(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】透明パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01B 5/14 20060101AFI20230928BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20230928BHJP
H01B 1/20 20060101ALI20230928BHJP
H01B 13/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01B5/14 A
H01B5/14 B
B32B27/18 J
H01B1/20 D
H01B13/00 503B
H01B13/00 503D
(21)【出願番号】P 2018109668
(22)【出願日】2018-06-07
【審査請求日】2021-05-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-17
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000224123
【氏名又は名称】藤倉化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】青野 拓実
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】恩田 春香
【審判官】松永 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-103041(JP,A)
【文献】特開2003-203523(JP,A)
【文献】特表2017-505505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明パネルであって、
樹脂成分とフレーク状、樹枝状、球
状のいずれかの形状の導電性粉末とから形成された導電回路が形成されたホットメルトシートと、
第1の透明パネル材と、
第2の透明パネル材と、を備え、
前記ホットメルトシートが、前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材によって挟まれるように構成された、
透明パネル。
【請求項2】
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とがいずれも、硬質のパネル材である、
請求項1に記載の透明パネル。
【請求項3】
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とがいずれも、ガラスである、
請求項1に記載の透明パネル。
【請求項4】
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物により形成されている、
請求項1に記載の透明パネル。
【請求項5】
前記ホットメルトシートは、ポリエステル、ブチラール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、およびスチレン-イソプレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物により形成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項6】
前記導電回路を構成する前記樹脂成分が、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート、およびセルロース・アセテート・プロピオネートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項7】
前記導電回路を構成する前記導電性粉末が、銀、ニッケル、カーボン、グラファイト、およびスズからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項8】
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材の厚みの合計が2.4~4.6mmある、
請求項1~7のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項9】
前記第1の透明パネル材の厚みが1.0~3.0mmであり、
前記第2の透明パネル材の厚みが0.6~2.0mmである、
請求項1~8のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項10】
前記ホットメルトシートの厚みが0.1~2.0mmである、
請求項1~9のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項11】
前記導電回路を構成する前記樹脂成分がポリエステル樹脂を含み、
前記導電回路を構成する前記導電性粉末の配合量が、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して150~900質量部である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項12】
自動車のウインドシールド又はリアウインド用である、
請求項1~11のいずれか一項に記載の透明パネル。
【請求項13】
透明パネルの製造方法であって、
樹脂成分とフレーク状、樹枝状、球
