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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】容器および容器を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 41/02 20060101AFI20230927BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20230927BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20230927BHJP
   B65D 47/14 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A47J41/02 104A
A47J41/00 304A
A47J41/00 302
A47J41/02 102Z
B65D25/20 W
B65D47/14 200
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006119
(22)【出願日】2022-01-19
(62)【分割の表示】P 2019542349の分割
【原出願日】2017-10-17
(65)【公開番号】P2022051773
(43)【公開日】2022-04-01
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】62/409,242
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/508,793
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138232
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トールマン、ジョン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ニコルス、スティーブ チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】アバンテ、エドワード
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-068227(JP,A)
【文献】実公昭50-000064(JP,Y2)
【文献】特開2014-210136(JP,A)
【文献】特開2012-025436(JP,A)
【文献】実開昭59-044941(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 41/02
A47J 41/00
B65D 25/20
B65D 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱容器であって、
キャニスタを備え、該キャニスタは、
ねじ状側壁および液体収容用の内部貯蔵部へ延びる開口部を設けた第1の端部を有する第1の内壁と、
キャニスタの外殻を形成し、表面上でキャニスタを支えるように形成された第2の端部を有する第2の外壁と、
前記第1の内壁と前記第2の外壁との間に断熱二重壁構造を形成する密封された真空空洞と、含み、
前記断熱容器は、開口部アダプタをさらに備え、該開口部アダプタは、
前記ねじ状側壁に取り外し可能な状態で結合し、前記キャニスタの開口部を密封するように形成された外部底部ねじ状面であって、前記開口部アダプタが、取り外し可能な状態で前記キャニスタの前記ねじ状側壁に結合されている時に、前記キャニスタの前記開口部を密封するための上部ガスケットおよび下部ガスケットを含む、外部底部ねじ状面と、
外部上部ねじ状面と、
前記外部上部ねじ状面と前記外部底部ねじ状面との間を空けるグリップリングと、
内部ねじ状面と、前記グリップリングを通って延在する上部開口部と、を含み、
前記断熱容器は、実質的な円筒形上部および実質的な円筒形底部を有する、前記開口アダプタの前記上部開口部内に挿入するように構成されるプラグ構造をさらに備え、該プラグ構造は、
前記開口部アダプタの前記内部ねじ状面に取り外し可能な状態で結合するように形成されたねじ状外面と、
上部に堅く結合されたハンドルと、
底部に柔軟に結合された保持タブと、
流路上端と流路下端との間に延びる外部流路と、を含み、
前記断熱容器は、前記開口部アダプタの外部上部ねじ状面に取り外し可能な状態で結合するように形成された蓋をさらに備える断熱容器。
【請求項2】
請求項1の断熱容器であって、前記プラグ構造のねじ状外面が前記開口部アダプタの内部ねじ状面から分離された時、前記プラグ構造は、前記開口部アダプタから部分的に取り外し可能であり、前記保持タブは、前記プラグ構造が前記開口部アダプタから取り外し可能な範囲を制限するように形成されている断熱容器。
【請求項3】
請求項2の断熱容器であって、前記保持タブは、圧縮形状と伸長形状との間で伸縮するように形成された屈曲部を構成し、前記プラグ構造が、部分的に前記開口部アダプタから取り外される時に、前記保持タブは、伸長形状にあり、前記プラグ構造が、前記開口部アダプタから完全に取り外されるのを防ぐ断熱容器。
【請求項4】
請求項3の断熱容器であって、手動分離力が働く際に、前記保持タブは、圧縮形状に圧縮され、前記プラグ構造は、前記開口部アダプタから完全に取り外し可能となる断熱容器。
【請求項5】
請求項1の断熱容器であって、前記保持タブは、前記プラグ構造の底部の円周の周りに等間隔に離れて構成される3つの保持タブを備える断熱容器。
【請求項6】
請求項1の断熱容器であって、前記外部流路は、前記プラグ構造の周りに等間隔に離れて構成される3つの外部流路を備える断熱容器。
【請求項7】
請求項1の断熱容器であって、前記プラグ構造は、内部空洞をさらに構成し、前記内部空洞または断熱材によって完全に満たされている断熱容器。
【請求項8】
開口アダプタ組立体であって、
開口部アダプタを備え、該開口部アダプタは、
キャニスタのねじ状側壁に取り外し可能な状態で結合し、前記キャニスタの開口部を密封するように形成された外部底部ねじ状面であって、前記外部底部ねじ状面が、取り外し可能な状態で前記キャニスタの前記ねじ状側壁に結合されている時に、前記キャニスタの前記開口部を密封するための上部ガスケットおよび下部ガスケットを含む、外部底部ねじ状面と、
キャニスタの開口部に取り外し可能な状態で結合し、またそれを密封するように形成された外部底部ねじ状面と、
外部上部ねじ状面と、
前記外部上部ねじ状面と前記外部底部ねじ状面との間を空けるグリップリングと、
内部ねじ状面と、前記グリップリングを通って延在する上部開口部と、を含み、
前記開口アダプタ組立体は、実質的な円筒形上部および実質的な円筒形底部を有する、前記開口アダプタの前記上部開口部内に挿入するように構成されるプラグ構造をさらに備え、該プラグ構造は、
前記開口部アダプタの前記内部ねじ状面に取り外し可能な状態で結合するように形成されたねじ状外面と、
