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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】清掃ローラおよび掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20230928BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20230928BHJP
   A47L 11/19 20060101ALI20230928BHJP
   A47L 11/292 20060101ALI20230928BHJP
   B08B 1/04 20060101ALI20230928BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/28 E
A47L11/19
A47L11/292
B08B1/04
B08B3/02 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023513474
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 JP2022043742
【審査請求日】2023-02-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514054937
【氏名又は名称】株式会社テクノスヤシマ
(73)【特許権者】
【識別番号】301049571
【氏名又は名称】八洲電業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 大貴
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 賢治郎
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-147846(JP,A)
【文献】特開2019-037539(JP,A)
【文献】中国実用新案第213940633(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第112656299(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/00~ 9/32
A47L 11/19
A47L 11/292
B08B 1/04
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の機体本体の下面に装着され、床に接触しながら回転し、ゴミを付着させながら除去する清掃ローラであって、
中心軸の周り表面に多孔性層部が形成され、さらに、その多孔性層部の一部は他の部分より硬く形成されており、その硬い部分は、前記中心軸に対して螺旋状に形成されており、
前記多孔性層部は水分を含むことが出来、水拭きが可能であり、
前記軸の一端は凸形状を有し、他端は中央部に、円柱状に凹んだ凹形状を有し、その凹形状の内側壁には、内側壁から中心側へ所定量突出した、軸方向に伸びる角柱が形成され、その角柱から中心側へ向かって延出した平板な板部材が形成され、その板部材に湾曲した湾曲板が接続され、前記清掃ローラの凹形状を上端とした状態における前記湾曲板の上端縁は傾斜しており、
一組の前記角柱と前記板部材と前記湾曲板が、前記内側壁に沿って均等に複数組配置されている清掃ローラ。
【請求項2】
請求項1記載の清掃ローラを有し、駆動部によって床の上を走行する機体本体と、
前記機体本体に上側から脱着可能に組み合わされ、きれいな液体を溜める浄水タンクおよび汚れた液体を溜める汚水タンクを有する水タンク装置と、を備えた掃除機であって、
前記機体本体の、前記清掃ローラの前側位置に、前記浄水タンクから供給される浄水を床に向かって散水する散水ノズルが設けられ、
前記汚水タンクの筐体の一部には吸引口が形成された汚水吸引部が設けられ、
前記汚水タンクの筐体の他の一部には、その筐体の中の空間の空気が、前記機体本体の空気吸引装置によって吸引されて排出される空気排出部が設けられ、
