(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】立体駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20230927BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
E04H9/14 A
(21)【出願番号】P 2022081437
(22)【出願日】2022-05-18
【審査請求日】2023-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂田 優
(72)【発明者】
【氏名】小南 泰嗣
(72)【発明者】
【氏名】小池 聡
(72)【発明者】
【氏名】吉満 勇矢
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-303034(JP,A)
【文献】特開2017-119985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降可能に配置される複数のパレットと、
前記複数のパレットの周囲を囲む囲い部とを備え、
各々の前記パレットに車両を搭載して駐車させる立体駐車装置であって、
前記囲い部は、
前記複数のパレットの周囲より離間した位置に配置され、
前記パレットに対して車両の出入庫を行う出入口を開閉するゲートと、
前記出入口を除いた領域を囲むフェンスと、
前記ゲート及び/または前記フェンスの少なくとも一部を開口する開口孔部と、
前記開口孔部を開閉可能に閉塞するパネル部材とを有し、
前記パネル部材は、複数の貫通孔を有する、
ことを特徴とする立体駐車装置。
【請求項2】
前記囲い部における少なくとも1枚の前記パネル部材において、
当該パネル部材の平面全体に対する、前記複数の貫通孔の総面積の割合を示す第1開口率は、40%以上である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項3】
前記囲い部において、
前記開口孔部は、
前記立体駐車装置の設置面から上方に1100mm以上離間した位置に配置される、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の立体駐車装置。
【請求項4】
前記囲い部によって囲まれた空間部において、
前記ゲートが位置する正面側、当該正面側と対向する背面側、前記正面側及び前記背面側の対向方向との平面視直交方向に対向する両側面側、並びに前記立体駐車装置の設置面側と対向する上面側の少なくとも何れかに、前記空間部の内部と外部とを連通する開口部が設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項5】
前記開口部は、前記空間部における両側面側及び背面側に位置するフェンスに設けられ、
前記設置面における前記囲い部によって囲まれた領域全体の面積に対する、前記開口部と、前記パネル部材における複数の貫通孔との総面積の割合を示す第2開口率は、10%以上である、
ことを特徴とする、請求項4に記載の立体駐車装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記空間部における上面側に設けられ、
前記設置面における前記囲い部によって囲まれた領域全体の面積に対する、前記開口部の総面積の割合を示す第3開口率は、10%以上である、
ことを特徴とする、請求項4に記載の立体駐車装置。
【請求項7】
前記開口部は、
前記空間部における両側面側、背面側、及び上面側に設けられ、
前記設置面における前記囲い部によって囲まれた領域全体の面積に対する、前記開口部と、前記パネル部材における複数の貫通孔との総面積の割合を示す第4開口率は、10%以上である、
ことを特徴とする、請求項4に記載の立体駐車装置。
【請求項8】
前記複数のパレットと、前記囲い部との離間寸法は、
JIS B 9718(2013)の表1に基づき、
危険区域の高さ(a)を前記フェンスの高さとし、且つ保護構造物の高さ(b)を前記ゲートの高さとしたときの、危険区域までの水平安全距離(c)以上の値に設定される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項9】
前記複数のパレットと、前記囲い部との離間寸法は、
JIS B 9718(2013)の表5に基づき、
対象とする人体部位を指(指先から指の付け根まで)とし、且つ開口部(e)を前記パネル部材における各々の前記貫通孔の孔径としたときの、安全距離(Sr)以上の値に設定される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項10】
前記囲い部において、
前記ゲートと、前記パレットに搭載される車両との間隙寸法は、600mm以上に設定され、
前記フェンスにおける前記ゲート側の端部には、
当該囲い部の内部への人の立入りを可能とする立入り口を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項11】
前記立入り口は、扉部材によって閉鎖される、
ことを特徴とする、請求項10に記載の立体駐車装置。
【請求項12】
前記扉部材
は、
ケイ酸カルシウムからなるケイカル板、石膏ボード、または樹脂製部材からなるアクリル板の何れかの材料からなる、
ことを特徴とする、請求項
11に記載の立体駐車装置。
【請求項13】
前記扉部材は、
ケイ酸カルシウムからなるケイカル板、石膏ボード、及び樹脂製部材からなるアクリル板に比べて高強度の材料からなり、
平常時において解錠不能に保持されており、緊急時においてのみ手動による操作によって解錠可能な非常錠によって施錠される、
ことを特徴とする、請求項
11に記載の立体駐車装置。
【請求項14】
前記囲い部において、
前記フェンスの高さは、1000mm以上に設定される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の立体駐車装置。
【請求項15】
昇降可能に配置される複数のパレットと、
前記複数のパレットの周囲を囲む囲い部とを備え、
各々の前記パレットに車両を搭載して駐車させる立体駐車装置であって、
前記囲い部は、
前記複数のパレットの周囲より離間した位置に配置され、
前記パレットに対して車両の出入庫を行う出入口を開閉するゲートと、
前記出入口を除いた領域を囲むフェンスと、
前記ゲート及び/または前記フェンスの少なくとも一部を開口する開口孔部と、
前記開口孔部を開閉可能に閉塞するメッシュ部材とを有し、
前記メッシュ部材は、
複数の矩形状の網目を有し、
各々の前記網目の長手方向の寸法は、40mm以下に設定され、
前記複数のパレットと、前記フェンスとの離間寸法は、120mmに設定される、
ことを特徴とする立体駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、限られたスペースを有効利用し、より多くの車両を駐車させる装置として、機械式の立体駐車装置が知られている(例えば、「特許文献1」を参照)。
立体駐車装置は、複数の車両を立体的に駐車させる装置であって、主に、フレーム構造体の内部において昇降可能に配置される複数のパレットと、当該パレットに対して車両の出入庫を行う出入口を開閉するゲートとを備えている。
また、上記出入口は、フレーム構造体の一部であって、立体駐車装置の所定の階層(例えば、地上1階の階層)に設けられており、上記ゲートは、主に昇降装置によって昇降させることにより、出入口を開閉する構成となっている。
【0003】
そして、このような構成からなる立体駐車装置に車両を駐車させる場合には、先ず始めに、ゲートを開いて出入口より車両を入庫させて、当該車両をパレットに搭載し、次に、ゲートを閉じて車両を搭載したパレットを所定の階層へと昇降させる。
以上の手順を繰り返すことにより、複数の車両は、各パレットに搭載された状態にて所定の階層に配置され、立体的に駐車される。
【0004】
