(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】カバー要素を備えるエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230927BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230927BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
(21)【出願番号】P 2020544659
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2019055916
(87)【国際公開番号】W WO2019170893
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-28
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】フリンジェリ ジャン リュック
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0202268(US,A1)
【文献】中国実用新案第205695707(CN,U)
【文献】特表2015-506170(JP,A)
【文献】国際公開第2017/194751(WO,A1)
【文献】特表2002-514910(JP,A)
【文献】国際公開第2017/194763(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
端壁を備えるハウジングと、
エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するように配設された空洞と、
前記ハウジングによって少なくとも部分的に画定された開口部であって、前記端壁の第一の部分を通して延び、かつ前記開口部を通して前記空洞の中にエアロゾル発生物品を挿入するために前記空洞の端に位置付けられている、開口部と、
前記ハウジングに対する回転移動のために配設されたカバー要素であって、前記カバー要素が、前記開口部を完全に覆う閉位置と、前記開口部が完全に覆われておらず、かつ前記カバー要素が前記端壁の第二の部分の上にある開位置との間で回転可能であり、前記カバー要素がカバー部分と前記カバー部分から直交するように延びるシャフト部分とを備え、前記カバー要素が閉位置にある時に前記カバー部分が前記開口部を完全に覆うように配設されていて、かつ前記シャフト部分が前記ハウジング内に受容されている、カバー要素と、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記カバー要素を、前記開位置から離れ、かつ前記閉位置に向かって付勢するように配設された付勢機構をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記付勢機構がねじりばねを含む、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記付勢機構が、前記カバー要素の前記シャフト部分に接続された第一のギアと、前記ねじりばねに接続された第二のギアとをさらに備え、かつ前記ねじりばねからのトルクを前記シャフト部分につなげるために前記第一のギアが前記第二のギアと係合されている、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記カバー要素を前記開位置に保持するように配設された第一の戻り止めをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記カバー要素を前記閉位置に保持するように配設された第二の戻り止めをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記カバー要素が前記開位置から前記閉位置に回転する時に、前記閉位置を超える前記カバー要素の回転を防止するように配設された第一の機械的停止部をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記カバー要素が前記閉位置から前記開位置に回転する時に、前記開位置を超える前記カバー要素の回転を防止するように配設された第二の機械的停止部をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生物品が前記空洞内に受容されている時に前記エアロゾル発生物品を加熱するように配設されたヒーターをさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記ヒーターが前記空洞内に位置付けられた電気ヒーターを備える、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記電気ヒーターが、前記空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の外表面の周りに延びるように配設されている、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記電気ヒーターが、電気的に絶縁された基体と、前記電気的に絶縁された基体上の少なくとも一つの抵抗加熱トラックとを備える、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記電気的に絶縁された基体が可撓性のシートを備える、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記電気ヒーターが細長い電気ヒーターである、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記細長い電気ヒーターがブレード形状、ピン形状、または円錐形状である、請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記細長い電気ヒーターが、
少なくとも一つの抵抗加熱トラックと、
前記少なくとも一つの抵抗加熱トラックを包囲する電気的に絶縁された基体と、
