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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20230927BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20230927BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230927BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20230927BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20230927BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20230927BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20230927BHJP
   F25B 5/00 20060101ALI20230927BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20230927BHJP
   F24F 140/20 20180101ALN20230927BHJP
   F24F 140/12 20180101ALN20230927BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20230927BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20230927BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F5/00 Z
F24F11/46
F24F11/86
F24F11/64
F24F11/56
F25B1/00 A
F25B1/00 304Q
F25B5/00 B
F25B39/00 C
F24F140:20
F24F140:12
F24F110:12
F24F140:00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021546514
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2020025338
(87)【国際公開番号】W WO2021053924
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2019168316
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019168317
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019168319
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱島 哲磨
(72)【発明者】
【氏名】木口 行雄
(72)【発明者】
【氏名】浅利 峻
(72)【発明者】
【氏名】有田 照平
(72)【発明者】
【氏名】三浦 賢
(72)【発明者】
【氏名】清水 智紀
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194145(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/050006(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/105250(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/65
F24F 5/00
F24F 11/46
F24F 11/86
F24F 11/64
F24F 11/56
F25B 1/00
F25B 5/00
F25B 39/00
F24F 140/20
F24F 140/12
F24F 110/12
F24F 140/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を循環させる圧縮機と、室外側熱交換器と、第1の膨張弁と、を備えた室外ユニットと、
冷媒と熱媒を熱交換する複数の中間熱交換器と、複数の前記中間熱交換器に対応する第2の膨張弁と、
を備えた熱交換ユニットと、
前記熱媒と室内気を熱交換する室内側熱交換器を備えた室内ユニットと、
前記中間熱交換器で冷却された前記熱媒および加熱された前記熱媒のいずれかを、前記室内側熱交換器に流入させる流路切換弁を備えたバルブユニットと、
各ユニットを制御する制御部を備えた制御ユニットと、を備え、
前記室外ユニット、前記熱交換ユニット、前記室内ユニット、および前記バルブユニットは、それぞれに分割してケーシングされ、
前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとは、前記室外側熱交換器で凝縮された凝縮液を前記熱交換ユニットにあるいは前記中間熱交換器で凝縮された凝縮液を前記室外ユニットにそれぞれ送る液管と、前記中間熱交換器で蒸発された冷媒を前記室外ユニットに送る吸入ガス管と、前記圧縮機で圧縮された吐出ガスを前記熱交換ユニットに送る吐出ガス管と、で接続され、
前記制御ユニットは、
前記吐出ガスを前記中間熱交換器に流入させることにより加熱運転を行い、
前記吐出ガスを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記第2の膨張弁を介して前記中間熱交換器に流入させることにより冷却運転を行い、
前記吐出ガスの一部を複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの残りを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記液管を通して前記中間熱交換器で凝縮した冷媒と混合し、当該混合した凝縮液を前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより冷却優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記吐出ガスを複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの一部を前記液管を通して前記室外側熱交換器へ流入させ蒸発し、前記凝縮液の残りを前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより加熱優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとを接続する配管の配管径は、
前記吸入ガス管>前記吐出ガス管>前記液管の関係が成立し、
複数の前記中間熱交換器は、少なくとも一つが冷却運転時に前記冷媒を冷却する冷却用中間熱交換器であり、残りが加熱運転時に前記冷媒を加熱する加熱用中間熱交換器であり、
前記吐出ガス管は、前記加熱用中間熱交換器に接続され、
前記吸入ガス管は、前記冷却用中間熱交換器に接続され、
前記液管は、前記加熱用中間熱交換器、および前記冷却用中間熱交換器に接続され、
前記熱交換ユニット内には、第3の膨張弁が備えられ、
前記第3の膨張弁は、前記吸入ガス管と前記冷却用中間熱交換器との間に備えられる
空気調和機。
【請求項2】
前記第3の膨張弁は、前記冷却用中間熱交換器の入口温度または前記冷却用中間熱交換器の出口圧力を飽和温度に換算した蒸発ガス飽和温度のいずれかに基づいて動作する
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
冷媒を循環させる圧縮機と、室外側熱交換器と、第1の膨張弁と、を備えた室外ユニットと、
冷媒と熱媒を熱交換する複数の中間熱交換器と、複数の前記中間熱交換器に対応する第2の膨張弁と、を備えた熱交換ユニットと、
前記熱媒と室内気を熱交換する室内側熱交換器を備えた室内ユニットと、
前記中間熱交換器で冷却された前記熱媒および加熱された前記熱媒のいずれかを、前記室内側熱交換器に流入させる流路切換弁を備えたバルブユニットと、
各ユニットを制御する制御部を備えた制御ユニットと、を備え、
前記室外ユニット、前記熱交換ユニット、前記室内ユニット、および前記バルブユニットは、それぞれに分割してケーシングされ、
前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとは、前記室外側熱交換器で凝縮された凝縮液を前記熱交換ユニットにあるいは前記中間熱交換器で凝縮された凝縮液を前記室外ユニットにそれぞれ送る液管と、前記中間熱交換器で蒸発された冷媒を前記室外ユニットに送る吸入ガス管と、前記圧縮機で圧縮された吐出ガスを前記熱交換ユニットに送る吐出ガス管と、で接続され、
前記制御ユニットは、
前記吐出ガスを前記中間熱交換器に流入させることにより加熱運転を行い、
前記吐出ガスを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記第2の膨張弁を介して前記中間熱交換器に流入させることにより冷却運転を行い、
前記吐出ガスの一部を複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの残りを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記液管を通して前記中間熱交換器で凝縮した冷媒と混合し、当該混合した凝縮液を前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより冷却優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記吐出ガスを複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの一部を前記液管を通して前記室外側熱交換器へ流入させ蒸発し、前記凝縮液の残りを前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより加熱優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記中間熱交換器は、プレートを積層して構成されるプレート式熱交換器であり、
複数の前記プレート式熱交換器は、前記熱媒を冷却する複数の冷却用中間熱交換器と、前記複数の冷却用中間熱交換器の数より少ない数の前記冷媒を加熱する加熱用中間熱交換器を含み、
前記冷却用中間熱交換器は、設置面に対して前記冷媒が垂直方向に流れるように設置され、
前記加熱用中間熱交換器は、設置面に対して前記冷媒が水平方向に流れるように設置される
空気調和機。
【請求項4】
冷媒を循環させる圧縮機と、室外側熱交換器と、第1の膨張弁と、を備えた室外ユニットと、
冷媒と熱媒を熱交換する複数の中間熱交換器と、複数の前記中間熱交換器に対応する第2の膨張弁と、を備えた熱交換ユニットと、
前記熱媒と室内気を熱交換する室内側熱交換器を備えた室内ユニットと、
前記中間熱交換器で冷却された前記熱媒および加熱された前記熱媒のいずれかを、前記室内側熱交換器に流入させる流路切換弁を備えたバルブユニットと、
各ユニットを制御する制御部を備えた制御ユニットと、を備え、
前記室外ユニット、前記熱交換ユニット、前記室内ユニット、および前記バルブユニットは、それぞれに分割してケーシングされ、
前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとは、前記室外側熱交換器で凝縮された凝縮液を前記熱交換ユニットにあるいは前記中間熱交換器で凝縮された凝縮液を前記室外ユニットにそれぞれ送る液管と、前記中間熱交換器で蒸発された冷媒を前記室外ユニットに送る吸入ガス管と、前記圧縮機で圧縮された吐出ガスを前記熱交換ユニットに送る吐出ガス管と、で接続され、
前記制御ユニットは、
前記吐出ガスを前記中間熱交換器に流入させることにより加熱運転を行い、