上部に堅く結合されたハンドルと、
底部に柔軟に結合された保持タブと、
流路上端と流路下端との間に延びる外部流路と、含むプラグ構造を備える開口アダプタ組立体。
【請求項9】
請求項8の開口アダプタ組立体であって、前記プラグ構造のねじ状外面が前記開口部アダプタの内部ねじ状面から分離された時、前記プラグ構造は、前記開口部アダプタから部分的に取り外し可能であり、前記保持タブは、前記プラグ構造が、前記開口部アダプタから取り外し可能な範囲を制限するように形成されている開口アダプタ組立体。
【請求項10】
請求項9の開口アダプタ組立体であって、前記保持タブは、圧縮形状と伸長形状との間で伸縮するように形成された屈曲部を構成し、前記プラグ構造が、部分的に開口部アダプタから取り外される時に、前記保持タブは、伸長形状にあり、前記プラグ構造が、前記開口部アダプタから完全に取り外されるのを防ぐ開口アダプタ組立体。
【請求項11】
請求項10の開口アダプタ組立体であって、手動分離力が働く際に、前記保持タブは、圧縮形状に圧縮され、前記プラグ構造は、前記開口部アダプタから完全に取り外し可能となる開口アダプタ組立体。
【請求項12】
請求項8の開口アダプタ組立体であって、前記保持タブは、前記プラグ構造の底部の円周に等間隔に離れて構成される3つの保持タブを備える開口アダプタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年10月17日に出願された米国仮特許出願第62/409242号、および2017年5月19日に出願された米国仮特許出願第62/508793号の利益および優先権を請求するものである。これらの出願の内容は、あらゆる非限定的な目的のためにその全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本明細書における本開示は、概して容器に関し、より具体的には飲用飲料または食品に使用される飲料容器に関する。
【背景技術】
【0003】
容器は、一定量の液体を保持するように構成可能である。容器には、水、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク、またはビールなどのアルコール飲料など、温かいまたは冷たい飲用液体を入れることができる。これらの容器は、容器内の液体の温度を維持するのに役立つ断熱特性を提供するために、二重壁の真空成形構造で形成できる。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、詳細な説明において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。本概要は、請求対象の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図していないだけではなく、請求対象の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
特定の例において、断熱容器は、一定量の液体を保持するように構成できる。断熱容器は、液体を収容するために、内部貯蔵部に延びる開口部を設けた第1の端部を有する第1の内壁を備えるキャニスタと、キャニスタの外殻を形成する第2の外壁および底部を含み得る。底部は、キャニスタを表面上で支えるように構成された第2の端部を形成可能である。
【0006】
前記断熱容器は、前記キャニスタの前記開口部を密閉し、前記キャニスタの前記開口部より狭い再密閉可能な注ぎ口開口部を提供するように構成された注ぎ口アダプタを含み得、前記キャニスタの前記内部貯蔵部にある内容物の別の容器への注ぎ込みをより制御し容易にする。一例においては、他の容器は、前記注ぎ口アダプタの上部に取り外し可能に結合される蓋として形成されるカップであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、例として示され、添付の図面において同様の参照番号は、類似の要素を示すがそれに限定はされないものとする。
【0008】
図1図1は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による断熱容器の等角図を示す。
【0009】
図2図2は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図1における前記断熱容器の他の等角図を示す。
【0010】
図3図3は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図1における前記断熱容器の更なる他の等角図を示す。
【0011】
図4図4は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図1における前記断熱容器の分解等角図を示す。
【0012】
図5図5は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、注ぎ口アダプタの上部のより詳細な等角図を示す。
【0013】
図6図6は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタの底部のより詳細な等角図を示す。
【0014】
図7図7は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタの断面等角図を概略的に示す。
【0015】
図8図8は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、キャップの等角図を示す。
【0016】
図9図9は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図1における前記断熱容器の断面図を概略的に示す。
【0017】
図10A図10Aは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。
図10B図10Bは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。
図10C図10Cは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。
図10D図10Dは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。
図10E図10Eは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。
図10F図10Fは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。
【0018】
図11図11は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記断熱容器に取外し可能に結合されるように構成された開口アダプタ組立体の等角図を示す。
【0019】
図12図12は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図11における開口アダプタ組立体の分解等角図を示す。
