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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】電気融着継手および接続方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 47/03 20060101AFI20230927BHJP
   F16L 21/00 20060101ALI20230927BHJP
   B29C 65/34 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
F16L47/03
F16L21/00
B29C65/34
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021551231
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2020036567
(87)【国際公開番号】W WO2021065776
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2019179793
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】北側 文夏
(72)【発明者】
【氏名】近藤 博昭
(72)【発明者】
【氏名】牧野 耕三
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-287688(JP,A)
【文献】実開平01-074119(JP,U)
【文献】国際公開第2009/033603(WO,A1)
【文献】国際公開第97/013996(WO,A1)
【文献】特開平11-051279(JP,A)
【文献】実開平05-071591(JP,U)
【文献】特開平09-144977(JP,A)
【文献】特開平04-008994(JP,A)
【文献】特開平10-281383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 47/03
F16L 21/00
B29C 65/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂を含む樹脂管と接続される本体部と、
前記本体部に配置された電熱線と、を備え、
前記電熱線は、導線と、前記導線の周囲に設けられた絶縁皮膜とを有し、
前記絶縁皮膜は、融点が230度以上であり、
前記本体部は、
前記樹脂管の内側または外側に配置され前記樹脂管と接続される接続部を有する筒状部と、
前記筒状部の表面から突出するように形成され、前記樹脂管の端の位置を規制可能なストッパと、を有し、
前記電熱線は、前記筒状部の軸方向に沿って前記ストッパに複数回巻き回されて配置されており
前記接続部の内側には、前記樹脂管が挿入可能であり、
前記ストッパは、前記筒状部の内面に突出するように形成され、前記接続部の内側に前記樹脂管が挿入された際に挿入位置を規制し、
前記ストッパの突出高さは、前記樹脂管を挿入した状態における前記樹脂管の内周面よりも低い、
電気融着継手。
【請求項2】
前記電熱線は、前記絶縁皮膜の周囲に設けられた外層部を更に有し、
前記外層部は、ポリオレフィン系樹脂で形成されている、
請求項1に記載の電気融着継手。
【請求項3】
前記絶縁皮膜は、ポリイミド系樹脂で形成されている、
請求項1または2に記載の電気融着継手。
【請求項4】
熱可塑性樹脂を含む樹脂管と接続される本体部と、
前記本体部に配置された電熱線と、を備え、
前記電熱線は、導線と、前記導線の周囲に設けられた絶縁皮膜とを有し、
前記絶縁皮膜は、前記本体部の融点よりも、融点が高く、
前記本体部は、
前記樹脂管の内側または外側に配置され前記樹脂管と接続される接続部を有する筒状部と、
前記筒状部の表面から突出するように形成され、前記樹脂管の端の位置を規制可能なストッパと、を有し、
前記電熱線は、前記筒状部の軸方向に沿って前記ストッパに複数回巻き回されて配置されており
前記接続部の内側には、前記樹脂管が挿入可能であり、
前記ストッパは、前記筒状部の内面に突出するように形成され、前記接続部の内側に前記樹脂管が挿入された際に挿入位置を規制し、
前記ストッパの突出高さは、前記樹脂管を挿入した状態における前記樹脂管の内周面よりも低い、
電気融着継手。
【請求項5】
請求項1に記載の電気融着継手と、前記樹脂管とを接続する接続方法であって、
前記電気融着継手の前記接続部に前記樹脂管を挿入する挿入工程と、
前記ストッパに前記樹脂管の端を押圧しながら前記電熱線に通電する加熱工程と、を備えた、接続方法。
【請求項6】
請求項4に記載の電気融着継手と、前記樹脂管とを接続する接続方法であって、
前記電気融着継手の前記接続部に前記樹脂管を挿入する挿入工程と、