前記吐出ガスを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記第2の膨張弁を介して前記中間熱交換器に流入させることにより冷却運転を行い、
前記吐出ガスの一部を複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの残りを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記液管を通して前記中間熱交換器で凝縮した冷媒と混合し、当該混合した凝縮液を前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより冷却優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記吐出ガスを複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの一部を前記液管を通して前記室外側熱交換器へ流入させ蒸発し、前記凝縮液の残りを前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより加熱優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記室外ユニットは、外気温度を検出する外気温度センサを有し、
前記制御部は、
前記室内ユニットに対する冷房要求もしくは暖房要求の割合と、前記外気温度センサによって検出された前記外気温度とに基づいて、前記加熱運転、前記冷却運転、前記冷却優先の冷却加熱混在運転、および前記加熱優先の冷却加熱混在運転のいずれかを選択して前記室外ユニットを運転させ、
前記外気温度センサによって検出された前記外気温度をTO、前記外気温度の範囲を規定する第1の規定温度をTH、第2の規定温度をTLとすれば、
TL<TO<THである場合、前記室外ユニットが前記冷却優先の冷却加熱混在運転されている時、前記室内ユニットに対する暖房要求の割合が第1の閾値以上となれば、前記室外ユニットを前記冷却優先の冷却加熱混在運転から前記加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換え、前記室外ユニットが前記加熱優先の冷却加熱混在運転されている時、前記室内ユニットに対する冷房要求の割合が第1の閾値以上となれば、前記室外ユニットを前記加熱優先の冷却加熱混在運転から前記冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換え、
TO≧THである場合、前記室外ユニットが前記冷却優先の冷却加熱混在運転されていれば、前記室内ユニットに対する暖房要求の割合が前記第1の閾値以上となっても、前記室外ユニットを継続して前記冷却優先の冷却加熱混在運転させ、
TO≦TLである場合、前記室外ユニットが前記加熱優先の冷却加熱混在運転されていれば、前記室内ユニットに対する冷房要求の割合が前記第1の閾値以上となっても、前記室外ユニットを継続して前記加熱優先の冷却加熱混在運転させる
空気調和機。
【請求項5】
前記制御部は、
TO≧THである場合、前記室内ユニットに対する暖房の要求割合が第1の閾値よりも大きな第2の閾値以上となれば、前記室外ユニットを前記冷却優先の冷却加熱混在運転から前記加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換え、
TO≦TLである場合、前記室内ユニットに対する冷房の要求割合が第1の閾値よりも大きな第3の閾値以上となれば、前記室外ユニットを前記加熱優先の冷却加熱混在運転から前記冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換える
請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
冷媒を循環させる圧縮機と、室外側熱交換器と、第1の膨張弁と、を備えた室外ユニットと、
冷媒と熱媒を熱交換する複数の中間熱交換器と、複数の前記中間熱交換器に対応する第2の膨張弁と、を備えた熱交換ユニットと、
前記熱媒と室内気を熱交換する室内側熱交換器を備えた室内ユニットと、
前記中間熱交換器で冷却された前記熱媒および加熱された前記熱媒のいずれかを、前記室内側熱交換器に流入させる流路切換弁を備えたバルブユニットと、
各ユニットを制御する制御部を備えた制御ユニットと、を備え、
前記室外ユニット、前記熱交換ユニット、前記室内ユニット、および前記バルブユニットは、それぞれに分割してケーシングされ、
前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとは、前記室外側熱交換器で凝縮された凝縮液を前記熱交換ユニットにあるいは前記中間熱交換器で凝縮された凝縮液を前記室外ユニットにそれぞれ送る液管と、前記中間熱交換器で蒸発された冷媒を前記室外ユニットに送る吸入ガス管と、前記圧縮機で圧縮された吐出ガスを前記熱交換ユニットに送る吐出ガス管と、で接続され、
前記制御ユニットは、
前記吐出ガスを前記中間熱交換器に流入させることにより加熱運転を行い、
前記吐出ガスを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記第2の膨張弁を介して前記中間熱交換器に流入させることにより冷却運転を行い、
前記吐出ガスの一部を複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの残りを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記液管を通して前記中間熱交換器で凝縮した冷媒と混合し、当該混合した凝縮液を前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより冷却優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記吐出ガスを複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの一部を前記液管を通して前記室外側熱交換器へ流入させ蒸発し、前記凝縮液の残りを前記第2の膨張弁を介して他方の前記中間熱交換器に流入させ蒸発させることにより加熱優先の冷却加熱混在運転を行い、
前記熱交換ユニットは、前記中間熱交換器の下流側における前記熱媒の温度を検出する温度センサを有し、
前記制御ユニットは、冷却運転時および加熱運転時の運転モード毎の前記熱媒の目標温度の設定を記憶すると共に、前記温度センサの検出した前記熱媒の温度を取得し、当該取得した温度および前記目標温度に基づいて前記圧縮機の回転数を制御し、
前記運転モードは、第1モードと、前記第1モードより省電力で動作する第2モードとを有し、
前記冷却運転時の前記第2モードの前記目標温度は前記第1モードの前記目標温度より高く設定され、加熱運転時の前記第2モードの前記目標温度は前記第1モードの前記目標温度より低く設定され、
前記バルブユニットは、当該バルブユニットに接続する複数の前記室内ユニットとそれぞれ通信を行う通信手段を備え、
前記制御ユニットは、前記バルブユニットを介して複数の前記室内ユニットの運転状態を取得し、当該取得した複数の前記室内ユニットの運転状態に基づいて、前記運転モードを前記第1モードから前記第2モードに遷移させ
空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水などの熱媒を循環させて冷暖房を行う空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化係数(GWP)が高い一部のHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒の使用が問題視されており、欧州の改正Fガス法をはじめとして段階的にその使用が規制されている。このため、GWPの低い冷媒を使用する空気調和機の開発が進んでおり、家庭用および業務用空調機で主流であったR410Aは、R32に置き換えられている。
【0003】
その一方で、R32は微燃性(A2L)の冷媒であり、例えば冷媒充填量が多い可変冷媒流量(VRF)方式の空気調和機で使用する際には、室内に漏えいした場合の安全性を考慮する必要がある。このため、VRF方式の空気調和機では引き続きR410Aが使用されていたが、近年の研究開発により、熱媒として水を循環させて室内機個別に冷暖房を行う方式が提案されている。一例として、かかる方式の空気調和機では、室外ユニットと室内ユニットの間に中継ユニットが介在し、室外ユニットと中継ユニットが冷媒配管で接続され、中継ユニットと室内ユニットが水配管で接続される。中継ユニットでは、冷媒と熱媒とが熱交換される。したがって、冷媒配管が通るのは室外ユニットから中継ユニットまでであり、中継ユニットと室内ユニットの間は水配管が通る。これにより、室内での冷媒漏えいに対する安全性が担保され、R32のような微燃性冷媒の使用が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5236009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる空気調和機の中継ユニットでは、冷房運転が要求された室内ユニットには冷水、暖房運転が要求された室内ユニットには温水をそれぞれ循環させるように、流路切換弁で流路が適宜切り換えられる。空気調和機が冷却と加熱とを混在させたモードで運転(冷却加熱混在運転)される場合、室外ユニットは、室内ユニットの運転モードの設定要求の割合に応じて、次のような態様で運転される。例えば、室内ユニットに対する冷房要求の割合が過半数以上である場合、室外ユニットは冷却優先の冷却加熱混在運転を行う。これに対し、室内ユニットに対する暖房要求の割合が過半数以上である場合、室外ユニットは加熱優先の冷却加熱混在運転を行う。このように室外ユニットの運転モードを切り替える場合、室内ユニットの設定要求の割合の変動によっては、例えば夏季ならば冷房、冬季ならば暖房のように要求が多いと予想される運転モードの能力が低下するおそれがある。また、室外ユニットの運転モードの切換に伴ってサイクル状態のハンチングが生じるおそれもある。
【0006】
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その第1の目的は、要求の多いことが予想される運転モードの能力低下やサイクル状態のハンチングの発生を抑制可能な水循環式の空気調和機を提供することにある。
また、かかる空気調和機では、室外ユニットに備える圧縮機の回転数は中間熱交換器の熱媒下流側の熱媒温度に基づいて制御されている。このとき、中間熱交換器の目標熱媒温度は、室内ユニットの冷却能力または加熱能力が所定の能力を得られるよう一律に決定している。そのため、例えば、室内ユニット側の目標冷却能力が空気調和機の最小能力である場合、室内ユニット側の必要冷却能力に対し、室外ユニット圧縮機の回転数が過剰になり、必要以上のエネルギーを使用することになる。
【0007】
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その第2の目的は、エネルギーの省力化を図ることができる水循環式の空気調和機を提供することにある。
また、かかる空気調和機では、例えば、冬季に0℃を下回る環境で冷却加熱混在運転を行った場合、冷凍サイクル時の蒸発器の蒸発温度が室外交換器と同等の温度になるまで低下する懸念がある。これは、冬季に加熱優先の冷却加熱混在運転を実行した場合、室外熱交換器を蒸発器とするため、冷却用中間熱交換器を流れる冷媒の圧力が室外熱交換機側に引っ張られ、低下するからである。このとき、冷媒が水である場合、冷却用中間熱交換機で凍結が生じる事態も生じ得るため、当該凍結を防止する必要がある。
【0008】