【0020】
図13図13は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、プラグ構造の等角図を示す。
【0021】
図14図14は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、開口アダプタの底面図を示す。
【0022】
図15A図15Aは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、開口アダプタと完全に係合するプラグ構造の断面図を概略的に示す。
【0023】
図15B図15Bは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記開口アダプタに対して部分的に結合されていない構成における前記プラグ構造の別の断面図を概略的に示す。
【0024】
さらに、これらの図は様々な例の異なる構成要素の縮尺の描写であると理解されるものとするが、開示される例はその特定の縮尺に限定はされない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の様々な例の説明では、その一部を形成し、本開示の態様を実施可能な様々な例として示す添付の図面を参照する。他の例は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、利用が可能であり、また、構造的および機能的な変更を加えることが可能であると理解されるものとする。
【0026】
図1は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による断熱容器100の等角図を示す。一例においては、前記容器100は、一定の量の液体を保持するように構成され得る。前記容器100は、注ぎ口アダプタ104および蓋106に取り外し可能に結合されるキャニスタ102を備えることができる。前記蓋106は、前記注ぎ口アダプタ104から取り外されると、例えば前記キャニスタ102内に保持された液体の一部を注ぐことができるカップとして機能するように構成され得る。一例においては、前記キャニスタ102は、実質的に円筒形の形状であり得るが、前記キャニスタ102は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、立方体形状などの任意の形状で具現化され得ることが考えられる。さらに、様々な例においては、前記キャニスタ102は、底部、基部、または実質的に円筒形の形状をした断熱基部構造として参照することができる。
【0027】
図2は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図1における前記断熱容器100の他の等角図を示す。図2に示すように、前記蓋106を前記注ぎ口アダプタ104から取り外して、前記注ぎ口アダプタ104の上面110に取り外し可能に結合されるキャップ108を露出させる。前記キャップ108は、図3に示すように、前記注ぎ口アダプタ104から取り外されると、前記注ぎ口アダプタ104を通って前記キャニスタ102の空洞部内に延びる注ぎ口開口部112を露出させる。それに応じて、前記キャップ108は、前記注ぎ口開口部112に取り外し可能に結合し、それを密閉する(すなわち、再密閉可能に密閉する)ように構成されてもよい。一例においては、それに応じて、前記注ぎ口開口部112は、前記キャニスタ102の開口部158(例えば、図9を参照)よりも狭い開口部を提供し、したがって前記注ぎ口アダプタ104から取り外されると、前記キャニスタ102の内容物の、前記蓋106のような他の容器へのより制御された/より的確な手動注ぎ込みを提供する。一例においては、前記注ぎ口アダプタ104の前記注ぎ口開口部112は、前記注ぎ口アダプタ104の前記上面110の中心から外れている。前記注ぎ口開口部112は、前記表面110上の任意の点に配置されてもよく、図示のように中心から外れていてもよく、または中心にあってもよいことが考えられる。別の例においては、前記注ぎ口開口部112は、前記容器100の長手方向軸と平行な(すなわち、前記キャニスタ102の円筒形状の回転軸に平行な長手方向軸)、および/または前記注ぎ口アダプタ104の上面110の平面に対して垂直な中心軸(前記注ぎ口開口部112の円筒形状の回転軸と平行である)を有することができる。別の例においては、前記注ぎ口開口部112の中心軸は、前記上面110に対して90度ではない角度で傾斜してもよい。これに関して、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意の角度を利用することができることが考えられる。
【0028】
一実施態様においては、前記キャップ108は磁気上面111を含む。前記磁気上面111は、強磁性構造を覆うポリマー外層を含み得る(例えば、金属板/他の構造形状は、前記磁気上面111より下に配置され得る)。別の実施態様においては、前記キャップ108の外面の全部または一部は、1つまたは複数の金属および/または合金で構成することができる。それに応じて、前記磁気上面111は、強磁性であるか、またはそれ自体が磁化されている外面の材料を含むことができる。別の実施態様においては、前記磁気上面111は、磁石構造上にオーバーモールドされた1つまたは複数のポリマーを含むことができる(すなわち、磁化された金属/合金は、前記キャップ108が成形される時にその内部に配置され得る)。
【0029】
本明細書で使用される「磁性」という用語は、一時的または「永久的」に磁化され得る材料(例えば強磁性材料)を指し得る。このように、「磁性」という用語は、それに関連する磁場を有する磁石(すなわち一時的または永久磁石)に磁気的に引き付けられ得る材料(すなわち表面、または物体など)を指し得る。一例においては、磁性材料は磁化されてもよい(すなわち、永久磁石を形成してもよい)。さらに、本明細書に記載されている開示とともに、ニッケル、鉄、およびコバルト、並びにそれらの合金などの様々な例の磁性材料を利用することができる。
【0030】
前記キャップ108は、図3に示すように、前記注ぎ口開口部112から取り外されると、前記注ぎ口アダプタ104の合体面114に磁気的に結合することができる。前記キャップ108の前記上面111と同様に、前記注ぎ口アダプタ104の前記合体面114は磁性材料を含むことができる。一例においては、前記合体面114は、磁気要素(例えば、特に、金属板、ホイル、またはワイヤ)の上にオーバーモールドされる1つまたは複数のポリマーを含み得る。別の例では、前記合体面114は金属製および磁性の外面を含み得る。
【0031】
