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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-26
(45)【発行日】2023-10-04
(54)【発明の名称】リール着脱装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022508717
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2020012069
(87)【国際公開番号】W WO2021186632
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 正隆
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204858(JP,A)
【文献】特開2014-197594(JP,A)
【文献】特開平05-175686(JP,A)
【文献】国際公開第2019/229958(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/142336(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収容したテープを送出部の駆動により送り出して前記部品を供給するフィーダに対し、前記テープが巻回されたリールを着脱するリール着脱装置であって、
前記送出部の駆動が可能に前記フィーダがセットされるフィーダセットユニットと、
前記リールを軸回りに回転させる回転部を有し、前記フィーダセットユニットに対して相対移動して前記リールを移載可能なリール移載ユニットと、
前記フィーダに装着された前記リールの前記テープを保持可能な保持部と、
前記テープを切断可能な切断部と、
前記リールが取り付けられた前記フィーダが前記フィーダセットユニットにセットされた状態で、前記テープが巻き戻されて前記リールに巻回されるように前記送出部と前記回転部とを駆動してから前記部品を供給済みの部分で前記テープを保持して切断するように前記保持部と前記切断部とを駆動して、前記リールを前記フィーダから取り外すように、前記フィーダセットユニットと前記リール移載ユニットとを制御する取り外し制御を実行する制御装置と、
を備えるリール着脱装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリール着脱装置であって、
前記制御装置は、前記リールが取り外された前記フィーダが前記フィーダセットユニットにセットされた状態で、該フィーダに前記リールを取り付け、前記リールから前記テープの先端が前記送出部に送り出されるように前記保持部と前記回転部とを駆動し、該テープの先端が所定位置に到達するまで前記送出部を駆動するように、前記フィーダセットユニットと前記リール移載ユニットとを制御する取り付け制御を実行する
リール着脱装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリール着脱装置であって、
前記フィーダは、開状態で前記リールを着脱可能に露出する開閉カバーを有し、
前記フィーダセットユニットにセットされた前記フィーダの前記開閉カバーを開閉可能に構成され、開状態とした前記開閉カバーを前記フィーダセットユニットに対する他のユニットの相対移動に干渉しない位置で保持するカバー開閉ユニットを備える
リール着脱装置。
【請求項4】
部品を収容したテープを送出部の駆動により送り出して前記部品を供給するフィーダに対し、前記テープが巻回されたリールを着脱するリール着脱装置であって、
前記フィーダがセットされるフィーダセットユニットと、
前記フィーダに装着された前記リールの前記テープを保持可能な保持部と、
前記テープを切断可能な切断部と、
前記リールが取り付けられた前記フィーダが前記フィーダセットユニットにセットされた状態で、前記部品を供給済みの部分で前記テープを保持して切断するように前記保持部と前記切断部とを駆動する制御装置と、
を備えるリール着脱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、リール着脱装置およびフィーダ準備システムを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を収容したテープが巻回されたリールをフィーダから自動で着脱するものが提案されている。例えば、特許文献1には、フィーダから取り外したリールをリール保管庫に入庫したり、リール保管庫から出庫したリールをフィーダに取り付けたりすることが記載されている。これにより、作業者の手を煩わせることなく、リールの交換作業を行うことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-197594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなリールの交換作業の自動化を推進することは、生産効率を上げるために重要な課題といえる。ここで、リールが取り付けられるフィーダの数には限りがありフィーダが使い回されることが多いため、新たなリールを取り付ける際にはまずフィーダに取り付けられているリールを取り外す必要がある。その際、取り外したリールが、次に自動で取り付けられる際の効率が低下しないように、テープを適切に処理して取り外す必要がある。
【0005】
本開示は、リールの着脱を自動で行うものにおいて、リールの取り外しをより適切に行うことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のリール着脱装置は、
部品を収容したテープを送出部の駆動により送り出して前記部品を供給するフィーダに対し、前記テープが巻回されたリールを着脱するリール着脱装置であって、
前記送出部の駆動が可能に前記フィーダがセットされるフィーダセットユニットと、
前記リールを軸回りに回転させる回転部を有し、前記フィーダセットユニットに対して相対移動して前記リールを移載可能なリール移載ユニットと、
前記フィーダに装着された前記リールの前記テープを保持可能な保持部と、
前記テープを切断可能な切断部と、
前記リールが取り付けられた前記フィーダが前記フィーダセットユニットにセットされた状態で、前記テープが巻き戻されて前記リールに巻回されるように前記送出部と前記回転部とを駆動してから前記部品を供給済みの部分で前記テープを保持して切断するように前記保持部と前記切断部とを駆動して、前記リールを前記フィーダから取り外すように、前記フィーダセットユニットと前記リール移載ユニットとを制御する取り外し制御を実行する制御装置と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
