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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】給油管理システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/32 20100101AFI20230927BHJP
   B67D 7/12 20100101ALI20230927BHJP
【FI】
B67D7/32 A
B67D7/12 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022012846
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2023111153
(43)【公開日】2023-08-10
【審査請求日】2022-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(73)【特許権者】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】門脇 正天
(72)【発明者】
【氏名】王 ほう
(72)【発明者】
【氏名】戸田 一浩
(72)【発明者】
【氏名】富樫 純一
(72)【発明者】
【氏名】野澤 健太郎
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135898(JP,A)
【文献】特開2014-057180(JP,A)
【文献】特開2010-100289(JP,A)
【文献】特開2019-210031(JP,A)
【文献】特開2021-095212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理機と、複数の計量機とを備え、前記管理機を用いて前記計量機から給油対象への給油を行う給油管理システムにおいて、
特定の計量機の稼働状況を一の管理機において確認する操作がなされたことを他の管理機の表示画面に表示させ
前記管理機の表示画面には、複数の計量機の給油状況を表示する一覧画面と特定の計量機の給油状況を表示する詳細画面とが切換え表示可能であり、
前記一覧画面に表示されたボタンが操作されることにより、特定の計量機の稼働状況を確認する操作がなされたとして、当該操作された管理機以外の管理機の前記一覧画面に当該管理機によって確認する操作がなされたことを表示させ
ことを特徴とする給油管理システム。
【請求項2】
前記計量機からノズルが外されたことを検知する検知手段を備え、
前記検知手段から前記ノズルが外されたことを検知した場合に、前記一覧画面に前記ノズルが外された前記計量機を報知する
ことを特徴とする請求項に記載の給油管理システム。
【請求項3】
記ボタンは、前記複数の計量機のそれぞれに対応して前記一覧画面に表示され、前記一覧画面から特定の計量機の前記詳細画面に切換え表示するときに操作される選択ボタンであり、
前記選択ボタンには、その選択ボタンに対応する計量機の前記ノズルが外されたときに、前記ノズルが外されたことが表示される
ことを特徴とする請求項に記載の給油管理システム。
【請求項4】
給油所内を撮影するカメラの画像から給油所内の異常の有無を判定する判定手段を備え、
前記判定手段による判定結果も前記一覧画面中の当該計量機に対応するボタンに表示させる
ことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の給油管理システム。
【請求項5】
記ボタンは、前記複数の計量機のそれぞれに対応して前記一覧画面に表示され、前記一覧画面から特定の計量機の前記詳細画面に切換え表示するときに操作される選択ボタンであり、
前記選択ボタンには、その選択ボタンに対応する計量機の前記判定手段による前記判定結果が表示される
ことを特徴とする請求項に記載の給油管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば車両等の給油対象に給油を行う給油所の給油管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、送液管路、ポンプ、流量計、給油ホースおよび給油ノズルを有する計量機と、給油に関する情報を表示するモニタと、計量機に対し給油許可信号を送信する管理装置とを備えた給油所管理システムが記載されている。特許文献1の給油所管理システムは、計量機が管理装置から給油許可信号を受信した場合に、給油ノズルから車両への給油が可能となる。この構成によれば、係員(給油管理者)の監視の下、車両の運転者が給油者(作業者)としてセルフ式の給油を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-264995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のような給油所管理システムにおいて、複数の係員がそれぞれ通信制御端末機(携帯端末機)を携帯可能に所持し、それぞれの係員が通信制御端末機を用いて計量機による給油の許可、不許可を行うようにすることが考えられる。しかし、この場合、許可待ちの計量機(給油レーン)が発生したときに、他の係員が該当計量機(給油レーン)を監視しているにも関わらず、それに気付けないことにより、同じ計量機(給油レーン)の監視を重複して行ってしまう可能性がある。これにより、不要な作業が発生してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の一実施形態の目的は、係員の不要な作業を抑制できる給油管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、複数の管理機と、複数の計量機とを備え、前記管理機を用いて前記計量機から給油対象への給油を行う給油管理システムにおいて、特定の計量機の稼働状況を一の管理機において確認する操作がなされたことを他の管理機の表示画面に表示させ、前記管理機の表示画面には、複数の計量機の給油状況を表示する一覧画面と特定の計量機の給油状況を表示する詳細画面とが切換え表示可能であり、前記一覧画面に表示されたボタンが操作されることにより、特定の計量機の稼働状況を確認する操作がなされたとして、当該操作された管理機以外の管理機の前記一覧画面に当該管理機によって確認する操作がなされたことを表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、係員の不要な作業を抑制できる。即ち、いずれかの係員が管理機を用いて特定の計量機(レーン)への確認操作がなされたこと(換言すれば、いずれかの係員が特定の計量機の監視をしていること)を、別の係員が他の管理機で認識できる。このため、係員の業務状況の把握が可能となり、重複作業を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態による給油管理システムを模式的に示す全体構成図である。
図2図1中の携帯端末機(管理機)の一覧画面の一例を示す説明図である。
図3図1中の携帯端末機(管理機)の詳細画面の一例を示す説明図である。
図4図1中の給油機(計量機)による制御処理の一例を示す流れ図である。
図5図1中の管理装置(管理機)による制御処理の一例を示す流れ図である。
図6図1中の携帯端末機(管理機)による制御処理の一例を示す流れ図である。
図7図1中の管理装置(管理機)による画面表示処理の一例を示す流れ図である。
図8図1中の携帯端末機(管理機)による画面表示処理の一例を示す流れ図である。
図9図1中の携帯端末機(管理機)の記憶手段に記憶される情報の一例を示す説明図である。
図10図1中の管理装置(管理機)の記憶手段に記憶される情報の一例を示す説明図である。
図11】変形例による携帯端末機(管理機)の制御処理の一例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態による給油管理システムを、自動車等の車両に給油を行う給油所(ガソリンスタンド、サービスステーション)に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。なお、図4図5図6図7図8および図11に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用いる(例えば、ステップ1=「S1」とする)。
【0010】