一例においては、前記キャニスタ102および前記蓋106は、主に鋼鉄またはチタン合金などの合金で構成されてもよく、前記注ぎ口アダプタ104およびキャップ108は、主に1つまたは複数のポリマーから構成されてもよいことが考えられる(特に、前記磁気上面111および前記合体面114を除く)。しかしながら、本明細書に記載の各要素は、とりわけ、1つまたは複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、または繊維強化材料から構成することができることがさらに考えられる。特に、前記容器100は、とりわけ、鋼、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンのうちの1つまたは複数を利用することができる。
【0032】
図4は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記容器100の分解等角図を示す。特に図4は、前記キャニスタ102から取り外された前記注ぎ口アダプタ104、および前記注ぎ口アダプタ104から取り外された前記蓋106および前記キャップ108を示す。一実施態様においては、前記注ぎ口アダプタ104は、前記キャニスタ102のねじ状内面118に取り外し可能に結合するように構成された底部ねじ状面116を含み得る。さらに、前記注ぎ口アダプタ104は、前記蓋106のねじ状内面に取り外し可能に結合するように構成されている上部ねじ状面120を含み得る。さらに、ねじ状注ぎ口外面122は、前記キャップ108のねじ状内面124に取り外し可能に結合するように構成されている。
【0033】
しかしながら、代替の実施態様では、これらの開示の範囲から逸脱することなく、前述のねじ状面を逆にすることができることが考えられる。この代替の実施態様では、前記注ぎ口アダプタ104は、前記キャニスタ102のねじ状外面に取り外し可能に結合するように構成された底部ねじ状面を含むことができ、前記注ぎ口アダプタ104は、また、前記蓋106のねじ状外面に取り外し可能に結合するように構成された上部ねじ状面を含むことができる。さらに、前記注ぎ口開口部112のねじ状注ぎ口内面は、前記キャップ108のねじ状外面に取り外し可能に結合するように構成されてもよい。
【0034】
本明細書で論じられるねじ状面は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、とりわけ、任意のねじ状態のピッチ、角度、または長さを含む任意のねじ形状を含み得ることが考えられる。このように、底部ねじ状面116、ねじ状内面118、上部ねじ状面120、前記蓋106のねじ状内面、ねじ状注ぎ口外面122、および/またはねじ状内面124のいずれも、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意の回転数によって嵌合要素を互いに回転させることによって、対応する要素同士を完全に係合することができる。例えば、要素116、118、120、122、および/または124における2つの嵌合するねじ状要素は、1回転の約1/4、1回転の約1/3、1回転の約1/2、約1回転、約2回転、約3回転、少なくとも1回転、または少なくとも5回転、その他の回転で完全に係合することができる。
【0035】
1つまたは複数のキャニスタ102、注ぎ口アダプタ104、蓋106とキャップ108の間の取り外し可能なカップリングは、これらの開示の範囲を逸脱することなく、嵌合要素、蓋、枷または締め金具などの追加的または代替的カップリング機構を含み得る、とさらに考えられる。
【0036】
図5は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、注ぎ口アダプタ104の上部のより詳細な等角図を示す。注ぎ口アダプタ104は、グリップリング126によって上部ねじ状面120から分離された底部ねじ状面116を含む。1つの実施様態において、合体面114は、グリップリング126から延びたハンドル128の一部から形成される。1つの実施様態において、グリップリング126は、注ぎ口アダプタ104をキャニスタ102および/または蓋106に結合したりそれから分離したりするために、ユーザーが掴めるように形成されている。それに応じて、1つの例において、ハンドル128は、ユーザーが、注ぎ口アダプタ104をキャニスタ102および/または蓋106に結合または分離させるために、手動でトルクをかける際に、グリップリング126の周りでユーザーの手が滑るのを防ぐ、または軽減する。これらの開示の範囲を逸脱することなしに、グリップリング126は、図5に示される単一のハンドル128に加え、複数のハンドル構成からなり得ると、考えられる。それに応じて、グリップリング126は、キャニスタ102および/または蓋106に対して注ぎ口アダプタ104を回転する時、ユーザーの手が滑るのを防ぐ、または軽減するように形成された、1つ以上の粘着またはゴム引きの材料、またはローレット加工された表面の質感を有する物などを含み得る。
【0037】
1つの例において、図6に示されるように、注ぎ口アダプタ104の注ぎ口開口部112は、注ぎ口アダプタ104の高さを通して(132方向へほぼ平行に)延び、注ぎ口アダプタ104の底面134へ延びる注ぎ口流路130へのアクセスを提供する。図7は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の断面等角図を概略的に示す。図7に示されるように、注ぎ口流路130は、注ぎ口開口部112から底面134へと延び得る。図示された実施様態において、注ぎ口流路130は、注ぎ口流路130の長さを通してほぼ同じ口径136であり得る。しかしながら、注ぎ口流路は、注ぎ口開口部112および底面134の間に延びる流路の長さを通して、違った口径およびサイズを有してもよい、と考えられる。
【0038】
1つの実施様態において、注ぎ口アダプタ104は、注ぎ口流路130の周りに延びる内部空洞138を含み得る。この内部空洞138は、注ぎ口アダプタ104を形成するために使用される1つまたは複数の製造プロセスにて密封され得る。それに応じて、1つの例において、内部空洞138は、底面134および上面111、またはその逆の間で熱伝達を軽減するために真空空洞を含み得る。追加的または代替的に、内部空洞138は、耐熱性を上げるために、部分的にまたは全体的に、1つまたは複数の泡状の物質またはポリマー材料で満たされ得る、と考えられる。さらに別の例において、内部空洞138の1つまたは複数の表面は、磁力による熱伝導を軽減するために、反射材料で塗布され得る。
【0039】
1つの例において、磁石または磁性材は、合体面114の後ろに置かれ得る。それに応じて、1つの実施様態において、磁石または磁性材は、ハンドル128内の空洞140内に置かれ得る。接着剤、締め金具、嵌合、ねじ、またはリベットなど、任意のカップリング機構が、空洞140内に磁石または磁性材を置くために使用され得る、と考えられる。別の例において、磁石または磁性材は、ハンドル128内にオーバーモールドされても構わないし、それによって、空洞140は、オーバーモールドされた磁石または磁性材が占める量を表すこととなる。
【0040】
