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特許7356874洗面化粧台用バックパネル、洗面化粧台用バックパネルの施工方法及び洗面化粧台
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  • 特許-洗面化粧台用バックパネル、洗面化粧台用バックパネルの施工方法及び洗面化粧台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】洗面化粧台用バックパネル、洗面化粧台用バックパネルの施工方法及び洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20230928BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20230928BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A47K1/00 U
A47K1/02 G
A47K1/00 F
A47B67/02 502L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019208373
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021078701
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三井 敦
(72)【発明者】
【氏名】神野 晃一
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕太郎
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-061685(JP,A)
【文献】特開2008-125634(JP,A)
【文献】実開昭53-067533(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00-1/02
A47B 67/02
A47B 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水部に連通する配管を配置する配管配置空間を区画するために、前記配管配置空間の手前側に立つパネル本体を有し、
前記配管は、前記パネル本体の上端の位置から上方に引き出され
前記パネル本体の奥側に位置する壁面と前記パネル本体との間に配置されるフレームを有し、
前記パネル本体は、前記フレームに対して着脱自在である洗面化粧台用バックパネル。
【請求項2】
前記フレームは、左右に離れて少なくとも2つ備えられている請求項1に記載の洗面化粧台用バックパネル。
【請求項3】
請求項2に記載の洗面化粧台用バックパネルの施工方法であって、
洗面台の幅寸法にあわせて前記フレームを配置し、
前記フレームに前記パネル本体を取り付ける洗面化粧台用バックパネルの施工方法。
【請求項4】
請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の洗面化粧台用バックパネルを備えている洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗面化粧台用バックパネル、洗面化粧台用バックパネルの施工方法及び洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックパネルの前面に吐水部が備えられた洗面化粧台が知られている(例えば下記特許文献1に記載)。吐水部の一部はケーシングの内部に収納されている。バックパネルには、吐水部に水を供給する給水配管を通す孔が形成されている。孔は、バックパネルを前後方向に貫通している。給水配管は、バックパネルの孔を通ってケーシングの内部に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-63053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような洗面化粧台において吐水部をバックパネルの上方に配置しようとすると、バックパネルの前方に給水配管が露出してしまう。このため、バックパネルの上方に見栄え良く吐水部を配置することは難しかった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、バックパネルの上方に見栄え良く吐水部を配置することができる洗面化粧台用バックパネル、洗面化粧台用バックパネルの施工方法及び洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の洗面化粧台用バックパネルは、吐水部に連通する配管を配置する配管配置空間を区画するために、前記配管配置空間の手前側に立つパネル本体を有し、前記配管は、前記パネル本体の上端の位置から上方に引き出されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】洗面化粧台を示す斜視図