図1において、給油所1は、車両101(図3参照)の運転者が給油者として給油を行うことが可能なセルフ式給油所として構成されている。燃料の供給所となる給油所1は、車両101に燃料の供給(給油)を行う計量機としての給油機2~2を備えている。図1では、給油所1の屋外に、例えば8台の地上設置式の給油機2~2が設けられている。
【0011】
給油所1では、給油機2~2を用いてレギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油等の燃料(液体燃料)を車両101に給油(補給)する給油作業(供給作業)が行われる。燃料供給装置(燃料供給機)である給油機2~2は、給油所1の燃料供給エリア(給油エリア、給油レーン)に設置されている。給油機2~2は、例えば3つの給油系統を備えている。なお、給油機は、単一の給油系統または2つの給油系統を備えたものでもよく、4つ以上の給油系統を備えたものでもよい。
【0012】
給油機2~2は、例えば、供給ホース2A(以下、給油ホース2Aという)と、供給ノズル2B(以下、給油ノズル2Bという)と、モニタ装置2Cと、設定装置2Dと、を備えている。また、図示は省略するが、給油機2~2は、内部に、送液管路と、供給ポンプ(以下、給油ポンプという)と、ポンプモータと、流量計と、制御弁と、制御装置と、を備えている。送液管路は、給油所1の地下に設けられ燃料を貯留する貯留タンク(図示せず)と給油ホース2Aとの間を接続している。給油ホース2Aの先端側には、車両101の燃料タンク等の給油対象(燃料被供給体)に燃料を供給するノズルとしての給油ノズル2Bが設けられている。
【0013】
送液管路の途中には、給油ポンプ、流量計および制御弁が設けられている。給油ポンプは、ポンプモータにより駆動され、貯留タンクから燃料を吸い上げる。流量計は、送液管路内を流通する液体燃料の流量を計測する。制御弁は、例えば、弁開度が可変に制御される電磁式流量制御弁により構成されており、送液管路から給油ホース2Aを介して給油ノズル2Bへと供給される液体燃料の流量を調整する。モニタ装置2Cには、給油機2~2による燃料の給油量、支払金額等が表示される。設定装置2Dは、給油者により手動操作されることにより、給油量等に関する設定が行われる。
【0014】
制御装置は、ポンプモータ、制御弁、モニタ装置2C等の各種機器を制御する。制御装置は、例えばマイクロコンピュータ、電源回路、駆動回路等を含んで構成されている。制御装置のマイクロコンピュータは、演算処理装置(CPU)およびROM、RAMおよび/または不揮発性メモリ等からなる記憶手段としての記憶部2E(メモリ)を有している。制御装置の記憶部2Eには、後述の図4に示す処理フローを実行するための処理プログラムが記憶(格納)されている。
【0015】
給油所1には、複数の監視カメラ3~3が設けられている。複数の監視カメラ3~3は、給油所1内を撮影している。監視カメラ3~3は、給油機2~2の状況、換言すれば、それぞれの給油機2~2の燃料供給エリア(給油エリア、給油レーン)の状況を検出する検出手段(状況検出手段)を構成している。監視カメラ3~3は、給油機2~2の稼働状況、燃料供給エリア(以下、給油レーンという)の状態、給油者による給油機2~2の操作状態等を監視するために、給油所1の全体を撮影している。監視カメラ3~3は、後述の管理装置5に無線または有線で接続されている。監視カメラ3~3で撮影された映像(画像)は、給油機2~2の情報(給油レーンの情報)として管理装置5に送信される。
【0016】
給油所1には、管理室4が設けられている。管理室4(屋内)には、例えば、給油機2~2に対する給油許可の制御処理等を行う管理装置5と、販売時点情報管理を行うPOS端末(図示せず)と、が設置されている。管理装置5は、セルフ式の給油を行うためのセルフサービスコントローラ(SSコントローラ)とも呼ばれている。管理装置5は、例えば、演算装置(CPU)および記憶手段としての記憶装置5A(メモリ)を備えたコンピュータ(例えば、ディスクトップコンピュータ、サーバーコンピュータ)を含んで構成されている。管理装置5の記憶装置5Aには、後述の図5および図7に示す処理フローを実行するための処理プログラムが記憶(格納)されている。また、管理装置5の記憶装置5Aには、後述の図10に示す情報(記憶情報)が更新可能に記憶(格納)される。
【0017】
管理装置5は、後述する携帯端末機7と共に、給油機2~2による給油を管理する管理機に対応する。図1に示すように、管理装置5は、記憶装置5Aに加えて、例えば、メインモニタ5Bと、後述の異常判定手段9、表示制御手段10および給油制御手段11と、を備えている。管理装置5は、例えば信号線6を介して、給油機2~2および監視カメラ3~3に接続されている。このとき、管理装置5と給油機2~2および監視カメラ3~3とは、信号線6によるLAN(Local Area Network)によって相互に接続されている。
【0018】
なお、管理装置5と給油機2~2および監視カメラ3~3との間は、有線通信で接続してもよいし、無線通信で接続してもよい。これに加えて、通信方式は、例えば、SS-LAN通信、Ethernet通信、Wi-Fi通信、Bluetooth(登録商標)通信等、どのような通信方式であっても構わない。これにより、管理装置5と給油機2~2および監視カメラ3~3とは、相互に各種の信号の送信と受信が可能となっている。
【0019】
携帯端末機7は、給油所1の係員(給油管理者)により所持される。係員は、給油所1内で、給油機2~2による給油の監視、管理を行う。係員は、例えば、車両101の運転者が給油者として給油機2~2を用いて車両101(燃料タンク)に給油を行うときに、給油の許可、不許可(停止)を給油機2~2に指示する。携帯端末機7と管理装置5との間は、無線方式の通信手段によって接続されている。なお、管理装置5と携帯端末機7との間は、必要に応じて有線で接続できるように構成してもよい。
【0020】
携帯端末機7は、管理装置5と共に管理機に対応する。携帯端末機7は、携帯可能な無線式の通信端末であり、例えば、タブレット端末、スマートフォン等の情報通信端末によって構成されている。携帯端末機7は、液晶パネル、有機ELパネル等からなるタッチ式のモニタ8を有している。また、携帯端末機7は、管理装置5との間で信号の送信および受信が可能となっている。
【0021】
携帯端末機7は、演算装置(CPU)および記憶手段としての記憶装置7A(メモリ)を備えた携帯型コンピュータである。携帯端末機7の記憶装置7Aには、後述の図6および図8に示す処理フローを実行するための処理プログラムが記憶(格納)されている。また、携帯端末機7の記憶装置7Aには、後述の図9に示す情報(記憶情報)が更新可能に記憶(格納)される。
【0022】
携帯端末機7のモニタ8および管理装置5のメインモニタ5Bは、管理機の表示画面を構成している。携帯端末機7のモニタ8と管理装置5のメインモニタ5Bとに表示される内容は、同一でもよいし、異なっていてもよい。即ち、携帯端末機7のモニタ8および管理装置5のメインモニタ5Bは、給油機2~2の給油の管理が可能な画面構成であれば、限定されない。実施形態では、管理装置5のメインモニタ5Bも、携帯端末機7のモニタ8と同様の画面表示が可能となっている。この場合には、管理装置5でも、携帯端末機7でモニタ8を用いて行う操作を行うことができる。即ち、管理装置5も、携帯端末機7と同様に、携帯端末機7のモニタ8を用いて行う給油の許可の操作等を行うことができる。
【0023】
図2および図3に示すように、管理装置5のメインモニタ5Bおよび携帯端末機7のモニタ8には、複数の給油機2~2の全ての稼働状況(図2)と、複数の給油機2~2のうち特定した一の給油機2~2の稼働状況(図3)とが切換え可能に表示される。また、管理装置5のメインモニタ5Bおよび携帯端末機7のモニタ8には、異常判定手段9による給油所1内の異常の有無の判定結果が必要に応じて表示される。ここで、図2中の「01」~「08」の番号は、複数の給油機2~2にそれぞれ個別に付された識別番号に対応する。換言すれば、「01」~「08」の番号は、給油機2~2がそれぞれ設けられた給油レーンの番号に対応する。
【0024】
そして、全部の給油機2~2の稼働状況を一括して表示するのが一覧画面(図2に示す画面)となる。一方、複数の給油機2~2のうち、特定した一の給油機2~2の稼働状況(給油者の行動、給油ノズル2Bの取り扱い等)を表示するのが詳細画面(図3に示す画面)となる。詳細画面(図3)には、異常判定手段9により判定された一の給油機2~2の判定結果(例えば、「ノズル挿入OK」等)を表示することが可能となっている。また、詳細画面(図3)には、設定された油種や給油量(例えば、「レギュラー」等)を表示することが可能となっている。なお、異常判定手段9により判定された判定結果および/または設定された油種や給油量は、一覧画面(図2)に表示してもよい。