また、かかる空気調和機では、室内ユニットごとに水が循環する。したがって、室内ユニットごとに水流量の差が生じないように、水の流路長さによる配管抵抗を考慮する必要がある。その対策として、例えば各室内ユニットへの流量制御弁を中継ユニットに配置することが挙げられるが、この場合、中継ユニットの筐体サイズやコストなどを増大させやすい。特に、ヒートリカバリーとして室外機の排熱を使用する場合、中継ユニット内にVRFに対応する能力の水熱交換器と流路切換弁、循環ポンプ、さらに流量調整弁まで収容する必要がある。その結果、中継ユニットの筐体サイズがさらに大きくなり、据付作業の人員増や設置スペースの確保などといった問題も生じ得る。
さらに、既述の空気調和機では、2つの熱交換器を用いて冷却専用運転もしくは加熱専用運転を行うことが可能になっているが、例えば、天井裏のような狭小のスペースに中継ユニットを備える場合には、中継ユニットの高さ方法のサイズが制限され、複数の小型の熱交換器を用いて冷却専用熱交換器や加熱専用熱交換器を構成する必要が生じる。この場合、中間熱交換器の単体のコストもさることながら、ロー付け部増加、部品点数増加により製造コストも増加することになる。
【0009】
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その第3の目的は、冷却用中間熱交換器の凍結を防止できる水循環式の空気調和機を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、製造コストを抑制することができる循環式の空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、空気調和機は、室外ユニットと、熱交換ユニットと、室内ユニットと、バルブユニットと、制御ユニットとを備える。前記室外ユニットは、冷媒を循環させる圧縮機と、室外側熱交換器と、第1の膨張弁と、を備える。前記熱交換ユニットは、冷媒と熱媒を熱交換する複数の中間熱交換器と、複数の前記中間熱交換器に対応する第2の膨張弁と、を備える。前記室内ユニットは、前記熱媒と室内気を熱交換する室内側熱交換器を備える。前記バルブユニットは、前記中間熱交換器で冷却された前記熱媒および加熱された前記熱媒のいずれかを、前記室内側熱交換器に流入させる流路切換弁を備える。前記制御ユニットは、各ユニットを制御する制御部を備える。前記室外ユニット、前記熱交換ユニット、前記室内ユニット、および前記バルブユニットは、それぞれに分割してケーシングされる。また、前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとは、前記室外側熱交換器で凝縮された凝縮液を前記熱交換ユニットにあるいは前記中間熱交換器で凝縮された凝縮液を前記室外ユニットにそれぞれ送る液管と、前記中間熱交換器で蒸発された冷媒を前記室外ユニットに送る吸入ガス管と、前記圧縮機で圧縮された吐出ガスを前記熱交換ユニットに送る吐出ガス管と、で接続される。
前記制御ユニットは、加熱運転、冷却運転、冷却優先の冷却加熱混在運転、加熱優先の冷却加熱混在運転のいずれかを行う。前記加熱運転において、前記制御ユニットは、吐出ガスを前記中間熱交換器に流入させる。前記冷却運転において、前記制御ユニットは、吐出ガスを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記第2の膨張弁を介して前記中間熱交換器に流入させる。前記冷却優先の冷却加熱混在運転において、前記制御ユニットは、吐出ガスの一部を複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの残りを前記室外側熱交換器で凝縮させ、当該凝縮させた凝縮液を前記液管を通して前記中間熱交換器で凝縮した冷媒と混合し、当該混合した凝縮液を前記第2の膨張弁を介して他の中間熱交換器に流入させ蒸発させる。前記加熱優先の冷却加熱混在運転において、前記制御ユニットは、吐出ガスを複数の前記中間熱交換器の一方に流入させ凝縮し、前記吐出ガスの一部を前記液管を通して前記室外側熱交換器へ流入させ蒸発し、前記凝縮液の残りを前記第2の膨張弁を介して他方の中間熱交換器に流入させ蒸発させる。
前記室外ユニットと前記熱交換ユニットとを接続する配管の配管径は、前記吸入ガス管>前記吐出ガス管>前記液管の関係が成立する。
複数の前記中間熱交換器は、少なくとも一つが冷却運転時に前記冷媒を冷却する冷却用中間熱交換器であり、残りが加熱運転時に前記冷媒を加熱する加熱用中間熱交換器である。前記吐出ガス管は、前記加熱用中間熱交換器に接続される。前記吸入ガス管は、前記冷却用中間熱交換器に接続される。前記液管は、前記加熱用中間熱交換器、および前記冷却用中間熱交換器に接続される。
前記熱交換ユニット内には、第3の膨張弁が備えられる。前記第3の膨張弁は、前記吸入ガス管と前記冷却用中間熱交換器との間に備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。
図2】第1の実施形態に係る空気調和機の配管系統を概略的に示す図である。
図3】第1の実施形態に係る空気調和機の各ユニットの設置例を概略的に示す図である。
図4A】第1の実施形態に係る空気調和機の冷却加熱混在運転時における熱源側冷凍サイクルの配管系統を概略的に示す図である。
図4B】第1の実施形態に係る空気調和機の冷却加熱混在運転時における熱源側冷凍サイクルのモリエル線図である。
図5】第1の実施形態に係る冷媒密度(kg/m)、比率(%)、冷媒流速(m/s)、(冷媒流速)、比率(%)、および圧縮比率と、吐出ガス管、液管、吸入ガス管との関係を示す図である。
図6A】第1の変形例に係る空気調和機の配管系統を概略的に示す図である。
図6B】第2の変形例に係る空気調和機の配管系統を概略的に示す図である。
図7】第1の実施形態に係る空気調和機における室外ユニットの運転モード選択処理を示す制御フローである。
図8】第1の実施形態に係る空気調和機における室外ユニットの夏季運転モード選択処理を示す制御フロー図である。
図9】第1の実施形態に係る空気調和機における室外ユニットの冬季運転モード選択処理を示す制御フロー図である。
図10】第1の実施形態に係る空気調和機における室外ユニットの中間期運転モード選択処理を示す制御フロー図である。
図11】第1の実施形態に係る空気調和機における室内ユニットに対する冷房要求と暖房要求の割合の時間変化の一例を示す図である。
図12A】第1の実施形態に係る空気調和機において、図11に示すように冷房要求と暖房要求の割合が変化する場合、外気温度に応じた室外ユニットの運転モードの中間期における変化の一例を図である。
図12B】第1の実施形態に係る空気調和機において、図11に示すように冷房要求と暖房要求の割合が変化する場合、外気温度に応じた室外ユニットの運転モードの夏季における変化の一例を図である。
図12C】第1の実施形態に係る空気調和機において、図11に示すように冷房要求と暖房要求の割合が変化する場合、外気温度に応じた室外ユニットの運転モードの冬季における変化の一例を図である。
図13】第2の実施形態に係る冷却運転時と、加熱運転時とにおける、運転モードと、熱媒の目標温度との関係を示す図である。
図14】第2の実施形態に係る当該運転モードの切り替え処理の一例を示す制御フロー図である。
図15】第3の変形例に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。
図16】第3の実施形態に係る冷却用中間熱交換器の設置例を示す図である。
図17】第3の実施形態に係る加熱用中間熱交換器の設置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。図2は、本実施形態に係る空気調和機の配管系統を概略的に示す図である。図3は、本実施形態に係る空気調和機の各ユニットの設置例を概略的に示すである。
図1図2図3に示すように、空気調和機1は、室外ユニット2と、熱交換ユニット3と、バルブユニット4と、室内ユニット5とを備えている。これらは、ユニットごとに分割してケーシングされ、ユニット間は所定の配管6~9を介して接続されている。これらのユニットのうち、例えば室外ユニット2は建屋Bの屋上RF、熱交換ユニット3、バルブユニット4、および室内ユニット5は建屋Bの各階1F,2Fの天井空間CSなどにそれぞれ設置される。天井空間CSは、建屋Bの天井裏の梁と天井板との間などに規定された空間である。なお、図1図2図3は、空気調和機1を模式的に示しており、ユニット数や配管数は、図示態様から適宜増減可能である。
【0013】
これらユニット2,3,4,5は、後述する各々の構成部材の動作を制御する制御部20,30,40,50をそれぞれ備えている。これらの制御部20,30,40,50は、空気調和機1の制御ユニットを構成し、それぞれがCPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含み、所定の演算処理を実行する。例えば、各制御部20,30,40,50は、各種データを入出力回路により読み込み、記憶装置からメモリに読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいて各々のユニット構成部材の動作制御を行う。その際、制御部20,30,40,50は、それぞれのユニット構成部材との間および制御部相互間で、制御信号を有線もしくは無線を介して送受信する。
【0014】
本実施形態では、室外ユニット2にコントロールパネル100が接続されている。コントロールパネル100は、複数のスイッチ、ボタン、ダイヤル等を含み、これらを管理者(ユーザ)が操作することにより、空気調和機の動作を設定、調整することが可能になっている。本実施形態では、空気調和機1の運転モードは、管理者がコントロールパネル100を操作することにより変更できるようになっている。
【0015】
また、熱交換ユニット3の制御部30は、冷却運転時および加熱運転時の運転モード毎の熱媒の目標温度の設定を記憶し、後述する温度センサ3dにより熱媒の温度を取得する。室外ユニット2の制御部20は、温度センサ3dにより取得した熱媒の温度、および設定されている目標温度に基づいて圧縮機2aの回転数を制御する。目標温度の設定については図4を参照して、当該制御(運転モードの切替処理)については図5を参照してそれぞれ後述する。空気調和機1の冷却運転時および加熱運転時の運転モードとしては、第1モード(通常運転モードともいう)と、第1モードより省電力で運転を行う第2モード(以下、省エネ運転モードともいう)の2つを有している。
【0016】
室外ユニット2および熱交換ユニット3は、空気調和機1において冷媒を循環させる熱源側冷凍サイクルを構成する。また、熱交換ユニット3、バルブユニット4、および室内ユニット5は、空気調和機1における熱媒循環サイクルを構成する。
室外ユニット2と熱交換ユニット3は、配管(以下、冷媒配管という)6で接続されている。冷媒配管6は、液管6a、吸入ガス管6b、吐出ガス管6cを含む。
【0017】
室外ユニット2は、主たる要素として、圧縮機2a、逆止弁2b、オイルセパレータ2c、四方弁2d、室外側熱交換器2e、膨張弁2f、リキッドタンク2g、室外ユニットファン2h、アキュムレータ2i、開閉弁2j,2k、および外気温度センサ2lを備えている。室外ユニットファン2hおよび外気温度センサ2l以外は、筐体21内で配管接続され、熱交換ユニット3との間で循環する冷媒流路にそれぞれ配置される。室外ユニットファン2hは、室外側熱交換器2eに隣接して筐体21の壁部に配置される。筐体21は、室外ユニット2の外郭を規定する。
【0018】
熱交換ユニット3は、主たる要素として、膨張弁3a,31a,32a,33a、中間熱交換器3b,31b,32b、開閉弁3c、および温度センサ3d,31d,32dを筐体31にそれぞれ収容して構成されている。筐体31は、熱交換ユニット3の外郭を規定する。膨張弁31a,32aは、室外ユニット2が備える膨張弁2f(第1の膨張弁)に対する第2の膨張弁に相当し、膨張弁33aは、膨張弁2fに対する第3の膨張弁に相当する。中間熱交換器3bは、冷媒と熱媒を熱交換する。本実施形態において、熱交換ユニット3は複数の中間熱交換器3bを備えており、そのうちの少なくとも一つは冷媒により熱媒を冷却し、それ以外は冷媒により熱媒を加熱する。冷媒は、例えばR410AやR407Cに比べて地球温暖化係数(GWP)が低いR32である。熱媒は、一例として水であるが、不凍液であってもよい。温度センサ3dは、中間熱交換器3bの下流側に設けられており、中間熱交換器3bから流出する熱媒の温度を検出する。このように検出された温度は、制御部20に送信される。
