2019-07-09
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】宮武 惇一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 佑哉
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3190901(JP,U)
【文献】特表2018-526182(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0163306(US,A1)
【文献】特開2013-041935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0338385(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0315652(US,A1)
【文献】特表2018-530933(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0004811(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
G06F 1/16
A63F 13/00
A45C 11/00
H05K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状に形成された第1主面と、当該第1主面とは反対側において矩形状に形成された第2主面と、前記第1主面及び第2主面の周縁部同士を連結し、上縁面、下縁面、及び一対の側縁面を有する周縁面と、を備えた携帯型電子機器、を収容するカバーであって、
前記第1主面を覆う前カバーと、
前記第2主面を覆う後カバーと、
前記前カバー及び後カバーを接続する接続部と、
を備え、
前記携帯型電子機器を収容可能な内部空間を形成するように、前記後カバーに対して前記前カバーを閉じる閉状態と、前記後カバーに対して前記前カバーが開いた開状態と、を取り得るように、前記接続部が前記前カバー及び後カバーを接続し、
前記後カバーは、
前記携帯型電子機器の前記第2主面を覆う第1基部と、
前記閉状態において前記後カバーに対して前記前カバーが位置する方向とは反対の方向に、前記第1基部の周縁から延びる、一対の延在部と、
を備え、
前記各延在部と対応する箇所には、前記閉状態において、前記前カバーと後カバーとの間に、開口が形成される、カバー。
【請求項2】
前記前カバーは、板状に形成され、前記閉状態において、前記第1主面と対向する内面と、当該内面とは反対側の外面と、を有し、
前記前カバーの内面は、少なくとも1つの窪み部を備え、
前記前カバーの外面は、前記窪み部と対応する部分に形成され、当該窪み部に沿うように膨出する膨出部を備えている、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記後カバーは、前記第1基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面と対向する第1側壁部をさらに備え、
前記後カバーの前記第1側壁部において、前記携帯
型電子機器の前記下縁面と対向する部分には、前記第1側壁
部の先端面で開放される、少なくとも1つの第1切り欠き部が形成されている、請求項1または2に記載のカバー。
【請求項4】
前記後カバーの前記第1側壁部には、磁石が嵌め込まれた第2切り欠き部が、形成されている、請求項3に記載のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子機器が収容されるカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯型電子機器であるスマートフォンを収容するカバーが開示されている。このカバーは、扁平状のスマートフォンの前面を覆う板状の第1カバーと、スマートフォンの背面を覆う板状の第2カバーと、これら2つのカバーを折りたたみ自在に接続する接続部と、を有している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなカバーは、スマートフォンのみならず、携帯型ゲーム装置においても用いることができる。しかしながら、携帯型ゲーム装置によっては、ジョイスティックなど、ゲーム装置の主面から大きく突出する操作部を有するものがあり、このように大きく突出する操作部も収容しようとすると、カバーが大型化するという問題がある。この問題に限られず、カバーは、ゲーム装置の形状に適したものとすることが求められている。なお、このような問題は、ゲーム装置のみならず、携帯型電子機器全般に生じ得る問題である。本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、携帯用電子機器の形状に適したカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
<1.第1のカバー>
本開示に係る第1のカバーは、矩形状に形成され、第1主面と、当該第1主面とは反対側において矩形状に形成された第2主面と、前記第1主面及び第2主面の周縁部同士を連結し、上縁面、下縁面、及び一対の側縁面を有する周縁面と、を備え、前記第1主面から突出する少なくとも1つのジョイスティックと、前記上縁面のうち、前記一対の側縁面側部分のそれぞれに設けられ、前記第2主面側に突出する操作部と、前記第2主面から突出し前記各操作部の前記下縁面側に位置する突出部と、有する携帯型電子機器、を収容するカバーであって、前記第1主面を覆う前カバーと、前記第2主面を覆う後カバーと、前記前カバー及び後カバーを接続する接続部と、を備え、前記携帯型電子機器を収容可能な内部空間を形成するように、前記後カバーに対して前記前カバーを閉じる閉状態と、前記後カバーに対して前記前カバーが開いた開状態と、を取り得るように、前記接続部が前記前カバー及び後カバーを接続し、前記前カバーは、前記閉状態において、前記第1主面と対向する内面と、当該内面とは反対側の外面と、を有し、前記前カバーの内面は、前記閉状態において、前記ジョイスティックと対応する位置に、当該ジョイスティックの少なくとも一部を覆うように形成された窪み部を備え、前記前カバーの外面は、前記窪み部の反対側の位置に形成され、膨出する膨出部を備え、前記後カバーは、前記第2主面を覆う第1基部と、前記第1基部の周縁から延び、前記各突出部を、前記下縁面側から覆う延在部と、を備え、前記閉状態において、前記前カバーと後カバーとの間に、前記操作部を外部に露出させる開口が形成されている。
【0006】
第1のカバーによれば、前カバーの内面に、前記ジョイスティックの少なくとも一部を覆うように窪み部が形成されているため、ジョイスティックに不要な負荷が作用するのを抑制することができる。その一方で、前カバーの外面において、窪み部の反対側の位置を含むように膨出部が形成されており膨出部以外の外面の少なくとも一部は携帯型電子機器の第1主面に膨出部よりも近接する。このように、前カバーは、ジョイスティックが設けられている位置が膨出しているため、ジョイスティックに不要な負荷が作用するのを避けつつ、全体としてコンパクトにすることができる。すなわち、携帯用電子機器の形状に適したカバーを提供することができる。
【0007】
また、上記のように突出部を覆う延在部を設けることで、ゲーム装置の突出部を保護することができる。また、延在部を設けることで、カバーの何れが上側であるかを容易に視認することができる。
【0008】
各操作部は、携帯用電子機器の第2主面から突出しているため、例えば、前カバーがこれらの操作部も覆うように設けられると、前カバーを開く際に、これらの操作部に引っかかりやすくなり、前カバーが開きにくくなるおそれがある。また、前カバーを開く際に、これらの操作部との干渉を抑制するため、接続部を長く形成することも考えられるが、このようにすると、開状態において、前カバーが後カバーからかなり垂れ下がり携帯用電子機器の操作時に邪魔になるおそれがある。これに対して、上記のように開口を形成し、操作部を露出させれば、操作部に前カバーが干渉することを抑制でき、前カバーを開きやすくすることができる。また、接続部を長くする必要がなく、携帯用電子機器の操作性が悪化することを抑制することができる。
【0009】
なお、前カバーは、主として第1主面を覆うが、付加的にゲーム装置の周縁面を覆うように構成することもできる。この点は、後カバーにおいても同じである。したがって、周縁面は、前カバーのみで覆われる場合、後カバーのみで覆われる場合、及び前カバー及び後カバーの両方で覆われる場合がある。また、上記のように、閉状態において前カバーと後カバーとの間には、操作部が露出する開口が形成される。また、ゲーム装置の周縁面は、上縁面、下縁面、及び一対の側縁面で構成されているが、例えば、上縁面と一方の側壁面との間に面取り部のような隅面を形成することもできる。すなわち、少なくとも、外形上、上縁面、下縁面、及び一対の側縁面と判別できる面が設けられていればよい。なお、上縁面と側壁面との間にそれぞれ隅面が形成され、各隅面に操作部が形成されている場合には、操作部が形成されている隅面は、上縁面に含まれる。
【0010】
上記第1のカバーでは、前記閉状態において、前記前カバーの内面と前記第1主面との間に隙間が形成されるように構成することができる。
【0011】
この構成によれば、前カバーの内面と第1主面との間に隙間が形成されているため、例えば、ジョイスティックや、ボタン、ディスプレイに、前カバーによって不要な負荷がかかるのを抑制することができる。
【0012】
上記第1のカバーにおいて、前記後カバーは、前記第1基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、前記下縁面及び一対の側縁面の少なくとも一部に接触可能な第1側壁部、を備えることができ、当該第1側壁部の少なくとも一部は、前記下縁面及び一対の側壁面の少なくとも一部に係合可能に構成され、前記接続部は、前記閉状態において、前記携帯型電子機器の前記上縁面を覆う位置に配置されるように構成することができる。
【0013】
この構成によれば、後カバーの第1側壁部によって携帯型電子機器を固定することができる。特に、携帯用電子機器の下縁面が第1側壁部に接すれば、例えば、携帯型電子機器の下縁面を鉛直方向の下方に向けた状態で操作する場合には、操作中に携帯型電子機器が後カバーから下方に離脱するのを抑制することができる。さらに、接続部は、閉状態において、携帯型電子機器の上縁面を覆う位置に配置される。したがって、カバーの上縁部からの携帯型電子機器の離脱も抑制することができる。
【0014】
なお、第1基部において、第1側壁部が起立していない箇所には、壁部を設けないようにしてもよいし、例えば、第1側壁部よりも低い壁部を設けることもできる。すなわち、例えば、携帯型電子機器の周縁面の上縁面側には壁部が設けられなくともよく、第1基部が延在するのみであってもよい。あるいは、第1側壁部よりも低い壁部が設けられてもよい。
