IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エムディー ヘルスケア インコーポレイテッドの特許一覧

特許7356742ストレプトコッカスパイオジェネス細菌由来タンパク質及びその用途
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ストレプトコッカスパイオジェネス細菌由来タンパク質及びその用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/744 20150101AFI20230928BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20230928BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20230928BHJP
   A23L 33/195 20160101ALI20230928BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 8/64 20060101ALN20230928BHJP
   A61K 8/99 20170101ALN20230928BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALN20230928BHJP
   A61P 3/00 20060101ALN20230928BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20230928BHJP
【FI】
A61K35/744
A61K38/16
A23L33/135
A23L33/195
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
A61K8/64
A61K8/99
A61Q19/00
A61P3/00
A61P29/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021562910
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 KR2020005420
(87)【国際公開番号】W WO2020218868
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0049284
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0046639
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516348577
【氏名又は名称】エムディー ヘルスケア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MD HEALTHCARE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン-クン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チェ ギュ
(72)【発明者】
【氏名】シン、テ ソプ
【審査官】深草 亜子
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-345798(JP,A)
【文献】特開昭63-101392(JP,A)
【文献】国際公開第2010/064373(WO,A1)
【文献】国際公開第02/064165(WO,A1)
【文献】特開昭56-079622(JP,A)
【文献】特開2019-011317(JP,A)
【文献】特表2010-520302(JP,A)
【文献】特開平04-211017(JP,A)
【文献】The Journal of Infectious Diseases,2005年,Vol.192,pp.783-790
【文献】Neurol.Med.Chir.,1984年,Vol.24,pp.376-384
【文献】Metabolic Syndrome and Related Disorders,2009年,Vol.7, No.4,pp.279-287
【文献】Journal of Immunology Research,2018年,Vol.2018,Article ID 2397808
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
A61K 38/00-38/58
A61K 8/00-8/99
A23L 33/00-33/29
CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)上澄み液または上澄み液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、がんの予防または治療用薬学的組成物であって、
ここで、該上澄み液は、ストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除く為にストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して、ストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除いた上澄み液を得る段階によって得られ、
ここで、該タンパク質は、100kDa以上であり、
ストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して上澄み液を得る段階と、
上澄み液を100kDa限外ろ過フィルターでろ過する段階と、
100kDa限外ろ過フィルターを通過しなかった成分を超遠心分離して非水溶性成分を除去し、水溶性の部分のみを取ることによって得られ;
該がんは、肺がん、喉頭がん、口腔がん、胃がん、大腸-直腸がん、肝がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、脳腫瘍、白血病、及びリンパ腫からなる群から選ばれる1つ以上であることを特徴とする、薬学的組成物。
【請求項2】
前記薬学的組成物は、炎症性サイトカインを抑制することを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記炎症性サイトカインは、インターロイキン-8(interleukin-8)であることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)上澄み液または上澄み液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、がんの予防または改善用食品組成物であって、
ここで、該上澄み液は、ストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除く為にストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して、ストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除いた上澄み液を得る段階によって得られ、
ここで、該タンパク質は、100kDa以上であり、
ストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して上澄み液を得る段階と、
上澄み液を100kDa限外ろ過フィルターでろ過する段階と、
100kDa限外ろ過フィルターを通過しなかった成分を超遠心分離して非水溶性成分を除去し、水溶性の部分のみを取ることによって得られ;
該がんは、肺がん、喉頭がん、口腔がん、胃がん、大腸-直腸がん、肝がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、脳腫瘍、白血病、及びリンパ腫からなる群から選ばれる1つ以上であることを特徴とする、食品組成物。
【請求項5】
前記食品組成物は、炎症性サイトカインを抑制することを特徴とする、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項6】
がんの治療用薬剤製造のためのストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)上澄み液または上澄み液から分離されたタンパク質の使用であって、
ここで、該上澄み液は、ストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除く為にストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して、ストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除いた上澄み液を得る段階によって得られ、
ここで、該タンパク質は、100kDa以上であり、ストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して上澄み液を得る段階と、
上澄み液を100kDa限外ろ過フィルターでろ過する段階と、
100kDa限外ろ過フィルターを通過しなかった成分を超遠心分離して非水溶性成分を除去し、水溶性の部分のみを取ることによって得られ;
該がんは、肺がん、喉頭がん、口腔がん、胃がん、大腸-直腸がん、肝がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、脳腫瘍、白血病、及びリンパ腫からなる群から選ばれる1つ以上であることを特徴とする、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス細菌由来タンパク質及びその用途に関し、より具体的にストレプトコッカスパイオジェネス細菌の培養液または培養液から分離されたタンパク質を用いた炎症性疾患、代謝性疾患、及びがんの予防、改善または治療用組成物に関する。
【0002】
本出願は、2019年04月26日付で出願された韓国特許出願第10-2019-0049284号及び2020年04月17日付で出願された韓国特許出願第10-2020-0046639号に基づく優先権を主張し、該出願の明細書及び図面に開示されたすべての内容は、本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
好中球(neutrophil)は、哺乳類において最も大きな割合を占める白血球であって、細菌感染のような先天免疫反応で重要な役割を果たす。インターロイキン-8(interleukin-8、以下、IL-8)は、炎症細胞、上皮細胞、血管内皮細胞などから分泌され、好中球性炎症を引き起こすサイトカインで、酸化ストレス(oxidative stress)によりIL-8の分泌が増加し、これはさらに他の酸化ストレスを誘発して炎症反応を増幅させる。IL-8は、好中球性炎症を特徴とする疾患だけでなく、肥満、糖尿病、非アルコール性肝炎などの代謝性疾患、がん、うつ病、統合失調症などの精神疾患の病因とも密接な関連があることが報告されている。
【0004】
ストレプトコッカス属細菌は、口腔、膣などのように人体に共生する通気性グラム陽性細菌であって、発酵過程で乳酸を分泌し、50個以上の種を含む。このうちストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)は、口腔に常在するアルファ-溶血性ストレプトコッカス菌であって、たまに感染性心内膜炎を引き起こす菌として知られている。
【0005】