なお、このような機械式の立体駐車装置としては、各パレットが昇降するだけでなく、横行する機能も兼ね備えた、パズル式の立体駐車装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、立体駐車装置は一般的に、防犯等の理由から、ゲートが閉じられた状態において、装置内への不審者の侵入が不可能な程度にまで、立体駐車装置の側面における出入口を除いた領域が、フェンスによって囲まれている場合が多い。
また、上記フェンスに存在する複数の隙間(開口部)は、安全性の確保等の理由から、装置内への人の手指の挿入が不可能な程度のサイズに設定されている場合が多い。
このような立体駐車装置においては、ゲートが閉じられた状態において、ゲート及びフェンスによって囲まれた装置内の様子を、当該装置の外部より視認することが困難であり、例えば装置内において火災等が発生した場合、当該火災を即座に察知して的確に消火活動を行えるか疑問が残る。
また、上記火災によって発生した煙を、装置外へと排煙することも困難である。
【0007】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、昇降可能に配置される複数のパレットと、当該複数のパレットの周囲を囲むゲート及びフェンスを備え、各々のパレットに車両を搭載して駐車させる立体駐車装置であって、ゲートが閉じられた状態であっても、ゲート及びフェンスによって囲まれた装置内の様子を、当該装置の外部より視認することが可能であり、また、例えば装置内において火災等が発生した際には、当該火災によって発生した煙を、装置外へと排煙することができる立体駐車装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、本発明に係る立体駐車装置は、昇降可能に配置される複数のパレットと、前記複数のパレットの周囲を囲む囲い部とを備え、各々の前記パレットに車両を搭載して駐車させる立体駐車装置であって、前記囲い部は、前記複数のパレットの周囲より離間した位置に配置され、前記パレットに対して車両の出入庫を行う出入口を開閉するゲートと、前記出入口を除いた領域を囲むフェンスと、前記ゲート及び/または前記フェンスの少なくとも一部を開口する開口孔部と、前記開口孔部を開閉可能に閉塞するパネル部材とを有し、前記パネル部材は、複数の貫通孔を有することを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、ゲートが閉じられた状態において、装置内に不審者が侵入するのを囲い部によって防止する一方、当該囲い部によって塞がれた装置内の様子を、パネル部材に設けられた複数の貫通孔を介して、装置の外側より容易に視認することができる。
従って、装置内において異変が起こった場合には、直ちに察知することが可能であり、例えば装置内において火災等が発生した場合には、上記複数の貫通孔を介して装置内の状況を確認し、直ちに消火活動を開始することができる。
また、本発明に係る立体駐車装置においては、複数のパレットの周囲より離間した位置に囲い部が配置されていることから、これら囲い部と、複数のパレットとの間に形成される隙間(後述する開口部)を介して、装置内の火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へと効果的に排煙することができる。
【0010】
また、本発明に係る立体駐車装置においては、前記囲い部における少なくとも1枚の前記パネル部材において、当該パネル部材の平面全体に対する、前記複数の貫通孔の総面積の割合を示す第1開口率が、40%以上であることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、パネル部材に設けられる複数の貫通孔を介して、装置の外側から当該装置内の様子を確認する際の視認性を、より向上させることができる。
【0011】
また、本発明に係る立体駐車装置においては、前記囲い部において、前記開口孔部が、前記立体駐車装置の設置面から上方に1100mm以上離間した位置に配置されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、例えば直立姿勢の人の目線と略同等な位置にパネル部材を配置することができ、当該パネル部材に設けられる複数の貫通孔を介して、装置の外側より当該装置内の様子を、より容易に視認することができる。
【0012】
また、本発明に係る立体駐車装置においては、前記囲い部によって囲まれた空間部において、前記ゲートが位置する正面側、当該正面側と対向する背面側、前記正面側及び前記背面側の対向方向との平面視直交方向に対向する両側面側、並びに前記立体駐車装置の設置面側と対向する上面側の少なくとも何れかに、前記空間部の内部と外部とを連通する開口部が設けられることが好ましい。
ここで、「正面側に設けられる開口部」とは、上述した、ゲートの少なくとも一部を開口する開口孔部と異なり、例えば立体駐車装置を当該装置外部のゲート側から見た正面視において、ゲートの上端と、1段階上昇した位置にあるパレットの下面との隙間によって構成された、空間部を意味する。
また、「背面側及び両側面側に設けられる開口部」とは、上述した、フェンスの少なくとも一部を開口する開口孔部と異なり、例えば、立体駐車装置を当該装置外部のフェンス側から見た側面視において、フェンスの上端と、1段階上昇した位置にあるパレットの下面との隙間によって構成された空間部、或いは当該開口孔部とは別に設けられた、常時解放された孔部を意味する。
さらに、「上面側に設けられる開口部」とは、例えば立体駐車装置を当該装置の上方から見た平面視において、囲い部と、複数のパレットとの隙間によって構成された空間部、及びこれら複数のパレットにおける、互いに隣接するパレット間の隙間によって構成された空間部を意味する。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、上記開口部を介して、当該火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へとより効果的に排煙することができる。
【0013】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記開口部は、前記空間部における両側面側及び背面側に位置するフェンスに設けられ、前記設置面における前記囲い部によって囲まれた領域全体の面積に対する、前記開口部と、前記パネル部材における複数の貫通孔との総面積の割合を示す第2開口率は、10%以上であることが好ましい。
ここで、当該開口部は、上述した「背面側及び両側面側に設けられる開口部」と同等の空間部を意味する。
また、第2開口率は、上記開口部及び上記複数の貫通孔の総面積についての割合を意味することから、これら開口部及び複数の貫通孔の何れか一方のみによって、第2開口率が10%以上となる場合、何れか他方については、設けられていなくてもよい(即ち、何れか他方の開口率は、0%であってもよい)。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、上記開口部及び上記複数の貫通孔を介して、当該火災によって発生した煙を、装置外へとさらに効果的に排煙することができる。
【0014】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記開口部は、前記空間部における上面側に設けられ、前記設置面における前記囲い部によって囲まれた領域全体の面積に対する、前記開口部の総面積の割合を示す第3開口率は、10%以上であることが好ましい。
ここで、当該開口部は、上述した「上面側に設けられる開口部」と同等の空間部を意味する。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、上記開口部を介して、当該火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へとさらに効果的に排煙することができる。
【0015】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記開口部は、前記空間部における両側面側、背面側、及び上面側に設けられ、前記設置面における前記囲い部によって囲まれた領域全体の面積に対する、前記開口部と、前記パネル部材における複数の貫通孔との総面積の割合を示す第4開口率は、10%以上であることが好ましい。
