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▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】添加剤を含有するペレット
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20230927BHJP
   B29B 9/12 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
C08J3/12 Z CER
B29B9/12
C08J3/12 CEZ
C08J3/12 CFH
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021557428
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2019080378
(87)【国際公開番号】W WO2020198919
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】コウ、チエン
(72)【発明者】
【氏名】スン、ヤーピン
(72)【発明者】
【氏名】マー、ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】エッセガー、モハメッド
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ウェンイー
(72)【発明者】
【氏名】コーゲン、ジェフリー エム.
【審査官】大▲わき▼ 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-207334(JP,A)
【文献】特表2018-523731(JP,A)
【文献】特開2012-097130(JP,A)
【文献】特開2008-255277(JP,A)
【文献】特開2012-031432(JP,A)
【文献】特表2004-509201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/00-3/28、99/00、
B29B7/00-11/14、13/00-15/06、B29C31/00-31/10、37/00-37/04、71/00-71/02、
C08K3/00-13/08、C08L1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットであって、
第1の端部および反対側の第2の端部を有し、ポリマー材料からなり、長さおよび直径(本体直径)を有する本体と、
直径(チャネル直径)を有し、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記本体を通って延在するチャネルと、
少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を含む、前記チャネル内の添加剤と
を含み、
ペレットにおける前記添加剤の含量は、1.5~5重量%である
ペレット。
【請求項2】
前記添加剤が過酸化物をさらに含む、請求項に記載のペレット。
【請求項3】
前記添加剤がトリアリルイソシアヌレート(TAIC)をさらに含む、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項4】
前記添加剤がシランをさらに含む、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項5】
各端部が、それぞれのオリフィスおよびそれぞれの面を有し、
前記本体が、シェルを含む表面と平面表面とを有し、前記本体表面が、シェル表面積および平面表面積を含む本体表面積を有し、かつ
前記本体表面積が25平方ミリメートル(mm)~50mmである、請求項1~のいずれか1項に記載のペレット。
【請求項6】
前記チャネル直径が0.18ミリメートル(mm)~1mmである、請求項1~のいずれか1項に記載のペレット。
【請求項7】
前記長さが1.5mm~1.9mmであり、前記本体直径が0.8mm~4.2mmである、請求項1~のいずれか1項に記載のペレット。
【請求項8】
前記端部のうちの少なくとも一方が閉鎖している、請求項1~のいずれか1項に記載のペレット。
【請求項9】
各端部が閉鎖している、請求項1~のいずれか1項に記載のペレット。
【請求項10】
前記本体が、ポリオレフィン、架橋性ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ワックス、ホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、ゴム、芳香族ビニルポリマー、脂肪族ビニルポリマー、芳香族アルケニルポリマー、および前述のもののコポリマーからなる群から選択されるポリマー材料からなる、請求項1~のいずれか1項に記載のペレット。
【請求項11】
溶融状態のペレットを形成することであって、前記ペレットが本体を有し、前記本体が第1の端部および反対側の第2の端部を有し、前記本体がポリマー材料からなり、前記ペレットが前記第1の端部から前記第2の端部まで前記本体を通って延在するチャネルを有することと、
前記チャネルに添加剤を注入することであって、前記添加剤が流体状態にあることと、
前記ペレットを固化させることと、
前記チャネル内に前記添加剤を含む充填済みのペレットを形成することと
を含み、
前記添加剤は、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を含み、
前記ペレットにおける前記添加剤の含量は、1.5~5重量%である
方法。
【請求項12】
前記本体が、長さと、直径(本体直径)と、シェル表面および平面表面を含む表面(本体表面)とを有し、前記本体表面が、シェル表面積および平面表面積を含む本体表面積を有する、請求項11に記載の方法であって、
前記方法が、
25mm~50mmの本体表面積を有する充填済みのペレットを形成することを含む、方法。
【請求項13】
少なくとも1つの閉鎖端を有する充填済みのペレットを形成することを含む、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
架橋ポリエチレン(XLPE)は、送電システムの高電圧絶縁に広く使用されている。XLPEを製造するための1つの手法は、シラン/湿分硬化法によるものである。シラン/湿分硬化法では、シランが、過酸化物開始剤の存在下にて反応押出手順でポリエチレンにグラフトされる。得られたシラングラフト樹脂によってシラン架橋ポリエチレンが生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
シラン/湿分硬化法の欠点としては、シランおよび過酸化物の取り扱いおよび使用に関連する環境、健康、および安全上の危険が挙げられる。さらに、ポリエチレンの過酸化物架橋は、過酸化物の分解を理由に副生成物を生成する。例えば、一般的な架橋剤であるジクミルペルオキシド(DCP)は、典型的には、ポリエチレンの架橋中に分解して、メタン、アセトフェノン、およびクミルアルコールを生成する。これらの架橋副産物は、XPLE電源ケーブルの電気的特性に悪影響を与える可能性がある。
【0003】
当技術分野では、オレフィン系ポリマーを架橋するための、特にポリエチレンを架橋するためのシラン/湿分硬化手順における過酸化物および/またはシランの量を低減する継続的な必要性が認識されている。
【0004】
本開示は、ペレットを提供する。一実施形態では、ペレットは、第1の端部および反対側の第2の端部を有する本体を含む。本体は、ポリマー材料からなる。本体は、長さ、直径(本体直径)、およびチャネルを有する。チャネルは、直径(チャネル直径)を有し、チャネルは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延在する。添加剤は、チャネル内にある。
【0005】
方法も提供される。該方法は、溶融状態のペレットを形成することであって、ペレットが本体を有し、本体が第1の端部および反対側の第2の端部を有することを含む。本体は、ポリマー材料からなる。ペレットは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延在するチャネルを有する。該方法は、添加剤が流体状態にある間にチャネルに添加剤を注入することを含む。該方法は、ペレットを固化させることと、充填済みのペレットであって、チャネル内に添加剤を有する充填済みのペレットを形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A図1Aは、本開示の一実施形態による、ペレット本体を通って延在するチャネルとチャネル内の添加剤とを有するペレットの斜視図である。
図1B図1Bは、本開示の一実施形態による、チャネル内に添加剤を有する中空ペレットの斜視図である。