状のいずれかの形状の導電性粉末とを含む導電性ペーストと、ホットメルトシートと、第1の透明パネル材と、第2の透明パネル材と、を準備し、
前記ホットメルトシート上に前記導電性ペーストで導電回路を形成し、
前記導電回路が形成された前記ホットメルトシートを前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材との間に挟み熱圧着する、
透明パネルの製造方法。
【請求項14】
透明パネルの製造方法であって、
第1の透明パネル材上に塗布されて乾燥されたホットメルトシートと、樹脂成分とフレーク状、樹枝状、球
状のいずれかの形状の導電性粉末とを含む導電性ペーストと、第2の透明パネル材と、を準備し、
前記ホットメルトシート上に、前記導電性ペーストで導電回路を形成し、
前記導電回路が形成された前記ホットメルトシートを挟むように、前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とを熱圧着する、
透明パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のリアガラスなどのガラスの曇り防止装置においては、ガラス粉と銀粉から構成される、いわゆる高温焼成用の導電性ペーストが使用されている。
特許文献1には、導電性粉末とガラスフリットとを用いた高温焼成用導電性ペーストを使用した防曇ガラスが提案されている。
特許文献2には乾燥温度の低い、樹脂用銀ペーストを用いた曇り止め装置を備えたポリカーボネート製の自動車用リアウィンドーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/072204号
【文献】実開平7-24674
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、いわゆる高温焼成用導電ペーストは、焼成時に必要とされる温度が300℃以上とかなり高く、エネルギーを大量に消費する。
また、樹脂製透明パネルを使用する場合に必要な、低温で回路形成可能な樹脂用導電性ペーストは外部からの物理的な力に対して脆弱であり実用性に劣るという欠点があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、例えば、高温で焼成することなく外的な力にも強い透明パネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る透明パネルは、樹脂成分と導電性粉末とから形成された導電回路が形成されたホットメルトシートと、第1の透明パネル材と、第2の透明パネル材と、を備え、前記ホットメルトシートが、前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材によって挟まれるように構成されている。
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とがいずれも、硬質のパネル材であってもよい。
【0007】
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とがいずれも、ガラスであってもよい。
【0008】
前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物により形成されていてもよい。
【0009】
前記ホットメルトシートは、ポリエステル、ブチラール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、およびスチレン-イソプレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物により形成されていてもよい。
【0010】
前記導電回路を構成する前記樹脂成分が、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート、およびセルロース・アセテート・プロピオネートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であってもよい。
【0011】
前記導電回路を構成する前記導電性粉末が、銀、ニッケル、カーボン、グラファイト、およびスズからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であってもよい。
【0012】
本発明の第二態様に係る透明パネルの製造方法は、樹脂成分と導電性粉末とを含む導電性ペーストと、ホットメルトシートと、第1の透明パネル材と、第2の透明パネル材と、を準備し、前記ホットメルトシート上に前記導電性ペーストで導電回路を形成し、前記導電回路が形成された前記ホットメルトシートを前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材との間に挟み熱圧着する。
【0013】
本発明の第三態様に係る透明パネルの製造方法は、第1の透明パネル材上に塗布されて乾燥されたホットメルトシートと、樹脂成分と導電性粉末とを含む導電性ペーストと、第2の透明パネル材と、を準備し、前記ホットメルトシート上に、前記導電性ペーストで導電回路を形成し、前記導電回路が形成された前記ホットメルトシートを挟むように、前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とを熱圧着する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、高温で焼成することなく外的な力にも強い透明パネル(例えば、曇り防止機能付き透明パネル)及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る透明パネルの製造過程を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
