(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】架橋型人工核酸ALNA
(51)【国際特許分類】
C07H 19/06 20060101AFI20230927BHJP
C07H 19/16 20060101ALI20230927BHJP
C07H 21/04 20060101ALI20230927BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230927BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230927BHJP
A61K 31/712 20060101ALI20230927BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20230927BHJP
【FI】
C07H19/06 CSP
C07H19/16
C07H21/04 Z
C07H21/04 B
A61P43/00 111
A61K48/00
A61K31/712
C12N15/113 Z ZNA
(21)【出願番号】P 2020555685
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(86)【国際出願番号】 JP2019044182
(87)【国際公開番号】W WO2020100826
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2018212424
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002956
【氏名又は名称】田辺三菱製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】澤本 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 新司
(72)【発明者】
【氏名】古川 博之
(72)【発明者】
【氏名】荒木 友
(72)【発明者】
【氏名】宇津木 雅之
(72)【発明者】
【氏名】小比賀 聡
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/156202(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/124952(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/046212(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/047816(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/128583(WO,A2)
【文献】国際公開第2012/142085(WO,A1)
【文献】Journal of Organic Chemistry,2009年,74(3),1070-1081,DOI 10.1021/jo802037v
【文献】Chemical Communications,2014年,50(5),575-577,DOI 10.1039/C3CC46017G
【文献】Journal of Organic Chemistry,1967年,32(6),1823-1825,DOI 10.1021/jo01281a026
【文献】Helvetica Chimica Acta,1994年,77(3),631-644,DOI 10.1002/hlca.19940770306
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】
[式中、
Bは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
R
5およびR
6は各々独立して、水素原子、水酸基の保護基、または置換されてもよいリン酸基であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II-1)、(II-2)、または(II-3):
【化2】
で示される基であり;
式(II-1)、(II-2)、または(II-3)中に記載の記号:
【化3】
は、2’-アミノ基との結合点を示し;
R
7およびR
8は各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
2-6アルケニル基、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
2-6アルキニル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基であり;
Aは芳香族基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である。]
で示される化合物、またはその塩。
【請求項2】
Bが、1つ以上の保護基を有してもよいアデニニル、1つ以上の保護基を有してもよいグアニニル、1つ以上の保護基を有してもよいシトシニル、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有してもよいウラシリルであり、請求項1記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
R
1、R
2、R
3およびR
4が各々独立して、水素原子であり;
mが、1である、
請求項1または2に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
Xが、式(II-1)で示される基であり;そして、
R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、
請求項1~3のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-3アルキル基である、請求項4に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である、請求項5に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である、請求項5に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
Xが、式(II-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基である、
請求項1~3のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
【請求項9】
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC
1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、請求項8記載の化合物、またはその塩。
【請求項10】
5または6員環のヘテロアリール基が、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピラジニル基からなる群から選ばれる、請求項9記載の化合物、またはその塩。
【請求項11】
1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基が、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、請求項10記載の化合物、またはその塩。
【請求項12】
1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基が、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、請求項10記載の化合物、またはその塩。
【請求項13】
1つ以上の置換基で置換されていてもよいチアジアゾール基が、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基である、請求項10記載の化合物、またはその塩。
【請求項14】
Xが、式(II-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換されたスルホニル基である、
請求項1~3のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
【請求項15】
Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、請求項14記載の化合物、またはその塩。
【請求項16】
R
6が水素原子またはDMTr基であり、そしてR
5が水素原子または-P(O(CH
2)
2CN)(N(iPr)
2)である、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
【請求項17】
以下の化合物:
3-[[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-5-オキサ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート;
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-プリン-6-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロ
ピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(メチルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート;
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(イソプロピルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート;
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド;
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-6-ホルムアミジン;
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド;
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアンエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミン)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノ
エトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[(6-ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン
N-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド;
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4―イル]ジヒドロピリミジン-2-オン;
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シ
アノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチルホルムアミジン;
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シ
アノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド;および
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド、
からなる群から選ばれる化合物。
【請求項18】
一般式(I’):
【化4】
[式中、
Bは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II’-1)、(II’-2)、または(II’-3):
【化5】
で示される基であり;
式(II’-1)、(II’-2)、または(II’-3)中に記載の記号:
【化6】
は2’-アミノ基との結合点を示し;
Aは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、芳香族基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である。]
で示されるヌクレオシドを1つ以上有しているオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項19】
Bが、1つ以上の保護基を有してもよいアデニニル、1つ以上の保護基を有してもよいグアニニル、1つ以上の保護基を有してもよいシトシニル、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有してもよいウラシリルであり、請求項18記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項20】
R
1、R
2、R
3およびR
4が各々独立して、水素原子であり;
mが、1である、
請求項18または19に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項21】
Xが、式(II’-1)で示される基であり;そして、
R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、
請求項18~20のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項22】
R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-3アルキル基である、請求項21に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項23】
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である、請求項22に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項24】
R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である、請求項23に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項25】
Xが、式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基である、
請求項18~20のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項26】
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC
1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、請求項25記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項27】
5または6員環のヘテロアリール基が、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピラジニル基からなる群から選ばれる、請求項26記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項28】
1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基が、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、請求項27記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項29】
1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基が、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、請求項27記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項30】
1つ以上の置換基で置換されていてもよいチアジアゾリル基が、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基である、請求項27記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項31】
Xが、式(II’-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換されたスルホニル基である、
請求項18~20のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
【請求項32】
Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、請求項18~31のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
【請求項33】
ヌクレオチド間のリン酸結合の少なくとも1つ以上が、ホスホロチオエート結合である、硫黄化された請求項1~32のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、またはその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノLNAのモノマー、およびそれを含むオリゴマーに関する。
【背景技術】
【0002】
核酸医薬による疾患の治療法として、アンチセンス法、アンチジーン法、アプタマーを用いる方法、siRNAを用いる方法などがある。このうち、アンチセンス法は、疾病に関わるmRNAや非翻訳RNAと相補的なオリゴヌクレオチド(アンチセンス鎖)を外部から導入し、二重鎖を形成させることにより、疾病に関わるRNAの機能を調整し、疾患の治療や予防を行う手法である。
【0003】
こうした核酸医薬の素材として、種々の人工核酸が開発されているが、全身投与後の肝臓や腎臓といった核酸医薬が蓄積しやすい臓器での毒性回避や、十分な薬効の発現といった課題が残されており、いまだ切り札となるべき分子が存在していない。1998年にWengelらにより開発された2’-aminoLNA(Locked nucleic acid)(以下、「ALNA」と表記)(特許文献1、および非特許文献1)は、2’位からの置換基修飾により多様な人工核酸の合成が可能であり、アルキル、アシルを中心に、これまでに多くのALNA誘導体が合成され(特許文献2~4、および非特許文献2~11)、全身投与後の特徴的な組織分布が報告されてはいるものの(非特許文献12)、薬理活性の面で不十分であり、これまで医薬品への応用はされてこなかった。
【0004】
我々は、先に見出したGuNAの効率的合成法を応用して(特許文献5、および非特許文献13)、さらなる多種多様な新規ALNA誘導体の合成を行うとともに、薬理活性評価に特化したスクリーニングを広く実施することにより、既存のALNAと比較して優れたIn vitro、及びIn vivo薬理活性を有する新規人工核酸を見出し、本発明を完成させた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第99/014226号
【文献】国際公開第2013/013068号
【文献】国際公開第2014/124952号
【文献】国際公開第2016/128583号
【文献】国際公開第2017/047816号
【非特許文献】
【0006】
【文献】S.K. Singhら、J. Org. Chem. 1998年, 63巻, 6078-6079頁
【文献】M. D. Sorensenら、Chem. Commun. 2003年, 2130頁
【文献】B. R. Babuら、Chem. Commun. 2005年, 13巻, 1705-1707頁
【文献】T. Bryldら、Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids 2007年, 26巻, 1645-1647頁
【文献】M. Kalekら、J. Am. Chem. Soc. 2007年, 129巻, 9392-9400頁.
【文献】T. Umemotoら、Org. Biomol. Chem. 2009年, 7巻, 1793-1797頁
【文献】M. W. Johannsenら、Org. Biomol. Chem. 2011年, 9巻, 243-252頁
【文献】A. S. Jφrgensenら、Chem. Commun. 2013年, 49巻, 10751-10753頁
【文献】I. K. Astakhovaら、Acc. Chem. Res. 2014年, 47巻, 1768-1777頁
【文献】C. Louら、Chem. Commun. 2015年, 51巻, 4024-4027頁
【文献】A. Riesら、J. Org. Chem. 2016年, 81巻, 10845-10856頁
【文献】K. Fluiterら、Chem. Bio. Chem. 2005年, 6巻, 1104-1109頁
【文献】H. Sawamotoら、Org. Lett. 2018年, 20巻, 1928-1931頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、新規な架橋型人工核酸、並びにそれをモノマーとして含むオリゴマーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者等は鋭意研究の結果、下記に示す通り、新規な2’-アミノLNAおよびその塩、並びにそれをモノマーとして含むオリゴマーを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の項〔1〕~〔33]に関するものであるが、これらに限定されるものではない。
項〔1〕 一般式(I):
【化1】
[式中、
Bは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
R
5およびR
6は各々独立して、水素原子、水酸基の保護基、または置換されてもよいリン酸基であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II-1)、(II-2)、または(II-3):
【化2】
で示される基であり;
式(II-1)、(II-2)、または(II-3)中に記載の記号:
【化3】
は、2’-アミノ基との結合点を示し;
R
7およびR
8は各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
2-6アルケニル基、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
2-6アルキニル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基であり;
Aは芳香族基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である。]
で示される化合物、またはその塩。
(以下、式(I)で示される化合物またはその塩を、「本発明化合物」と呼称する)。
[2] Bが、1つ以上の保護基を有してもよいアデニニル、1つ以上の保護基を有してもよいグアニニル、1つ以上の保護基を有してもよいシトシニル、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有してもよいウラシリルである、[1]記載の化合物、またはその塩。
[3] R
1、R
2、R
3およびR
4が各々独立して、水素原子であり;
mが、1である、[1]または[2]に記載の化合物、またはその塩。
[4] Xが、式(II-1)で示される基であり;そして、
R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
[5] R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-3アルキル基である、[4]に記載の化合物、またはその塩。
[6] R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である、[5]に記載の化合物、またはその塩。
[7] R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である、[5]に記載の化合物、またはその塩。
[8] Xが、式(II-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
[9] Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC
1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、[8]記載の化合物、またはその塩。
[10] 5または6員環のヘテロアリール基が、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピラジニル基からなる群から選ばれる、[9]記載の化合物、またはその塩。
[11] 1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基が、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、[10]記載の化合物、またはその塩。
[12] 1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基が、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、[10]記載の化合物、またはその塩。
[13] 1つ以上の置換基で置換されていてもよいチアジアゾリル基が、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基である、[10]記載の化合物、またはその塩。
[14] Xが、式(II-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換されたスルホニル基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
[15] Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、[14]記載の化合物、またはその塩。
[16] R
6が水素原子またはDMTr基であり、そしてR
5が水素原子または-P(O(CH
2)
2CN)(N(iPr)
2)である、[1]~[15]のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
[17] 以下の化合物:
3-[[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-5-オキサ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物1);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物2);
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物3);
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物4);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロ
ピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物5);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物6);
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物7);
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物8);
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(メチルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物9);
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物10);
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物11);
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物12);
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(イソプロピルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物13);
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物14);
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物15);
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物16);
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物17);
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物18);
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-6-ホルムアミジン(本発明化合物19);
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物20);
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物21);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物22);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物23);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアンエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物24);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物25);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物26));
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミン)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物27);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノ
エトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[(6-ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物28);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)オキシプロパンニトリル(本発明化合物29);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物30);
3-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物31);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物32);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物33);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物34);
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン(本発明化合物35);
N-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物36);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物37);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物38);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物39);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物40);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4―イル]ジヒドロピリミジン-2-オン(本発明化合物41)
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シ
アノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチルホルムアミジン(本発明化合物42);
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シア
ノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド(本発明化合物43);および
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド(本発明化合物44)、
からなる群から選ばれる化合物。
【0010】
(オリゴヌクレオチド)
[18] 一般式(I’):
【化4】
[式中、
Bは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II’-1)、(II’-2)、または(II’-3):
【化5】
で示される基であり;
式(II’-1)、(II’-2)、または(II’-3)中に記載の記号:
【化6】
は2’-アミノ基との結合点を示し;
Aは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、芳香族基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である。]
で示されるヌクレオシドを1つ以上有しているオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩
(以下、式(I’)で示される化合物またはその塩を、「本発明オリゴヌクレオチド化合物」と呼称する)。
[19] Bが、1つ以上の保護基を有してもよいアデニニル、1つ以上の保護基を有してもよいグアニニル、1つ以上の保護基を有してもよいシトシニル、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有してもよいウラシリルである、[18]記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[20] R
1、R
2、R
3およびR
4が各々独立して、水素原子であり;
mが、1である、[18]または[19]に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[21](ウレア型化合物)
Xが、式(II’-1)で示される基であり;そして、
R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、[18]~[20]のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[22] R
7およびR
8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-3アルキル基である、[21]に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[23] R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である、[22]に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[24] R
7およびR
8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である、[23]に記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[25](アリール型化合物)
Xが、式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基である、[18]~[20]のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[26] Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC
