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▶ ロボセン ロボティクス (シェンチェン) カンパニー リミテッドの特許一覧

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  • 特許-舵取機及びロボット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】舵取機及びロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B25J17/00 E
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022126550
(22)【出願日】2022-08-08
(65)【公開番号】P2023029269
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】202121934050.9
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522314795
【氏名又は名称】ロボセン ロボティクス (シェンチェン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオセン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン リーミン
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-181804(JP,A)
【文献】特表2003-500718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
舵取機であって、舵取機本体(1)、舵取機本体(1)の頂部に固定接続される上蓋(2)、舵取機本体(1)の底部に固定接続される下蓋(3)、及び舵取機本体(1)と上蓋(2)との間に設けられ且つ順次伝動接続される直流モータ(13)、モータギア(20)とギア列を含み、ここで、
舵取機は、第1の部分と、第1の部分から突出し、第1の部分より狭い第2の部分とを含み、ギア列は、第2の部分に位置する出力ギア(19A)を含み、出力ギア(19A)の軸に沿って、第2の部分の上面は第1の部分の上面から離隔されており、第2の部分の下面は第1の部分の下面から離隔されており、
ギア列は、順次伝動接続される1次ギア(14)と、2次ギア(15)と、3次ギア(16)と、4次ギア(17)と、遷移ギア(19)とをさらに含み、ここで、モータギア(20)は1次ギア(14)と噛み合い、出力ギア(19A)は遷移ギア(19)と噛み合い、
モータギア(20)、1次ギア(14)、2次ギア(15)、3次ギア(16)、4次ギア(17)、遷移ギア(19)及び出力ギア(19A)は、W字状に配置される、舵取機。
【請求項2】
上蓋(2)は、第2の部分に丸孔(21)が開けられており、
舵取機は、出力ギア(19A)と同軸に接続されるとともに、丸孔(21)から張り出す挿着舵取歯車(11)をさらに含む、請求項1に記載の舵取機。
【請求項3】
出力ギア(19A)と挿着舵取歯車(11)との間に銅リング(18)が設置されている、請求項に記載の舵取機。
【請求項4】
舵取機本体(1)は、開放しているキャビティを有し、キャビティの底部は中空状である、請求項1に記載の舵取機。
【請求項5】
舵取機本体(1)と下蓋(3)との間に設けられるプリント回路基板(31)とポテンショメータ(32)とをさらに含む、請求項1に記載の舵取機。
【請求項6】
プリント回路基板(31)に溶接される電線をさらに含む、請求項に記載の舵取機。
【請求項7】
舵取機は、舵取機本体(1)と下蓋(3)との間に設けられるプリント回路基板(31)とポテンショメータ(32)とをさらに含み、
ポテンショメータ(32)と遷移ギア(19)は、同軸に設置されるとともに、締まり挿着される、請求項に記載の舵取機。
【請求項8】
舵取機本体(1)、上蓋(2)と下蓋(3)は、いずれもケース構造部材であり、舵取機本体(1)の縁部と上蓋(2)の縁部には、互いに位置規制するための第1の位置規制構造が設けられており、舵取機本体(1)の縁部と下蓋(3)の縁部には、互いに位置規制するための第2の位置規制構造が設けられている、請求項1に記載の舵取機。
