(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20230927BHJP
B60Q 1/26 20060101ALI20230927BHJP
B60Q 1/50 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B60Q1/00 G
B60Q1/26 Z
B60Q1/50 Z
(21)【出願番号】P 2022210623
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2021190649の分割
【原出願日】2016-03-31
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2015080901
(32)【優先日】2015-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015213720
(32)【優先日】2015-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國井 康彦
(72)【発明者】
【氏名】賀来 信行
(72)【発明者】
【氏名】杉山 寿紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】千葉 浩
(72)【発明者】
【氏名】岸上 勝博
(72)【発明者】
【氏名】梶川 啓之
(72)【発明者】
【氏名】小野 長平
(72)【発明者】
【氏名】藏知 恵
(72)【発明者】
【氏名】原田 典明
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-144725(JP,A)
【文献】特開2008-287669(JP,A)
【文献】国際公開第2006/070511(WO,A1)
【文献】特開2007-323342(JP,A)
【文献】特開2008-201407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
3/00-3/88
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
G08G 1/00-99/00
B60R 16/00-17/02
B60J 1/00-1/20
B60K 35/00-37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
車両に関する情報を取得する取得部と、
ナビゲーション装置と通信を行う通信部と、
画像を路面に投射する投射部と、
を備え、
前記投射部は、前記取得部において取得した情報と、前記通信部において受信した前記ナビゲーション装置からの情報とに基づき、図または/及び文字の画像を投射することが可能となっており、
前記ナビゲーション装置からの情報に基づいて画像を投射するときに、前記取得部が取得した前記車両の走行速度が所定速度より大きい場合において、投射する画像が文字の画像を含む場合には、前記文字の画像を路面に投射せず、投射する画像が文字の画像を含まない場合には、前記図の画像を路面に投射する、
車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記投射部は、投射する情報に応じて、異なる投射位置に前記情報を投射する、
車両。
【請求項3】
請求項1に記載の車両であって、
前記投射部が投射する位置は、前記車両の走行車線、または前記車両の対向車線、または車線以外の位置のうち、いずれかである、
車両。
【請求項4】
請求項1に記載の車両であって、
前記投射部は、前記ナビゲーション装置から受信した注意喚起情報を、前記車両の対向車線の路面に投射することが可能となっている、
車両。
【請求項5】
請求項1に記載の車両であって、
前記投射部は、前記ナビゲーション装置から受信した目的地までの距離情報を、車線以外の位置に投射することが可能となっている、
車両。
【請求項6】
請求項1に記載の車両であって、
前記投射部は、前記車両の進行方向情報と、前記車両の走行速度情報と、前記車両の燃料残量情報とのうち少なくとも1つを、前記車両の走行車線の路面に投射することが可能となっている、
車両。
【請求項7】
車両であって、
車両に関する情報を取得する取得部と、
ナビゲーション装置と通信を行う通信部と、
画像を路面に投射する投射部と、
を備え、
前記投射部は、前記取得部において取得した情報と、前記通信部において受信した前記ナビゲーション装置からの情報とに基づき、図または/及び文字の画像を投射することが可能となっており、
前記投射部は、投射する情報に応じて、異なる投射位置に前記情報を投射し、
前記投射位置は、前記車両の走行車線、または前記車両の対向車線、または車線以外の位置のうち、いずれかである、
車両。
【請求項8】
車両であって、
車両に関する情報を取得する取得部と、
ナビゲーション装置と通信を行う通信部と、
画像を路面に投射する投射部と、
を備え、
前記投射部は、前記取得部において取得した情報と、前記通信部において受信した前記ナビゲーション装置からの情報とに基づき、図または/及び文字の画像を投射することが可能となっており、
前記投射部は、投射する情報に応じて、異なる投射位置に前記情報を投射し、
前記投射部は、前記ナビゲーション装置から受信した注意喚起情報を、前記車両の対向車線の路面に投射することが可能となっている、
車両。
【請求項9】
車両であって、
車両に関する情報を取得する取得部と、
ナビゲーション装置と通信を行う通信部と、
画像を路面に投射する投射部と、
を備え、
前記投射部は、前記取得部において取得した情報と、前記通信部において受信した前記ナビゲーション装置からの情報とに基づき、図または/及び文字の画像を投射することが可能となっており、
前記投射部は、投射する情報に応じて、異なる投射位置に前記情報を投射し、
前記投射部は、前記ナビゲーション装置から受信した目的地までの距離情報を、車線以外の位置に投射することが可能となっている、
車両。
【請求項10】
車両であって、
車両に関する情報を取得する取得部と、
ナビゲーション装置と通信を行う通信部と、
画像を路面に投射する投射部と、
を備え、
前記投射部は、前記取得部において取得した情報と、前記通信部において受信した前記ナビゲーション装置からの情報とに基づき、図または/及び文字の画像を投射することが可能となっており、
前記投射部は、投射する情報に応じて、異なる投射位置に前記情報を投射し、
前記投射部は、前記車両の進行方向情報と、前記車両の走行速度情報と、前記車両の燃料残量情報とのうち少なくとも1つを、前記車両の走行車線の路面に投射することが可能となっている、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、画像投射装置および画像投射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタに代表される映像投射装置は、所望の映像を拡大して投射するための装置として、既に広い分野で利用されており、更に近年においては、パーソナルコンピュータや携帯電話のための表示装置としても広く利用されてきている。
【0003】
かかる映像投射装置について、特に車両での使用に関する従来技術としては、以下のものが既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-43781号公報
【文献】特開2004-136838号公報
【文献】特開2010-26759号公報
【文献】特開2012-247369号公報
【文献】特開2014-153868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