図2A図2Aは、図1Bの線2A~2Aに沿って見たペレットの断面図である。
図2B図2Bは、図1Bの線2B~2Bに沿って見たペレットの断面図である。
図3図3は、図1Bのペレットの分解図である。
図4A図4Aは、本開示の一実施形態による、閉鎖型ペレットの斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aの線4B~4Bに沿って見た、チャネル内に添加剤を有する閉鎖型ペレットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
米国特許実務の目的として、参照される特許、特許出願、または公開物のいかなる内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるいかなる定義にも矛盾しない範囲で)、および当該技術分野における一般的知識に関して、それらの全体が参照により組み込まれる(または、その同等の米国版が参照によりそのように組み込まれる)。
【0008】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値からの、それらを含むすべての値を含む。明示的な値(例えば、1、または2、または3から、5、または6、または7まで)を含む範囲に関して、任意の2つの明示的な値の間の任意の下位範囲(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6など)が含まれる。
【0009】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびこれらの派生語は、任意のさらなる成分、ステップ、または手順が、具体的に開示されているか否かに関わらず、それらの存在を除外することを意図しない。疑義が生じないようにするために、「備える」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、相反する記載がない限り、(ポリマーであるか、そうでないかに関わらず)任意のさらなる添加剤、アジュバント、または化合物を含むことができる。対照的に、「から実質的になる」という用語は、実施可能性に必須ではないものを除いて、あらゆる後続の列挙の範囲から、他のいかなる成分、ステップ、または手順も除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を除外する。「または」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。単数形の使用には複数形の使用が含まれ、逆もまた同様である。
【0010】
相反する記載がない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、すべての部およびパーセントは、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
【0011】
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」、および同様の用語は、2つ以上のポリマーの組み合わせを指す。そのようなブレンドは、混和性であっても、そうでなくてもよい。そのような組み合わせは、相分離していても、していなくてもよい。そのような組み合わせは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当該技術分野で知られている任意の他の方法から決定される1つ以上のドメイン構成を含んでいても、含んでいなくてもよい。
【0012】
「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量を基準として)50重量パーセント超の重合エチレンモノマーを含有し、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有し得るポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマー、およびエチレンコポリマー(エチレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、互換的に使用され得る。エチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)および線状ポリエチレンが挙げられる。線状ポリエチレンの非限定的な例としては、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、多成分エチレン系コポリマー(EPE)、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(オレフィンブロックコポリマー(OBC)としても知られる)、シングルサイト触媒線状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、実質的に線状または線状のプラストマー/エラストマー、中密度ポリエチレン(MDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。一般に、ポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒のような不均質触媒系、第4族遷移金属およびメタロセン、非メタロセン金属中心、ヘテロアリール、ヘテロバレントアリールオキシエーテル、ホスフィンイミン、などのリガンド構造を含む均質触媒系、およびその他を使用して、気相、流動床反応器、液相スラリープロセス反応器、または液相溶液プロセス反応器で生成することができる。不均一触媒および/または均一触媒の組み合わせもまた、単一反応器または二重反応器構成のいずれかにおいて使用され得る。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、その中に重合された芳香族コモノマーを含有しない。
【0013】
「エチレンプラストマー/エラストマー」は、エチレンに由来する単位、および、少なくとも1つのC-C10α-オレフィンコモノマー、もしくは少なくとも1つのC-Cのα-オレフィンコモノマー、もしくは少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマーに由来する単位を備える均質な短鎖分岐分布を含む、実質的に線状または線状のエチレン/α-オレフィンコモノマーである。エチレンプラストマー/エラストマーは、0.870g/cc、または0.880g/cc、または0.890g/ccから、0.900g/cc、または0.902g/cc、または0.904g/cc、または0.909g/cc、または0.910g/cc、または0.917g/ccの密度を有する。エチレンプラストマー/エラストマーの非限定的な例としては、AFFINITY(商標)プラストマーおよびエラストマー(The Dow Chemical Companyから入手可能)、EXACT(商標)プラストマー(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、Tafmer(商標)(Mitsuiから入手可能)、Nexlene(商標)(SK Chemicals Co.から入手可能)、およびLucene(商標)(LG Chem Ltd.から入手可能)が挙げられる。
【0014】
「高密度ポリエチレン」(または「HDPE」)は、エチレンホモポリマー、または少なくとも1つのC-C10α-オレフィンコモノマー、もしくはC-Cα-オレフィンコモノマーを含むエチレン/α-オレフィンコポリマーであり、かつ0.94g/cc超、または0.945g/cc、または0.95g/cc、または0.955g/cc~0.96g/cc、または0.97g/cc、または0.98g/ccの密度を有する。HDPEは、単峰性コポリマーまたは多峰性コポリマーであり得る。「単峰性エチレンコポリマー」とは、分子量分布を示すゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において1つの明確なピークを有するエチレン/C-C10α-オレフィンコポリマーのことである。「多峰性エチレンコポリマー」とは、分子量分布を示すGPCにおいて少なくとも2つの明確なピークを有するエチレン/C-C10α-オレフィンコポリマーのことである。多峰性としては、2つのピークを有するコポリマー(二峰性)、ならびに3つ以上のピークを有するコポリマーが挙げられる。HDPEの非限定的な例としては、それぞれThe Dow Chemical Companyから入手可能なDOW(商標)高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ELITE(商標)強化ポリエチレン樹脂、およびCONTINUUM(商標)二峰生ポリエチレン樹脂、LyondellBasellから入手可能なLUPOLEN(商標)、ならびにBorealis、Ineos、およびExxonMobilからのHDPE製品が挙げられる。