本開示のリール着脱装置は、フィーダセットユニットにはテープの送出部の駆動が可能にフィーダがセットされるから、リールを取り外す際にテープの巻き戻しを速やかに行うことができる。また、リール移載ユニットの回転部により、テープをリールに適切に巻き戻すことができる。また、部品を供給済みの部分までテープを巻き戻して切断することで、次にリールを取り付ける際のテープの先端処理で部品に影響を及ぼすのを防止することができる。これらのことから、リールの取り外しをより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】部品実装システム1の概略構成図。
図2】フィーダ100の概略構成図。
図3】回収ドラム115の概略構成図。
図4】準備ライン20の一部の構成の配置を示す配置図。
図5】リール着脱装置30の概略構成図。
図6】リール着脱装置30の電気的な接続関係を示すブロック図。
図7】テープ接続部46の概略構成図。
図8】接続用テープ116とカバーテープ134とが接続された様子の説明図。
図9】カバー開閉ユニット50の概略構成図。
図10】リール移載ユニット60の概略構成図。
図11】リール移載ユニット60に取り付けられる押し回し盤67の概略構成図。
図12】ドラムセットユニット70の概略構成図。
図13】固定ユニット71の概略構成図。
図14】移動ユニット81の概略構成図。
図15】テープカットユニット90の概略構成図。
図16】テープカットユニット90の拡大構成図。
図17】リール取り外し処理の一例を示すフローチャート。
図18】リール取り付け処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の部品実装システム1の概略構成図である。部品実装システム1は、基板への部品の実装などを行う実装ライン10と、部品の供給の準備などを行う準備ライン20と、システム全体を管理する管理装置2とを備え、これらが工場内などに設置されている。管理装置2は、図示しないCPUやROM,RAM,HDDを備えるコンピュータとして構成されており、実装ライン10の各装置に実装に関する情報や指示を出力したり、準備ライン20の各装置に準備に関する情報や指示を出力したりする。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1に示した通りとする。
【0011】
実装ライン10は、図1に示すように、基板上にはんだを印刷する印刷装置12と、印刷されたはんだの状態を検査する印刷検査装置14と、部品を基板上に実装する実装装置16とを備える。実装装置16は、基板の搬送方向(X軸方向)に沿って複数並べて設置され、部品供給用の複数のフィーダ100を前面に装着可能となっている。各実装装置16は、装着されたフィーダ100から供給される部品を採取して基板に実装するように構成されている。また、実装ライン10は、複数の実装装置16のうち基板の搬送方向で最も上流側の実装装置16と印刷検査装置14との間に設置されたフィーダ置き場18と、複数の実装装置16の前方およびフィーダ置き場18の前方を基板の搬送方向に沿って移動するローダ19とを備える。AGV(無人搬送車)4や作業者は、フィーダ置き場18に必要なフィーダ100を収容したり、フィーダ置き場18から不要なフィーダ100を回収したりする。また、ローダ19は、フィーダ置き場18から必要なフィーダ100を取り出して実装装置16に補給したり、各実装装置16から不要なフィーダ100を回収してフィーダ置き場18に戻すように構成されている。なお、実装ライン10が、これらの他に、部品が実装された基板のリフロー処理を行うリフロー装置などを備えてもよい。
【0012】
ここで、図2は、フィーダ100の概略構成図である。フィーダ100は、部品を収容したテープ130が巻回されたリール120が本体101に着脱可能に取り付けられ、テープ130を送り出すことにより部品を供給する。なお、リール120には、リール120のIDやテープ130が収容している部品種の情報などを示すラベル122が貼り付けられている。テープ130は、長手方向に所定間隔で複数のキャビティ(凹部)が形成され各キャビティに部品が収容されるボトムテープ132と、ボトムテープ132の表面を覆うように貼着されたカバーテープ134とにより構成される。なお、テープ130は、長手方向に等間隔で係合穴が形成されている。
【0013】
フィーダ100は、本体101と、テープ送り部102と、テープガイド104と、リールカバー106と、コネクタ108と、位置決めピン109と、テープ回収部110と、図示しない制御部とを備える。
【0014】
テープ送り部102は、テープ130の係合穴に係合する突起が外周に設けられたスプロケットと、スプロケットを駆動するモータ103(図6参照)とを備える。テープ送り部102は、テープ130をスプロケットに係合させた状態で、モータの正回転によりスプロケットを間欠回転させてテープ130を部品の供給位置に向けてピッチ送りする。また、テープ送り部102は、モータの逆回転によりテープ130をリール120側に巻き戻すこともできる。テープガイド104は、本体101の上部に設けられ、テープ130から剥離されたカバーテープ134が折り返してテープ回収部110に向かうようにガイドすると共に、カバーテープ134が剥離されたボトムテープを部品の供給位置までガイドする。なお、テープガイド104は、本体101に対して僅かに上下動(開閉)可能に構成されている。リールカバー106は、本体101の下縁部に開閉可能に設けられており、閉状態でリール120が脱落しないように覆い、開状態(図2の状態)でリール120を着脱可能に露出する。コネクタ108および位置決めピン109は、本体101の端面から突出するように設けられている。図示は省略するが、実装装置16やフィーダ置き場18などのフィーダ台には、コネクタ108が接続可能なコネクタと位置決めピン109が係合可能なピン穴とが設けられている。このため、フィーダ100がフィーダ台に装着されると、コネクタ108がフィーダ台のコネクタに接続されると共に位置決めピン109がピン穴に係合する。フィーダ100の図示しない制御部は、コネクタの接続を介して実装装置16の制御部などと通信可能となり、部品の供給指示を受けてテープ130をピッチ送りするようにテープ送り部102を制御する。
【0015】