一方、サイトカインの分泌を抑制し、炎症性疾患を治療する発明は多数あるが、(KR10-1478089、KR10-1670317など)、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液または培養液から分離されたタンパク質が炎症性疾患の予防または治療のために使用された場合はないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】KR10-1478089
【文献】KR10-1670317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、ストレプトコッカスパイオジェネス菌株を培養して得られた培養液からタンパク質を分離し、前記タンパク質が炎症性サイトカインの発現を効果的に抑制することを実験的に確認したところ、これに基づいて本発明を完成した。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の予防または治療用薬学的組成物を提供するものである。
【0009】
本発明の他の目的は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の予防または改善用食品組成物を提供するものである。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、呼吸器炎症疾患の予防または改善用吸入剤組成物を提供するものである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性皮膚疾患の予防または改善用化粧料組成物を提供するものである。
【0012】
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記記載から当業者が明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような本発明の目的を達成するため、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の予防、治療または改善用組成物を提供する。
【0014】
前記組成物は、薬学的組成物、食品組成物、吸入剤組成物、または化粧料組成物を含み、また、前記食品組成物は、健康機能食品組成物であってもよい。
【0015】
また、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、呼吸器炎症疾患の予防または改善用吸入剤組成物を提供する。
【0016】
また、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性皮膚疾患の予防または改善用化粧料組成物を提供する。
【0017】
本発明の一具現例として、前記タンパク質は、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液から分離されるものであってもよい。
【0018】
本発明の他の具現例として、前記タンパク質は、100kDa以上であってもよい。
【0019】
本発明のさらに他の具現例として、本発明による組成物は、炎症性サイトカインを抑制しうる。
【0020】
本発明のさらに他の具現例として、前記組成物は、ヘリコバクター・ピロリまたは大腸菌由来細胞外小胞により誘発される炎症性サイトカインを抑制しうる。
【0021】
本発明のさらに他の具現例として、前記炎症性サイトカインは、インターロイキン-8(interleukin-8)であってもよい。
【0022】
本発明のさらに他の具現例として、前記がんは、肺がん、喉頭がん、口腔がん、胃がん、大腸-直腸がん、肝がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、脳腫瘍、白血病、及びリンパ腫からなる群から選ばれた1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0023】
本発明のさらに他の具現例として、前記炎症性疾患は、鼻炎、喘息及び慢性閉塞性肺疾患を含む呼吸器疾患と、歯周炎を含む口腔内の炎症性疾患と、胃炎及び炎症性大腸炎を含む消化器疾患と、アトピー性皮膚炎、乾癬、にきびを含む皮膚疾患と、動脈硬化症及びその合併症と、慢性肝炎及び肝硬変と、関節リウマチ、骨関節炎を含む関節疾患と、炎症により発生するがんからなる群から選ばれる1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0024】
本発明のさらに他の具現例として、前記代謝性疾患は、肥満、脂肪肝、肝硬変、肝虚血、肝膿瘍、高脂血症、高コレステロール症、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化症、冠動脈疾患、アルコール性脂肪肝炎、非アルコール性脂肪肝炎及び脳卒中からなる群から選ばれる1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0025】
本発明のさらに他の具現例として、前記呼吸器炎症疾患は、風邪、肺炎、肺気腫、肺線維化、急性鼻炎、慢性鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群から選ばれた1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0026】
本発明のさらに他の具現例として、前記炎症性皮膚疾患は、皮膚炎、乾癬、紅斑性ループス、フケ、急・慢性湿疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、慢性単純苔腺、間擦疹、剥脱性皮膚炎、丘疹状じんま疹、日光皮膚炎及びにきびからなる群から選ばれた1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0027】
また、本発明は、前記ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を個体に投与することにより炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、前記ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質の炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の疾患の治療用途を提供する。
【0029】
また、本発明は、炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の治療用薬剤の製造のための前記ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質の用途を提供する。
【発明の効果】
【0030】
本発明者らは、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を炎症性疾患モデルに処理したときに抗炎症効果を確認したところ、本発明によるストレプトコッカスパイオジェネス培養液またはタンパク質は、炎症性疾患、代謝性疾患、がんを予防、症状を改善または治療するための医薬品または健康機能食品、吸入剤、化粧料などの開発に有用に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、胃上皮細胞株(AGS、ATCC CRL-1739)においてIL-1α(10ng/ml)が誘導する炎症性サイトカインIL-8の発現を抑制するストレプトコッカスパイオジェネス培養液の効能を評価した結果である。
図2図2は、100kDaサイズのろ過を通じて低分子化合物と100kDaより小さいタンパク質を除去し、これを超遠心分離して非水溶性部分を除去したストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の水溶性成分のIL-8発現抑制機能を評価した結果である。
図3図3は、熱処理したストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)のIL-8発現抑制機能を評価した結果である。
図4図4は、胃上皮細胞株(AGS)においてヘリコバクターピロリ(HP99)が誘導するIL-8の発現を抑制するストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価した結果である。
図5図5は、大腸上皮細胞株(ATCC HTB-38)において大腸菌由来細胞外小胞が誘導するIL-8の発現を抑制するストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価した結果である。
図6a図6aは、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)タンパク質の構成を1D native-PAGE(polyacrylamide gel electrophoresis)で分析し、そのうち濃度の高いタンパク質(F1)を分離及び精製した結果である。
図6b図6bは、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)から分離及び精製したF1のIL-8発現抑制機能を評価した結果である。
図7図7は、Dextran Sulfate Sodium(DSS)で誘導された大腸炎(DSS-colitis)マウスモデルにおいてストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価するためのプロトコルを図示したものである。
図8a図8aは、Dextran Sulfate Sodium(DSS)で誘導された大腸炎(DSS-colitis)マウスモデルにおいてマウス大腸の長さを測定し、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価した結果である。
図8b図8bは、図8aの結果をグラフで示したものである。
図9a図9aは、Dextran Sulfate Sodium(DSS)で誘導された大腸炎(DSS-colitis)マウスモデルにおいてマウスの体重の変化を測定し、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価した結果である。
図9b図9bは、Dextran Sulfate Sodium(DSS)で誘導された大腸炎(DSS-colitis)マウスモデルにおいてマウスの餌の摂取量を測定し、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価した結果である。
図10a図10aは、Dextran Sulfate Sodium(DSS)で誘導された大腸炎(DSS-colitis)マウスモデルにおいてマウスの体重の変化、便の性状及び血便の程度を疾病活性度(disease activity index、DAI)スコアで評価するための基準である。
図10b図10bは、図10aの基準によってDextran Sulfate Sodium(DSS)で誘導された大腸炎(DSS-colitis)マウスモデルにおいてストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を疾病活性度で評価した結果である。
図10c図10cは、図10bの結果をグラフで示したものである。
図11図11は、エタノール-誘導急性胃炎マウスモデルにおいてストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価するためのプロトコルを図示したものである。