【請求項9】
第1の位置規制構造と第2の位置規制構造は、位置規制溝と位置規制突起とを含む、請求項に記載の舵取機。
【請求項10】
舵取機本体(1)、上蓋(2)と下蓋(3)の肉厚の範囲は、0.8ミリメートル~2.5ミリメートルである、請求項に記載の舵取機。
【請求項11】
舵取機本体(1)、上蓋(2)と下蓋(3)の材料は、ナイロン66+30%ガラス繊維が選択される、請求項1に記載の舵取機。
【請求項12】
上蓋(2)と舵取機本体(1)とは、ねじによって固定接続され、下蓋(3)と舵取機本体(1)とは、ねじによって固定接続される、請求項1~1のいずれか1項に記載の舵取機。
【請求項13】
ロボットであって、
請求項1~12のいずれか1項に記載の舵取機を含む、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットアクセサリー技術分野に属する。特に舵取機及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
舵取機は、リモコンモデル、人型ロボットなどの動作制御を行う動力源であるとともに、ロボットの関節の動きを駆動する重要な運動実行装置でもある。どのように舵取機をより狭い空間に適用し、その適用性を向上させるかは、当業者にとって重要な研究開発内容である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の1つの態様によれば、舵取機を提供する。この舵取機は、舵取機本体、舵取機本体の頂部に固定接続される上蓋、舵取機本体の底部に固定接続される下蓋、及び舵取機本体と上蓋との間に設けられ且つ順次伝動接続される直流モータ、モータギアとギア列を含み、ここで、舵取機は、第1の部分と、第1の部分から突出する第2の部分とを含み、ギア列は、第2の部分に位置する出力ギアを含む。
【0004】
いくつかの実施例において、ギア列は、順次伝動接続される1次ギアと、2次ギアと、3次ギアと、4次ギアと遷移ギアとをさらに含み、ここで、モータギアは1次ギアと噛み合い、出力ギアは遷移ギアと噛み合う。
【0005】
いくつかの実施例において、モータギア、1次ギア、2次ギア、3次ギア、4次ギア、遷移ギア及び出力ギアは、W字状に配置される。
【0006】
いくつかの実施例において、上蓋は、第2の部分に丸孔が開けられている。舵取機は、出力ギアと同軸に接続されるとともに、丸孔から張り出す挿着舵取歯車をさらに含む。
【0007】
いくつかの実施例において、出力ギアと挿着舵取歯車との間に銅リングが設置されている。
【0008】
いくつかの実施例において、舵取機本体は、開放しているキャビティを有し、キャビティの底部は中空状である。
【0009】
いくつかの実施例において、舵取機は、舵取機本体と下蓋との間に設けられるプリント回路基板とポテンショメータとをさらに含む。
【0010】
いくつかの実施例において、舵取機は、プリント回路基板に溶接される電線をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施例において、舵取機は、舵取機本体と下蓋との間に設けられるプリント回路基板とポテンショメータとをさらに含み、ポテンショメータと遷移ギアとは、同軸に設置されるとともに、締まり挿着される。
【0012】
いくつかの実施例において、舵取機本体、上蓋と下蓋は、いずれもケース構造部材であり、舵取機本体の縁部と上蓋の縁部には、互いに位置規制するための第1の位置規制構造が設けられており、舵取機本体の縁部と下蓋の縁部には、互いに位置規制するための第2の位置規制構造が設けられている。
【0013】
いくつかの実施例において、第1の位置規制構造と第2の位置規制構造は、位置規制溝と位置規制突起とを含む。
【0014】
いくつかの実施例において、舵取機本体、上蓋と下蓋の肉厚の範囲は、0.8ミリメートル~2.5ミリメートルである。
【0015】
いくつかの実施例において、舵取機本体、上蓋と下蓋の材料は、ナイロン66+30%ガラス繊維が選択される。
【0016】
いくつかの実施例において、上蓋と舵取機本体とは、ねじによって固定接続され、下蓋と舵取機本体とは、ねじによって固定接続される。
【0017】