【0015】
「インターポリマー」(または「コポリマー」)は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーである。この総称は、2つの異なるモノマーから調製されたポリマー、および3つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマーなどを指すために通常用いられるコポリマーを含む。
【0016】
「低密度ポリエチレン」(または「LDPE」)は、エチレンホモポリマー、または0.915g/cc~0.940g/ccの密度を有し、かつ広いMWDを有する長鎖分岐を含有する、少なくとも1つのC-C10α-オレフィン、好ましくはC-Cを含む、エチレン/α-オレフィンコポリマーからなる。LDPEは、典型的には、高圧フリーラジカル重合(フリーラジカル開始剤を用いる管状反応器またはオートクレーブ)によって生成される。LDPEの非限定的な例としては、MarFlex(商標)(Chevron Phillips)、LUPOLEN(商標)(LyondellBasell)、およびBorealis、Ineos、ExxonMobilなどのLDPE製品が挙げられる。
【0017】
「線状低密度ポリエチレン」(または「LLDPE」)は、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー由来の単位と、を含む、不均一短鎖分岐分布を含む線状のエチレン/α-オレフィンコポリマーである。LLDPEは、従来のLDPEとは対照的に、長鎖分岐があるとしてもわずかであることを特徴とする。LLDPEは、0.910g/cc、または0.915g/cc、または0.920g/cc、または0.925g/cc~0.930g/cc、または0.935g/cc、または0.940g/ccの密度を有する。LLDPEの非限定的な例としては、それぞれThe Dow Chemical Companyから入手可能なTUFLIN(商標)線状低密度ポリエチレン樹脂およびDOWLEX(商標)ポリエチレン樹脂、ならびにMARLEX(商標)ポリエチレン(Chevron Phillipsから入手可能)が挙げられる。
【0018】
「多成分エチレン系コポリマー」(または「EPE」)は、エチレン由来の単位と、特許参考文献USP6,111,023、USP5,677,383、およびUSP6,984,695に記載されているような少なくとも1つのC-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー由来の単位と、を含む。EPE樹脂は、0.905g/cc、または0.908g/cc、または0.912g/cc、または0.920g/cc~0.926g/cc、または0.929g/cc、または0.940g/cc、または0.962g/ccの密度を有する。EPE樹脂の非限定的な例としては、それぞれThe Dow Chemical Companyから入手可能なELITE(商標)強化ポリエチレンおよびELITE AT(商標)先端技術樹脂、Nova Chemicalsから入手可能なSURPASS(商標)ポリエチレン(PE)樹脂、ならびにSK Chemicals Co.から入手可能なSMART(商標)が挙げられる。
【0019】
「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」は、(重合性モノマーの総量を基準として)50重量パーセント超の重合オレフィンモノマーを含有し、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有し得るポリマーである。オレフィン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーが挙げられる。「オレフィン」および同様の用語は、水素と炭素とからなる炭化水素を指し、その分子は、二重結合によって互いに結合された一対の炭素原子を含有する。
【0020】
「ポリマー」は、同一の種類であるか異なる種類であるかに関わらず、重合モノマーによって調製される化合物であり、重合形態で、ポリマーを構成する複数および/もしくは反復「単位」または「構造単位」を提供する。したがって、ポリマーという一般的な用語は、「ホモポリマー」という用語を包含し、通常、1つのタイプのモノマーのみから調製されたポリマーを指すために用いられるが、連鎖移動剤のようなホモポリマーを調製するのに使用される他の成分の残留量を除外してはいない。「コポリマー」という用語は、通常、少なくとも2つのタイプのモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられる。また、例えば、ランダム、ブロックなどのすべての形態のコポリマーも包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」および「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、それぞれエチレンまたはプロピレンを重合させて調製した上記のようなコポリマーおよび1つ以上のさらなる重合性α-オレフィンモノマーを示す。ポリマーは、多くの場合、特定のモノマーまたはモノマーの種類に「基づいて」、特定のモノマー含有量を「含有する」など、1つ以上の特定のモノマー「から作られる」ものと言及されるが、この文脈では、「モノマー」という用語は、特定のモノマーの重合残留物を指し、非重合種を指さないことが理解されることに留意されたい。概して、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0021】
「シングルサイト触媒線状低密度ポリエチレン」(または「m-LLDPE」)とは、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー由来の単位と、を含む均一短鎖分岐分布を含む線状のエチレン/α-オレフィンコポリマーである。m-LLDPEは、0.913g/cc、または0.918g/cc、または0.920g/cc~0.925g/cc、または0.940g/ccの密度を有する。m-LLDPEの非限定的な例としては、EXCEED(商標)メタロセンPE(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、LUFLEXEN(商標)m-LLDPE(LyondellBasellから入手可能)、およびELTEX(商標)PF m-LLDPE(Ineos Olefins&Polymersから入手可能)が挙げられる。
【0022】
「超低密度ポリエチレン」(または「ULDPE」)および「極低密度ポリエチレン」(または「VLDPE」)はそれぞれ、エチレン由来の単位と、少なくとも1つのC-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC-Cα-オレフィンコモノマー由来の単位と、を含む、不均一短鎖分岐分布を含む線状のエチレン/α-オレフィンコポリマーである。ULDPEおよびVLDPEはそれぞれ、0.885g/cc、または0.90g/cc~0.915g/ccの密度を有する。ULDPEおよびVLDPEの非限定的な例としては、それぞれThe Dow Chemical Companyから入手可能なATTANE(商標)ULDPE樹脂およびFLEXOMER(商標)VLDPE樹脂が挙げられる。
【0023】
「溶融ブレンド」とは、少なくとも2つの成分が組み合わされるか、そうでなければ一緒に混合され、成分のうちの少なくとも1つが溶融状態にあるプロセスである。溶融ブレンドは、例えば、バッチ混合、押出ブレンド、押出成形などの1つ以上の様々な既知のプロセスによって達成され得る。「溶融ブレンド」組成物とは、溶融ブレンドのプロセスを通じて形成された組成物である。
【0024】
「熱可塑性ポリマー」および同様の用語は、加熱すると繰り返し軟化して流動性になり、室温まで冷却すると硬化状態に戻ることができる線状または分岐状ポリマーを指す。熱可塑性ポリマーは、通常、ASTM D638-72に従って測定した場合に68.95MPa(10,000psi)を超える弾性率を有する。さらに、熱可塑性ポリマーは、軟化状態まで加熱されると、任意の所定の形状の物品に成形または押出され得る。
【0025】
「熱硬化ポリマー」、「熱硬化性ポリマー」、および同様の用語は、いったん硬化すると、ポリマーが熱によって軟化することができない、さらには熱によって成形することができないことを示す。熱硬化性ポリマーは、いったん硬化すると、空間ネットワークポリマーであり、高度に架橋されて剛性の三次元分子構造を形成する。
【0026】
詳細な説明
本開示は、ペレットを提供する。一実施形態では、ペレットは、ポリマー材料からなる本体を含む。本体は、第1の端部と、本体の反対側に位置する第2の端部とを有する。本体は、長さおよび直径を含む。本体は、チャネル直径を有するチャネルを有する。チャネルは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延在する。添加剤は、チャネル内に位置する。
