(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】継手スペーサシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/15 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A61B17/15
(21)【出願番号】P 2021143050
(22)【出願日】2021-09-02
(62)【分割の表示】P 2018514331の分割
【原出願日】2016-09-16
【審査請求日】2021-10-04
(32)【優先日】2015-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517238835
【氏名又は名称】トリース メディカル コンセプツ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】エフ.バリー ベイズ
(72)【発明者】
【氏名】ポール デイトン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー ウィリアム ファーガソン
(72)【発明者】
【氏名】カルロス エドゥアルド ギル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ディー.サントロック
(72)【発明者】
【氏名】ショーン エフ.スカンラン
(72)【発明者】
【氏名】ダブリュ.ブレット スミス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ティー.トリース
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528008(JP,A)
【文献】特開2004-174265(JP,A)
【文献】特表2011-526189(JP,A)
【文献】米国特許第05935128(US,A)
【文献】特表2012-531242(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0178524(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0195110(US,A1)
【文献】米国特許第06478799(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨調整ガイドであって、
足根中足関節を横切って位置するように構成されている本体であって、
前記足根中足関節は中足骨を対向する骨から分離しており、前記本体は、前記中足骨上に位置するように構成されている第1の端部から、前記対向する骨上に位置するように構成されている第2の端部まで延び、前記本体は、切断されるべき前記中足骨の端部上に位置するように構成されているガイド面を画定し、前記ガイド面は、前記中足骨の前記端部を切断するための組織除去器具をガイドするように構成されている、本体と、
前記本体と一体のスペーサであって、前記スペーサは、前記本体に対し下向きに延びるとともに、前記ガイド面を方向づけるために前記足根中足関節内に挿入されるように構成されている、スペーサと、
を備える、骨調整ガイド。
【請求項2】
前記スペーサは、前記足根中足関節内を延びるように構成されている第1の部分と、前記足根中足関節上を延びるように構成されている第2の部分と、を含む、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項3】
前記第1の部分が、その幅を横切る厚さにおいてテーパ状である、請求項2に記載の骨調整ガイド。
【請求項4】
前記第1の部分は、少なくとも2つのピンであって、それらの間に間隙を有する互いに分離された少なくとも2つのピンによって画定される、請求項2に記載の骨調整ガイド。
【請求項5】
前記スペーサは、前記足根中足関節を画定する前記中足骨
の端面と前記対向する骨の端面との内側半分に接触することなく、前記足根中足関節を画定する前記中足骨
の端面と前記対向する骨の端面との外側半分に接触するように構成されている、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項6】
前記スペーサは、内側-外側方向に対称的である、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項7】
ガイド溝を画定するために前記ガイド面から離間した対向面を更に備える、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項8】
切断されるべき前記対向する骨の端部上に位置するように構成されている第2のガイド面を更に備える、請求項7に記載の骨調整ガイド。
【請求項9】
第2のガイド溝を画定するために前記第2のガイド面から離間した第2の対向面を更に備える、請求項8に記載の骨調整ガイド。
【請求項10】
前記ガイド面は、前記第2のガイド面に平行である、請求項8に記載の骨調整ガイド。
【請求項11】
前記ガイド面は、前記第2のガイド面に対し傾斜する、請求項8に記載の骨調整ガイド。
【請求項12】
前記本体及び前記スペーサは、ユニボディを形成するために一緒に形成される、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項13】
前記スペーサは、幅及び厚さよりも大きい長さを有する、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項14】
前記スペーサは、前記スペーサの端部に向かうテーパを画定する、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【請求項15】
前記中足骨は第1の中足骨であり、前記対向する骨は内側楔状骨である、請求項1に記載の骨調整ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年7月25日に出願された、米国仮特許出願第62/366,219号、及び2015年9月18日に出願された、同第62/220,530号の利益を主張する。これらの両出願の全体的な内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、骨を調製及び再整列させるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
足の骨等の骨は、解剖学的に不整列であり得る。ある状況において、患者の不快感を低減し、かつ患者の生活の質を改善するために、骨を正しく整列させるための外科的介入が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、概して、1つ以上の骨を調製し、かつ解剖学的に不整列である位置から解剖学的に整列した位置へと再整列させるための装置及び技術を対象としている。いくつかの例において、本装置及び技術は、第1の中足骨が内側楔状骨及び/または第2の中足骨に対して解剖学的に不整列である腱膜瘤の変形を矯正するのに利用される。かかる不整列を矯正するために、骨調製ガイド及びスペーサを含むシステムを利用し得る。骨調製ガイドは、1つ以上の切断面及び/または切断溝であって、それらに沿って、またはそれらを通して、相対的な再整列のために第1の中足骨及び/または内側楔状骨の対向する端部を調製するように切断器具を並進移動させ得る、1つ以上の切断面及び/または切断溝を提供し得る。スペーサは、骨調製ガイド用の整列及び/または基準工具として機能し得る。
【0005】
いくつかの例において、臨床医は、第1の中足骨と内側楔状骨との間の継手空間内にスペーサを挿入する。スペーサは、中央挿入部分、オフセット挿入部分、一定の厚さ、テーパ状厚さ、または同様のもの等、多様な異なる構成を有し得る。スペーサを好適に位置決めした後、臨床医は、例えば、継手空間から突出するスペーサの一部分にわたって骨調製ガイドを装着することにより、継手空間にわたって骨調製ガイドを挿入し得る。次に、臨床医は、骨調製ガイドを使用して、互いに対する骨の再整列を容易にするために、第1の中足骨の端部及び/または内側楔状骨の端部を切断することができる。いくつかの例において、臨床医は、組織除去器具場所確認を利用して、かかる切断部を作製する前に、切断させる骨に対する1つ以上の切断面または溝の位置及び/または配向を確認する。いずれかの事例において、臨床医は、切断部を作製する前または後のいずれかに第1の中足骨の位置を調節して、中足骨の再整列を達成し得る。
【0006】
一例において、1つ以上の骨を調製するための方法を開示する。方法は、第1の骨と第2の骨との間に画定された空間内にスペーサを挿入することを含む。本方法は、スペーサを基準として使用して、スペーサが空間内に挿入された状態である間に、骨調製ガイドを第1の骨または第2の骨の一部分と整列させることをさらに含む。加えて、本方法は、骨調製ガイドを使用して、第1の骨または第2の骨の一部分を組織除去器具と接触させて、組織除去器具を誘導することを含む。
【0007】
別の例において、本体とスペーサとを含む骨調製ガイドを記載する。本体は、第1の調製平面を画定する第1のガイド面と、第2の調製平面を画定する第2のガイド面とを有する。第1及び第2のガイド面は、ある距離で互いに離間している。本例は、第1の端部が本体から第1の方向に延在しており、第2の端部が本体から第2の方向に延在しており、第2の方向が第1の方向とは異なり、第1の端部及び第2の端部の各々が固定装置を受容するように構成された固定穴を含むことを特定している。本例はまた、本体から第3の方向に延在しており、第3の方向が第1及び第2の方向とは異なることを特定している。スペーサは、対向する骨間の継手空間内に留置されるように構成されている。
【0008】
別の例において、第1及び第2の対向する骨間の継手空間内に挿入されるように構成されたスペーサを記載する。スペーサは、継手空間内に延在するように構成された第1の部分と、継手空間上に延在するように構成された、第1の部分に対向する第2の部分とを含む。スペーサはまた、第1の部分と第2の部分との間に配設された中間部分を含む。本例は、スペーサが、第1及び/または第2の骨に対して組織除去器具を位置決めするための基準として機能するように構成されていることを特定している。
【0009】
1つ以上の例の詳細は、添付の図及び下の説明に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態による骨調製ガイド及びスペーサの斜視図である。
【
図2A】本発明の実施形態によるスペーサの斜視図である。
【
図2B】本発明の実施形態による足上の
図2Aのスペーサの斜視図である。
【
図3A】本発明の実施形態による足上の骨調製ガイド及びスペーサの、それぞれ、斜視図及び側面図である。
【
図3B】本発明の実施形態による足上の骨調製ガイド及びスペーサの、それぞれ、斜視図及び側面図である。
【
図4A】本発明の別の実施形態によるスペーサの斜視図である。
【
図4B】本発明の実施形態による足上の
図4Aのスペーサの斜視図である。
【
図4C-4F】スペーサの厚さがスペーサの幅にわたって変化するスペーサの例示的な構成を図示している。
【
図4G-4J】スペーサの厚さがスペーサの幅にわたって変化するスペーサの別の例示的な構成を図示している。
【
図4K】間隙を有する互いに分離した少なくとも2つのピンを含むスペーサの例示的な構成を図示している。
【
図4L】ピンの端部が挿入を容易にするように点に対してテーパ状である、
図4Kのスペーサの例示的な構成を図示している。
【
図4M】ピンが代替的な断面形状を有する、
図4Kのスペーサの例示的な構成を図示している。
【
図5】本発明の実施形態による足上の
図4Aの骨調製ガイド及びスペーサの実施形態の上平面図である。
【
図6A】本発明の実施形態による骨調製ガイド及び組織除去器具場所確認部材の斜視図である。