前記ストッパに前記樹脂管の端を押圧しながら前記電熱線に通電する加熱工程と、を備えた、接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気融着継手に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂管や、樹脂層および金属補強層を有する金属補強複合管などの樹脂が用いられた管体どうしを接続する際に、電気融着継手が多用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に示す電気融着継手は、両端部それぞれに接続対象の管体が挿し込まれる挿し口部が形成された熱可塑性樹脂製の継手本体と、継手本体の内周面側に埋設されている電熱線と、を有している。また、継手本体の内周面には、内側に向かって突出して管体の位置を規制するストッパが設けられている。電気融着継手の挿し口部を接続対象の管体にそれぞれ挿し込んだ状態で発熱体を発熱させることより、発熱体周囲における挿し口部の外周部の樹脂と管体の内周部の樹脂とが融着し、電気融着継手を介して管体どうしが接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-194340号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、管体と電気融着継手の間に隙間が存在すると、超純水などの高純度液体の輸送ラインにおいては管の洗浄薬品や施工時の異物が隙間に滞留し、異物が長期間に亘って高純度液体に混入する場合がある。
【0006】
そのため、隙間を設けないように管体を電気融着継手に押圧しながら発熱体に通電を行うことが考えられるが、その場合、隣り合う電熱線同士が接触してショートするおそれがある。ショートが発生すると、それ以上温度が上昇しないため融着の強度が不十分になる。
【0007】
本発明は、ショートの発生を抑制して融着の強度を確保することが可能な電気融着継手を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、第1の発明にかかる電気融着継手は、本体部と、電熱線と、を備える。本体部は、熱可塑性樹脂を含む樹脂管と接続される。電熱線は、本体部に配置されている。電熱線は、導線と、導線の周囲に設けられた絶縁皮膜とを有する。絶縁皮膜は、融点が230度以上である。
【0008】
このように、融点が230度以上の絶縁皮膜を導線の周囲に設けることにより、電熱線の発熱によって融着が行われる温度においても絶縁皮膜が溶けないため、電熱線の導線同士の接触を防ぐことができる。このため、所望の温度まで上昇でき融着強度を確保することができる。
【0009】
第2の発明にかかる電気融着継手は、第1の発明にかかる電気融着継手であって、電熱線は、絶縁皮膜の周囲に設けられた外層部を更に有する。外層部は、ポリオレフィン系樹脂で形成されている。
【0010】
これによって、電熱線の強度を増すことができ、また融着が行われる温度において導線が露出されることを防ぐことができる。
【0011】
第3の発明にかかる電気融着継手は、第1または第2の発明にかかる電気融着継手であって、絶縁皮膜は、ポリイミド系樹脂で形成されている。
【0012】
このように、絶縁皮膜をポリイミド系樹脂で形成することにより、電熱線の発熱によって融着が行われる温度においても絶縁皮膜の溶融を抑制することができる。
【0013】
第4の発明にかかる電気融着継手は、第1~第3の発明にかかる電気融着継手であって、本体部は、筒状部と、ストッパと、を有する。筒状部は、樹脂管の内側または外側に配置され樹脂管と接続される接続部を有する。ストッパは、筒状部の表面から突出するように形成され、樹脂管の端の位置を規制可能である。
【0014】
異物が滞留する隙間を形成しないように、ストッパに樹脂管を押圧した状態で融着を行った場合でも電熱線の周囲に絶縁皮膜が形成されているため、電熱線の導線同士の接触を防ぐことができ、融着強度を確保することが可能となる。
【0015】
第5の発明にかかる電気融着継手は、第4の発明にかかる電気融着継手であって、接続部の内側には、樹脂管が挿入可能である。ストッパは、筒状部の内面に突出するように形成され、接続部の内側に樹脂管が挿入された際に挿入位置を規制する。
【0016】
これによって、内側に挿入される樹脂管と電気融着継手とを強固に融着することができる。
【0017】
第6の発明にかかる電気融着継手は、第3の発明にかかる電気融着継手であって、接続部は、樹脂管の内側に挿入可能である。ストッパは、筒状部の外面に突出するように形成されており、樹脂管の内側に接続部が挿入された際に挿入位置を規制する。
【0018】
これによって、樹脂管と、その内側に挿入される電気融着継手とを強固に融着することができる。
【0019】
第7の発明にかかる電気融着継手は、電気融着継手は、本体部と、電熱線と、を備える。本体部は、熱可塑性樹脂を含む樹脂管と接続される。電熱線は、本体部に配置されている。電熱線は、導線と、導線の周囲に設けられた絶縁皮膜とを有する。絶縁皮膜は、本体部に用いられている樹脂よりも融点が高く、電気融着後も絶縁被膜が保持される。