【0025】
図2の一覧画面と図3の詳細画面は、後述の表示制御手段10によって最新の情報に更新される。また、携帯端末機7は、係員がモニタ8をタッチ(例えば、モニタ8に表示された給油を許可する「許可」のボタン8H(図3)や選択ボタン8A~8A図2)に指先やペンを接触)することで、許可信号、画面の切換え信号等を管理装置5に送信することができる。
【0026】
図2の一覧画面には、例えば、給油機2~2に個別に対応する選択ボタン8A~8Aと、給油機2~2の給油動作を一斉に停止するための「一斉停止」のボタン8Bと、給油機2~2のうち、選択した給油機2~2の給油動作を停止するための「停止」のボタン8Cと、係員が異常の確認等の作業を行うとき(または、行ったとき)に操作(押下)する「確認」のボタン8Dと、が表示されている。選択ボタン8A~8Aは、給油機2~2毎に区画された矩形状の表示領域として表示され、当該表示領域を係員がタッチすることで、選択信号(画面の切換え信号等)が管理装置5に送信される。ここでの選択信号に含まれる情報としては、例えば、「当該携帯端末のID、当該給油機No、当該給油機の状態」がある。
【0027】
例えば、係員が一覧画面(図2)から8番(NO.08)の給油機2の詳細画面(図3)に切換えたい場合、一覧画面中の8番(NO.08)の選択ボタン8Aをタッチ(指定、押下)する。この操作により、携帯端末機7の画面は、一覧画面から、8番(NO.08)の給油機2の詳細画面に切換わる。なお、一覧画面中の8番(NO.08)の選択ボタン8Aをタッチ(指定、押下)してから、「確認」のボタン8Dをタッチ(指定、押下)すると、一覧画面から8番(NO.08)の給油機2の詳細画面に切換わるようにしてもよい。
【0028】
また、選択ボタン8A~8Aには、1番と3番の選択ボタン8A,8Aに示すような「ノズル」の形状のアイコン12、即ち、給油機2から給油ノズル2Bが外されたことを示すアイコン12(以下、ノズルアイコン12という)を表示することができる。このために、各給油機2~2には、給油機2~2から給油ノズル2Bが外されたことを検知する検知手段(ノズル検知手段)としてのノズルセンサが設けられている。ノズルセンサは、例えば、給油ノズル2Bの有無を検出することができる2位置切換型のスイッチ等により構成することができる。ノズルセンサは、例えば、給油ノズル2Bが給油機2~2に掛止めされて給油ノズル2Bにより押動されるとオン(ON)に切換わり、給油ノズル2Bが給油機2~2から取り外されるとオフ(OFF)に切換わる構成とすることができる。ノズルセンサは、給油機2~2の制御装置に接続されている。
【0029】
ノズルセンサの検出結果は、管理装置5に入力される。即ち、給油機2~2の制御装置は、ノズルセンサからオフ(OFF)に対応する信号が入力されると、管理装置5にその旨の信号(給油許可要求信号)を送信(出力)する。管理装置5は、給油機2~2の制御装置からの信号に基づいて、給油ノズル2Bが外された給油機2~2に対応する選択ボタン8A~8Aにノズルアイコン12を表示する。より具体的には、管理装置5の記憶装置5Aの記憶情報を「ノズルアイコン有」に更新し、この更新に基づいて、携帯端末機7のモニタ8および管理装置5のメインモニタ5Bの表示画面が更新される。これにより、管理装置5は、給油ノズル2Bが外されたことをノズルセンサが検知した場合に、一覧画面に給油ノズル2Bが外されたことを報知することができる。
【0030】
また、選択ボタン8A~8Aには、ノズルアイコン12以外にも、給油中を示すアイコン13(以下、給油中アイコン13という)、給油の一時停止を示すアイコン(図示せず)等を表示することができる。例えば、図2に示すように、6番の選択ボタン8Aには、給油中アイコン13が表示されている。これは、6番の給油機2が給油中であることを示している。また、例えば、後述する異常判定手段9により給油機2~2に異常有りと判定された場合は、異常有りと判定された給油機2~2の選択ボタン8A~8Aの表示領域を赤色に表示させることもできる。これにより、係員は、給油機2~2に異常が発生したことを把握できる。
【0031】
図3の詳細画面には、例えば、一覧画面の「一斉停止」のボタン8Bと、「停止」のボタン8Cと、「許可」のボタン8Hと、詳細画面に切換えられた際に指定された一の給油機2~2を含む給油レーンの映像(画像)を表示する画像表示部8Eと、画像表示部8Eの上側に表示される給油状態表示部8Fと、画像表示部8Eの下側に表示される異常判定結果表示部8Gと、を表示することができる。また、詳細画面には、油種や給油量等を表示することもできる。図3の詳細画面は、1番の給油機2の詳細画面に対応し、給油状態表示部8Fには、給油機2から給油ノズル2Bが外されたことを示すノズルアイコン12が表示されている。また、異常判定手段9により給油ノズル2Bが適正に挿入されていると判定されているため、異常判定結果表示部8Gに「ノズル挿入OK」と表示されている。
【0032】
ここで、例えば、異常判定手段9により異常が有ると判定された場合(異常判定結果が危険または注意の場合)、許可のボタン8Hに代えて、確認のボタン8Dが表示される。このとき、画像表示部8Eには、異常判定手段9により異常有りと判定した映像(画像)が表示される。また、異常判定結果表示部8Gには、「ノズル挿入不良」等の異常の内容が表示される。なお、上述した詳細画面は、一例を示したものであり、レイアウト、表示数等はこれに限るものではない。
【0033】
給油状態表示部8Fには、給油機2~2の稼働状況として、車両101を待っている「待機中」、給油者が設定装置2Dにより給油量等の設定を行った後の「給油待ち」、給油ノズル2Bが外された後の係員による給油許可を待っている「許可待ち」、給油を行っている「給油中」、等を文字やアイコンで表示することができる。また、異常判定結果表示部8Gには、「喫煙」、「ノズル挿入不良」等の危険項目、「給油者の携帯電話使用」等の注意項目、給油ノズル2Bが給油口102に正しく挿入されている「ノズル挿入OK」等の正常項目、機器の故障等で給油機2~2の稼働状況等を検知することができない「検知無し」、を含む項目を文字やアイコンで表示することができる。
【0034】
異常判定手段9により異常が有ると判定された場合、係員は、画像表示部8Eの映像(画像)から異常の状況を確認することができる。このとき、図3中の「許可」のボタン8Hは、「確認」のボタン8Dに代わる。この「確認」のボタン8Dは、画像表示部8Eに表示された映像(画像)から係員が給油機2~2に異常が無いと判断されたときに押下(タッチ)される。この「確認」のボタン8Dが押下されると、異常が解消されたと判定され、「確認」のボタン8Dが給油を許可するための「許可」のボタン8Hに切換わる。
【0035】
異常判定手段9は、例えば、管理装置5に内蔵されている。異常判定手段9は、監視カメラ3~3が撮影した映像(画像)の情報に基づいて給油所1内で異常が発生したか否かを判定する。具体的には、異常判定手段9は、監視カメラ3~3が撮影する給油レーンの給油作業の映像(画像)と、正しい給油作業を予め学習させた学習済モデルと、を用いて、正しい給油作業を検知できない場合には異常と判定する。即ち、異常判定手段9は、AI(人工知能)の機械学習による画像認識技術により異常の有無を判定している。
【0036】
この場合、AIは、給油者の動作、車両101の給油口102の位置、給油ノズル2Bの位置、給油ノズル2Bの向き等の情報を基にして、給油作業の異常の有無を判定する。また、異常判定手段9は、予め学習した正しい給油作業の映像(画像)との比較から異常の有無を判定できない場合もあり、その場合には、不明(係員による注意が必要)と判定する。これにより、異常判定手段9は、異常判定の際、「危険レベル」、「注意レベル」、「正常レベル」のいずれかを判定することができる。なお、異常判定手段9は、上記以外にも、給油機2~2や給油所1内の各機器の異常の有無も判定する。
【0037】
表示制御手段10は、例えば、管理装置5に内蔵されている。表示制御手段10は、管理装置5のメインモニタ5Bおよび携帯端末機7のモニタ8に一覧画面(図2)または詳細画面(図3)を表示させる。また、表示制御手段10は、一覧画面(図2)または詳細画面(図3)の表示内容を最新の情報に更新する。また、表示制御手段10は、異常判定手段9が給油レーンの異常の有無を判定した際に利用した情報および異常判定手段9による判定結果を一覧画面(図2)または詳細画面(図3)に表示させる。