1つの例において、注ぎ口アダプタ104は、一体型となり得る。別の例において、注ぎ口アダプタ104は、別の成形プロセス、溶接、接着、締め金具、または1つまたは複数の留め金具(リベット、つまみ、ねじなど)によって結合される2つ以上の要素から形成され得る。1つの実施様態において、注ぎ口アダプタ104は、1つまたは複数のポリマーから構成され得る。しかしながら、注ぎ口アダプタ104は、1つまたは複数の金属、合金、セラミック、または繊維強化材料などから、追加的または代替的に構成されてもよい。注ぎ口アダプタ104は、1つまたは複数の射出成形プロセスによって構成され得る。1つの具体的な例において、マルチショット射出成形プロセス(例えば、中でも2ショット、3ショットなど)が、注ぎ口アダプタ104を構成するのに使用され得る。回転成形、吹き込み成形、圧縮成形、ガスアシスト成形、および/または鋳造などを含む追加的または代替的プロセスが、注ぎ口アダプタ104を構成するために、使用され得る、とさらに考えられる。
【0041】
図8は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、キャップ108の等角図を示す。前述したように、前記キャップ108は磁気上面111を含み得る。それに応じて、キャップ108は、1つまたは複数のポリマー材料から構成され得、磁気上面111は、磁性材の上にオーバーモールドされた1つまたは複数のポリマーを含む。
【0042】
図示された例において、キャップ108は、実質上円筒形である。しかしながら、これらの開示の範囲から逸脱することなく、追加的または代替的な形状を利用することができることが考えられる。例えば、キャップ108は、中でも、立方状の形状であり得る。キャップ108には、キャップ108を注ぎ口開口部112のねじ状外部注ぎ口外面122へ結合するまたはそれから分離するためにキャップ108への手動トルクをかける時にユーザーの指が滑るのを防ぐ、またはそれを軽減するように形成されたグリップ窪み142a~cが含まれる。これらの開示の範囲を逸脱することなく、グリップ窪み142a~cは、円筒状のキャップ108の円周の周りにいくつでも使用され得る、と考えられる。さらに、キャップ108には、キャップ108へのユーザーのグリップを強化するために形成された追加的または代替的な構成的要素が含まれ得る。例えば、キャップ108の外部円筒形面144は、ユーザーのグリップを強化するために形成された粘着性の/ゴム引きされた材料が含まれ得る。さらに、外部円筒形面144には、一連の波形、またはローレット加工が含まれ得る。
【0043】
図9は、キャップ108がねじ状外部注ぎ口外面122に結合し、蓋106が注ぎ口アダプタ104の上部ねじ状面120に結合し、注ぎ口アダプタ104の底部ねじ状面116がキャニスタ102のねじ状内面118に結合した状態の断熱容器100の断面図を概略的に示す。
【0044】
キャニスタ102には、第1の内壁146および第2の外壁148が含まれ得る。密封された真空空洞150は、第1の内壁146および第2の外壁148との間に成形され得る。この構成は、大量の液体を収容するように形成された貯水槽152と外部環境154との間にある第1の内壁146と第2の外壁148を通した熱伝導を軽減するために利用され得る。このように、第1の内壁146と第2の外壁148の間にある密封された真空空洞150は、断熱二重壁構造として参考にされ得る。さらに、第1の内壁146には、大量の液体を収容するための内部貯蔵部152に延びる開口部158を決める第1の端部156があり得る。第2の外壁148は、キャニスタ102の外殻を形成し得る。第2の外壁148は、表面上でキャニスタ102を支えるための第2の端部164を形成する側壁160および底部162から形成され得る。継ぎ目163は、第2の外壁148および底部162との間に形成され得る。1つの例において、底部162は、第2の外壁148上に圧入され得る。さらに、底部162は、第2の外壁148に溶接され得る。溶接は、研磨もされ得るため、継ぎ目はキャニスタ102上には見られない。
【0045】
底部162には、真空形成プロセスで使用されるディンプル166が含まれ得る。図9に示されるように、底部162がディンプル166をカバーするので、ディンプル166は、ユーザーには見えなくなる。ディンプル166は、一般的にはドーム形であってもよい。しかしながら、製造プロセス中に、円錐形または円錐台形などの樹脂材料を収容するための他の適切な形が考えられる。ディンプル166には、第2の外壁148に延びる開口部170に収束する円形基部168が含まれ得る。下記に述べるように、開口部170は、樹脂(図示せず)によって密封され得る。第1の内壁146および第2の外壁148との間に真空状態が形成される間に、樹脂が開口部170を密封し、断熱二重壁構造を形作る密封された真空空洞150を第1の内壁146および第2の外壁148の間に提供する。
【0046】
代替的な例として、ディンプル166は、対応形状のディスク(図示せず)によってカバーされるので、ディンプル166は、ユーザーの目には見えない。円形基部168は、第2の外壁148および第1の内壁146と同じ材料で形成され得るディスクによってカバーされ得る。例えば、第1の内壁146、第2の外壁148、およびディスクは、チタン、ステンレススチール、アルミニウム、または他の材料または合金によって形成され得る。しかしながら、ここで述べ、本明細書における十分な記載として盛り込まれている米国特許出願番号62/237,419にて述べているように、ディンプル166をカバーするための他の適切な材料および方法が考えられている。
【0047】
キャニスタ102は、1つまたは複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、または繊維強化材料によって構成され得る。さらに、キャニスタ102は、1つまたは複数の高温または低温加工プロセス(例えば、圧縮成形、鋳造、モールディング、穿孔、研磨、鍛造など)を使用して構成され得る。1つの実施様態において、キャニスタ102は、ステンレススチールを使用して構成され得る。具体的な例として、キャニスタ102は、実質上304ステンレススチールまたはチタン合金によって構成され得る。さらに、キャニスタ102の幾何学的形状を形成するために用いられる1つまたは複数の低温加工プロセスによって、キャニスタ102が結果として磁気を帯びる可能性がある(磁石に引き付けられる可能性がある)。
【0048】
1つの例において、キャニスタ102の貯水槽152には、532ml(18fl.oz)の内部水量を有してもよい。別の例では、貯水槽152は、500から550ml(16.9から18.6fl.oz)または1000mlから1900ml(33.8fl.ozから64.2fl.oz)の範囲の内部水量を有してもよい。さらに別の例において、貯水槽152は、少なくとも100ml(3.4fl.oz)、少なくとも150ml(5.1fl.oz)、少なくとも200ml(6.8fl.oz)、少なくとも400ml(13.5fl.oz)、少なくとも500ml(16.9fl.oz)、または少なくとも1000ml(33.8fl.oz)の内部水量を有してもよい。キャニスタ102の開口部158は、開口口径が64.8mmであり得る。もう1つの実施様態において、開口部158は、開口口径が、60mmまたは60mmから70mmの間であってもよい。貯水槽152は、標準サイズ355ml(12fl.oz)の飲料(アルミニウム)缶(外径が約66mmおよび高さが約122.7mmの標準355ml飲料缶)を収容するために形成された、内径153および高さ155を有してもよい。内径153は、少なくとも66mm、または50mmから80mmの間で測定できる。高さ155は、少なくとも122.7mm、または110mmから140mmの間で測定できる。
