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特許7356741患者の体温を制御するための外科用キャップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】患者の体温を制御するための外科用キャップ
(51)【国際特許分類】
   A61G 13/12 20060101AFI20230928BHJP
   A61G 15/12 20060101ALI20230928BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20230928BHJP
   A61F 13/12 20060101ALI20230928BHJP
   A42B 1/019 20210101ALI20230928BHJP
   A42B 1/04 20210101ALI20230928BHJP
【FI】
A61G13/12 Z
A61G15/12 510
A41D13/12 145
A61F13/12
A42B1/019 Z
A42B1/04 A
A42B1/04 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021541575
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 US2019014368
(87)【国際公開番号】W WO2020149861
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】521315777
【氏名又は名称】イコライザー テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アブード,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】サルアン,ポール
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-137115(JP,A)
【文献】特表2008-533238(JP,A)
【文献】登録実用新案第3208753(JP,U)
【文献】米国特許第05887279(US,A)
【文献】特開2008-150730(JP,A)
【文献】米国特許第09579060(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/12
A61G 15/12
A41D 13/12
A61F 13/12
A42B 1/019
A42B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの最適な体温を維持するのを助けるための被覆ユニットであって、
前記ユーザの頭部の一部および耳にぴったりと適合する絶縁性要素と、
内面、外面、および下端を有し、
第1の側部パネル
第2の側部パネル
前記第1の側部パネルおよび前記第2の側部パネルに接続された前部、中央部および後部を形成する上部中央パネルと、を具備し、前記内面は、前記絶縁性要素に取り付けられている、シェル構成要素と、
前記シェル構成要素内に形成されるか、または前記シェル構成要素に取り付けられ、前から後ろへの着用者の頭部の中心線に沿って概ね対応する位置に位置する情報ディスプレイであって、該情報ディスプレイは、前記ユーザの頭部の前頭頂部または額エリアの周りに位置決めされている、情報ディスプレイと、
前記シェル構成要素に組み込まれたGPSセンサと、
前記情報ディスプレイと通信する少なくとも1つのバイタルサインセンサと、
外耳道の中点を両側で近接して覆うように適応された中間および側方の側部パネルで形成された把持手段であって、前記手段は、前記被覆ユニットが、身体の後側、中間側または側方側に置かれたときに前記頭部がずれたり動いたりしないようにする、把持手段と、を含む、被覆ユニット。
【請求項2】
前記情報ディスプレイは、前記少なくとも1つのバイタルサインセンサと無線通信するユーザインターフェースを具備し、
前記少なくとも1つのバイタルサインセンサは、体温、心電図(ECG)、呼吸数(RR)および呼気終末二酸化炭素(ETCO2)、心拍数(HR)、酸素飽和度(SpO2)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、血糖(BG)、一酸化炭素レベル(SpCO)、血圧(BP)、ならびに水分補給レベル(HL)から成る群より選ばれる身体サインパラメータを取得するためのセンサである、請求項1記載の被覆ユニット。
【請求項3】