即ち、上記特許文献1は、外部光源としての車両のヘッドライトの前に、光源を内蔵せずに携帯性に優れたLCDプロジェクタを配置することで、ヘッドライトを外部光源として用いる投射型表示装置を開示するものである。特許文献2は、その問題点を解決すべく、予めプロジェクタをヘッドライトの前でかつ車両の中に組み込んだ第1の状態と、プロジェクタもしくはヘッドライトを移動させてヘッドライトからの光束を直接、車両の外部に照射する第2の状態を実現し、更には、道路上に画像を表示する実施形態をも示している。
【0006】
更に、特許文献3には、車両の運転支援装置として、車線逸脱判定時に自車両の乗員に対して効果的に注意を喚起するため、車両前方の路上に、車両前方のヘッドライト部分に取り付けられた照射手段(レーザー)により、喚起を促すための情報を表示するものが知られている。
【0007】
また、特許文献4によれば、車両の先頭部分に投影手段としてのプロジェクタを取り付け、ナビゲーションシステムで探索された経路情報に基づいて、分岐方向へ誘導する経路案内画像を、投射角度の設定を伴って、車両前方の路面に投影するものも既に知られている。加えて、特許文献5によれば、ターゲットマークとトラッキングラインからなる描画パターンを、自車両の走行状態に基づいて車両前方の路面に投影することにより、自車両の走行先の認識を可能として、これに基づいて適切な運転を可能にする車両の運転支援装置も、既に、知られている。
【0008】
しかしながら、上述した従来技術は、必ずしも自車両の走行に必要な各種の情報を効果的に表示するものではなかった。
【0009】
そこで、本発明は上述した従来技術における問題点に鑑みて達成されたものであり、例えば自車両(自動車等に代表される移動体)の走行状態等、車両に関する情報に基づいて、各種の情報を路面上や壁面、自車両上等(以下、路面等)に投射して表示することを可能とする映像投射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、車両であって、車両に関する情報を取得する取得部と、ナビゲーション装置と通信を行う通信部と、画像を路面に投射する投射部と、を備え、投射部は、取得部において取得した情報と、通信部において受信したナビゲーション装置からの情報とに基づき、図または/及び文字の画像を投射することが可能となっている、ものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両に関する情報に基づいて、情報を路面等に投射して表示することを可能とする映像投射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る映像投射装置を搭載して路面等に映像を投射している車両の前方からの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施の形態に係る映像投射装置を搭載して路面等に映像を投射している車両の後方からの斜視図である。
【
図3】映像投射装置を構成する配光制御ECUの全体構成を示す図である。
【
図4】配光制御ECUとその周辺要素の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施の形態に係る映像投射装置の構成の一例を示す図である。
【
図7】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図8】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図9】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図10】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図11】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図12】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図13】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図14】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図15】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図16】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図17】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図18】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図19】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図20】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図21】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図22】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図23】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図24】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図25】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図26】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の具体例を示す図である。
【
図27】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図28】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図29】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図30】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図31】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図32】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図33】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図34】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図35】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図36】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【
図37】投映器から車両情報との関係により路面上に投射される各種の映像の更に詳細な具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながらその詳細内容について説明する。
【0014】
<映像投射装置の配置>
まず、
図1(A)および(B)には、本発明の一実施の形態に係る映像投射装置を搭載した自車両10の一例として乗用車が示されており、これらの図に示すように、当該乗用車10の本体の前方には、左右一対のヘッドライト11が設けられている。