【0015】
上記第1のカバーにおいて、前記前カバーは、前記携帯型電子機器の第1主面を覆う板状の第2基部と、前記第2基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、少なくとも、前記下縁面及び一対の側縁面の一部を覆う第2側壁部と、を備え、前記閉状態においては、前記後カバーの側壁部の先端面と、前記前カバーの第2側壁部の先端面とが、接触するように構成することができる。
【0016】
この構成によれば、両カバーの側壁部の先端面同士が接するように構成されているため、カバーを簡単に閉状態にすることができる。なお、例えば、カバーがシート材によって覆われている場合には、シート材に覆われた先端面同士が接触する。このように、先端面同士の間にシート材などの介在物が存在したとしても、先端面同士が接触すると言える。
【0017】
上記第1のカバーにおいて、前記携帯型電子機器の前記下縁面には、少なくとも1つのスピーカ孔が形成されており、前記後カバーの前記第1側壁部において、前記下縁面と対向する部分のうち、前記スピーカ孔と対向する位置に、前記開状態において前記スピーカ孔が外部に露出される切り欠き部を形成することができる。
【0018】
この構成によれば、携帯型電子機器のスピーカ孔に対応する位置に、開状態において、このスピーカ孔を外部に露出させる切り欠き部が形成されている。そのため、スピーカ孔が側壁部によって塞がれることが抑制され、開状態においては、切り欠き部を介して外部に露出するため、スピーカ孔から出力される音を聞き取りやすくすることができる。
【0019】
上記第1のカバーにおいて、前記後カバーの前記第1側壁部は、前記一対の側縁面と対向する一対の側縁部と、前記下縁面と対向する下縁部と、を備えることができ、前記第1側壁部の起立方向の略中央付近においては、前記側縁部の肉厚を前記下縁部の肉厚よりも薄くすることができる。
【0020】
この構成によれば、次の効果を得ることができる。例えば、携帯型電子機器がゲーム装置である場合、カバーを開状態にし、ゲーム装置をカバーに収容したままでゲームを行うことがある。この場合、ユーザは、第1側壁部の側縁部を介して、ゲーム装置の両側縁面を把持することになる。このとき、各側縁部の肉厚が大きすぎると、ユーザが違和感を感じるおそれがある。そこで、各側縁部の肉厚を下縁部の肉厚よりも薄くすることで違和感を抑制しつつ、下縁部の肉厚は相対的に厚くすることでゲーム装置を下方から安定的に支えることができる。
【0021】
上記第1のカバーにおいて、前記前カバーの肉厚は、前記後カバーの前記第1基部の肉厚よりも厚くすることができる。
【0022】
この構成によれば、次の効果を得ることができる。後カバーの第1基部は、携帯用電子機器が固定されるため、変形が生じがたいが、前カバーの第2基部は、少なくとも開状態では、携帯用電子機器に接しないため、変形が生じるおそれがある。そこで、前カバーの第2基部の肉厚は、後カバーの第1基部の肉厚よりも厚くし、変形が生じるのを抑制している。一方、後カバーの第1基部は、肉厚が薄くても変形が生じ難い。したがって、後カバーの第1基部の肉厚は、前カバーの第2基部の肉厚よりも薄くてもよく、これによって、軽量化を図ることができる。
【0023】
より具体的には、例えば、前記前カバーは、前記携帯型電子機器の第1主面を覆う第2基部と、前記第2基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、少なくとも、前記下縁面及び一対の側縁面の一部を覆う第2側壁部と、を備えることができ、前記第2基部の肉厚は、戦記第1基部の肉厚よりも厚くすることができる。
【0024】
上記第1のカバーにおいて、前記延在部は、前記操作部において前記第2主面から最も突出する先端部よりも、前記基部から突出しているものとすることができる。
【0025】
この構成によれば、携帯型電子機器を収容した状態では、延在部が操作部よりも突出しているため、後カバーを机などの所定の面に載置したときには、延在部が所定の面に接し、操作部が接するのを抑制することができる。したがって、載置状態において、操作部に不要な負荷がかかるのを抑制することができる。
【0026】
<2.第2のカバー>
本開示に係る第2のカバーは、以下の通り構成される。
矩形状に形成され、第1主面と、当該第1主面とは反対側において矩形状に形成された第2主面と、前記第1主面及び第2主面の周縁部同士を連結し、上縁面、下縁面、及び一対の側縁面を有する周縁面と、を備えた携帯型電子機器、を収容するカバーであって、
前記第1主面を覆う前カバーと、
前記第2主面を覆う後カバーと、
前記前カバー及び後カバーを接続する接続部と、
を備え、
前記携帯型電子機器を収容可能な内部空間を形成するように、前記後カバーに対して前記前カバーを閉じる閉状態と、前記後カバーに対して前記前カバーが開いた開状態と、を取り得るように、前記接続部が前記前カバー及び後カバーを接続し、
前記後カバーは、
前記携帯型電子機器の第2主面を覆う第1基部と、
前記第1基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、前記下縁面及び一対の側縁面の少なくとも一部に接触可能な第1側壁部と、
を備え、
当該第1側壁部の少なくとも一部は、前記下縁面及び一対の側壁面の少なくとも一部に係合可能に構成され、
前記接続部は、前記閉状態において、前記携帯型電子機器の前記上縁面を覆う位置に配置されるように構成されている。
【0027】
第2のカバーによれば、後カバーの第1側壁部によって、携帯型電子機器を固定することができる。特に、携帯用電子機器の下縁面が第1側壁部に接すれば、例えば、携帯型電子機器の下縁面を鉛直方向の下方に向けた状態で操作する場合には、操作中に携帯型電子機器が後カバーから離脱するのを抑制することができる。さらに、接続部は、閉状態において、携帯型電子機器の上縁面を覆う位置に配置される。したがって、カバーの上縁部からの携帯型電子機器の離脱も抑制することができる。以上より、本開示に係る第2のカバーは、携帯用電子機器の形状に適したものとなる。
【0028】
上記第2のカバーにおいて、前記後カバーの前記第1側壁部は、前記一対の側縁面と対向する一対の側縁部と、前記下縁面と対向する下縁部とを備え、前記第1側壁部の起立方向の略中央付近においては、前記側縁部の肉厚が前記下縁部の肉厚よりも薄いものとすることができる。
【0029】
上記第2のカバーにおいて、前記前カバーは、
前記携帯型電子機器の第1主面を覆う第2基部と、
前記第2基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、少なくとも、前記下縁面及び一対の側縁面の一部を覆う第2側壁部と、
を備え、
前記閉状態においては、前記後カバーの側壁部の先端面と、前記前カバーの第2側壁部の先端面とが、接触するように構成することができる。
【0030】
上記第2のカバーでは、前記後カバーの前記第1側壁部において、前記携帯用電子機器の下縁面と対向する部分に、前記第1側壁面の先端面で開放される、少なくとも1つの第1切り欠き部を形成することができる。
【0031】
上記第2のカバーにおいては、2対の前記切り欠き部を、前記第1側壁部に対称に形成することができる。
【0032】
上記第2のカバーにおいて、前記第1側壁部には、磁石が嵌め込まれた第2切り欠き部を形成することができる。
【0033】
上記第2のカバーにおいて、前記前カバーは、前記携帯型電子機器の第1主面を覆う第2基部を備え、前記前カバーの前記第2基部の肉厚は、前記後カバーの前記第1基部の肉厚よりも厚くすることができる。
【0034】
<3.第3のカバー>
本開示に係る第3のカバーは、以下の通り構成される。
矩形状に形成された第1主面と、当該第1主面とは反対側において矩形状に形成された第2主面と、前記第1主面及び第2主面の周縁部同士を連結し、上縁面、下縁面、及び一対の側縁面を有する周縁面と、を備えた携帯型電子機器を収容するカバーであって、
前記第1主面を覆う前カバーと、
前記第2主面を覆う後カバーと、
前記前カバー及び後カバーを接続する接続部と、
を備え、
前記携帯型電子機器を収容可能な内部空間を形成するように、前記後カバーに対して前記前カバーを閉じる閉状態と、前記後カバーに対して前記前カバーが開いた開状態と、を取り得るように、前記接続部が前記前カバー及び後カバーを接続し、
前記後カバーは、
前記第2主面を覆う第1基部と、
前記閉状態において、前記前カバーとは反対側に、前記第1基部の周縁から延びる、一対の延在部と、
を備え、
前記各延在部と対応する箇所には、前記閉状態において、前記前カバーと後カバーとの間に、開口が形成されている、カバー。
【0035】
上記第3のカバーによれば、携帯用電子機器の形状に適したものとなる。
【0036】
上記第3のカバーにおいて、前記前カバーは、板状に形成され、前記閉状態において、
前記第1主面と対向する内面と、当該内面とは反対側の外面と、を有し、
前記前カバーの内面は、少なくとも1つの窪み部を備え、
前記前カバーの外面は、前記窪み部と対応する部分に形成され、当該窪み部に沿うように膨出する膨出部を備えることができる。
【0037】
上記第3のカバーにおいて、前記後カバーは、
前記携帯型電子機器の第2主面を覆う第1基部と、
前記第1基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面と対向する第1側壁部と、
を備え、
前記後カバーの前記第1側壁部において、前記携帯用電子機器の下縁面と対向する部分には、前記第1側壁面の先端面で開放される、少なくとも1つの第1切り欠き部を形成することができる。
【0038】
上記第3のカバーにおいて、前記第1側壁部には、磁石が嵌め込まれた第2切り欠き部を形成することができる。
【0039】
<4.第4のカバー>
上記のように、従来は特許文献1のようなカバーが提案されているところ、近年は、単に携帯用電子機器を収容するだけでなく、デザイン性も要求されている。そこで、本開示に係る第4のカバーは、要望されるデザインに容易に対応できることを目的とする。
【0040】
本開示に係る第4のカバーは、以下の通り構成される。
第1主面と、当該第1主面とは反対側において矩形状に形成された第2主面と、前記第1主面及び第2主面の周縁部同士を連結する周縁面と、を備えた携帯型電子機器、を収容するカバーであって、
前記第1主面を覆う前カバーと、
前記第1主面を覆う後カバーと、
前記前カバー及び後カバーを接続する接続部と、
を備え、
前記携帯型電子機器を収容可能な内部空間を形成するように、前記後カバーに対して相対的に前記前カバーを閉じる閉状態と、前記内部空間が外部に開放されるように、前記後カバーに対して相対的に前記前カバーが開いた開状態と、を取り得るように、前記接続部が前記前カバー及び後カバーを接続し、
