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特許7356754汚物吸引・圧送装置および汚物吸引・圧送装置を設置した汚物処理装置
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  • 特許-汚物吸引・圧送装置および汚物吸引・圧送装置を設置した汚物処理装置 図1
  • 特許-汚物吸引・圧送装置および汚物吸引・圧送装置を設置した汚物処理装置 図2
  • 特許-汚物吸引・圧送装置および汚物吸引・圧送装置を設置した汚物処理装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】汚物吸引・圧送装置および汚物吸引・圧送装置を設置した汚物処理装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 5/00 20060101AFI20230928BHJP
   B61D 35/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
E03D5/00
B61D35/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022129252
(22)【出願日】2022-08-15
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000133858
【氏名又は名称】株式会社テシカ
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】岡村 弘幸
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201809837(CN,U)
【文献】特開2016-043714(JP,A)
【文献】特開2006-103587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00 - 7/00
E03D 11/00 - 13/00
B61D 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋式便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管の途中に設置し、空圧力を利用して、洋式便器の汚物出口部から汚物を吸引し、汚物タンクへ圧送する汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置。
【請求項2】
車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンクの汚物入口部を繋ぐ汚水管の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、洋式便器内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンクに流し込むことを特徴とする汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置。
【請求項3】
汚物吸引・圧送装置は、車両に搭載される空気圧縮装置から供給される圧縮空気を利用することを特徴とする請求項1または2に記載の汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置。
【請求項4】
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給と停止は、車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置と連動していることを特徴とする請求項3に記載の汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置。
【請求項5】
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給は、車両の汚物タンクおよび汚水管内の圧力を予め抜いた後に行うことを特徴とする請求項4に記載の汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置。
【請求項6】
洋式便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管の途中に設置し、空圧力を利用して、洋式便器の汚物出口部から汚物を吸引し、汚物タンクへ圧送する汚物吸引・圧送装置。
【請求項7】
車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンクの汚物入口部を繋ぐ汚水管の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、洋式便器内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンクに流し込むことを特徴とする汚物吸引・圧送装置。
【請求項8】
汚物吸引・圧送装置は、車両に搭載される空気圧縮装置から供給される圧縮空気を利用することを特徴とする請求項6または7に記載の汚物吸引・圧送装置。
【請求項9】
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給と停止は、車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置と連動していることを特徴とする請求項8に記載の汚物吸引・圧送装置。
【請求項10】
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給は、車両の汚物タンクおよび汚水管内の圧力を予め抜いた後に行うことを特徴とする請求項9に記載の汚物吸引・圧送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載される清水空圧式洋式便器から排出される汚物等を汚物タンクに流す汚物吸引・圧送装置および汚水管あるいは汚物処理装置に関する。