【
図6B】本発明の実施形態による骨調製ガイド及び組織除去器具場所確認部材の斜視図である。
【
図6C】本発明の実施形態による足上の骨調製ガイド及び組織除去器具場所確認部材の斜視図である。
【
図6D】本発明の実施形態による足上の骨調製ガイド及び組織除去器具場所確認部材の斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態による骨調製ガイドと併せて使用される組織除去器具の斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態による骨調製ガイドと併せて使用される組織除去器具の斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態による第1及び第2の骨間の継手にわたる骨プレートを図示する足の側方斜視図である。 1つ以上の例の詳細は、添付の図及び下の説明に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の詳細な説明は、例示的な性質のものであり、本発明の範囲、適用性、または構成をいかなる方法でも限定することを企図していない。むしろ、下記の説明は、本発明の例示的な実施形態を実行するためのいくつかの実例を提供している。選択された要素、及び本発明の分野における当業者に知られている、用いられた全ての他の要素についての構造、材料、及び寸法の例を提供している。当業者であれば、述べられている例の多くが、多様な好適な代替物を有することを認識するだろう。
【0012】
概して、本開示は、骨矯正手技において使用され得る外科手術器具及び技術を対象としている。本開示の実施形態は、医療手技におけるかかるスペーサ及びガイドを位置決めする方法と共に、スペーサ、骨調製ガイド、及び/または組織除去器具場所確認部材を含む。器具を用いない手技が使用されるときと比較して、骨矯正手技の有効性を改善するように、かかる器具を単独または組み合わせて使用することができる。
【0013】
例示的な用途において、スペーサ、骨調製ガイド、及び/または組織除去器具場所確認部材の実施形態は、1つ以上の骨が調製される(例えば、軟骨または骨除去及び/または切断)、骨整列、骨切り術、融合手技、及び/または他の手技等の外科手術手技前及び/中に使用することができる。かかる手技は、例えば、人体構造の他の部分の骨と比較して骨が比較的小さい、足または手の骨(例えば、継手または単一の骨の異なる部分により分離された隣接する骨)上で行うことができる。一例において、1つ以上の本開示の実施形態を利用する手技は、腱膜瘤矯正外科手術等における、中足骨(例えば、第1の中足骨)及び第2の中足骨及び/または楔状骨(例えば、内側または第1の楔状骨)間の整列を矯正するために行うことができる。かかる手技の一例は、Lapidus手技(第1の足根骨と中足骨との間の融合としても知られている)である。別の例において、手技は、中足骨(例えば、第1の中足骨)の整列を改変することにより行われ得る。かかる手技の一例は、頭蓋底中足骨骨切り手技である。
【0014】
例えば、足根中足(「TMT」)融合手技中に、記載されている外科手術器具を組み合わせて使用して、内側楔状骨に対する第1の中足骨の多平面の再整列(例えば、2平面、3平面)を達成することができる。スペーサを使用して、TMT継手に対して骨調製ガイドまたは切断ガイドを、より具体的には、切断させる骨端部に対して切断ガイドのガイド面または溝を適切に位置決めすることができる。いくつかの例において、切断ガイドの1つ以上のガイド面または溝は、傾斜している。例えば、切断ガイドは、別のガイド溝が内側楔状骨の端面に対して屈折している状態である間に、切断器具が並進移動されるガイド溝を第1の中足骨の端面に対して平行に位置決めするように構成され得る。内側楔状骨の端部上に位置決めされたガイド溝は、内側楔状骨の内側から横方向側部へと近位に傾斜し得、その結果、骨の楔形状区分が内側楔状骨から除去されることをもたらす。開示されている器具は、複数の平面(例えば、前頭面、横断面、及び/または矢状面)に再位置決めするために、第1の中足骨及び内側楔状骨の端部を適切に調製する助けとなり得、第1の中足骨を解剖学的に不整列である位置から解剖学的に整列した位置へと矯正することを可能にする。
【0015】
図1は、例示的な骨調製ガイド及びスペーサ10の斜視図を示している。骨調製ガイド及びスペーサ10は、骨調製ガイド12とスペーサ14とを含み得る。いくつかの用途において、骨調製ガイド及びスペーサ10は、骨または複数の骨の位置決め及び/または調製を容易にするために提供され得る。図示されている例において、骨調製ガイド12は、第1の調製平面を画定する第1のガイド面18及び第2の調製平面を画定する第2のガイド面20を画定する本体16を含む。組織除去器具(例えば、のこぎり、回転バー、骨刀等、図示せず)をガイド面と整列させて、組織を除去(例えば、軟骨または骨の除去、及び/または骨に対する切断部の生成)することができる。第1及び第2のガイド面18、20は、ある距離で(例えば、約4~7ミリメートル等、約2ミリメートル~約10ミリメートル)互いに離間し得る。示されている実施形態において、第1及び第2のガイド面は、ガイド面を使用した隣接する骨に対する切断部が略平行になるように平行である。
【0016】
いくつかの実施形態において、
図1に示されているように、第1の対向面22は、第1のガイド面18に隣接して位置決めされており、及び/または第2の対向面24は、第2のガイド面20に隣接して位置決めされている。かかる実施形態において、第1のガイド面と第1の対向面との間の距離は、第1のガイド溝26を画定しており、第2のガイド面と第2の対向面との間の距離は、第2のガイド溝28を画定している。各溝26、28は、組織除去器具であって、それを通して骨端部を調製するための組織除去器具を受容するようにサイズ決めされ得る。第1及び第2の溝26、28は、互いに平行であるか、または屈折している(例えば、非平行である)場合がある。図示されている実施形態において、対向面は、表面の各々が単一の連続する表面でないように、それらのそれぞれの長さに沿った間隙を各々含有する。他の実施形態において、対向面は、各々、いかなるかかる間隙も有しない、単一の連続する表面であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、開口30は、第1及び第2の対向面22、24間の本体16により画定され得る。したがって、下にさらに考察されているように、開口30は、例えば、医師が、骨調製中の骨切り術部位(例えば、軟骨、骨、及び/または継手空間)に対する視覚経路を有し、かつ/または器具を受容することを可能にするのに有用である、溝26、28間の領域であり得る。示されている実施形態において、開口30は、第1の対向面22に対向する表面32から第2の対向面24に対向する表面34までの距離で本体16にわたって延在している。
【0018】
示されている実施形態はまた、本体16から第1の方向に延在している第1の端部40と、本体16から第2の方向に延在している第2の端部42とを含む。第2の方向は、第1の方向とは異なり(例えば、反対方向)得る。第1及び第2の端部40、42は、示されているように、本体16から垂直に各々延出し得、他の実施形態において、第1及び第2の端部40、42は、異なる角度で本体から延出し得る。示されているように、第1の端部40及び第2の端部42の各々は、ガイド12を1つ以上の骨に固定するための固定装置(例えば、ピン、図示せず)を受容するように構成された少なくとも1つの固定穴44を含み得る。かかる穴44は、示されているように、ガイド12の上表面に対して垂直であるか、または屈折角度で各それぞれの端部を通して延在し得る。
【0019】
骨調製ガイド12はまた、第1の端部40に係合された第1の調節可能な安定化部材46を含み得る。いくつかの実施形態において、骨調製ガイド12はまた、第2の端部42に係合された第2の調節可能な安定化部材48を含む。部材46、48の各々は、ねじ山付きであり得、端部40、42により画定されたねじ穴に係合し得る。各端部40、42の仰角は、仰角の調節が所望される端部で部材46、48を調節することにより、1つ以上の骨に対して調節され得る。いくつかの実施形態において、示されているように、部材46、48は、それぞれの固定装置を受容することができるように、カニューレ状であり得る。骨調製ガイド12は、2つの調節可能な安定化部材を有するものとして図示されているが、他の例において、ガイドは、より少ない調節可能な安定化部材(例えば、無し、1つ)またはより多くの調節可能な安定化部材(例えば、3つ、4つ以上)を含み得、本開示は、この点において限定されない。
【0020】
注記されるように、
図1に示されているような骨調製ガイドは、スペーサ14を含む。スペーサは、本体から第3の方向に延在し得、第3の方向は、第1及び第2の方向(例えば、第1及び第2の方向に対して垂直な)とは異なり、対向する骨間の継手空間内に留置されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、スペーサは、ガイドと一体的であり、ガイド及びスペーサは、単一の構成要素、例えば、ユニボディ構造である。他の実施形態において、スペーサは、ガイドから物理的に分離しており、ガイド内に挿入可能である。これらの実施形態において、スペーサ及び骨切断ガイドは、手技が行われることを容易にするために、無菌キットの一部(例えば、単一の一般的な容器内に包装されている)として、単独で、または他の構成要素と組み合わせて提供され得る。
【0021】
示されている実施形態において、スペーサ14は、スペーサ及びガイドが取り付け及び取り外しされ得るように、骨調製ガイド12に選択的に係合され得る。例えば、スペーサ14は、スペーサを開口30内に挿入すること等により、ガイド12の本体16により受容され得る。スペーサ14が開口30内に受容されると、スペーサ14は、提供されたとき、本体から、第1のガイド面18と第2のガイド面20との間内に、または第1及び第2の溝26、28間内に延在し得る。スペーサ14が開口30内に受容されるいくつかの例において、開口30自体がガイド及びスペーサに係合するのに十分であり得るため、ガイド12とスペーサ14との間の接続が存在する必要はない。スペーサ14は、ガイド12及び/またはスペーサ14が、係合している状態(例えば、垂直方向に)で互いに対して移動可能であるように、ガイド12に係合し得る。例えば、いくつかの実施形態において、ガイド12は、スペーサが継手空間内で係合されている状態である間に、ガイドがスペーサ上で挿入され得るか、またはスペーサから除去され得るように、ガイド12及びペーサ14が係合している状態である間に、スペーサ14に対して移動可能である。例えば、スペーサの遠位部分は、継手空間(例えば、足根骨と中足骨との間の継手空間)、及びスペーサの近位部分がガイドの上部から突出している状態である間に、スペーサの上部上に位置決めされたガイド12内に挿入され得る。またさらなる実施形態において、ガイド12及びスペーサ14は、磁石、スナップフィット、雄雌型接合部、または他の仮接続等により、取り外し可能に取り付け可能であり得る。
【0022】
図2A及び2Bは、スペーサ14の実施形態を示している。いくつかの実施形態において、スペーサ14は、外科手術手技中に骨調製器具を誘導するのに使用されるように構成されている。他の実施形態において、スペーサ14は、骨調製ガイド内に挿入されるように構成されている。
図2Aは、スペーサ14の斜視図を図示しており、
図2Bは、足上のスペーサ14を図示している。スペーサ14は、自立型構成要素、ガイドに選択的に係合可能な別個の構成要素、またはガイドと一体化された別個の構成要素であるかに関わらず、2つの骨50及び52(例えば、単一の骨の継手または異なる部分により分離された隣接する骨)間の空間内に挿入されるように構成され得る。
【0023】