(発明の効果)
本発明によれば、ショート(短絡)の発生を抑制して融着の強度を確保することが可能な電気融着継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明にかかる実施の形態における電機融着継手と電気融着継手に接続される第1樹脂管および第2樹脂管を示す外観図。
図2図1の電気融着継手を示す断面構成図。
図3図1の電気融着継手に第1樹脂管および第2樹脂管を挿入した状態を示す断面構成図。
図4図1の電気融着継手における電熱線の断面構成を示す図。
図5図1の電気融着継手を用いた融着方法を説明するためのフロー図である。
図6図5の融着方法に用いられる加圧冶具を示す斜視図。
図7図6の加圧冶具に第1樹脂管、電気融着継手、および第2樹脂管を取り付けた状態を示す図。
図8】(a)、(b)ストッパ近傍における溶融の過程を模式的に示す図。
図9】本発明にかかる実施の形態の変形例における電気融着継手と電気融着継手に接続される第1樹脂管および第2樹脂管を示す外観図。
図10図9の電気融着継手に第1樹脂管および第2樹脂管を挿入した状態を示す断面構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、発明にかかる実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
<構成>
(電気融着継手1の概要)
図1は、本発明の実施の形態における電気融着継手1と、電気融着継手1によって接続される第1樹脂管11と、第2樹脂管12とを示す図である。図1は、配管構造100の分解図ともいえる。配管構造100は、例えば、電気融着継手1と、第1樹脂管11と、第2樹脂管12と、を有する。
【0023】
図に示すように、電気融着継手1は、第1樹脂管11および第2樹脂管12と融着され、第1樹脂管11と第2樹脂管12を接続する。
【0024】
第1樹脂管11、及び第2樹脂管12は、それぞれ熱硬化性樹脂で形成されている。
【0025】
第1樹脂管11及び第2樹脂管12には、内部に断面円形状の流路11f、12fが延びている。電気融着継手1には、内部に断面円形状の流路1fが延びている。第1樹脂管11と第2樹脂管12が電気融着継手1によって接続された状態では、第1樹脂管11と第2樹脂管12と電気融着継手1の各々の流路の軸線は、同一直線上に配置される。
【0026】
なお、電気融着継手1、第1樹脂管11、および第2樹脂管12の流路に対して、それぞれの軸線が延びる方向を軸線方向Aとする。また、電気融着継手1、第1樹脂管11、および第2樹脂管12において、それぞれの軸線に直交して近接・離間する方向を径方向Bとし、それぞれの軸線回りに回る方向を周方向Cとする。
【0027】
第1樹脂管11は軸線方向Aのうち電気融着継手1に対して矢印A1方向に相対移動して電気融着継手1に接続される。また、第2樹脂管12は軸線方向Aのうち電気融着継手1に対して矢印A2方向に相対移動して電気融着継手1に接続される。電気融着継手1に第1樹脂管11および第2樹脂管12が接続された状態が、配管構造100を構成する。
【0028】
図2は、電気融着継手1の断面構成を示す図である。
【0029】
電気融着継手1は、図1及び図2に示すように、本体部2と、発熱部3と、発熱部4と、発熱部5と、コネクタ取付部6と、を有する。
【0030】
(本体部2)
本体部2は、熱可塑性樹脂で形成されており、図2に示すように、筒状部21と、ストッパ22と、を有する。筒状部21は、筒状であって、第1接続部23と、第2接続部24と、連設部25と、を有する。第1接続部23の内側には、第1樹脂管11が挿入される。第2接続部24の内側には、第2樹脂管12が挿入される。
【0031】
本体部で用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、230℃未満の融点の樹脂が好ましく用いられる。中でもポリオレフィンが好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0032】
図3は、電気融着継手1の第1接続部23の内側に第1樹脂管11を挿し込み、第2接続部24の内側に第2樹脂管12を挿し込んだ状態を示す断面構成図である。
【0033】
第1接続部23の内径は、第1樹脂管11の外径以上に形成されている。また、第2接続部24の内径は、第2樹脂管12の外径以上に形成されている。
【0034】
連設部25は、第1接続部23と第2接続部24に連なっており、第1接続部23と第2接続部24を接続する。連設部25は、第1接続部23と第2接続部24の間を繋ぐ部分であり、後述するストッパ22が径方向Bの内側に設けられている。
【0035】
(ストッパ22)