1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、[25]記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[27] 5または6員環のヘテロアリール基が、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピラジニル基からなる群から選ばれる、[26]記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[28] 1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基が、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、[27]記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[29] 1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基が、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、[27]記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[30] 1つ以上の置換基で置換されていてもよいチアジアゾリル基が、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基である、[27]記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[31](スルホンアミド型化合物)
Xが、式(II’-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換されたスルホニル基である、[18]~[20]のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド化合物、またはその塩。
[32] Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、[18]~[31]のいずれか1つに記載の化合物、またはその塩。
[33] ヌクレオチド間のリン酸結合の少なくとも1つ以上が、ホスホロチオエート結合である、硫黄化された[18]~[32]のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド、またはその塩。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、新規な2’-アミノLNA(以下、ALNAと略す)、およびこれらALNAをモノマーとして含むオリゴマー(以下ALNAオリゴマーと略す)を製造することができる。本発明のALNAオリゴマーは、In vitroで標的マイクロRNAの機能阻害や、強力な標的遺伝子ノックダウン活性を有しており、また、生体に投与した場合には多くの臓器(例えば、筋肉など)において強力な標的遺伝子ノックダウン活性を有しており、よって、新規な核酸医薬としての使用が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書において引用された全ての刊行物は、参照として本明細書に組み込まれる。
(定義)
まず、本明細書中で用いられる用語を定義する。
【0013】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基」とは、炭素数1から6(C1-6)、好ましくは炭素数1から4(C1-4)、より好ましくは炭素数1から3(C1-3)の任意の直鎖アルキル基、同一のまたは異なる分岐鎖を有する炭素数3から6の任意の分岐鎖アルキル基、炭素数3から6の任意の環状アルキル基、および炭素数4から6のこれらの組み合わせを包含する。例えば、炭素数1から6の任意の直鎖アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、ノルマル(「n」と略す)プロピル、イソ(「i」と略す)プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどが挙げられ、同一のまたは異なる分枝鎖を有する炭素数3から6の任意の分枝鎖アルキル基の具体例としては、i-プロピル、i-ブチル、tert(「t」と略す)-ブチル、sec(「s」と略す)-ブチル、ネオペンチル、イソペンチルなどが挙げられ、そして、炭素数3から6の任意の環状アルキル基としては、3-6員単環式シクロアルキル基が好ましく、具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。置換基の例としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、オキソ基、チオキソ基、および1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群から選ばれる同一または異なる1つ以上(または1~3個が好ましい)の基が挙げられるが、オリゴマー化の反応条件によって影響を受けない基が好ましい。
【0014】
本明細書において、用語「1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基」とは、前記用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基」に定義する、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい、メチル、エチル、n-プロピル、またはi-プロピルを意味する。具体例としては、ペルフルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、へプタフルオロプロピル)等が挙げられる。
【0015】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されてもよいC2-6アルケニル」とは、炭素数2から6(C2-6)、好ましくは炭素数2から4(C2-4)、より好ましくは炭素数2から3(C2-3)の任意の直鎖アルケニル基、同一または異なる分枝鎖を有する炭素数3から6任意の分枝鎖アルケニル基、炭素数3から6の任意の環状アルケニル基、および炭素数4から6のこれらの組み合わせを包含する。例えば、炭素数2から6の任意の直鎖アルケニル基の具体例としては、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基などが挙げられ、同一のまたは異なる分岐鎖を有する炭素数3から6の任意の分岐鎖アルケニル基の具体例としては、イソプロペニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-メチル-2-ブテニル基などが挙げられ、そして炭素数3から6の任意の環状アルケニル基としては、3-6員単環式シクロアルケニル基が好ましく、具体例としては、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。置換基の例としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、オキソ基、チオキソ基、および1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群から選ばれる同一または異なる1つ以上(または1~3個が好ましい)の基が挙げられるが、オリゴマー化の反応条件によって影響を受けない基が好ましい。
【0016】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されてもよいC2-6アルキニル」とは、炭素数2から6(C2-6)、好ましくは炭素数2から4(C2-4)、より好ましくは炭素数2から3(C2-3)の任意の直鎖アルキニル基、同一または異なる分枝鎖を有する炭素数3から6の任意の分枝鎖アルキニル基、炭素数3から6の任意の環状アルキニル基、および炭素数4から6のこれらの組み合わせを包含する。例えば、炭素数2から6の任意の直鎖アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基などが挙げられ、同一のまたは異なる分岐鎖を有する炭素数3から6の任意の分岐鎖アルキニル基の具体例としては、イソプロピニル基、1-メチル-1-プロピニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-メチル-1-プロピニル基、2-メチル-2-プロピニル基、1-メチル-2-ブチニル基などが挙げられ、そして炭素数3から6の任意の環状アルキニル基としては、3-6員単環式シクロアルキニル基が好ましく、具体例としては、シクロブチニル基、シクロペンチニル基、シクロヘキシニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。置換基の例としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、オキソ基、チオキソ基、および1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群から選ばれる同一または異なる1つ以上(または1~3個が好ましい)の基が挙げられるが、オリゴマー化の反応条件によって影響を受けない基が好ましい。
【0017】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基」とは、アリール基およびヘテロアリール基の両方を包含することを意味する。当該アリール基およびヘテロアリール基は各々独立して、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。置換基の例としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC2-6アルキニル基、水酸基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、およびアリール基からなる群から選ばれる同一または異なる1つ以上(または1~3個が好ましい)の基が挙げられ、好ましくは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、およびハロゲン原子が挙げられ、より好ましくは、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、およびクロロ原子等が挙げられる。オリゴマー化の反応条件によって影響を受けない基が好ましい。
【0018】
本明細書において、用語「アリール基」とは、芳香族炭化水素から誘導された官能基または置換基であり、複数の環からなるものも含み、具体的には芳香族炭化水素基から水素原子1個を除いた、1つ以上の5員環および/または6員環からなる炭素数6から14の1価の基を意味し、好ましくは5員環または6員環のアリールが挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナンスレニル、アントラセニルなどが挙げられる。また、アリール基の置換基の例としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、、およびアリール基からなる群から選ばれる同一または異なる1つ以上(または1~3個が好ましい)の基が挙げられ、好ましくは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、およびハロゲン原子が挙げられ、より好ましくは、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、およびクロロ原子等が挙げられるが、オリゴマー化の反応条件によって影響を受けない基が好ましい。
1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基の具体例としては、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2-ブロモフェニル、4-メトキシフェニル、4-クロロ-2-ニトロフェニル、4-ニトロフェニル、2-ニトロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-ジメチルアミノフェニル、3-ジメチルアミノフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、ビフェニルなどが挙げられる。
【0019】
本明細書において、用語「ヘテロアリール基」とは環構造に1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、および/または硫黄原子)を含む、1つ以上の5員環および/または6員環からなる炭素数5~12の任意の複素芳香族化合物から水素原子1個を除いた1価の基を意味し、好ましくは、5員環または6員環のヘテロアリールが挙げられる。ヘテロアリール基の具体例としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、またはチアジアゾリル基から選ばれる5員環ヘテロアリール基;および、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、またはピラジニル基から選ばれる6員環ヘテロアリール基が挙げられ、好ましくはトリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、またはピラジニル基が挙げられる。また、ヘテロアリール基の置換基の例としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、およびアリール基からなる群から選ばれる同一または異なる1つ以上(または1~3個が好ましい)の基が挙げられ、好ましくは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、およびハロゲン原子が挙げられ、より好ましくは、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、およびクロロ原子等が挙げられるが、オリゴマー化の反応条件によって影響を受けない基が好ましい。
1つ以上の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール基の具体例としては、1,2,4-トリアゾリル基、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基、1,2,4-チアジアゾリル基、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基、1,3-ピリミジニル基、1,5-ピリミジニル基、4-トリフルオロメチル-1,5-ピリミジニル基、4-ジメチルアミノ-2,4-ピリミジニル基、3-ジメチルアミノ-2,4-ピリミジニル基、3-クロロ-1,5-ピリミジニル基、および1,4-ピリダジニル基が挙げられ、好ましくは、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基、1,5-ピリミジニル基、4-トリフルオロメチル-1,5-ピリミジニル基、4-ジメチルアミノ-2,4-ピリミジニル基、3-ジメチルアミノ-2,4-ピリミジニル基、3-クロロ-1,5-ピリミジニル基、および1,4-ピリダジニル基が挙げられ、より好ましくは、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基、1,2,4-オキサジアゾ-ル-3-イル基、および3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基が挙げられる。
【0020】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基」とは、前記用語「ヘテロアリール基」に定義する、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、5員環または6員環のヘテロアリールが挙げられる。
【0021】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基」とは、前記用語「ヘテロアリール基」に定義する、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピリダジニル基等を意味する。
【0022】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基」とは、かかる1つの置換基で置換されたスルホニル(S(O)2)基を意味する。1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基は、それぞれ前記に定義する通りであり、置換基の具体例としては、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、および4-メチルフェニル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基およびフェニル基が挙げられる。
【0023】
本明細書において、用語「C1-6アルコキシ基」とは、C1-6アルキルが酸素原子と結合した1価基をいい、C1-6アルキル-O基を意味する。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、s-ブトキシ基、および3-メチルブトキシ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書において、用語「アリールオキシ基」とは、アリールが酸素原子と結合した1価基をいう。具体例としては、フェノキシ基、およびp-トリルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において、用語「1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基」とは、アミノ基上の1つ以上の水素原子がC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基をいう。具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書において、用語「ハロゲン(原子)」としては、例えば、フッ素原子(フルオロ)、塩素原子(クロロ)、臭素原子(ブロモ)、またはヨウ素原子(ヨード)が挙げられ、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
【0027】
本明細書において、本発明化合物、中間体化合物、原料化合物等に官能基(例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等)を有する場合は、Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 4th. ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999に記載の方法に準じて、有機合成化学において通常用いる保護基で保護し、反応後、当該保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。保護基としては、同書に記載された有機合成化学において通常用いる保護基が挙げられ、官能基毎の保護基については、下記に記載する。
【0028】
本明細書において、「水酸基の保護基」、「アミノ基の保護基」、「リン酸基の保護基」、「メルカプト基の保護基」内に記載される用語「保護基」とは、核酸合成の際に安定してアミノ基、水酸基、リン酸基またはメルカプト基を保護し得るものであれば、特に制限されない。具体的には、酸性または中性条件で安定であり、加水素分解、加水分解、電気分解、および光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基のことをいう。このような保護基としては、例えば、炭素数1から6のアルキル基;炭素数2から6のアルケニル基;炭素数2から6のアルキニル基;アシル基;テトラヒドロピラニル基またはテトラヒドロチオピラニル基;テトラヒドロフラニル基またはテトラヒドロチオフラニル基;シリル基;炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたメチル基;炭素数1から6のアルコキシ基で置換された炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたメチル基;ハロゲン原子で置換された炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたメチル基;炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたエチル基;ハロゲン原子で置換されたエチル基;1から3個のアリール基で置換されたメチル基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子および/またはシアノ基で置換された1から3個のアリール基で置換されたメチル基;炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたカルボニル基;ハロゲン原子、炭素数1から6のアルコキシ基および/またはニトロ基で置換されたアリール基;ハロゲン原子および/または炭素数1から6の3個のアルキル基で置換されたシリル基で置換された炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたカルボニル基;アルケニルオキシカルボニル基;炭素数1から6のアルコキシ基および/またはニトロ基で置換されたアリール基で置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基;などが挙げられる。
【0029】
「水酸基の保護基」としては、有機合成化学(特に、核酸合成)において通常用いる保護基をいい、例えば、脂肪族アシル基;芳香族アシル基;置換されていてよいアミノカルボニル基;置換されていてよいアルコキシカルボニル基;脂肪族スルホニル基;芳香族スルホニル基;1から3個のアリール基で置換されたメチル基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子および/またはシアノ基で置換された1から3個のアリール基で置換されたメチル基;またはシリル基;が挙げられる。具体例としては、ベンジル(Bn)、4,4'-ジメトキシトリチル(DMTr)、4-メトキシトリチル、トリフェニルメチル、2-ナフチルメチル、ジフェニルアミノカルボニル(DPC)、シアノエトキシカルボニル、テトラヒドロピラニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、4-メトキシベンジル(p-メトキシベンジル)、3,4-ジメトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、p-フェニルベンジル、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、メトキシメチル、ベンゾイル(Bz)、フェノキシアセチル、またはアセチル等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ベンジル(Bn)、4,4'-ジメトキシトリチル(DMTr)、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル(TMS)、ジフェニルアミノカルボニル(DPC)、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニルが好ましく、4,4'-ジメトキシトリチル(DMTr)がより好ましい。
【0030】
本明細書において、用語「置換されてもよいリン酸基」とは、置換基(これは、保護基を含む)を有していてもよいリン酸、亜リン酸、または次亜リン酸を包含する。例えば、式-P(RP1)RP2で表されるリン酸基を包含し、式中、RP1およびRP2は、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたアミノ基を表す。ここで、上記式中、RP1がORP1aそしてRP2がNRP2aとして表すことができる基は「ホスホロアミダイト基」と呼称され、好ましい例である。RP1aとは炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から6のシアノアルキル基であり、RP2aとは炭素数1から6のアルキル基を表し、「ホスホロアミダイト基」の具体例としては、式-P(O(CH2)2CN)(N(iPr)2)で表される基、または式-P(OCH3)(N(iPr)2)で表される基などが挙げられるが、これらに限定されない。式-P(O(CH2)2CN)(N(iPr)2)で表される基が好ましい。ここで、iPrはイソプロピル基を表す。
【0031】
本明細書において、用語「置換されてもよいリン酸基」は、リンを含むキラル補助基を形成していてもよい。リンを含むキラル補助基の具体例としては、非特許文献 N. Okaら、J. AM. CHEM. SOC. 2008, 130, 16031に記載の光学活性二環式オキサザホスホリジンや、非特許文献 K. W. Knouseら、Science 10.1126/science.aau3369 (2018)に記載の5価リン原子を含む光学活性2-チオ-1,3,2-オキサチアホスフォランなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
「アミノ基の保護基」としては、有機合成化学(特に、核酸合成)において通常用いる保護基をいい、例えば、脂肪族アシル基;芳香族アシル基;置換されていてよいアルコキシカルボニル基;1から3個のアリール基で置換されたメチル基;ハロゲン原子および/またはシアノ基で置換された1から3個のアリール基で置換されたメチル基が挙げられる。具体例としては、アセチル(Ac)、フェノキシアセチル(Pac)、t-ブチルフェノキシアセチル(Tac)、p-イソプロピルフェノキシアセチル(iPr-Pac)、トリフルオロアセチル、プロピオニル、イソブチリル、ベンゾイル(Bz)、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、シアノエトキシカルボニル(Ceoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ジメチルアミノメチレニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、4-メトキシベンジル、トリフェニルメチル、2-ニトロベンゼンスルホニル、2,4-ジニトロベンゼンスルホニルまたは2-(トリメチルシリル)エトキシメチル等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、イソブチリル、ベンゾイル(Bz)、t-ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)が好ましい。
【0033】
「リン酸基の保護基」としては、有機合成化学(特に、核酸合成)において通常用いる保護基をいい、例えば、炭素数1から6のアルキル基および/またはシアノ基で置換された炭素数1から6のアルキル基;アラルキル基;ニトロ基および/またはハロゲン原子で置換されたアリール基で置換されたアラルキル基;炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基で置換されたアリール基;2-シアノエチル基;2,2,2-トリクロロエチル基;ベンジル基;2-クロロフェニル基;または4-クロロフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「メルカプト基の保護基」としては、有機合成化学(特に、核酸合成)において通常用いる保護基をいい、例えば、脂肪族アシル基または芳香族アシル基、ベンゾイル基(Bz)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書において、用語「脱離基」とは、反応の間にヘテロリシスでの開裂により切断される場合の、電子対を持つ方の基質分子の一部をいい、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、「水酸基の脱離基」を包含する。水酸基の脱離基の例としては、スルホニルオキシ基(例えば、パラトルエンスルホニルオキシ基、メシルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基など)、アシロキシ基(好ましくは炭素数1~8の、飽和もしくは不飽和アシロキシ基であり、例えばRL-C(=O)-O-で表され、式中のRLはアルキル基で置換されていてもよいアリール基(好ましい総炭素数が6~8であり、例えばフェニル基、p-トリル基など)、アルキル基で置換されていてもよいアリールオキシ基(好ましい総炭素数が6~8であり、例えばフェノキシ基、p-トリルオキシ基など)、アラルキル基(好ましい総炭素数が7~9であり、例えばベンジル基など)、アリールアルケニル基(好ましい総炭素数が8または9であり、例えばシンナミル基など)、アラルキルオキシ基(総炭素数7~15、例えばベンジルオキシ基、9-フルオレニルメチルオキシ基など)、アルコキシ基(炭素数1~8の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基、たとえばメトキシ、エトキシ、t-ブトキシなど)で表される基が挙げられ、具体例としては、ヨード、ブロモ、クロロ、フルオロ、メシルオキシ、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、2,2,2-トリフルオロ-エタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシ、イソ-プロパンスルオニルオキシ、ブタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、ヘプタフルオロプロパン-1-スルホニルオキシ、ペンタンスルホニルオキシ、ペンタフルオロエタンスルホニルオキシ、ペンタンスルホニルオキシ、シクロペンタンスルホニルオキシ、ヘキサンスルホニルオキシ、シクロヘキサンスルホニルオキシ、o-トルエンスルホニルオキシ、m-トルエンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、o-ブロモベンゼンスルホニルオキシ、m-ブロモベンゼンスルホニルオキシ、p-ブロモ-ベンゼンスルホニルオキシ、o-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、m-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、およびp-ニトロベンゼンスルホニルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい脱離基の例として、メタンスルホニルオキシ(メシルオキシ;Ms-O-)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシが挙げられる。
【0036】
本明細書において、用語「アシル基」の例としては、脂肪族アシル基および芳香族アシル基が挙げられる。具体的には、脂肪族アシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、ピバロイル基、バレリル基、イソバレリル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3-メチルノナノイル基、8-メチルノナノイル基、3-エチルオクタノイル基、3,7-ジメチルオクタノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、1-メチルペンタデカノイル基、14-メチルペンタデカノイル基、13,13-ジメチルテトラデカノイル基、ヘプタデカノイル基、15-メチルヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、1-メチルヘプタデカノイル基、ノナデカノイル基、アイコサノイル基およびヘナイコサノイル基のようなアルキルカルボニル基;フェノキシアセチル(Pac)基のようなアリールオキシアルキルカルボニル基;スクシノイル基、グルタロイル基、アジポイル基のようなカルボキシ化アルキルカルボニル基;クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基のようなハロゲン原子で置換された炭素数1から6のアルキル基で置換されたカルボニル基;メトキシアセチル基のような炭素数1から6のアルコキシアルキルカルボニル基;(E)-2-メチル-2-ブテノイル基のような不飽和アルキルカルボニル基が挙げられる。また、芳香族アシル基の例としては、ベンゾイル基、α-ナフトイル基、β-ナフトイル基のようなアリールカルボニル基;2-ブロモベンゾイル基、4-クロロベンゾイル基のようなハロゲノアリールカルボニル基;2,4,6-トリメチルベンゾイル基、4-トルオイル基のような炭素数1から6のアルキル基で置換されたアリールカルボニル基;4-アニソイル基のような炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたアリールカルボニル基;2-カルボキシベンゾイル基、3-カルボキシベンゾイル基、4-カルボキシベンゾイル基のようなカルボキシ化アリールカルボニル基;4-ニトロベンゾイル基、2-ニトロベンゾイル基のようなニトロ化アリールカルボニル基;2-(メトキシカルボニル)ベンゾイル基のような炭素数1から6のアルコキシ基で置換されたカルボニル化アリールカルボニル基;4-フェニルベンゾイル基のようなアリール化アリールカルボニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書において、用語「アラルキル基」とは、芳香族炭化水素基(例えば、6~14員の単環式、二環式または三環式の芳香族炭化水素基を挙げられる)で置換された、炭素数1~6、好ましくは炭素数1~4、より好ましくは炭素数1~3のアルキル基をいう。具体例としては、ベンジル、フェネチル、1-ナフチルメチル、および2-ナフチルメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書において、用語「シリル基」の例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、メチルジ-t-ブチルシリル基、トリイソプロピルシリル基のような炭素数1から6のアルキル基で置換されたシリル基;t-ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ブチルジフェニルブチルシリル基、ジフェニルイソプロピルシリル基、フェニルジイソプロピルシリル基のような1から2個のアリール基で置換された炭素数1から6の3つのアルキル基で置換されたシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書において、用語「β体」とは、核酸のリボース部位の1’位に置換した核酸の塩基部分が置換する方向と、核酸のリボース4’位に置換した5’位側鎖が置換する方向が同一の方向に置換された立体化学を持つものをいう。架橋型人工核酸2’,4’-LNAの場合、核酸のリボース部位の1’位に置換した核酸の塩基部分が置換する方向と、核酸のリボース4’位に置換した架橋には用いられていない5’位側鎖が置換する方向が同一の方向に置換された立体配置を持つ化合物をいう。
【0040】
本明細書において、用語「β選択的」とはβ体を選択的に得ることができることをいう。
【0041】