前記前カバーは、前カバー部材を有し、
前記後カバーは、後カバー部材を有し、
前記前カバー及び後カバーは、前記前カバー部材及び後カバー部材の少なくとも一部をシート材によって覆うことで形成され、
前記接続部は、前記シート材の一部によって構成されている。
【0041】
第4のカバーによれば、前カバー及び後カバーが、前カバー部材及び後カバー部材の少なくとも一部をシート材によって覆うことで形成されているため、シート材を変えるだけで、前カバー及び後カバーの外観のデザインを容易に変更することができる。したがって、要望されるカバーのデザインに容易に対応することができる。また、接続部がシート材の一部によって形成されているため、接続部が変形しやすくなり、前カバーを開きやすくすることができる。
【0042】
上記第4のカバーにおいて、前記後カバー部材は、
前記携帯型電子機器の第2主面を覆う板状の第1基部と、
前記第1基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、前記下縁面及び一対の側縁面の少なくとも一部に接触可能な第1側壁部と、
を備え、
当該第1側壁部の少なくとも一部は、前記下縁面及び一対の側壁面の少なくとも一部に係合可能に構成され、
前記接続部は、前記閉状態において、前記携帯型電子機器の前記上縁面を覆う位置に配置されるように構成することができる。
【0043】
上記第4のカバーにおいて、前記前カバー部材は、
前記携帯型電子機器の第1主面を覆う第2基部と、
前記第2基部の周縁から起立し、前記携帯型電子機器の周縁面のうち、少なくとも、前記下縁面及び一対の側縁面の一部を覆う第2側壁部と、
を備え、
前記閉状態においては、前記後カバーの側壁部の先端面と、前記前カバーの第2側壁部の先端面とが、前記シート材を介して、接触するように構成することができる。
【0044】
上記第4のカバーにおいては、前記後カバー部材の前記第1側壁部の先端面には磁石が設けられるとともに、当該磁石は、前記シート材によって覆われており、
前記前カバー部材の前記第2側壁部の先端面には磁石が設けられるとともに、当該磁石は、前記シート材によって覆われているものとすることができる。
【0045】
上記第4のカバーにおいて、前記シート材は、
前記前カバー部材及び前記後カバー部材の少なくとも一方の外面の、少なくとも一部を覆う外面シートと、
前記前カバー部材及び前記後カバー部材の少なくとも一方の内面の、少なくとも一部を覆う内面シートと、
を備え、
前記接続部は、前記外面シートの一部と前記内面シートの一部が積層されて構成されているものとすることができる。
【0046】
上記第4のカバーにおいて、前記内面シートは、前記前カバー部材及び前記後カバー部材の少なくとも一方の内面のみを覆うように構成することができる。
【0047】
上記第4のカバーにおいて、前記外面シートは、前記前カバー部材及び後カバー部材の少なくとも一方の外面の縁部において折り返され、前記内面に延びるように形成され、 前記内面シートは、前記内面に延びる前記外面シートを覆うように形成することができる。
【0048】
上記第4のカバーでは、前記前カバー部材及び後カバー部材の内面において、前記外面シートが前記内面シートに覆われている第1箇所は、他の第2箇所よりも窪んでおり、前記第1箇所に配置される前記外面シートと前記第2箇所とが面一になるように構成することができる。
【0049】
上記第4のカバーにおいて、前記シート材は、
前記前カバー部材の少なくとも外面を覆う第1外面シートと、
前記後カバー部材の少なくとも外面を覆う第2外面シートと、
前記前カバー部材及び後カバー部材の内面を覆う内面シートと、
を備え、
前記第1外面シートの一部が延在されて前記接続部を構成するとともに、当該延在された部分が、前記後カバー部材の内面に固定され、
前記内面シートは、前記第1外面シートにおいて、前記後カバー部材に固定された部分を覆うように構成することができる。
【0050】
この構成によれば、次の効果を得ることができる。
・第1外面シートが後カバー部材の外面でなく内面に延在して固定されるため、後カバーの外観がよくなる。また、開状態で携帯用電子機器を操作するときに、後カバーを把持するユーザが第1外面シートに触れにくくなり、手触りがよくなるという利点がある。
【0051】
・後カバー部材の内面に到達した第1外面シートが、前カバーと後カバーとを一体的に覆う内面シートに覆われるため、内面の外観に一体感が生まれる。
【0052】
・第1外面シートの延在部分である接続部が、後カバー部材で固定されるため、前カバーを開く際には、接続部は、後カバー側が支点となって開くため、この支点から、前カバーがきちんと垂れ下がりやすい。したがって、ユーザが、携帯用電子機器を操作しやすいという利点がある。仮に、第2外面シートが延在されて前カバー部材の内面で固定されるとすると、この前カバー部材に対する固定部が支点となって動作すると考えられる。そのため、前カバーは、まずは、この支点を軸に開くことになり、さらに前カバーを旋回させることで、ようやく前カバーと接続部とが一体となって開くと考えられる。そのため、前カバーが開きにくく、また、携帯用電子機器の操作中に前カバーが閉じようとしたり不安定になるおそれがあると考えられる。
【発明の効果】
【0053】
上記第1のカバーによれば、携帯型電子機器の形状に適したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明に係る携帯型電子機器の一実施形態であるゲーム装置を前側から見た斜視図である。
【
図2】
図1のゲーム装置を後側から見た斜視図である。
【
図4】ゲーム装置が収容されたカバーを開状態にした斜視図である。
【
図5】ゲーム装置が収容されたカバーを閉状態にした斜視図である。
【
図11】ゲーム装置の周縁面と後カバー部材の側壁部との係合状態を説明する断面図である。
【
図12】後カバーシートを貼り付けた後カバー部材の内面の平面図である。
【
図20】前カバーシートを貼り付けた前カバー部材の内面の平面図である。
【
図23】内側カバーシートを貼り付けた後カバー部材及び前カバー部材の内面の平面図である。
【
図24】ゲーム装置が収容されたカバーを閉状態にした断面図である。
【
図25】閉状態のカバーを後側から見た斜視図である。
【
図26】カバーの使用方法を説明する斜視図である。
【
図27】カバーの使用方法を説明する上面図である。
【
図28】カバーの使用方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明に係る携帯用電子機器の収納具について、図面を参照しつつ説明する。まず、本発明に係る携帯用電子機器の一実施形態である、ゲーム装置1について説明し、その後、このゲーム装置1を収容するカバー2について説明する。
【0056】
<1.ゲーム装置の概要>
以下、本実施形態の一例に係るゲーム装置について説明する。
図1はゲーム装置を前側から見た斜視図、
図2はゲーム装置を後側から見た斜視図、
図3はゲーム装置の六面図である。
【0057】
図1~
図3に示すように、このゲーム装置1は、横長の略板状のハウジング11を備える。ハウジング11の形状および大きさは、任意であるが、一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。本実施形態において、ハウジング11は、矩形状に形成された第1主面101、この第1主面101とは反対側の矩形状に形成された第2主面102、及び第1主面101及び第2主面102の周縁部同士を連結する周縁面103と、を備えている。また、第1主面101と周縁面103との連結部分、及び第2主面102と周縁面103との連結部分は、面取りが施されており、なめらかな曲面によって形成されている。
【0058】
第1主面101は、ゲーム装置1の表側の面であり、後述するようにディスプレイ12が設けられる面である。このハウジング11の右端部及び左端部は、それぞれ右手及び左手で把持可能な形状とされている。すなわち、手で把持しやすくするため、第1主面101及び第2主面102の四隅は、円弧状に形成されており、この四隅の円弧に沿うように周縁面103も円弧状に形成されている。
【0059】
以下では、
図1の向きにしたがって、周縁面103が、上縁面113、下縁面123、右側縁面133、左側縁面143、右上隅面153、左上隅面163、右下隅面173、及び左下隅面183によって構成されているものとする。また、この名称にしたがって、ハウジング11の部位、及び後述するカバー2の各部位を示す際に、上縁面113、下縁面123、右側縁面133、左側縁面143、右上隅面153、左上隅面163、右下隅面173、及び左下隅面183と対応する部位を、それぞれ、上縁部、右側縁、左側縁、下縁、右上隅部、左上隅部、右下隅部、及び左下隅部と称することがある。
【0060】
第1主面101の中央には、矩形状のディスプレイ12が設けられ、その右側に右側操作領域111、左側に左側操作領域121が設けられている。ディスプレイ12は、ゲーム装置1が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0061】
また、ゲーム装置1は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネルを備える。本実施形態においては、タッチパネルは、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネルは、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0062】
次に、左側操作領域121について説明する。左側操作領域121の上部には、ジョイスティック32(アナログティックともいう)が設けられている。このジョイスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、ジョイスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、方向入力部として、ジョイスティックに代えて、スライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、ジョイスティック32を押下する入力が可能である。
【0063】
また、左側操作領域121には、各種操作ボタンを備える。すなわち、左側操作領域1
21には、ジョイスティック32の下方に、方向入力部としても使用可能な十字キー33を備える。さらに、ジョイスティック32の上方には、-(マイナス)ボタン47、十字キー33の下方には、録画ボタン37が設けられている。
【0064】
また、周縁面103の左上隅面163には、この隅面に沿って円弧状に延びるLボタン38が設けられ、さらにこのLボタン38の第2主面102側には、ZLボタン39が設けられている。ZLボタン39は、第2主面102から後方に突出するとともに、上方から押し込み可能となっている。そして、このZLボタン39の下方には突出部34が形成されている。この突出部34は、第2主面102から突出する部位でありZLボタン39から下方にいくにしたがって第2主面102に向かう傾斜面を有している。