【0015】
図1(A)の例では、ここではその詳細な図示はしないが、これら一対のヘッドライト11の内部には発光体であるランプが組み込まれている。また、
図1(A)の例では、自車両(乗用車)10には以下に詳述する映像投射装置が左右一対となって搭載されている。そして、当該映像投射装置からの映像光は、例えば透明な窓部を介して自車両(乗用車)10の前方に投射される。なお、この例では、路面等に投射される映像は自車両(乗用車)10の近傍を歩行している歩行者等に対して現在あるいは、その後の進行方向を示しており、これにより安全性をより高く確保するものである。
【0016】
図1(B)には、映像投射装置を車体の先端部に1台だけ搭載した例を示しており、この場合には、映像投射装置からの映像光は、例えば、車体の先端部に設けられた透明な窓部12を介して自車両(乗用車)10の前方に投射されることとなる。
【0017】
更に、
図1(A)にも示すように、自車両(乗用車)10の底面や側面にも映像投射装置が搭載されており、これにより、自車両(乗用車)10の両側面に隣接した路面等に所望の映像を投射することができる。
【0018】
続いて、
図2(A)および(B)には、本発明の一実施の形態に係る映像投射装置を搭載した上記自車両(乗用車)10の後方が示されており、これらの図に示すように、車体の後方には、赤色のテールランプ13、13’が設けられている。そして、この
図2(A)の例では、やはりここではその詳細な図示はしないが、これらテールランプ13、13’の内部には発光体であるランプが組み込まれている。また、
図2(A)の例では映像投射装置が左右一対となって搭載されており、当該映像投射装置からの映像光は、例えば透明な窓部を介して自車両(乗用車)10の後方に投射される。
【0019】
また、
図2(B)は、映像投射装置を、例えば、車体の屋根付近等に搭載した例を示している。この
図2(B)の例では、上記
図1(B)と同様、車体の後端に設けられた透明な窓部を介して、映像光が自車両10の後方に投射されることとなる。
【0020】
更に、
図2(A)にも示すように、サイドミラー14の内部にも、映像投射装置が搭載されており、これにより、自車両10の両側面に隣接した路面等に所望の映像を投射することができる。
【0021】
なお、以上では1台または複数台(例えば一対)の映像投射装置を自車両10の前後左右に搭載する例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、映像投射装置を自車両10の何れの場所(例えば、屋根の上等)に搭載してもよい。また映像投射装置をヘッドライトやテールランプの内部に一体に組み込んでもよい。つまり、本発明では当該映像投射装置により所望の映像を路面等に投射することができればよい。なお、映像投射装置をヘッドライトやテールランプの内部に一体に組み込んだ場合は、ヘッドライトやテールランプの光源を投射用の光源としても用いることもできる。
【0022】
<配光制御ECUの構成>
続いて、
図3には、上述した自車両(乗用車)10内に搭載された電子制御ユニット(配光制御ECU)の構成の一例が示されている。この図からも明らかなように、当該配光制御ECU40は、CPU(中央演算装置)41、記憶手段であるRAM42やROM43、更には、入出力装置(I/Oユニット)44を備えている。そして、当該配光制御ECUには、上記I/Oユニット44を介して、以下の各種情報取得部や通信部からの情報が入力され、上記のヘッドライト11の駆動や映像投射装置500の映像投射を制御している。
【0023】
なお、ここで、上記各種情報取得部からの情報としては、例えば、自車両10の走行速度を示す速度信号、エンジンの状態(ON/OFF)を示す信号、ギアの位置を示すギア情報、周囲のドライバーに危険の存在を知らせるハザード信号、ハンドルの操舵角度を示すハンドル舵角信号、ターンシグナル(または、「ウィンカー」とも言う)の有無や左右どちらが点灯/点滅しているかを示すターンシグナル信号、更には、上記各種のランプの点灯/点滅状態を示すランプ点灯情報が含まれる。
【0024】
また、上記各種情報取得部からの情報としては、更に、例えば、車の外部の光を検出する外光センサーからの情報(照度信号、色度信号等)、車に取り付けられたカメラからの映像情報、自車両10の前方等、周辺を走行する車両やその他の対象物と間の距離等を検出する距離センサーからの信号、更には、夜間における車の外部の状況を検出する赤外線センサーからの信号等が含まれる。
【0025】
更に、上記通信部からの情報には、例えば、自車両10の位置を割り出すためのGPS(Global Positioning System、全地球測位網)信号、経路案内等を行うナビゲーション装置からの情報である、所謂、ナビ情報、更には他の車両との間で行われる車車間通信や道路と車の間で行われる路車間通信の情報等が含まれる。
【0026】
図4には、上述した配光制御ECU40とその周辺要素についての、更に詳細な構成が示されている。即ち、
図4において、方向指示器センサー51、ステアリングの操作角度(舵角)を検出するハンドル操舵角センサー52、シフトポジションセンサー53、車速センサー54、アクセル操作センサー55、ブレーキ操作センサー56、照度センサー57、色度センサー58、エンジン始動センサー59、およびハザードランプセンサー60からの信号が、上記配光制御ECU40に入力されている。更に、運転者または同乗者がドアノブを把持したことを検出するドアノブセンサー68、半ドアをも含めてドアの開閉状態を検知するドアロックセンサー69、例えばシート上の加重から人間が車内にはいないことを検出する人感センサー70、トランスミッションのギアの位置を検出するトランスミッションセンサー71を備えている。カメラ61からの信号は、画像処理部62を介してECU40に入力され、GPS受信部63と地図情報出力部64からの信号は、演算部65を介してECU40に入力されている。
【0027】
また、上記映像投射装置500を構成する投映器100には、上記配光制御ECU40からの制御信号と、投映信号出力部110からの信号(路面等に投射する映像信号)が制御部120を介して入力されており、これにより以下に説明する路面等への映像の投射が実行される。
【0028】
加えて、上記配光制御ECU40には、更に、ヘッドライトセンサー66、そして、ハイ/ローセンサー67からの信号が入力されている。
【0029】
<映像投射装置>
続いて、上記
図4に示した投映器100、投映信号出力部110および制御部120を含む映像投射装置500の更に詳細な構成の一例について、以下に、
図5を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
投射光学系501は、映像を路面等へ投射する光学系で、レンズおよび/またはミラーを含む。表示素子502は、透過する光または反射する光を変調して映像を生成する素子で、例えば、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)パネル等を用いる。表示素子駆動部503は、表示素子502に対して駆動信号を送り、表示素子502に映像を発生させる。光源505は映像投射用の光を発生するもので、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、LED光源、レーザー光源等を用いる。電源506は、光源505に電力を供給する。更に電源506は、その他各部にそれぞれ必要な電力を供給する。照明光学系504は、光源505で発生した光を集光し、より均一化して表示素子502に照射する。冷却部515は、光源505、電源506または表示素子502など、高温状態になる各部位を空冷方式や液冷方式で必要に応じて冷却する。操作入力部507は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。