1つの用途において、スペーサ14が挿入されるように構成されている2つの骨間の空間は、骨50が第1の中足骨であり、骨52が内側楔状骨である
図2Bに示されているような第1の中足骨と楔状骨との間の継手等、TMT継手空間であり得る。スペーサ14は、用途に応じて、多様な異なる方向で2つの骨間の空間内に挿入され得る。一例において、スペーサ14は、足の略背側から挿入される。別の例において、スペーサ14は、足の略背内側または足の内側表面から挿入される。
【0024】
図2Aの実施形態に見られるように、スペーサ14は、2つの骨間の空間(例えば、
図2Bに示されているような骨50と52との間の継手空間)内に少なくとも部分的に延在するように構成されている第1の部分60を含み得る。
図2Aに示されている実施形態において、第1の部分60は、対向する平坦な表面を有する略平坦な部材である。他の実施形態において、略平坦な部材は、1つ以上の溝及び/または穴を有する。また他の実施形態において、第1の部分は、継手空間内に延在するように構成された少なくとも2つの延出部材を有する。延出部材は、円筒状、三角形、または円錐台形の形状等、任意の断面形状を含み得る。
【0025】
図2Aに示されているように、第1の部分60は、竜骨62を含み得、竜骨62は、第1の部分60の端部の2つの骨間の空間内への挿入を容易にするように構成されている。示されているように、竜骨62の先端は、線形(例えば、竜骨の幅に対して平行な平面内に延在している)である。他の実施形態において、竜骨62の先端は、竜骨62の2つの骨間の空間内へのより容易な挿入を提供するように、円形であり得、かつ/またはテーパ状であり得る。いくつかの実施形態において、竜骨62は、2つの骨(例えば、継手の幅)間の空間の幅以下である幅を有し得る。加えて、竜骨62は、2つの骨間の空間の長さ以下である厚さ(例えば、竜骨の幅に対して垂直な方向に、かつ2つの骨間の空間の長さに沿って延在している)を有し得る。ある用途において、竜骨62が2つの骨間の空間内にぴったりと嵌合するように、竜骨62の厚さを2つの骨間の空間の長さに対してより厚くなるように構成することが望ましい場合がある。例えば、竜骨62の厚さは、挿入されたときに、拡張等、2つの骨間の空間を改変するようにサイズ決めされ得る。竜骨62は、
図2Aに見られるように、その長さに沿って均一の厚さを有し得るか、または竜骨62(例えば、楔形状の竜骨)の先端に向かって進行する方向にテーパ状である厚さ等、変化する厚さを有し得る。
【0026】
竜骨62の長さ、及び第1の部分60は、竜骨62が2つの骨間の底基部に対して垂直に延在する(例えば、
図2Bに見られるように、スペーサ14が足上での用途において使用されている場合、竜骨62は、足の略背側から略平坦な側部まで延在し得る)ことを可能にするように構成され得る。他の例において、竜骨62の長さは、竜骨62が、対向する接合面(例えば、2つの骨の平坦な接合面)が存在している2つの骨間の空間内の点を通して等、2つの骨間の空間内に部分的にのみ延在し、かつ突起または偏心接合面が存在する2つの骨間の空間内への延在を止めるように構成され得る。図示されている例において示されているような竜骨62は、その長さに沿って略線形である。しかしながら、他の例において、竜骨62は、その長さに沿った1つ以上の輪郭を含み得、1つ以上の輪郭は、竜骨62が挿入される空間で接合する1つ以上の骨端部の解剖学的幾何学に一致するように構成されている。
【0027】
竜骨62及び第1の部分60は、スペーサの1つ以上の所望の用途に対して適切な種々の材料から作製され得る。一例において、竜骨は、2つの骨間の空間内に挿入されたときに形状を変形しないか、または別様に変化しない金属またはプラスチック等の剛性材料から作製され得る。竜骨が2つの骨間の空間内に挿入されたときに変形することを防止することにより、スペーサは、空間で接合骨表面と略整列した状態に維持され得る。他の例において、竜骨は、空間で接合骨表面とのスペーサの整列を略維持しつつ、竜骨にその形状においていくらかの柔軟性を提供して、空間で接合骨の1つ以上の非平行部分に一致させるために、可撓性材料から作製され得る。他の実施形態において、竜骨は、剛性材料及び可撓性材料の組み合わせを含む。例えば、竜骨の周囲は、継手空間内への挿入を容易にするための可撓性材料を含み得、中央部分は、変形を防止するための剛性材料を含み得る。
【0028】
スペーサ14は、竜骨62の反対側のスペーサ14の端部に、または端部近くに第2の部分64をさらに含み得る。第2の部分64は、手技中の外科医の手等により、把持されるように設計され得る。第2の部分64は、いくつかの例において、第2の部分64上での把持を向上させるように、1つ以上の凹部66(2つの凹部66が
図2Aに示されており、各凹部66は他方の反対側に配設されている)を有し得る。いくつかの実施形態において、第2の部分64はまた、第2の部分64上での把持を向上させるためにもある粗面化テクスチャを含み得る。1つ以上の凹部66及び/または粗面化テクスチャは、第2の部分64が外科医の濡れた、かつ/または手袋をはめた手により把持される場合に特に有益であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、スペーサ14は、第1及び第2の部分60、64間に配設された中間部分68を有し得る。第1、第2、及び中間部分は、一体的な部材として提供され得るか、または別個に接合された構成要素として提供され得る。いずれかの事例において、各部分は、他の部分とは異なる材料を含み得、材料は、剛性及び可撓性等、他の部分の材料とは異なる特徴を有し得る。代替的に、スペーサ14の全ての部分は、金属またはプラスチックから形成された単一の本体等、同じ材料から製造され得る。
【0030】
骨調製ガイドとは別個の構成要素として提供されており、かつ骨調製ガイドに係合されるように構成されている実施形態において、中間部分68は、ガイドの本体(例えば、ガイドの本体により画定された開口に)に係合可能であり得る。示されている例において、中間部分68は、第1の領域70及び第2の領域72を有し得る。第1の領域70は、第1の部分60(よって、竜骨62)の厚さに対して延長された厚さを有し得、ガイドとの接合からその長さに沿って第2の部分64へと並進移動し得る。第2の領域72は、第1の部分60(よって、竜骨62)の幅に対して延長された幅を有し得る。第1の領域の延長された厚さ及び/または第2の領域72の延長された幅は、スペーサ14及びガイドが別個の構成要素である例において、ガイドの本体により、スペーサ14がより安定的に受容されることを可能にし得る。
【0031】
スペーサ14が骨ガイドを有しない自立型装置として使用されるように構成されている実施形態において、中間部分68を使用して、第1のガイド面及び対向する第2のガイド面を提供することができる。かかる実施形態において、スペーサの第1の部分60(よって、竜骨62)は、継手空間内に挿入され得、中間部分68の表面を使用して、ガイド面を提供することができる。例えば、スペーサ14の第1の側部上の第1の領域70の表面は、第1のガイド面として構成され得、スペーサ14の対向する側部上の第1の領域70は、第2のガイド面として構成され得る。いくつかの実施形態において、中間部分68の少なくとも第1の領域70は、第1の部分60の厚さより大きい厚さを有する。スペーサ14の各側部上の第1の領域70及び第1の部分60の厚さの差は、中間部分の表面により誘導された組織除去器具により除去される組織の長さ及び厚さを画定し得る。
【0032】
使用時に、第1の部分60は、スペーサ14の第1の側部上で第1の骨の調製を誘導するように、中間部分68に対して留置された継手空間及び組織除去器具内に挿入され得る。組織除去器具は、スペーサ14の第2の対向する側部上で第2の調製を第2の骨に誘導するように、中間部分68に対して留置され得る。特定の例において、組織除去器具は、除去される組織の厚さの約2分の1に対してスペーサ14により誘導され得る。次に、スペーサは、継手空間から除去され得、組織除去器具を再挿入して組織除去を完了することができるだろう。
【0033】
図3A及び3Bは、足上の骨調製ガイド及びスペーサ10のそれぞれ、斜視図及び側面図を示している。実施形態に応じて、骨調製ガイド及びスペーサ10は、異なる方法で足上に位置決めされ得る。スペーサ14がガイドとは別個の構成要素であり、かつガイドに係合されるように構成されている実施形態において、スペーサ14は、最初に、2つの骨間の空間(
図2Bに示されているような)内に挿入され得る。かかる実施形態において、スペーサ14が2つの骨間の空間内に適切に挿入された後、ガイド12は、次に、すでに挿入されたスペーサ14に係合するように(例えば、ガイド12の本体により画定された開口を介して等、スペーサ14上の足に向かって垂直下方にガイド12をスライドさせることにより)足上に留置され得る。代替的に、ガイド12は、最初に、2つの骨間の空間に近接して位置決めされ得、次に、スペーサ14は、ガイド12を通してガイドの基礎となる継手空間内に挿入され得る。ガイド12は、予め、スペーサ14(例えば、ガイド12の本体により画定された開口を介して)を2つの骨間の空間内に位置決めし得る。予め位置決めした後、臨床医は、ガイド12及び/またはスペーサ14の場所を操作して、2つの骨に対して所望の場所に配向する(例えば、それぞれ、骨50及び52の端部に対してガイド12の切断溝を配向することにより)ことができる。他の実施形態(例えば、スペーサ14及びガイド12が一体的であるか、または別個の構成要素である)において、骨調製ガイド及びスペーサ10は、ガイド12が2つの骨間の継手内に、単一の構造体として位置決めされた状態で、足上に位置決めされ得、例えば、それにより足上にガイド12及びスペーサ14を同時に位置決めし得る。
【0034】
スペーサ14が骨上のガイド12の装着に対して骨50、52間の継手内に挿入される方法とは別に、スペーサ14は、ガイド12(例えば、ガイド12が固定装置を受容する前に)に対して初期安定性を提供する機能を果たし得る。例えば、スペーサ14は、ガイド12に係合し得、いったん骨間の空間内に着座されると、ガイド12を支持する機能を果たす。さらに、ガイド12及びスペーサ14が互いに挿入可能な別個の構成要素である場合、スペーサ14が骨間の空間内に挿入される深度は、ガイド12を除去する必要なく、調節され得る。同様に、ガイド12が骨間の空間に対して垂直に位置決めされる距離は、スペーサ14を所定位置に残しつつ、調節され得る。
【0035】
動作時に、スペーサ14は、調製(例えば、切断、小片化)される1つ以上の骨表面に関するガイド12に対する整列及び/または基準工具として機能し得る。調製されるかかる表面は、示されているような骨50または52の接合面の全てもしくは一部分を含み得る。スペーサ14が骨50、52間の空間(例えば、継手)内に挿入されると、スペーサ14は、調製される骨50、52の表面に対する企図した手技に対して適切な位置(例えば、骨50、52に沿って長手方向に)及び配向(例えば、前頭面、横断面、及び矢状面のうちの1つ超から選択された複数の平面における骨50、52に対する角度)でガイド12を整列させる機能を果たし得る。
【0036】
例えば、スペーサ14が骨50、52間の空間内に挿入されると、スペーサは、1つ以上の平面において、調製される骨50、52のそれぞれの表面に対するガイド12の第1のガイド面18及び第2のガイド面20(及び/または提供されているとき、溝26、28)の整列及び配向を助け得る。骨50、52間の空間内内に挿入されると、スペーサ14は、ガイド12に係合し得(例えば、ガイド12の移動の自由範囲を物理的に制限する)、ガイド12を調製される骨50及び52の各々の表面と長手方向に整列させ得る。例えば、スペーサ14は、第1のガイド面18を骨52の端表面及び骨50の端表面を有する第2のガイド面20と長手方向に整列させ得る。加えて、骨間の空間内に挿入されると、スペーサ14は、空間から延出し得、骨50及び52の各々の接合端表面の場所に関する表示を提供し得る。このように、スペーサ14に対するガイド12の配向は、骨50及び52の端表面に対する角度基準として機能する。したがって、スペーサ14は、1つ以上の骨50、52の所望の表面の正確な調製を容易にし得る。
