(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】磁性バックリング・アセンブリ用の雄型バックル部品
(51)【国際特許分類】
A44B 11/26 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A44B11/26
(21)【出願番号】P 2021093506
(22)【出願日】2021-06-03
(62)【分割の表示】P 2021019265の分割
【原出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-07-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】201711284857.0
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820665048.8
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821544286.X
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】程 滿群
【合議体】
【審判長】山崎 勝司
【審判官】武市 匡紘
【審判官】藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0339232(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B11/00-11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌型バックル部品と、雄型バックル部品と、前記雌型バックル部品に配置される雌側係止部分と、前記雄型バックル部品に配置され且つ前記雌側係止部分と係合する雄側係止部分と、前記雌型バックル部品に配置される雌側磁性部品と、前記雄型バックル部品に配置され且つ前記雌側磁性部品と磁気的に協働する雄側磁性部品と、を有する磁性バックリング・アセンブリ用の雄型バックル部品であって、
該雄型バックル部品は、柱状構造を有する雄側係止部分であって、前記柱状構造の第1の端部にある当接構造と、該当接構造に隣接し前記柱状構造の周囲に形成された雄型係合構造とを備えている雄側係止部分と、
前記雄側係止部分の柱状構造の少なくとも当接構造および雄型係合構造の内部に形成された
雄側設置チャンバであって、前記第1の端部とは反対側の前記柱状構造の第2の端部を介してアクセス可能である
雄側設置チャンバと、
前記柱状構造の第2の端部を介して前記
雄側設置チャンバに設置された雄側磁性部品であって、少なくとも前記雄型バックル部品の雄側係止部分の当接構造の内側にある雄側磁性部品と、を備え、
前記雌型バックル部品は、
少なくとも1つの弾性アームと、前記少なくとも1つの弾性アームと一体的に形成された少なくとも1つの係合ヘッドであって、前記少なくとも1つの弾性アームが弾性変形したときに、少なくとも1つの係合ヘッドが移動するように駆動する、少なくとも1つの係合ヘッドと、を有する雌側係止部分と、
前記雌型バックル部品の中間部分の内側にある
雌側設置チャンバと、
前記
雌側設置チャンバに配置された雌側磁性部品と、
前記雌型バックル部品上に移動可能に配置され
た少なくとも1つの操作部品と、
を備え、
前記雌側係止部分の少なくとも1つの係合ヘッドは係合ヘッド傾斜構造を含み、
前記雄側係止部分の当接構造は傾斜構造を含み、該雄側係止部分の傾斜構造は、前記雌型バックル部品が雄型バックル部品に結合されるときに、前記当接構造が対応する少なくとも1つの係合ヘッドを横切ってスライドして前記雄型係合構造が対応する少なくとも1つの係合ヘッドと係合するように、前記係合ヘッドの傾斜構造と協働し、
これにより、前記雄側係止部分が前記雌側係止部分に係合し、
前記雌型バックル部品上に配置された少なくとも1つの操作部品は、前記雌側係止部分の少なくとも1つの弾性アームに接続されて前記少なくとも1つの弾性アームを押して弾性変形させ、それにより前記少なくとも1つの係合ヘッドを動かし、これにより、前記雄型係合構造は、前記雄側磁性部品と前記雌側磁性部品との相対的位置関係を維持した状態で前記雌側係止部分から係合解除される、
雄型バックル部品。
【請求項2】
前記雄側係止部分の雄型係合構造はフックスロットを含む、請求項1に記載の雄型バックル部品。
【請求項3】
前記雄側磁性部品を覆って支持するために、前記
雄側設置チャンバの内側に配置された支持カバーをさらに備えている、請求項1に記載の雄型バックル部品。
【請求項4】
外側カバーをさらに備え、前記雄側係止部分の柱状構造が前記外側カバーに結合して外側カバーから突出している、請求項1に記載の雄型バックル部品。
【請求項5】
前記外側カバーに接続された少なくとも1つのストラップをさらに備えている、請求項4に記載の雄型バックル部品。
【請求項6】
前記外側カバーに接続された少なくとも1つのストラップを介して前記雄型バックル部品が固定される布面と組み合わされている、請求項5に記載の雄型バックル部品。
【請求項7】
少なくとも1つのストラップを取り付けるための少なくとも1つの組付部分をさらに備えている、請求項1に記載の雄型バックル部品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの組付部分が、前記少なくとも1つのストラップのための少なくとも1つの貫通孔を含む、請求項7に記載の雄型バックル部品。
【請求項9】
前記組付部分は少なくとも2つあり、前記少なくとも1つの組付部分は互いに対向する2つの組付部分を含み、該2つの組付部分の各組付部分は貫通孔を含む、請求項7に記載の雄型バックル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性バックリング・アセンブリ用の雄型バックル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
経済の発展及び技術の進歩に伴い、人々の生活に便利さをもたらすために市場で入手可能な消費財が益々多くなっている。ベビーキャリア(baby carrier)は、これらの消費財の1つである。
【0003】
ベビーキャリアが、通常、複数のストラップと、ストラップを素早く接続又は接続解除するための複数のバックル・アセンブリとを含むことは周知である。
【0004】
現在、従来のバックル・アセンブリは、通常、雄型バックル部品、雌型バックル部品、及び解除ボタンを含む。雄型バックル部品はストラップに接続され、雌型バックル部品は
別のストラップに接続され、雄型バックル部品と雌型バックル部品との係合によってこれらストラップを互いに接続することができる。解除ボタンは、雄型バックル部品を雌型バックル部品から係合解除して、それらストラップを接続解除するためのボタンである。
【0005】
しかしながら、従来のバックル・アセンブリは、操作が困難で構造が複雑であるという欠点を有している。
【0006】
従って、上述した問題を解決するために、操作が容易で構造がコンパクトな改良されたバックル・アセンブリを提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、操作が容易で構造がコンパクトな磁性バックル・アセンブリを提供することである。
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明は磁性バックル・アセンブリを開示し、この磁性バックル・アセンブリは、雄型バックル部品、雌型バックル部品、第1の係止部分、第2の係止部分、操作部品、第1の磁性部品、及び第2の磁性部品を含む。第1の係止部分は、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に配置される。第2の係止部分は、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の他方に配置され、且つ第1の係止部分と係合する。操作部品は、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の他方に移動可能に配置される。第1の磁性部品は、雌型バックル部品に配置される。第2の磁性部品は、雄型バックル部品に配置され、且つ第1の磁性部品と磁気的に協働する。雄型バックル部品は、第1の係止部分と第2の係止部分との係合による接続方向に沿って雌型バックル部品に接続される。第1の磁性部品は、接続方向に沿った雄型バックル部品と雌型バックル部品との接続プロセス中に、第2の磁気部品を磁気的に引き付ける、又は磁気的に反発させ、第1の磁気部品は、雄型バックル部品と雌型バックル部品との分離を防ぐために第2の磁気部品を磁気的に引き付ける、又は操作部品が第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するように操作され、第1の係止部分と第2の係止部分との分離を可能にするときに、第1の係止部分と第2の係止部分との間の分離を促進するために第2の磁性部品を磁気的に反発する。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、第1の係止部分は弾性構造体である。第2の係止部分は、当接構造及び係合構造を含む。当接構造は、接続方向に沿った雄型バックル部品と雌型バックル部品との接続プロセス中に、第1の係止部分を押して弾性変形させ、それにより第1の係止部分は摺動して係合構造と係合し、操作部品は第1の係止部分を弾性変形させるように操作され、第1の係止部分を係合構造から係合解除する。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、第1の係止部分は、少なくとも1つの弾性アームと、係合構造と係合するための少なくとも1つの係合ヘッドとを含む。少なくとも1つの係合ヘッドは少なくとも1つの弾性アームに接続される。少なくとも1つの弾性アームは、少なくとも1つの係合ヘッドを付勢して係合構造と係合させる。当接構造は、接続方向に沿った雄型バックル部品と雌型バックル部品との接続プロセス中に、少なくとも1つの係合ヘッドを押して少なくとも1つの弾性アームを弾性変形させ、それにより少なくとも1つの係合ヘッドは摺動して係合構造と係合し、操作部品は、少なくとも1つの弾性アームを弾性変形させるように操作され、少なくとも1つの係合ヘッドを係合構造から係合解除する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、操作部品は、接続方向と平行な操作方向に沿って少なくとも1つの弾性アームを押すように操作され、接続方向と交差する変形方向に沿って少なくとも1つの弾性アームを弾性変形させ、少なくとも1つの係合ヘッドを係合構造から係合解除する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、操作部品は、接続方向に対して傾斜した少なくとも1つの当接傾斜面を含み、操作部品は、少なくとも1つの当接傾斜面によって少なくとも1つの弾性アームを押して弾性変形させるように操作される。