【0038】
具体的には、表示制御手段10は、図2の一覧画面では、複数の給油機2~2毎(即ち、給油レーン毎)の稼働状況を一括して表示させる。また、表示制御手段10は、図3の詳細画面では、監視カメラ3~3が撮影した映像(画像)をモニタ8の画像表示部8Eに表示させ、特定した給油機2~2(給油レーン)の稼働状況を給油状態表示部8Fに表示させる。これと共に、図3の詳細画面では、特定した給油機2~2(給油レーン)の異常の有無、即ち、異常判定手段9が判定した結果を異常判定結果表示部8Gに表示させる。
【0039】
また、表示制御手段10は、例えば、図3の一覧画面では、異常判定手段9により異常と判定された給油機2~2(給油レーン)に対応する選択ボタン8A~8Aの色を赤色に表示する。これにより、異常と判定された給油機2~2(給油レーン)を報知することができる。一方、表示制御手段10は、異常判定手段9により異常ではない(異常が発生していない)と判定された場合は、例えば、一覧画面の選択ボタン8A~8Aの色を緑色に表示する。これらにより、係員は、異常判定手段9によりどのような判定がなされたのかを容易に把握することができる。
【0040】
給油制御手段11は、給油機2~2による給油を許可する給油許可信号を給油機2~2に送信する。即ち、携帯端末機7は、係員によりモニタ8の詳細画面(図4)に表示された給油を許可するための「許可」のボタン8Hが押下されると、その旨の信号(許可信号)を管理装置5に送信する。管理装置5の給油制御手段11は、携帯端末機7から送信される信号(許可信号)を受信した場合に、給油機2~2に給油を許可する給油許可信号を送信する。この給油許可信号を受信した給油機2~2は、給油ポンプ(図示せず)の駆動が可能となる。これにより、当該給油機2~2で給油対象に給油をすることができる。なお、このような給油の許可は、携帯端末機7だけでなく、管理装置5からも行うことができる。
【0041】
ところで、セルフ式の給油所1において、複数の係員がそれぞれ携帯端末機7を所持し、この携帯端末機7の画面に表示された監視カメラ3~3の画像から、給油許可待ちの給油機2~2の状態(給油ノズル2Bが給油口102に挿入されているか否か等の給油に対する安全)を確認し、携帯端末機7を用いて給油を許可する構成とすることが考えられる。しかし、各係員は、どの係員がどの給油機2~2を確認中なのかを把握できないと、同じ給油機2~2の確認が重複して行われる可能性がある。
【0042】
これは、非効率的である。そこで、実施形態では、いずれかの係員が携帯端末機7で給油機2~2を監視していることを、他の係員の携帯端末機7で認識できるようにする。これにより、係員が互いに業務状況を把握できるようにし、重複作業を抑制する。以下、これらの点について説明する。
【0043】
即ち、実施形態の給油所1は、車両101へ給油を行う複数の給油機2~2と、これら給油機2~2と通信可能に接続され給油許可、不許可を制御する管理装置5と、この管理装置5と通信可能に接続され給油機2~2への給油許可について操作を行う複数の携帯端末機7とを備えている。管理装置5および携帯端末機7は、給油機2~2による給油を管理(より具体的には、給油の許可、不許可を管理)する管理機である。
【0044】
管理装置5および携帯端末機7の表示画面には、図2に示すような一覧画面と図3に示すような詳細画面とが切換え可能に表示される。図2の一覧画面では、各給油機2~2の状態(例えば、待機、給油待ち、許可待ち、給油中、給油停止等)が、給油機2~2毎に区画された選択ボタン8A~8A内に表示される。この選択ボタン8A~8Aを係員が押下すると、表示画面が図2の一覧画面から図3の詳細画面に切換わる。なお、図2の一覧画面から図3の詳細画面への切換えは、例えば、選択ボタン8A~8Aを押下し、かつ、「確認」のボタン8Dを押下することにより切換わるようにしてもよい。
【0045】
いずれにしても、実施形態では、複数の係員(例えば、甲、乙、丙の3人の係員)のうちいずれかの係員(例えば甲)が、自身の携帯する携帯端末機7の一覧画面(図2)の選択ボタン8A~8Aのいずれかを押下すると、他の係員(例えば、乙、丙)が携帯する携帯端末機7の一覧画面に、その旨のアイコン14が表示される。即ち、他の係員(例えば、乙、丙)の携帯端末機7の一覧画面には、当該押下された選択ボタン8A~8A内に係員(例えば、甲)がその選択ボタン8A~8Aに対応する給油機2~2を確認していることを表すアイコン14(以下、確認アイコン14という)が表示される。
【0046】
確認アイコン14は、例えば、当該押下された携帯端末機7の識別記号、識別番号、または、その操作を行った係員の氏名とすることができる。図2では、確認アイコン14は、「A」と「B」が表示されており、「A」と「B」は、携帯端末機7の識別記号に対応する。例えば、AとBとCの3つの携帯端末機7があり、係員の甲がAの携帯端末機7を、係員の乙がBの携帯端末機7を、係員の丙がCの携帯端末機7を所持(携帯)している場合を考える。この場合に、係員の甲が、例えばAの携帯端末機7の一覧画面の選択ボタン8A、即ち、「01」の選択ボタン8Aを押下すると、他の係員である乙と丙の携帯端末機7の一覧画面の選択ボタン8A内には、「A」の確認アイコン14が表示される。このため、他の係員(例えば、乙と丙)は、係員の甲が「01」番の給油機2(給油レーン)を確認(担当)していること(または、したこと)を把握できる。
【0047】
また、係員の乙が、例えばBの携帯端末機7の一覧画面の選択ボタン8A、即ち、「06」の選択ボタン8Aを押下した場合は、他の係員である甲と丙の携帯端末機7の一覧画面の選択ボタン8A内には、「B」の確認アイコン14が表示される。このため、他の係員(例えば、甲と丙)は、係員の乙が「06」番の給油機2(給油レーン)を確認(担当)していること(または、したこと)を把握できる。これらにより、2人以上の係員が同一の給油機2~2(1番の給油機2や6番の給油機2)を重複して確認してしまうことを抑制できる。
【0048】
このように、実施形態の給油所1は、複数の給油機2~2の管理(例えば、給油の許可、不許可の管理)を行う給油管理システムを備えている。給油管理システムは、それぞれが管理機である複数の携帯端末機7および管理装置5と、複数の給油機2~2とを備えている。実施形態では、3台の携帯端末機7と、1台の管理装置5と、8台の給油機2~2とを備えた構成としているが、これに限定するものではない。給油管理システムは、携帯端末機7および管理装置5を用いて給油機2~2から給油対象(例えば、車両101、燃料携行缶、ポリタンク等)への給油を行う。この場合、給油管理システムは、一の携帯端末機7(または管理装置5)を用いて給油作業について特定の給油機2~2への確認操作がなされたことを、他の携帯端末機7(または管理装置5)の表示画面に表示させる。
【0049】
より詳しく説明すると、携帯端末機7および管理装置5の表示画面は、複数の給油機2~2の給油状況を表示する「一覧画面(図2)」と、特定の給油機2~2の給油状況を表示する「詳細画面(図3)」とが、切換え表示可能である。そして、管理装置5は、一覧画面に表示された確認ボタンに対応する選択ボタン8A~8Aが操作されることにより、特定の給油機2~2への確認操作がなされたとする。この場合、管理装置5は、当該確認操作された携帯端末機7(または管理装置5)以外の携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面に、当該携帯端末機7(または管理装置5)によって確認操作されたことを表示させる。図2に示すように、確認操作がされた携帯端末機7(または管理装置5)以外の携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面には、確認操作がされたことの表示として、特定の給油機2(または給油機2)に対応する選択ボタン8A(または選択ボタン8A)内に確認アイコン14が表示される。このように、実施形態では、確認ボタンは、複数の給油機2~2のそれぞれに対応して一覧画面に表示された選択ボタン8A~8Aとしている。選択ボタン8A~8Aは、一覧画面から特定の給油機2~2の詳細画面に切換え表示するときに操作されるボタンである。
【0050】