テープ回収部110は、テープ130から剥離されたカバーテープ134を回収するものであり、一例として回収ドラム115を用いてカバーテープ134を巻き取りながら回収するタイプ(第1のタイプ)を示す。テープ回収部110は、円環状の回収ドラム115が着脱可能に取り付けられ図示しないモータにより回転するドラム軸111と、テープガイド104で折り返したカバーテープ134を回収ドラム115まで誘導する誘導経路を形成する複数のガイドピン113とを備える。図3は、回収ドラム115の概略構成図であり、回収ドラム115は、円環状のドラム本体115aから延びる接続用テープ116を備える。接続用テープ116は、先端に固定された固定片117と、両基端部が固定片117の端面に取り付けられたU字状のループ118と、ループ118の延在方向(図3の矢印方向)に沿ってスライド可能に取り付けられたスライド片119とを備える。後述するように、スライド片119のスライドにより、接続用テープ116のループ118がカバーテープ134と接続される。テープ回収部110は、回収ドラム115が取り付けられたドラム軸111をモータの駆動により回転させることで、接続用テープ116と共にカバーテープ134を巻き取って回収する。なお、この他に、例えば一対のギヤがカバーテープ134を挟んで回転することで、カバーテープ134を引き込みながら回収するタイプ(第2のタイプ)などがあるが、周知の構成であるため説明を省略する。
【0016】
準備ライン20は、図1図4に示すように、リール自動収納庫22と、リール移載ロボット24と、リール置き場25と、フィーダ収納庫26と、フィーダ置き場28と、ローダ29と、リール着脱装置30とを備える。リール自動収納庫22は、前方に設けられた受け台22aに載置されたリール120を自動で収納して庫内に保管したり、庫内から必要なリール120を自動で取り出して受け台22aに載置したりするように構成されている。リール移載ロボット24は、垂直多関節型のロボットアームを備える。リール移載ロボット24は、作業者によりリール置き場25に置かれたリール120をリール自動収納庫22の受け台22aに移載したり、受け台22aに払い出されたリール120をリール着脱装置30内に移載したりする。AGV4や作業者は、実装ライン10から回収したフィーダ100をフィーダ置き場28に戻したり、フィーダ置き場28から必要なフィーダ100を取り出して実装ライン10のフィーダ置き場18に収容する。ローダ29は、複数のフィーダ収納庫26の前方およびフィーダ置き場28の前方を移動し、フィーダ置き場28からフィーダ100を取り出してフィーダ収納庫26に収容したり、フィーダ収納庫26からフィーダ100を取り出してフィーダ置き場28に収容する。また、ローダ29は、リール120の着脱対象のフィーダ100をリール着脱装置30内に移載する。なお、図1では、リール置き場25として、使用済み(部品切れ)のリール120の置き場と、新たなリール120の置き場との2つを例示する。
【0017】
リール着脱装置30は、リールセット台35と、制御装置39と、フィーダセットユニット40と、カバー開閉ユニット50と、リール移載ユニット60と、ドラムセットユニット70と、テープカットユニット90とを備え、これらが基台31に設けられている。
【0018】
リールセット台35は、図5に示すように、ベース36と、支持ピン37とを備える。ベース36は、基台31の上板32に垂直に立設するように固定された平板状部材である。支持ピン37は、ベース36の図中右側の板面から垂直に立設し、リール120の中心穴に挿通可能な軸状部材である。このリールセット台35には、リール移載ロボット24やリール移載ユニット60により、リール120の中心穴が支持ピン37に挿通されるようにリール120が着脱可能にセットされる。
【0019】
フィーダセットユニット40は、基台31の上板32に固定されたベース40aに、リール120の着脱対象のフィーダ100がローダ29により移載される。ベース40aは、実装装置16などのフィーダ台と同様に、フィーダ100のコネクタ108が接続可能なコネクタと位置決めピン109が係合可能なピン穴とが設けられている。このため、制御装置39は、コネクタの接続を介して、フィーダセットユニット40に取り付けられているフィーダ100の制御部と通信してテープ送り部102を制御可能となる。
【0020】
また、フィーダセットユニット40は、図6に示すように、ガイド開閉部42と、テープ引出部44と、テープ接続部46とを備える。ガイド開閉部42は、図示は省略するが、テープガイド104を左右から挟むクランプと、クランプを開閉させる開閉シリンダと、クランプを昇降させる昇降シリンダとを備え、クランプでテープガイド104を左右から挟んで上下に昇降させる。テープ引出部44は、フィーダ100に取り付けられたリール120のカバーテープ134の先端を掴むクリップと、クリップを移動させる移動部と、クリップに接続されたワイヤーを介してクリップを開閉させるアクチュエータとを備える。テープ引出部44は、ガイド開閉部42によりテープガイド104が上方に位置している状態でクリップをテープガイド104内に進入させ、カバーテープ134の先端を掴ませてクリップを退出させることにより、カバーテープ134を引き出す。
【0021】
図7はテープ接続部46の概略構成図である。テープ接続部46は、固定クランプ部47と、移動クランプ部48と、スライド部49とを備える。固定クランプ部47は、接続用テープ116の固定片117をクランプする一対のクランプ部材47a,47bと、クランプ部材47aを昇降させることでクランプとクランプの解除とを行うクランプシリンダ47cとを備える。移動クランプ部48は、接続用テープ116のスライド片119をクランプする一対のクランプ部材48a,48bと、クランプ部材48aを昇降させることでクランプとクランプの解除とを行うクランプシリンダ48cとを備える。スライド部49は、移動クランプ部48のクランプシリンダ48cに連結されたスライドブロック49aと、スライドブロック49aと共に移動クランプ部48をスライドさせるスライドシリンダ49bとを備える。テープ接続部46は、図7Aに示すように、固定クランプ部47が固定片117をクランプすると共に移動クランプ部48がスライド片119をクランプした状態とする。この状態で、フィーダセットユニット40は、テープ引出部44により引き出されたカバーテープ134の先端をループ118内に挿入させる。そして、テープ接続部46は、図7Bに示すように、スライドシリンダ49bの作動により、移動クランプ部48をループ118の先端部側に移動させてループ118を縮めることでカバーテープ134が抜けないようにループ118と連結する。このようにして、接続用テープ116とカバーテープ134とが接続された状態となる(図8参照)。
【0022】