【0031】
映像信号入力部531は、外部の映像出力装置を接続して映像データを入力する。音声信号入力部533は、外部の音声出力装置を接続して音声データを入力する。音声出力部540は、音声信号入力部533に入力された音声データに基づいた音声出力を行うことが可能である。また、音声出力部540は内蔵の操作音やエラー警告音を出力してもよい。通信部532は、例えば、外部の情報処理装置と接続し、各種の制御信号を入出力する。
【0032】
不揮発性メモリ508は、プロジェクタ機能で用いる各種データを格納する。不揮発性メモリ508に格納されるデータには、路上に投射するための、予め用意した画像データや映像データなども含まれる。メモリ509は、投射する映像データや装置各部の制御パラメータ等を記憶する。制御部510は、接続される各部の動作を制御する。
【0033】
画像調整部560は、映像信号入力部531で入力した映像データや、不揮発性メモリ508に格納される画像データや、映像データに対して画像処理を行うものである。当該画像処理としては、例えば、画像の拡大、縮小、変形等を行うスケーリング処理、輝度を変更するブライト調整処理、画像のコントラストカーブを変更するコントラスト調整処理、画像を光の成分に分解して成分ごとの重みづけを変更するレティネックス処理等がある。
【0034】
ストレージ部570は、映像、画像、音声、各種データなどを記録するものである。例えば、製品出荷時に予め映像、画像、音声、各種データなどを記録しておいてもよく、通信部532を介して外部機器や外部のサーバ等から取得した映像、画像、音声、各種データなどを記録してもよい。ストレージ部570に記録された映像、画像、各種データなどは、表示素子502と投射光学系501を介して投射映像として出力すればよい。ストレージ部570に記録された音声は音声出力部540から音声として出力すればよい。
【0035】
以上説明したように、映像投射装置500には様々な機能を載せることが可能である。しかしながら、映像投射装置500は必ずしも上述した構成の全てを有する必要はない。映像を投射する機能があればどのような構成でもよい。
【0036】
図6は像面も含めた投映器の光線図である。図において、図示しないLED等からなる光源から出射して映像表示素子を透過した映像光は、フィルタ等を通過し、各種のレンズ系で屈折作用を受け、更には、構成に応じて反射作用を受けた後で、像面8(路面等)に投射される。
【0037】
このように、上述した映像投射装置500では、投射距離700mmに対して、投射像の範囲の長辺の長さが10061-542=9519≒9520mmなので、投射比は700/9520=0.07という、かつてない大幅な広角化を実現している。
【0038】
なお、上記では1台の映像投射装置500とその投射光学系について述べたが、上述したように、本発明では1台または複数台(例えば一対)の投映器を車両に搭載し(あるいはヘッドライトやテールランプに一体に組み込み)、所望の映像を路面等に投射するものであってもよい。その際、特に上記
図1(A)や
図2(A)に示すように、複数台(例えば一対)の映像投射装置500による場合には、各映像投射装置500から同一の映像を路面等に投射してもよく(その場合、
図5の表示素子502には同じ映像が表示される)、または左右の映像投射装置500から異なる映像を投射して路面等で合成してもよい(その場合、
図5の表示素子502には、所望の映像を左右に分割した映像が表示される)。
【0039】
また、上記では、路面等に映像を投射する映像投射装置500として、透過型の液晶映像表示素子を使用した構成について説明したが、本発明ではこれに限定されることなく、当該映像投射装置500としては、その他、例えばDLP(デジタルライトプロセッシング)装置などのマイクロミラーからなる反射型の映像投射装置500、光変調可能な面状の発光ダイオードからの映像光を投射光学系を介して投射することの可能な映像投射装置500など、各種の映像投射装置500を使用することも可能である。即ち、本発明では当該映像投射装置500により、所望の映像を路面等に投射することが可能となればよい。
【0040】
<路面等へ表示する各種情報の投射映像>
続いて、以上に詳細を説明した映像投射装置500を、一例として上述のように車体の前方および/または後方に搭載し、以って車両情報との関係により路面等に投射される各種の映像の具体例について、以下、
図7~26を参照しながら、詳細に説明する。
【0041】
上述した自車両10の様々な個所に設置される映像投射装置500によれば、上述した自車両10の状態だけではなく、自車両10の運転者の意思なども含めた表示を可能とすることができる。
【0042】
図7には、例えば交差点等で自車両10が停止中である状態において、付近の他の車両に向けてメッセージを表示する例を示しており、ここでは、ターニングライトの点灯により右折表示をしている他の対向車両10’に対して、自車両10の前方に、例えば、「先に右折して下さい」との投射映像203の表示を行う。
【0043】
なお、係る表示は、予め表示する画像を、上記配光制御ECUを構成する記憶手段であるメモリ509(
図5を参照)内に格納しておき、例えば、ダッシュボード等に設けられたスイッチ等により呼び出し、映像投射装置500により表示する。なお、その際には、
図10にも示すように、表示内容が他の対向車両10’の運転者にとって分かり易くするため、通常とは逆の方向に表示することが好ましい。
【0044】
また、上記メッセージを表示する際には、何れの車両が当該メッセージを表示しているかが容易に分かるように、
図8にも示すように、メッセージの表示領域を台形や三角形にしたり、表示される投射映像203の一部に、表示している車両の方向を指示するための矢印204や車両のプレートナンバー205等を含めることとしてもよい。または、ここでは図示しないが、アニメーションを利用してもよい。
【0045】
あるいは、
図9にも示すように、投射映像203の表示に加え、その内容を音声250として発音し、複合的に表示してもよい。
【0046】
更には、
図10にも示すように、投射映像203を他の車両10’の前方に表示してもよい。
【0047】
なお、上述したメッセージ等の表示は、
図11にも示すように、自車両10の前方を横断しようとする歩行者等に対しても、上記と同様にして、これを行うことができる。なお、その場合、メッセージ203等の表示を映像で表示するだけでなく、更には、自車両10に設けたスピーカ等による音声を介して行うことにより、より一層効果的に、相手に対してメッセージ等を伝達することが可能となる。なお、その場合、例えば、上記のメモリ509(
図5を参照)内に予め格納しておいた音声信号を利用してもよく、または、ダッシュボード等に設けられたマイクを通して自車両10運転者の音声250を伝えてもよい。
【0048】
更に、上記のメッセージの表示は、
図12にも示すように、特に、自車両10がタクシーである場合には、後方のドアに隣接する路面等において、広告内容等を表示するメッセージ206として表示することが考えられる。または、ここでは図示しないが、バスや電車等の公共サービスを行う車両では、その昇降口において、広告内容メッセージ206を表示することが考えられる。
【0049】
加えて、上述した広告内容のメッセージ206の表示は、例えば、
図13(A)に示すように、
図4にも示した車速センサー54からの停止中信号の受信によりECU40がRAM42内に記憶した複数の広告を選択し、映像投射装置500を介して表示する。なお、その際、停止の度に異なる一または所定数の広告だけ表示するようにしてもよく、あるいは、複数の広告を、順次、所定の時間だけ表示するようにしてもよい。