更に詳細には、汚物吸引・圧送装置および汚物吸引・圧送装置を設置した汚物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に装備される洋式便器は、清水空圧式と真空式に大別される。
清水空圧式は汚物を自然落下させて清水で汚物タンクまで流方式である。図3に図示するのは、車両用の清水空圧式洋式便器である。同清水空圧式洋式便器では、同車両用の清水空圧式洋式便器に接続される汚水管は、エネルギーを必要としない重力落下式の為、汚物・汚水・紙が流れやすいよう傾斜を大きくとる必要がある。
【0003】
真空式は便器内の汚物を一旦予備汚物タンク内に吸引した後、予備汚物タンクを加圧させ、予備汚物タンクから汚物タンクまで圧送する方式となっている。
他方、管路の途中に設置し、圧縮した空気の流れを利用して真空を発生させて吸引し、下流側に圧送する装置は、ゴミ類を吸い上げる装置として古くから考案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1記載発明「車両搭載型又は移動可能な専用機型のエゼクタ吸引によるごみ類の吸い上げ方法及びその装置」は、「車両搭載型又は移動可能な専用機型のエゼクタ吸引によるごみ類の吸い上げ装置において、空気を圧縮して送るブロアポンプ(1)と、その圧縮空気をエアーホース(2)を介して取入口(31)からに供給するエゼクタ本体(3)とから成り、当該エゼクタ本体の一端部に高真空発生側の吸引口(32)を設け、且つエゼクタ本体(3)の他端部の吐出口(33)に圧縮空気によってごみ類を排出口に向けて圧送するためのサクションホース(4)を接続した構造。」からなる。
しかしながら、特許文献1記載発明は、「車輛搭載型又は移動可能な専用機型のエゼクタ吸引によるごみ類の吸い上げ方法及びその装置」に関するものであって、車両等に装備される洋式便器に関するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000―220600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
真空式は予備汚物タンクを始めとする機器が必要なため、清水空圧式と比べて構造が複雑である。
清水空圧式は、真空式に比べて構造は簡単であるが、水流によって汚物を流すため、便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管のサイズ、勾配に制約がある。
図3に図示する、車両用の清水空圧式洋式便器に接続される汚水管は、汚物・汚水・紙が流れやすいよう傾斜を大きくとる必要があり、汚水管設置上の制約条件となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、
洋式便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管の途中に設置し、空圧力を利用して、洋式便器の汚物出口部から汚物を吸引し、汚物タンクへ圧送する汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置、
に係る。
【0008】
この発明は、更に、
車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンクの汚物入口部を繋ぐ汚水管の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、洋式便器内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンクに流し込むことを特徴とする汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置、
に係る。
【0009】
この発明は、更に、
汚物吸引・圧送装置は、車両に搭載される空気圧縮装置から供給される圧縮空気を利用することを特徴とする汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置、
に係る。
【0010】
この発明は、更に、
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給と停止は、車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置と連動していることを特徴とする汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置、
に係る。
【0011】
この発明は、更に、
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給は、車両の汚物タンクおよび汚水管内の圧力を予め抜いた後に行うことを特徴とする汚物吸引・圧送装置を備えた汚物処理装置、
に係る。
【0012】
この発明は、
洋式便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管の途中に設置し、空圧力を利用して、洋式便器の汚物出口部から汚物を吸引し、汚物タンクへ圧送する汚物吸引・圧送装置、
に係る。
【0013】
この発明は、更に、
車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンクの汚物入口部を繋ぐ汚水管の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、洋式便器内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンクに流し込むことを特徴とする汚物吸引・圧送装置、
に係る。
【0014】
この発明は、更に、
汚物吸引・圧送装置は、車両に搭載される空気圧縮装置から供給される圧縮空気を利用することを特徴とする汚物吸引・圧送装置、
に係る。
【0015】
この発明は、更に、
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給と停止は、車両の洋式便器の汚物出口部に設けられた開閉装置と連動していることを特徴とする汚物吸引・圧送装置、