カバー開閉ユニット50は、図9に示すように、ベース50aと、支柱52と、回動板53と、吸着盤54と、モータ55と、プーリ56とを備える。ここで、基台31の上板32には、フィーダセットユニット40の正面側(右側)に開口32a(図4参照)が形成されている。カバー開閉ユニット50は、矩形平板状のベース50aの四隅に立設した4つの支柱52が、その開口32aの縁に固定されることで上板32の下方に配設される。回動板53は、略T字状に形成されており、基端部がベース50aに回動可能に支持されると共に先端部の両端に吸着盤54が取り付けられている。モータ55は、ベース50aに取り付けられ、プーリ56を介して駆動力を伝達して回動板53を回動させる。吸着盤54は、例えば真空ポンプなどの負圧源にチューブを介して接続され、真空ポンプの作動の有無により吸着の有無を切り替える。カバー開閉ユニット50は、モータ55の正回転により回動板53がベース50aに対して略直交するまで回動すると、吸着盤54がフィーダ100のリールカバー106に当接する。その状態でカバー開閉ユニット50は、真空ポンプの作動により吸着盤54にリールカバー106を吸着させてから、モータ55を逆回転させることにより回動板53を回動させて、開口32a内に収めるようにリールカバー106を開くことができる。
【0023】
リール移載ユニット60は、図10に示すように、スライドベース60aと、支持ピン61と、拡径シリンダ61aと、モータ62と、押し込み板63と、押し込みシリンダ63aと、チャック64と、チャックシリンダ64aと、ガイドピン65と、カッター66、カッターシリンダ66aとを備える。スライドベース60aは、上板32に配設されたスライドユニット33によりX軸方向およびY軸方向にスライド可能となっている。スライドユニット33は、スライド方向に敷設されたスライドレールと、モータなどのアクチュエータの駆動によりスライドレールに沿ってスライドするスライダなどを備える周知の構成である。支持ピン61は、例えば断面が半円形の二つの半円柱状部材を組み合わせて円柱状に構成されたピンであり、円柱状態でリール120の中心穴に挿入可能である。また、支持ピン61は、拡径シリンダ61aの作動により二つの半円柱状部材が互いに離間する方向に移動して外径が拡大されると、リール120の中心穴に嵌合してリール120を脱落しないように保持する。支持ピン61は、モータ62の駆動力が図示しないプーリを介して伝達されて軸回りに回転する。押し込み板63は、支持ピン61の配設箇所を切り欠くように形成された平板状部材であり、押し込みシリンダ63aの作動により支持ピン61の延在方向に沿って移動してリール120をフィーダ100などに押し込んで取り付ける。チャック64は、チャックシリンダ64aの作動により、リール120のテープ130の先端を保持する。ガイドピン65は、リール120のテープ130の先端がチャック64側に向かうようにガイドする。カッター66は、カッターシリンダ66aの作動によりテープ130の先端を切断する。
【0024】
また、リール移載ユニット60は、図11に示す押し回し盤67が支持ピン61に着脱可能に構成されている。この押し回し盤67は、リール120を押し回す際に用いられ、円柱状態の支持ピン61が中心穴に挿入可能な円盤状部材であって、盤面に複数の緩衝部材68が設けられている。緩衝部材68は、例えばウレタンゴムやスポンジなどにより形成された直方体状の部材であり、長手方向が径方向に延在するように設けられている。なお、支持ピン61は、拡径シリンダ61aの作動により外径が拡大された状態になると、押し回し盤67の中心穴に嵌合して押し回し盤67と一体的に回転可能となる。図示は省略するが、上板32の所定位置に押し回し盤67の置き場が設けられており、リール移載ユニット60は、置き場に移動して押し回し盤67を支持ピン61に取り付けたり、支持ピン61から押し回し盤67を取り外すことが可能である。
【0025】
ドラムセットユニット70は、図5図12に示すように、上板32に立設するように固定された固定ベース71aを備える固定ユニット71と、上板32に配設されたスライドユニット34によりX軸方向およびY軸方向にスライド可能なスライドベース81aを備える移動ユニット81とを備える。固定ユニット71は、図13に示すように、Y軸スライダ72と、モータ73(図6参照)と、プーリ74と、Z軸スライダ75と、モータ76と、プーリ77と、チャック78と、チャックシリンダ78aとを備える。Y軸スライダ72は、固定ベース71aの背面(図13の左面)に配設されたモータ73の駆動力がプーリ74を介して伝達されることにより、固定ベース71aの前面(図13の右面)をY軸方向(前後方向)に沿って移動する。Z軸スライダ75は、Y軸スライダ72に設けられており、モータ76の駆動力がプーリ77を介して伝達されることにより、Y軸スライダ72の前面に沿ってZ軸方向(上下方向)に移動する。チャック78は、Z軸スライダ75に設けられており、チャックシリンダ78aの作動により回収ドラム115の接続用テープ116を保持する。
【0026】
移動ユニット81は、図12図14に示すように、回転移載盤82と、モータ83と、ドラムチャック84と、チャックシリンダ84a(図6参照)と、ガイドピン85と、ピンシリンダ85a(図6参照)と、テープチャック86と、チャックシリンダ86aと、モータ87と、プーリ88とを備える。回転移載盤82は、回収ドラム115のドラム本体115aが着脱可能に取り付けられる支持軸82aを有する円盤状部材であり、モータ83の駆動により回転することでドラム本体115aを回転可能である。また、回転移載盤82は、周方向に等間隔を空けて径方向に延在する複数(例えば3つ)の長穴82bが形成されている。ドラムチャック84は、チャックシリンダ84aの作動により長穴82b内を移動する複数(3つ)のチャック爪を備え、チャックシリンダ84aの作動により各チャック爪が開閉して回収ドラム115を掴んだり離したりする。ガイドピン85は、移動ユニット81の左側面から固定ユニット71側に立設するように複数設けられている。複数のガイドピン85は、フィーダ100においてカバーテープ134を回収ドラム115まで誘導する誘導経路と同様の経路を形成可能となるように、少なくとも各ガイドピン113に対応する位置に設けられている。このため、ドラムセットユニット70は、接続用テープ116の先端を保持したチャック78を、Y軸スライダ72とZ軸スライダ75とによりガイドピン85が形成する経路に沿って移動させることでガイドピン85に接続用テープ116を這わせるように誘導して、フィーダ100における誘導経路と同様の経路を形成することができる。また、ガイドピン85の一部は、ピンシリンダ85aの駆動により移動してガイドピン85同士で接続用テープ116を保持可能となる。テープチャック86は、誘導経路を形成した接続用テープ116の先端をチャックシリンダ86aの作動により保持可能であり、モータ87の駆動力がプーリ88を介して伝達されてY軸方向に移動することで、保持した接続用テープ116の先端位置を調整可能である。