【0065】
次に、右側操作領域111について説明する。右側操作領域111の上下方向の中央部には、方向入力部としてジョイスティック52を備える。なお、上下方向において、ジョイスティック52はジョイスティック32よりも少なくとも下方に位置する。本実施形態においては、ジョイスティック52は、左側操作領域121のジョイスティック32と同じ構成である。また、ジョイスティック52に代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、ジョイスティック52の上方には、4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、4つの操作ボタン53~56の上方には、+(プラス)ボタン57、ジョイスティック52の下方には、ホームボタン58を備える。
【0066】
また、周縁面103の右上隅面153には、この隅面に沿って円弧状に延びるRボタン50が設けられ、さらにこのRボタン50の第2主面側には、ZRボタン51が設けられている。ZRボタン51は、第2主面から後方に突出するとともに、上方から押し込み可能となっている。そして、このZRボタン51の下方には突出部35が形成されている。この突出部35は、第2主面102から隆起する部位でありZRボタン51から下方にいくにしたがって第2主面102に向かう傾斜面を有している。
【0067】
以上の操作ボタン等は、ゲーム装置1で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0068】
次に、ハウジング11の上縁面113について説明する。上縁面113には、左から右に向かって並ぶ、電源ボタン28、音量ボタン29、排気口37、音声入出力端子25、及びスロット23が設けられている。音量ボタン29は、後述するスピーカ孔11a,11bから発せられる音量を調整するものであり、排気口37は、ハウジング11内部の後述するプロセッサを冷却した空気が排気される孔である。また、音声入出力端子25は、外部スピーカを接続したり、イヤホンの端子を接続する端子である。
【0069】
スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲーム装置1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲーム装置で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、ゲーム装置1で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。
【0070】
続いて、ハウジング11の下縁面123について説明する。下縁面123の左右方向の中央付近には、下側端子27を備える。下側端子27は、ハウジング11が、図示を省略するクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。ハウジング11をクレードルに載置した場合、ゲーム装置1が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、この下側端子27には、後述するように、ハウジング11に内蔵された図示を省略するバッテリが接続されており、この下側端子27を介してゲーム装置1に電力が供給された場合、供給された電力がバッテリに充電される。
【0071】
下縁面123の左右方向の両側には、第1主面101と近接する位置に、スピーカ孔11aおよび11bが形成されている。ハウジング11の内部には、図示を省略するスピーカが内蔵されており、スピーカの出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0072】
また、図示を省略するが、ハウジング11の内部には、ゲーム装置を駆動するための、バッテリ、プロセッサ(例えば、CPU、GPUを含むSoC等)、フラッシュメモリ、DRAM等の各種電子部品等が配置されており、これらのいくつかが電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。また、ハウジング11の内部の電子部品は、上述したようなハウジング11の外部に露出するディスプレイ12、タッチパネル、各種ボタン、端子等と電気的に接続されて、これらを制御するように構成されている。また、必要に応じて、ハウジング11には、角速度センサ、加速度センサなどの各種センサや、カメラ等を内蔵することができる。
【0073】
さらに、第2主面102の下縁面123側には、一対の吸気口59が形成されている。各吸気口59は、左右方向に延びる溝状に形成されている。これら吸気口59から、プロセッサを冷却する空気が吸引される。
【0074】
<2.カバー>
次に、本実施形態に係るカバー2について、図面を参照しつつ説明する。
図4は上述したゲーム装置を収容したカバーの開状態を示す斜視図、
図5はカバーの閉状態を示す斜視図である。以下では、まず、このカバー2を構成する各パーツと、その組み立てについて説明し、その後、組み立てられたカバーの全体構成及び使用方法について説明する。
【0075】
<2-1.カバーを構成するパーツ>
本実施形態に係るカバー2は、後カバー部材4、前カバー部材6、主として後カバー部材4を覆う前カバーシート71、主として前カバー部材6を覆う後カバーシート72、及び両カバー部材4,6の内面を覆う内側カバーシート73によって構成されている。以下、各パーツについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、カバーが閉状態にあるときに、カバー2においてゲーム装置1が収容される内部空間側を向く面を内面、カバー2において外部を向く面を外面と称することとする。また、カバー2及び各パーツは、説明の便宜のため、
図5の向きを基準として説明する。すなわち、カバーが閉状態にあるときの向きを基準に説明を行うが、本発明は、この向きには限定されない。
【0076】
<2-1-1.後カバー部材>
図6は後カバー部材を前側から見た斜視図、
図7は後カバー部材を後側から見た斜視図、
図8は後カバー部材の内面の平面図及び一部拡大図、
図9は
図8のA-A線断面図及び一部拡大図、
図10は
図8のB-B線断面図、
図11は側壁部とゲーム装置との係合状態を説明する断面図である。
図6~
図11に示すように、後カバー部材4は、樹脂材料、金属などで構成されており、主としてゲーム装置1の第2主面102を覆う部材である。具体的には、後カバー部材4は、矩形状に形成された板状の基部41と、この基部41の周縁から延びる平面視U字状の側壁部42とを備えている。そして、ゲーム装置1がカバー2に収容されたときには、基部41がゲーム装置1の第2主面102に接し、側壁部42が周縁面103に接するように構成されている。以下、側壁部42及び基部41について詳細に説明する。
【0077】
まず、側壁部42について説明する。
図9に示すように、側壁部42は、外側に凸となるように断面円弧状に形成されており、内面401、外面402、及びこれら内面401と外面402の先端を連結する端面403によって構成されている。また、
図8に示すように、側壁部42は、ゲーム装置1の下縁面123、右側縁面133、左側縁面143、右下隅面173、及び左下隅面183と対応する、下縁部421、右側縁部422、左側縁部423、右下隅部424、及び左下隅部425を備えている。すなわち、側壁部42は、ゲーム装置1の上縁面113、右上隅面153、及び左上隅面163に対応する部分は設けられておらず、開放されている。したがって、後述するように、ゲーム装置1を後カバー400に収容する際には、この開放された部分からゲーム装置1を収容できるようになっている。
【0078】
下縁部421の左右方向の中央付近には、台形状の第1後切り欠き部431が形成されている。この第1後切り欠き部431は、おおよそ基部41まで達しており、この第1後切り欠き部431から収容されたゲーム装置1の下側端子27が外部に露出するようになっている。また、この下縁部421において、第1後切り欠き部431の両側には、それぞれ2個ずつの切り欠き部、つまり第2及び第3後切り欠き部432,433が形成されている。第2後切り欠き部432は、第1後切り欠き部431に隣接し、第3後切り欠き部433は、第2後切り欠き部432よりも側縁部422,423側に形成されている。より詳細に説明すると、第2及び第3後切り欠き部432,433は、それぞれ、下縁部421に沿って延びるように形成されている。また、
図8の拡大図に示すように、第2及び第3後切り欠き部432,433は、下縁部421の端面403及び内面401において開放される断面矩形状に形成され、これら各後切り欠き部432,433には、直方体状の磁石45が配置される。
【0079】
磁石45は、これら後切り欠き部432,433に収まる形状であり、接着剤によって各後切り欠き部432,433に固定される。したがって、磁石45は、下縁部421の端面403及び内面401において露出するように配置される。
【0080】
また、各第3後切り欠き部433よりも側縁部422,423側には、第4後切り欠き部434が形成されている。各第4後切り欠き部434は、ゲーム装置1の各スピーカ孔11a,11bに対応する位置に配置されている。より詳細に説明すると、第4後切り欠き部434は、それぞれ、下縁部421の端面403に沿って延びるように形成されている。また、第4後切り欠き部434は、下縁部421の端面403及び内面401において開放される断面円弧状に形成されている。これら第4後切り欠き部434により、収容されたゲーム装置1のスピーカ孔11a,11bは下縁部421によって塞がれずに、開状態において外部に露出するようになっている。そして、スピーカ孔11a,11bからの音は、第4後切り欠き部434を通過して、外部に発せられるようになっている。
【0081】
図11に示すように、側壁部42の高さは、ゲーム装置1の周縁面103の高さの概ね2/3程度である。すなわち、ゲーム装置1が収容されたとき、ゲーム装置1の周縁面103の最外部、つまり円弧の頂部Pよりもやや前側まで延びている。これにより、側壁部42において、ゲーム装置1の周縁面103の最外部Pよりも前側の部分が抜け止めとなり、後述するように、カバー2において、ゲーム装置1が後カバーから離脱しないようになっている。
【0082】