本明細書において、用語「1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分」における「核酸の塩基部分」とは、天然の核酸の塩基部分、及び非天然の核酸の塩基部分を含み、芳香族ヘテロ環式基を含み、例えば、単環基、二環基、三環基などを包含する。当該分野の当業者にとって、これまで「非天然」であると考えられてきた様々な核酸の塩基部分がその後に天然において見出されることは、明らかであるべきである。従って、「核酸塩基」とは、公知のプリンおよびピリミジンのヘテロ環だけでなく、そのヘテロ環アナログおよび互変異性体を含む。核酸の塩基部分の具体例としては、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシル、プリン、キサンチン、ジアミノプリン、8-オキソ-N6-メチルアデニン、7-デアザキサンチン、7-デアザグアニン、N4,N4-エタノシトシン、N6,N6-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-メチルシトシン、5-(C3~C6)-アルキニルシトシン、5-フルオロシトシン、5-ブロモウラシル、シュードイソシトシン、2-ヒドロキシ-5-メチル-4-トリアゾロピリジン、イソシトシン、イソグアニン、イノシン、N6-アリルプリン、N6-アシルプリン、N6-ベンジルプリン、N6-ハロプリン、N6-ビニルプリン、N6-アセチレン性プリン、N6-アシルプリン、N6-ヒドロキシアルキルプリン、N6-チオアルキルプリン、N2-アルキルプリン、N4-アルキルピリミジン、N4-アシルピリミジン、N4-ベンジルプリン、N4-ハロピリミジン、N4-ビニルピリミジン、N4-アセレン性ピリミジン、N4-アセチルピリミジン、N4-ヒドロキシアルキルピリミジン、N6-チオアルキルピリミジン、6-アザピリミジン、6-アザシトシン、2-および/または4-メルカプトピリミジン、ウラシル、C5-アルキルピリミジン、C5-ベンジルピリミジン、C5-ハロピリミジン、C5-ビニルピリミジン、C5-アセチレン性ピリミジン、C5-アシルピリミジン、C5-ヒドロキシアルキルプリン、C5-アミドピリミジン、C5-シアノピリミジン、C5-ニトロピリミジン、C5-アミノピリミジン、N2-アルキルプリン、N2-アルキル-6-チオプリン、5-シチジニル、5-アザウラシリル、トラゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、およびピラゾロピリミジニルなどを挙げられるが、これらに限定されない。好ましい核酸の塩基部分としては例えば、アデニン、グアニン、2,6-ジアミノプリン、チミン、2-チオチミン、シトシン、5-メチルシトシン、ウラシル、5-フルオロシトシン、キサンチン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、6-クロロ-2-アミノ-プリン、および6-クロロプリンが挙げられ、特に好ましい核酸塩基部分としては例えば、アデニン、グアニン、シトシン、5-メチルシトシン、チミンまたはウラシルが挙げられる。これらの核酸の塩基部分は、1つ以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、水酸基、C1-6のアルコキシ基、メル力プ卜基、C1-6のアルキルチオ基、アミノ基、C1-6のアルキル基で置換されたアミノ基、C1-6のアルキル基、C1-6のアルキニル基および、オキソ基、チオキソ基、ハロゲン原子が挙げられる。該塩基部分上の官能性の酸素、硫黄および窒素基は、必要ならばまたは所望するならば、保護しおよび/または脱保護することができる。適当な保護基は当該分野の当業者にとってよく知られており、例えば、前記した水酸基の保護基、アミノ基の保護基を含み、ジフェニルアミノカルボニル基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、ジメチルへキシルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、およびt-ブチルジフェニルシリル基)、トリチル基、アルキル基、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、ベンゾイル基(Bz)、フェノキシアセチル基(Pac))、アルコキシカルボニル基(例えば、t-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジロキシカルボニル基(Cbz)、ジフェニルアミノカルボニル基(DPC)、シアノエトキシカルボニル基(Ceoc))、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、およびp-トルエンスルホニル基)、ジメチルアミノメチレニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書において、用語「人工核酸」とは、人工ヌクレオシド、人工ヌクレオチド(本明細書では1個のヌクレオシドまたはヌクレオチドをモノマーと記載する場合もある。)、または人工オリゴヌクレオチドを包含する。これらの人工核酸は天然の核酸ではなく、かつ人為的にのみ製造することができる核酸である。これらの人工核酸には核酸塩基部分が非天然の塩基を有するもの、糖部分が修飾された糖を有するもの、及び/またはリン酸部分が非天然のリン酸基を有するものがあげられるが、本発明では糖部分が非天然の糖を有するもの、特に2’位と4’位の炭素原子が架橋されている(デオキシ)リボースを有するものをいう。
【0043】
本明細書において、用語「人工オリゴヌクレオチド」とは、同一または異なる「人工ヌクレオチド」がリン酸ジエステル結合やチオリン酸ジエステル結合等で2個以上結合したものをいい、好ましくは2から100個までの、より好ましくは5から50個までの、最も好ましくは10から30個までの人工ヌクレオチドが結合したもの、またはこれらの相補鎖と2重鎖を形成したものをいう。本明細書では2個以上のヌクレオチドが結合したオリゴヌクレオチドをオリゴマーと記載する場合もある。
【0044】
本発明の化合物の態様について記載する。
【0045】
一般式Iで示される化合物
一態様によれば、
一般式(I):
【化7】
[式中、
Bは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
R
5およびR
6は各々独立して、水素原子、水酸基の保護基、または置換されてもよいリン酸基であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II-1)、(II-2)、または(II-3):
【化8】
で示される基であり;
式(II-1)、(II-2)、または(II-3)中に記載の記号:
【化9】
は、2’-アミノ基との結合点を示し;
R
7およびR
8は各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
1-6アルキル基、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
2-6アルケニル基、1つ以上の置換基で置換されてもよいC
2-6アルキニル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基であり;
Aは芳香族基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である。]
で示される化合物、またはその塩、
を提供する。
【0046】
一実施態様において、一般式(I)で表される化合物またはその塩は、一般式I-a:
【化10】
で表される化合物またはその塩であることが好ましい(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、B、Xおよびmは、一般式(I)と同義である。)。
【0047】
一実施態様において、式(I)における環Bが、1つ以上の保護基を有してもよいアデニニル、1つ以上の保護基を有してもよいグアニニル、1つ以上の保護基を有してもよいシトシニル、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有してもよいウラシリルである、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0048】
一実施態様において、式(I)における環Bが、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有していてもよい5-ウラシリル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0049】
一実施態様において、式(I)における、R1、R2、R3およびR4が各々独立して、水素原子であり、mが1である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0050】
一実施態様において、式(I)における、R6が水素原子またはDMTr基であり、そしてR5が水素原子または-P(O(CH2)2CN)(N(iPr)2)である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0051】
一実施態様において、式(I)における、R6がDMTr基であり、そしてR5が-P(O(CH2)2CN)(N(iPr)2)である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0052】
式(II-1)、(II-2)、または(II-3)と記載する使用される一実施態様に大別される。
まず、式(I)におけるXが式(II-1)で示される基である化合物(以下、本願明細書中、「ウレア型化合物」とも呼称することがある)を挙げることができる。
【0053】
一実施態様において、Xが、式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0054】
一実施態様において、Xが式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC1-3アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0055】
一実施態様において、Xが式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、またはフェニル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0056】
一実施態様において、Xが式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の組み合わせが、R7およびR8がともに水素原子である組み合わせ、R7およびR8がともにメチル基である組み合わせ、R7が水素原子でありそしてR8がメチル基である組み合わせ、R7が水素原子でありそしてR8がイソプロピル基である組み合わせ、またはR7が水素原子でありそしてR8がフェニル基である組み合わせ、である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0057】
一実施態様において、Xが式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の組み合わせが、R7およびR8がともに水素原子である組み合わせ、R7およびR8がともにメチル基である組み合わせ、R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である組み合わせ、R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である組み合わせ、またはR7およびR8の一方が水素原子であり、他方がフェニル基である組み合わせ、である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0058】
一実施態様において、Xが式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0059】
一実施態様において、Xが式(II-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0060】
また、式(I)におけるXが式(II-2)で示される基である化合物(以下、本願明細書中、「ヘテロアリール型化合物」とも呼称することがある)を挙げることができる。
【0061】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0062】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0063】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0064】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0065】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aとしての5または6員環のヘテロアリール基が、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピラジニル基からなる群から選ばれる、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0066】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aとしての1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾリル基が、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0067】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aとしての1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基が、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0068】
一実施態様において、Xが式(II-2)で示される基であり;そして、
Aとしての1つ以上の置換基で置換されていてもよいチアジアゾリル基が、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0069】
一実施態様において、Xが式(II-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0070】
一実施態様において、Xが式(II-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいメチル基、および1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0071】
一実施態様において、Xが式(II-3)で示される基であり;そして、
Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0072】
一実施態様において、式(I)で示される化合物またはその塩の具体的な例として、以下に示す化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物またはその塩を提供する。
以下の化合物:
3-[[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-5-オキサ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物1);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物2);
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物3);
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物4);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物5);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物6);
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物7);
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物8);
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(メチルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物9);
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物10);
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物11);
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物12);
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(イソプロピルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物13);
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物14);
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物15);
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物16);
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物17);
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物18);
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-6-ホルムアミジン(本発明化合物19);
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物20);
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物21);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物22);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物23);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアンエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物24);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物25);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物26));
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミン)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物27);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[(6-ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物28);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)オキシプロパンニトリル(本発明化合物29);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物30);
3-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物31);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物32);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物33);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物34);
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン(本発明化合物35);
N-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物36);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物37);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物38);
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物39);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物40);
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4―イル]ジヒドロピリミジン-2-オン(本発明化合物41)
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチルホルムアミジン(本発明化合物42);
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド(本発明化合物43);および
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド(本発明化合物44)、からなる群から選ばれる化合物。
【0073】
オリゴヌクレオチド
一般式(I’)で示される化合物
一態様によれば、
一般式(I’):
【化11】
[式中、
Bは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい核酸の塩基部分であり;
R
1、R
2、R
3およびR
4は各々独立して、水素原子、または1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
mは、1または2であり;
Xは、下記式(II’-1)、(II’-2)、または(II’-3):
【化12】
で示される基であり;
式(II’-1)、(II’-2)、または(II’-3)中に記載の記号:
【化13】
は2’-アミノ基との結合点を示し;
Aは、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、芳香族基であり;
Mは、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である。]
で示されるヌクレオシドを1つ以上有しているオリゴヌクレオチド、またはその塩、を提供する。
【0074】
一実施態様において、式(I’)における環Bが、1つ以上の保護基を有してもよいアデニニル、1つ以上の保護基を有してもよいグアニニル、1つ以上の保護基を有してもよいシトシニル、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有してもよいウラシリルである、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0075】
一実施態様において、式(I’)における環Bが、1つ以上の保護基を有してもよい5-メチルシトシニルまたは1つ以上の保護基を有していてもよい5-ウラシリル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0076】
一実施態様において、式(I’)における、R1、R2、R3およびR4が各々独立して、水素原子であり、mが1である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0077】
一実施態様において、式(I’)における、ヌクレオチド間の少なくとも1つ以上が、ホスホロチオエート結合である、硫黄化された、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0078】
式(I’)におけるXが式(II’-1)で示される基である化合物(以下、本願明細書中、「ウレア型化合物」とも呼称することがある)を挙げることができる。
【0079】
一実施態様において、式(I’)において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である。式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0080】
一実施態様において、Xが、式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0081】
一実施態様において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、1つ以上の置換基で置換されてもよいC1-3アルキル基、または1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0082】
一実施態様において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8が各々独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、またはフェニル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0083】
一実施態様において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の組み合わせが、R7およびR8がともに水素原子である組み合わせ、R7およびR8がともにメチル基である組み合わせ、R7が水素原子でありそしてR8がメチル基である組み合わせ、R7が水素原子でありそしてR8がイソプロピル基である組み合わせ、またはR7が水素原子でありそしてR8がフェニル基である組み合わせ、である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0084】
一実施態様において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の組み合わせが、R7およびR8がともに水素原子である組み合わせ、R7およびR8がともにメチル基である組み合わせ、R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である組み合わせ、R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である組み合わせ、またはR7およびR8の一方が水素原子であり、他方がフェニル基である組み合わせ、である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0085】
一実施態様において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がメチル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0086】
一実施態様において、Xが式(II’-1)で示される基であり;そして、
R7およびR8の一方が水素原子であり、他方がイソプロピル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0087】
また、式(I’)におけるXが式(II’-2)で示される基である化合物(以下、本願明細書中、「ヘテロアリール型化合物」とも呼称することがある)を挙げることができる。
【0088】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0089】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた2または3つのヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0090】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0091】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aが、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも2つの窒素原子を含めた1つ以上のヘテロ原子を含む、5または6員環のヘテロアリール基であって、該置換基が各々独立して、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基、ハロゲン原子、および1つ以上のC1-3アルキル基で置換されていてもよいアミノ基からなる群から選ばれる、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0092】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aとしての5または6員環のヘテロアリール基が、1つ以上の置換基で置換されていてもよい、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリミジニル基、およびピラジニル基からなる群から選ばれる、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0093】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aとしての1つ以上の置換基で置換されていてもよいトリアゾール基が、1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0094】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aとしての1つ以上の置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基が、5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0095】
一実施態様において、Xが式(II’-2)で示される基であり;そして、
Aとしての1つ以上の置換基で置換されていてもよいチアジアゾリル基が、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0096】
一実施態様において、Xが式(II’-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基および1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0097】
一実施態様において、Xが式(II’-3)で示される基であり;そして、
Mが、1つ以上の置換基で置換されていてもよいメチル基、および1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0098】
一実施態様において、Xが式(II’-3)で示される基であり;そして、
Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0099】
一実施態様において、Xが式(II’-3)で示される基であり;そして、
Mが、メチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる1つの置換基で置換された、スルホニル基である、式(I’)で示されるオリゴヌクレオチド化合物またはその塩を提供する。
【0100】
一実施態様において、当該オリゴヌクレオチドまたはその塩は当該ヌクレオチドを2個以上結合したものであり、2から100個までのヌクレオチドを含むものであることが好ましく、5から50個までのヌクレオチドを含むものであることがより好ましく、最も好ましくは10から30個までの人工ヌクレオチドが結合したもの、またはこれらの相補鎖と2重鎖を形成したものである。
【0101】
本明細書において、用語「化合物の塩」における「塩」とは、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などの金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ヘキシルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような炭素数1から6のアルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;および、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などを挙げられるが、これらに限定されない。薬理的に許容し得る塩を包含する。
【0102】
本明細書で記載する一般式(I)で表される各化合物は、エナンチオマーもしくはジアステレオマーの形態またはこれらの混合物を包含する。例えば、各化合物の構造における、糖部分の立体配置がα体およびβ体を包含するが、β体が好ましい。前記一般式(I)で表される化合物がジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態で得られる場合、これらを有機合成(例えば、糖合成)の分野で周知の慣用の方法、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶法等で分離することができる。例えば、下記式:
【化14】
で表される2Tdの化合物は、糖部分の立体配置がβ体である。
【0103】
本明細書で記載する一般式Iで表される各化合物は、同位元素(例えば、3H、13C、14C、15N、18F、32P、35S、125I等)等で標識された化合物および重水素変換体を包含する。
【0104】
本明細書で記載するオリゴヌクレオチドおよびその類縁体は、例えば、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤を配合して、非経口投与製剤またはリポソーム製剤とすることができる。また、例えば、当該技術分野で通常用いられる医薬用担体を配合して、液剤、クリーム剤、軟膏剤などの局所用の製剤を調製できる。
【0105】
(製造方法)
以下に、本発明の化合物の製造方法を記載する。
なお、下記に記載する出発化合物および中間体化合物の各化合物において、絶対配置を有する光学活性体は、出発原料に光学活性体のものを用いるかまたは合成の途中段階で生じる異性体を分離することによっても製造することができる。また、以下で記載する核酸塩基を置換する核酸塩基交換反応は、β選択的トランスグリコシル化が効率よく進行し、得られる一般式Iで表される化合物は、所望するβ体を選択的に得ることができる。
【0106】
本発明化合物またはその薬理的に許容し得る塩は、以下の方法で製造することができるが、これらに限定されるものではない。
原料化合物については、それらの具体的な製法が述べられていない場合には、市販されているものを用いることができるか、または公知の方法もしくはこれに準じる方法に従って製造することができる。
【0107】
なお、本明細書において使用される略号は、それぞれ以下の意味を表す。
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
MsCl:メタンスルホニルクロリド
DMAP:N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
iPr2NEt、及びDIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
BSA:N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド
TMSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル
TBSOTf: t-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸
Bn:ベンジル
TMS:トリメチルシリル
TBDPS:tert-ブチルジフェニルシリル
Ac:アセチル
MOE:メトキシエチル
CH2Cl2:ジクロロメタン
MeCN:アセトニトリル
DMTr:4,4’-ジメトキシトリチル
【0108】
まず、本発明化合物(モノマー)の製造方法の概略を記載する。
【0109】
(スルホンアミド系統化合物)
一般式IにおけるXが式(II-3)で表される基である、いわゆるスルホンアミド系統の本発明化合物の製造方法を記載する。製造スキームの典型的な例は以下の反応スキーム1に示す通りであるが、これらに限定されるものではない。
反応スキーム1
【化15】
【0110】
(工程1)
出発物質として糖化合物である出発化合物1(例えば、国際公開第2017/047816号に記載の製法に従って製造することができる)を用い、公知の方法により、一般式(I)中のR5基として水酸基の保護基を導入して、中間体化合物2を製造する。あるいは、出発化合物1中の核酸塩基部分(略語Bで表す)を別の保護されていてもよい核酸塩基部分(略語B’で表す)で核酸塩基交換反応を行うと同時に、水酸基の保護基を導入して、中間体化合物2を製造する。
本水酸基の保護基の導入は、保護基の種類に応じて有機合成化学(例えば、核酸合成)でよく知られる反応条件下、実施することができる。例えば、水酸基の保護基がシリル型保護基(例えば、TMS)である場合には、シリル化剤(例えば、BSA、ヘキサメチルジシラザン、TMSクロリド)を使用することができる。この際、ルイス酸(例えば、TMSOTf、TBSOTf、塩化スズ)を添加してもよい。
反応基質に対して、シリル化剤は約1~約20モル当量数で、ルイス酸は触媒量(約0.05モル当量数)~2モル当量数で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの炭化系水素類、アセトニトリル、水またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~高温、とりわけ室温~約60℃で好適に進行する。
【0111】
また、核酸塩基交換反応(トランスグリコシル反応)により、チミン(T)、ウラシル(U)等の核酸塩基のピリミジン塩基部分を、別の保護されていてもよい核酸塩基部分(例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、チミン(T)、シトシン(C)、または5-メチルシトシン(MeC))に置換することによって、核酸塩基部分が交換された中間体化合物2を製造することができる。該塩基交換反応は、ルイス酸(例えば、TMSOTf、TBSOTf)の存在下で実施することができ、シリル化剤を反応させることによって反応を促進することができる。
【0112】
(工程2)
次に、中間体化合物2を出発物質として用いて、公知の方法により、アルキルスルホニルハライドまたは芳香族スルホニルハライドを、中間体化合物2と反応させることにより、アミノ窒素原子上をスルホンアミド化して、中間体化合物3を製造する。