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの係合ヘッドは係合構造を取り囲む。少なくとも1つの当接傾斜面は、当接構造から離れる方向に内側から外側に向けて傾斜しており、操作部品は、少なくとも1つの当接傾斜面によって少なくとも1つの弾性アームを外側に押して弾性的に拡げるように操作される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、第1の係止部分は、第2の係止部分を取り囲む少なくとも2つの弾性アームと、少なくとも2つの係合ヘッドとを含み、少なくとも2つの弾性アームのそれぞれが、少なくとも2つの係合ヘッドの対応する1つに接続される。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの伸長脚部が、操作部品から接続方向に沿って延びており、少なくとも1つの当接傾斜面は、少なくとも1つの伸長脚部に形成される。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第1の係止部分は、少なくとも1つの当接傾斜面と協働するために、少なくとも1つの係合ヘッドに接続された少なくとも1つの弾性アームの基端部に配置された少なくとも1つの従動傾斜面を含み、操作部品は、少なくとも1つの当接傾斜面と少なくとも1つの従動傾斜面との協働によって、少なくとも1つの弾性アームを押して弾性変形させるように操作される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、凹部が、少なくとも1つの係合ヘッドに接続された少なくとも1つの弾性アームの基端部に形成される。少なくとも1つの伸長脚部は凹部内に延びる。少なくとも1つの従動傾斜面は凹部の壁に形成され、少なくとも1つの当接傾斜面は少なくとも1つの伸長脚部の端部に形成される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの当接傾斜面は、少なくとも1つの伸長脚部の端部に形成され、且つ少なくとも1つの端部から離れる方向で少なくとも1つの弾性アームの先端部と協働する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、磁性バックル・アセンブリは、操作部品を戻すための弾性回復力を与える弾性部品をさらに含む。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、当接構造の端部は、接続方向に対して傾斜した第1の傾斜構造を含む。少なくとも1つの係合ヘッドは、第1の傾斜構造と協働する第2の傾斜構造を含み、当接構造は、少なくとも1つの係合ヘッドに跨って摺動し、第1の傾斜構造と第2の傾斜構造との協働によって係合構造を少なくとも1つの係合ヘッドと係合させる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの係合ヘッドはフックであり、係合構造は、フックに対応するフックスロットである。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、第1の設置チャンバが雌型バックル部品に形成される。第2の設置チャンバが雄型バックル部品に形成される。第1の磁性部品は第1の設置チャンバ内に設置され、第2の磁性部品は第2の設置チャンバ内に設置される。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、第1の設置チャンバは、接続方向に沿って第2の設置チャンバと整列している。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、第1の設置チャンバ又は第2の設置チャンバは、第2の係止部分の内側に形成される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、第1の磁性部品及び第2の磁性部品の少なくとも一方が永久磁性部品である。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、操作部品は、円形ボタン又は矩形ボタンである。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方が、外側カバーと、外側カバーの内側に配置されたバックル本体とを含み、操作部品は、接続方向に沿って外側カバーを通って移動可能に通過する。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の他方及び外側カバーのそれぞれが、少なくとも1つのストラップを取り付けるための少なくとも1つの組付部分を含み、貫通孔が少なくとも1つの組付部分に形成され、少なくとも1つのストラップがその貫通孔を通過するのを可能にする。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、第2の係止部分は柱状構造である。雄型バックル部品は、第2の係止部分の周りで雌型バックル部品に対して回転可能である。雄型バックル部品及び雌型バックル部品の他方は、互いに対向する2つの組付部分を含み、外側カバーに対する2つの組付部分の位置は、雌型バックル部品に対する雄型バックル部品の回転によって調整可能である。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、配置孔が、第2の係止部分から離れる方向に外側カバーの第1面に形成される。操作部品は配置孔の内側に配置され、接続孔が、第2の係止部分に隣接する外側カバーの第2面に形成され、第2の係止部分がその接続孔を通過するのを可能にする。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのリブが、外側カバーから突出しており、且つ外側カバーの側壁に隣接している。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、磁性バックル・アセンブリは、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に配置され、且つ雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能な保護部品をさらに含む。保護部品は、保護部品が第1の位置にあるときに、操作部品が第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するのを抑制し、操作部品は、保護部品が第2の位置にあるときに、第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するのを許容される。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、保護部品が第1の位置にあるときに、保護部品は操作部品と係合し、保護部品が第2の位置にあるときに、保護部品は操作部品から係合解除する。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、保護部品が第1の位置にあるときに、保護部品は操作部品を覆い、保護部品が第2の位置にあるときに、操作部品は露出される。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、操作部品は、接続方向と平行な操作方向に沿って雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に摺動可能に配置され、保護部品は、接続方向と交差する摺動方向に沿って雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に摺動可能に配置される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、保護部品は、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に配置され、且つ雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に対して第1の位置と第2の位置との間で摺動可能又は回転可能である。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、磁性バックル・アセンブリは、保護部品を付勢して第1の位置に摺動又は回転させる回復要素をさらに含む。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、保護部品は、カバー部分と、カバー部分に接続されたガイド部分とを含む。カバー部分は、操作部品を選択的に覆う又は露出させる。ガイド部分は、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に移動可能に配置され、カバー部分及びガイド部分は、接続方向に沿って互いに位置ずれしている。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、ガイド部分及びカバー部分の少なくとも一方は、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の他方に向けて開口する中空構造である。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、保護部品は、第1の端部及び第2の端部を含む。保護部品の第1の端部は、弾性構造体であり、且つ雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方に接続され、保護部品の第2の端部は、操作部品を覆う又は露出させるように構成される。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのクリアランス構造が、第2の係止部分と、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方との少なくとも1つに形成され、第1の係止部分が第2の係止部分と係合した後に、第2の係止部分が、接続方向と交差するオフセット方向に沿ってオフセット位置に摺動するのを可能にし、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方は、第2の係止部分がオフセット位置にあるときに、雄型バックル部品と雌型バックル部品との分離を防止するために第2の係止部分に当接する当接部分を含む。