前記絶縁性要素は、前記頭部の後部、前部、および上部を覆うように適応されたエリア上に2mmを超える厚さを有する材料を含む、請求項に記載の被覆ユニット。
【請求項4】
前記頭部の両方の側方側部を覆うように適応されたエリアで2mm未満の厚さを有する材料をさらに含む、請求項に記載の被覆ユニット。
【請求項5】
前記絶縁性要素は、セラミックファイバ材料、相変化材料及び合成マイクロファイバから成る群より選ばれる、請求項記載の被覆ユニット。
【請求項6】
前記絶縁性要素は、前記ユーザの前記頭部及び首上部を被覆するように前記被覆ユニットの後部を被覆する、請求項記載の被覆ユニット。
【請求項7】
前記シェル構成要素は、拡張して異なるサイズの頭部にぴったりと適合する可撓性材料で形成されている、請求項記載の被覆ユニット。
【請求項8】
前記シェル構成要素は、非静電気材料で形成されている、請求項記載の被覆ユニット。
【請求項9】
前記被覆ユニットは、前記頭部の前部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションおよび頭部被覆ユニットの後部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションから非対称であるパターンカットから作られ、これにより、パターンカットは、頭部の前部および後部の形状を模倣して、凹状のパターンを有して頭部被覆ユニットが頭部から外れないように構成されている、請求項記載の被覆ユニット。
【請求項10】
前記絶縁性要素は、セラミックファイバ材料、相変化材料及び合成マイクロファイバから成る群より選ばれる、請求項記載の被覆ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本発明は、概して、外科的処置中に患者の体温を維持するデバイスおよび方法に関し、より具体的には、患者の中核体温を正常温度範囲に維持するのを助け、さらに、リモート介護者情報インターフェースを提供するためのグラフィックディスプレイパネルを組み込む外科用絶縁性キャップに関する。
【0002】
2.関連技術の説明
麻酔を受ける患者の大多数は、ある程度の低体温を経験する。体温の低下は可変的であるが、より大規模で、より長時間に及ぶ外科手術に曝されることを伴う処置では悪化する。相対的な低体温の状態は、特に、周術期および術後期中に、患者に重大かつ悪い影響を与える可能性がある。低体温に関連する合併症には、心筋虚血、高血圧、頻脈、ならびに予期しない死亡率および罹患率につながる感染症が含まれる。患者の熱容量のほとんどは、覆われていない頭部から失われるため、医療業界は、患者を正常温度に保つ手段を開発することによって問題に対処している。
【0003】
本発明は、患者の頭部および耳をかたどり、外科手術中にその位置を維持するように設計された外科用絶縁性キャップを、体温などの連続的で正確な標準的なバイタル身体サインパラメータを提供できるだけでなく、悪性高熱症または低体温症、ならびに他の有害な周術期および術後の状態を検出するのに十分な、体温心拍リズム、心拍数、呼吸活動、SpO2などの他のバイオメトリックデータ用のセンサも含むことができる、バイオメトリックセンサの出力を表示するためのインターフェースと組み合わせて教示する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、外科的処置中に患者が着用する可撓性で使い捨ての外科用キャップを提供することを目的とする。本発明は、患者、特に、よりリスクの高い高齢患者が、高血圧、頻脈、および外科的低体温に関連する他の状態を発症するリスクを低減することを目的とする。本キャップは、キャップが頭部の輪郭をなぞるような手段を提供するために、伸縮性もあり可撓性もある絶縁性材料から構成されることを目的とする。
【0005】
本外科用キャップは、繊維状材料への曝露を最小限に抑え、したがって、細菌増殖のための生息環境を取り除くように構築されることを目的とする。
【0006】
本外科用キャップは、絶縁性の内側部分と、THERMALITE(登録商標)、THINSULATE(登録商標)またはOUTLAST(登録商標)の商標で販売されている材料から製造されたシェルと、を含むことが想定されている。より具体的には、キャップは、セラミックファイバ材料と、複数のマイクロカプセル化されたパラフィン系炭化水素を含むファイバを有する市販の合成材料(以下、「相変化材料」)と、65%のオレフィンおよび35%のポリエステルに近い組成を有する合成マイクロファイバと、を含む。キャップは、患者の額のより大きな部分上、患者の耳上、および頭部の後ろに延在して、腰椎の上部まで達する。本発明の一態様によれば、監視センサは、標準的なバイタル身体サインパラメータの取得および表示を容易にするために、患者の頭部と接触してキャップに直接統合され得る。本発明のさらに別の態様によれば、キャップは、標準的な身体サインパラメータの取得のために、患者の周りに配置された他の様々な監視センサと情報通信することができる。いずれの態様においても、ECG、心拍数、呼吸、酸素飽和度(SpO2)、温度などの任意の数の標準的な身体サインパラメータを取得することができる。さらに、適切なバイオメトリックセンサおよびアナライザを含めるだけで、高度な測定を追加的に統合することができる。