管状のシェルであって、前記電気的に絶縁された基体が前記管状のシェル内に受容されている、管状シェルと、を備える、請求項14または15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記開口部が前記空洞の第一の端を画定し、前記空洞が前記第一の端の反対側の第二の端を備え、前記空洞が、前記空洞の前記第一の端と前記空洞の前記第二の端との間の20ミリメートル~70ミリメートルの最大長さを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備え、前記エアロゾル発生物品がエアロゾル形成基体を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項19】
前記エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置の前記空洞の中に完全に挿入されている時に、前記エアロゾル発生物品の一部分が前記エアロゾル発生装置の外に延びるように、前記エアロゾル発生物品がサイズ設定されている、請求項18に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項20】
前記エアロゾル発生物品が40ミリメートル~50ミリメートルの全長を有する、請求項18または19に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転可能なカバー要素を備えるエアロゾル発生装置に関する。本発明はまた、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムのうちの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル発生装置で使用するために特に設計されたエアロゾル発生物品を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。一部の実施例では、エアロゾル発生物品は、たばこロッドまたはたばこプラグなどのエアロゾル形成基体を備え、またエアロゾル発生装置内に包含されたヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、エアロゾル形成基体の中に挿入されている、またはその周りに位置している。代替的な電気的に作動する喫煙システムにおいて、エアロゾル発生物品は、ばらのたばこなどのエアロゾル形成基体を含有するカプセルを備えてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
周知の電気的に作動する喫煙システムにおいて、エアロゾル発生物品はエアロゾル発生装置の空洞内に受容されてもよい。一部のエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が使用されていない時に、ユーザーが空洞の開口の外側に摺動させてもよい摺動式カバーを備えてもよい。しかしながら、摺動式カバーは、ユーザーが片手で操作するのが困難である場合がある。言い換えれば、ユーザーは、エアロゾル発生装置を片手で保持し、かつカバーを同一の手で開くまたは閉じることが困難であると思う場合がある。
【0004】
カバー要素の単純な操作を容易にするカバー要素を備えるエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様によると、ハウジングと、エアロゾル発生物品を受容するための空洞と、ハウジングによって少なくとも部分的に画定された開口部とを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。開口部は、開口部を通して空洞の中にエアロゾル発生物品を挿入するために空洞の端に位置付けられている。エアロゾル発生装置はまた、ハウジングに対する回転移動のために配設されたカバー要素を備え、カバー要素は、開口部を少なくとも部分的に覆う閉位置と、開口部が少なくとも部分的に覆われていない開位置との間で回転可能である。
【0006】
本発明によるエアロゾル発生装置は、空洞の中に挿入されうるエアロゾル発生物品が通る開口部を選択的に覆うための回転可能なカバー要素を備える。有利なことに、本発明の発明者らは、回転可能なカバー要素がユーザーにとって、摺動式カバー要素よりも操作するのが簡単である場合があることを認識した。例えば、ユーザーが片手でエアロゾル発生装置を保持する時に、同一の手の親指の回転移動は、摺動する動きよりも自然な移動である場合がある。従って、有利なことに、本発明によるエアロゾル発生装置は、片手でエアロゾル発生装置を保持し、かつカバー要素を操作することを容易にする。有利なことに、片手でエアロゾル発生装置を保持し、かつカバー要素を操作することは、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にする。例えば、ユーザーは、エアロゾル発生装置を片手で保持し、かつ同一の手でカバー要素を操作し、そして同時にもう一方の手を使用してエアロゾル発生物品を保持し、かつエアロゾル発生物品を空洞の中に挿入してもよい。周知の装置では、ユーザーが物品を取り上げて装置の中に挿入することができるようになる前に、ユーザーが両手を使ってエアロゾル発生装置を保持し、かつカバー要素を操作することが必要である。
【0007】
カバー要素は、カバー要素が閉位置にある時に、カバー要素が開口部の少なくとも約50パーセントを覆うように配設されていることが好ましく、開口部の少なくとも約60パーセントを覆うように配設されていることがより好ましく、開口部の少なくとも約70パーセントを覆うように配設されていることがより好ましく、開口部の少なくとも約80パーセントを覆うように配設されていることがより好ましく、開口部の少なくとも約90パーセントを覆うように配設されていることがより好ましく、開口部の少なくとも約95パーセントを覆うように配設されていることがより好ましい。
【0008】
カバー要素は、カバー要素が閉位置にある時に開口部を完全に覆うように配設されていることが好ましい。言い換えれば、カバー要素は、カバー要素が閉位置にある時に開口部の100パーセントを覆うように配設されていることが好ましい。有利なことに、カバー要素が閉位置にある時に開口部を完全に覆うようにカバー要素を配設することは、エアロゾル発生装置が使用されていない時に空洞の中への異物の挿入を防止する場合がある。
【0009】
カバー要素は、カバー要素が開位置にある時に、カバー要素が開口部の約5パーセント未満を覆うように配設されていることが好ましい。
【0010】