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、第2の係止部分は、第1の係止部分と係合する少なくとも1つの第1の仕切部と、当接部分に当接する少なくとも1つの第2の仕切部とを含む。少なくとも1つのクリアランス構造は、第2の係止部分に形成された第1のクリアランス構造を含み、第1のクリアランス構造はクリアランス・スロットである。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、雄型バックル部品及び雌型バックル部品の一方は、外側カバーと、外側カバーの内側に配置されたバックル本体とを含む。第1の係止部分はバックル本体に配置される。接続孔が外側カバーの側面に形成され、第2の係止部分がその接続孔を通過するのを可能にする。少なくとも1つのクリアランス構造は、外側カバーに形成された第2のクリアランス構造をさらに含む。第2のクリアランス構造は、接続孔と連通する逃げ孔であり、当接部分は外側カバーに形成される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、クリアランス・スロットの側壁は、第2の係止部分がオフセット位置にあるときに、逃げ孔の内壁に当接する。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、クリアランス・スロットの側壁の接触面と、逃げ孔の内壁の接触面とが平坦面である。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、接続孔は円弧状孔であり、逃げ孔は、矩形状孔であり、且つ円弧状孔と連通している。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、当接部分は、逃げ孔の内壁に隣接する外側カバーの内面に配置される。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、バックル本体には、逃げ孔に対応する切欠きが形成される。切欠きは接続方向と平行である。第2の係止部分の少なくとも1つの第2の仕切部は、第2の係止部分のオフセット・プロセス中に切欠き内に摺動する。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、2つのクリアランス構造が、第2の係止部分に互いに対向して形成される。
【0050】
要約すると、本発明は、雄型バックル部品を雌型バックル部品に接続するために、第1の係止部分と第2の係止部分との係合を利用する。また、本発明は、雄型バックル部品と雌型バックル部品との間の接続を確実にするために、第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な協働をさらに利用する。従って、雄型バックル部品と雌型バックル部品との間の接続はより信頼性がより高くなる。第1の磁性部品が第2の磁性部品を磁気的に引き付けるように構成される場合に、操作部品を誤って操作することによって第1の係止部分及び第2の係止部分が互いに係合解除された状態で、雄型バックル部品を依然として雌型バックル部品に接続することができ、これは、使用時の安全性を向上させ、雄型バックル部品又は雌型バックル部品の係合解除によって雄型バックル部品又は雌型バックル部品が脱落して紛失することを防止する。一方、第1の磁性部品が第2の磁性部品を磁気的に反発するように構成される場合に、第1の係止部分及び第2の係止部分が、第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な反発力によって互いに当接するように駆動され得るので、雄型バックル部品を雌型バックル部品に接続することができ、これにより、雄型バックル部品と雌型バックル部品との接続がより確実になる。また、第1の係止部分及び第2の係止部分が操作部品によって互いに係合解除された状態で、第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な反発力によって、雄型バックル部品を雌型バックル部品から分離するように駆動することができ、これは、使用上の便利さを提供する。その上、本発明の磁性バックル・アセンブリは、構造がコンパクトであるという利点も有する。
【0051】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には確かに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリの分解図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリの内部構造図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態による外側カバーを示さない状態の磁性バックル・アセンブリの図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態による雌型バックル部品の部分図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリの内部構造図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリの部分分解図である。
【
図11】本発明の第3の実施形態による磁性バックル・アセンブリの分解図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態による磁性バックル・アセンブリの分解図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態による磁性バックル・アセンブリの内部構造図である。
【
図14】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図15】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの断面図である。
【
図16】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図17】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図18】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの部分図である。
【
図20】本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリの分解図である。
【
図21】本発明の第4の実施形態による雌型バックル部品の部分図である。
【
図22】本発明の第4の実施形態による雄型バックル部品の図である。
【
図23】本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図24】本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリの概略図である。
【
図25】本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリの分解図である。
【
図26】本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリの分解図である。
【
図27】本発明の第5の実施形態による雄型バックル部品の図である。
【
図28】本発明の第5の実施形態による外側カバーの図である。
【
図29】本発明の第5の実施形態による雌型バックル部品の部分図である。
【
図30】本発明の第5の実施形態による操作部品の図である。
【
図31】本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリの内部構造図である。
【
図32】本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリの内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施し得る特定の実施形態を例として示す添付図面を参照する。これに関して、「上」、「下」、「前」、「後」等の方向を示す用語は、説明される図(複数可)の向きに関して使用される。本発明の構成要素は、いくつかの異なる向きに配置することができる。そのように、方向を示す用語は、説明目的のために使用され、決して限定的ではない。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされる。
【0054】
図1~
図4を参照されたい。
図1及び
図2は、本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100の異なる視点での概略図である。
図3は、本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100の分解図である。
図4は、本発明の第1の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100の内部構造図である。
図1~
図4に示されるように、磁性バックル・アセンブリ100は、雌型バックル部品1、雄型バックル部品2、操作部品3、第1の磁性部品4、第2の磁性部品5、第1の係止部分1a、及び第2の係止部分2aを含む。この実施形態では、第1の係止部分1a及び第1の磁性部品4を雌型バックル部品1に配置し、第2の係止部分2a及び第2の磁性部品5を雄型バックル部品2に配置することができる。第1の係止部分1aと第2の係止部分2aとの係合による接続方向に沿って、雄型バックル部品2を雌型バックル部品1に接続することができる。操作部品3は、第1の係止部分1aを第2の係止部分2aから係合解除させるために雌型バックル部品1に移動可能に配置され、雌型バックル部品2と雌型バックル部品1との分離を可能にする。
【0055】