に係る。
【0016】
この発明は、更に、
汚物吸引・圧送装置への圧縮空気の供給は、車両の汚物タンクおよび汚水管内の圧力を予め抜いた後に行うことを特徴とする汚物吸引・圧送装置、
に係る。
【発明の効果】
【0017】
構造が簡単で、便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管のサイズ、勾配に制約が少なく、汚水管の傾斜を大きくとる必要がない、汚物処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施例に係る正面図である。
図2】この発明の実施例に係る一部拡大作動図の正面図である。
図3】従来例に係る正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の内容を、以下の実施例を用いて説明する。
図1に本発明に係る汚物吸引・圧送装置を備えた汚水管および汚物処理装置の構成図を示す。また、図2に本発明に係る汚物吸引・圧送装置を備えた汚水管及び汚物処理装置の空気の流れを示す。
【0020】
16、17、18、19は、空気流である。
16は、汚物吸引・圧送装置に供給される圧縮空気の空気流である。17は、汚物吸引・圧送装置の吸引力によって発生する便器上部から下方への空気流である。18は、汚物吸引・圧送装置入口への空気流である。19は、汚物吸引・圧送装置により増幅された空気流である。
【0021】
図1において、1は、汚物吸引・圧送装置本体である。4は、洋式便器である。12は汚水管、13は汚物タンクである。
10は、便器洗浄水配管1である。11は、便器洗浄水配管2である。便器洗浄水配管1・10、便器洗浄水配管2・11は、洋式便器4に洗浄水を供給する。
汚物吸引・圧送装置本体1は、洋式便器4と汚物タンク13をつなぐ汚水管12の途中に設置する。
【0022】
汚物吸引・圧送装置本体1の取付位置は出来るだけ、洋式便器4の汚物出口部、便器排出口に近い部位である。理論的に便器出口から離れるほど、吸引力(負圧)が低下することになる。最大1メートルの範囲である。
圧縮空気を放出する向きが出口方向(汚物タンク側13)になり、空気の流れを作る事により、圧縮空気放出と反対側(便器出口)に吸引圧力(負圧)が発生することになる。この負圧で便器内汚物を真空吸引する。
【0023】
14は、水封装置である。15は、排出コックである。水封装置14、排出コック15とも、汚物タンク13に取り付ける。
【0024】
2は、汚物吸引・圧送装置用電磁弁である。3は、圧縮空気配管である。汚物吸引・圧送装置本体1には、車両に設置された空気圧縮装置から汚物吸引・圧送装置用電磁弁2、圧縮空気配管3を介して、所定の圧縮空気が供給される。
5は、シャッタ1である。6は、シャッタ開閉シリンダ1である。
図2において、シャッタ開閉シリンダ1・6の作用によりシャッタ1・5が開き、シャッタ1・5と連動して汚物吸引・圧送装置本体1に圧縮空気が供給される。
圧縮空気が供給されると、圧縮空気の空気流16によって発生する吸引力が、洋式便器4上部から下方への空気流17、汚物吸引・圧送装置入口への空気流18を発生させ、汚物吸引・圧送装置本体1で増幅された空気流19となって、汚物タンク13に押し流す力となり、汚物・汚水・紙と併せて臭いも排出することができる。
【0025】
7は、シャッタ2である。8は、シャッタ開閉シリンダ2である。9は、換気扇である。
洋式便器4は、シャッタ1・5を備えている。シャッタ1・5は、シャッタ開閉シリンダ1・6により開閉される。シャッタ2・7、シャッタ開閉シリンダ2・8、換気扇9は、シャッタ開閉シリンダ1・6の開閉と連動している。
車両が高速でトンネルに入ったときや、車両同士が高速ですれ違ったときに汚物タンク13の内圧が上昇することがある。汚物タンク13の内圧が上昇したとしても、シャッタ1・5が開く前にシャッタ開閉シリンダ2・8が作動してシャッタ2・7が開き、換気扇9を作動させることで、汚物タンク13および汚水管12の圧力が高い状態のままシャッタ1・5が開くことを防ぎ、シャッタ1・5が開いたときの吹き上がりを防止している。
【0026】
シャッタ1・5が開いた後も換気扇9が作動し続けると、洋式便器4から汚水管12に流すべき汚物等の一部が換気扇9の吸引力によって吸い出される恐れがある。
そこで、汚物吸引・圧送装置本体1を作動させたときには、シャッタ2・7を閉め、換気扇9を止めることで、汚物タンク13への汚物・水・紙類の圧送時に換気扇9に汚物類が吸い込まれることを防止することができる。
【0027】
この発明では、車両等の洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンク13の汚物入口部を繋ぐ汚水管12の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、洋式便器4内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンク13に流し込むことを特徴とする汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管12である。
そのため、汚物吸引・圧送装置本体1は、洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンク13の汚物入口部を繋ぐ汚水管の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力によって、洋式便器4内の汚物・汚水・紙を吸引・圧送し、汚物タンク13に流し込むため、汚水管の傾斜を大きくとる必要がなくなり、汚水管設置上の制約条件を緩和することができる。
【0028】