次に、側壁部42の肉厚について説明する。側壁部42のうち、右側縁部422及び左側縁部423の肉厚は、下縁部421、右下隅部424及び左下隅部425の厚みよりも小さくなっている。これは、右側縁部422及び左側縁部423は、ユーザが把持するゲーム装置1の右端部及び左端部に対応する位置だからである。つまり、後述するように、ゲーム装置1が、カバー2に収容されたままでゲームを行う場合には、ユーザは、右側縁部422及び左側縁部423を介してゲーム装置1の右端部及び左端部を把持することになる。このとき、右側縁部422及び左側縁部423の肉厚が大きすぎると、ユーザが違和感を感じるため、右側縁部422及び左側縁部423の肉厚は、小さくしており、例えば、1.0mm~2.5mm程度としてもよく、さらに、1.6~1.8mm程度としてもよい。
【0083】
一方、下縁部421は、上記のように後切り欠き部431~434が形成されるため、これら後切り欠き部431~434が形成されても強度を保つことができるように、右側縁部422及び左側縁部423よりも肉厚を大きくしており、例えば、1.5~3.3mm程度してもよく、さらに、2.0~2.5mmとすることができる。また、右下隅部424及び左下隅部425の肉厚は、下縁部421から右側縁部422及び左側縁部423へいくにしたがって、徐々に小さくなるように形成されている。なお、後述の通り、後カバー部材4は、後カバーシート71で覆っても良く、このときには、上記両側縁部422,423及び下縁部421の肉厚は、後カバーシート71も含めた厚みが上記の範囲となるようにしてもよい。
【0084】
次に、基部41について説明する。上記のように、基部41は、ゲーム装置1の第2主面102に接するように構成されている。また、基部41において、ゲーム装置1の右上隅面153及び左上隅面163に対応する位置には、
図10に示すように、後側に延びる延在部441、442がそれぞれ連結されている。各延在部441、442は、ゲーム装置1の第2主面102に形成された突出部34,35を覆うような曲面により形成されており、さらにZRボタン51及びZLボタン39の後縁よりもやや後側まで延びている。したがって、後述する
図27に示すように、ゲーム装置1が収容された状態で、後カバーを設置面に載せたときには、各延在部441,442の後縁が設置面に接し、ZLボタン39及びZRボタン51が設置面に接するのを抑制するようになっている。
【0085】
また、ユーザがカバー2に収容されたゲーム装置1の両端部を把持する際に、延在部441、442に指を引っ掛けることができるため、把持しやすいという利点がある。さらに、
図7及び
図8に示すように、延在部441、442の縁部441a,441bは、なめらかな曲線によって構成されている。これによって、ゲームのプレイ時に、ユーザの指が延在部の縁部に触れたときの、不快感を抑制することができる。
【0086】
また、基部41には、ゲーム装置1が収容されたとき、その第2主面102に形成された一対の吸気口59に対応する位置に、貫通孔411が形成されている。各貫通孔411は、吸気口59に合わせた形状、つまり幅が細く、左右方向に延びる溝状に形成されており、基部41を貫通して外部に開放されている。
【0087】
さらに、
図8及び
図9の拡大図に示すように、側壁部42の内面には、基部41との境界に沿って延びる第1薄肉部428が形成されている。これにより、第1薄肉部428と基部41との境界、及び第1薄肉部428と、これよりも端面403側の領域(以下、端部領域429という)との境界には段差が形成されている。この第1薄肉部428には、後述するように、前カバーシート71が配置され、このときに、前カバーシート71と基部41とが面一になるように、第1薄肉部428の深さが調整されている。
【0088】
また、
図8に示すように、基部41の内面において、上縁部に沿う領域には、第2薄肉部412が形成されている。これにより、第2薄肉部412と、これよりも下縁部側の領域(以下、内部領域413という)との境界には段差が形成されている。この第2薄肉部412には、後述するように、前カバーシート71及び後カバーシート72がこの順で積層され、このときに、前カバーシート72と基部41の内部領域413とが面一になるように、第2薄肉部412の深さが調整されている。
【0089】
<2-1-2.後カバーシート>
次に、後カバーシート71について説明する。後カバーシート71は、樹脂製のシート、織布などにより形成され、後カバー部材4の外面402及び端面403の全体と、内面401の一部に貼り付けられる。特に、後カバーシート71を織布によって形成すると、カバー2を手で把持したときに滑りにくく、さらに指紋が付着しにくいという利点がある。
【0090】
図12は後カバーシートで覆われた後カバー部材の内面の平面図、
図13は
図12のC-C線断面図である。
図12では、後カバーシート71をグレーで示している。
図12及び
図13に示すように、後カバーシート71は、後カバー部材4の外面402を覆い、さらに、側壁部42の端面403で折り返され、内面401側へ延びている。そして、第1薄肉部428を含む側壁部42を覆うように延びている。また、基部41の上縁部においても折り返され、延在部441,442の内面及び第2薄肉部412を覆うように延びている。したがって、後カバーシート71は、後カバー部材4において、概ね、基部41の内部領域413以外の全てを覆うように構成されている。なお、後カバーシート71は、ホットメルトなどの接着剤、両面テープなどによって、後カバー部材4に接着することができる。
【0091】
<2-1-3.前カバー部材>
次に、前カバー部材について、
図14~
図19を参照しつつ説明する。
図14は前カバー部材を前側から見た斜視図、
図15は開状態にある前カバー部材の斜視図、
図16は開状態にある前カバー部材内面の平面図、
図17は
図16のD-D線断面図及び一部拡大図、
図18及び
図19は閉状態にあるカバーの断面図である。なお、
図15及び
図16は、カバーを開状態にしたと仮定したときに前側から見た図であるため、図面の向きは、
図5の基準に対し上下が逆になる。
【0092】
図14~
図19に示すように、前カバー部材6は、樹脂材料、金属などで構成されており、主としてゲーム装置1の第1主面101を覆う部材である。具体的には、前カバー部材6は、矩形状に形成された板状の基部61と、この基部61の周縁から延びる平面視枠型の側壁部62とを備えている。以下、側壁部62及び基部61について詳細に説明する。
【0093】
まず、側壁部62について説明する。
図17に示すように、側壁部62は、外側に凸となるように断面円弧状に形成されており、内面601、外面602、及びこれら内面601と外面602の先端を連結する端面603によって構成されている。また、
図16に示すように、側壁部62は、ゲーム装置1の下縁面123、上縁面113、右側縁面133、左側縁面143、右下隅面173、及び左下隅面183と対応する、上縁部621、下縁部622、右側縁部623、左側縁部624、右上隅部625、左上隅部626、右下隅部627、及び左下隅部628を備えている。すなわち、側壁部62は、ゲーム装置1の周縁面103の全周を囲むように形成されている。
【0094】
本実施形態においては、下縁部622には、閉状態において、後カバー部材4の第2及び第3後切り欠き部432,433と対応する位置に、これら第2及び第3後切り欠き部432,433と同形状の、第1前切り欠き部631及び第2前切り欠き部632がそれぞれ形成されている。より詳細に説明すると、第1及び第2前切り欠き部631,632は、それぞれ、下縁部622に沿って延びるように形成されている。また、
図16の拡大図に示すように、第1及び第2前切り欠き部631,632は、下縁部622の端面603及び内面601において開放される断面矩形状に形成され、これら各前切り欠き部631,632には、上述した磁石45と同形状の直方体状の磁石65が配置される。磁石65は、接着剤によって各切り欠き部631,632に固定される。したがって、磁石65は、下縁部622の端面603及び内面601において、露出するように配置される。そして、閉状態では、後カバー4の磁石45と前カバー6の磁石65とが対向する位置に配置されるため、これら磁石45,46の磁力によって、閉状態が維持される。
【0095】
さらに、
図16及び
図17の拡大図に示すように、側壁部62における上縁部621以外の内面601には、端面603から延びる、肉厚の薄い薄肉部633が形成されている。これにより、側壁部62の上縁部621以外の内面601において、薄肉部633とそれよりも内側の領域(以下、内部領域634という)との境界には段差が形成されている。なお、側壁部の上縁部621の内面には、薄肉部は形成されていない。また、薄肉部633の全体に亘って、内部領域634からの深さは同じである。後述するように、薄肉部633には、前カバーシート72が配置され、前カバーシート72が配置されたときに、内部領域634と前カバーシート72の表面とが面一になるように、その深さが調整されている。
【0096】
側壁部62の高さは、次のように調整されている。すなわち、
図18に示すように、前カバー部材6の端面603と後カバー部材4の端面403同士が前カバーシート72及び後カバーシート71を介して接し、閉状態となったときに、ゲーム装置1の第1主面101と基部61との間に隙間が形成され、且つ側壁部62の内面601が前カバーシート72及び内側カバーシート73を介して、ゲーム装置1の周縁面103にわずかに接するように調整されている。したがって、閉状態のとき、側壁部62の端面603は、ゲーム装置1の周縁面103の最外部、つまり円弧の頂部Pには達していない。したがって、前カバー部材6の側壁部62は、後カバー部材4の側壁部42とは異なり、抜け止めは構成していない。
【0097】
なお、上縁部621の高さも、ゲーム装置1の上縁面113の最外部には達していない。さらに、他の側壁部62の高さ以下の高さとされていてもよい。本実施形態においては、後カバー部材4の、ゲーム装置1の上縁面113に対応する位置には側壁部42は設けられておらず、したがって、カバー2が閉状態となったときには、上縁部621の端面603はどこにも接していない。しかしながら、上縁部621の存在によって、前カバー600を閉じる際の位置決めが容易となり、また、閉状態において前カバー600がグラつくのを抑制できる。
【0098】
また、閉状態のとき、側壁部62の端面603と、後カバー部材4の側壁部42の端面403とが、安定的に接するようにするため、
図18に示すように、前カバー部材6の側壁部62の肉厚と、後カバー部材4の側壁部42の肉厚は同じとされてもよい。
【0099】
次に、基部61について説明する。
図14~