【0017】
<透明パネル>
本発明の一実施形態に係る透明パネルは、樹脂成分と導電性粉末とから形成された導電回路が形成されたホットメルトシートと、第1の透明パネル材と、第2の透明パネル材と、を備え、前記ホットメルトシートが、前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材によって挟まれるように構成されている。
本実施形態に係る透明パネルの各構成部材について、以下に詳述する。
【0018】
<透明パネル材>
本実施形態に係る透明パネルを構成する透明パネル材(第1の透明パネル材1、第2の透明パネル材2)は、透明性が確保できる素材によるパネル材であればよく、硬質のパネル材であることが好ましく、屋外使用を考慮した場合はガラス(ガラス製のパネル材)が望ましい。
【0019】
その他、本実施形態に係る透明パネル材1、2として使用される樹脂製の素材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が使用できる。
すなわち、第1の透明パネル材と第2の透明パネル材とが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物により形成されていてもよい。
第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とは、同一の素材を用いてもよく、異なる素材を用いてもよい。
【0020】
本実施形態においては、透明性が確保でき、かつ、屋外使用を考慮して、第1の透明パネル材1および第2の透明パネル材2がいずれもガラスであることが好ましい。
【0021】
なお、本実施形態においては、第1の透明パネル材1および第2の透明パネル材2がいずれも平面状に形成されていてもよく、曲面状に形成されていてもよい。
【0022】
第1の透明パネル材1と、第2の透明パネル材2と、が曲面を有するように形成されている場合には、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2との貼り合わせが可能なように、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とは同一の曲面を有していることが好ましい。なお、同一の曲面とは、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2との貼り合わせが適切に可能であれば、厳密に同一の曲面形状でなくともよい。
【0023】
本実施形態に係る透明パネル材1、2の厚みは、特には限定されないが、軽量化の観点からは、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2の厚みの合計を、2.4~4.6mmとすることが好ましく、2.6~3.4mmとすることがさらに好ましく、2.7~3.2mmとすることが特に好ましい。
このように、軽量化のためには、透明パネル材1と透明パネル材2との合計の厚みを小さくすることが必要であるので、各透明パネル材1、2のそれぞれの厚みは、特には限定されないが、例えば、以下のように、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2の厚みを決定することができる。
【0024】
第1の透明パネル材1は、例えば、合わせガラスの外側ガラス板のように外側の透明パネル材として用いる際に、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要である。例えば、透明パネル101を自動車のウインドシールドとして用いる場合には、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。
他方、透明パネル材は、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、第1の透明パネル材1の厚みはガラス板の場合1.0~3.0mmとすることが好ましく、1.6~2.3mmとすることがさらに好ましい。
第1の透明パネル材において何れの厚みを採用するかは、透明パネル101の用途に応じて決定することができる。
なお、第1の透明パネル材1としては、ガラスが好ましい。
第1の透明パネル材1をガラスとした際には、例えば、自動車用の合わせガラスにおける外側ガラス板として第1の透明パネル材1を用いることができる。
【0025】
第2の透明パネル材2の厚みは、第1の透明パネル材1の厚みと同等、または、同等以下にすることができる。、
例えば、合わせガラスにおける内側ガラス板のように内側の透明パネル材として第2の透明パネル材2を用いた際に、透明パネル101の軽量化のため、第1の透明パネル材1よりも第2の透明パネル材2の厚みを小さくしてもよい。
【0026】
具体的には、透明パネル101の強度を考慮すると、第2の透明パネル材2の厚みはガラス板の場合、0.6~2.0mmであることが好ましく、0.8~1.8mmであることがさらに好ましく、1.0~1.6mmであることが特に好ましい。
更には、第2の透明パネル材2の厚みは、0.8~1.3mmであることが好ましい。
第1の透明パネル材1と同様に、第2の透明パネル材2についても、何れの厚みを採用するかは、透明パネル101の用途に応じて決定することができる。