スルホンアミド化反応に用いられるスルホンアミド化試薬としては、アルキニルスルホニルハライド試薬(例えば、メタンスルホニルクロリド(MsCl))、アルキルスルホン酸無水物(例えば、メタンスルホン酸無水物)、芳香族スルホニルハライド試薬(例えば、ベンゼンスルホニルクロリド)、または芳香族スルホン酸無水物(例えば、ベンゼンスルホン酸無水物)が挙げられ、塩基(例えば、トリエチルアミン、DIPEA)の存在下、使用することができる。
反応基質に対して、スルホンアミド化試薬はほぼ当量モル数~いくらか過剰当量モル数(例えば、約1.0モル当量)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの炭化系水素類、アセトニトリル、水またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~室温、とりわけ0℃~室温で好適に進行する。
【0113】
(工程3)
次に、中間体化合物3を出発物質として用いて、公知の方法により、工程1において導入された水酸基の保護基を脱保護することにより、中間化合物4を製造する。
本脱保護反応は、保護基の種類に応じて適当な反応条件(例えば、試薬等)下で行うことができる。例えば、水酸基の保護基(略語RPRO)がシリル型保護基(例えば、TMS)であるときは、酸性条件下での加水分解(例えば、酢酸-THF-水)またはフッ化物イオン供与試薬(例えば、TBAF)を用いて処理することにより、実施することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、水またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~100℃、とりわけ0℃~50℃で好適に進行する。
【0114】
(工程4)
更に、中間体化合物4を出発物質として用いて、有機合成(特に、核酸合成)上一般的に知られる反応条件(例えば、試薬)下で、ホスホロアミダイト化して、所望するスルホンアミド系統の本発明化合物を製造する。
ホスホロアミダイト化試薬としては、例えば、下記式:
【化16】
が挙げられるが、これに限定されない。当該ホスホロアミダイト化反応は、適宜塩基(例えば、DIPEA)または適宜酸(例えば、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド、4,5-ジシアノイミダゾール)の存在下で行ってもよい。
反応基質に対して、ホスホロアミダイト化試薬は1モル当量数~10モル当量数、好ましくは1モル当量数~5モル当量数(例えば、3モル当量数)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~60℃、とりわけ0℃~室温で好適に進行する。
【0115】
なお、上記工程1の実施前から工程4の実施後のいずれかの段階で、適宜、核酸塩基の環上の置換基を修飾(例えば、シトシン環のアミノ置換基のベンゾイル化、もしくはアセチル化)してもよい。
【0116】
また、上記の工程(1)~工程(4)のうち、複数の工程(例えば、工程(1)と工程(2)、および工程(2)と工程(3))を連続して行ってもよい。
【0117】
(ウレア系統化合物)
一般式IにおけるXが式(II-1)で表される基である、いわゆるウレア系統の本発明化合物の製造方法を記載する。製造スキームの典型的な例は以下の反応スキーム2に示す通りであるが、これらに限定されるものではない。
反応スキーム2
【化17】
【0118】
(工程1)
出発物質として前記の出発化合物1を用いて、公知の方法によるウレア化反応を行う前に、前記反応スキーム1の工程1と同様に、出発化合物1中の核酸塩基部分(略語Bで表す)を別の保護されていてもよい核酸塩基部分(略語B’で表す)で核酸塩基交換反応を行った後に、ウレア化反応を行ってもよい。また、前記反応スキームと同様に、この核酸塩基交換反応を行った後に、適宜、水酸基の保護基を導入してもよい。
核酸塩基交換反応(トランスグリコシル反応)は、公知の方法により、チミン(T)、ウラシル(U)等の核酸塩基のピリミジン塩基部分を、別の保護されていてもよい核酸塩基部分(例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、チミン(T)、シトシン(C)、または5-メチルシトシン(MeC))に置換することによって、核酸塩基部分が交換された中間体化合物5を製造することができる。該塩基交換反応は、ルイス酸(例えば、TMSOTf、TBSOTf)の存在下で実施することができ、シリル化剤(例えば、BSA)を反応させることによって反応を促進することができる。
また、この水酸基の保護基の導入は、保護基の種類に応じて有機合成化学(例えば、核酸合成)でよく知られる反応条件下、実施することができる。例えば、水酸基の保護基がシリル型保護基(例えば、TMS)である場合には、シリル化剤(例えば、BSA、ヘキサメチルジシラザン、TMSクロリド)を使用することができる。この際、ルイス酸(例えば、TMSOTf、TBSOTf、塩化スズ)を添加してもよい。
反応基質に対して、シリル化剤は約1~約20モル当量数で、ルイス酸は触媒量(約0.05モル当量数)~2モル当量数で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの炭化系水素類、アセトニトリル、水またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~高温、とりわけ室温~約60℃で好適に進行する。
【0119】
(工程2)
次に、出発化合物1または中間体化合物5を出発物質として用いて、公知の方法により、ウレア化試薬を、出発化合物1または中間体化合物5と反応させることにより、アミノ窒素原子上でウレア化して、中間体化合物6を製造する。
ウレア化反応に用いられるウレア化試薬としては、イソシアナートや、N-アルキルカルバモイルハライド試薬(例えば、N-メチルカルバモイルクロリド)またはN,N-ジアルキルカルバモイルハライド試薬(例えば、N,N-ジメチルカルバモイルクロリド)が挙げられ、塩基(例えば、DIPEA)の存在下、もしくは非存在下、使用することができる。
反応基質に対して、ウレア化試薬は、ほぼ当量モル数~いくらか過剰当量モル数(例えば、約1.0モル当量)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~室温、とりわけ0℃~室温で好適に進行する。
【0120】
(工程3)
次に、適宜、前記工程1において水酸基の保護基を導入した場合には、中間体化合物6を出発物質として用いて、公知の方法により、導入された水酸基の保護基を脱保護することにより、中間体化合物7を製造する。
この脱保護反応は、前記反応スキーム1の工程3と同様に、保護基の種類に応じて適当な反応条件(例えば、試薬等)下で行うことができる。例えば、水酸基の保護基(略語RPRO)がシリル型保護基(例えば、TMS)であるときは、酸性条件下での加水分解(例えば、酢酸-THF-水)またはフッ化物イオン供与試薬(例えば、TBAF)を用いて処理することにより、実施することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、水またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~100℃、とりわけ0℃~50℃で好適に進行する。
【0121】
(工程4)
更に、前記反応スキーム1の工程4と同様に、中間体化合物6または中間体化合物7を出発物質として用いて、公知の方法により、ホスホロアミダイト化して、所望するウレア系統(例えば、メチルウレア系統、およびイソプロピルウレア系統)の本発明化合物を製造する。
ホスホロアミダイト化試薬としては、例えば、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトが挙げられ、塩基(例えば、トリエチルアミン、DIPEA)の存在下、使用することができる。
反応基質に対して、ホスホロアミダイト化試薬は1モル当量数~10モル当量数、好ましくは1モル当量数~5モル当量数(例えば、3モル当量数)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~60℃、とりわけ0℃~室温で好適に進行する。
【0122】
また、上記の工程(1)~工程(4)のうち、複数の工程(例えば、工程(1)と工程(2)、工程(2)と工程(3)、および工程(1)~工程(3))を連続して行ってもよい。
【0123】
なお、上記工程1の実施前から工程4の実施後のいずれかの段階で、適宜、核酸塩基の環上の置換基を修飾(例えば、シトシン環のアミノ置換基のベンゾイル化、もしくはアセチル化)してもよい。
【0124】
(アリール系統化合物)
一般式IにおけるXが式(II-2)で表される基である、いわゆるアリール系統の本発明化合物の製造方法を記載する。製造スキームの例は以下の反応スキーム3に示す通りである。
反応スキーム3
【化18】
【0125】
(工程1)
出発物質として前記の出発化合物1を用いて、公知の方法によるアリール化反応を行う前に、前記反応スキーム1の工程1と同様に、出発化合物1中の核酸塩基部分(略語Bで表す)を別の保護されていてもよい核酸塩基部分(略語B’で表す)で核酸塩基交換反応を行った後に、アリール化反応を行ってもよい。
核酸塩基交換反応(トランスグリコシル反応)は、公知の方法により、チミン(T)、ウラシル(U)等の核酸塩基のピリミジン塩基部分を、別の保護されていてもよい核酸塩基部分(例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、チミン(T)、シトシン(C)、または5-メチルシトシン(MeC))に置換することによって、核酸塩基部分が交換された中間体化合物8を製造することができる。該塩基交換反応は、ルイス酸(例えば、TMSOTf、TBSOTf)の存在下で実施することができ、シリル化剤(例えば、BSA)を反応させることによって反応を促進することができる。
また、この水酸基の保護基の導入は、保護基の種類に応じて有機合成化学(例えば、核酸合成)でよく知られる反応条件下、実施することができる。例えば、水酸基の保護基がシリル型保護基(例えば、TMS)である場合には、シリル化剤(例えば、BSA、ヘキサメチルジシラザン、TMSクロリド)を使用することができる。この際、ルイス酸(例えば、TMSOTf、TBSOTf、塩化スズ)を添加してもよい。
反応基質に対して、シリル化剤は約1~約20モル当量数で、ルイス酸は触媒量(約0.05モル当量数)~2モル当量数で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの炭化系水素類、アセトニトリル、水またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~高温、とりわけ室温~約60℃で好適に進行する。
【0126】
(工程2)
次に、出発化合物1または中間体化合物8を出発物質として用いて、公知の方法により、アリール化試薬を、出発物質化合物1または中間体化合物8と反応させることにより、アミノ窒素原子上で芳香族化して、中間体化合物9を製造する。
芳香族化反応に用いられるアリール化試薬としては、所望するアリールのハライド化合物(例えば、クロロピリミジン、ジクロロピリミジン、フルオロピラジン、クロロトリアゾール、クロロオキサジアゾール、またはクロロチアジアゾール)が挙げられ、塩基(例えば、DIPEA)の存在下、使用することができる。
反応基質に対して、アリール化試薬は、約1~約10モル当量数、好ましくは約1~約5モル当量数(例えば、約3モル当量数)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、DMSO等の非プロトン性極性溶媒、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、室温~高温、とりわけ高温(例えば、120~130℃)で好適に進行する。
【0127】
(工程3)
更に、前記反応スキーム1の工程4と同様に、中間体化合物9または中間体化合物8を出発物質として用いて、公知の方法により、ホスホロアミダイト化して、所望するアリール系統(例えば、芳香族系統、およびヘテロアリール系統)の本発明化合物を製造する。
ホスホロアミダイト化試薬としては、例えば、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトが挙げられ、塩基(例えば、トリエチルアミン、DIPEA)の存在下、使用することができる。
反応基質に対して、ホスホロアミダイト化試薬は1モル当量数~10モル当量数、好ましくは1モル当量数~5モル当量数(例えば、3モル当量数)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~60℃、とりわけ0℃~室温で好適に進行する。
【0128】
また、上記の工程(1)~工程(3)のうち、複数の工程(例えば、工程(1)と工程(2))を連続して行ってもよい
【0129】
なお、上記工程1の実施前から工程3の実施後のいずれかの段階で、適宜、核酸塩基の環上の置換基を修飾(例えば、シトシン環のアミノ置換基のベンゾイル化、もしくはアセチル化)してもよく、または、導入されたアリール基の芳香環上の置換基を修飾(例えば、クロロ基のアミノ基への変換)してもよく、あるいは、これらの両方の修飾を行ってもよい。
【0130】
(核酸塩基交換の別製法)
工程1に記載する核酸塩基交換反応の代わりに、以下の反応スキーム4に示す一連の反応を用いて核酸塩基の部分的返還を行ってもよい。かかる一連の反応は、文献(例えば、C.H.Kimら、J.Med.Chem.1987,30,862.)に記載の方法に従って実施することができる。
反応スキーム4
【化19】
【0131】
(工程A)
核酸塩基部分がチミンである中間体化合物9'(例えば、上記工程2で得られた中間体化合物2)を出発物質として用いて、アセチル化試薬(例えば、無水酢酸)を塩基(例えば、ピリジン)の存在下で反応させることにより、水酸基がアシル化された中間体化合物Aを製造する。適宜、反応活性化試薬として、触媒量のDMAPを加えてもよい。
反応基質に対して、アセチル化試薬は、約1~3モル当量数(例えば、約1.5モル当量数)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、または塩基として使用するピリジン等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~高温(例えば、室温)で好適に進行する。
【0132】
(工程B)
次に、中間体化合物Aを出発物質として用いて、チミン部をオキシ塩化リンなどのクロロ化剤にて活性化した後、1,2,4-トリアゾールを、塩基(例えば、DIPEA)の存在下で反応させることにより、核酸塩基部分が1,2,4-トリアゾール基に置換された中間体化合物Bを製造する。
反応基質に対して、1,2,4-トリアゾールは、過剰モル当量(約5~約20モル当量数(例えば、約9~10モル当量数))で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、-25℃~室温、とりわけ0℃~室温で好適に進行する。
【0133】
(工程C)
また、中間体化合物Bを出発物質として用いて、塩基(例えば、アンモニア水)を反応させて、上記工程Aで導入したアセチル基および工程Bで修飾された1,2,4-トリアゾール基を除去して、核酸塩基部分が5-メチルシトシンである中間体化合物Cを製造する。
反応基質に対して、アンモニア水(例えば、28%アンモニア水)は、過剰モル当量で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~室温、とりわけ室温で好適に進行する。
【0134】
得られた中間体化合物Cを出発物質として用いて、適宜、核酸塩基の環上の置換基を修飾(例えば、シトシン環のアミノ置換基のベンゾイル化、もしくはアセチル化)、または、導入されたアリール基の芳香環上の置換基を修飾(例えば、クロロ基のアミノ基への変換)し、その後に、ホスホロアミダイト化して、所望するアリール系統(例えば、芳香族系統、およびヘテロアリール系統)の本発明化合物を製造する。
【0135】
(芳香族化の別製法1)
更に、工程2に記載する、アリール化試薬による芳香族化の代わりに、以下の反応スキーム5に示す一連の反応を用いて芳香族化を行ってもよい。
反応スキーム5
【化20】
【0136】
(工程D)
前記出発化合物1を用いて、チオウレア化試薬(例えば、1,1-チオカルボニルジイミダゾール)を反応させ、アンモニア水で処理することにより、アミノ窒素原子上でチオウレア化された中間体化合物Dを製造する。
反応基質に対して、チオウレア化試薬は、約1~5モル当量数、とりわけ約2モル当量数で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~室温(例えば、室温)で好適に進行する。
【0137】
(工程E)
次に、中間体化合物Dを出発物質として用いて、メチル化試薬(例えば、ヨウ化メチル)と反応させることにより、S-メチル化され且つカルボイミド化された中間体化合物Eを製造する。
反応基質に対して、メチル化試薬は、約1~5モル当量数、とりわけ3モル当量数で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~室温(例えば、室温)で好適に進行する。
【0138】
(工程F)
また、中間体化合物Eを出発物質として用いて、アセチル化試薬(例えば、無水酢酸)と塩基(例えば、ピリジン)の存在下で反応させることにより、カルボイミド基および水酸基がアシル化された中間体化合物Fを製造する。適宜、反応活性化試薬として、触媒量のDMAPを加えてもよい。
反応基質に対して、アセチル化試薬は、約1~5モル当量数(例えば、約3モル当量数)で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(THF等のエーテル類、または塩基として使用するピリジン等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~高温(例えば、室温)で好適に進行する。
【0139】
(工程G)
また、中間体化合物Fを出発物質として用いて、メチルヒドラジンとの閉環反応により、1,2,4-トリアゾール環が形成した中間体化合物Gを製造する。
反応基質に対して、メチルヒドラジンは、過剰モル当量(約5~20モル当量数(例えば、約10モル当量数))で使用することができる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであればよく、適当な溶媒(エタノール等のアルコール溶媒等)中、実施することができる。反応温度は、0℃~高温(例えば、室温)で好適に進行する。
【0140】
得られた中間体化合物Gを出発物質として用いて、適宜、核酸塩基の環上の置換基を修飾(例えば、シトシン環のアミノ置換基のベンゾイル化、もしくは)、または、導入されたアリール基の芳香環上の置換基を修飾(例えば、クロロ基のアミノ基への変換)し、その後に、ホスホロアミダイト化して、所望するアリール系統(例えば、芳香族系統、およびヘテロアリール系統)の本発明化合物を製造する。
【0141】
【0142】
本発明化合物またはその塩は、オリゴヌクレオチドを製造するための、モノマー出発原料として使用することができる。オリゴヌクレオチドは、一般式(I)で表される化合物またはその塩を用いてオリゴマー化反応をした後、必要に応じてアミノ保護基、および水酸基保護基を脱保護することで合成することができる。
オリゴマー化反応は例えば、合成化学(特に、核酸合成)上一般的に知られる方法であれば限定されるものではないが、例えばホスホロアミダイトホスホロアミダイト法により行うことができる。ホスホロアミダイトホスホロアミダイト法としては、例えばWO 2014/046212A1に記載の方法に準じる方法に従って行うことができる。
本オリゴマー化反応により、一般式(I)で表されるヌクレオチドを1つ以上有しているオリゴヌクレオチドを製造することができる。
【0143】
すなわち、一般式(I’)で表されるオリゴヌクレオチドの製造方法は、以下の工程を含む:
a)一般式(I)で表される化合物、またはその塩を用いてオリゴマー化反応をした後、必要に応じてアミノ保護基、および水酸基保護基を脱保護する。
【0144】
また、一般式(I)で表される化合物またはその塩の製造方法は、本明細書に記載する工程のうち、以下の少なくとも1つの工程を含んでいてもよい。
本発明化合物またはその塩を製造する工程。
例えば前記中間体化合物4、7または9で表される化合物またはその塩をホスホロアミダイト化反応させて、一般式(I’)で表される化合物またはその塩を製造する工程。
例えば前記中間体化合物3、または6で表される化合物の水酸基の保護基を脱保護することにより、前記中間体化合物4、7または9で表される化合物を製造する工程。
【0145】
(ホスホロチオエートオリゴマーの製法)
ホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチドの合成では、亜リン酸基をリン酸基に変換する際に酸化剤が用いられる。このときに用いられる酸化剤の代わりにDDTT(((ジメチルアミノ-メチリデン)アミノ)-3H-1,2,4-ジチアザオリン-3-チオン)や、Beaucage試薬(3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン-1,1-ジオキシド)を用いると、リン酸基のP=Oにおける酸素原子がP=Sのように硫黄に置換されてチオリン酸基となった、保護基を有するホスホロチオエートオリゴマーが得られる。
【実施例】
【0146】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、化合物の同定はマス・スペクトル、高速液体クロマト質量分析計;LCMS、NMRスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行った。NMRにおいて水素核磁気共鳴(1H-NMR)では共鳴周波数が400MHzのものを、リン核磁気共鳴(31P-NMR)では共鳴周波数が161.8MHzのものを用いた。NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、tdは三重の二重線、qは四重線、quinは五重線、septは七重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brdは幅広い二重線、brtは幅広い三重線及びJは結合定数を意味する。
【0147】
各人工核酸の構造と略称(本明細書中で適宜、略称で記す)を、下記構造式に示した。
各人工核酸の構造と略称
【化22】
【0148】
【0149】
実施例1 化合物2Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン
国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン(1a)(12.35g, 21.61mmol)のジクロロメタン(61mL)混合溶液にBSA(13mL,53.17mmol)を添加し、混合物を室温にて8時間撹拌した。そこにBSA(5.2mL,21mmol)、TMSOTf(200μL,1.0mmol)を加え、再度室温にて混合物を15時間撹拌した。反応液に5%重曹水(50mL)を添加して撹拌し、ジクロロメタンで抽出した。水層をジクロロメタン(61mL)で混合し、抽出して、ジクロロメタンの有機層を合液し混合した。有機層を溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~98/2)にて精製することで、化合物2Ta(10.49g, 収率75%)を得た。
MS(ESI): m/z = 644 (M+H)+
【0150】
実施例2 化合物2Tbの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-5-メチルスルホニル-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン
化合物2Ta(10.19g, 15.83mmol)のジクロロメタン(50mL)混合溶液にDIPEA(5.4mL,31mmol)を添加し、氷浴下でメシルクロリド(1.4mL,18mmol)を添加し、混合物を氷浴下で1.5時間撹拌した。反応液に5%重曹水(20mL)を添加して撹拌し、ジクロロメタンで抽出した。水層をジクロロメタン(20mL)で混合し、抽出して、ジクロロメタンの有機層を合液し混合した。有機層を溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~98/2)にて精製することで、化合物2Tb(6.56g, 収率57%)を得た。
MS(ESI): m/z = 720 (M-H)-
【0151】
実施例3 化合物2Tcの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン
化合物2Tb(3.02g, 4.13mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)混合液に氷浴下でTBAF(1.35mL,4.58mmol,1M テトラヒドロフラン溶液)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応液に10%塩化アンモニウム水溶液(20mL)、ジクロロメタン(20mL)を添加して撹拌し、ジクロロメタンで抽出した。水層をジクロロメタン(20mL)で混合し、抽出して、ジクロロメタンの有機層を混合した。有機層を溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~98/2)にて精製することで、化合物2Tc(2.47g, 収率92%)を得た。
MS(ESI): m/z = 648 (M-H)-
【0152】
実施例4 化合物2Td
3-[[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-メチルスルホニル-5-オキサ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物1)
化合物2Tc(2.47g, 3.80mmol)のジクロロメタン(12.5mL)溶液に氷冷下にてDIPEA(2.00mL, 12.0mmol)、2-シアノエチル N,N,N’,N’-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(2.10mL, 9.40mmol)を加えて、混合物を室温にて5時間撹拌した。そこに氷冷下にて5%炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、ジクロロメタン(10mL)を加えて室温にて撹拌した後、ジクロロメタンで抽出した。水層をジクロロメタン(10mL)で抽出し、ジクロロメタンの有機層を合液し混合した。これを減圧下、溶媒留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル、60/40~40/60)を行うことで、本発明化合物1としての化合物2Td(2.13g, 収率66%)を得た。
MS(ESI): m/z = 850 (M+H)+
31P-NMR (CDCl3) δ: 150.30, 149.12
【0153】
【0154】
実施例5 化合物2mCcの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物1a(10.33g,18.1mmol)とN-(5-メチル-2-オキソ-1H-ピリミジン-4-イル)ベンズアミド(12.42g,54.2mmol)のトルエン(180mL)懸濁液にBSA(44mL,180mmol)を加えて、混合物を室温にて15分間撹拌した。そこにTMSOTf(0.52mL,2.71mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液をIPE(100mL)と飽和重曹水(50mL)、水(50mL)の混合液中に加え、混合物を10分間撹拌し、不溶物をセライトろ去した。ろ液から水層を除き、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)にて順次洗浄した。フェーズセパレーターに通し、溶媒留去した。残渣にジクロロメタン(90mL)を加えて溶解し、トリエチルアミン(5.0mL,36.0mmol)、メタンスルホン酸無水物(3463mg,19.9mmol)を加えて、混合物を室温にて40分間撹拌した。メタンスルホン酸無水物(944mg,5.42mmol)を追加して、混合物を室温にて30分間撹拌した。さらにメタンスルホン酸無水物(944mg,5.42mmol)、トリエチルアミン(1.3mL,9.06mmol)を追加して、混合物を室温にて20分間撹拌した。酢酸エチル(80mL)で希釈し、水(40mL)および飽和重曹水(40mL)を加えて、混合物を撹拌した。水層を除き、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、フェーズセパレーターに通して溶媒留去し、真空乾燥した。残渣にTHF(90mL)を加えて溶液とし、氷冷下にてTBAF(0.1M THF溶液、21.7mL,21.7mmol)を加えて、混合物を氷冷下にて15分間撹拌した。酢酸エチル(90mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)、および水(40mL)を加えて撹拌した。水層を除き、フェーズセパレーターに通して溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~95/5)にて精製することで、化合物2mCc(5702mg,3工程での収率38%)を得た。
MS(ESI): m/z = 753(M+H)+
【0155】
実施例6 化合物2mCdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物2)
実施例4と同様にして化合物2mCc(8099mg, 9.89mmol)から、本発明化合物2としての化合物2mCd(6809mg,収率72%)を得た。
MS(APCI): m/z = 954(M+H)+
【0156】
【0157】
実施例7 化合物2Gaの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート
化合物1a(5040mg, 8.817mmol)と[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-9H-プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(5400mg,12.97mmol)の1,2-ジクロロエタン(24.7mL)溶液にBSA(14.8mL,60.46mmol)を加えて、混合物を64℃にて1時間撹拌した。続いて、そこにTMSOTf(0.167mL,0.864mmol)を内温60℃で維持しながら徐々に加えて、混合物を1時間撹拌した。放冷後、反応液を別途調整したクロロホルム(40mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)の混合溶液に徐々に加えて、混合物を撹拌した。不溶物を吸引ろ過後、ろ液を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)にて洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。続いて、ろ液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)にて精製することで、化合物2Ga(6350mg, 収率79%)を得た。
MS(ESI): m/z = 935 (M+H)+
【0158】
実施例8 化合物2Gbの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-5-メチルスルホニル-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート
化合物2Ga(2370mg, 2.537mmol)のジクロロメタン(24.9mL)溶液にトリエチルアミン(0.692mL,4.984mmol)を加えて、混合物を室温にて5分間撹拌した。続いて、そこに氷冷下、メタンスルホニルクロライド(0.193mL,2.488mmol)を加えて、混合物を1時間撹拌した。氷冷下にて反応液に塩化メチレン(30mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加えて撹拌し、分液した。有機層を飽和食塩水(30mL)にて洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。続いて、ろ液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、67/33~50/50)にて精製することで、化合物2Gb(2210mg, 収率88%)を得た。
MS(ESI): m/z = 1013 (M+H)+
【0159】
実施例9 化合物2Gcの合成 [9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート
化合物2Gb(2200mg, 2.173mmol)のTHF(11mL)溶液に、氷冷下、TBAF(2.4mL,3.407mmol)を加えて、混合物を室温にて5時間撹拌した。氷冷下にて反応液に酢酸エチル(30mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えて撹拌し、分液した。有機層を飽和食塩水(30mL)にて洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。続いて、ろ液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、60/40~50/50)にて精製した。原料を除くために再度、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)にて精製することで、化合物2Gc(1070mg, 収率52%)を得た。
MS(ESI): m/z = 941 (M+H)+
【0160】
実施例10 化合物2Gdの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物3)
化合物2Gc(1070mg, 1.139mmol)のジクロロメタン(5.690mL)溶液に氷冷下、DIPEA(0.590mL,3.407mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.510mL,2.282mmol)を加えて、混合物を室温にて22時間撹拌した。氷冷下にて反応液にジクロロメタン(20mL)と飽和重曹水(20mL)を加えて撹拌し、分液した。水層を除き、有機層をフェーズセパレーターに通した。ろ液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~40/60)にて精製することで、本発明化合物3としての化合物2Gd(548mg, 収率42%)を得た。
MS(ESI): m/z = 1141(M+H)+
【0161】
【0162】
実施例11 化合物2Acの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-プリン-6-イル]ベンズアミド
化合物1a(10.0g, 17.6mmol)とN-(9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(5.04g,21.1mmol)のトルエン(176mL)懸濁液にBSA(30mL,123mmol)を滴下し、混合物を60℃に昇温し、30分撹拌した。そこにTMSOTf(1.03mL,5.34mmol)を加え、混合物を60℃にて15分間撹拌した。氷冷下、撹拌しながら、IPE(100mL)と飽和重曹水(100mL)の混合液中に反応液を加え、混合物を20分間撹拌し、不溶物をろ去した。ろ残をEt2O(20mL)で2度洗浄した後、ろ液を分液し、飽和食塩水(50mL)にて洗浄した。フェーズセパレーターに通した後、減圧下濃縮した。残渣にジクロロメタン(24.9mL)を加えて溶解し、ピリジン(4.57mL,56.5mmol)、メタンスルホン酸無水物(3614mg,20.75mmol)を加えて、混合物を室温にて30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、および水(50mL)を加えて撹拌し、分液した。有機層を飽和食塩水(50mL)にて洗浄した後、フェーズセパレーターに通し、減圧下溶媒留去した。残渣にTHF(88mL)を加えて溶液とし、氷冷下にてTBAF(1M THF溶液、21.1mL,21.1mmol)を加えて、混合物を氷冷下にて30分間撹拌した。酢酸エチル(80mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、および水(50mL)を加えて、混合物を室温にて撹拌した。分液し、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、フェーズセパレーターに通して溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~95/5)にて精製することで、化合物2Ac(10.6g,3工程での収率75%)を得た。
MS(ESI): m/z = 763(M+H)+
【0163】
実施例12 化合物2Adの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物4)