本開示の1つの態様によれば、前記実施例の舵取機を含むロボットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示のいくつかの実施例による舵取機の立体構造の概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施例による舵取機の分解構造の概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施例による舵取機の内部構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本開示、応用又は用途を限定することを意図するものではない。以下では、明細書添付図面を結び付けながら、本開示の舵取機の発明を実施するための形態についてさらに説明する。
【0020】
舵取機は、主に回路基板、モータ、減速ギア列、センサ及び制御回路などで構成される。舵取機の動作原理は以下のように概説され、ロボットの主制御盤は、制御信号を舵取機に送信し、舵取機の回路基板におけるワンチップマイクロコンピュータは、制御信号に基づいて、対応する処理を行うとともに、回転方向を判断し、そしてモータ、例えば、直流ブラシモータを駆動して、回転を開始させ、モータは、動力を減速ギア列によって出力ギアに伝達し、それととともに、位置検出センサは、出力ギアの回転角度を検出し、検出信号をワンチップマイクロコンピュータに送信し、ワンチップマイクロコンピュータは、位置検出センサの検出信号に基づいて、出力ギアの回転が所定位置に達したか否かを判断する。
【0021】
本開示の発明者が認識したように、関連技術におけるいくつかの舵取機は、ロボット内部に比較的多くの空間を占有する必要があるため、「細いアーム」タイプの人型ロボット及び小アームを持つロボットには適用できない。
【0022】
これに鑑みて、本開示の実施例は、上記欠陥を効果的に緩和ないし解消可能な舵取機及びロボットを提供した。
【0023】
図1図3に示すように、ここで、図1は、本開示のいくつかの実施例による舵取機の立体構造の概略図であり、図2は、この舵取機の分解構造の概略図であり、図3は、この舵取機の内部構造の概略図である。
【0024】
本開示の実施例による舵取機は、舵取機本体1、舵取機本体1の頂部に固定接続される上蓋2、舵取機本体1の底部に固定接続される下蓋3、及び舵取機本体1と上蓋2との間に設けられ且つ順次伝動接続される直流モータ13、モータギア20とギア列を含み、ここで、舵取機は、第1の部分と、第1の部分から突出する第2の部分とを含み、ギア列は、第2の部分に位置する出力ギア19Aを含む。
【0025】
この舵取機は、全体的に漢字の「凸」字状を呈し、その第2の部分が、例えば、第1の部分より狭く、第1の部分と第2の部分との広狭変化設計により、狭い空間により良く適用することができ、例えば、「細いアーム」タイプの人型ロボット及び小アームを持つロボットに用いることができるため、適用範囲が比較的広い。
【0026】
本開示の実施例において、舵取機本体1、上蓋2と下蓋3は、いずれもケース構造部材であってもよく、プラスチック射出プロセスを用いて成形することができる。舵取機本体1の縁部と上蓋2の縁部には、互いに位置規制するための第1の位置規制構造が設けられており、舵取機本体1の縁部と下蓋3の縁部には、互いに位置規制するための第2の位置規制構造が設けられている。第1の位置規制構造と第2の位置規制構造は、例えば、いずれも位置規制溝と位置規制突起とを含む。第1の位置規制構造と第2の位置規制構造の設計は、ケース構造部材の間の組み立てを容易にするだけでなく、ケース構造部材の間の嵌合をより正確にする。
【0027】
いくつかの実施例において、舵取機本体1、上蓋2と下蓋3の肉厚の範囲は、0.8ミリメートル~2.5ミリメートルであり、その材料がポリアミドとガラス繊維のうちの少なくとも一つを含んでもよい。いくつかの実施例において、舵取機本体1、上蓋2と下蓋3の肉厚は、いずれも1.5ミリメートルに設計され、舵取機本体1、上蓋2と下蓋3は、いずれもナイロン66+30%ガラス繊維を用いる。
【0028】