なお、第2の透明パネル材2としては、ガラスが好ましい。第2の透明パネル材2をガラスとした際には、自動車用の合わせガラスの内側ガラス板として第2の透明パネル材2を用いることができる。
【0027】
<ホットメルトシート>
本実施形態に係るホットメルトシート3は、常温においてべたつきが少なく導電性ペーストが印刷可能で、透明パネル材1、2とホットメルトシート3との圧着後に透明性を阻害しない素材であればよい。また、本実施形態に係るホットメルトシート3は、第1の透明パネル材1と、第2の透明パネル材2と、の貼りあわせ材としても機能する。
【0028】
ホットメルトシート3の代表的な素材としては、ポリエステル、ブチラール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
すなわち、本実施形態に係るホットメルトシート3は、ポリエステル、ブチラール、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、およびスチレン-イソプレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物により形成されていてもよい。
【0029】
本実施形態に係るホットメルトシート3の厚みは特に限定されないが、具体的には、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~1.0mmであることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係るホットメルトシート3は、透明性を損なわない範囲で顔料などを含み、顔料などにより着色されていてもよい。
【0030】
<導電性ペースト>
本実施形態に係る導電性ペースト4は、ホットメルトシート3上に回路(導電回路、導電性塗膜)5を形成する関係から、低温で硬化もしくは乾燥する材料が好ましく、常温で乾燥する材料が特に好ましい。
導電性ペースト4に含まれる樹脂成分(バインダー樹脂)としては、特に制限はないが、ポリエステル樹脂(ウレタン変性体、エポキシ変性体、アクリル変性体を含む)、ブチラール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)などが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性ペースト4に含まれる樹脂成分として、透明パネル材を曲面成形する場合には、例えば、柔軟性のあるポリエステル樹脂が好ましい。
【0031】
導電性ペースト4に含まれる導電性粉末は導電性を発現できれば特に制限はないが、金属やカーボンなどの粉末が挙げられ、例えば、銀、ニッケル、カーボン、グラファイト、スズ等が使用できる。
換言すれば、導電回路5を構成する導電性粉末が、銀、ニッケル、カーボン、グラファイト、およびスズからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であってもよい。
中でも、導電性ペースト4に含まれる導電性粉末としては、銀粉末が好ましい。
なお、透明パネル材の熱圧着時に減圧を行う場合は、酸化の心配が無いので銅(銅粉末)も好適に使用できる。
また、粉末の形状としては、フレーク状(鱗片状)、樹枝状、球状、不定形のいずれであってもよいが、これら形状の中でも、導電性の点で、フレーク状の粉末が好ましい。
【0032】
例えば、本実施形態に係る導電性ペースト4の好適な例として、以下に示す例が挙げられる。
本実施形態に係る導電性ペースト4は、導電性粉末とポリエステル樹脂とを含有し、導電性粉末とポリエステル樹脂とが溶媒中に混合された混合物を用いることができる。
導電性粉末の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して150~900質量部であることが好ましい。
導電性粉末の配合量が、ポリエステル樹脂100質量部に対して150質量部未満であると、導電性ペースト4から得られる導電回路5の導電性が不十分になることがある。
また、導電性粉末の配合量が、ポリエステル樹脂100質量部に対して900質量部を超えると、導電性ペースト4中の導電性粉末の分散性が低下して導電回路5のレベリング性が低下するおそれがある。
【0033】
ポリエステル樹脂は、多価塩基酸成分と多価アルコール成分とから構成されている。
多価塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルネンジカルボン酸の脂環族ジカルボン酸などを例示できる。これら多価塩基酸成分は無水物であってもよい。
【0034】
上記多価塩基酸成分の中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましく、中でもテレフタル酸、イソフタル酸は、工業的に多量に生産されており安価である点で好ましい。
また、芳香族ジカルボン酸と飽和脂肪族ジカルボン酸とを組み合わせて用いることがさらに好ましく、飽和脂肪族ジカルボン酸としては、耐折り曲げ性がより高くなることから、下記式(1)で表される飽和脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましい。
HOOC-(CH2)n-COOH (1)
(nは8~20の整数である。)
【0035】
具体的には、多価塩基酸成分として、セバシン酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、アイコサン二酸を含むことが好ましく、長い直鎖構造を有するため、耐折り曲げ性が特に高くなることから、オクタデカン二酸、アイコサン二酸がより好ましい。