ペレット
【0027】
図面を参照する際、まず図1Aを参照すると、本開示の複数のペレットが示されている。図1Bは個々のペレット10を示し、ペレット10は本体20を含む。本体20は、第1の端部15および第2の端部25を含む。ペレット10はチャネル30を含む。チャネル30は、第1の端部15から第2の端部25まで本体20を通って延在する。本体20と、これを通って延在するチャネル30と、を有するペレット10は、以後、互換的に「中空ペレット」と呼ばれる。
【0028】
本体20は円筒形を有する。本体20は、第1の端部15および第2の端部25を含み、これらの端部は円形を有する。第1の端部15および第2の端部25は、本体20の反対側に位置する。対称軸Aは、端部15および25によって形成される円の中心に位置する。ペレット10は、対称軸Aに平行なチャネル30を含む。チャネル30は、円筒形または概ね円筒形の形状を有し、本体20の中心に位置する。チャネル30は、本体20の全長にわたる。チャネル30は、第1の端部15から第2の端部25まで延在する。
【0029】
本体20は、円形または概ね円形の断面形状を有する。本体20はまた、円筒形または概ね円筒形の形状を有する。本体20の円形の断面形状は、工業規模の製造中および/またはペレットがまだ溶融状態にある間のペレットの取り扱い中にペレット10に加えられる力によって、変更(すなわち、圧搾、プレス、または充填)することができると理解される。結果として、本体20の断面形状は、形状が円形というよりも楕円形である場合があり、したがって、「断面形状が概ね円形」と定義され得る。
【0030】
本体20およびチャネル30はそれぞれ、それぞれの直径(本体直径40およびチャネル直径45)を有する。本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、本体/チャネルの中心を通って、すなわち対称軸Aを通って延在する、本体/チャネル表面上の2点間の最大の長さである。言い換えるなら、ペレット10が(円形ではなく)楕円形を有する場合、直径は楕円の主軸である。一実施形態では、本体20の形状は、ホッケーパックに似ている。
【0031】
図2Aは、ペレット10の本体直径40およびチャネル直径45を示す。一実施形態では、本体直径40は、0.7ミリメートル(mm)、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmである。さらなる実施形態では、本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmである。一実施形態では、チャネル直径45は、0.10mm、または0.13mm、または0.15mm、または0.18mm~0.3mm、または0.4mm、または0.5mm、または0.6mm、または0.8mm、または1mm、または1.6mm、または1.8mmである。さらなる実施形態では、チャネル直径45は、0.10~1.8mm、または0.15~1.6mm、または0.18~1mm、または0.18~0.8mm、または0.18~0.6mmである。
添加剤
【0032】
添加剤100は、図1A、1B、2A、2B、および4Bに示されるように、チャネル30内に存在する。
【0033】
一実施形態では、添加剤100は、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を含む。本明細書で使用される場合、「C-Si-O基」という用語は、酸素原子に共有結合したケイ素原子に共有結合した炭素原子を有する有機分子内の部分である。
【0034】
一実施形態では、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料はシロキサンである。
【0035】
一実施形態では、シロキサンはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0036】
一実施形態では、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料はシランである。シランは、以下の構造(A):
【化1】
を有する加水分解性シランであり、式中、R’は、水素原子またはメチル基であり、xおよびyは、0または1であるが、ただし、xが1である場合、yが1であることを条件とし、nは、1以上12以下の整数であるか、あるいはnは、1~4の整数であり、各R’’は、独立して、1~12個の炭素原子を有するアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アラルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、1~12個の炭素原子を有する脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノもしくは置換アミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ)、または1個以上6個以下の炭素原子を有する低級アルキル基のような加水分解性有機基であるが、ただし、3つのR’’基のうちの少なくとも1つがケイ素原子とSi-O結合を形成することを条件とする。
【0037】
好適な加水分解性シランの非限定的な例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル、またはガンマ-(メタ)アクリルオキシアリル基のようなエチレン性不飽和ヒドロカルビル基と、例えば、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、またはヒドロカルビルアミノ基のような加水分解性基とを有する、シランが挙げられる。加水分解性基の例としては、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロプリオニルオキシ、およびアルキルまたはアリールアミノ基が挙げられる。
【0038】
一実施形態では、加水分解性シランは、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ガンマ-(メタ)アクリルオキシ、プロピルトリメトキシシラン、およびこれらのシランの混合物のような不飽和アルコキシシランである。
【0039】
一実施形態では、添加剤100としては、過酸化物、シラン、触媒、硬化助剤、酸化防止剤、アゾ化合物、難燃剤、金属不活性化剤、UV安定剤、電圧安定剤、水トリー遅延剤、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
好適な過酸化物の非限定的な例としては、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド(DCP)、イソプロピルクミルt-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、イソプロピルクミルペルオキシド、ジ(イソプロピルクミル)ペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシド(DTAP)、ジ-t-ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ビス(1,1-ジメチルエチル)ペルオキシド、ビス(1,1-ジメチルプロピル)ペルオキシド、t-ブチルペルアセテート、t-ブチルペルオクトエート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)ヘキシン、2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキシン、3,1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(α-t-ブチル-ペルオキシイソプロピル)ベンゼン(BIPB)、ブチル4,4-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、および4,4-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)吉草酸が挙げられる。
【0041】
好適な触媒の非限定的な例としては、スズと有機配位子とを含む配位錯体、例えばジアルキルスズジカルボキシレートが挙げられる。一実施形態では、ジアルキルスズジカルボキシレートは、ジ((C-C10)アルキル)スズジカルボキシレート、ジアルキルスズジ(C-C18)カルボキシレート、ジ((C-C10)アルキル)スズジ(C-C18)カルボキシレート、ジ((C-C)アルキル)スズジ(C10-C14)カルボキシレート、ジ((C)アルキル)スズジ(C12)カルボキシレート、またはそれらの組み合わせである。さらなる実施形態では、ジアルキルスズジカルボキシレートはジブチルスズジラウレートである。