いくつかの実施例において、上蓋2と舵取機本体1は、ねじによって固定接続され、下蓋3と舵取機本体1は、ねじ4によって固定接続される。それにより、舵取機本体1、上蓋2と下蓋3は、一緒に固定接続されるとともに、容易に着脱できる。一実施例において、上蓋2と下蓋3には、いずれもねじ孔が開けられており、複数のねじ4は、ねじ孔を貫通して、上蓋2、舵取機本体1及び下蓋3を一緒に接続する。複数のねじ4のうち、直流モータ13に近い上、下ねじの間に2.6ミリメートルの隙間があり、このようにトルクの増大と出力の向上を図ることができるとともに、コアレスモータの交換のための空間を確保することができる。
【0029】
図3に示すように、本開示のいくつかの実施例において、ギア列は、順次伝動接続されて動力を伝達する1次ギア14と、2次ギア15と、3次ギア16と、4次ギア17と、遷移ギア19とをさらに含み、ここで、モータギア20は1次ギア14と噛み合い、出力ギア19Aは遷移ギア19と噛み合う。1次ギア14、2次ギア15、3次ギア16、4次ギア17の材料は鉄を選択してもよく、遷移ギア19と出力ギア19Aの材料はアルミニウム合金を選択してもよい。
【0030】
4次ギア17と出力ギア19Aとの間に遷移ギア19が設置され、出力ギア19Aを「凸」字状を呈する舵取機の比較的狭い一端により配置しやすく、それにより舵取機の外形は狭い空間により適用しやすい。なお、さらに遷移ギア19の回転角度の検出によって出力ギア19Aの回転状況を間接的に判断することができる。
【0031】
いくつかの実施例において、モータギア20、1次ギア14、2次ギア15、3次ギア16、4次ギア17、遷移ギア19及び出力ギア19Aの中心線は、略折れ線状、例えば、略W字状を呈する。このようなレイアウトは、ギア列の構造をよりコンパクトにし、さらに舵取機全体の構造をより小さくするため、ロボット内部で占有する空間を節約することができる。
【0032】
図1図2に示すように、いくつかの実施例において、上蓋2は、第2の部分に丸孔21が開けられており、舵取機は、出力ギア19Aと同軸に接続されるとともに、丸孔21から張り出す挿着舵取歯車11をさらに含む。この実施例において、出力ギア19Aと挿着舵取歯車11との間に銅リング18が設置されている。
【0033】
いくつかの実施例において、ギア列の構造は、モータギア20が1次ギア14と噛み合い、1次ギア14の回転軸に1次ピニオンがさらに取り付けられており、この1次ピニオンが1次ギア14の上方に位置するとともに、1次ギア14と同軸に接続され、1次ピニオンが2次ギア15と噛み合い、2次ギア15の回転軸に2次ピニオンがさらに嵌着されており、この2次ピニオンが2次ギア15の下方に位置するとともに、2次ギア15と同軸に固定接続され、2次ピニオンが3次ギア16と噛み合い、3次ギア16の回転軸に3次ピニオンがさらに嵌着されており、この3次ピニオンが3次ギア16の下方に位置するとともに、3次ギア16と同軸に接続され、3次ピニオンが4次ギア17と噛み合い、4次ギア17の回転軸に4次ピニオンがさらに嵌着されており、4次ピニオンが4次ギア17の下方に位置するとともに、4次ギア17と同軸に固定接続され、4次ピニオンが遷移ギア19と噛み合い、最後に遷移ギア19が出力ギア19Aのギアと噛み合うように設計される。出力ギア19Aの出力軸の出力端は、上蓋2を貫通して上蓋2の外部に露出している。
【0034】
いくつかの実施例において、ギア列における各ギアにはいずれも異なる直径のギア軸が設けられており、ここで1次ギア軸の直径は1.2mmであり、2次ギア軸の直径は1.2mmであり、3次ギア軸の直径は1.5mmであり、4次ギア軸の直径は1.5mmである。直流モータの出力軸の直径は1mmであり、出力ギア軸の直径は6.0mmであり、本開示の発明者は、多数の試験により、上記ギア列及び対応する直径のギア軸を選択して、各段の減速部分のホイールベースを最も小さくすることにより、占有する空間を最大限に節約し、舵取機全体の体積を最も小さくすることができることを見出した。
【0035】
図2に示すように、いくつかの実施例において、舵取機本体1は、開放しているキャビティを有し、キャビティの底部は中空状であり、各段のギアのレイアウトをよりコンパクトにするだけでなく、舵取機全体の重量を軽減することもできる。
【0036】
図2に示すように、いくつかの実施例において、舵取機は、舵取機本体1と下蓋3との間に設けられるプリント回路基板31(Printed Circuit Board、PCB)とポテンショメータ32とをさらに含む。
【0037】