前記機体本体の前記空気吸引装置によって、前記汚水タンクの筐体の空気排出部を通じて前記汚水タンクの筐体の内部の空気が外部へ排出されることによって、前記汚水タンクの筐体の内部が負圧になり、それによって前記汚水吸引部の前記吸引口を通じて、前記清掃ローラの表面の汚水が前記汚水タンクの筐体の内部へ吸引されて貯まることを特徴とする掃除機。
【請求項3】
前記汚水タンクの汚水吸引部は、前記水タンク装置が機体本体と組み合わされた状態で、前記清掃ローラの上部側の表面に所定の大きさの隙間をおいて被さるように配置され、一部に前記吸引口が形成された半円筒状の形状を有し、
前記水タンク装置の、前記汚水吸引部のある場所の後側位置に、液体やほこりを拭くことが出来るスクレーパーが設けられており、
前記半円筒状の汚水吸引部は、その中央に前記吸引口が形成され、
前記吸引口はロート状の形状を成し、その広い側の開口部が前記清掃ローラ側に形成され、その狭い側の開口部は前記汚水タンクの筐体の内部の空間に入り込んでいる、請求項2記載の掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット掃除機などに用いられる着脱可能な清掃ローラおよび掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
近似、自動的に床を清掃するいわゆるロボット掃除機が普及している。例えば、特許文献1に示すようなロボット掃除機が知られている。
【0003】
そのようなロボット掃除機には清掃ローラが機体本体に取り付けられ、取り外し可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-169008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、そのような従来の清掃ローラは床のごみを除去する上で、床にこびりついたごみを十分には取り切れない問題がある。
【0006】
本発明では、床にこびりついたごみでも床を傷つけずに効果的に清掃出来る清掃ローラと掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、
掃除機の機体本体の下面に装着され、床に接触しながら回転し、ゴミを付着させながら除去する清掃ローラであって、
中心軸の周り表面に多孔性層部が形成され、さらに、その多孔性層部の一部は他の部分より硬く形成されており、その硬い部分は、前記中心軸に対して螺旋状に形成されており、
前記多孔性層部は水分を含むことが出来、水拭きが可能であり、
前記軸の一端は凸形状を有し、他端は中央部に、円柱状に凹んだ凹形状を有し、その凹形状の内側壁には、内側壁から中心側へ所定量突出した、軸方向に伸びる角柱が形成され、その角柱から中心側へ向かって延出した平板な板部材が形成され、その板部材に湾曲した湾曲板が接続され、前記清掃ローラの凹形状を上端とした状態における前記湾曲板の上端縁は傾斜しており、
一組の前記角柱と前記板部材と前記湾曲板が、前記内側壁に沿って均等に複数組配置されている清掃ローラである。
第2の本発明は、
第1の本発明の清掃ローラを有し、駆動部によって床の上を走行する機体本体と、
前記機体本体に上側から脱着可能に組み合わされ、きれいな液体を溜める浄水タンクおよび汚れた液体を溜める汚水タンクを有する水タンク装置と、を備えた掃除機であって、
前記機体本体の、前記清掃ローラの前側位置に、前記浄水タンクから供給される浄水を床に向かって散水する散水ノズルが設けられ、
前記汚水タンクの筐体の一部には吸引口が形成された汚水吸引部が設けられ、
前記汚水タンクの筐体の他の一部には、その筐体の中の空間の空気が、前記機体本体の空気吸引装置によって吸引されて排出される空気排出部が設けられ、
前記機体本体の前記空気吸引装置によって、前記汚水タンクの筐体の空気排出部を通じて前記汚水タンクの筐体の内部の空気が外部へ排出されることによって、前記汚水タンクの筐体の内部が負圧になり、それによって前記汚水吸引部の前記吸引口を通じて、前記清掃ローラの表面の汚水が前記汚水タンクの筐体の内部へ吸引されて貯まることを特徴とする掃除機である。