ストッパ22は、円環状部分である。ストッパ22は、筒状部21の内面21aに周方向Cに沿って突条に全周にわたって形成されている。ストッパ22も熱可塑性樹脂が含まれ、好ましくは本体部で用いられる熱可塑性樹脂と同一の樹脂で形成される。
ストッパ22は、筒状部21の内面21aから径方向の内側に向かって突出するように形成されている。
【0036】
また、ストッパ22は、筒状部21の連設部25の径方向Bの内側に配置されている。なお、ストッパ22は、筒状部21と一つの部材として形成されてもよいし、筒状部21と別部材として形成されてもよい。
【0037】
ストッパ22は、第1側面22aと、第2側面22bと、周面22cとを有する。周面22cは、ストッパ22の径方向内側の端面である。
【0038】
第1側面22aは、筒状部21の内面21aから径方向Bの内側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。
【0039】
第2側面22bは、筒状部21の内面21aから径方向Bの内側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。
【0040】
周面22cは、第1側面22aの径方向内側の端と、第2側面22bの径方向内側の端を繋ぐ。周面22cは、筒状部21の内面21aと概ね平行に形成されている。
【0041】
第1接続部23の内側に第1樹脂管11が挿入されると、図3に示すように、ストッパ22の第1側面22aに第1樹脂管11の管端11aが接触し、管端11aの挿入位置が規制される。なお、第1側面22aに管端11aが接触するとは、第1側面22aに管端11aが直接接触する場合と、管端11aが発熱部5の電熱線51(後述する)を介して第1側面22aに間接的に接触する場合を含む。
【0042】
第2接続部24の内側に第2樹脂管12が挿入されると、図3に示すように、ストッパ22の第2側面22bに第2樹脂管12の管端12aが接触し、管端12aの挿入位置が規制される。なお、第2側面22bに管端12aが接触するとは、第2側面22bに管端12aが直接接触する場合と、管端12aが発熱部5の電熱線51(後述する)を介して第2側面22bに間接的に接触する場合を含む。
【0043】
(発熱部3、4)
発熱部3は、図2に示すように筒状部21の一方の端である第1接続部23側の端21bから軸線方向Aに沿った所定の区間R1において、内面21aに埋め込まれた電熱線31を有している。電熱線31の構成については後述する。
【0044】
電熱線31は、内面21aに沿って周方向に巻き回されるように配置されている。電熱線31は、内面21aの近傍に配置されている。なお、本実施の形態では、電熱線31は、一部が流路1f側に露出するように筒状部21に埋められている。
【0045】
発熱部4は、筒状部21の他方の端である第2接続部24側の端21cから軸線方向Aに沿った所定の区間R2において、内面21aに埋め込まれた電熱線41を有している。電熱線41の構成については後述する。
【0046】
電熱線41は、内面21aに沿って周方向に巻き回されるように配置されている。電熱線41は、内面21aの近傍に配置されている。なお、本実施の形態では、電熱線41は、一部が流路1f側に露出するように筒状部21に埋められている。
【0047】
なお、電熱線31、41は、図2に示すように、一部が露出するように内面21aに埋設されていてもよいし、露出せず完全に内面21aに埋設されていてもよいし、埋まっておらず内面21aに配置されているだけでもよい。要するに、第1接続部23および第2接続部24の内面を溶融し、第1樹脂管11および第2樹脂管12の外周面を溶融することが可能な位置に、電熱線31、41が設けられていればよい。
【0048】
また、第1接続部23の区間R1の連設部25側の端から連設部25(ストッパ22)までの軸線方向Aに沿った区間R3には、電熱線41が連続して配置されておらず、区間R3はコールドゾーンを形成している。第2接続部24の区間R2の連設部25側の端から連設部25(ストッパ22)までの軸線方向Aに沿った区間R4には、電熱線51が連続して配置されておらず、区間R4はコールドゾーンを形成している。また、区間R3と区間R4の間の軸線方向Aに沿った区間R5は、ストッパ22が設けられている区間である。
【0049】
なお、電熱線31、41は後述する発熱部5の電熱線51と一本で繋がっていてもよいし、分割されていてもよい。
【0050】
(発熱部5)
発熱部5は、ストッパ22に設けられている。発熱部5は、電熱線51を有している。電熱線51は、軸線方向Aに沿って周方向Cに巻き回されるようにストッパ22に設けられている。電熱線51は、本実施の形態では、ストッパ22にたとえば3周巻き回されている。
【0051】
本実施の形態では、電熱線51は、第1側面22aおよび第2側面22bに一部が露出するように埋め込まれているが、全部が埋め込まれていてもよいし、第1側面22a、第2側面22b上に配置されていてもよい。また、電熱線51は、周面22cから露出していないが、露出していてもよい。
【0052】