図19に示すように、基部61の内面には、上述したジョイスティック32,52と対向する位置に窪み部611、612が形成されている。これら窪み部611、612によって、カバー2が閉状態のときに、基部61の内面601がジョイスティック32,52と干渉するのが抑制される。各窪み部611、612は、平面視円形状に形成され、中心から周縁に向かって深さが緩やかに浅くなるように形成されている。そして、カバー2の閉状態においては、各ジョイスティック32,52の軸線の延長上に、窪み部611、612の中心が配置されるように構成されている。また、各窪み部611、612の周縁付近の一部は、側壁部62の内面601にまで達している。以下では、説明の便宜のため、基部61の内面601において、窪み部611、612が形成されている以外の領域をメイン領域613と称することとする。上記のように、カバー2が閉状態のとき、基部61の内面601とゲーム装置1の第1主面101との間には隙間が形成されているが、これにより、メイン領域613は、ジョイスティック32,52以外の各種ボタン33,37,47,53~58と干渉するのが抑制される。但し、
図19に示すように、この隙間では、ジョイスティック32,52とは干渉してしまうため、ジョイスティック32,52と対応する位置には、窪み部611、612が形成されている。なお、窪み部611、612の形状は平面視円形状でなくともよい。このとき、カバー2の閉状態において、各ジョイスティック32,52の延長上または軸線の延長上に、窪み部611、612の最も深い箇所が配置されるように構成されてもよい。
【0100】
一方、基部61の外面602は、窪み部611、612と対応する部分が、メイン領域613と対応する部分から膨出している。すなわち、基部61の外面602には、窪み部611、612の形状に沿うように、周縁から中心に向かって緩やかに高くなる膨出部651,652が形成されている。つまり、膨出部651,652は窪み部611,612の反対側に位置し、窪み部611,612と膨出部651,652とは、基部61の表裏の位置関係にある。なお、膨出部651,652の形状は、窪み部611,612の形状に沿っていなくともよい。すなわち、膨出部651,652の形状は、窪み部611,612の形状と、例えば相似形でなくともよい。また、窪み部611,612の最も深い位置と、膨出部651,652の最も高い位置とが一致していなくてもよく、両者が概ね反対の位置にある限り、ずれていてもよい。
【0101】
<2-1-4.前カバーシート>
続いて、前カバーシート72について、
図20及び
図21を参照しつつ説明する。前カバーシート72は、樹脂製のシート、織布などにより形成されているが、織布であれば、後カバーシート71において説明したのと同様の利点がある。なお、デザインの統一性の観点から、前カバーシート72と後カバーシート72とは同一の素材としてもよく、また、同一または関連するデザインとしてもよい。
【0102】
図20は前カバーシートで覆われた前カバー部材の内面の平面図、
図21は
図20のE-E線断面図、
図22は
図20のF-F線断面図である。これらの図では、前カバーシート72をグレーで示している。前カバーシート72は、前カバー部材6を覆う第1部位721と、この第1部位721から後カバー部材側へ延びる第2部位722と、を備えている。第1部位721は、前カバー部材6の外面602を覆い、さらに、側壁部62のうち、上縁部621以外の端面603で折り返され、内面601の薄肉部633を覆うように延びている。
【0103】
また、
図22に示すように、第1部位721において、側壁部62の上縁部621と対応する部分は、上縁部621の外面602及び端面603を覆っている。そして、第1部位721において、上縁部621の端面603に対応する部分には、第2部位722が一体的に連結されている。第2部位722は、帯状に形成されている。より詳細には、第2部位722は、前カバー部材6の側壁部62の上縁部621から突出し、その端部が、後カバー部材4の基部41の第2薄肉部412を覆うように構成されている。第2部位722のうち、後カバー部材4を覆う部分以外は、前カバー部材6と後カバー部材4との間で延びる部分であり、この部分が、ゲーム装置1の上縁面113を覆うようになっている。このように、前カバーシート72は、前カバー部材6において、概ね側壁部62の内部領域634及び基部61の内面以外の全てを覆い、さらに第2部位722が後カバー部材4まで延びるように構成されている。なお、前カバーシート72は、ホットメルトなどの接着剤、両面テープなどによって、前カバー部材6に接着することができる。
【0104】
<2-1-5.内側カバーシート>
次に、内側カバーシート73について、
図23及び
図24を参照しつつ説明する。内側カバーシート73は、樹脂製のシート、織布、不織布などによって形成される。但し、内側カバーシート73は、主として、ゲーム装置の第2主面102と接触し、第1主面101と接触し得るため、柔らかな材料で形成されてもよい。
【0105】
図23は、後カバー部材及び前カバー部材に貼り付けられた内側カバーを示す平面図、
図24は閉状態にあるカバーの断面図である。なお、
図23では、前カバーシート72及び後カバーシート71を省略して示している。
図23に示すように、内側カバーシート73は、前部731、中間部732、及び後部733を備え、これらが一体的に連結されるように形成されている。前部731は、前カバー部材6の概ね内面601全体を覆うように形成されている。すなわち、前部731は、薄肉部633に配置された前カバーシート71を覆うようになっている。上記のように、薄肉部633には前カバーシート72が積層され、薄肉部633と端部領域634との段差が埋められて面一になる。そのため、
図24に示すように、その上に貼り付けられる内側シート73の前部731には段差が形成されない。
【0106】
中間部732は、前カバーシート72の第2部位722とほぼ同じ形状に形成されており、第2部位722の内面を覆うようになっている。そして、後部733は、後カバー部材4の基部41の内面401及び第1薄肉部428を覆うように構成されている。上記のように、第1薄肉部428には後カバーシート71が積層され、第1薄肉部428と内側領域413との段差が埋められて面一になる。同様に、第2薄肉部412には後カバーシート71及び前カバーシート72がこの順で積層され、第2薄肉部412と内側領域413との段差が埋められて面一になる。そのため、
図24に示すように、その上に貼り付けられる内側シート73の後部733には段差が形成されない。
【0107】
このように内側カバーシート73が貼り付けられることで、後カバー部材4の側壁部42の端部領域429、及び延在部441,442に貼り付けられた後カバーシート71は露出するようになっている。また、後部733には、後カバー部材6の貫通孔411と対応する位置に、貫通孔734が形成されている。このように構成された内側カバーシートは、ホットメルトなどの接着剤、両面テープなどによって、前カバー部材6に接着することができる。
【0108】
<2-2.カバーの組み立て方法>
次に、上記のように構成されたカバーの組み立て方法について説明する。
図24は、まず、後カバー部材4の第2及び第3後切り欠き部432,433に磁石45を接着剤により固定する。次に、
図12に示すように、この後カバー部材4に接着剤等によって後カバーシート71を貼り付ける。このとき、後カバー部材4の第1切り欠き部431及び第4切り欠き部434に沿うように後カバーシート71が貼り付けられる。なお、第2及び第3後切り欠き部432,433には、磁石45が配置されているため、この磁石45の外面に沿って後カバーシート71が貼り付けられる。これにより、磁石45は、後カバーシート71によって覆われ、外部から見えないようになっている。後カバー部材4のその他の部分については、上述したとおりに、後カバーシート71が貼り付けられる。
【0109】
続いて、前カバー部材6の第1及び第2前切り欠き部631,632に磁石65を接着剤により固定する。次に、
図20に示すように、この前カバー部材6に接着剤等によって前カバーシート72を貼り付ける。このとき、第1及び第2前切り欠き部631,632には、磁石65が配置されているため、この磁石65の外面に沿って前カバーシート72が貼り付けられる。これにより、磁石65は、前カバーシート72によって覆われ、外部から見えないようになっている。前カバー部材6のその他の部分については、上述したとおりに、前カバーシート72が貼り付けられる。第2部位722は、前カバー部材6の側壁部62における上縁部621の端面から外部に延びている。なお、後カバー部材4及び前カバー部材6が、後カバーシート71及び前カバーシート72によって覆われることで、磁石45,65が逸失するおそれが抑制される。
【0110】
続いて、第2部位722の端部を、後カバー部材4の第2薄肉部412に貼り付ける。第2薄肉部412には、既に後カバーシート71が貼り付けられているため、第2部位722は、この後カバーシート71の上に貼り付けられる。これに続いて、
図23に示すように、内側カバーシート73を貼り付ける。内側カバーシート73は、上述したとおり、前カバー部材6の内面601全体、第2部位722の内面、及び後カバー部材4の基部41及び第1薄肉部428に貼り付けられる。このとき、内側カバーシート73は、後カバー部材4の第1薄肉部428に貼り付けられた後カバーシート71、第2薄肉部412に貼り付けられた前カバーシート72及び後カバーシート71を覆うように貼り付けられる。こうして、
図24に示すように、カバー2が完成する。
【0111】
<2-3.組み立て後のカバー>
次に、組み立て後のカバーについて、
図25も参照しつつ説明する。
図4及び
図5に示すように、カバー2は、前カバー600、後カバー400、及び接続部700によって構成されている。前カバー600は、前カバー部材6と、前カバーシート72及び内側カバーシート73のうち、前カバー部材6を覆う部分と、によって構成される。後カバー400は、後カバー部材4と、後カバーシート71及び内側カバーシート73のうち、後カバー部材4を覆う部分と、によって構成される。また、接続部700は、前カバーシート72の第2部位722において、前カバー部材6及び後カバー部材4からはみ出している部分と、このはみ出している部分に貼り付けられた内側カバーシート73と、によって構成されている。
【0112】
したがって、このカバー2は、接続部700がヒンジとなって、前カバー600及び後カバー400が閉状態及び開状態を取り得るように構成される。閉状態においては、前カバー600、後カバー400、及び接続部700によって、ゲーム装置1を収容する内部空間が形成される。また、後カバーにおいて、延在部が設けられている部分には側壁部が設けられていないため、
図25に示すように、カバーが組み立てられ、閉状態にあるときには、接続部の両側に開口が形成される。そして、これら開口801,802からは、ゲーム装置1のRボタン50、ZRボタン51、Lボタン38、及びZLボタン39が露出する。より詳細には、Rボタン50、ZRボタン51、Lボタン38、及びZLボタン39に対する押し操作が行われるボタン表面(換言すると、これらボタンの上側表面)の少なくとも一部が露出される。
【0113】