第3の本発明は、
前記汚水タンクの汚水吸引部は、前記水タンク装置が機体本体と組み合わされた状態で、前記清掃ローラの上部側の表面に所定の大きさの隙間をおいて被さるように配置され、一部に前記吸引口が形成された半円筒状の形状を有し、
前記水タンク装置の、前記汚水吸引部のある場所の後側位置に、液体やほこりを拭くことが出来るスクレーパーが設けられており、
前記半円筒状の汚水吸引部は、その中央に前記吸引口が形成され、
前記吸引口はロート状の形状を成し、その広い側の開口部が前記清掃ローラ側に形成され、その狭い側の開口部は前記汚水タンクの筐体の内部の空間に入り込んでいる、第2の本発明の掃除機である。
本発明に関連する第1の発明は、
ロボット型掃除機において、機体本体の下面に装着され、床に接触しながら回転し、ゴミを付着させながら除去する清掃ローラであって、
中心軸の周り表面に多孔性層部が形成され、さらに、その多孔性層部の一部は他の部分より硬く形成されており、その硬い部分は、前記中心軸に対して螺旋状に形成されていることを特徴とする、清掃ローラである。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、
前記多孔性層部は水分を含むことが出来、水拭きが可能な本発明に関連する第1の発明の清掃ローラである。
【0009】
本発明に関連する第3の発明は、
前記軸の一端は凸形状を有し、他端は中央部に、円柱状に凹んだ凹形状を有し、その凹形状の内側壁には、内側壁から中心側へ所定量突出した、軸方向に伸びる角柱が形成され、その角柱から中心側へ向かって延出した平板な板部材が形成され、その板部材に湾曲した湾曲板が接続され、前記湾曲板の上端縁は傾斜しており、
一組の前記角柱と前記板部材と前記湾曲板が、前記内側壁に沿って均等に複数組配置されている、本発明に関連する第2の発明の清掃ローラである。
【0010】
本発明に関連する第4の発明は、
本発明に関連する第2の発明の清掃ローラを有し、駆動部によって床の上を走行する機体本体と、
前記機体本体に上側から脱着可能に組み合わされ、きれいな液体を溜める浄水タンクおよび汚れた液体を溜める汚水タンクを有する水タンク装置と、を備えた掃除機であって、
前記機体本体の、前記清掃ローラの前側位置に、前記浄水タンクから供給される浄水を床に向かって散水する散水ノズルが設けられ、
前記汚水タンクの筐体の一部には吸引口が形成された汚水吸引部が設けられ、
前記汚水タンクの筐体の他の一部には、その筐体の中の空間の空気が、前記機体本体側の空気吸引装置によって吸引されて排出される空気排出部が設けられ、
前記機体本体の前記空気吸引装置によって、前記汚水タンクの筐体の空気排出部を通じて前記汚水タンクの筐体の内部の空気が外部へ排出されることによって、前記汚水タンクの筐体の内部が負圧になり、それによって前記汚水吸引部の前記吸引口を通じて、前記清掃ローラの表面の汚水が前記汚水タンクの筐体の内部へ吸引されて貯まることを特徴とする掃除機である。
【0011】
本発明に関連する第5の発明は、
清掃ローラを有し、駆動部によって床の上を走行する機体本体と、
前記機体本体に上側から脱着可能に組み合わされ、きれいな液体を溜める浄水タンクおよび汚れた液体を溜める汚水タンクを有する水タンク装置と、を備えた掃除機であって、
前記機体本体の、前記清掃ローラの前側位置に、前記浄水タンクから供給される浄水を床に向かって散水する散水ノズルが設けられ、
前記汚水タンクの筐体の一部には吸引口が形成された汚水吸引部が設けられ、
前記汚水タンクの筐体の他の一部には、その筐体の中の空間の空気が、前記機体本体側の空気吸引装置によって吸引されて排出される空気排出部が設けられ、
前記機体本体の前記空気吸引装置によって、前記汚水タンクの筐体の空気排出部を通じて前記汚水タンクの筐体の内部の空気が外部へ排出されることによって、前記汚水タンクの筐体の内部が負圧になり、それによって前記汚水吸引部の前記吸引口を通じて、前記清掃ローラの表面の汚水が前記汚水タンクの筐体の内部へ吸引されて貯まることを特徴とする掃除機である。
【0012】
本発明に関連する第6の発明は、