【0050】
あるいは、
図13(B)に示すように、更に、ルータ1000を設けることにより、ECU40が、WiFiにより自車両10の外部から広告情報を取得し、取得した広告内容を表示するようにしてもよい。
【0051】
また、特に、メッセージ206として広告を表示する場合には、
図14に示すように、例えば、
図13(B)に示した構成を利用して、自車両10に近接したデパート等の広告主から広告をWiFiにより受信し、その内容をメッセージ206として路面等に表示することもできる。
【0052】
更には、
図15に示すように、上述した広告等に替えて、
図3の通信部からのナビ情報を利用して、例えば、「目的地まで15km」等、自車両10の運転者が知りたい情報(所謂、ナビ情報)を、メッセージ206として歩道や側路帯、路面等に表示することも可能である。歩道や側路帯をはじめとする路面等への表示によれば、自車両10以外の車両の運転者に対し誤認を与えることを防ぐことができる。
【0053】
また、上述した運転者が知りたい情報については、
図16に示すように、表示するメッセージ206として、所謂、ナビ情報(自車両10の進行方向や目的地までの距離)、自車両10の走行速度や燃料の残量などの車両情報やアラート、更には、メールの受信等、運転者が所有するスマートフォン等の携帯端末に関する情報をも同時に表示することも可能である。
【0054】
また、
図17に示すように、例えば、「注意!故障車あり」などの注意情報をメッセージ206として表示することもできる。なお、その際には、
図23にも示すように、当該情報は、対向する他の車両10’の運転者に対する注意情報であることから、当該メッセージ206は対向車線上の他の車両10’の前方に表示することが好ましく、そのためには、映像投射装置500の広角表示を使用し、または、映像投射装置500の方向を変更することなどが考えられる。
【0055】
加えて、上述した映像投射装置500によって投射表示される内容としては、更に以下のものが考えられる。
【0056】
運転者は、運転中に各種の測定を目視にて行っているが、かかる測定を補助する表示の一例として、
図18には、定規(物差)を自車両10の前方に投射映像207として表示する例を示す。即ち、この例では、自車両10の前方に表示された定規(物差)207によって、当該自車両10の運転者は、その前方を走行する他車両10’までの距離(車間距離)を容易に測定することができることから、安全運転に資することとなる。
【0057】
更に、
図19には、例えば、橋梁やトンネル等の高さ制限のある建造物(橋状の対象物S)の下を通過する際にその高さを簡易に測定することを可能にする表示映像207’を示す。なお、
図19では、対象物Sに向かって走行する自車両10を後方から見た状態を示す。
【0058】
この高さ測定用の表示では、自車両10の前方の両側(左右)に設けられたヘッドライトに設けられた映像投射装置500(
図1(A)を参照)からは、それぞれ、縦バーに横バーを組み合わせた略「ト」の字状のバー映像207’が走行方向の路面の上方に向かって投射される。なお、これら一対のバー映像207’は、予め、設定した所定の距離より遠い距離(距離>d)では、互いに縦バーの背面が離れるように設定され、かつ、その横バーは、当該所定の距離(d)において所定の高さ(例えば、自車両10が安全に通過可能な高さ)となるように設定されている。
【0059】
その結果、自車両10が、設定した所定の距離より遠い距離(距離>d)にある場合には、
図19(A)に示すように、上記一対のバー映像207’は、互いに離隔して表示される。その後、自車両10が設定した所定の距離に一致(距離=d)すると、
図19(B)に示すように、一対の「ト」の字状のバー映像207’が合わさり、十字架状になる。そして、この時の「ト」のバー映像207’の横バーが、自車両10が安全に通過可能な高さを示しており、運転者は、この十字架状になったバー映像207’の横バーの位置を確認することにより、自車両が安全に通過することが可能であるか否かを知ることができる。なお、その後は、
図19(C)に示すように、一対の「ト」の字状のバー映像207’は互いに重なり合って表示される。
【0060】
なお、自車両10が各種の情報を映像として表示する路面等は、
図20に示すような未舗装で表面に凹凸のある路面等であることも考えられる。その場合には、
図20にも示すように、自車両10の前方(走行方向)にカメラ(例えば、赤外線ステレオカメラ等)などの路面センサー15を取り付け、当該カメラで撮影した映像面から路面等の状態(形状や反射率等)を求め、その結果に基づいて、当該路面等に投影する映像に補正を加える。このことによれば、当該路面等の形状や反射率を補正した、見やすい、視認性に優れた映像を表示することができる。
【0061】
また、上述したカメラなどの路面センサー15を利用することにより、上述したECU40は、
図21に示すフローに従って、映像の表示または非表示の判断をすることも可能になる。なお、
図21の例では、映像投射装置500を起動し(ステップ210)、自車両10の左右の車線ラインをカメラからの映像から読み込んで車線幅を測定し、道幅を検知して(ステップ211)、映像を表示するに十分な道幅があるか否かを判断し(ステップ212)、ステップ212で映像を表示するに十分な道幅があると判断された場合に、映像を表示し(ステップ213)、ステップ212で映像を表示するに十分な道幅がないと判断された場合には、映像を表示しない(ステップ214)。
【0062】
あるいは、上述したカメラなどの路面センサー15を利用することによれば、
図22に示すように、狭い路地等では、投射される映像206までの距離を小さく設定し(
図22(A)を参照)、広い道路では、投射される映像206までの距離を大きくする(
図22(B)を参照)。このことにより、視認性に優れた映像を表示できる。なお、図の網掛け部分は映像投射装置500の投射領域を示している。
【0063】
更には、
図23にも示すように、上述したカメラを自車両10の後方に取り付け、当該カメラにより得られた後方の他の車両10’の映像を、自車両10の前方に投射して表示することもできる。なお、これによれば、自車両10の停止時などにおいて、運転者は、後へ振り返ることなく、簡単に、後方の状況を確認することができ、便利であろう。
【0064】
加えて、
図24にも示すように、自車両10の後方に取り付けたカメラにより得られた後続の他の車両10’の映像から、ECU40は、当該後続の他の車両との車間距離や走行速度、閾値に応じて、後続車両に対する警告を表示することもできる。即ち、走行速度から両車両間の車間距離が接近し過ぎていると判断した場合には、例えば、赤色の矢印を自車両10の後方に表示し(
図24(A)を参照)、そこまで接近してはいないが、注意すべき距離であると判断した場合には、例えば、黄色の矢印を表示する(
図24(B)を参照)。十分な車間距離であると判断した場合には、表示は行わない(
図24(C)を参照)。
【0065】
上記で述べた種々の例においては、映像投射装置500からの映像光は、自車両10周辺の路面等に投射されるものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、例えば、映像投射装置500の投射領域において、一部の対象物に対して強調表示を行うことも可能である。
【0066】
一例として、
図25に示すように、自車両10の前方に取り付けたカメラなどの路面センサーからの映像信号に基づいて、ECU40が進行方向の障害物(本例では立木)を検出する(
図25(A)および(B)を参照)。そして、映像投射装置500により映像光を投射する際、当該障害物(本例では立木の幹)の部分だけを、例えば、ブリンキング等の強調表示を行って、当該障害物を選択的に表示して、運転者に注意を喚起する(