カバー要素は、カバー要素が開位置にある時に開口部が完全に覆われていないように配設されていることが好ましい。言い換えれば、カバー要素は、カバー要素が開位置にある時に開口部を全く覆わないように配設されていることが好ましい。有利なことに、カバー要素が開位置にある時に開口部が完全に覆われていないようにカバー要素を配設することは、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にする。
【0011】
カバー要素は、カバー部分とカバー部分から延びるシャフト部分とを備えることが好ましく、カバー部分は、カバー要素が閉位置にある時に、開口部を少なくとも部分的に覆うように配設されていて、またシャフト部分はハウジング内に受容されている。有利なことに、シャフト部分は、閉位置と開位置の間のカバー要素の回転を容易にする場合がある。
【0012】
カバー部分およびシャフト部分は、別個に形成され、かつ相互に取り付けられてもよい。例えば、カバー部分およびシャフト部分は、接着剤、締まり嵌め、および溶接のうちの少なくとも一つを使用して相互に取り付けられてもよい。
【0013】
カバー部分およびシャフト部分は一体的に形成されてもよい。例えば、カバー部分およびシャフト部分は、成形プロセスを使用して単一片として形成されてもよい。
【0014】
カバー部分は実質的に平面であってもよい。カバー部分はディスク形状であってもよい。
【0015】
シャフト部分は、カバー部分に対して直交するように延びることが好ましい。
【0016】
カバー要素は、閉位置から開位置に手動で移動可能であってもよい。
【0017】
カバー要素は、開位置から閉位置に手動で移動可能であってもよい。
【0018】
エアロゾル発生装置は、カバー要素を開位置から離れ、かつ閉位置に向かって付勢するように配設された付勢機構を備えることが好ましい。有利なことに、付勢機構は、ユーザーがカバー要素を閉位置の中に手動で移動させる必要性を無くす場合がある。有利なことに、付勢機構は、カバー要素が閉位置から離れ、かつ開位置に向かう偶発的な移動のリスクを低減する場合がある。有利なことに、使用中に付勢機構は、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品に対してカバー要素を付勢してもよく、これは使用中のエアロゾル発生物品の移動を抑止する場合がある。
【0019】
付勢機構はねじりばねを含んでもよい。有利なことに、ねじりばねは、回転可能なカバー要素を開位置から離れるよう、かつ閉位置に向かって付勢するために、回転付勢力を提供するために特に適切である場合がある。回転付勢力はまたトルクと呼ばれる場合がある。
【0020】
カバー要素がシャフト部分を備える実施形態において、ねじりばねは、シャフト部分に直接的に作用するように配設されてもよい。例えば、カバー要素は、シャフト部分から延び、かつねじりばねの端を係合するように配設されたタブを備えてもよい。
【0021】
付勢機構は、カバー要素のシャフト部分に接続された第一のギアと、ねじりばねに接続された第二のギアとを備えてもよく、第一のギアは第二のギアと係合してトルクをねじりばねからシャフト部分につなげる。
【0022】
第一のギアおよびシャフト部分は、別個に形成され、かつ相互に取り付けられてもよい。例えば、第一のギアおよびシャフト部分は、接着剤、締まり嵌め、および溶接のうちの少なくとも一つを使用して相互に取り付けられてもよい。
【0023】
第一のギアおよびシャフト部分は、一体的に形成されてもよい。例えば、第一のギアおよびシャフト部分は、成形プロセスを使用して単一片として形成されてもよい。
【0024】
付勢機構は、中にねじりばねが少なくとも部分的に受容されているばねホルダーを備えてもよく、ばねホルダーの外表面の少なくとも一部分は第二のギアを形成する。
【0025】
ねじりばねは、締まり嵌めによって、ばねホルダーの中に保持されてもよい。
【0026】
付勢機構はキャップを備えてもよく、ねじりばねは、ばねホルダーとキャップの間に位置付けられている。有利なことに、キャップは、ねじりばねをばねホルダー内に保持してもよい。
【0027】
ばねホルダーは、キャップに対して回転可能であることが好ましい。ねじりばねは、キャップと係合する第一の端と、ばねホルダーと係合する第二の端とを備えることが好ましい。
【0028】
付勢機構は、キャップから延びるスピンドルを備え、ねじりばねはスピンドルの周りに延びることが好ましい。ばねホルダーはスピンドルを中心として回転可能であることが好ましい。有利なことに、スピンドルは、付勢機構の組立中にねじりばねの正しい位置付けを容易にする場合がある。
【0029】
スピンドルおよびキャップは別個に形成され、かつ相互に取り付けられてもよい。例えば、スピンドルおよびキャップは、接着剤、締まり嵌め、および溶接のうちの少なくとも一つを使用して相互に取り付けられてもよい。
【0030】
スピンドルおよびキャップは一体的に形成されてもよい。例えば、スピンドルおよびキャップは、成形プロセスを使用して単一片として形成されてもよい。
【0031】
付勢機構はシャーシを備えてもよく、このシャーシの上にはシャフト部分、ねじりばね、第一のギア、第二のギア、ばねホルダー、キャップ、およびスピンドルのうちの少なくとも一つが受容されている。キャップは、シャーシに接続されていて、キャップとシャーシの間に、ばねホルダーおよびねじりばねを保持することが好ましい。キャップは、締まり嵌めによってシャーシに接続されていることが好ましい。
【0032】
エアロゾル発生装置は、カバー要素を開位置に保持するように配設された第一の戻り止めを備えてもよい。有利なことに、第一の戻り止めは、カバー要素を開位置の外に回転するために必要とされる力を増大する。従って、第一の戻り止めは、エアロゾル発生装置が付勢機構を備える実施形態において特に有利である場合がある。例えば、付勢機構によって提供された付勢力は、エアロゾル発生装置の一部分が戻り止めと係合している時に、カバー要素を開位置の外に移動させるには不十分である場合がある。従って、エアロゾル発生装置は、第一の戻り止めを克服するために、ユーザーからの追加的な力を必要とする場合があり、その点において、付勢機構は、閉位置の中へのカバー要素の回転を継続するために十分である。
【0033】