また、各給油機2~2は、給油機2~2から給油ノズル2Bが外されたことを検知する検知手段としてのノズルセンサを備えている。管理装置5は、ノズルセンサから給油ノズル2Bが外されたことを検知した場合に、一覧画面にノズルアイコン12を表示することにより、給油ノズル2Bが外されたことを報知する。この場合、給油ノズル2Bが外された給油機2~2を報知する。このために、選択ボタン8A~8Aには、その選択ボタン8A~8Aに対応する給油機2~2の給油ノズル2Bが外されたときに、給油ノズル2Bが外されたことに対応するノズルアイコン12が表示される。さらに、管理装置5は、給油所1内を撮影するカメラとしての監視カメラ3~3の画像(映像)から給油所1内の異常の有無を判定する判定手段としての異常判定手段9を備えている。管理装置5は、異常判定手段9による判定結果も一覧画面に表示させることができる。この場合、選択ボタン8A~8Aに、その選択ボタン8A~8Aに対応する給油機2~2の異常判定手段9による判定結果が表示される。
【0051】
次に、図4ないし図8に示す流れ図(フローチャート)について説明する。図4は、給油機2~2で行われる制御処理を示す流れ図(フローチャート)である。図5および図7は、管理装置5で行われる制御処理を示す流れ図(フローチャート)である。図6および図8は、携帯端末機7で行われる制御処理を示す流れ図(フローチャート)である。図4ないし図8の処理は、所定の制御周期で繰り返し実行される。
【0052】
先ず、図4に示す給油機2~2で行われる処理、より具体的には、給油機2~2に内蔵された制御装置で行われる処理について説明する。図4に示す制御処理は、例えば、車両101が給油レーンに進入すると開始される。図4の処理が開始されると、S1では、給油者による給油の設定が完了したか否かを判定する。即ち、S1では、給油者が給油機2~2の設定装置2Dを用いて、支払方法の選択、油種の選択、満タン給油の選択、任意のプリセット給油量の選択等、給油開始前の設定が完了したか否かを判定する。S1で「NO」、即ち、給油者による給油の設定が完了していないと判定された場合は、S1の処理を繰り返す。一方、S1で「YES」、即ち、給油者による給油の設定が完了したと判定された場合は、S2に進む。
【0053】
S2では、給油の設定が完了した旨の信号である給油設定完了信号を管理装置5に送信(出力)する。即ち、給油の設定が完了した給油機2~2は、給油設定完了信号を管理装置5に送信する。S2に続くS3では、給油ノズル2Bが給油機2~2から取り外されたか否かを判定する。この判定は、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)がOFFであるかONであるかにより判定することができる。即ち、S3では、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)がOFFの状態に対応する「給油ノズルオフ」であるか否かを判定する。
【0054】
S3で「NO」、即ち、「給油ノズルオフ」でないと判定された場合は、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)がONの状態に対応する「給油ノズルオン」である。この場合は、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)がONであり、給油ノズル2Bが給油機2~2から取り外されてない。このため、S3で「NO」と判定された場合は、S3の処理を繰り返す。一方、S3で「YES」、即ち、「給油ノズルオフ」であると判定された場合は、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)がOFFである。この場合は、給油ノズル2Bが給油機2~2から取り外されたため、S4に進む。S4では、給油の許可を係員に要求する信号である給油許可要求信号を管理装置5に送信(出力)する。即ち、給油ノズル2Bが取り外された給油機2~2は、給油許可要求信号を管理装置5に送信する。
【0055】
S4に続くS5では、給油許可信号を受信したか否かを判定する。即ち、S5では、管理装置5から、給油ノズル2Bが取り外された給油機2~2による給油を許可する給油許可信号を受信したか否かを判定する。S5で「NO」、即ち、管理装置5から給油許可信号を受信していないと判定された場合は、S5の処理を繰り返す。一方、S5で「YES」、即ち、管理装置5から給油許可信号を受信したと判定された場合は、S6に進む。S6では、給油ポンプを駆動する。即ち、S6では、給油ノズル2Bが取り外された給油機2~2で給油が可能となる。これにより、給油者は、給油ノズル2Bのレバー操作に応じて車両101の燃料タンクに給油することができる。
【0056】
S6に続くS7では、給油ノズル2Bが給油機2~2に戻されたか否かを判定する。即ち、S7では、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)がONの状態に対応する「給油ノズルオン」であるか否かを判定する。S7で「NO」、即ち、「給油ノズルオン」でないと判定された場合は、給油ノズル2Bが給油機2~2に戻されていない。この場合は、S7の処理を繰り返す。これに対して、S7で「YES」、即ち、「給油ノズルオン」であると判定された場合は、給油ノズル2Bが給油機2~2に戻されたため、S8に進む。S8では、給油ポンプを停止し、続くS9では、給油が終了した旨の信号である給油終了信号を管理装置5に送信(出力)する。即ち、給油が終了した給油機2~2は、給油終了信号を管理装置5に送信する。S9で給油終了信号を管理装置5に送信したら、処理を終了(エンド)する。即ち、終了を介してスタートに戻り、S1以降の処理を繰り返す。
【0057】
次に、図5に示す管理装置5で行われる処理について説明する。図5に示す制御処理は、例えば、管理装置5が起動すると開始される。図5の処理が開始されると、S11では、給油機2~2から給油設定完了信号を受信したか否かを判定する。S11で「YES」、即ち、給油機2~2から給油設定完了信号を受信したと判定された場合は、S12に進む。S12では、管理装置5の記憶装置5A(記憶手段)の情報を更新する。
【0058】
即ち、図10に示すように、管理装置5の記憶装置5A(記憶手段)には、それぞれの給油機2~2に対応して、給油機2~2の「状態」、ノズルアイコン12の表示の有無、確認アイコン14の表示の有無、更新の有無が更新可能に記憶されている。これらの情報は、管理装置5のメインモニタ5B(および携帯端末機7のモニタ8)に表示する情報(表示画面情報)に対応する。また、図10に示すように、管理装置5の記憶装置5Aには、それぞれの携帯端末機7、即ち、「A」「B」「C」のそれぞれの携帯端末機7に対応して、モニタ7に表示されている画面の種別である「画面表示」、および、携帯端末機7を所持する「係員(換言すれば、携帯端末機7にログインした係員)」が更新可能に記憶されている。これらの情報は、携帯端末機7に関する情報に対応する。図10では、「A」の携帯端末機7を所持する係員を「甲」とし、「B」の携帯端末機7を所持する係員を「乙」とし、「C」の携帯端末機7を所持する係員を「丙」としている。
【0059】
このように、実施形態では、管理装置5は、係員がどの携帯端末機7を操作(所持)しているかを把握できるように記憶装置5Aに係員と携帯端末機7との対応関係が記憶される。即ち、携帯端末機7にて係員自身が操作(具体的には、係員の氏名等に紐付けられた番号を選択操作する)することにより、携帯端末機7を誰が操作しているのかを管理装置5で把握できるようにしている。例えば、それぞれの係員は、携帯端末機7にログインするためのID(番号、アルファベット等の識別記号)が振り分けられており、このIDで係員が携帯端末機7にログインすることで、係員と携帯端末機7とを紐付けすることができる。この他にも、例えば、携帯端末機7毎にその所持者(氏名)を予め記憶(登録)しておき、どの携帯端末機7を現在どの係員が所持しているかを把握できるようにしてもよい。
【0060】
これにより、実施形態では、携帯端末機7のログイン状況および給油許可状況が管理装置5にて管理することができる。この場合には、管理装置5は、どの係員がどの携帯端末機7を利用して給油の許可をしたかを記憶することもできる。即ち、実施形態では、携帯端末機7と係員とは、それぞれIDによって紐付けされる。この場合、例えば、係員が携帯端末機7の操作を開始する前に行うログイン機能により、当該携帯端末機7とログインされたIDの係員(係員の氏名)とを紐付けできる。このように、実施形態では、携帯端末機7のログイン状況および給油許可状況は、管理装置5に記憶され、誰がどの携帯端末機7を利用して給油許可したのかを記憶できるように構成している。
【0061】