図4は、電熱線51の構成を示す断面図である。
【0053】
電熱線51は、導線71と、絶縁皮膜72と、外層部73と、を有している。
【0054】
導線71は、例えばニクロム線、鉄クロム2種線,鉄クロム1種線,ニッケルクロム線などを用いることができる。
【0055】
絶縁皮膜72は、導線71の周囲を覆うように設けられている。絶縁皮膜72は、融点が230度以上である。これは、本実施の形態において熱可塑性樹脂が溶融する温度(例えばポリエチレンの場合は電熱線は220度まで加熱する)でも溶融しない温度に設定されている。絶縁皮膜72は、例えばフッ素系樹脂またはイミド系樹脂で形成することができるが、ポリイミド系樹脂で形成する方がより好ましい。
【0056】
外層部73は、絶縁皮膜72の外側の周囲を覆うように設けられている。外層部73は、絶縁皮膜72とは異なる熱可塑性樹脂によって形成されている。外層部73は、ポリオレフィン系樹脂によって形成するほうが好ましい。
【0057】
なお、例えば、導線71の厚みは0.1mm以上10mm以下に設定してもよい。また、絶縁皮膜72の厚みは、2μm以下に設定してもよい。また、外層部73の厚みは、導線71の径の3倍以下に設定してもよい。
【0058】
なお、本実施の形態では、電熱線31、41も電熱線51と同様の構成であるが、電熱線51と異なる構成であってもよい。
【0059】
(コネクタ取付部6)
コネクタ取付部6は、図2に示すように、2本のピン61を有する。2本のピン61は、筒状部21の外面21dから径方向の外側に向かって突出するように設けられている。2本のピン61のうち一方のピン61は、図2に示すように、端21bの近傍に配置され、他方のピン61は端21cの近傍に配置されている。2本のピン61は、図示していないが、発熱部3、4、5の電熱線31、41、51と接続されている。ピン61に、電気融着装置のコネクタが取り付けられ、通電が行われると、電熱線31、41、51が発熱する。
【0060】
<融着方法>
次に、本発明にかかる実施の形態の融着方法を説明する。なお、図5は、本実施の形態の融着方法を説明するためのフロー図である。
【0061】
はじめに、ステップS1において、ストッパ22によって第1樹脂管11の管端11aの相対的な移動が規制されるまで、電気融着継手1の第1接続部23の内側に第1樹脂管11が挿入される。
【0062】
また、ストッパ22によって第2樹脂管12の管端12aの相対的な移動が規制されるまで、電気融着継手1の第2接続部24の内側に第2樹脂管12が挿入される。電気融着継手1に第1樹脂管11および第2樹脂管12が差し込まれた状態が図3に示されている。
【0063】
次に、ステップS2において、管端11aをストッパ22の第1側面22aに押し付けるように第1樹脂管11がストッパ22の方向(図3に示す矢印A1方向)に加圧される。また、管端12aをストッパ22の第2側面22bに押し付けるように、第2樹脂管12がストッパ22の方向(図3に示す矢印A2方向)に加圧される。
【0064】
ここで、加圧に用いられる加圧冶具について説明する。図6は、加圧冶具200を示す図である。図7は、第1樹脂管11、電気融着継手1、および第2樹脂管12を加圧冶具200に取り付けた状態を示す図である。
【0065】
加圧冶具200は、第1クランプ部210と、第2クランプ部220と、3つのガイド部材230と、加圧ネジ部材240とを有する。
【0066】
第1クランプ部210は、第1半環状部211と、第2半環状部212と、ヒンジ部213と、締結部214と、位置固定部215と、を有する。
【0067】
第1半環状部211と第2半環状部212は、概ね円環の半分の形状であり、第1樹脂管11の外周を挟み込むことができる。第1半環状部211は、周方向にガイド支持部211bと、ネジ部211cを有する。ガイド支持部211bには、貫通孔が形成されており、棒状のガイド部材230が挿通されている。
【0068】
第2半環状部212は、周方向に2つのガイド支持部212b、212cを有する。ガイド支持部212bおよびガイド支持部212cの各々には、貫通孔が形成されており、棒状のガイド部材230が挿通されている。
【0069】
ヒンジ部213は、第1半環状部211と第2半環状部212の周方向の端同士を回動可能に連結する。ヒンジ部213を中心に、第1半環状部211と第2半環状部212の間を開いた状態で、第1樹脂管11が第1半環状部211と第2半環状部212の間に配置される。
【0070】
締結部214は、例えばネジであって、第1半環状部211と第2半環状部212のヒンジ部213とは反対側の周方向の端に設けられている。第1半環状部211のヒンジ部213とは反対側の周方向の端は、外側に向かって突出しており、その突出部211aには貫通孔が形成されている。また、第2半環状部212のヒンジ部213とは反対側の周方向の端は、外側に向かって突出しており、その突出部212aには貫通孔が形成されている。
【0071】