また、第1の磁性部品4は、第2の磁性部品5を磁気的に引き付けるように構成することができる。従って、第1の磁性部品4は、接続方向に沿った雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との接続プロセス中に、第2の磁性部品5を磁気的に引き付けることができ、これにより、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1とを素早く接続する目的を達成する。さらに、第1の磁性部品4は、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との分離を防止するために第2の磁性部品5を磁気的に引き付けることができ、操作部品3が第1の係止部分1aを第2の係止部分2aから係合解除するように操作されるときに、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との分離を可能にする。ただし、本発明は、それに限定されない。例えば、別の実施形態では、雄型バックル部品を雌型バックル部品に接続したときに、第1の磁性部品は、第2の磁性部品を磁気的に反発して、第1の係止部分を駆動して第2の係止部分に当接するように構成でき、これは、雄型バックル部品と雌型バックル部品との接続をより信頼性の高いものにする。また、操作部品によって第1の係止部分と第2の係止部分とが互いに係合解除されたときに、第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な反発力によって、雄型バックル部品を雌型バックル部品から分離するように駆動することができ、これは、使用時の便利さを提供する。
【0056】
具体的には、この実施形態では、雌型バックル部品1は、外側カバー6及びバックル本体1bをさらに含むことができる。バックル本体1bは外側カバー6の内側に配置され、第1の係止部分1aはバックル本体1bに配置される。操作部品3は、接続方向、すなわち
図4の上下方向に沿って外側カバー6を移動可能に通過する。好ましくは、この実施形態では、操作部品3は、ユーザが操作部品3を容易に押すことによって第1の係止部分1aを第2の係止部分2aから係合解除するのを可能にするための円形ボタンであり得る。配置孔61が、第2の係止部分2aから離れる方向に外側カバー6の第1面、すなわち
図4に示される外側カバー6の上面に形成され、操作部品3をその配置孔61内に配置することができ、また、接続孔62が、第2の係止部分2aに隣接する外側カバー6の第2面、すなわち
図4に示される外側カバー6の下面に形成され、第2の係止部分2aをその接続孔62に通過させて第1の係止部分1aと係合させることができる。
【0057】
外側カバー6は、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との協働をより確実にするだけでなく、環境からの埃による雄型バックル部品2又は雌型バックル部品1の摩耗損傷を防止することもでき、これにより、磁性バックル・アセンブリ100の耐用年数を延ばし、且つ磁性バックル・アセンブリ100の美観を向上させることができる。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、雌型バックル部品の外側カバーを省略する、すなわち、操作部品を雌型バックル部品のバックル本体に直接的に配置することができる。あるいはまた、別の実施形態では、雄型バックル部品は、外側カバーと、外側カバーの内側に配置されたバックル本体とを含むことができる。第1の係止部分及び第2の係止部分は、それぞれ、雄型バックル部品のバックル本体及び雌型バックル部品のバックル本体に配置することができる。操作部品は、第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するために、雄型バックル部品の外側カバー上に対応して移動可能に配置され得る。
【0058】
図3~
図6を参照されたい。
図5は、本発明の第1の実施形態による外側カバー6を示さない状態の磁性バックル・アセンブリ100の図である。
図6は、本発明の第1の実施形態による雌型バックル部品1の部分図である。
図3~
図6に示されるように、第1の係止部分1aは弾性構造体である。第2の係止部分2aは、当接構造21と係合構造22とを含む。当接構造21は、接続方向に沿った雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との接続プロセス中に、第1の係止部分1aを押して弾性変形させることができ、それにより第1の係止部分1aを摺動して係合構造22と係合させることができる。従って、当接構造21によって、係合構造22を第1の係止部分1aに容易且つ円滑に係合させることができる。また、操作部品3を操作して第1の係止部分1aを弾性変形させ、第1の係止部分1aを係合構造22から係合解除させることができる。
【0059】
具体的には、第1の係止部分1aは、2つの弾性アーム11及び2つの係合ヘッド12を含む。各係合ヘッド12は、係合構造22と係合するために対応する弾性アーム11に接続される。好ましくは、
図3に示されるように、この実施形態では、各弾性アーム11及び対応する係合ヘッド12は一体的に形成された構造であり、2つの係合ヘッド12は2つの弾性アーム11によって雌型バックル部品1の中央部分の内側に吊り下げられ、それにより2つの弾性アーム11は2つの係合ヘッド12を確実に駆動して移動させることができる。2つの弾性アーム11は、2つの係合ヘッド12を付勢して係合構造22と係合させるためのものである。従って、当接構造21は、接続方向に沿った雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との接続プロセス中に、2つの係合ヘッド12を押して2つの弾性アーム11を弾性変形させ、それにより2つの係合ヘッド12は係合構造22と係合するように摺動することができ、これにより、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との接続プロセス中に、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との自動的な係合の目的が達成される。
【0060】
また、操作部品3を操作して2つの弾性アーム11を弾性変形させて、2つの係合ヘッド12を係合構造22から係合解除させる。好ましくは、この実施形態では、操作部品3は、接続方向と平行な操作方向に沿って2つの弾性アーム11を押すように操作され、接続方向と交差する2つの変形方向に沿って2つの弾性アーム11を弾性変形させ、2つの係合ヘッド12を係合構造22から係合解除することができ、これは、2つの係合ヘッド12と係合構造22との係合解除を容易にする。
【0061】
好ましくは、この実施形態では、2つの弾性アーム11は協働して第2の係止部分2aを取り囲むことができ、2つの係合ヘッド12は協働して係合構造22を取り囲むことができる。このような構成により、2つの係合ヘッド12と係合構造22との係合をより確実にすることができ、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との接続を確実にすることができる。ただし、本発明は、これに限定されない。例えば、別の実施形態では、弾性アーム及び係合ヘッドの数は、1つ、3つ、4つ、又は5つであってもよい。
【0062】
好ましくは、この実施形態では、各係合ヘッド12をフックとし、係合構造22をそのフックに対応するフックスロットとすることができ、フックとフックスロットの係合によって、雄型バックル部品2を雌型バックル部品1に堅く接続することができる。さらに、雌型バックル部品1のバックル本体1bは中空(hollow)構造にすることができ、雌型バックル部品1は、雌型バックル部品1のバックル本体1bの中央部分に配置され、2つの弾性アーム111の間に配置され、雌型バックル部品1の構造強度を補強するために、雌型バックル部品1のバックル本体1bの2つの対向する側面に接続された支持アーム14をさらに含むことができる。
【0063】
図3~
図6に示されるように、当接構造21の端部が、接続方向に対して傾斜した第1の傾斜構造211を含む。各係合ヘッド12は、第1の傾斜構造211と協働する第2の傾斜構造121を含む。当接構造21は、2つの係合ヘッド12に跨って(across)摺動し、第1の傾斜構造211と第2の傾斜構造121との協働によって、係合構造22を2つの係合ヘッド12に容易に係合させることができ、これは、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との接続を容易にする。
【0064】
また、操作部品3は、接続方向に対して傾斜した2つの当接傾斜面31を含み、操作部品3は、2つの当接傾斜面31によって、2つの弾性アーム11を押して弾性変形させるように操作され、2つの係合ヘッド12を係合構造22から係合解除することができる。2つの係合ヘッド12が協働して係合構造22を取り囲むので、各当接傾斜面31は、対応する係合ヘッド12から離れる方向に内側から外側に向けて傾斜するように構成することができる。従って、操作部品3は、2つの当接傾斜面31によって、2つの弾性アーム11を外側に押して弾性的に拡げるように操作され、2つの係合ヘッド12を駆動して外側に移動させて2つの弾性アーム11によって係合構造22から係合解除することができる。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、各係合ヘッドを内側に移動するように駆動して2つの弾性アームによって係合構造から係合解除することができる。
【0065】
また、2つの伸長脚部32が操作部品3から接続方向に沿って延びており、各当接傾斜面31が、対応する伸長脚部32に形成される。第1の係止部分1aは、2つの従動傾斜面111を含む。各従動傾斜面111は、対応する当接傾斜面31と協働するために、対応する係合ヘッド12に接続された対応する弾性アーム11の基端部に配置される。操作部品3は、2つの当接傾斜面31と2つの従動傾斜面111との協働によって2つの弾性アーム11を押して弾性変形させるように操作され、2つの係合ヘッド12を係合構造22から係合解除することができる。好ましくは、この実施形態では、凹部112を、対応する係合ヘッド12に接続された各弾性アームの基端部に形成することができる。各伸長脚部32は、対応する凹部112内に延びる。各従動傾斜面111は、対応する凹部112の壁に形成される。各当接傾斜面31は、対応する伸長脚部32の端部に形成される。このような構成により、操作部品3を容易に操作して2つの弾性アーム11を押して変形させることができる。さらに、2つの伸長脚部32が、2つの弾性アーム11の基端部に隣接する2つの凹部112上で2つの従動傾斜面111と直接的に協働することができるので、2つの弾性アーム11を素早く変形させ、2つの係合ヘッド12を係合構造22から素早く係合解除することができる。その上、伸長脚部32の当接傾斜面31と弾性アーム11の基端部との協働により、操作部品3を2つの弾性アーム11によって回復するように駆動することができる。ただし、本発明は、これに限定されない。例えば、別の実施形態では、当接傾斜面、伸長脚部、凹部、及び従動傾斜面の数は、弾性アームが1つしかない場合には、1つにすることもできる。
【0066】
図3、
図4、及び