図5のS12では、管理装置5の記憶装置5Aの情報を「給油待ち」、具体的には、管理装置5に給油設定完了信号を送信(出力)した給油機2~2の「状態」を「給油待ち」に更新する。例えば、7番の給油機2からの給油設定完了信号を受信した場合は、図10に示すように、「07」の給油機2の「状態」を「給油待ち」に更新する。また、これにより「状態」の情報が更新されたので、「07」の給油機2の「更新」を「有」にする。S12で管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新したら、リターンする。即ち、リターンを介してスタートに戻り、S11以降の処理を繰り返す。
【0062】
これに対して、S11で「NO」、即ち、給油機2~2から給油設定完了信号を受信していないと判定された場合は、S13に進む。S13では、給油機2~2から給油許可要求信号を受信したか否かを判定する。S13で「YES」、即ち、給油機2~2から給油許可要求信号を受信したと判定された場合は、S14に進む。S14では、管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新する。即ち、S14では、管理装置5に給油許可要求信号を送信(出力)した給油機2~2の「状態」を「許可待ち」に更新し、かつ、「ノズルアイコン表示」を「ノズルアイコン有」に更新する。例えば、3番の給油機2からの給油許可要求信号を受信した場合は、図10に示すように、「03」の給油機2の「状態」を「許可待ち」に更新し、かつ、「ノズルアイコン表示」を「有」に更新する。これにより「状態」および「ノズルアイコン表示」の情報が更新されたので、「03」の給油機2の「更新」を「有」にする。S14で管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新したら、リターンする。
【0063】
一方、S13で「NO」、即ち、給油機2~2から給油許可要求信号を受信していないと判定された場合は、S15に進む。S15では、携帯端末機7から選択信号を受信したか否かを判定する。S15で「YES」、即ち、携帯端末機7から選択信号を受信したと判定された場合は、S16に進む。S16では、管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新する。即ち、S16では、携帯端末機7で選択された給油機2~2の「確認アイコン表示」を「確認アイコン有」に更新する。例えば、携帯端末機7から1番の給油機2の選択信号を受信した場合は、図10に示すように、「01」の給油機2の「確認アイコン表示」を「有」に更新する。これにより「確認アイコン表示」の情報が更新されたので、「01」の給油機2の「更新」を「有」にする。また、例えば、係員である「甲」の所持する「A」の携帯端末機7から選択信号を受信した場合は、図10に示すように、「A」の携帯端末機7の「画面表示」を「詳細」に更新する。S16で管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新したら、リターンする。
【0064】
一方、S15で「NO」、即ち、携帯端末機7から選択信号を受信していないと判定された場合は、S17に進む。S17では、携帯端末機7から給油を許可するための許可信号を受信したか、または、管理装置5のメインモニタ5Bで「許可」のボタン8Hが押下されたか、を判定する。S17で「YES」、即ち、携帯端末機7から許可信号を受信した、または、管理装置5のメインモニタ5Bの「許可」のボタン8Hが押下されたと判定された場合は、S18に進む。S18では、給油を許可された給油機2~2に給油許可信号を送信する。S18に続くS19では、管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新する。
【0065】
即ち、S19では、給油を許可された給油機2~2の「状態」を「給油中」に更新し、かつ、「ノズルアイコン表示」を「ノズルアイコン無」に更新する。この場合、図示は省略するが、ノズルアイコン12に代えて給油中アイコン13を表示するため、「給油中アイコン表示」を「給油中アイコン有」に更新する。また、許可信号を送信した携帯端末機7の「画面表示」を「一覧画面」に更新する。例えば、6番の給油機2による給油が許可された場合は、図10に示すように、「06」の給油機2の「状態」を「給油中」に、「ノズルアイコン表示」を「無」に更新する。また、図示は省略するが、「給油中アイコン表示」を「有」に更新する。これにより「状態」、「ノズルアイコン表示」、「給油中アイコン表示」の情報が更新されたので、「06」の給油機2の「更新」を「有」にする。また、例えば、係員である「乙」の所持する「B」の携帯端末機7から給油の許可信号を受信した場合は、図10に示すように、「B」の携帯端末機7の「画面表示」を「一覧」に更新する。S19で管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新したら、リターンする。
【0066】
一方、S17で「NO」、即ち、携帯端末機7から給油の許可信号を受信していない、かつ、管理装置5のメインモニタ5Bの「許可」のボタン8Hが押下されていないと判定された場合は、S20に進む。S20では、給油機2~2から給油終了信号を受信したか否かを判定する。S20で「YES」、即ち、給油機2~2から給油終了信号を受信したと判定された場合は、S21に進む。S21では、管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新する。即ち、S21では、管理装置5に給油終了信号を送信(出力)した給油機2~2の「状態」を「待機中」、「ノズルアイコン表示」を「ノズルアイコン無」、「確認アイコン表示」を「確認アイコン無」に更新する。また、図示は省略するが、「給油中アイコン表示」を「給油中アイコン無」に更新する。
【0067】
例えば、2番の給油機2からの給油終了信号を受信した場合は、図10に示すように、「02」の給油機2の「状態」を「待機」に、「ノズルアイコン表示」を「無」に、「確認アイコン表示」を「無」に更新する。また、図示は省略するが、「給油中アイコン表示」を「無」に更新する。これにより「状態」、「ノズルアイコン表示」、「給油中アイコン表示」、「確認アイコン表示」の情報が更新されたので、「02」の給油機2の「更新」を「有」にする。S21で管理装置5の記憶装置5Aの情報を更新したら、リターンする。S20で「NO」、即ち、給油機2~2から給油終了信号を受信していないと判定された場合も、リターンする。
【0068】
次に、図6に示す携帯端末機7で行われる処理について説明する。図6に示す制御処理は、例えば、携帯端末機7が起動すると開始される。図6の処理が開始されると、S31では、携帯端末機7のモニタ8に一覧画面を表示する。続くS32では、管理装置5に表示画面情報要求信号を送信する。即ち、携帯端末機7は、携帯端末機7のモニタ8に表示される情報を最新の情報とするために、モニタ8に表示すべき最新の情報を要求するための信号となる表示画面情報要求信号を管理装置5に送信する。管理装置5は、携帯端末機7から表示画面情報要求信号を受信すると、管理装置5の記憶装置5Aに記憶された表示画面に表示すべき最新の情報の信号となる表示画面情報信号を携帯端末機7に送信する。このために、管理装置5は、図7に示す処理を行う。
【0069】
図7は、管理装置5による画面表示処理を示している。この図7の画面表示処理は、管理装置5の表示制御手段10の処理に対応する。図7に示す制御処理(画面表示処理)も、図5の処理と同様に、管理装置5が起動すると開始される。図7の処理が開始されると、S41では、携帯端末機7から表示画面情報要求信号を受信したか否かを判定する。S41で「YES」、即ち、携帯端末機7から表示画面情報要求信号を受信したと判定された場合は、S42に進む。S42では、表示画面情報信号を携帯端末機7に送信する。即ち、管理装置5は、管理装置5の記憶装置5Aに記憶された表示画面情報(表示画面に表示すべき最新の情報)に対応する信号となる表示画面情報信号を携帯端末機7に送信する。
【0070】
この場合、表示画面情報信号は、例えば図10に示すような管理装置5の記憶装置5Aに記憶された最新の記憶情報、即ち、表示画面に関する最新の情報に対応する信号となる。S42で表示画面情報信号を携帯端末機7に送信したら、リターンに進む。即ち、リターンを介してスタートに戻り、S41以降の処理を繰り返す。これに対して、S41で「NO」、即ち、携帯端末機7から表示画面情報要求信号を受信していないと判定された場合は、S42を介することなく、リターンに進む。