ここで、当該開口部は、上述した「背面側及び両側面側に設けられる開口部」及び「上面側に設けられる開口部」と同等の空間部を意味する。
また、第4開口率は、上述した第2開口率と同様に、上記開口部及び上記複数の貫通孔の総面積についての割合を意味することから、両側面側及び背面側に設けられる開口部、並びに複数の貫通孔の何れか一方と、上面側に設けられる開口部とによって、第4開口率が10%以上となる場合、両側面側及び背面側に設けられる開口部、並びに複数の貫通孔の何れか他方については、設けられていなくてもよい(即ち、何れか他方の開口率は、0%であってもよい)。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、少なくとも、上記開口部を介して、当該火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へと効果的に排煙することができる。
【0016】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記複数のパレットと、前記囲い部との離間寸法は、JIS B 9718(2013)の表1に基づき、危険区域の高さ(a)を前記フェンスの高さとし、且つ保護構造物の高さ(b)を前記ゲートの高さとしたときの、危険区域までの水平安全距離(c)以上の値に設定されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、囲い部によって装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、ゲートにおける、昇降する複数のパレットに対する安全性をより高めることができる。
【0017】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記複数のパレットと、前記囲い部との離間寸法は、JIS B 9718(2013)の表5に基づき、対象とする人体部位を指(指先から指の付け根まで)とし、且つ開口部(e)を前記パネル部材における各々の前記貫通孔の孔径としたときの、安全距離(Sr)以上の値に設定されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、囲い部によって装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、パネル部材における、昇降する複数のパレットに対する安全性をより高めることができる。
【0018】
また、本発明に係る立体駐車装置においては、前記囲い部において、前記ゲートと、前記パレットに搭載される車両との間隙寸法は、600mm以上に設定され、前記フェンスにおける前記ゲート側の端部には、当該囲い部の内部への人の立入りを可能とする立入り口を有することが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、囲い部によって、装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、例えば装置内において火災等が発生した場合には、立入り口を介して装置内に侵入し、直ちに消火活動を開始することができる。
【0019】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記立入り口は、人為的な外力を加えることにより破壊可能な低強度材料からなる扉部材によって閉鎖されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、囲い部によって、装置内に不審者が侵入するのをより確実に防止するとともに、例えば装置内において火災等が発生した緊急時には、扉部材を破壊して容易に立入り口を開き、装置内に侵入して直ちに消火活動を開始することができる。
【0020】
また、本発明に係る立体駐車装置において、前記立入り口は、人為的な外力では破壊不能な高強度材料からなる扉部材によって閉鎖され、前記扉部材は、平常時において解錠不能に保持されており、緊急時においてのみ手動による操作によって解錠可能な非常錠によって施錠されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、囲い部によって、装置内に不審者が侵入するのをより確実に防止するとともに、例えば装置内において火災等が発生した緊急時には、非常錠を解錠して容易に立入り口を開き、装置内に侵入して直ちに消火活動を開始することができる。
【0021】
また、本発明に係る立体駐車装置においては、前記囲い部において、前記フェンスの高さは、1000mm以上に設定されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、装置内に不審者が侵入するのを、フェンスによってより効果的に防止することができる。
【0022】
さらに、本発明に係る立体駐車装置は、昇降可能に配置される複数のパレットと、前記複数のパレットの周囲を囲む囲い部とを備え、各々の前記パレットに車両を搭載して駐車させる立体駐車装置であって、前記囲い部は、前記複数のパレットの周囲より離間した位置に配置され、前記パレットに対して車両の出入庫を行う出入口を開閉するゲートと、前記出入口を除いた領域を囲むフェンスと、前記ゲート及び/または前記フェンスの少なくとも一部を開口する開口孔部と、前記開口孔部を開閉可能に閉塞するメッシュ部材とを有し、前記メッシュ部材は、複数の矩形状の網目を有し、各々の前記網目の長手方向の寸法は、40mm以下に設定され、前記複数のパレットと、前記フェンスとの離間寸法は、120mmに設定されることを特徴とする。
ここで、上記メッシュ部材は、網目状に編まれた複数の鋼線からなるものに限られず、例えば、平板状の部材に無数の長穴を設けてなるものも含まれ、この場合、当該長穴がメッシュ部材の網目に相当する。
このような構成を有することにより、本発明に係る立体駐車装置によれば、ゲートが閉じられた状態において、装置内に不審者が侵入するのを囲い部によって防止する一方、当該囲い部によって塞がれた装置内の様子を、メッシュ部材が有する複数の網目を介して、装置の外側より容易に視認することができる。
従って、装置内において異変が起こった場合には、直ちに察知することが可能であり、例えば装置内において火災等が発生した場合には、上記複数の網目を介して装置内の状況を確認し、直ちに消火活動を開始することができる。
また、本発明に係る立体駐車装置においては、複数のパレットの周囲より離間した位置に囲い部が配置されていることから、これら囲い部と、複数のパレットとの間に形成される隙間(開口部)を介して、装置内の火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へと効果的に排煙することができる。
さらに、本発明に係る立体駐車装置によれば、メッシュ部材における、昇降する複数のパレットに対する安全性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る立体駐車装置によれば、ゲートが閉じられた状態であっても、ゲート及びフェンスによって囲まれた装置内の様子を、当該装置の外部より視認することが可能であり、また、例えば装置内において火災等が発生した際には、当該火災によって発生した煙を、装置外へと排煙することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る立体駐車装置の全体的な構成を示した斜視図である。
【
図2】立体駐車装置の出入口に設けられるゲートの構成を示した正面図である。
【
図3】立体駐車装置の構成を示した図であって、
図2中の矢印X1の方向に見た側面図である。
【
図4】立体駐車装置の構成を示した図であって、
図2中の矢印X2の方向に見た断面平面図である。
【
図5】囲い部によって囲まれた空間部において、上面側に設けられる開口部の開口率を説明するための図であって、(a)は立体駐車装置の設置面における囲い部によって囲まれた領域を示した平面図であり、(b)は上面側に設けられる開口部を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の一実施形態について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、立体駐車装置1の出入口13が設けられる側を前側とし、