前記汚水タンクの汚水吸引部は、前記水タンク装置が機体本体と組み合わされた状態で、前記清掃ローラの上部側の表面に所定の大きさの隙間をおいて被さるように配置され、一部に前記吸引口が形成された半円筒状の形状を有し、
前記水タンク装置の、前記汚水吸引部のある場所の後側位置に、液体やほこりを拭くことが出来るスクレーパーが設けられている、本発明に関連する第5の発明の掃除機である。
【0013】
本発明に関連する第7の発明は、
前記半円筒状の汚水吸引部は、その中央に前記吸引口が形成され、
前記吸引口はロート状の形状を成し、その広い側の開口部が前記清掃ローラ側に形成され、その狭い側の開口部は前記汚水タンクの筐体の内部の空間に入り込んでいる、本発明に関連する第6の発明の掃除機である。
【0014】
本発明に関連する第8の発明は、
前記ロート状の吸引口の狭い側の開口部には第1の蓋が開閉可能に設けられ、
前記空気排出部に第2の蓋が開閉可能に設けられ、
前記汚水タンクの筐体にはピンが可動に取り付けられており、前記水タンク装置が前記機体本体に組み合わされることで、前記ピンが移動し、その移動によって、前記第1の蓋と第2の蓋が開き、前記水タンク装置が前記機体本体から離されることで前記ピンが逆方向に移動して、前記第1の蓋と第2の蓋が閉まる、本発明に関連する第7の発明の掃除機である。
【0015】
本発明に関連する第9の発明は、
前記ロート状の吸引口は、前記清掃ローラの軸方向の長さの方が軸に直角方向の長さより長く形成されている、本発明に関連する第8の発明の掃除機である。
【0016】
本発明に関連する第10の発明は、
前記空気排出部にはフィルターが設けられ、
前記浄水タンクには、水を補給するための補給口と、浄水を前記散水ノズルへ供給する浄水供給口が設けられ、
前記水タンク装置が前記機体本体に組み合わされることにより、前記浄水供給口が開き、浄水が前記散水ノズルへ供給される、本発明に関連する第9の発明の掃除機である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の清掃ローラまたは掃除機により、床にこびりついたごみでも床を傷つけずに効果的に清掃出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における実施の形態にかかる掃除機の斜視図
図2】本発明における実施の形態にかかる清掃ローラを機体本体から取り外す様子を示す斜視図
図3】同上清掃ローラの正面図
図4】同上清掃ローラの拡大斜視図
図5】同上清掃ローラの他端の拡大側面図
図6】同上他端の内側の一部を示す斜視図
図7】本発明の実施の形態にかかる掃除機の斜視図
図8】同上掃除機から水タンク装置を外す斜視図
図9】同上掃除機の機体本体の斜視図
図10】同上機体本体の裏返しの斜視図
図11】同上掃除機の水タンク装置の斜視図
図12】同上水タンク装置の裏返しの斜視図
図13図12のイラスト斜視図
図14】同上水タンク装置の汚水タンクの一部拡大図
図15】同上水タンク装置の汚水タンクの一部と清掃ローラの一部断面背面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明における実施の形態にかかる掃除機の斜視図であって、1は機体本体を示し、10は水タンク装置を示す。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態にかかる清掃ローラ2を太い矢印に示すように、機体本体1から取り外す様子を示す斜視図である。また、図3は清掃ローラの拡大図である。
【0022】
本清掃ローラ2は機体本体1の下面に装着され、床に接触しながら回転し、ゴミを付着させながら除去する。その中心軸の周り表面にマイクロファイバー製の多孔性層部20が形成され、さらに、その多孔性層部20の一部2aは他の部分2bより硬く形成されている。その硬い一部2aは、中心軸に対して螺旋状に形成されている。多孔性層部20の材料はマイクロファイバー製にかぎらず、他の多孔性の材料でも可能である。
【0023】
その硬い一部2aは例えばかたい毛の素材を染色してなるものである。この多孔性層部20は水分を含むことが可能であって、いわゆる水拭きが可能となっている。
【0024】