図25(C)を参照)。なお、
図25(B)では、映像投射装置500から投射される映像光206の立木の近傍における縦方向の表示範囲を薄い網掛けで示しており、
図25(C)では、ブリンキングをONする領域を濃い網掛けで示している。なお、ECU40が障害物と判断しない場合には、ブリンキングはOFFとする(
図25(D)を参照)。
【0067】
更には、
図26に示すように、自車両10が赤外線の照射により検出された歩行者や対向車10’に対して、映像光206の領域の対応する部分だけを、ピンポイントで、その表示色を変える(例えば、赤色)等の強調表示を行うこともできる。なお、強調表示の方法としては、その他、障害物上、および/または、その周囲に投射される映像光の輝度を変調したり、点滅したりすることが考えられる。また、アニメーションなどを利用してもよい。なお、上述した障害物の強調表示を行う対象(例えば、立木等)は、自車両10が移動しても、その表示位置は移動しない。なお、障害物のみならず、マンホールの蓋や輪留めなど、危険性のある対象物に対して同様の表示をしてもよい。
【0068】
ここで、以上の説明では、上述した各種情報の映像投射装置500(
図5を参照)による表示は、その必要に応じて行われるものとして説明したが、特に、自車両10の前後に表示される情報等については、前方または後方の他車両との車間距離が十分に離れていない場合には、有効な表示を行うことができない。そこで、ここでは図示しないが、上述したカメラやセンサー等を利用して車間距離を検出し、十分な車間距離が保たれている場合にのみ投射映像の表示を行い、所定の車間距離よりも近接している場合には、表示を停止することも可能である。
【0069】
更に、上述した
図20に関連し、路面などの形状や反射率を補正し、見やすい、視認性に優れた映像を表示するための詳細について、以下に述べる。
【0070】
まず、路面形状の歪(凹凸)に対しては、例えば、
図27(A)および(B)にも示すように、自車両10の前方に取り付けられた映像投射装置により、路面上へ、投射映像200の中に格子状のパターンを挿入した映像201を投射する。一方、自車両10に取り付けられたカメラ61により自車両前方の映像を取り込み、当該映像を上述したECU40により所定の画像処理を行うことによって路面の歪を検知し、当該検知した路面の歪に対応して投射映像を補正することによれば、路面の歪にもかかわらず、歪のない、見やすい、視認性に優れた映像をえることができる。しかしながら、そのためには所定の時間が必要であることから、リアルタイムでかかる処理を行うことは困難である。
【0071】
そこで、
図28のフローチャートにも示すように、自車両の走行速度に応じて、適宜、上述した歪補正処理のON・OFFを切り替える。なお、その際には、投射する映像の種類も、切り替えの条件とする。これは、例えば、表示情報が文字である場合には、運転者の注意がその解読にとられてしまい、安全運転には好ましくないことを考慮した。
【0072】
具体的には、図にも示すように、路面投射ON信号を受信すると(S2801)、自車両は停止中か否かを判定する(S2802)。その結果、停車中である(「YES」)場合には、上述した歪補正処理(詳細については以下に述べる)を行う。他方、停車中でない(「NO」)場合には、更に、自車両の走行速度が設定速度よりも小さいか否かを判定し(S2803)、その結果、設定速度よりも小さい(「YES」)場合には、上述した歪補正処理を行う。他方、設定速度よりも大きい(「NO」)場合には、投射映像は文字か否か(または、文字が含まれているか否か)を判定する(S2804)。その結果、投射映像が文字である(「YES」)場合には、上記の路面投射ON信号をOFFに切り替える(S2805)。投射映像が文字でない(「NO」)場合には、上記路面投射ON信号の切り替えは行わない(S2806)。
【0073】
なお、上記判定(S2802)で停車中(「YES」)の場合、および、上記判定(S2802)で走行速度が設定速度よりも小さい(「YES」)場合に実行される歪補正処理では、まず、歪検出用映像である、即ち、上述した投射映像200の中に格子状のパターンを挿入した映像201を投射する(S2807)。その後、上述したカメラによって撮影し、投射映像200中に挿入した格子状パターンと、カメラにより撮像された画面中の格子状パターンとの比較を行う(S2808)。その後、判定(S2809)により、カメラ撮像画面中の格子状パターンの歪が所定の値(閾値)よりも大きい(「YES」)と判断された(即ち、歪が大き過ぎて補正できない)場合には、上記路面投射ON信号をOFFに切り替える(S2810)、即ち、路面投射を停止する。他方、歪が所定の値(閾値)よりも小さい(「NO」)と判断された場合には、路面投射映像に対して補正を行い(S2811)、上記路面投射ON信号の切り替えは行わず(S2812)、路面投射を行う。なお、以上に述べた処理は、例えば、上記で
図4にも示した配光制御ECU40のCPU(中央演算装置)41等により実施すればよい。
【0074】
以上からも明らかなように、上記の実施例では、基本的には、停車中を含めて安全な運転を確保できる程度の速度においてのみ映像を投射すると共に、特に、投射映像に文字が含まれている場合には、映像の表示を抑制するようにした。また、映像を投射する路面上の歪が大き過ぎる(歪量>閾値)場合には、映像の路面上への投射を停止する。これは、歪量が大きくなると、補正後の映像において視点位置の異なる対象者(観察者)における映像歪も大きくなることから、敢えて映像の表示を停止することとしたものである。
【0075】
また、路面の色や横断歩道などのパターンによっても、投射映像の明るさや色味が意図したものから外れてしまう現象が生じる。かかる場合には、路上に映像を投射した運転者の意図が正しく周囲に伝達できなくなる可能性がある。そこで、後にも詳述する実施例では、投射映像の路面上での色や照度の不均一(所謂、ムラ)の分布を検出することにより、映像を投射する路面上の各位場所での明るさ補正や色バランス補正を行い、もって、見やすい、視認性に優れた映像をえることにより、運転者の意図する映像を路面上に照射することを可能にする。
【0076】
上記路面形状の歪(凹凸)に関しては、具体的には、上記
図27にも示した歪検出用映像、即ち、自車両10の前方に取り付けられた映像投射装置から路面上へ投射される格子状パターンを挿入した映像201(
図29(A)を参照)に加えて、ここでは図示しないが、全白表示の画像(R、G、Bの色光を含んだ画像)を路面に投射してもよい。なお、この全白表示の画像は、上記格子状パターンを挿入した映像201と共に、間欠的に、路面上に投射され、後にも述べるように明るさ補正に使用してもよい。
【0077】
なお、これによれば、上述したカメラ61(上記
図27を参照)により得られた撮像画面から、路面上における照度ムラから明るさの分布を検出し、また、色ムラから各色の照度バランスを検出することが可能となり、それらの検出結果に基づいて、映像を投射する路面上での各場所での明るさ補正と色バランス補正を行うことで、運転者が意図した映像の路面上での表示が可能となる。なお、上記では、格子状パターンを挿入した映像201と共に、間欠的に、全白表示の画像を表示するものとして説明したが、本発明はこれにのみ限定されることなく、例えば、R、G、Bの色光を、それぞれ、例えば、順番に挿入し、または、間欠的に挿入するようにしても、上記と同様の効果が得られることは、当業者にとっては自明であろう。
【0078】
また、上述した映像投射装置は、映像の投射面である路面に対して傾斜し、所謂、斜め投射により映像を表示した場合、当該映像投射装置と路面との関係、即ち、路面との相対角度(傾斜角度)により、サイズが大きく変化して投射画像が歪んでしまう。そのため、映像投射装置と路面とは、互いに平行な状態となっていることが好ましい。