第一の戻り止めは、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つの上の突出部を係合するように配設されてもよい。第一の戻り止めは、ハウジング、付勢機構キャップ、および付勢機構シャーシのうちの少なくとも一つによって形成されてもよい。
【0034】
エアロゾル発生装置は、カバー要素を閉位置に保持するように配設された第二の戻り止めを備えてもよい。有利なことに、第二の戻り止めは、カバー要素を閉位置の外に回転するために必要とされる力を増大する。従って、有利なことに、第二の戻り止めは、カバー要素が偶発的に開くリスクを低減する場合がある。
【0035】
第二の戻り止めは、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つの上の突出部を係合するように配設されてもよい。第二の戻り止めは、ハウジング、付勢機構キャップ、および付勢機構シャーシのうちの少なくとも一つによって形成されてもよい。
【0036】
エアロゾル発生装置は、第一の戻り止め、または第二の戻り止め、または第一の戻り止めと第二の戻り止めの両方を備えてもよい。
【0037】
エアロゾル発生装置が第一の戻り止めおよび第二の戻り止めを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、第一の戻り止めと第二の戻り止めの両方として機能する共通の戻り止めを備えてもよい。共通の戻り止めは、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つの上の第一の突出部を係合して、カバー要素を開位置に保持するように配設されてもよい。共通の戻り止めは、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つの上の第二の突出部を係合して、カバー要素を閉位置に保持するように配設されてもよい。
【0038】
エアロゾル発生装置が別個の第一および第二の戻り止めを備える実施形態において、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つは、共通の突出部を画定してもよい。共通の突出部は、カバー要素が開位置にある時に、第一の戻り止めを係合するように配設されていることが好ましい。共通の戻り止めは、カバー要素が閉位置にある時に、第二の戻り止めを係合するように配設されていることが好ましい。
【0039】
エアロゾル発生装置は、カバー要素が開位置から閉位置に回転する時に、カバー要素の回転が閉位置を超えるのを防止するように配設された第一の機械的停止部を備えてもよい。
【0040】
第一の機械的停止部は、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つを係合するように配設されてもよい。第一の機械的停止部は、ハウジング、付勢機構キャップ、および付勢機構シャーシのうちの少なくとも一つによって形成されてもよい。
【0041】
エアロゾル発生装置は、カバー要素が閉位置から開位置に回転した時に、カバー要素の回転が開位置を超えるのを防止するように配設された第二の機械的停止部を備えてもよい。
【0042】
第二の機械的停止部は、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つを係合するように配設されてもよい。第二の機械的停止部は、ハウジング、付勢機構キャップ、および付勢機構シャーシのうちの少なくとも一つによって形成されてもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、第一の機械的停止部、または第二の機械的停止部、または第一の機械的停止部と第二の機械的停止部の両方を備えてもよい。
【0044】
エアロゾル発生装置が第一の機械的停止部および第二の機械的停止部を備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、第一の機械的停止部と第二の機械的停止部の両方として機能する共通の機械的停止部を備えてもよい。共通の機械的停止部は、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つの第一の部分を係合して、カバー要素を開位置に保持するように配設されてもよい。共通の機械的停止部は、カバー要素、カバー部分、シャフト部分、第一のギア、第二のギア、およびばねホルダーのうちの少なくとも一つの第二の部分を係合して、カバー要素を閉位置に保持するように配設されてもよい。
【0045】
ハウジングは端壁を備えてもよく、開口部は端壁の第一の部分を通して延びる。カバー部分が開位置にある時に、カバー要素は端壁の第二の部分の上にあるように配設されていることが好ましい。有利なことに、カバー部分が開位置にある時に、カバー要素が端壁の第二の部分の上にあるようにカバー要素を配設することは、エアロゾル発生装置が開位置にあるカバー要素ととともに使用される時にカバー要素が損傷されるリスクを低減する場合がある。
【0046】
カバー要素がシャフト部分を備える実施形態において、シャフト部分は、ハウジング端壁の開口を通して延びることが好ましい。開口は、端壁の中央部分の上に位置付けられていることが好ましく、中央部分は端壁の第一の部分と端壁の第二の部分との間に位置付けられている。
【0047】
開口部は、空洞の第一の端を画定してもよく、空洞は第一の端の反対側の第二の端を備える。空洞は、空洞の第一の端と空洞の第二の端との間の約20ミリメートル~約70ミリメートルの最大長さを有することが好ましい。有利なことに、約20ミリメートルを超える最大長さを有する空洞は、空洞がエアロゾル発生物品の十分な部分を受容することを可能にし、そのため使用中に空洞内のエアロゾル発生物品の保持を容易にする場合がある。有利なことに、約70ミリメートル未満の最大長さを有する空洞は、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入された時に、エアロゾル発生物品の一部分がエアロゾル発生装置の外に延びることを可能にする場合がある。有利なことに、エアロゾル発生装置の外に延びるエアロゾル発生物品の一部分は、ユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸煙することを可能にする。有利なことに、エアロゾル発生物品を直接吸煙することは、従来の紙巻たばこを吸煙することをシミュレートしてもよい。
【0048】