【0042】
好適な硬化助剤の非限定的な例としては、2-アリルフェニルアリルエーテル、4-イソプロペニル-2,6-ジメチルフェニルアリルエーテル、2,6-ジメチル-4-アリルフェニルアリルエーテル、2-メトキシ-4-アリルフェニルアリルエーテル、2,2’-ジアリルビスフェノールA、O,O’-ジアリルビスフェノールA(またはテトラメチルジアリルビスフェノールA)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(または1,3-ジイソプロペニルベンゼン)’、トリアリルイソシアヌレート(「TAIC」)、トリアリルシアヌレート(「TAC」)、トリアリルトリメリテート(「TATM」)、N,N,N’,N’,N’‘,N’‘-ヘキサアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン(「HATATA」)(N2,N2,N4,N4,N6,N6-ヘキサアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミンとしても知られている)、トリアリルオルトホルマート、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、トリアリルシトレート(またはトリアリルアコニテート)、トリメチロールプロパントリアクリレート(「TMPTA」)、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート(「TMPTMA」)、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート、トリメチルアリルイソシアヌレート(TMAIC)、N,N-m-フェニレンジマレイミド、およびジメタクリル酸亜鉛が挙げられる。
【0043】
好適な酸化防止剤の非限定的な例としては、ビス(4-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル)アミン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール、4,4’-チオビス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)(または4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-チオビス(6-t-ブチル-4-メチルフェノール、トリス[(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン、ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2,2’-チオジエタンジイルエステル、ジステアリルチオジプロピオネート(「DSTDP」)、ジラウリルチオジプロピオネート、ステアリル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス(ドデシルチオメチル)-6-メチルフェノール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、4,4’-ビス-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、およびスルファンジイルジエタン-2,1-ジイル-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート]が挙げられる。
【0044】
好適なアゾ化合物の非限定的な例は2,2-アゾビスイソブチロニトリルである。
【0045】
一実施形態では、添加剤は添加剤ブレンドである。添加剤ブレンドは、本明細書に記載されているような2つ以上の添加剤を含む。
【0046】
一実施形態では、添加剤ブレンドは担体を含む。好適な担体の非限定的な例としては、オレフィン系ポリマー、ワックス、およびそれらの組み合わせが挙げられる。添加剤ブレンドの2つ以上の添加剤は、担体全体に均一に分散している。
【0047】
一実施形態では、担体は固化剤を含む。
【0048】
一実施形態では、固化剤は核剤である。好適な核剤の非限定的な例としては、タルク、カルボン酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)、ソルビトールアセタール、清澄剤、リン酸エステル塩、有機顔料、および無機顔料が挙げられる。理論に縛られることを望むものではないが、担体と固化剤との混合物は、ペレット内に位置する担体内の添加剤の固化を促進することができる。
【0049】
一実施形態では、担体はワックスである。さらなる実施形態では、ワックスは、0.94g/cm超の密度を有する。
【0050】
担体は、本明細書に記載されている2つ以上の実施形態を含み得る。
【0051】
一実施形態では、添加剤ブレンドは、1重量%~99重量%の2つ以上の添加剤および1重量%~99重量%の担体を含む。重量パーセントは、添加剤ブレンドの総重量を基準とする。
【0052】
一実施形態では、添加剤ブレンドは、過酸化物、触媒、シラン、金属不活性化剤、酸化防止剤、UV安定剤、電圧安定剤、およびそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態では、添加剤ブレンドは担体を含む。
【0053】
一実施形態では、添加剤ブレンドは、60重量%、または70重量%、または80重量%~90重量%、または96重量%のシラン、1重量%、または2重量%、または5重量%、または8重量%~10重量%、または15重量%、または20重量%の過酸化物、および1重量%、または2重量%、または3重量%~4重量%、または5重量%、または8重量%の触媒を含む。さらなる実施形態では、添加剤ブレンドは、70重量%~96重量%のシラン、1重量%~10重量%の過酸化物、および1重量%~5重量%の触媒を含む。
【0054】
一実施形態では、添加剤ブレンドは、過酸化物、硬化助剤、難燃剤、水トリー遅延剤、酸化防止剤、UV安定剤、電圧安定剤、およびそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態では、添加剤ブレンドは担体を含む。
【0055】
一実施形態では、添加剤ブレンドは、50重量%、または60重量%、または70重量%~80重量%、または90重量%、または99重量%の担体および50重量%、または40重量%、または30重量%~20重量%、10重量%、または1重量%の硬化助剤を含む。さらなる実施形態では、添加剤ブレンドは、50~99重量%または70~80重量%の担体および50~1重量%または30~20重量%の硬化助剤を含む。重量パーセントは、添加剤ブレンドの総重量を基準とする。
【0056】
添加剤または添加剤ブレンドの一部は、チャネル30を介して本体20に吸収されても、されなくてもよい。添加剤または添加剤ブレンドの一部は、チャネル表面上に吸着されても、されなくてもよい。一実施形態では、添加剤の一部は、チャネル30を介して本体20に吸収され、添加剤(または添加剤ブレンド)の一部は、チャネル表面上に吸着される。本明細書で使用される場合、「吸収」という用語およびその派生語(すなわち、「吸収された」)は、本体20のバルクを通して(すなわち、その内部で)添加剤の分子種が同化することである。本明細書で使用される場合、「吸着」という用語およびその派生語(すなわち、「吸着された」)は、本体20のバルク内ではなく、本体表面で添加剤の分子種が蓄積することである。
【0057】
添加剤は、本明細書に記載されている2つ以上の実施形態を含み得る。
【0058】
ペレットの寸法
ペレット10は、チャネル直径対本体直径(CBD)比を有する。本明細書で使用される「チャネル直径対本体直径(または「CBD」)比」という用語は、チャネル直径を本体直径で割ることによって得られる結果を指す(すなわち、CBDはチャネル直径と本体直径の商である)。例えば、チャネル直径が2.0mmで、本体直径が7.0mmの場合、CBD比は0.29である。一実施形態では、CBD比は、0.03、または0.05、または0.07、または0.11~0.13、または0.15、または0.2、または0.25、または0.3、または0.35、または0.4、または0.45、または0.5である。別の実施形態では、CBD比は、0.03~0.5、または0.05~0.45、または0.05~0.25、または0.05~0.15、または0.11~0.15である。
【0059】
図2Bは、本体20の長さ35を示す。一実施形態では、長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmである。さらなる実施形態では、長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmである。
【0060】