【0027】
テープカットユニット90は、図15図16に示すように、ベース90aと、切断台91と、テープ送り部92と、第1テープカッター95と、第2テープカッター96と、第3テープカッター97と、スライダ98とを備える。テープ送り部92は、テープ130の係合穴に係合する突起が外周に設けられたスプロケット93と、スプロケット93を駆動するモータ94とを備える。このテープ送り部92は、リール移載ユニット60のリール120から切断台91の右端を基準に送り出されたテープ130をスプロケット93に係合させた状態で、モータ94の正回転によりスプロケット93を回転させてテープ130を切断位置に向けて送る。
【0028】
第1テープカッター95は、テープ130の送り方向に対して直交する方向にはさみ状の切断刃が配置され、カッターシリンダ95aの駆動により作動させてテープ130を切断する。第2テープカッター96は、テープ130の送り方向に対して斜めに切断刃が配置され、カッターシリンダ96aの駆動によりテープ130の先端の右側をテーパ状に切断する。第3テープカッター97は、テープ130の送り方向に対して斜めに切断刃が配置され、カッターシリンダ97aの駆動によりテープ130の先端の左側をテーパ状に切断する。この第3テープカッター97は、切断台91の上方にX軸方向(左右方向)にスライドするスライダ98に設けられており、左右に移動可能となっている。このため、テープカットユニット90は、テープ130の幅に応じて第3テープカッター97の位置を調整することで、切断台91の右端を基準に送り出されたテープ130の先端の左側をテーパ状に切断することができる。なお、テープ130(カバーテープ134)の先端をテーパ状に切断することで先端をループ118に挿入する際の引っ掛かりを防止してスムーズに挿入することができる(図7参照)。
【0029】
制御装置39は、CPU39aやROM39b,RAM39cなどを備える。制御装置39には、リール着脱装置30の各ユニットからステータス情報などが入力され、管理装置2からリール移載ロボット24やローダ29のステータス情報やリール120の着脱指示などが入力される。制御装置39は、それらの情報や着脱指示に基づいて、リール着脱装置30の各ユニットに制御信号を出力して、フィーダセットユニット40にセットされているフィーダ100へのリール120の着脱を行う。なお、リール着脱装置30は、これらの構成以外に、フィーダ100に取り付けられたリール120のラベル122を撮像可能なカメラを備えてもよい。また、フィーダセットユニット40にセットされているフィーダ100からリール120を取り外す際に、テープ130を仮止め用テープで止める仮止め部を備えてもよく、リール120を取り付ける際に仮止め用テープを剥がす剥離部を備えてもよい。
【0030】
以下は、こうして構成されたリール着脱装置30の動作の説明である。図17はリール取り外し処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、リール120の取り外し対象のフィーダ100がフィーダセットユニット40にセットされた場合に、制御装置39により実行される。まず、制御装置39は、リールカバー106を開くようにカバー開閉ユニット50を制御する(S100)。上述したように、カバー開閉ユニット50がリールカバー106を開口32a内で保持するため、開状態のリールカバー106が他のユニットの移動や作業に干渉しないようにすることができる。次に、制御装置39は、リール移載ユニット60がフィーダセットユニット40に移動するようにスライドユニット33を制御する(S105)。なお、リール移載ユニット60は、押し回し盤67が支持ピン61に取り付けられた状態とする。続いて、制御装置39は、所定長さを確保してテープ130を巻き戻すように、フィーダセットユニット40にセットされているフィーダ100とリール移載ユニット60とを制御する(S110)。S110では、制御装置39は、フィーダ100のテープ送り部102が逆回転するように制御すると共に、押し回し盤67によりリール120を逆回転方向に押し回すようにリール移載ユニット60を制御する。なお、制御装置39は、S110が終わると、支持ピン61から押し回し盤67を取り外すようにリール移載ユニット60を制御する。
【0031】
ここで、回収ドラム115を用いる第1のタイプのフィーダ100では、次にリール120が取り付けられる際に接続用テープ116にカバーテープ134の先端を接続するから(図8参照)、リール120を取り外す際に確保が必要なテープ130(カバーテープ134)の長さは短くてよい。一方で、巻取りギヤを用いる第2のタイプのフィーダ100などでは、次にリール120が取り付けられる際に、カバーテープ134が巻取りギヤまで到達するのに必要な長さを確保する必要がある。本実施形態では、リール120が次にどのタイプのフィーダ100に取り付けられても対応できるように、S110では最も長さが必要なタイプ(ここでは第2のタイプ)に合わせた所定長さを確保した。
【0032】
テープ130を巻き戻すと、制御装置39は、テープ130をカットしてリール120をフィーダ100から取り外すようにリール移載ユニット60を制御する(S115)。なお、リール移載ユニット60は、カッター66をフィーダ100内に進入させてテープ130を切断する。次に、制御装置39は、リール移載ユニット60がリールセット台35に移動するようにスライドユニット33を制御し(S120)、取り外したリール120をリールセット台35にセットするようにリール移載ユニット60を制御する(S125)。リールセット台35にセットされたリール120は、テープ130に残部品があればリール移載ロボット24によりリール自動収納庫22の受け台22aに移載される。また、残部品のないリール120は、リール移載ロボット24により、使用済みのリール置き場25に移載されるか、上板32に形成された図示しない排出口から排出される。
【0033】
続いて、制御装置39は、フィーダ100が回収ドラム115を用いる第1のタイプであるか否かを判定する(S130)。制御装置39は、第1のタイプであると判定すると、ドラムセットユニット70の移動ユニット81がフィーダセットユニット40に移動するようにスライドユニット34を制御する(S135)。次に、制御装置39は、フィーダ100から回収ドラム115を取り外すように移動ユニット81のドラムチャック84を制御する(S140)。そして、制御装置39は、移動ユニット81が固定ユニット71前などの待機位置へ移動するようにスライドユニット34を制御する(S145)。制御装置39は、S130で第1のタイプでないと判定すると、S135~S145をスキップする。S140で取り外された回収ドラム115は、移動ユニット81が待機位置へ移動するまでの間に、上板32に形成された図示しない排出口からダストボックスなどに回収されるものとする。なお、作業者は、ダストボックスに回収された回収ドラム115からカバーテープ134を取り外して廃棄し、ドラムセットユニット70の移動ユニット81が回収ドラム115を受け取り可能な所定箇所にセットするものなどとすればよい。