【0007】
本外科用キャップは、患者の額に位置合わせされたキャップの前面に位置決めされたディスプレイ画面の形態の介護者インターフェースを含むことが想定されている。本発明は、手術室を超えた環境での利用を提供する。このようなインターフェースディスプレイ画面の場所および動作により、医師、看護師、EMTなどは、患者と一緒に移動するだけでなく、介護者が患者ケア活動から注意をそらす必要を排除するやり方で、選択したバイタル身体サインセンサから出力された情報に簡単にアクセスすることができる。
【0008】
本発明は、患者の中核体温を正常温度範囲に維持するのを助け、さらにバイオメトリックセンサ機能と通信するための情報ディスプレイを組み込む、外科用絶縁性キャップを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、前述の目的に伴うすべての利点を提供することを最終の目的とする。本発明は、現行の設計から出発して、それぞれの欠点を克服する。本発明は、麻酔科医が、何度も頭部の位置を操作してモニタ装置にアクセスする間およびその後、その位置を維持する。
本発明は、中心静脈領域へのアクセスを提供し続ける。本発明は、体温、心電図(ECG)、呼吸数(RR)および呼気終末二酸化炭素(ETCO2)、心拍数(HR)、酸素飽和度(SpO2)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、血糖(BG)、一酸化炭素レベル(SpCO)、血圧(BP)、ならびに水分補給レベル(HL)を含む身体サインパラメータを取得するためのセンサからの情報を見るための適切な位置にディスプレイを提供する。
【0010】
さらに、GPSまたは他の手段などによる場所または位置の物理的な追跡の使用が、ヘルスケア、軍事、産業、および消費者市場用に組み込まれ得ることが想定されている。
【0011】
本発明は、免疫不全症の個人、透析を受ける患者、および癌患者などの、体温調節の問題を抱える非外科的患者についても同様に使用することができる。
【0012】
本発明のさらなる特徴は、以下の説明の過程で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の利点および特徴は、添付の図面と併せて以下のより詳細な説明および特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるであろう。図面では、類似の要素は類似の記号で特定される。
【0014】
図1】本発明の好ましい実施形態による、患者の体温を制御するための外科用キャップの斜視図である。
【0015】
図2】その側面図である。
【0016】
図3】その正面図である。
【0017】
図4】その背面図である。
【0018】
図5】その内部を示す裏側斜視である。
【0019】
図6図4の線VI-VIに沿って取った部分断面図である。
【0020】
図7】本発明の好ましい実施形態による、患者の体温を制御するための外科用樹液の斜視図であり、外科用キャップは、着用者の頭部と共に示されている。
【0021】
図8】本発明の代替実施形態による、患者の体温を制御するための外科用キャップの斜視図である。
【0022】
図9は固定ストラップを組み込んだ、本発明の第1の代替実施形態による、患者の体温を制御するための外科用キャップの正面斜視図である。
【0023】
図10は様々なモニタおよび除細動器などの救命デバイスと動作可能に通信する、患者の中核身体バイタルを示すためのグラフィカルユーザインターフェースとして使用するための本発明ディスプレイ画面20を示す。
【0024】
図11はスマート病院用ベッドと動作可能に通信する、患者の中核身体バイタルを示すためのグラフィカルユーザインターフェースとして使用するための本発明ディスプレイ画面20を示す。
【0025】