そのように一部は硬く、他部は柔らかく形成されているので、例えば硬いだけのローラだと床を傷つける恐れがあり、反対に柔らかいだけのローラだと、床にこびりついたごみを十分除去する力が弱いといった欠点が無く、床を傷めることなく床にこびりついたごみを十分除去することが出来る。
【0025】
さらに、硬い一部2aは中心軸を基準として螺旋状に形成されているので、回転しながら床の面の一部に集中して偏るようなことも無くまんべんなく拭いていくことが出来るメリットがある。
【0026】
また、螺旋状の硬構造と軟構造によって床の上の髪の毛などがローラに絡みにくいとう効果も発揮する。
【0027】
図3において、清掃ローラ2の一端2cは円柱形の凸形状3を有し、他端2dは中央部に、円柱状に凹んだ凹形状を有している。清掃ローラ2が機体本体1に装着される場合、その円柱形の凸形状3の一端2cは機体本体1に設けられた軸受け(図示省略)に回転可能に嵌挿される。また、円柱状に凹んだ凹形状の他端2dは機体本体1に設けられた凸軸1aに回転可能にはめ込まれるようになっている。
【0028】
その他端2dは図4に示すような構造をしている。図5および図6はその詳細を示す。
【0029】
すなわち、図5は清掃ローラ2の略示側面図であって、その他端2d側を拡大した図である。図6はその円柱状に凹んだ凹形状の内部の一部(一組の角柱5、板部材6、湾曲板7)を示す斜視図である。
【0030】
図5図6において、上述のように他端2dは中央部に、円柱状に凹んだ凹形状を有し、4はその底面であって、凹形状の内側壁9には、内側壁9から中心側へ所定量突出した、軸方向に伸びる角柱5が形成されている。その数は3個であり、側面視で120度間隔で均等に形成されている。
【0031】
それらの角柱5からそれぞれ中心側へ向かって延出した平板な板部材6が形成されている。この板部材6はある程度弾力性がある。
【0032】
さらにそれらの板部材6にそれぞれ湾曲した湾曲板7が接続されている。3つの湾曲板7の湾曲方向は同一方向である。また、この湾曲板7もある程度弾力性を備える。
【0033】
これら板部材6と湾曲板7の弾力性によって、清掃ローラ2を機体本体1側に嵌め込みやすくなり、動作中には外れなくなる。
【0034】
また、板部材6が平板状であるのに対して、その接続先の湾曲板7が湾曲しているので全て湾曲しているケースや、全て平板状にしているケースに比べて、嵌めやすく且つ動作中に外れにくい優れた効果が発揮できる。
【0035】
さらに、それらの湾曲板7の上端縁8は傾斜している。すなわち、湾曲板7の、板部材6に接続側の長さH1より、反対側のフリーな側の方の長さH2が短くなっている。
【0036】
このような傾斜構造によって、清掃ローラ2を機体本体1に嵌め込むとき引っ掛かりにくくなり、円滑に嵌め込めるという長所がある。
【0037】
次に、上述のような清掃ローラ2を有する、本発明の掃除機の実施例を説明する。
【0038】
図7は本発明の掃除機の斜視図である。下側に機体本体1があり、上側に水タンク装置10が脱着可能に組み合わされている。
【0039】
すなわち、図8に示すように、水タンク装置10は機体本体1から取っ手101を持って外すことが出来る。
【0040】
この機体本体1は図9図10に示すような構造をしている。図10は裏返した状態を示す斜視図である。すなわち、走行車輪1d、1d、3dが左右位置と前方に設けられて、図9の右方向へ走行できるようになっている。そのモータなどの駆動部は内部に配置されている(図示省略)。
【0041】
機体本体1の後側には上述した清掃ローラ2が回動可能に取り付けられている。この清掃ローラ2は図2に示すようにメンテナンスなどのため取り外し可能となっている。すなわち、上述したように、清掃ローラ2の円柱形の凸形状3の一端2cは機体本体1に設けられた軸受け溝1eに回転可能に嵌挿される。また、円柱状に凹んだ凹形状の他端2dは機体本体1に設けられた凸軸1aに回転可能にはめ込まれるようになっている。
【0042】
図9において、1aはモータなどによって空気を吸引する空気吸引装置であり、1bは後述する浄水供給口12aと接合する浄水供給口接合部である。
【0043】