【0071】
携帯端末機7は、管理装置5から表示画面情報信号を受信すると、この受信した表示画面情報信号に基づいてモニタ8の表示を最新の情報に更新する。このために、携帯端末機7は、図8に示す処理を行う。図8は、携帯端末機7による画面表示処理を示している。図8に示す制御処理(画面表示処理)も、図6の処理と同様に、携帯端末機7が起動すると開始される。図8の処理が開始されると、S51では、管理装置5から表示画面情報信号を受信したか否かを判定する。S51で「YES」、即ち、管理装置5から表示画面情報信号を受信したと判定された場合は、S52に進む。S52では、管理装置5から表示画面情報信号に基づいてモニタ8の表示を最新の情報に更新する。即ち、携帯端末機7は、携帯端末機7の記憶装置7A(記憶手段)に記憶されている記憶情報を更新する。
【0072】
ここで、図9に示すように、携帯端末機7の記憶装置7A(記憶手段)には、それぞれの給油機2~2に対応して、給油機2~2の「状態」、ノズルアイコン12の表示の有無、確認アイコン14の表示の有無、更新の有無が更新可能に記憶されている。この情報は、モニタ8の表示画面に表示する情報に対応する。そして、この情報は、管理装置5から表示画面情報信号に基づいて更新される。携帯端末機7は、管理装置5から表示画面情報信号に基づいて携帯端末機7の記憶装置7Aに記憶される記憶情報、即ち、モニタ8の表示画面に表示すべき情報が更新されることにより、モニタ8の表示画面に最新の情報が表示される。S52でモニタ8の表示画面を最新の情報に更新したら、リターンに進む。即ち、リターンを介してスタートに戻り、S51以降の処理を繰り返す。これに対して、S51で「NO」、即ち、管理装置5から表示画面情報信号を受信していないと判定された場合は、S52を介することなく、リターンに進む。
【0073】
このように、携帯端末機7は、図6のS32で管理装置5に表示画面情報要求信号を送信することにより、モニタ8の表示画面が最新の情報に更新される。図6のS32に続くS33では、モニタ8に表示されている給油機2~2の選択ボタン8A~8Aが押下されたか否かを判定する。S33で「NO」、即ち、選択ボタン8A~8Aが押下されていないと判定された場合は、S40に進む。S33で「YES」、即ち、選択ボタン8A~8Aが押下されたと判定された場合は、S34に進む。S34では、選択信号を管理装置5に送信する。即ち、携帯端末機7は、押下された選択ボタン8A~8Aに対応する信号を管理装置5に送信する。S34に続くS35では、モニタ8の表示画面を詳細画面に切換える。即ち、S35では、携帯端末機7のモニタ8に詳細画面を表示する。
【0074】
続くS36では、モニタ8の詳細画面に表示されている「許可」のボタン8H(図3)が操作(押下)されたか否かを判定する。S36で「YES」、即ち、「許可」のボタン8Hが操作(押下)されたと判定された場合は、S37に進む。S37では、選択された給油機2~2による給油を許可するための許可信号を携帯端末機7から管理装置5に送信する。S37で携帯端末機7から管理装置5に許可信号を送信したら、S39に進む。
【0075】
一方、S36で「NO」、即ち、「許可」のボタン8Hが操作(押下)されていないと判定された場合は、S38に進む。S38では、モニタ8の詳細画面に表示されている「戻る」のボタン8J(図3)が操作(押下)されたか否かを判定する。S38で「NO」、即ち、「戻る」のボタン8Jが操作(押下)されていないと判定された場合は、S36の前に戻り、S36以降の処理を繰り返す。これに対して、S38で「YES」、即ち、「戻る」のボタン8Jが操作(押下)されたと判定された場合は、S39に進む。S39では、モニタ8の表示画面を一覧画面に切換える。即ち、S39では、携帯端末機7のモニタ8に一覧画面を表示する。
【0076】
S39でモニタ8に一覧画面を表示したら、S40に進む。また、S33で「NO」と判定された場合も、S40に進む。S40では、画面表示を終了するか否かを判定する。例えば、S40では、係員の操作が所定時間行われていない、または、係員により携帯端末機7をOFFにする操作がされた場合には、画面表示を終了すると判定する。S40で「YES」、即ち、画面表示を終了すると判定された場合は、処理を終了(エンド)する。即ち、終了を介してスタートに戻り、S31以降の処理を繰り返す。これに対して、画面表示を終了しないと判定された場合は、S32の前に戻り、S32以降の処理を繰り返す。
【0077】
このように、実施形態の給油管理システムは、一の携帯端末機7(または管理装置5)を用いて給油作業について特定の給油機2~2への確認操作(選択ボタン8A~8Aの押下)がなされたことが、他の携帯端末機7(または管理装置5)の表示画面に表示される。このため、いずれかの係員が携帯端末機7(または管理装置5)を用いて特定の給油機2~2への確認操作がなされたことを、別の係員が他の携帯端末機7(または管理装置5)で認識でき、係員の業務状況の把握が可能となる。これにより、係員の不要な作業(重複作業)を抑制できる。
【0078】
実施形態では、携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面に表示されたボタン、即ち、確認ボタンに対応する選択ボタン8A~8Aが操作(押下)されることにより、特定の給油機2~2への確認操作がなされたとする。この上で、当該確認操作された携帯端末機7(または管理装置5)以外の携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面には、当該携帯端末機7(または管理装置5)によって確認操作されたことが表示される。例えば、「甲」が所持する「A」の携帯端末機7で選択ボタン8Aが操作されると、図2の一覧画面に示すように、「乙」が所持する「B」の携帯端末機7および「丙」が所持する「C」の携帯端末機7の一覧画面の選択ボタン8Aに、確認アイコン14である「A」が表示される。このため、係員(例えば、乙と丙)は、携帯端末機7の一覧画面の表示に基づいて、確認操作されたことを認識できる。この結果、係員が確認操作を重複して行ってしまうことを抑制できる。
【0079】
実施形態では、携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面にノズルアイコン12を表示することにより、給油ノズル2Bが外されたことを報知する。このため、係員は、携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面から給油ノズル2Bが外されたことを認識できる。これにより、係員は、確認操作が必要な給油機2~2を一覧画面から知ることができる。
【0080】
実施形態によれば、携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面に給油所1内の異常の有無も表示される。このため、係員は、携帯端末機7(または管理装置5)の一覧画面の表示に基づいて給油所1内の異常の有無を認識できる。これにより、係員は、給油所1内に異常が発生したときに、必要な処置を迅速に行うことができる。
【0081】
なお、実施形態では、確認アイコン14として、確認操作(例えば、選択ボタン8Aの押下)を行った携帯端末機7の記号(例えば、「A」)を表示する場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、確認アイコンとして、確認操作を行った携帯端末機を所持する係員の氏名を表示してよい。即ち、確認アイコンは、自身以外の係員が確認操作を行っていることを知らせることができればよく、各種の記号、文字、数字、マークを用いることができる。
【0082】
実施形態では、表示画面(一覧画面)に確認アイコンを表示することにより、自身以外の係員が確認操作を行っていることを知らせる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、自身以外の係員が確認操作を行っていることを音声、ブザー音、バイブレーション等の鳴動の有無を用いて報知してもよい。
【0083】
実施形態では、確認アイコン14が表示されている選択ボタン8A~8Aを押下した場合、即ち、確認操作が行われている特定の給油機2~2に対応する選択ボタン8A~8Aを押下した場合、当該選択ボタン8A~8Aを押下した係員の携帯端末機7も詳細画面に切換えることができる。このとき、例えば、確認アイコン14として、確認操作を行っている係員(携帯端末機7)の人数となる数字(例えば「2」)を表示する構成としてもよい。また、これとは逆に、確認アイコン14が表示されている選択ボタン8A~8Aが押下された場合は、当該選択ボタン8A~8Aに対応する給油機2~2の詳細画面に切換えることができないようにしてもよい。