【0049】
容器100を断熱する追加的または代替的方法も考えられている。例えば、第1の内壁146および外壁148との間の空洞150は、低熱伝導性を示す多種の断熱材で満たされ得る。このように、ある例においては、空洞150は、断熱用のエアーポケットを形成するために空気によって、またはポリマー材、またはポリマー発泡体などの大量の材料によって満たす、または部分的に満たすことができる。1つの具体的な例において、空洞150は、ポリスチレンのような断熱発泡材によって満たす、または部分的に満たすことができる。しかしながら、これらの開示の範囲を逸脱することなく、追加的または代替的な断熱材が、空洞150を満たす、または部分的に満たすために使用され得る。
【0050】
さらに、空洞150の厚みは、これらの開示の範囲を逸脱することなく、任意の寸法値によっても具現化され得る。また、容器100の第1の内壁146または第2の外壁148の1つまたは複数の内面は、放熱による熱伝導を軽減するために形成された銀色の表面、銅メッキ面、または薄いアルミニウムホイルで覆われた面からなり得る。
【0051】
1つの例において、蓋106は、1つまたは複数の、金属、合金、ポリマー、セラミック、または繊維強化材料などで成形され得る。さらに、蓋106は、本明細書にて述べられる1つまたは複数の射出成形または他の製造プロセスなどを使用して成形され得る。蓋106は、個体構造であり得る、または内壁172、外壁174およびその間の空洞176を有するキャニスタ102と同様に、二重壁構造を含み得る。蓋106は、断熱され得るので、空洞176は、本明細書にて述べられている技術を使用して作られた真空空洞であると考えられる。
【0052】
1つの例においては、前記キャップ102はショルダー領域を182を含む。このように、キャニスタ102の外径184は、注ぎ口アダプタ104の外径186よりも大きくてもよい。それに応じて、キャニスタ102の外壁148は、ショルダー領域182に沿って、ポイント188と190の間で先細っていてもよい。1つの例において、ショルダー領域182は、キャニスタ102の熱伝導性能を改善し得る(熱伝導率を軽減する)。特に、ショルダー領域182は、開口部158を密閉する蓋注ぎ口アダプタ104よりも低熱伝導性(高耐熱性/断熱性)の断熱性を構成し得る。
【0053】
注ぎ口アダプタ104が取り外し可能な状態でそこに結合している時に、注ぎ口アダプタ104は、キャニスタ102の開口部158を密封するために形成された低部ガスケット178を含み得る、と考えられる。さらに、注ぎ口アダプタ180は、結合時に、注ぎ口アダプタ104に対して蓋106を再密封可能に密封するように形成された上部ガスケットを含み得る。
【0054】
図10Aから図10Fは、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記注ぎ口アダプタ104の成形プロセスのステップを示す。前述したように、注ぎ口アダプタは、1つまたは複数のポリマーから構成することができ、またマルチショット射出成形プロセスなどを使用して成形することができる。それに応じて、1つの例において、図10Aは、ポリマーの第1の射出成形ショットによる中間的注ぎ口アダプタ構造1002を示す。中間的注ぎ口アダプタ構造1002は、注ぎ口アダプタ104の成形プロセスが完了した時に、上部ねじ状面120および底部ねじ状面116をそれぞれ成形する上部ねじ状セクション1004および底部ねじ状セクション1006を含む。1つの実施様態において、中間的注ぎ口アダプタ構造1002は、ねじ状外部注ぎ口外面122および注ぎ口流路130を持つ、完全な上面110および注ぎ口開口部112を含む。
【0055】
図10Bは、第2の射出成形ショットによる第2の中間的注ぎ口アダプタ構造1010を示す。第2の中間的注ぎ口アダプタ構造1010は、第2の中間的注ぎ口アダプタ構造1010の円周に延びるグリップリング基部構造1112を含み、図10Cに参照として示されるように、グリップリング126を形成するオーバーモールドされた第3のショット用の基礎となる構造的な支持面を形成する。さらに、第2の中間的注ぎ口アダプタ構造1010には、ハンドル128を成形するオーバーモールドされた第3のショット用の基礎となる構造的な支持面を形成する、ハンドル基部構造1114が含まれる。さらに、ハンドル基部構造1114には、1つの実施様態において、オーバーモールドし合体面114を形成する以前に、面1120上で固定された磁気板1118を保持するために構成された、板取付金具1116が含まれる。さらに、板取付金具1116には、第3の射出成形ショットでオーバーモールドする以前に、締まり嵌めで磁気板1118を保持するために構成された嵌合要素が含まれ得る。しかしながら、板取付金具1116には、磁気板1118を保持するために、接着、または1つまたは複数の留め金などを含む追加的または代替的な要素が利用し得る、と考えられる。
【0056】
図10Cは、ポリマーの第3の射出成形ショットによる第3の中間的注ぎ口アダプタ構造1020を示す。特に、前述したように、ポリマーの第3の射出成形ショットは、合体面114でグリップリング126およびハンドル128を形成するグリップリング基部構造1112およびハンドル基部構造1114をオーバーモールドするために形成される。しかしながら、グリップリング基部構造1112は、注ぎ口アダプタ構造1010上に別途ねじ留めおよび接着し成形され得る、とも考えられる。
【0057】
図10Dは、図10C内の第3の中間的注ぎ口アダプタ構造1020の底面図を示す。特に、図10Dは、注ぎ口アダプタ104の底面134を形成する前の空洞(例として図7にて示した空洞138)への開口部1022を示す。それに応じて、発泡体1024は、図10Dにて示されるように、空洞を部分的にまたは完全に満たすために空洞へ射出され、一旦完成されると、注ぎ口アダプタ104の耐熱性を強化する。これらの開示の範囲を逸脱することなく、発泡体1024は、任意のポリマー発泡体材料によって構成され得る、と考えられる。
【0058】
図10Eは、図10Eと関連して前述したように、開口部1022をカバーするために取り付けられた底部キャップ1032を持つ、第4の中間的注ぎ口アダプタ構造1030を示す。1つの例において、底部キャップ1032は、ポリマー射出成形プロセスの第4のショットによって形成され得る(その他においては、底面134を成形するためのプロセスの第1のショットとして参照される)。
【0059】