図1乃至
図5中に示した矢印の方向によって、立体駐車装置1の前後方向、左右方向、及び上下方向を規定して記述する。
【0026】
[立体駐車装置1の全体構成]
先ず、本発明を具現化した立体駐車装置1の全体構成について、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態における立体駐車装置1は、複数の車両W・W・・・を立体的に駐車させる、機械式の立体駐車装置であって、複数の階層に分かれて設けられる格納空間S・S・・・に対して、各車両Wを夫々配置することにより、これら複数の車両W・W・・・を同時に駐車させる装置である。
立体駐車装置1は、主に、装置本体の骨格をなすフレーム構造体10と、フレーム構造体10の内部において昇降可能に配置される複数のパレット20・20・・・と、これら複数のパレット20・20・・・の周囲を囲む囲い部30とを備えている。
【0028】
フレーム構造体10は、所定間隔にて平行に立設される複数本の支柱11・11・・・と、互いに隣接する支柱11・11間に配置され、且つこれら両部材11・11を連結する複数本の梁材12・12・・・とを有し、例えば本実施形態においては、3階建ての構造体として構成されている。
また、各支柱11は、立体駐車装置1に作用する荷重を支持可能な、十分な剛性を有する部材からなり、例えば本実施形態においては、H型鋼が採用されている。
【0029】
なお、フレーム構造体10によって構成される階層数については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば2階建て、或いは4階建て以上の構造体として構成されていてもよい。
【0030】
また、本実施形態において、フレーム構造体10は地上に配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、フレーム構造体10の全体が地下空間に配置されていてもよく、或いは、1階に相当する第1階層F1が地下空間に位置し、且つ2階以上の階に相当する第2階層F2及び第3階層F3が地上に位置するなど、フレーム構造体10における低階層の領域が、部分的に地下空間内に配置されていてもよい。
【0031】
そして、フレーム構造体10の内部には、各車両Wを格納可能な複数(本実施形態においては、3個所)の格納空間S・S・Sが、各々の階層ごとに設けられている。
また、フレーム構造体10の前側における所定の階層(本実施形態においては、地上1階に位置する第1階層F1)には、各パレット20に対して車両Wの出入庫を行う複数(本実施形態においては、3個所)の出入口13・13・13が、当該フレーム構造体10の一部として設けられている。具体的には、各出入口13は、フレーム構造体10の前側において、互いに隣接して配置される支柱11・11間の空間によって構成されている。
【0032】
パレット20は、各車両Wを搭載して所定の位置まで移動し、当該車両Wを駐車させるものであって、フレーム構造体10の内部における各格納空間Sに夫々配置されるとともに、図示せぬ昇降手段によって昇降可能に構成されている。
【0033】
そして、立体駐車装置1に車両Wを駐車(入庫)させる場合には、上記昇降手段によって、車両Wが未搭載のパレット20を第1階層F1にまで移動させ、所定の出入口13を介してパレット20上に車両Wを進入させて搭載した後、再び当該パレット20を所定の位置まで移動させる。
また、立体駐車装置1に駐車された車両Wを出庫させる場合には、上記昇降手段によって、所望の車両Wが搭載されたパレット20を第1階層F1にまで移動させ、所定の出入口13を介してパレット20上より車両Wを進出させた後、再び当該パレット20を所定の位置まで移動させる。
【0034】
なお、パレット20の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えばパズル式の立体駐車装置に設けられるパレットのように、所定の駆動手段によって、昇降および横行可能に構成されていてもよい。
【0035】
囲い部30は、立体駐車装置1(より具体的には、フレーム構造体10)の内部と外部とを隔てるものであって、主に、ゲート31及びフェンス32等を有し、平面視において、第1階層F1に配置される複数のパレット20・20・20の周囲より、離間した状態で配置されている(
図4を参照)。
なお、囲い部30と、これら複数のパレット20・20・20の周囲との間の離間寸法(
図4における離間寸法L1、L2、L3)については、後述する。
【0036】
ゲート31は、例えばフレーム構造体10に設けられる複数の出入口13・13・13に夫々設けられ、各出入口13を開閉するものである。
ゲート31は、
図2に示すように、ゲート本体31Aと、当該ゲート本体31Aを可動させるゲート可動装置31Bとを有する。
【0037】
ゲート本体31Aは、例えば、矩形枠体形状に形成されたゲートフレーム31A1、並びに、当該ゲートフレーム31A1の内周側を閉塞するように配置される複数の第1パネル31A2・31A2、第2パネル31A3・31A3、及び第3パネル31A4・31A4などを備える。
【0038】
ここで、上記第1パネル31A2は、本発明に係るパネル部材の一例であって、ゲート31(より具体的には、ゲート本体31A)の一部を開口するために予め設けられている開口孔部33(
図1を参照)を、開閉可能に閉塞する部材である。
また、第1パネル31A2は、複数の微細な貫通孔34・34・・・を有した平板鋼板によって、構成されている。
【0039】
そして、ゲート本体31Aは、各出入口13において、車両Wの出入庫方向(本実施形態においては、前後方向)と直交し、且つ当該車両Wの車幅方向(本実施形態においては、左右方向)と平行に配置され、ゲート可動装置31Bによって上下方向に移動(昇降)することにより、各出入口13を開閉可能に構成されている。
【0040】
なお、ゲート可動装置31Bによるゲート本体31Aの移動方向については、本実施形態のような上下方向に限定されるものではなく、上記車幅方向(左右方向)であってもよい。
ゲート本体31Aの詳細な構成については、後述する。
【0041】
ゲート本体31Aにおいて、ゲートフレーム31A1の外周側には、ガイド機構部31A5が設けられている。
ガイド機構部31A5は、ゲート可動装置31Bによってゲート本体31Aを昇降させる際、当該ゲート本体31Aの昇降姿勢を規制するものである。
【0042】
ガイド機構部31A5は、例えば、ゲートフレーム31A1の上部において、左右方向に突出して配置される一対の上側規制ローラ31A5a・31A5a、及び当該ゲートフレーム31A1の下部において、左右方向に突出して配置される一対の下側規制ローラ31A5b・31A5bなどを有する。
【0043】
上側規制ローラ31A5aは、軸心方向を左右方向として、当該軸心を中心にして回転可能に設けられ、後述するゲート側支柱31B1のフランジと、当該フランジと平行に配置され、且つ当該ゲート側支柱31B1に固定されているレール(図示せず)との間に配置されている。
【0044】
そして、上側規制ローラ31A5aは、ゲート可動装置31Bによってゲート本体31Aが昇降する際、上記ゲート側支柱31B1のフランジ及びレールの間を摺動し、ゲート本体31Aの前後方向における昇降姿勢のズレを規制する。
【0045】
下側規制ローラ31A5bは、軸心方向を前後方向として、当該軸心を中心にして回転可能に設けられ、ゲート側支柱31B1のウエブと当接可能に配置されている。
【0046】
そして、下側側規制ローラ31A5bは、ゲート可動装置31Bによってゲート本体31Aが昇降する際、上記ゲート側支柱31B1のウエブを摺動し、ゲート本体31Aの左右方向における昇降姿勢のズレを規制する。
【0047】
なお、ガイド機構部31A5の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、ゲート可動装置31Bによってゲート本体31Aが昇降する際、当該ゲート本体31Aの前後方向及び左右方向における昇降姿勢のズレを規制することが可能であれば、何れのような構成であってもよい。