空洞は、約20ミリメートル~約40ミリメートルの最大長さを有してもよい。空洞は、約30ミリメートル~約70ミリメートルの最大長さを有してもよい。空洞は、約30ミリメートル~約60ミリメートルの最大長さを有してもよい。
【0049】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が空洞内に受容されている時にエアロゾル発生物品を加熱するように配設されたヒーターを備えることが好ましい。
【0050】
ヒーターは、電気ヒーターを含んでもよい。
【0051】
電気ヒーターは、空洞の外側に位置付けられてもよい。
【0052】
電気ヒーターは、空洞内に位置付けられてもよい。
【0053】
電気ヒーターは、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の外表面の周りに延びるように配設されてもよい。電気ヒーターは管状の形状を有してもよい。電気ヒーターは、電気的に絶縁された基体と、電気的に絶縁された基体の上の少なくとも一つの抵抗加熱トラックとを備えてもよい。電気的に絶縁された基体は、柔軟なシート材料を備えてもよい。有利なことに、可撓性のシートは、電気ヒーターを平坦な状態で製造し、そしてその後可撓性のシートを望ましい形状に変形することを容易にする場合がある。例えば、電気ヒーターは平坦な状態で形成され、そしてその後管状の形状に巻かれてもよい。電気的に絶縁された基体は、ポリイミドフィルムを備えてもよい。少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、少なくとも一つの金属を含んでもよい。少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、一つの金属を含んでもよい。少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、少なくとも一つの金属合金を含んでもよい。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0054】
少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、複数の加熱ゾーンを画定してもよい。
【0055】
少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、複数の加熱トラックを備えてもよい。複数の加熱トラックは、複数の加熱ゾーンを画定してもよい。
【0056】
少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、複数の部分を備える単一の加熱トラックを備えてもよく、各部分は加熱ゾーンを画定する。
【0057】
有利なことに、少なくとも一部の加熱ゾーンは、使用中に異なる温度に加熱されてもよい。有利なことに、少なくとも一部の加熱ゾーンは、使用中に異なる時間で加熱されてもよい。各加熱ゾーンは、単一の抵抗加熱トラックによって画定されてもよい。各加熱ゾーンは、複数の抵抗加熱トラックによって画定されてもよい。
【0058】
電気ヒーターが空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の外表面の周りに延びるように配設されている実施形態において、有利なことに空洞は約30ミリメートル~約70ミリメートルの最大長さを有してもよい。空洞は、約30ミリメートル~約60ミリメートルの最大長さを有してもよい。
【0059】
電気ヒーターはコイル形状であってもよい。電気ヒーターは、流体搬送構造を加熱するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は流体搬送構造を備えてもよく、電気ヒーターは流体搬送構造を加熱するように配設されている。流体搬送構造は芯を備えてもよい。電気ヒーターはコイル形状であってもよく、電気ヒーターは流体搬送構造の周りにコイル状にされている。
【0060】
電気ヒーターは空洞の中に延びてもよい。電気ヒーターは、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時に、エアロゾル発生物品内に受容されるように配設されてもよい。電気ヒーターは細長い電気ヒーターであってもよい。細長い電気ヒーターは、エアロゾル発生物品内に受容されるように配設された遠位端と、遠位端と反対側の近位端とを備えてもよい。電気ヒーターはブレード形状であってもよい。電気ヒーターはピン形状であってもよい。電気ヒーターは円錐形状であってもよい。
【0061】
細長い電気ヒーターは少なくとも一つの抵抗加熱トラックを備えてもよい。少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、電気的に絶縁された基体によって包囲されてもよい。少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、電気的に絶縁された基体内に包埋されてもよい。電気的に絶縁された基体は、セラミックを含んでもよい。電気的に絶縁された基体は、管状のシェル内に受容されてもよい。管状のシェルは、少なくとも一つの金属を含んでもよい。
【0062】
電気ヒーターが細長い電気ヒーターである実施形態において、有利なことに空洞は約20ミリメートル~約40ミリメートルの最大長さを有してもよい。
【0063】
電気ヒーターは誘導発熱体を含んでもよい。使用中、誘導発熱体はサセプタ材料を誘導加熱して、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を加熱する。サセプタ材料はエアロゾル発生装置の一部を形成してもよい。サセプタ材料はエアロゾル発生物品の一部を形成してもよい。
【0064】
電気ヒーターは抵抗発熱体を備えてもよい。使用中に、抵抗加熱によって熱を発生させるために、電流が抵抗発熱体に供給される。
【0065】
抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0066】
一部の実施形態において、抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
【0067】