図12a図12aは、エタノール-誘導急性胃炎マウスモデルにおいてマウスの胃の外見の変化及びサイズの変化を観察してストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の抗炎症効能を評価した結果である。
図12b図12bは、図12aの胃のサイズの変化の結果をグラフで示したものである。
図12c図12cは、エタノール-誘導急性胃炎マウスモデルにおいて胃の炎症の程度を観察してストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の抗炎症効能を評価した結果である。
図12d図12dは、80%エタノール-誘導急性胃炎マウスモデルにおいて胃の炎症の程度を観察し、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM200μg)の抗炎症効能を評価した結果である。
図13図13は、がん細胞移植マウスがんモデルにおいてストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価するための実験プロトコルを示したものである。
図14a図14aは、がん細胞移植マウスがんモデルにおいてがん組織の成長速度を評価した結果である。
図14b図14bは、がん細胞移植マウスがんモデルにおいてがん組織の体積を評価した結果である。
図15図15は、高脂肪食餌-誘導肥満マウスモデルにおいてストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の効能を評価するためのプロトコルを図示したものである。
図16図16は、高脂肪食餌-誘導肥満マウスモデルにおいて体重の変化を観察してストレプトコッカスパイオジェネス培養液(SP CM>100kDa)の抗肥満効能を評価した結果である。
図17図17は、高脂肪食餌-誘導肥満マウスモデルにおいて血液のALT(alanine aminotransferase)、AST(arspartate aminotransferase)を分析し、ストレプトコッカスパイロジェネス培養液(SP CM>100kDa)の脂肪肝(steatosis)治療効能を評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明者らは、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)由来培養液及び培養液から分離されたタンパク質が炎症性サイトカインの発現を抑制し、炎症性疾患、代謝性疾患、及びがんモデルにおいて治療効果があることを確認したところ、これに基づいて本発明を完成した。
【0033】
本発明の一実施例では、ストレプトコッカスパイオジェネス培養液のうち、水溶性の上澄み液が炎症性サイトカインIL-8の発現を抑制する効果があることを確認し(実施例1参照)、具体的には、分子量が100kDa以上の水溶性成分が炎症性サイトカインIL-8の発現を抑制することを確認した(実施例2参照)。
【0034】
本発明の他の実施例では、IL-8の発現を抑制する有効成分が熱に弱いタンパク質成分であることを確認し(実施例3参照)、ストレプトコッカスパイオジェネス由来タンパク質がヘリコバクターピロリまたは大腸菌由来細胞外小胞により誘発される炎症性サイトカインIL-8の発現を抑制する効果があることを確認した(実施例4及び5参照)。
【0035】
本発明のさらに他の実施例では、ストレプトコッカスパイオジェネス由来の100kDaのタンパク質が濃度依存的にIL-8の発現を抑制することを確認し(実施例6参照)、ストレプトコッカスパイオジェネス由来タンパク質が胃炎や大腸炎マウスモデルにおいて抗炎症効果があることを確認した(実施例7及び8参照)。
【0036】
本発明のさらに他の実施例では、ストレプトコッカスパイオジェネス由来タンパク質ががんモデルにおいて抗がん効果があることを確認した(実施例9参照)。
【0037】
本発明のさらに他の実施例では、ストレプトコッカスパイオジェネス由来タンパク質が代謝性疾患モデルにおいて抗肥満及び肝炎抑制効果があることを確認した(実施例10参照)。
【0038】
本発明の実施例の結果を通じて、本発明によるストレプトコッカスパイオジェネス由来タンパク質が抗炎症、抗肥満、肝機能保護、及び抗がん効果を示すことを確認したところ、前記タンパク質は、炎症性疾患、代謝性疾患、がんの予防、改善、または治療用途として用いられてもよい。
【0039】
そこで、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0040】
本発明で使用される用語の「培養液」とは、本発明によるストレプトコッカスパイオジェネス菌を適切な液体培地で培養した培養液そのもの、前記培養液をろ過または遠心分離して菌株を除去したろ液(ろ液または遠心分離した上澄み液)、前記培養液を超音波処理するか、または前記培養液に溶解酵素(lysozyme)を処理して得られた細胞破砕液などを含み、好ましくは、遠心分離後の上澄み液を意味するが、これに制限されるものではない。また、前記培養液は、培養液の濃縮液及び前記培養液の乾燥物をすべて含んでもよい。本発明において、前記培養液は、細胞外小胞が除去されたものであってもよい。
【0041】
本発明のタンパク質は、次のような手順で分離精製されたものであってもよい。
【0042】
a)ストレプトコッカスパイオジェネスを含む液体培地を遠心分離して上澄み液を得る段階と、
b)上澄み液をろ過する段階と、
c)ろ過された上澄み液からタンパク質を分離する段階。
【0043】
本発明で使用される用語の「炎症性疾患」とは、免疫系をなす体液性媒介体(humoral mediator)が直接反応するか、または局部的または全身的作動システム(effector system)を刺激することにより発生する連鎖的な生体反応により誘発される疾患で、例えば、鼻炎、喘息及び慢性閉塞性肺疾患を含む呼吸器疾患と、歯周炎を含む口腔内の炎症性疾患と、胃炎及び炎症性大腸炎を含む消化器疾患と、アトピー性皮膚炎、乾癬、にきびを含む皮膚疾患と、動脈硬化症及びその合併症と、慢性肝炎及び肝硬変と、関節リウマチ、骨関節炎を含む関節疾患と、炎症により発生するがんからなる群から選ばれた1つ以上を含むが、これに制限されるものではない。
【0044】
本発明の炎症性疾患は、例えば、感染性炎症性疾患、がん、炎症性皮膚疾患、クローン病(Crohn’s desease)及び潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、腹膜炎、骨髄炎、蜂巣炎、髄膜炎、脳炎、膵炎、外傷誘発ショック、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、嚢胞性線維症、脳卒中、急性気管支炎、慢性気管支炎、急性細気管支炎、慢性細気管支炎、骨関節炎、痛風、脊椎関節症、強直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬性関節症、腸疾患性脊椎炎、年少者性関節症、年少者性強直性脊椎炎、反応性関節症、感染性関節炎、後-感染性関節炎、淋菌性関節炎、結核性関節炎、ウイルス性関節炎、真菌性関節炎、梅毒性関節炎、ライム病、「血管炎症候群」に関連した関節炎、結節性多発動脈炎、過敏性血管炎、ルーゲーリック肉芽腫症、リウマチ性多発筋痛症、関節細胞動脈炎、カルシウム結晶沈着関節病症、仮性痛風、非-関節リウマチ、粘液嚢炎、腱鞘炎、上顆炎(テニスエルボー)、神経障害性関節疾患(charco and joint)、出血性関節症(hemarthrosic)、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肥厚性骨関節症、多中心性細網組織球症、サルコイドーシス(sarcoidosis)、血色素症、鎌状赤血球症及びその他の血色素病症、高脂蛋白血症、低ガンマグロブリン血症、家族性地中海熱、ベハート病、全身性紅斑性ループス、回帰熱、乾癬、多発性硬化症、敗血症、敗血症性ショック、多臓器機能障害症候群、急性呼吸困難症候群、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、急性肺損傷(acute lung injury)及び気管支肺形成障害(broncho-pulmonary dysplasia)からなる群から選ばれたものであってもよいが、これに制限されない。
【0045】
本発明で使用される用語の「感染性炎症性疾患」とは、例えば、サルモネラ症(salmonellosis)、食中毒、腸チフス、パラチフス、敗血症(sepsis)、敗血症性ショック(septic shock)、全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome、SIRS)、多臓器機能障害症候群(multiple organ dysfunction syndrome、MODS)、肺炎、肺結核、結核、風邪、インフルエンザ、気道感染、鼻炎、鼻咽頭炎、中耳炎、気管支炎、リンパ腺炎、耳下腺炎、リンパ節炎、口唇炎、口内炎、関節炎、筋肉炎、皮膚炎、血管炎、歯肉炎、歯根膜炎、角膜炎、結膜炎、創傷感染、腹膜炎、肝炎、骨髄炎、蜂巣炎、髄膜炎、脳炎、脳膿瘍、脳脊髄炎、髄膜炎、腎炎、心臓炎、心内膜炎、腸炎、胃炎、食道炎、十二指腸炎、大腸炎、尿路炎、膀胱炎、膣炎、子宮頸部炎、卵管炎、感染性紅斑、細菌性赤痢、膿瘍及び潰瘍、菌血症、下痢、赤痢、胃腸炎、胃腸管炎、泌尿生殖器膿瘍、開放性創傷または傷の感染、化膿性炎症、膿瘍、腫れ物、膿皮症、膿痂疹、毛嚢炎、蜂巣炎、手術後の傷の感染症、皮膚裂傷症候群、皮膚やけど症候群、血栓性血小板減少症、溶血性尿毒症症候群、腎不全、腎盂腎炎、糸球体腎炎、神経系膿瘍、中耳炎、副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃腺炎、乳様突起炎、軟組織炎、歯性感染、涙嚢炎、胸膜炎、腹部膿瘍、肝膿瘍、胆嚢炎、脾臓膿瘍、心嚢炎、心筋炎、胎盤炎、羊水炎、乳房炎、乳腺炎、産褥熱、毒素性ショック症候群(toxic shock syndrome)、ライム(lyme)病、ガス壊疽、アテローム性動脈硬化症、マイコバクテリウムアビウム症候群(MAC)、腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症、腸管病原性大腸菌(EPEC)感染症、腸管侵入性大腸菌感染症(EIEC)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症及びリステリア症(listerosis)からなる群から選ばれた1つ以上であってもよい。
【0046】
本発明で使用される用語の「消化器疾患」とは、例えば、胃炎、大腸炎、クローン病、腸管型ベーチェット病、腸病変、潰瘍性大腸炎、出血性直腸潰瘍及び回腸嚢炎を含んでもよいが、これに制限されるものではない。
【0047】
本発明で使用される用語の「代謝性疾患」とは、炭水化物または脂質代謝の異常により発生する疾患で、本発明において代謝性疾患は、肥満、脂肪肝、肝硬変、肝虚血、肝膿瘍、高脂血症、高コレステロール症、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化症、冠動脈疾患、アルコール性脂肪肝炎、非アルコール性脂肪肝炎及び脳卒中からなる群から選ばれる1つ以上の疾患を含むが、これに制限されるものではない。
【0048】
本発明で使用される用語の「がん」とは、正常細胞ががん細胞に変化し、がん細胞の増殖により発生する疾患で、本発明においてがんは、肺がん、喉頭がん、口腔がん、食道がん、胃がん、大腸-直腸がん、肝がん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、子宮頸がん、脳腫瘍、白血病、リンパ腫などからなる群から選ばれる1つ以上の疾患を含むが、これに制限されるものではない。