【0019】
熱交換ユニット3が冷却用中間熱交換器31bと加熱用中間熱交換器32bを備えることで、空気調和機1は、冷却運転もしくは加熱運転のいずれか一方、あるいは双方の同時運転が可能とされている。
これら室外ユニット2および熱交換ユニット3により構成される熱源側冷凍サイクルについて、空気調和機1の冷却運転時、加熱運転時、冷却加熱混在運転時における動作態様をそれぞれ説明する。以下に説明するこれらの運転時、室外ユニット2および熱交換ユニット3においては、バルブユニット4および室内ユニット5の制御部40,50と制御部20,30が制御信号を適宜送受信し、各ユニット2,3の構成部材を動作させる。
【0020】
冷却運転時、室外ユニット2および熱交換ユニット3は、次のようにそれぞれ動作する。この時、室外ユニット2において、圧縮機2aは、吸込口21aからガス冷媒を吸い込み、吸い込んだガス冷媒を圧縮して吐出口22aから吐出する。圧縮機2aは、冷媒を圧縮して高温高圧の状態にする装置であり、例えば容量制御可能なインバータ圧縮機などである。吐出されたガス冷媒(吐出ガス)は、逆止弁2bを通り、オイルセパレータ2cで潤滑油分が分離されて室外側熱交換器2eに流入する。その際、ガス冷媒の一部は、四方弁2dで分岐されて室外側熱交換器2eに流入する。流入したガス冷媒は、室外側熱交換器2eで外気に放熱して凝縮、液化される。室外側熱交換器2eは、冷媒と外気との間で熱交換を行い、冷却運転時には凝縮器として機能する。液化された冷媒(凝縮液)は、膨張弁2fで減圧されてリキッドタンク2gに貯留され、液管6aを通って熱交換ユニット3に供給される。室外ユニットファン2hは、筐体21内に外気を吸い込んで室外側熱交換器2eに流入させた後、筐体21外に排出する。
【0021】
熱交換ユニット3において、供給された液冷媒(凝縮液)は、冷却用膨張弁31aで膨張されて冷却用中間熱交換器31bに流入する。流入した液冷媒は、冷却用中間熱交換器31bで熱媒から吸熱して蒸発、気化される。気化された冷媒(蒸発ガス)は、圧力制御用の膨張弁33a、吸入ガス管6bを通って室外ユニット2に戻される。蒸発ガスは、冷却用中間熱交換器31bを通過して蒸発過程を経た冷媒として規定される。蒸発ガスには、例えば冷媒が完全に蒸発しておらず、乾き度1.0以下で液冷媒を含んだ冷媒も含まれる。圧力制御用の膨張弁33aは、冷却用中間熱交換器31bの蒸発温度を制御し、熱媒である水の凍結を回避する。
【0022】
室外ユニット2に戻された蒸発ガスは、アキュムレータ2iでガス冷媒と液冷媒とに分離される。分離されたガス冷媒は、吸込口21aから圧縮機2aに吸い込まれ、再び圧縮される。一方、分離された液冷媒は、アキュムレータ2iに貯留される。
【0023】
これに対し、加熱運転時、室外ユニット2および熱交換ユニット3は、次のようにそれぞれ動作する。この時、室外ユニット2において、圧縮機2aから吐出されたガス冷媒は、冷却運転時と同様に、逆止弁2bを通り、オイルセパレータ2cで潤滑油分が分離される。その際、開閉弁2jが開き、ガス冷媒(吐出ガス)は、吐出ガス管6cを通って熱交換ユニット3に供給される。
【0024】
熱交換ユニット3においては、開閉弁3cが開き、供給されたガス冷媒が加熱用中間熱交換器32bで熱媒に放熱して凝縮、液化される。液化された冷媒(凝縮液)は、加熱用膨張弁32aで膨張され、液管6aを通って室外ユニット2に戻される。
【0025】
その際、開閉弁2kが開き、室外ユニット2に戻された液冷媒(凝縮液)は、リキッドタンク2gを経由し、膨張弁2fで膨張されて室外側熱交換器2eに流入する。流入した液冷媒は、室外側熱交換器2eで外気から吸熱して蒸発、気化される。加熱運転時、室外側熱交換器2eは、蒸発器として機能する。その際、室外ユニットファン2hは、筐体21内に外気を吸い込んで室外側熱交換器2eに流入させた後、筐体21外に排出する。気化された冷媒(蒸発ガス)は、四方弁2d、アキュムレータ2iを通って吸込口21aから圧縮機2aに吸い込まれ、再び圧縮される。
【0026】
そして、冷却および加熱の混在運転時、室外ユニット2および熱交換ユニット3は、次のようにそれぞれ動作する。この時、室外ユニット2において、圧縮機2aから吐出されたガス冷媒(吐出ガス)は、加熱運転時と同様に、吐出ガス管6cを通って熱交換ユニット3に供給される。熱交換ユニット3において、供給されたガス冷媒は、加熱運転時と同様に、加熱用中間熱交換器32bで熱媒に放熱して凝縮、液化される。液化された冷媒(凝縮液)は、加熱用膨張弁32aおよび冷却用膨張弁31aでそれぞれ膨張され、冷却用中間熱交換器31bに流入する。流入した液冷媒(凝縮液)は、冷却用中間熱交換器31bで熱媒から吸熱して蒸発、気化される。
【0027】
この時、加熱よりも冷却が優先される場合、室外ユニット2から熱交換ユニット3へ液冷媒(凝縮液)が供給されるように流路が切り換えられる。一方、冷却よりも加熱が優先される場合、熱交換ユニット3から室外ユニット2へ液冷媒(凝縮液)が供給されるように流路が切り換えられる。例えば、開閉弁2j,2k,3cが開閉するとともに、四方弁2dで流路が変更されることで、液管6aを通る液冷媒の供給方向が切り換わる。開閉弁2j,2k,3cが閉じた場合、液冷媒は室外ユニット2から四方弁2dを通って熱交換ユニット3へ供給される。開閉弁2j,2k,3cが開いた場合、液冷媒は熱交換ユニット3から四方弁2dを通って室外ユニット2へ供給される。
【0028】
熱交換ユニット3、バルブユニット4、および室内ユニット5は、空気調和機1における熱媒循環サイクルを構成する。
【0029】
バルブユニット4は、熱交換ユニット3と室内ユニット5との間に介在している。バルブユニット4は、熱媒配管7,8で熱交換ユニット3とそれぞれ接続されている。
【0030】
熱媒配管7は、冷却用中間熱交換器31bで冷却された熱媒(以下、冷却熱媒という)の流路を構成する。熱媒配管7は、冷却用熱媒供給管7a、冷却用熱媒還流管7bを含む。冷却用熱媒供給管7aは、冷却熱媒を熱交換ユニット3からバルブユニット4に供給する流路である。冷却用熱媒還流管7bは、冷却熱媒をバルブユニット4から熱交換ユニット3に還流する流路である。
【0031】
熱媒配管8は、加熱用中間熱交換器32bで加熱された熱媒(以下、加熱熱媒という)の流路を構成する。熱媒配管8は、加熱用熱媒供給管8a、加熱用熱媒還流管8bを含む。加熱用熱媒供給管8aは、加熱熱媒を熱交換ユニット3からバルブユニット4に供給する流路である。加熱用熱媒還流管8bは、加熱熱媒をバルブユニット4から熱交換ユニット3に還流する流路である。
【0032】
また、バルブユニット4は、分配管9で室内ユニット5と接続されている。分配管9は、熱媒を室内ユニット5に供給する往水管9aと、熱媒をバルブユニット4に戻す還水管9bを含む。往水管9aは、冷却用熱媒供給管7aから供給される冷却熱媒、および加熱用熱媒供給管8aから供給される加熱熱媒を室内ユニット5に供給する流路を構成する。還水管9bは、冷却熱媒および加熱熱媒をバルブユニット4に戻す流路を構成する。
【0033】
これにより、冷却熱媒および加熱熱媒は、熱交換ユニット3と室内ユニット5との間を、バルブユニット4を経由してそれぞれ循環する。図2に示す構成例では、冷却用熱媒供給管7aおよび加熱用熱媒供給管8aがいずれも四つの往水管9aにそれぞれ分岐され、冷却熱媒および加熱熱媒は、それぞれ四つの室内ユニット5に分配される。分配された冷却熱媒および加熱熱媒は、四つの還水管9bからそれぞれバルブユニット4に戻され、冷却用熱媒還流管7bもしくは加熱用熱媒還流管8bを通って熱交換ユニット3との間で循環する。
【0034】
したがって、熱媒配管7,8と分配管9では、配管径が異なる。本実施形態では一例として、冷却用熱媒供給管7aと冷却用熱媒還流管7bの配管径は、往水管9aの配管径よりも大きい。また、加熱用熱媒供給管8aと加熱用熱媒還流管8bの配管径は、還水管9bの配管径よりも大きい。これにより、熱媒配管7,8と分配管9との間で、熱媒をスムーズかつ安定して循環させることができる。
【0035】
また、熱媒配管7,8の配管径は、室内ユニット5の合計接続容量に応じて異ならせればよい。室内ユニット5は、その容量(能力)ごとに設計流量が異なるため、それぞれの容量で定格流量が求まる。仮に0.5HP~5HPまでの室内ユニットをラインナップした場合、その定格流量はそれぞれ異なり、循環ポンプ5aも3ラインナップ程度が必要と考えられる。本実施形態では、熱媒循環サイクルが密閉回路である場合を想定しているが、異物の混入や水漏れ等によるエアの侵入を考慮し、配管流速を適切な値とする。このため、室内ユニット5の合計接続容量に応じて、熱媒配管7,8の配管径を異ならせる。
【0036】
バルブユニット4は、主たる要素として、流路切換弁4aを筐体41に収容して構成されている。流路切換弁4aは、冷却熱媒および加熱熱媒のいずれかを室内ユニット5の室内側熱交換器5bに流入させるバルブであり、往水弁41a、還水弁42aを含む。往水弁41aおよび還水弁42aは、制御部40によって開閉される三方弁であり、詳細については後述する。筐体41は、バルブユニット4の外郭を規定する。
【0037】
室内ユニット5は、主たる要素として、循環ポンプ5a、室内側熱交換器5b、室内ユニットファン5c、情報取得部5dを備えている。循環ポンプ5a、室内側熱交換器5bは、筐体51内で配管接続され、バルブユニット4を経由して熱交換ユニット3との間で循環する熱媒流路にそれぞれ配置される。室内ユニットファン5cおよび情報取得部5dは、筐体51の壁部に隣接して配置される。筐体51は、室内ユニット5の外郭を規定する。循環ポンプ5aは、熱媒流路で熱媒を循環させる。
【0038】
情報取得部5dは、室内ユニット5とユーザとの間で情報のやり取りを行うインターフェース部であり、例えば操作用のパネル、スイッチ、ボタン、表示用のディスプレイなどである。情報取得部5dは、例えば室内ユニット5の運転開始、冷房運転と暖房運転のモード選択、室内温度の設定などの情報(データ)を取得し、取得した情報を制御部50に付与する。
【0039】
これら熱交換ユニット3、バルブユニット4、および室内ユニット5により構成される熱媒循環サイクルについて、次に説明する。
熱媒循環サイクルにおいて、バルブユニット4には、熱交換ユニット3の冷却用中間熱交換器31bで冷媒に放熱して冷却された熱媒(冷却熱媒)が冷却用熱媒供給管7aから供給される。また、加熱用中間熱交換器32bで冷媒から吸熱して加熱された熱媒(加熱熱媒)が加熱用熱媒供給管8aから供給される。供給された冷却熱媒および加熱熱媒は、往水弁41aを通って往水管9aから室内ユニット5に供給される。往水弁41aは、冷却熱媒もしくは加熱熱媒のいずれかを室内ユニット5に供給する。具体的には、冷房運転を行う室内ユニット5に対し、往水弁41aは、冷却用熱媒供給管7aに繋がるようにバルブユニット4の流路を切り換え、冷却熱媒を供給する。一方、暖房運転を行う室内ユニット5に対し、往水弁41aは、加熱用熱媒供給管8aに繋がるようにバルブユニット4の流路を切り換え、加熱熱媒を供給する。室内ユニット5における冷房運転と暖房運転は、例えば情報取得部5dが取得したユーザによる運転モードの選択などに応じて、制御部50が切り換える。
【0040】
また、室内ユニット5から戻された熱媒は、還水管9bから還水弁42aを通ってバルブユニット4に戻される。還水弁42aは、同一流路上の往水弁41aと対応して動作し、室内ユニット5に供給された熱媒をバルブユニット4に戻す。具体的には、冷房運転を行う室内ユニット5から戻された熱媒を冷却用熱媒還流管7bへ導くように、還水弁42aは、バルブユニット4の流路を切り換える。冷却用熱媒還流管7bへ導かれた熱媒は、冷却用中間熱交換器31bで冷媒に放熱して再び冷却される。一方、還水弁42aは、暖房運転を行う室内ユニット5から戻された熱媒を加熱用熱媒還流管8bへ導くように、バルブユニット4の流路を切り換える。加熱用熱媒還流管8bへ導かれた熱媒は、加熱用中間熱交換器32bで冷媒から吸熱して再び加熱される。