電気ヒーターは電気的に絶縁された基体を備えてもよく、抵抗発熱体は電気的に絶縁された基体の上に提供されている。電気的に絶縁された基体は、ジルコニアまたはアルミナなどのセラミック材料であってもよい。電気的に絶縁された基体は、約2ワット毎メートル毎ケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0068】
エアロゾル発生装置は、電源と、エアロゾル発生装置の使用中に電源から電気ヒーターに電力を供給するように配設されたコントローラとを備えることが好ましい。
【0069】
コントローラは、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を加熱するためにエアロゾル発生装置が使用された時に、所定の加熱サイクルに応じて電源から電気ヒーターに電力を供給するように配設されていることが好ましい。
【0070】
電気ヒーターが抵抗発熱体を備える実施形態において、コントローラは、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品がない時に、電気ヒーターをクリーニングするために所定の熱分解サイクルに応じて電源から抵抗発熱体に電力を供給するように配設されてもよい。熱分解サイクルは、一つ以上のエアロゾル発生物品を加熱するためのエアロゾル発生装置の使用後に、電気ヒーター上に残っている残留物の熱分解によって電気ヒーターをクリーニングしてもよい。典型的に、熱分解サイクル中に電気ヒーターが加熱される最高温度は、加熱サイクル中にエアロゾル発生物品を加熱するために電気ヒーターが加熱される最高温度より高い。典型的に、熱分解サイクルの総持続時間は、加熱サイクルの総持続時間より短い。
【0071】
電源はDC電圧源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としてもよく、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル発生物品とともに使用するために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。
【0072】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、空洞の上流端と流体連通していることが好ましい。エアロゾル発生装置が細長い電気ヒーターを備える実施形態において、細長い電気ヒーターは、空洞の上流端から空洞の中に延びることが好ましい。
【0073】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが吸煙していることを示す気流を検出するためのセンサーを備えてもよい。気流センサーは電気機械装置であってもよい。気流センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。エアロゾル発生装置は、ユーザーが吸煙を開始するための手動操作可能なスイッチを備えてもよい。
【0074】
エアロゾル発生装置は温度センサーを備えてもよい。温度センサーはプリント基板上に据え付けられてもよい。エアロゾル発生装置が電気ヒーターを備える実施形態において、温度センサーは電気ヒーター上に据え付けられてもよい。電気ヒーターが電気的に絶縁された基体を備える実施形態において、温度センサーは、電気的に絶縁された基体上に据え付けられてもよい。電気ヒーターが細長い電気ヒーターである実施形態において、温度センサーは、細長い電気ヒーターの遠位端上に据え付けられてもよい。
【0075】
温度センサーは、電気ヒーターの温度、または空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の温度を検出してもよい。温度センサーはサーミスタであってもよい。温度センサーは、熱電対であってもよい。温度センサーは、電気ヒーターの比抵抗を測定するように、かつ測定された比抵抗を温度に対する比抵抗の較正曲線と比較することによって、電気ヒーターの温度を導出するように構成された回路を備えてもよい。
【0076】
有利なことに、電気ヒーターの温度を導出することは、使用中に電気ヒーターが加熱される温度の制御を容易にする場合がある。コントローラは、電気ヒーターの測定された比抵抗の変化に応答して、電気ヒーターへの電力の供給を調整するように構成されてもよい。
【0077】
有利なことに、電気ヒーターの温度を導出することは、吸煙の検出を容易にする場合がある。例えば、電気ヒーターの温度の測定された低下は、エアロゾル発生装置でのユーザーの吸煙または吸引に対応する場合がある。
【0078】
エアロゾル発生装置は、電気ヒーターが起動された時を示すためのインジケータを備えることが好ましい。インジケータは、電気ヒーターが起動された時に起動されるライトを備えてもよい。
【0079】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別の電気的な装置に接続することを可能にする、外部プラグまたはソケットのうちの少なくとも一つと、少なくとも一つの外部電気接点とを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能装置に接続することを可能にする、USBプラグまたはUSBソケットを備えてもよい。USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置をUSB充電装置に接続して、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電することを可能にする場合がある。USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送、もしくはエアロゾル発生装置からのデータ転送、またはエアロゾル発生装置へのデータ転送とエアロゾル発生装置からのデータ転送との両方に対応する場合がある。新しいエアロゾル発生物品のための新しい加熱プロファイルなどのデータをエアロゾル発生装置に転送するために、エアロゾル発生装置はコンピュータに接続可能であってもよい。
【0080】
エアロゾル発生装置がUSBプラグまたはソケットを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態において、USBプラグは追加的に、または別の方法として、装置内に選択的に格納可能であってもよい。
【0081】
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムはまた、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える。