【0037】
いくつかの用途において、1つまたは両方の表面から薄片であって、略一定の厚さを有する薄片を切断することにより、1つまたは両方の骨50、52を調製することが望ましい場合がある。かかる用途において、スペーサ14は、骨52の調製面に対して平行である第1のガイド面18及び/または骨50の調製面に対して平行である第2のガイド面20を配向するように構成され得る。接合骨端表面が比較的平坦である
図3Aに示されているような中足骨と楔状骨との間の継手の事例において、スペーサ14を基準として使用して、第1のガイド面18及び第2のガイド面20、または提供されているとき、切断される骨端表面に対して平行である溝26、28を配向することは、比較的一定の厚さの薄片の除去を容易にし得る。行われる手技に応じて、骨52に面する骨50の端部及び/または骨50に面する骨52の端部は、骨の端部を調製するように、切断されるのに加えて、または切断される代わりに小片化され得る。
【0038】
他の追加的または代替的な用途において、楔形状部分が均一な厚さ(例えば、切断の内側から横方向に)を有しない、1つまたは両方の骨50、52の接合面から楔形状部分を切断することにより、1つまたは両方の骨50、52の接合面を調製することが望ましい場合がある。例えば、1つの用途において、底側に基づく楔状部は、例えば、不整列である第1の中足骨(例えば、骨50)を矯正するように、内側楔状骨(例えば、骨52)から切断され得る。楔形状部分を1つまたは両方の骨50、52の接合端表面から切断するために、第1のガイド面18及び第2のガイド面20、または溝26及び28は、提供されているとき、1つ以上の骨50、52が切断される屈折角度に対してスペーサ14を基準として使用して、それぞれの骨52及び/または50に対して屈折角度で配向され得る。例えば、第1のガイド面18及び/または第2のガイド面20は、ガイド面が内側楔状骨の内側側部から内側楔状骨の横方向側部まで延在しているため、内側楔状骨の長さに沿って近位に後ろに傾斜し得る。結果として、そのように構成されているガイド面を使用した骨部分の切断は、内側楔状骨の内側側部より、内側楔状骨の横方向側部からより多くの骨を除去し得、結果として、骨の楔形状部分が内側楔状骨から除去されることをもたらす。
【0039】
骨調製における位置決め及び配向に対する基準として機能することに加えて、スペーサ14はまた、骨50及び/または52の表面から除去される組織(例えば、骨等)の厚さを表示するための基準として機能し得る。例えば、スペーサ14の第1の長手方向面と第1のガイド面18との間の距離は、骨52の表面から切断される組織の厚さを画定し得る。同様に、スペーサ14の第2の長手方向面(例えば、第1の長手方向面に対向する)と第2のガイド面20との間の距離は、骨50の表面から切断される組織の厚さを画定し得る。したがって、臨床医は、行われる切断の厚さが除去される組織の所望の厚さに従っているかどうか等、提案された骨調製が所望の骨調製に適合するかどうかを視覚化するために、1つ以上の骨を調製する前に、スペーサ14を基準として利用することができ、かつ骨調製動作の実行前に何らかの調節を行うことができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、ガイドは、スペーサ14の隣接する表面とガイドのそれぞれのガイド面との間の距離により画定されたその特定のガイドにより容易にされる切断厚さを表す識別番号により指定され得る。ある実施形態において、第1のガイド面18とスペーサ14との間の距離は、異なる接合骨上で異なる厚さの切断を行い得るように第2のガイド面20とスペーサ14との間の距離とは異なり得る。いくつかの例において、ガイド上の1つ以上のガイド面とスペーサ14との間の距離は、調節可能であり得、ユーザが切断により除去される事物の厚さを変更することを可能にする。
【0041】
切断ガイド12が、切断ガイドが適用される足の内側から横方向側部へと近位に傾斜するガイド面(例えば、第1のガイド面18及び/または第2のガイド面20)を含む用途において、傾斜の角度は、固定され得るか、または変化可能であり得る。例えば、切断ガイド12は、傾斜の角度を調節することができる調節可能なガイド面(例えば、第1のガイド面18及び/または第2のガイド面20)を有し得る。実際に、臨床医は、例えば、設定された角度に応じて、内側側部より横方向側部上でより多く、横方向側部より内側側部上でより多く、または横方向側部及び内側側部の両方上で同じ量を除去するように、骨に対するガイド面(複数可)の角度を設定し得る。いくつかの構成において、調節可能な角度は、所望の角度の設定後の不正な移動を防止するように、一時的に固定または係止され得る。設計に応じて、ガイド面(例えば、第1のガイド面18及び/または第2のガイド面20)は、0度~10度等、0度~25度の範囲の角度(例えば、ガイド面と第1及び/または第2の対向面22、24との間の)を提供するように調節可能であり得る。例えば、ガイド面は、25度~25度未満の非ゼロ度の角度に調節可能であり得る。
【0042】
スペーサ14は、ガイド12に係合可能であるように図示されているが、スペーサ14はまた、他のガイドに係合するように構成され得る。例えば、スペーサ14は、異なる大きさの切断幅を有する複数のガイドを含むキットの一部として使用され得る。臨床医は、複数の異なる大きさのガイドのうちの1つを選択肢、選択されたガイドを、手技を行うスペーサと組み合わせて使用することができる。例えば、臨床医は、スペーサ14に係合する1つのガイド12を選択し、指定された第1の切断厚さを提供し得る。臨床医が、スペーサ14を基準として使用して、第1のガイドを使用して生じるであろう切断厚さが特定の動作に対して望ましくないと判定した場合、スペーサ14は、第1のガイドから除去され、第1のガイドの第1の切断厚さとは異なる指定された第2の切断厚さを有する第2のガイドに係合され得る。
【0043】
図1~3に関して上に図示及び記載されているスペーサ14は、足根骨と中足骨との間の融合手技中の骨調製ガイドの位置決めを助ける等、種々の医療手技を行うための有効な工具を提供し得るが、スペーサ14の構成は、例えば、使用の特徴及び標的臨床結果に応じて、変化し得る。
【0044】
一例として、スペーサ14の幅は、スペーサが骨間に位置決めされるとき、スペーサが隣接する骨端部の横方向の領域内に延在するようにサイズ決めされ得る。例えば、骨(例えば、第1の部分60)の隣接する部分間に位置決めされるように構成されたスペーサ14の一部分の幅は、スペーサが位置決めされた隣接する骨の端面の少なくとも横方向半分内に延在するのに十分な幅(内側から横方向に)であり得る。
【0045】
例えば、スペーサ14が足根骨と中足骨との間の継手空間(例えば、第1の中足骨50と内側楔状骨52との間)内に挿入されるように構成されているとき、スペーサの第1の部分60は、第1の中足骨50及び内側楔状骨52の端面の横方向半分間にスペーサの第1の部分を位置決めするのに十分な距離で横方向に突出し得る。第1の部分60は、骨端部の横方向側部(例えば、最も横方向の半分、最も横方向の3分の1、最も横方向の縁部)上で、第1の中足骨50及び内側楔状骨52の端部に接触し得る。いくつかの構成において、スペーサ14の第1の部分 60は、第1の中足骨50と内側楔状骨52との間に位置決めされたとき、隣接する骨(例えば、第2の中足骨)の内側側部に接触するのに十分な距離で横方向に延在する。
【0046】
スペーサ14が対称的である構成において、スペーサの第1の部分60はまた、骨端部の内側側部(例えば、最内側半分、最内側3分の1、最内側縁部)上で、第1の中足骨50及び内側楔状骨52の端部に接触するように内側に突出し得る。代替的に、下により詳細に考察されているように、第1の部分60は、内側と横方向との間の寸法において横方向にオフセットされ得る。いずれかの事例において、第2の部分64は、第1の部分に対して対称であり得、第1の部分と同じ幅を有し得るか、または第1の部分に対して対称であり得、かつ/または第1の部分とは異なる幅を有し得る。
【0047】
スペーサ14を継手空間の横方向部分内に位置決め可能である部分を有するように構成することは、ガイド12の不整列を防止する助けとなるのに有用であり得る。実際に、骨50が骨52及び/または隣接する骨(例えば、第2の中足骨)に対して再整列されると、骨50と骨52との間の間隙は、骨の端部間の継手空間の内側側部上で開口している場合がある。この間隙は、例えば、第1の中足骨と第2の中足骨との間の角度が第1の中足骨を第2の中足骨に向かって枢動及び/または回転させることにより閉鎖されたときに生じ得る。いくつかの状況において、継手空間の内側側部上の間隙が開口しているとき、継手空間の側部に位置決めされたスペーサは、移行(例えば、横方向に、または内側に)及び/または回転(例えば、継手空間上のスペーサの一部分が背側に突出しないが、代わりに、横方向背側また内側と背側との間の方向に突出するように)し得る。ガイド12が、その後、移行及び/または回転されたスペーサ14上に位置決めされると、ガイドの切断面(複数可)は、骨50及び52の端部が望ましい切断であるときに対して不整列であり得る。
【0048】
骨50及び52の端部間に(例えば、足根骨と中足骨との間の継手空間内に)位置決めされたスペーサの少なくとも一部分が継手空間の横方向側部上にあるように、スペーサ14を構成することにより、スペーサは、骨50の再整列を通して正しく位置決めされた状態を維持し得る。例えば、第1の中足骨と第2の中足骨との間の中足骨間角度が、第1の中足骨を第2の中足骨に向かって枢動及び/または回転させることにより閉鎖されると、骨50及び52の端部の横方向側部は、互いに向かって移動し得ると同時に、骨の端部の内側側部は、互いから離間するように移動し得る。これにより、骨の端部間のスペーサ14の横方向部分をつまむ(例えば、骨の端部の横方向側部をスペーサの対向する側部に対して押圧させることにより)ことができる。結果として、スペーサ14は、ガイド12が、その後、スペーサ14上に位置決めされたとき、ガイドは、骨50及び52の切断端部に(例えば、ガイドのガイド面に沿って、かつ/またはこれを通して切断器具を並進移動させて骨端部を切除することにより)適切に位置決めされるように、骨間の継手空間内の安定的な位置に保持され得る。
【0049】
スペーサ14は、スペーサの少なくとも一部分をスペーサが挿入される骨の端面の横方向側部上に位置決めすることを可能にする多様な異なる構成を有し得る。別の例として、骨調製ガイド12(例えば、ガイド12が骨の上部上に位置決めされた状態である間に、骨50及び52の対向する端部間の継手空間内に位置決めされた部分)の底側に突出するように構成されたスペーサ14の一部分は、ガイド12の側部に配置されており、かつ/またはガイド(例えば、ガイドの背側に)の上部から突出しているスペーサの部分に対して対称的であり得る。例えば、スペーサ14の第1の部分60を骨50及び52の端部間の継手内に実質的に中央に位置決めされるように構成する代わりに、スペーサの第1の部分60は、骨の端部の幾何学的中心及びそれらの間の継手を通して延在している軸に対してオフセットされ得る。そのように構成されたとき、スペーサ14は、継手空間の別の側部をいかなるスペーサ基板も欠いたままにしつつ、骨50及び52間の継手空間の1つの側部内に挿入され得る。
【0050】
本構成による一例として、スペーサ14は、第1の部分60が第2の部分64の幾何学的中心を通して延在している軸に対してオフセットされるように構成され得る。例えば、第2の部分が第2の部分64の上部上内に挿入可能であり、かつ上部上で取り外し可能であるガイド12を有するように構成されるとき、第1の部分60は、第2の部分の1つの側部から下方に突出し得る。使用時に、かかる構成は、第1の部分60を、第2の部分64に関する断面平面(例えば、単一の仰角での内側横方向平面)に対して対称的に突出させ、かつ/またはガイド12をガイド上に位置決めさせ得る。