【0041】
室内ユニット5において、循環ポンプ5aは、室内ユニット5の運転もしくは停止に対応して動作し、冷却熱媒もしくは加熱熱媒を吸入して室内側熱交換器5bに吐出する。循環ポンプ5aは、回転数を増減可能なインバータ式のポンプであり、例えば熱媒の出口温度(室内側熱交換器5bの出口水温)に基づいて回転数を増減させる。室内側熱交換器5bは、室内気を熱媒との間で熱交換し、温度調整する。室内ユニットファン5cは、筐体51内に室内気を吸い込んで室内側熱交換器5bに流入させた後、温調された空気を筐体51から空調対象空間に向けて吹き出す。室内ユニットファン5cは、冷房または暖房の運転開始要求とほぼ同時に回転し、運転停止要求とほぼ同時に停止する。循環ポンプ5aと室内ユニットファン5cを停止する順番は、どちらが先でも構わない。一例として、室内温度のセンシングという観点においては、サーモオフ時にまず循環ポンプ5aを停止させ、室内ユニットファン5cの回転を継続させることが望ましい。
【0042】
本実施形態において、空気調和機1、具体的には室外ユニット2は、冷却運転、加熱運転、冷却優先の冷却加熱混在運転、加熱優先の冷却加熱混在運転のいずれかの運転モードで運転される。これらの運転モードは、例えば、外気温度センサ2lが検出した外気温度に基づいて制御部20によって選択されるようにしてもよいし、室外ユニット2のコントロールパネル100からの指示に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0043】
冷却運転は、圧縮機2aの吐出ガスが室外側熱交換器2eで凝縮され、その凝縮液が冷却用膨張弁31aを介して冷却用中間熱交換器31bに流入する運転モードである。
加熱運転は、圧縮機2aの吐出ガスが加熱用中間熱交換器32bに流入する運転モードである。
【0044】
冷却優先の冷却加熱混在運転は、冷却運転と加熱運転とが混在して実行されるが、冷却運転が優先して適宜実行される運転モードである。冷却優先の冷却加熱混在運転では、圧縮機2aの吐出ガスの一部が加熱用中間熱交換器32bに流入して凝縮され、吐出ガスの残りが室外側熱交換器2eで凝縮される。双方の凝縮液は混合され、混合された凝縮液は、冷却用膨張弁31aを介して冷却用中間熱交換器31bに流入して蒸発される。
【0045】
加熱優先の冷却加熱混在運転は、冷却運転と加熱運転とが混在して実行されるが、加熱運転が優先して適宜実行される運転モードである。加熱優先の冷却加熱混在運転では、圧縮機2aの吐出ガスが加熱用中間熱交換器32bに流入して凝縮される。その凝縮液の一部は、液管6aを通って室外側熱交換器2eに流入して蒸発される。凝縮液の残りは、加熱用膨張弁32aおよび冷却用膨張弁31aを介して冷却用中間熱交換器31bに流入して蒸発される。
【0046】
図4Aおよび図4Bには、これら冷却加熱混在運転時における熱源側冷凍サイクルを示す。図4Aは、熱源側冷凍サイクルの配管系統を概略的に示す図であり、図4Bは該熱源側冷凍サイクルのモリエル線図である。図4Bにおいて、P1からP2では圧縮機2a、P2からP3では室外側熱交換器2e(凝縮器)、P3aからP4では冷却用膨張弁31a、P4からP5では冷却用中間熱交換器31b、P5からP1では圧力制御用膨張弁33aでの冷媒の状態変化をそれぞれ示す。また、図4Bにおいて、P3bからP6では加熱用膨張弁32aおよび膨張弁2f、P6からP7(P1)では室外側熱交換器2e(蒸発器)での冷媒の状態変化をそれぞれ示す。図4Bにおける白抜き点で示すP1からP7は、図4Aに示す配管系統の各点に対応する。図4Bに示すL41は飽和液線、L42は飽和蒸気線である。
【0047】
かかる空気調和機1の配管6の配管径について説明する。
まず、一般的に、冷媒の圧力損失dPは、以下の(1)式および(2)式で求めることができる。
【0048】
【数1】
【0049】
【数2】
【0050】
ここで、dPは圧力損失、dHは総損失ヘッド、gは重力加速度、ρは流体密度、λは管摩擦係数、lは管長さ、dは管内径、νは管内平均流速である。また、
【0051】
【数3】
は、摩擦以外の諸損失に対する係数である。
上記(1)式、(2)式から分かるように、配管径dが固定である場合、圧力損失dPに影響を及ぼすのは管摩擦係数λ、流体密度ρ、および管内平均流速νの影響が大きくなる。
ここで、本実施形態において、配管径dを固定した場合の吐出ガス管6c、液管6a、吸入ガス管6bの冷媒密度、および冷媒流速の一例をあげると、図5のテーブルT1の通りになる。なお、圧損比率は、冷媒密度×(冷媒流速)の比率である。
【0052】
図5には、冷媒密度(kg/m)、比率(%)、冷媒流速(m/s)、(冷媒流速)、比率(%)、および圧縮比率と、吐出ガス管、液管、吸入ガス管との関係を示す。図5に示すように、冷媒密度は、吐出ガス管“94.2”、液管“980.4”、吸入ガス管“34.6”であり、比率は、吐出ガス管“100”、液管“1041”、吸入ガス管“37”である。また、冷媒流速は、吐出ガス管“23.3”、液管“2.2”、吸入ガス管“63.4”であり、圧力損失は、吐出ガス管“542.4”、液管“5.0”、吸入ガス管“4025.7”であり、比率は、吐出ガス管“100、”、液管“10”、吸入ガス管“272”である。
【0053】
圧損比率では、液管の値が最も小さく、吸入ガス管6bの値が最も大きい。すなわち、圧損係数を同等とするには、吸入ガス管6b、吐出ガス管6c、および液管6aの配管径dを吸入ガス管6b>吐出ガス管6c>液管6aとする必要がある。このように、空気調和機1の配管径dを構成することで、空気調和機1を効率の良いシステムとすることができる。
【0054】
図4Aにおいて、加熱負荷が多い場合、室外側熱交換器2eは蒸発器として動作する必要がある。このため、例えば、冬場に外気温が0℃になった場合、室外側熱交換器2eは外気より熱を吸収するため、室外側熱交換器2eの蒸発温度は-10℃前後の温度になる。
【0055】
ここで、仮に、空気調和機1が図4Aにおける膨張弁(中間圧制御用膨張弁)33aを有しない場合、冷却用中間熱交換器31bの蒸発温度は室外側熱交換器2eと略同じ温度になる。このため、熱媒として水を用いると、冷却用中間熱交換器31bが凍結し、破裂する可能性がある(実際は、配管圧力損失の分、冷却用中間熱交換器の蒸発温度の方が少し高くなる)。
【0056】
このため、図6Aに示す第1の変形例に係る空気調和機1aにおいては、膨張弁33aに加えて、温度センサ34が備えられている。温度センサ34は、中間熱交換器31bに流入する冷媒の温度を検出する。膨張弁33aの開閉制御は、温度センサ34により検出された温度に基づいて制御部30により実行される。これにより、温度センサ34の検出温度に基づいて冷却用の中間熱交換器31bの蒸発温度が制御される。
一般的に、中間熱交換器には、プレートを積層して構成されるプレート式熱交換器を使用することが望ましいが、蒸発器として使用するプレート式熱交換器は、冷媒入口に分流機構を備えて圧損が生じる場合もある。これに対して、第1の変形例の空気調和機1aは、温度センサ34の検出温度に基づいて、冷却用中間熱交換器31bの蒸発温度を制御することができるため、凍結による冷却用中間熱交換器31bの破裂のリスクを抑制することができる。
【0057】
また、第1の変形例(図6A)では、冷却用中間熱交換器31bの入口に設置された温度センサ34により検出される温度に基づいて、膨張弁33aの開閉を制御する場合で説明したが、膨張弁33aの開閉制御は、これに限るものではない。例えば、図6Bに示す第2の変形例に係る空気調和機1bのように、温度センサ34に代えて冷却用中間熱交換器31bの出口に圧力センサ35を設け、圧力センサ35の検出する圧力に基づいて、制御部30が膨張弁33aの開閉を制御するようにしてもよい。より具体的には、制御部30は、圧力センサ35が検出した圧力値を飽和温度に換算し、その換算した飽和温度に基づいて、膨張弁33aの開閉を制御するようにしてもよい。このように構成しても温度センサ34を設けた場合と同様に、凍結による冷却用中間熱交換器31bの破裂のリスクを抑制することができる。
なお、図6Aに示す空気調和機1aおよび図6Bに示す空気調和機1bの基本的な構成は、上述した第1の実施形態に係る空気調和機1の構成と同等である。したがって、空気調和機1と同等の構成については、図面上で同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
次に、外気温度に基づいたこれらの運転モードの選択制御(運転モード選択処理)の一例について、制御部20の制御フローに従って説明する。図7には、室外ユニット2の運転モード選択処理(S0)における制御部20の制御フローを示す。
【0059】
図7に示すように、運転モード選択処理(S0)において、空気調和機1は、各ユニット2,3,4,5の制御部20,30,40,50が連動することで、その運転が開始される(S01)。例えば、制御部20は室外ユニット2、制御部30は熱交換ユニット3、制御部40はバルブユニット4、制御部50は室内ユニット5の動作をそれぞれ開始させる。なお、空気調和機1が運転されていることは、運転モード選択処理(S0)の前提条件である。この状態をトリガーとして、制御部20は、運転モード選択処理(S0)を実行すればよい。したがって、空気調和機1が運転されていない場合、運転モード選択処理(S0)は実行されない。
【0060】
空気調和機1が運転された状態で、制御部20は、外気温度センサ2lに外気温度(TO)を検出させる(S02)。外気温度(TO)は、空調対象空間外の温度であり、一例として室外ユニット2の雰囲気温度である。外気温度センサ2lは、検出データ(TOの検出値)を制御部20に送信する。
【0061】
検出データが送信されると、制御部20は、夏季条件および冬季条件を判定する。夏季条件は、外気温度(TO)が所定の規定温度(TH)以上であるか否かの判定条件である。冬季条件は、外気温度(TO)が所定の規定温度(TL)以下であるか否かの判定条件である。TH,TLは、外気温度(TO)の範囲を規定する温度(閾値温度)であり、THは第1の規定温度、TLはTHよりも小さな値の第2の規定温度である。一例として、THは28℃程度、TLは18℃程度とするが、任意に設定可能でありこれらに限定されない。第1の規定温度(TH)および第2の規定温度(TL)の値は、例えば制御部20の記憶装置に格納され、夏季条件もしくは冬季条件の判定時にパラメータとしてメモリに読み出される。
【0062】
本例ではまず、制御部20は、夏季条件(TO≧TH)を判定する(S03)。夏季条件の判定にあたって、制御部20は、外気温度(TO)の値を第1の規定温度(TH)の値と比較する。
【0063】
夏季条件を満たす場合、制御部20は、室外ユニット2の夏季運転モード選択処理(S1)を実行する(S04)。夏季運転モード選択処理(S1)は、夏季において、室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合に応じて、室外ユニット2の運転モードを選択する(切り換える)処理である。詳細については後述する。
【0064】
これに対し、S03において夏季条件を満たさない場合、制御部20は、冬季条件(TO≦TL)を判定する(S05)。冬季条件の判定にあたって、制御部20は、外気温度(TO)の値を第2の規定温度(TL)の値と比較する。
【0065】
冬季条件を満たす場合、制御部20は、室外ユニット2の冬季運転モード選択処理(S2)を実行する(S06)。冬季運転モード選択処理(S2)は、冬季において、室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合に応じて、室外ユニット2の運転モードを選択する(切り換える)処理である。詳細については後述する。
【0066】
これに対し、S05において冬季条件を満たさない場合、制御部20は、中間期運転モード選択処理(S3)を実行する(S07)。中間期運転モード選択処理(S3)は、夏季および冬季以外(TL<TO<TH)において、室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合に応じて、室外ユニット2の運転モードを選択する(切り換える)処理である。詳細については後述する。