図12は救急医療輸送車両と動作可能に通信する、患者の中核身体バイタルを示すためのグラフィカルユーザインターフェースとして使用するための本発明ディスプレイ画面20を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態が、その好ましい実施形態に関して提示され、本明細書において、図1図7に示されている。
【0027】
1.図の詳細な説明
ここで図1図5を参照すると、外科手術中に、頭部温度および中核体温を正常温度範囲内に維持するために患者の頭部を覆うための、概して10と記されている、被覆ユニットが示されている。被覆ユニット10は、以下でより詳細に説明するように、頭部70のかなりの部分を覆い、内面12を有するマルチパートシェル構成要素を形成し、内面は、患者の頭部の輪郭にぴったりと適合するように適応されて、頭部と内面との間に開放空間がないようにする。シェル構成要素は外面14をさらに有し、把持用下端18によって包囲される開口部16を形成する。この把持用下端18は、外科手術中に、頭部被覆ユニットが患者の頭部から外れないようにするやり方で、患者の頭部を把持するための把持手段を形成する。シェル構成要素は、好ましくは、絶縁特性を提供し、絶縁性充填物を含み得る。しかしながら、図6に示されるようにより詳細には、シェル構成要素の材料は、1mmよりも厚く、2mm未満の厚さであるものとして予想され、頭部の両方の側方側部上に位置決めされるように適応されている。このシェルは、患者の頭部温度を正常温度範囲内に維持するのに適した厚さである。
【0028】
さらに予想され、図5図6に関連して最もよく示されているように、追加の絶縁性構成要素19が内面12の一部を裏打ちしている。頭部の後部、前部、および上部を覆うように適応されたエリアを覆うためにより厚い厚さを有する、上部中央パネルを裏打ちする絶縁性構成要素19が提供されている。厚さは2mmを超えていてもよい。さらに、第1の側部パネルおよび第2の側部パネルを裏打ちする絶縁性構成要素19aの側方部分は、頭部の両方の側方側部において、より薄い厚さをさらに有し得る。この厚さは2mm未満であり得る。
【0029】
また、図1図7に示されているように、キャップ10は、好ましくは、頭部の後部および上頸部領域に加えて、両側で外耳道の中点より下を覆う。頭部を覆う材料は、頭部と頭部を覆う内側材料との間の意義の量の空間を防ぐために、すべての覆われたエリアで頭部と接触するように設計されている。これを達成するために、シェル構成要素は、頭部の前部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションおよび頭部被覆ユニットの後部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションから非対称であるパターンカットから作られ、これにより、パターンカットは、頭部の前部および後部の形状を模倣して、外科手術中に、頭部被覆ユニットが頭部から外れないようにするために凹状のパターンを有する。
【0030】
シェル構成要素が絶縁特性を含むことが好ましい。シェル構成要素は、絶縁性充填物をさらに含み得る。
【0031】
図6に示されるように、シェル構成要素の材料は、1mm以上、好ましくは1mm~2mm以上の厚さに近似すると予想される。シェルの厚さは、本明細書に開示される近似値に限定されないが、あるいは、正常温度範囲を維持し、患者の頭部の両方の側方部上の位置に適応する任意の厚さを含み得る。
【0032】
さらに、図5および図6に最もよく示されているように、追加の絶縁性構成要素19が内面12の一部を裏打ちすることが予想される。絶縁性構成要素19は、頭部の後部、前部、および上部を覆うように適応されたエリアで2mmを超える厚さを有する材料を含む。絶縁性構成要素19は、両方の側方部を覆うように適応されたエリアで2mm未満の厚さを有する材料を含む。外科用カバー10は、患者の頭部のより大きな部分を、ほぼ中央の3分の1、前部、および後部に沿って絶縁する。図1図7にも示されているように、外科用キャップ10は、好ましくは、頭部の後部および上頸部領域に加えて、両側で外耳道の中点より下を覆う。頭部を覆う内側材料は、頭部と直接接触するように設計されており、空隙を有する外科用キャップが患者の低体温に及ぼす悪影響を防ぐ。直接接触は、頭部の前部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションおよび頭部の後部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションから非対称にカットされたパターンから作られたシェル構成要素によって達成される。パターンカットは、頭部の前部および後部の形状を模倣するように凹状であり、外科手術中に、外科用キャップ10が落ちないようにする。パターンは、3/4インチ未満、好ましくは1/2インチ未満、最も好ましくは1/4インチ未満の間隙を形成する。