【0048】
ゲート可動装置31Bは、例えば、ゲート本体31Aの左右両側に立設される一対のゲート側支柱31B1・31B1、駆動源として設けられる駆動モータ31B2、及びゲート本体31Aを牽引する吊り索31B3などを備える。
【0049】
ゲート側支柱31B1は、ゲート可動装置31Bに作用する荷重を支持可能な、十分な剛性を有する部材からなり、例えば本実施形態においては、H型鋼が採用されている。
なお、ゲート側支柱31B1は、ゲート可動装置31Bの構成部材として、フレーム構造体10に対して別途設けることとしてもよいし、当該フレーム構造体10の出入口13を構成する支柱11(
図1を参照)によって、代用することとしてもよい。
【0050】
駆動モータ31B2は、所定のゲート側支柱31B1の上端部において、例えば、駆動軸の軸心方向を前後方向に向けた状態で配置される。
また、上記駆動軸には、スプロケット31B2aが貫設されている。
【0051】
一方、吊り索31B3・31B3は、駆動チェーンによって構成され、例えば、1基のゲート可動装置31Bに対して一対(2本)設けられている。
各吊り索31B3は、一方の端部において、駆動モータ31B2のスプロケット31B2aと連結されるとともに、他方の端部において、ゲートフレーム31A1の下部と連結されている。
【0052】
そして、駆動モータ31B2によって、スプロケット31B2aが正転方向に回転されることにより、吊り索31B3を介して、地上に位置する第1階層F1から第2階層F2に向かってゲート本体31Aが上昇し、出入口13が開状態となる。
また、駆動モータ31B2によって、スプロケット31B2aが逆転方向に回転されることにより、吊り索31B3を介して、第2階層F2から第1階層F1に向かってゲート本体31Aが下降し、出入口13が閉状態となる。
【0053】
なお、ゲート可動装置31Bの構成については、本実施形態に限定されるものではなく、第1階層F1と第2階層F2との間でゲート本体31Aを昇降可能な構成であれば、何れのような構成であってもよい。
例えば、スプロケット31B2a及び吊り索31B3を、プーリ及びタイミングベルト等によって各々構成することとしてもよいし、或いは、上下方向に進退可能な電気式アクチュエータや、空圧式または油圧式アクチュエータ等によって、ゲート可動装置31Bを構成することとしてもよい。
【0054】
図1に示すように、フェンス32は、少なくとも出入口13が設けられた階層(本実施形態においては、第1階層F1)において、上述したゲート31(より具体的には、ゲート本体31A)とともに、立体駐車装置1の内部と外部とを隔てるものである。
フェンス32は、立体駐車装置1の第1階層F1において、複数の出入口13・13・13を除いた領域、即ち、当該立体駐車装置1(より具体的には、フレーム構造体10)の左右両側及び後側を囲むようにして、フレーム構造体10の側面に配設されている。
【0055】
そして、フェンス32には、上述したゲート本体31Aと同様に、当該フェンス32の一部を開口する開口孔部33が予め設けられており、当該開口孔部33は、本発明に係るパネル部材の一例である第4パネル32Cによって、開閉可能に閉塞されている。
また、第4パネル32Cは、上記第1パネル31A2と同等の構成からなり、複数の微細な貫通孔34・34・・・(
図2を参照)を有した部材からなる。
【0056】
なお、本実施形態においては、ゲート31(より具体的には、ゲート本体31A)及びフェンス32の双方に、第1パネル31A2または第4パネル32Cによって閉塞される開口孔部33・33が、夫々設けられる構成となっているが、これに限定されることはなく、ゲート31(ゲート本体31A)またはフェンス32の何れか一方にのみ、当該開口孔部33が設けられる構成としてもよい。
フェンス32の詳細な構成については、後述する。
【0057】
以上のように、本実施形態における立体駐車装置1は、昇降可能に配置される複数のパレット20・20・・・と、これら複数のパレット20・20・・・の周囲を囲む囲い部30とを備え、各々のパレット20に車両Wを搭載して駐車させる立体駐車装置であって、当該囲い部30は、複数のパレット20・20・・・の周囲より離間した位置に配置され、各々のパレット20に対して車両Wの出入庫を行う出入口13を開閉するゲート31と、当該出入口13を除いた領域を囲むフェンス32と、ゲート31及び/またはフェンス32の少なくとも一部を開口する開口孔部33と、当該開口孔部33を開閉可能に閉塞するパネル部材(第1パネル31A2または第4パネル32C)とを有し、当該パネル部材は、複数の貫通孔34・34・・・を有する構成となっている。
【0058】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、ゲート31が閉じられた状態において、装置内に不審者が侵入するのを囲い部30によって防止する一方、当該囲い部30によって塞がれた装置内の様子を、パネル部材(第1パネル31A2または第4パネル32C)に設けられた複数の貫通孔34・34・・・を介して、装置の外側より容易に視認することができる。
【0059】
従って、装置内において異変が起こった場合には、直ちに察知することが可能であり、例えば装置内において火災等が発生した場合には、上記複数の貫通孔34・34・・・を介して装置内の状況を確認し、直ちに消火活動を開始することができる。
また、本実施形態における立体駐車装置1においては、複数のパレット20・20・・・の周囲より離間した位置に囲い部30が配置されていることから、これら囲い部30と、複数のパレット20・20・・・との間に形成される隙間(後述する上面側開口部36)を介して、装置内の火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へと効果的に排煙することができる。
【0060】
[ゲート本体31A]
次に、ゲート本体31Aの構成について、
図2を用いて詳細に説明する。
ゲート本体31Aは、ゲート31の本体部を構成する部位であり、前述したように、矩形枠体形状に形成されたゲートフレーム31A1、並びに、当該ゲートフレーム31A1の内周側を閉塞するように配置される複数の第1パネル31A2・31A2、第2パネル31A3・31A3、及び第3パネル31A4・31A4などを備える。
【0061】
第1パネル31A2・31A2は、例えば本実施形態においては2枚設けられており、ゲートフレーム31A1における上下方向中央部から上端部にかけての領域(以下、適宜「上側領域」と記載する)において、左右方向に並べて配置されている。
【0062】
なお、第1パネル31A2の枚数については、本実施形態に限定されるものではない。
即ち、第1パネル31A2は、1基のゲート本体31Aにおいて、少なくとも1枚設けられていればよく、他の1枚については、後述する第2パネル31A3によって構成されていてもよい。
【0063】
第1パネル31A2は、上述したように、複数の微細な貫通孔34・34・・・を有した部材からなり、例えば本実施形態においては、各貫通孔34の孔径dが8mmであるパンチングメタル(内抜金網)によって構成されている。
なお、第1パネル31A2を構成する部材については、複数の微細な貫通孔34・34・・・を有していれば、何れのものであってもよく、例えば、網目を有した鋼製のメッシュ部材等であってもよい。
【0064】
そして、第1パネル31A2は、下端部において、複数(本実施形態においては、3個)のヒンジ31A2a・31A2a・31A2aを用いてゲートフレーム31A1と連結され、これら複数のヒンジ31A2a・31A2a・31A2aを介して、当該ゲートフレーム31A1に対して、垂直方向(上下方向)に回動可能(開閉可能)に設けられる。
【0065】
なお、第1パネル31A2は、側端部において、複数のヒンジ31A2a・31A2a・31A2aを用いてゲートフレーム31A1と連結されていてもよい。
この場合、複数の手動締結部材31A2b・31A2b・31A2bは、上記複数のヒンジ31A2a・31A2a・31A2aと対向する側の側端部に設けられ、第1パネル31A2は、ゲートフレーム31A1に対して、水平方向(左右方向)に回動可能(開閉可能)に設けられる。