【0084】
即ち、いずれかの携帯端末機7で確認操作が必要な給油機2~2を確認している場合(換言すれば、確認操作が必要な給油機2~2に対応する選択ボタン8A~8Aを押下した場合)、他の携帯端末機7は、当該選択ボタン8A~8Aを操作(押下、指定)できないように、ロック状態にしてもよい。例えば、図11に示す変形例のように、一の携帯端末機7が詳細画面を表示している(確認を行っている)ときは、他の携帯端末機7から当該確認の行っている給油機2~2の詳細画面を表示できなくしてもよい。
【0085】
図11は、変形例による携帯端末機7の制御処理を示す流れ図(フローチャート)である。図11中のS31-S40の処理は、実施形態の図6に示すS31-S40の処理と同様の処理である。変形例では、S33で「YES」、即ち、選択ボタン8A~8Aが押下されたと判定された場合は、S61に進む。S61では、携帯端末機7の記憶装置7A(記憶手段)の記憶情報(表示情報)を参照し、押下された選択ボタン8A~8Aに対応する給油機2~2の「確認アイコンの表示の有無」が「有」か否かを判定する。即ち、S61では、確認アイコン14が表示されている選択ボタン8A~8Aが押下されたか否かを判定する。S61で「NO」と判定された場合は、確認アイコン14が表示されていない選択ボタン8A~8Aが押下された場合に対応する。この場合は、S34に進む。これに対して、S61で「YES」と判定された場合は、確認アイコン14が表示されている選択ボタン8A~8Aが押下された場合に対応する。この場合は、S40に進む。これにより、一の携帯端末機7で詳細画面を表示している(確認を行っている)ときに、他の携帯端末機7から詳細画面を表示できなくできる。また、S38にて、係員により「戻る」のボタン8Jが操作されると、携帯端末機(管理機)は、記憶手段の記憶情報のうち、確認表示の有無を「有」から「無」へ、更新の有無を「有」から「無」へ情報更新させる。これにより、例えば、係員が詳細画面によって問題の有無等を確認し、何も問題が無く、「戻る」のボタン8Jを操作した場合には、他の携帯端末に表示されていた確認アイコン14は非表示となり、他の係員は当該係員の当該給油機への確認状態が解消されたことを把握できる。また、「戻る」のボタン8Jが操作された後に他の係員が当該給油機を確認することができる。
【0086】
実施形態では、撮影手段である監視カメラ3~3の情報(映像、画像)を用いて給油所1内の異常の有無を判定する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、監視カメラ3~3の情報(映像、画像)だけでなく、給油所内の状況として音、温度、光、蒸気濃度等を検出する各種のセンサ(検出器)により検出された情報(給油所内の音声、温度、光、燃料の蒸気濃度等)を用いて給油所1内の異常の有無を判定する構成としてもよい。即ち、給油管理システムは、撮影手段を含む給油所内の状況を検出する検出手段(状況検出手段)と、検出手段により検出された状況より給油所内の異常の有無を判定する異常判定手段とを備える構成とすることができる。検出手段は、各種カメラおよび各種センサのうちの少なくともカメラ(撮影手段)を含んで構成することができる。さらに、検出手段は、カメラ(撮影手段)を含まない構成としてもよい。即ち、検出手段は、カメラ(撮影手段)を含まずに各種センサにより構成してもよい。
【0087】
実施形態では、計量機としての給油機2~2として、地上設置型の給油装置(燃料供給装置)を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、計量機としてノズル(給油ノズル)を昇降させる懸垂式の給油装置を用いてもよい。
【0088】
実施形態では、給油機2~2が燃料を供給する燃料被供給体(燃料供給対象)として、車両の燃料タンクを例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、燃料供給装置となる計量機は、例えば、ガソリン携行缶、ポリタンク等、車両の燃料タンク以外の燃料被供給体に燃料を供給してもよい。
【0089】
実施形態では、ガソリンスタンド(サービスステーション)に設置される給油機2~2を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、燃料供給装置となる計量機は、例えば、工場、商店、ホームセンター等、ガソリンスタンド(サービスステーション)以外の給油所に設置してもよい。
【0090】
実施形態では、給油許可の制御処理等を行う管理装置5と、販売時点情報管理を行うPOS端末(図示せず)とは、別々で設けられたが、これに限らずPOS機能(販売時点情報管理機能)および管理機能(給油許可の制御処理等)の両方を備えた装置で、かつ当該装置と携帯端末との間に設けられた仲介機により、当該装置と携帯端末とは無線により通信接続され、双方に信号の送受信を行えるようにしてもよい。さらに、当該仲介機は、計量機とも無線により通信接続され、当該装置からの信号を計量機へ、計量機からの信号を当該装置へ送信し、双方に信号の送受信を行えるようにしてもよい。
【0091】
実施形態では、一覧画面において、各給油機2~2の状態(例えば、待機、給油待ち、許可待ち、給油中、給油停止等)が、給油機2~2毎に区画された選択ボタン8A~8A内に表示され、この表示を係員が確認することにより、選択ボタン8A~8Aを押下する構成であったが、これに限らず、一覧画面において各給油機2~2の状態(例えば、待機、給油待ち、許可待ち、給油中、給油停止等)が、給油機2~2毎に区画された選択ボタン8A~8A内に表示されていなくても、選択ボタン8A~8Aが操作されたことにより、管理装置5は、係員が当該給油機を確認したと判定してもよい。これにより、例えば、モニタの異常により給油機が待機、給油待ち、許可待ち、給油中、給油停止等が表示されなくても係員が当該給油機を確認したことを他の係員が把握することができる。
【0092】
実施形態では、管理装置5は一覧画面にて確認ボタンに対応する選択ボタン8A~8Aが操作されることにより特定の計量機への係員による確認操作がなされたものと判定したが、これに限らず、選択ボタン8A~8Aが操作され、且つ確認ボタン8Dが操作されたことにより、特定の計量機への確認操作がなされたものと判定してもよい。また、ノズルセンサ(ノズルスイッチ)にてOFFとなった計量機が有る場合に、確認ボタン8Dが操作されたことにより、当該計量機に対し係員の確認操作がなされたものと判定してもよいのはもちろんである。
【0093】
以上説明した実施形態によれば、一の管理機を用いて給油作業について特定の計量機への確認操作がなされたことが、他の管理機の表示画面に表示される。このため、いずれかの係員が管理機を用いて特定の計量機(レーン)への確認操作がなされたことを、別の係員が他の管理機で認識でき、係員の業務状況の把握が可能となる。これにより、係員の不要な作業(重複作業)を抑制できる。
【0094】
実施形態によれば、管理機の一覧画面に表示された確認ボタンが操作されることにより、特定の計量機への確認操作がなされたとして、当該確認操作された管理機以外の管理機の一覧画面に当該管理機によって確認操作されたことが表示される。このため、係員は、管理機の一覧画面の表示に基づいて確認操作されたことを認識できる。この結果、係員が確認操作を重複して行ってしまうことを抑制できる。
【0095】
実施形態によれば、管理機の一覧画面にノズルが外されたことを報知する。このため、係員は、管理機の一覧画面からノズルが外されたことを認識できる。これにより、係員は、確認操作が必要な計量機を一覧画面から知ることができる。
【0096】
実施形態によれば、管理機の一覧画面に給油所内の異常の有無も表示される。このため、係員は、管理機の一覧画面の表示に基づいて給油所内の異常の有無を認識できる。これにより、係員は、給油所内に異常が発生したときに、必要な処置を迅速に行うことができる。
【符号の説明】
【0097】
1 給油所
~2 給油機(計量機)
~3 監視カメラ(カメラ)
5 管理装置(管理機)
7 携帯端末機(管理機)
8A~8A 選択ボタン(確認ボタン)
9 異常判定手段(判定手段)
101 車両(給油対象)
図1
図2
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図11