【0049】
本発明で使用される用語の「炎症性皮膚疾患」とは、これに限定されないが、皮膚炎、乾癬、紅斑性ループス、フケ、急・慢性湿疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、慢性単純苔腺、間擦疹、剥脱性皮膚炎、丘疹状蕁麻疹、日光皮膚炎及びにきびなどが含まれる。
【0050】
本発明で使用される用語の「炎症性サイトカイン」とは、リンパ球やマクロファージなどで生産される微量の生理活性物質のうち、特に、細菌やウイルス感染、腫瘍、組織損傷などによる炎症反応に深く関与するサイトカインを意味する。
【0051】
本発明において炎症性サイトカインは、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、TNF-α、TNF-β、TGF-β(transforming growth factor-β)、MIG(CXCL9)またはインターフェロン(interferons、IFNs)であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0052】
本発明で使用される用語の「インターロイキン-8(interleukin-8、IL-8)」とは、3本のβ板状構造とαらせん構造から構成された分子量約8,000のヘパリン親和性塩基性タンパク質で、ケモカイン亜族に属し、炎症時にマクロファージをはじめとするいくつかの細胞で生成される。インターロイキン-8染色体遺伝子は、4つの活性部位と3つの非活性部位から構成され、上流域にあるNFkB、C/EBP、AP-1結合要素の相乗作用で遺伝子が活性化される。インターロイキン-8は、急性炎症反応時に好中球の遊走活性化に関与する本質的な因子である。
【0053】
本発明の前記タンパク質は、ストレプトコッカスパイオジェネスの培養液から分離されてもよい。
【0054】
本発明の組成物内の前記ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質の含量は、疾患の症状、症状の進行程度、患者の状態などによって適切に調節可能であり、例えば、全体組成物の重量を基準に0.0001~99.9重量%、または0.001~50重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。前記含量比は、溶媒を除去した乾燥量を基準にした値である。
【0055】
本発明による薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩解剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルム-コーティング物質、及び制御放出添加剤からなる群から選ばれた1つ以上であってもよい。
【0056】
本発明による薬学的組成物は、それぞれ通常の方法により、散剤、顆粒剤、徐放性顆粒剤、腸溶性顆粒剤、液剤、点眼剤、エルシリック剤、乳剤、懸濁液剤、酒精剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶性錠剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤、丸剤、チンキ剤、軟稠エキス剤、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、硬膏剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸入剤、パッチ剤、滅菌注射溶液、またはエアロゾルなどの外用剤などの形態で剤形化して使用されてもよく、前記外用剤は、クリーム、ゲル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤またはカタプラズマ剤などの剤形を有してもよい。
【0057】
本発明による薬学的組成物に含まれてもよい担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギナート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油が挙げられる。
【0058】
製剤化する場合には、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。
【0059】
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤として、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、小麦澱粉、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、ジ-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、精製ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、尿素、コロイド状シリカゲル、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1928、2208、2906、2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カルシウム、プリモーゼルなどの賦形剤と、ゼラチン、アラビアゴム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシメチルセルロース、精製セラック、澱粉糊、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が使用されてもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシ澱粉、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、1-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、ポリ酢酸ビニル、ホルムアルデヒド処理カゼイン及びゼラチン、アルギン酸、アミロース、グアールゴム(Guar gum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化澱粉、アラビアゴム、アミロペクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ジ-ソルビトール液、硬質無水ケイ酸などの崩解剤と、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリエチレングリコール4000,6000、流動パラフィン、水添大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、澱粉、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、dl-ロイシン、硬質無水ケイ酸などの滑沢剤が使用されてもよい。
【0060】
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類、ラノリンエーテル類、ラノリンエステル類、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロルアミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが使用されてもよい。
【0061】
本発明によるシロップ剤としては、白糖の溶液、他の糖類や甘味剤などが使用されてもよく、必要に応じて芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤などが使用されてもよい。
【0062】
本発明による乳剤としては、精製水が使用されてもよく、必要に応じて乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤などが使用されてもよい。
【0063】
本発明による懸濁剤としては、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1828、2906、2910など懸濁化剤が使用されてもよく、必要に応じて界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤が使用されてもよい。
【0064】
本発明による注射剤としては、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、ピイジー(PEG)、乳酸リンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、非揮発性油-ごま油、綿実油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンゼンのような溶剤と、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、尿素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジ、プロピレングリコール、ツイン類、ニコチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドのような溶解補助剤と、弱酸及びその塩(酢酸と酢酸ナトリウム)、弱塩基及びその塩(アンモニア及び酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類のような緩衝剤と、塩化ナトリウムのような等張化剤と、重亜硫酸ナトリウム(NaHSO)二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、窒素ガス(N)、エチレンジアミン四酢酸のような安定剤と、ソジウムビスルファイド0.1%、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、チオウレア、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム、アセトンソジウムビサルファイトのような硫酸化剤と、ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、ブドウ糖、グルコン酸カルシウムのような無痛化剤と、シーエムシーナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムのような懸濁化剤を含んでもよい。
【0065】
本発明による坐剤としては、カカオ脂、ラノリン、ウィテプソル、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸の混合物、スバナル(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツインまたはスパン、イムハウゼン(Imhausen)、モノレン(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブーテュールムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスパーマ16(Cebes Pharma 16)、ヘキサライドベース95、コートマ(Cotomar)、ヒドロコテSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ヒドロコテ(Hydrokote)25、ヒドロコテ711、イドロホスタール(Idropostal)、マサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタール-エン、パラマウンド-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、C、D、299)、スフォスタル(N、Es)、ウェコビー(W、R、S、M、Fs)、テゼスタトリセライド基剤(TG-95、MA、57)のような基剤が使用されてもよい。