図10Fは、射出成形プロセスの第5のショットによる完全な注ぎ口アダプタ104を示す(その他においては、底面134を成形するためのプロセスの第2のショットとして参照される)。図示したように、第5の射出成形ショットは、図10Eにて前に示したように、開口部102を密封し、完全な注ぎ口アダプタ104の底面134を形成する密封要素1042を成形するために利用され得る。
【0060】
図11は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、前記断熱容器に取外し可能に結合されるように構成された開口アダプタ組立体1100の等角図を示す。1つの例において、開口アダプタ組立体1100は、これらの開示にて前述したように、断熱容器キャニスタ/ボトル102に取り外し可能な状態で結合されるように形成され得る。図12は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、図11における開口アダプタ組立体1100の分解等角図を示す。1つの例において、組立体1100は、蓋1202を含む。この蓋1202は、蓋106と類似性があり得る。さらに、蓋1202は、開口アダプタ1204に取り外し可能な状態で結合されるように形成され得る。1つの例において、開口アダプタ1204は、蓋1202の内部のねじ状部と係合するように形成された、外部の上部ねじ状面1220を持つ実質的に円筒形の幾何学的形状であり得る。それに応じて、開口アダプタ1204は、キャニスタ102の面118のように、キャニスタのねじ状内面と係合するように形成された、外部の底部ねじ状面1222を含み得る。上部ガスケット1208および下部ガスケット1210は、外部の底部ねじ状面1222が、取り外し可能な状態で結合されている時に、キャニスタ102の開口部を密封するように形成され得る。さらに、上部ガスケット1208および下部ガスケット1210は、これらの開示の範囲を逸脱することなく、任意のガスケットの幾何学的形状および/または材料をも含み得る。
【0061】
グリップリング1206は、開口アダプタ1204の円周の周りに延び得る。グリップリング1206は、外部の上部ねじ状面1202および外部の底部ねじ状面1222との間に間隔を有してもよい。1つの例において、グリップリング1206は、開口アダプタ1204の円筒形構造にて一体的に成形され得る。別の例において、グリップリング1206は、別途成形され、開口アダプタ1204の円筒形構造に堅く結合され得る。例えば、グリップリング1206は、別の要素として、射出成形され、その後、接着、溶接、および/または締め金具などによって開口アダプタ1204に結合され得る。別の例において、グリップリング1206は、開口アダプタ1204上にオーバーモールドされ得る。
【0062】
開口アダプタ1204は、プラグ構造1212を収容するために形成される上部開口部1224を含み得る。プラグ構造1212は、実質的な円筒形の側壁を有する底部部分1216およびそこに堅く結合された上部部分1214を含み得る。1つの例において、底部部分1216は、上部部分1214などに回転溶接され得る。図13は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、プラグ構造1212の等角図を示す。1つの実施様態において、プラグ構造1212の底部部分1216の実質的な円筒形の側壁は、開口アダプタ1204の内部ねじ状面1218に取り外し可能な状態で結合された、ねじ状外面1302を含み得る。1つの例において、ねじ状外面1302が、開口アダプタ1204の内部ねじ状面1212と係合する時に、プラグ構造1212は、開口アダプタ1204の上部開口部1224に再密封できる状態で密封されるように形成され得る。さらに、上部部分1214は、密封面1304を形成するために、底部部分1216の側壁を超えて、径方向へ延びるように形成され得る。この密封面1304は、上部開口部1224で開口アダプタ1204の上部リップに隣接するように形成され得る。それに応じて、密封面1304には、ガスケットが含まれ、このガスケットは、これらの開示の範囲を逸脱することなく、任意の幾何学的形状(例えば、c型のガスケットなど)を持ち得、また任意の材料からも構成され得る。
【0063】
プラグ構造1212には、上部部分1214に堅く結合されたハンドル1306が含まれ得る。ハンドル1306は、上部部分1214の直径に亘って延び、またプラグ構造1212および開口アダプタ1204の間のねじ状カップリングの手動操作用、またプラグ構造1212の手動着脱用として形成され得る。プラグ構造1212は、1つまたは複数の外部流路1308を含み得る。1つの具体的な例において、プラグ構造1212には、プラグ構造1212の底部部分1216の外部側壁の円周に等間隔に離れた3つの外部流路1308が含まれ得る。しかしながら、任意の数の外部流路1308も、これらの開示の範囲を逸脱することなく、利用され得る、と考えられる。外部流路1308は、流路上端1310および流路下端1312の間に延びるように形成され得る。1つの実施様態において、外部流路1308の深さ(例えば、プラグ構造1212の底部部分1216の外部側壁の実質的な円筒形幾何学的形状に対して径方向に沿った深さ)は、外部流路1308の長手方向の長さに沿って(例えば、プラグ構造1212の底部部分1216の円筒形幾何学的形状の長手方向軸に平行方向へ沿って)均一であり得る。もう1つの実施様態において、外部流路1308の深さは、均一ではなくてもよく、第1の深さから、その第1の深さより浅い第2の深さへ、流路移動領域1314に沿って変化してもよい。ある例において、外部流路1308は、外部環境と開口アダプタ1204が取り外し可能な状態で結合されたキャニスタ102の内室の間に、部分的または完全なガス圧力解放/平衡化を行うように形成され得る。
【0064】
1つの例において、プラグ構造1212は、発泡材(例えば、発泡スチロールなど)などの断熱材で部分的または完全に満たされた内部空洞を含み、また、あるいは、それを通して熱伝導を軽減するように形成された真空空洞を含み得る。
【0065】
プラグ構造1212は、保持タブ1316を追加で含み得る。図示したように、プラグ構造1212は、プラグ構造1212の基部1318の円周の周りに等間隔に離れた3つの保持タブ1316を含み得る。しかしながら、これらの開示の範囲を逸脱することなく、任意の数の保持タブ1316を利用でき得る、と考えられる。1つの例において、保持タブ1360は、圧縮形状および伸長形状との間で伸縮するように形成された屈曲部(例えば、1つまたは複数の長手面1322および/または口径面1320は変形するように形成され得る)を含み得る。図13で示すように、保持タブ1316は、伸長形状である。
【0066】
1つの例において、保持タブ1316は、ねじ状外面1302が開口アダプタ1204の内部ねじ状面1218から分離される時、プラグ構造1212が開口アダプタ1204から取り外される方向への伸長を制限するように形成され得る。特に、伸長形状において、保持タブ1316は、開口アダプタ1204の保持面に隣接するように形成され得る。図14は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、開口アダプタ1204の底面図を示す。1つの実施様態において、伸長形状の場合は、保持タブ1316は、開口アダプタ1204の保持隆起面1402に隣接するように形成され得る。