【0036】
多価アルコール成分としては、炭素数2~10の脂肪族グリコール、炭素数6~12の脂環族グリコールもしくはエーテル結合含有グリコール等が好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
また、多価アルコール成分としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのようなビスフェノール類のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
上記多価アルコール成分の中でも、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールは、工業的に多量に生産されており安価である観点から好ましい。
【0037】
ポリエステル樹脂は、モノカルボン酸、モノアルコール、ヒドロキシカルボン酸などの共重合成分が共重合されていてもよい。
当該共重合成分としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリルアルコール、安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、ε-カプロラクトン、乳酸、β-ヒドロキシ酪酸などが挙げられる。
【0038】
また、ポリエステル樹脂には、分子量を上げるため酸化防止剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。
【0039】
さらに、ポリエステル樹脂における酸価は、例えば、0.3~2.2mgKOH/gであり、好ましくは0.5~2.0mgKOH/gである。
ポリエステル樹脂の酸価が0.3mgKOH/g未満では、導電性粉末の分散性が低下するので、導電性ペースト4から得られる導電回路5のレベリング性が低下する。
そして、レベリング性が低下すると、導電回路において厚みの薄い部分が形成され、導電回路において厚みが薄い部分での抵抗が大きくなるので、導電回路5の導電性が低下する。
一方、酸価が2.2mgKOH/gを超えると、導電回路5の耐湿試験(導電回路5を温度65℃、湿度95%RHの環境下に1000時間放置する試験)後の耐折り曲げ性が低下する。
【0040】
本発明において、酸価は以下のようにして測定された値である。
すなわち、試料0.2gをジオキサンに溶解し、試料のジオキサン溶液を0.01N水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた値である。
滴定の指示薬としては、クレゾールレッド溶液を用いる。
【0041】
本実施形態に係るポリエステル樹脂は、数平均分子量が4000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましく、12000以上であることがさらに好ましく、15000以上であることが最も好ましい。
数平均分子量が4000未満であると、加工性が不足する傾向にある。
なお、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定できる。
【0042】
ポリエステル樹脂の分子量分布の分散度は、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。ここで、分子量分布の分散度とは、GPCで測定した質量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。
【0043】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-18~85℃であることが好ましく、十分な屈曲性を得るためには、上限が15℃であることがさらに好ましい。
【0044】
導電性ペースト4には、導電回路5の機械的物性を高めることを目的として、上記ポリエステル樹脂と反応することが可能な硬化剤をさらに含有することが好ましい。
硬化剤の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して1~20質量部であることが好ましい。
硬化剤の配合量が1質量部未満であると、硬化剤を配合する効果が発揮されず、20質量部を超えると、導電回路5の機械的物性をかえって損ねるおそれがある。
【0045】
硬化剤としては、耐折り曲げ性をより高める観点から、イソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの誘導体であってもよい。
さらに、これらイソシアネート化合物はブロック化されたブロックドイソシアネートであることが好ましい。イソシアネート化合物がブロック化されていると、導電性ペースト4の貯蔵安定性が高くなる。
【0046】
上記成分を分散させる溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルや、これらのエステル化物等のグリコールエーテル誘導体が挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上混合して使用できる。
導電性ペースト4は、導電性粉末と、上記ポリエステル樹脂と、必要に応じて硬化剤と、を溶媒中に混合して製造される。導電性ペースト4の製造の際には、用途に応じた粘度になるように、各成分を混合する。
【0047】
<導電回路形成方法>
本実施形態に係るホットメルトシート3上への導電回路5の形成方法は特に制限されないが、印刷、ディスペンサーでの塗布、筆や刷毛による形成等が挙げられる。