【0033】
外科用キャップ10は、温度調節マイクロファイバを含む材料を含むことがさらに企図される。封入されたキャップは、外科用カバー10の右下および左下の側面に取り付けられた顎ストラップをさらに組み込んでいてもよい。
【0034】
キャップ10は、様々なサイズ、例えば、極小、小、中、大、特大などを含む標準サイズで製造されることが想定されている。より効率的な適合のために、外科用キャップ10は、異なる年齢層のための様々な標準サイズを含み得る。さらに、調整または引締め機構を使用して、患者の頭部を圧迫することなく、患者の頭部にぴったりと適合することを確実にすることができる。外科用キャップ10は、患者の外耳道の下を側方に把持する。最後に、頭部被覆ユニットに使用される材料は、火花を放出せず、静電気伝導性でもないことが想定されている。難燃性材料で作られていてもよい。
【0035】
図1図3は、開示された発明の一実施形態が、頭部の前部を覆うように適応された外科用キャップ10のセクションおよび頭部の後部を覆うように適応された外科用キャップ10のセクションから非対称にカットされたパターンから作られ得ることをさらに示している。このようなパターンは、頭部の前部および後部の形状を模倣し、外科手術中に、頭部被覆ユニットが落ちないようにするために凹状である。この実施形態は、後部パネル20、前部パネル22、上部パネル24、ならびに両側で外耳道の中点を覆う中間および側方の側部パネル26を含む。側面の間の継ぎ目は、外科用キャップ10が、身体の後側、中間側または側方側に置かれたときに動かないようにするための外面特徴を含む。
【0036】
図1図3は、開示された発明の一例が、頭部の前部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションおよび頭部被覆ユニットの後部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションから非対称であるパターンカットから作られ得ることをさらに示している。このようなパターンカットは、頭部の前部および後部の形状を模倣して、外科手術中に、頭部被覆ユニットが頭部から外れないようにするために凹状パターンを有し、後部パネル20、前部パネル22、上部パネル24、両側で外耳道の中点を覆う中間および側方の側部パネル26を含む。側面の間の継ぎ目は、身体の後側、または中間側もしくは側方側に置かれるときに頭部が動かないようにする外面特徴を含む。
【0037】
ここで図8を参照すると、開口部16を横切って、かつ、下端18で被覆ユニット10に取り付けられた追加の顎ストラップ80を含む、本発明の代替実施形態による、患者の体温を制御するための外科用キャップの斜視図。一方、顎ストラップ80は、外科手術中に、頭部被覆を患者の頭部上に維持することを防止するための追加の保護を提供することを意図している。
ここで図を参照すると、外科手術中に、頭部温度および中核体温を正常温度範囲内に維持するために患者の頭部を覆うための、概して10と記されている、医療用センサと被覆ユニットとの組み合わせが示されている。被覆ユニット10は、以下でより詳細に説明するように、患者の頭部のかなりの部分を覆い、内面12を有するマルチパートシェル構成要素を形成し、内面は、患者の頭部の輪郭にぴったりと適合するように適応されて、頭部と内面との間に開放空間がないようにする。シェル構成要素は外面14をさらに有し、把持用下端18によって包囲される開口部16を形成する。この把持用下端18は、外科手術中に、頭部被覆ユニットが患者の頭部から外れないようにするやり方で、患者の頭部を把持するための把持手段を形成する。
【0038】
本発明の一態様によれば、センサパッチの形態の機能的電子機器パッケージをキャップ10内に組み込むことができる。図9図12に関連して参照すると、このような態様は、本明細書において完全に書き直されたかのように参照により組み込まれる、関連出願によって教示されるやり方で内面にアクセスする監視センサ52を組み込む取り外し可能なパッチモジュール50を利用することができる。本発明のさらなる態様によれば、バイタルサイン情報を提供するために無線で通信することができる、患者の身体に取り付けられた、他の点では従来のまたは遠隔の場所のリモートセンサとの情報通信。本外科用キャップは、患者の額に位置合わせされたキャップの前面に位置決めされたディスプレイ画面20の形態の介護者インターフェースを含むことが想定されている。このようなインターフェースディスプレイ画面の場所および動作により、医師、看護師、EMTなどは、患者と一緒に移動するだけでなく、介護者が患者ケア活動から注意をそらす必要を排除するやり方で、選択したバイタル身体サインセンサから出力された情報に簡単にアクセスすることができる。