第1半環状部211と第2半環状部212が閉じられた状態において、2つの貫通孔は対向しており、ネジである締結部214が挿入されている。突出部212aの貫通孔の内周面にはネジ形状が形成されており、突出部211aの貫通孔にはネジ形状が形成されていない。締結部214は、突出部211aの貫通孔を挿通し、突出部212aの貫通孔に螺合している。
【0072】
これにより、締結部214を回転させることによって、締結部214のヘッドによって、突出部211aが突出部212aに押し付けられ、第1樹脂管11を第1クランプ部210によって挟持することができる。なお、締結部214は、ネジに限らず、例えばボルトとナットなどであってもよく、第1半環状部211と第2半環状部212を締め付けることができさえすれば構成が限定されるものではない。
【0073】
位置固定部215は、ネジ部材であり、ガイド支持部211bに設けられている。詳細には、ガイド支持部211bには、ガイド部材230が挿入されている貫通孔に向かってネジ孔が形成されており、そのネジ孔に位置固定部215が挿入されている。
【0074】
位置固定部215を締めると、位置固定部215の先端が、ガイド部材230に接触するため、第1クランプ部210のガイド部材230に対する位置が固定される。
【0075】
第2クランプ部220は、第1半環状部221と、第2半環状部222と、ヒンジ部223と、締結部224と、を有する。
【0076】
第1半環状部221は、第1半環状部211と同様の形状であり、突出部221a、ガイド支持部221bと、ネジ部221cを有する。ガイド支持部221bには、ガイド支持部211bと異なり、ガイド部材230が固定されている。
【0077】
また、第2半環状部222は、第2半環状部212と同様の形状であり、突出部222aと、ガイド支持部222bと、ガイド支持部222cと、を有する。ガイド支持部222b、222cには、ガイド支持部212b、212cと異なり、ガイド部材230が固定されている。
【0078】
ヒンジ部223は、ヒンジ部213と同様であり、第1半環状部221と第2半環状部222の周方向の端同士を回動可能に連結する。締結部224は、締結部214と同様であり、突出部221aと突出部222aに設けられている。
【0079】
ガイド部材230は、ガイド支持部211bを挿通して、ガイド支持部221bに固定されている。ガイド部材230は、ガイド支持部212bを挿通して、ガイド支持部222bに固定されている。ガイド部材230は、ガイド支持部212cを挿通して、ガイド支持部222cに固定されている。
【0080】
加圧ネジ部材240は、ボールネジであり、ネジ部211cとネジ部221cに挿通されている。ネジ部211c、ネジ部221cには、加圧ネジ部材240が挿通するネジ孔が形成されており、ネジ部211cとネジ部221cでは、ネジ孔が逆に形成されている。すなわち、加圧ネジ部材240を回転させると、第1クランプ部210と第2クランプ部220は、ガイド部材230に沿って、互いに接近または離間する。
【0081】
図7に示すように、第1樹脂管11を第1クランプ部210によって挟み込んで固定し、第2樹脂管12を第2クランプ部220によって挟み込んで固定し、その後、加圧ネジ部材240を回転させることによって、第1クランプ部210と第2クランプ部220を互いに接近させる(矢印A1、A2参照)。
【0082】
これによって、第1樹脂管11の管端11aをストッパ22の第1側面22aに押し付け、第2樹脂管12の管端12aをストッパ22の第2側面22bに押し付けるように、第1樹脂管11および第2樹脂管12を加圧することができる。
【0083】
また、加圧した状態で位置固定部215を締め付けることによって、第1クランプ部210と第2クランプ部220による加圧状態を保持することができる。
【0084】
次に、ステップS3において、加圧された状態において、コネクタ取付部6の2本のピン61に電気融着装置のコネクタが取り付けられ、通電が所定時間行われる。なお、通電しながら、加圧ネジ部材240を回転させて第1樹脂管11と第2樹脂管12を電気融着継手1に押し込んでもよい。
【0085】
この通電によって電熱線31、41、51が発熱する。通電時の電熱線温度は本体部を溶融させ得る温度であればよく、ポリオレフィンの場合は220度以下が好ましい。
区間R1における電熱線31の発熱によって、第1接続部23の内周面および第1樹脂管11の外周面における熱可塑性樹脂が溶融して膨張する。区間R3のコールドゾーンにおいては、熱可塑性樹脂が固化してシールされ第1樹脂管11の外周面と第1接続部23の間の樹脂圧が高まる。このように、第1接続部23の内周面および第1樹脂管11の外周面が融着され、高い融着強度が発現する。
【0086】
同様に、区間R2における電熱線41の発熱によって、第2接続部24の内周面および第2樹脂管12の外周面における熱可塑性樹脂が溶融して膨張する。区間R4のコールドゾーンにおいては、熱可塑性樹脂が固化してシールされ第2樹脂管12の外周面と第2接続部24の間の樹脂圧が高まり、第2接続部24の内周面および第2樹脂管12の外周面が融着される。