図2】水栓ユニットを示す斜視図
図3】水栓ユニットが取り付けられた状態のキャビネットの下部を示す一部拡大斜視図
図4】配管配置空間に配管が配置された状態を示す洗面化粧台の一部拡大側断面図
図5】配管配置空間に配管が配置された状態を示す洗面化粧台の一部拡大平断面図
図6】洗面台の上方にフレームを配置する様子を示す斜視図
図7】フレームの上方にキャビネットを取り付ける様子を示す斜視図
図8】水栓ユニットを水栓配置空間の取付位置に仮置きした状態を示す斜視図
図9】パネル本体を取り付ける様子を示す斜視図
図10】洗面ボウルを洗面台に取り付ける様子を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
洗面化粧台10は、図1に示すように、洗面台20、カウンター22、洗面ボウル30、バックパネル40、キャビネット60、及び水栓ユニット70を備えている。以下、各構成部材において、洗面化粧台10を室内に設置した状態における上側(図1のZ軸の正方向側)を上側、下側(図1のZ軸の負方向側)を下側、洗面化粧台10を正面に見た状態における左側(図1のY軸の負方向側)を左側、右側(図1のY軸の正方向側)を右側、室内側(図1のX軸の正方向側)を手前側、室内側とは反対側(図1のX軸の負方向側)を奥側として説明する。洗面台20、バックパネル40、及びキャビネット60は、左右方向の寸法が等しい。他の実施形態においては、洗面台20、バックパネル40、及びキャビネット60は、左右方向の寸法が非対称でもよい。
【0009】
洗面台20は、室内の床面に設置される。洗面台20は、ネジによって室内の壁面11に固定される。洗面台20は、箱体21と、カウンター22とを有している。
【0010】
洗面ボウル30は、洗面台20の上面に設置される。洗面ボウル30は、上方から見ると、左右方向に長い方形状をなしている。洗面ボウル30の上端は、左右方向から見ると、奥側に向かうに連れて高くなる。洗面ボウル30の背面部35は、バックパネル40の前面に沿って立つ。
【0011】
洗面ボウル30は、図10に示すように、カウンター22に形成された開口部23に嵌め込まれる。洗面ボウル30の周縁部は、カウンター22の上面に載置された後、ボルト33及びナット34によって固定される。洗面ボウル30の底部には、排水口31が設けられている。排水口31には、排水接続部32が取り付けられている。排水接続部32には、排水器具85が取り付けられている。排水器具85は、排水操作部74の操作によって排水栓39を上下方向に移動自在なポップアップ機構を備えている。
【0012】
キャビネット60は、図1に示すように、洗面ボウル30の上方に配置される。キャビネット60は、キャビネット本体61及び鏡扉62を備えたミラーキャビネットである。キャビネット本体61は、室内の壁面11にネジS3によって固定される(図7参照)。鏡扉62は、鉛直方向に伸びる回転軸を中心に回転自在な状態でキャビネット本体61に取り付けられている。鏡扉62の下端には、水栓ユニット70に設けられた照明センサや吐水レバー78の位置を示すセンサ位置表示部24が備えられている。
【0013】
キャビネット本体61は、図7に示すように、天板63、左右の側板64、背板65、仕切板66及び底板67を備えている。仕切板66は、左右の側板64の間に配置されている。各仕切板66は、左右の側板64と略平行に配置されている。仕切板66は、キャビネット本体61の内部に上下方向に長い収納空間を形成する。底板67のうち1つの底板67は、水栓ユニット70とともにキャビネット60に取り付けられる水栓配置底板67Aである。
【0014】
水栓配置底板67Aは、左右の仕切板66の間に配置される。水栓配置底板67Aは、キャビネット60の左右方向における中央部に位置する。水栓配置底板67Aは、洗面台20の開口部23の真上に配置される。水栓配置底板67Aは、左右の仕切板66の下端よりも上方に固定される。水栓配置底板67Aの下面には、水栓ユニット70の照明部を制御するユニットが取り付けられる。
【0015】
水栓配置底板67Aより下方は、水栓ユニット70の配置空間(水栓配置空間68と称する。)である。水栓配置空間68は、鏡扉62の奥側に形成される。水栓配置空間68は、左右の仕切板66の間に形成される。水栓配置空間68は、キャビネット60の下部に設けられる。