なかでも効率化の点から印刷が好ましく、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷等が挙げられる。
図1には、ホットメルトシート3上への導電回路5の形成方法の手順の一例を示している。
導電回路5の形成時に加熱が必要な場合はホットメルトシート3の変形を防ぐために、ホットメルトシート3の溶融温度以下であることが望ましい。
【0048】
<透明パネル形成方法>
本実施形態に係る透明パネルの製造方法は、樹脂成分と導電性粉末とを含む導電性ペーストと、ホットメルトシートと、第1の透明パネル材と、第2の透明パネル材と、を準備し、前記ホットメルトシート上に前記導電性ペーストで導電回路を形成し、前記導電回路が形成された前記ホットメルトシートを前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材との間に挟み熱圧着する。
本実施形態に係る透明パネル形成方法について、以下に詳述する。
【0049】
導電回路5が形成されたホットメルトシート3(導電回路形成ホットメルトシート13)を、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とで挟み込み、熱圧着することにより、本実施形態に係る曇り防止機能付きの透明パネル101を得ることができる。この時、透明パネル101中への泡の混入を防ぐために、真空中で導電回路形成ホットメルトシート13と第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とを熱圧着することが望ましい。
透明パネル材1,2と導電回路形成ホットメルトシート13とを熱圧着する時、金属線や金属箔を導電回路5の終端に挟み込み、取り出し電極として構成することができる。
また、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とのうち一方の透明パネル材の一部を欠けさせることにより、透明パネル101から電極を取出すことができる。
透明パネル101は、柔軟性のあるホットメルトシート3上に導電回路5を成形して圧着する工程を採用することにより曲面(曲面形状を有する透明パネル)にも適用できる。
【0050】
図1には、透明パネル101の形成方法の手順の一例を図示している。
以下には、透明パネル101の形成方法の一例をより具体的に示す。
上述の<導電回路形成方法>で示した導電回路形成ホットメルトシート13を第1の透明パネル材1および第2の透明パネル材2の間に挟む。
具体的には、まず、第1の透明パネル材1、導電回路形成ホットメルトシート13、および第2の透明パネル材2をこの順で積層する。
換言すれば、第1の透明パネル材1の上に導電回路形成ホットメルトシート13を積層し、導電回路形成ホットメルトシート13の上に第2の透明パネル材2を積層する。
このとき、導電回路形成ホットメルトシート13は、導電回路5が形成された面を、第2の透明パネル材2側に向ける。
こうして、第1の透明パネル材1、導電回路形成ホットメルトシート13、および第2の透明パネル材2が積層された積層体を、減圧吸引しながら予備接着する。
次に、予備接着された積層体を、オートクレーブを用い、例えば、0.1~1.5MPaで、100~150℃の条件によって、本接着を行う。
具体的には、例えば、0.2MPaで130℃の条件で本接着を行うことができる。
以上の予備接着及び本接着を通して、導電回路形成ホットメルトシート13のホットメルトシートが溶解し、導電回路5を挟んだ状態で第1の透明パネル材2と第2の透明パネル材2とが接着される。
こうして、本実施形態に係る透明パネル101が製造される。
【0051】
なお、上述の例では、あらかじめホットメルトシート3に導電回路5を形成し、導電回路形成ホットメルトシート13を第1の透明パネル材1および第2の透明パネル材2で挟む製法を示したが、第1の透明パネル材1上にホットメルトシート3の材料となる樹脂を塗布してホットメルトシート3付きの第1の透明パネル材1を形成しておき、第1の透明パネル材1上のホットメルトシート3に導電回路5を形成して、その上に(導電回路5を覆うように)第2の透明パネル材2を積層してもよい。
【0052】
なお、上述の例では、導電回路形成ホットメルトシート13を用いて、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とを接着する例を示したが、上述のホットメルトシートを用いた接着に加えて、第1の透明パネル材1、第2の透明パネル材2の両方に切欠き部(溝部)を設けて、各切欠き部に、固定剤として低融点の半田等を塗布して、第1の透明パネル材1と、第2の透明パネル材2とを接着してもよい。
換言すれば、本実施形態の変形例に係る透明パネルの製造方法は、第1の透明パネル材上に塗布されて乾燥されたホットメルトシートと、樹脂成分と導電性粉末とを含む導電性ペーストと、第2の透明パネル材と、を準備し、前記ホットメルトシート上に、前記導電性ペーストで導電回路を形成し、前記導電回路が形成された前記ホットメルトシートを挟むように、前記第1の透明パネル材と前記第2の透明パネル材とを熱圧着する。
【0053】
なお、本実施形態に係る透明パネル形成方法においては、第1の透明パネル材1および第2の透明パネル材2のいずれも、ガラスを用いることが好ましい。
なお、