【0051】
例えば、スペーサ14が足根骨と中足骨との間の継手空間(例えば、第1の中足骨と内側楔状骨との間の)内に挿入されるように構成されたとき、スペーサの第1の部分60は、第2の部分64に対して横方向にオフセットされ得る。すなわち、第1の部分60は、継手の内側側部に対向するような、継手の横方向側部に向かって優先的に位置決めされ得る。スペーサ14の横方向にオフセットされた第1の部分60は、骨端部の横方向側部(例えば、最も横方向の半分、最も横方向の3分の1、最も横方向の縁部)上であるが、骨端部の内側側部(例えば、最内側半分、最内側3分の1、最内側縁部)上でない骨50及び52の端部に接触し得る。スペーサの第2の部分64は、骨50及び52の横方向及び内側縁部間に実質的に中央配置され得る。したがって、臨床医により視認可能であり、かつ/またはガイド12を配向するのに使用される(例えば、ガイドをスペーサ上に位置決めすることにより)スペーサ14の部分は、骨50及び52の端部上で内側横方向に実質的に中央配置され得る。しかしながら、底側方向で骨50及び52の背側面下に実際に突出しているスペーサ14の部分は、内側横方向で横方向側部に対してオフセットされ得る。
【0052】
図4A及び4Bは、継手空間内に位置決め可能な横方向にオフセットされた構造を有するスペーサ400の例示的な構成を図示している。
図4Aは、スペーサ400の斜視図を図示しており、
図4Bは、足上のスペーサ400の斜視図を図示している。スペーサ400に関して使用されている同様の符号は、スペーサ14に関して上に考察されている同様の要素を指す。スペーサ400は、ガイドに選択的に係合可能であるか、またはガイドと一体化された別個の構成要素であるかに関わらず、2つの骨50と52との間の空間(例えば、継手により分離された隣接する骨、または単一の骨の異なる部分)内に挿入されるように構成され得る。1つの用途において、スペーサ400が挿入されるように構成された2つの骨間の空間は、
図4Bに示されているような第1の中足骨と楔状骨との間の継手等、足根中足(「TMT」)の継手空間であり得る。
【0053】
図4Aの例において示されているように、スペーサ400は、2つの骨間の空間(例えば、
図4Bに示されているような骨50と52との間の継手空間)内に少なくとも部分的に延在するように構成されている第1の部分60を含む。第1の部分60は、中央長手方向軸402を画定している。第1の部分60は、それらの間の第1の部分60の幅を画定している第1の側壁404及び第2の側壁406をさらに含む。第1の部分60は、竜骨62を含み得、竜骨62は、第1の部分60の端部の2つの骨間の空間内への挿入を容易にするように構成されている。一例において、竜骨62の厚さは、テーパ状であり、第1の部分60の先端に向かう(例えば、竜骨62の上部に向かう)方向に移動し得る。いくつかの事例において、竜骨62は、2つの骨間の空間の底基部に対して垂直に延在し得、他の事例において、竜骨62は、2つの骨間の空間内に部分的にのみ延在し得る。第1の部分60(竜骨62を含む)の厚さが第1の部分の長さにわたって一定であるか、または変化するかどうかとは別に、いくつかの例において、厚さは、0.38mm~1.8mm等、0.2mm~3mmの範囲である。
【0054】
図4A及び4Bに図示されているスペーサ400は、竜骨62に対向するスペーサ400の端部または隣接する第2の部分64をさらに含む。
図4Aに見られるように、第2の部分64は、中央長手方向軸408を有する。第2の部分64は、手技中の外科医の手等により把持されるように設計され得る。いくつかの例において、第2の部分64は、第2の部分64上での把持を向上させるように、1つ以上の凹部66及び/または粗面化テクスチャを有し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、スペーサ400はまた、第1及び第2の部分62、64間に配設された中間部分68を有し得る。スペーサ400が骨調製ガイドとは別個の構成要素として提供されており、かつ骨調製ガイドに係合されるように構成されている実施形態において、中間部分68は、ガイドの本体に(例えば、ガイドの本体により画定された開口で)係合可能であり得る。示されている例において、中間部分68は、第1の領域70及び第2の領域72を有する。第1の領域70は、第1の部分60(よって、竜骨62)の厚さに対して延長された厚さを有し得、ガイドとの接合からその長さに沿って第2の部分64へと並進移動し得る。第2の領域72は、第1の部分60(よって、竜骨62)の幅に対して延長された幅を有し得る。示されている例において、第1及び第2の領域70、72を含む中間部分68は、第2の部分64の中央長手方向軸408と一致する(例えば、同軸上にある)中央長手方向軸を有する。
【0056】
図4A及び4Bに示されているように、図示されているスペーサ400の実施形態は、略オフセットされた構成を有する。いくつかの例において、スペーサ400のオフセット構成は、第2の部分64及び/または中間部分68からオフセットされた第1の部分60を含む。第2の部分64及び中間部分68が共通する中央長手方向軸408を有する図示されている実施形態において、第1の部分60は、第2の部分64及び中間部分68の両方からオフセットされる。具体的には、第1の部分60の中央長手方向軸402は、第2の部分64及び中間部分68の中央長手方向軸408から離間している。特定の寸法は所望の用途に応じて変化し得るが、いくつかの構成において、第1の部分60の中央長手方向軸402の幾何学的進入を第2の部分の中央長手方向軸408の幾何学的中心から分離する距離は、3mm~17mm等、1mm~20mmの範囲である。第1の部分60の幅(第1の側壁404から第2の側壁406への)はまた、変化し得るが、いくつかの例において、幅は、5mm~20mm等、2m~25mmの範囲である。したがって、いくつかの構成において、スペーサ14の最も横方向の延在を境界付ける中央長手方向軸408の幾何学的中心から第1の側壁404への距離は、5mm~15の範囲にあり得る。
【0057】
スペーサ400は、
図4Bに示されているように、2つの骨50及び52間の空間内に挿入され得る。挿入されると、スペーサ400のオフセット構成は、骨50及び52(例えば、骨の端面)、任意に、隣接する第3の骨53(例えば、骨の内側側部)に接触する第1の部分60をもたらし得、第2の部分64及びその中央長手方向軸408は、継手の中心に略位置決めされる。
図4Bの図示的な例において、スペーサ400は、第1のTMT継手内に挿入されており、第1の部分60は、第1の中足骨50、第1の楔状骨52、及び第2の中足骨53に接触している。例えば、第1の部分60の第1のフェース面は、第1の中足骨50に接触し得、第1のフェース面に対向する第1の部分60の第2のフェース面は、第1の楔状骨52に接触し得、第1の部分60の第1の側壁404は、第2の中足骨53の内側側部に接触し得る。したがって、第2の部分64の中央長手方向軸408は、TMT継手の内側側部と横方向側部との間に略中央配置され得るが、第1の部分60の中央長手方向軸402は、TMT継手の内側側部より横方向側部に(例えば、TMT継手の横方向3分の1に)略より近い場合がある。したがって、いくつかの例において、第1の部分60は、TMT継手の横方向の領域内のみに挿入及び固定され得る。
【0058】
スペーサ400のオフセット構成は、例えば、骨整列が改変される手技中に、継手空間内に安定したスペーサを提供するのに有用であり得る。例えば、1つの種類の骨整列手技において、骨50は、骨50と骨53との間の角度を低減する方法で再整列(例えば、位置決め装置410を使用して)される必要がある場合がある。骨50が再整列された状態である間に、骨50と骨52との間の継手の内側側部での間隙が増加し得る。これにより、継手内に位置決めされたスペーサを不安定に(例えば、スペーサが継手の内側側部での間隙の増加に起因して、骨50及び52間にもはやしっかりと係合されていないため)し得る。
【0059】
骨の再整列中に継手内のオフセット構造を有するスペーサ400を使用することは、スペーサ400を継手内に安定的に維持する助けとなり得る。例えば、スペーサ400が内側側部より横方向側部に近い継手内に(例えば、第1の側壁404が第2の中足骨53の内側側部に接触するような、継手の横方向領域で)位置決めされた第1の部分60を有し得るため、スペーサは、この再整列中に継手内の一定位置に略維持され得る。これは、再整列中の継手の横方向側部での骨50及び52間の離間が再整列前の離間に対して実質的に一定のままであり得るか、または低減され得るためもたらされ得る。結果として、横方向領域に位置決めされた第1の部分60は、この再整列が完了した後であっても、継手内に安定的に保持され得る。さらに、第1の部分60が継手内に安定的に維持されているため、第2の部分64及びその中央長手方向軸408はまた、継手の中心等で、その元の位置に略維持され得る。次に、安定性の増加を提供し得るこのスペーサ400の構成は、
図5を参照して下に記載されているように、スペーサ400が1つ以上の骨表面の調製(例えば、切断)を容易にするのに利用されるときに有益であり得る。
【0060】
スペーサが第2の部分と整列した第1の部分(例えば、スペーサ14に関して考察されているように)または第2の部分に関してオフセットされた第1の部分(例えば、スペーサ400に関して考察されているように)を有して構成されているかどうかとは別に、スペーサは、多様な異なる断面構成を有し得る。例えば、
図1~3のスペーサ14及び
図4A及び4Bのスペーサ400は、スペーサの幅にわたる一定の厚さを有するものとして図示されているが、スペーサの厚さは、幅上で変化し得る。
【0061】
図4C~4Fは、スペーサの厚さがスペーサの幅にわたって変化するスペーサ14の例示的な構成を図示している。
図4Cは、例示的なスペーサの平面図であり、
図4Dは、スペーサの正面図であり、
図4E及び4Fは、スペーサの対向する側面図である。図上のZ軸は、典型的な使用におけるスペーサの垂直配向(例えば、背側~底側方向)を表している。図示されている例に示されているように、スペーサ14は、長さL(例えば、スペーサの最長軸に対して平行である)、長さに対して垂直である幅W、ならびに長さ及び幅の両方に対して垂直である厚さTを画定している。第1の部分60の幅Wは、第1の部分の第1の側壁15から第2の側壁17までの距離である。図示されている構成において、スペーサの厚さTは、第1の側壁15から第2の側壁17までのスペーサの幅にわたってテーパ状である。
【0062】
図4G~4Jは、同様に、スペーサの厚さがスペーサの幅にわたって変化するスペーサ400の例示的な構成を図示している。
図4Gは、例示的なスペーサの平面図であり、
図4Hは、スペーサの正面図であり、
図4E及び4Fは、スペーサの対向する側面図である。再び、図上のZ軸は、典型的な使用におけるスペーサの垂直配向(例えば、背側~底側の方向)を表している。図示されている例に示されているように、スペーサ14は、長さL(例えば、スペーサの最長軸に対して平行である)、長さに対して垂直である幅W、ならびに長さ及び幅の両方に対して垂直である厚さTを画定している。第1の部分60の幅Wは、第1の部分の第1の側壁404から第2の側壁 406までの距離である。図示されている構成において、スペーサの厚さTは、第1の側壁404から第2の側壁406までのスペーサの幅にわたってテーパ状である。
【0063】
その幅にわたって異なる厚さを有するように構成されているとき、スペーサ14(
図4C~4F)/スペーサ400(