化合物2Ac(5.60g, 7.01mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に氷冷下、DIPEA(4.8mL,28.0mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(4.7mL,21.0mmol)を加えて、混合物を室温にて4時間撹拌した。氷冷下にてエタノール(1.2mL,21.0mmol)を加え、混合物を室温にて5分間撹拌した。再び氷冷下とし、そこに飽和重曹水(20mL)、および飽和食塩水(20mL)を加えて撹拌し、有機層をフェーズセパレーターに通した。ろ液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、67/33~10/90)にて精製することで、本発明化合物4としての化合物2Ad(5.44g, 収率77%)を得た。
MS(ESI): m/z = 964 (M+H)+
【0164】
【0165】
実施例13 化合物3Tbの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物2Ta(1.00g, 1.56mmol)にトルエンを加えて共沸した。残渣にジクロロメタン(5mL)及びトリエチルアミン(0.43mL,3.1mmol)を添加し、完溶させた。混合溶液を氷冷し、ベンゼンスルホニルクロリド(0.21mL,1.6mmol)を加え、混合物を氷冷下にて4時間撹拌した。反応液に5%炭酸カリウム水溶液(20mL)を添加して撹拌し、ジクロロメタン(5mL)で抽出した。水層をジクロロメタン(5mL)で混合し、抽出して、ジクロロメタンの有機層を合液し混合した。有機層を溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、40/60~20/80)にて精製することで、化合物3Tb(0.78g, 収率64%)を得た。
MS(ESI): m/z = 782 (M-H)-
【0166】
実施例14 化合物3Tcの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
実施例3と同様にして、化合物3Tb(0.78g, 0.99mmol)から化合物3Tc(0.59g, 収率84%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 710 (M-H)-
【0167】
実施例15 化合物3Tdの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物5)
化合物3Tc(599mg, 0.765mmol)のアセトニトリル(3mL)溶液に、ジイソプロピルアンモニウム テトラゾリド(171mg, 0.996mmol)、3-ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファニロキシプロパンニトリル(0.36 mL, 1.1 mmol)を添加し、混合物を室温にて19時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(10mL)、水(5mL)を添加し、撹拌後に水層を分離した。水層に酢酸エチル(10mL)を添加し、混合後に有機層を分離した。有機層を合液し混合し、40℃にて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、67/33~10/90)にて精製することで、本発明化合物5としての化合物3Td(0.65g, 収率86%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 912(M+H)+
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.68, 149.22
【0168】
【0169】
実施例16 化合物3Cbの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
実施例13と同様にして、国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した化合物1b(1.00g, 1.34mmol)から化合物3mCb(0.85g, 収率71%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 887 (M+H)+
【0170】
実施例17 化合物3mCbの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
実施例14と同様にして、化合物3mCb(0.85g, 0.96mmol)から化合物3mCc(0.78g, 収率99%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 813 (M+H)+
【0171】
実施例18 化合物3mCdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(ベンゼンスルホニル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物6)
実施例15と同様にして、化合物3mCc(0.78g, 0.89mmol)から、本発明化合物6としての化合物3mCd(0.53g, 収率55%)を合成した。
MS(ESI): m/z =1015(M+H)+
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.94, 149.34
【0172】
【0173】
実施例19 化合物4Tcの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-メチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
化合物1a(1.20g, 2.10mmol)をトルエン共沸し、残渣のテトラヒドロフラン(6mL)混合溶液にN-ジイソプロピル-N-エチルアミン(0.61mL,3.5mmol)を添加し、そこに、氷浴下でN-メチルカルバモイルクロリド(0.20g,2.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加し、混合物を氷浴下で3時間撹拌した。反応液に5%重曹水(20mL)、酢酸エチル(10mL)を添加して撹拌し、酢酸エチルで抽出した。水層を酢酸エチル(10mL)で2度抽出して、有機層を合液し混合した。有機層を溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)にて精製することで、化合物4Tc(1.28g, 収率97%)を得た。
MS(ESI): m/z = 627 (M-H)-
【0174】
実施例20 化合物4Tdの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物7)
実施例15と同様にして、化合物4Tc(1.16g, 1.8mmol)から、本発明化合物7としての化合物4Td(0.56g, 収率37%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 828(M-H)-
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.31, 147.44
【0175】
【0176】
実施例21 化合物4mCaの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物1a(105.0g,184mmol)、5-メチルシトシン(69.0g,551mmol)、および1,2-ジクロロエタン(918mL)の混合液に、BSA(584mL,2390mmol)を18分間かけて滴下した。混合物を60℃に昇温し、20分間撹拌した。氷冷し内温を19.5度まで冷却した後、そこにTMSOTf(10mL,55.2mmol)を加え、混合物を60℃に昇温した。40分間撹拌した後、反応液を氷冷し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(525mL)を滴下した。次いで、そこにクロロホルム(1050mL)、15%塩化ナトリウム水溶液(525mL)を加えた。得られたスラリーをセライトろ過した後、ろ残をクロロホルム(525mL)にて洗浄することで、残渣1とろ液1を得た。残渣1に酢酸エチル(2100mL)、水(2100mL)を加え、混合物を1時間撹拌した。これをセライトろ過した後、残渣を酢酸エチル(1050mL)にて洗浄し、ろ液2を得た。ろ液2を分液し、有機層を水(525mL)にて2回洗浄した。一方、ろ液1は分液し、水層をクロロホルム(525mL)にて抽出した。有機層を合液し、水1050mLにて2回洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、淡黄色固体(125.6g)を得た。これにTHF(550mL)を加えて撹拌し、1M TBAF/THF溶液(276mL,276mmol)を加えた。室温にて3時間撹拌した後、反応液に水(550mL)を加えてクエンチし、さらにクロロホルム(550mL)を加えて分液した。水層を再度クロロホルム(275mL)にて抽出し、有機層を合液した。有機層を水で洗浄した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、20/1~4/1)にて精製することで、化合物4mCa(69.62g, 収率62%)を得た。
MS(ESI): m/z = 593(M+Na)+
【0177】
実施例22 化合物4mCbの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
化合物4mCa(1.00g, 1.75mmol)をトルエン共沸し、残渣のテトラヒドロフラン(5mL)混合溶液にトリエチルアミン(0.49mL,3.5mmol)を添加し、氷浴下でN-メチルカルバモイルクロリド(0.17g,1.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加し、混合物を氷浴下で3時間撹拌した。反応液に水道水(15mL)、酢酸エチル(1mL)、クロロホルム(15mL)を添加して撹拌し、有機溶媒で抽出した。水層をクロロホルム(5mL)で抽出して、有機層を合液し混合した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、固体をろ過した。ろ液を溶媒留去により、化合物4mCb(1.18g,収率quant.)を得た。残渣は精製せずに次反応に用いた。
MS(ESI): m/z = 627 (M-H)-
【0178】
実施例23 化合物4mCcの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
化合物4mCb(1.18g)をトルエン共沸し、残渣のテトラヒドロフラン(5mL)混合溶液に室温にて安息香酸無水物(0.51g,2.27mmol)、メタノール(0.01mL,0.25mmol)を添加し、混合物を外浴70℃で4時間撹拌した。そこに、5%重曹水(10mL)、酢酸エチル(10mL)を添加して撹拌し、有機溶媒で抽出した。水層を酢酸エチル(15mL)で抽出して、有機層を合液し混合した。有機層を溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)にて精製することで、化合物4mCc(0.99g, 収率77%)を得た。
MS(ESI): m/z = 731 (M-H)-
【0179】
実施例24 化合物4mCdの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物8)
実施例15と同様にして、化合物4mCc(0.98g, 1.34mmol)から本発明化合物8としての化合物4mCd(0.96g, 収率77%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 933 (M+H)+
【0180】
【0181】
実施例25 化合物4Gaの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート 化合物1a(30.5g, 53.4mmol)と[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-9H-プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(26.7g,64.1mmol)のトルエン(267mL)懸濁液にBSA(91mL,372mmol)を20分間ほどかけて滴下し、混合物を60℃に昇温し、5分間撹拌した。トルエン(100mL)を追加して、混合物をさらに60℃にて10分間撹拌した。そこにTMSOTf(1.03mL,5.34mmol)を加え、混合物を60℃にて20分間撹拌した。氷冷下、撹拌しながら、IPE(100mL)と飽和重曹水(50mL)、水(50mL)の混合液中に反応液を加え、混合物を2時間撹拌し、不溶物をろ去した。残渣をEt2O(20mL)で2度洗浄した後、ろ液を分液し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)にて順次洗浄した。フェーズセパレーターに通し、減圧下、濃縮し、真空乾燥することで、粗成績体として4Ga(48.67g)を得た。
MS(ESI): m/z = 954(M+H)+
【0182】
実施例26 化合物4Gcの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート
化合物4Ga(17.4g,18.6mmol)にTHF(100mL)を加えて溶解し、氷冷下にてDIPEA(4.87mL,28.0mmol)、N-メチルカルバモイルクロリド(1830mg,19.6mmol)を加えて、混合物を30分間撹拌した。そこに、飽和重曹水(100mL)、酢酸エチル(100mL)を順次加え、混合物を室温として5分間撹拌した。分液した後、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で順次洗浄した後、フェーズセパレーターに通して溶媒留去し、真空乾燥した。残渣にTHF(90mL)を加えて溶液とし、氷冷下にてTBAF(1M THF溶液、4.54mL,4.54mmol)を加えて、混合物を氷冷下にて20分間撹拌した。酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、および水(50mL)を加えて、混合物を室温として5分間撹拌した。分液し、有機層をフェーズセパレーターに通して溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~95/5)にて精製することで、化合物4Gc(9030mg,3工程での収率54%)を得た。
MS(ESI): m/z = 919(M+H)+
【0183】
実施例27 化合物4Gdの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(メチルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物9)
実施例12と同様にして、化合物4Gc(9020mg, 9.82mmol)から、本発明化合物9としての化合物4Cd(8700mg, 収率79%)を合成した。
MS(ESI): m/z = 1197 (M+H)+
【0184】
【0185】
実施例28 化合物4Aaの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド 化合物1a(30.0g, 52.5mmol)とN-(9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(15.0g,62.7mmol)のトルエン(500mL)懸濁液にBSA(90mL,368mmol)を滴下し、混合物を80℃に昇温し、20分間撹拌した。そこに、氷冷下にて、TMSOTf(1.0mL,5.17mmol)を加え、混合物を60℃にて20分間撹拌した。氷冷下、撹拌しているIPE(200mL)と飽和重曹水(200mL)の混合液中に反応液を加え、混合物を20分間撹拌し、不溶物をろ去した。ろ残をEt2O(40mL)で2度洗浄した後、ろ液を分液し、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、不溶物をろ去し、減圧下、濃縮し、真空乾燥することで粗成績体として4Aa(40.5g)を得た。
MS(ESI): m/z = 757(M+H)+
【0186】
実施例29 化合物4Abの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-N-メチル-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
粗成績体4Aa(8.20g)にTHF(87mL)を加えて溶解し、そこに室温にてDIPEA(3.00mL,17.2mmol)、N-メチルカルバモイルクロリド (970mg,10.4mmol)を順次加えて、混合物を30分間撹拌した。そこに、酢酸エチル(100mL)、飽和重曹水(50mL)、水(50mL)を加え、分液した後、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、フェーズセパレーターに通して溶媒留去し、真空乾燥することで、粗成績体4Ab(8.70g)を得た。
MS(ESI): m/z = 813(M-H)-
【0187】
実施例30 化合物4Acの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
粗成績体4Ab(8.00g)にTHF(100mL)を加えて溶液とし、氷冷下にてTBAF(1M THF溶液、5.00mL,5.00mmol)を加えて、混合物を氷冷下にて1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(80mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、および水(50mL)を加えて、室温にて撹拌した。分液し、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、フェーズセパレーターに通して溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)にて精製することで、化合物4Ac(6100mg,3工程での収率84%)を得た。
MS(ESI): m/z = 742(M+H)+
【0188】
実施例31 化合物4Adの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-メチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物10)
実施例12と同様にして4Ac(6100mg, 8.20mmol)から、本発明化合物10としての4Ad(3830mg,収率48%)を得た。
MS(APCI): m/z = 942(M+H)+
【0189】
【0190】
実施例32 化合物5Tcの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-イソプロピル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
化合物1a(1500mg, 2.624mmol)のジクロロメタン(26mL)溶液に、氷冷下で2-イソシアナートプロパン(0.27ml, 2.7mmol)を加えて、混合物を室温で1時間撹拌した。そこに、酢酸エチル(10mL)、飽和重層水(20mL)の混合液を加えて、分液後、水層を酢酸エチル10mLで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水10mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~0/100)を行うことで、化合物5Tc(1904mg,収率quant.)を得た。
MS(ESI): m/z = 656(M-H)-
【0191】
実施例33 化合物5Tdの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物11)
実施例4と同様にして化合物5Tc(2020mg, 2.85mmol)から、本発明化合物11としての化合物5Td(1272.9mg, 収率52%)を得た。
MS(ESI): m/z = 855(M-H)-
【0192】
【0193】
実施例34 化合物5mCcの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した化合物1c(1300mg, 1.657mmol)から化合物5mCc(1168mg, 収率93%)を得た。
MS(ESI): m/z = 761(M+H)+
【0194】
実施例35 化合物5mCdの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物12)
実施例4と同様にして化合物5mCc(1168mg, 1.378mmol)から、本発明化合物12としての化合物5mCd(1002.8mg, 収率75%)を得た。
MS(ESI): m/z = 961(M+H)+
【0195】
【0196】
実施例36 化合物5Gcの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(イソプロピルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート
国際公開第2017/047816号の実施例に記載の方法に従って合成した化合物1d(2.42g, 2.81mmol)のジクロロメタン(28mL)溶液に、氷冷下でイソシアン酸イソプロピル(0.31mL,3.09mmol)を加えて、混合物を室温で3時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えて撹拌し、フェーズセパレーターを通した後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~20/80)にて精製することで、化合物5Gc(1.41g,収率53%)を得た。
MS(ESI): m/z = 948(M+H)+
【0197】
実施例37 化合物5Gdの合成
[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(イソプロピルカルバモイル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)プリン-6-イル]N,N-ジフェニルカルバメート(本発明化合物13)
実施例4と同様にして化合物5Gc(1.41g,1.49mmol)から、本発明化合物13としての化合物5Gd(1.20g, 収率70%)を得た。
MS(ESI): m/z = 1148(M+H)+
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.42, 149.39
【0198】
【0199】
実施例38 化合物5Acの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-カルボキサミド
化合物1a(10.0g, 17.5mmol)とN-(9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(5.0g,21.0mmol)のトルエン(175mL)懸濁液にBSA(30mL,122mmol)を滴下し、混合物を60℃に昇温し10分撹拌したのち、そこにTMSOTf(0.34mL,1.8mmol)を加え、60℃で15分間撹拌した。氷冷下、撹拌しながらIPE(100mL)と飽和重曹水(100mL)の混合液中に反応液を加え、混合物を20分間撹拌し、不溶物をろ去した。ろ残をEt2O(10mL)で洗浄した後、ろ液を分液し、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、不溶物をろ去し、減圧下、濃縮した。残渣にジクロロメタン(162mL)を加えて溶解し、室温にてイソシアン酸イソプロピル(1.8mL,18mmol)を加えて、混合物を60分間撹拌した。そこに、酢酸エチル(100mL)、飽和重曹水(50mL)、水(50mL)を加え、分液した後、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、溶媒留去した。残渣にTHF(162mL)を加えて溶液とし、氷冷下にてTBAF(1M THF溶液、2.39mL,8.11mmol)を加えて、混合物を室温にて24時間撹拌した。酢酸エチル(80mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、および水(50mL)を加えて、混合物を室温にて撹拌した。分液し、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~0/100)にて精製することで、化合物5Ac(10.1g,3工程での収率77%)を得た。
MS(ESI): m/z = 770(M+H)+
【0200】
実施例39 化合物5Adの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N-イソプロピル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物14)
実施例4と同様にして化合物5c(7.0g,9.09mmol)から、本発明化合物14としての化合物5d(4.6g, 収率51%)を得た。
MS(ESI): m/z = 970(M+H)+
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.4
【0201】
【0202】
実施例40 化合物6Tcの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
化合物1a(1512mg, 2.645mmol)のテトラヒドロフラン(26mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.483ml, 2.773mmol)を加えて氷冷したのち、そこにN,N-ジメチルカルバモイルクロリド(0.255mL, 2.77mmol)を加えた。混合物を室温に昇温したのち、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL, 12.9mmol)を加えて、混合物を4時間撹拌した。そこに、酢酸エチル(10mL)、飽和重層水(20mL)の混合液を加えて撹拌し、分液後、水層を酢酸エチル10mLで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水10mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~0/100)を行うことで、化合物6Tc1(1705mg, 収率quant.)を得た。
MS(ESI): m/z = 642(M-H)-
【0203】
実施例41 化合物6Tdの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物15)
実施例4と同様にして化合物6Tc(1758mg, 2.735mmol)から、本発明化合物15としての化合物6Td(1565mg, 収率68%)を得た。
MS(ESI): m/z = 842(M-H)-
【0204】
【0205】
実施例42 化合物6mCcの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド
化合物1c(1300mg, 1.657mmol)のテトラヒドロフラン(16.6mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.317mL, 1.820mmol)を加えて氷冷したのち、そこにN,N-ジメチルカルバモイルクロリド(0.168mL, 1.83mmol)を加えて、混合物を室温にて10分間撹拌した。混合物を2時間加熱還流したのち、室温で酢酸エチル(10mL)、飽和重層水(20mL)の混合液に加え、分液後、水層を酢酸エチル10mLで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水10mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル、70/30~30/70)を行うことで、化合物6mCc(1705mg, 収率79%)を得た。
MS(ESI): m/z = 747(M+H)+
【0206】
実施例43 化合物6mCdの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-N,N-ジメチル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキサミド(本発明化合物16)
実施例4と同様にして化合物6mCc(1019mg, 1.312mmol)から、本発明化合物16としての化合物6mCd(936.5mg, 収率76%)を得た。
MS(ESI): m/z = 947(M+H)+
【0207】
【0208】
実施例44 化合物7Tcの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(2.00g,3.50mmol)、2-クロロピリミジン(1.20g,10.5mmol)、DIPEA(3.05mL,17.5mmol)、DMSO(17.5mL)の混合物を、窒素雰囲気下130℃で6時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物7Tc(1.74 g,収率77%)を得た。
HRMS(MALDI): C36H35N5O7での計算値[M+Na]+: 672.2429, 実測値: 672.2427
【0209】
実施例45 化合物7Tdの合成
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物17)
化合物7Tc(1.73g,2.66mmol)、ジクロロメタン(13mL)、DIPEA(1.39mL,7.98mmol)の混合物に、氷冷下にて2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミミド(1.19mL,5.32mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、減圧下溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=60/40~10/90、Diol:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80、NH:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、本発明化合物17としての化合物7Td(1.53g,収率68%)を得た。
HRMS(FAB): C45H52N7O8Pでの計算値[M+H]+: 850.3693, 実測値: 850.3699
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.72, 148.83
【0210】
【0211】
実施例46 化合物7mCaの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物7Ta(3.68g,5.67mmol)、DMAP(69.3mg,0.567mmol)、ピリジン(28mL)の混合物に、無水酢酸(0.804mL,8.51mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去、減圧下濃縮した。酢酸エチルでピリジンを共沸後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレートし、化合物7mCa(3.49g,収率89%)を得た。
HRMS(FAB): C38H38N5O8での計算値 [M+H]+: 692.2720, 実測値: 692.2713
【0212】
実施例47 化合物7mCbの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-[5-メチル-2-オキソ-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル]-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物7mCa(3.46g,5.00mmol)、1,2,4-トリアゾール(3.11g,45.0mmol)、DIPEA(8.71mL,50.0mmol)およびアセトニトリル(50mL)の混合物に、氷冷下、オキシ塩化リン(0.792mL,8.50mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去、減圧下濃縮した。ジイソプロピルエーテルでトリチュレートし、化合物7mCb1(3.40g,収率92%)を得た。
HRMS(FAB): C40H38N8O7での計算値 [M+H]+: 743.2942, 実測値: 743.2945
【0213】
実施例48 化合物7mCcの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチルピリミジン-2-オン
化合物7mCb(3.40g,4.58mmol)、アセトニトリル(46mL)の混合物に、28%アンモニア水(31mL)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去、減圧下濃縮した。ジイソプロピルエーテルと少量の酢酸エチルでトリチュレートし、化合物7mCc(2.65g,収率89%)を得た。
HRMS(FAB): C36H36N6O6での計算値 [M+H]+: 649.2775, 実測値: 649.2766
【0214】
実施例49 化合物7mCdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物7mCc(2.62g,4.04mmol)、DMF(20mL)の混合物に、無水安息香酸(959mg,4.24mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物7mCd(1.42g,収率47%)を得た。
HRMS(FAB): C43H40N6O7での計算値 [M+H]+:753.3037, 実測値: 753.3035
【0215】
実施例50 化合物7mCeの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物18)
化合物7mCd(1.40g,1.86mmol)、ジクロロメタン(9mL)、DIPEA(0.972mL,5.58mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.830mL,3.72mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=80/20~30/70、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物18としての化合物7mCe(1.01g,収率57%)を得た。
HRMS(FAB): C52H57N8O8Pでの計算値 [M+Na]+: 975.3935, 実測値: 975.3931
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.17, 149.23
【0216】
【0217】
実施例51 化合物7Gcの合成
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン
化合物1d(3.00g, 3.50mmol)のメタノール(20mL)、およびTHF(20mL)溶液に28%アンモニア水(40mL)を加えた。メタノール(20mL)、およびTHF(20mL)を加えて、混合物を室温にて16時間静置した。40%メチルアミンのメタノール溶液(40mL)を加えて、混合物を室温に4時間静置した。溶媒留去した後、トルエンで共沸し、減圧乾燥した。残渣にDMSO(35mL)を加えて溶解し、そこにDIPEA(4.8mL,28.0mmol)、および2-フルオロピリミジン(0.66mL,10.5mmol)を加えて、混合物を80℃にて2時間撹拌した後、100℃にて2時間撹拌した。そこに2-フルオロピリミジン(0.66mL,10.5mmol)を追加して、混合物をさらに100℃にて2時間撹拌した。そこに2-フルオロピリミジン(0.22mL,3.5mmol)、DIPEA(1.6mL,9.3mmol)を再度追加して、混合物を100℃にて2時間撹拌した。反応液にN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.3mL,17.0mmol)を加えて室温にて撹拌した。1時間後、酢酸エチル(200mL)、飽和重曹水(20mL)、水(80mL)を加えて分液した。有機層を水(50mL)にて3回洗浄した後、飽和食塩水にて洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、不溶物をろ去して減圧下溶媒留去した。さらに分液時の水層をクロロホルム(100mL)にて3回抽出し、水(100mL)、飽和食塩水にて洗浄した。クロロホルム層を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、不溶物をろ去して減圧下溶媒留去し、先の抽出物と合わせてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~92/8)にて精製することで化合物7Gc(1.66g,3工程での収率65%)を得た。
MS(ESI): m/z = 731(M+H)+