図6に示されるように、第1の設置チャンバ13が、雌型バックル部品1に形成され、第2の設置チャンバ23が、雄型バックル部品2に形成される。第1の磁性部品4は第1の設置チャンバ13内に設置され、第2の磁性部品5は第2の設置チャンバ23内に設置され、それにより第1の磁性部材4及び第2の磁性部材5をそれぞれ雌型バックル部品1及び雄型バックル部品2の内側に隠すことができる。具体的には、この実施形態では、第1の磁性部材4と第2の磁性部材5との磁気的な協働を最大化するように、接続方向に沿って第1の設置チャンバ13を第2の設置チャンバ23と整列させることができ、これにより、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との素早い接続という目的、及び雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との分離防止という目的を達成することができる。この実施形態では、第2の設置チャンバ23を第2の係止部分2aの内側に形成することができ、第1の設置チャンバ13を雌型バックル部品1の中央部分の内側、より具体的には支持アーム14の中央部分に形成することができ、これにより、磁性バックル・アセンブリ100の構造を合理的且つコンパクトにし、材料を節約する目的を達成することができる。
【0067】
さらに、この実施形態では、第1の磁性部品4及び第2の磁性部品5のそれぞれは、永久磁性部品とすることができる。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1の磁性部品及び第2の磁性部品の一方を永久磁性部品とすることができ、第1の磁性部品及び第2の磁性部品の他方を金属構造体等の導電磁性部品とすることができる。好ましくは、第1の磁性部品4の厚さは、3.0~5.5ミリメートル(mm)であり得る。より好ましくは、第1の磁性部品4の厚さは、3.0、3.8、4.5、5.0、又は5.5mmであってもよい。この実施形態では、第1の磁性部品4の厚さは、3.8mmとすることができる。別の実施形態では、第2の係止部分が雌型バックル部品に配置される場合に、第1の設置チャンバを第2の係止部分の内側に形成することができることに留意されたい。
【0068】
図1、
図2、
図3、及び
図5に示されるように、雄型バックル部品2及び外側カバー6のそれぞれは、少なくとも1つのストラップを取り付けるための少なくとも1つの組付部分を含む。好ましくは、雄型バックル部品2は互いに対向する2つの組付部分を含み、外側カバー6は1つの組付部分を含むことができる。外側カバー6の組付部分は、ストラップの組付けを容易にするために、雄型バックル部品2の2つの組付部分のうちの一方と常に位置ずれした状態であり得る。具体的には、貫通孔24が雄型バックル部品2の2つの組付部分のそれぞれに形成され、貫通孔63が外側カバー6の組付部分に形成され得る。ストラップを雄型バックル部品2の2つの組付部分に通過させることによって、雄型バックル部品2を、図示しない第1の布面に固定することができる。ストラップを外側カバー6の組付部分に通過させることによって、雌型バックル部品1を、図示しない第2の布面に固定することができる。従って、磁性バックル・アセンブリ100によって、第1の布面を、第2の布面に着脱可能に接続することができる。
【0069】
この本実施形態では、第2の係止部分2aを柱状構造とすることができるので、雄型バックル部品2を第2の係止部分2aの周りで雌型バックル部品1に対して回転させることができ、これにより、使用時の自由度が増す。外側カバー6に対する2つの組付部分の位置は、雌型バックル部品1に対する雄型バックル部品2の回転によって調整可能であるので、雄型バックル部品2の2つの組付部分のいずれか一方を、外側カバー6の組付部分と併用することができる。雄型バックル部品2の2つの組付部分の一方が破損した場合に、雌型バックル部品1に対する雄型バックル部品2の回転によって、雄型バックル部品2の2つの組付部分の他方を、外側カバー6の組付部分と併用することができ、これにより、磁性バックル・アセンブリ100の耐久性をより向上させる。
【0070】
図1~
図6に示されるように、この実施形態の磁性バックル部品100の動作原理は以下の通りである。雄型バックル部品2を雌型バックル部品1から分離又は係合解除したいときに、操作部品3を下方に押して伸長脚部32を駆動させ、弾性アーム11の凹部112上の従動傾斜面111を押すことができる。伸長脚部32の当接傾斜面31と凹部112の従動傾斜面111との協働により、弾性アーム11は外側に弾性的に拡がり、弾性アーム11に接続された係合ヘッド12を駆動して外側に移動させ、第2の係止部分2aの係合構造22から係合解除し、雌型バックル部品1と雄型バックル部品2との分離を可能にする。この時点では、雄型バックル部品2は、第1の磁性部品4と第2の磁性部品5との磁気的な引力により、依然として雌型バックル部品1に接続される。その後、第1の磁性部品4と第2の磁性部品5との磁気的な引力に打ち勝つように、雌型バックル部品1及び雄型バックル部品2が互いに引き離されると、雌型バックル部品1を雄型バックル部品2から分離又は係合解除することができる。
【0071】
雄型バックル部品2を雌型バックル部品1に接続したいときに、雄型バックル部品2及び雌型バックル部品1を移動させて、外側カバー6上で第2の係止部分2aを接続孔62と整列させ、次に、雄型バックル部品2及び雌型バックル部品1を互いに向けて移動させるだけでよい。第1の磁性部品4及び第2の磁性部品5の磁気的な引力によって、第2の係止部分2aの当接構造21が係合ヘッド12に跨って摺動することができ、それにより係合構造22及び係合ヘッド12が互いに係合することができ、これにより、
図4に示されるように、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1とを接続する目的が達成される。
【0072】
図7~
図10を参照されたい。
図7及び
図8は、本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100aの異なる視点での概略図である。
図9は、本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100aの内部構造図である。
図10は、本発明の第2の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100aの部分分解図である。
図7~
図10に示されるように、第1の実施形態とは異なり、複数のリブ64が、この実施形態の外側カバー6の2つの対向する側壁から突出し、摩擦を提供してユーザが磁性バックル・アセンブリ100aを容易に操作するのを促進する。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、リブの数は1つでもよい。また、この実施形態では、各伸長脚部32の当接傾斜面31は、対応する弾性アーム11の先端部と協働するために、対応する係合ヘッド12から離れる方向に対応する弾性アーム11の先端部に隣接して配置される。換言すれば、各伸長脚部32は、対応する弾性アーム11と支持アーム14との間に位置し、且つ対応する弾性アーム11の先端部と直接的に協働するので、この実施形態では、従動傾斜面111及び凹部112を省略することができる。さらに、この実施形態の支持アーム14は、互いに離間した2つの伸長脚部32の間のギャップと係合するように構成することができる。
【0073】
その上、この実施形態では、各伸長脚部32が対応する弾性アーム11の先端部と直接的に協働するので、2つの弾性アーム11によって発生した回復力は、操作部品3を回復させるには小さ過ぎる可能性がある。従って、磁性バックル・アセンブリ100aは、操作部品3を戻すための弾性回復力を与える弾性部品7をさらに含むことができる。好ましくは、弾性部品7は、操作部品3と雌型バックル部品1との間に当接する弾性バネであり得、第1の設置チャンバ13と整列され得る。ただし、本発明は、これに限定されない。例えば、別の実施形態では、弾性部品は、プラスチック材料製の弾性構造体とすることもできる。また、この実施形態の第1の磁性部品4の厚さは、5.0mmとすることができる。
【0074】
この実施形態の磁性バックル・アセンブリ100aの他の構造は、第1の実施形態の磁性バックル・アセンブリ100の構造と同様である。簡単にするために、詳細な説明をここでは省略する。
【0075】
図7~
図10に示されるように、この実施形態の磁性バックル・アセンブリ100aの動作原理は以下の通りである。雄型バックル部品2を雌型バックル部品1から分離又は接続解除したいときに、操作部品3を下方に押して弾性部7を弾性圧縮することができる。上述したプロセス中に、操作部品3の伸長脚部32上の当接傾斜面31は、係合ヘッド12から離れる方向に弾性アーム11の先端部と協働し、それにより弾性アーム11は外側に拡がり、弾性アーム11に接続された係合ヘッド12を駆動して外側に移動させ、第2の係止部分2aの係合構造22から係合解除し、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との分離を可能にする。この時点で、雄型バックル部品2は、第1の磁性部品4と第2の磁性部品5との磁気的な引力により、依然として雌型バックル部品1に接続される。その後、第1の磁性部品4と第2の磁性部品5との磁気的な引力に打ち勝つために、雌型バックル部品1及び雄型バックル部品2を互いに引き離すと、雌型バックル部品1を雄型バックル部品2から分離又は係合解除することができる。
【0076】
雄型バックル部品2を雌型バックル部品1に接続したいときに、雄型バックル部品2及び雌型バックル部品1を移動させ、外側カバー6上で第2の係止部分2aを接続孔62に整列させ、次に、雄型バックル部品2及び雌型バックル部品1を互いに向けて移動させるだけでよい。第1の磁性部品4と第2の磁性部品5との磁気的な引力によって、第2の係止部分2aの当接構造21が係合ヘッド12に跨って摺動することができ、それにより係合構造22及び係合ヘッド12を互いに係合させることができ、これにより、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1とを接続する目的が達成される。
【0077】
図11~
図13を参照されたい。
図11及び
図12は、本発明の第3の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100bの異なる視点での分解図である。
図13は、本発明の第3の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100bの内部構造図である。
図11~
図13に示されるように、前述した実施形態とは異なり、この実施形態の操作部品3は、矩形状ボタンとすることができる。また、この実施形態では、リブを省略することができる。さらに、この実施形態の弾性部材7は、操作部品3と雌型バックル部品1との間で当接し、第1の設置チャンバ13と位置ずれし得る。