PCB31は、電線に溶接され、電線によって信号を出力又は入力し、挿着方式に比べて、端子の使用を回避することができ、それにより占有する空間を可能な限り節約することができる。舵取機は、カスケード挿着された3本の電線を含むシリアルバスを用いて通信することができ、従来のPWM回路に比べて、ロボットの電線の総数を減少させることができる。本開示のいくつかの実施例において、PCB31の厚さを1ミリメートルに設計してもよく、このように電流がより大きいモータに適用することができる。
【0038】
ポテンショメータ32は、遷移ギア19の回転角度の検出に用いられてもよい。遷移ギア19の回転角度の検出値に基づいて、出力ギア19Aの位置状況を間接的に判断することができる。ポテンショメータ32は、マイクロポテンショメータを用いることによって、ロボットの小アームが360°連続的に回転できるように支援することができる。ポテンショメータ32と遷移ギア19は同軸に設置されるとともに、締まり挿着される。いくつかの実施例において、マイクロポテンショメータは、締まりばめで遷移ギア19内に挿入される。遷移ギア19の下端が締まりばめでマイクロポテンショメータに挿入されるため、遷移ギア19の下端の構造部材は、ある程度の弾性を有する形状に設計されるべきである。遷移ギア19の下端には、軸継ぎ手が設けられてもよく、マイクロポテンショメータは、この軸継ぎ手と締まりばめされる。軸継ぎ手の下段には、D字状のボスが設けられてもよく、このように、マイクロポテンショメータに対するポンピング力を低減することができる。遷移ギア19は、アルミニウム合金で製造されてもよい。軸継ぎ手は、直径が比較的小さいため、硬度がより高い金属材料、例えば、304ステンレス鋼を用いてもよい。ステンレス鋼軸継ぎ手をプレス機によってアルミニウム合金材料の遷移ギア19の下端に圧入することができる。
【0039】
いくつかの実施例において、ポテンショメータ32は、360°連続的に回転するとともに、電気値域が280°であるポテンショメータであり、それには直径が1.6mmであり、深さが5mmであるD字状の孔が開けられている。軸継ぎ手のD字状のボスは、直径が1.6mmであり、長さが2mmである。軸継ぎ手は、304ステンレス鋼を用いて機械加工して成形される。
【0040】
本開示の実施例による舵取機は、手作業で組み立てられてもよく、組み立てフローは、
ギア列と直流モータ13を舵取機本体1のキャビティ内に組み立て、
直流モータ13とPCB31、ポテンショメータ32の嵌合を完了し、例えば、PCB31とポテンショメータ32を電気的に接続した後に下蓋3内に置き、直流モータ13をPCB31に電気的に接続し、
上蓋2と下蓋3をそれぞれ舵取機本体1にスナップ係合し、挿着舵取歯車11に上蓋2における丸孔21を貫通させ、
複数のねじ4で上蓋2、舵取機本体1と下蓋3を一緒に固定することによって、舵取機全体の組み立てを完了することを含む。
【0041】
組み立てる時に、電動ドライバを用いてもよく、ねじ4の仕様は、例えば、M2×10であり、組み立てる時に、ギア列にグリースを添加することができる。
【0042】
いくつかの実施例において、舵取機の配線方式は、電線(例えば、引出線)を下蓋3内のPCB31に溶接し、PCB31に固定されたポテンショメータ32と遷移ギア19を軸継ぎ手によって接続し、電線を下蓋3に開けられているスルーホール33から引き出すことである。
【0043】
上記配線方式を用いる舵取機は、その電線の一部がPCB31と下蓋3との間に隠してもよい。多くの線材の露出を回避し、舵取機の外形をより美しくする一方、線材を保護し、線材の使用寿命を延長し、舵取機性能の安定性を向上させることもできる。
【0044】
本開示の実施例は、前記いずれか一つの実施例の舵取機を含むロボットをさらに提供する。いくつかの実施例において、ロボットは、「細い腕」タイプの人型ロボットに対称に配置される左舵取機と右舵取機とを含み、それらは、構造が小さく、関節部品との間の隙間を減少させることができる。
【0045】
当業者であれば容易に理解できるように、本開示の技術案は、本明細書における各部分のいずれかの組み合わせを含んでもよい。紙幅が限られており、且つ説明書を簡明にするために、これらの組み合わせについてはここでは詳しく説明していないが、本明細書を読めば、本明細書で構成される各部分のいずれかの組み合わせで構成される本開示の範囲は自明である。
図1
図2
図3