【0218】
実施例52 化合物7Gdの合成
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-6-ホルムアミジン(本発明化合物19)
実施例4と同様にして化合物7Gc(1.58g,2.16mmol)から、本発明化合物19としての化合物7Gd(1.07g,収率53%)を得た。
MS(ESI): m/z = 931(M+H)+
【0219】
【0220】
実施例53 化合物7Aaの合成
N-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した化合物1e(500mg,0.730mmol)、2-フルオロピリミジン(215mg,2.19mmol)、DIPEA(0.509mL,2.92mmol)、DMSO(7mL)の混合物を、窒素雰囲気下130℃で7時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去して減圧下溶媒留去し濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、化合物7Aa(207mg,収率37%)を得た。
HRMS(MALDI): C43H38N8O6での計算値[M+Na]+: 785.2807, 実測値: 785.2807
【0221】
実施例54 化合物7Abの合成
N’-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物20)
化合物7Aa(126mg,0.165mmol)、ジクロロメタン(3mL)、DIPEA(86.2μL,0.495mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(73.6μL,0.330mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=60/40~10/90)にて精製し、本発明化合物20としての化合物7Ab(110mg,収率69%)を得た。
HRMS(MALDI): C52H55N10O7Pでの計算値 [M+Na]+: 985.3885,実測値: 985.3878
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.33, 149.47
【0222】
【0223】
実施例55 化合物8Taの合成1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-(ベンジルオキシメチル)-5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した化合物1f(1.00g,2.22mmol)、4,6-ジクロロピリミジン(398mg,2.66mmol)、DIPEA(1.16mL,6.66mmol)、EtOH(20mL)の混合物(2バッチ)を、マイクロウェーブ照射下120℃で各バッチ毎に5時間撹拌した。バッチを合液し反応液の不溶物をろ取し、EtOHで洗浄することで、化合物8Ta(1.54g,収率62%)を得た。
HRMS(FAB): C29H28ClN5O5での計算値 [M+H]+: 562.1857, 実測値: 562.1859
【0224】
実施例56 化合物8Tbの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-7-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物8Ta(3.49g,6.21mmol)、ジクロロメタン(62mL)の混合物に、窒素雰囲気下-78℃でトリクロロボラン(1.0mol/L ジクロロメタン溶液、62mL,62.1mmol)を加え、混合物を徐々に室温まで昇温しながら終夜撹拌した。氷冷下、反応液にMeOH(62mL)をゆっくり加え、室温でしばらく撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルでトリチュレートし、化合物8Tb(3.27g)を粗体として得た。
HRMS(FAB): C15H16ClN5O5での計算値[M+H]+: 382.0918, 実測値: 382.0919
【0225】
実施例57 化合物8Tcの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物8Tb(3.27g,6.21mmol,粗体)、MeOH(62mL)に20%水酸化パラジウム(654mg,20wt%)を加え、混合物を水素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に水(31mL)を加えて不溶物を溶解させ、パラジウムをセライトろ過した。ろ液を濃縮し、水をトルエンで共沸した。残渣をMeOHでトリチュレートすることで、化合物8Tc(1.75g,2工程での収率81%)を得た。
HRMS(MALDI): C15H17N5O5での計算値[M+H]+: 348.1302, 実測値: 348.1308
【0226】
実施例58 化合物8Tdの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物8Tc(444mg,1.28mmol)、ピリジン(13mL)の混合物に、4,4-ジメトキシトリチルクロリド(520mg,1.54mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を滴下し、そこに酢酸エチルを加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。ピリジンを酢酸エチルで共沸除去し、残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレートすることで、化合物8Td(652mg,収率78%)を得た。
HRMS(MALDI): C36H35N5O7での計算値[M+H]+: 650.2609, 実測値: 650.2600
【0227】
実施例59 化合物8Teの合成
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物21)
化合物8Td(300mg,0.462mmol)、ジクロロメタン(5mL)、DIPEA(322μL,1.85mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(309μL,1.39mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物21としての化合物8Te(263mg,収率67%)を得た。
HRMS(FAB): C45H52N7O8Pでの計算値[M+H]+: 850.3693, 実測値: 850.3685
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.93, 149.47
【0228】
【0229】
実施例60 化合物8Caの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物8Td(234mg,0.360mmol)、DMAP(4.4mg,0.0360mmol)、ピリジン(3.6mL)の混合物に無水酢酸(51.1μL,0.540mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、5%硫酸銅水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレートし、化合物8Ca(219mg,収率88%)を得た。
HRMS(FAB): C38H37N5O8での計算値[M+H]+: 692.2720, 実測値: 692.2720
【0230】
実施例61 化合物8Cbの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-[5-メチル-2-オキソ-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル)-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物8Ca(201mg,0.291mmol)、1,2,4-トリアゾール(181mg,2.62mmol)、DIPEA(507μL,2.91mmol)アセトニトリル(3mL)の混合物に、氷冷下オキシ塩化リン(46.1μL,0.494mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。ジイソプロピルエーテルでトリチュレートし、化合物8Cb(211mg,収率98%)を得た。
HRMS(FAB): C40H38N8O7での計算値[M+H]+: 743.2942,実測値: 743.2939
【0231】
実施例62 化合物8Ccの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物8Cb(613mg,0.825mmol)、アセトニトリル(8.3mL)の混合物に、28%アンモニア水(5.5mL)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液のアセトニトリルを濃縮した。不溶物をろ取し、水で洗浄した。粗体を酢酸エチルで再度トリチュレートすることで、化合物8Cc(380mg,収率71%)を得た。
HRMS(FAB): C36H36N6O6での計算値[M+H]+: 649.2775,実測値: 649.2773
【0232】
実施例63 化合物8Cdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物8Cc(378mg,0.583mmol)、ピリジン(6mL)の混合物に、無水安息香酸(198mg,0.875mmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ジオール:0.5%トリエチルアミン-クロロホルム/メタノール=100/0~90/10、SiO2:0.5%トリエチルアミン-クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物8Cd(247mg,収率56%)を得た。
HRMS(FAB): C43H40N6O7での計算値[M+H]+: 753.3037, 実測値: 753.3040
【0233】
実施例64 化合物8Ceの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピリミジン-4-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物22)
化合物8Cd(135mg,0.179mmol)、ジクロロメタン(2mL)、DIPEA(125μL,0.716mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(120μL,0.537mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で2日間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=60/40~10/90、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物22としての化合物8Ce(61.9mg,収率36%)を得た。
HRMS(FAB): C52H57N8O8Pでの計算値[M+H]+: 953.4115, 実測値: 953.4109
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.65, 150.24
【0234】
ALNA[4-CF
3-2Pym]-Tの合成
【化45】
【0235】
実施例65 化合物9Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(500mg,0.875mmol)、2-クロロ-4-トリフルオロピリミジン(239mg,1.31mmol)、DIPEA(457μL,2.63mmol)、EtOH(4.4mL)の混合物を、マイクロウェーブ照射下120℃で30分間撹拌した。反応液に2-クロロ-4-トリフルオロピリミジン(239mg,1.31mmol)、DIPEA(457μL,2.63mmol)を追加し、混合物をマイクロウェーブ照射下120℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物9Ta(545mg,収率87%)を得た。
HRMS(FAB): C37H34F3N5O7での計算値[M+H]+: 718.2489, 実測値: 718.2491
【0236】
実施例66 化合物9Tbの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物23)
化合物9Ta(527mg,0.734mmol)、ジクロロメタン(7mL)、DIPEA(384μL,2.20mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(328μL,1.47mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=80/20~30/70、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80)にて精製し、本発明化合物23としての化合物9Tb(530mg,収率79%)を得た。
HRMS(FAB): C46H51F3N7O8Pでの計算値[M+H]+: 918.3567, 実測値: 918.3568
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.04, 149.12, 149.20, 149.47
【0237】
ALNA[4-CF
3-2Pym]-Gの合成
【化46】
【0238】
実施例67 化合物9Caの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物4Ca(500mg,0.876mmol)、2-クロロ-4-トリフルオロピリミジン(317μL,2.63mmol)、DIPEA(610μL,3.50mmol)、EtOH(4.4mL)の混合物を、マイクロウェーブ照射下150℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物9Ca(186mg,収率30%)を得た。
HRMS(FAB): C37H35F3N6O6での計算値[M+H]+: 717.2648, 実測値: 717.2651
【0239】
実施例68 化合物9Cbの合成N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物9Ca(395mg,0.551mmol)、DMF(5.5mL)の混合物に、無水安息香酸(131mg,0.579mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/15)にて精製し、化合物9Cb(335mg,収率74%)を得た。
HRMS(FAB): C44H39F3N6O7での計算値[M+H]+: 821.2911, 実測値: 821.2932
【0240】
実施例69 化合物9Ccの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアンエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物24)
化合物9Cb(316mg,0.385mmol)、ジクロロメタン(4mL)、DIPEA(201μL,1.16mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(172μL,0.770mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=100/0~50/50、Diol:ヘキサン/酢酸エチル=100/0~50/50)にて精製し、本発明化合物24としての化合物9Cc(227mg,収率58%)を得た。
HRMS(FAB): C53H56F3N8O8Pでの計算値[M+H]+: 1021.3989, 実測値: 1021.3993
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.15, 149.28, 149.36, 149.60
【0241】
ALNA[5-Cl-2Pym]-Gの合成
【化47】
【0242】
実施例70 化合物10Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(500mg,0.875mmol)、2,5-ジクロロピリミジン(196mg,1.31mmol)、DIPEA(457μL,2.63mmol)、EtOH(4.4mL)の混合物を、マイクロウェーブ照射下150℃で1時間撹拌した。反応液の不溶物をクロロホルムで溶解させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物10Ta(263mg,収率44%)を得た。
HRMS(FAB): C36H34ClN5O7での計算値[M+H]+: 684.2225, 実測値: 684.2226
【0243】
実施例71 化合物10Tbの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物25)
化合物10Ta(240mg,0.351mmol)、ジクロロメタン(3.5mL)、DIPEA(183μL,1.05mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(157μL,0.702mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で4日間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80)にて精製し、本発明化合物25としての化合物10Tb(201mg,収率65%)を得た。
HRMS(FAB): C45H51ClN7O8Pでの計算値[M+H]+: 884.3304, 実測値: 884.3303
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.12
【0244】
ALNA[5-Cl-2Pym]-mCの合成
【化48】
【0245】
実施例72 化合物10mCaの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物4Ca(500mg,0.876mmol)、2,5-ジクロロピリミジン(391mg,2.63mmol)、DIPEA(610μL,3.50mmol)、EtOH(4.4mL)の混合物(2バッチ)を、各バッチ毎にマイクロウェーブ照射下150℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、水を加え、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物10mCa(381mg,収率32%)を得た。
HRMS(FAB): C36H35ClN6O6での計算値[M+H]+: 683.2385, 実測値: 683.2389
【0246】
実施例73 化合物10mCbの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物10mCa(375mg,0.549mmol)、DMF(5.5mL)の混合物に、無水安息香酸(130mg,0.576mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に無水安息香酸(24.8mg,0.110mmol)を追加し、さらに室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物10mCb(422mg,収率98%)を得た。
HRMS(MALDI): C43H39ClN6O7での計算値[M+Na]+: 809.2461, 実測値: 809.2463
【0247】
実施例74 化合物10mCcの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(5-クロロピリミジン-2-イル)-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物26)
化合物10mCb(409mg,0.520mmol)、ジクロロメタン(5mL)、DIPEA(272μL,1.56mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(232μL,1.04mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=100/0~50/50、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=100/0~50/50)にて精製し、本発明化合物26としての化合物10mCc(264mg,収率51%)を得た。
HRMS(MALDI): C52H56ClN8O8Pでの計算値[M+Na]+: 1009.3540, 実測値: 1009.3521
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.28
【0248】
ALNA[6-NMe
2-4Pym]-Tの合成
【化49】
【0249】
実施例75 化合物11Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(1.00g,1.75mmol)、4,6-2-ジクロロピリミジン(391mg,2.63mmol)、DIPEA(914μL,5.25mmol)、EtOH(18mL)の混合物を、マイクロウェーブ照射下120℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物11Ta(1.00g,収率84%)を得た。
HRMS(FAB): C36H34ClN5O7での計算値[M+H]+: 684.2225, 実測値: 684.2214
【0250】
実施例76 化合物11Tbの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物11Ta(500mg,0.731mmol)、DIPEA(637μL,3.66mmol)、EtOH(5mL)の混合物に、ジメチルアミン塩酸塩(179mg,2.19mmol)を加え、マイクロウェーブ照射下150℃で30分間撹拌した。不溶物をろ取することで、化合物11Tb(386mg,収率76%)を得た。
HRMS(FAB): C38H40N6O7での計算値[M+H]+: 693.3037, 実測値: 693.3030
【0251】
実施例77 化合物11Tcの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミン)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物27)
化合物11Tb(335mg,0.484mmol)、ジクロロメタン(5mL)、DIPEA(253μL,1.45mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(216μL,0.968mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液にDMF(2mL)を加え、窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液にDIPEA(253μL,1.45mmol)、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(216μL,0.968mmol)を追加し、混合物を窒素雰囲気下室温で2日間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10、Diol:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物27としての化合物11Tc(189mg,収率44%)を得た。
HRMS(FAB): C47H57N8O8Pでの計算値[M+H]+: 893.4115, 実測値: 893.4115
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.83, 148.99
【0252】
ALNA[6-NMe
2-4Pym]-mCの合成
【化50】
【0253】
実施例78 化合物11mCaの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物4mCa1(2.00g,3.50mmol)、4,6-ジクロロピリミジン(626mg,4.20mmol)、DIPEA(1.83mL,10.5mmol)、EtOH(17.5mL)の混合物を、100℃で4時間撹拌した。反応液を濃縮し、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物11mCa(1.34g,収率56%)を得た。
HRMS(FAB): C36H35ClN6O6での計算値[M+H]+: 683.2385, 実測値: 683.2384
【0254】
実施例79 化合物11mCbの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物11mCa(1.12g,1.64mmol)、ジメチルアミン(50%水溶液, 863μL,8.20mmol)、EtOH(11mL)の混合物を、マイクロウェーブ照射下150℃で30分間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(NH:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物11mCb(1.09g,収率96%)を得た。
HRMS(MALDI): C38H41N7O6での計算値[M+Na]+: 714.3011, 実測値: 714.3003
【0255】
実施例80 化合物11mCcの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[6-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物11mCb(1.08g,1.56mmol)、DMF(8mL)の混合物に、無水安息香酸(389mg,1.72mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物11mCc(1.02g,収率82%)を得た。
HRMS(MALDI): C45H45N7O7での計算値[M+H]+: 796.3453, 実測値: 796.3466
【0256】
実施例81 化合物11mCdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[(6-ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物28)
化合物11mCc(972mg,1.22mmol)、ジクロロメタン(12 mL)、DIPEA(637μL,3.66mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(545μL,2.44mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物28としての化合物11mCd(788mg,収率65%)を得た。
HRMS(MALDI): C54H62N9O8Pでの計算値[M+H]+: 996.4532, 実測値: 996.4513
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.06, 149.17
【0257】
ALNA[2-NMe
2-4Pym]-Tの合成
【化51】
【0258】
実施例82 化合物12Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(2-クロロピリミジン-4-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(2.00g,3.50mmol)、2,4-ジクロロピリミジン(782mg,5.25mmol)、DIPEA(1.83mL,10.5mmol)、EtOH(17.5mL)の混合物を、100℃で4.5時間撹拌した。反応液を濃縮し、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物12Ta(1.86g,収率78%)を得た。
HRMS(FAB): C36H34ClN5O7での計算値[M+H]+: 684.2225, 実測値: 684.2223
【0259】
実施例83 化合物12Tbの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物12Ta(500mg,0.731mmol)、DIPEA(637μL,3.66mmol)、EtOH(5mL)の混合物に、ジメチルアミン塩酸塩(179mg,2.19mmol)を加え、マイクロウェーブ照射下150℃で30分間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製した。ジイソプロピルエーテルでトリチレートし、化合物12Tb(648mg)を粗体として得た。
HRMS(FAB): C38H40N6O7での計算値[M+H]+: 693.3037,実測値: 693.3041
【0260】
実施例84 化合物12Tcの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)オキシプロパンニトリル(本発明化合物29)
化合物12Tb(638mg,0.731mmol,粗体)、ジクロロメタン(7mL)、DIPEA(382μL,2.19mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(326μL,1.46mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で5日間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物29としての化合物12Tc(304mg,2工程での収率47%)を得た。
HRMS(FAB): C47H57N8O8Pでの計算値[M+H]+: 893.4115,実測値: 893.4128
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.91, 149.33
【0261】
ALNA[2-NMe
2-4Pym]-mCの合成
【化52】
【0262】
実施例85 化合物12mCaの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(2-クロロピリミジン-4-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物4mCa(2.00g,3.50mmol)、2,4-ジクロロピリミジン(627mg,4.20mmol)、DIPEA(1.83mL,10.5mmol)、EtOH(17.5mL)の混合物を、100℃で3時間撹拌した。反応液を濃縮し、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物12mCa(1.28g,収率54%)を得た。
HRMS(MALDI): C36H35ClN6O6での計算値[M+Na]+: 705.2199,実測値: 705.2194
【0263】
実施例86 化合物12mCbの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物12mCa(941mg,1.38mmol)、ジメチルアミン(50%水溶液,725μL,6.90mmol)、EtOH(14mL,0.1M)の混合物を、マイクロウェーブ照射下150℃で30分間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(NH:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物12mCb(784mg,収率82%)を得た。
HRMS(MALDI): C38H41N7O6での計算値[M+H]+: 692.3191,実測値: 692.3167
【0264】
実施例87 化合物12mCcの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物12mCb(754mg,1.09mmol)、DMF(5.5mL)の混合物に、無水安息香酸(271mg,1.20mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物12mCc(731mg,収率84%)を得た。
HRMS(MALDI): C45H45N7O7での計算値[M+H]+:796.3453,実測値: 796.3440
【0265】
実施例88 化合物12mCdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-[2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物30)
化合物12mCc(709mg,0.891mmol)、ジクロロメタン(9mL)、DIPEA(466μL,2.67mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(397μL,1.78mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物30としての化合物12mCd(482mg,収率54%)を得た。
HRMS(MALDI): C54H62N9O8Pでの計算値[M+H]+: 996.4532, 実測値: 996.4526
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.19, 149.46, 149.65
【0266】
【0267】
実施例89 化合物13Taの合成
[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(500mg,0.875mmol)、2-フルオロピラジン(201μL,2.63mmol)、DIPEA(610μL,3.50mmol)、DMSO(8.8mL)の混合物を、窒素雰囲気下140℃で1.5時間、150℃で4.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10、SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、化合物13Ta(227mg,収率40%)を得た。
HRMS(MALDI): C36H35N5O7での計算値[M+Na]+: 672.2429, 実測値: 672.2409
【0268】
実施例90 化合物13Tbの合成
3-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物31)
化合物13Ta(214mg,0.329mmol)、ジクロロメタン(6.6mL)、DIPEA(172μL,0.987mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(147μL,0.658mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、NH:酢酸エチル/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、本発明化合物31としての化合物13Tb(204mg,収率73%)を得た。
HRMS(MALDI): C45H52N7O8Pでの計算値[M+Na]+: 872.3507, 実測値: 872.3507
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.12, 149.31
【0269】
【0270】
実施例91 化合物13mCbの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物13Ta(746mg,1.15mmol)、DMAP(14.0mg,0.115mmol)、ピリジン(5.8mL)の混合物に無水酢酸(163μL,1.73mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。ピリジンを酢酸エチルで共沸除去し、残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレートし、化合物13mCb(712mg,収率90%)を得た。
HRMS(MALDI): C38H37N5O8での計算値[M+Na]+: 714.2534, 実測値: 714.2520
【0271】
実施例92 化合物13mCcの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2-オキソ-(4-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル]-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物13mCb(692mg,1.00mmol)、1,2,4-トリアゾール(622mg,9.00mmol)、DIPEA(1.74mL,10.0mmol)アセトニトリル(10mL)の混合物に、氷冷下オキシ塩化リン(158μL,1.70mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することで、化合物13mCc(753 mg)を粗体として得た。
HRMS(MALDI): C40H38N8O7での計算値[M+Na]+: 765.2756, 実測値: 765.2750