図10において、1cは清掃ローラ2の進行方向を基準として少し前の位置に設けられた散水ノズルであって、清掃ローラ2の軸方向に複数個配置されている。この散水ノズル1cと上記浄水供給口接合部1bとは連通しており、後述するようにして供給されてくる浄水が浄水供給口接合部1bから散水ノズル1cへ供給される。
【0044】
図11は上記水タンク装置10の斜視図であり、図12はこの水タンク装置10を裏返した状態を示す斜視図である。さらに、図13図12の画像図の略示イラスト図である。
【0045】
それらの図において、この水タンク装置10は、ほこりやごみを含んだ汚水を溜める汚水タンク11と、きれいな液体、例えば次亜塩素水などの浄水を溜める浄水タンク12とを備える。
【0046】
この汚水タンク11の筐体11aの一部には吸引口11b1が設けられた汚水吸引部11bが形成されている。
【0047】
汚水タンク11の筐体11aの他の一部には、その筐体11aの中の空間の空気が、機体本体1側の空気吸引装置1aaによって吸引されて排出される空気排出部11cが設けられている。
【0048】
上記汚水吸引部11bは、半円筒状の形状を有し、そのほぼ中央に吸引口11b1が形成されている。この汚水吸引部11bの半円筒状の部分は、水タンク装置10が機体本体1と組み合わされた状態において、清掃ローラ2の上部側の表面に1mm乃至2mm程度の隙間Gをおいて被さるように配置されている。
【0049】
上記半円筒状の汚水吸引部11bは、その中央に前記吸引口11b1が形成されているが、その吸引口11b1はロート状の形状を成し、その広い側の開口部11b11が清掃ローラ2側に形成され、その狭い側の開口部11b12は汚水タンク11の筐体11aの内部の空間Sに入り込んでいる、
上記吸引口11b1のロート状の形状は、清掃ローラ2の軸方向の長さの方が、軸に直角方向の長さより長く形成されている。すなわち、吸引口11b1は真円ではなく、対向配置されている清掃ローラ2の軸方向に伸びた平たい形状をしている。このことによって、図15に示すように、清掃ローラ2の中央位置に対して、広い側の開口部11b11が吸引しやすい程度に対向することになる。例えば5cm程度である。この幅が小さ過ぎると清掃ローラ2の全体に渡っての吸引が困難となる。逆に広すぎると、上記隙間Gの殆んどが、大きくなり過ぎるのでその場合も吸引が困難となる。適切な幅の開口部11b11と適切な隙間が重要である。
【0050】
図13において、空気排出部11cには汚水などが機体本体1側の空気吸引装置1aa側へ入り込むことを防止するためのフィルター11eが脱着可能に取り付けられている。
【0051】
さらに、図14に示すように、上記ロート状の吸引口11b1の狭い側の開口部11b12には第1の蓋11fが開閉可能に設けられ、他方、上述したような、汚水タンク11の筐体11aの空気排出部11cには第2の蓋11gが開閉可能に設けられている。
【0052】
図14において、11dは汚水タンク11の筐体11aに上下動可能に取付けられたピンである。このピン11dにはアーム11h1の一端が回動可能に連結されており、このアーム11h1は支持部11h2によってシーソーのように移動可能に支持されている。さらに、このアーム11h1の他端には棒11h3の一端が連結リング11h4によって上下動可能に連結されている。
【0053】
この棒11h3の他端は二股に分かれており、その分かれる部分で保持部11h5によって上から吊下げされており、二股の一方の部分11h6の先端は上記第1の蓋11fに固定されており、二股の他方の部分11h7の先端は上記第2の蓋11gに固定されている。なお、保持部11h5は吊下げタイプではなく、下方からの支持部材でも構わない。
【0054】
なお、図13に示すように、水タンク装置10の、汚水吸引部11bのある場所の後側位置(進行方向を基準)に、液体やほこりを拭くことが出来るスクレーパー13が設けられている。
【0055】
さら、図13において、汚水タンク11の筐体11aの一部には汚水を外へ捨てるための蓋付き出口14が設けられている。
【0056】