そのため、この発明は、車両等の洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンク13の汚物入口部を繋ぐ管路の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、便器内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンク13に流し込む汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管を用いることにより、洋式便器4の便器から汚物タンク13までの汚水管のサイズ、勾配の制約が緩和される。
【0029】
この発明は、更に、汚物吸引・圧送装置本体1は、車両等に搭載される空気圧縮装置から供給される圧縮空気を利用することを特徴とする汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管とするので、
汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管において、汚物吸引・圧送装置本体1に供給する圧縮空気は、車両に搭載されている空気圧縮装置から供給されるため、汚物吸引・圧送装置本体1用として新たな圧縮空気供給装置を設置することなく、圧縮空気供給回路を構成することができる。
【0030】
そのため、この発明は、汚物吸引・圧送装置本体1に使用する圧縮空気を、車両等に搭載されている空気圧縮装置から供給することにより、汚物吸引・圧送装置本体1専用の圧縮空気供給装置を新たに追加する必要がないため、既存の汚水管から汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管への更新が容易に行える。
【0031】
この発明は、更に、汚物吸引・圧送装置本体1への圧縮空気の供給と停止は、車両等の洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置と連動していることを特徴とする汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管とするので、汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管において、汚物吸引・圧送装置本体1への圧縮空気供給・停止が、車両等の洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置の開閉と連動することから、洋式便器4の汚物出口部の開閉装置作動時に洋式便器4から汚物タンク13方向への空気の流れを作り、汚物タンク13からの臭気上がりを軽減または防止することができる。
【0032】
この発明は、圧縮空気の汚物吸引・圧送装置本体1への供給と停止は、車両等の洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置と連動していることにより、汚物タンク13からの臭気上がりを軽減または防止することができる。
【0033】
この発明は更に、汚物吸引・圧送装置本体1への圧縮空気の供給は、車両等の汚物タンク13および汚水管内の圧力を予め抜いた後に行うことを特徴とする汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚物処理装置とするので、
汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管において、車両等の汚物タンク13および汚水管内の圧力を予め抜いた後に、汚物吸引・圧送装置本体1へ圧縮空気の供給を行うことより、洋式便器4内に汚物が吹き上がる現象が発生しない。
【0034】
そのため、この発明は、車両等の汚物タンク13および汚水管内の圧力を予め抜いた後に、汚物吸引・圧送装置本体1へ圧縮空気の供給を行うことより、汚物の吹き上がりを防止することができる。
【0035】
汚水管配管径を細くすれば吸引力が上がるが、つまり故障が増加する。汚水管配管径を太くすれば、逆の現象が起こる。
配管径と吸引力の関係からすれば、細い径で便器直近が望ましい。
圧縮空気圧を上げると吸引力(負圧)が増加するが、それも使用可能限度がある。
【0036】
真空式は便器後部に予備汚物タンクを設けており、予備汚物タンク内の汚物汚水を含んだタンク内の空気を吸い込む。予備汚物タンクは吸引行動により、汚水配管の形状変化に伴う断熱膨張により、汚物汚水、トイレットペーパーも霧状に変化する。この霧状の空気を吸引して負圧を発生させるので、吸引装置内に霧状になった異物が侵入して故障の原因となる。
他方、この発明の実施例では、汚水管には圧縮空気を排出するだけの部品を取り付けるので、汚水管内の空気の流れで便器側に負圧を発生させる。この空気の流れで便器内の汚水汚物やトイレットペーパーが吸引されるだけなので、圧送専用部品内に異物が侵入することがない。
【0037】
この発明の圧送式便器は、便器出口に設けた、一部品で吸引圧送(真空加圧)を同時に行う。一部品で同時に吸引と加圧を汚水管内で行うことにより、汚物、汚水が汚水管内から移動することがないので、真空式の欠点を克服出来る。
【符号の説明】
【0038】
1 汚物吸引・圧送装置本体
2 汚物吸引・圧送装置用電磁弁
3 圧縮空気配管
4 洋式便器
5 シャッタ1
6 シャッタ開閉シリンダ1
7 シャッタ2
8 シャッタ開閉シリンダ2
9 換気扇
10 便器洗浄水配管1
11 便器洗浄水配管2
12 汚水管
13 汚物タンク
14 水封装置
15 排出コック
16 汚物吸引・圧送装置に供給される圧縮空気の空気流
17 汚物吸引・圧送装置の吸引力によって発生する便器上部から下方への空気流
18 汚物吸引・圧送装置入口への空気流
19 汚物吸引・圧送装置により増幅された空気流

【要約】
【課題】
構造が簡単で、便器と汚物タンクを繋ぐ汚水管のサイズ、勾配に制約が少なく、汚水管の傾斜を大きくとる必要がない、汚物処理装置を提供する。
【解決手段】
車両等の洋式便器4の汚物出口部に設けられた開閉装置の下流側と、汚物タンク13の汚物入口部を繋ぐ汚水管12の途中に設置され、圧縮空気を狭い隙間から高速で噴出させる際に発生する吸引力と押し出し力により、洋式便器4内の汚物・水・紙を吸引・圧送し、汚物タンク13に流し込むことを特徴とする汚物吸引・圧送装置本体1を備えた汚水管12からなる汚物処理装置である。
【選択図】図1

図1
図2
図3