【0066】
また、第1パネル31A2は、ゲートフレーム31A1の内周部における、上側領域に設けられた開口孔部33を閉塞した状態で、手動操作によって容易に施錠及び解錠可能な、複数(本実施形態においては、3個)の手動締結部材31A2b・31A2b・31A2bによって、上端部を介して固定される。
【0067】
第2パネル31A3は、複数の貫通孔を有していない単なる平板状の薄板鋼板や、パンチングメタル、或いは網目を有した鋼製のメッシュ部材など、何れの部材によって構成されていてもよく、例えば本実施形態においては、第1パネル31A2と同様のパンチングメタルによって構成されている。
また、第2パネル31A3・31A3は、例えば本実施形態においては2枚設けられており、ゲートフレーム31A1における上下方向中央部から下端部にかけての領域(以下、適宜「下側領域」と記載する)において、左右方向に並べて配置されている。
【0068】
そして、第2パネル31A3・31A3は、ゲートフレーム31A1の内周側における下側領域を閉塞した状態で、ボルト等の締結部材を介して、当該ゲートフレーム31A1に固定される。
【0069】
第3パネル31A4も、第2パネル31A3と同様に、複数の貫通孔を有していない単なる平板状の薄板鋼板や、パンチングメタル、或いは網目を有した鋼製のメッシュ部材など、何れの部材によって構成されていてもよく、例えば本実施形態においては、当該薄板鋼板によって構成されている。
また、第3パネル31A4・31A4は、例えば本実施形態においては2枚設けられており、ゲートフレーム31A1における、上記一対の第1パネル31A2・31A2と、上記一対の第2パネル31A3・31A3との間(例えば、本実施形態においては、左右方向中央部)において、これら両部材31A2・31A3間の隙間を閉塞するようにして夫々配置され、ボルト等の締結部材を介してゲートフレーム31A1に固定されている。
【0070】
なお、これら複数枚の第3パネル31A4・31A4・31A4・31A4によって閉塞される、両部材31A2・31A3間の隙間については、少なくとも、身体の一部(手や指や足)を挿入不可能な程度にまで閉塞されていればよい。
【0071】
ゲート本体31Aの構成については、本実施形態に限定されるものではなく、少なくとも、ゲートフレーム31A1の内周側の一部に第1パネル31A2が配置されていれば、何れのような構成であってもよい。
【0072】
例えば、第2パネル31A3及び第3パネル31A4を設けることなく、1枚の第1パネル31A2のみによって、ゲートフレーム31A1の内周側の全領域を閉塞する構成としてもよいし、第3パネル31A4を設けることなく、1枚の第1パネル31A2によって、少なくとも、ゲートフレーム31A1における上記の上側領域を閉塞する構成としてもよい。
【0073】
ところで、本実施形態においては、第1パネル31A2における、当該第1パネル31A2の平面全体に対する、複数の微細な貫通孔34・34・・・の総面積の割合を示す第1開口率R1は、40%以上となるように設定られている(R1≧40%)。
【0074】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、第1パネル31A2に設けられる複数の微細な貫通孔34・34・・・を介して、装置の外側から当該装置内の様子を確認する際の視認性を、より向上させることができる。
【0075】
また、ゲート本体31Aによって出入口13が閉塞された状態において、ゲートフレーム31A1の内周部の上側領域に各々設けられる開口孔部33は、立体駐車装置1の設置面から、上方に1100mm以上離間して位置するように、設定されている。
具体的には、ゲート本体31Aによって出入口13が閉塞された状態において、立体駐車装置1の設置面Gから開口孔部33の下端までの高さ寸法hが、1100mm以上となるように設定されている(h≧1100mm)。
【0076】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、例えば直立姿勢の人の目線と略同等な位置に第1パネル31A2を配置することができ、当該第1パネル31A2に設けられる複数の微細な貫通孔34・34・・・を介して、装置の外側より当該装置内の様子を、より容易に視認することができる。
【0077】
[フェンス32]
次に、フェンス32の構成について、
図2乃至
図5を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、フェンス32は、例えば本実施形態においては、網目を有した鋼製のメッシュ部材によって構成され、前述したように、立体駐車装置1の第1階層F1において、フレーム構造体10(
図1を参照)の左右両側面側に沿って配置される一対の側面側フェンス32A・32A(
図2は拡大正面図であるため、右側に位置する側面側フェンス32Aのみ記載)、及び当該フレーム構造体10の背面側(後面側)に沿って配置される背面側フェンス32Bなどを備える。
【0078】
なお、フェンス32を構成する部材については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、複数の微細な孔部を有した、鋼やステンレス鋼等の金属製部材からなるパンチングメタルや、互いに並べて配置された複数の単なる平板状の薄板鋼板など、何れの部材によって構成されていてもよい。
【0079】
フェンス32は、防犯等の理由から設けられるものであり、一般的には、ゲート31が閉じられた状態において、少なくとも出入口13が設けられた階層(第1階層F1)より、立体駐車装置1の内部への、人や身体の一部(手や指や足)の侵入等が不可能な程度にまで、フレーム構造体10の左右両側面側及び背面側を閉塞するように設けられる。
【0080】
具体的には、例えば本実施形態において、フェンス32の高さ寸法H1は、約2400mm程度に設定されており、立体駐車装置1の設置面Gから、第2階層F2に位置するパレット20の下面までの高さ寸法H(即ち、出入口13の高さ寸法)を超える高さに設定されている(H1>H)。
【0081】
なお、フェンス32の高さ寸法H1については、少なくとも1000mm以上(H1≧1000mm)に設定されることが防犯上好ましく、2000mm以上(H1≧2000mm)に設定されることが、より防犯上好ましい。
【0082】
一方、前述したゲート31(より具体的には、ゲート本体31A)の高さ寸法H2は、例えば本実施形態においては、閉じられた状態において約1800mm程度に設定されており、上記高さ寸法Hに比べてやや低く設定されているが(H2<H)、第1階層において容易に人や身体の一部(手や指や足)が侵入するのを防止可能な程度の高さに設定されている。
【0083】
なお、ゲート本体31Aの高さ寸法H2については、少なくとも、1100mm以上(H2≧1100mm)、或いは、上述した出入口13の高さ寸法Hの1/2倍以上(H2≧(1/2)×H)に設定されることが好ましい。
このような構成を有することにより、例えば装置内において火災等が発生した場合、当該火災によって発生し、第2階層F2に位置するパレット20の下面に沿って浮遊する煙を、後述する正面側開口部35を介して、装置外へとより効果的に排煙することができる。
【0084】
そして、
図3に示すように、一対の側面側フェンス32A・32A(
図3は側面図であるため、右側に位置する側面側フェンス32Aのみ記載)の上部には、前後方向に延出する側面側開口部32A1・32A1が各々設けられている。
また、
図2に示すように、背面側フェンス32Bの上部には、左右方向に延出する背面側開口部32B1が設けられている。
なお、これら一対の側面側開口部32A1・32A1、及び背面側開口部32B1における、各々の下端の位置は、少なくとも、ゲート31の高さ寸法H2と略同程度の高さとなるように設定されることが好ましい。
【0085】
さらに正面視において、出入口13には、主に、閉じられた状態にあるゲート31(ゲート本体31A)の上端と、第2階層F2に位置するパレット20の下面との隙間によって構成される、正面側開口部35が設けられている。