【0067】
図15Aは、開口アダプタ1204と完全に係合した時のプラグ構造1212の断面図を概略的に示す。図15Aは、プラグ構造1212のねじ状外面1302が開口アダプタ1204の内部ねじ状面1218と結合した状態を概略的に示す。さらに、この完全に係合する状態において、保持タブ1316は、開口アダプタ1204の保持隆起面1402から離れて間隔を保ち得る。図15Bは、前記開口アダプタ1204に対して部分的に結合されていない構成における前記プラグ構造1212の別の断面図を概略的に示す。それに応じて、図15Bが示すように、プラグ構造1212のねじ状外面1302は、開口アダプタ1204の内部ねじ状面1218から分離され得る。しかしながら、開口アダプタ1204の保持隆起面1402に隣接する保持タブ1316のおかげで、プラグ構造1212が、開口アダプタ1204から完全に分離されるのを防ぐことができる。好都合なことに、この部分的なカップリングによって、上部開口部1224が密封されなくなり、また、1つの例において、プラグ構造1212が開口アダプタ1204から完全に取り外されることなく、キャニスタ102の中身がそこから注がれることになり得る。さらに好都合なことに、この機能によって、開口アダプタ1204とプラグ構造1212との間のねじ状カップリングの片手での操作が可能になり、プラグ構造1212を完全に取り外す必要もなく、またユーザーがもう一方の手で保持する必要もなく、または外部面上に置く必要もなしに、キャニスタ102の中身を注ぐことも可能になり得る。
【0068】
開口アダプタ1204からプラグ構造1212を完全に取り外すためには、保持タブ1316を、図15Bで示される伸長形状から保持タブ1316が保持隆起面1402を過ぎて移動できる圧縮形状への移行を促進する、手動分離力が用いられ得る。1つの例において、この手動分離力は、底部部分1216の円筒形構造の長手方向軸に平行な方向へ印加され得る。これらの開示の範囲を逸脱することなく、保持タブ1316の具体的な幾何学的形状および材料などに基づいて、任意の分離力が利用され得る、と考えられる。追加的または代替的に、これらの開示の範囲を逸脱することなく、保持タブ1360は、伸長形状の場合、基部面1502などの開口アダプタ1204の1つまたは複数の追加的または代替的面と隣接するように形成され得る。
【0069】
開口アダプタ組立体1100の構造は、任意の材料から組み立て得る、と考えられる。例えば、これらの開示の範囲を逸脱することなく、1つまたは複数の述べられた要素は、1つまたは複数のポリマー、金属、合金、複合材料、セラミックまたは木材から作成され得る。特に、前記開口アダプタ組立体1100は、とりわけ、鋼、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンのうちの1つまたは複数を利用することができる。これらの開示の範囲を逸脱することなく、開口アダプタ組立体1100の述べられた要素を組み立てるには、あらゆる製造方法が活用され得る、とさらに考えられる。ある例において、これらの開示の範囲を逸脱することなく、射出成形、吹き込み成形、鋳造、回転成形、圧縮成形、ガスアシスト成形、熱成形、または発泡体成形、溶接(例えば、回転溶接)、接着、または留め金具(例えば、リベット、留め釘、ねじなど)などが活用され得る。さらに、開口アダプタ組立体1100の図示および記述された要素は、これらの開示の範囲を逸脱することなく、任意の寸法値により作成され得る、と考えられる。このように、例えば、前述されたねじ形状(例えば、ねじ状外面1302、内部ねじ状面1212、外部の上部ねじ状面1220、および/または外部の底部ねじ状面1222)は、これらの開示の範囲を逸脱することなく、任意のねじ状の幾何学的形状で作成され得る。
【0070】
1つの例において、1つの材料で成形された断熱容器は、ねじ状側壁および液体を収容するための内部貯蔵部に延びる開口部を設けた第1の端部を有する第1の内壁と、キャニスタの外殻を形成する第2の外壁とを有するキャニスタを含むことができる。第2の外壁は、キャニスタを表面上で支えるように構成された第2の端部を含み得る。キャニスタは、第1の内壁と第2の外壁の間に断熱二重壁構造を形成する密封された真空空洞を含み得る。断熱容器も、底部面と注ぎ口アダプタの上面上の注ぎ口開口部にある、注ぎ口アダプタの高さを通して延びる注ぎ口流路を有する注ぎ口アダプタを含み得る。注ぎ口開口部は、上部ねじ状面と底部ねじ状面の間の注ぎ口アダプタの円周の周りに延びるグリップリング上で、合体面と磁気的に結合するように形成された磁気上面を有するキャップによって密封されている。キャニスタの開口部に対して注ぎ口アダプタを再密封可能に密封するように形成された底部ねじ状面、および蓋に対して注ぎ口アダプタを取り外し可能な状態で結合するように形成された上部ねじ状面。
【0071】
別の例において、断熱容器は、ねじ状側面および液体を収容するための内部貯蔵部に延びる開口部を設けた第1の端部を有する第1の内壁と、キャニスタの外殻を形成する第2の外壁を有するキャニスタを含み得る。第2の外壁は、キャニスタを表面上で支えるように構成された第2の端部を含み得る。キャニスタは、第1の内壁と第2の外壁の間に断熱二重壁構造を形成する密封された真空空洞を含み得る。断熱容器は、キャニスタの開口部に、取り外し可能な状態で結合し、またそれを密封するための外部底部ねじ状面を有する開口部アダプタを含み得る。開口部アダプタはまた、内部ねじ状面、外部上部ねじ状面、および外部上部ねじ状面と外部底部ねじ状面の間に位置するグリップリングを備え得る。断熱容器はまた、実質的な円筒形上部および実質的な円筒形底部を有するプラグ構造を含み得る。プラグ構造はまた、開口部アダプタの内部ねじ状面に取り外し可能な状態で結合するように形成されたねじ状外面を含み得る。プラグ構造はまた、上部に堅く結合されたハンドル、およびプラグ構造の底部に堅く/柔軟に結合された保持タブを有し得る。さらに、外部流路は、プラグ構造の流路上端と流路下端との間に延び得る。さらに、断熱容器は、開口部アダプタの外部上部ねじ状面に、取り外し可能な状態で結合されるように形成された蓋を含み得る。
【0072】
本開示は、上記を開示し、様々な例を参照できる図面を添付している。しかしながら、この開示の目的は、この開示の範囲に限定されるわけではなく、この開示に関係する様々な特徴および概念の例を提供することである。当業者であれば、上記で述べた例に対し数多くの変形および変更が、本開示の範囲を逸脱することなく、なされ得ると認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
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図15A
図15B