上記のように、前カバー600は、前カバー部材6と前カバーシート72、及び内側カバーシート73によって構成されているが、以下では、説明の便宜のため、前カバー600を構成する各部位は、前カバー部材6の部位として説明する。例えば、前カバー600において、前カバー部材6の側壁部62の端面603と対応する部分を、単に、「前カバー600の端面603」と称することとする。この点は、後カバー400においても同様である。
【0114】
<2-4.カバーの使用方法>
続いて、カバーの使用方法について説明する。まず、カバー2を開状態にする。カバー2を開状態にするには、接続部700をヒンジとして前カバー600を後カバー400から旋回させる。接続部700は、前カバーシート72と内側カバーシート73によって形成されているため、フレキシブルに変形可能である。したがって、前カバー600は、後カバー400の外面と接するまで、約360度の旋回が可能である。そして、後カバー400の上縁部が開放されるまで、接続部700及び前カバー600を旋回させる。
【0115】
続いて、
図26に示すように、ゲーム装置1の下縁面123を、後カバー400の上縁部と対応する位置に配置し、この状態から、ゲーム装置1を下方にスライドさせる。これにより、ゲーム装置1の周縁面103のうち、上縁面113、右上隅面153、及び左上隅面163以外の面が、後カバー400の側壁部42と接し、
図4に示すように、ゲーム装置1が、後カバー400に固定される。上述したように、後カバー400の側壁部42は抜け止めとして機能するため、例えば、後カバー400を裏返してゲーム装置1を下方に向けてもゲーム装置1は離脱しない。なお、側壁部42は樹脂材料等で形成され、弾性変形可能であるため、ゲーム装置1を側壁部42の端面403上に配置し、そのまま基部41に向かって後方へ、押し込めば、ゲーム装置1を後カバー400の側壁部42の内面に嵌め込むこともできる。
【0116】
こうして、ゲーム装置1を後カバー400に固定した状態で、前カバー600を閉じる。すなわち、前カバー600を旋回し、前カバー600の端面603と後カバー400の端面403を磁石45,65によって吸着することで、前カバー600と後カバー400とを固定する。このとき、
図27に示すように、接続部700は、ゲーム装置1の周縁面103の上縁面113の少なくとも一部を覆うため、その両側の開口801,802からRボタン50、Lボタン38、ZRボタン51、及びZLボタン39が外部に露出するようになっている。こうして、ゲーム装置1が、カバー2に収容される。また、この状態でカバー2を設置面Tに載置したときには、延在部441,442が設置面Tに接し、ZRボタン51及びZLボタン39は、設置面Tに接しないため、これらのボタン39,51が負荷を受けるのを抑制することができる。このとき、第1後切り欠き部431を介して下側端子27が露出しているため、閉状態のままで、下側端子27に充電器などを接続して充電を行うことができる。
【0117】
そして、ゲーム装置1を使用する際には、カバー2を開状態にする。すなわち、前カバー600と後カバー400の固定状態を解除し、
図28に示すように、前カバー600を、接続部700を介して、後カバー400の上縁から垂れ下がった状態まで旋回する。そして、カバー2の両側を、両手で把持し、プレーを行う。このとき、ゲーム装置1の第1主面101、周縁面103の上縁面113、右上隅面153、及び左上隅面163は、外部に開放されるため、これらの面に配置されたボタン38,39,50,51は、指で操作することができる。また、ゲーム装置1の上縁面も外部に開放されるため、スロット23、音声入出力端子25、電源ボタン28、及び音量ボタン29は外部に露出される。したがって、これらの操作も行うことができる。
【0118】
また、開状態においては、後カバー400の第4後切り欠き部434を介して、ゲーム装置1のスピーカ孔11a,11bが外部に露出するため、ゲーム装置1から発せられる音を聴くことができる。
【0119】
<3.特徴>
本実施形態に係るカバーによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)前カバー600の内面に、ジョイスティック32,52と対応する位置を含むように窪み部611、612が形成されているため、閉状態において、前カバー600がジョイスティック32,52と接触するのを抑制することができる。これにより、ジョイスティック32,52に負荷が作用することを抑制することができる。その一方で、前カバー600の外面において、窪み部611、612の反対側の位置を含むように膨出部が形成されているため、前カバー600の外面において膨出部651,652以外の外面はゲーム装置1の第1主面101に膨出部651,652よりも近接する。このように、前カバー600は、ジョイスティック32,52が設けられている位置だけが膨出しているため、ジョイスティック32,52に不要な負荷が作用するのを避けつつ、全体としてコンパクトにすることができる。すなわち、ゲーム装置1の形状に適したカバー2を提供することができる。
【0120】
(2)後カバー400の側壁部42が、ゲーム装置1の周縁面103の少なくとも下縁面123及び一対の側縁面133,143の3箇所で係合するため、ゲーム装置1を固定することができる。特に、ゲーム装置1の下縁面123が側壁部42の下縁部421と係合するため、例えば、ゲーム装置1の下縁面123を鉛直方向の下方に向けた状態でプレイする場合に、ゲーム装置1がプレイ中に後カバー400から下方に離脱するのを抑制することができる。さらに、接続部700は、閉状態において、ゲーム装置1の上縁面113を覆う位置に配置される。したがって、カバー2の上縁部からのゲーム装置1の離脱も抑制することができる。
【0121】
(3)後カバー400の側壁部42が上縁部に設けられておらず、且つ側壁部42が前方への抜け止めとして機能しているため、側壁部42に対し、ゲーム装置1を上方からスライドさせながら、後カバー400に取り付けることができる。したがって、ゲーム装置1の取付が容易である。
【0122】
(4)カバー2を閉状態にするときには、前カバー600と後カバー400の端面403,603同士を磁石45,65によって固定しているため、カバー2をよりコンパクトにすることができる。また、両カバー400,600の閉状態を維持するために、磁石45,65でのみ固定しているため、前カバー600を開くだけで、開状態にすることができる。すなわち、1つの操作のみで、カバー2を開状態にすることができるため、操作が簡単である。なお、磁石以外にも閉状態を保持する構成を設けてもよく、このときも、少なくとも磁石による固定状態の解除は容易におこなうことができる。
【0123】
(5)接続部700がシート72,73によって形成されているため、閉状態にするときの前カバー600の旋回角度に制限がなく、ユーザの好みの状態まで旋回させることができる。また、カバー2を手で把持したときに、開状態にすると、前カバー600の重量により、接続部700が後カバー400から垂れ下がった状態になる。すなわち、前カバー600の重量により自然と開状態を維持することができる。さらに、接続部700が、後カバー400と前カバー600を覆うシート72、73のみによって形成されているため、部品点数の増加を抑制することができる。
【0124】
(6)前カバー600を開いたときに、接続部700も同時に後カバー400から離れるように旋回するため、開状態においては、後カバー400の上縁部からゲーム装置1の上縁面113を露出させることができる。そのため、ゲーム装置1の上縁面113にある各種のインターフェースを操作することができる。
【0125】
(7)前カバー600及び後カバー400を覆う前カバーシート72及び後カバーシート71は限定されないが、例えば、織布によって覆うと、指紋が目立たないという利点がある。また、これらのカバーシート71,72によって磁石45,65を隠すことができ、外観をよくすることができる。さらに、内側カバーシート73を、カバーシート71,72よりも柔らかいシート材で形成することで、ゲーム装置の保護効果を高め得る。また、カバーシート71~73の材料、表面に付される装飾、デザイン等を適宜変更することができるため、これによって、カバーのデザインを容易に変更することができる。したがって、カバーシート71~73のみを変更するだけで、要求されるカバー2のデザインに容易に対応することができる。
【0126】
(8)ゲーム装置1を収容したときにスピーカ孔11a,11bと対向する位置に、第4切り欠き部434が形成されているため、スピーカ孔11a,11bが塞がれるのが抑制され、外部に開放することができる。したがって、スピーカ孔11a,11bから出力される音を聞きやすくすることができる。特に、この切り欠き部434は、断面円弧状に形成されているため、音がスムーズに流れやすい。さらに、この切り欠き部434は、断面円弧状に形成されており、切り欠き部434内に鋭利な角が形成されていないため、後カバーシート71を貼り付け易いという利点もある。なお、この第4切り欠き部434は、下縁部421の端面403及び内面401に設けられているため、カバー2の閉状態においては外部に露出されない。したがって、カバー2の閉状態において、第4切り欠き部434が他のものに引っかかるようなことが抑制される。
【0127】
(9)ZRボタン51及びZLボタン39は、ゲーム装置1の第2主面102から後方へ突出しているため、例えば、前カバー600がこれらのボタン39,51も覆うように設けられると、前カバー600を開く際に、これらのボタン39,51に引っかかりやすくなり、前カバー600が開きにくくなるおそれがある。また、前カバー600を開く際に、これらのボタン39,51との干渉を抑制するため、接続部700を長く形成することも考えられるが、このようにすると、開状態において、前カバー600が後カバー400からかなり垂れ下がり、ゲーム装置1の操作時に邪魔になるおそれがある。これに対して、本実施形態に係るカバー2では、閉状態であっても、ゲーム装置1のZRボタン51及びZLボタン39を覆わず、開口801,802を形成して、これらのボタン39,51を露出させている。より詳細には、ZRボタン51、及びZLボタン39に対する押し操作が行われるボタン表面の少なくとも一部は、カバー2が閉状態であっても覆われることなく露出される。これらのボタン39,51に前カバー600が干渉することを抑制でき、前カバー600を開きやすくすることができる。また、接続部700を長くする必要がなく、ゲーム装置1の操作性が悪化するのを抑制することができる。
【0128】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0129】
<A.本開示の第1のカバーについて>