一実施形態では、(i)長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmであり、(ii)本体直径40は、0.7ミリメートル(mm)、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmであり、(iii)チャネル直径45は、0.10mm、または0.13mm、または0.15mm、または0.18mm~0.3mm、または0.4mm、または0.5mm、または0.6mm、または0.8mm、または1mm、または1.6mm、または1.8mmである。さらなる実施形態では、(i)長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmであり、(ii)本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmであり、(iii)チャネル直径45は、0.10~1.8mm、または0.15~1.6mm、または0.18~1mm、または0.18~0.8mm、または0.18~0.6mmである。
【0061】
図1Bに戻ると、ペレット10の第1の面55が示されている。第1の面55は、第1の端部15に位置する。第1のオリフィス50は、第1の面55の中心に位置する。第1のオリフィス50は、形状が円形または概ね円形であり、チャネル30に開口している。第1のオリフィス50は、チャネル直径45に応じた面積を有する。第1のオリフィス50の領域は空隙であり、第1のオリフィス50は表面を有しないと理解される。第1の面55および第1のオリフィス50は、対称軸Aによって二等分された同心円を形成する。第1の面55は、第1のオリフィス50を含まない表面を有する。言い換えるなら、第1の面55は、平らな環の形状を有する。
【0062】
第2のオリフィス60は、第2の面65の中心に位置する。第2のオリフィス60は、形状が円形または形状が概ね円形であり、チャネル30に開口している。第2のオリフィス60は、チャネル直径45に応じた面積を有する。第2のオリフィス60の領域は空隙であり、第2のオリフィス60は表面を有しないと理解される。第2の面65および第2のオリフィス60は、対称軸Aによって二等分された同心円を形成する。第2の面65は、第2のオリフィス60を含まない表面を有する。言い換えるなら、第2の面65は、平らな環の形状を有する。
【0063】
第1の面55は、式(0.25×π×[(本体直径40)-(チャネル直径45)])の積である「第1の表面積」を有する。第2の面65は、式(0.25×π×[(本体直径40)-(チャネル直径45)])の積である「第2の表面積」を有する。第1の面55の表面積は、第2の面65の表面積に等しい。
【0064】
本体20は、「平面表面」を含む本体表面を有する。平面表面は、第1の面55および第2の面65を含む。平面表面は、第1の面55の表面積と第2の面65の表面積との合計である「平面表面積」を有する。平面表面積は、式2×(0.25×π×[(本体直径40)-(チャネル直径45)])の積である。
【0065】
図3はシェル70を示す。シェル70は、対称軸Aに平行な本体20の外側表面である。シェル70は、円筒形または概ね円筒形の形状を有する。シェル70は、「シェル表面」および「シェル表面積」を含み、後者は、式(π×本体直径40×長さ35)の積である。本体20は、シェル表面および平面表面を含む「本体表面」を有する。本体表面は、シェル表面積と平面表面積との合計である「本体表面積」を有する。一実施形態では、本体表面積は、25平方ミリメートル(mm)、または30mm、または32mm、または34mm、または35mm~40mm、または45mm、または50mmである。さらなる実施形態では、本体表面積は、25~50mm、または30~45mm、または35~40mmである。
【0066】
チャネル30は、「チャネル表面積」を含むチャネル表面75を有する。チャネル表面積は、式(π×チャネル直径45×長さ35)の積である。一実施形態では、チャネル表面積は、0.5mm、または1mm、または2mm、または3mm~6mm、または7mm、または8mm、または9mm、または10mm、または11mmである。さらなる実施形態では、チャネル表面積は、0.5~11mm、または1~9mm、または1~8mm、または2~8mmである。
【0067】
ペレット10は、本体表面積とチャネル表面積との合計である表面積を有する。一実施形態では、ペレット表面積は、4mm、または15mm、または25mm、または30mm、または35mm~40mm、または45mm、または50mm、または60mm、または70mm、または80mmである。さらなる実施形態では、ペレット表面積は、15~80mm、または30~60mm、または35~50mmである。
【0068】
一実施形態では、(i)長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmであり、(ii)本体直径40は、0.7mm、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmであり、(iii)ペレット表面積は、4mm、または15mm、または25mm、または30mm、または35mm~40mm、または45mm、または50mm、または60mm、または70mm、または80mmであり、(iv)CBD比は、0.03、または0.05、または0.07、または0.11~0.13、または0.15、または0.2、または0.25、または0.3、または0.35、または0.4、または0.45、または0.5である。さらなる実施形態では、(i)長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmであり、(ii)本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmであり、(iii)ペレット表面積は、15~80mm、または30~60mm、または35~50mmであり、(iv)CBD比は、0.03~0.5、または0.05~0.45、または0.05~0.25、または0.05~0.15、または0.11~0.15である。
【0069】
本明細書で使用される場合、「標準ペレット」という用語は、チャネルはないが他の点では予め設定された開示のペレット10と同一であるペレットを指し、すなわち、標準ペレットは、ペレット10と同じ本体直径40および同じ本体長さ35を有し、標準ペレットは、ペレット10の本体20と同じポリマー材料から作製されている。一実施形態では、ペレット10の表面積は、標準ペレットの表面積よりも大きい。ペレット表面積対標準ペレット表面積比は、「PSP比」と呼ばれる。一実施形態では、PSP比は、1.02、または1.03、または1.05、または1.07~1.09、または1.1、または1.11、または1.12、または1.15、または1.2、または1.4である。さらなる実施形態では、PSP比は、1.02~1.4、または1.05~1.15、または1.05~1.11である。
【0070】
ペレット10は、チャネル表面積対本体表面積(CSBS)比を有する。本明細書で使用される「チャネル表面積対本体表面積(または「CSBS」)比」という用語は、チャネル表面積を本体表面積で割ることによって得られる結果を指す(すなわち、CSBSは本体表面積によるチャネル表面積の商である)。例えば、チャネル表面積が2.0mmであり、本体表面積が7.0mmである場合、CSBS比は0.29である。一実施形態では、CSBS比は、0.02、または0.03、または0.06、または0.10、または0.13~0.15、または0.18、または0.21、または0.23、または0.25、または0.3である。さらなる実施形態では、CSBS比は、0.02~0.3、または0.03~0.25、または0.03~0.23、または0.03~0.21、または0.03~0.18である。
【0071】
一実施形態では、(i)長さ35は、0.4mm、または0.8mm、または1mm、または1.2mm、または1.4mm、または1.5mm、または1.6mm、または1.7mm~1.9mm、または2mm、または2.2mm、または2.5mm、または3mm、または3.3mm、または3.5mm、または4mmであり、(ii)本体直径40は、0.7mm、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mm、または1.5mm~3.7mm、または4.0mm、または4.2mm、または4.6mm、または5.0mmであり、(iii)ペレット表面積は、4mm、または15mm、または25mm、または30mm、または35mm~40mm、または45mm、または50mm、または60mm、または70mm、または80mmであり、(iv)CSBS比は、0.02、または0.03、または0.06、または0.10、または0.13~0.15、または0.18、または0.21、または0.23、または0.25、または0.3である。さらなる実施形態では、(i)長さ35は、0.4~4mm、または0.8~3.5mm、または1~3.5mm、または1.4~2.5mm、または1.5~1.9mmであり、(ii)本体直径40は、0.7~5.0mm、または0.8~4.2mm、または1.0~4.0mmであり、(iii)ペレット表面積は、15~80mm、または30~60mm、または35~50mmであり、(iv)CSBS比は、0.02~0.3、または0.03~0.25、または0.03~0.23、または0.03~0.21、または0.03~0.18である。