【0087】
図8(a)、(b)は、図3のS部拡大図であり、ストッパ22近傍における溶融の過程を模式的に示す図である。図8(a)に示すように、区間R5のストッパ22が溶融した熱可塑性樹脂は径方向における中心方向(矢印B1参照)に向かって流動し、それに伴って電熱線51も次第に移動する。更に通電を続けると移動した先において熱可塑性樹脂を溶融させ電熱線51の移動が進む。なお、電熱線の移動は、通電時間や溶融時における樹脂管の押し込み圧によって制御することができる。なお、図8(b)では、ストッパ22が溶融した熱可塑性樹脂は、第1樹脂管11および第2樹脂管12の内周面よりも内側に突出しているが、突出せずに凹んでいてもよい。なお、ストッパ22の径方向Bにおける突出高さは、電熱線51の径と同じ程度が好ましい。
【0088】
また、本実施の形態では、電熱線51の導線71が絶縁被覆されているため、流路に露出したとしても金属部が露出しない。
【0089】
また、図8(b)に示すように、電熱線51の移動によって、第1樹脂管11及び第2樹脂管12の内面付近(接液面付近)まで融着することができるため、ストッパ22と第1樹脂管11および第2樹脂管12との間の隙間をなくし、滞留する箇所を低減することができる。
【0090】
次に、ステップS4において、通電を停止してから所定時間放置して樹脂の冷却が行われる。
【0091】
以上の手順により、電気融着継手1を第1樹脂管11および第2樹脂管12と融着接合することができる。
【0092】
<特徴等>
(1)
本実施の形態の電気融着継手1は、本体部2と、電熱線51と、を備える。本体部2は、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂管11および第2樹脂管12と接続される。電熱線51は、本体部2に配置されている。電熱線51は、導線71と、導線71の周囲に設けられた絶縁皮膜72とを有する。絶縁皮膜72は、融点が230度以上である。
【0093】
このように、融点が230度以上の絶縁皮膜72を導線71の周囲に設けることにより、電熱線51の発熱によって融着が行われる温度においても絶縁皮膜72が溶けないため、電熱線51の導線71同士の接触を防ぐことができる。このため、所望の温度まで上昇させることができ、融着強度を確保することができる。
【0094】
(2)
本実施の形態の電気融着継手1では、電熱線51は、絶縁皮膜72の周囲に設けられた外層部73を更に有する。外層部73は、ポリオレフィン系樹脂で形成されている。
【0095】
これによって、電熱線51の強度を増すことができ、また融着が行われる温度において導線71が露出されることを防ぐことができる。
【0096】
(3)
本実施の形態の電気融着継手1では、絶縁皮膜72は、ポリイミド系樹脂で形成されている。
【0097】
このように、絶縁皮膜72をポリイミド系樹脂で形成することにより、電熱線51の発熱によって融着が行われる温度においても絶縁皮膜72の溶融を抑制することができる。
【0098】
(4)
本実施の形態の電気融着継手1では、本体部2は、筒状部21と、ストッパ22と、を有する。筒状部21は、第1樹脂管11の外側に配置され第1樹脂管11と接続される第1接続部23(接続部の一例)を有する。筒状部21は、第2樹脂管12の外側に配置され第2樹脂管12と接続される第2接続部24(接続部の一例)を有する。ストッパ22は、筒状部21の表面から突出するように形成され、第1樹脂管11の管端11a(端の一例)の位置および第2樹脂管12の管端12a(端の一例)の位置を規制可能である。
【0099】
異物が滞留する隙間を形成しないように、ストッパ22に第1樹脂管11および第2樹脂管12を押圧した状態で融着を行った場合でも導線71の周囲に絶縁皮膜72が形成されているため、電熱線51の導線71同士の接触を防ぐことができ、融着強度を確保することが可能となる。
【0100】
(5)
本実施の形態の電気融着継手1では、第1接続部23の内側には、第1樹脂管11が挿入可能である。第2接続部24の内側には、第2樹脂管12が挿入可能である。ストッパ22は、筒状部21の内面21aに突出するように形成され、第1接続部23の内側に第1樹脂管11が挿入された際に挿入位置を規制可能であり、第2接続部24の内側に第2樹脂管12が挿入された際に挿入位置を規制可能である。
【0101】
これによって、内側に挿入される第1樹脂管11および第2樹脂管12と電気融着継手1とを強固に融着することができる。
【0102】
<他の実施の形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0103】
(A)
上記実施の形態では、第1樹脂管11の管端11aと第2樹脂管12の管端12aをストッパ22に押圧しているが、押圧しなくてもよい。ただし、施工時間を短くできるため、押圧する方がより好ましい。
【0104】