【0039】
本教示に照らして、当業者には、代替のセンサ構成または配置が提供され得ること、およびそのような修正が本発明の同等物の範囲内であり、そのような範囲内にあると広く考慮されるべきであることが明らかであるはずである。限定としてではなく、一例として、監視センサは、標準的なバイタル身体サインパラメータの取得を容易にするために、患者の頭部と接触してキャップ10の内面12に直接統合され得る。限定としてではなく、別の例として、監視センサは、標準的なバイタル身体サインパラメータの取得を容易にするために、患者の身体の他の様々な部分の周りに分散および取り付けられ、患者の頭部のディスプレイ20と無線で通信することができる。
【0040】
いかなるサブ構成においても、キャップ10は、医療従事者が内科的治療および外科的治療中に、何度も患者の位置を操作する間およびその後、その位置を維持することを意図している。キャップ10は、体温、心電図(ECG)、呼吸数(RR)および呼気終末二酸化炭素(ETCO2)、心拍数(HR)、酸素飽和度(SpO2)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、血糖(BG)、一酸化炭素レベル(SpCO)、血圧(BP)、ならびに水分補給レベル(HL)を含む身体サインパラメータを取得するためのセンサの適切な位置および接触を提供する。
【0041】
外面16について、着用者の頭部の額領域に機能的に位置決めされ、ディスプレイ20は、ナビゲーションディスプレイを見ることによって様々な身体サインの直接読み取りを提供するためのグラフィカルインターフェースをさらに形成され得る。
【0042】
様々なタイプの身体バイタルサインセンサが現在使用されているが、本開示に照らして、当業者には、特定のタイプのセンサが本発明の全体的な機能および特徴に限定を形成すべきではないことは明らかであろう。さらに、GPSまたは他の手段などによる場所または位置の物理的な追跡の使用が、ヘルスケア、軍事、産業、および消費者市場用に組み込まれ得ることが想定されている。
【0043】
シェル構成要素14は、好ましくは、絶縁特性を提供し、絶縁性充填物を含み得る。しかしながら、シェル構成要素の材料は、1mmよりも厚く、2mm未満の厚さであるものとして予想され、頭部の両方の側方側部上に位置決めされるように適応されている。このシェルは、患者の頭部温度を正常温度範囲内に維持するのに適した厚さである。
【0044】
さらに予想されるように、追加の絶縁性構成要素19が内面12の一部を裏打ちしている。また、全図を通して示されているように、キャップ10は、好ましくは、頭部の後部および上頸部領域に加えて、両側で外耳道の中点より下を覆う。頭部を覆う材料は、頭部と頭部を覆う内側材料との間の意義の量の空間を防ぐために、すべての覆われたエリアで頭部と接触するように設計されている。これを達成するために、シェル構成要素は、頭部の前部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションおよび頭部被覆ユニットの後部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションから非対称であるパターンカットから作られ、これにより、パターンカットは、頭部の前部および後部の形状を模倣して、外科手術中に、頭部被覆ユニットが頭部から外れないようにするために凹状のパターンを有する。さらに、いくつかの別個の絶縁性パネル、すなわち、一対の側部パネル22が中央パネル24の両側にある。このような構造では、パネル22、24の各々は、パネル22、24の間およびそれらの交差点に沿って位置決めされた調整可能な伸縮性接合部26によって着用者の頭部の周りに調整可能に適合され得る。
【0045】
外科用カバー10は、患者の頭部のより大きな部分を、ほぼ中央の3分の1、前部および後部に沿って絶縁する。また示されるように、外科用キャップ10は、好ましくは、頭部の後部および上頸部領域に加えて、両側で外耳道の中点より下を覆う。頭部を覆う内側材料は、頭部と直接接触するように設計されており、空隙を有する外科用キャップが患者の低体温に及ぼす悪影響を防ぐ。直接接触は、頭部の前部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションおよび頭部の後部を覆うように適応された被覆ユニットのセクションから非対称にカットされたパターンから作られたシェル構成要素によって達成される。パターンカットは、頭部の前部および後部の形状を模倣するように凹状であり、外科手術中に、外科用キャップ10が落ちないようにする。パターンは、3/4インチ未満、好ましくは1/2インチ未満、最も好ましくは1/4インチ未満の間隙を形成する。