【0082】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱された時に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。
【0083】
エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを備えてもよい。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有してもよい。随意に、たばこプラグはまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルを包含してもよい。こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱中に溶融してもよい。別の方法として、または追加的に、こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱前、加熱中、または加熱後に押しつぶされてもよい。
【0084】
たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料はシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の葉柄のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよく、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、および輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状のたばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、たばこ内因性結合剤、一つ以上の外因性結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせである一つ以上の固有の結合剤を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面の上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料のシートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。
【0085】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に完全に挿入されていて、エアロゾル発生物品の一部分がエアロゾル発生装置の外に延びるように、サイズ設定されていることが好ましい。有利なことに、エアロゾル発生装置の外に延びるエアロゾル発生物品の一部分は、ユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸煙することを可能にする。有利なことに、エアロゾル発生物品を直接吸煙することは、従来の紙巻たばこを吸煙することをシミュレートしてもよい。
【0086】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
【0087】
エアロゾル発生物品は、たばこプラグの下流に位置付けられたマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピースは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであることが好ましいが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有することができる。
【0088】
たばこプラグは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。たばこプラグは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0089】
たばこプラグの直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
【0090】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0091】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置の断面図を示す。
【
図2】
図2は、第二のハウジングを第一のハウジングに対して移動させた
図1のエアロゾル発生装置の断面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1および
図2のエアロゾル発生装置のカバー要素の回転移動を図示する。
【
図4】
図4は、
図1および
図2のエアロゾル発生装置のカバー要素の回転移動を図示する。
【
図5】
図5は、
図1および
図2のエアロゾル発生装置のカバー要素の回転移動を図示する。
【
図6】
図6は、
図1および
図2のエアロゾル発生装置の機械的リンク機構の斜視図を示す。
【
図8】
図8は、
図1および
図2のエアロゾル発生装置で使用するエアロゾル発生物品の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1および
図2は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置10の断面図を示す。エアロゾル発生装置10は、第一のハウジング14および第二のハウジング16を備えるハウジング12を備える。第二のハウジング16は、
図2に示す圧縮位置と
図1に示す拡張位置との間で第一のハウジング14に対して摺動可能である。第二のハウジング16はまた、第一のハウジング14から取り外されてもよい。
【0094】
エアロゾル発生装置10はまた、第一のハウジング14内に位置付けられたコントローラ18および電源20、ならびに第一のハウジング14の端から延びるヒーター22を備える。電源20は、再充電可能電池を含む電力供給源である。ヒーター22は、抵抗発熱体24を備える電気ヒーターである。使用中、コントローラ18は、電源20から抵抗発熱体24に電力を供給して、ヒーター22を抵抗加熱する。