【0016】
水栓配置空間68の左右両側には、図3に示すように、水栓ユニット70を支持する支持部材69が設けられている。支持部材69は、仕切板66の板面から突出したダボである。支持部材69は、左右の仕切板66に設けられている。支持部材69は、仕切板66の下端部に設けられている。支持部材69は、各仕切板66の前後に所定の間隔をあけて配置されている。
【0017】
水栓ユニット70は、図3に示すように、水栓配置空間68に配置されている。水栓ユニット70は、ベース部材71と各種の機能部品75とを備えている。水栓ユニット70は、ベース部材71に機能部品75が組み付けられてユニット化されている。機能部品75は、図2に示すように、吐水部72、水栓本体73、排水操作部74及び照明部(図示せず)などである。
【0018】
吐水部72は、ベース部材71の下面から下方に突出している。吐水部72には、可撓性を有する給水ホース(図示せず)の一端が接続されている。吐水部72は、吐水センサが使用者の手を検知することによって自動吐水され、吐水レバー78の操作によって手動吐水される。
【0019】
水栓本体73には、各種の配管Tが接続されている。配管Tは、冷水管79、温水管81、手動吐水用給水管82及び自動吐水用給水管83である。水栓本体73は、吐水レバー78によって設定された比率で温水と冷水とを混合する。手動吐水用給水管82及び自動吐水用給水管83は給水ホースに接続されている。配管Tは、ベース部材71から下方に垂下している。
【0020】
排水操作部74は、洗面ボウル30の排水口31に取り付けられた排水栓39を操作するレバーである。排水操作部74は、ワイヤ86によって排水器具85に取り付けられている。照明部は、水栓ユニット70に設けられた照明センサが使用者の手を検知することによって点灯する。
【0021】
ベース部材71は、図2に示すように、左右方向に長い箱形状をなしている。ベース部材71は、上面が開口している。ベース部材71の前壁71Aには、図示しない水栓カバーを取り付けるためのネジ孔H1が形成されている。ベース部材71の後壁71Bには、水栓ユニット70を室内の壁面11に固定するためのネジS1が挿通される挿通孔76が形成されている(図3参照)。挿通孔76は、ベース部材71の後壁71Bの上部に形成されている。挿通孔76は、左右方向に並んで設けられている。ベース部材71の後壁71Bの上端は、ベース部材71の前壁71Aの上端よりも上方に位置している。
【0022】
ベース部材71の底壁71Cには、図2に示すように、支持部材69に支持されるダボ受け部89が設けられている。ダボ受け部89は、ベース部材71の下面から上方に凹んだ窪みである。ダボ受け部89は、ベース部材71の左右両端部に設けられている。各ダボ受け部89は、ベース部材71の左側面及び右側面に開口している。各ダボ受け部89は、ベース部材71の前後両端部に設けられている。
【0023】
バックパネル40は、図4に示すように、パネル本体41と、フレーム42とを備えている。パネル本体41は、水栓ユニット70の配管Tが配置される配管配置空間49の手前側に立つ。パネル本体41は、洗面ボウル30の背面部35の奥側に立つ。
【0024】
パネル本体41は、図1に示すように、左右方向に長い略長方形の板状をなしている。パネル本体41の左右方向の寸法は、カウンター22の左右方向の寸法と同等である。パネル本体41の前面は、タイル張りや木目調印刷等の装飾が施されている。
【0025】
パネル本体41は、図9に示すように、フレーム42に対して着脱自在である。パネル本体41は、フレーム42の前面に取り付けられる。フレーム42は、図4に示すように、パネル本体41と室内の壁面11との間に配置される。フレーム42は、図7に示すように、左右に離れて2つ備えられている。2つのフレーム42の間には、水栓配置空間68の左右方向の寸法と同等の間隔があいている。一対のフレーム42は、洗面台20の奥端に配置されている。一対のフレーム42は、洗面台20の左右両端部に配置される。各フレーム42は、図6に示すように、室内の壁面11にネジS2によって固定される。
【0026】
各フレーム42は、図6に示すように、上下方向に延びる縦フレーム43と、左右方向に延びる横フレーム44とを備えている。縦フレーム43は、各フレーム42の左右に一対が備えられている。縦フレーム43の下端は、カウンター22の上面に接触する底面45である。
【0027】