【0272】
実施例93 化合物13mCdの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物13mCc(744mg,1.00mmol,粗体)、アセトニトリル(10mL)の混合物に、28%アンモニア水(6.7mL)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することで、化合物13mCd(638mg,収率98%,2工程)を得た。
HRMS(MALDI): C36H36N6O6での計算値[M+Na]+: 671.2589, 実測値: 671.2591
【0273】
実施例94 化合物13mCeの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物13mCd(625mg,0.963mmol)、DMF(4.8mL)の混合物に、無水安息香酸(327mg,1.44mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物13mCe(245mg,収率34%)を得た。
HRMS(MALDI): C43H40N6O7での計算値[M+Na]+: 775.2851, 実測値: 775.2845
【0274】
実施例95 化合物13mCfの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-ピラジン-2-イル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物32)
化合物13mCe(565mg,0.751mmol)、ジクロロメタン(7.5mL)、DIPEA(392μL,2.25mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(335μL,1.50mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物32としての化合物13mCf(369mg,収率52%)を得た。
HRMS(MALDI): C50H44N6O8での計算値[M+Na]+: 975.3929, 実測値: 975.3923
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.25, 149.49
【0275】
【0276】
実施例96 化合物14Taの合成
(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボチオアミド
化合物1a(2.00g,3.50mmol)、THF(17.5mL)の混合物に、1,1-チオカルボニルジイミダゾール(1.25g,7.00mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に28%アンモニア水(17.5mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、不溶物をろ取した。不溶物を水で洗浄することで、化合物14Ta(2.35g)を粗体として得た。
HRMS(MALDI): C33H34N4O7での計算値[M+Na]+: 653.2040, 実測値: 653.2026
【0277】
実施例97 化合物14Tbの合成
メチル (1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキシミドチオエート
化合物14Ta(2.35g,3.50mmol,粗体)、THF(17.5mL)の混合物に、ヨウ化メチル(654μL,10.5mmol)を加え、混合物を室温で2日間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~80/20)にて精製し、化合物14Tb(1.88g,2工程での収率83%)を得た。
HRMS(MALDI): C34H36N4O7での計算値[M+H]+: 645.2377, 実測値: 645.2374
【0278】
実施例98 化合物14Tcの合成
[(1R,3R,4R,7S)-5-[(Z)-N-アセチル-C-メチルスルファニル-カルボイミドリル]-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物14Tb(1.87g,2.90mmol)、DMAP(35.4mg,0.290mmol)、ピリジン(14.5mL)の混合物に無水酢酸(822μL,8.70mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、5%硫酸銅水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することにより、化合物14Tc(2.11g,収率100%)を得た。
HRMS(MALDI): C38H40N4O9Sでの計算値[M+Na]+: 751.2408, 実測値: 751.2398
【0279】
実施例99 化合物14Tdの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物14Tc(1.66g,2.28mmol)、EtOH(23mL)の混合物に、メチルヒドラジン(1.20mL,22.8mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物14Td(985mg,収率65%)を得た。
HRMS(MALDI): C36H38N6O7での計算値[M+Na]+: 689.2694, 実測値: 689.2684
【0280】
実施例100 化合物14Teの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物33)
化合物14Td(576mg,0.864mmol)、ジクロロメタン(8.6mL)、DIPEA(451μL,2.59mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(385μL,1.73mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で2日間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、ジオール:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物33としての化合物14Te(517mg,収率69%)を得た。
HRMS(MALDI): C45H55N8O8Pでの計算値[M+Na]+:889.3773 , 実測値: 889.3778
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.40, 148.45
【0281】
【0282】
実施例101 化合物14Caの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物14Td(918mg,1.38mmol)、DMAP(16.9mg,0.138mmol)、ピリジン(6.9mL)の混合物に無水酢酸(196μL,2.07mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することで、化合物14Ca(955mg,収率98%)を得た。
HRMS(MALDI): C38H40N6O8での計算値[M+Na]+: 731.2800, 実測値: 731.2791
【0283】
実施例102 化合物14Cbの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-オキソ-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物14Ca(915mg,1.29mmol)、1,2,4-トリアゾール(802mg,11.6mmol)、DIPEA(2.25mL,12.9mmol)、アセトニトリル(12.9mL)の混合物に、氷冷下オキシ塩化リン(204μL,2.19mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することで、化合物14Cb(1.08g)を粗体として得た。
HRMS(MALDI): C40H41N9O7での計算値[M+Na]+: 782.3021, 実測値: 782.3019
【0284】
実施例103 化合物14Ccの合成
4-アミノ-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物14Cb(1.07g,1.29mmol,粗体)、アセトニトリル(12.9mL)の混合物に、28%アンモニア水(8.6mL)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、濃縮することで、化合物14Cc(748mg,2工程での収率87%)を得た。
HRMS(MALDI): C36H39N7O6での計算値[M+Na]+: 688.2854, 実測値: 688.2857
【0285】
実施例104 化合物14Cdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物14Cc(733mg,1.10mmol)、ピリジン(5.5mL)の混合物に、無水安息香酸(374mg,1.65mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(5.5mL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物14Cd(744mg,収率88%)を得た。
HRMS(MALDI): C43H43N7O7での計算値[M+Na]+: 792.3116, 実測値: 792.3111
【0286】
実施例105 化合物14Ceの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物34)
化合物14Cd(730mg,0.948mmol)、ジクロロメタン(9.5mL)、DIPEA(0.495mL,2.84mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.423mL,1.90mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物34としての化合物14Ce(672mg,収率73%)を得た。
HRMS(MALDI): C52H60N9O8Pでの計算値[M+Na]+: 992.4195, 実測値: 992.4186
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.50, 148.58
【0287】
【0288】
実施例106 化合物14Gaの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(2-アミノ-6-オキソ-1H-プリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボチオアミド
国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した化合物1g(55.0g,58.9mmol)のTHF(270mL)溶液に、1,1-チオカルボニルジイミダゾール(21.0g,118mmol)を投入し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応液に28%アンモニア水(270mL)を加え、混合物を室温で30分撹拌後に50℃にて46時間撹拌した。反応液にクロロホルム(700mL)を加え、しばらく撹拌後に有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて粗精製した。得られた残渣を酢酸エチル(250mL)に溶解しトルエン(250mL)を加えた。溶媒を約300mL減圧留去し(固形物析出)、得られた懸濁液にジイソプロピルエーテル(IPE)(50mL)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。析出物を濾取し、濾取体をIPE(50mL)で洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物14Ga(27.9g,収率72%)を得た。
MS(ESI):m/z=656[M+H]+
【0289】
実施例107 化合物14Gbの合成
メチル (1R,3R,4R,7S)-3-(2-アミノ-6-オキソ-1H-プリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-5-カルボキシイミドチオエート
化合物14Ga(27.9g,42.5mmol)のTHF(400mL)溶液に氷冷下にてヨウ化メチル(4.24mL,68.1mmol)を滴下し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応液を、重曹水(飽和重曹水(400mL)および水(400mL)より調製)およびクロロホルム(1400mL)の混液に撹拌しながら加えた。しばらく撹拌後に有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。セライト濾過し、濾液を減圧濃縮後にトルエン共沸することにより化合物14Gb(26.9g,収率82%)を得た。
MS(ESI):m/z=670[M+H]+
【0290】
実施例108 化合物14Gcの合成
[(1R,3R,4R,7S)-5-(N-アセチル-C-メチルスルファニル-カルボンイミドイル)-3-(2-アミノ-6-オキソ-1H-プリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物14Gb(26.9g,34.7mmol)のピリジン(100mL)溶液に無水酢酸(9.83mL,104mmol)およびDMAP(424mg,3.47mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(400mL)および飽和重曹水(200mL)を加え、20分激しく撹拌後に有機層を分液した。有機層を水(2×200mL)および飽和食塩水(200mL)で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をトルエン共沸することにより、化合物14Gc(30.5g)を得た。精製は行わず、このまま次工程に供した。
MS(ESI):m/z=754[M+H]+
【0291】
実施例109 化合物14Gdの合成
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン
化合物14Gc(30.5g,35.9mmol)の1,4-ジオキサン(300mL)溶液にメチルヒドラジン(18.9mL,359mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌し、さらに50℃で3時間撹拌した。反応液に水(100mL)を加え、減圧留去した。クロロホルム(250mL)を加え、しばらく緩やかに撹拌後にフェーズセパレーターに通し有機層を分液した。溶媒を減圧留去後にトルエン共沸した。得られた残渣をIPE(100mL)で懸濁し、超音波漕に20分間付けた後に析出物を濾取し、風乾後減圧乾燥した。
得られた残渣のDMF(75mL,970mmol)溶液にN,N-ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(50mL,375mmol)を加え、混合物を室温にて2時間撹拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10,SiO2:酢酸エチル/メタノール=90/10~72/28)にて精製し、粗精製した。粗成績体を酢酸エチル(200mL)で懸洗し、ろ取した後、減圧乾燥することで化合物14Gd(11.2g,収率40%)を得た。
MS(ESI):m/z=748[M+H]+
【0292】
実施例110 化合物14Geの合成
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン(本発明化合物35)
化合物14Gd(6.00g,7.60mmol)のジクロロメタン(60mL)溶液に氷冷下にてDIPEA(5.30mL,30.6mmol)を加え、続いて2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(5.12mL,23.0mmol)を滴下し、混合物を室温で6時間撹拌した。反応液を氷冷し、飽和重曹水(120mL)およびクロロホルム(160mL)を加え15分激しく撹拌後に有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:酢酸エチル/メタノール=100/0~84/16)にて精製し、本発明化合物35としての化合物14Ge(5.59g,収率74%)を得た。
MS(ESI):m/z=948[M+H]+
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.52, 148.59
【0293】
【0294】
実施例111 化合物14Aaの合成
ベンゾトリアゾール-1-イル(ベンゾトリアゾール-2-イル)メタンイミン
【化59】
ベンゾトリアゾール(7.70g,64.6mmol)のEtOH(135mL)溶液に氷冷下にて臭化シアン(3.41g,32.2mmol)のアセトン(15mL)溶液をゆっくり滴下し、続いて2規定水酸化ナトリウム水溶液(16.2mL,32.4mmol)をゆっくり滴下した。氷冷下で30分撹拌後に析出物を濾取し、濾取体を冷エタノール(80mL)で洗浄した。風乾後に減圧乾燥することにより、化合物14Aa(5.14g,収率61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-
d) δ ppm 6.92 - 6.98 (m, 1 H) 7.46 - 7.55 (m, 2 H) 7.58 - 7.65 (m, 1 H) 7.77 (ddd, J=8.35, 7.06, 1.03 Hz, 1 H) 8.17 - 8.22 (m, 1 H) 8.22 - 8.27 (m, 1 H) 8.31 - 8.37 (m, 1 H) 9.67 (s, 1 H)
MS(ESI):未検出
【0295】
実施例112 化合物14Aeの合成
(1R,3R,4R,7S)-3-(6-アミノプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-オール
N-(9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(5.15g,21.5mmol)のトルエン(200mL)懸濁液に化合物1a(10.3g,17.9mmol)を少しずつ投入し、続いてBSA(38mL,120mmol)を加え、混合物を60℃にて30分間激しく撹拌した。同温度でTMSOTf(0.324mL,1.79mmol)を加え、混合物を60℃にて15分間撹拌した。反応液を氷水で冷却し、次いで氷冷したIPE(100mL)、水(100mL)および飽和重曹水(100mL)の混液に、激しく撹拌下にて反応液を加えた。20分間激しく撹拌後に不溶物をセライト濾去した。濾液の有機層を分液し、飽和食塩水(200mL)で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して粗化合物14Gbの残渣を得た。
得られた残渣のTHF(200mL)溶液に化合物14Aa(4.72g,17.9mmol)を加え、混合物を室温で92時間撹拌し、さらに50℃で9時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(400mL)および飽和重曹水(200mL)を加え20分撹拌後に有機層を分液した。有機層を水(300mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、不溶物をろ去後、溶媒を留去して、粗化合物14Gcの残渣を得た。
得られた残渣のピリジン(65mL)溶液に無水酢酸(5.08mL,53.8mmol)およびDMAP(219mg,1.79mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(400mL)および飽和重曹水(200mL)を加え、20分撹拌後に有機層を分液した。有機層を水(300mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去した後にトルエン共沸して、粗化合物14Gdの残渣を得た。
得られた残渣の1,4-ジオキサン(100mL)溶液に冷水で冷却下にてメチルヒドラジン(9.44mL,179mmol)を滴下し、混合物を室温で3時間撹拌した。50℃に昇温し、10時間撹拌した。反応液に水(100mL)を加えた後、減圧留去し、残渣をクロロホルム(2×150mL)で分液抽出した。有機層を併せ、飽和食塩水(100mL)で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ去した後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカ:クロロホルム/メタノール=100/0~99/1)にて精製し、化合物14Ae(4.91g,収率41%)を得た。
MS(ESI):m/z=675[M-H]-
【0296】
実施例113 化合物14Afの合成
N-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
化合物14Ae(4.80g,7.10mmol)、ピリジン(10mL)の混合物に、氷冷下塩化ベンゾイル(2.48mL,21.3mmol)を加え、混合物を氷冷下で3時間撹拌した。反応液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(25mL,50mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応液をクロロホルム(50mL)で4回抽出し、有機層をフェーズセパレーターに通した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をセライトろ過後、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~93/7)にて精製し、化合物14Af(4.60g,収率83%)を得た。
MS(ESI):m/z=781[M+H]+
【0297】
実施例114 化合物14Agの合成
N-[9-(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(1,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(本発明化合物36)
化合物14Af(4.26g,5.46mmol)、ジクロロメタン(50mL)の混合物に、氷冷下DIPEA(3.78mL,21.8mmol)、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(3.66mL,16.4mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を氷冷し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加え、クロロホルム(100mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ去して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:酢酸エチル/メタノール=100/0~94/6、NHシリカ:酢酸エチル/メタノール=100/0~93/7)にて精製し、本発明化合物36としての化合物14Ag(3.88g,収率67%)を得た。
MS(ESI):m/z=980[M+H]+
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.84, 149.04
【0298】
【0299】
実施例115 化合物15Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物14Tc(2.10g,2.88mmol)、EtOH(14.4mL)の混合物に、ヒドロキシルアミン(50%水溶液,1.90mL,28.8mmol)を加え、混合物を室温で2日間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物15Ta(1.34g,収率71%)を得た。
HRMS(MALDI): C35H35N5O8での計算値[M+Na]+: 676.2378, 実測値: 676.2363
【0300】
実施例116 化合物15Tbの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物37)
化合物15Ta(300mg,0.459mmol)、ジクロロメタン(4.6mL)、DIPEA(240μL,1.38mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(205μL,0.918mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で5日間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=60/40~10/90、Diol:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80、NH:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、本発明化合物37としての化合物15Tb(214mg,収率55%)を得た。
HRMS(MALDI): C44H52N7O9Pでの計算値[M+Na]+: 876.3456, 実測値: 876.3441
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.83, 149.09
【0301】
【0302】
実施例117 化合物15Caの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物15Ta(999mg,1.53mmol)、DMAP(18.7mg,0.153mmol)、ピリジン(7.7mL)の混合物に無水酢酸(217μL,2.30mmol)を加え、混合物を室温で2日間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することで、化合物15Ca(1.10g,定量的に進行)を得た。
HRMS(MALDI): C37H37N5O9での計算値[M+Na]+: 718.2483, 実測値: 718.2470
【0303】
実施例118 化合物15Cbの合成
[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-3-[5-メチル-2-オキソ-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル]-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物15Ca(1.05g,1.51mmol)、1,2,4-トリアゾール(939mg,13.6mmol)、DIPEA(2.63mL,15.1mmol)、アセトニトリル(15mL)の混合物に、氷冷下オキシ塩化リン(239μL,2.57mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することで、化合物15Cb(1.32g)を粗体として得た。
HRMS(MALDI): C39H38N8O8での計算値[M+Na]+: 769.2705, 実測値: 769.2707
【0304】
実施例119 化合物15Ccの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物15Cb(1.30g,1.51mmol,粗体)、アセトニトリル(15.1mL)の混合物に、28%アンモニア水(10.1mL)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、濃縮することで、化合物15Cc(0.96g,2工程での収率97%)を得た。
HRMS(MALDI): C35H36N6O7での計算値[M+Na]+: 675.2538, 実測値: 675.2539
【0305】
実施例120 化合物15Cdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物15Cc(0.93g,1.42mmol)、ピリジン(7.1mL)の混合物に、無水安息香酸(482mg,2.13mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(7.1mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物15Cd(958mg,収率89%)を得た。
HRMS(MALDI): C42H40N6O8での計算値[M+Na]+: 779.2800, 実測値: 779.2794
【0306】
実施例121 化合物15Ceの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物38)
化合物15Cd(949mg,1.25mmol)、ジクロロメタン(12.5mL)、DIPEA(0.653mL,3.75mmol)の混合物に、氷冷下2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.559mL,2.50mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=80/20~30/70、NH:ヘキサン/酢酸エチル=50/50~0/100)にて精製し、本発明化合物38としての化合物15Ce(834mg,収率70%)を得た。
HRMS(MALDI): C51H57N8O9Pでの計算値[M+Na]+: 979.3878, 実測値: 979.3876
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.98, 149.27
【0307】
【0308】
実施例122 化合物16Taの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物1a(3.00g,5.25mmol)、5-クロロ-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール(848mg,6.30mmol)、DIPEA(2.72mL,15.7mmol)、DMSO(26mL)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~95/5)にて精製し、化合物16TaAB37420-001(3.30g,収率94%)を得た。
MS(ESI):m/z=670[M+H]+
【0309】
実施例123 化合物16Tbの合成
3-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]オキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(本発明化合物39)
化合物16Ta(2.26g,3.37mmol)、ジクロロメタン(17mL)、DIPEA(1.75mL,10.1mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミド(1.51mL,6.77mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80、Diol:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80)にて精製し、本発明化合物39としての化合物16Tb(2.45g,収率84%)を得た。
MS(ESI):m/z=870[M+H]+
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.23, 149.51
【0310】
【0311】
実施例124 化合物16mCaの合成
[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物16Ta(5.92g,8.84mmol)、DMAP(120mg,0.982mmol)、ピリジン(18mL)の混合物に無水酢酸(1.25mL,13.2mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することで、化合物16mCa(5.69g,収率90%)を得た。
MS(ESI):m/z=712[M+H]+
【0312】
実施例125 化合物16mCbの合成
[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3-[5-メチル-2-オキソ-4-(1,2,4-チアジアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル]-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-7-イル]アセテート
化合物16mCa(5.52g,7.75mmol)、1,2,4-トリアゾール(4.82g,69.8mmol)、DIPEA(13.4mL,77.5mmol)、アセトニトリル(39mL)の混合物に、氷冷下オキシ塩化リン(1.23mL,13.2mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮することで、粗成績体として化合物16mCb(6.18g,不純物含む)を得た。
【0313】
実施例126 化合物16mCcの合成
4-アミノ-1-[[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物16mCb(6.18g,7.75mmol,不純物含む)、アセトニトリル(39mL)の混合物に、28%アンモニア水(39mL)を加え、混合物を室温で4日間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物16mCc(4.50g,2工程での収率87%)を得た。
MS(ESI):m/z=667[M-H]-
【0314】
実施例127 化合物16mCdの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物16mCc(4.37g,6.53mmol)、無水安息香酸(2.22g,9.81mmol)、ピリジン(13mL)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(13mL,26mmol)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ去した後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)にて精製し、化合物16mCdAB37471-001(4.76g,収率94%)を得た。
MS(ESI):m/z=773[M+H]+
【0315】
実施例128 化合物16mCeの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-(3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(本発明化合物40)
化合物16mCd(4.62g,5.98mmol)、ジクロロメタン(12mL)、DIPEA(3.10mL,17.9mmol)の混合物に、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミド(2.67mL,12.0mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:ヘキサン/酢酸エチル=80/20~30/70、NH:ヘキサン/酢酸エチル=70/30~20/80)にて精製し、本発明化合物40としての化合物16mCe(3.57g,収率61%)を得た。
MS(ESI):m/z=974[M+H]+
31P-NMR (CDCl3) δ: 149.45, 149.78
【0316】
ALNA[Ms]-mCは、次のようにALNA[Ms]-Tヌクレオシドの核酸塩基部を変換することでも合成することができる。
化合物2Cfの合成
【化64】
【0317】
実施例129 化合物2Cdの合成
3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-メチルスルホニル-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-6-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-2-オン
2Tb(14.1g,0.019mol)をアセトニトリル(310mL)に溶解し、トリエチルアミン(97.29mL,0.961mol)を加えて0℃にて15分撹拌した。反応溶液に1,2,4-トリアゾール(30.36g,0.439mol)を加えて0℃にて15分撹拌した後、オキシ塩化リン(4.44mL,0.028mol)を加えて0℃で15分撹拌し、室温に昇温して2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、酢酸エチル(200mL)と水(100mL)を加えて分液した。有機層を炭酸ナトリウム(100mL)で2度洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することで粗成績体2Cd(11.8g)を得た。
【0318】
実施例130 化合物2Ceの合成