また前述したように、平面視において、ゲート31及びフェンス32等によって構成される囲い部30は、第1階層F1に配置される複数のパレット20・20・20の周囲より、離間した状態で配置されることから、立体駐車装置1の設置面G側と対向する上面側(上方側)には、これら囲い部30と、複数のパレット20・20・20の周囲との隙間(より具体的には、複数の梁材12・12・12を除いた隙間)、並びに隣接するパレット20・20間の隙間によって構成される、上面側開口部36(
図5(b)中における斜線によって示された領域)が設けられている。
【0086】
このように、本実施形態においては、囲い部30によって囲まれた空間部Vにおいて、ゲート31が位置する正面側(前側)、当該正面側と対向する背面側(後側)、前記正面側及び前記背面側の対向方向(前後方向)との平面視直交方向(左右方向)に対向する両側面側(右側及び左側)、並びに前記立体駐車装置1の設置面G側と対向する上面側(上側)に、当該空間部Vの内部と外部とを連通する開口部(より具体的には、上述した側面側開口部32A1、背面側開口部32B1、正面側開口部35、及び上面側開口部36)が夫々設けられている。
【0087】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、これらの開口部(側面側開口部32A1、背面側開口部32B1、正面側開口部35、及び上面側開口部36)を介して、当該火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へとより効果的に排煙することができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、これら側面側開口部32A1、背面側開口部32B1、正面側開口部35、及び上面側開口部36の全てが、空間部Vに設けられる構成となっているが、これに限定さるものではなく、少なくとも何れかの開口部が設けられていれば、他の開口部は設けられていなくてもよい。
【0089】
フェンス32(例えば、本実施形態においては、側面側フェンス32A)には、前述したように、当該側面側フェンス32Aの一部を開口する開口孔部33(
図1を参照)が予め設けられており、当該開口孔部33は、
図3に示すように、複数の微細な貫通孔34・34・・・(
図2を参照)を有した第4パネル32Cによって、開閉可能に閉塞されている。
【0090】
ここで、本実施形態においては、空間部Vの両側面側(右側及び左側)に設けられる一対の側面側開口部32A1・32A1(
図3を参照)、及び当該空間部Vの背面側(後側)に設けられる背面側開口部32B1(
図2を参照)と、第4パネル32Cにおける複数の貫通孔34・34・・・との総面積をS1とした場合、設置面Gにおける囲い部30によって囲まれた領域全体の面積S(
図5(a)中における網掛けによって示された領域)に対する、当該総面積S1の割合を示す第2開口率R2は、10%以上となるように設定されている(R2=(S1/S)≧10%)。
【0091】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、これら一対の側面側開口部32A1・32A1、及び背面側開口部32B1、並びに複数の貫通孔34・34・・・を介して、当該火災によって発生した煙を、装置外へとさらに効果的に排煙することができる。
【0092】
なお、第2開口率R2は、これら一対の側面側開口部32A1・32A1、及び背面側開口部32B1、並びに複数の貫通孔34・34・・・の総面積S1についての割合を意味することから、これら一対の側面側開口部32A1・32A1、及び背面側開口部32B1、並びに複数の貫通孔34・34・・・の何れか一方のみによって、第2開口率R2が10%以上となる場合、何れか他方については、設けられていなくてもよい(即ち、何れか他方の開口率は、0%であってもよい)。
【0093】
また、
図5(b)に示すように、本実施形態においては、空間部Vの上面側(上側)に設けられる上面側開口部36の総面積をS2とした場合、上記第2開口率R2と同じく、立体駐車装置1の設置面Gにおける囲い部30によって囲まれた領域全体の面積S(
図5(a)を参照)に対する、当該総面積S2の割合を示す第3開口率R3は、10%以上となるように設定されている(R3=(S2/S)≧10%)。
【0094】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、例えば装置内において火災等が発生した場合であっても、上面側開口部36を介して、当該火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へとさらに効果的に排煙することができる。
【0095】
このように、本実施形態においては、上述した第2開口率R2及び第3開口率R3の何れにおいても、単独で10%以上となるように設定されているが、これに限定されるものではない。
即ち、少なくとも、空間部Vの両側面側(右側及び左側)に設けられる一対の側面側開口部32A1・32A1(
図3を参照)、背面側(後側)に設けられる背面側開口部32B1(
図2を参照)、及び上面側(上側)に設けられる上面側開口部36と、第4パネル32Cにおける複数の貫通孔34・34・・・との総面積をS3とした場合、立体駐車装置1の設置面Gにおける囲い部30によって囲まれた領域全体の面積S(
図5(a)を参照)に対する、当該総面積S3の割合を示す第4開口率R4が、10%以上となるように設定されていればよい(R4=(S3/S)≧10%)。
【0096】
このような構成からなる立体駐車装置1であっても、例えば装置内において火災等が発生した場合には、少なくとも、これら一対の側面側開口部32A1・32A1、背面側開口部32B1、上面側開口部36、及び複数の貫通孔34・34・・・を介して、当該火災によって発生した煙を上方に向かって導き、装置外へと効果的に排煙することができる。
【0097】
なお、第4開口率R4についても、上記第2開口率R2と同様に、これら一対の側面側開口部32A1・32A1、背面側開口部32B1、上面側開口部36、及び複数の貫通孔34・34・・・の総面積S3についての割合を意味することから、一対の側面側開口部32A1・32A1、背面側開口部32B1及び複数の貫通孔34・34・・・の何れか一方と、上面側開口部36とによって、第4開口率R4が10%以上となる場合、一対の側面側開口部32A1・32A1、背面側開口部32B1及び複数の貫通孔34・34・・・の何れか他方については、設けられていなくてもよい(即ち、何れか他方の開口率は、0%であってもよい)。
【0098】
また、例えば、固定式の泡消火設備が、立体駐車装置1に別途設けられている場合、上述した第2開口率R2、第3開口率R3、及び第4開口率R4については、何れも10%未満に設定されていてもよい。
【0099】
ところで、本実施形態における立体駐車装置1においては、安全性の観点から、『JIS B 9718(2013):機械類の安全性-危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離』に基づき、囲い部30によって囲まれた空間部Vにおける、当該囲い部30と、複数のパレット20・20・20の周囲との間の離間寸法が設定されている。
【0100】
具体的には、
図4において、側面側フェンス32Aと複数のパレット20・20・20の周囲との間の離間寸法L1、背面側フェンス32Bと複数のパレット20・20・20の周囲との間の離間寸法L2、及びゲート本体31Aと複数のパレット20・20・20の周囲との間の離間寸法L3については、何れも、JIS B 9718(2013)の表1に基づき、危険区域の高さ(a)をフェンス32(より具体的には、側面側フェンス32Aまたは背面側フェンス32B)の高さ寸法H1とし、且つ保護構造物の高さ(b)を当該ゲート31(より具体的には、ゲート本体31A)の高さ寸法H2としたときの、危険区域までの水平安全距離(c)以上の値に設定されている。
【0101】
例えば、前述したように、本実施形態においては、フェンス32の高さ寸法H1(