【0034】
そして、制御装置39は、フィーダセットユニット40にセットされているフィーダ100にリール120を取り付けるか否かを判定する(S150)。制御装置39は、リール120を取り付けないと判定すると、リールカバー106を閉じるようにカバー開閉ユニット50を制御して(S155)、リール取り外し処理を終了する。一方、制御装置39は、リール120を取り付けると判定すると、S155をスキップして、リールカバー106を開けたままリール取り外し処理を終了する。
【0035】
次に、リールの取り付け処理を説明する。図18はリール取り付け処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図17のリール取り外し処理でリールカバー106を開けたまま終了した場合など、リール120の取り付け対象のフィーダ100がフィーダセットユニット40にセットされている場合に制御装置39により実行される。まず、制御装置39は、リール移載ユニット60がリールセット台35に移動するようにスライドユニット33を制御する(S200)。なお、リール移載ユニット60は、押し回し盤67が支持ピン61から取り外された状態とする。次に、制御装置39は、リールセット台35にセットされているリール120を受け取るようにリール移載ユニット60を制御する(S205)。続いて、制御装置39は、リール移載ユニット60がテープカットユニット90に移動するようにスライドユニット33を制御する(S210)。そして、リール120からテープ130を必要量送り出してテープ130の先端を必要な形状に切断するようにリール移載ユニット60とテープカットユニット90とを制御する(S215)。取り付け対象のフィーダ100が回収ドラム115を用いる第1のタイプであれば、制御装置39は、上述したようにループ118に挿入しやすくするためテープ130の先端をテーパ状に切断するようにテープカットユニット90を制御する。また、そのようなテーパ状の切断が必要なければ、制御装置39は、例えばテープ130の長手方向に直交する方向のみ切断するようにテープカットユニット90を制御する。なお、全てのテープ130の先端をテーパ状に切断してもよい。制御装置39は、テープカットユニット90でテープ130が切断されると、テープ130を巻き戻してテープ130の先端をチャック64で保持するように、リール移載ユニット60を制御する。
【0036】
続いて、制御装置39は、リール移載ユニット60がフィーダセットユニット40に移動するようにスライドユニット33を制御する(S220)。なお、フィーダセットユニット40にセットされているフィーダ100のリールカバー106が閉じた状態の場合には、制御装置39は、S220に先立ってリールカバー106を開くようにカバー開閉ユニット50を制御する。次に、制御装置39は、フィーダセットユニット40にセットされているフィーダ100にリール120を取り付けて所定の待機位置に移動するようにリール移載ユニット60とスライドユニット33とを制御する(S225)。
【0037】
そして、制御装置39は、フィーダ100が回収ドラム115の必要な第1のタイプであるか否かを判定する(S230)。制御装置39は、第1のタイプであると判定すると、ガイドピン85が形成する経路に接続用テープ116を這わせてガイドピン85同士で接続用テープ116を保持すると共にその先端をテープチャック86で掴んで保持するようにドラムセットユニット70を制御する(S235)。次に、制御装置39は、移動ユニット81がフィーダセットユニット40に移動するようにスライドユニット34を制御する(S240)。続いて、制御装置39は、フィーダセットユニット40のフィーダ100に回収ドラム115と接続用テープ116とを取り付けるようにドラムセットユニット70を制御する(S245)。制御装置39は、ガイドピン85が形成する経路に這わせた接続用テープ116をその状態のままフィーダ100の各ガイドピン113に渡すように取り付けてから、ガイドピン85同士による接続用テープ116の保持を解除するようにドラムセットユニット70を制御する。これにより、フィーダ100の誘導経路に沿うように接続用テープ116を取り付けることができる。また、制御装置39は、S230で回収ドラム115の必要ないタイプであると判定すると、S235~S245をスキップする。なお、制御装置39は、S235~S245を、S200~S215に先立って実行してもよいし、S200~S215と並行して実行してもよい。
【0038】
そして、制御装置39は、テープ130の先端処理を行うようにフィーダセットユニット40を制御する(S250)。例えば、制御装置39は、フィーダ100が第1のタイプであれば、カバーテープ134を引き出して接続用テープ116と接続するようにフィーダセットユニット40を制御する。また、制御装置39は、フィーダ100が第2のタイプであれば、カバーテープ134を引き出して誘導経路に送られるようにフィーダセットユニット40を制御する。こうしてリール120の取り付けを行うと、制御装置39は、リールカバー106を閉じるようにカバー開閉ユニット50を制御して(S255)、リール取り付け処理を終了する。なお、リール着脱装置30がリール120のラベル122を撮像可能なカメラを備える場合、制御装置39は、リールカバー106を閉じる前にカメラによりラベル122を撮像させ、撮像された画像を画像処理してラベル122の情報を認識してもよい。制御装置39は、認識した情報に基づいて、正しいリール120が取り付けられたか否かを確認したり、フィーダ100に対応付けて登録したり、管理装置2にリール120の取り付け完了の旨と共に認識した情報を送信したりすればよい。
【0039】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のリール着脱装置30が本開示のリール着脱装置に相当し、フィーダセットユニット40がフィーダセットユニットに相当し、リール移載ユニット60がリール移載ユニットに相当し、チャック64が保持部に相当し、カッター66が切断部に相当し、制御装置39が制御装置に相当する。回収ドラム115がドラム状の回収部に相当する。ガイドピン85が経路形成部に相当し、チャック78とY軸スライダ72とZ軸スライダ75とが誘導部に相当し、ドラムセットユニット70が回収部セットユニットに相当し、テープ接続部46が接続部に相当する。リールカバー106が開閉カバーに相当し、カバー開閉ユニット50がカバー開閉ユニットに相当する。また、準備ライン20がフィーダ準備システムに相当し、フィーダ収納庫26がフィーダ収納部に相当し、ローダ29がフィーダ準備装置に相当し、リールセット台35がリールセット台に相当し、リール移載ロボット24がリール準備装置に相当する。