また、図13に示すように、水タンク装置10の浄水タンク12には、使用者が浄水を補給するための補給口12bと、浄水を機体本体1側の散水ノズル1cへ供給する浄水供給口12aが設けられており、水タンク装置10が機体本体1に組み合わされることにより、浄水供給口12aが、機体本体1側の浄水供給口接合部1bに接合し、浄水が散水ノズル1cへ供給されるようになっている。ここに、Pは浄水タンク12の内部空間である。この内部空間Pは汚水タンク11の内部空間Sとは完全に仕切られている。
【0057】
上記浄水供給口12aには閉じる方向に常時付勢されているゴム栓が取り付けられており、他方、浄水供給口接合部1bは散水ノズル1cに連通している小さな孔を有する突起部で形成されており、水タンク装置10が機体本体1に組み合わされた時、その突起部の先端が上記ゴム栓に圧接されることで、ゴム栓が開いて浄水供給が行われるようになっている。
【0058】
次に、上述したような構造を有する本発明の実施例の掃除機の操作と動作について説明する。
【0059】
まず初めに、空になっている浄水タンク12に次亜塩素水を補充する。そのため、図7に示す掃除機を図8に示すように取っ手101を持って、水タンク装置10を機体本体1から外す。
【0060】
次に、図12図13に示すように、水タンク装置10をひっくり返した状態で、補給蓋12cを外し補給口12bから次亜塩素水を浄水タンク12へ補給する。
【0061】
そのように浄水が補給された水タンク装置10をひっくり返して元の図11の状態に戻し、機体本体1に上から組み合わせてセットする。
【0062】
そのように水タンク装置10を機体本体1にセットすると、水タンク装置10に設けられたピン11dが機体本体1に当たるので、汚水タンク11の内側へ移動する(図13の図において下方へ引っ込む)。
【0063】
その結果、図14に示すように、ピン11dが矢印のように下方(図14の図上において)へ移動する。そのピン11dの下方移動によって、アーム11h1のピン11d側の一端が下がり、その他端側は上がる。その他端側は棒11h3にリング11h4によって連結されているので、棒11h3のその連結側の一端は上昇する。この棒11h3は保持部11h5によって保持されているので、棒11h3の二股に分かれた2つの部分11h6、11h7は下方へ移動する。
【0064】
その結果、それまでロート状の吸引口11b1を閉鎖していた、一方の部分11h6に固定されていた第1の蓋11fが下方へ移動して、その吸引口11b1を開く。同様に、空気排出部11cを閉鎖していた、他方の部分11h7に固定していた第2の蓋11gも下方へ移動して、その空気排出部11cを開く。
【0065】
このようにして、水タンク装置10が機体本体1に組み合わされセットされると、自動的に汚水タンク11に設けられている汚水吸引部11bの吸引口11b1と、空気排出部11cがともに開放状態となる。
【0066】
逆に、水タンク装置10を上述のように機体本体1から外すと、ピン11dが伸び出すことによって、第1の蓋11fと第2の蓋11gが閉じて汚水タンク11の内部空間Sは閉鎖空間となり、そこに後述のようにして溜められた汚水が外へ出ないようになっている。
【0067】
また、上述したように、水タンク装置10が機体本体1に組み合わされることにより、図13のゴム栓がされている浄水供給口12aに、機体本体1側の浄水供給口接合部1bの突起部が当接してゴム栓が押し広げられ 浄水が散水ノズル1cへ供給されるようになっている。
【0068】
このような状態で、機体本体1を汚れた床の上で走行させる。
【0069】
機体本体1が走行すると、機体本体1の散水ノズル1cの下方空間がある程度自然に負圧となり、浄水タンク12の中の浄水がその浄水供給口12aを通じて、機体本体1側の浄水供給口接合部1bの小さな孔へ流れ込み、その結果散水ノズル1cへ浄水が届き、そこから床に向かって浄水が散水される。そしてその散水された浄水が床の上のごみや汚れに付着していく。
【0070】
その散水ノズル1cの後方(進行方向を基準として)には清掃ローラ2が機体本体1の速度より少し早めの周回転速度で回転している。そのため、その散水された浄水にゴミなどが混じり込み汚水となっている水を清掃ローラ2が吸い込んでいく。すなわち、多孔性層部20の他の部分2b(図3参照)は柔らかく水分を含むことが出来るので汚水を吸い込んでいく。また、多孔性層部20の硬い一部2aは床にこびりついたゴミなどを剥すことも出来る。