【0095】
ヒーター22の隣にある第一のハウジング14上には、センサー26および第一の磁石28が位置付けられている。センサー26は、光トランスミッタおよび光レシーバを備える光学センサーである。光トランスミッタは赤外線発光ダイオードであり、また光レシーバはフォトダイオードである。フォトダイオードは、赤外線発光ダイオードから伝送される赤外光に対して感受性がある。光学窓30はセンサー26の上にあり、光学窓は赤外線発光ダイオードから伝送された赤外光に対して透明である。
【0096】
第二のハウジング16は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞32と、空洞32の端に位置付けられた開口部34とを画定する。第二のハウジング16が第一のハウジング14に取り付けられている時に、ヒーター22は第二のハウジング16によって画定されたヒーター開口36を介して空洞32の中に延びる。空気吸込み口38は、第一のハウジング14と第二のハウジング16の間の間隙によって形成されている。空気吸込み口38は、第二のハウジング16によって画定された気流開口40を介して空洞32と流体連通している。
【0097】
エアロゾル発生物品が空洞32内に受容されている時に、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置10は一緒にエアロゾル発生システムを形成する。使用中、ヒーター22は空洞32内に受容されたエアロゾル発生物品を加熱してエアロゾルを発生する。ユーザーがエアロゾル発生物品を吸う時に、空気は空気吸込み口38を介してエアロゾル発生装置10の中に引き出され、かつ気流開口40を通して空洞32の中に引き出される。その後、空気はエアロゾル発生物品を通して流れて、発生したエアロゾルをユーザーに送達する。
【0098】
エアロゾル発生装置10はまた、第二のハウジング16の端壁46の上にあるカバー部分44と、端壁46を通して延びるシャフト部分48とを備えるカバー要素42を備える。カバー要素42は、カバー部分44が開口部34を覆う閉位置と、カバー部分44が開口部34を覆わない開位置との間で回転可能である。
図2には閉位置が示されていて、
図1には開位置が示されている。
図3~
図5は、閉位置(
図3)から開位置(
図5)へのカバー要素42の回転を図示する。
【0099】
第二のハウジング16内に位置付けられているのは、カバー要素42のシャフト部分48と相互作用するように配設された機械的リンク機構50である。機械的リンク機構50の斜視図を
図6に示し、また機械的リンク機構50の分解組立図を
図7に示す。
【0100】
機械的リンク機構50は、ねじ54によって第二のハウジング16に取り付けられたシャーシ52を含む。シャーシ52上に据え付けられているのは、第一のハウジング14上の第一の磁石28と相互作用するように配設された第二の磁石56である。具体的には、第一の磁石28および第二の磁石56は相互に磁気的に引き付けられて、第一のハウジング14への第二のハウジング16の取り付けを容易にする。
【0101】
また、シャーシ52上に据え付けられているのは、ワッシャー60と、第一のギア62と、ばねホルダー64と、ねじりばね66と、スピンドル68と、キャップ70とを備える付勢機構58である。
【0102】
ワッシャー60は、低摩擦材料から形成されていて、シャーシ52上での第一のギア62の回転を容易にする。第一のギア62は締まり嵌めによって、カバー要素42のシャフト部分48の端に接続されている。従って、カバー要素42が閉位置と開位置の間で回転する時に、第一のギア62も回転する。
【0103】
ばねホルダー64の外表面は、第一のギア62と係合している第二のギア72を形成する。ばねホルダー64はシャーシ52内に回転可能に受容されていて、かつシャーシ52上に形成されたカム表面を係合する。従って、ばねホルダー64がカム表面に対して回転する時に、ばねホルダー64はカム従動子として機能し、スピンドル68に沿って上下に移動する。光学的に反射性のアルミニウム層を備えるインジケータ要素74が、ばねホルダー64の底表面上に位置付けられている。ばねホルダー64がスピンドル68に沿って上下に移動する時、センサー26はセンサー26とインジケータ要素74の間の距離の変化を感知する。センサー26とインジケータ要素74の間の感知された距離に基づいて、センサー26は、カバー要素42が閉位置または開位置にあるかどうかを示す信号をコントローラ18に提供する。
【0104】
センサー26からの信号が、カバー要素42が閉位置にあることを示す場合、エアロゾル発生物品は空洞32内に受容されていないと仮定され、コントローラ18は、エアロゾル発生物品を加熱するための電力を電源20からヒーター22に供給しない。
【0105】
センサー26からの信号が、カバー要素42が開位置にあることを示す場合、エアロゾル発生物品は空洞32内に受容されている場合があり、コントローラ18は、エアロゾル発生物品を加熱するために電力を電源20からヒーター22に供給する場合がある。
【0106】
センサー26がインジケータ要素74を検出できない場合、第二のハウジング16は第一のハウジング14から取り外されていると仮定される。この場合、センサー26は、第二のハウジング16が第一のハウジング14から取り外されていることを示す信号をコントローラ18に提供し、コントローラ18はヒーター22への電力供給を防止することになる。
【0107】
ねじりばね66の第一の端はばねホルダー64と係合していて、ねじりばね66の第二の端はキャップ70と係合している。ユーザーがカバー要素42を閉位置から開位置に回転させる時に、ばねホルダー64は張力ばね66を回転させ、これに負荷を与える。ユーザーがカバー要素42を解放する時に、張力ばね66の負荷は、ばねホルダー64に回転力を加え、これはカバー要素42を開位置から閉位置に向かって付勢する。
【0108】
図8は、エアロゾル発生装置10で使用するエアロゾル発生物品80の断面図を示す。エアロゾル発生物品80は、たばこプラグの形態のエアロゾル形成基体82と、中空のアセテート管84と、高分子フィルター86と、マウスピース88と、外側ラッパー90とを備える。エアロゾル発生物品80がエアロゾル発生装置10の空洞32内に受容されている時に、ヒーター22はたばこプラグの中に受容されている。使用中にヒーター22は、たばこプラグを加熱してエアロゾルを発生する。