【0078】
この実施形態の磁性バックル・アセンブリ100bの他の構造及び動作原理は、第2の実施形態の磁性バックル・アセンブリ100aと同様である。簡単にするために、詳細な説明をここでは省略する。
【0079】
図14~
図22を参照されたい。
図14は、本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100cの概略図である。
図15は、本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100cの断面図である。
図16~
図18は、本発明の第4の実施形態による異なる状態での磁性バックル・アセンブリ100cの概略図である。
図19は、本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100cの部分図である。
図20は、本発明の第4の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100cの分解図である。
図21は、本発明の第4の実施形態による雌型バックル部品1の部分図である。
図22は、本発明の第4の実施形態による雄型バックル部品2の図である。
図14~
図22に示されるように、前述した実施形態とは異なり、この実施形態の磁性バックル・アセンブリ100cは、保護アセンブリ8をさらに含む。保護アセンブリ8は、接続方向と交差する摺動方向に沿って雌型バックル部品1に摺動可能に配置され、且つ雌型バックル部品1に対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能である保護部品82を含む。好ましくは、この実施形態では、摺動スロット65が、第2の係止部分2aから離れる方向に外側カバー6の第1面、すなわち外側カバー6の上面に形成され、保護部品82は、摺動スロット65の内側に摺動可能に配置され、且つ第1の位置と第2の位置との間で摺動可能に切り替えることができる。保護部品82は、保護部品82が第1の位置にあるときに、操作部品3が第1の係止部分1aを第2の係止部分2aから係合解除するのを抑制することができ、操作部品3は、保護部品82が第2の位置にあるときに、第1の係止部分1aを第2の係止部分2aから係合解除させることができる。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、保護部品は、雄型バックル部品に回転可能に配置することもでき、且つ操作部品が雄型バックル部品に配置されるときに、回転によって第1の位置と第2の位置との間で移動することができる。
【0080】
この実施形態では、保護部品82は、第1の端部及び第2の端部を含む。保護部品82の第1の端部は、弾性アーム又は弾性脚部等の弾性構造体であり、且つ雌型バックル部品1に接続され、それにより保護部品82の変形した第1の端部によって、保護部品82の第2の端部を付勢して回復させることができる。保護部品82の第2の端部は、保護部品82が第1の位置にあるときに、操作部品3を操作するのを防止するために、操作部品3を覆うように構成される。保護部品82の第2の端部は、保護部品82が第2の位置にあるときに、操作部品3を操作できるように操作部品3を露出させるように構成される。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。操作部品3の操作を可能にする又は防止することができるあらゆる構造が本発明の範囲内に含まれる。例えば、別の実施形態では、保護部品は、保護部品が第1の位置にあるときに、操作部品を操作するのを防止するために、操作部品と係合するように構成することもできる。保護部品は、保護部品が第2の位置にあるときに、操作部品を操作できるように、操作部品から係合解除するように構成され得る。
【0081】
好ましくは、磁性バックル・アセンブリ100cの保護アセンブリ8は、保護部品82を付勢して第1の位置に摺動させるための回復要素81をさらに含むことができる。回復要素81は、接続方向と交差する配置方向に沿って配置される。回復要素81は、保護部品82と雌型バックル部品1との間に当接する弾性バネであり得る。具体的には、保護部品82は、カバー部分821と、カバー部分821に接続されたガイド部分822とを含む。カバー部分821は、操作部品3を選択的に覆う又は露出させる。ガイド部分822は雌型バックル部品1に移動可能に配置されており、カバー部分821及びガイド部分822は接続方向に沿って互いに位置ずれして階段状構造を形成している。カバー部分821は、ガイド部分822によって案内されて第1の位置に移動して操作部品3を覆うことができる。好ましくは、この実施形態では、ガイド部分822及びカバー部分821のそれぞれは、雄型バックル部品2に向いた開口部を含む中空構造とすることができ、カバー部分821が操作部品3を覆うのを容易にし、磁性バックル・アセンブリ100cの美観を向上させることができる。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、保護部品及び操作部品が雄型バックル部品に配置され得るときに、回復要素は、雄型バックル部品と保護部品のガイド部分との間に配置され得る。
【0082】
この実施形態の磁性バックル・アセンブリ100cの他の構造及び動作原理は、前述した実施形態で説明したものと同様である。簡単にするために、詳細な説明をここでは省略する。
【0083】
図23~
図32を参照されたい。
図23及び
図24は、本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100dの異なる視点での概略図である。
図25及び
図26は、本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100dの異なる視点での分解図である。
図27は、本発明の第5の実施形態による雄型バックル部品2の図である。
図28は、本発明の第5の実施形態による外側カバー6の図である。
図29は、本発明の第5の実施形態による雌型バックル部品1の部分図である。
図30は、本発明の第5の実施形態による操作部品3の図である。
図31及び
図32は、本発明の第5の実施形態による磁性バックル・アセンブリ100dの異なる視点での内部構造図である。
図23~
図32に示されるように、上述した実施形態とは異なり、この実施形態の雌型バックル部品1は、第1の磁性部品4を覆って支持するために、第1の設置チャンバ13の内側に配置される支持カバー15をさらに含む。また、2つの第1のクリアランス構造9aが、第2の係止部分2aに形成される。雌型バックル部品1は、第2の係止部分2aがオフセット位置にあるときに、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との分離を防止するために第2の係止部分2aに当接する当接部分16を含む。好ましくは、この実施形態では、各第1のクリアランス構造9aはクリアランス・スロットとすることができ、2つのクリアランス・スロットは、互いに対向し、且つ接続方向と交差するオフセット方向と平行な方向に沿って互いに離間し得る。第2の係止部分2aは、2つの第1の仕切部2a1及び2つの第2の仕切部2a2を含むことができる。2つの第1の仕切部2a1は、互いに対向し、且つオフセット方向に垂直な方向に沿って互いに離間し得る。2つの第2の仕切部2a2は、互いに対向し、且つオフセット方向と平行な方向に沿って互いに離間し得る。すなわち、各第2の仕切部2a2は、隣接し、且つ2つの第2の仕切部2a1の間に位置している。第1の仕切部2a1は第1の係止部分1aと係合することができる。当接部分16は、2つの第2の仕切部2a2のうちの一方に当接することができ、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との整列の時間を節約し、使用上の利便性をもたらすことができる。ただし、クリアランス・スロット、第1の仕切部2a1、及び第2の仕切部2a2の数は、この実施形態に限定されない。
【0084】
また、第2のクリアランス構造9bが、雌型バックル部品1の外側カバー6に形成される。好ましくは、この実施形態では、第2のクリアランス構造9bは、接続孔62と連通する逃げ(clearance)孔とすることができ、当接部分16は、雌型バックル部品1の外側カバー6に形成される。第2の係止部分2aが接続孔62を通過して第1の係止部分1aと係合した後に、第2の係止部分2aは、逃げ孔に向けてオフセット位置まで摺動することができる。好ましくは、当接部分16は、逃げ孔の内壁に隣接する外側カバー6の内面に配置され、これにより、当接部分16が、第2の係止部分2aのオフセット・プロセス中に対応する第2の仕切部2a2に素早く当接することができる。
【0085】
さらに、2つのクリアランス・スロットの側壁の接触面と逃げ孔の内壁の接触面とを平坦面とすることができるので、逃げ孔の内壁の逃げ面は、第2の係止部分2aがオフセット位置にあるときに、対応するクリアランス・スロットの側壁の接触面に取り付け、当接させることができ、それにより、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との偶発的な係合解除を効果的に防止する。ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、クリアランス・スロットの側壁の接触面と逃げ孔の内壁の接触面とが曲面であってもよい。また、接続孔は好ましくは円弧状孔とすることができ、逃げ孔は、好ましくは矩形状孔であり、且つ円弧状孔と連通することができる。
【0086】
ただし、本発明は、この実施形態に限定されない。第1の係止部分1aが第2の係止部分2aに係合した後に、雄型バックル部品2と雌型バックル部品1との係合解除を防止するために、第2の係止部分2aを、接続方向と交差するオフセット方向に沿ってオフセット位置まで摺動させることができるあらゆる構造又は構成が、本発明の範囲内に含まれる。例えば、別の実施形態では、少なくとも1つのクリアランス構造を第2の係止部分及び雌型バックル部品の少なくとも一方に形成し、第1の係止部分が第2の係止部分と係合した後に、第2の係止部分を接続方向と交差するオフセット方向に沿ってオフセット位置まで摺動させることができる。あるいはまた、第2の係止部分が雌型バックル部品に配置される場合に、少なくとも1つのクリアランス構造を雄型バックル部品に形成することができる。
【0087】