図1においては、平面形状の第1の透明パネル材1、平面形状の第2の透明パネル材2を用いた例を示しているが、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とが貼り合わせ可能であれば、第1の透明パネル材1および第2の透明パネル材2のいずれも曲面を有する部材であってもよい。
例えば、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とが貼り合わせ可能なように同じ曲面を有し、第1の透明パネル材1が外側ガラス板、第2の透明パネル材2が内側ガラス板である合わせガラスであってもよい。
この際、
図1に示す方法に従い、外側ガラス板としての第1の透明パネル材1と、内側ガラス板としての第2の透明パネル材2と、の間に導電回路形成ホットメルトシート13を設け、真空中で熱圧着することにより、合わせガラスとしての透明パネル101を形成できる。形成された透明パネル101は、例えば、車のリアガラスとしても利用できる。
【0054】
また、平面形状の第1の透明パネル材1に、導電回路形成ホットメルトシート13を設け、導電回路形成ホットメルトシート13上に、平面形状の第2の透明パネル材2を設け、透明パネル101が曲面を有するように加工してもよい。
本実施形態に係る透明パネル101によれば、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2との間に導電回路形成ホットメルトシート13が設けられる。
そのため、熱圧着の際に、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2との間で、導電回路5が保持されつつホットメルトシートが溶融して広がることにより、透明パネル101において、導電回路5が形成された箇所と、導電回路5が形成されていない箇所の厚みがほぼ同等となり、導電回路5の周囲が歪んで見えることない。
また、本実施形態に係る透明パネル101は、溶融したホットメルトシートによって導電回路5が保持され、かつ、第1の透明パネル材1と、第2のパネル材2との間に配置されるため、外的な力に対しても強い。
また、本実施形態において予備接着工程を採用するときに、減圧吸引に加えて加熱して
もよい。
【0055】
本実施形態に係る透明パネル101は、例えば、車のリアガラスに用いた際に、導電回路5の周囲が歪んで見えることないため、ドライバーの視界を遮ることがない。
また、本実施形態に係る透明パネル101は、例えば、車のリアガラスに用いた際に、第1の透明パネル材1と第2の透明パネル材2とをガラス製のパネル材で構成した場合、樹脂製のリアウィンドーと比較して、車に乗せた荷物等により、傷がつくおそれも少ない。
【0056】
一方、透明パネル材に直接導電回路を形成する場合は、あらかじめ曲面に形成した透明パネル材上に導電回路を形成しなければならず製造の難度が高い。
また、平面状の透明パネル材上に導電回路を形成してから曲面に成形する場合、導電性ペーストに過大な熱や力がかかるため回路抵抗の増加や導電回路の剥離をもたらしやすい。
また、薄い透明樹脂シート上に導電回路を形成し透明パネル材に圧着する場合は導電回路の厚みにより導電回路周囲が歪んで見えてしまう。
【実施例】
【0057】
以下、実施例によって上記した効果についてより具体的に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
【0058】
<透明パネルの作成>
(実施例1)
ホットメルトシートとしての約0.8mmの均一な厚みを有するブチラールシート上に、ポリエステル樹脂系の導電性銀ペーストFA-333(藤倉化成(株)製)をスクリーン印刷で印刷したものを、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分乾燥し、ブチラールシート上に導電回路を形成した。
このシート(導電回路形成ホットメルトシート)を同じ曲面を持った2枚のガラス板の間に挟み込み、130℃に加熱しながら0.2MPaの圧力を2分間かけて熱圧着した。
なお、2枚のガラス板としては、第1の透明パネル材1に相当する第1のガラス板の厚みが2mmであるガラス板を用い、第2の透明パネル材2に相当する第2のガラス板の厚みが1.5mmであるガラス板を用いた。
これにより、曲面の合わせガラスに導電回路が挟み込まれた構造体を得ることができた。
実施例1に係る透明パネル形成の本接着における圧力と温度を表1に示す。
【0059】
(実施例2~5)
実施例1に係る透明パネルの作成方法において、本接着の圧力および温度を表1に示した値に変えた他は、実施例1と同様の手法により、実施例2~5に係る透明パネルを作成した。
【0060】
【0061】
上記のような積層構造を有する実施例1~5のいずれにおいても、高温で焼成することなく、外的な力にも強い良好な透明パネルが作成された。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
上述の実施形態では、例示として、曇り防止機能付き透明パネルを中心に説明したが、透明パネルとして用いられる他の用途に用いられてもよく、曇り防止機能の用途に限定されない。
例えば、上述の実施形態に係る透明パネルを利用し、電波遮蔽用パネルの材料に用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の透明パネルは、高温で焼成することなく外的な力にも強い透明パネルとして有用である。
【符号の説明】
【0064】
第1の透明パネル材…1
第2の透明パネル材…2
ホットメルトシート…3
導電性ペースト…4
導電回路…5
導電回路形成ホットメルトシート…13
透明パネル(導電回路内蔵透明パネル)…101