(B)
上記実施の形態では、ストッパ22は、筒状部21の内面21aから径方向内側に向かって突出するように形成されているが、これに限らなくても良い。例えば、図9に示すように、ストッパ22´が筒状部21´の外面から径方向外側に向かって突出するように形成された電気融着継手1´であってもよい。
【0105】
図9は、本実施の形態の変形例である配管構造100´の分解図である。配管構造100´は、電気融着継手1´と、電気融着継手1´に接続される第1樹脂管11と第2樹脂管12を有する。図9では、第1樹脂管11の内側と第2樹脂管12の内側のそれぞれに電気融着継手1´が挿入される。図10は、電気融着継手1´が第1樹脂管11と第2樹脂管12に挿入された状態を示す断面図である。
【0106】
本体部2´は、筒状部21´と、ストッパ22´と、を有している。筒状部21´は、第1接続部23´と、第2接続部24´と、連設部25´と、を有する。第1樹脂管11の内側に電気融着継手1´の第1接続部23´が挿入され、第2樹脂管12の内側に電気融着継手1´の第2接続部24´が挿入される。ストッパ22´は、連設部25の外側に設けられている。ストッパ22´は、筒状部21´の外面21d´に径方向外側に突出するように形成されている。また、ストッパ22´は、周方向Cに沿って一周に亘って突条に形成されている。
【0107】
ストッパ22´は、第1側面22a´と、第2側面22b´と、外周面22c´とを有する。外周面22c´は、ストッパ22´の径方向内側の端面である。
【0108】
第1側面22a´は、筒状部21´の外面21d´から径方向Bの外側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。第2側面22b´は、筒状部21の外面21d´から径方向Bの外側に向かって軸線方向Aに対して略垂直に形成されている。外周面22c´は、第1側面22a´の径方向内側の端と、第2側面22b´の径方向内側の端を繋ぐ。
【0109】
発熱部3は、筒状部21´の第1接続部23´側の端21b´から所定の区間(図2の区間R1に相当)において外面21d´寄りに配置されており、ストッパ22´から所定の区間(図2の区間R3に相当)を空けた位置まで設けられている。発熱部4は、筒状部21´の第2接続部24´側の端21c´から所定の区間(図2の区間R2に相当)において外面21d´寄りに配置されており、ストッパ22´から所定の区間(図2の区間R4に相当)を空けた位置まで設けられている。発熱部3の電熱線31と発熱部4の電熱線41は、筒状部21の外面21d´に埋設されている。図10では、電熱線31と電熱線41は、その一部が外面21d´から外側に露出している。
【0110】
発熱部5は、ストッパ22´に設けられている。発熱部5の電熱線51は、ストッパ22´の第1側面22a´と第2側面22b´に埋設されている。電熱線51は、その一部が第1側面22a´または第2側面22b´から露出している。なお、コネクタ取付部6の2本のピン61は、ストッパ22´の外周面22c´に配置されている。
【0111】
上述した加圧冶具200を用いて第1樹脂管11の管端11aを第1側面22a´に押圧し、第2樹脂管12の管端12aを第2側面22b´に押圧しながら、電熱線31、41、51に通電を行うことによって、第1樹脂管11と第2樹脂管12が電気融着継手1´に融着接合される。
【0112】
このような構成においても、熱可塑性樹脂の溶融によって発熱部5の電熱線51の位置が移動するが、絶縁皮膜72が設けられているため導線71同士が接触してショートすることを防ぐことができる。
【0113】
(C)
上記実施の形態では、軸線方向Aに沿って視た場合、ストッパ22の外径は円形状であるが、円に限らなくても良く、一部が面取りされていても良いし、多角形状であってもよい。
【0114】
(D)
上記実施の形態では、電気融着継手1、1´の流路はいずれも直線状に形成されているが、流路が曲がっているエルボ継手であってもよい。
【0115】
(E)
上記実施の形態では、発熱部3、4、5の電熱線31、41、51に同じものを使用しているため、すべての電熱線31、41、51に絶縁皮膜72が設けられているが、これに限らなくてもよい。しかしながら、少なくとも電熱線51に絶縁皮膜72が設けられているほうが好ましい。これは、第1樹脂管11および第2樹脂管12によって加圧される場合があり、電熱線51同士が接触しやすいためである。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明の電気融着継手は、ショートの発生を抑制して融着の強度を確保することが可能な効果を有し、プラント用の配管構造などとして有用である。
【符号の説明】
【0117】
1 :電気融着継手
2 :本体部
5 :発熱部
51 :電熱線
71 :導線
72 :絶縁皮膜
73 :外層部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10