左右の縦フレーム43は断面形状が異なっている(図5参照)。左右の縦フレーム43のうち一方の縦フレーム43(第1縦フレーム43Aと称する)は、他方の縦フレーム43(第2縦フレーム43Bと称する。)よりも軸線に直交する断面積が大きい。第1縦フレーム43Aの断面形状は正方形状をなしている。第2縦フレーム43Bの断面形状は長方形状をなしている。第1縦フレーム43Aの前後方向の寸法と第2縦フレーム43Bの前後方向の寸法とは等しい。第1縦フレーム43Aは、配管配置空間49側に配置される。第2縦フレーム43Bは、洗面台20の左右方向の端に配置される。
【0028】
横フレーム44は、図6に示すように、左右の縦フレーム43を連結する。横フレーム44は、左右の縦フレーム43を上下2カ所で連結している。上側の横フレーム44は、縦フレーム43の上端部を連結している。下側の横フレーム44は、縦フレーム43の上下方向における中心よりも下側の位置を連結している。上側の横フレーム44と下側の横フレーム44とは同じ形状である。横フレーム44は、縦フレーム43よりも前後方向の寸法が小さい。横フレーム44は、縦フレーム43の前後方向における後端に連結されている。縦フレーム43の後面と縦フレーム43との後面とは面一である。横フレーム44には、ネジS2が貫通する貫通孔46が形成されている。
【0029】
パネル本体41及びフレーム42は、図9に示すように、着脱自在な係合部47及び固定部48を有している。係合部47及び固定部48は、パネル本体41の左右両端部に設けられている。係合部47は、回転自在に係合する。係合部47は、フレーム42及びパネル本体41の下端部に設けられている。固定部48は、パネル本体41をフレーム42側に押すことによって嵌合する。固定部48は、パネル本体41とフレーム42とを固定状態に保持する。固定部48は、フレーム42及びパネル本体41の上下方向における中間部に設けられている。
【0030】
左右のフレーム42の間であってパネル本体41の奥側には、配管Tを配置する配管配置空間49が形成される。配管配置空間49は、図5に示すように、上方から見ると、左右方向に細長い空間である。配管Tは、左右方向に並んで配管配置空間49に配置される。配管Tは、上下方向に延びて配管配置空間49に配置される。
【0031】
配管配置空間49の上端には、図4に示すように、配管Tを上下方向に通す上側配管開口部51が形成されている。上側配管開口部51は、パネル本体41の上端、左右の第1縦フレーム43Aの上端及び室内の壁面11に囲まれてなる。配管配置空間49は、キャビネット60の水栓配置空間68に連通する。配管Tは、配管配置空間49から上方に延びて水栓ユニット70に接続される。
【0032】
配管配置空間49の下端には、配管Tを上下方向に通す下側配管開口部52が形成されている。下側配管開口部52は、パネル本体41の下端、左右の第1縦フレーム43Aの下端及び室内の壁面11に囲まれてなる。配管配置空間49は、カウンター22の開口部23に連通する。配管Tは、配管配置空間49から下方に延びて図示しない上水道などに接続される。
【0033】
洗面化粧台10の施工方法の一例を説明する。初めに、室内に洗面台20を取り付ける作業を行う。具体的には、洗面台20を床面に設置し、室内の壁面11に固定する。
【0034】
続いて、設置された洗面台20の上方にフレーム42を配置する作業を行う(図6参照)。具体的には、洗面台20の幅寸法にあわせて2つのフレーム42を洗面台20の左右両端部に配置し、その後、底面45をカウンター22の上面に載せ、ネジS2によって各フレーム42を室内の壁面11に固定する。ネジS2は、フレーム42の前面から締め込む。
【0035】
続いて、図7に示すように、固定されたフレーム42の上方にキャビネット60を取り付ける作業を行う。具体的には、キャビネット60の下面をフレーム42の上面に載置し、その後、ネジS3によってキャビネット60を室内の壁面11に固定する。ネジS3は、キャビネット60の前面から締め込む。
【0036】
続いて、図8に示すように、水栓ユニット70を水栓配置空間68の取付位置に仮置きする作業を行う。具体的には、水栓配置空間68の左右両側に設けられた支持部材69に、水栓ユニット70を載置し(図3参照)、その後、水栓ユニット70のダボ受け部89が支持部材69に嵌合する。これによって、水栓ユニット70の上下方向及び前後方向の位置が決まる。水栓ユニット70の左右両側面が、水栓配置空間68の左右両側の仕切板66に近接することによって、水栓ユニット70の左右方向の位置が決まる。
【0037】
水栓ユニット70を水栓配置空間68の取付位置に仮置きした状態では、水栓ユニット70の下面(ベース部材71の下面)は、仕切板66の下面よりも上側に位置する。取付位置に仮置きした水栓ユニット70は、取付位置から上方に持ち上げることができる。水栓ユニット70を取付位置に配置すると、水栓ユニット70から垂下した配管Tは、配管配置空間49に延びる。水栓ユニット70を水栓配置空間68に仮置きした状態で、照明センサ等の電気配線を、制御ユニットに接続する。この電気配線の接続は、水栓ユニット70をビス固定した後に、実施してもよい。