【0066】
経口投与のための固形製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調剤される。また、単純な賦形剤の他にマグネシウムスチレートタルクのような潤滑剤なども使用される。
【0067】
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用されてもよい。
【0068】
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量水準は、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出割合、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素及びその他の医学分野によく知られている要素によって決定されてもよい。
【0069】
本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与するか、他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次または同時に投与されてもよく、単一または多重投与されてもよい。前記要素をすべて考慮し、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは本発明の属する技術分野において通常の技術者により容易に決定されてもよい。
【0070】
本発明の薬学的組成物は、個体に様々な経路で投与されてもよい。投与のすべての方式は、予想されるが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉注射、脊髄周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口または鼻による噴霧、皮膚投与、経皮投与などによって投与されてもよい。
【0071】
本発明の薬学的組成物は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重及び疾患の重症度などの様々な関連因子とともに活性成分である薬物の種類によって決定される。
【0072】
本発明において、「個体」とは、疾病の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非-ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ及びウシなどの哺乳類であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0073】
本発明において、「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
【0074】
本発明において、「予防」とは、目的とする疾患の発症を抑制するか、遅延させるすべての行為を意味し、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与により目的とする疾患とそれによる代謝異常の症状が好転するか、または有益に変更されるすべての行為を意味し、「改善」とは、本発明による組成物の投与により、目的とする疾患に関連したパラメータ、例えば、症状の程度を減少させるすべての行為を意味する。
【0075】
本発明の他の様態として、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、炎症性疾患、代謝性疾患及びがんからなる群から選ばれた1つ以上の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0076】
前記食品組成物は、健康機能性食品組成物を含む。
【0077】
本発明の健康機能性食品組成物において有効成分を食品にそのまま添加したり、他の食品または食品成分とともに使用されてもよく、通常の方法により、適切に使用されてもよい。有効成分の混合量は、その使用目的(予防または改善用)に応じて適切に決定されてもよい。一般的に、食品や飲料の製造時に、本発明の組成物は、原料に対して15重量%以下、好ましくは、10重量%以下の量で添加される。しかし、健康及び衛生を目的とし、または健康調節を目的とする長期間の摂取の場合には、前記量は、前記範囲以下であってもよい。
【0078】
本発明の健康機能性食品組成物は、指示された割合で必須成分として、前記有効成分を含有することに加えて、他の成分には、特別な制限はなく、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。上述した天然炭水化物の例は、モノサッカライド、例えば、ブドウ糖、果糖などと、ジサッカライド、例えば、マルトース、スクロースなどと、ポリサッカライド、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどのような通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールである。上述以外の香味剤として天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物、(例えば、レバウディオサイドA、グリチルヒジンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に用いることができる。前記天然炭水化物の割合は、当業者の選択により適切に決定されてもよい。
【0079】
前記の他に、本発明の健康機能性食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有してもよい。これらの成分は、独立してまたは組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の割合も当業者により適切に選択されてもよい。
【0080】
本発明のさらに他の様態として、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)由来タンパク質を有効成分として含む、炎症性皮膚疾患の予防または改善用化粧料組成物を提供する。
【0081】
本発明の化粧料組成物を添加してもよい製品としては、例えば、収れん化粧水、柔軟化粧水、栄養化粧水、各種クリーム、エッセンス、パック、ファンデーションなどのような化粧品類とクレンジング、洗顔剤、石鹸、トリートメント、美容液などがある。本発明の化粧料組成物の具体的な剤形としては、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、シャンプー、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディローション、ボディクレンザー、乳液、口紅、メイクアップベース、ファンデーション、プレスパウダー、ルースパウダー、アイシャドウなどの剤形を含む。
【0082】
本発明の化粧料組成物は、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、及びスフィンゴ脂質からなる群から選ばれた組成物をさらに含んでもよい。
【0083】
水溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどが挙げられ、それらの塩(チアミン塩酸塩、アスコルビン酸ナトリウム塩など)や誘導体(アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム塩など)も本発明で使用されてもよい水溶性ビタミンに含まれる。水溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素法または化学合成法などの通常の方法により得ることができる。
【0084】
油溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、ビタミンA、カロチン、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE(d1-アルファトコフェロール、d-アルファトコフェロール、d-アルファトコフェロール)などが挙げられ、それらの誘導体(パルミチン酸アスコルビン、ステアリン酸アスコルビン、ジパルミチン酸アスコルビン、酢酸d1-アルファトコフェロール、ニコチン酸d1-アルファトコフェロールビタミンE、DL-パントテニルアルコール、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなど)なども本発明で使用される油溶性ビタミンに含まれる。油溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素または化学合成法などの通常の方法により得ることができる。
【0085】
高分子ペプチドとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、加水分解エラスチン、ケラチンなどが挙げられる。高分子ペプチドは、微生物の培養液からの精製法、酵素法または化学合成法などの通常の方法により精製取得してもよく、または通常、豚や牛などの真皮、蚕の絹繊維などの天然物から精製して使用してもよい。
【0086】
高分子多糖としては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸またはその塩(ナトリウム塩など)などが挙げられる。例えば、コンドロイチン硫酸またはその塩などは、通常、哺乳動物や魚類から精製して使用してもよい。
【0087】
スフィンゴ脂質としては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、例えば、セラミド、フィトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質などが挙げられる。スフィンゴ脂質は、通常、哺乳類、魚類、貝類、酵母または植物などから通常の方法により精製するか、または化学合成法により得ることができる。
【0088】
本発明の化粧料組成物には、前記必須成分に加えて、必要に応じて通常の化粧品に配合される他の成分を配合してもよい。
【0089】
その他に添加してもよい配合成分としては油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などが挙げられる。
【0090】
油脂成分としては、エステル系油脂、炭化水素系油脂、シリコン系油脂、フッ素系油脂、動物油脂、植物油脂などが挙げられる。
【0091】
エステル系油脂としては、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノレン酸エチル、リノレン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノレン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、