【0067】
制御部20は、このように外気温度に応じて、夏季運転モード選択処理(S1)、冬季運転モード選択処理(S2)、および中間期運転モード選択処理(S3)のいずれかを実行する。そして、これら選択処理(S1,S2,S3)の終了により、運転モード選択処理(S0)は終了する。次に、各選択処理(S1,S2,S3)について説明する。
【0068】
図8には、夏季運転モード選択処理(S1)における制御部20の制御フローを示す。図8に示すように、制御部20は、室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合(以下、冷暖房要求割合という)を算出する(S101)。算出にあたって、制御部20は、各室内ユニット5における運転モードの要求(冷房要求もしくは暖房要求)の情報(データ)を該室内ユニット5の制御部50から取得する。冷房要求および暖房要求は、例えば情報取得部5dの操作パネルからユーザによって選択された運転モードに応じて設定され、その信号が制御部50に送信される。
【0069】
冷暖房要求割合を算出すると、制御部20は、冷暖房要求割合を所定の閾値と比較し、その結果に応じて次のように室外ユニット2の運転モードを選択し、適宜切り換える。所定の閾値として、0(%)および100(%)の他、本実施形態では2つの閾値(A1,A2)を用いる。A1は、室内ユニット5に対する冷房要求および暖房要求の割合の第1の閾値である。例えば、第1の閾値は過半数、一例として51%程度である。A2は、室内ユニット5に対する暖房要求の割合の第2の閾値である。換言すれば、100-A2は、室内ユニット5に対する冷房要求の割合の第2の閾値でもある。A2は、A1よりも大きく100%よりも小さな任意の値であり、例えば90%から70%の範囲内、一例として75%程度である。
【0070】
制御部20は、暖房要求の割合がゼロ、つまり冷房要求の割合が100%であるか否かを判定する(S102)。
【0071】
暖房要求の割合がゼロである場合、制御部20は、室外ユニット2を冷却運転させる(S103)。
これに対し、暖房要求の割合がゼロでない場合、制御部20は、暖房要求の割合が第1の閾値未満であるか否かを判定する(S104)。
【0072】
暖房要求の割合が第1の閾値未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を冷却優先の冷却加熱混在運転させる(S105)。
これに対し、暖房要求の割合が第1の閾値以上である場合、制御部20は、暖房要求の割合が第2の閾値未満であるか否かを判定する(S106)。
【0073】
暖房要求の割合が第2の閾値未満である場合、制御部20は、その間の室内ユニット5に対する暖房要求を保留する(S107)。
そして、室外ユニット2を冷却優先の冷却加熱混在運転させる(S105)。したがって、室外ユニット2が冷却優先の冷却加熱混在運転している場合には、該混在運転が継続される。すなわちこの場合、室外ユニット2の運転モードは、切り換わることなく冷却優先の冷却加熱混在運転のまま維持される。
これに対し、暖房要求の割合が第2の閾値以上である場合、制御部20は、暖房要求の割合が100%未満であるか否かを判定する(S108)。
【0074】
暖房要求の割合が100%未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱優先の冷却加熱混在運転させる(S109)。したがって、室外ユニット2が冷却優先の冷却加熱混在運転している場合、制御部20は、暖房要求の保留(S107)を解除し、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換える。
これに対し、暖房要求の割合が100%である場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱運転させる(S110)。
【0075】
制御部20は、空気調和機1が運転されている間、このような室外ユニット2に対する夏季運転モード選択処理を繰り返す(S111)。これにより、室外ユニット2は、冷暖房要求割合に応じて運転モードが選択され、適宜切り換えられる。
【0076】
そして、空気調和機1が運転停止されると、制御部20は、夏季運転モード選択処理を終了する。
【0077】
図9には、冬季運転モード選択処理(S2)における制御部20の制御フローを示す。図9に示すように、制御部20は、冷暖房要求割合を算出する(S201)。冷暖房要求割合の算出は、夏季運転モード選択処理(S1)におけるステップのS101と同様である。
【0078】
冷暖房要求割合を算出すると、制御部20は、冷暖房要求割合を所定の閾値と比較し、その結果に応じて次のように室外ユニット2の運転モードを選択し、適宜切り換える。所定の閾値として、0(%)および100(%)の他、本実施形態では2つの閾値(A1,A3)を用いる。A1は、室内ユニット5に対する冷房要求および暖房要求の割合の第1の閾値であり、夏季運転モード選択処理(S1)と共通(一例として51%程度)である。A3は、室内ユニット5に対する暖房要求の割合の第3の閾値である。換言すれば、100-A3は、室内ユニット5に対する冷房要求の割合の第3の閾値でもある。A3は、A1よりも小さく0%よりも大きな任意の値であり、例えば10%から30%の範囲内、一例として25%程度である。
【0079】
制御部20は、冷房要求の割合がゼロ、つまり暖房要求の割合が100%であるか否かを判定する(S202)。
【0080】
冷房要求の割合がゼロである場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱運転させる(S203)。
これに対し、冷房要求の割合がゼロでない場合、制御部20は、冷房要求の割合が第1の閾値未満であるか否かを判定する(S204)。
【0081】
冷房要求の割合が第1の閾値未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱優先の冷却加熱混在運転させる(S205)。
これに対し、冷房要求の割合が第1の閾値以上である場合、制御部20は、冷房要求の割合が第3の閾値未満であるか否かを判定する(S206)。
【0082】
冷房要求の割合が第3の閾値未満である場合、制御部20は、その間の室内ユニット5に対する冷房要求を保留する(S207)。
そして、室外ユニット2を加熱優先の冷却加熱混在運転させる(S205)。したがって、室外ユニット2が加熱優先の冷却加熱混在運転している場合には、該混在運転が継続される。すなわちこの場合、室外ユニット2の運転モードは、切り換わることなく加熱優先の冷却加熱混在運転のまま維持される。
これに対し、冷房要求の割合が第3の閾値以上である場合、制御部20は、冷房要求の割合が100%未満であるか否かを判定する(S208)。
【0083】
冷房要求の割合が100%未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を冷却優先の冷却加熱混在運転させる(S209)。したがって、室外ユニット2が加熱優先の冷却加熱混在運転している場合、制御部20は、冷房要求の保留(S207)を解除し、加熱優先の冷却加熱混在運転から冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換える。
これに対し、冷房要求の割合が100%である場合、制御部20は、室外ユニット2を冷却運転させる(S210)。
【0084】
制御部20は、空気調和機1が運転されている間、このような室外ユニット2に対する冬季運転モード選択処理を繰り返す(S211)。これにより、室外ユニット2は、冷暖房要求割合に応じて運転モードが選択され、適宜切り換えられる。
【0085】
そして、空気調和機1が運転停止されると、制御部20は、冬季運転モード選択処理を終了する。
【0086】
図10には、中間期運転モード選択処理(S3)における制御部20の制御フローを示す。図10に示すように、制御部20は、冷暖房要求割合を算出する(S301)。冷暖房要求割合の算出は、夏季運転モード選択処理(S1)におけるステップのS101、冬季運転モード選択処理(S2)と同様である。
【0087】
冷暖房要求割合を算出すると、制御部20は、冷暖房要求割合を所定の閾値と比較し、その結果に応じて次のように室外ユニット2の運転モードを選択し、適宜切り換える。所定の閾値として、0(%)および100(%)の他、本実施形態では第1の閾値(A1)を用いる。A1は、室内ユニット5に対する冷房要求および暖房要求の割合の第1の閾値であり、夏季運転モード選択処理(S1)および冬季運転モード選択処理(S2)と共通(一例として51%程度)である。
【0088】
制御部20は、暖房要求の割合がゼロ、つまり冷房要求の割合が100%であるか否かを判定する(S302)。
【0089】
暖房要求の割合がゼロである場合、制御部20は、室外ユニット2を冷却運転させる(S303)。
これに対し、暖房要求の割合がゼロでない場合、制御部20は、暖房要求の割合が第1の閾値未満であるか否かを判定する(S304)。
【0090】
暖房要求の割合が第1の閾値未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を冷却優先の冷却加熱混在運転させる(S305)。
これに対し、暖房要求の割合が第1の閾値以上である場合、制御部20は、暖房要求の割合が100%未満であるか否かを判定する(S306)。
【0091】
暖房要求の割合が100%未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱優先の冷却加熱混在運転させる(S307)。したがって、室外ユニット2が冷却優先の冷却加熱混在運転している場合、制御部20は、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換える。すなわち、中間期運転モード選択処理(S3)では、夏季運転モード選択処理(S1)のように室内ユニット5に対する暖房要求を保留することなく、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換わる。
【0092】
これに対し、暖房要求の割合が100%である場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱運転させる(S308)。
【0093】
制御部20は、空気調和機1が運転されている間、このような室外ユニット2に対する中間期運転モード選択処理を繰り返す(S309)。これにより、室外ユニット2は、冷暖房要求割合に応じて運転モードが選択され、適宜切り換えられる。
【0094】
そして、空気調和機1が運転停止されると、制御部20は、中間期運転モード選択処理を終了する。
【0095】
なおこれとは逆に、中間期運転モード選択処理(S3)において、制御部20は、冷房要求の割合がゼロであれば加熱運転、ゼロ以上で第1の閾値未満であれば加熱優先の冷却加熱混在運転、第1の閾値以上で100%未満であれば冷却優先の冷却加熱混在運転、100%であれば冷却運転に、それぞれ室外ユニット2を切り換える。このように、冷房要求の割合が第1の閾値以上、100%未満である場合、制御部20は、室外ユニット2を加熱優先の冷却加熱混在運転から冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換える。すなわち、中間期運転モード選択処理(S3)では、冬季運転モード選択処理(S2)のように室内ユニット5に対する冷房要求を保留することなく、室外ユニット2が加熱優先の冷却加熱混在運転から冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換わる。
【0096】
図11は、室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合の時間変化の一例を示す図である。この例では、四つの室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合の合計を示す。冷房要求および暖房要求は、例えば情報取得部5dの操作パネルからユーザによって選択された室内ユニットの運転モードなどに応じて設定される。