また、好ましくは、この実施形態では、切欠き17が、バックル本体1bに形成され、且つ逃げ孔に対応させることができる。切欠き17は、接続方向と平行である。第2の係止部分2aの第2の仕切部2a2は、第2の係止部分2aのオフセット・プロセス中に、切欠き17内に摺動することができる。換言すれば、切欠き17によって、第2の係止部分のオフセット・プロセス中に、第2の仕切部2a2が邪魔にならずに摺動することを可能にする。
【0088】
この実施形態の磁性バックル・アセンブリ100dの他の構造及び動作原理は、前述した実施形態で説明したものと同様である。簡単にするために、詳細な説明をここでは省略する。
【0089】
従来技術とは対照的に、本発明は、雄型バックル部品を雌型バックル部品に接続するために、第1の係止部分と第2の係止部分との係合を利用する。また、本発明は、雄型バックル部品と雌型バックル部品との間の接続を確実にするために、第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な協働をさらに利用する。従って、雄型バックル部品と雌型バックル部品との間の接続は信頼性がより高くなる。第1の磁性部品が第2の磁性部品を磁気的に引き付けるように構成される場合に、操作部品を誤って操作することによって第1の係止部分及び第2の係止部分が互いに係合解除された状態で、雄型バックル部品を依然として雌型バックル部品に接続することができ、これは、使用時の安全性を向上させ、雄型バックル部品又は雌型バックル部品の係合解除によって雄型バックル部品又は雌型バックル部品が脱落して紛失することを防止する。一方、第1の磁性部品が第2の磁性部品を磁気的に反発するように構成される場合に、第1の係止部分及び第2の係止部分が第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な反発力によって互いに当接するように駆動され得るので、雄型バックル部品を雌型バックル部品に接続することができ、これにより、雄型バックル部品と雌型バックル部品との接続がより確実になる。また、第1の係止部分及び第2の係止部分が操作部品によって互いに係合解除された状態で、第1の磁性部品と第2の磁性部品との磁気的な反発力によって、雄型バックル部品を雌型バックル部品から分離するように駆動することができ、これは、使用上の便利さを提供する。その上、本発明の磁性バックル・アセンブリは、構造がコンパクトであるという利点も有する。
【0090】
当業者は、本発明の教示を維持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更をなし得ることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界及び範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【0091】
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を実施例として記載しておく。
[実施例1]
磁性バックル・アセンブリであって、当該磁性バックル・アセンブリは、
雄型バックル部品と、
雌型バックル部品と、
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の一方に配置される第1の係止部分と、
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の他方に配置され、且つ第1の係止部分と係合する第2の係止部分と、
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記他方に移動可能に配置される操作部品と、
前記雌型バックル部品に配置される第1の磁性部品と、
前記雄型バックル部品に配置され、且つ第1の磁性部品と磁気的に協働する第2の磁性部品と、を有しており、
前記雄型バックル部品は、第1の係止部分と第2の係止部分との係合による接続方向に沿って前記雌型バックル部品に接続され、
第1の磁性部品は、前記接続方向に沿った前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との接続プロセス中に、第2の磁性部品を磁気的に引き付ける、又は磁気的に反発させ、
第1の磁性部品は、前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との分離を防止するために第2の磁性部品を磁気的に引き付ける、又は前記操作部品が第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するように操作され、前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との分離を可能にするときに、前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との分離を促進するために第2の磁性部品を磁気的に反発する、
磁性バックル・アセンブリ。
[実施例2]
第1の係止部分は弾性構造体であり、第2の係止部分は、当接構造及び係合構造を含み、前記当接構造は、前記接続方向に沿った前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との前記接続プロセス中に、第1の係止部分を押して弾性変形させ、それにより第1の係止部分は摺動して前記係合構造と係合し、前記操作部品は第1の係止部分を弾性変形させるように操作され、第1の係止部分を前記係合構造から係合解除する、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例3]
第1の係止部分は、少なくとも1つの弾性アームと、前記係合構造と係合するための少なくとも1つの係合ヘッドとを含み、前記少なくとも1つの係合ヘッドは前記少なくとも1つの弾性アームに接続され、前記少なくとも1つの弾性アームは、前記少なくとも1つの係合ヘッドを付勢して前記係合構造と係合させ、前記当接構造は、前記接続方向に沿った前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との前記接続プロセス中に、前記少なくとも1つの係合ヘッドを押して前記少なくとも1つの弾性アームを弾性変形させ、それにより前記少なくとも1つの係合ヘッドは摺動して前記係合構造と係合し、前記操作部品は、少なくとも1つの弾性アームを弾性変形させるように操作され、前記少なくとも1つの係合ヘッドを前記係合構造から係合解除する、実施例2に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例4]
前記操作部品は、前記接続方向と平行な操作方向に沿って前記少なくとも1つの弾性アームを押すように操作され、前記接続方向と交差する変形方向に沿って前記少なくとも1つの弾性アームを弾性変形させ、前記少なくとも1つの係合ヘッドを前記係合構造から係合解除する、実施例3に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例5]
前記操作部品は、前記接続方向に対して傾斜した少なくとも1つの当接傾斜面を含み、前記操作部品は、前記少なくとも1つの当接傾斜面によって前記少なくとも1つの弾性アームを押して弾性変形させるように操作される、実施例4に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例6]
前記少なくとも1つの係合ヘッドは前記係合構造を取り囲み、前記少なくとも1つの当接傾斜面は、前記当接構造から離れる方向に内側から外側に向けて傾斜しており、前記操作部品は、前記少なくとも1つの当接傾斜面によって前記少なくとも1つの弾性アームを外側に押して弾性的に拡げるように操作される、実施例5に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例7]
第1の係止部分は、第2の係止部分を取り囲む少なくとも2つの弾性アームと、少なくとも2つの係合ヘッドとを含み、前記少なくとも2つの弾性アームのそれぞれが、前記少なくとも2つの係合ヘッドの対応する1つに接続される、実施例6に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例8]
少なくとも1つの伸長脚部が、前記操作部品から前記接続方向に沿って延びており、前記少なくとも1つの当接傾斜面は、前記少なくとも1つの伸長脚部に形成される、実施例6に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例9]
第1の係止部分は、前記少なくとも1つの当接傾斜面と協働するために、前記少なくとも1つの係合ヘッドに接続された前記少なくとも1つの弾性アームの基端部に配置された少なくとも1つの従動傾斜面を含み、前記操作部品は、前記少なくとも1つの当接傾斜面と前記少なくとも1つの従動傾斜面との協働によって、前記少なくとも1つの弾性アームを押して弾性変形させるように操作される、実施例8に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例10]
凹部が、前記少なくとも1つの係合ヘッドに接続された前記少なくとも1つの弾性アームの基端部に形成され、前記少なくとも1つの伸長脚部は前記凹部内に延びており、前記少なくとも1つの従動傾斜面は前記凹部の壁に形成され、前記少なくとも1つの当接傾斜面は前記少なくとも1つの伸長脚部の端部に形成される、実施例9に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例11]
前記少なくとも1つの当接傾斜面は、前記少なくとも1つの伸長脚部の端部に形成され、且つ前記少なくとも1つの係合ヘッドから離れる方向で前記少なくとも1つの弾性アームの先端部と協働する、実施例8に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例12]
前記操作部品を戻すための弾性回復力を与える弾性部品をさらに含む、実施例11に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例13]
前記当接構造の端部は、前記接続方向に対して傾斜した第1の傾斜構造を含み、前記少なくとも1つの係合ヘッドは、第1の傾斜構造と協働する第2の傾斜構造を含み、前記当接構造は、前記少なくとも1つの係合ヘッドに跨って摺動し、第1の傾斜構造と第2の傾斜構造との協働によって前記係合構造を前記少なくとも1つの係合ヘッドと係合させる、実施例3に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例14]
前記少なくとも1つの係合ヘッドはフックであり、前記係合構造は、前記フックに対応するフックスロットである、実施例3に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例15]