【0072】
図1Bは、第1の端部15および第2の端部25が開放端であることを示す。
【0073】
図4A~4Bは、閉鎖型ペレット80を示す。閉鎖型ペレット80は、第1の閉鎖端82および第2の閉鎖端84を含む。閉鎖型ペレット80の残りの特徴は、本明細書に記載されているように、ペレット10の特徴と同一である。
【0074】
本体20はポリマー材料からなる。一実施形態では、ポリマー材料は、エチレン系ポリマー、オレフィン系ポリマー(すなわち、ポリオレフィンポリオレフィン)、架橋性ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリチオエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロリド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ワックス、ホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、ゴム、芳香族ビニルポリマー、脂肪族ビニルポリマー、芳香族アルケニルポリマー、および前述のもののコポリマーからなる群から選択される。さらなる実施形態では、ポリマー材料は、有機ポリマー、プロピレン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、ポリマー溶融ブレンド、それらのポリマーブレンド、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0075】
一実施形態では、本体20のポリマー材料はエチレンホモポリマーである。
【0076】
一実施形態では、本体20のポリマー材料はエチレン系ポリマーである。エチレン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン/α-オレフィンインターポリマーおよびエチレン/α-オレフィンコポリマーが挙げられる。一実施形態では、α-オレフィンとしては、C-C20α-オレフィンおよびC-Cα-オレフィンが挙げられる。さらなる実施形態では、α-オレフィンは、線状、分岐状、または環状である。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテンおよび1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、および1-オクタデセンが挙げられる。好適な環状α-オレフィンの非限定的な例としては、シクロヘキセンおよびシクロペンテンが挙げられる。好適なエチレン/α-オレフィンインターポリマーの非限定的な例としては、エチレン/プロピレン、エチレン/1-ブテン、エチレン/1-ヘキセン、エチレン/1-オクテン、エチレン/プロピレン/1-オクテン、エチレン/プロピレン/1-ブテン、およびエチレン/1-ブテン/1-オクテンが挙げられる。
【0077】
一実施形態では、エチレン系ポリマーはエチレン/α-オレフィンインターポリマーである。一実施形態では、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、1重量%、または5重量%、または10重量%、または15重量%、または20重量%、または25重量%~35重量%、または45重量%、または50重量%のα-オレフィン含有量を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、1~50重量%、または5~45重量%、または10~40重量%のα-オレフィン含有量を有する。重量パーセントは、インターポリマーの総重量を基準とする。
【0078】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、極低密度ポリエチレン(「VLDPE」)、およびそれらの2つ以上の組み合わせから選択される。
【0079】
一実施形態では、エチレン系ポリマーはLDPEである。さらなる実施形態では、LDPEは、0.92g/cmの密度および2g/10分のメルトインデックス(I)を有する。
【0080】
一実施形態では、エチレン系ポリマーはLLDPEである。
【0081】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、本明細書に記載されている2つ以上のエチレン系ポリマーのブレンドである。さらなる実施形態では、ブレンドのエチレン系ポリマーは、反応器内プロセスまたは反応器後プロセスによってブレンドされる。
【0082】
ポリマー材料は、本明細書に開示されている2つ以上の実施形態を含み得る。
【0083】
方法
本開示は、方法を提供する。一実施形態では、該方法は、溶融状態のペレットを形成することを含む。ペレットは本体を有する。本体は、第1の端部および反対側の第2の端部を有する。本体は、ポリマー材料からなる。ペレットは、第1の端部から第2の端部まで本体を通って延在するチャネルを有する。該方法は、チャネルに添加剤を注入することを含む。添加剤は流体状態にある。該方法は、ペレットを固化させることと、チャネル内に添加剤を有する充填済みのペレットを形成することと、を含む。
【0084】
ペレット10の形成は、(本体20を形成する)オレフィン系ポリマーが溶融状態にあるときに起こる。本明細書で使用される場合、「溶融状態」という用語は、オレフィン系ポリマーが溶融プラスチック状態に加熱されていることである。言い換えるなら、溶融状態のオレフィン系ポリマーとは、押出可能であるか、あるいはそうでなければ、押出機および/またはダイプレートを通って流れる押出物もしくはそうでなければ流動可能な押出物である。一実施形態では、オレフィン系ポリマーは、溶融状態のエチレン系ポリマーである。さらなる実施形態では、溶融状態のエチレン系ポリマーは、溶融状態のLDPEである。
【0085】
該方法は、チャネル30に添加剤を注入することを含む。添加剤は、本明細書で先に開示されている任意の添加剤であり得る。添加剤は、(i)添加剤が流体状態にあるときおよび(ii)ペレットが溶融状態にあるときに、チャネル30に注入される。本明細書で使用される場合、「流体状態」という用語は、添加剤が流れることであるか、またはそうでなければ、添加剤が流動可能な状態にあることである。
【0086】
該方法は、ペレットおよび添加剤を固化させて、充填済みのペレットを形成することを含む。充填された(および固化された)ペレットは、チャネル30内に添加剤を含む。充填済みのペレットのチャネル内に存在する添加剤は、液体状態にあっても、または固体であってもよい。
【0087】
一実施形態では、固化は、溶融状態の本体のオレフィン系ポリマーを高温から周囲条件(室温)に冷却することを含む。
【0088】
該方法は、充填済みのペレットを形成することを含む。本明細書で使用される場合、「充填済みのペレット」という用語は、チャネル30内に位置するある量の添加剤を有するペレット(中空ペレット)を指す。一実施形態では、添加剤は、添加剤がチャネル30内に保持されてそこから自由に流れないようにチャネル表面に付着している。
【0089】
一実施形態では、該方法は、押出機ダイプレートから出て水中浴に入る押出物としての溶融状態のペレットを切断し、ペレットおよび添加剤を冷却および固化し、充填済みのペレットを形成することを含む。
【0090】
一実施形態では、該方法は、チャネルに添加剤を注入することを含む。一実施形態では、添加剤は流体状態にある。さらなる実施形態では、添加剤は、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を含む。該方法は、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料をチャネル内に有する充填済みのペレットを形成することを含む。
【0091】
一実施形態では、添加剤は、(i)1つ以上の添加剤および(ii)担体を含む添加剤ブレンドである。担体はポリオレフィン(例えば、エチレン系ポリマーなど)である。
【0092】
一実施形態では、添加剤は、60重量%、または70重量%、または80重量%~90重量%、または96重量%のシラン、1重量%、または2重量%、または5重量%、または8重量%~10重量%、または15重量%、または20重量%の過酸化物、および1重量%、または2重量%、または3重量%~4重量%、または5重量%、または8重量%の触媒を含む添加剤ブレンドである。さらなる実施形態では、添加剤は、70重量%~96重量%のシラン、1重量%~10重量%の過酸化物、および1重量%~5重量%の触媒を含む添加剤ブレンドである。重量パーセントは、添加剤ブレンドの総重量を基準とする。