2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル、カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアルキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピンサンジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどのエステル系などが挙げられる。
【0092】
炭化水素系油脂としては、スクワラン、流動パラフィン、アルファ-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブデン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素系油脂などが挙げられる。
【0093】
シリコン系油脂としては、ポリメチルシリコン、メチルフェニルシリコン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコン油、アミノ変性シリコン油などが挙げられる。
【0094】
フッ素系油脂としては、パーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。
【0095】
動物や植物の油脂としては、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、ゴマ油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ココナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、シアバター、月見草油、マカダミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、牛脂、 馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油、カンデリラワックス、カルナバワックス、液状ラノリン、硬化ヒマシ油などの動物や植物の油脂が挙げられる。
【0096】
保湿剤としては、水溶性低分子保湿剤、脂溶性分子保湿剤、水溶性高分子、脂溶性高分子などが挙げられる。
【0097】
水溶性低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドン-カルボン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールB(重合度n=2以上)、ポリプロピレングリコール(重合度n=2以上)、ポリグリセリンB(重合度n=2以上)、乳酸、乳酸塩などが挙げられる。
【0098】
脂溶性低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどが挙げられる。
【0099】
水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどが挙げられる。
【0100】
脂溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン・エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコンなどが挙げられる。
【0101】
エモリエント剤としては、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステルなどが挙げられる。
【0102】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
【0103】
ノニオン性界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質などが挙げられる。
【0104】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルファ-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0105】
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化べヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリンサンジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0106】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などの両性界面活性剤などが挙げられる。
【0107】
有機及び無機顔料としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びこれらの複合体などの無機顔料と、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジなどの有機顔料及びこれらの無機顔料と有機顔料の複合顔料などが挙げられる。
【0108】
有機粉体としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸と、セチリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸カルシウムなどのアルキルリン酸金属と、N-ラウロイル-ベータ-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-ベータ-アラニン亜鉛、N-ラウロイルグリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸多価金属塩と、N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイル-タウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸多価金属塩と、N-エプシロン-ラウロイル-L-リジン、N-エプシロン-パルミトイルリジン、N-アルファ-パリトイルオルニチン、N-アルファ-ラウロイルアルギニン、N-アルファ-硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニンなどのN-アシル塩基性アミノ酸と、N-ラウロイルグルリシルグリシンなどのN-アシルポリペプチドと、アルファ-アミノカプリル酸、アルファ-アミノラウリン酸などのアルファ-アミノ脂肪酸と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、四フッ化エチレンなどが挙げられる。
【0109】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、
サリチル酸ホモメンチル、けい皮酸ベンジル、パラメトキシけい皮酸-2-エトキシエチル、パラメトキシけい皮酸オクチル、ジパラメトキシけい皮酸モノ-2-エチルヘキサングリセリル、パラメトキシけい皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルけい皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0110】
殺菌剤としては、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、減光素301号、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸などが挙げられる。
【0111】
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ガーリック酸プロピル、エリソルビン酸などが挙げられる。
【0112】
pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどが挙げられる。
【0113】
アルコールとしては、セチルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
【0114】
また、その他に添加してもよい配合成分は、これに限定されるものではなく、また、前記いずれの成分も本発明の目的及び効果を損なわない範囲内で配合可能であるが、総重量に対して0.01-5%の重量百分率または0.01-3%重量百分率で配合されてもよい。
【0115】
本発明の剤形がローション、ペースト、クリームまたはゲルである場合には、担体成分として動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、澱粉、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが使用されてもよい。
【0116】
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが用いられてもよく、特にスプレーである場合には、さらにクロロフルオロハイドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進剤を含んでもよい。
【0117】
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として溶媒、溶媒化剤や乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1、3-ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0118】
本発明の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガまたはトラカントなどが用いられてもよい。
【0119】
本発明の剤形が界面-活性剤含有クレンジングである場合には、担体成分として脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオン酸、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体またはエトキシ化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられてもよい。
【0120】
本発明のさらに他の様態として、本発明は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を有効成分として含む、呼吸器炎症疾患の予防または改善用吸入剤組成物を提供する。
【0121】
本発明の前記吸入剤組成物は、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質だけでなく、吸引組成物に通常用いられる成分を含んでもよく、例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料、及び香料のような通常の補助剤、及び担体を含んでもよい。
【0122】
本発明の好ましい具現例によれば、本発明のストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質の含量は、組成物の総重量に対して0.00001~99重量%、好ましくは、0.0001-50重量%であり、好ましくは、0.5-20%であり、より好ましくは、1.0-10重量%であってもよいが、これに制限されるものではない。
【実施例
【0123】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものでしかなく、下記実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0124】
[実施例]