【0079】
例えば、自車両10が路面に対して平行である場合には、
図29(A)にも示すように、投射映像に挿入された格子状パターンは、歪みなく表示される(本来の形状)。これに対し、
図29(B)にも示すように、自車両10が路面に対して傾斜、特に、走行方向に対する横方向において左側に傾いている場合には、映像投射装置から路面上に投射して表示される映像は、本来の形状から外れて変形され、歪んでしまう。また、右側に傾いた場合にも、
図29(C)に示すように、同様に、映像は歪んでしまう。なお、ここでは、投射映像に挿入される映像として、格子状パターンについて述べたが、これに代えて、矩形状の画像または単なる矩形の枠を利用することによっても、同様に、路面の歪みを検出することができることは言うまでもない。
【0080】
更には、
図30にも示すように、自車両10は、通常、走行方向においても、路面に対して平行に設置される(
図30(A)を参照)ことが求められる。しかしながら、例えば前方に傾く(
図30(B)を参照)、または、後方に傾く(
図30(C)を参照)場合も考えられる。このように車体が前後に傾斜した場合にも、映像投射装置から路面上に投射して表示される映像は、本来の形状(矩形)から後方に縮小し、または、前方に拡大してしまい、やはり、変形により歪んでしまう。
【0081】
そこで、例えば、自車両の起動時などの映像表示前において、上述した矩形状や格子状の映像パターンを挿入し、路面上に投射された映像を上述したカメラ61(上記
図27を参照)により撮像して所定の画像処理を行うことによれば、映像投射装置の、更には、自車両の路面に対する傾き(走行方向および横方向の傾き)を検出することできる。このようにして検出した路面に対する傾き(走行方向および横方向の傾き)により、映像投射装置と路面の傾きの補正を行うことによれば、やはり、歪のない、見やすい、視認性に優れた映像をえることができる。このように検出した路面に対する傾き(走行方向および横方向の傾き)によれば、更に、ヘッドライトのオートレベリング機能と同様に、自車両内に設置されたアクチュエータ等による車体の姿勢制御にも利用することができる。
【0082】
また、上記
図21には、カメラなどの路面センサーを利用してECU40で実行される映像の表示または非表示の判断を行うフローを示している。そこでは、映像を表示するに十分な道幅があるか否かを判断し、映像を表示するに十分な道幅があると判断された場合に映像を表示し、他方、映像を表示するに十分な道幅がないと判断された場合は、映像を表示しない一例について述べた。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、以下に述べるような表示も可能である。
【0083】
より詳細には、路上に所望の映像を投射する前に、例えば、
図31(A)にも示すように、道幅が十分に広いような場所では、格子状のパターンを挿入した映像201を投射し、カメラで投射映像と実映像を比較することにより、路面左右前方の壁や障害物の存在を検出することが可能となる。しかしながら、実際には、投射しようとする映像サイズに対して、
図31(B)にも示すように、検出した壁等の障害物が表示とオーバーラップする際には、映像を非表示とすることが、あるいは、
図31(C)にも示すように、投射する映像を縮小することが考えられる。
【0084】
更に、
図32には、狭い路地等で対向車10’(障害物)と出会った場合の様子を示している。なお、ここでは、図に矢印で示すように、映像投射装置から投射して表示する映像の領域(図の太線を参照)を、路上に表示できる範囲に限って(図の破線を参照)、または、縮小して表示する。
【0085】
図33には、上述した場合における処理フローの一例を示す。まず、路面投射ON信号を受信すると(S3301)、上述した格子状のパターンのような、所謂、道路幅/障害物検出用映像を投射映像に挿入し、映像投射装置から路面上に投射する(S3302)。その後、路面上に投射した映像を上記カメラで撮影し、撮影した投射映像の幅が道路の幅よりも大きいか否かを判定する(S3303)。その結果、投射映像の幅が道路の幅よりも大きい(「YES」)と判定された場合には、映像の路面投射を停止(OFF)にする(S3304)。
【0086】
一方、投射映像の幅が道路の幅よりも小さい(「NO」)と判定された場合には、上記カメラでの撮影画像を利用して、路面上に障害物があるか否かを判定する(S3305)。その結果、路面上に障害物がない(「NO」)場合には、映像の路面投射を実行(ON)する(S3306)。他方、障害物がある(「YES」)場合には、更に、当該障害物を避けて映像の表示が可能か否かを判定する(S3307)。そして、障害物を避けて表示できる(「YES」)場合には、路面における投射位置を修正し(S3308)、その後、路面投射を実行(ON)する(S3309)。なお、以上に述べた処理は、上記で
図4にも示した配光制御ECU40のCPU(中央演算装置)41等により実施すればよい。
【0087】
また、上記の
図24では、後続の他の車両との車間距離や走行速度、閾値に応じて後続車両に対する警告を表示することについても述べたが、以下には、更に、その詳細について述べる。
【0088】
一般的に、安全な車間距離としては、危険を察知してから停止するために、時速60km/hまでは走行速度から15mを減算した値が必要と言われている。そこで、車速パルスから自車両の走行速度を算出し、自車両の後方に取り付けられたカメラより後続車両との距離を算出する。必要な車間距離に対して不足している場合には、投射映像として赤色の矢印を表示し、後続車両に対して警告を行うと共に、例えば、必要な車間距離に対して1割しか余裕がない場合には、黄色の矢印で注意を促す。また、後続車との車間距離については、上記のカメラに代え、レーザーレーダを用いて検出してもよい。
【0089】
また、路面の状態によっても、車の停止距離は変化する。一般的に、降雨時においては、通常時の1.5倍車間距離が必要であり、更に、路面凍結時においては、通常時の3倍車間距離が必要となる。よって、前述の走行速度から算出する必要車間距離の設定は、周囲環境に応じて変更することが望ましい。例えば、降雨の検知は、通常、赤外線センサーを用いて行うことができ、具体的には、窓ガラスへの雨滴の付着による反射の変化を検知することで実現することができる。また、路面の凍結については、路面の鏡面反射度により検知することが可能である。即ち、通常の路面では、表面の凹凸による拡散反射成分が強くなっているが、凍結時には、表面に氷の膜が形成されることから、鏡面反射成分が強くなる。その結果、例えば、対向車が照射するヘッドライトの正反射が強くなることから、路面反射光量を検知することで、凍結状態を検知することが可能となる。なお、これらの安全/注意車間距離のデータについては、予めテーブルとしてメモリ内に格納しておく。
【0090】
以上の説明では、特に、自車両の後方の他車両との車間距離が十分に離れていない場合には、有効な表示を行うことができないことから、車間距離を検出し、十分な車間距離が保たれている場合にのみ投射映像の表示を行い、所定の車間距離よりも近接している場合には、表示を停止することについて述べた。しかしながら、これに限らず、
図34にも示すように、自車両10と前方の他車両10’との間に十分な車間距離がない場合には、有効な表示を行うことができない。なお、
図34(A)は十分な車間距離がある場合を、
図34(B)は車間距離が不十分な場合を、
図34(C)は車間距離がほとんどない場合を示している。
【0091】
ここでは、上述した後続車両に対する警告を実施するための処理フローの一例について、