【0038】
続いて、図9に示すように、キャビネット60の下方にパネル本体41を取り付ける作業を行う。具体的には、初めに、水栓ユニット70を取付位置から退避位置に持ち上げる。退避位置は、水栓ユニット70の吐水部72がパネル本体41の取り付け作業の邪魔にならない位置である。次に、パネル本体41及びフレーム42の係合部47を係合する。パネル本体41は、係合部47によって回動自在に支持される。次に、パネル本体41の上端を奥側へ押してパネル本体41を回転させる。パネル本体41は係合部47を中心に回転する。この回転によって、パネル本体41の固定部48が、フレーム42の固定部48に手前側から押し付けられる。この結果、固定部48が嵌合し、パネル本体41とフレーム42とが固定状態に保持される。この保持によって、パネル本体41の取り付け作業が完了する。
【0039】
続いて、水栓ユニット70を水栓配置空間68の取付位置に固定する作業を行う。具体的には、初めに、退避位置に持ち上げていた水栓ユニット70を、取付位置に下ろす。この結果、水栓ユニット70は支持部材69に載置されて仮置き状態になる。仮置き状態では、水栓ユニット70のベース部材71の後壁71Bに設けられたネジ孔H1は、図示しないキャビネット60の貫通孔と前後方向に連なる。次に、前面からネジS3を挿入して水栓ユニット70をキャビネット60及び室内の壁面11に固定する。次に、水栓ユニット70の上方に水栓配置底板67Aを設置する。最後に、水栓ユニット70の前面に水栓カバーを取り付ける。
【0040】
続いて、図10に示すように、洗面ボウル30を洗面台20に取り付ける作業を行う。具体的には、初めに、洗面ボウル30をボルト33及びナット34で洗面台20に固定する。次に、洗面ボウル30の排水口31に取り付けられた排水接続部32に排水器具85を取り付ける。次に、洗面台20の内部において洗面ボウル30の排水口31と図示しない排水トラップとを接続する。最後に、水栓ユニット70から垂下した配管Tを上水道や給湯器と接続する。以上により、洗面化粧台10の施工が完了する。
【0041】
上記の実施形態の作用および効果について説明する。バックパネル40は、吐水部72に連通する配管Tを配置する配管配置空間49の手前側に立つパネル本体41を有している。配管Tは、パネル本体41の上端の位置から上方に引き出される。この構成によれば、バックパネル40の上方に配置した吐水部72の配管Tを、パネル本体41によって隠すことができるから、バックパネル40の上方に見栄え良く吐水部72を配置できる。
【0042】
バックパネル40は、室内の壁面11とパネル本体41との間に配置されるフレーム42を有している。パネル本体41は、フレーム42に対して着脱自在である。この構成によれば、洗面化粧台10の設置やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0043】
フレーム42は、左右に離れて2つ備えられている。この構成によれば、フレーム42の左右方向の配置を変えることによって、バックパネル40の幅寸法を変えることができる。したがって、幅寸法が異なる洗面化粧台10に共通のフレーム42を使用できる。
【0044】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、フレームは、左右に離れて2つ備えられている。これに限らず、フレームは1つのみであってもよい。フレームは、洗面台の幅寸法にあわせて異なるものを使用してもよい。
(2)上記実施形態では、フレームは、左右に離れて2つ備えられている。これに限らず、フレームは、洗面台の幅寸法にあわせて3つ以上を使用してもよい。
(3)上記実施形態では、吐水部72がベース部材71に組み付けられてユニット化されている。これに限らず、吐水部はユニット化されていなくてもよい。
(4)上記実施形態では、配管Tの具体例を示した。これに限らず、配管の本数や種類は変更できる。
(5)上記実施形態では、パネル本体とフレームとが係合部及び固定部を有している。これに限らず、パネル本体とフレームとの着脱構造は任意に変更できる。
【符号の説明】
【0045】
T…配管、10…洗面化粧台、11…室内の壁面(パネル本体の後側に位置する壁)、40…バックパネル(洗面化粧台用バックパネル)、41…パネル本体、42…フレーム、49…配管配置空間、72…吐水部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10