【0040】
以上説明したリール着脱装置30では、フィーダセットユニット40にはテープ送り部102(送出部)の駆動が可能にフィーダ100がセットされるから、リール120を取り外す際にテープ130の巻き戻しを速やかに行うことができる。また、リール移載ユニット60が押し回し盤67を回転させることにより、テープ130をリール120に適切に巻き戻すことができる。また、部品を供給済みの部分までテープ130を巻き戻して切断することで、次にリール120を取り付ける際のテープ130の先端処理で部品が脱落したりするのを防止することができる。これらのことから、リール120の取り外しをより適切に行うことができる。
【0041】
また、所定長さを確保するようにテープ130(カバーテープ134)を巻き戻すから、次にリール120が取り付けられる際にカバーテープ134を回収させるための処理に時間が掛かるのを抑えることができる。また、ドラムセットユニット70が、接続用テープ116をカバーテープ134の誘導経路に沿うようにしてからフィーダ100に取り付けるから、回収ドラム115の取り付けを効率よく行うことができる。また、リール着脱装置30は、リール120の取り外しと取り付けを共通の装置で行うから、別々の装置で行うものに比してコンパクトに構成することができる。また、カバー開閉ユニット50は、開状態としたリールカバー106を他のユニットの移動に干渉しない位置で保持するから、リールの取り外しと取り付けをさらに効率よく行うことができる。
【0042】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0043】
例えば、上述した実施形態では、リール120を取り外す際に所定長さを確保してテープ130を巻き戻したが、これに限られず、例えば、次にリール120が取り付けられる際に、テープ130の先端に必要な長さの延長テープを付け足すものなどとしてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、チャック64とカッター66とがいずれもリール移載ユニット60に設けられたが、これに限られず、いずれか一方または両方がリール移載ユニット60以外に設けられてもよく、例えばフィーダセットユニット40に設けられてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、回収ドラム115により回収する第1のタイプのフィーダ100を例示し、回収ドラム115の着脱や接続用テープ116の経路形成を行うドラムセットユニット70を備えたが、これに限られるものではない。例えば、ドラムセットユニット70ではなくリール移載ユニット60がリール120と共に回収ドラム115を取り外してもよい。また、接続用テープ116の経路形成を、フィーダ100に回収ドラム115を取り付けた後に、フィーダセットユニット40やリール移載ユニット60が行ってもよい。そのようにする場合や第1のタイプのフィーダ100を扱わない場合には、ドラムセットユニット70を備えなくてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、リールカバー106がフィーダ100の下縁に開閉可能に取り付けられたものを例示したが、これに限られず、リールカバー106がフィーダ100に開閉可能に取り付けられていればよく、開閉方向が左右方向であってもよい。
【0047】
上述した実施形態では、フィーダセットユニット40がテープ送り部102を駆動可能にフィーダ100がセットされるものとしたが、これに限られず、テープ送り部102を駆動不能にとフィーダ100がセットされてもよい。また、リール移載ユニット60は、押し回し盤67を用いてリール120を押し回すものとしたが、押し回し以外の方法でリール120を回転させてもよい。あるいは、リール移載ユニット60がリール120を回転させないもの(回転部を有さないもの)としてもよい。また、制御装置39は、少なくとも、リール120が取り付けられたフィーダ100がフィーダセットユニット40にセットされた状態で、部品を供給済みの部分でテープ130を保持して切断するようにチャック64(保持部)とカッター66(切断部)とを駆動するものであればよい。
【0048】
上述した実施形態では、リール着脱装置30以外に、フィーダ100をフィーダセットユニット40にセットするローダ29やリール120をリールセット台35にセットするリール移載ロボット24などを備える準備ライン20(準備システム)を例示したが、これに限られるものではない。リール着脱装置30が単独で配置され、フィーダ100のセットやリール120のセットを、AGVなどの別の装置が行ってもよいし、作業者が行ってもよい。また、リール着脱装置30の各ユニットの配置や各ユニットの機能は一例であり、リール着脱装置30が全体として、フィーダ100に対するリール120の着脱を自動で行うように構成されていればよい。
【0049】
ここで、本開示のリール着脱装置は、以下のように構成してもよい。本開示のリール着脱装置において、前記テープは、前記部品を収容するボトムテープと、前記部品を覆うカバーテープとを有し、前記カバーテープが剥離されることで前記部品を供給可能となり、前記フィーダとして、前記カバーテープに先端が接続される接続用テープと共に前記カバーテープを巻回しながら回収するドラム状の回収部を有するタイプと、前記ドラム状とは異なる回収部まで前記カバーテープを引き込んで回収するタイプとを含む複数のタイプのフィーダがあり、前記制御装置は、前記取り外し制御では、前記リールが次に前記フィーダに取り付けられる際にいずれのタイプにも対応可能な長さを確保して前記カバーテープを巻き戻すように前記駆動部と前記回転部とを駆動するものとしてもよい。こうすれば、次にリールが取り付けられる場合を考慮してリールの取り外しを適切に行うことができる。このため、次にリールが取り付けられる際にカバーテープを回収させるために必要な処理に時間が掛かるのを抑えて、リールの自動での取り付けを効率よく行うことができる。
【0050】