図35に示す。図において、まず、自車両と後続車両との間の車間距離を検出する(S3501)。次に、自車両の走行速度を検出する(S3502)。更に、上述した降雨センサーにより降雨の有無を検出する(S3503)。加えて、上述した原理に基づく路面凍結センサー等により路面の凍結を検出する(S3504)。その後、これらの検出結果により、上述したテーブルから必要な安全/注意車間距離を検索し、それぞれを設定する(S3505)。
【0092】
その後、上記で検出した車間距離が上記で設定した安全車間距離よりも小さいか否かを判定する(S3506)。その結果、安全車間距離よりも大きい(「NO」)と判定された場合には、更に、注意車間距離よりも小さいか否かを判定する(S3507)。他方、当該判定(S3506)で安全車間距離よりも小さい(「YES」)と判定された場合には、既述の後続車両への警告映像の路面上への投射を実施(ON)する(S3510)。
【0093】
一方、上記判定(S3506)で安全車間距離よりも大きい(「NO」)と判定されたが、判定(S3507)では注意車間距離よりも小さい(「YES」)と判定された場合は、上記の警告映像に代えて、後続車への注意映像を路面に投射(ON)する(S3508)。そして、上記判定(S3506)では安全車間距離よりも大きい(「NO」)と、更に、判定(S3507)でも注意車間距離よりも大きい(「NO」)と判定された場合には、上述した後続車両への安全/注意情報の表示を停止(OFF)する(S3509)。なお、以上に述べた処理は、上記で
図4にも示した配光制御ECU40のCPU(中央演算装置)41等により実施すればよい。
【0094】
上述した後続車両に対する警告に加えて、映像を投射するためには、少なくとも1車両分以上の空間がないと、表示する映像によっては十分な表示ができない。よって、前方車両、および、後方車両との車間距離が表示される映像に対して狭い際には、映像表示を非表示とすることが望ましいことが分かった。例えば、10m先の路面上に4m幅の映像を表示した場合、例えば、身長170cmの被対象者からは、10m先に600mm角の映像として観察される。その際、裸眼にて0.1以上の視力があれば、10m先で30mm以上のサイズまで認識できるので、文字表示に必要な16×16以上の精細度での表示が可能となることが分かる。
【0095】
上述した知見に基づいて路面上への映像投射を実施するための処理フローの一例を
図36に示す。図においては、まず、路面投射ON信号を受信すると(S3601)、投射する映像は自車両の前方に表示されるか否かを判定する(S3602)。
【0096】
上記の判定の結果、表示される映像が自車両の前方に表示される映像である(「YES」)と判定された場合には、次に、前走車と自車両の間の車間距離を検出する(S3603)。続いて、自車両の前方に投射される映像のサイズが上記で検出された車間距離よりも大きいか否かを判定する(S3604)。その結果、映像のサイズが車間距離よりも大きい(「YES」)場合には、映像の路面への投射を停止(OFF)する(S3605)。他方、車間距離より小さい(「NO」)場合には、映像の路面への投射を実行(ON)する(S3606)。
【0097】
一方、上記の判定(S3602)の結果、表示される映像が自車両の後方に表示される映像である(「NO」)と判定された場合には、後走車と自車両の間の車間距離を検出する(S3607)。続いて、自車両の後方に投射される映像のサイズが上記で検出された車間距離よりも大きいか否かを判定する(S3608)。その結果、映像のサイズが車間距離よりも大きい(「YES」)場合には、映像の路面への投射を停止(OFF)し(S3609)、他方、車間距離より小さい(「NO」)場合には、映像の路面への投射を実行(ON)する(S3510)。
【0098】
なお、上記に述べた実施例においては、例えば、路面の歪みの検出、または、障害物の検知ために投射映像に挿入される映像として、例えば、格子状パターン、矩形状の画像、または、単なる矩形の枠について述べた。その場合には、「AM1.5」と呼ばれるスペクトル強度の光である、1.4μmの波長を中心とする波長帯の光を利用することが好ましい。これは、大気圏外での太陽光は、その一部の波長成分が大気中の成分により吸収されて地上には到達せず、「AM1.5」と呼ばれるスペクトル強度は、その一部のスペクトル成分が低下または除去され、特に、近赤外領域の1.4μmの波長を中心とする波長帯での強度はほぼ零(0)となっている。即ち、自車両が走行する地上では、太陽光には上記AM1.5は含まれていないことによる。即ち、かかる光を利用することによれば、太陽光に影響されることなく、安定して路面状態情報を求めることが可能となる。
【0099】
加えて、上記でも述べた投射映像の明るさの補正について、以下に
図37を参照しながら詳細に説明する。なお、この図のフローチャートの処理は、上記と同様に、上記
図4にも示した配光制御ECU40のCPU(中央演算装置)41等により実施すればよい。
【0100】
まず、路面投射ON信号を受信すると(S3701)、その後、路面照度検出用映像を路面に投射する(S3702)。この路面照度検出用映像とは、上述した全白表示の画像(R、G、Bの色光を含んだ画像)である。更に、この全白表示時に、カメラによって撮影された画像から、路面照度の不均一性(所謂、バラツキ)を検出する(S3703)。続いて、検出した照度のバラツキ(または、各々の値)を所定の閾値と比較する(S3704)。
【0101】
上記の比較の結果、照度のバラツキが閾値より大きい(「YES」)場合は、更に、当該照度のバラツキが限界値よりも大きいか否かを判定する(S3705)。なお、限界値とは、映像投射装置の光源により補正が可能な範囲の限界の値である。その結果、限界値よりも大きい(「YES」)と判定された場合には、映像の路面上への投射を停止(OFF)する(S3706)。
【0102】
一方、限界値よりも小さい(「NO」)と判定された場合には、路面上に投射される映像の照度補正を行い(S3707)、そして、上記比較(S3704)で照度のバラツキが閾値より小さい(「NO」)場合と同様に、映像の路面上への投射を実行(ON)する(S3708)。
【0103】
以上の実施例によれば、見やすい、視認性に優れた映像を得ることにより、運転者の意図する映像を路面上に確実かつ明確に照射することを可能にする。そして、上記路面照度検出用映像として、上述した全白表示の画像に代え、赤(R)、緑(G)、青(B)の単色のパターンを利用して、上述した投射映像の明るさの補正を行う(例えば、順次)ことによれば、各色のバラツキをそれぞれ検出することでき、これによれば、色ずれ補正を行うことも可能となる。
【0104】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0105】
10…自車両(乗用車)、10’…他車両、11…ヘッドライト、12…窓部、13、13’…テールランプ、14…サイドミラー、40…配光制御ECU、51…方向指示器センサー、52…ハンドル操舵角センサー、53…シフトポジションセンサー、54…車速センサー、55…アクセル操作センサー、56…ブレーキ操作センサー、57…照度センサー、58…色度センサー、59…エンジン始動センサー、60…ハザードランプセンサー、61…カメラ、62…画像処理部、63…GPS受信部、64…地図情報出力部、66…ヘッドライトセンサー、67…ハイ/ローセンサー、68…ドアノブセンサー、69…ドアロックセンサー、70…人感センサー、71…トランスミッションセンサー、100…投映器、110…投映信号出力部、120…制御部、500…映像投射装置、501…投射光学系、502…表示素子、503…表示素子駆動部、504…照明光学系、505…光源、531…映像信号入力部、533…音声信号入力部、532…通信部。