図4G~4J)は、他の側部より1つの側部上でより厚い。異なる例において、スペーサは、別個の厚さの並進移動点を画定する1つ以上のステップ等、その幅Wにわたるテーパ状部の連続する角度、または非連続的なテーパ状部を有し得る。いくつかの例において、スペーサは、少なくとも0.2mm未満、少なくとも0.5mm未満、または少なくとも1mm未満等、そのより厚い側壁と比較して、そのより薄い側壁で少なくとも0.1mm未満の厚さを有する。例えば、スペーサは、そのより厚い側壁と比較して、そのより薄い側壁で0.1mm~2mm未満の厚さを有する。加えて、スペーサ14/400の第2の部分64及び中間部分68は、テーパ状でないものとして図示されているが、他の実施形態において、第2の部分64及び中間部分68のうちの1つまたは両方は、テーパ状であり得る。
【0064】
使用時に、テーパ状厚さを有するスペーサは、TMT継手スペーサのより厚い側部が内側に配置されており、スペーサのより薄い側部が継手にわたって横方向に配置されている状態で、TMT継手内に位置決めされ得る。内側楔状骨に対して第1の中足骨の再整列中に、横方向側部上より大きい間隙が、第1の中足骨の端面と内側楔状骨の端面との間の内側側部上で開口している場合がある。したがって、スペーサのより厚い部分を内側に、スペーサのより薄い部分をTMT継手にわたって横方向に位置決めすることは、骨間の間隙を充填する助けとなり得、例えば、TMT継手空間内にぴったりと嵌合し、スペーサの不正な移動を防止する助けとなり得る。
【0065】
スペーサ14/400は、任意の好適な断面形状を有し得る。例えば、スペーサ14/400は、実質的に長方形の形状を画定するものとして図示されているが、他の例において、スペーサは、他の形状を画定し得る。スペーサ14/400は、任意の多角形(例えば、四角形、六角形)もしくは弓形(例えば、円形、楕円形)形状、または多角形及び弓形形状の組み合わせでさえも画定し得る。実際に、スペーサ14/400の第1の部分60は、その幅Wにわたって連続的な構成である必要はないが、スペーサの機能を組み合わせて達成する材料の非連続的なセグメントまたは部分から形成され得る。
【0066】
図4Kは、第1の部分60がそれらの間に間隙を有する互いに分離した少なくとも2つのピン403A及び403Bにより形成されているスペーサ400の例示的な構成を図示している。ピン403A及び403Bは、スペーサの長さ(例えば、中間部分68及び/または第2の部分64から)に対して平行に延在している。他の構成において、スペーサ400は、各隣接するピン間に間隙を有するスペーサの幅の少なくとも一部分にわたって配列された、より多くのピン(例えば、3つ、4つ以上)を含み得る。各ピンは、同じ断面寸法(例えば、直径)を有し得るか、または少なくとも1つのピンは、少なくとも1つの他のピンより大きい断面寸法を有し得る。例えば、最内側ピン(例えば、中央配置されたピン)は、最も横方向のピンより大きい断面径を有し得る。さらに、ピン403A及び403Bは、横方向にオフセットされた第1の部分60を提供するように配列されるものとして図示されているが、ピンは、第2の部分64により中央配置されているか、または別様に、適切に配列された第1の部分を提供するように配列され得る。
【0067】
ピン403A及び403Bにより構成されると、ピンの端部または先端は、2つの骨間の空間内へのピンのより容易な挿入を提供するように、丸いかつ/またはテーパ状(例えば、点に対して)であり得る。
図4Lは、ピン403A及び403Bの端部405A及び405Bが、それぞれ、挿入を容易にするように点に対してテーパ状である
図4Kのスペーサの例示的な構成を図示している。さらに、スペーサ400のピン403A及び403Bは、任意の多角形(例えば、正方形、六角形)もしくは弓形(例えば、円形、楕円形)形状、または多角形及び弓形形状の組み合わせでさえも画定し得る。例えば、ピンは、円筒状、台形、三角形、四角形、長方形、卵形、六角形であり得るか、またはまた他の断面形状を有し得る。
図4Mは、ピン403A及び403Bが長方形断面形状(例えば、ピンの幅にわたって)を有する
図4Kのスペーサの例示的な構成を図示している。
【0068】
図5は、足上の骨調製ガイド450及びスペーサ400の実施形態の上平面図を図示している。骨調製ガイド450に関連して本明細書に使用されている同様の数字は、骨調製ガイド12の同様の要素を指す。一例として、骨調製ガイド450は、1つ以上の骨が骨調製ガイド450を先に記載されているものと同様のスペーサ400に係合させることにより再整列された後に留置され得る。例えば、骨調製ガイド450は、ガイド450の開口30をスペーサ400の第2の部分上で移動させることにより、スペーサ400の中間部分で係合され得る。先に説明されているように、スペーサ400を使用することで、中間及び第2の部分、よって、その中央長手方向軸を、継手の中心等、所望の位置に実質的に維持することができる。したがって、スペーサ400の中間及び/または第2の部分を使用してガイド450を留置することは、継手、よって、骨50及び52に対する所望の位置でのガイド450の整列をもたらし得る。結果として、骨調製は、ガイド450を使用して効率的に進行することができる。
【0069】
骨調製ガイド450は、
図5に図示されている構成において、骨調製ガイド12に関して上に記載されているような、多様な異なる構成を有することができるが、骨調製ガイド450は、切断溝28及び/または骨50及び52間の継手に関して屈折形態である(例えば、ある角度で配向されている)切断溝26を含む。溝26は、手技、よって、ガイド450が使用される解剖学的領域に応じて解剖学的に適切な骨調製(例えば、1つ以上の骨切断部)を提供するのに好適な延長部に対して傾斜している可能性がある。切断ガイド12に関して上で考察されている傾斜の例示的な角度がまた、骨調製ガイド450に対して使用され得る。
【0070】
図5の例示的な図に示されているように、ガイド450を使用して、足上での手技中に1つ以上の骨を調製する場合、溝26は、楔状骨(例えば、内側楔状骨52)の一部分を切断するために、TMT継手空間及び/または第1の中足骨の端部に対して傾斜し得る。溝26は、溝が内側楔状骨の内側側部から横方向側部まで延在しているとき、近位に(例えば、内側楔状骨の遠位端から離れるように)傾斜し得る。結果として、溝26に沿って成される切断は、楔状部が、内側楔状骨の内側側部から横方向側部へと移動する幅(例えば、厚さ)が漸進的に増加する内側楔状骨が切除されることをもたらし得る。
【0071】
いくつかの例において、ガイド450は、患者の右足または左足のいずれか上での相互変換可能な使用のために前頭面180度で反転するように構成されている。例えば、TMT融合手技が患者の左足上で行われている場合、ガイド450は、溝26が左足の内側から横方向に近位に傾斜しているように、第1の配向で回転し得る。対称的に、TMT融合手技が患者の右足上で行われている場合、ガイド450は、溝26が右足の内側から横方向に近位に傾斜しているように、第2の配向に対して180度回転し得る。ガイド450の上表面及び底表面は、いずれかの足上に展開するための屈折切断溝を有するガイドを構成するために、ガイドが切断される継手上で反転及び留置されるのを防止する突出部または他の構造的特徴部を欠いている場合がある。
【0072】
いくつかの例において、屈折溝26を有するガイド450は、複数の異なるガイドを含むキットの一部として提供されている。ガイドは、溝26が互いに対して屈折している異なる大きさ及び/または角度を有することにより変化し得る。手技中、臨床医は、例えば、成されることが所望される切断部の大きさ及び/または角度に最良に適合する複数の異なるガイドのうちの1つを選択することができる。手技中のガイドの相互変換可能性を容易にするために、複数のガイドの各々は、互いに対して同じ場所(例えば、同じ分離距離及び角度)にある固着穴(例えば、第1及び第2の調節可能な安定化部材46、48)を有し得る。そのように構成されているとき、臨床医は、1つのガイドを固着ピンセットから第1の中足骨50及び内側楔状骨52内に(例えば、ガイドをピンから引っ張り上げることにより)除去し得、同じピン上で除去されたガイドとは異なる角度で屈折している溝26を有する(例えば、第2のガイドをピン上で押下することにより)異なるガイドを挿入し得る。
【0073】
各々が異なる角度で屈折している切断面を有する複数の利用可能なガイドのうちの適切な1つを選択する助けとするために、臨床医は、ガイドを選択する前に動作されたTMT継手のX線写真を撮影する場合がある。臨床医は、内側楔状骨上で成される切断角度を選択及びサイズ決めするために、背側から底側方向のX線写真を撮影する場合がある。臨床医は、次に、その角度が、その後、TMT継手上で、特に手技中に切断される内側楔状骨の端部上で展開するために成される切断部の大きさ及び/または角度に最良に適合する複数の利用可能なガイドのうちの特定の1つを選択し得る。
【0074】
図5の例において、溝26は、楔状骨に隣接して図示されており、よって、例えば、楔状骨(例えば、楔状骨の楔形状部分を切断する)に対して適切な骨調製に略対応するガイド450の内側側部から横方向側部に近位に進行する角度で構成され得る。すなわち、溝26を使用して成された切断部は、楔状骨の内側から横方向側部に前進する、漸進的により厚い骨切断部を生成することができる。いくつかの例において、ガイド450の横方向側部の溝26の端部は、ガイド450の内側側部の溝26の端部に対して2~10度傾斜し得る。さらなる例において、ガイド450の横方向側部の溝26の端部は、ガイド450の内側側部の溝26の端部に対して2~5度傾斜し得る。傾斜溝26を有するガイド450を、示されているようなスペーサ400と併せて使用することで、骨50が再整列された後であっても解剖学的に適切な方法で骨52の骨調製を提供することができる。
【0075】
図6A~6Dは、組織除去場所確認部材80の実施形態を示している。
図6A及び6Bは、分離した骨調製ガイド12及び組織除去器具場所確認部材80の斜視図を示しており、
図6C及び6Dは、足上の骨調製ガイド12及び組織除去器具場所確認部材80の斜視図を示している。組織除去器具場所確認部材80は、外科医がガイド12を使用して行われる切断の位置及び/または配向を視覚化することを可能にする機能を果たし得る。いくつかの実施形態において、スペーサ及び組織除去器具場所確認部材80は、同時にガイド12に係合され得る。
【0076】
組織除去器具場所確認部材80は、第1の部分82及び第2の部分84を含み得る。いくつかの実施形態において、同様に、部材80は、第1の部分82と第2の部分84との間に画定された開口86をさらに含み得る。部材80は、部材80の第1の部分82を介して、溝26もしくは28または開口30等でガイド12に係合可能であり得る。示されているように、第1の部分82は、溝28でガイド12に係合されており、いくつかの事例において、溝28を通して下方に延在し得る。他の例において、第1の部分82は、溝26または開口30でガイド12に係合し得る。組織除去器具場所確認部材80の構成に応じて、いくつかの例において、第1の部分82は、溝26、溝28、及び開口30のうちの1つ超でガイド12に係合し得る。
【0077】
第2の部分84は、第1の部分82に接続されているか、またはこれと一体的であり、第1の部分82から延在しており、かつ離間している。図示されているように、第2の部分84は、ガイド12から延出するように構成され得、第1の部分82は、ガイド12に係合されている。例えば、第1の部分82は、ガイド12の溝28内にあり得、第2の部分84は、第1の部分82から溝28の外側方向(例えば、径方向)に離間している。第2の部分84は、第1の部分82の幅未満の幅を有し得、加えて、その長さに沿った湾曲を含み得る。示されているように、第2の部分84は、第1の部分82がガイド12に係合されているとき、ガイド12に向かい方向にその長さに沿った湾曲を含む。開口86が部材80内に含まれている実施形態において、開口86は、第2の部分84が開口86内に受容されたかかる骨部分の周りに外方に延在し得るように、骨の一部分を受容するように構成され得る。
【0078】