6-アミノ-3-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
粗成績体2Cd(11.8g)を1,4-ジオキサン(118mL)に溶解し、25%アンモニア水(118mL)を加えて室温にて終夜撹拌した。反応溶液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、95/5~94/6)にて精製した。これをジクロロメタン/ヘキサン(10/90)の混合液中で撹拌し、析出物をろ取することで化合物2Ce(8.3g, 2工程収率64%)を得た。
MS(ESI): m/z = 649.3(M+H)+
【0319】
実施例131 化合物2Cfの合成
N-[1-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4―イル]ジヒドロピリミジン-2-オン
化合物2Ce(8.3g,0.012mol)のDMF(63mL)溶液に安息香酸無水物(2.57g,0.011mol)を加えて室温にて24時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(200mL)を加えて希釈し、水(100mL)で2度洗浄した。有機層を炭酸ナトリウム水(100mL)、及び飽和食塩水(100mL)にて順次洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。これを減圧下にて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、99.5/0.5~99/1)にて精製した。これをジクロロメタン/ヘキサン(10/90)の混合液中で撹拌し、析出物をろ取することで化合物2Cf(4.0g, 収率47%)を得た。
MS(ESI): m/z = 753.1(M+H)+
【0320】
また、ALNA[Ms]-mCヌクレオシドは次のようにしても合成することができる。
化合物2Cjの合成
【化65】
【0321】
実施例132 化合物2Cgの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ベンジロキシ-1-(ベンジロキシメチル)-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
国際公開第2017/047816号に記載の方法にて合成した1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ベンジロキシ-1-(ベンジロキシメチル)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]へプタン-3-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン(1h)(20.00g, 21.61mmol)のジクロロメタン(200mL)混合溶液にトリエチルアミン(15.5mL,111mmol)を添加し、氷浴下でメシルクロリド(4.15mL,53.4mmol)を添加し、混合物を氷浴下で4.5時間撹拌した。反応液に5%重曹水(60mL)を添加して撹拌し、分液した。水層をジクロロメタン(40mL)で抽出し、ジクロロメタンの有機層を合液し混合した。有機層を15%食塩水(60mL)にて洗浄した後、溶媒留去した。濃縮残渣にメタノール(90mL)を加え、懸洗した。生じた析出物をろ取し、真空乾燥することで、化合物2Cg(21.94g, 収率94%)を得た。
MS(ESI): m/z = 528 (M+H)+
【0322】
実施例133 化合物2Chの合成
1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ベンジロキシ-1-(ベンジロキシメチル)-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-2-オン
実施例129と同様にして、2Cg(3.0g,5.6mmol)から化合物2Ch(3.4g)を粗成績体として得た。
【0323】
実施例134 化合物2Ciの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ベンジロキシ-1-(ベンジロキシメチル)-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
実施例130と同様にして、化合物2Ch(3.4g,5.8mmol)から化合物2Ci(2.6g,87%収率)を得た。
MS(ESI): m/z = 527.2(M+H)+
【0324】
実施例135 化合物2Cjの合成
4-アミノ-1-[(1R,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-5-メチル-ピリミジン-2-オン
化合物2Ci(2.6g,4.9mmol)を酢酸(28.6mL)に溶解し、20%水酸化パラジウム/炭素(0.35g)を加え、水素雰囲気下として室温にて16時間撹拌した。不溶物をろ去した後、減圧下にて濃縮した。残渣に1-ブタノールとIPEを加えて撹拌し、析出物をろ取した。得られた固体をメタノールにて再結晶することで、化合物2Cj(1.0g,58%収率)を得た。
MS(ESI): m/z = 346.9(M+H)+
【0325】
ALNA[Ms]-Gは次のようにしてグアニン部位がジメチルアミノメチレニル基で保護されたモノマーを合成することができる。なお、この保護様式を持つモノマーをオリゴマー合成に用いた場合には、グアニンの6位がDPC保護された2Gdを用いてオリゴマー合成する場合に生じうる副生物の生成を制御することが可能となる。
【化66】
【0326】
実施例136 化合物2Geの合成
2-アミノ-9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-1H-プリン-6-オン
化合物2Gc(1000mg, 1.1mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に室温にて、28%アンモニア水(5ml)を加えて室温で終夜攪拌した。さらに、28%アンモニア水(15ml)を加え、70℃で8時間攪拌した。室温で水、ジクロロメタンを加え、攪拌後、有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣をろ過し、溶媒留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(クロロホルム/メタノール、97/3~92/8)を行うことで化合物2Ge(620mg, 収率86%)を得た。
MS(ESI): m/z = 675(M+H)+
【0327】
実施例137 化合物2Gfの合成
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチルホルムアミジン
化合物2Ge(150mg, 0.22mmol)をテトラヒドロフラン(2.22 mL)に溶解し、室温にてN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(132 mg,1.11 mmol)、を加え時間撹拌した。室温で加え、酢酸エチル(2 mL)で1回抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣を濾過し、溶媒留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(クロロホルム/メタノール=99/1、クロロホルム/メタノール=93/7)を行うことで化合物2Gf(145 mg, 収率89 %)を得た。
MS(ESI): m/z = 728 (M-H)-
【0328】
実施例138 化合物2Ggの合成
N’-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル] -6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチルホルムアミジン
化合物2Gf(900mg,1.2mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、室温にてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(747mg,5.8mmol)、2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(1061mg, 4.5mmol)を加え終夜撹拌した。室温で飽和重層水とジクロロメタンを加え、有機層を分離した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、残渣を濾過した。溶媒留去した後、アミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)、ジオールシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(クロロホルム/メタノール、100/0~97/3)、を行うことで化合物2Gg(690mg, 収率60%)を得た。
MS(ESI): m/z = 930 (M+H)+
【0329】
ALNA[Ms]-Gは次のようにしてグアニン部位がイソブチロイル基のみで保護されたモノマーを合成することができる。なお、この保護様式を持つモノマーをオリゴマー合成に用いた場合には、グアニンの6位がDPC保護された2Gdを用いてオリゴマー合成する場合に生じうる副生物の生成を制御することが可能となる。
【化67】
【0330】
実施例139 化合物2Ghの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物2Ge(100mg,0.15mmol)をピリジン(1.4mL)に溶解し、室温にてN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(29mg,0.24mmol)、2-メチルプロパノイル2-メチルプロパノエート(100μL,0.6mmol)を加え100℃で4時間撹拌した。さらに、2-メチルプロパノイル 2-メチルプロパノエート(100μL,0.6mmol)を加え、100℃で2時間撹拌した。室温で飽和重層水と酢酸ナトリウムを加え、有機層を分離した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣を濾過し、溶媒留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~20/80)を行った。さらに、化合物をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え0℃で40分攪拌した。反応液に水、酢酸エチルを加え、有機層を分離したのちに、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、再び有機層を分離した。硫酸ナトリウムで乾燥後、残渣をろ過し、溶媒留去することで化合物2Gh(56mg, 収率50%)を得た。
MS(ESI): m/z = 745 (M+H)+
【0331】
実施例140 化合物2Giの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
ジクロロメタン(3.6mL)にモレキュラーシーブ3Aを加え1時間攪拌後、室温にて化合物2Gh(500mg,0.67mmol)、1-メチルイミダゾール(10.9mg,0.1mol)、テトラゾール(84mg,1.2mmol)、3-ビス(ジイソプロピルアミノ)フォスファニルオキシプロパンニトリル(949mg, 3.1mmol)を加え、6時間攪拌した。室温で飽和重層水を加えジクロロメタンで二回抽出した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、残渣を濾過した。溶媒留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル、50/50~25/75)を行うことで化合物2Gi(500mg, 収率79%)を得た。
MS(ESI): m/z = 946 (M+H)+
【0332】
また、グアニン部位がイソブチロイル基のみで保護されたALNA[Ms]-Gモノマーは、次のようにして化合物1aからトランスグリコシル化により直接的にも合成することが可能である。
【化68】
【0333】
実施例141 化合物2Gjの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物1a(5.0g, 8.75mmol)、2-メチル-N-(6-オキソ-1,9-ジヒドロプリン-2-イル)プロパンアミド(3.87g, 17.5mmol)の1,2-ジクロロエタン(30mL)混合液にBSA(21.4mL,87.5mmol)を加えて60℃にて30分撹拌した。続いて、TMSOTf(0.254mL,1.31mmol)を加えて1時間半撹拌した。放冷後、反応液にクロロホルム(50mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え撹拌した。不溶物を吸引ろ過後、有機層を水、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~90/10)にて精製することで化合物2Gj(3.83g, 収率59%)を得た。
MS(ESI): m/z = 739.5 (M+H)+
【0334】
実施例142 化合物2Gkの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-5-メチルスルホニル-7-トリメチルシリロキシ-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物2Gj(1.0g, 1.35mmol)、ピリジン(0.327mL,4.06mmol)のジクロロメタン(7mL)溶液に、氷冷下メタンスルホン酸無水物(284mg,1.63mmol)を加えて、氷冷下で45分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をフェーズセパレーターに通した後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~90/10)にて精製することで化合物2Gk(657mg, 収率59%)を得た。
MS(ESI): m/z = 817.4 (M+H)+
【0335】
実施例143 化合物2Ghの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物2Gk(3.16g, 3.87mmol)のTHF(8mL)溶液にTBAF(1mol/L THF溶液,4.6mL,4.6mmol)を加えて室温にて1時間撹拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、100/0~90/10)にて精製することで化合物2Gh(2.57g, 収率89%)を得た。
MS(ESI): m/z = 745.5(M+H)+
【0336】
また、化合物2Ghは、次のようにして化合物2Gbから合成することも可能である。
【化69】
【0337】
実施例144 化合物2Ghの合成
N-[9-[(1R,3R,4R,7S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-5-メチルスルホニル-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物2Gb(1010mg,1.0mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、室温にてテトラブチルアンモニウムフルオリド(1mol/L テトラヒドロフラン溶液,3mL,3.0mmol)を加え70℃で24時間撹拌した。さらに、室温にてテトラブチルアンモニウムフルオリド(1mol/L テトラヒドロフラン溶液,9mL,9.0mmol)を加え80℃で8時間撹拌した。溶媒留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(クロロホルム/メタノール、98/2~93/7)を行った。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(クロロホルム/メタノール、100/0~94/6)を行うことで化合物2Gh(570mg, 収率77%)を得た。
MS(ESI): m/z = 745 (M+H)+
【0338】
実施例145 オリゴヌクレオチド類縁体の合成および精製 (in vitro)
上記の実施例で得られた各種アミダイト(本発明化合物1~44)を用いて、下表1から4に記載したオリゴヌクレオチド類縁体化合物を、DNA/RNAオリゴヌクレオチド自動合成機ns-8II(株式会社ジーンデザイン製)により0.2または1.0μmolスケールにてCPGまたはポリスチレン担体を用いて合成した。アミダイトは全て0.1Mのアセトニトリル溶液に調整し、非天然型ヌクレオシドにおけるカップリング時間は10分間で行い、それ以外の工程はns-8IIの標準条件にて行った。活性化剤はActivator42(Sigma-Aldrich)、チオ化にはSulfurizing ReagentII(Gren Research Corporation)を使用した。合成したオリゴヌクレオチドは28%アンモニア水溶液を加えて60-65℃にて8時間反応させることで担体からの切り出しと塩基部の脱保護を行った。アンモニアを濃縮留去したのち、逆相HPLC精製を行った。
【0339】
実施例146 オリゴヌクレオチド類縁体の合成および精製 (in vivo)
上記の実施例で得られた各種アミダイト(本発明化合物1~44)を用いて、下表5に記載したオリゴヌクレオチド類縁体化合物を、DNA/RNAオリゴヌクレオチド自動合成機AKTA oligopilot plus 10 (GEヘルスケアジャパン株式会社製)により20μmolスケールにてポリスチレン担体を用いて合成した。DNAアミダイトは0.1M、非天然型アミダイトは0.05Mのアセトニトリル溶液に調整し、非天然型ヌクレオシドにおけるカップリングリサイクル時間は20分間で行い、ユニバーサル担体への1塩基目の導入の際は、カップリング、チオ化、キャッピング工程をそれぞれ2回連続で実施した。それ以外の工程はAKTA oligopilot plus10の標準条件にて行った。活性化剤はActivator42(Sigma-Aldrich)、チオ化にはSulfurizing ReagentII(Gren Research Corporation)を使用した。合成したオリゴヌクレオチドは28%アンモニア水溶液を加えて60-65℃にて8時間反応させることで担体からの切り出しと塩基部の脱保護を行った。アンモニアを濃縮留去したのち、陰イオン交換カラムで精製を行った。陰イオン交換後に含まれる余剰塩を脱塩カラムにより除去した。
【0340】
合成したオリゴヌクレオチド類縁体の精製および純度確認は、逆相HPLCにより以下の条件で行った。
逆相HPLC
移動相:
A液: 20mM 酢酸ヘキシルアミン水溶液
B液: アセトニトリル
グラジエント: A:B =90:10→50:50(40min)もしくはA:B =90:10→40:60(45min)
使用カラム:
分析 Waters XBridge@ Oligonucleotide BEH C18 Column, 130Å, 2.5μm, 4.6mm*50mm
分取 Waters XBridge@ Oligonucleotide BEH C18 OBDTM Prep Column,130Å, 2.5μm, 10mm*50mm
【0341】
流速:
分析 1ml/min
分取 4ml/min
カラム温度: 60℃
検出: UV(260nm)
【0342】
陰イオン交換精製
移動相:
A液:20mM Tris-HCl(pH8.0)水溶液
B液:20mM Tris-HCl(pH8.0)、1M NaBr水溶液
使用カラム:
GE HiTrap CaptQ ImpRes(Anion exchange) 5ml
流速:5ml/min
カラム温度:室温
検出:UV(260nm)
【0343】
脱塩カラム
移動相:
A液:H2O
B液:H2O
使用カラム:
GE HiPrep 26/10 Desalting
流速:10ml/min
カラム温度:室温
【0344】
合成したオリゴヌクレオチド類縁体の分子量は、Waters ZQを用いて以下の条件で行った。
移動相:
A液:400mM ヘキサフルオロイソプロパノール、15mM トリエチルアミン水溶液
B液:メタノール
グラジエント:A:B =80:20→70:30(2.5min)もしくはA:B =90:10→40:60(45min)
使用カラム:
分析 Waters ACQUITY UPLC@ Oligonucleotide BEH C18 Column, 130Åm 1.7μm, 2.1mm*100mm
流速:0.2ml/min
カラム温度:60℃
検出:UV(260nm)
【0345】
表1 各Tm配列のマススペクトル測定結果
gcgttT(X)tttgct(配列番号1)
(ここで、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)はチミンを有する各人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホジエステルである)
【表1】
【0346】
表2 各SRB1(2-10-2)配列のマススペクトル測定結果
T(X)C(X)agtcatgactT(X)C(X)(配列番号2)
(ここで、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)およびC(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、および5-メチルシトシンを有する各人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである)
【表2】
【0347】
表3 各SRB1(3-10-3)配列のマススペクトル測定結果
T(X)T(X)C(X)agtcatgactT(X)C(X)C(X)(配列番号3)
(ここで、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)およびC(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、および5-メチルシトシンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである)
【表3】
【0348】
表4 各antimiR-21配列のマススペクトル測定結果
A(m)C(X)atC(X)agtC(X)tgaT(X)aagC(X)tA(m)(配列番号4)
(ここで、A(m)は2’-MOEアデノシンを、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)およびC(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、および5-メチルシトシンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである)
【表4】
【0349】
表5 各Malat1配列のマススペクトル測定結果
G(X)T(X)T(X)cactgaatG(X)C(X
)(配列番号5)
(ここで、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)、C(X)およびG(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、5-メチルシトシンを有する人工核酸種、およびグアニンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである)
【表5】
【0350】
実施例147 標的鎖への結合能とミスマッチ選択性評価
各種人工核酸種を含むアンチセンス鎖(ここで、配列はgcgttT(X)tttgct(前記配列番号1)を、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)はチミンを有する各人工核酸種を示す)と、センス鎖、即ち、アンチセンス鎖に対して相補的配列を有するDNA鎖(ここで、配列はagcaaaaaacgc(配列番号6)を、小文字はDNAの各核酸塩基を示す)、相補的配列を有するRNA鎖(ここで、配列はAGCAAAAAACGC(配列番号7)を、大文字はRNAの各核酸塩基を示す)、および1塩基ミスマッチを含む3種の相補的配列を有するRNA鎖(ここで、配列はAGCAAANAACGC(配列番号8)を、大文字はRNAの各核酸塩基を、Nはそれぞれウラシル(U)、グアニン(G)、シトシン(C)を示す)のそれぞれをアニーリング処理して二重鎖を形成させた後、二重鎖の50%が乖離する温度であるTm値を測定することにより、オリゴヌクレオチドの二重鎖形成能を調べた。具体的には、塩化ナトリウム水溶液100mmol/L、リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.4)10mmol/L、アンチセンス鎖4μmol/L、センス鎖4μmol/Lを含むサンプル溶液(150μL)を95℃まで昇温させた後、4時間かけて室温まで冷却させた。分光光度計(JASCO、V-730、PAC-743R)のセル室内に結露防止のため窒素気流を通し、サンプル溶液を10℃まで徐々に冷却し、さらに1分間10℃に保った後、測定を開始した。毎分0.5℃の速度で80℃まで昇温させ、0.5℃毎に260nmにおける吸光度を測定した。なお、温度上昇による濃度変化を防止するため、セルは蓋付きのものを用いた。結果を表6に示す。
【0351】
【0352】
表6から明らかなように、各種人工核酸を含むアンチセンス鎖は、天然型DNAや既知のALNAであるALNA[Me]を含むアンチセンス鎖と比較して、同等以上のセンス鎖結合能、およびミスマッチ選択能を有していた。
【0353】
実施例147 In vitroSR-B1ノックダウン活性試験
Hepa 1c1c7細胞を1ウェル当たり2.5 ×103個播種し、24時間培養した後、SRB1に相補的配列を有する各種修飾化されたアンチセンスオリゴ核酸を終濃度100、20、4 nmol/Lで添加し、48時間後に定量PCRを行った。同条件を3ウェルずつで実施した。アンチセンス活性は陰性対照でのSRB1のGAPDHに対する量比を元に、アンチセンス化合物を添加した場合のSRB1発現の阻害率を100分率で示した。その結果を表7に示した。
【0354】
表7 In vitro SRB1ノックダウン活性
【表7】
3-10-3, 2-10-2の2つの配列パターンでの各人工核酸を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドのGymnosis 100nMでの標的遺伝子(SRB1)ノックダウン活性を示した。
2つの配列パターンはそれぞれ次の通りである。
3-10-3: T(X)T(X)C(X)agtcatgactT(X)C(X)C(X)(前記表3の配列番号3と同じ)
2-10-2: T(X)C(X)agtcatgactT(X)C(X)(前記表2の配列番号2と同じ)
なお、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)およびC(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、および5-メチルシトシンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである。
【0355】
表7から明らかなように、ALNA[Ms]、ALNA[ipU]、ALNA[2Pym]、ALNA[Prz],ALNA[Trz]、ALNA[Oxz]は、既知のALNAであるALNA[Me]と比較して、強力なIn vitroでの標的遺伝子ノックダウン活性を有していた。
【0356】
実施例148 In vitro miRNA-21阻害活性試験
3.0×106 cells/mlのHEK293細胞を10 cm dishに播種し、細胞をCO2インキュベーターで一晩培養した。翌日、FuGENE HD Transfection Reagentを用いて、miR-21の相補配列をpsiCHECK-2 vector (Promega)のマルチクローニングサイトにクローニングしたレポータープラスミド10 μgを細胞にトランスフェクションし、CO2インキュベーターで24時間程度培養した。この細胞を回収し、96 well plateに2.0×104 cells/wellの細胞を再播種するとともに、各人工核酸を導入したmiR-21阻害剤を添加した。細胞をCO2インキュベーターで96時間培養した後、Dual-Glo Luciferase Assay Systemを用いて,細胞内のfirefly luciferaseとRenilla luciferase発光値をプレートリーダーで検出した。Renillaルシフェラーゼ活性による発光値からトランスフェクション効率や細胞数の影響を補正するために,fireflyルシフェラーゼ活性による発光値との比を算出した。さらに,算出した比から、psiCHECK-2 vectorを導入した細胞での比を阻害率100%、miR-21相補配列をクローニングしたpsiCHECK-2 vectorを導入した細胞の比を阻害率0%として、各阻害率を算出し、阻害活性を求めた。その結果を表8に示した。
【0357】
表8 In vitro miRNA-21阻害活性
【表8】
用いたアンチセンスオリゴの配列は次の通りである。
A(m)C(X)atC(X)agtC(X)tgaT(X)aagC(X)tA(m)(前記表4の配列番号4と同じ)
なお、ここで、A(m)は2’-MOEアデノシンを、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)およびC(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、および5-メチルシトシンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである。
【0358】
表8から明らかなように、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[dmU]、ALNA[Trz]、ALNA[Oxz]は、既知のALNAであるALNA[Me]と比較して、強力なIn vitroでのマイクロRNA阻害活性を有していた。
【0359】
実施例149 In vivo MALAT1ノックダウン活性試験
6週齢のC57BL/6Jマウス(雄性、日本チャールズリバー)にMALAT1を標的としたアンチセンスオリゴヌクレオチド(10mg/kg、および50mg/kg)を10mg/mLとなるようにPBSで調製し、5mL/kgとなるようにPBSで希釈して尾静脈内投与した。72時間後にイソフルラン(日本薬局方 ファイザー(株))麻酔下にてマウスの腹部大静脈より血液を採取し、放血致死させた。血液は凝固後遠心分離して血清を調製し、測定時まで冷凍保存(-80℃設定)した。放血致死後、肝、腎、脂肪、骨格筋(大腿四頭筋、腓腹筋)、肺、心臓、胃、空腸、精巣、皮膚、脾臓、脳を採取し、液体窒素で凍結した。凍結組織にMaxwell RSC simplyRNA Tissue Kitのホモジェネーションバッファーを加えてマルチビーズショッカーを用いて破砕し、キット記載のプロトコールに従ってRNAを精製した。RT反応以降はduplicateで行い、1反応当たりのRNA量は、50~500 ngで実施した。ノックダウン活性はvehicle群でのMalat1のGAPDHに対する量比を元に、Malat1発現の阻害率を100分率で示した。標準誤差はduplicateの平均により個体別の値を求め、その値を元に算出した。その結果を表9および10に示した。
【0360】
表9 50mg/kg投与した際の各臓器でのMalat1ノックダウン率(%)
【表9】
表10 10mg/kg投与した際の各臓器でのMalat1ノックダウン率(%)
【表10】
用いたアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列は次の通りである。
G(X)T(X)T(X)cactgaatG(X)
C(X)(前記表5の配列番号5と同じ)
なお、ここで、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)、C(X)およびG(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、5-メチルシトシンを有する人工核酸種、およびグアノシンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである。
【0361】
表9、10から明らかなように、ALNA[Ms]は、既知のALNAであるALNA[Me]と比較して、多くの臓器(肝臓、腎臓、骨格筋、肺、心臓、胃、空腸、精巣、脂肪)において強力な標的遺伝子ノックダウン活性を有していた。また、ALNA[2Pym]は、既知のALNAであるALNA[Me]と比較して、特定の臓器(心臓、空腸、精巣、脂肪)において強力な標的遺伝子ノックダウン活性を有していた。また、ALNA[ipU]は、肝臓での標的遺伝子ノックダウン作用は、ALNA[Me]と比較して同程度でありながら、肺や脾臓ではALNA[Me]をはるかに上回る強力な標的遺伝子ノックダウン作用を有していた。脾臓には種々の免疫細胞が集積していることから、ALNA[ipU]を含むアンチセンスオリゴは、通常の核酸医薬では移行性が低いと考えられる免疫細胞への作用が期待できる。また、ALNA[ipU]は、肝臓での毒性を低減しながら、肺や免疫系への強力な薬効が期待できる。
【0362】
実施例150 脳室内投与での中枢各組織、及び肝、腎におけるMALAT1ノックダウン活性試験
7週齢のC57BL/6J(雄性、日本チャールズリバー)をイソフルラン(ファイザー(株)麻酔下で脳定位固定装置に固定し、保温マット上に寝かせた状態で頭皮を切開して頭蓋骨を露出させた。ブレグマの位置を確認後、左側脳室上部(ブレグマより左に1.0 mm, 後方に0.4 mm)周辺1~2 mmの頭蓋骨に歯科用電気ドリルで穴を開けた。左側脳室(ブレグマより左に1.0 mm, 後方に0.4 mm、深さ2.3 mmの位置)に27ゲージの針を挿入し、針に装着したマイクロインフュージョンポンプを用いて生理食塩水で5μg/10μLになるよう調製したMALAT1を標的としたアンチセンスオリゴ(5μg/10μL/head)を2μL/minの流速で5分間、単回投与した。その後、医療用セメントのベルファースト(睦化学工業)で頭蓋骨の穴を塞ぎ、切開部を縫合して感染症防止のためゲンタシン軟膏0.1 %(高田製薬)を塗布した。投与から72時間後にイソフルラン麻酔下にてマウスの腹部大静脈より血液を採取し、放血致死させた。血液は凝固後遠心分離して血清を取得し、測定時まで冷凍保存(-30℃設定)した。放血致死後、脳、脊髄、腎臓、肝臓を採取した。脳については安楽死後に頭蓋骨と脊椎を切り離してから脳を取り出し、矢状断面作製用スライサーであるBrain Matrices(RBM-2000S、バイオリサーチセンター株式会社)を用いて正中線から左脳側に厚さ約2 mmになるよう薄切後、切片から嗅球、大脳皮質、海馬、線条体、小脳を取り出した。5部位を取り除いた切片の残りの部分についても脳幹等複合部位として採取した。脊髄についてはT13を境に切り分け、T13より脳側(以下、脊髄近位)と、T13からL5まで(以下、脊髄遠位)の2ヶ所を採取した。採取した臓器はRNA later(Invitrogen)に浸漬して-30℃で保管した。チューブに臓器とQIAzol Lysis Reagent(QIAGEN)を加えてマルチビーズショッカーを用いて破砕し、クロロホルム(純正化学)を加えて混和した。この混和物から遠心機分離により水層部分を回収し,この水層からRNeasy 96 Universal Tissue Kit(QIAGEN)のキット記載のプロトコールに従ってRNAを精製した。RT反応以降、1反応当たりのRNA量は2 ~ 7 ngで実施した。ノックダウン活性はvehicle群でのMALAT1のGAPDHに対する量比を基に、MALAT1発現の阻害率を100分率で示した。標準誤差は個体別の値を基に算出した。
表11 5μg/head投与した際の各中枢組織、及び肝、腎でのMALAT1ノックダウン率(%)
【表11】
用いたアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列は次の通りである。
G(X)T(X)T(X)cactgaatG(X)C(X)(前記表5の配列番号5と同じ)
なお、ここで、小文字はDNAの各核酸塩基を、T(X)、C(X)およびG(X)はそれぞれ、チミンを有する各人工核酸種、5-メチルシトシンを有する人工核酸種、およびグアノシンを有する人工核酸種を示し、すべてのリン酸結合はホスホロチオエートである。
【0363】
表11から明らかなように、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、及びALNA[Oxz]は、既知のALNAであるALNA[Me]と比較して、各中枢組織において強力な標的遺伝子ノックダウン活性を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0364】
本発明のアミノ架橋型人工核酸(ALNA)は、新規な人工核酸オリゴマーの製造に使用することができる。また、本発明のアミノ架橋型人工核酸を含むオリゴマーは、特定の臓器において強力な標的遺伝子ノックダウン活性を有しており、核酸医薬として使用することができる。
【配列表フリーテキスト】
【0365】
配列番号1~6は、DNAオリゴヌクレオチドを示す。
配列番号7~8は、RNAオリゴヌクレオチドを示す。
【配列表】