図2を参照)が約2400mm程度に設定されており、また、閉じられた状態におけるゲート本体31Aの高さ寸法H2が約1800程度に設定されていることから、JIS B 9718(2013)の表1に基づき、危険区域の高さ(a)を2400mmとし、且つ保護構造物の高さ(b)を1800mmとして導かれる水平安全距離(c)の値が100mmとなり、上記の離間寸法L1・L2・L3は、何れも当該水平安全距離(c)以上の値に設定されている(L1>100mm、L2>100mm、L3>100mm)。
【0102】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、囲い部30によって装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、ゲート本体31Aにおける、昇降する複数のパレット20・20・・・に対する安全性をより高めることができる。
【0103】
また、これらの離間寸法L1、離間寸法L2、及び離間寸法L3については、上記条件に加えて、何れも、JIS B 9718(2013)の表5に基づき、対象とする人体部位を指(指先から指の付け根まで)とし、且つ開口部(e)を第1パネル31A2及び/または第4パネル32Cにおける各々の貫通孔34の孔径dとしたときの、安全距離(Sr)以上の値に設定されている。
【0104】
例えば、前述したように、本実施形態においては、第1パネル31A2に設けられる各貫通孔34、及び第4パネル32Cに設けられる各貫通孔34が、何れも孔径dが8mmの丸孔に形成されていることから、JIS B 9718(2013)の表5に基づき、対象とする人体部位を指(指先から指の付け根まで)とし、且つ開口部(e)を8mmとして導かれる、円形の安全距離(Sr)の値が20mm以上となり、上記の離間寸法L1・L2・L3は、何れも当該安全距離(Sr)を大きく超える値(100mm以上の値)に設定されている(L1>20mm、L2>20mm、L3>20mm)。
【0105】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、囲い部30によって装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、第1パネル31A2及び第4パネル32Cにおける、昇降する複数のパレット20・20・・・に対する安全性をより高めることができる。
【0106】
なお、前述したように、第1パネル31A2及び第4パネル32Cについては、何れも、鋼製のメッシュ部材39によって構成されていてもよい。
但し、上記メッシュ部材39は、網目状に編まれた複数の鋼線からなるものに限られず、例えば、平板状の部材に無数の長穴を設けてなるものも含まれ、この場合、当該長穴がメッシュ部材39の網目に相当する。
【0107】
ここで、
図2に示すように、上記メッシュ部材39が、複数の矩形状の網目39a・39a・・・を有しており、各々の網目39aの長手方向の寸法Laが40mm以下(a≦40mm)に設定されている場合、JIS B 9718(2013)の表5に基づく安全距離(Sr)の値は、120mmとなることから、上記の離間寸法L1、離間寸法L2、及び離間寸法L3については、何れも、120mm程度に設定されていればよい。
【0108】
このような構成からなる場合であっても、本実施形態における立体駐車装置1によれば、囲い部30によって装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、メッシュ部材39における、昇降する複数のパレット20・20・・・に対する安全性をより高めることができる。
【0109】
さらに、本実施形態における立体駐車装置1においては、ゲート本体31Aと、パレット20に搭載される車両Wとの間隙寸法L4が600mm以上に設定されており、緊急時における装置内への人の立入りを可能とする、少なくとも必要最低限のスペースを確保した構成となっている。
また、
図3に示すように、側面側フェンス32Aにおけるゲート本体31A側の端部(前端部)には、囲い部30の内部(囲い部30によって囲まれた空間部V)への人の立入りを可能とする立入り口37が設けられている。
【0110】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、囲い部30によって、装置内に不審者が侵入するのを防止するとともに、例えば装置内において火災等が発生した場合には、立入り口37を介して装置内に侵入し、直ちに消火活動を開始することができる。
【0111】
なお、平常時において、上記立入り口37は、例えば、人為的な外力を加えることにより破壊可能な低強度材料からなる扉部材38Aによって、閉鎖されていることが好ましい。
ここで、上記低強度材料としては、例えば、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)や石膏ボード、或いは樹脂製部材(アクリル板)等のような、人が容易に蹴破ることが可能な材料を、一例として挙げることができる。
【0112】
このような構成を有することにより、本実施形態における立体駐車装置1によれば、囲い部30によって、装置内に不審者が侵入するのをより確実に防止するとともに、例えば装置内において火災等が発生した緊急時には、扉部材38Aを破壊して容易に立入り口37を開き、装置内に侵入して直ちに消火活動を開始することができる。
【0113】
また、上記扉部材38Aの別実施形態として、立入り口37は、人為的な外力では破壊不能な高強度材料からなる扉部材38Bによって閉鎖されるとともに、当該扉部材38Bは、平常時において解錠不能に保持されており、緊急時においてのみ手動による操作によって解錠可能な非常錠(図示せず)によって施錠される構成としてもよい。
ここで、上記高強度材料としては、例えば、複数の貫通孔を有していない単なる平板状の薄板鋼板や、パンチングメタル、或いは網目を有した鋼製のメッシュ部材を、一例として挙げることができる。
【0114】
このような構成を有する立体駐車装置1であっても、囲い部30によって、装置内に不審者が侵入するのをより確実に防止するとともに、例えば装置内において火災等が発生した緊急時には、非常錠を解錠して容易に立入り口37を開き、装置内に侵入して直ちに消火活動を開始することができる。
【0115】
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0116】
1 立体駐車装置
13 出入口
20 パレット
30 囲い部
31 ゲート
31A ゲート本体(ゲート)
31A2 第1パネル(パネル部材)
32 フェンス
32A 側面側フェンス(フェンス)
32A1 側面側開口部(開口部)
32B 背面側フェンス(フェンス)
32B1 背面側開口部(開口部)
32C 第4パネル(パネル部材)
33 開口孔部
34 貫通孔
35 正面側開口部(開口部)
36 上面側開口部(開口部)
37 立入り口
38A、38B 扉部材
39 メッシュ部材
39a 網目
d 貫通孔の孔径
G 設置面
H1 フェンスの高さ寸法(高さ)
H2 ゲートの高さ寸法(高さ)
L1、L2、L3 離間寸法
L4 間隙寸法
La 網目の長手方向の寸法
R1 第1開口率
R2 第2開口率
R3 第3開口率
R4 第4開口率
V 空間部
W 車両
【要約】
【課題】昇降可能に配置される複数のパレットと、複数のパレットの周囲を囲むゲート及びフェンスを備え、各々のパレットに車両を搭載して駐車させる立体駐車装置であって、ゲートが閉じられた状態であっても、ゲート及びフェンスによって囲まれた装置内の様子を、装置の外部より視認することが可能であり、また、例えば装置内において火災等が発生した際には、火災によって発生した煙を、装置外へと排煙することができる立体駐車装置を提供する。
【解決手段】囲い部30は、複数のパレット20の周囲より離間した位置に配置され、出入口13を開閉するゲート31(ゲート本体31A)と、出入口13を除いた領域を囲むフェンス32と、ゲート31及びフェンス32の少なくとも一部を開口する開口孔部33と、開口孔部33を開閉可能に閉塞するパネル部材(第1パネル31A2、第4パネル32C)とを有し、当該パネル部材は、複数の貫通孔34を有する。
【選択図】
図2