第1の部分82及び第2の部分84は、補完的な部分であるように設計され得る。具体的には、いくつかの例において、第2の部分84の位置は、一部所定の方法で、第1の部分82の位置に対応し得る。例えば、部材80がガイド12に正しく係合されている場合、第2の部分84の先端は、第1の部分82の底縁と同じ深度まで延在し得る(例えば、第2の部分84の先端及び第1の部分82の底縁は、同じ平面に沿って延在する)。かかる例において、第2の部分84の深度を視覚的に検査することで(例えば、ガイド12の外側に延在している)、第1の部分82の深度に関する表示を提供することができる。これは、第1の部分82の底縁が組織内に挿入され、外科医が容易に見ることができないが、第2の部分84が組織から延出しており、外科医が見ることができる用途において有益であり得る。このように、いくつかの例において、第2の部分84は、外科医が組織の外側にある第2の部分84を単に見るだけで、組織内にある第1の部分82の深度を確認することを可能にし得る。いくつかの事例において、第2の部分84の深度は、第1の部分82の深度に直接対応し得、他の事例において、第1及び第2の部分間の対応は、所定の割合であり得る。
【0079】
組織除去器具場所確認部材80は、部材80がガイド12に係合された状態である間にガイド12に対して回転することを可能にする方法で、ガイド12に係合し得る。これは、
図6Bの部材80の位置に対する
図6Aの部材80の位置を比較することにより、見ることができる。例えば、部材80は、部材80に適用された回転移動により、第2の部分84が
図6Aに示されている位置から
図6Bに示されている位置へとガイド12の周りを回転し得るように構成され得、いくつかの事例において、第1の部分82が溝26、28または開口30のうちの1つにおいて係合されている状態である間に、第2の部分84がガイド12から下方に位置決めされることをもたらし得る。いくつかの用途において、開口86は、開口86内にかかる骨の一部分を受容し、かつ第2の部分84がかかる骨の周りに外方に延在することを可能にすることにより、骨の一部分の周りでの第2の部分84の回転を容易にし得る。このように、開口86は、部材80が部材80と第2の部分84に隣接する骨の一部分との間の干渉を防止することにより、ガイド12に係合されている状態である間に、部材80の回転を容易にし得る。
【0080】
部材80は、ガイド12が足上に留置されると(
図6C及び6Dに示されているように)、ガイド12に係合され得る。記載されているように、第1及び第2の部分82、84は、補完的な部分として設計され得る。かかる一例において、部材80が足上でガイド12に係合されると、第1の部分82は、ガイド12を使用しているとき(例えば、ガイド内に画定された溝を介して)にこの骨端部に接触する同じ深度及び場所で延在し、かつ骨端部に接触し得る。第1の部分82が骨まで延在している状態である間に、部材80の第2の部分84は、ガイド12の溝を通して挿入されたときに切断器具が位置決めされる同じ軌道及び/または深度で骨(例えば、50または52)の側部の下に突出するガイド12から外部延長部として機能し得る。これは、第1及び第2の部分82、84が補完的であり得るためである。したがって、第2の部分84は、切断器具が骨端部に接触する軌道及び/または深度に関する表示を提供する機能を果たし得る。このように、部材80(例えば、外部延長部として機能する第2の部分84)は、1つ以上の骨50、52上で骨調製動作を行う前に、外科医が1つ以上の骨50、52端部に関するガイド12の1つ以上の調製溝の位置及び/または配向を確認することを可能にし得る。したがって、部材80は、ガイド12の現在の位置及び配向からもたらされるであろう切断深度及び/または軌道の視覚化を容易にし得、所望の用途について必要であり得るように、外科医がガイド12の位置及び/または配向を調節することを可能にし得る。
【0081】
いくつかの事例において、部材80を使用した視覚化(例えば、補完的な第2の部分84の位置の視覚化)に加えて、またはこれに対する代替手段として、撮像技術(例えば、X線写真)を部材80と併せて使用することができる。例えば、一実施形態において、部材80は、切断器具と併せてガイド12を使用するときに、第1の部分82が組織内に延在し、かつ切断器具がこの骨端部に接触する同じ深度及び場所で骨端部に接触するように、ガイド12に係合され得る。次に、足は、部材80の第1の部分が組織内にある状態である間に、適切な撮像技術を使用して撮像され得る。撮像技術から得られる画像は、特定の用途において調製されることが所望される骨端部に関する部材80の第1の部分を示し得、かつ提案された切断深度及び/または軌道に関する表示を提供し得る。次に、これは、外科医がこの骨端部上で所望の調製動作を行う前に必要とされるガイド12の位置及び/または配向を調節することを可能にする。
【0082】
部材80は、骨調製位置、軌道、及び/または厚さの視覚化を可能にする方法で、ガイド(例えば、ガイドのガイド溝)から突出している任意の構成要素であり得る。いくつかの事例において、スペーサ14及び部材80は、双方、提案された骨調製を視覚化し、かつかかる骨調製に対するいずれの調節も容易にするために、手技において使用され得る。示されているように、部材80は、別個の構成要素であり得る。注記されるように、部材80は、ガイド12に係合し得、いくつかの例において、追加的または代替的に、スペーサ14に係合し得る。しかしながら、他の実施形態において、部材80は、スペーサ14及び/またはガイド12と一体的であり得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、器具場所確認部材80は、組織除去器具が第1及び第2の骨の両方を交差する場所を示すことができる。かかる実施形態は、架橋部材等と共に接続された第1の確認部材及び第2の確認部材(それらのいずれかまたは両方は、単一の部材80に関して上に記載されている特徴のいくつかまたは全てを含み得る)を有する器具場所確認部材を含む。第1の確認部材は、ガイド溝26内に受容され得、第2の確認部材は、同時にガイド溝28と共に受容され得る。
【0084】
図7及び8は、骨調製ガイド12と併せて使用されている組織除去器具90の斜視図を示している。
図7等におけるいくつかの例において、スペーサ14は、ガイド12に係合され得、器具90を使用して1つ以上の骨を調製し得る。
図8等における他の例において、スペーサ14は、器具90の使用前にガイド12から除去され得る。スペーサ14が除去された場合、ガイド12は、スペーサ14の基準としての使用からもたらされる、足に沿ったガイド12を通して固定装置の使用等により、所定位置に固定され得る。
【0085】
図9は、第1の中足骨210と内側楔状骨220との間の継手にわたる骨プレート310、320を図示する足200の側面斜視図を示している。1つ以上の骨の調製後、調製された骨の端部は、並列に留置され得、任意に、共に圧縮され得、骨固定装置により固定され得る。
図9は、第1の中足骨と内側楔状骨との間に圧縮を提供するように、第1の中足骨210を通して内側楔状骨220内に挿入されたねじ山付きオリーブピン300を図示している。次に、骨の位置は、1つ以上の骨固定装置により固定され得る。
図9は、継手空間にわたる第1の骨プレート310(例えば、背内側上に位置決めされた直線または曲線の骨プレート)及び第2の骨プレート320(例えば、楔状骨の内側側部から中足骨の底側側部まで位置決めされた螺旋状骨プレート(他の実施形態は、図示しないが、第2の線形骨プレートを含み得る))を示している。ねじが挿入され、かつ/またはプレートが骨ねじの挿入により適用された後、オリーブピンは、除去され得る。
【0086】
本発明の実施形態はまた、骨または複数の骨の配向を固定するための方法等の方法を含む。一般に、骨を位置決めする一方法は、骨を別の骨に対して解剖学的に不整列である位置から解剖学的に整列した位置へと移動させ、骨を整列位置内に移動させた後、移動された骨の端部及び別の骨の対向端を調製するステップを含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、方法は、矯正手技のために継手を調製するステップを含む。例えば、継手に対する外科手術的アクセスの生成後、整列位置への骨の移動前、軟組織を解放して、中足骨等の骨が自由に回転することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、骨の閉塞は、自由な回転をさらに促進するために切除(例えば、中足骨基部フレア状部、または骨棘)され得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、組織除去器具と調製される骨との交差の場所は、骨調製前に確認される。一実施形態において、組織除去器具場所確認部材は、組織除去器具が骨と接触する場所を視覚的に確認するために、調製ガイドに係合され得る。別の実施形態において、組織スペーサは、ガイドにより画定された1つ以上を通して成された切断部の位置及び/または配向に対する基準を提供するために、調製ガイドに係合される。いずれかの実施形態において、かかる視覚的な確認は、X線写真等の撮像装置の使用を含み得る。調製ガイドの位置が正しい場合、追加の固定装置(例えば、ピン)は、第1の中足骨及び内側楔状骨、または用途に応じた他の骨に対する調製ガイドの位置をさらに固定するために、穴(例えば、傾斜している穴)を通して創友され得る。スペーサ及びガイドが別個の構成要素として提供されている実施形態において、スペーサは、さらなる骨調製ステップ前に再取り付けされ得る。
【0089】
骨及び調製ガイドの正しい整列後、内側楔状骨に面する第1の中足骨の端部は、例えば、第1のガイド面及び第1の対向面により画定された溝を通して組織除去器具を挿入すること等により、第1のガイド面と整列した組織除去器具により調製され得る。そして、第1の中足骨に面する内側楔状骨の端部は、第2のガイド面及び第2の対向面により画定された溝を通して組織除去器具を挿入すること等により、第2のガイド面と整列した組織除去器具により調製され得る。切断骨または軟骨を含む実施形態において、楔状骨切断部及び中足骨切断部は、平行であり、切断部と一致し得る。骨が調製された後、ガイド及び任意の他の骨調製部材を除去することができ、組織(例えば、骨または軟骨薄片)を継手部位から除去することができる。
【0090】
注記されるように、本発明による方法の実施形態はまた、骨の端部を調製した後に行われるステップを含み得る。例えば、骨の端部は、並列に留置され得、任意に、共に圧縮され得、骨の位置は、継手に対する外科手術的アクセスの閉鎖前に、1つ以上の骨固定装置(例えば、圧縮骨ねじ、骨プレート、骨ステープル、外部固定器、髄内インプラントまたは釘)により固定され得る。
【0091】
例えば、本明細書に提供されている詳細に鑑みて、一方法は、スペーサを継手(例えば、TMT継手空間)内に挿入することと、次に、ガイドを挿入されたスペーサに係合させること(ガイド及びスペーサが別個の構成要素として提供されている実施形態において)とを含み得る。代替的に、(ガイド及びスペーサが別個の構成要素として提供されている実施形態において)スペーサは、ガイドが足上に留置された状態である間に、継手内に挿入され得る。別の実施形態において、ガイド及びスペーサは、共に位置決めされ得る。次に、スペーサは、企図した用途のために1つ以上の骨に関する適切な場所にガイドを位置決め及び/または配向するための基準として使用され得る。いくつかの例において、組織除去器具場所確認部材は、追加的または代替的に、足上のガイドにより画定された溝を通して成される切断部の深度及び/または軌道に関する表示を提供するために使用され得る。いくつかの事例において、調製される1つ以上の骨に関するガイドの場所は、スペーサ及び/または組織除去器具場所確認部材から得られた基準に従って調節され得る。ガイドが適切に配置された後、ガイドは、ガイド内に画定された穴を通して挿入された固定装置(例えば、ピン)等を通して、足に固定され得る。ガイドを足に固定した後、スペーサ及び/または組織除去器具場所確認部材は、除去され得る。いくつかの例において、スペーサ及び/または組織除去器具場所確認部材は、ガイドが足に固定された後、組織除去器具との干渉が生じない限り、ガイドに係合された状態を維持し得る。次に、組織除去器具は、固定されたガイドの場所で1つ以上の骨を調製するために、ガイドを通して(例えば、ガイド内に画定された溝を通して)挿入され得る。組織除去器具の使用から生じた骨のいかなる切断部分も、継手から除去され得る。調製された骨は、共に並置されたそれらのそれぞれの端部を有し得、固定(例えば、1つ以上の骨プレート)は、調製された骨端部の融合のために適用され得る。