第1の設置チャンバが前記雌型バックル部品に形成され、第2の設置チャンバが前記雄型バックル部品に形成され、第1の磁性部品は第1の設置チャンバ内に設置され、第2の磁性部品は第2の設置チャンバ内に設置される、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例16]
第1の設置チャンバは、前記接続方向に沿って第2の設置チャンバと整列している、実施例15に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例17]
第1の設置チャンバ又は第2の設置チャンバは、第2の係止部分の内側に形成される、実施例15に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例18]
第1の磁性部品及び第2の磁性部品の少なくとも一方が永久磁性部品である、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例19]
前記操作部品は、円形ボタン又は矩形ボタンである、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例20]
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方が、外側カバーと、該外側カバーの内側に配置されたバックル本体とを含み、前記操作部品は、前記接続方向に沿って前記外側カバーを通って移動可能に通過する、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例21]
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記他方及び前記外側カバーのそれぞれが、少なくとも1つのストラップを取り付けるための少なくとも1つの組付部分を含み、貫通孔が前記少なくとも1つの組付部分に形成され、前記少なくとも1つのストラップがその貫通孔を通過するのを可能にする、実施例20に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例22]
第2の係止部分は柱状構造であり、前記雄型バックル部品は、第2の係止部分の周りで前記雌型バックル部品に対して回転可能であり、前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記他方は、互いに対向する2つの組付部分を含み、前記外側カバーに対する前記2つの組付部分の位置は、前記雌型バックル部品に対する前記雄型バックル部品の回転によって調整可能である、実施例21に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例23]
配置孔が、第2の係止部分から離れる方向に前記外側カバーの第1面に形成され、前記操作部品は前記配置孔の内側に配置され、接続孔が、第2の係止部分に隣接する外側カバーの第2面に形成され、第2の係止部分がその接続孔を通過するのを可能にする、実施例21に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例24]
少なくとも1つのリブが、前記外側カバーから突出しており、且つ前記外側カバーの側壁に隣接している、実施例21に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例25]
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に配置され、且つ前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能な保護部品をさらに含み、該保護部品は、前記保護部品が第1の位置にあるときに、前記操作部品が第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するのを抑制し、前記操作部品は、前記保護部品が第2の位置にあるときに、第1の係止部分を第2の係止部分から係合解除するのを許容される、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例26]
前記保護部品が第1の位置にあるときに、前記保護部品は前記操作部品と係合し、前記保護部品が第2の位置にあるときに、前記保護部品は前記操作部品から係合解除する、実施例25に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例27]
前記保護部品が第1の位置にあるときに、前記保護部品は前記操作部品を覆い、前記保護部品が第2の位置にあるときに、前記操作部品は露出される、実施例25に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例28]
前記操作部品は、前記接続方向と平行な操作方向に沿って前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に摺動可能に配置され、前記保護部品は、前記接続方向と交差する摺動方向に沿って前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に摺動可能に配置される、実施例25に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例29]
前記保護部品は、前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に配置され、且つ前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に対して第1の位置と第2の位置との間で摺動可能又は回転可能である、実施例25に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例30]
前記保護部品を付勢して第1の位置に摺動又は回転させる回復要素をさらに含む、実施例29に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例31]
前記保護部品は、カバー部分と、該カバー部分に接続されたガイド部分とを含み、前記カバー部分は、前記操作部品を選択的に覆う又は露出させ、前記ガイド部分は、前記雄型バックル部品及び雌型バックル部品の前記一方に移動可能に配置され、前記カバー部分及び前記ガイド部分は、前記接続方向に沿って互いに位置ずれしている、実施例27に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例32]
前記ガイド部分及び前記カバー部分の少なくとも一方は、前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記他方に向けて開口する中空構造である、実施例31に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例33]
前記保護部品は第1の端部及び第2の端部を含み、前記保護部品の第1の端部は、弾性構造体であり、且つ前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方に接続され、前記保護部品の第2の端部は、前記操作部品を覆う又は露出させるように構成される、実施例25に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例34]
少なくとも1つのクリアランス構造が、第2の係止部分と、前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方との少なくとも1つに形成され、第1の係止部分が第2の係止部分と係合した後に、第2の係止部分が、前記接続方向と交差するオフセット方向に沿ってオフセット位置に摺動するのを可能にし、前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方は、第2の係止部分が前記オフセット位置にあるときに、前記雄型バックル部品と前記雌型バックル部品との分離を防止するために第2の係止部分に当接する当接部分を含む、実施例1に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例35]
第2の係止部分は、第1の係止部分と係合する少なくとも1つの第1の仕切部と、前記当接部分に当接する少なくとも1つの第2の仕切部とを含み、前記少なくとも1つのクリアランス構造は、第2の係止部分に形成された第1のクリアランス構造を含み、第1のクリアランス構造はクリアランス・スロットである、実施例34に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例36]
前記雄型バックル部品及び前記雌型バックル部品の前記一方は、外側カバーと、該外側カバーの内側に配置されたバックル本体とを含み、第1の係止部分は、前記バックル本体に配置され、接続孔が前記外側カバーの側面に形成され、第2の係止部分がその接続孔を通過するのを可能にし、前記少なくとも1つのクリアランス構造は、前記外側カバーに形成された第2のクリアランス構造をさらに含み、第2のクリアランス構造は、前記接続孔と連通する逃げ孔であり、前記当接部分は前記外側カバーに形成される、実施例35に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例37]
前記クリアランス・スロットの側壁は、第2の係止部分が前記オフセット位置にあるときに、前記逃げ孔の内壁に当接する、実施例36に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例38]
前記クリアランス・スロットの前記側壁の接触面と、前記逃げ孔の前記内壁の接触面とが平坦面である、実施例37に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例39]
前記接続孔は円弧状孔であり、前記逃げ孔は、矩形状孔であり、且つ前記円弧状孔と連通している、実施例36に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例40]
前記当接部分は、前記逃げ孔の内壁に隣接する前記外側カバーの内面に配置される、実施例36に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例41]
前記バックル本体には、前記逃げ孔に対応する切欠きが形成され、前記切欠きは前記接続方向と平行であり、第2の係止部分の前記少なくとも1つの第2の仕切部は、第2の係止部分のオフセット・プロセス中に前記切欠き内に摺動する、実施例36に記載の磁性バックル・アセンブリ。
[実施例42]
2つのクリアランス構造が、第2の係止部分に互いに対向して形成される、実施例34に記載の磁性バックル・アセンブリ。