(A-1)上記実施形態では、ゲーム装置1の第1主面101から突出するジョイスティック32,52を覆うように窪み部611,612が設けられているが、窪み部はジョイスティック32,52以外の操作部を覆うものであってもよい。例えば、ゲーム装置の第1主面101に、ジョイスティック32,52以外の各種ボタン(十字キー33等)よりも高く突出するボタンや、押圧操作だけでなく横方向にも操作可能に突出する操作部等が設けられている場合には、これらを覆うものであってもよい。
【0130】
上記実施形態では、窪み部611,612は、平面視円形状に形成されているが、ジョイスティックを覆うような形状であれば、これ以外の形状であってもよい。同様に、膨出部651,652の形状も平面視円形状ではなくてもよい。特に、膨出部651,652は、前カバー部材6の外面602に形成されるため、何らかのキャラクタ等の造形であってもよい。また、窪み部611,612は、ジョイスティック32,52の全体を覆う形状でなくてもよく、少なくとも一部が覆われていればよい。
【0131】
(A-2)上記実施形態では、後カバー400の側壁部42における一対の側縁部422,423及び下縁部421が、ゲーム装置1の周縁面103に係合し、抜け止めとして機能しているが、これに限定されず、側壁部42の一部が周縁面103に係合していればよい。例えば、一対の側縁部422,423のみが周縁面103に係合し、下縁部421は、単に周縁面103に接するだけでもよい。なお、上記実施形態では、側壁部42に上記のような抜け止めを形成することで、側壁部42と周縁面103とが係合しているが、本発明に係る「係合」は、前後方向で周縁面103の離脱を抑制するような抜け止め以外でもよく、側壁部42が周縁面103と接触しつつ、ゲーム装置1を側壁部42に保持できるような態様であればよい。例えば、周縁面103のいずれかを側壁部42が押圧することで、ゲーム装置1を側壁部42に保持できればよい。また、例えば、側縁部422,423がゲーム装置1に係合する場合、側縁部422,423全体がゲーム装置1に係合していなくてもよく、側縁部422,423の一部がゲーム装置1に係合していてもよい。この点は、下縁部421が係合する場合でも同じである。
【0132】
(A-3)後カバー400の側壁部42は、ゲーム装置1の周縁面103に沿うように連続的に形成されたものでなくてもよく、例えば、側壁部42は、ゲーム装置1の下縁面123、右側縁面133、左側縁面143の、それぞれの面の少なくとも一部に対応(対向)するような、下縁部、右側縁部、左側縁部を備えるように、所定間隔をおいて形成されたものであってもよい。この点は、前カバー600の側壁部62についても同様である。また、後カバー400の側壁部42が設けられた位置と対応する位置にのみ、前カバー600の側壁部62が設けられてもよい。さらに、前カバー600の上縁部621はなくともよい。
【0133】
また、各カバー400,600の側壁部42,62は、上記実施形態のように、基部41,61の周縁から折り返されたような形態だけでなく、例えば、各基部41,61を、ゲーム装置1の主面101,102よりも大きく形成し、基部41,61の周縁よりも内側から側壁部42,62が起立するような形態であってもよい。
【0134】
(A-4)上記実施形態では、前カバー600及び後カバー400のそれぞれに側壁部62,42が設けられているが、例えば、後カバー400のみに側壁部を設け、前カバー600は基部だけ設けてもよく、反対に、前カバー600にのみ側壁部を設け、後カバー400は基部だけ設けてもよい。
【0135】
(A-5)上記実施形態において、各カバー部材4,6に形成された薄肉部412,428,633は、内側カバーシート73を貼り付ける際に、段差が形成されないようにするためのものであるため、その限りにおいては種々の変更が可能である。例えば、薄肉部412,428,633は、カバー部材4,6の肉厚を薄くするものではなく、各カバー部材4,6の外面において、薄肉部412,428,633と対応する部分が、外部に膨出するような態様であってもよい。また、薄肉部412,428,633は、基部41,61、側壁部42,62、だけでなく、基部と側壁部の両方に亘るように形成されてもよい。
【0136】
(A-6)上記実施形態では、後カバー部材4及び前カバー部材6を3つのカバーシート71~73によって覆うことで、カバー2を構成しているが、カバーシートの形態は特には限定されず、カバーシートの形状、数、材料、デザイン等は適宜変更することができる。また、これに合わせて薄肉部の等の段差を埋めるための形態も適宜変更することができる。さらに、カバーシート71~73は必ずしも必要ではなく、カバー部材4,6と、これらを接続する接続部700だけでカバー2を構成することもできる。この場合、接続部700は、例えば、カバー部材4,6と同様の樹脂材料で形成してもよいし、あるいはシート材で形成してもよく、特には限定されない。
【0137】
(A-7)窪み部611,612を含む前カバー600の内面601は、ゲーム装置1の第1主面101のディスプレイ12、ジョイスティック32,52、各種ボタン(十字キー33等)等から完全に離間していなくてもよく、わずかに接触していてもよい。
【0138】
(A-8)上記実施形態では、各カバー400,600の端面403,603同士を接触させ、磁石45,65によって閉状態を保持するように構成しているが、閉状態において接触する部分は特には限定されず、各カバー400,600の基部41,61または側壁部42,62のいずれかの部分が接触していればよい。また、閉状態を保持する構成も特には限定されず、例えば、他の部材を設けて両カバー400,600を固定することもできる。
【0139】
(A-9)スピーカ孔11a,11bに対応する切り欠き部434の形態は特には限定されず、下縁面123対向する位置に設けられ、切り欠き部434を介してスピーカ孔11a,11bが外部に露出する形態であればよい。また、このような切り欠き部は必ずしも必要ではなく、設けなくてもよい。あるいは、側壁部42の高さを低くして、スピーカ孔11a,11bを露出させてもよい。
【0140】
(A-10)延在部441,442の形態も特には限定されず、基部41から延びるように設けられる部位であって、少なくともゲーム装置1の突出部34,35の一部を覆っていればよい。
【0141】
(A-11)上記実施形態では、前カバー600において、ジョイスティック32,52を覆う部分にのみ膨出部611,612が形成されているが、前カバー600の外面602においては、膨出部611,612以外の部分が膨らんでいてもよく、平坦に形成するほか、適宜凹凸を形成することができる。例えば、前カバー600の外面に描かれたキャラクタの顔などの造形に合わせて、前カバー600の全体に亘って凹凸が形成されてもよい。このとき、例えば、ジョイスティック32,52と対応する部分にキャラクタの目を配置し、この部分が前カバー600において最も突出するように形成することができる。
【0142】
(A-12)上記実施形態では、前カバー600に孔が形成されていないが、少なくとも1つの孔を形成し、閉状態において、各孔から、ゲーム装置1の一部が露出するようにしてもよい。
【0143】
(A-13)上記実施形態では、カバー2を、ゲーム装置1に適用したが、本発明に係る携帯用電子機器は、ゲーム装置に限定されず、スマートフォンなどの各種携帯用電子機器に適用することができる。
【0144】
<B.本開示の第2のカバーについて>
(B-1)上記実施形態では、前カバー600に、窪み部611,612と膨出部651,652とを設けているが、前カバー600の構成は特には限定されず、必ずしも凹凸が設けられていなくてもよい。すなわち、少なくとも前カバー600の内面601が、ゲーム装置1のディスプレイ12,ジョイスティック32,52、ボタン等に不要な負荷が作用しないように構成されていればよい。
【0145】
(B-2)延在部441,442は、必ずしも必要ではなく、設けなくてもよい。また、カバー2を閉状態にしたときの開口801,802も必ずしも必要ではなく、ZLボタン39、ZRボタン51が、前カバー600、後カバー400、及び接続部700のいずれかに覆われてもよい。あるいは、後ろカバー400の右上隅部および左上隅部に予め開口が設けられており、この開口を通じてZLボタン39、ZRボタン51が露出されてもよい。さらには、前カバー600と後カバー400とは閉じ状態においても接触をしない態様とされ、この前カバー600と後カバー400との隙間からZLボタン39、ZRボタン51が露出されてもよい。
【0146】
(B-3)第2のカバーは、ジョイスティック32,52のような高く突出する操作手段、ZLボタン39、ZRボタン51が設けられていないゲーム装置1にも適用することができる。
【0147】
(B-4)上述したA-2,A-3,A-5,A-6,A-8,A-9,A-11,A-12,A-13は、本開示の第2のカバーにも適用することができる。
【0148】
<C.本開示の第3のカバーについて>
(C-1)上述したA-2,A-3,A-4,A-5,A-6,A-8,A-9,A-10,A-11,A-12,A-13,B-1は、本開示の第3のカバーにも適用することができる。
【0149】
(C-2)第3のカバーは、ジョイスティック32,52のような高く突出する操作手段が設けられていないゲーム装置1にも適用することができる。
【0150】
<D.本開示の第4のカバーについて>
(D-1)上記実施形態では、後カバー部材4及び前カバー部材6を3つのカバーシート71~73によって覆うことで、カバー2を構成しているが、カバーシートの形態は特には限定されず、カバーシートの形状、数は適宜変更することができる。例えば、後カバー部材4及び前カバー部材6の両方を一体的な少なくとも1つのシートで覆うこともできる。また、各カバー部材4,6の内面を覆う少なくとも1つの内面シート、各カバー部材4,6の外面を覆う少なくとも1つの外面シートを設けることもできる。何れの場合も、いずれかのシートの一部によって接続部700を形成することができる。さらに、上述したシートは、各カバー部材4,6を完全に覆っていなくてもよく、カバー部材4,6の一部が露出していてもよい。また、各カバーシートは、複数のシートを積層したものであってもよい。また、シートの形態に合わせて、薄肉部の段差を埋めるための形態も適宜変更することができし、薄肉部を設けないようにすることもできる。
【0151】
(D-2)上述したA-2,A-3,A-4,A-5,A-8,A-9,A-11,A-12,A-13,B-1,B-2,B-3は、本開示の第4のカバーにも適用することができる。
【符号の説明】
【0152】
1 ゲーム装置(携帯用電子機器)
2 カバー
11a,11b スピーカ孔
101 第1主面
102 第2主面
103 周縁部
32,52 ジョイスティック
39 ZLボタン(操作部)
51 ZRボタン(操作部)
400 後カバー
600 前カバー
700 接続部
4 後カバー部材
41 基部(第1基部)
42 側壁部(第1側壁部)
6 前カバー部材
61 基部(第2基部)
62 側壁部(第2側壁部)