【0071】
このようにして、清掃ローラ2は回転しながら床の上のごみや汚れ交じりの汚水を吸い取っていく。
【0072】
このような清掃ローラ2の後方(進行方向を基準として)には、水タンク装置10に固定されたスクレーパー13が床に密着した状態で位置しているので、このスクレーパー13が清掃ローラ2で吸い取り残した汚水をせき止めて、汚水がさらに後方の床へ残ることを防止している。
【0073】
このようにして床の上のごみや汚れが水に混入して汚水となって清掃ローラ2に吸い取られて行くが、このような汚水は以下の述べるようにして汚水タンク11に溜まっていく。
【0074】
すなわち、機体本体1が走行し始めると、モータなどによって空気を吸引する空気吸引装置1aa(図9参照)が空気を吸引し始める。この空気吸引装置1aaは、水タンク装置10が機体本体1に組み合わされた状態で、水タンク装置10の空気排出部11cに密着して接合するので、空気を吸引することで、空気排出部11cから空気が排出される。
【0075】
その結果、汚水タンク11の内部空間Sが負圧状態となる。それによって、汚水タンク11の汚水吸引部11bの吸引口11b1から、空気がその内部空間Sへ吸い込まれる状態となる。
【0076】
図15に示すように、その吸引口11b1から、外部の空気が吸い込まれると、半円筒状の汚水吸引部11bが清掃ローラ2に少しの隙間Gをおいて被さるように配置されているので、清掃ローラ2に含まれている汚水が矢印に示すように空気とともにその吸引口11b1へ吸い込まれて行く。
【0077】
吸い込まれた汚水はロート状の吸引口11b1の狭い側の開口部11b12から汚水タンク11の筐体11aの内部空間Sへ溜められていく。汚水の少し一部は空気排出部11cの付近まで到達するが、フィルター11eによってそれ以上機体本体1側へ侵入することは防止される。
【0078】
このようにして、汚水が汚水タンク11に溜められるが、一杯になると図8に示すように、水タンク装置10を機体本体1から外す。上述したようにピン11dと第1、第2の蓋11f、11gの動きによって、汚水タンク11から汚水が外へこぼれる心配はない。
【0079】
汚水タンク11の中に溜まった汚水は汚水の出口14から外へ捨てることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、床にこびりついたごみでも床を傷つけずに効果的に清掃出来る清掃ローラおよび掃除機を実現できるので、倉庫などの床掃除に最適である。
【符号の説明】
【0081】
1 機体本体
1a 凸軸
1aa 空気吸引装置
1b 浄水供給口接合部
1c 散水ノズル
1d 走行車輪
1e 軸受け溝
2 清掃ローラ
2a 硬い一部
2b 他の部分
2c 一端
2d 他端
3 凸形状
4 底面
5 角柱
6 板部材
7 湾曲板
8 上端縁
9 内側壁
10 水タンク装置
11 汚水タンク
11a 筐体
11b 汚水吸引部
11b1 吸引口
11b11、11b12 開口部
11d ピン
11e フィルター
11f 第1の蓋
11g 第2の蓋
12 浄水タンク
12a 浄水供給部
12b補給口
12c補給蓋
20 多孔性層
G 隙間
P 浄水タンクの内部空間
S 汚水タンクの内部空間
【要約】
【課題】床にこびりついたごみでも床を傷つけずに効果的に清掃出来る清掃ローラを実現すること。
【解決手段】
ロボット型掃除機において、機体本体1の下面に装着され、床に接触しながら回転し、ゴミを付着させながら除去する清掃ローラ2であって、中心軸の周り表面にマイクロファイバー製の多孔性層部20が形成され、さらに、その多孔性層部20の一部2aは他の部分2bより硬く形成されており、その硬い部分2bは、前記中心軸に対して螺旋状に形成されており、前記多孔性層部20は水分を含むことが出来、水拭きが可能な清掃ローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15