本開示のリール着脱装置において、前記フィーダは、前記回収部まで前記カバーテープを誘導する誘導経路が設けられており、前記フィーダセットユニットに対して相対移動が可能に構成され、前記誘導経路に沿う経路を形成する経路形成部と、前記接続用テープを前記経路形成部に這わせるように誘導する誘導部とを有し、前記ドラム状の回収部を移載可能な回収部セットユニットを備え、前記フィーダセットユニットは、前記接続用テープの先端と、剥離された前記カバーテープの先端とを接続する接続部を有し、前記制御装置は、前記回収部セットユニットで予め前記接続用テープを前記経路形成部に這わせてから、前記フィーダセットユニットにセットされた前記フィーダに前記接続用テープと前記回収部とを取り付けるように前記回収部セットユニットを制御し、前記接続用テープの先端と前記カバーテープの先端とを前記接続部が接続するように前記フィーダセットユニットを制御するものとしてもよい。こうすれば、ドラム状の回収部を用いるタイプのフィーダにおいて、リールおよび回収部の取り付けを効率よく行うことができる。
【0051】
本開示のリール着脱装置において、前記制御装置は、前記リールが取り外された前記フィーダが前記フィーダセットユニットにセットされた状態で、該フィーダに前記リールを取り付け、前記リールから前記テープの先端が前記送出部に送り出されるように前記保持部と前記回転部とを駆動し、該テープの先端が所定位置に到達するまで前記送出部を駆動するように、前記フィーダセットユニットと前記リール移載ユニットとを制御する取り付け制御を実行するものとしてもよい。こうすれば、リールの取り外しと取り付けを共通の着脱装置で行うことができるから、着脱装置をコンパクトに構成することができる。
【0052】
本開示のリール着脱装置において、前記フィーダは、開状態で前記リールを着脱可能に露出する開閉カバーを有し、前記フィーダセットユニットにセットされた前記フィーダの前記開閉カバーを開閉可能に構成され、開状態とした前記開閉カバーを前記フィーダセットユニットに対する他のユニットの相対移動に干渉しない位置で保持するカバー開閉ユニットを備えるものとしてもよい。こうすれば、リールの着脱をさらに効率よく行うことができる。
【0053】
本開示の別のリール着脱装置は、部品を収容したテープを送出部の駆動により送り出して前記部品を供給するフィーダに対し、前記テープが巻回されたリールを着脱するリール着脱装置であって、前記フィーダがセットされるフィーダセットユニットと、前記フィーダに装着された前記リールの前記テープを保持可能な保持部と、前記テープを切断可能な切断部と、前記リールが取り付けられた前記フィーダが前記フィーダセットユニットにセットされた状態で、前記部品を供給済みの部分で前記テープを保持して切断するように前記保持部と前記切断部とを駆動する制御装置と、を備えることを要旨とする。このようにしても、部品を供給済みの部分でテープを切断することで、次にリールを取り付ける際のテープの先端処理で部品に影響を及ぼすのを防止することができるから、リールの着脱を自動で行うものにおいて、リールの取り外しをより適切に行うことが可能となる。
【0054】
本開示のフィーダ準備システムは、上述したいずれかのリール着脱装置と、複数の前記フィーダを収納するフィーダ収納部と前記フィーダセットユニットとの間で前記フィーダを移載可能で、前記リールの着脱対象の前記フィーダを準備するフィーダ準備装置と、前記リール移載ユニットが移載可能に前記リールがセットされるリールセット台と、複数の前記リールを収納するリール収納部と前記リールセット台との間で前記リールを移載可能で、前記フィーダへの着脱対象の前記リールを準備するリール準備装置と、を備えることを要旨とする。
【0055】
本開示のフィーダ準備システムは、上述したいずれかのリール着脱装置によりフィーダに自動でリールを着脱するから、リールの取り外しをより適切に行うことができる。また、フィーダの準備やリールの準備も自動で行うことができるから、リールの自動着脱をさらに効率よく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示は、部品実装システムの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 部品実装システム、2 管理装置、4 AGV、10 実装ライン、12 印刷装置、14 印刷検査装置、16 実装装置、18 フィーダ置き場、19 ローダ、20 準備ライン、22 リール自動収納庫、22a 受け台、24 リール移載ロボット、25 リール置き場、26 フィーダ収納庫、28 フィーダ置き場、29 ローダ、30 リール着脱装置、31 基台、32 上板、32a 開口、33,34 スライドユニット、35 リールセット台、36 ベース、37 支持ピン、39 制御装置、39a CPU、39b ROM、39c RAM、40 フィーダセットユニット、40a ベース、42 ガイド開閉部、44 テープ引出部、46 テープ接続部、47 固定クランプ部、47a,47b,48a,48b クランプ部材、47c,48c クランプシリンダ、48 移動クランプ部、49 スライド部、49a スライドブロック、49b スライドシリンダ、50 カバー開閉ユニット、50a ベース、52 支柱、53 回動板、54 吸着盤、55 モータ、56 プーリ、60 リール移載ユニット、60a スライドベース、61 支持ピン、61a 拡径シリンダ、62 モータ、63 押し込み板、63a 押込みシリンダ、64 チャック、64a チャックシリンダ、65 ガイドピン、66 カッター、66a カッターシリンダ、67 押し回し盤、68 緩衝部材、70 ドラムセットユニット、71 固定ユニット、71a 固定ベース、72 Y軸スライダ、73 モータ、74 プーリ、75 Z軸スライダ、76 モータ、77 プーリ、78 チャック、78a チャックシリンダ、81 移動ユニット、81a スライドベース、82 回転移載盤、82a 支持軸、82b 長穴、83 モータ、84 ドラムチャック、84a チャックシリンダ、85 ガイドピン、85a ピンシリンダ、86 テープチャック、86a チャックシリンダ、87 モータ、88 プーリ、90 テープカットユニット、90a ベース、91 切断台、92 テープ送り部、93 スプロケット、94 モータ、95 第1テープカッター、95a,96a,97a カッターシリンダ、96 第2テープカッター、97 第3テープカッター、98 スライダ、100 フィーダ、101 本体、102 テープ送り部、103 モータ、104 テープガイド、106 リールカバー、108 コネクタ、109 位置決めピン、110 テープ回収部、111 ドラム軸、113 ガイドピン、115 回収ドラム、115a ドラム本体、116 接続用テープ、117 固定片、118 ループ、119 スライド片、120 リール、122 ラベル、130 テープ、132 ボトムテープ、134 カバーテープ。
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