【0046】
外科用キャップ10は、温度調節マイクロファイバを含む材料を含むことがさらに企図される。封入されたキャップは、外科用カバー10の右下および左下の側面に取り付けられた顎ストラップをさらに組み込んでいてもよい。
【0047】
キャップ10は、様々なサイズ、例えば、極小、小、中、大、特大などを含む標準サイズで製造されることが想定されている。より効率的な適合のために、外科用キャップ10は、異なる年齢層のための様々な標準サイズを含み得る。さらに、調整または引締め機構を使用して、患者の頭部を圧迫することなく、患者の頭部にぴったりと適合することを確実にすることができる。外科用キャップ10は、患者の外耳道の下を側方に把持する。最後に、頭部被覆ユニットに使用される材料は、火花を放出せず、静電気伝導性でもないことが想定されている。難燃性材料で作られていてもよい。頭部被覆ユニットは、加熱または冷却材料、頭部の傷からの出血を制御するための止血材料、バッテリ、ならびにバイタルサインモニタの機能をサポートする診断および分析ユニットのポーチを含む、キャップの機能に必要な治療要素またはサービス要素の配置に適した、取り付けられたポーチを含み得ることが想定されている。
【0048】
図2は、開示された発明の一例が、開口部16を横切って、かつ、下端18で各側部パネル22に取り付けられるか、またはそこから延在するように提供され得る顎ストラップ30を含むパターンカットから作られ得ることをさらに示している。顎ストラップ30は、外科手術中に、頭部被覆を患者の頭部上に維持することを防止するための追加の保護を提供することを意図している。
【0049】
2.好ましい実施形態の動作
動作中、本発明の被覆ユニット10は、外科手術中または外科手術後に、頭部温度および中核体温を正常温度範囲内に維持するのに使用することが予想される。患者の頭部70は、額、耳、および頭部と首とが交わる線に沿った後部を有する付け根において覆われている。被覆ユニット10は、頭部70にぴったりと適合され、外科手術中、近接を維持する。頭部被覆10は、外科手術中に、患者の頭部の少なくとも一部にさらに追加の絶縁体を提供する。キャップ10は、両側で着用者の外耳道の下でしっかりと係合し、患者の頭部にぴったりと一致するように作られている。ディスプレイ画面20は、除細動器(図3)、スマート病院用ベッド(図4)、スマート救急車(図5)または他の同様の医療機器に接続された、患者の中核身体バイタルを示すためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。ディスプレイ画面20は、体温、心電図(ECG)、呼吸数(RR)および呼気終末二酸化炭素(ETCO2)、心拍数(HR)、酸素飽和度(SpO2)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、血糖(BG)、一酸化炭素レベル(SpCO)、血圧(BP)、ならびに水分補給レベル(HL)を含む様々なバイタルサインパラメータを示すことができるが、これらに限定されない。GPS追跡または物理的場所測位センサをさらに含めることは、ヘルスケア、軍事、産業および消費者市場用にさらに組み込まれ、適応され得る。
【0050】
本発明の特定の実施形態の上記の説明が、例示および説明の目的のみで提示されてきた。それらは網羅的であることを意図するものではなく、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして明らかに多くの修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際的な用途を最もよく説明するために選択および説明され、それによって当業者が本発明および考えられる特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態を最もよく利用できるようにする。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることを意図している。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
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図8