実施例1.胃上皮細胞株(AGS)においてストレプトコッカスパイオジェネス由来細胞培養液の炎症性サイトカインIL-8発現抑制効果
ストレプトコッカスパイオジェネス菌株を37℃の湯煎で最大限早く溶かしてMRSagar培地に100μlを塗抹して37℃、10%CO培養器で24時間培養後、ストレプトコッカスパイオジェネスのシングルコロニーを取って1LのBrain Heart Infusion(BHI)brothに溶かして37℃、10%CO培養器で200rpmで24時間振とう培養した。
【0125】
振とう培養後、500mlの高速遠心分離チューブに移し、10,000xg、30分間高速遠心分離してストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除いて上澄み液(SP CM)を取り、細胞外小胞(Extracellular vesicles、EV)のないSP CMを製造するため、前記方法により製造したSP CMを100,000xg、2時間超遠心分離して沈殿物を除いた上澄み液(SP CM EV(-))を取った。
【0126】
1×10個の胃上皮細胞(AGS)を有核細胞細胞培養液(RPMI、10%FBS、antibiotics)に溶かして100mm細胞培養ディッシュに分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、有核細胞細胞培養液を除去し、トリプシン-EDTA(0.05%)1mlを処理し、37℃で5分間放置した。5分後、5mlの細胞培養液で浮遊細胞を集めて15mlのチューブに分注し、1500rpmで5分間遠心分離した後、既存の細胞培養を除去し、胃上皮細胞(AGS)が1×10個/mlになるように新しい細胞培養液に希釈して12ウェルプレートに1mlずつ分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した。
【0127】
培養後、細胞培養液を新しい細胞培養液に交換し、陰性対照群(NT)にはPBS、陽性対照群(PT)にはIL-1α(10ng/ml)、実験群(E×p1、E×p2)にはIL-1αとともにSP CM(10μl)及びSP CM EV(-)(10μl)を処理し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、それぞれの細胞培養液を得て炎症性サイトカインIL-8の発現程度をエライザ(標準プロトコル使用)法で定量した。
【0128】
前記方法により、胃上皮細胞株(AGS)にIL-1αまたはIL-1αとともにSP CM及びSP CM EV(-)を処理した後、エライザ法でIL-8の発現程度を分析した結果、図1に示すように、SP CM及びSP CM EV(-)がすべてIL-1αにより誘導される炎症性サイトカインIL-8の発現を抑制することを確認しており、これはIL-8の発現を抑制する有効成分が水溶性成分であることを意味する。(図1参照)
【0129】
実施例2.胃上皮細胞株(AGS)において100kDa限外ろ過フィルターで濃縮されたストレプトコッカスパイオジェネス由来細胞培養液の炎症性サイトカインIL-8発現抑制効果
ストレプトコッカスパイオジェネス由来細胞培養液のIL-8発現抑制の有効成分を特定するため、次のような方法でストレプトコッカス培養液を分離した。
【0130】
ストレプトコッカスパイオジェネス菌株を37℃の湯煎で最大限早く溶かしてMRSagar培地に100μlを塗抹して37℃、10%CO培養器で24時間培養してストレプトコッカスパイオジェネスのシングルコロニーを取って1LのBrain Heart Infusion(BHI)brothに溶かして37℃、10%CO培養器で200rpmで24時間振とう培養後、500mlの高速遠心分離チューブに移し、10,000xg、30分間高速遠心分離してストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除いて、上澄み液(SP CM)を取った。
【0131】
製造したSP CM 1LをQuixstand benchtop system(GE Healthcare)と100kDa限外ろ過フィルター(GE Healthcare)を用いてウルトラフィルトレーション(標準プロトコル使用)を行い、Phosphate Buffered saline(PBS)2Lでバッファ交換を行い、100kDa限外ろ過フィルターを通過しなかったSP CMを100ml製造した。その後、前記実施例1の方法のように製造されたSP CMを超遠心分離して非水溶性成分を除去し、水溶性の部分のみを取ったSP CM>100kDaを最終的に製造した。
【0132】
1×10個の胃上皮細胞(AGS)を有核細胞細胞培養液(RPMI、10%FBS、antibiotics)に溶かして100mm細胞培養ディッシュに分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、有核細胞細胞培養液を除去し、トリプシン-EDTA(0.05%)mlを処理し、37℃で5分間放置した。5分後、5mlの細胞培養液で浮遊細胞を集めて15mlのチューブに分注し、1500rpmで5分間遠心分離した後、既存の細胞培養を除去し、胃上皮細胞(AGS)が1×10個/mlになるように、新しい細胞培養液に希釈して12ウェルプレートに1mlずつ分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した。
【0133】
培養後、細胞培養液を新しい細胞培養液に交換し、陰性対照群(NT)にはPBS、陽性対照群(PT)にはIL-1α(10ng/ml)、実験群(E×p)にはIL-1αとともに得たpyogenes CM>100kDa(10μl)を処理し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、それぞれの細胞培養液を得て炎症性サイトカインIL-8の発現程度をエライザ(標準プロトコル使用)法で定量した。
【0134】
前記方法により、胃上皮細胞株(AGS)にIL-1α、またはIL-1αとともにSP CM>100kDaを処理した後、エライザ法でIL-8の発現程度を分析した結果、図2に示すように、SP CM>100kDaにある水溶性成分がIL-1αにより誘導される炎症性サイトカインIL-8の発現を抑制することを確認した(図2参照)。
【0135】
実施例3.熱処理されたストレプトコッカスパイオジェネス由来細胞培養液のIL-8発現抑制効果
ストレプトコッカスパイオジェネス由来細胞培養液のIL-8発現抑制の有効成分を特定するため、次のような方法で熱処理したストレプトコッカス培養液を分離した。
【0136】
ストレプトコッカスパイオジェネス菌株を37℃の湯煎で最大限早く溶かしてMRSagar培地に100μlを塗抹して37℃、10%CO培養器で24時間培養した後、ストレプトコッカスパイオジェネスのシングルコロニーを取って1LのBrain Heart Infusion(BHI)brothに溶かし、37℃、10%CO培養器で200rpmで24時間振とう培養後、500mlの高速遠心分離チューブに移し、10,000xg、30分間高速遠心分離してストレプトコッカスパイオジェネス細胞を除いて、上澄み液(SP CM)を取った。
【0137】
製造したpyogenes CM 1LをQuixstand benchtop system(GE Healthcare)と100kDa限外ろ過フィルター(GE Healthcare)を用いてウルトラフィルトレーション(標準プロトコル使用)を行い、Phosphate Buffered saline(PBS)2Lでバッファ交換を行い、最終的に100kDa限外ろ過フィルターを通過しなかったSP CMを100ml調製した。
【0138】
その後、前記実施例1の方法のように製造されたSP CMを超遠心分離して非水溶性成分を除去し、水溶性部分のみを取ったSP CM>100kDaを最終的に製造し、製造されたSP CM>100kDaの化学的性状を分析するため、100℃で15分間放置した後、4℃で10分間再び放置した。
【0139】
1×10個の胃上皮細胞(AGS)を有核細胞細胞培養液(RPMI、10%FBS、antibiotics)に溶かして100mm細胞培養ディッシュに分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、有核細胞細胞培養液を除去し、トリプシン-EDTA(0.05%)1mlを処理し、37℃で5分間放置した。5分後、5mlの細胞培養液で浮遊細胞を集めて15mlのチューブに分注し、1500rpmで5分間遠心分離した後、既存の細胞培養を除去し、胃上皮細胞(AGS)が1×10個/mlになるように、新しい細胞培養液に希釈して12ウェルプレートに1mlずつ分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した。
【0140】
培養後、細胞培養液を新しい細胞培養液に交換し、陰性対照群(NT)にはPBS、陽性対照群(PT)には、IL-1α(10ng/ml)、実験群(E×p1、E×p2)にはIL-1αとともに得たSP CM>100kDa(10μl)及び熱処理された(H.I.)SP CM>100kDa(10μl)を処理し、37℃、5%CO培養器で24時間培養し、それぞれの細胞培養液を得て炎症性サイトカインIL-8の発現程度をエライザ(標準プロトコル使用)法で定量した。
【0141】
前記方法により、胃上皮細胞株(AGS)にIL-1α、IL-1αとともにSP CM>100kDaまたはSP CM>100kDa H.I.を処理した後、エライザ法でIL-8の発現程度を分析した結果、図3に示すように、SP CM>100kDaがIL-8を抑制する反面、SP CM>100kDa H.I.は、IL-8の発現を抑制しなかったことを確認した。これはSP CM>100kDaのIL-8の発現を抑制する有効成分が熱に弱いタンパク質成分であることを意味する(図3参照)。
【0142】
実施例4.胃上皮細胞株(AGS)においてSP CM>100kDaのヘリコバクターピロリ(HP99)による炎症性サイトカインIL-8発現抑制効果
前記実施例2の方法でストレプトコッカス由来細胞培養液において水溶性成分であるSP CM>100kDaを分離精製し、胃上皮細胞株(AGS)においてヘリコバクターピロリ(HP99)により発現されるIL-8の発現をSP CM>100kDaが抑制できるかを評価するため、下記方法でヘリコバクターピロリ(HP99)を培養した。
【0143】
ヘリコバクターピロリHP99ストックを37℃の水に湯煎して早く溶かした後、sheep blood agarプレートに100μlを分注し、37℃、10%CO培養器で72時間培養した。培養後、滅菌綿棒でプレートのヘリコバクターピロリを掻き出してBrain Heart Infusion brothに溶かして吸光度(O.D)値が2.32になるように希釈した。
【0144】
胃上皮細胞株(AGS)においてSP CM>100kDaがヘリコバクターピロリ(HP99)によるIL-8の発現を抑制するか評価するため、前記実施例1の方法で胃上皮細胞株(AGS)を培養した。
【0145】
培養後、細胞培養液を新しい細胞培養液に交換し、陰性対照群(NT)にはPBS、陽性対照群(PT)には、ヘリコバクター・ピロリ(HP99、10μl)、実験群(E×p)にはヘリコバクター・ピロリとともに獲得したSP CM>100kDa(10μl)を処理し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、それぞれの細胞培養液を得て炎症性サイトカインIL-8の発現程度をエライザ(標準プロトコル使用)法で定量した。
【0146】