【0093】
一実施形態では、添加剤は、50重量%、または60重量%、または70重量%~80重量%、または90重量%、または99重量%の担体および50重量%、または40重量%、または30重量%~20重量%、10重量%、または1重量%の硬化助剤を含む添加剤ブレンドである。さらなる実施形態では、添加剤は、50~99重量%または70~80重量%の担体および50~1重量%または30~20重量%の硬化助剤を含む添加剤ブレンドである。重量パーセントは、添加剤ブレンドの総重量を基準とする。
【0094】
添加剤ブレンド(例えば、担体と、その中に分散されたシラン、過酸化物および触媒との添加剤ブレンド)は、チャネル30に注入されるときに流体状態にある。言い換えるなら、担体と、その中に分散されたシラン、過酸化物および触媒とのブレンドは、チャネル30に注入されるときに溶融プラスチック状態にある。
【0095】
一実施形態では、本体は、長さおよび直径(本体直径)を有し、チャネルは、先に開示されているようなチャネル直径を有する。該方法は、0.05~0.15のチャネル直径対本体直径比を有する充填済みのペレットを形成することを含む。
【0096】
一実施形態では、該方法は、少なくとも1つの閉鎖端を有する充填済みのペレット(チャネル30内にシランを有する)を形成することを含む。さらなる実施形態では、該方法は、2つの閉鎖端を有する充填済みのペレット(チャネル内にシランを有する)を形成することを含む。
【0097】
一実施形態では、ペレット10は、その内容がすべて参照によって本明細書に組み込まれる________に出願された同時係属中の出願__________(代理人整理番号82430-WO-PCT)に開示されているように製造される。
【0098】
ここで、限定ではなく例として、本開示のいくつかの実施形態を、次の実施例で詳細に説明する。
【実施例
【0099】
本発明の実施例(「IE」)を配合するために使用した原料を以下の表1に記載する。
【表1】
【0100】
比較用試料1(CS-1)および本発明の実施例1~8(IE-1~IE-8)を、押出物としてのXUS38658.00および表2に列挙されているプロセス条件によって製造する。押出プロセスでは、Coperion ZSK-26二軸スクリュー押出機およびロスインウェイト式フィーダ(K-TronモデルKCLQX3)を使用する。流体50(例えば、空気またはN)を、その内容がすべて参照によって本明細書に組み込まれる________に出願された同時係属中の出願__________(代理人整理番号82430-WO-PCT)に開示されているダイアセンブリを使用して押出物に注入する。Galaの水中回転ブレード装置によってペレットを形成する。押出機には、直径26ミリメートル(mm)の二軸スクリューおよび11個のバレルセグメントが装備されており、そのうち10個は、電気加熱および水冷で独立して制御される。押出機の長さ対直径の比は44:1である。ポリマー溶融物の剪断加熱を最小限に抑えるために、光強度スクリュー設計が使用されている。
【0101】
流体で満たされたペレット(IE-1~IE-8)を、表3に列挙されているように、押出物に窒素ガスを注入して製造する。IE-1~IE-6は、10mL/分の窒素流量および34kPag(5psig)~410kPag(60psig)の窒素圧力を使用して製造する。IE-7およびIE-8は、50mL/分の窒素流量および69kPag(10psig)の窒素圧力を使用して製造する。
【表2】
【0102】
表2のプロセス条件IE-1~IE-8で形成されたペレットの寸法は、光学顕微鏡法で画像化する。ペレットIE-1~IE-8の光学顕微鏡法の結果を表3に列挙する。
【表3】
【0103】
本発明の実施例9~20(IE-9~IE-20)を、以下の表4に列挙されている押出プロセス条件で製造する。IE-9~IE-20は、添加剤(シリコーンオイル)が、その内容がすべて参照によって本明細書に組み込まれる________に出願された同時係属中の出願__________(代理人整理番号82430-WO-PCT)に開示されているダイアセンブリを使用して押出物に注入されることを除いて、上記と同じ方法を使用して製造する。シリコーンオイルを、表4に列挙されている圧力で注入し、充填済みのペレットを製造する。
【表4】
【0104】
表4のプロセス条件IE-9~IE-20から形成された充填済みのペレット(チャネル内に添加剤シリコーンオイルを有する)の寸法は、光学顕微鏡で画像化する。充填済みのペレットIE-9~IE-20の光学顕微鏡法の結果を以下の表5に列挙する。
【表5】
【0105】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および図に限定されず、実施形態の部分、および以下の特許請求の範囲に含まれる異なる実施形態の要素の組み合わせを含む、これらの実施形態の改変形態を含むことが特に意図される。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ペレットであって、
第1の端部および反対側の第2の端部を有し、ポリマー材料からなり、長さおよび直径(本体直径)を有する本体と、
直径(チャネル直径)を有し、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記本体を通って延在するチャネルと、
前記チャネル内の添加剤と、を含む、ペレット。
[2] 前記添加剤が、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を含む、[1]に記載のペレット。
[3] 前記添加剤が過酸化物をさらに含む、[1]または[2]に記載のペレット。
[4] 前記添加剤がトリアリルイソシアヌレート(TAIC)をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載のペレット。
[5] 前記添加剤がシランをさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載のペレット。
[6] 各端部が、それぞれのオリフィスおよびそれぞれの面を有し、
前記本体が、シェルを含む表面と平面表面とを有し、前記本体表面が、シェル表面積および平面表面積を含む本体表面積を有し、かつ
前記本体表面積が25平方ミリメートル(mm )~50mm である、[1]~[5]のいずれかに記載のペレット。
[7] 前記チャネル直径が0.18ミリメートル(mm)~1mmである、[1]~[6]のいずれかに記載のペレット。
[8] 前記長さが1.5mm~1.9mmであり、前記本体直径が0.8mm~4.2mmである、[1]~[7]のいずれかに記載のペレット。
[9] 前記端部のうちの少なくとも一方が閉鎖している、[1]~[8]のいずれかに記載のペレット。
[10] 各端部が閉鎖している、[1]~[9]のいずれかに記載のペレット。
[11] 前記本体が、ポリオレフィン、架橋性ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ワックス、ホットメルト接着剤、熱可塑性エラストマー、ゴム、芳香族ビニルポリマー、脂肪族ビニルポリマー、芳香族アルケニルポリマー、および前述のもののコポリマーからなる群から選択されるポリマー材料からなる、[1]~[10]のいずれかに記載のペレット。
[12] 溶融状態のペレットを形成することであって、前記ペレットが本体を有し、前記本体が第1の端部および反対側の第2の端部を有し、前記本体がポリマー材料からなり、前記ペレットが前記第1の端部から前記第2の端部まで前記本体を通って延在するチャネルを有することと、
前記チャネルに添加剤を注入することであって、前記添加剤が流体状態にあることと、
前記ペレットを固化させることと、
前記チャネル内に前記添加剤を含む充填済みのペレットを形成することと、を含む、方法。
[13] 前記チャネルに流体状態の添加剤を注入することであって、前記添加剤が、少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を含むことと、
少なくとも1つのC-Si-O基を有する材料を前記チャネル内に有する充填済みのペレットを形成することと、を含む、[12]に記載の方法。
[14] 前記本体が、長さと、直径(本体直径)と、シェル表面および平面表面を含む表面(本体表面)とを有し、前記本体表面が、シェル表面積および平面表面積を含む本体表面積を有する、[12]または[13]に記載の方法であって、
前記方法が、
25mm ~50mm の本体表面積を有する充填済みのペレットを形成することを含む、方法。
[15] 少なくとも1つの閉鎖端を有する充填済みのペレットを形成することを含む、[12]~[14]のいずれかに記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B