【0097】
図12には、図11に示すように室内ユニット5に対する冷房要求と暖房要求の割合が変化する場合に、外気温度に応じた室外ユニット2の運転モードの変化例を季節ごとに示す。図10(a)は中間期(TL<TO<TH)、図10(b)は夏季(TO≧TH)、図10(c)は冬季(TO≦TL)における運転モードの変化の一例をそれぞれ示す図である。
【0098】
図11に示すように、例えば時刻t0において、すべての室内ユニット5に対して冷房要求がなされた状態で運転開始制御がなされ、その後、時刻t1まではこの状態が維持される。時刻t1において、一部の室内ユニット5において暖房要求がなされ、運転モードを冷房から暖房へ切り換える制御がなされる。そして、時刻t5に至るまで、運転モードが冷房の室内ユニット5と暖房の室内ユニット5とが混在した状態して運転される。その間、時刻t2,t3,t4と経過するにつれ、室内ユニット5に対する暖房要求の割合(運転モードが暖房である割合)が徐々に増加する。そして、時刻t5以降は、すべての室内ユニット5に対して暖房要求がなされた(運転モードがすべて暖房である)状態となる。図11に示すL11は、室内ユニット5に対する暖房要求の割合の変化を示す軌跡であり、冷房要求と暖房要求の割合の境界線である。なお、時系列は、時刻t0,t1,t2,t3,t4,t5,t6の順(昇順)には限定されない。これとは逆に時刻t6から時刻t0まで降順の時系列であってもよいし、これら以外のランダムに時刻が並んだ時系列であってもよい。
【0099】
図11において、A1,A2,A3は、室内ユニットに対する冷暖房要求割合の閾値であり、上述した第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値にそれぞれ対応する。
図12Aには、中間期(TL<TO<TH)における室外ユニット2の運転モードの制御態様を示す。中間期において、例えば時刻t0から時刻t1までは、すべての室内ユニット5の運転モードが冷房である状態、つまり室内ユニット5に対する冷房要求の割合が100%となっている。したがって、室外ユニット2は冷却運転される。
【0100】
時刻t1において、一部の室内ユニット5において暖房要求がなされ、室内ユニット5に対する暖房要求の割合が0%から上昇し、冷房要求の割合が100%から低下する。この時、室外ユニット2は、冷却運転から冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換わる。
【0101】
時刻t2においては、室内ユニット5に対する暖房要求の割合がA3%、冷房要求の割合が100-A3%となるが、冷房要求の割合がまだ100-A1%を超えている。したがって、室外ユニット2は、冷却優先の冷却加熱混在運転を継続する。
【0102】
時刻t3においては、室内ユニット5に対する暖房要求の割合がA1%、冷房要求の割合が100-A1%となり、ほぼ同等(一例として暖房要求の割合が過半数)となる。この時、室外ユニット2は、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換わる。
【0103】
時刻t4においては、室内ユニット5に対する暖房要求の割合がA2%まで上昇し、冷房要求の割合が100-A2%まで低下するが、暖房要求の割合は100%には達していない。したがって、室外ユニット2は、加熱優先の冷却加熱混在運転を継続する。
【0104】
時刻t5においては、すべての室内ユニット5の運転モードが暖房である状態、つまり室内ユニット5に対する暖房要求の割合が100%となっている。したがって、室外ユニット2は、加熱優先の冷却加熱混在運転から加熱運転に切り換わる。そして、時刻t5以降、時刻t6に至っても室外ユニット2は加熱運転を継続する。
【0105】
なお、図12Aに示す中間期における室外ユニット2の運転モードの制御態様を、時刻t6から時刻t0まで降順の時系列として捉えた場合、室外ユニット2は、上述した制御態様とは逆に、次のように運転モードが切り換わる。すなわち、時刻t5においては、加熱運転から加熱優先の冷却加熱混在運転に切り換わる。次いで、時刻t3においては、加熱優先の冷却加熱混在運転から冷却優先の冷却加熱混在運転に切り換わる。そして、時刻t1においては、冷却優先の冷却加熱混在運転から冷却運転に切り換わる。
【0106】
このように室内ユニット5の運転モードの要求割合に基づいて室外ユニット2の運転モードを切り換えることで、室外ユニット2を適切な運転モードで運転させることができる。しかしながら、例えば室内ユニット5に対して冷房要求が多いと予想される夏季、あるいは暖房要求が多いと予想される冬季などには、室外ユニット2における能力低下や運転モードの切換に伴うサイクル状態のハンチングなどが生じるおそれがある。
【0107】
そこで、本実施形態では、室内ユニット5の運転モードの要求割合に加えて外気温度に基づいて、次のように室外ユニット2の運転モードを切り換える。
【0108】
例えば夏季においては、図12Bに示すような運転モードの制御態様で室外ユニット2が運転される。一例として、夏季は外気温度(TO)が第1の規定温度(TH)以上である場合(TO≧TH)とする。
【0109】
図12Bに示すように、例えば時刻t0から時刻t3までは、図12Aに示す中間期と同様の運転モードの制御態様で室外ユニット2が運転される。すなわち、冷房要求の割合が100%である時刻t0から時刻t1までの間、室外ユニット2は冷却運転がなされる。冷房要求の割合が100%から低下する時刻t1から時刻t3までの間、室外ユニット2は冷却優先の冷却加熱混在運転がなされる。
【0110】
時刻t3において、冷房要求割合がさらに低下して100-A1%となり、暖房要求の割合(A1%)とほぼ同等(一例として暖房要求の割合が過半数)となったとしても、室外ユニット2は、冷却優先の冷却加熱混在運転を継続する。この時、中間期(図12A)とは異なり、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転への切り換えは行われない。
【0111】
時刻t4において、冷房要求の割合が100-A2%まで低下し、暖房要求の割合がA2%まで上昇すると、室外ユニット2は、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転へ切り換わる。すなわち、時刻t1において冷却運転から切り換わった後、時刻t4までの間、室外ユニット2では冷却優先の冷却加熱混在運転が継続される。この間は、暖房要求が保留され、冷却優先の冷却加熱混在運転が維持される。
【0112】
本実施形態では、このように暖房要求を保留して冷却優先の冷却加熱混在運転を維持する暖房要求の割合の閾値としてA2、冷房要求の割合の閾値として100-A2がそれぞれ第2の閾値として設定されている。
【0113】
その後、時刻t5において、冷房要求の割合が0%となり、暖房要求の割合が100%となると、室外ユニット2は、加熱優先の冷却加熱混在運転から加熱運転に切り換わる。そして、時刻t5以降、時刻t6に至っても室外ユニット2は加熱運転を継続する。この間における室外ユニット2の運転モードの制御態様は、図12Aに示す中間期と同様である。
【0114】
例えば冬季においては、図12Cに示すような運転モードの制御態様で室外ユニット2が運転される。一例として、冬季は外気温度(TO)が第2の規定温度(TL)以下である場合(TO≦TL)とする。図12Cにおいては、時刻t6から時刻t0まで降順の時系列となっている。
【0115】
図12Cに示すように、例えば時刻t6から時刻t3までは、図12Aに示す中間期と同様の運転モードの制御態様で室外ユニット2が運転される。すなわち、暖房要求の割合が100%である時刻t6から時刻t5までの間、室外ユニット2は加熱運転がなされる。暖房要求の割合が100%から低下する時刻t5から時刻t3までの間、室外ユニット2は加熱優先の冷却加熱混在運転がなされる。
【0116】
時刻t3において、暖房要求割合がさらに低下して100-A1%となり、冷房要求の割合(A1%)とほぼ同等(一例として冷房要求の割合が過半数)となったとしても、室外ユニット2は、加熱優先の冷却加熱混在運転を継続する。この時、加熱優先の冷却加熱混在運転から冷却優先の冷却加熱混在運転への切り換えは行われない。
【0117】
時刻t2において、暖房要求の割合がA3%まで低下し、冷房要求の割合が100-A3%まで上昇すると、室外ユニット2は、加熱優先の冷却加熱混在運転から冷却優先の冷却加熱混在運転へ切り換わる。すなわち、時刻t5において加熱運転から切り換わった後、時刻t2までの間、室外ユニット2では加熱優先の冷却加熱混在運転が継続される。この間は、冷房要求が保留され、加熱優先の冷却加熱混在運転が維持される。
【0118】
本実施形態では、このように冷房要求を保留して加熱優先の冷却加熱混在運転を維持する冷房要求の割合の閾値として100-A3、暖房要求の割合の閾値としてA3がそれぞれ第3の閾値として設定されている。
【0119】
その後、時刻t1において、暖房要求の割合が0%となり、冷房要求の割合が100%となると、室外ユニット2は、冷却優先の冷却加熱混在運転から冷却運転に切り換わる。そして、時刻t1以降、時刻t0に至っても室外ユニット2は冷却運転を継続する。この間における室外ユニット2の運転モードの制御態様は、図12Aに示す中間期と同様である。
【0120】
このように、室内ユニット5の運転モードの要求割合に加えて外気温度に基づいて室外ユニット2の運転モードを切り換えることで、冷却優先の冷却加熱混在運転から加熱優先の冷却加熱混在運転への切り換えのタイミングをずらす(遅延させる)ことができる。これにより、例えば夏季(TO≧TH)においては、暖房要求があった場合であってもそれを保留し、室外ユニット2の運転モードを切り換えることなく、要求が多いことが予想される冷却優先の冷却加熱混在運転を維持できる。一方、冬季(TO≦TL)においては、冷房要求があった場合であってもそれを保留し、室外ユニット2の運転モードを切り換えることなく、要求が多いことが予想される加熱優先の冷却加熱混在運転を維持できる。
【0121】
したがって、室外ユニット2の運転モードの切り換えが頻発されることを抑制できる。結果として、要求が多いことが予想される運転モードの能力低下やサイクル状態のハンチングの発生を抑制することが可能となる。また、要求が少ないと予想される室内ユニット5の運転モード、例えば夏季における暖房モード、冬季における冷房モードであっても、一定の要求割合(第2の閾値もしくは第3の閾値)を超えるような場合には、室外ユニット2の運転モードを切り換える。このため、要求が少ないことが予想される運転モードの要求保留を解除し、ユーザが求める実際の室内ユニット5の運転モードに応じて、室外ユニット2の運転モードを切り換えられる。したがって、夏季であっても加熱優先の冷却加熱混在運転、冬季であっても冷却優先の冷却加熱混在運転に、室外ユニット2の運転モードを適宜切り換え可能となる。すなわち、ユーザが実際に要求する運転モードの能力を適切に供給でき、要求割合の変動に伴う室外ユニット2の運転モードの切り換えロスをより効率的に低減させることができる。
【0122】
なお、上述した実施形態では、外気温度の範囲を規定する閾値として、第1の閾値に加えて、第2の閾値と第3の閾値を設定しているが、第1の閾値に付加する閾値をさらに増やしてもよい。これにより、さらに多段階に室外ユニット2の運転モードを切り換えることが可能となり、ユーザが実際に要求する運転モードの能力をより細かく供給することも可能となる。
【0123】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る空気調和機の構成自体は、図1および図2に示す第1の実施形態に係る空気調和機1の構成と同等である。
以下、本実施形態に係る空気調和機1における冷却運転時、加熱運転時における運転モード(第1モード、第2モード)の切替制御について説明する。
【0124】