前記方法により、胃上皮細胞株(AGS)にヘリコバクターピロリ(HP99)、またはヘリコバクター・ピロリとともにpyogenes CM>100kDaを処理した後、エライザ法でIL-8の発現程度を分析した結果、図4に示すように、SP CM>100kDaの水溶性成分がAGS細胞株においてヘリコバクターピロリによるIL-8の発現を抑制することを確認した。(図4参照)
【0147】
実施例5.大腸上皮細胞株においてSP CM>100kDaの炎症性サイトカインIL-8発現抑制効果
大腸上皮細胞株(HT29)においてSP CM>100kDaが大腸菌由来細胞外小胞(E. coli C4 EV)によるIL-8の発現の抑制機能を以下のように評価した。
【0148】
1×10個の大腸上皮細胞株(HT29)を有核細胞細胞培養液(RPMI、10%FBS、antibiotics)に溶かして100mm細胞培養ディッシュに分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、有核細胞細胞培養液を除去し、トリプシン-EDTA(0.05%)1mlを処理し、37℃で5分間放置した。5分後、5mlの細胞培養液で浮遊細胞を集めて15mlのチューブに分注し、1500rpmで5分間遠心分離した後、既存の細胞培養を除去し、HT29細胞が1×10個/mlになるように、新しい細胞培養液に希釈して12ウェルプレートに1mlずつ分注し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した。
【0149】
培養後、細胞培養液を新しい細胞培養液に交換し、陰性対照群(NT)にはPBS、陽性対照群(PT)にはE. coli C4 EV(1μg/ml)、実験群(E×p)にはE. coli C4 EVとともに獲得したSP CM>100kDa(10μl)を処理し、37℃、5%CO培養器で24時間培養した後、それぞれの細胞培養液を得て炎症性サイトカインIL-8の発現程度をエライザ(標準プロトコル使用)法で定量した。
【0150】
前記方法により、大腸上皮細胞株株(HT29)に大腸菌由来細胞外小胞(E. coli C4 EV)、または大腸菌由来細胞外小胞(E. coli C4 EV)とともにSP CM>100kDaを処理した後、エライザ法でIL-8の発現程度を分析した結果、図5に示すように、SP CM>100kDaの水溶性成分がHT29細胞株において大腸菌由来細胞外小胞(E. coli C4 EV)によるIL-8の発現を抑制することを確認した。(図5参照)
【0151】
実施例6.SP CM>100kDaの成分分離及び分離された成分の有効性評価
SP CM>100kDaの水溶性成分の構成を分析するため、SP CM>100kDa、50ulを6× native loading dayと混合して6%native polyacryl amide gelを用いてnative PAGEをした結果(標準プロトコル使用)、約5つのタンパク質バンドを確認できた。
【0152】
成分の分離のために最も発現の高い100kDaサイズのタンパク質を精製し、精製のために6%native polyacryl amide gelに過量(500μg)のSP CM>100kDaをロードしてnative PAGEを行い、該サイズのgelをナイフで切除してgel elusion buffer(標準プロトコル使用)に入れ、均質棒でgelをつぶし、25℃で200rpmでシェーキングし、24時間放置後、100μmのmeshにgel副産物をろ過して液体だけを得て、そのうち50ulをnative PAGEを行い、100kDaサイズのタンパク質(F1)がよく分離されているか確認した(図6a)。
【0153】
SP CM>100kDaで分離された100kDaのタンパク質(F1)の有効性を評価するため、前記実施例1のように、胃上皮細胞(AGS)において炎症性サイトカインIL-8の発現を評価して確認した。
【0154】
前記方法により胃上皮細胞株(AGS)にIL-1α、または分離された100kDaのタンパク質(F1)の量を増やしながら(5、10、20、50μl)IL-1αとともに処理した後、24時間後、エライザ法でIL-8の発現程度を分析した結果、図6bに示すように分離された100kDaのタンパク質(F1)が濃度依存的にAGS細胞株においてIL-1αによるIL-8の発現を抑制することを確認した。(図6b参照)
【0155】
実施例7.Dextran Sulfate Sodium(DSS)-誘導性大腸炎のマウスモデルにおいてSP CM>100kDaの抗炎症効果
Dextran Sulfate Sodium(DSS)-誘導性大腸炎マウスモデルにおいてSP CM>100kDaの効能を評価するため、図7に示した方法により、次のように実験を行った。
【0156】
15匹の6週齢、female、C57BL/6マウスを分別せずに5匹ずつケージに入れて2日間適応時間を与えた後、2日後から午前9時から午後6時まで2%DSSを希釈した飲水(滅菌水)を与え、午後6時から翌日午前9時までには一般飲水を7日間摂取した。SP CM>100kDaの効能を評価するためのグループでは、午前9時にソンデ(sonde、経口投与用ロード)を用いて実施例2の方法で製造されたSP CM>100kDa、200μlを7日間経口投与した。実験期間、マウスの体重、飼料摂取量、 便の水っぽさ、及び血便の程度などを測定し、7日後、マウスを解剖して大腸の長さを評価した。
【0157】
前記方法によりDSS-誘導大腸炎マウスモデルにSP CM>100kDaを7日間経口投与し、大腸の長さ(図8a、8b参照)、体重の変化(図9a参照)、飼料摂取量(図9b参照)及び疾病スコア(図10c参照)などを観察した結果、DSS-誘導大腸炎マウスモデルにSP CM>100kDa投与した場合は、DSS-誘導大腸炎マウスモデルより大腸の長さが長く、体重の変化量も小さく、飼料摂取量は多く、疾病スコアも低いことが分かった。
【0158】
前記結果は、SP CM>100kDaがDSSにより誘導される大腸炎マウスモデルにおいて抗炎症の効果があることを意味する。
【0159】
実施例8.エタノール(Ethanol、EtOH)-誘導急性胃炎マウスモデルにおいてSP CM>100kDaの抗炎症効果
エタノール-誘導胃炎マウスモデルにおいてSP CM>100kDaの効能を評価するために、図11に示した方法により、次のように実験を行った。
【0160】
6週齢、female、C57BL/6マウスを分別せずに5匹ずつケージに入れて2日間適応時間を与えた後、2日後から24時間の間、断食させ、SP CM>100kDaの効能を評価するためのグループでは、午前9時から2時間間隔で3回ソンデ(sonde、経口投与用ロード)を用いて実施例2の方法で製造されたSP CM>100kDa、200μlを経口投与した。SP CM>100kDaの最終投与後、一時間後に80%エタノール100μlを経口投与し、投与後一時間後に、マウスを解剖して胃の形態、サイズ及び、胃の炎症の程度を測定した。
【0161】
前記方法によりSP CM>100kDaを3回投与した後、エタノールを用いた胃炎マウスモデルにおいて胃の形態(図12a)、胃のサイズ(図12b)及び胃の炎症程度(図12c、12d)などを観察した結果、エタノール-誘導胃炎マウスモデルにSP CM>100kDaを投与した場合は、エタノール-誘導胃炎マウスモデルに比べて胃のサイズが減少し、また胃の炎症程度もさらに減少したことが分かった。
【0162】
前記結果は、SP CM>100kDaがエタノールにより誘導される胃炎マウスモデルにおいて抗炎症の効果があることを意味する。
【0163】
実施例9.マウスがんモデルにおいてSP CM>100kDaの抗がん効果
がん細胞を移植したマウスがんモデルにおいて、SP CM>100kDaの効能を評価するため、図13に示した方法により、次のように実験を行った。
【0164】
6週齢、female、BALB/cマウスを分別せずに6匹ずつケージに入れて2日間適応時間を与えた後、1日後、マウスがん細胞(CT26)をマウスなどの右側に皮下注射した(1×10cell/マウス)。SP CM>100kDaの効能を評価するためのグループでは、毎日8時間間隔で実施例2の方法で製造されたSP CM100kDa 200ugを腹腔に投与した。抗がん効能を評価するため、がん細胞注射後、3日間隔で、がん組織のサイズ(横×縦/2)を測定し、SP CM>100kDaの最終投与後(28日後)、翌日、マウスを解剖し、がん組織を採取して観察した。
【0165】
前記方法によりSP CM>100kDaを投与したグループにおいてがん組織の成長程度と最終のサイズを観察した結果、がん細胞移植マウスがんモデルにおいてSP CM>100kDaを投与した場合は、陽性対照群(P.C,PBS 200μl)に比べて、がん組織の成長速度が顕著に減少したことを(図14a)を確認し、最終的にがん組織のサイズが小さいと評価された(図14b)。
【0166】
前記結果は、SP CM>100kDaが大腸がん細胞移植マウスがんモデルにおいて抗がん効果があることを意味する。
【0167】
実施例10.高脂肪食餌-誘導代謝性疾患マウスモデルにおいてSP CM>100kDaの抗肥満及び脂肪肝の改善効果
高脂肪食餌で誘導した代謝性疾患マウスモデルにおいてSP CM>100kDaの効能を評価するため、図15に示した方法により、次のように実験を行った。
【0168】
8週齢、male、C57BL/6マウスを分別せずに10匹ずつケージに入れて7日間適応時間を与えた後、8週間高脂肪食餌を食べさせて肥満を誘導した。SP CM>100kDaの効能を評価するためのグループでは、8週間後から10週間高脂肪食餌を維持しながら、1日1回、24時間間隔でソンデ(sonde、経口投与用ロード)を用いて実施例2の方法で製造されたSP CM>100kDa200μlを経口投与し、10週後にマウスの体重を測定して体重を測定し、採血して肝機能指標であるALT、ASTなどを測定した。陰性対照群(con(-))は、PBS 200μlを経口投与し、陽性対照群(con(+))は、メトホルミン-HCl300mpkを経口投与した。
【0169】
前記方法によりSP CM>100kDaを10週間投与した高脂肪食餌-誘導代謝性疾患モデル(case 5)においてマウスの体重(図16)、血中のALT、AST(図17)を分析した結果、高脂肪食餌-誘導代謝性疾患マウスモデルにSP CM>100kDaを投与した場合は、対照群に比べて体重が顕著に減少し、また、血中のAST、ALT数値も有意に減少した。
【0170】
前記結果は、高脂肪食餌によって誘導された代謝性疾患マウスモデルにおいてSP CM>100kDaが肥満を抑制し、肝機能を改善する効果があることを意味する。
【0171】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、前述の実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明者らは、ストレプトコッカスパイオジェネス(Streptococcus pyogenes)培養液または培養液から分離されたタンパク質を炎症性疾患モデルに処理したとき、抗炎症効果を確認したところ、本発明によるストレプトコッカスパイオジェネス培養液またはタンパク質は、炎症性疾患、代謝性疾患、がんを予防、症状を改善または治療するための医薬品または健康機能食品、吸入剤、化粧料などの開発に有用に用いることができ、産業上の利用可能性がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図11
図12a
図12b
図12c
図12d
図13
図14a
図14b
図15
図16
図17