【0092】
本発明の実施形態はまた、本明細書に記載されている骨位置決めガイド、骨調製ガイド、スペーサ、及び/または組織除去器具場所確認部材の実施形態を含む使い捨て可能な無菌キットを含む。無菌キット内に含まれ得る他の構成要素は、骨プレート及び/またはピン等の骨固定装置及び組織除去器具を含む。
【0093】
したがって、本発明の実施形態を開示している。本発明は、ある開示されている実施形態を参照して記載されているが、開示されている実施形態は、図示のために提示されるものであり、限定するものではなく、本発明の他の実施形態が可能である。当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、種々の変更、適応、及び改変を行い得ることを理解するだろう。
[構成1]
1つ以上の骨を調製するための方法であって、
第1の骨と第2の骨との間に画定された空間内にスペーサを挿入するステップと、
前記スペーサを基準として使用して、前記スペーサが前記空間内に挿入された状態である間に、骨調製ガイドを前記第1の骨または前記第2の骨の一部分と整列させるステップと、
前記骨調製ガイドを使用して、前記第1の骨または前記第2の骨の前記一部分を組織除去器具と接触させて、前記組織除去器具を誘導するステップと、を含む、1つ以上の骨を調製するための方法。
[構成2]
前記スペーサを挿入すること及び前記骨調製ガイドを整列させることが、最初に、前記スペーサを別個の構成要素として前記空間内に挿入することと、次に、前記骨調製ガイドを前記挿入されたスペーサに係合させて、前記骨調製ガイドを前記第1の骨または前記第2の骨の前記一部分と整列させることと、を含む、構成1に記載の方法。
[構成3]
前記骨調製ガイドを前記挿入されたスペーサに係合させることが、前記スペーサが前記空間内に挿入された状態である間に、前記骨調製ガイドの本体内に画定された開口内に前記スペーサを受容することを含む、構成2に記載の方法。
[構成4]
前記スペーサを挿入すること及び前記骨調製ガイドを整列させることが、前記スペーサが前記骨調製ガイドに係合された状態である間に、前記スペーサを前記空間内に挿入することを含む、構成1に記載の方法。
[構成5]
前記骨調製ガイドを使用して、前記第1の骨または前記第2の骨の前記一部分を組織除去器具と接触させることが、前記組織除去器具を前記骨調製ガイドのガイド面と整列させることを含む、構成1に記載の方法。
[構成6]
前記骨調製ガイドを前記第1の骨または前記第2の骨の前記一部分と整列させることが、前記ガイド面を前記第1の骨または前記第2の骨の前記一部分と整列させることを含む、構成5に記載の方法。
[構成7]
組織除去場所確認部材を前記骨調製ガイドに係合させることをさらに含み、前記部材の第1の部分が、前記第1の骨及び/または前記第2の骨に向かって延在しており、前記部材の第2の部分が、前記骨調製ガイドから前記第1または第2の骨の側部へと突出している、構成1に記載の方法。
[構成8]
前記骨調製ガイドに係合された状態である間に、前記組織除去場所確認部材を前記第1の骨または前記第2の骨の周りで回転させることをさらに含む、構成7に記載の方法。
[構成9]
前記スペーサを基準として使用して、前記骨調製ガイドを整列させることが、前記骨調製ガイドのガイド面を、前記ガイド面と前記スペーサとの間の距離により画定された位置に前記第1の骨または前記第2の骨上で長手方向に位置決めすることを含む、構成1に記載の方法。
[構成10]
前記スペーサを基準として使用して、前記骨調製ガイドを整列させることが、前記骨調製ガイドのガイド面を、前記第1の骨または前記第2の骨と前記スペーサとの間の角度により画定された角度で前記第1の骨または前記第2の骨に対して配向することを含む、構成1に記載の方法。
[構成11]
前記スペーサを挿入することが、前記スペーサが少なくとも前記第1の骨の端面の側縁部及び前記第2の骨の端面の側縁部に接触するように、前記スペーサを挿入することを含む、構成1に記載の方法。
[構成12]
前記スペーサを挿入することが、前記スペーサが少なくとも前記第1の骨の端面の横方向3分の1及び前記第2の骨の端面の横方向3分の1に接触するように、前記スペーサを挿入することを含む、構成1に記載の方法。
[構成13]
前記スペーサを挿入することが、前記第1の部分の中央長手方向軸が前記スペーサの第2の部分の中央長手方向軸から横方向に離間するように、前記スペーサの第1の部分を前記空間内に位置決めすることを含む、構成1に記載の方法。
[構成14]
前記第1の骨が、端面を有する第1の中足骨であり、前記第2の骨が、前記第1の中足骨の前記端面に面する端面を有する内側楔状骨であり、前記スペーサを挿入することが、前記スペーサが、前記第1の中足骨及び前記内側楔状骨の前記端面の内側半分に接触することなく、前記第1の中足骨の前記端面の横方向半分及び前記内側楔状骨の前記端面の横方向半分に接触するように、前記第1の部分を挿入することを含む、構成13に記載の方法。
[構成15]
前記スペーサを挿入した後、かつ前記骨調製ガイドを整列させる前に、前記第1の中足骨と第2の中足骨との間の中足骨間角度を低減するように前記第1の中足骨を移動させることをさらに含む、構成14に記載の方法。
[構成16]
前記骨調製ガイドを前記第1の骨または前記第2の骨の前記一部分と整列させる前に、
前記第1の骨及び前記第2の骨のうちの少なくとも1つのX線写真を撮影することと、
前記X線写真に基づいて、成すべき切断角度を判定することと、
各々が異なる切断角度を有する複数の異なる骨調製ガイドから、前記X線写真に基づいて判定された前記切断角度に対応する切断角度を有するように前記骨調製ガイドを選択することと、をさらに含む、構成1に記載の方法。
[構成17]
前記スペーサが、その幅にわたる厚さにおいてテーパ状である、構成1に記載の方法。
[構成18]
前記スペーサが、互いに分離した少なくとも2つのピンを備え、前記スペーサを挿入することが、前記少なくとも2つのピンを、前記第1の骨と前記第2の骨との間に画定された前記空間内に挿入することを含む、構成1に記載の方法。
[構成19]
骨調製ガイドであって、
第1の調製平面を画定する第1のガイド面及び第2の調製平面を画定する第2のガイド面を有する本体であって、前記第1及び第2のガイド面が、ある距離で互いに離間している、本体と、
前記本体から第1の方向に延在している第1の端部、及び前記本体から第2の方向に延在している第2の端部であって、前記第2の方向が前記第1の方向とは異なり、前記第1の端部及び前記第2の端部の各々が、固定装置を受容するように構成された固定穴を含む、第1の端部及び第2の端部と、
前記本体から第3の方向に延在しているスペーサであって、前記第3の方向が前記第1及び第2の方向とは異なり、前記スペーサが対向する骨間の継手空間内に留置されるように構成されたスペーサと、を備える、骨調製ガイド。
[構成20]
前記第1及び第2のガイド面間に配設された開口をさらに含み、前記スペーサが前記開口内で前記本体に係合可能である、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成21]
前記本体に係合可能である第1の部分を有し、かつ第1の骨及び/または第2の骨まで延在するように構成された組織除去器具場所確認部材をさらに備える、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成22]
前記組織除去器具場所確認部材が、前記組織除去器具場所確認部材が前記本体に係合されたときに、前記本体から外方に延在しており、かつ前記第1の部分から離間した第2の部分をさらに含む、構成21に記載の骨調製ガイド。
[構成23]
前記第1の端部または前記第2の端部に係合された調節可能な安定化部材をさらに備える、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成24]
前記調節可能な安定化部材が、カニューレ状である、構成23に記載の骨調製ガイド。
[構成25]
前記第2の平面が、前記第1の平面に対して平行である、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成26]
第1の調製溝を画定する前記第1のガイド面から離間した第1の対向面と、第2の調製溝を画定する前記第2のガイド面から離間した第2の対向面と、をさらに含む、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成27]
前記スペーサが、前記スペーサが前記骨調製ガイドの前記本体に係合されたときに、前記骨調製ガイドの前記本体に対して移動可能である、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成28]
前記スペーサが、前記継手空間内に延在するように構成された第1の部分と、前記本体上に延在している前記第1の部分に対向する第2の部分と、を含む、構成19に記載の骨調製ガイド。
[構成29]
前記第1の部分が、竜骨を含む、構成28に記載の骨調製ガイド。
[構成30]
前記第2の部分が、少なくとも1つの凹部を含む、構成28に記載の骨調製ガイド。
[構成31]
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配設された中間部分をさらに含み、前記中間部分が、前記本体に係合可能である、構成28に記載の骨調製ガイド。
[構成32]
第1及び第2の対向する骨間の継手空間内に挿入されるように構成されたスペーサであって、
前記継手空間内に延在するように構成された第1の部分、及び前記継手空間上に延在するように構成された前記第1の部分に対向する第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配設された中間部分と、を備え、前記スペーサが、前記第1及び/または第2の骨に対して組織除去器具を位置決めするための基準として機能するように構成されている、スペーサ。
[構成33]
前記中間部分が、前記スペーサの第1の側部上の第1のガイド面と、前記スペーサの第2の対向する側部上の第2のガイド面と、を提供し、前記第1及び第2のガイド面が、前記組織除去器具を誘導するための平面を各々画定している、構成32に記載のスペーサ。
[構成34]
前記中間部分が、厚さを有し、前記第1の部分が、厚さを有し、前記中間部分の前記厚さが、前記第1の部分の前記厚さとは異なる、構成33に記載のスペーサ。
[構成35]
前記第1の部分の中央長手方向軸が、前記第2の部分の中央長手方向軸から離間している、構成32に記載のスペーサ。
[構成36]
前記中間部分が、骨調製ガイドの本体に係合されるように構成されている、構成32に記載のスペーサ。
[構成37]
前記第1の部分が、竜骨を含む、構成32に記載のスペーサ。
[構成38]
前記第2の部分が、少なくとも1つの凹部を含む、構成32に記載のスペーサ。
[構成39]
前記第1、第2、及び中間部分が、一体的である、構成32に記載のスペーサ。
[構成40]
少なくとも前記第1の部分が、その幅にわたる厚さにおいてテーパ状である、構成32に記載のスペーサ。
[構成41]
前記第1の部分が、それらの間に間隙を有する互いに分離した少なくとも2つのピンにより画定されている、構成32に記載のスペーサ。