図13には、冷却運転時と、加熱運転時とにおける、運転モード(第1モード、第2モード)と、熱媒の目標温度との関係を示す。当該関係は、制御部30内のメモリに設定値として記憶される。空気調和機1の冷却運転時において、第1モード(通常運転モード)の目標温度が目標温度TA1である場合、第2モード(省エネ運転モード)の目標温度は目標温度TA2(>TA1)である。つまり、冷却運転時の第2モードの目標温度は第1モードの目標温度より高く設定される。
【0125】
また、空気調和機1の加熱運転時において、第1モード(通常運転モード)の目標温度が目標温度TB1である場合、第2モード(省エネ運転モード)の目標温度は目標温度TB2(<TB1)である。つまり、加熱運転時の第2モードの目標温度は第1モードの目標温度より低く設定される。ここで、熱媒の目標温度TA1、TA2、TB1、TB2は、例えば、コントロールパネル100から設定することが可能になっている。
【0126】
次に、制御ユニットが実行する運転モードの切替処理について説明する。図14には、当該運転モードの切替処理の一例であるフローチャートを示す。本実施形態では、主たる制御は熱交換ユニット3の制御部30が実行し、圧縮機2aの回転制御を制御部20が実行する場合で説明する。
【0127】
制御部30は、例えば、コントロールパネル100の指示に基づいて、空気調和機1の運転が冷却運転か、加熱運転かを判定する(ST101)。ステップST101において、冷却運転であると判定した場合、制御部30は、モードを判定する(ST102)。本実施形態では、モードの判定は、既述のようにコントロールパネル100からの指示に基づいて判定される。第1モード(通常運転モード)であると判定した場合、制御部30は、熱媒の目標温度としてTA1を設定する(ST103)。つまり、現在の運転状態が継続される。また、第2モード(省エネ運転モード)であると判定した場合、制御部30は、熱媒の目標温度としてTA2(>TA1)を設定する(ST104)。これにより、冷却運転時の熱媒の目標温度が変更される。
【0128】
一方、ステップST101において、加熱運転であると判定した場合、制御部30は、モードを判定する(ST105)。モードの判定は、コントロールパネル100からの指示に基づいて判定されるのは、冷却運転の場合と同様である。第1モード(通常運転モード)であると判定した場合、制御部30は、熱媒の目標温度としてTB1を設定する(ST106)。つまり、現在の運転状態が継続される。第2モード(省エネ運転モード)であると判定した場合、制御部30は、熱媒の目標温度としてTB2(<TB1)を設定する(ST107)。これにより、加熱運転時の熱媒の目標温度が変更される。このように熱媒の目標温度を設定した後、制御部20は、設定した目標温度で空気調和機1の運転を行う(ST108)。つまり、制御部20は、現在、熱媒から取得した温度が、熱媒に設定された目標温度となるように圧縮機2aの回転数を制御する。
【0129】
次に、空気調和機1の作用効果について説明する。
各室内ユニット5が冷房運転を行う場合、室外ユニット2の圧縮機2aの回転数は、冷却用中間熱交換器31bに対して設定される熱媒の目標温度によって制御されている。このため、熱媒の目標温度が低ければ低いほど、圧縮機2aの回転数は大きくなる。例えば、第1モード(通常運転モード)では冷却用中間熱交換器31bの出口設定温度、つまり、熱媒の目標温度を7℃、省エネ運転モードでは冷却用中間熱交換器31bの出口設置温度、つまり熱媒の目標温度を12℃に設定する。このように第1モードと比較して第2モードでは熱媒の目標温度を高く設定することで、第2モード設定時に、室外ユニット2の圧縮機2aの回転数を抑制することができ、エネルギーの省力化を図ることができる。
【0130】
また、例えば、各室内ユニット5が暖房運転を行う場合、室外ユニット2の圧縮機2aの回転数は、加熱用中間熱交換器32bに対して設定される熱媒の目標温度によって制御されている。このため、熱媒の目標温度が高ければ高いほど、圧縮機2aの回転数は大きくなる。例えば、第1モード(通常運転モード)では、加熱用中間熱交換器32bの出口設定温度、つまり熱媒の目標温度を45℃、第2モード(省エネ運転モード)では加熱用中間熱交換器32bの出口設定温度、つまり熱媒の目標温度を40℃に設定する。第1モードと比較して第2モードでは熱媒の目標温度を低くすることで、第2モード設定時に、室外ユニット2の圧縮機2aの回転数を抑制することができ、エネルギーの省力化を図ることができる。
【0131】
そして、本実施形態では、コントロールパネル100から運転モードの変更、つまり、第1モード(通常運転モード)から第2モード(省エネ運転モード)に変更することができる。このため、例えば、電力ピーク時に、空気調和機1の管理者がコントロールパネル100を操作して、第1モードから第2モードに空気調和機1の運転モードを変更することにより、ピーク時の電力の消費量を抑制することができる。つまり、空気調和機1は、エネルギーの省力化を図ることができる。
【0132】
なお、本実施形態では、管理者のコントロールパネル100の操作により空気調和機1の運転モードを変更する場合で説明したが、運転モードの変更方法はこれに限るものではない。例えば、制御部30は、室内ユニット5運転状況に応じて第1モードから第2モードに空気調和機1の運転モードを変更するように構成してもよい。具体的には、バルブユニット4の制御部40が、バルブユニット4に接続している各室内ユニット5の制御部50と通信を行い、各室内ユニット5の運転状況を取得する。さらに、制御部30がバルブユニット4の制御部40と通信を行い、各室内ユニット5の運転状況を取得し、各室内ユニット5が全て最小容量で運転していることを取得した場合に、制御部30は、空気調和機1の運転モードを第1モード(通常運転モード)から第2モード(省エネモード)に変更する。このようにしても、上記実施形態と同様に、室外ユニット2の圧縮機2aの回転数を抑制することができ、空気調和機1のエネルギーの省力化を図ることができる。また、コントロールパネル100から指示をしなくても、空気調和機1は、自動的にエネルギーの省力化を図ることができる。
【0133】
なお、本実施形態では、各室内ユニット5内にそれぞれポンプ5aが設けられる場合で説明したが、ポンプの位置は、各室内ユニット5内に設けられていなくてよく、各室内ユニット5の近傍に設けられていればよい。例えば、図15に示す第3の変形例のように、各室内ユニット5内にポンプを設けなくても、熱交換ユニット3と、バルブユニット4の間に、冷却用の熱媒の流量を調整するポンプPa、および加熱用の熱媒の流量を調整するポンプPbをそれぞれ設けるように構成してもよい。図15には、第3の変形例に係る空気調和機1cを示す。空気調和機1cの基本的な構成は、上述した第1の実施形態に係る空気調和機1の構成と同等である。したがって、空気調和機1と同等の構成については、図面上で同一の符号を付して説明を省略する。
【0134】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る空気調和機の基本的な構成は、図1および図2に示す第1の実施形態に係る空気調和機1の構成と同等である。したがって、空気調和機1と同等の構成については、図面上で同一の符号を付して説明を省略する。
【0135】
第3の実施形態は、冷却用中間熱交換器31b、および加熱用中間熱交換器32bの配置を工夫した点が第1の実施形態と異なっている。このため、冷却用中間熱交換器31b、および加熱用中間熱交換器32bの配置に関して詳細に説明することとする。
【0136】
本実施形態では、冷却用中間熱交換器31b、および加熱用中間熱交換器32bして、コンパクトなプレート式熱交換器を用いる。プレート式熱交換器は、一般的に、長手方向が垂直方向、短手方向が水平方向となるように設計され、冷媒は長手方向に流れるように構成される。これは長手方向を垂直方向とすることで、流路断面積を小さくすることができ、流速を向上させ、熱伝導率を向上させることができるからである。短手方向を垂直方向とした場合と比較して同一体積で性能を向上させることが可能になる。
【0137】
熱交換ユニット3は、天井裏等の狭小空間に設置されることが想定される。したがって、ケーシングの高さ方向(垂直方向)は可能な限り小さく設計することが望ましい。このため、冷却用中間熱交換器31b、加熱用中間熱交換器32bを図16図17に示すようにそれぞれ設置する。なお、図16図17において、図示下側がプレート式熱交換器の設置面Gになる。本実施形態では、熱交換ユニット3は、小型の冷却用中間熱交換器31bを3台、大型の加熱用中間熱交換器32bを1台備えることとする。
【0138】
図16に示すように、熱交換ユニット3において、冷却用中間熱交換器31bは、設置面Gに対して、冷媒が下方から上方に向かって垂直方向に流れるように設置される。つまり、冷媒の入口E11が下方になり、冷媒の出口E12が上方になるように設置面Gに設置され、冷媒は図示の矢印R1のように、入口E11から流入した後、出口E12から気相(ガス)で流出される。冷却用中間熱交換器31bには2相冷媒(気相、液相)が流入するため、設置面Gに対して水平方向に(図17の加熱用中間熱交換器32bのように)設置すると、冷媒液が下側に偏るため、冷却用中間熱交換器31b内のプレートを有効に使えなくなり、熱交換器の性能が大きく低下し、蒸発温度の低下による凍結等の不具合を生じ得る。このため、図16に示すように、冷却用中間熱交換器31bを設置する。
【0139】
一方、図17に示すように、熱交換ユニット3において、加熱用中間熱交換器32bは、設置面Gに対して、冷媒が水平方向に流れるように設置される。つまり、冷媒は図示の矢印R2のように、入口E21から流入した後、出口E22から流出される。加熱用中間熱交換器32bには、冷媒が気相(ガス)で流入して、冷媒液(凝縮液)で流出するため、水平方向に冷媒が流れるように設置しても加熱用中間熱交換器32b内のプレートを有効に使えることができ、冷却用中間熱交換器31bと比較して、熱交換器の性能が低下することを抑制することが可能である。このため、図17に示すように、加熱用中間熱交換器32bを設置する。
【0140】
したがって、図16図17のように、冷却用中間熱交換器31b、および加熱用中間熱交換器32bを設置することにより、冷却用中間熱交換器31bは複数台必要になるが、加熱用中間熱交換器32bを1台にすることができるため、空気調和機1の性能低下を抑えたうえで、中間熱交換器のコストも下げることができることに加え、ロー付け部増加、部品点数増加による製造コストも抑制することができる。
【0141】
なお、本実施形態では、熱交換ユニット3において、冷却用中間熱交換器31bの数量を3台とした場合で説明したが、冷却用中間熱交換器31bの数量はこれに限るものではない。冷却用中間熱交換器31bの数量や加熱用中間熱交換器32bの数量は、設置する場所の設置面積や設置する場所の高さ等の環境に応じて、ロー付け部増加、部品点数を可能な限り少なくなるようにする範囲において、増減させてもよい。
【0142】
以上、本発明の実施形態を説明したが、かかる実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
1,1a,1b,1c…空気調和機、2…室外ユニット、2l…外気温度センサ、3…熱交換ユニット、3b…中間熱交換器、4…バルブユニット、4a…流路切換弁、5…室内ユニット、5a…循環ポンプ、5b…室内側熱交換器、5d…情報取得部、6…冷媒配管、6a…液管、6b…吸入ガス管、6c…吐出ガス管、7,8…熱媒配管、7a…冷却用熱媒供給管、7b…冷却用熱媒還流管、8a…加熱用熱媒供給管、8b…加熱用熱媒還流管、9…分配管、9a…往水管、9b…還水管、20,30,40,50…制御部、21,31,41,51…筐体、31b…冷却用中間熱交換器、32b…加熱用中間熱交換器、31d,32d,34…温度センサ、35…圧力センサ、41a…往水弁、42a…還水弁、E11,E21…入口、E12,E22…出口。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17